(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】塗布具付き容器、塗布液入り塗布具付き容器、交換容器および塗布液入り交換容器
(51)【国際特許分類】
A45D 34/00 20060101AFI20240813BHJP
A45D 34/04 20060101ALI20240813BHJP
B65D 83/00 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
A45D34/00 510Z
A45D34/04 515Z
B65D83/00 J
(21)【出願番号】P 2021027793
(22)【出願日】2021-02-24
【審査請求日】2023-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【氏名又は名称】反町 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100187159
【氏名又は名称】前川 英明
(74)【代理人】
【氏名又は名称】藤井 宏行
(74)【代理人】
【識別番号】100206265
【氏名又は名称】遠藤 逸子
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】名越 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】袴田 征一
(72)【発明者】
【氏名】中平 悠
【審査官】高橋 祐介
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第211065394(CN,U)
【文献】実開昭59-101913(JP,U)
【文献】特開2006-103801(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0102192(US,A1)
【文献】実開昭58-84003(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 34/00
A45D 34/04
B65D 83/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗布液を収容する液容器と、
前記液容器を挿入される開口を設けられた外容器と、
前記外容器の前記開口を形成する口筒部に取り外し可能に取り付けられて前記液容器が前記外容器から抜け出ることを防止する中間部材と、
前記中間部材に取り外し可能に取り付けられるキャップ部と、前記キャップ部から延び出す塗布体と、を有する塗布具と、を備え、
前記外容器に取り付けられた中間部材に前記キャップ部が取り付けられた状態において、前記塗布体は、前記中間部材を通過して、前記中間部材と前記外容器との間に位置する前記液容器内に延び入
り、
前記液容器が前記外容器に挿入された状態において、前記口筒部が前記液容器に接触して、前記液容器は前記口筒部によって支持される、塗布具付き容器。
【請求項2】
塗布液を収容する液容器と、
前記液容器を挿入される開口を設けられた外容器と、
前記外容器の前記開口を形成する口筒部に取り外し可能に取り付けられて前記液容器が前記外容器から抜け出ることを防止する中間部材と、
前記中間部材に取り外し可能に取り付けられるキャップ部と、前記キャップ部から延び出す塗布体と、を有する塗布具と、を備え、
前記外容器に取り付けられた中間部材に前記キャップ部が取り付けられた状態において、前記塗布体は、前記中間部材を通過して、前記中間部材と前記外容器との間に位置する前記液容器内に延び入り、
前記液容器はフランジ部を有し、
前記中間部材が前記外容器に取り付けられた状態において、前記フランジ部が前記中間部材と前記外容器との間で挟持される
、塗布具付き容器。
【請求項3】
塗布液を収容する液容器と、
前記液容器を挿入される開口を設けられた外容器と、
前記外容器の前記開口を形成する口筒部に取り外し可能に取り付けられて前記液容器が前記外容器から抜け出ることを防止する中間部材と、
前記中間部材に取り外し可能に取り付けられるキャップ部と、前記キャップ部から延び出す塗布体と、を有する塗布具と、を備え、
前記外容器に取り付けられた中間部材に前記キャップ部が取り付けられた状態において、前記塗布体は、前記中間部材を通過して、前記中間部材と前記外容器との間に位置する前記液容器内に延び入り、
前記液容器は板状のフランジ部を有し、
前記中間部材が前記外容器に取り付けられた状態において、前記板状のフランジ部の一方の面が前記中間部材と接触し、前記板状のフランジ部の他方の面が前記外容器の前記口筒部と接触する
、塗布具付き容器。
【請求項4】
塗布液を収容する液容器と、
前記液容器を挿入される開口を設けられた外容器と、
前記外容器の前記開口を形成する口筒部に取り外し可能に取り付けられて前記液容器が前記外容器から抜け出ることを防止する中間部材と、
前記中間部材に取り外し可能に取り付けられるキャップ部と、前記キャップ部から延び出す塗布体と、を有する塗布具と、を備え、
前記外容器に取り付けられた中間部材に前記キャップ部が取り付けられた状態において、前記塗布体は、前記中間部材を通過して、前記中間部材と前記外容器との間に位置する前記液容器内に延び入り、
前記中間部材は、前記中間部材を通過する前記塗布具上の塗布液を掻き取ることによって前記塗布液の量を調整するしごき部品を有し、
前記中間部材が前記外容器に取り付けられた状態で、前記しごき部品が前記液容器に接触する
、塗布具付き容器。
【請求項5】
前記中間部材は、前記外容器に取り付けられた状態で、前記外容器との間で前記液容器を挟持する、請求項1
~4のいずれか一項に記載の塗布具付き容器。
【請求項6】
前記中間部材は、前記口筒部に取り外し可能に取り付けられる筒状の第1中間部品と、前記キャップ部を取り外し可能に取り付けられる筒状の第2中間部品と、を有し、
前記外容器上に前記第2中間部品を配置して前記第1中間部品を前記口筒部に取り付けた状態において、前記第1中間部品及び前記外容器によって前記液容器及び前記第2中間部品が保持される、請求項1~
5のいずれか一項に記載の塗布具付き容器。
【請求項7】
前記キャップ部及び第2中間部品は互いに噛み合うネジ部を有し、
前記外容器上に前記第2中間部品を配置した状態において、前記第2中間部品と前
記外容器との相対回転が規制される、請求項
6に記載の塗布具付き容器。
【請求項8】
塗布液を収容する液容器と、
前記液容器を挿入される開口を設けられた外容器と、
前記外容器の前記開口を形成する口筒部に取り外し可能に取り付けられる筒状の第1中間部品と、
前記第1中間部品を前記口筒部に取り付けることにより、前記
外容器に対する相対回転を規制されるようにして、前記外容器上に保持される筒状の第2中間部品と、
前記第2中間部品に取り外し可能に取り付けられるキャップ部と、前記キャップ部から延び出す塗布体と、を有する塗布具と、を備え、
前記キャップ部及び第2中間部品は互いに噛み合うネジ部を有し、
前記外容器上に保持された前記第2中間部品に前記キャップ部が取り付けられた状態において、前記塗布体は、前記第2中間部品を通過して前記液容器内に延び入
り、
前記口筒部は、前記第2中間部品に向けて突出した周状凸部を有し、前記第2中間部品は、前記口筒部に向けて突出した周状凸部を有し、
前記第2中間部品を前記外容器上に配置した状態において、一方の周状凸部が他方の周状凸部を取り囲み、一方の周状凸部及び他方の周状凸部の接触によって、前記第2中間部品の前記外容器上での移動を規制する、塗布具付き容器。
【請求項9】
塗布液を収容する液容器と、
前記液容器を挿入される開口を設けられた外容器と、
前記外容器の前記開口を形成する口筒部に取り外し可能に取り付けられる筒状の第1中間部品と、
前記第1中間部品を前記口筒部に取り付けることにより、前記外容器に対する相対回転を規制されるようにして、前記外容器上に保持される筒状の第2中間部品と、
前記第2中間部品に取り外し可能に取り付けられるキャップ部と、前記キャップ部から延び出す塗布体と、を有する塗布具と、を備え、
前記キャップ部及び第2中間部品は互いに噛み合うネジ部を有し、
前記外容器上に保持された前記第2中間部品に前記キャップ部が取り付けられた状態において、前記塗布体は、前記第2中間部品を通過して前記液容器内に延び入り、
前記第1中間部品は、前記口筒部に取り外し可能に取り付けられる第1中間筒状部と、前記第1中間筒状部より内寸が縮小した縮小部と、を有し、
前記第2中間部品は、前記縮小部を通過可能であって前記キャップ部が取り外し可能に取り付けられる第2中間筒状部と、前記第2中間筒状部よりも外寸が拡大した拡大部と、を有し、
前記拡大部が前記縮小部と前記口筒部との間に配置された状態で、前記第2中間部品は前記液容器上に保持される、塗布具付き容器。
【請求項10】
塗布液を収容する液容器と、
前記液容器を挿入される開口を設けられた外容器と、
前記外容器の前記開口を形成する口筒部に取り外し可能に取り付けられる筒状の第1中間部品と、
前記第1中間部品を前記口筒部に取り付けることにより、前記外容器に対する相対回転を規制されるようにして、前記外容器上に保持される筒状の第2中間部品と、
前記第2中間部品に取り外し可能に取り付けられるキャップ部と、前記キャップ部から延び出す塗布体と、を有する塗布具と、を備え、
前記キャップ部及び第2中間部品は互いに噛み合うネジ部を有し、
前記外容器上に保持された前記第2中間部品に前記キャップ部が取り付けられた状態において、前記塗布体は、前記第2中間部品を通過して前記液容器内に延び入り、
第2中間部品に保持され、前記第2中間部品を通過する前記塗布具上の塗布液を掻き取ることによって前記塗布液の量を調整するしごき部品を更に備え、
前記第1中間部品が前記外容器に取り付けられた状態で、前記しごき部品が前記液容器に接触する、塗布具付き容器。
【請求項11】
前記口筒部と前記第2中間部品とが接触することによって、前記相対回転が規制される、請求項
7~10のいずれか一項に記載の塗布具付き容器。
【請求項12】
前記口筒部と前記第2中間部品の一方が凸部を有し、前記口筒部と前記第2中間部品の他方が凸部を収容する凹部を有し、前記凸部が前記凹部に収容されることにより前記相対回転を規制する、請求項
7~
11のいずれか一項に記載の塗布具付き容器。
【請求項13】
前記口筒部は、前記第2中間部品に向けて突出した周状凸部を有し、前記第2中間部品は、前記口筒部に向けて突出した周状凸部を有し、
前記第2中間部品を前記外容器上に配置した状態において、一方の周状凸部が他方の周状凸部を取り囲み、一方の周状凸部及び他方の周状凸部の接触によって、前記第2中間部品の前記外容器上での移動を規制する、請求項
6、7、9、10、11及び12のいずれか一項に記載の塗布具付き容器。
【請求項14】
前記第1中間部品は、前記口筒部に取り外し可能に取り付けられる第1中間筒状部と、前記第1中間筒状部より内寸が縮小した縮小部と、を有し、
前記第2中間部品は、前記縮小部を通過可能であって前記キャップ部が取り外し可能に取り付けられる第2中間筒状部と、前記第2中間筒状部よりも外寸が拡大した拡大部と、を有し、
前記拡大部が前記縮小部と前記口筒部との間に配置された状態で、前記第2中間部品は前記液容器上に保持される、請求項
6、7、8、10、11及び12のいずれか一項に記載の塗布具付き容器。
【請求項15】
第2中間部品に保持され、前記第2中間部品を通過する前記塗布具上の塗布液を掻き取ることによって前記塗布液の量を調整するしごき部品を更に備え、
前記第1中間部品が前記外容器に取り付けられた状態で、前記しごき部品が前記液容器に接触する、請求項
8、9、11及び12のいずれか一項に記載の塗布具付き容器。
【請求項16】
前記キャップ部を覆うように前記塗布具に装着された外キャップを更に備える、請求項1~15のいずれか一項に記載の塗布具付き容器。
【請求項17】
前記液容器は使い捨てである、請求項1~
16のいずれか一項に記載の塗布具付き容器。
【請求項18】
前記塗布液は化粧品である、請求項1~
17のいずれか一項に記載の塗布具付き容器。
【請求項19】
請求項1~
18のいずれか一項に記載の塗布具付き容器と、
前記液容器に収容された前記塗布液と、を備える、塗布液入り塗布具付き容器。
【請求項20】
請求項1~
18のいずれか一項に記載の塗布具付き容器に用いられる交換容器であって、
前記液容器を備える、交換容器。
【請求項21】
前記液容器の開口を閉鎖する蓋を備える、請求項
20に記載の交換容器。
【請求項22】
請求項
20又は
21に記載された交換容器と、
前記液容器に収容された塗布液と、を備える、塗布液入り交換容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布具付き容器、塗布液入り塗布具付き容器、交換容器および塗布液入り交換容器に関する。
【背景技術】
【0002】
マスカラやマニキュア等の塗布液を収容する液容器と、液容器内に挿入された塗布具と、を有する塗布具付き容器が知られている。特許文献1に開示された塗布具付き容器は、液容器を収容する外容器を更に有している。特許文献1の塗布具付き容器の液容器は、詰め替え式として使い捨てされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の例において、液容器は、塗布具と着脱可能にする構造を有している。結果として、使い捨てされる液容器は、複雑な構成を有している。本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、塗布具付き容器において液容器の構成を簡易化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による第1の塗布具付き容器は、
塗布液を収容する液容器と、
前記液容器を挿入される開口を設けられた外容器と、
前記外容器の前記開口を形成する口筒部に取り外し可能に取り付けられて前記液容器が前記外容器から抜け出ることを防止する中間部材と、
前記中間部材に取り外し可能に取り付けられるキャップ部と、前記キャップ部から延び出す塗布体と、を有する塗布具と、を備え、
前記外容器に取り付けられた中間部材に前記キャップ部が取り付けられた状態において、前記塗布体は、前記中間部材を通過して、前記中間部材と前記外容器との間に位置する前記液容器内に延び入る。
【0006】
本発明による第1の塗布具付き容器において、前記液容器が前記外容器に挿入された状態において、前記口筒部が前記液容器に接触して、前記液容器は前記口筒部によって支持されてもよい。
【0007】
本発明による第1の塗布具付き容器において、前記中間部材は、前記外容器に取り付けられた状態で、前記外容器との間で前記液容器を挟持してもよい。
【0008】
本発明による第1の塗布具付き容器において、
前記液容器はフランジ部を有し、
前記中間部材が前記外容器に取り付けられた状態において、前記フランジ部が前記中間部材と前記外容器との間で挟持されてもよい。
【0009】
本発明による第1の塗布具付き容器において、
前記液容器は板状のフランジ部を有し、
前記中間部材が前記外容器に取り付けられた状態において、前記板状のフランジ部の一方の面が前記中間部材と接触し、前記板状のフランジ部の他方の面が前記外容器の前記口筒部と接触してもよい。
【0010】
本発明による第1の塗布具付き容器において、
前記中間部材は、前記中間部材を通過する前記塗布具上の塗布液を掻き取ることによって前記塗布液の量を調整するしごき部品を有し、
前記中間部材が前記外容器に取り付けられた状態で、前記しごき部品が前記液容器に接触してもよい。
【0011】
本発明による第1の塗布具付き容器において、
前記中間部材は、前記口筒部に取り外し可能に取り付けられる筒状の第1中間部品と、前記キャップ部を取り外し可能に取り付けられる筒状の第2中間部品と、を有し、
前記外容器上に前記第2中間部品を配置して前記第1中間部品を前記口筒部に取り付けた状態において、前記第1中間部品及び前記外容器によって前記液容器及び前記第2中間部品が保持されてもよい。
【0012】
本発明による第1の塗布具付き容器において、
前記キャップ部及び第2中間部品は互いに噛み合うネジ部を有し、
前記外容器上に前記第2中間部品を配置した状態において、前記第2中間部品と前外液容器との相対回転が規制されてもよい。
【0013】
本発明による第2の塗布具付き容器は、
塗布液を収容する液容器と、
前記液容器を挿入される開口を設けられた外容器と、
前記外容器の前記開口を形成する口筒部に取り外し可能に取り付けられる筒状の第1中間部品と、
前記第1中間部品を前記口筒部に取り付けることにより、前記液容器に対する相対回転を規制されるようにして、前記外容器上に保持される筒状の第2中間部品と、
前記第2中間部品に取り外し可能に取り付けられるキャップ部と、前記キャップ部から延び出す塗布体と、を有する塗布具と、を備え、
前記キャップ部及び第2中間部品は互いに噛み合うネジ部を有し、
前記外容器上に保持された前記第2中間部品に前記キャップ部が取り付けられた状態において、前記塗布体は、前記第2中間部品を通過して前記液容器内に延び入る、塗布具付き容器。
【0014】
本発明による第1および第2の塗布具付き容器において、前記口筒部と前記第2中間部品とが接触することによって、前記相対回転が規制されてもよい。
【0015】
本発明による第1および第2の塗布具付き容器において、前記口筒部と前記第2中間部品の一方が凸部を有し、前記口筒部と前記第2中間部品の他方が凸部を収容する凹部を有し、前記凸部が前記凹部に収容されることにより前記相対回転を規制してもよい。
【0016】
本発明による第1および第2の塗布具付き容器において、
前記口筒部は、前記第2中間部品に向けて突出した周状凸部を有し、前記第2中間部品は、前記口筒部に向けて突出した周状凸部を有し、
前記第2中間部品を前記外容器上に配置した状態において、一方の周状凸部が他方の周状凸部を取り囲み、一方の周状凸部及び他方の周状凸部の接触によって、前記第2中間部品の前記外容器上での移動を規制してもよい。
【0017】
本発明による第1および第2の塗布具付き容器において、
前記第1中間部品は、前記口筒部に取り外し可能に取り付けられる第1中間筒状部と、前記第1中間筒状部より内寸が縮小した縮小部と、を有し、
前記第2中間部品は、前記縮小部を通過可能であって前記キャップ部が取り外し可能に取り付けられる第2中間筒状部と、前記第2中間筒状部よりも外寸が拡大した拡大部と、を有し、
前記拡大部が前記縮小部と前記口筒部との間に配置された状態で、前記第2中間部品は前記液容器上に保持されてもよい。
【0018】
本発明による第1および第2の塗布具付き容器において、前記液容器が前記外容器に挿入された状態において、前記口筒部が前記液容器に接触して、前記液容器は前記口筒部によって支持されてもよい。
【0019】
本発明による第1および第2の塗布具付き容器において、前記第1中間部品が前記外容器に取り付けられた状態において、前記第1中間部品と前記前記外容器との間で前記液容器を挟持してもよい。
【0020】
本発明による第1および第2の塗布具付き容器において、
前記液容器はフランジ部を有し、
前記第1中間部品が前記外容器に取り付けられた状態において、前記フランジ部が前記第1中間部品と前記外容器との間で挟持されてもよい。
【0021】
本発明による第1および第2の塗布具付き容器において、
前記液容器は板状のフランジ部を有し、
前記第1中間部品が前記外容器に取り付けられた状態において、前記板状のフランジ部の一方の面が前記第2中間部品と接触し、前記板状のフランジ部の他方の面が前記外容器の前記口筒部と接触してもよい。
【0022】
本発明による第1および第2の塗布具付き容器において、
第2中間部品に保持され、前記第2中間部品を通過する前記塗布具上の塗布液を掻き取ることによって前記塗布液の量を調整するしごき部品を更に備え、
前記第1中間部品が前記外容器に取り付けられた状態で、前記しごき部品が前記液容器に接触してもよい。
【0023】
本発明による第1および第2の塗布具付き容器は、前記キャップ部を覆うように前記塗布具に装着された外キャップを更に備えてもよい。
【0024】
本発明による第1および第2の塗布具付き容器において、前記液容器は使い捨てでもよい。
【0025】
本発明による第1および第2の塗布具付き容器において、前記塗布液は化粧品であってもよい。
【0026】
本発明による塗布液入り塗布具付き容器は、
本発明による第1および第2の塗布具付き容器のいずれかと、
前記液容器に収容された前記塗布液と、を備える。
【0027】
本発明による交換容器は、本発明による第1および第2の塗布具付き容器のいずれかに用いられる交換容器であって、前記液容器を備える。
【0028】
本発明による交換容器は、前記液容器の開口を閉鎖する蓋を備えてもよい。
【0029】
本発明による塗布液入り交換容器は、本発明によるいずれかの交換容器と、前記液容器に収容された塗布液と、を備える。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、布具付き容器の液容器の構成を簡易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、一実施の形態を説明するための図であって、塗布具付き容器及び塗布液入り塗布具付き容器の一具体例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の塗布具付き容器及び塗布液入り塗布具付き容器の縦断面図である。
【
図4】
図4は、
図1の塗布具付き容器に含まれる外容器を示す部分斜視図である。
【
図5】
図5は、
図1の塗布具付き容器に含まれる第2中間部品を示す部分斜視図である。
【
図6】
図6は、
図1の塗布具付き容器に含まれる一部の構成要素を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、
図1の塗布具付き容器に含まれる一部の構成要素を示す分解斜視図である。
【
図8】
図8は、
図1の塗布具付き容器に含まれる一部の構成要素を示す分解斜視図である。
【
図9A】
図9Aは、
図1の塗布具付き容器の液容器の交換方法を説明するための正面図である。
【
図9B】
図9Bは、
図1の塗布具付き容器の液容器の交換方法を説明するための正面図である。
【
図9C】
図9Cは、
図1の塗布具付き容器の液容器の交換方法を説明するための正面図である。
【
図10】
図10は、
図1の塗布具付き容器及び塗布液入り塗布具付き容器の使用方法を説明するための図である。
【
図11】
図11は、
図1の塗布具付き容器及び塗布液入り塗布具付き容器に用いられる交換容器及び塗布液入り交換容器の一具体例を示す縦断面図である。
【
図12】
図12は、
図2に対応する縦断面図であって、塗布具付き容器及び塗布液入り塗布具付き容器の一変形例を示している。
【
図13】
図13は、
図12の塗布具付き容器の液容器の交換方法を説明するための正面図である。
【
図14】
図13は、
図12の塗布具付き容器の液容器の交換方法を説明するための正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面に示された具体例を参照して、本発明の一実施の形態を説明する。
【0033】
塗布液入り塗布具付き容器10Lは、塗布具付き容器10と、塗布具付き容器10に保持された塗布液Cと、を含んでいる。塗布液Cは、厳密な意味における液体だけでなく、液状物をも含む。塗布液Cは、粘性を有した液体を含む。塗布液Cは、液体中に固体が分散している懸濁液も含む。塗布液Cとして、化粧品が例示される。塗布具付き容器10に収容される化粧品として、マスカラ、アイシャドウ、アイブロウ、アイライナー、コンシーラ、リップグロス、リップライナー、その他のメイクアップ製品、スキンケア製品、ヘアケア製品、マニキュア、ネイルファンデーション、その他のネイルケア製品、オーラルケア製品等が例示される。
【0034】
図1及び
図2は、塗布具付き容器10及び塗布液入り塗布具付き容器10Lを示す斜視図である。
図2に示すように、塗布具付き容器10は、液容器20、外容器30、中間部材40及び塗布具80を主たる構成要素として含んでいる。液容器20は、塗布液Cを収容する。外容器30は、液容器20を収容する。外容器30には、液容器20を挿入される開口30Xが設けられている。中間部材40は、外容器30に取り外し可能に取り付けられて、外容器30に挿入された液容器20が外容器30から抜け出ることを防止する。塗布具80は、中間部材40に取り外し可能に取り付けられるキャップ部82と、キャップ部82から延び出す塗布体84と、を有している。
【0035】
図示された例において、塗布具付き容器10は、細長い外形状を有している。塗布具付き容器10は、中心軸線CAを有している。中心軸線CAと平行な方向を軸方向ADとする。中心軸線CAに対して直交する方向を径方向RDとする。径方向RDにおける内方(内側)とは、径方向RDに沿って中心軸線CAに近接する側を意味する。径方向RDにおける外方(外側)とは、径方向RDに沿って中心軸線CAから離間する側を意味する。中心軸線CAを中心とする円周に沿った方向を周方向CDとする。
【0036】
以下、塗布具付き容器10の各構成要素について順に説明していく。
【0037】
液容器20から説明する。
図2に示すように、液容器20は塗布液Cを収容する。液容器20は、塗布液Cを収容する液収容部22と、液収容部22から突出したフランジ部24と、を有している。液収容部22は、一端を閉鎖された筒状部となっている。液収容部22は、軸方向ADにおける他端において開口し、液収容部22の内部に通じる液容器20の開口20Xを形成している。
【0038】
なお、筒状又は筒状部とは、中空部を有する形状であって、且つ、中空部を外部に開放する一対の対向した開口を有する形状、を意味している。筒状又は筒状部とは、一対の対向する開口を結ぶ中心軸線に沿った長さが、中心軸線に垂直な方向に沿った幅より長くても短くてもよい。
【0039】
図示された例において、液収容部22は、軸方向ADに延びている。液容器20は、塗布具付き容器10に組み込まれた状態において、中心軸線CA上を延びている。液容器20は、一端を閉鎖された円筒状の形状を有している。ただし図示された例に限られず、液収容部22は、一端を閉鎖された角筒状、例えば一端を閉鎖された四角筒状の形状を有してもよい。図示された液収容部22の一端は、曲板状、より具体的には半球板状となっている。ただし、この例に限られず、平板状、例えば中心軸線CAに垂直な方向に広がる平板状であってもよい。
【0040】
フランジ部24は、外フランジ部として構成されている。すなわち、フランジ部24は、液収容部22の内部から離間する側へ液収容部22から突出している。さらに言い換えると、フランジ部24は、液収容部22から径方向RDにおける外方に突出している。フランジ部24は、平板状となっている。
【0041】
図示された例において、フランジ部24は、液収容部22の軸方向ADにおける他端に設けられている。フランジ部24は、液容器20の開口20Xを画成している。フランジ部24は、周方向CDに延びて、液収容部22を周状に取り囲んでいる。フランジ部24の外形状は、円形形状となっている(
図8参照)。ただし、図示された例に限られず、フランジ部24の外形状は、四角形形状、五角形形状、六角形形状等でもよい。
図2の拡大図である
図3に示すように、板状のフランジ部24は、軸方向ADに対向する第1フランジ面24A及び第2フランジ面24Bを有している。
【0042】
液収容部22及びフランジ部24は、一体化していてもよい。すなわち、液収容部22及びフランジ部24は、液容器20として、製造時に同一材料により一体的に継ぎ目なしに形成されてもよい。液容器20は、金属や樹脂により構成されてもよい。
【0043】
次に、外容器30について説明する。上述したように、外容器30は、液容器20を収容する。外容器30は、全体として、一端を閉鎖された筒状部となっている。外容器30の他端に、液容器20を挿入される開口30Xが設けられている。
【0044】
外容器30は、外装容器として、
図1に示すように露出する。外容器30は、使用に際し使用者によって把持される。外容器30の外面には、加飾が施されてもよい。例えば、図形、パターン、デザイン、色彩、絵、写真、キャラクター、マーク、ピクトグラム、文字や数字などの絵柄が、美観を向上させる意匠として、外容器30の外面に設けられてもよい。意匠に加えて又は意匠に代えて、機能や用途の説明が外容器30の外面に設けられてもよい。外容器30の外面に設けられる加飾は、特に限定されず種々の手法によって表現されてもよい。具体的には、外容器30の外面に設けられる加飾は、印刷等の表示によって表現されもよいし、エンボス加工によって形成される凹凸によって表現されてもよい。
【0045】
外容器30は、開口30Xを形成する口筒部34と、口筒部34に接続した容器収容部32と、を有している。外容器30は、全体として、口筒部34とは反対側において閉鎖した、筒状部となっている。
【0046】
口筒部34は、後に詳述する中間部材40が取り外し可能に取り付けられる。容器収容部32は、全体として、筒状部となっている。ただし、容器収容部32は、口筒部34に接続する側とは反対側において閉鎖している。容器収容部32は、口筒部34から挿入された液容器20を収容する。容器収容部32は、主として、液容器20の液収容部22を収容する。したがって、容器収容部32は、液容器20を収容可能な内形状を有する。一方、容器収容部32の外形状は特に限定されない。容器収容部32の外形状は、外装容器として機能を考慮して、適宜選択される。
【0047】
図示された例において、容器収容部32は、軸方向ADに延びている。容器収容部32は、塗布具付き容器10の一部を構成する
図1及び
図2に状態において、中心軸線CA上を延びている。図示された容器収容部32は、一端を閉鎖された円筒状の形状を有している。ただし図示された例に限られず、容器収容部32は、一端を閉鎖された角筒状、例えば一端を閉鎖された四角筒状の形状を有してもよい。
【0048】
図3及び
図4に示すように、図示された口筒部34の外寸は、容器収容部32の外寸よりも小さくなっている。ここで、
図4は、外容器30の軸方向ADにおける口筒部34の側から示す部分斜視図である。口筒部34は、円筒状となっている。口筒部34の外周面には、ネジ部34Sが設けられている。ネジ部34Sは、雄ネジとして構成され、口筒部34と中間部材40との着脱に利用される。
【0049】
口筒部34は、塗布具付き容器10において、軸方向ADにおける中間部材40に近接する側となる外容器30の先端面31を形成する。
図4に良く示されているように、先端面31は、周状に延びている。図示された例では、先端面31は、輪状に延びている。外容器30は、先端面31に、周状凸部36を有している。周状凸部36は、中間部材40の側へ向けて突出する凸部である。図示された例において、周状凸部36は、周方向CDに延びる輪状となっており、軸方向ADに沿って中間部材40に向けて突出している。さらに、外容器30は、凸部37を有している。図示された例において、凸部37は、周状凸部36の径方向RDにおける外方を向く外周面に設けられている。すなわち、凸部37は、周状凸部36から径方向RDにおける外方に突出している。図示された例において、凸部37は、周状凸部36の外周面上において軸方向ADに延びている。周状凸部36の外周面には、複数の凸部37(図示された例では、四つの凸部37)が等間隔をあけて設けられている。
【0050】
なお、液容器20を外容器30によって保持した状態において、液容器20のフランジ部24は、先端面31に接触した状態となる。とりわけ図示された例では、フランジ部24の第2フランジ面24Bが、周状凸部36によって形成される先端面31に接触して、周状凸部36によって支持される。すなわち、後に詳述する中間部材40が外容器30に取り付けられた状態において、口筒部34が液容器20に接触して、液容器20は口筒部34上に保持される。
【0051】
外容器30は、製造時に同一材料により一体的に継ぎ目なしに形成されてもよい。外容器30は、金属や樹脂により構成されてもよい。
【0052】
次に、中間部材40について説明する。中間部材40は、外容器30の口筒部34に取り外し可能に取り付けられる。中間部材40は、口筒部34に取り付けられることによって、外容器30に挿入された液容器20が外容器30から抜け出ることを防止する。中間部材40は、筒状となっている。
図2及び
図3に示すように、中間部材40は、外容器30に取り付けられた状態において、外容器30に保持された液容器20の内部に通じる経路を形成する。
【0053】
図示された具体例において、中間部材40は、口筒部34に取り外し可能に取り付けられる筒状の第1中間部品50と、後に詳述する塗布具80を取り外し可能に取り付けられる筒状の第2中間部品60と、を有している。第1中間部品50及び第2中間部品60は、共に、筒状となっている。
図3に示すように、外容器30に挿入された液容器20上に第2中間部品60を配置して第1中間部品50を口筒部34に取り付けた状態において、第1中間部品50及び外容器30によって液容器20及び第2中間部品60が保持される。液容器20上に位置する第2中間部品60は、液容器20の内部に通じる経路を形成する。
【0054】
第1中間部品50は、口筒部34に取り外し可能に取り付けられる第1中間筒状部52と、第1中間筒状部52より内寸が縮小した縮小部と、を有している。
図1に示すように、第1中間筒状部52は、外部に露出する。したがって、第1中間筒状部52は、外容器30の容器収容部32と同様に加飾を施されてもよい。図示された第1中間筒状部52は、円筒状の外形状を有している。しかしながら、容器収容部32と同様に、第1中間筒状部52の外形状は、特に限定されず、角筒状となっていてもよい。
図3に示すように、筒状の第1中間筒状部52は、その内面に、ネジ部52Sを有している。ネジ部52Sは、雌ネジとして構成されている。ネジ部52Sは、口筒部34のネジ部34Sと噛み合う。ネジ部52Sとネジ部34Sとの噛み合いによって、第1中間部品50を口筒部34に取り外し可能に取り付けることができる。ただし、第1中間部品50を口筒部34に着脱可能とする構成は、ネジ部の噛み合いに限られず、スナップ留め等の他の手段を採用してもよい。
【0055】
縮小部54は、第1中間筒状部52とともに、筒状の第1中間部品50を構成する。縮小部54の内寸は、第1中間筒状部52の内寸よりも小さくなっている。例えば、縮小部54の内幅は、第1中間筒状部52の内幅よりも小さくなっている。このように縮小部54を設けて第1中間部品50の内寸を調整することで、第2中間部品60が、第1中間部品50から抜け出すことを規制している。
【0056】
図示された例において、縮小部54は、内フランジ部として構成されている。すなわち、縮小部54は、第1中間部品50の中空部内に向けて第1中間筒状部52から突出している。更に言い換えると、縮小部54は、第1中間筒状部52から径方向RDにおける内方に突出している。縮小部54は、板状となっている。縮小部54は、第1中間筒状部52の軸方向ADにおける外容器30及び液容器20から離間する側の端に設けられている。縮小部54は、第1中間部品50の開口を画成している。すなわち、縮小部54は、第1中間筒状部52の内面上を周方向CDに延びて、第1中間部品50の開口を周状に取り囲んでいる。縮小部54の内形状は、円形形状となっている(
図6参照)。そして、縮小部54の内寸としての内径は、第1中間筒状部52の内寸としての内径よりも小さくなっている。ただし、図示された例に限られず、縮小部54の内形状は、四角形形状、五角形形状、六角形形状等の角形状でもよい。
【0057】
図示された例において、第1中間部品50の中空部は、軸方向ADにおける両側に開口している。第1中間部品50は、塗布具付き容器10に組み込まれた状態において、中心軸線CA上に位置している。
【0058】
第1中間筒状部52及び縮小部54は、一体化していてもよい。すなわち、第1中間筒状部52及び縮小部54は、第1中間部品50として、製造時に同一材料により一体的に継ぎ目なしに形成されてもよい。第1中間部品50は、金属や樹脂により構成されてもよい。
【0059】
次に、第2中間部品60について説明する。
図5に示すように、第2中間部品60は、縮小部54を通過可能な第2中間筒状部62と、第2中間筒状部62よりも外寸が拡大した拡大部64と、を有している。第2中間筒状部62には、塗布具80が取り外し可能に取り付けられる。
図3に示すように、筒状の第2中間筒状部62は、その外面に、ネジ部62Sを有している。ネジ部62Sは、雄ネジとして構成されている。このネジ部62Sは、後述する塗布具80のネジ部82Sと噛み合う。ネジ部62Sとネジ部82Sとの噛み合いによって、塗布具80を第2中間部品60に取り外し可能に取り付けることができる。ただし、塗布具80を第2中間部品60に着脱可能とする構成は、ネジ部の噛み合いに限られず、スナップ留め等の他の手段を採用してもよい。また、図示された第2中間筒状部62は円筒状となっているが、第2中間筒状部62は角筒状となっていてもよい。
【0060】
拡大部64は、第2中間筒状部62とともに、筒状の第2中間部品60を構成する。拡大部64の外寸は、第2中間筒状部62の外寸よりも大きくなっている。例えば、拡大部64の外幅は、第2中間筒状部62の外幅よりも大きくなっている。そして、拡大部64は、第1中間部品50の縮小部54を通過不可能な大きさを有している。すなわち、拡大部64の外寸は、縮小部54の内寸よりも大きくなっている。このような構成により、拡大部64が、外容器30に取り付けられた第1中間部品50から抜け出すことを規制され、外容器30と第1中間部品50との間に保持される。
【0061】
図5に示すように、図示された拡大部64は、第2中間筒状部62よりも拡幅した筒状部となっている。拡大部64は、第2中間筒状部62に接続した外フランジ部65と、外フランジ部65から突出した周状凸部66と、を有している。外フランジ部65は、第2中間部品60の中空部から離間する側へ向けて第2中間筒状部62から突出している。すなわち、外フランジ部65は、第2中間筒状部62から径方向RDにおける外方に突出している。
【0062】
図示された例において、外フランジ部65は、外容器30及び液容器20に対面する面とは反対側となる面上に、第1切欠65aを設けられている。図示された第1切欠65aは輪状となっている(
図7参照)。
図3に示すように、第1切欠65aは、第1中間部品50の縮小部54を受ける段差となっている。第1切欠65aによれば、第1中間部品50を外容器30に取り付けた状態において、第1中間部品50と第2中間部品60との適切な相対位置を安定して維持することができる。また、
図5及び
図3に示すように、外フランジ部65は、外容器30及び液容器20に対面する面上に、第2切欠65bを設けられている。図示された第2切欠65bは輪状となっている。
図4に示すように、第2切欠65bは、後述するしごき部品70を受ける段差となっている。第2切欠65bによれば、第2中間部品60としごき部品70との適切な相対位置を安定して維持することができる。
【0063】
図3に示すように、周状凸部66は、軸方向ADにおいて口筒部34に向けて外フランジ部65から突出している。周状凸部66は、外フランジ部65の外周縁から垂れ下がっている。周状凸部66は筒状となっている。第2中間部品60の周状凸部66は、上述した外容器30の周状凸部36を周囲から取り囲むことができる大きさを有している。すなわち、拡大部64は、その周状凸部66内に、外容器30の周状凸部36を収容可能である。
図3に示された第2中間部品60を外容器30の口筒部34上に配置した状態において、周状凸部66は、周状凸部36を径方向RDにおける外方から、周方向CDにおける全周に亘って、取り囲む。
【0064】
また、
図3に示すように、第2中間部品60の周状凸部66は、液容器20のフランジ部24を周囲から取り囲むことができる大きさを有している。すなわち、拡大部64は、フランジ部24を周状凸部66内に収容可能となっている。
図3に示された第2中間部品60を外容器30の口筒部34上に配置した状態において、周状凸部66は、周状凸部36上のフランジ部24を径方向RDにおける外方から、周方向CDにおける全周に亘って、取り囲む。
図3に示された状態において、周状凸部66及びフランジ部24の接触により、第2中間部品60の外容器30上での移動を規制することも可能である。
【0065】
さらに、
図5によく示されているように、外容器30は凹部67を有している。図示された例において、凹部67は、周状凸部66の径方向RDにおける内方を向く内周面に設けられている。すなわち、凹部67は、周状凸部66から径方向RDにおける外方にへこんでいる。或いは、図示された例では、周状凸部66の内周面に、凹部及び凸部が周方向CDに繰り返し設けられているとも表現できる。図示された例において、凹部67は、周状凸部66の内周面上において軸方向ADに延びている。周状凸部66の外周面には、複数の凹部67(図示された例では、16個の凹部67)が等間隔をあけて設けられている。第2中間部品60の凹部67は、外容器30の凸部37を収容可能となっている。凹部67が凸部37を受け入れることによって、第2中間部品60の外容器30に対する相対回転を規制することができる。
【0066】
図示された例において、第2中間部品60の中空部は、軸方向ADにおける両側に開口している。第2中間部品60は、塗布具付き容器10に組み込まれた状態において、中心軸線CA上に位置している。
【0067】
外フランジ部65及び周状凸部66は、一体化していてもよい。すなわち、外フランジ部65及び周状凸部66は、拡大部64として、製造時に同一材料により一体的に継ぎ目なしに形成されてもよい。また、第2中間筒状部62及び拡大部64は、一体化していてもよい。すなわち、第2中間筒状部62及び拡大部64は、第2中間部品60として、製造時に同一材料により一体的に継ぎ目なしに形成されてもよい。拡大部64及び第2中間部品60は、金属や樹脂により構成されてもよい。
【0068】
中間部材40は、第1中間部品50及び第2中間部品60に加えて、しごき部品70を更に有している。しごき部品70は、中間部材40を通過する塗布具80上の塗布液Cを掻き取る。しごき部品70による塗布液Cの掻き取りによって、塗布具80上の塗布液Cの量を調整することができる。
【0069】
しごき部品70は、中間部材40のその他の部品よりも、つまり第1中間部品50及び第2中間部品60よりも、柔らかくて変形しやすくなっていることが好ましい。より具体的には、しごき部品70は、第1中間部品50及び第2中間部品60よりも高度の低い材料や、第1中間部品50及び第2中間部品60よりも強度の低い材料、又は、第1中間部品50及び第2中間部品60よりもヤング率等の弾性率の低い材料によって、構成されていることが好ましい。しごき部品70は、ゴムや樹脂によって形成されてもよい。ただし、しごき部品70は、形状によって変形しやすさを確保し得ることから、第1中間部品50や第2中間部品60と一体的に継ぎ目なしに形成されてもよい。
【0070】
しごき部品70は、全体として、筒状となっている。塗布具80の先端は、しごき部品70を通過可能となっている。図示された例において、しごき部品70は、第2中間部品60に保持されている。
図3に示すように、しごき部品70は、筒状本体部72、第1フランジ部73、第2フランジ部74及びしごき部75を有している。第1フランジ部73及び第2フランジ部74は、筒状本体部72から外方に突出する外フランジ部となっている。第1フランジ部73は、筒状本体部72の軸方向ADにおける外容器30から離間する側の端部に設けられている。第2フランジ部74は、筒状本体部72の軸方向ADにおける外容器30に近接する側の端部に設けられている。第1フランジ部73は、第2中間部品60の先端面上に配置される。第2フランジ部74は、第2中間部品60の第2切欠65b内に配置される(
図8参照)。筒状本体部72は、第2中間筒状部62内に配置される。第1フランジ部73及び第2フランジ部74が第2中間部品60と接触することによって、筒状本体部72は第2中間筒状部62に対する軸方向ADへの移動を規制される。図示された例では、第1フランジ部73及び第2フランジ部74の間に第2中間部品60の第2中間筒状部62を挟持することによって、しごき部品70が第2中間部品60に安定して保持されるようになっている。
【0071】
しごき部75は、筒状本体部72及び第2フランジ部74から、軸方向ADにおける外容器30の側に、延び出している。
図3及び
図5に示すように、しごき部75は、筒状本体部72に接続した筒状部75aと、筒状部75aから径方向RDにおける内方に延び出した掻き取り部75bと、を有している。
図5に示すように、掻き取り部75bは、内フランジ部となっており、塗布具80が通過可能な孔を形成している。掻き取り部75bが、塗布具80に接触することで、塗布具80上の塗布液Cの量が調整される。
【0072】
図示された例において、しごき部品70の中空部は、軸方向ADにおける両側に開口している。しごき部品70は、塗布具付き容器10に組み込まれた状態において、中心軸線CA上に位置している。
【0073】
次に、塗布具80について説明する。塗布具80は、塗布液Cを塗布するために用いられる。
図2および
図3に示すように、塗布具80は、中間部材40に取り外し可能に取り付けられるキャップ部82と、キャップ部82から延び出す塗布体84と、を有している。外容器30に取り付けられた中間部材40にキャップ部82が取り付けられた状態において、塗布体84は、中間部材40を通過して、中間部材40と外容器30との間に位置する液容器20内に延び入る。
【0074】
図示された例において、キャップ部82は、中間部材40を覆うことで、筒状の中間部材40を閉鎖する。キャップ部82は、中間部材40の先端部分を受け入れる凹部を有している。キャップ部82は、中間部材40の内周面に、ネジ部82Sを有している。ネジ部82Sは、雌ネジとして構成されている。ネジ部82Sは、中間部材40のネジ部62Sと噛み合う。ネジ部82Sとネジ部62Sとの噛み合いによって、塗布具80を中間部材40に取り外し可能に取り付けることができる。ただし、塗布具80を中間部材40に着脱可能とする構成は、ネジ部の噛み合いに限られず、スナップ留め等の他の手段を採用してもよい。図示されたキャップ部82の外形状は、円筒状となっている。
【0075】
塗布体84は、キャップ部82から延び出した延出部84aと、延出部84aのキャップ部82とは逆側の端部に設けられた先端部84bと、を有している。延出部84aは、筒状又は棒状に形成される。延出部84aは、軸方向ADに細長く延びる部分である。先端部84bは、液容器20内に延び入り、液容器20内の塗布液Cに接触して塗布液Cを保持する。先端部84bは、延出部84aよりも太くなっている。先端部84b上に付着する等により保持された塗布液Cは、先端部84bがしごき部75を通過する際に、掻き取り部75bによって適量となるように掻き取られる。先端部84bの構成は、塗布液Cの種類や塗布液Cを塗布される部分に応じて適宜選択される。先端部84bは、一例として、ブラシやスポンジとしてもよい。
【0076】
図示された例において、塗布具80は、軸方向ADに延びている。塗布具80は、塗布具付き容器10に組み込まれた状態において、中心軸線CA上に位置している。特に、塗布体84は、中心軸線CA上を延びている。
【0077】
キャップ部82及び塗布体84の延出部84aは、一体化していてもよい。すなわち、キャップ部82及び延出部84aは、製造時に同一材料により一体的に継ぎ目なしに形成されてもよい。キャップ部82及び延出部84aは、金属や樹脂により構成されてもよい。
【0078】
ところで、図示された塗布具付き容器10は、キャップ部82に取り付けられた外キャップ88を更に有している。外キャップ88は、キャップ部82の外側部分を覆うように塗布具80に装着されている。
図1に示すように、外キャップ88は外部に露出する。したがって、外キャップ88は、外容器30の容器収容部32や中間部材40の第1中間筒状部52と同様に加飾を施されてもよい。図示された外キャップ88は、一端を閉鎖された円筒状の外形状を有している。しかしながら、容器収容部32や第1中間筒状部52と同様に、外キャップ88の外形状は、特に限定されることなく、例えば一端を閉鎖された角筒状としてもよい。外キャップ88の塗布具80への固定方法は、特に限定されず、ネジ部の噛み合い、スナップ留め、接着材や粘着材等の接合材による接合等を採用してもよい。外キャップ88は、塗布具80に取り外し可能に取り付けられていてもよいし、塗布具80に取り外し不可能に取り付けられていてもよい。
【0079】
なお、図示された例とは異なり、外キャップ88を省略することもできる。この例において、塗布具80のキャップ部82が、外部に露出するようにしてもよい。外部に露出するキャップ部82は、外容器30の容器収容部32や中間部材40の第1中間筒状部52と同様に加飾を施されてもよい。容器収容部32や第1中間筒状部52と同様に、外部に露出するキャップ部82の外形状は、特に限定されることなく、例えば角筒状としてもよい。
【0080】
次に、塗布具付き容器10及び塗布液入り塗布具付き容器10Lの使用方法について説明する。まず、塗布具付き容器10の組み立て方法について説明する。
【0081】
まず、塗布液Cを収容した液容器20を用意する。
図9A及び
図9Bに示すように、液容器20を、その底部から、外容器30の開口30Xに挿入する。
図9Bや
図8に示すように、液容器20を外容器30に収容した状態において、液容器20のフランジ部24が、外容器30の先端面31上に配置される。より具体的には、フランジ部24は周状凸部36上に配置される。すなわち、フランジ部24が周状凸部36上に支持されて、液容器20は外容器30によって保持される。また、この状態において、液容器20は、外容器30と接触することによって、軸方向ADと垂直な方向への外容器30に対する相対移動を規制される。
【0082】
図示された例によれば、
図2及び
図3に示された液容器20が外容器30に挿入された状態において、口筒部34が液容器20に接触して、液容器20は口筒部34によって支持される。したがって、中間部材40と外容器30との間で液容器20を安定して保持することができる。また、外容器30の内部への塗布液Cの漏出を抑制することができる。
【0083】
図2に示された例において、液容器20の底部は、外容器30の底部から離間している。液容器20の底部は、外容器30に接触する必要がなければ、設計の自由度が増す。図示された例において、液容器20の底部は、強度面で有利な曲面状に構成されている。また、液容器20の底部が外容器30から離間することによって、外部から外容器30への衝撃が液容器20へ伝達されることを緩和することができる。これらにより、液容器20を薄肉化する等により、液容器20の構成の簡易化することができる。
【0084】
次に、
図9B及び
図9Cに示すように、外容器30に中間部材40を取り付ける。図示された例では、まず、しごき部品70を保持した第2中間部品60を外容器30の口筒部34上に配置する。
図8に示すように、口筒部34は、第2中間部品60に向けて突出した周状凸部36を有している。第2中間部品60は、口筒部34に向けて突出した周状凸部66を有している。そして、第2中間部品60を外容器30上に配置した状態において、周状凸部36及び周状凸部66の一方が他方を取り囲み、一方の周状凸部及び他方の周状凸部の接触によって、第2中間部品60の外容器30上での移動が規制されるようになる。このような例によれば、液容器20の内部への経路を確保しながら、第2中間部品60を外容器30上に容易に位置決めすることができ、且つ、第2中間部品60を外容器30に対して適切な相対位置を安定して維持することができる。
【0085】
図示された例において、第2中間部品60の周状凸部66が、その内部に外容器30の周状凸部36を収容する。更に
図8及び
図3に示すように、第2中間部品60は、周状凸部66の内部に、周状凸部36とともに周状凸部36上に位置する液容器20のフランジ部24も収容する。これにより、液容器20、外容器30及び第2中間部品60の相対位置を安定して維持することができる。
【0086】
次に、
図9B及び
図9Cに示すように、第1中間部品50を外容器30に固定する。第2中間部品60の第2中間筒状部62は、第1中間部品50の第1中間筒状部52及び縮小部54を通過可能となっている。一方、第2中間部品60の拡大部64は、第1中間筒状部52を通過可能であるが、縮小部54を通過不可能となっている。したがって、拡大部64が第1中間筒状部52内に位置する状態にて、第1中間筒状部52のネジ部52Sを外容器30の口筒部34に形成されたネジ部34Sと噛み合わせることができる。このようにして、第1中間部品50を外容器30の口筒部34に固定することができる。
【0087】
第1中間部品50が外容器30に取り付けられると、第2中間部品60の拡大部64が第1中間部品50の縮小部54を通過できないことから、拡大部64が縮小部54と外容器30との間に、液容器20のフランジ部24とともに保持される。
図2及び
図3に示されたこの状態において、第2中間部品60に保持されたしごき部品70の第2フランジ部74が、液容器20のフランジ部24に接触している。すなわち、中間部材40が外容器30に取り付けられた状態で、中間部材40は外容器30との間で液容器20を挟持する。言い換えると、第1中間部品50が外容器30に取り付けられた状態で、第1中間部品50は外容器30との間で液容器20を挟持する。このように中間部材40(第1中間部品50)と外容器30との間で液容器20を挟持することによれば、液容器20を外容器30や中間部材40に固定するための構成、例えばネジ部やスナップ留めのための爪等を設ける必要がない。したがって、液容器20を簡易な構成としながら、液容器20を安定して保持することが可能となる。
【0088】
図示された例において、液容器20はフランジ部24を有し、中間部材40(第1中間部品50)が外容器30に取り付けられた状態において、フランジ部24が中間部材40(第1中間部品50)と外容器30との間で挟持される。すなわち、液容器20の構成を容易にしながら、中間部材40(第1中間部品50)と外容器30との間で液容器20を安定して保持することができる。
【0089】
また、図示された例において、液容器20は板状のフランジ部24を有している。中間部材40(第1中間部品50)が外容器30に取り付けられた状態において、板状のフランジ部の一方の面(第1フランジ面)24Aが中間部材40(第1中間部品50)と接触する。中間部材40(第1中間部品50)が外容器30に取り付けられた状態において、板状のフランジ部24の他方の面(第2フランジ面)24Bが外容器30の口筒部34と接触する。とりわけ、フランジ部24のフランジ面24A、24Bは、周状の領域において、中間部材40または口筒部34と接触している。この例によれば、中間部材40(第1中間部品50)と外容器30との間で液容器20をより安定して保持することができる。さらに、液容器20からの塗布液Cの漏出を抑制することができる。
【0090】
以上のようにして、
図6に示すように、中間部材40を外容器30の取り付け、中間部材40と外容器30との間に液容器20を保持することができる。次に、
図10に示すように、塗布具80の塗布体84を、中間部材40内に挿入する。
図2に示すように、塗布体84は、液容器20内に進む。塗布具80のキャップ部82に設けられたネジ部82Sを、中間部材40の第2中間部品60に形成されたネジ部62Sに噛み合わせる。ネジ部82Sとネジ部62Sとの噛み合いによって、外キャップ88が固定された塗布具80を、中間部材40に取り付けることができる。以上のようにして、
図1に示された塗布具付き容器10及び塗布液入り塗布具付き容器10Lが得られる。
【0091】
ところで、
図3に示すように、中間部材40が外容器30に取り付けられた状態で、しごき部品70が液容器20に接触している。より具体的には、しごき部品70の第2フランジ部74が、周状の領域において、液容器20のフランジ部24に接触している。しごき部品70は、中間部材40のその他の部品(例えば第1中間部品50や第2中間部品60)と比較して、変形しやすい材料によって構成されている。したがって、しごき部品70が液容器20のフランジ部24に接触することによって、中間部材40と外容器30との間で液容器20をより安定して挟持することができる。また、液容器20からの塗布液Cの漏出をより効果的に抑制することができる。
【0092】
また、
図3及び
図6に示すように、第2中間部品60の先端面をしごき部品70の第1フランジ部73が覆っている。塗布具80が中間部材40に取り付けられた状態において、しごき部品70の第1フランジ部73が塗布具80のキャップ部82に周状の領域で接触する。したがって、塗布具80の中間部材40の取り付け状態を安定して維持することができ、さらに、塗布液Cの漏出を抑制することができる。
【0093】
次に、
図1の塗布具付き容器10を用いて塗布液Cを塗布する際の作用について説明する。使用者は、中間部材40の第2中間部品60から塗布具80を取り外す。図示された例では、塗布具80のネジ部82Sと第2中間部品60のネジ部62Sとの噛み合いを解除する。次に、塗布具80が外容器30及び中間部材40から軸方向ADに離間するよう、塗布具80を外容器30及び中間部材40に対して移動させる。これにより、塗布具80の塗布体84が液容器20から中間部材40を通過して抜き出される。このとき、塗布体84の先端部84bは、しごき部品70によって、余分な塗布液Cを掻き取られる。次に、使用者は、塗布液Cの塗布対象、例えば顔等に塗布体84を接触させることによって、塗布液Cを塗布対象に塗布する。塗布が終了した後、使用者は、再び、塗布体84を液容器20内に挿入し、塗布具80を第2中間部品60に取り付ける。
【0094】
ところで、塗布具80のネジ部82Sと第2中間部品60のネジ部62Sとの噛み合いを解除する際または噛み合いを確保する際、使用者は、一方の手で外キャップ88を把持し、他方の手で外容器30を把持することが想定される。そして、中心軸線CAを中心として、外キャップ88及び塗布具80を外容器30に対して回転させた場合に、塗布具80とともに第2中間部品60が、外容器30に対して回転することもあり得る。この場合、ネジ部82Sとネジ部62Sとの噛み合いを解除すること又は噛み合いを確保することができない。
【0095】
この点、上述してきた例によれば、外容器30上に第2中間部品60を配置した状態において、第2中間部品60と外容器30との相対回転が規制されるようになっている。すなわち、外キャップ88(キャップ部82)と外容器30とを把持して塗布具80を取り付け取り外しする際に、第2中間部品60の外容器30に対する回転が規制される。したがって、塗布具80の取り付け取り外しを容易且つ安定して行うことができる。
【0096】
図示された例では、口筒部34と第2中間部品60と接触することによって、第2中間部品60と外容器30との相対回転が規制される。より具体的には、口筒部34と第2中間部品60の一方が凸部37を有し、口筒部34と第2中間部品60の他方が凸部37を収容する凹部67を有している。そして、凸部37が凹部67に収容されることによって、第2中間部品60と外容器30との相対回転が規制される。すなわち、第2中間部品60と外容器30との間に回転止め機構が設けられている。図示された例によれば、極めて簡易な構成の回転止め機構により、第2中間部品60の外容器30に対する回転を規制し、塗布具80の取り付け取り外しを容易且つ安定して行うことを可能にしている。
【0097】
以上のような塗布具付き容器10及び塗布液入り塗布具付き容器10Lにおいては、液容器20を使い捨てとすることができる。すなわち、液容器20内の塗布液Cが全て消費された状態において、当該液容器20を塗布具付き容器10から取り出す。使用済みの液容器20を取り外す際の手順は、上述した塗布具付き容器10の組み立て方法と逆の手順と逆の手順となる。すなわち、
図10及び
図6に示すように、まず、塗布具80及び外キャップ88を取り外す。次に、中間部材40を外容器30から取り外す。図示された例では、最初に、
図9C及び
図7に示すように、第1中間部品50を外容器30から取り外す。その後、
図9B及び
図8に示すように、第2中間部品60及びしごき部品70を外容器30上から取り除く。中間部材40を外容器30から取り外した後、
図9A及び
図6に示すように、使用済みの液容器20を外容器30から取り出す。
【0098】
液容器20を使い捨てとする場合、塗布具付き容器10のその他の構成要素、つまり、外容器30、塗布具80、外キャップ88、中間部材40は、詰め替えられる液容器20とともに、繰り返し使用され得る。液容器20を詰め替え式とする使用方法では、液容器20を含む塗布液入り交換容器90Lが流通され、使用者は、使用中の液容器20内の塗布液Cを消費したところで、次の塗布液入り交換容器90Lを塗布具付き容器10に適用する。塗布液入り交換容器90Lは、交換容器90と、交換容器90内に収容された塗布液Cと、を有している。
図11に示すように、交換容器90は、液容器20と、液容器20の開口20Xを塞ぐ蓋95と、を有していてもよい。
【0099】
上述したように、液容器20は、一端が閉鎖した筒状の液収容部22と、液収容部22の他端に設けられて開口20Xを画成するフランジ部24と、を有している。上述した例において、液容器20は、外容器30と中間部材40との間で保持されることから、他の部材との取り付け構造等を必要とされない。この結果、液容器20は極めて簡易な構成を有している。
図11に示された例において、このような簡易な構成の液容器20とともに交換容器90を構成する蓋95も、極めて簡易な構成となっている。図示された例において、蓋95は、フランジ部24に接合されたシート状の部材となっている。この蓋95を剥がすことによって又は蓋95を穿孔することによって、液収容部22内に塗布具80を移動させて、液収容部22内の塗布液Cを利用可能とすることができる。このような交換容器90によれば、液収容部22の交換にともなう廃棄物の量を大幅に低減することができるので、製造コストの観点において好ましいだけでなく、環境保護の観点からも好ましい。
【0100】
シート状の蓋95として、金属シート、樹脂フィルム、金属蒸着膜を積層された樹脂フィルム等を用いることができる。シート状蓋95のフランジ部24への接合方法として、溶着、超音波接合、接着材や粘着材等の接合材を用いた接合を例示することができる。
【0101】
以上に説明してきた一実施の形態において、塗布具付き容器10は、塗布液Cを収容する液容器20と、液容器20を挿入される外容器30と、外容器30の口筒部34に取り外し可能に取り付けられて液容器20が外容器30から抜け出ることを防止する筒状の中間部材40と、中間部材40に取り外し可能に取り付けられるキャップ部82及びキャップ部82から延び出す塗布体84を含む塗布具80と、を有する。外容器30に取り付けられた中間部材40にキャップ部82が取り付けられた状態において、塗布体84は、中間部材40を通過して、中間部材40と外容器30との間に位置する液容器20内に延び入る。このような一実施の形態によれば、塗布具80は中間部材40に取り付けられる。したがって、液容器20には、塗布具80を取り付けるための構成を設ける必要がない。この結果、液容器20の構成を簡易化することができる。これにともなって、液容器20を使い捨てとした場合における液容器20を含む交換容器90の構成を簡易化することができる。
【0102】
また、以上に説明した一実施の形態の一具体例において、塗布具付き容器10は、塗布液を収容する液容器20と、液容器20を挿入される外容器30と、外容器30の口筒部34に取り外し可能に取り付けられる筒状の第1中間部品50と、第1中間部品50を口筒部34に取り付けることにより、液容器20に対する相対回転を規制されるようにして、外容器30上に保持される筒状の第2中間部品60と、第2中間部品60に取り外し可能に取り付けられるキャップ部82及びキャップ部82から延び出す塗布体84を含む塗布具80と、を有する。キャップ部82及び第2中間部品60は互いに噛み合うネジ部82S,62Sを有している。外容器30上に保持された第2中間部品60にキャップ部82が取り付けられた状態において、塗布体84は、第2中間部品60を通過して液容器20内に延び入る。このような塗布具付き容器10によれば、塗布具80は第2中間部品60に取り付けられる。したがって、液容器20には、塗布具80を取り付けるための構成を設ける必要がない。この結果、液容器20の構成を簡易化することができる。これにともなって、液容器20を使い捨てとした場合における液容器20を含む交換容器90の構成を簡易化することができる。また、キャップ部82と外容器30とを相対回転させて塗布具80を取り付け取り外しする際に、第2中間部品60の外容器30に対する回転が規制される。したがって、塗布具80の取り付け取り外しを容易且つ安定して行うことができる。
【0103】
図示された具体例を参照しながら一実施の形態を説明してきたが、上述した具体例が一実施の形態を限定することを意図していない。上述した一実施の形態は、その他の様々な具体例で実施されることが可能であり、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加等を行うことができる。
【0104】
以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した具体例と同様に構成され得る部分について、上述の具体例における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
【0105】
上述した一実施の形態において、中間部材40が、第1中間部品50、第2中間部品60及びしごき部品70を含む例について説明した。しかしながら、第2中間部品60及びしごき部品70が、一体的に継ぎ目無しで形成されていてもよい。すなわち、第2中間部品60及びしごき部品70が、製造時に同一材料により一体的に継ぎ目なしに形成されてもよい。さらに、
図12~
図14に示すように、第1中間部品50、第2中間部品60及びしごき部品70が、一体化していてもよい。すなわち、第1中間部品50、第2中間部品60及びしごき部品70が、製造時に同一材料により一体的に継ぎ目なしに形成されてもよい。
【0106】
図12~
図14に示された塗布具付き容器10は、液容器20、外容器30、中間部材40、塗布具80及び外キャップ88を有している。
図12~
図14に示された塗布具付き容器10は、中間部材40の構成において、
図1~
図11を参照しながら説明した上述の例と異なり、その他において同一に構成することができる。すなわち、
図12~
図14に示された塗布具付き容器10において、液容器20、外容器30、塗布具80及び外キャップ88は、上述した構成と同一とすることができる。
【0107】
図12~
図14に示された塗布具付き容器10において、中間部材40は、外容器30の口筒部34に取り外し可能に取り付けられる第1筒状部41と、塗布具80を取り外し可能に取り付けられる第2筒状部42と、第1筒状部41及び第2筒状部42を連結する接続フランジ部43と、を有している。第1筒状部41の外寸は、第2筒状部42の外寸よりも大きくなっている。接続フランジ部43は、軸方向ADに垂直な方向に広がる板状に形成されている。第1筒状部41は、口筒部34のネジ部34Sと噛み合うネジ部41Sを有している。ネジ部41Sは、雌ネジとして構成されている。ネジ部41Sとネジ部34Sとの噛み合いによって、中間部材40が外容器30に着脱可能となっている。第2筒状部42は、キャップ部82のネジ部82Sと噛み合うネジ部42Sを有している。ネジ部42Sは、雄ネジとして構成されている。ネジ部42Sとネジ部82Sとの噛み合いによって、塗布具80が中間部材40に着脱可能となっている。
【0108】
図12~
図14に示された中間部材40は、さらに第2筒状部42から延び出したしごき部44を有している。しごき部44は、上述したしごき部品70のしごき部75と同様の機能を有し、しごき部75と同様に構成され得る。
図12~
図14に示された例とは異なり、しごき部44は、第1筒状部41から延び出してもよいし、接続フランジ部43から延び出してもよい。また、しごき部44を、第1筒状部41、第2筒状部42及び接続フランジ部43とは別の部品として構成してもよい。
【0109】
図12~
図14に示された例においても、液容器20は、一端が閉鎖された筒状の液収容部22と、液収容部22から延び出したフランジ部24と、を有している。中間部材40は、第1筒状部41内にフランジ部24を収容可能となっている。一方、フランジ部24の外寸は、第2筒状部42の内寸よりも大きい。したがって、フランジ部24は、第2筒状部42及び接続フランジ部43を通過することができない。これにより、中間部材40が外容器30に取り付けられた状態において、中間部材40と外容器30との間に液容器20を保持することができる。
【0110】
図12~
図14に示された例においても、塗布具付き容器10は、塗布液Cを収容する液容器20と、液容器20を挿入される外容器30と、外容器30の口筒部34に取り外し可能に取り付けられて液容器20が外容器30から抜け出ることを防止する筒状の中間部材40と、中間部材40に取り外し可能に取り付けられるキャップ部82及びキャップ部82から延び出す塗布体84を含む塗布具80と、を有している。外容器30に取り付けられた中間部材40にキャップ部82が取り付けられた状態において、塗布体84は、中間部材40を通過して、中間部材40と外容器30との間に位置する液容器20内に延び入る。この例において、塗布具80は中間部材40に取り付けられる。したがって、液容器20には、塗布具80を取り付けるための構成を設ける必要がない。この結果、液容器20の構成を簡易化することができる。これにともなって、液容器20を使い捨てとした場合における液容器20を含む交換容器90の構成を簡易化することができる。
【0111】
また、
図12に示すように、液容器20が外容器30に挿入された状態において、口筒部34が液容器20に接触して、液容器20のフランジ部24が口筒部34によって支持される。したがって、この例においても、中間部材40と外容器30との間で液容器20を安定して保持することができる。また、外容器30の内部への塗布液Cの漏出を抑制することができる。
【0112】
さらに、中間部材40が外容器30に取り付けられた状態で、中間部材40は外容器30との間で液容器20を挟持する。言い換えると、中間部材40が外容器30に取り付けられた状態で、接続フランジ部43及び第2筒状部42は外容器30の口筒部34との間で液容器20を挟持する。このように中間部材40と外容器30との間で液容器20を挟持することによれば、液容器20を外容器30や中間部材40に固定するための構成、例えばネジ部やスナップ留めのための爪等を設ける必要がない。したがって、液容器20を簡易な構成としながら、液容器20を安定して保持することが可能となる。
【0113】
とりわけ図示された例において、液容器20はフランジ部24を有し、中間部材40が外容器30に取り付けられた状態において、フランジ部24が中間部材40と外容器30との間で挟持される。すなわち、液容器20の構成を容易にしながら、中間部材40と外容器30との間で液容器20を安定して保持することができる。
【0114】
図示された例において、液容器20は板状のフランジ部24を有している。中間部材40が外容器30に取り付けられた状態において、板状のフランジ部の一方の面(第1フランジ面)24Aが中間部材40と接触する。中間部材40が外容器30に取り付けられた状態において、板状のフランジ部24の他方の面24Bが外容器30の口筒部34と接触する。とりわけ、フランジ部24のフランジ面24A、24Bは、周状の領域において、中間部材40または口筒部34と接触している。この例によれば、中間部材40と外容器30との間で液容器20をより安定して保持することができる。さらに、液容器20からの塗布液Cの漏出を抑制することができる。
【0115】
図12~
図14に示された例においても、液容器20を使い捨てとすることができる。
図13及び
図14に示すように、使用済みの液容器20を廃棄して、例えば
図11に示された塗布液入り交換容器90Lを、
図12~
図14に示された塗布具付き容器10に適用することが可能である。なお、
図13及び
図14に示すように、液容器20を交換する際、塗布具80を中間部材40から取り外すことなく、塗布具80が取り付けられた中間部材40を、外容器30から取り外すようにしてもよい。
【符号の説明】
【0116】
10L:塗布液入り塗布具付き容器、10:塗布具付き容器、20:液容器、24:フランジ部、24A:第1フランジ面、24B:第2フランジ面、30:外容器、30X:開口、34:口筒部、36:周状凸部、37:凸部、40:中間部材、50:第1中間部品、52:第1中間筒状部、54:縮小部、60:第2中間部品、62:第2中間筒状部、62S:ネジ部、64:拡大部、66:周状凸部、67:凹部、70:しごき部品、80:塗布具、82:キャップ部、84:塗布体、88:外キャップ、90L:塗布液入り交換容器、90:交換容器、95:蓋