(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】切削装置
(51)【国際特許分類】
B23D 79/06 20060101AFI20240813BHJP
B23Q 17/09 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
B23D79/06
B23Q17/09 A
B23Q17/09 H
(21)【出願番号】P 2021016133
(22)【出願日】2021-02-03
【審査請求日】2023-12-25
(31)【優先権主張番号】P 2020016513
(32)【優先日】2020-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】三ツ橋 正
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 雅浩
【審査官】増山 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-030065(JP,A)
【文献】特開2016-137551(JP,A)
【文献】実開昭61-039345(JP,U)
【文献】米国特許第05077941(US,A)
【文献】韓国登録特許第10-0778535(KR,B1)
【文献】中国特許出願公開第101590614(CN,A)
【文献】特開2011-031388(JP,A)
【文献】特開2016-215359(JP,A)
【文献】特許第3312154(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23D 79/06
B23D 79/02
B23Q 17/09
B25J 13/08
B24B 49/05
B23P 15/16
B23P 15/44
G05B 19/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物を切削加工する切削装置であって、
刃を備えた切削部と、
前記切削部を駆動する駆動部と、
テスト加工と本加工とを行うように前記駆動部の作動を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、
前記テスト加工において、予め想定した前記本加工での加工力より小さいテスト加工力で前記切削部により前記被加工物を切削加工するように前記駆動部の作動を制御し、
前記本加工において、前記テスト加工で前記被加工物に形成された加工痕の形状に基づいて決定した本加工力で前記切削部により前記被加工物の複数個所を切削加工するように前記駆動部の作動を制御する、ように構成されていることを特徴とする切削装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記本加工において、前記テスト加工で前記被加工物に形成された前記加工痕の場所を前記切削部により切削加工するように前記駆動部の作動を制御する、ように構成されている、請求項1に記載の切削装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記被加工物の表面の、仮想的に分割した複数の領域のそれぞれにおいて、前記テスト加工と前記本加工とを行うように前記駆動部の作動を制御する、ように構成されている、請求項1または2に記載の切削装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記テスト加工で形成された前記加工痕の幅と予め定められた閾値との比較に基づいて、前記本加工力を決定するように構成されている、請求項1~3の何れか1項に記載の切削装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記テスト加工で形成された前記加工痕の深さと予め定められた閾値との比較に基づいて、前記本加工力を決定するように構成されている、請求項1~3の何れか1項に記載の切削装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記テスト加工で形成された前記加工痕の幅と予め定められた閾値との比較及び前記テスト加工で形成された前記加工痕の深さと予め定められた閾値との比較に基づいて、前記本加工力を決定するように構成されている、請求項1~3の何れか1項に記載の切削装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記テスト加工において、前記テスト加工力で前記切削部による切削加工を行った後、加工力を増加させながら前記切削部による切削加工を複数回行うように前記駆動部の作動を制御し、
加工痕が予め設定された条件を最初に満たした場合に、当該加工痕を形成したときの加工力を前記本加工力として決定するように構成されている、請求項1~5の何れか1項に記載の切削装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被加工物を切削加工する切削装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鋼材等の被加工物を切削加工する切削装置として、刃を備えたスクレイパー等の切削部を駆動部により駆動して、被加工物の表面を切削部により切削加工する構成のものが知られている。
【0003】
上記構成の切削装置では、同じ加工条件で切削加工を行っても、切削部の刃の劣化に伴って加工痕の幅が狭くなるなどして加工精度が低下するので、切削部の刃の状態に応じて加工条件を変更したり切削部を交換したりする必要がある。
【0004】
例えば特許文献1には、カメラから得た撮影画像に基づいて、被加工物の表面に形成された加工痕の形状が基準外であるか否かを判断し、基準外であると判断した場合に、切削部であるスクレイパーの切込み角度を増加させ、加工痕に筋が入ったと判断した場合にはスクレイパーを交換するようにした切削装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1に記載された切削装置では、被加工物の本加工において加工痕の形状を判断し、スクレイパーの切込み角度を増加させるようにしているので、変更後の切込み角度が大き過ぎた場合に、スクレイパーによって被加工物の表面が不意に深堀りされて被加工物に不良な加工痕が形成され、加工精度が低下してしまう虞があるという問題点があった。被加工物の表面の一部が深堀りされると、被加工物の表面全体の加工をやり直す必要が生じることになる。
【0007】
本発明は、上記課題を鑑みて成されたものであり、その目的は、切削部の刃の状態に係わらず、被加工物の表面を精度よく切削加工することが可能な切削装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の切削装置は、被加工物を切削加工する切削装置であって、刃を備えた切削部と、前記切削部を駆動する駆動部と、テスト加工と本加工とを行うように前記駆動部の作動を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記テスト加工において、予め想定した前記本加工での加工力より小さいテスト加工力で前記切削部により前記被加工物を切削加工するように前記駆動部の作動を制御し、前記本加工において、前記テスト加工で前記被加工物に形成された加工痕の形状に基づいて決定した本加工力で前記切削部により前記被加工物の複数個所を切削加工するように前記駆動部の作動を制御する、ように構成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の切削装置は、上記構成において、前記制御部は、前記本加工において、前記テスト加工で前記被加工物に形成された前記加工痕の場所を前記切削部により切削加工するように前記駆動部の作動を制御する、ように構成されているのが好ましい。
【0010】
本発明の切削装置は、上記構成において、前記制御部は、前記被加工物の表面の、仮想的に分割した複数の領域のそれぞれにおいて、前記テスト加工と前記本加工とを行うように前記駆動部の作動を制御する、ように構成されているのが好ましい。
【0011】
本発明の切削装置は、上記構成において、前記制御部は、前記テスト加工で形成された前記加工痕の幅と予め定められた閾値との比較に基づいて、前記本加工力を決定するように構成されているのが好ましい。
【0012】
本発明の切削装置は、上記構成において、前記制御部は、前記テスト加工で形成された前記加工痕の深さと予め定められた閾値との比較に基づいて、前記本加工力を決定するように構成されているのが好ましい。
【0013】
本発明の切削装置は、上記構成において、前記制御部は、前記テスト加工で形成された前記加工痕の幅と予め定められた閾値との比較及び前記テスト加工で形成された前記加工痕の深さと予め定められた閾値との比較に基づいて、前記本加工力を決定するように構成されているのが好ましい。
【0014】
本発明の切削装置は、上記構成において、前記制御部は、前記テスト加工において、前記テスト加工力で前記切削部による切削加工を行った後、加工力を増加させながら前記切削部による切削加工を複数回行うように前記駆動部の作動を制御し、加工痕が予め設定された条件を最初に満たした場合に、当該加工痕を形成したときの加工力を前記本加工力として決定するように構成されているのが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、切削部の刃の状態に係わらず、被加工物の表面を精度よく切削加工することが可能な切削装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施の形態の切削装置の構成を概略で示す説明図である。
【
図2】閾値を用いて加工力を決定する方法を説明するための説明図である。
【
図3】
図1に示す制御部が行う制御のフローチャート図である。
【
図4】変形例の切削装置の構成を概略で示す説明図である。
【
図5】変形例の切削装置における閾値を用いて加工力を決定する方法を説明するための説明図である。
【
図6】他の変形例の切削装置の構成を概略で示す説明図である。
【
図7】他の変形例の切削装置における閾値を用いて加工力を決定する方法を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1に示す本発明の一実施の形態の切削装置1は、被加工物としてのワーク2を切削加工するものである。切削装置1は、切削部(切削工具)としてスクレイパー10を備えており、スクレイパー10により、ワーク2の表面である被加工面2aを切削加工することができる。
【0018】
本実施の形態では、切削装置1は、スクレイパー10により、ワーク2の被加工面2aにある微小な凹凸の凸部を、適度に凹部を残すように切削加工するとともに、当該切削加工を被加工面2aの全体の凸部に対して行って、被加工面2aをキサゲ加工するように構成されている。すなわち、本実施の形態では、切削装置1はキサゲ加工装置である。
【0019】
本実施の形態の切削装置1によりキサゲ加工されたワーク2の被加工面2aには、多数の加工痕(キサゲ痕)を有するキサゲ面が形成される。切削装置1によりキサゲ加工されるワーク2は、例えば、工作機械に用いられるガイドレール、スライダなどの、摺動面を有する金属(鋼材)製の部材であるが、他の部材等であってもよい。
【0020】
本実施の形態においては、スクレイパー10がワーク2の被加工面2aの凸部を切削加工する際の、ワーク2に対するスクレイパー10の送り方向をY軸方向とし、ワーク2の被加工面2aに垂直な方向(上下方向)をZ軸方向とし、Y軸方向及びZ軸方向に垂直な方向をX軸方向とする。
【0021】
スクレイパー10は、例えば炭素鋼等の鋼材製であり、棒状の本体部11の先端に刃12を一体に有している。本体部11は、厚みよりも幅が大きい断面矩形の板状となっており、本体部11の先端面と下面との間の角部が刃12を構成している。
【0022】
スクレイパー10は、本体部11の先端に、例えば超硬材等で形成された刃先部が固定され、この刃先部に刃12が設けられた構成とすることもできる。この場合、刃先部は、本体部11にロー付け等で固定された構成としてもよく、締結部材等を用いて本体部11に着脱可能に固定されることで、容易に交換が可能な構成としてもよい。
【0023】
図1に示すように、切削装置1は、スクレイパー10を駆動する駆動部として、基台3に搭載されたロボットアーム20を備えている。
【0024】
スクレイパー10は、ロボットアーム20の先端に固定されたホルダー30に刃12を露出させた状態で保持される。ロボットアーム20は、ホルダー30に保持されたスクレイパー10を、Y軸方向、Z軸方向、Y軸方向に移動させることで、被加工面2aの任意の位置においてスクレイパー10を切削動作させることができる。
【0025】
本実施の形態では、ロボットアーム20は、基台3に固定された本体部21と、本体部21に第1回動部22により回動可能に連結された第1アーム部23と、第1アーム部23に第2回動部24により回動可能に連結された第2アーム部25と、第2アーム部25の先端に設けられた第3回動部26と、を有する多関節ロボットである。ホルダー30は第3回動部26に固定され、第2アーム部25の先端に対して第3回動部26を中心として回動自在となっている。
【0026】
ロボットアーム20は、第1回動部22、第2回動部24及び第3回動部26をサーボモータ等の駆動源によって回動させるとともに、本体部21を基台3に対して垂直軸を中心として回動させることで、スクレイパー10をY軸方向、Z軸方向及びX軸方向に移動させることができる。
【0027】
切削装置1は、力覚センサー40を備えた構成とすることができる。力覚センサー40は、ワーク2に対してスクレイパー10が加える加工力(Z軸方向の荷重)を検出することができる。
【0028】
切削装置1は、カメラ50を備えた構成とすることができる。カメラ50は、ワーク2の被加工面2aの全面を撮影し、撮影した画像の画像データを取得することができる。
【0029】
切削装置1は制御部60を備えている。制御部60は、中央演算処理装置(CPU)60aとメモリ等の記憶手段60bとを備えたマイクロコンピュータとしての機能を有しており、ロボットアーム20、力覚センサー40及びカメラ50に接続されている。記憶手段60bは、力覚センサー40、カメラ50などから入力されるデータ、スクレイパー10を切削動作させるようにロボットアーム20の作動を制御するためのプログラム、入力部等から入力された加工条件などを記憶することができる。
【0030】
制御部60は、ロボットアーム20の作動を制御して、スクレイパー10によるワーク2の切削加工を実行することができる。
【0031】
また、制御部60は、力覚センサー40から入力されるデータに基づいて、ワーク2に対するスクレイパー10の実際の加工力の情報を取得し、当該情報に基づいて、切削加工におけるスクレイパー10の加工力を制御目標に調整するようにロボットアーム20の作動を制御することができる。
【0032】
さらに、制御部60は、画像処理部60cを有しており、カメラ50から入力される画像データを画像処理部60cにおいて画像解析処理して、スクレイパー10による切削加工によってワーク2の被加工面2aに形成された加工痕の形状ないし幅を認識することができる。なお、画像処理部60cは、その機能が、中央演算処理装置60aが記憶手段60bに記憶されたプログラムを実行することで実現されるように構成されていてもよい。
【0033】
本実施の形態の切削装置1では、制御部60は、ロボットアーム20の作動を制御して、スクレイパー10により、ワーク2に対してテスト加工と本加工とを行うように構成されている。
【0034】
ここで、テスト加工は、本加工における加工力を決定するために、本加工を行う前にワーク2に対して行う切削加工であり、本加工は、テスト加工の後、テスト加工で決定した本加工力でワーク2に対して複数回行う切削加工である。本加工が行われることで、ワーク2の被加工面2aには、多数の加工痕(キサゲ痕)からなるキサゲ面が形成される。
【0035】
より具体的には、制御部60は、テスト加工において、ロボットアーム20の作動を制御して、予め想定した本加工での加工力より小さいテスト加工力で、スクレイパー10によりワーク2を切削加工するとともに、上記テスト加工を行った後、本加工において、ロボットアーム20の作動を制御して、テスト加工でワーク2に形成された加工痕の形状に基づいて決定した本加工力で、スクレイパー10によりワーク2の複数個所を切削加工するように構成されている。
【0036】
テスト加工におけるテスト加工力は、例えば、以下の手順で行う準備工程において、予め設定することができる。
【0037】
すなわち、準備工程において、本加工を行うワーク2と同じ材質の準備用被加工物(準備用ワーク)を用意し、新品のスクレイパー10を用いて、加工力を種々変更しながら準備用被加工物の表面を切削加工し、所望の形状(正常な形状)の加工痕が形成される加工力を本加工での加工力と想定する。そして、テスト加工力を、上記準備工程において予め想定した本加工での加工力より小さい加工力に設定する。設定されたテスト加工力は、記憶手段60bに記憶させる。
【0038】
なお、切削装置1の加工対象として、材質が異なる複数種類のワーク2が用いられることが想定される場合には、上記準備工程において、材質が互いに異なる複数種類のワーク2に対応した複数種類の準備用被加工物(準備用ワーク)を用意し、それぞれのワーク2に対して上記と同様の手順で本加工での加工力を想定し、テスト加工力を、これら想定される本加工での加工力のうち最も小さい加工力より小さい加工力に設定すればよい。
【0039】
制御部60は、例えば、テスト加工で形成された加工痕の幅と、予め定められた閾値との比較に基づいて、本加工力を決定する構成とすることができる。
【0040】
この場合、テスト加工で形成された加工痕の幅は、当該加工痕をカメラ50で撮影し、その画像データを画像処理部60cにおいて解析し、加工痕の形状を認識するとともに認識した形状から加工痕の幅を計測することで得ることができる。なお、加工痕の幅とは、切削加工を行う際のスクレイパー10の移動方向(送り方向)に垂直な方向の加工痕の最大の幅である。
【0041】
図2に示すように、本加工力を決定するための閾値は、例えば、複数の閾値A、B、Cとして設定することができる。これらの閾値A、B、Cの情報は、数値テーブル(データテーブル)として記憶手段60bに記憶される。
【0042】
図示する場合では、閾値Aは、準備工程において、新品のスクレイパー10により形成された所望の形状(正常な形状)の加工痕すなわち想定される本加工での加工痕の幅Wよりも小さい値に設定され、閾値Bは閾値Aよりも小さい値に設定され、閾値Cは閾値Bよりも小さい値に設定されている。閾値Cは、スクレイパー10の刃12が、交換が必要な程度に劣化している場合の加工痕の幅に対応している。
【0043】
閾値A以上は範囲RA、閾値B以上かつ閾値A未満は範囲RB、閾値C以上かつ閾値B未満は範囲RC、閾値C未満は範囲RDとなっており、それぞれの範囲RA~RCには、それぞれ対応する加工力FA~FCが設定されている。
【0044】
加工力FAは、準備工程において予め想定した本加工での加工力より小さいテスト加工力で準備用被加工物を切削加工したときに加工痕の幅が範囲RAに含まれる幅aとなった場合に、当該幅aと想定される本加工での加工痕の幅Wとの相対関係を考慮して、本加工における加工痕が、準備工程において所望の形状(正常な形状)とした加工痕と同程度の幅を有するものとなるように、テスト加工力以上の加工力に設定される。同様に、加工力FBは、テスト加工力で準備用被加工物を切削加工したときに加工痕の幅が範囲RBに含まれる幅bとなった場合に、当該幅bと想定される本加工での加工痕の幅Wとの相対関係を考慮して、本加工における加工痕が、準備工程において所望の形状(正常な形状)とした加工痕と同程度の幅を有するものとなるように、テスト加工力及び加工力FAよりも大きい加工力に設定されている。また同様に、加工力FCは、テスト加工力で準備用被加工物を切削加工したときに加工痕の幅が範囲RCに含まれる幅cとなった場合に、当該幅cと想定される本加工での加工痕の幅Wとの相対関係を考慮して、本加工における加工痕が、準備工程において所望の形状(正常な形状)とした加工痕と同程度の幅を有するものとなるように、テスト加工力、加工力FA及び加工力FBよりも大きい加工力に設定されている。
【0045】
加工力FA~FCは、例えば、準備工程において、新品のスクレイパー10を用いて、加工力を種々変更しながら準備用被加工物の表面を切削加工し、それぞれの加工における加工痕の幅のデータを取得するととともに、刃12の劣化状態が相違する複数種類のスクレイパー10を用いて、加工力を種々変更しながら準備用被加工物の表面を切削加工し、それぞれの加工における加工痕の幅のデータを取得し、これら取得したデータの相関関係から得ることができる。
【0046】
制御部60は、上記手順で計測したテスト加工での加工痕の幅WTを閾値A~Cと比較し、何れの範囲RA~RDに属するかを判断する。そして、制御部60は、テスト加工での加工痕の幅WTが範囲RA~RCの何れかに属した場合には、当該属した範囲RA~RCに対応する加工力FA~FCを本加工力として設定し、当該本加工力で、スクレイパー10によりワーク2の複数個所を切削加工するように、ロボットアーム20の作動を制御し、ワーク2に対する本加工を実行する。
【0047】
一方、制御部60は、テスト加工での加工痕の幅WTが範囲RDに属する幅dである場合には、スクレイパー10の刃12が寿命であると判断し、ワーク2に対して本加工を行うことなく、スクレイパー10の交換を実行した後、ワーク2に対して次のテスト加工を行うように、ロボットアーム20の作動を制御する。スクレイパー10の交換は、ロボットアーム20の先端のホルダー30としてスクレイパー10を自動着脱可能なものを用い、交換用のスクレイパー10を保持したマガジンとの間で、自動的に行う構成とすることができる。
【0048】
次に、
図3に示すフローチャート図を参照しつつ、上記構成を有する切削装置1の、ワーク2を切削加工(キサゲ加工)する際の動作について説明する。
【0049】
切削装置1が作動を開始すると、まず、ステップS1において、制御部60は、ワーク2に対してテスト加工を行うように、ロボットアーム20の作動を制御する。すなわち、制御部60は、予め想定した本加工での加工力より小さいテスト加工力でスクレイパー10によりワーク2を切削加工するように、ロボットアーム20の作動を制御する。なお、テスト加工において、スクレイパー10によりワーク2に対して行われる切削加工はキサゲ加工であり、当該キサゲ加工は、ワーク2の被加工面2aの一か所のみに対して行われる。
【0050】
次に、ステップS2において、テスト加工により被加工面2aに形成された加工痕がカメラ50により撮影され、ステップS3において、制御部60の画像処理部60cは、カメラ50により撮影された加工痕の画像データを解析し、テスト加工での加工痕の幅WTを測定する。
【0051】
次に、ステップS4において、制御部60は、カメラ50で撮影したテスト加工における加工痕の幅が閾値A以上であるか否かを判定する。
【0052】
ステップS4において、制御部60が、カメラ50で撮影したテスト加工における加工痕の幅WTが閾値A以上であると判定した場合、制御部60は、閾値A以上の範囲RAに対応した加工力FAを本加工力に設定する。そして、ステップS5において、制御部60は、ロボットアーム20の作動を制御して、当該加工力FAでワーク2の本加工を実行する。
【0053】
一方、ステップS4において、制御部60が、カメラ50で撮影したテスト加工における加工痕の幅WTが閾値A以上ではないと判定した場合、ステップS6において、制御部60は、カメラ50で撮影したテスト加工における加工痕の幅WTが閾値B以上であるか否かを判定する。
【0054】
ステップS6において、制御部60が、カメラ50で撮影したテスト加工における加工痕の幅WTが閾値B以上であると判定した場合、制御部60は、閾値B以上の範囲RBに対応した加工力FBを本加工力に設定する。そして、ステップS7において、制御部60は、ロボットアーム20の作動を制御して、当該加工力FBでワーク2の本加工を実行する。
【0055】
一方、ステップS6において、制御部60が、カメラ50で撮影したテスト加工における加工痕の幅WTが閾値B以上ではないと判定した場合、ステップS8において、制御部60は、カメラ50で撮影したテスト加工における加工痕の幅WTが閾値C以上であるか否かを判定する。
【0056】
ステップS8において、制御部60が、カメラ50で撮影したテスト加工における加工痕の幅WTが閾値C以上であると判定した場合、制御部60は、閾値C以上の範囲RCに対応した加工力FCを本加工力に設定する。そして、ステップS9において、制御部60は、ロボットアーム20の作動が制御して、当該加工力FCでワーク2の本加工を実行する。
【0057】
一方、ステップS8において、制御部60が、カメラ50で撮影したテスト加工における加工痕の幅WTが閾値C以上ではないと判定した場合、ステップS10において、制御部60はスクレイパー10の交換を実行するように、ロボットアーム20及びマガジン等の作動を制御する。スクレイパー10が交換されると、制御部60は、再度、ステップS1におけるテスト加工から、上記と同様の手順を実行する。
【0058】
このように、本実施の形態の切削装置1では、加工対象となるワーク2に対し、本加工を行う前に、同一のワーク2に対してテスト加工を行い、このテスト加工でワーク2の被加工面2aに形成された加工痕の形状に基づいて本加工で用いる本加工力を決定し、本加工を行うようにしたので、本加工を行う際の本加工力として、スクレイパー10の刃12の状態に応じた適切な加工力を設定することができる。すなわち、同一のテスト加工力でワーク2の被加工面2aを切削加工しても、スクレイパー10の刃12の劣化の状態により加工痕の幅は相違することになるので、テスト加工でワーク2に形成される加工痕の幅が狭いほど、スクレイパー10の刃12の劣化が進行していると判断し、その分、スクレイパー10が新品の場合に所望の加工痕が得られる加工力よりも大きな加工力を本加工力として設定することで、本加工において、所望の形状の加工痕が得られるようにしている。したがって、本実施の形態の切削装置1によれば、スクレイパー10の刃12の状態に係わらず、ワーク2の被加工面2aを、スクレイパー10により精度よく切削加工ないしキサゲ加工することができる。
【0059】
また、本実施の形態の切削装置1では、テスト加工によりワーク2の被加工面2aに形成される加工痕の幅WTに基づいて本加工力を決定するようにしているので、本加工を行う際の本加工力として、スクレイパー10の刃12の状態だけでなく、ワーク2の材質ないし硬さにも応じた適切な加工力を設定することができる。したがって、本実施の形態の切削装置1によれば、スクレイパー10の刃12の状態やワーク2の硬さに係わらず、ワーク2の被加工面2aを精度よく切削加工ないしキサゲ加工することができる。
【0060】
さらに、本実施の形態の切削装置1では、テスト加工におけるテスト加工力を、予め想定した本加工での加工力より小さい加工力に設定するようにしているので、テスト加工において、ワーク2の被加工面2aがスクレイパー10により不意に深堀りされることを防止することができる。これにより、ワーク2が不意に深堀りされて、加工精度が低下し、あるいは再度被加工面2aの全体を切削加工し直す必要が生じることを防止することができる。
【0061】
さらに、本実施の形態の切削装置1では、一度テスト加工を行って本加工力を設定すれば、本加工において、設定した本加工力でワーク2の複数(多数)の箇所を切削加工することができるので、テスト加工に掛かる時間の増加を抑制して、ワーク2の被加工面2aの全体を効率よく切削加工することができる。
【0062】
さらに、本実施の形態の切削装置1では、スクレイパー10の刃12が、交換が必要な程度に劣化した場合には、これを判別して、スクレイパー10を交換することができる。これにより、刃12が過度に劣化したスクレイパー10によってワーク2の被加工面2aが切削加工されることで加工精度が低下してしまうことを防止して、ワーク2を精度よく切削加工ないしキサゲ加工することができる。
【0063】
さらに、本実施の形態の切削装置1では、制御部60を、テスト加工で形成された加工痕の幅WTと予め定められた閾値A、B、Cとの比較に基づいて、本加工力を決定する構成としたので、簡単な構成で容易に所望の本加工力を決定することができる。
【0064】
本実施の形態において、制御部60は、本加工において、テスト加工でワーク2に形成された加工痕の場所をスクレイパー10により切削加工するように、ロボットアーム20の作動を制御する構成とすることができる。
【0065】
すなわち、テスト加工力は、予め想定した本加工での加工力より小さい値に設定されるので、テスト加工においてワーク2に形成される加工痕は、本加工によりワーク2に形成される加工痕よりも幅が小さいものとなるので、テスト加工でワーク2に形成された加工痕の場所を、本加工において、テスト加工力よりも大きい本加工力で、再度スクレイパー10により切削加工を行う構成とすることで、ワーク2のテスト加工が行われた部分に所望の形状の加工痕を形成することができる。
【0066】
この構成によれば、テスト加工を行った部分を含めて、ワーク2の被加工面2aの全体を精度よく切削加工ないしキサゲ加工することができる。
【0067】
また、本実施の形態において、制御部60は、ワーク2の被加工面2aの、仮想的に分割した複数の領域のそれぞれにおいて、テスト加工と本加工とを行うように、ロボットアーム20の作動を制御する構成とすることができる。
【0068】
すなわち、制御部60は、例えばカメラ50により撮影されたワーク2の被加工面2aの画像に基づいて被加工面2aを複数の領域に仮想的に分割し、それぞれの領域において、テスト加工を行った後、本加工を行うように、ロボットアーム20の作動を制御する構成とすることができる。
【0069】
この構成によれば、ワーク2の被加工面2aの全体を切削加工ないしキサゲ加工する際、それぞれの領域の切削加工を開始する毎に、スクレイパー10の刃12の状態をテスト加工によって確認し、当該状態に応じた本加工力を設定することができる。よって、スクレイパー10の刃12の状態に応じたより適切な本加工力で、ワーク2の被加工面2aの全体をより精度よく切削加工ないしキサゲ加工することができる。
【0070】
さらに、本実施の形態において、制御部60は、テスト加工で形成された加工痕の幅WTと予め定められた閾値A、B、Cとの比較に基づいて、本加工力を決定する構成に限らず、テスト加工において、テスト加工力でスクレイパー10による切削加工を行った後、加工力を増加させながらスクレイパー10による切削加工を複数回行うようにロボットアーム20の作動を制御し、加工痕が予め設定された条件を最初に満たした場合に、当該加工痕を形成したときの加工力を本加工力として決定する構成とすることもできる。
【0071】
すなわち、予め想定した本加工での加工力よりも小さいテスト加工力で切削加工が行われるテスト加工においては、ワーク2の被加工面2aがスクレイパー10により深堀りされることがないので、テスト加工の後、テスト加工力よりも大きい加工力となるように徐々に加工力を増加させながら繰り返し切削加工を行い、当該切削加工による加工痕が、予め設定された条件を最初に満たした場合に、当該加工痕を形成したときの加工力を本加工力として設定することで、ワーク2の被加工面2aがスクレイパー10により深堀りされることなく、所望の加工痕を得られる本加工力を設定することができる。この場合においても、制御部60は、加工痕が予め設定された条件を最初に満たすか否かを、加工痕の幅が予め設定された幅に達したか否かに基づいて判断することができる。
【0072】
この構成によれば、実際に所望の加工痕を得られることが確認された加工力を本加工力として設定することができるので、スクレイパー10の刃12の状態やワーク2の硬さに係わらず、ワーク2の被加工面2aをより精度よく切削加工ないしキサゲ加工することができる。
【0073】
上記のように、本実施の形態の切削装置1は、カメラ50を備え、制御部60が、テスト加工において、カメラ50で撮影した加工痕の画像を画像処理することで加工痕の幅W
Tを取得し、この加工痕の幅W
Tと予め定められた閾値A、B、Cとの比較に基づいて、本加工力を決定するように構成されているが、これに限らず、
図4に変形例として示すように、カメラ50に替えて形状計測器70を備え、制御部60が、テスト加工において、形状計測器70により加工痕の形状を計測することで加工痕の深さD
Tを取得し、
図5に示すように、加工痕の深さD
Tと予め定められた閾値A、B、Cとの比較に基づいて、本加工力を決定するように構成されたものとすることもできる。
【0074】
この場合、形状計測器70としては、例えば白色光干渉計など、加工痕の三次元形状を計測することが可能な種々の計測器を用いることができる。
【0075】
また、閾値Aは、準備工程において、新品のスクレイパー10により形成された所望の形状(正常な形状)の加工痕すなわち想定される本加工での加工痕の深さDよりも小さい値に設定され、閾値Bは閾値Aよりも小さい値に設定され、閾値Cは閾値Bよりも小さい値に設定される。閾値Cは、スクレイパー10の刃12が、交換が必要な程度に劣化している場合の加工痕の深さに対応したものとされる。さらに、閾値A以上は範囲RA、閾値B以上かつ閾値A未満は範囲RB、閾値C以上かつ閾値B未満は範囲RC、閾値C未満は範囲RDに設定され、それぞれの範囲RA~RCには、それぞれ対応する加工力FA~FCが設定される。
【0076】
そして、制御部60は、
図3に示す場合と同様の手順で、テスト加工における加工痕の深さD
Tに対応した加工力を設定し、当該加工力で本加工を実行するようにロボットアーム20の作動を制御するように構成される。
【0077】
上記構成の変形例の切削装置1によっても、本加工を行う際の本加工力として、スクレイパー10の刃12の状態に応じた適切な加工力を設定することができる。すなわち、同一のテスト加工力でワーク2の被加工面2aを切削加工しても、スクレイパー10の刃12の劣化の状態が大きいほど加工痕の深さは浅くなるので、変形例の切削装置1では、テスト加工でワーク2に形成される加工痕の深さが浅いほど、スクレイパー10の刃12の劣化が進行していると判断し、その分、スクレイパー10が新品の場合に所望の加工痕が得られる加工力よりも大きな加工力を本加工力として設定することで、本加工において、所望の形状の加工痕が得られるようにしている。
【0078】
このように、
図4、
図5に示す変形例の切削装置1によっても、スクレイパー10の刃12の状態に係わらず、ワーク2の被加工面2aを、スクレイパー10により精度よく切削加工ないしキサゲ加工することができる。
【0079】
本実施の形態の切削装置1は、他の変形例として、
図6に示すように、カメラ50と形状計測器70の両方を備え、制御部60が、テスト加工において、カメラ50で撮影した加工痕の画像を画像処理することで加工痕の幅W
Tを取得するとともに、形状計測器70により加工痕の形状を計測することで加工痕の深さD
Tを取得し、
図7に示すように、加工痕の幅W
Tと予め定められた閾値A、B、Cとの比較及び加工痕の深さD
Tと予め定められた閾値A、B、Cとの比較に基づいて、本加工力を決定する構成とすることもできる。
【0080】
この場合、加工痕の幅WTとの比較に用いられる閾値A、B、Cの値と、加工痕の深さDTとの比較に用いられる閾値A、B、Cの値は、それぞれ個別に設定される。また、範囲RA~RCは、例えば、加工痕の幅WTが閾値Aより大きく且つ加工痕の深さDTが閾値Aより小さい場合には範囲RBに設定するというように、加工痕の幅WTの閾値A、B、Cとの比較及び加工痕の深さDTの閾値A、B、Cとの比較のうち、より小さい閾値Aに対応する範囲に合わせて設定される。そして、これら範囲RA~RCに対応して加工力FA~FCが設定される。
【0081】
このような他の変形例の切削装置1によれば、スクレイパー10の刃12の劣化の状態を、加工痕の幅WTと加工痕の深さDTの両方に基づいて正確に判断することができるので、本加工における加工力をスクレイパー10の刃12の状態により適したものに設定することを可能として、スクレイパー10の刃12の状態に係わらず、ワーク2の被加工面2aを、スクレイパー10により精度よく切削加工ないしキサゲ加工することができる。
【0082】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0083】
例えば、前記実施の形態では、切削装置1を、キサゲ加工を行う構成のものとしたが、これ限らず、ワーク2の被加工面2aを切削加工するものであれば、キサゲ加工を行うものに限られない。この場合、切削部として、スクレイパー10に替えて、当該切削加工に適した種々の切削工具等を用いることができる。
【0084】
また、前記実施の形態では、テスト加工で形成された加工痕の幅WTないし加工痕の深さDTと比較するための閾値として、3つの閾値A、B、Cを用いるようにしているが、閾値の数は3つに限らず、任意の数だけ設定することができる。
【0085】
さらに、前記実施の形態では、制御部60は、テスト加工で形成された加工痕の幅WTないし加工痕の深さDTから本加工力を決定するために、数値テーブル(データテーブル)に記載されて記憶手段60bに記憶された閾値A、B、Cを用いる構成とされているが、これに限らず、テスト加工で形成された加工痕の幅ないし加工痕の深さ、テスト加工力の値などを、記憶手段60bに格納された数式に代入することで、本加工力を算出する構成とすることもできる。
【0086】
さらに、切削装置1は、上記した準備工程を、当該装置で自動的に行う構成としてもよい。この場合、準備工程において、加工力ないしスクレイパー10を種々変更して行われる複数回の切削加工について、それぞれの加工力を力覚センサー40で検出するとともに加工痕の形状をカメラ50で撮影し、これらの情報を制御部60に蓄積してデータ化し、当該データに基づいて、テスト加工力、閾値A~C、加工力FA~FC等を設定する構成とすることができる。
【0087】
さらに、準備工程において、切削加工を準備用被加工物に対して行うに限らず、製品となるワーク2の、仕上がりの際に除去される部分に対して切削加工を行うようにしてもよい。
【0088】
さらに、前記実施の形態では、駆動部として、ロボットアーム20を例示したが、これらに限らず、スクレイパー10を駆動して移動させることができるものであれば、ロボットアーム20以外の種々の構成のものを採用することができる。
【0089】
さらに、テスト加工において、同一の加工力により複数回のテスト加工を行い、これら複数回のテスト加工で得た複数の加工痕の平均の幅ないし平均の深さを、閾値A、B、Cと比較する加工痕の幅WTないし加工痕の深さDTとして用いるようにしてもよく、あるいは、複数回のテスト加工で得た複数の加工痕の最大の幅ないし最大の深さを、閾値A、B、Cと比較する加工痕の幅WTないし加工痕の深さDTとして用いるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0090】
1 切削装置
2 ワーク(被加工物)
2a 被加工面(表面)
3 基台
10 スクレイパー(切削部)
11 本体部
12 刃
20 ロボットアーム(駆動部)
21 本体部
22 第1回動部
23 第1アーム部
24 第2回動部
25 第2アーム部
26 第3回動部
30 ホルダー
40 力覚センサー
50 カメラ
60 制御部
60a 中央演算処理装置
60b 記憶手段
60c 画像処理部
70 形状計測器