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特許7536633仕訳データ作成システム及び仕訳データ作成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】仕訳データ作成システム及び仕訳データ作成方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/12 20230101AFI20240813BHJP
   G06Q 20/06 20120101ALI20240813BHJP
【FI】
G06Q40/12
G06Q20/06
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020213236
(22)【出願日】2020-12-23
(65)【公開番号】P2022099455
(43)【公開日】2022-07-05
【審査請求日】2023-10-02
(73)【特許権者】
【識別番号】500191691
【氏名又は名称】株式会社ミロク情報サービス
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】近藤 浩史
(72)【発明者】
【氏名】上田 達大
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】特許第6542941(JP,B1)
【文献】特許第6409115(JP,B1)
【文献】特表2020-528586(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理装置と、送金依頼者に対応する依頼者端末と、受取人に対応する受取人端末とを有する仕訳データ作成システムであって、
前記管理装置は、
前記送金依頼者から前記受取人への送金情報をブロックチェーンに記憶させる装置側記憶制御部を有し、
前記依頼者端末及び受取人端末は、
前記ブロックチェーンに記憶されている送金情報に基づいて、前記送金情報に対応する仕訳データを生成する仕訳データ生成部と、
前記仕訳データ生成部が生成した前記仕訳データを端末に設けられている記憶部に記憶させる端末側記憶制御部と、
を有する、
仕訳データ作成システム。
【請求項2】
前記依頼者端末及び受取人端末は、前記仕訳データに含まれる勘定科目を示す勘定科目情報と、前記仕訳データを識別するためのデータ識別情報とを前記管理装置に送信する送信部を有し、
装置側記憶制御部は、受信した前記勘定科目情報と、前記データ識別情報とを関連付けて前記ブロックチェーンに記憶させ、
前記依頼者端末及び受取人端末は、前記記憶部に記憶されている前記仕訳データに含まれる勘定科目に対応する勘定科目情報と、前記ブロックチェーンに記憶されている前記仕訳データの前記データ識別情報に関連付けられている前記勘定科目情報とが一致しているか否かに基づいて前記仕訳データの正当性を検証する検証部を有する、
請求項1に記載の仕訳データ作成システム。
【請求項3】
前記仕訳データ生成部は、前記勘定科目のハッシュ値を前記勘定科目情報として生成する、
請求項2に記載の仕訳データ作成システム。
【請求項4】
前記端末側記憶制御部は、前記仕訳データ生成部が生成した前記仕訳データと、前記仕訳データが生成された日時を示すタイムスタンプ情報とを関連付けて前記記憶部に記憶させ、
前記依頼者端末及び受取人端末は、前記タイムスタンプ情報と、前記仕訳データを識別するためのデータ識別情報とを前記管理装置に送信する送信部を有し、
装置側記憶制御部は、受信した前記タイムスタンプ情報と、前記データ識別情報とを関連付けて前記ブロックチェーンに記憶させ、
前記依頼者端末及び受取人端末は、前記記憶部に記憶されている前記仕訳データに関連付けられている前記タイムスタンプ情報と、前記ブロックチェーンに記憶されている前記仕訳データの前記データ識別情報に関連付けられている前記タイムスタンプ情報とが一致しているか否かに基づいて前記仕訳データの正当性を検証する検証部を有する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の仕訳データ作成システム。
【請求項5】
前記仕訳データ生成部は、前記検証部により前記仕訳データが正当ではないと判定されると、前記ブロックチェーンに記憶されている送金情報に基づいて、前記送金情報に対応する仕訳データを再生成する、
請求項2から4のいずれか一項に記載の仕訳データ作成システム。
【請求項6】
管理装置と、送金依頼者に対応する依頼者端末と、受取人に対応する受取人端末とが実行する仕訳データ作成方法であって、
前記管理装置が、前記送金依頼者から前記受取人への送金情報をブロックチェーンに記憶させるステップと、
前記依頼者端末及び受取人端末が、前記ブロックチェーンに記憶されている送金情報に基づいて、前記送金情報に対応する仕訳データを生成するステップと、
前記依頼者端末及び受取人端末が、生成された前記仕訳データを端末に設けられている記憶部に記憶させるステップと、
を有する仕訳データ作成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕訳データ作成システム及び仕訳データ作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、企業等において、請求データ等の電子データに基づいて仕訳データを作成することが行われている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-022230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
仕訳データを作成するための電子データは、企業内で管理され、改ざんされるリスクがある。このため、電子データの改ざんのリスクを抑制し、信頼性の高い仕訳データを作成することが求められている。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、信頼性の高い仕訳データを作成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る仕訳データ作成システムは、管理装置と、送金依頼者に対応する依頼者端末と、受取人に対応する受取人端末とを有する仕訳データ作成システムであって、前記管理装置は、前記送金依頼者から前記受取人への送金情報をブロックチェーンに記憶させる装置側記憶制御部を有し、前記依頼者端末及び受取人端末は、前記ブロックチェーンに記憶されている送金情報に基づいて、前記送金情報に対応する仕訳データを生成する仕訳データ生成部と、前記仕訳データ生成部が生成した前記仕訳データを端末に設けられている記憶部に記憶させる端末側記憶制御部と、を有する。
【0007】
前記依頼者端末及び受取人端末は、前記仕訳データに含まれる勘定科目を示す勘定科目情報と、前記仕訳データを識別するためのデータ識別情報とを前記管理装置に送信する送信部を有し、装置側記憶制御部は、受信した前記勘定科目情報と、前記データ識別情報とを関連付けて前記ブロックチェーンに記憶させ、前記依頼者端末及び受取人端末は、前記記憶部に記憶されている前記仕訳データに含まれる勘定科目に対応する勘定科目情報と、前記ブロックチェーンに記憶されている前記仕訳データの前記データ識別情報に関連付けられている前記勘定科目情報とが一致しているか否かに基づいて前記仕訳データの正当性を検証する検証部を有してもよい。
前記仕訳データ生成部は、前記勘定科目のハッシュ値を前記勘定科目情報として生成してもよい。
【0008】
前記端末側記憶制御部は、前記仕訳データ生成部が生成した前記仕訳データと、前記仕訳データが生成された日時を示すタイムスタンプ情報とを関連付けて前記記憶部に記憶させ、前記依頼者端末及び受取人端末は、前記タイムスタンプ情報と、前記仕訳データを識別するためのデータ識別情報とを前記管理装置に送信する送信部を有し、装置側記憶制御部は、受信した前記タイムスタンプ情報と、前記データ識別情報とを関連付けて前記ブロックチェーンに記憶させ、前記依頼者端末及び受取人端末は、前記記憶部に記憶されている前記仕訳データに関連付けられている前記タイムスタンプ情報と、前記ブロックチェーンに記憶されている前記仕訳データの前記データ識別情報に関連付けられている前記タイムスタンプ情報とが一致しているか否かに基づいて前記仕訳データの正当性を検証する検証部を有してもよい。
【0009】
前記仕訳データ生成部は、前記検証部により前記仕訳データが正当ではないと判定されると、前記ブロックチェーンに記憶されている送金情報に基づいて、前記送金情報に対応する仕訳データを再生成してもよい。
【0010】
本発明の第2の態様に係る仕訳データ作成方法は、管理装置と、送金依頼者に対応する依頼者端末と、受取人に対応する受取人端末とが実行する仕訳データ作成方法であって、前記管理装置が、前記送金依頼者から前記受取人への送金情報をブロックチェーンに記憶させるステップと、前記依頼者端末及び受取人端末が、前記ブロックチェーンに記憶されている送金情報に基づいて、前記送金情報に対応する仕訳データを生成するステップと、前記依頼者端末及び受取人端末が、生成された前記仕訳データを端末に設けられている記憶部に記憶させるステップと、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、信頼性の高い仕訳データを作成することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態に係る仕訳データ作成システムの概要を示す図である。
図2】本実施形態に係る管理装置の構成を示す図である。
図3】本実施形態に係る送金情報の一例を示す図である。
図4】本実施形態に係る検証用情報の一例を示す図である。
図5】本実施形態に係る依頼者端末の構成を示す図である。
図6】本実施形態に係る仕訳データ生成部が生成した仕訳データの一例である。
図7】本実施形態に係る受取人端末の構成を示す図である。
図8】本実施形態に係る仕訳データ作成システムにおける仕訳データ作成時の処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[管理装置1の概要]
図1は、本実施形態に係る仕訳データ作成システムSの概要を示す図である。仕訳データ作成システムSは、管理装置1と、依頼者端末2と、受取人端末3とを有し、仕訳データを作成するためのシステムである。管理装置1は、送金を行ったり、送金情報を管理したりするサーバであり、依頼者端末2と受取人端末3とに、インターネットや携帯電話回線等の通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。
【0014】
管理装置1は、送金を依頼する送金依頼者から送金指示を受け付けると、送金先である受取人の口座に送金を行う。管理装置1は、送金依頼者から受取人への送金が完了すると、送金依頼者から受取人に送金したことを示す送金情報をブロックチェーンに記憶させる。ブロックチェーンは、複数の記憶装置から構成されており、ブロックチェーンに記憶されている同一の情報を分散して記憶している。ブロックチェーンは、一度記憶したデータに対する改ざんが困難であるという特徴を有していることから、送金情報をブロックチェーンに記憶させることにより、送金情報が改ざんされることを抑制することができる。
【0015】
依頼者端末2は、例えば、送金依頼者が使用する端末であり、例えばパーソナルコンピュータ等のコンピュータである。送金依頼者は、会社等の組織又は組織に属する人物であり、送金する人物と、依頼者端末2を使用する人物とが異なっていてもよいものとする。依頼者端末2は、ブロックチェーンに記憶されている送金情報に基づいて仕訳データを生成し、自身に設けられている記憶部に記憶させる。
【0016】
受取人端末3は、例えば、受取人が使用する端末であり、例えばパーソナルコンピュータ等のコンピュータである。受取人は、会社等の組織又は組織に属する人物である。受取人端末3は、ブロックチェーンに記憶されている送金情報に基づいて仕訳データを生成し、自身に設けられている記憶部に記憶させる。このようにすることで、仕訳データ作成システムSは、改ざんが困難であるブロックチェーンに記憶されている送金情報に基づいて、信頼性の高い仕訳データを作成することができる。また、送金依頼者と受取人との双方で、同一の送金情報に基づいて仕訳データを作成するので、送金依頼者と受取人とが生成したそれぞれの仕訳データの整合性を取ることができる。
【0017】
[管理装置1の構成]
続いて、仕訳データ作成システムSが有する管理装置1、依頼者端末2、及び受取人端末3の構成を説明する。まず、管理装置1の構成を説明する。図2は、本実施形態に係る管理装置1の構成を示す図である。図2に示すように、管理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。制御部13は、決済処理部131と、装置側記憶制御部132とを有する。
【0018】
通信部11は、管理装置1が、依頼者端末2、受取人端末3、及びブロックチェーンを構成する複数の記憶装置等の外部装置との間でデータを送受信するネットワークに接続するためのインターフェイスであり、例えばLANコントローラを含んで構成されている。
【0019】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶している。例えば、記憶部12は、制御部13を、決済処理部131及び装置側記憶制御部132として機能させるプログラムを記憶している。
【0020】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、決済処理部131及び装置側記憶制御部132として機能する。
【0021】
決済処理部131は、送金依頼者から、送金依頼者の口座番号、受取人の口座番号、及び受取人への送金額を含む送金指示を受け付ける。決済処理部131は、受け付けた送金指示に基づいて受取人に送金を行う。例えば、記憶部12には、送金依頼者及び受取人の口座が設けられており、口座番号と口座の残高とが関連付けて記憶されている。決済処理部131は、送金指示を受け付けると、送金指示に含まれる送金依頼者の口座番号の口座から、受取人の口座番号の口座に、送金指示に含まれる送金額が示す金額を移動させることにより決済を行う。
【0022】
決済処理部131は、決済が完了すると装置側記憶制御部132に送金情報を出力する。図3は、本実施形態に係る送金情報の一例を示す図である。図3に示すように、送金情報には、送金情報を識別するための取引IDと、決済が実行された日時を示す決済日時と、送金依頼者に対応し、決済処理を利用する利用者を識別する利用者識別情報と、受取人に対応する利用者識別情報と、送金額とが含まれている。利用者情報は、会社名や個人名であるものとするが、これに限らず、利用者を一意に識別可能なコード情報であったり、会社名や個人名とコード情報との組み合わせであったりしてもよい。
【0023】
装置側記憶制御部132は、決済処理部131から出力された送金情報を取得すると、取得した送金情報をブロックチェーンに記憶させる。
装置側記憶制御部132は、依頼者端末2及び受取人端末3において生成された仕訳データが正当な仕訳データであることを検証可能とするために、仕訳データに含まれる勘定科目を示す勘定科目情報を記憶する。
【0024】
具体的には、装置側記憶制御部132は、依頼者端末2又は受取人端末3から送信された、仕訳データに含まれる勘定科目を識別するための勘定科目識別情報と、当該勘定科目を示す勘定科目情報とを受信する。勘定科目情報は、勘定科目をハッシュ関数に入力することによりハッシュ関数から出力されるハッシュ値であるものとする。勘定科目識別情報は、同じ勘定科目であっても、仕訳データごと、勘定科目ごとに異なる情報である。例えば、第1の仕訳データに含まれている借方勘定科目が「仕入」、貸方勘定科目が「売上」であり、第2の仕訳データに含まれている借方勘定科目が「仕入」、貸方勘定科目が「売上」である場合、これらの4つの勘定科目に対して、異なる勘定科目識別情報が付される。
【0025】
装置側記憶制御部132は、受信した勘定科目識別情報と、勘定科目情報とを関連付けて検証用情報としてブロックチェーンに記憶させる。図4は、本実施形態に係る検証用情報の一例を示す図である。図4に示すように、検証用情報が、勘定科目識別情報と勘定科目情報とを関連付けた情報であることが確認できる。
【0026】
[依頼者端末2の構成]
続いて、依頼者端末2の構成を説明する。図5は、本実施形態に係る依頼者端末2の構成を示す図である。図5に示すように、依頼者端末2は、操作部21と、表示部22と、通信部23と、記憶部24と、制御部25とを有する。制御部25は、仕訳データ生成部251と、端末側記憶制御部252と、送信部253と、検証部254とを有する。
【0027】
操作部21は、依頼者端末2のユーザとしての送金依頼者の操作を受け付ける操作デバイスであり、例えばマウス及びキーボードである。
表示部22は、各種の情報を表示するディスプレイである。
【0028】
通信部23は、依頼者端末2が管理装置1、ブロックチェーンを構成する記憶装置等の外部装置との間でデータを送受信するネットワークに接続するためのインターフェイスであり、例えばLANコントローラを含んで構成されている。
【0029】
記憶部24は、ROM及びRAM等を含む記憶媒体である。記憶部24は、制御部25が実行するプログラムを記憶している。例えば、記憶部24は、制御部25を、仕訳データ生成部251、端末側記憶制御部252、送信部253、及び検証部254として機能させる会計プログラムを記憶している。
【0030】
制御部25は、例えばCPUである。制御部25は、記憶部24に記憶された会計プログラムを実行することにより、仕訳データ生成部251、端末側記憶制御部252、送信部253、及び検証部254として機能する。
【0031】
仕訳データ生成部251は、ブロックチェーンに記憶されている送金情報に基づいて、送金情報に対応する仕訳データを生成する。例えば、会計プログラムでは、予め、依頼者端末2を使用する送金依頼者の利用者識別情報が登録されている。仕訳データ生成部251は、所定時間おきにブロックチェーンに記憶されている送金情報のうち、登録されている利用者識別情報を含み、自身が一度も取得していない送金情報を取得する。仕訳データ生成部251は、取得した送金情報を表示部22に表示させ、依頼者端末2の利用者から当該送金情報に対応する仕訳データに対応する勘定科目等の入力を受け付けることにより仕訳データを生成する。
【0032】
仕訳データ生成部251は、ヘッダ情報と、明細情報とを含む仕訳データを生成する。図6は、本実施形態に係る仕訳データ生成部251が生成した仕訳データの一例である。図6(a)は、仕訳データのヘッダ情報を示し、図6(b)は仕訳データの明細情報を示している。ヘッダ情報は、図6(a)に示すように、明細情報とデータを連結するためのキーと、取引IDと、金額とを関連付けた情報である。明細情報は、図6(b)に示すように、キーと、借方勘定科目コードと、借方勘定科目と、借方勘定科目に対応する勘定科目識別情報と、貸方勘定科目コードと、貸方勘定科目と、貸方勘定科目に対応する勘定科目識別情報とを関連付けた情報である。なお、ヘッダ情報及び明細情報の少なくともいずれかには、仕訳データの生成日時等の他の情報が含まれていてもよい。
【0033】
また、仕訳データ生成部251は、生成した仕訳データに含まれる借方勘定科目及び貸方勘定科目のハッシュ値を勘定科目情報として生成する。具体的には、仕訳データ生成部251は、借方勘定科目及び貸方勘定科目のそれぞれをハッシュ関数に入力し、ハッシュ関数から出力されるハッシュ値を勘定科目情報として取得する。
【0034】
なお、仕訳データ生成部251は、依頼者端末2の利用者から送金情報に対応する仕訳データの入力を受け付けることにより仕訳データを生成したが、これに限らない。仕訳データ生成部251は、送金情報に含まれる、取引相手の利用者識別情報と金額とに基づいて仕訳データを生成してもよい。
【0035】
この場合、記憶部24には、取引相手の利用者識別情報と、金額の範囲と、借方勘定科目と貸方勘定科目との組み合わせとが関連付けて記憶されている。仕訳データ生成部251は、取得した送金情報に含まれる取引相手の利用者識別情報と、金額とに関連付けられている借方勘定科目と貸方勘定科目との組み合わせを特定し、特定した組合せが示す借方勘定科目及び貸方勘定科目を含む仕訳データを生成する。仕訳データ生成部251は、依頼者端末2の利用者から、仕訳データ生成部251が生成した仕訳データの訂正を受け付けてもよい。
【0036】
端末側記憶制御部252は、仕訳データ生成部251が生成した仕訳データを、依頼者端末2に設けられている記憶部24に記憶させる。
送信部253は、仕訳データ生成部251が仕訳データ及び勘定科目情報を生成すると、当該勘定科目情報と、当該仕訳データを識別するためのデータ識別情報としての勘定科目識別情報とを管理装置1に送信する。管理装置1に送信された勘定科目情報及び勘定科目識別情報は、管理装置1により検証用情報としてブロックチェーンに記憶される。
【0037】
なお、本実施形態において、送信部253が勘定科目情報及び勘定科目識別情報を管理装置1に送信し、管理装置1が当該勘定科目情報及び勘定科目識別情報をブロックチェーンに記憶させることとしたが、これに限らない。例えば、端末側記憶制御部252が、管理装置1を介さずに勘定科目情報及び勘定科目識別情報をブロックチェーンに記憶させることとしてもよい。
【0038】
検証部254は、記憶部24に記憶されている仕訳データに含まれる勘定科目に対応する勘定科目情報と、ブロックチェーンに記憶されている仕訳データのデータ識別情報に関連付けられている勘定科目情報とが一致しているか否かに基づいて仕訳データの正当性を検証する。
【0039】
具体的には、検証部254は、操作部21を介して依頼者端末2の利用者から、定期的又は会計監査前に仕訳データの検証操作を受け付ける。検証部254は、検証操作を受け付けると、記憶部24に記憶されている検証対象の複数の仕訳データのうち、一件の仕訳データを抽出する。検証部254は、抽出した仕訳データに含まれる借方勘定科目及び貸方勘定科目のそれぞれの勘定科目情報を生成する。また、検証部254は、ブロックチェーンに記憶されている検証用情報を参照し、抽出した仕訳データに含まれている借方勘定科目及び貸方勘定科目のそれぞれの勘定科目識別情報に関連付けられている勘定科目情報を取得する。
【0040】
検証部254は、抽出した仕訳データから生成した勘定科目情報と、ブロックチェーンから取得した勘定科目情報とが一致しているか否かに基づいて仕訳データの正当性を検証する。検証部254は、抽出した仕訳データから生成した勘定科目情報と、ブロックチェーンから取得した勘定科目情報とが一致している場合、当該仕訳データが正当であると判定し、一致していない場合、当該仕訳データの改ざんの可能性があると判定する。そして、検証部254は、判定結果を表示部22に表示させる。ここで、検証部254は、改ざんの可能性がある判定結果のみを表示部22に表示させるようにしてもよい。検証部254は、記憶部24に記憶されている監査対象の全ての仕訳データを順次抽出して正当性を検証し、判定結果を表示部22に表示させる。
【0041】
なお、仕訳データ生成部251は、検証部254により仕訳データが正当ではないと判定されると、ブロックチェーンに記憶されている当該仕訳データに対応する送金情報に基づいて、当該仕訳データを再生成してもよい。例えば、仕訳データ生成部251は、検証部254により仕訳データが正当ではないと判定されると、当該仕訳データを破棄する。また、仕訳データ生成部251は、ブロックチェーンから当該仕訳データに対応する送金情報を取得して表示部22に表示させ、依頼者端末2の利用者から当該送金情報に対応する仕訳データの入力を受け付けることにより仕訳データを再生成する。このようにすることで、利用者は、正当ではない仕訳データが存在した場合に、当該仕訳データを訂正することができる。
【0042】
なお、検証部254は、勘定科目情報に基づいて仕訳データの正当性を検証したが、これに限らず、他の情報を用いて仕訳データの正当性を検証してもよい。例えば、検証部254は、仕訳データが生成された日時を示すタイムスタンプ情報を用いて仕訳データの正当性を検証してもよい。
【0043】
この場合、まず、端末側記憶制御部252は、仕訳データ生成部251が生成した仕訳データと、当該仕訳データが生成された日時を示すタイムスタンプ情報とを関連付けて記憶部24に記憶させる。送信部253は、仕訳データ生成部251が仕訳データを識別する仕訳データ識別情報と、タイムスタンプ情報とを管理装置1に送信する。仕訳データ識別情報は、例えば、取引IDである。管理装置1の装置側記憶制御部132は、仕訳データ識別情報及びタイムスタンプ情報を受信すると、これらの情報を関連付けて検証用情報としてブロックチェーンに記憶させる。
【0044】
検証部254は、記憶部24に記憶されている仕訳データに関連付けられているタイムスタンプ情報と、ブロックチェーンに記憶されている仕訳データ識別情報に関連付けられているタイムスタンプ情報とが一致しているか否かに基づいて仕訳データの正当性を検証する。例えば、仕訳データ生成部251による仕訳データの生成とは異なる手法で仕訳データが作成され、タイムスタンプ情報がブロックチェーンに記憶されなかった場合やタイムスタンプ情報が改ざんされた場合に、タイムスタンプ情報に基づいて、当該仕訳データが不正であることを検出することができる。
【0045】
[受取人端末3の構成]
続いて、受取人端末3の構成を説明する。図7は、本実施形態に係る受取人端末3の構成を示す図である。図7に示すように、受取人端末3は、操作部31と、表示部32と、通信部33と、記憶部34と、制御部35とを有する。制御部35は、仕訳データ生成部351と、端末側記憶制御部352と、送信部353と、検証部354とを有する。
【0046】
操作部31は、送金依頼者及び送金依頼者の関係者等のユーザの操作を受け付ける操作デバイスであり、例えばマウス及びキーボードである。
表示部32は、各種の情報を表示するディスプレイである。
【0047】
通信部33は、受取人端末3が管理装置1、ブロックチェーンを構成する記憶装置等の外部装置との間でデータを送受信するネットワークに接続するためのインターフェイスであり、例えばLANコントローラを含んで構成されている。
【0048】
記憶部34は、ROM及びRAM等を含む記憶媒体である。記憶部34は、制御部35が実行するプログラムを記憶している。例えば、記憶部34は、制御部35を、仕訳データ生成部351、端末側記憶制御部352、送信部353、及び検証部354として機能させる会計プログラムを記憶している。
【0049】
制御部35は、例えばCPUである。制御部35は、記憶部34に記憶された会計プログラムを実行することにより、仕訳データ生成部351、端末側記憶制御部352、送信部353、及び検証部354として機能する。仕訳データ生成部351、端末側記憶制御部352、送信部353、及び検証部354の機能は、仕訳データ生成部251、端末側記憶制御部252、送信部253、及び検証部254の機能と同じ機能であるので説明を省略する。
【0050】
[仕訳データ作成時の処理の流れ]
続いて、仕訳データ作成システムSにおける仕訳データ作成時の処理の流れについて説明する。図8は、本実施形態に係る仕訳データ作成システムSにおける仕訳データ作成時の処理の流れを示すシーケンス図である。
【0051】
まず、決済処理部131は、送金依頼者から、送金依頼者の口座番号、受取人の口座番号、及び受取人への送金額を含む送金指示を受け付ける(S1)。
続いて、決済処理部131は、送金指示に基づいて決済処理を行い、送金情報を装置側記憶制御部132に出力する(S2)。
続いて、装置側記憶制御部132は、決済処理部131から出力された送金情報をブロックチェーンに記憶させる(S3)。
【0052】
続いて、依頼者端末2の仕訳データ生成部251は、ブロックチェーンに記憶されている送金情報のうち、会計プログラムに登録した利用者識別情報を含む送金情報を取得する(S4)。
仕訳データ生成部251は、取得した送金情報に含まれる、取引相手の利用者識別情報と金額とに基づいて仕訳データを生成するとともに、仕訳データに含まれる勘定科目を示す勘定科目情報を生成する(S5)。
【0053】
端末側記憶制御部252は、仕訳データ生成部251が生成した仕訳データを、依頼者端末2に設けられている記憶部24に記憶させる(S6)。
送信部253は、仕訳データ生成部251が生成した仕訳データに含まれる勘定科目識別情報と、仕訳データ生成部251が生成した勘定科目情報とを管理装置1に送信する(S7)。
【0054】
管理装置1の装置側記憶制御部132は、依頼者端末2から送信された勘定科目識別情報と、勘定科目情報とを受信すると、これらの情報を関連付けて検証用情報としてブロックチェーンに記憶させる(S8)。
【0055】
受取人端末3の仕訳データ生成部351は、ブロックチェーンに記憶されている送金情報のうち、会計プログラムに登録した利用者識別情報を含む送金情報を取得する(S9)。
仕訳データ生成部351は、取得した送金情報に含まれる、取引相手の利用者識別情報と金額とに基づいて仕訳データを生成するとともに、仕訳データに含まれる勘定科目を示す勘定科目情報を生成する(S10)。
【0056】
端末側記憶制御部352は、仕訳データ生成部351が生成した仕訳データを、受取人端末3に設けられている記憶部34に記憶させる(S11)。
送信部353は、仕訳データ生成部351が生成した仕訳データに含まれる勘定科目識別情報と、仕訳データ生成部351が生成した勘定科目情報とを管理装置1に送信する(S12)。
【0057】
管理装置1の装置側記憶制御部132は、受取人端末3から送信された勘定科目識別情報と、勘定科目情報とを受信すると、これらの情報を関連付けて検証用情報としてブロックチェーンに記憶させる(S13)。
【0058】
なお、本シーケンス図では、S4からS8までの処理が行われた後にS9からS13までの処理が行われることとしたが、これに限らない。S9からS13までの処理が行われた後にS4からS8までの処理が行われてもよいし、S4からS8までの処理と、S9からS13までの処理とが並列に処理されてもよい。
【0059】
[本実施形態における効果]
以上説明したように、本実施形態に係る仕訳データ作成システムSにおいて、管理装置1は、送金依頼者から受取人への送金情報をブロックチェーンに記憶させる。また、依頼者端末2及び受取人端末3は、ブロックチェーンに記憶されている送金情報に基づいて、送金情報に対応する仕訳データを生成し、自身に設けられている記憶部に記憶させる。このようにすることで、仕訳データ作成システムSは、改ざんが困難であるブロックチェーンに記憶されている送金情報に基づいて、信頼性の高い仕訳データを作成することができる。
【0060】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。また、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0061】
1・・・管理装置、11・・・通信部、12・・・記憶部、13・・・制御部、131・・・決済処理部、132・・・装置側記憶制御部、2・・・依頼者端末、21・・・操作部、22・・・表示部、23・・・通信部、24・・・記憶部、25・・・制御部、251・・・仕訳データ生成部、252・・・端末側記憶制御部、253・・・送信部、254・・・検証部、3・・・受取人端末、31・・・操作部、32・・・表示部、33・・・通信部、34・・・記憶部、35・・・制御部、351・・・仕訳データ生成部、352・・・端末側記憶制御部、353・・・送信部、354・・・検証部
図1
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