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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】衣類乾燥装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 58/02 20060101AFI20240813BHJP
   D06F 58/38 20200101ALI20240813BHJP
【FI】
D06F58/02 J
D06F58/38
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021048167
(22)【出願日】2021-03-23
(65)【公開番号】P2022147069
(43)【公開日】2022-10-06
【審査請求日】2023-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 開斗
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開昭58-177695(JP,A)
【文献】特開2013-123511(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 58/00-58/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類を収容自在な乾燥室と、その乾燥室に乾燥用空気を供給自在な乾燥用空気供給部と、乾燥室の空気を屋外に排気させる排気部とが備えられ、
前記排気部は、排気ファンと、乾燥室の空気を屋外に導く排気通路とが備えられ、
前記乾燥用空気を、乾燥室を介さずに乾燥室をバイパスさせて、排気通路に供給するバイパス供給部とが備えられ
前記乾燥用空気は、加熱部の加熱により生成されたものである衣類乾燥装置。
【請求項2】
衣類を収容自在な乾燥室と、その乾燥室に乾燥用空気を供給自在な乾燥用空気供給部と、乾燥室の空気を屋外に排気させる排気部とが備えられ、
前記排気部は、排気ファンと、乾燥室の空気を屋外に導く排気通路とが備えられ、
乾燥用空気を、乾燥室を介さずに乾燥室をバイパスさせて、排気通路に供給するバイパス供給部とが備えられ、
前記乾燥用空気供給部、前記排気部、及び、前記バイパス供給部の作動状態を制御する制御部が備えられ、
前記制御部は、前記乾燥用空気供給部及び前記排気部を作動させて、前記乾燥室に収容された衣類を乾燥させる乾燥運転と、前記バイパス供給部を作動させて、乾燥用空気を乾燥室を介さずに乾燥室をバイパスさせて排気通路に供給する事前供給作動を行い、その事前供給作動に引き続いて前記乾燥運転を行う事前供給作動付き乾燥運転とを実行自在に構成されている衣類乾燥装置。
【請求項3】
前記排気通路内の温度が設定温度以下である場合には、制御部が、前記事前供給作動付き乾燥運転を行い、排気通路内の温度が設定温度よりも高い場合には、制御部が、前記乾燥運転を行うように構成されている請求項2に記載の衣類乾燥装置。
【請求項4】
前記バイパス供給部は、乾燥室を介さずに乾燥室をバイパスさせて、排気通路に接続されたバイパス通路が備えられ、
その排気通路とバイパス通路との接続箇所には、排気通路からバイパス通路への空気の逆流を防止する逆流防止部が備えられている請求項1~3の何れか1項に記載の衣類乾燥装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湿った衣類を乾燥させる衣類乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
衣類乾燥装置として、衣類を収容自在な乾燥室と、その乾燥室に乾燥用空気を供給自在な乾燥用空気供給部と、乾燥室の空気を屋外に排気させる排気部とが備えられているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の衣類乾燥装置では、排気部が、排気ファンと、乾燥室の空気を屋外に導く排気通路とを備えている。排気ファンを作動させることで、乾燥用空気供給部にて乾燥室に乾燥用空気を供給し、排気通路を通して乾燥室の空気を屋外に排気するという空気の流れを生じさせている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-092754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の衣類乾燥装置では、排気通路に乾燥室の空気を供給させることで、乾燥室の空気を排気通路にて屋外まで導き、乾燥室の空気を屋外に排気している。しかしながら、乾燥室には、湿った衣類が収容されていることから、乾燥運転の当初には、水分を多く含んだ空気が排気通路に供給されることになる。このとき、特に冬期等、排気通路内の温度が低下していると、水分を多く含んだ空気の供給によって排気通路内で結露が生じる可能性がある。
【0006】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、排気通路内での結露の発生を防止することができる衣類乾燥装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1特徴構成は、衣類を収容自在な乾燥室と、その乾燥室に乾燥用空気を供給自在な乾燥用空気供給部と、乾燥室の空気を屋外に排気させる排気部とが備えられ、
前記排気部は、排気ファンと、乾燥室の空気を屋外に導く排気通路とが備えられ、
乾燥用空気を、乾燥室を介さずに乾燥室をバイパスさせて、排気通路に供給するバイパス供給部とが備えられている点にある。
【0008】
本構成によれば、バイパス供給部は、乾燥用空気を、乾燥室を介さずに乾燥室をバイパスさせて、排気通路に供給するので、乾燥用空気の供給により排気通路内を暖めることができ、排気通路内での結露の発生を防止することができる。しかも、バイパス供給部は、乾燥室に供給するための乾燥用空気をそのまま利用することができ、排気通路を乾燥させるための空気を生成するための機器等を別途備える必要がなく、構成の簡素化を図ることができる。
【0009】
本発明の第2特徴構成は、前記乾燥用空気供給部、前記排気部、及び、前記バイパス供給部の作動状態を制御する制御部が備えられ、
前記制御部は、前記乾燥用空気供給部及び前記排気部を作動させて、前記乾燥室に収容された衣類を乾燥させる乾燥運転と、前記バイパス供給部を作動させて、乾燥用空気を乾燥室を介さずに乾燥室をバイパスさせて排気通路に供給する事前供給作動を行い、その事前供給作動に引き続いて前記乾燥運転を行う事前供給作動付き乾燥運転とを実行自在に構成されている点にある。
【0010】
本構成によれば、制御部は、乾燥運転だけでなく、事前供給作動付き乾燥運転を実行自在であるので、事前供給作動を行って排気通路を暖めた状態で、乾燥運転を行うことができる。これにより、乾燥運転の開始当初等、水分を多く含んだ空気が排気通路に供給される場合であっても、その直前に、排気通路を暖めておくことができ、排気通路内での結露の発生を的確に防止することができる。
【0011】
本発明の第3特徴構成は、前記排気通路内の温度が設定温度以下である場合には、制御部が、前記事前供給作動付き乾燥運転を行い、排気通路内の温度が設定温度よりも高い場合には、制御部が、前記乾燥運転を行うように構成されている点にある。
【0012】
本構成によれば、排気通路内の温度が設定温度以下であり、排気通路内での結露が生じる可能性がある場合には、制御部が事前供給作動付き乾燥運転を行うので、事前供給作動によって排気通路内での結露の発生を適切に防止することができる。逆に、排気通路内の温度が設定温度よりも高く、排気通路内での結露が生じる可能性がない場合には、制御部が乾燥運転を行うので、事前供給作動を無駄に行うことなく、衣類を適切に乾燥させることができる。
【0013】
本発明の第4特徴構成は、前記バイパス供給部は、乾燥室を介さずに乾燥室をバイパスさせて、排気通路に接続されたバイパス通路が備えられ、
その排気通路とバイパス通路との接続箇所には、排気通路からバイパス通路への空気の逆流を防止する逆流防止部が備えられている点にある。
【0014】
本構成によれば、バイパス供給部は、排気通路に接続されたバイパス通路を備えるという簡易な構成によって、乾燥用空気を乾燥室をバイパスさせて排気通路に適切に導くことができる。しかしながら、排気通路とバイパス通路とを単に接続するだけでは、例えば、乾燥室の空気を排気通路にて屋外に通流させている場合に、排気通路を通流する空気がバイパス通路へ逆流する可能性がある。
【0015】
そこで、本構成によれば、排気通路とバイパス通路との接続箇所には、排気通路からバイパス通路への空気の逆流を防止する逆流防止部が備えられている。これにより、排気通路を通流する空気がバイパス通路へ逆流するのを的確に防止しながら、バイパス通路を用いた排気通路への乾燥用空気の供給を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】衣類乾燥装置の概略構成を示す側面図
図2】回転ドラム、高温空気供給路、排気通路、及び、バイパス供給部を示す正面図
図3】回転ドラム、高温空気供給路、排気通路、及び、バイパス供給部を示す平面図
図4】乾燥運転を行うときの動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る衣類乾燥装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
この衣類乾燥装置1は、図1に示すように、燃料ガスNの燃焼により生成した高温空気K1によって、脱水後等の湿った衣類2を乾燥させるものである。衣類乾燥装置1は、箱状の筐体3が備えられ、その筐体3には、衣類2を収容自在な乾燥室4と、その乾燥室4に高温空気K1(乾燥用空気)を供給自在な乾燥用空気供給部5と、乾燥室4の空気Kを外部に排気させる排気部6とが備えられている。
【0018】
筐体3の前面側には、図1及び図6に示すように、片開き式の扉7が開閉自在に支持されている。この扉7を開閉することで、図1に示すように、筐体3の前方側部位に備えられた衣類投入口8が閉塞及び開放可能に構成されている。利用者は、扉7を開き状態として、衣類投入口8を通して衣類2を乾燥室4内に投入したり、乾燥室4内の衣類2を取り出している。
【0019】
乾燥室4は、回転駆動自在な回転ドラム11にて形成されている。回転ドラム11は、円形状の衣類投入口8よりも大径の円筒状の内部空間を有しており、その内部空間が乾燥室4として備えられている。回転ドラム11は、前方側が開放された前方開口部11aが備えられ、その前方開口部11aが衣類投入口8に連通されている。回転ドラム11は、略水平方向に延びる支持軸(図示省略)にて回転軸心P周りで回転自在に支持されている。回転ドラム11を回転駆動するために、駆動モータ12と第1伝達ベルト14とが備えられている。第1伝達ベルト14は、駆動モータ12の第1駆動プーリ13と回転ドラム11の外周部とに巻き掛けられている。駆動モータ12にて第1駆動プーリ13を回転駆動させて、第1伝達ベルト14を巻回作動させることで、駆動モータ12の駆動力を回転ドラム11に伝達して、回転ドラム11を回転駆動させている。
【0020】
乾燥用空気供給部5は、燃料ガスNを燃焼させるバーナ21と、そのバーナ21の燃焼により生成(加熱)された高温空気K1(乾燥用空気)を乾燥室4に供給する高温空気供給路22とが備えられている。バーナ21に燃料ガスNを供給する燃料供給路23が備えられ、その燃料供給路23の下流側端部に備えられた燃料ノズル24から燃料ガスNを噴出して、バーナ21に燃料ガスNを供給している。燃料供給路23の途中部位には、燃料供給弁25が備えられ、燃料ガスNの供給が断続され、その燃料ガスNの供給量を調整自在としている。ちなみに、図1では、1つの燃料供給弁25を図示しているが、例えば、燃料ガスNの供給を断続する断続弁と、燃料ガスNの供給量を調整する供給量調整弁との2つの弁を備えることができる。
【0021】
筐体3の下面部には、開口部26が形成され、その開口部26から筐体3の内部に空気Kが流入自在となっている。バーナ21は、その流入した空気Kを燃焼用空気として、燃料供給路23にて供給される燃料ガスNを燃焼させて、高温空気K1(乾燥用空気)を生成している。高温空気供給路22は、回転ドラム11の前方下方側に形成された給気口27を通して乾燥室4内に連通され、バーナ21にて生成された高温空気K1(乾燥用空気)を乾燥室4内に供給自在となっている。
【0022】
排気部6は、排気ファン31と、乾燥室4の空気Kを外部に排気させる排気通路32とが備えられている。排気ファン31を駆動させるために、駆動モータ12と第2伝達ベルト16とが備えられている。第2伝達ベルト16は、駆動モータ12の第2駆動プーリ15と排気ファン31とに巻き掛けられている。駆動モータ12にて第2駆動プーリ15を回転駆動させて、第2伝達ベルト16を巻回作動させることで、駆動モータ12の駆動力を排気ファン31に伝達して、排気ファン31を作動させている。このように、1つの駆動モータ12の駆動力を回転ドラム11と排気ファン31とに伝達させて、回転ドラム11と排気ファン31という2つの機器を作動自在としている。
【0023】
排気ファン31は、回転ドラム11の後方側に配設され、乾燥室4内の空気Kを吸引するように備えられている。排気通路32は、筐体3内の内部通路部位33と筐体3外の外部通路部位34とが備えられ、内部通路部位33に外部通路部位34(排気筒)を接続することで、乾燥室4内の空気Kを屋外に排気させる排気通路32を形成している。排気ファン31を作動させることで、筐体3の下面部の開口部26から筐体3の内部に空気Kを取り込み、その取り込んだ空気Kをバーナ21を介して乾燥室4内に供給し、乾燥室4内の空気Kを排気通路32を通して屋外に排気するという空気Kの流れを生じさせている。
【0024】
回転ドラム11の後方側には、乾燥室4から排気する空気Kの通過位置にフィルター41が配設されている。フィルター41は、空気Kの通流方向で、乾燥室4の下流側(排気側)で且つ排気ファン31の上流側に配設され、乾燥室4から排気される空気Kに含まれる塵埃や糸屑等の異物を取り除いている。フィルター41は、回転ドラム11の後壁部11bに形成された開口部を閉塞する状態で配設され、回転ドラム11と一体的に回転自在に備えられている。
【0025】
この実施形態では、バーナ21にて生成された高温空気K1(乾燥用空気)を乾燥室4に供給して、乾燥室4の空気Kを排気通路32に通流させるだけでなく、バーナ21にて生成された高温空気K1(乾燥用空気)を、乾燥室4を介さずに乾燥室4をバイパスさせて、排気通路32に供給するバイパス供給部51が備えられている。バイパス供給部51にて、高温空気K1を排気通路32に供給することで、排気通路32内を暖めることができ、排気通路32内での結露の発生を防止することができる。また、排気通路32に供給するのは、衣類2の乾燥に用いる高温空気K1(乾燥用空気)であるので、仮に排気通路32に結露が生じていても、その結露を除去することもできる。
【0026】
以下、バイパス供給部51について説明する。
バイパス供給部51は、図1に示すように、高温空気K1(乾燥用空気)を排気通路32に供給することから、乾燥用空気供給部5と同様に、高温空気K1を生成するバーナ21等を備えており、この高温空気K1を生成するための機器を乾燥用空気供給部5と兼用している。また、バイパス供給部51は、高温空気K1を生成するためのバーナ21等に加えて、乾燥室4を介さずに乾燥室4をバイパスさせて、排気通路32に接続されたバイパス通路52と、このバイパス通路52にて高温空気K1を排気通路32に供給するための通風ファン53とが備えられている。
【0027】
バイパス通路52は、図1図3に示すように、その上流側端部が高温空気供給路22の上流側端部に分岐接続され、バーナ21の燃焼により生成された高温空気K1を受け入れ自在に構成されている。バイパス通路52は、その下流側端部が排気通路32において内部通路部位33の下流側端部に接続され、バイパス通路52を通流した高温空気K1を排気通路32に供給自在に構成されている。
【0028】
図2は、回転ドラム11、高温空気供給路22、排気通路32、及び、バイパス供給部51におけるバイパス通路52を正面から見た正面図であり、各通路を模式的に示している。図3は、回転ドラム11、高温空気供給路22、排気通路32、及び、バイパス供給部51におけるバイパス通路52を上方から見た平面図であり、各通路を模式的に示している。図2及び図3において、高温空気供給路22や排気通路32を実線にて示しているのに対して、バイパス通路52を点線にて示している。また、図2及び図3において、乾燥室4に供給する場合の高温空気K1を実線にて示しており、乾燥室4をバイパスさせる場合の高温空気K1を点線にて示している。
【0029】
図2及び図3に示すように、バーナ21は、筐体3の右前方の下方側部位に配設され、高温空気供給路22は、そのバーナ21から左右方向の左側に延びて、回転ドラム11の中央部位まで延設されている。排気通路32における内部通路部位33は、排気ファン31から上方側に延びたのち、左右方向の左側に屈曲されて、筐体3の左後方の上方側部位まで延設されている。ちなみに、バーナ21、高温空気供給路22、排気通路32の配設箇所についてはあくまで一例であり、この配置に限られるものではない。
【0030】
バイパス通路52は、高温空気K1の通流方向の上流側から、筐体3の横幅方向に延びる第1通路部位52a(図2及び図3参照)と、筐体3の上下方向に延びる第2通路部位52b(図1及び図2参照)と、筐体3の前後方向で前方側から後方側に延びる第3通路部位52c(図1及び図3参照)とが備えられている。
【0031】
第1通路部位52aは、その上流側端部が高温空気供給路22の上流側端部に分岐接続され、バーナ21にて生成された高温空気K1を受け入れ自在に備えられている。第1通路部位52aは、図2及び図3に示すように、高温空気K1を左右方向の左側に向けて筐体3の左側端部まで通流させている。第2通路部位52bは、筐体3の左前方側部位に配設され、第1通路部位52aに引き続いて、高温空気K1を筐体3の下方側から上方側に通流させる通路となっている。第3通路部位52cは、第2通路部位52bに引き続いて、高温空気K1を筐体3の前方側から後方側に通流させる流路となっており、排気通路32において内部通路部位33の下流側端部に接続されている。
【0032】
バイパス通路52において、第1通路部位52aの上流側端部に通風ファン53が備えられている。この通風ファン53を作動させることで、バーナ21の燃焼により生成された高温空気K1をバイパス通路52に引き込んで、バイパス通路52にて高温空気K1を通流させることができる。
【0033】
第3通路部位52cの下流側端部には、排気通路32からバイパス通路52への空気の逆流を防止する逆流防止部54が備えられている。これにより、排気通路32を通流する空気がバイパス通路52へ逆流するのを的確に防止することができる。
【0034】
バイパス供給部51は、排気ファン31が作動されていない状態において、バーナ21による燃焼を行い、通風ファン53を作動させる。これにより、バーナ21の燃焼により生成された高温空気K1は、図2及び図3の点線矢印にて示すように、バイパス通路52の第1通路部位52aに引き込まれて、バイパス通路52を通流して第3通路部位52cの下流側端部に到達し、第3通路部位52cの下流側端部から排気通路32の内部通路部位33に供給される。このように、高温空気K1が、内部通路部位33に供給されて、内部通路部位33及び外部通路部位34を通して排気通路32を通流することで、排気通路32を暖めることができる。
【0035】
以下、衣類乾燥装置1の制御について説明する。
筐体3の前方下方側部位には、図1に示すように、各機器の作動状態を制御する制御部9が備えられている。制御部9は、各機器の作動状態を制御することで、複数種の運転を実行可能であるが、主として、乾燥用空気供給部5及び排気部6を作動させて、乾燥室4に収容された衣類2を乾燥させる乾燥運転を実行可能に構成されている。
【0036】
筐体3の前面部には、図示は省略するが、操作部及び表示部が備えられている。操作部には、例えば、電源スイッチ、運転や運転コースを選択する選択スイッチ、乾燥運転を開始及び一時停止させるためのスイッチ、乾燥運転の乾燥時間を設定する設定スイッチ等の各種のスイッチが備えられている。表示部には、例えば、運転状態を表示する表示部や、乾燥の残り時間の目安等を表示するデジタル表示部等の各種の表示部が備えられている。
【0037】
乾燥運転では、制御部9が、図1に示すように、バーナ21による燃焼を行うように、乾燥用空気供給部5における燃料供給弁25等を制御し、排気部6における排気ファン31を作動させるように、駆動モータ12の作動状態を制御している。この乾燥運転では、制御部9が、駆動モータ12を作動させることで、排気ファン31を作動させるとともに、回転ドラム11を回転駆動させて、乾燥室4内の衣類2を一定の位置に止めることなく移動させ、衣類2を効率よく乾燥させている。
【0038】
制御部9は、乾燥運転の運転開始から設定時間が経過すると、バーナ21での燃焼を停止させるように、乾燥用空気供給部5における燃料供給弁25等を制御し、排気部6における排気ファン31を作動停止させるように、駆動モータ12の作動状態を制御して、乾燥運転を終了している。
【0039】
設定時間については、例えば、予め設定した初期設定時間としたり、乾燥室4に投入された衣類2の量や重さ等から、その予め設定した初期設定時間を変更設定することができる。また、乾燥運転を終了させるための条件としては、設定時間が経過するという条件に限らず、例えば、衣類2の乾燥度を検知自在な乾燥度センサの検出情報に基づいて、衣類2の乾燥完了を検知した場合に、乾燥運転を終了させることもできる。
【0040】
乾燥運転について、制御部9は、上述の乾燥運転を行うだけでなく、乾燥運転の直前に事前供給作動を行う事前供給作動付き乾燥運転も実行可能に構成されている。この事前供給作動付き乾燥運転では、制御部9が、まず、バイパス供給部51を作動させて、高温空気K1を乾燥室4を介さずに乾燥室4をバイパスさせて排気通路32に供給する事前供給作動を行い、その事前供給作動に引き続いて、上述の乾燥運転を行っている。
【0041】
事前供給作動では、制御部9が、バーナ21による燃焼を行い、通風ファン53を作動させることで、バーナ21の燃焼により高温空気K1を生成し、図2及び図3の点線矢印にて示すように、その高温空気K1をバイパス通路52を通流させて、乾燥室4をバイパスさせ排気通路32に供給している。制御部9は、例えば、設定時間が経過するまで、事前供給作動を継続させており、設定時間が経過すると、事前供給作動を停止して、乾燥運転に移行している。このとき、設定時間については、高温空気K1の供給により排気通路32を十分暖めることができるように、実験等により予め設定しておくことができる。
【0042】
乾燥運転を行うときの動作について、図4のフローチャートに基づいて説明する。
利用者が、乾燥室4に衣類2を投入して操作部等を操作することで、乾燥運転の運転開始が指令されると、制御部9は、まず、排気通路32内の温度が設定温度以下であるか否かを判定している(ステップ#1)。排気通路32の内部通路部位33には、図1に示すように、排気通路32内の温度を検出する排気温検出センサ55が備えられており、制御部9は、その排気温検出センサ55の検出温度に基づいて、排気通路32内の温度が設定温度以下であるか否かを判定している。
【0043】
排気通路32内の温度が設定温度以下である場合には、排気通路32内の温度が低下しており、結露を生じる可能性があるとして、制御部9が、事前供給作動付き乾燥運転を実行する(ステップ#1のYesの場合、ステップ#2)。設定温度については、排気通路32にて結露が生じるか否か等の実験に基づいて、予め設定しておくことができる。この事前供給作動付き乾燥運転では、制御部9が、まず、バーナ21による燃焼を行い、通風ファン53を作動させることで、バイパス供給部51を作動させて事前供給作動を行い(ステップ#2)、その事前供給作動に引き続いて、乾燥運転を行う(ステップ#3)。
【0044】
排気通路32内の温度が設定温度よりも高い場合には、排気通路32内の温度が低下しておらず、結露を生じる可能性がないとして、制御部9が、乾燥運転を行っている(ステップ#1のNoの場合、ステップ#3)。
【0045】
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0046】
(1)上記実施形態では、バーナ21の燃焼により高温空気K1(乾燥用空気)を生成しているが、例えば、電気ヒータによる加熱によって高温空気(乾燥用空気)を生成することもでき、高温空気K1を生成するための加熱部については、バーナに限らず、他の加熱部を適用することもできる。
【0047】
(2)上記実施形態では、略水平方向に沿う回転軸心P周りで回転ドラム11を回転駆動させているが、略上下方向に沿う回転軸心周りで回転ドラムを回転駆動させることもでき、回転ドラムの回転軸心をどのように設定するか適宜変更が可能である。
【0048】
(3)上記実施形態では、回転駆動自在な回転ドラム11の内部空間を乾燥室4として備えているが、乾燥室4を固定状態にて備えることもできる。
【符号の説明】
【0049】
1 衣類乾燥装置
2 衣類
4 乾燥室
5 乾燥用空気供給部
6 排気部
9 制御部
31 排気ファン
32 排気通路
51 バイパス供給部
52 バイパス通路
54 逆流防止部
K1 高温空気(乾燥用空気)
図1
図2
図3
図4