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特許7536680汚泥脱水機、汚泥処理設備、汚泥脱水方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】汚泥脱水機、汚泥処理設備、汚泥脱水方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 11/125 20190101AFI20240813BHJP
   B01D 29/11 20060101ALI20240813BHJP
   B01D 29/17 20060101ALI20240813BHJP
   B01D 29/25 20060101ALI20240813BHJP
   B01D 29/37 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
C02F11/125 ZAB
B01D29/10 510C
B01D29/10 520E
B01D29/10 530D
B01D29/30 501
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021023558
(22)【出願日】2021-02-17
(65)【公開番号】P2022125778
(43)【公開日】2022-08-29
【審査請求日】2023-03-20
(73)【特許権者】
【識別番号】523183714
【氏名又は名称】月島JFEアクアソリューション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100206391
【弁理士】
【氏名又は名称】柏野 由布子
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【弁理士】
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】倭 常郎
(72)【発明者】
【氏名】河岸 正泰
(72)【発明者】
【氏名】富 雄暉
(72)【発明者】
【氏名】河野 良輔
【審査官】目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-121253(JP,A)
【文献】特開2007-263424(JP,A)
【文献】特開昭61-263648(JP,A)
【文献】特開昭60-167913(JP,A)
【文献】特開2020-121254(JP,A)
【文献】特開2020-131169(JP,A)
【文献】特開2020-199443(JP,A)
【文献】特開2017-213479(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1049965(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D29/00-37/04
C02F11/00-11/20
B30B9/00-9/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に温水が供給されるケーシングと、
少なくとも一部が前記温水に浸かるように前記ケーシング内に設けられ、その内部に供給される汚泥を濾過する濾材と、
前記ケーシングの内部に前記温水を供給する温水供給手段と、を備え、
前記温水供給手段は、前記濾材に対向して設けられた複数の孔を有し、前記複数の孔から前記濾材に向けて温水を供給することを特徴とする汚泥脱水機。
【請求項2】
前記濾材は、縦方向に延びる軸線を中心とした円筒状または円錐状をなして前記ケーシング内に配設される内濾過スクリーンと、前記内濾過スクリーンと同軸の円筒状または円錐状をなして前記内濾過スクリーンの外側に間隔を空けて前記ケーシング内に配設される外濾過スクリーンと、を備え、
前記温水供給手段は、
前記内濾過スクリーンの内側の前記空間を前記軸線方向に延びるとともに表面に前記複数の孔を備える略円筒状の長棒部と、
前記長棒部の下部から前記長棒部の径方向の少なくとも一方に延び前記外濾過スクリーンの外周面よりも前記径方向の外側まで延びる略円筒状の底棒部と、
前記底棒部の先端部から前記長棒部に沿って前記軸線方向上向きに所定距離延びるとともに前記径方向の内側を向く表面に前記複数の孔を備える略円筒状の外棒部と、を備え、
前記長棒部、前記底棒部、および前記外棒部に前記温水が流通可能であり、
前記長棒部が前記軸線方向回りに回転するとともに前記複数の孔から前記温水が噴出されることを特徴とする請求項1に記載の汚泥脱水機。
【請求項3】
内部に温水が供給されるケーシングと、
前記ケーシングの内部に前記温水を供給する温水供給手段と、
縦方向に延びる軸線を中心とした円筒状または円錐状をなして少なくとも一部が前記温水に浸かるように前記ケーシング内に配設されるとともに供給される汚泥を濾過する内濾過スクリーンと、
前記内濾過スクリーンと同軸の円筒状または円錐状をなして少なくとも一部が前記温水に浸かるように前記内濾過スクリーンの外側に間隔を空けて前記ケーシング内に配設されるとともに供給される汚泥を濾過する外濾過スクリーンと、を備え、
前記温水供給手段は、上方から前記内濾過スクリーンの内側の空間に前記温水を供給することを特徴とする汚泥脱水機。
【請求項4】
前記温水を循環させる循環手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の汚泥脱水機。
【請求項5】
前記温水を循環させる循環手段をさらに備え、
前記内濾過スクリーンと前記外濾過スクリーンとの間の空間が第1の空間とされるとともに、
前記内濾過スクリーンの内側の空間と前記外濾過スクリーンの外側の空間とが第2の空間とされ、
前記循環手段は、前記第2の空間に接続されるとともに前記温水を前記ケーシングの外部に導出する取水口と、前記第2の空間に接続されるとともに前記取水口から前記ケーシングの外部に導出した前記温水を前記第2の空間に噴出して前記温水の旋回流を形成する供給口と、
を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の汚泥脱水機。
【請求項6】
請求項1から請求項5の何れか一項に記載の汚泥脱水機を備えることを特徴とする汚泥処理設備。
【請求項7】
縦方向に延びる軸線を中心とした円筒状または円錐状をなして前記ケーシング内に配設される内濾過スクリーンと、
前記内濾過スクリーンと同軸の円筒状または円錐状をなして前記内濾過スクリーンの外側に間隔を空けて前記ケーシング内に配設される外濾過スクリーンと、を備え、
上方から前記内濾過スクリーンの内側の空間に温水を供給する温水供給ステップと、
下方から前記内濾過スクリーンと前記外濾過スクリーンとの間の空間に汚泥を供給する汚泥供給ステップと、
前記汚泥を前記ケーシング内の一端側から他端側に搬送する搬送ステップと、
を備えることを特徴とする汚泥脱水方法。
【請求項8】
前記温水供給ステップでは、
前記内濾過スクリーンの内側の前記空間を前記軸線方向に延びるとともに表面に複数の孔を備え前記軸線方向回りに回転可能な円筒状の長棒部と、
前記長棒部の下部から前記長棒部の径方向の少なくとも一方に延びるとともに前記外濾過スクリーンの外周面よりも前記径方向の外側まで延びる円筒状の底棒部と、
前記底棒部の先端部から前記長棒部に沿って前記軸線方向上向きに所定距離延びるとともに前記径方向の内側を向く表面に複数の孔を備える円筒状の外棒部と、
の前記複数の孔を介して前記温水を供給することを特徴とする請求項7に記載の汚泥脱水方法。
【請求項9】
前記温水を循環させる温水循環ステップをさらに備えることを特徴とする請求項7又は8に記載の汚泥脱水方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば下水処理場から発生する下水汚泥等の汚泥(有機性汚泥)を脱水する汚泥脱水機、この汚泥脱水機を備える汚泥処理設備、汚泥を汚泥脱水機によって脱水する汚泥脱水方法に関する。
【背景技術】
【0002】
汚泥の処理設備および処理方法に用いられる脱水機として、例えば特許文献1に開示されるスクリューを備える縦型の脱水機が知られている。即ち、ケーシングと同軸の縦方向に延びる軸線を中心とした円筒状または円錐状をなしてケーシング内に配設される内濾過スクリーンと、この内濾過スクリーンと同軸の円筒状または円錐状をなして内濾過スクリーンの外側に間隔をあけてケーシング内に配設される外濾過スクリーンと、上記軸線回りに捩れる螺旋状をなして内濾過スクリーンと外濾過スクリーンとの間に収容され、モータ等の回転駆動手段によって上記軸線を中心に内濾過スクリーンおよび外濾過スクリーンに対して相対的に回転させられるリボンスクリューとを備える構造が知られている。この脱水機では、内濾過スクリーンと外濾過スクリーンとの間の空間に濃縮汚泥が供給されるとともに、内濾過スクリーンの内側の空間と外濾過スクリーンの外側のケーシング内の空間に、焼却設備等から供給される温排水の供給手段から、50℃以上100℃未満の範囲、望ましくは60℃以上90℃以下の範囲の温度の温排水がポンプにより供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6688916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような脱水機は、ケーシング内に温排水を満たすことにより、スクリーン(濾材)越しに汚泥を間接加熱する加熱汚泥脱水機と言われている。
【0005】
一般に、間接加熱は伝熱面における熱媒の流速が大きいほど熱伝達される。しかしながら、従来技術では供給される熱媒である温排水流量に対してケーシング内の空間が大きいため、ケーシング内の温排水の流れが緩やかであり、一部には流れの無い淀みが発生しているため、間接加熱の効率が低く、改善の余地があった。
【0006】
また、温排水の流れに淀みが発生するため、温排水に含まれる固形物(SS)がケーシング底面に沈積することがあった。沈積した固形物が崩れると、温排水中の固形物濃度が急激に高くなり、温排水の供給先の装置の運転が不安定になる可能性がある。例えば、脱水機の温排水を、隣接する濃縮機に循環させる場合には、ケーシング底面に沈積した固形物が崩れることにより、大量の固形分が濃縮機に供給され、濃縮機の運転を不安定にさせる可能性があった。
【0007】
さらに、従来技術の汚泥脱水機の概略図を示す図9に示されるように、従来は、温排水を脱水機のケーシング側面に設けられる温水供給手段6Aから供給していたため、外濾過スクリーンまたはその周囲には高温の温排水が供給されるが、温排水の供給量に対してケーシング内の空間が大きいため、ケーシング内の温排水の流速が緩やかとなり、外濾過スクリーンの熱交換率が悪く、内濾過スクリーンの内側までは高温の温排水が供給され難かった。そのため、内濾過スクリーンを介しての温水による汚泥の間接加熱が十分なされておらず、汚泥が十分に加熱されていなかった。この場合、汚泥が有機性汚泥であれば、汚泥中の蛋白質が十分に熱変性せず、汚泥に保水されていた水分が十分に分離せず温排水とともに排水として排出されないので、脱水機における脱水効率の向上につながらず、改善の余地があった。
【0008】
本発明は、このような背景の下になされ、汚泥脱水機における汚泥の加熱効率を向上させることで汚泥脱水機による汚泥の脱水性を改善し汚泥の含水率を低減することができるとともに、ケーシング内の固形物の沈積を防止することで濃縮機の運転が不安定となる可能性を排除することが可能な汚泥脱水機、汚泥処理設備、および汚泥脱水方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明の第1の態様は、内部に温水が供給されるケーシングと、少なくとも一部が前記温水に浸かるように前記ケーシング内に設けられ、その内部に供給される汚泥を濾過する濾材と、前記温水を循環させる循環手段と、を備えることを特徴とする汚泥脱水機である。
【0010】
本発明の第1の態様によれば、循環手段が温水を循環させるため、ケーシングの底部に固形物が沈積することを防止することができる。また、ケーシング内の温水が循環することにより、対流熱伝達の効果により、温水による濾材の加熱が促進される。この場合、加熱された濾材による汚泥の加熱が促進される。結果として、温水による汚泥の間接加熱が促進されるので、汚泥をより加熱することができる。
【0011】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記循環手段は、前記ケーシングに設けられ、前記濾材と前記ケーシングとの間の空間から前記温水を前記ケーシングの外部に導出する取水口と、前記ケーシングの下部に設けられ、前記空間に接続されるとともに前記取水口から前記ケーシングの外部に導出した前記温水を前記空間に噴出する供給口と、を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の第2の態様によれば、供給口から前記空間に噴出される温水により、ケーシング内に温水の流れが形成されるため、ケーシングの底部に固形物が沈積することを防止することができる。さらに、ケーシング内に温水の流れが形成されることにより、対流熱伝達の効果により、温水による濾材の加熱が促進される。この場合、加熱された濾材による汚泥の加熱が促進される。結果として、温水による汚泥の間接加熱が促進されるので、汚泥をより加熱することができる。
【0013】
本発明の第3の態様は、第2の態様において、前記供給口は、前記ケーシング内に前記温水の旋回流を形成可能にすることを特徴とする。
【0014】
本発明の第3の態様によれば、循環する温水の旋回流をケーシング内に形成することができる。このケーシング内に発生する旋回流により、ケーシングの底部に固形物が沈積することを防止することができる。さらに、ケーシング内に旋回流が形成されることにより、対流熱伝達の効果により、温水による濾材の加熱が促進される。この場合、加熱された濾材による汚泥の加熱が促進される。結果として、温水による汚泥の間接加熱が促進されるので、汚泥をより加熱することができる。
【0015】
本発明の第4の態様は、第1の態様において、前記濾材は、縦方向に延びる軸線を中心とした円筒状または円錐状をなして前記ケーシング内に配設される内濾過スクリーンと、前記内濾過スクリーンと同軸の円筒状または円錐状をなして前記内濾過スクリーンの外側に間隔を空けて前記ケーシング内に配設される外濾過スクリーンと、を備え、前記内濾過スクリーンと前記外濾過スクリーンとの間の空間が第1の空間とされるとともに、前記内濾過スクリーンの内側と前記外濾過スクリーンの外側の空間とが第2の空間とされ、前記循環手段は、前記第2の空間に接続されるとともに前記温水を前記ケーシングの外部に導出する取水口と、前記第2の空間に接続されるとともに前記取水口から前記ケーシングの外部に導出した前記温水を前記第2の空間に噴出して前記ケーシング内に前記温水の旋回流を形成可能にする供給口と、を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の第4の態様によれば、濾材が内濾過スクリーンと外濾過スクリーンとを備える構造の汚泥脱水機の場合においても、第2の空間に接続される取水口からケーシングの外部に導出された温水が、第2の空間に接続される供給口からケーシング内に供給されて温水の旋回流を形成する。このケーシング内に発生する旋回流により、ケーシングの底部に固形物が沈積することを防止することができる。さらに、ケーシング内に旋回流が形成されることにより、対流熱伝達の効果により、温水による濾材の加熱が促進される。この場合、加熱された濾材による汚泥の加熱が促進される。結果として、温水による汚泥の間接加熱が促進されるので、汚泥をより加熱することができる。
【0017】
本発明の第5の態様は、内部に温水が供給されるケーシングと、少なくとも一部が前記温水に浸かるように前記ケーシング内に設けられ、その内部に供給される汚泥を濾過する濾材と、前記ケーシングの内部に前記温水を供給する温水供給手段と、を備え、前記温水供給手段は、前記濾材に対向して設けられた複数の孔を有し、前記複数の孔から前記濾材に向けて温水を供給することを特徴とする汚泥脱水機である。
【0018】
本発明の第5の態様によれば、温水供給手段が、前記濾材に対向して設けられた複数の孔を有し、前記複数の孔から前記濾材に向けて温水を供給するため、伝熱面積が増大するとともに流速の大きい温水が直接濾材に当たる。伝熱面積が増大するとともに流速の大きい温水が直接濾材に当たることにより間接加熱における熱伝達が増大するため、温水による濾材の加熱が促進される。この場合、加熱された濾材による汚泥の加熱が促進される。結果として、温水による汚泥の間接加熱が促進されるので、汚泥をより加熱することができる。
【0019】
本発明の第6の態様は、第5の態様において、前記濾材は、縦方向に延びる軸線を中心とした円筒状または円錐状をなして前記ケーシング内に配設される内濾過スクリーンと、前記内濾過スクリーンと同軸の円筒状または円錐状をなして前記内濾過スクリーンの外側に間隔を空けて前記ケーシング内に配設される外濾過スクリーンと、を備え、前記温水供給手段は、前記内濾過スクリーンの内側の前記空間を前記軸線方向に延びるとともに表面に前記複数の孔を備える円筒状の長棒部と、前記長棒部の下部から前記長棒部の径方向の少なくとも一方に延び前記外濾過スクリーンの外周面よりも前記径方向の外側まで延びる円筒状の底棒部と、前記底棒部の先端部から前記長棒部に沿って前記軸線方向上向きに所定距離延びるとともに前記径方向の内側を向く表面に前記複数の孔を備える円筒状の外棒部と、を備え、前記長棒部、前記底棒部、および前記外棒部に前記温水が流通可能であり、前記長棒部が前記軸線方向回りに回転するとともに前記複数の孔から前記温水が噴出されることを特徴とする。
【0020】
本発明の第6の態様によれば、前記温水供給手段が、内濾過スクリーンの内側の空間を軸線方向に延びるとともに軸線方向回りに回転する円筒状の長棒部の表面と、前記外濾過スクリーンの外周面に対向する円筒状の外棒部の表面と、に設けられた複数の孔から温水が内濾過スクリーンと外濾過スクリーンに向かって噴出される。そのため、温水が内濾過スクリーンと外濾過スクリーンとに直接当たるため流速の大きい温水が内濾過スクリーンと外濾過スクリーンに直接当たることで、対流熱伝達により温水による内濾過スクリーンと外濾過スクリーンの加熱をより効果的に行うことができる。そのため、外濾過スクリーンを介しての温水による汚泥の間接加熱と、内濾過スクリーンを介しての温水による汚泥の間接加熱をより効果的に行うことができるので、汚泥の加熱効率を上げることができ、汚泥をより加熱することができる。
【0021】
本発明の第7の態様は、内部に温水が供給されるケーシングと、前記ケーシングの内部に前記温水を供給する温水供給手段と、縦方向に延びる軸線を中心とした円筒状または円錐状をなして少なくとも一部が前記温水に浸かるように前記ケーシング内に配設されるとともに供給される汚泥を濾過する内濾過スクリーンと、前記内濾過スクリーンと同軸の円筒状または円錐状をなして少なくとも一部が前記温水に浸かるように前記内濾過スクリーンの外側に間隔を空けて前記ケーシング内に配設されるとともに供給される汚泥を濾過する外濾過スクリーンと、を備え、前記温水供給手段は、上方から前記内濾過スクリーンの内側の空間に前記温水を供給することを特徴とする汚泥脱水機である。
【0022】
本発明の第7の態様によれば、従来、温水供給手段によりケーシングの側面からケーシング内に温水が供給されていた場合、供給される温水が内濾過スクリーンまで届かなかったので、内濾過スクリーンを十分に加熱することができず、内濾過スクリーンを介しての温水による汚泥の間接加熱が十分なされていなかったところ、温水供給手段が内濾過スクリーンの内側の空間に温水を供給するため、温水により内濾過スクリーンが加熱されるので、内濾過スクリーンを介しての温水による汚泥の間接加熱を行うことができる。そのため、外濾過スクリーンを介しての温水による汚泥の間接加熱に加え、内濾過スクリーンを介しての温水による汚泥の間接加熱も行えるようになるので、汚泥の加熱効率を上げることができ、汚泥をより加熱することができる。
【0023】
本発明の第8の態様は、第5から7のいずれか一つの態様において、前記温水を循環させる循環手段をさらに備えることを特徴とする。
【0024】
本発明の第8の態様によれば、第5から7のいずれか一つの態様による効果に加え、第1の態様による効果が加わるため、汚泥の加熱効率をさらに上げることができ、汚泥をより効果的に加熱することができる。
【0025】
本発明の第9の態様は、第6又は7の態様において、前記温水を循環させる循環手段をさらに備え、前記内濾過スクリーンと前記外濾過スクリーンとの間の空間が第1の空間とされるとともに、前記内濾過スクリーンの内側の空間と前記外濾過スクリーンの外側の空間とが第2の空間とされ、前記循環手段は、前記第2の空間に接続されるとともに前記温水を前記ケーシングの外部に導出する取水口と、前記第2の空間に接続されるとともに前記取水口から前記ケーシングの外部に導出した前記温水を前記第2の空間に噴出して前記温水の旋回流を形成する供給口と、を備えることを特徴とする。
【0026】
本発明の第9の態様によれば、第2の空間に接続される取水口からケーシングの外部に導出された温水が、第2の空間に接続される供給口からケーシング内に供給されて温水の旋回流を形成する。このケーシング内に発生する旋回流により、ケーシングの底部に固形物が沈積することを防止することができる。さらに、ケーシング内に旋回流が形成されることにより、対流熱伝達の効果により、温水による濾材の加熱が促進される。この場合、加熱された濾材による汚泥の加熱が促進される。結果として、温水による汚泥の間接加熱が促進されるので、汚泥をより加熱することができる。また、第1の態様による効果が加わるため、汚泥の加熱効率をさらに上げることができ、汚泥をより効果的に加熱することができる。
【0027】
本発明の第10の態様は、第1から第9の何れか一つの態様に記載の汚泥脱水機を備えることを特徴とする汚泥処理設備である。
【0028】
本発明の第10の態様によれば、第1から第9の何れか一つの態様に記載の汚泥脱水機による効果を備える汚泥処理設備を得ることができる。
【0029】
本発明の第11の態様は、温水をケーシング内に供給する温水供給ステップと、少なくとも一部が前記温水に浸かるように前記ケーシング内に設けられた濾材の内部空間に汚泥を供給する汚泥供給ステップと、前記汚泥を前記ケーシング内の一端側から他端側に搬送する搬送ステップと、前記温水を循環させる温水循環ステップと、を備えることを特徴とする汚泥脱水方法である。
【0030】
本発明の第11の態様によれば、温水循環ステップが前記ケーシング内の温水を循環させるため、ケーシングの底部に固形物が沈積することを防止することができる。また、ケーシング内の温水が循環することにより、対流熱伝達の効果により、温水による濾材の加熱が促進される。この場合、加熱された濾材による汚泥の加熱が促進される。結果として、温水による汚泥の間接加熱が促進され、汚泥をより効果的に加熱することができる。
【0031】
本発明の第12の態様は、縦方向に延びる軸線を中心とした円筒状または円錐状をなして前記ケーシング内に配設される内濾過スクリーンと、前記内濾過スクリーンと同軸の円筒状または円錐状をなして前記内濾過スクリーンの外側に間隔を空けて前記ケーシング内に配設される外濾過スクリーンと、を備え、上方から前記内濾過スクリーンの内側の空間に温水を供給する温水供給ステップと、下方から前記内濾過スクリーンと前記外濾過スクリーンとの間の空間に汚泥を供給する汚泥供給ステップと、前記汚泥を前記ケーシング内の一端側から他端側に搬送する搬送ステップと、を備えることを特徴とする汚泥脱水方法である。
【0032】
本発明の第12の態様によれば、温水供給ステップにより内濾過スクリーンの内側の空間に温水が供給されるため、温水により内濾過スクリーンが加熱されるので、加熱された内濾過スクリーンを介しての温水による汚泥の間接加熱を行うことができる。そのため、内濾過スクリーンを介しての温水による汚泥の間接加熱も行えるようになるので、汚泥の加熱効率を上げることができ、汚泥をより効果的に加熱することができる。
【0033】
本発明の第13の態様は、第12の態様において、前記温水供給ステップでは、前記内濾過スクリーンの内側の前記空間を前記軸線方向に延びるとともに表面に複数の孔を備え前記軸線方向回りに回転可能な円筒状の長棒部と、前記長棒部の下部から前記長棒部の径方向の少なくとも一方に延びるとともに前記外濾過スクリーンの外周面よりも前記径方向の外側まで延びる円筒状の底棒部と、前記底棒部の先端部から前記長棒部に沿って前記軸線方向上向きに所定距離延びるとともに前記径方向の内側を向く表面に複数の孔を備える円筒状の外棒部と、の前記複数の孔を介して前記温水を供給することを特徴とする。
【0034】
本発明の第13の態様によれば、第12の態様により得られる効果に加え、前記温水供給ステップにおいて、内濾過スクリーンの内側の空間を軸線方向に延びるとともに軸線方向回りに回転可能な長棒部の表面と、前記外濾過スクリーンの外周面に対向する外棒部の表面と、に設けられた複数の孔から温水が内濾過スクリーンと外濾過スクリーンに向かって噴出される。そのため、温水による内濾過スクリーンと外濾過スクリーンの加熱をより効果的に行うことができるので、外濾過スクリーンを介しての温水による汚泥の間接加熱と、内濾過スクリーンを介しての温水による汚泥の間接加熱を効果的に行うことができ、汚泥をより効果的に加熱することができる。
【0035】
本発明の第14の態様によれば、第12又は第13の態様において、前記温水を循環させる温水循環ステップをさらに備えることを特徴とする。
【0036】
本発明の第14の態様によれば、第12の態様と第13の態様による効果に加え、第11の態様による効果が加わるため、汚泥の加熱効率をさらに上げることができ、汚泥をより効果的に加熱することができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、濾材を介しての温水による汚泥の間接加熱をより効率的に行うことができるので汚泥の加熱効率を向上させることができ、その結果、汚泥脱水機による汚泥の脱水性を改善し汚泥の含水率を低減することができるとともに、ケーシング内での固形物の沈積を防止することで温排水の供給先の装置の運転が不安定となる可能性を排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明に係る汚泥脱水機の第1実施形態を示す概略図である。
図2】本発明に係る汚泥脱水機の第2実施形態を示す概略図である。
図3】本発明に係る汚泥脱水機の第3実施形態を示す概略図である。
図4】本発明に係る汚泥脱水機の第4実施形態を示す概略図である。
図5】本発明に係る汚泥脱水機の第4実施形態を示す概略平面図である。
図6】本発明に係る汚泥脱水機の第5実施形態を示す概略図である。
図7】本発明に係る汚泥脱水機の第1実施形態の変形例を示す概略図である。
図8】本発明に係る汚泥処理設備を示す一例の概念図である。
図9】従来の汚泥脱水機を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、第1実施形態に係る汚泥脱水機3を、図1を参照しながら説明する。
汚泥脱水機3は、縦型のスクリューを備える脱水機であって、縦方向に延びるケーシング3Aの中心線である軸線Lを中心とした、少なくとも一部が温水Hに浸かるようにケーシング3Aの内部に設けられ、汚泥Dを濾過する濾材30が設けられている。
濾材30は、円筒状または円錐状をなしてケーシング3A内に配設される内濾過スクリーン3aと、この内濾過スクリーン3aと同軸の円筒状または円錐状をなして内濾過スクリーン3aの外側に間隔をあけてケーシング3A内に配設される外濾過スクリーン3bと、を備えている。また、軸線L回りに捩れる螺旋状をなして内濾過スクリーン3aと外濾過スクリーン3bとの間に収容され、モータ等の回転駆動手段3cによって軸線Lを中心に内濾過スクリーン3aおよび外濾過スクリーン3bに対して相対的に回転させられるリボンスクリュー(搬送手段)3dが設けられている。
なお、ケーシング3Aは、有底略円筒状や、有底略直方体状、有底略立方体状等、その形状は特に限定されない。ケーシング3Aの上部には蓋体3Dが設けられており、蓋体3Dには搬送手段3dを駆動するモータ等の回転駆動手段3cが設けられている。図1の例では、ケーシング3Aは、中心に軸線Lを有する有底略直方体状としている。
【0040】
本実施形態では、これら内濾過スクリーン3aと外濾過スクリーン3bとの間の空間が第1の空間S1とされて供給管3fから汚泥Dが供給されるとともに、内濾過スクリーン3aの内側の空間と、この空間と連通している外濾過スクリーン3bの外側のケーシング3A内の空間とが第2の空間S2とされている。そして、第2の空間S2に、温水供給手段6Aから、50℃以上100℃未満の範囲、望ましくは60℃以上90℃以下の範囲の温度の温水Hが不図示のポンプにより供給される。この場合、汚泥Dを内濾過スクリーン3aおよび外濾過スクリーン3bで濾過した際に生じる濾液が第2の空間S2に排出されるので、第2の空間S2の少なくとも一部は温水Hと濾液が混合している状態となる。なお、これら内濾過スクリーン3aと外濾過スクリーン3bは、ウェッジワイヤーやパンチングメタル等によって形成される。
【0041】
第1実施形態では、温水供給手段6Aはケーシング3Aの側面に設けられている。また、ケーシング3Aの側面には、ケーシング3Aの内部の温水Hをケーシング3Aの外部へ排出する温水排出手段6Bが設けられている。
なお、温水Hは、前述の温度範囲の温水であれば特に限定されないが、望ましい構成としては、汚泥脱水機3の下流側に設けられ、汚泥脱水機3で生成された固形物(脱水ケーキ)を焼却する不図示の焼却手段から温水供給手段6Aを介して供給され、また、汚泥脱水機3の上流側に設けられ、汚泥Dを濃縮する濃縮手段2に温水排出手段6Bを介して排出されるように構成されているのが望ましい。また、汚泥Dは、濃縮手段2から供給される濃縮汚泥である。
【0042】
汚泥Dは、内濾過スクリーン3aと外濾過スクリーン3bの底部を連結する円環板状の連結板3eに接続された供給管3fを介して、第1の空間S1にケーシング3Aの底部から供給され、リボンスクリュー3dの相対的な回転によって上方に搬送されながら、内濾過スクリーン3aと外濾過スクリーン3bによって水分が分離される。
【0043】
また、ケーシング3A内の上部には、円環板状の基板9Cが配設されて、外濾過スクリーン3bは、この基板9Cの内周部に取り付けられて固定される。さらに、この基板9Cよりも上方のケーシング3Aの上部開口部には蓋体3Dが配設され、内濾過スクリーン3aは、この蓋体3Dに取り付けられて固定されるとともに、回転駆動手段3cは、この蓋体3D上に配置され、内濾過スクリーン3aの上部を覆う円筒状のスクリュー支持体を介してリボンスクリュー3dを回転させる。
【0044】
なお、本実施形態では、このように内濾過スクリーン3aおよび外濾過スクリーン3bがケーシング3Aに固定されて、リボンスクリュー3dが回転駆動手段3cにより回転されるが、逆にリボンスクリュー3dを固定して内濾過スクリーン3aおよび外濾過スクリーン3bを回転させてもよく、リボンスクリュー3dと内濾過スクリーン3aおよび外濾過スクリーン3bとを互いに逆方向に回転させるようにしてもよい。
【0045】
さらにまた、これら基板9Cと蓋体3Dの間のケーシング3A内における上部の空間は排出室3Eとされるとともに、この排出室3Eにおける第1の空間S1の円環状の上部開口部は排出口3Fとされ、この排出口3Fには、外周側に向かうに従い上方に向かう軸線Lを中心とした円錐台状の外周面を有する圧搾リング3Gが配設されている。リボンスクリュー3dによって第1の空間S1を上方に搬送されつつ水分が分離して濃縮汚泥Dから脱水された脱水汚泥は、排出口3Fから圧搾リング3Gにより圧搾されながら排出室3Eに流出して排出される。
【0046】
このような汚泥脱水機3には、温水Hを循環させる循環手段5が設けられている。
循環手段5は、ケーシング3Aの内部の下側に設けられて第2の空間S2に接続されるとともに温水Hを前記ケーシングの外部に導出する取水口5aと、ケーシング3Aの内部の下側に設けられて第2の空間S2に接続されるとともに取水口5aからケーシング3Aの外部に導出した温水Hを第2の空間S2に噴出してケーシング3A内に温水Hの旋回流Vを形成する供給口5bと、が設けられている。また、循環手段5は、取水口5aと供給口5bとを連結するケーシング3Aの外部に設けられる配管5cと、配管5cに接続されるとともに取水口5aから供給口5bへ向かう温水Hの流れを形成するポンプ5dと、をさらに備えている。
なお、取水口5aは、必ずしもケーシング3Aの内部の下側に設けられていなくとも良く、ケーシング3Aの内部の上側、或いはケーシング3Aの内部の下側と上側の中間に設けられていても良いが、取水口5aがケーシング3Aの内部の下側に設けられていると、温水Hの水量が少なくなっても温水Hを循環させることができる。
【0047】
このような汚泥脱水機3では、ケーシング3Aの内部の下側に設けられる供給口5bから温水Hがケーシング3Aの内部に供給されてケーシング3Aの内部に図5に示すような温水Hの旋回流Vが形成される。そのため、温水供給手段6Aがケーシング3Aの側面に設けられていた図9に示す従来技術に比べて、温水Hの旋回流Vにより、ケーシング3Aの底部に固形物が沈積することがなくなる。また、旋回流Vが形成されるので、対流熱伝達の効果により、温水Hによる濾材の加熱が促進される。この場合、加熱された濾材による汚泥Dの加熱が促進される。結果として、温水Hによる汚泥Dの間接加熱が促進され、従来技術に比べて、汚泥Dの温度をより高温に加熱することができる。
【0048】
なお、供給口5bは、必ずしもケーシング3A内に温水Hの旋回流Vを形成させなくてもよい。例えば、ケーシング3Aの底部に設けられた供給口5bから上向きに温水Hを噴出してもよい。この場合、ケーシング3A内に温水Hの旋回流Vは形成されないが、上側へ向かう温水Hの流れに固形物が沿うように移動することでケーシング3A内の固形物の沈積を防止できる。或いは、ケーシング3Aの底部に設けられた供給口5bからケーシング3Aの底部に向けて温水Hを噴出してもよい。この場合もケーシング3A内に温水Hの旋回流Vは形成されないが、温水Hがケーシング3Aの底部に沈積しようとする固形物を拡散する。いずれの場合においても、供給口5bから噴出される温水Hの流れによる対流熱伝達の効果により、温水Hによる濾材の加熱が促進される。この場合、加熱された濾材による汚泥Dの加熱が促進される。結果として、温水Hによる汚泥Dの間接加熱が促進され、従来技術に比べて、汚泥Dの温度をより高温に加熱することができる。
【0049】
次に、第2実施形態に係る汚泥脱水機31を、図2を参照しながら説明する。
第1実施形態と同一の構成の部材には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
【0050】
第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、第2実施形態では、温水供給手段6A1は上方から内濾過スクリーン3aの内側の空間S3に温水Hを供給し、循環手段5が設けられていないことである。
【0051】
このような第2実施形態に係る汚泥脱水機31では、上方から内濾過スクリーン3aの内側の空間S3に供給される温水Hは、内濾過スクリーン3aの内側の空間S3において、内濾過スクリーン3aとの対流熱伝達により、内濾過スクリーン3aを加熱し、加熱された内濾過スクリーン3aが汚泥Dを加熱する。そのため、上方から内濾過スクリーン3aの内側の空間S3に供給される温水Hにより、汚泥Dを間接加熱することができる。
【0052】
この場合、従来技術では、温水供給手段6Aによりケーシング3Aの側面からケーシング3A内に温水Hが供給されていた場合、供給される温水Hが内濾過スクリーン3aまで届かなかったので、内濾過スクリーン3aを十分に加熱することができず、内濾過スクリーン3aを介しての温水Hによる汚泥Dの間接加熱が十分なされていなかった。しかしながら、温水供給手段6Aが上方から内濾過スクリーン3aの内側の空間S3に温水Hを供給するため、温水Hにより内濾過スクリーン3aが加熱されるので、加熱された内濾過スクリーン3aにより汚泥Dを加熱することができる。そのため、内濾過スクリーン3aを介しての温水Hによる汚泥Dの間接加熱を行うことができる。そのため、外濾過スクリーン3bを介しての温水Hによる汚泥Dの間接加熱に加えて、内濾過スクリーン3aを介しての温水Hによる汚泥Dの間接加熱も行えるようになるので、汚泥Dの加熱効率を上げることができ、汚泥Dをより高温にまで加熱することができる。
なお、外濾過スクリーン3bの底部を連結する連結板3eは円環板状であるため、上方から内濾過スクリーン3aの内側の空間S3に供給される温水Hは、図2の矢印で示されるように、円環板状の連結板3eを介して、内濾過スクリーン3aの下部から、外濾過スクリーン3bの外周に循環される。この温水Hの循環により、循環手段5が設けられた場合ほどではないが、ケーシング3Aの内部に旋回流がある程度形成されるため、ケーシング3Aの底部に固形物が沈積することもない。
【0053】
次に、第3実施形態に係る汚泥脱水機32を、図3を参照しながら説明する。
上記実施形態と同一の構成の部材には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
【0054】
第3実施形態が第1実施形態と異なる点は、第3実施形態では、温水供給手段6A2が、長棒部7aと、底棒部7bと、外棒部7cと、を備え、循環手段5が設けられていない点である。
【0055】
長棒部7aは、内濾過スクリーン3aの内側の空間S3を軸線L方向に延びるとともに表面に複数の孔hを備える円筒状の部材である。底棒部7bは、長棒部7aの下部から長棒部7aの径方向の少なくとも一方に延び、外濾過スクリーン3bの外周面よりも径方向外側まで延びている円筒状の部材である。外棒部7cは、底棒部7bの径方向外側の先端部から長棒部7aに沿って軸線L方向上向きに所定距離延びるとともに径方向内側を向く表面に複数の孔hを備える円筒状の部材である。長棒部7a、底棒部7b、および外棒部7cには温水Hが流通可能である。また、長棒部7aは、不図示の回転駆動手段により、軸線L方向回りに回転可能に設けられている。第3に実施形態では、温水供給手段6A2の複数の孔hから温水Hが噴出される。ここで、回転する長棒部7aから長棒部7aの径方向の少なくとも一方に延びる底棒部7bが、供給管3fに衝突しないように、長棒部7aの回転角は例えば180°よりも小さく設定される。
なお、図3の例では、底棒部7bは、長棒部7aの下部から長棒部7aの径方向の外側に2本延びており、2本の底棒部7bが直線的に連結されるとともに長棒部7aに直交するように設けられている。また、図3の例では、2本の底棒部7bは同形状であるが、複数の底棒部7bの形状が異なっていても良い。また、図3に示される底棒部7bの先端に連結される外棒部7cの形状は同じであるが互いに異なっていても良い。例えば、複数の外棒部7cに設けられる複数の孔hの数が互いに異なっていても良いし、複数の外棒部7cの軸線L方向の長さが互いに異なっていても良い。なお、底棒部7bと外棒部7cが、それぞれ1個であっても良いし、底棒部7bと外棒部7cが、それぞれ3個以上であっても良い。
【0056】
このような温水供給手段6A2によれば、長棒部7aの複数の孔hから噴出される温水Hは、対流熱伝達により内濾過スクリーン3aを加熱する。また、外棒部7cの複数の孔hから噴出される温水Hは、対流熱伝達により対向する外濾過スクリーン3bを加熱する。そのため、加熱された内濾過スクリーン3aにより汚泥Dを加熱することができるとともに加熱された外濾過スクリーン3bにより汚泥Dを加熱することができる。そのため、内濾過スクリーン3aと外濾過スクリーン3bの両方を介しての温水Hによる汚泥Dの間接加熱を行うことができる。従って、外濾過スクリーン3bを介しての温水Hによる汚泥Dの間接加熱に加え、内濾過スクリーン3aを介しての温水Hによる汚泥Dの間接加熱も行えるようになるので、汚泥Dの加熱効率を上げることができ、汚泥Dをより高温にまで加熱することができる。なお、孔hから内濾過スクリーン3aまたは外濾過スクリーン3bへ温水Hが噴出できれば、孔hにノズルなどの部材を取り付けても良い。特に、孔hにスプレーノズルを取り付ける場合は、温水Hを広範囲に噴射でき、より効率的に汚泥Dを加熱できるため好ましい。
【0057】
ここで、温水供給手段6A2が、長棒部7aと、底棒部7bと、外棒部7cと、を備える第3に実施形態に係る構造によれば、長棒部7aは軸線L方向回りに回転するため、内濾過スクリーン3aの広範囲に対して温水Hを複数の孔hから供給することができる。また、温水Hは孔hより内濾過スクリーン3aおよび外濾過スクリーン3bに直接当たるように噴出されるため、流速の早い温水Hが内濾過スクリーン3aおよび外濾過スクリーン3bに直接当たることで第2の実施形態よりも加熱効率が向上し、汚泥Dをより高温にまで加熱することができる。
なお、第3実施形態では、循環手段5が設けられていないが、温水供給手段6A2が、長棒部7aと、底棒部7bと、外棒部7cと、を備える構造によれば、第1実施形態の場合以上に汚泥Dを高温まで加熱することができる。また、循環手段5が設けられていないが、軸線L方向回りに回転する長棒部7aと共に軸線L方向回りに回転する底棒部7bと外棒部7cによりケーシング3A内に旋回流が形成される。そのため、循環手段5が設けられた場合ほどではないが、ケーシング3Aの内部に旋回流がある程度形成されるため、ケーシング3Aの底部に固形物が沈積することもない。
【0058】
ここで、濾材が内濾過スクリーン3aと外濾過スクリーン3bとに区別されている第3の実施形態と異なる以下のような構成を備える不図示の第3の実施形態の変形例が考えられる。すなわち、少なくとも一部が温水Hに浸かるようにケーシング3A内に設けられ、その内部に供給される汚泥を濾過する濾材が内部に温水が供給されるケーシング3Aに設けられていた場合、温水供給手段が、この濾材に対向して設けられた複数の孔を有し、この複数の孔から、この濾材に向けて温水を供給するという構成が考えられる。この場合、この複数の孔から、この濾材に向けて温水が供給されるため、伝熱面積が増大するとともに流速の大きい温水が濾材に直接当たる。伝熱面積が増大するとともに流速の大きい温水が直接濾材に当たることで間接加熱における熱伝達が増大するため、温水による濾材の加熱が促進される。この場合、加熱された濾材による汚泥の加熱が促進される。結果として、温水による汚泥の間接加熱が促進されるので、汚泥をより加熱することができる。
上述の第3の実施形態は、この第3の実施形態の変形例を改良し、内濾過スクリーン3aと外濾過スクリーン3bとのそれぞれに対して、長棒部7aと外棒部7cとに設けられた複数の孔hから温水Hを噴射することで、より効果的な熱伝達を達成するための具体例である。
【0059】
次に、第4実施形態に係る汚泥脱水機33を、図4を参照しながら説明する。
上記実施形態と同一の構成の部材には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
【0060】
第4実施形態が第1実施形態と異なる点は、第4実施形態では、温水供給手段6A1が、上方から内濾過スクリーン3aの内側の空間に温水Hを供給することである。
【0061】
第4実施形態では、第1実施形態同様に、循環手段5を備えることにより、ケーシング3Aの内部の下側に設けられる供給口5bから温水Hがケーシング3Aの内部に供給されてケーシング3A内に温水Hの旋回流Vが形成される。そのため、温水供給手段6Aがケーシング3Aの側面に設けられていた図8に示す従来技術に比べて、温水Hの旋回流Vによりケーシング3Aの底部に固形物が沈積することがなくなる。また、旋回流Vが形成されるので、対流熱伝達の効果により、温水Hによる濾材の加熱が促進される。この場合、加熱された濾材による汚泥Dの加熱が促進される。結果として、温水Hによる汚泥Dの間接加熱が促進される。そのため、従来技術に比べて、汚泥Dをより高温まで加熱することができる。
【0062】
また、第2実施形態同様に、温水供給手段6A1が上方から内濾過スクリーン3aの内側の空間S3に温水Hを供給するため、温水Hにより内濾過スクリーン3aが加熱されるので、加熱された内濾過スクリーン3aにより汚泥Dを加熱することができる。そのため、内濾過スクリーン3aを介しての温水Hによる汚泥Dの間接加熱を行うことができるので、外濾過スクリーン3bを介しての温水Hによる汚泥Dの間接加熱に加えて、内濾過スクリーン3aを介しての温水Hによる汚泥Dの間接加熱も行うことができる。その結果、汚泥Dの加熱効率を上げることができ、汚泥Dをより高温まで加熱することができる。
【0063】
第4実施形態によれば、汚泥脱水機33は、第1実施形態の汚泥脱水機3と第2実施形態の汚泥脱水機31とを組み合わせた構造を備えているので、第1実施形態により得られる技術的効果と、第2実施形態により得られる技術的効果の相乗効果を得ることができる。この場合、第1実施形態の汚泥脱水機3、又は第2実施形態の汚泥脱水機31を単独で用いた場合よりも汚泥脱水機33により汚泥Dをより高温まで加熱することができるので汚泥Dの脱水性を改善し、汚泥Dの含水率を低減することができる。
【0064】
ここで、図5を参照しながら第4実施形態の汚泥脱水機33を上面から見た平面図を説明する。第4実施形態では、循環手段5の供給口5bが、ケーシング3Aの角部に設けられ、ケーシング3Aの1辺に沿って温水Hを吹き出すことにより、ケーシング3A内に、図5に示すような旋回流Vが発生する。この旋回流Vは、例えば、温水排水手段6Bを、図5に示すように、供給口5bと隣接したケーシング3Aの角部であり、供給口5bから吹き出す温水Hの向きと略180°をなす方向に温水Hを排水するように設置することで、旋回流Vが発生した状態を安定して維持させることができる。また、図5に示すように、ケーシング3Aの角部にガイド板10を設置しても良い。ケーシング3Aの角部にガイド板10を設置すると、角部で発生する渦による温水Hのエネルギー損失を解消できるため、より旋回流Vが発生した状態を安定して維持することができる。なお、ケーシング3Aの平面形状が円形や楕円形であっても良い。この場合、ガイド板10を設けずとも、旋回流Vが発生した状態を安定して維持することができる。
【0065】
次に、第5実施形態に係る汚泥脱水機34を、図6を参照しながら説明する。
上記実施形態と同一の構成の部材には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
【0066】
第5実施形態が第1実施形態と異なる点は、第5実施形態では、第3実施形態と同様に温水供給手段6A2が、長棒部7aと、底棒部7bと、外棒部7cと、を備える点である。
【0067】
第3実施形態と同様に、温水供給手段6A2が、長棒部7aと、底棒部7bと、外棒部7cと、を備える構造によれば、長棒部7aの複数の孔hから噴出される温水Hは、対流熱伝達により内濾過スクリーン3aを加熱する。また、外棒部7cの複数の孔hから噴出される温水Hは、対流熱伝達により対向する外濾過スクリーン3bを加熱する。そのため、加熱された内濾過スクリーン3aにより汚泥Dを加熱することができるとともに加熱された外濾過スクリーン3bにより汚泥Dを加熱することができるので、内濾過スクリーン3aと外濾過スクリーン3bの両方を介しての温水Hによる汚泥Dの間接加熱を行うことができる。そのため、外濾過スクリーン3bを介しての温水Hによる汚泥Dの間接加熱に加え、内濾過スクリーン3aを介しての温水Hによる汚泥Dの間接加熱も行えるようになるので、汚泥Dの加熱効率を上げることができ、汚泥Dをより高温まで加熱することができる。
【0068】
また、第1実施形態と同様に、循環手段5が設けられている構造によれば、ケーシング3Aの内部の下側に設けられる供給口5bから温水Hがケーシング3Aの内部に供給されてケーシング3A内に温水Hの旋回流Vが形成される。そのため、温水供給手段6Aがケーシング3Aの側面に設けられていた図9に示す従来技術に比べ、温水Hの旋回流Vによりケーシング3Aの底部に固形物が沈積することがなくなる。また、旋回流Vが形成されるので、対流熱伝達の効果により、温水Hによる濾材の加熱が促進される。この場合、加熱された濾材による汚泥Dの加熱が促進される。結果として、温水Hによる汚泥Dの間接加熱が促進される。そのため、従来技術に比べて、汚泥Dをより高温まで加熱することができる。
【0069】
上記のように、第5実施形態によれば、汚泥脱水機34は、第1実施形態の汚泥脱水機3と第3実施形態の汚泥脱水機32とを組み合わせた構造を備えているので、第1実施形態により得られる技術的効果と、第3実施形態により得られる技術的効果の相乗効果を得ることができる。この場合、第1実施形態の汚泥脱水機3、又は第3実施形態の汚泥脱水機32を単独で用いた場合よりも、汚泥脱水機34により汚泥Dをより高温まで加熱することができるので、汚泥Dの脱水性を改善し、汚泥Dの含水率を低減することができる。
【0070】
ここで、第1実施形態の変形例に係る汚泥脱水機35を、図7を参照して説明する。
上記実施形態と同一の構成の部材には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
【0071】
第1実施形態の変形例が第1実施形態と異なる点は、第1実施形態の変形例に係る汚泥脱水機35は横型のスクリュープレスが用いられている点である。
【0072】
第1実施形態の変形例では、汚泥脱水機35は、胴部が脱水濾過スクリーン13a(濾材)とされて内部に汚泥Dが供給されるとともに、この脱水濾過スクリーン13aの外周は濾液室13bとされた横方向に延びる中心軸を有する円筒状のケーシング13と、このケーシング13の上記中心軸に沿った回転軸14aにスクリュー14bが取り付けられて、図示されない回転駆動手段によって回転軸14aおよびスクリュー14bが回転することにより汚泥Dを搬送する搬送手段14とを備えている。この場合、汚泥脱水機35の搬送手段14におけるスクリュー14bは、濃縮汚泥Dの搬送方向に向けてピッチが小さくなるようにしても良く、このスクリュー14bによって濃縮汚泥Dが搬送されるうちに圧縮されて脱水されるようにしても良い。
【0073】
ここで、ケーシング13内の濾液室13bは、汚泥Dを脱水することで生じる濾液と、不図示の温水供給手段から供給される温水Hとで満たされており、汚泥脱水機35には、この温水H及び濾液を濾液室13b内で循環させる循環手段5が設けられている。汚泥脱水機35に循環手段5を設けることにより、濾液室13bに固形分が沈積することを防止することができる。
【0074】
従って、循環手段5は、第1実施形態の縦型の汚泥脱水機3に対しても、第1実施形態の変形例の横型のスクリュープレスである汚泥脱水機35に対しても同様に使用することができ、固形分の沈積防止という同様の技術的効果を得ることができる。
【0075】
図8は、第1実施形態の汚泥脱水機3、第2実施形態の汚泥脱水機31、第3実施形態の汚泥脱水機32、第4実施形態の汚泥脱水機33、第5実施形態の汚泥脱水機34、第1実施形態の変形例の汚泥脱水機35を使用した場合の汚泥処理設備Mを表す概念図である。
【0076】
第1から第5実施形態と第1実施形態の変形例に係る汚泥脱水機3、31、32、33、34、35の上流には、下水処理場から発生して供給された混合生汚泥等の下水汚泥のような有機性汚泥Aに高分子凝集剤Bを添加して凝集する凝集手段1と、この凝集手段1によって固形分がある程度凝集した凝集汚泥Cを濃縮する濃縮手段2とを有する。この濃縮手段2には温水ポンプ2Cにより温水Fが供給される。この温水Fにより濃縮される汚泥が加温され、濾液Eとともに温水Fが排出される。
【0077】
濃縮手段2で濃縮された濃縮汚泥Dが供給される濃縮汚泥供給路4には、濃縮汚泥Dを脱水手段(汚泥脱水機)3に送り出すポンプ4Aが設けられているとともに、このポンプ4Aと汚泥脱水機との間には高速ミキサー等の混合手段4Bが設けられている。この混合手段4Bには、ポリ硫酸第二鉄(PFS)等の無機凝集剤や高分子凝集剤のような凝集剤Gがポンプ4Cによって供給されて濃縮汚泥Dに添加、混合される。
【0078】
このような汚泥脱水機を備える汚泥処理設備Mによれば、汚泥脱水機から排出される脱水汚泥をより高温まで加熱することができるので、脱水汚泥の含水率を一層低下させることが可能となる。
【0079】
なお、上記実施形態に記載される汚泥脱水機による脱水を、汚泥脱水方法として見なすことができる。
例えば、第1実施形態の汚泥脱水機3は、温水供給手段6Aからケーシング3Aの内部に温水Hが供給される温水供給ステップと、少なくとも一部が温水Hに浸かるようにケーシング3A内に設けられた濾材30の内部空間S1に供給管3fが汚泥Dを供給する汚泥供給ステップと、リボンスクリュー(搬送手段)3dが汚泥Dをケーシング3A内の一端側から他端側に搬送する搬送ステップと、循環手段5が温水Hをケーシング3A内で循環させる温水循環ステップと、を備える汚泥脱水方法であると見なすことができる。
同様に、第2実施形態の汚泥脱水機31は、内部に温水Hが供給されるケーシング3Aと、ケーシング3Aの内部に温水Hを供給する温水供給手段6A1と、縦方向に延びる軸線Lを中心とした円筒状または円錐状をなして少なくとも一部が温水Hに浸かるようにケーシング3A内に配設されるとともに供給される汚泥Dを濾過する内濾過スクリーン3aと、内濾過スクリーン3aと同軸の円筒状または円錐状をなして少なくとも一部が温水Hに浸かるように内濾過スクリーン3aの外側に間隔を空けてケーシング3A内に配設されるとともに供給される汚泥Dを濾過する外濾過スクリーン3bと、を備え、温水供給手段6A1が上方から内濾過スクリーン3aの内側の空間S3に温水Hを供給する温水供給ステップと、下方から内濾過スクリーン3aと外濾過スクリーン3bとの間の空間S1に供給管3fが汚泥Dを供給する汚泥供給ステップと、リボンスクリュー(搬送手段)3dが汚泥Dをケーシング3A内の一端側から他端側に搬送する搬送ステップと、を備える汚泥脱水方法であると見なすことができる。
また、第3実施形態の汚泥脱水機32は、第2実施形態の汚泥脱水機33において、温水供給ステップでは、内濾過スクリーン3aの内側の空間S3を軸線L方向に延びるとともに表面に複数の孔hを備え軸線L方向回りに回転可能な円筒状の長棒部7aと、長棒部7aの下部から長棒部7aの径方向の少なくとも一方に延びるとともに外濾過スクリーン3bの外周面よりも上記径方向の外側まで延びる円筒状の底棒部7bと、底棒部7bの先端部から長棒部7aに沿って軸線L方向上向きに所定距離延びるとともに上記径方向の内側を向く表面に複数の孔hを備える円筒状の外棒部7cと、の複数の孔hを介して温水Hを供給する汚泥脱水方法であると見なすことができる。
また、第4実施形態の汚泥脱水機33と、第5実施形態の汚泥脱水機34とは、第2実施形態の汚泥脱水機31と第3実施形態の汚泥脱水機32とにおいて、循環手段5が温水Hを循環させる温水循環ステップをさらに備える汚泥脱水方法であると見なすことができる。
【0080】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態とその変形例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0081】
例えば、第3実施形態では、長棒部7aが軸線L方向回りに回転する構成を示したが、長棒部7aが軸線L方向回りに回転しない構成であっても良い。
また、図5に示す第4実施形態の平面図において、供給口5bの設置位置は、ケーシング3Aの一角に限定されず、ケーシング3A内に旋回流Vを発生させることができれば特に限定されない。
【符号の説明】
【0082】
D 汚泥
H 温水
V 旋回流
3、31、32、33、34、35 汚泥脱水機
5 循環手段
6A 温水供給手段
6B 温水排出手段
3A ケーシング
S1 第1の空間
S2 第2の空間
3f 供給管
3a 内濾過スクリーン
3b 外濾過スクリーン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9