(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】ベッド
(51)【国際特許分類】
A47C 19/04 20060101AFI20240813BHJP
A61G 7/002 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
A47C19/04 Z
A61G7/002
(21)【出願番号】P 2021040167
(22)【出願日】2021-03-12
【審査請求日】2023-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】390039985
【氏名又は名称】パラマウントベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】舟越 敬介
(72)【発明者】
【氏名】松本 孝樹
(72)【発明者】
【氏名】下村 晃生
(72)【発明者】
【氏名】神戸 元樹
(72)【発明者】
【氏名】掛田 英希
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-046971(JP,A)
【文献】特開2018-175386(JP,A)
【文献】登録実用新案第3126237(JP,U)
【文献】特開2002-010877(JP,A)
【文献】特開2015-202139(JP,A)
【文献】特開2002-306278(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 19/04
A61G 7/002
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に延びるボトムフレームと、
前記ボトムフレーム上に設けられ前後方向に並んだ複数のボトムと、
前記ボトムに配置される調節部材と、
を備えたベッドにおいて、
前記ボトムフレームは、フレーム本体と、前記フレーム本体に設けられ前記調節部材が固定される固定部と、を有し、
前記調節部材は、
前記固定部に固定される固定位置から第1の所定距離の第1端部と、
前記固定位置からの距離が前記第1の所定距離と異なる第2の所定距離の第2端部と、を有し、
前記固定部に固定される態様を変化させることにより、前記第1端部が後端となり前記ボトムフレームから前方に所定の突出寸法で突出する第1位置と、前記第2端部が後端となり前記第1位置と異なる突出寸法で突出する第2位置と、を変更できることを特徴とするベッド。
【請求項2】
前記調節部材は、前記ボトムの上方に配置され、前記ボトムの位置を変更することな
く載置面の前後方向の長さを調節可能となっていることを特徴とする請求項1に記載のベッド。
【請求項3】
前記固定部は、前記フレーム本体から上方に向けて突出しており、
前記ボトムは、前記固定部が貫通可能な貫通孔を有し、
前記調節部材は、前記ボトムの上面に対面する本体部と、前記本体部に形成され前記調節部材を前記固定部に固定するための固定部材が挿通する挿通孔と、を有し、
前記調節部材が前記第1位置にある場合に、前記挿通孔から前記調節部材の前端までの寸法は、前記挿通孔から前記調節部材の後端までの寸法よりも大きくなっていることを特徴とする請求項
1に記載のベッド。
【請求項4】
前記調節部材は、前記本体部の周囲に上方に向けて突出する突出部を有することを特徴とする請求項
3に記載のベッド。
【請求項5】
前記調節部材は、前記本体部の上下方向に貫通する通気孔を有し、
前記挿通孔と前記通気孔とは、左右方向に並んで形成されていることを特徴とする請求項
3または4に記載のベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
利用者の体型や配設される部屋のスペースに応じて、長さ寸法を変更可能なベッドが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたベッドは、ベッドの長手方向および短手方向の中央部で長さ調節作業をしなければならないので、長さ調節作業の作業性が低下するおそれがある。
【0005】
本発明の実施形態の目的は、長さ調節を簡単に行うことができるベッドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係るベッドは、前後方向に延びるボトムフレームと、前記ボトムフレーム上に設けられ前後方向に並んだ複数のボトムと、前記ボトムに配置される調節部材と、を備えたベッドにおいて、前記調節部材は、前記ボトムフレームから前方に突出する第1位置と、前記第1位置よりも前後方向の内側に位置する第2位置と、を変更できることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、長さ調節を簡単に行うことができるベッドを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るベッドを示す斜視図である。
【
図2】ボトムフレームおよびボトムを取り外した状態を示す斜視図である。
【
図3】背ボトムに配置された第1調節部材を示す平面図である。
【
図5】背ボトムに配置された第1調節部材を拡大して示す斜視図である。
【
図6】背ボトムから第1調節部材を取り外した状態を示す分解斜視図である。
【
図7】第1調節部材によりベッドの長さを短くした状態を示す
図5と同様の斜視図である。
【
図8】
図7中の第1調節部材を側方からみた
図4と同様の側面図である。
【
図10】足ボトムに配置された第2調節部材を示す平面図である。
【
図11】第2調節部材によりベッドの長さを短くした状態を示す平面図である。
【
図13】本発明の第2実施形態に係る第3調節部材を備えたベッドの背ボトム側を示す斜視図である。
【
図14】
図13中の第3調節部材を拡大して示す斜視図である。
【
図15】第3調節部材により長さ調節がなされた状態を示す断面図である。
【
図16】背部フレームから背ボトムを取り外した状態を示す断面図である。
【
図17】本発明の第3実施形態に係る第4調節部材を備えたベッドの背ボトム側を示す平面図である。
【
図18】本発明の第4実施形態に係る第5調節部材を備えたベッドの背ボトム側を示す平面図である。
【
図19】本発明の第5実施形態に係る第6調節部材を備えたベッドの背ボトム側を示す分解斜視図である。
【
図21】背部フレームに第6調節部材を取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図22】第6調節部材によりベッドの長さを短くした状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1実施形態に係るベッドについて、
図1~
図12を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るベッドを示す斜視図である。
図2は、ボトムフレームおよびボトムを取り外した状態を示す斜視図である。
図2では、ベースフレームの高さを
図1の状態よりも上げた状態を示している。
【0010】
図1に示すベッド10は、例えば介護施設、病院、および個人宅に用いられ、背もたれや高さなどを電動で作動可能な電動ベッドである。ベッド10は、背ボトム26や、脚ボトム28が起倒可能となっている。ベッド10は、ボトムフレーム16と、ボトム25と、調節部材(第1調節部材30および第2調節部材50)と、を備えている。
図1に示すベッド10は、
図1中の左斜め上側が頭側であり、
図1中の右斜め下側が足側となっている。本実施形態では、頭側と足側との方向を前後方向としている。
【0011】
ベースフレーム12の上方には、例えば前後方向で複数の板部材が連結されたサイドフレーム14と、サイドフレーム14の内側に設けられボトム25を支持するボトムフレーム16と、が配置されている。サイドフレーム14は、ベッド10の左右方向(短手方向)に離間して2個設けられている。
【0012】
サイドフレーム14は、前後方向の前側(頭側)に位置する頭側フレーム14aと、後側(足側)に位置する足側フレーム14bと、を有している。頭側フレーム14aと足側フレーム14bとは、分割可能に連結されている。これにより、ベッド10は、例えば複数のユニットに分割して、ベッド10を配設する部屋の中に運搬することができるようになっている。また、サイドフレーム14とボトムフレーム16とは、サイドフレーム14内に設けられた第1駆動装置101により、ベースフレーム12に対して上下方向に移動可能となっている。
【0013】
頭側フレーム14aの前端側には、図示しないヘッドボードが取り付けられるボード取付部15aが設けられている。ボード取付部15aは、頭側フレーム14aに対して前後方向に摺動可能に設けられている。ボード取付部15aは、後述の第1調節部材30の第1位置と第2位置とに応じて、頭側フレーム14aからの突出寸法が調整される。
【0014】
一方、足側フレーム14bの後端側には、図示しないフットボードが取り付けられるボード取付部15bが設けられている。ボード取付部15bは、足側フレーム14bに対して前後方向に摺動可能に設けられている。ボード取付部15bは、後述の第2調節部材50の第1位置と第2位置とに応じて、足側フレーム14bからの突出寸法が調整される。
【0015】
ボトムフレーム16は、背ボトム26を支持する背部フレーム17と、腰ボトム27を支持する腰部フレーム18と、脚ボトム28を構成する膝ボトム28aを支持する膝部フレーム19と、脚ボトム28を構成する足ボトム28bを支持する足部フレーム20と、を有している。背部フレーム17、腰部フレーム18、膝部フレーム19、および足部フレーム20は、ベッド10の左右方向(短手方向)に離間して2個設けられている。
【0016】
背部フレーム17は、前後方向に延びている。背部フレーム17は、前後方向に並ぶ複数の背ボトム26をそれぞれ裏側から支持している。背部フレーム17は、第2駆動装置103の作動により、腰部フレーム18に対して起倒可能(屈曲可能)となっている。
【0017】
背部フレーム17は、本体フレーム17aと、本体フレーム17aに設けられ第1調節部材30が固定される固定部17bと、を有する。固定部17bは、最も前側に位置する背ボトム26の貫通孔25aに対応する位置で、本体フレーム17aから上方に向けて突出している。固定部17bは、例えば筒状体からなり、内面側にめねじが螺刻されたねじ座となっている。本実施形態では、左右の各背部フレーム17の本体フレーム17aにそれぞれ1つの固定部17bが設けられている。
【0018】
腰部フレーム18は、背部フレーム17の後方に位置して前後方向に延びている。腰部フレーム18は、腰ボトム27を裏側から支持している。腰部フレーム18は、サイドフレーム14に固定されている。膝部フレーム19は、腰部フレーム18の後方に位置して前後方向に延びている。膝部フレーム19は、前後方向に並ぶ複数の膝ボトム28aをそれぞれ裏側から支持している。膝部フレーム19は、腰部フレーム18に対して回動可能に連結されるとともに、足部フレーム20に対して回動可能に連結されている。
【0019】
足部フレーム20は、膝部フレーム19の後方に位置して前後方向に延びている。足部フレーム20は、前後方向に並ぶ複数の足ボトム28bをそれぞれ裏側から支持している。足部フレーム20は、本体フレーム20aと、本体フレーム20aに設けられ第2調節部材50が固定される第1固定部20bおよび第2固定部20cと、を有する。本実施形態では、左右の各足部フレーム20の本体フレーム20aにそれぞれ第1固定部20bと第2固定部20cとが設けられている。
【0020】
第1固定部20bと第2固定部20cとは、本体フレーム20aの前後方向に並んで設けられており、本発明の固定部を構成している。第1固定部20bは、本体フレーム20aの後側に位置している。第2固定部20cは、第1固定部20bの前側に位置している。
【0021】
ボトム25は、ボトムフレーム16に固定され、サイドフレーム14およびボトムフレーム16上に前後方向に並んで複数個設けられている。ボトム25は、上面が図示しないマットレスの載置面となっており、マットレスおよびマットレス上の人体を支持する。
【0022】
ボトム25は、頭側に位置して背中を支持する背ボトム26と、背ボトム26の後側に位置して腰を支持する腰ボトム27と、腰ボトム27の後側に位置して脚を支持する脚ボトム28と、を有する。脚ボトム28は、膝を支持する膝ボトム28aと、膝ボトム28aの後側に位置して足を支持する足ボトム28bと、を有する。背ボトム26、腰ボトム27、および脚ボトム28は、それぞれ同じ形状、構成となっている。
【0023】
各ボトム25は、上下方向に貫通する貫通孔25aが左右方向に複数並んで形成されている。この貫通孔25aは、ボトム25上に載置されるマットレスとの間の通気口となっている。これにより、マットレスの下面側の通気がよくなるので、マットレスの蒸れを抑制できる。
【0024】
サイドフレーム14の内部には、サイドフレーム14およびボトムフレーム16を昇降させる第1駆動装置101と、ボトム25を起倒させる第2駆動装置103と、第1駆動装置101および第2駆動装置103を制御する制御部105と、が配設されている。第1駆動装置101および第2駆動装置103は、例えば電動シリンダとなっている。なお、第1駆動装置101および第2駆動装置103は、電動シリンダに限らず、モータなどの他のアクチュエータでもよい。
【0025】
次に、ベッド10の前後方向(長手方向)の長さを調節可能な第1調節部材30について説明する。
図3は、背ボトムに配置された第1調節部材を示す平面図である。
図4は、第1調節部材を側方からみた側面図である。
図5は、背ボトムに配置された第1調節部材を拡大して示す斜視図である。
図6は、背ボトムから第1調節部材を取り外した状態を示す分解斜視図である。
図7は、第1調節部材によりベッドの長さを短くした状態を示す
図5と同様の斜視図である。
図8は、
図7中の第1調節部材を側方からみた
図4と同様の側面図である。
図9は、第1調節部材を単体で示す斜視図である。
【0026】
第1調節部材30は、複数の背ボトム26のうち、最も前側(頭側)に位置する背ボトム26に配置されている。この第1調節部材30は、背ボトム26の上方に位置しており、本発明の調節部材を構成している。第1調節部材30は、上面が図示しないマットレスの載置面となっており、マットレスの頭側を下方から支持する。
【0027】
第1調節部材30は、ボトムフレーム16の背部フレーム17から前方に突出する第1位置と、第1位置よりも前後方向の内側に位置する第2位置と、を変更できるようになっている。すなわち、第1調節部材30は、第1位置と第2位置とを選択することにより、ベッド10の前後方向(長手方向)の長さを変更できる。換言すると、第1調節部材30は、長手方向が長い第1位置と、長手方向が短い第2位置と、を変更できる。
【0028】
第2位置では、第1調節部材30の前端が背部フレーム17と同じ位置であったり、第1調節部材30の前端が背部フレーム17よりも後方に位置していたりしてもよい。
図1、
図3~
図6では、第1調節部材30が第1位置にある状態を示している。一方、
図7、
図8では、第1調節部材30が第2位置にある状態を示している。
【0029】
第1調節部材30の左右方向の長さは、ボトム25の左右方向の長さやマットレスの左右方向の長さに対応している。第1調節部材30は、背ボトム26の上面に対面する本体部32と、本体部32に形成され第1調節部材30を固定部17bに固定するための固定部材40が挿通する挿通孔34と、を有する。本体部32は、例えば金属材料や樹脂材料により形成された薄板材となっている。
【0030】
挿通孔34は、本体部32の上面32aから下面32bに向けて貫通している。挿通孔34には、固定部材40の軸部40bが挿通する。固定部材40は、例えば頭部40aと、おねじが螺刻された軸部40bと、を有するねじとなっている。なお、固定部材40は、ピンなどでもよい。本実施形態では、2個の挿通孔34が本体部32の左右方向に離間して形成されている。各挿通孔34は、固定部17bに対応する位置に形成されている。第1調節部材30は、例えば固定部材40の軸部40bを挿通孔34に挿通させて、軸部40bを固定部17bに螺合することにより、背ボトム26の上面に取り付けられる。
【0031】
図3に示すように、各挿通孔34は、左右方向で同じ直線上(一点鎖線O1-O1)に位置している。そして、各挿通孔34は、第1調節部材30の左右方向の端部までの寸法L1が等しい位置に形成されている。これにより、第1調節部材30は、第1位置から180度回転させて第2位置としても、同じ固定部17bに取り付けられるようになっている。
【0032】
また、挿通孔34は、第1調節部材30の前後方向の中央から一方の端部にずれた位置に形成されている。
図3、
図4に示すように、第1調節部材30が第1位置にある場合には、挿通孔34から第1調節部材30の前後方向の一端30a(前端)までの寸法L2が、第1調節部材30の前後方向の他端30b(後端)までの寸法L3よりも大きくなっている(L2>L3)。第1調節部材30が第1位置にあるときには、一端30aが前端となり、他端30bが後端となっている。一方、第1調節部材30が第2位置にあるときには、一端30aが後端となり、他端30bが前端となっている。
【0033】
また、第1調節部材30が第1位置にある場合には、挿通孔34から第1調節部材30の一端30aまでの寸法L2が、挿通孔34から背部フレーム17の前端までの寸法L4よりも大きくなっている(L2>L4)。これにより、第1調節部材30が第1位置にある場合には、第1調節部材30の一端30a(前端)を背部フレーム17の前端17a1から寸法L5だけ突出させることができる。
【0034】
この場合、背ボトム26の前端26aは、背部フレーム17の前端17a1と上下方向でほぼ同じ位置に位置している。従って、第1調節部材30が第1位置にある場合には、第1調節部材30の一端30a(前端)を背ボトム26の前端26aよりも前方に位置させることができる。換言すると、第1調節部材30が第1位置にある場合には、第1調節部材30の一端30a(前端)を背ボトム26の前端26aよりも前方に突出させることができる。
【0035】
第1調節部材30は、
図3~
図5に示すような第1位置と、
図7、
図8に示すような第2位置と、の2つの態様で固定部17bに取り付けることができる。
図7、
図8では、第1調節部材30が第1位置にある場合を二点鎖線で示している。第1調節部材30は、第1位置にある場合と第2位置にある場合とでは前後が逆転する。すなわち、
図7、
図8に示すように、第1調節部材30が第2位置にある場合には、前後方向の一端30aが後端となり、前後方向の他端30bが前端となる。
【0036】
図8に示すように、第1調節部材30が第2位置にある場合には、第1調節部材30の他端30b(前端)を背部フレーム17の前端17a1から寸法L6だけ突出させることができる。上述したように、第1調節部材30は、挿通孔34から一端30aまでの寸法L2が、挿通孔34から他端30bまでの寸法L3よりも大きくなっている。従って、第1調節部材30が第2位置にある場合の寸法L6は、第1調節部材30が第1位置にある場合の寸法L5よりも小さくなる(L6<L5)。
【0037】
その結果、第1調節部材30を第2位置とした場合には、第1調節部材30を第1位置とした場合よりも、ベッド10の前後方向の長さを寸法L2-L3分だけ短くすることができる。このように、第1調節部材30は、背部フレーム17に設けられた固定部17bに固定される態様(第1位置の態様と第2位置の態様)を変化させることにより、簡単にベッド10の前後方向の長さ寸法を変更することができる。
【0038】
なお、第1調節部材30が第2位置にある場合には、第1調節部材30の他端30b(前端)が背ボトム26の前端26aよりも後方に位置していてもよい。このような場合には、マットレスを背ボトム26で支持させることができるので、第1調節部材30を固定部17bに固定させる必要はない。しかしながら、そのような場合には、第1調節部材30の保管場所が必要になったり、第1調節部材30を紛失したりするおそれがある。本実施形態による第1調節部材30は、第1位置の態様でも第2位置の態様でも固定部17bに固定させることができるので、第1調節部材30の保管場所を確保したり、第1調節部材30が紛失したりするのを抑制できる。
【0039】
第1調節部材30は、本体部32の上下方向に貫通する通気孔36を有している。通気孔36は、ボトム25(背ボトム26)の貫通孔25aに対応する位置に形成されている。また、
図3、
図5~
図7、
図9に示すように、挿通孔34と通気孔36とは、左右方向(短手方向)に並んで形成されている。
【0040】
これにより、第1調節部材30が第1位置にある場合でも第2位置にある場合でも、通気孔36の下方に背ボトム26の貫通孔25aを位置させることができる。従って、第1調節部材30が第1位置にある場合でも第2位置にある場合でも、マットレスへの通気を良好に保つことができる。
【0041】
第1調節部材30は、本体部32の周囲に上方に向けて突出する突出部38を有する。すなわち、突出部38は、本体部32の外周を取り囲んでいる。突出部38は、本体部32が撓んだり変形したりするのを抑制している。また、突出部38の上端は、上方に凸状の湾曲面となっており、マットレスに傷がつくのを抑制している。
【0042】
図4、
図8に示すように、例えば突出部38は、固定部材40の頭部40aの下側半分以上を隠すような高さとなっている。これにより、固定部材40の頭部40aがマットレスに接触して、マットレスの寿命が低下するのを抑制できる。なお、突出部38は、固定部材40の頭部40aの全体を隠すような高さとなっていてもよい。
【0043】
次に、足部フレーム20側に設けられた第2調節部材50について説明する。
図10は、足ボトムに配置された第2調節部材を示す平面図である。
図11は、第2調節部材によりベッドの長さを短くした状態を示す平面図である。
図12は、第2調節部材を単体で示す斜視図である。
【0044】
第2調節部材50は、複数の足ボトム28bのうち、最も後側(足側)に位置する足ボトム28bに配置されている。この第2調節部材50は、足ボトム28bの上方に位置しており、本発明の調節部材を構成している。第2調節部材50は、上面が図示しないマットレスの載置面となっており、マットレスの足側を下方から支持する。
【0045】
第2調節部材50は、ボトムフレーム16の足部フレーム20から後方に突出する第1位置と、第1位置よりも前後方向の内側に位置する第2位置と、を変更できるようになっている。すなわち、第2調節部材50は、第1位置と第2位置とを選択することにより、ベッド10の前後方向(長手方向)の長さを変更できる。換言すると、第2調節部材50は、長手方向が長い第1位置と、長手方向が短い第2位置と、を変更できる。
図10では、第2調節部材50が第1位置にある状態を示している。一方、
図11では、第2調節部材50が第2位置にある状態を示し、第2調節部材50が第1位置にある状態を二点鎖線で示している。
【0046】
第2調節部材50は、例えば金属材料や樹脂材料のパイプを折り曲げおよび固着(溶接)することにより形成されている。
図12に示すように、第2調節部材50は、前後方向および左右方向に延びる本体部52と、本体部52の前後方向の一端(前端)からベッド10の長手方向(前後方向)に向けて延びる延出部54と、本体部52の前後方向の他端(後端)から上方に向けて延びる立設部56と、を有している。
【0047】
本体部52の左右方向の長さは、ボトム25の左右方向の長さやマットレスの左右方向の長さに対応している。延出部54は、左右方向に離間して2個設けられている。各延出部54は、足部フレーム20に対応した位置に設けられている。
【0048】
延出部54は、先端側に引掛部54aを有している。延出部54は、引掛部54aにより先端側が下方に向けてクランク状に屈曲している。第2調節部材50は、引掛部54aを足部フレーム20の第1固定部20bまたは第2固定部20cに引っ掛けることにより足ボトム28bの上方に取り付けられる。
【0049】
図10に示すように、第2調節部材50は、引掛部54aを第1固定部20bに引っ掛けることにより第1位置とすることができる。第2調節部材50が第1位置にある場合には、立設部56が足部フレーム20の後端20a1および足ボトム28bの後端から後方に突出している。一方、
図11に示すように、第2調節部材50は、引掛部54aを第2固定部20cに引っ掛けることにより第2位置とすることができる。第2調節部材50が第2位置にある場合には、立設部56が足ボトム28bの後端とほぼ同じ位置となっている。従って、第2調節部材50は、第1位置にある場合よりも第2位置にある場合の方が足部フレーム20の後端20a1からの突出寸法が小さくなっている。
【0050】
立設部56は、本体部52から上方に向けて突出している。これにより、第2調節部材50は、立設部56によりマットレスが後方に向けてずれるのを抑制している。第2調節部材50は、第1位置にある場合でも第2位置にある場合でも、例えばボトム25が起倒することにより、マットレスが後方にずれるのを立設部56により抑制できる。
【0051】
このように、第2調節部材50は、足部フレーム20に設けられた第1固定部20bおよび第2固定部20cに固定される態様(第1位置の態様と第2位置の態様)を変化させることにより、簡単にベッド10の前後方向の長さ寸法を変更することができる。
【0052】
次に、本発明の第2実施形態にかかる第3調節部材65を備えたベッド10について、
図13~
図16を参照して説明する。第2実施形態では、ボトム25(背ボトム26)がボトムフレーム16(背部フレーム17)に対して相対移動可能となっている。なお、第2実施形態では、上述した第1実施形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略する。
図13は、本発明の第2実施形態に係る第3調節部材を備えたベッドの背ボトム側を示す斜視図である。
図14は、
図13中の第3調節部材を拡大して示す斜視図である。
図15は、第3調節部材により長さ調節がなされた状態を示す断面図である。
図16は、背部フレームから背ボトムを取り外した状態を示す断面図である。
【0053】
背部フレーム17は、本体フレーム17aと、固定部60と、を有している。固定部60は、本体フレーム17aの先端側に位置している。固定部60は、本体フレーム17aの上面から下面に向けて貫通する第1嵌合部62aおよび第2嵌合部62bと、第3調節部材65を固定するための固定部材69が挿通する挿通孔63と、を有している。なお、第1嵌合部62aと第2嵌合部62bとは、貫通孔ではなく上面から下面に窪む凹部となっていてもよい。
【0054】
第1嵌合部62aと第2嵌合部62bとは、前後方向に離間して設けられている。第1嵌合部62aおよび第2嵌合部62bは、例えば左右方向に離間してそれぞれ2個設けられている。なお、第1嵌合部62aおよび第2嵌合部62bは、それぞれ1個設けられていてもよいし、3個以上設けられていてもよい。
【0055】
第1嵌合部62aは、第3調節部材65を第1位置に位置決めするものである。一方、第2嵌合部62bは、第3調節部材65を第2位置に位置決めするものである。挿通孔63は、左右に位置する各第1嵌合部62aおよび各第2嵌合部62bの間に形成されている。挿通孔63は、例えば前後方向に延びる長孔となっている。なお、挿通孔63は、長孔に限らず前後方向に離間して複数個形成していてもよい。
【0056】
第3調節部材65は、複数の背ボトム26のうち、最も前側(頭側)に位置する背ボトム26に配置されている。この第3調節部材65は、背ボトム26の下方に位置しており、本発明の調節部材を構成している。第3調節部材65は、背ボトム26の下面に溶接などにより固着されている。第3調節部材65は、背部フレーム17の上面に着脱可能に設けられている。
【0057】
第3調節部材65は、ボトムフレーム16の背部フレーム17から前方に突出する第1位置と、第1位置よりも前後方向の内側に位置する第2位置と、を変更できるようになっている。すなわち、第3調節部材65は、第1位置と第2位置とを選択することにより、ベッド10の前後方向(長手方向)の長さを変更できる。換言すると、第3調節部材65は、長手方向が長い第1位置と、長手方向が短い第2位置と、を変更できる。そして、第3調節部材65は、本体部66と、本体部66の上面に固着された裏ナット67と、本体部66の下面から下方に向けて突出する被嵌合部68と、を有する。
【0058】
本体部66は、例えば金属材料や樹脂材料からなる薄板材を折曲加工することにより形成されている。本体部66は、背部フレーム17に当接する当接面部66aと、当接面部66aの左右両端から下方に向けて延びる縦面部66bと、により下方が開口した凹状に形成されている。
【0059】
本体部66は、当接面部66aの上面が背ボトム26の下面に固着されている。縦面部66bは、第3調節部材65が背部フレーム17に取り付けられた状態で、背部フレーム17の側面に対面する。すなわち、第3調節部材65は、背部フレーム17の前端側に被せるように取り付けられる。
【0060】
裏ナット67は、当接面部66aの上面に溶接などにより固着されている。この裏ナット67は、背部フレーム17に形成された挿通孔63に対応する位置に設けられている。裏ナット67は、背ボトム26の貫通孔25a内に位置している。
【0061】
被嵌合部68は、当接面部66aの下面から突出する突起となっている。この被嵌合部68は、第1嵌合部62aおよび第2嵌合部62bに対応した位置に設けられている。各被嵌合部68は、それぞれ第1嵌合部62aおよび第2嵌合部62bに挿入される。
図16の実線に示すように、後側に位置する被嵌合部68を第1嵌合部62aに挿入することで、第3調節部材65を第1位置に位置決めすることができる。一方、
図16の一点鎖線に示すように、前側に位置する被嵌合部68を第1嵌合部62aに挿入し、後側に位置する被嵌合部68を第2嵌合部62bに挿入することで、第3調節部材65を第1位置に位置決めすることができる。
【0062】
第3調節部材65は、第1位置または第2位置に位置決めされた後に、挿通孔63を介して固定部材69(ねじ)を裏ナット67に螺合することにより、背部フレーム17に取り付けられる。第3調節部材65が第1位置にある場合には、固定部材69が挿通孔63の前端側に位置する。一方、第3調節部材65が第2位置にある場合には、固定部材69が挿通孔63の後端側に位置する。
【0063】
図15に示す紙面上側の状態は、第3調節部材65が第1位置の態様となっている。一方、
図15に示す紙面下側の状態は、第3調節部材65が第2位置の態様となっている。第3調節部材65が第1位置にある場合には、第3調節部材65の前端が背部フレーム17の前端17a1から突出している。
【0064】
一方、第3調節部材65が第2位置にある場合には、第3調節部材65の前端が背部フレーム17の前端17a1よりも後側に位置している。これにより、背ボトム26の前端26aは、第3調節部材65が第1位置にある場合よりも第3調節部材65が第2位置にある場合の方が寸法L7だけ短くなっている。
【0065】
このように、第3調節部材65は、複数の背ボトム26のうち、最も前側(頭側)に位置する背ボトム26に配置されることにより、その背ボトム26を前後方向(第1位置と第2位置)に移動させることができるようになっている。また、挿通孔63は、前後方向に延びる長孔となっている。これにより、例えば固定部材69を裏ナット67から取り外すことなく緩めるだけで、第3調節部材65を第1位置から第2位置に移動させることができる。従って、ベッド10の長さ調節を簡単に行うことができる。
【0066】
なお、第1嵌合部62aおよび第2嵌合部62bを貫通する貫通孔とし、被嵌合部68を突起とした場合を例に挙げて説明したが、第1嵌合部62aおよび第2嵌合部62bを突起とし、被嵌合部68を貫通孔としてもよい。
【0067】
また、第1嵌合部62a、第2嵌合部62b、および被嵌合部68は、必要に応じて設けられていればよい。例えば、第1嵌合部62a、第2嵌合部62b、および被嵌合部68を設けないことで、第3調節部材65を介して背ボトム26を背部フレーム17に対して前後方向にスライド移動させることができる。この場合、固定部材69の位置を挿通孔63の前端と後端との間でスライド移動させることで、背ボトム26を任意の位置に配置させることができる。
【0068】
次に、本発明の第3実施形態にかかる第4調節部材70を備えたベッド10について、
図17を参照して説明する。第3実施形態では、ボトム25(背ボトム26)に第4調節部材70が着脱可能となっている。なお、第3実施形態では、上述した第1実施形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略する。
図17は、本発明の第3実施形態に係る第4調節部材を備えたベッドの背ボトム側を示す平面図である。
図17(a)は、第4調節部材が第1位置にある場合を示している。
図17(b)は、第4調節部材が第2位置にある場合を示している。
【0069】
第4調節部材70は、複数の背ボトム26のうち、最も前側(頭側)に位置する背ボトム26に配置されている。この第4調節部材70は、背ボトム26の上方に位置しており、本発明の調節部材を構成している。第4調節部材70は、背ボトム26の上面に着脱可能に設けられている。
【0070】
第4調節部材70は、ボトムフレーム16の背部フレーム17から前方に突出する第1位置と、第1位置よりも前後方向の内側に位置する第2位置と、を変更できるようになっている。すなわち、第4調節部材70は、第1位置と第2位置とを選択することにより、ベッド10の前後方向(長手方向)の長さを変更できる。換言すると、第3調節部材70は、長手方向が長い第1位置と、長手方向が短い第2位置と、を変更できる。そして、第4調節部材70は、本体部71と、本体部71から下方に向けて突出してボトム25に挟持する挟持部72と、を有する。
【0071】
本体部71は、例えば金属材料や樹脂材料からなる薄板材により形成され、マットレスを下方から支持する。すなわち、本体部71の上面は、マットレスが載置される載置面となっている。挟持部72は、本体部71の前後方向の端部から下方に向けて延びている。
【0072】
図17(a)に示すように、第4調節部材70は、挟持部72が背ボトム26の貫通孔25aと前端26aとの間を挟持することで背ボトム26に固定される。この状態で、本体部71の前端は、背部フレーム17および背ボトム26の前端26aから突出する。これにより、第4調節部材70は、ベッド10の前後方向の長さを長くした第1位置とすることができる。
【0073】
一方、
図17(b)に示すように、第4調節部材70を第2位置にする場合には、挟持部72を背ボトム26の貫通孔25aと後端との間に挟持させる。これにより、第4調節部材70が第2位置にあるときには、長手方向の長さを第1位置にある場合よりも小さくすることができる。この例では、第4調節部材70が第2位置にある場合には、第4調節部材70が背部フレーム17および背ボトム26から突出しないようになっている。
【0074】
このように、第4調節部材70は、ボトム25に固定される態様を変化させることにより、第1位置と第2位置とを変更できるようになっている。従って、ベッド10の長さ調節を簡単に行うことができる。また、第4調節部材70は、第1位置の態様でも第2位置の態様でもボトム25に固定させることができるので、第4調節部材70の保管場所を確保したり、第4調節部材70が紛失したりするのを抑制できる。
【0075】
次に、本発明の第4実施形態にかかる第5調節部材82を備えたベッド10について、
図18を参照して説明する。第4実施形態では、ボトム25(背ボトム26)に対して第5調節部材82がスライド可能となっている。なお、第4実施形態では、上述した第1実施形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略する。
図18は、本発明の第4実施形態に係る第5調節部材を備えたベッドの背ボトム側を示す平面図である。
図18(a)は、第5調節部材が第1位置にある場合を示している。
図18(b)は、第5調節部材が第2位置にある場合を示している。
【0076】
台座80は、ボトム25の貫通孔25aに設けられている。台座80は、例えば貫通孔25aの左右方向に離間して2個設けられている。台座80は、例えば複数の背ボトム26のうち、最も前側(頭側)に位置する背ボトム26に設けられている。台座80には、前後方向に貫通する貫通孔80aが形成されている。なお、台座80は、ボトム25の貫通孔25aではなく、背部フレーム17に設けられていてもよい。
【0077】
第5調節部材82は、台座80に前後方向にスライド可能に設けられている。この第5調節部材82は、背ボトム26の上方に位置しており、本発明の調節部材を構成している。第5調節部材82は、台座80の貫通孔80aに設けられている。
【0078】
第5調節部材82は、ボトムフレーム16の背部フレーム17から前方に突出する第1位置と、第1位置よりも前後方向の内側に位置する第2位置と、を変更できるようになっている。すなわち、第5調節部材82は、第1位置と第2位置とを選択することにより、ベッド10の前後方向(長手方向)の長さを変更できる。換言すると、第5調節部材82は、長手方向が長い第1位置と、長手方向が短い第2位置と、を変更できる。そして、第5調節部材82は、台座80の貫通孔80aに摺動可能に挿通する軸部83と、軸部83の先端に設けられた本体部84と、を有する。
【0079】
第5調節部材82は、例えば金属材料や樹脂材料のパイプを折り曲げおよび固着(溶接)することにより形成されている。本体部84の左右方向の長さは、ボトム25の左右方向の長さやマットレスの左右方向の長さに対応している。これにより、第5調節部材82は、マットレスを下方から支持する。すなわち、本体部84は、上面がマットレスを載置する載置面となっている。なお、本体部84は、パイプではなく、薄板材となっていてもよい。
【0080】
図18(a)に示すように、第5調節部材82は、軸部83を台座80に対して前方に摺動させることで、本体部84の前端84aを背部フレーム17および背ボトム26から突出させた第1位置とすることができる。一方、
図18(b)に示すように、第5調節部材82は、軸部83を台座80に対して後方に摺動させることで、本体部84の前端84aを背部フレーム17および背ボトム26から突出させた第1位置よりも小さい第2位置とすることができる。
【0081】
このように、第5調節部材82は、台座80を介してボトム25に固定される態様を変化させることにより、第1位置と第2位置とを変更できるようになっている。従って、ベッド10の長さ調節を簡単に行うことができる。また、第5調節部材82は、第1位置の態様でも第2位置の態様でもボトム25に固定されているので、第5調節部材82の保管場所を確保したり、第5調節部材82が紛失したりするのを抑制できる。
【0082】
次に、本発明の第5実施形態にかかる第6調節部材92を備えたベッド10について、
図19~
図22を参照して説明する。第5実施形態では、複数の背ボトム26を支持する第6調節部材92が第1位置と第2位置とで背部フレーム17に固定される。なお、第5実施形態では、上述した第1実施形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略する。
図19は、本発明の第5実施形態に係る第6調節部材を備えたベッドの背ボトム側を示す分解斜視図である。
図20は、
図19中のA部を拡大して示す側面図である。
図21は、背部フレームに第6調節部材を取り付けた状態を示す斜視図である。
図21(a)は、背ボトム全体を示す斜視図である。
図21(b)は、固定部を拡大して示す斜視図である。
図22は、第6調節部材によりベッドの長さを短くした状態を示す斜視図である。
図22(a)は、背ボトム全体を示す斜視図である。
図22(b)は、固定部を拡大して示す斜視図である。
図19~
図22では、説明の便宜のために、サイドフレーム14および背ボトム26の一部を切断して示している。また、
図19~
図22では、左側に配設された背部フレーム17および第6調節部材92について説明するが、右側に配設された背部フレーム17および第6調節部材92についても同じ構成となっている。
【0083】
第1係合部90aおよび第2係合部90bは、背部フレーム17に設けられている。第1係合部90aおよび第2係合部90bは、例えば背部フレーム17の後端側に位置して、背部フレーム17の側面から左右方向に突出している。
【0084】
第1係合部90aおよび第2係合部90bは、前後方向に並んで設けられている。第1係合部90aは、第2係合部90bの前側に位置している。第1係合部90aは、第6調節部材92を第1位置にする場合に用いられ、第2係合部90bは、第6調節部材92を第2位置にする場合に用いられる。
【0085】
第6調節部材92は、複数の背ボトム26の下方に配置されている。この第6調節部材92は、複数の背ボトム26を支持しており、本発明の調節部材を構成している。第6調節部材92は、各背ボトム26の下面に溶接などにより固着されている。第6調節部材92は、背部フレーム17の上面に着脱可能に設けられている。
【0086】
第6調節部材92は、ボトムフレーム16の背部フレーム17から前方に突出する第1位置と、第1位置よりも前後方向の内側に位置する第2位置と、を変更できるようになっている。すなわち、第6調節部材92は、第1位置と第2位置とを選択することにより、ベッド10の前後方向(長手方向)の長さを変更できる。換言すると、第6調節部材92は、長手方向が長い第1位置と、長手方向が短い第2位置と、を変更できる。そして、第6調節部材92は、本体部93と、本体部93後端側に設けられた被係合部94と、を有する。
【0087】
本体部93は、例えば金属材料や樹脂材料からなる薄板材を折曲加工することにより形成されている。本体部93は、背部フレーム17に当接する当接面部93aと、当接面部93aの左右方向の外側端部から下方に向けて延びる立面部93bと、によりL字状に形成されている。
【0088】
本体部93は、当接面部93aの上面が背ボトム26の下面に固着されている。立面部93bは、第6調節部材92が背部フレーム17に取り付けられた状態で、背部フレーム17の側面に対面する。すなわち、第6調節部材92は、背部フレーム17に被せるように取り付けられる。
【0089】
被係合部94は、本体部93の前後方向の端部(後端)に形成されている。被係合部94は、第1係合部90aおよび第2係合部90bに対応する位置に形成されている。被係合部94は、立面部93bの端部(後端)から凹状に窪んだ凹部となっている。また、被係合部94の前側には、切欠部96が形成されている。第6調節部材92が第2位置にある場合には、切欠部96内に第1係合部90aが位置する。
【0090】
図20の実線に示すように、被係合部94を第1係合部90aに係合させることで、第6調節部材92を第1位置にすることができる。一方、
図20の一点鎖線に示すように、被係合部94を第2係合部90bに係合させることで、第6調節部材92を第2位置にすることができる。
【0091】
図21に示すように、第6調節部材92の被係合部94を第1係合部90aに係合させた第1位置の態様にある場合には、背部フレーム17の前端17a1から前方に向けて寸法L8だけ第6調節部材92の本体部93の前端93cを突出させることができる。これにより、ベッド10の前後方向の長さを長くすることができる。
【0092】
一方、
図22に示すように、第6調節部材92の被係合部94を第2係合部90bに係合させた第2位置の態様にある場合には、背部フレーム17の前端17a1から前方に向けて寸法L9だけ第6調節部材92の本体部93の前端93cを突出させることができる。第6調節部材92が第2位置にある場合の寸法L9は、第6調節部材92が第1位置にある場合の寸法L8よりも短くなっている(L9<L8)。これにより、第6調節部材92が第2位置にある場合には、ベッド10の前後方向の長さを第6調節部材92が第1位置にある場合よりも短くすることができる。
【0093】
このように、第6調節部材92は、複数の背ボトム26の全部をまとめて前後方向(第1位置と第2位置)に移動させることができるようになっている。従って、ベッド10の長さ調節を簡単に行うことができる。また、第6調節部材92は、各背ボトム26の間の隙間を変化させることなく、複数の背ボトム26を一緒に移動させることができる。
【0094】
なお、上述した第1~第5実施形態では、第1、第3~第6調節部材30、65、70、82、92を背ボトム26側に設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明の態様はこれに限らず、例えば第1、第3~第6調節部材30、65、70、82、92を足ボトム28b側に設けてもよい。また、第1実施形態では、第2調節部材50を足ボトム28b側に設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明の態様はこれに限らず、例えば第1調節部材30に代えて第2調節部材50を背ボトム26側に設けてもよい。
【0095】
また、上述した第1実施形態では、通気口である貫通孔25aに固定部17bを貫通させた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明の態様はこれに限らず、例えばボトム25は、固定部17bを貫通させるための別個の貫通孔を有していてもよい。
【0096】
上述した実施形態では、ボトム25の高さや角度が電気的に作動する電動式のベッド10を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばボトムの高さや角度を手動で作動可能なベッドや、ボトムの高さや角度を変化させることができないベッドでもよい。
【0097】
以上説明した実施形態に基づくベッドとして、例えば以下に述べる態様のものが考えられる。
【0098】
第1の態様は、前後方向に延びるボトムフレームと、前記ボトムフレーム上に設けられ前後方向に並んだ複数のボトムと、前記ボトムに配置される調節部材と、を備えたベッドにおいて、前記調節部材は、前記ボトムフレームから前方に突出する第1位置と、前記第1位置よりも前後方向の内側に位置する第2位置と、を変更できることを特徴とする。
【0099】
第2の態様は、第1の態様において、前記調節部材は、前記ボトムの上方に配置され、前記ボトムの位置を変更することなく前記載置面の前後方向の長さを調節可能となっていることを特徴とする。
【0100】
第3の態様は、第1の態様において、前記調節部材は、前記ボトムの下方に配置され、前記ボトムの位置を変更することで前記載置面の前後方向の長さを調節可能となっていることを特徴とする。
【0101】
第4の態様は、第1の態様において、前記ボトムフレームは、フレーム本体と、前記フレーム本体に設けられ前記調節部材が固定される固定部と、を有し、前記調節部材は、前記固定部に固定される態様を変化させることにより、前記第1位置と前記第2位置とを変更できることを特徴とする。
【0102】
第5の態様は、第1の態様において、前記調節部材は、前記ボトムに固定される態様を変化させることにより、前記第1位置と前記第2位置とを変更できることを特徴とする。
【0103】
第6の態様は、第4の態様において、前記固定部は、前記フレーム本体から上方に向けて突出しており、前記ボトムは、前記固定部が貫通可能な貫通孔を有し、前記調節部材は、前記ボトムの上面に対面する本体部と、前記本体部に形成され前記調節部材を前記固定部に固定するための固定部材が挿通する挿通孔と、を有し、前記調節部材が前記第1位置にある場合に、前記挿通孔から前記調節部材の前端までの寸法は、前記挿通孔から前記調節部材の後端までの寸法よりも大きくなっていることを特徴とする。
【0104】
第7の態様は、第6の態様において、前記調節部材は、前記本体部の周囲に上方に向けて突出する突出部を有することを特徴とする。
【0105】
第8の態様は、第6または第7の態様において、前記調節部材は、前記本体部の上下方向に貫通する通気孔を有し、前記挿通孔と前記通気孔とは、左右方向に並んで形成されていることを特徴とする。
【0106】
前述の実施形態は、本発明を具現化した例であり、本発明はこれらの実施形態には限定されない。例えば、前述の実施形態において、いくつかの構成要素を追加、削除または変更したものも本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0107】
10 ベッド
12 ベースフレーム
14 サイドフレーム
14a 頭側フレーム
14b 足側フレーム
15a ボード取付部
15b ボード取付部
16 ボトムフレーム
17 背部フレーム
17a 本体フレーム
17a1 前端
17b 固定部
18 腰部フレーム
19 膝部フレーム
20 足部フレーム
20a 本体フレーム
20b 第1固定部
20c 第2固定部
25 ボトム
25a 貫通孔
26 背ボトム
26a 前端
27 腰ボトム
28 脚ボトム
28a 膝ボトム
28b 足ボトム
30 第1調節部材(調節部材)
30a 一端
30b 他端
32 本体部
32a 上面
32b 下面
34 挿通孔
36 通気孔
38 突出部
40 固定部材
40a 頭部
40b 軸部
50 第2調節部材(調節部材)
52 本体部
54 延出部
54a 引掛部
56 立設部
60 固定部
62a 第1嵌合部
62b 第2嵌合部
63 挿通孔
65 第3調節部材(調節部材)
66 本体部
66a 当接面部
66b 縦面部
67 裏ナット
68 被嵌合部
69 固定部材
70 第4調節部材(調節部材)
71 本体部
72 挟持部
80 台座
80a 貫通孔
82 第5調節部材(調節部材)
83 軸部
84 本体部
84a 前端
90a 第1係合部
90b 第2係合部
92 第6調節部材(調節部材)
93 本体部
93a 当接面部
93b 立面部
93c 前端
94 被係合部
96 切欠部
101 第1駆動装置
103 第2駆動装置
105 制御部