(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】タンクユニット
(51)【国際特許分類】
F02M 37/18 20060101AFI20240813BHJP
F02M 37/00 20060101ALI20240813BHJP
F02M 37/04 20060101ALI20240813BHJP
F02M 37/10 20060101ALI20240813BHJP
F02M 37/50 20190101ALI20240813BHJP
【FI】
F02M37/18 A
F02M37/00 301T
F02M37/00 331A
F02M37/04 B
F02M37/10 H
F02M37/50
(21)【出願番号】P 2021083711
(22)【出願日】2021-05-18
【審査請求日】2023-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000116574
【氏名又は名称】愛三工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】東 慎也
(72)【発明者】
【氏名】福井 達紀
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 聡志
【審査官】藤村 泰智
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-053857(JP,A)
【文献】特開2008-069712(JP,A)
【文献】特開平08-144879(JP,A)
【文献】国際公開第2013/114606(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0003166(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 37/00 ~ 37/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンクユニットであって、
燃料を貯留する燃料タンクと、
前記燃料タンク内に配置されるサブタンクと、
前記サブタンクの下面の少なくとも一部を構成する中空状のフィルタと、
前記フィルタを介して前記サブタンクの内部と外部から燃料を吸引する燃料ポンプと、
前記サブタンクの外部に連通する吸入口と前記サブタンクの内部に連通する吐出口とを有し、前記サブタンクの外部の燃料を前記サブタンクの内部に汲み上げるジェットポンプと、
前記燃料ポンプが圧送する燃料の一部を前記ジェットポンプに供給する戻し通路とを有
し、
前記ジェットポンプは、前記サブタンクの外部に位置する減圧室を有し、
前記吸入口は前記減圧室と直接連通しており、かつ前記燃料タンクの底面に高さ方向に略隣り合う位置で下方に向かって開口するタンクユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のタンクユニットであって、
前記ジェットポンプが、前記吸入口を前記燃料タンクの底面に近づけるように、前記サブタンクの側壁部から斜め下方に延出するように前記側壁部に組み付けられるタンクユニット。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のタンクユニットであって、
前記燃料ポンプは、エンジンに燃料を供給するための燃料ポンプであり、
前記戻し通路は、前記燃料ポンプから前記エンジンに燃料を供給するための供給通路から分岐しており、前記燃料ポンプから圧送された燃料の一部を前記ジェットポンプに戻すように構成されるタンクユニット。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のタンクユニットであって、
中空状の前記フィルタが前記サブタンクの下面全体を構成しているタンクユニット。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載のタンクユニットであって、
前記ジェットポンプが、前記サブタンクの下面に高さ方向に略隣り合うように配置されるタンクユニット。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載のタンクユニットであって、
前記戻し通路に、圧送された燃料の圧力を調整する圧力調整弁が設けられるタンクユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タンクユニットに関する。詳しくは、燃料を貯留する燃料タンクと、燃料タンク内に配置されるサブタンクとを有するタンクユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許第5302907号公報には、内部にサブタンクを有する燃料タンクが開示されている。サブタンクの下面は袋状のフィルタで構成され、フィルタの内部と連通する燃料ポンプがフィルタを介して燃料を吸い込み、エンジンに圧送する。このとき、燃料ポンプは、フィルタを介してサブタンクの内部と外部の両方の燃料を吸引することができる。路面の傾きや慣性力により燃料タンク内で燃料が片寄り、フィルタの下側から直接燃料を吸引できない場合でも、サブタンク内の燃料を吸引することができるため、燃料の供給を途絶えさせないようにすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、サブタンクの下面がフィルタで構成されている場合、燃料ポンプによりフィルタ内に発生する負圧が弱いと、サブタンクに貯留された燃料はその自重によりフィルタを通ってサブタンクから流出してしまう。このため、上記公報の燃料タンクのように燃料ポンプから送出される燃料の一部をサブタンク内に戻すことで、サブタンク内の燃料量を保持することができる。しかし、例えば、自動車のアイドリング時など燃料ポンプによる燃料の圧送量が抑えられる場合には、燃料ポンプにより発生する負圧が小さくなる。このため、サブタンクからの燃料の流出を抑制できず、サブタンク内の燃料量を保持できない。そこで、燃料ポンプの負圧が小さい場合でもサブタンクの内の燃料量を保持できるようにすることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの態様としてのタンクユニットは、燃料を貯留する燃料タンクと、燃料タンク内に配置されるサブタンクと、サブタンクの下面の少なくとも一部を構成する中空状のフィルタと、フィルタを介してサブタンクの内部と外部から燃料を吸引する燃料ポンプと、サブタンクの外部に連通する吸入口とサブタンクの内部に連通する吐出口とを有し、サブタンクの外部の燃料をサブタンクの内部に汲み上げるジェットポンプと、燃料ポンプが圧送する燃料の一部をジェットポンプに供給する戻し通路とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】ひとつの実施形態に係るタンクユニットの構成図である。
【
図4】他の実施形態に係るタンクユニットの構成図である。
【
図5】他の実施形態に係る燃料供給システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
<第1実施形態>
以下、本開示の実施形態を、
図1-5を用いて説明する。始めに、第1実施形態に係る自動車に搭載されるタンクユニット1と燃料供給システム30について説明する。
【0008】
タンクユニット1は、
図1に示すように、内熱機関(エンジン)に供給するための燃料を貯留する燃料タンク10と、燃料タンク10内に設けられるサブタンク20と、燃料をエンジン50に圧送する燃料ポンプ31とを有する。サブタンク20により、燃料ポンプ31は、路面の傾斜により燃料タンク10が傾いたり自動車の旋回や加速により慣性力が働いたりして燃料が片寄ることでフィルタ21の下側から直接燃料を吸引できない場合でも、サブタンク20の内部から燃料を吸引してエンジン50に圧送することができる。
【0009】
サブタンク20は、
図1に示すように、底面を成す扁平な袋状あるいは中空状のフィルタ21と、フィルタ21の周縁部から上方に延びる側壁部22とを有する。サブタンク20は上部が開口しており、該開口は、外部から燃料タンク10に十分な燃料が供給された際に燃料が自然に流入できるようにするための流入口23となっている。流入口23は、燃料タンク10の上部に位置するように設けられる。これにより、サブタンク20は、内部の貯留量を確保し、かつ、貯留された燃料が外部に漏れることを抑制できる。
【0010】
燃料供給システム30は、
図1に示すように、サブタンク20内に配置される燃料ポンプ31を有する。燃料ポンプ31は、フィルタ21の内部と連通されており、フィルタ21を介して燃料タンク10とサブタンク20とに貯留された燃料をそれぞれ吸引し圧送する。フィルタ21を通過した燃料は、埃や水分等の異物を除去されるようになっている。また、燃料ポンプ31は、サブタンク20内の燃料を吸い上げることで、サブタンク20内の燃料がフィルタ21を介してサブタンク20の外部に流れ出ることを抑制できる。
【0011】
サブタンク20のフィルタ21は、
図2に示すように、不織布等の濾材から成るフィルタ部材21aと、内部の空間21bと、フィルタ部材21aの上面の開口に設けられる連結部21cとを有する。連結部21cと燃料ポンプ31の吸引口31aとの連結により、空間21bは、燃料ポンプ31と連通させられる。また、フィルタ部材21aの下面には、その所々にスペーサ21dを設けることができる。これにより、フィルタ21と燃料タンク10の底面との間には隙間が生じる。この隙間によって、燃料ポンプ31は、フィルタ部材21aの下面を介してサブタンク20の外部の燃料を吸引しやすくなっている。
【0012】
燃料供給システム30は、
図1に示すように、燃料ポンプ31からエンジン50に向けて延びる供給通路32を有する。
【0013】
<ジェットポンプと戻し通路>
更に、燃料供給システム30は、
図1に示すように、吐出口45がサブタンク20の内部と連通するように側壁部22の外側面に取り付けられたジェットポンプ40と、供給通路32から分岐してジェットポンプ40の供給口に接続される戻し通路33とを有する。ジェットポンプ40は、戻し通路33から還流した燃料が内部を通過することで、内部にベンチュリ効果による負圧を発生する。また、ジェットポンプ40は、サブタンク20の外部と連通する開口部(吸入口)44を有する。このため、ジェットポンプ40は、上記発生した負圧により、燃料タンク10に貯留された燃料を吸引してサブタンク20に供給できる。
【0014】
このように、サブタンク20には、燃料が流入口23から流入する他、ジェットポンプ40によっても供給されるようになっている。このため、燃料タンク10内の燃料量が減少し流入口23からの燃料の自然流入が難しい場合でも、ジェットポンプ40によってサブタンク20内に燃料を供給することができる。特に、流入口23が燃料タンク10内の高い位置にある場合には有利である。また、燃料ポンプ31による吸い上げが不十分であり、サブタンク20からの燃料の流出を十分に抑制できない場合であっても、流出量を上回る量の燃料をジェットポンプ40により供給することができる。これにより、サブタンク20内の燃料量を保持することができる。
【0015】
ジェットポンプ40は、
図2に示すように、側壁部22から外側に張り出すように側壁部22の下部に組み付けられる。ジェットポンプ40は、フィルタ21と高さ方向に略隣り合うように設けられる。これにより、ジェットポンプ40は、燃料タンク10の下部に位置するように設けられる。例えば、ジェットポンプ40は、燃料タンク10内の燃料量が低下していることを警告するための基準として用いられる警告液位(ウォーニング点)よりも低い位置に配置することができる。このため、燃料タンク10内の燃料量が警告液位まで低下した後も、ジェットポンプ40によりサブタンク20内に燃料を供給することができる。燃料量が警告液位に達したことは液位センサ(不図示)を用いて検知することができる。
【0016】
ジェットポンプ40は、その内部の流路幅の断面積が燃料の流れ方向の途中で狭められることで、燃料の通過により負圧を発生させる。具体的には、軸方向に燃料を噴射するノズル41と、流路幅が狭められた狭窄部42と、狭窄部42の上流側に設けられる減圧室43とを有する。狭窄部42は、その端部が側壁部22に組み付けられて、側壁部22の開口を介してサブタンク20と連通されている。これにより、戻し通路33から流入した燃料は、ノズル41から噴射されたのち減圧室43、狭窄部42の順にジェットポンプ40内を通過し、サブタンク20内に放出される。そして、燃料の流れの断面積がノズル41と狭窄部42によって狭められることで、減圧室43内にベンチュリ効果による負圧が発生する。また、ノズル41及び狭窄部42により、ジェットポンプ40は、戻し通路33を流れる燃料を所定の流量に制限するリークジェットとしても機能する。
【0017】
また、ジェットポンプ40は、
図2に示すように、減圧室43の下面に設けられる開口部44を有する。これにより、減圧室43内に生じた上記負圧によって燃料タンク10に貯留された燃料が開口部44を通ってジェットポンプ40の内部に吸引される。吸引された燃料は、ノズル41から噴射された燃料の流れに沿ってサブタンク20に放出される。このようにして、ジェットポンプ40により、サブタンク20の外部の燃料がサブタンク20内に供給される。
【0018】
ジェットポンプ40は、
図2に示すように、燃料の流れ方向の下流側から上流側に向かうにつれて燃料タンク10の底面により近づくように、ジェットポンプ40の軸が水平方向に対して斜めに傾くように配置される。このため、開口部44は、燃料タンク10の底面と高さ方向に略隣り合うように構成される。これにより、ジェットポンプ40の軸が水平方向を向いている場合と比べて、サブタンク20の外部の燃料量が少なくなっても燃料を吸引することができる。
【0019】
燃料供給システム30は、
図3に示すように、圧送された燃料をエンジン50(
図1参照)に噴射するインジェクタ34と、戻し通路33とは別に供給通路32から分岐する逃がし通路35とを有する。燃料ポンプ31はブラシレスDCモータを有し、ECU(不図示)により回転速度等のパラメータを変更可能に制御される。これにより、ECUは、燃料ポンプ31から圧送される燃料の流量を調整することができる。また、燃料ポンプ31は、前出の吸引口31aと、燃料ポンプ31が駆動する際に内部に生じる気泡(ベーパ)を外部に排出する孔状のベーパジェット31bとを有する。
【0020】
インジェクタ34は、
図3に示すように、直噴式の第1インジェクタ34aと、ポート噴射式の第2インジェクタ34bとを有し、それぞれが供給通路32と接続されている。供給通路32は、その通路途中に燃料の逆流を防止する逆止弁32aと、第1インジェクタ34aとの接続部に設けられる高圧ポンプ32bと、圧力センサ32cとを有する。ECUは、圧力センサ32cを用いて供給通路32を流れる燃料の圧力を測定し、測定した圧力値に基づいて、エンジン50に供給される燃料量を調整するように燃料ポンプ31の回転速度等のパラメータを制御する。
【0021】
戻し通路33は、
図3に示すように、供給通路32の逆止弁32aよりも上流側から分岐するように設けられる。戻し通路33には、その途中にプレフィルタ33aを設けることもできる。逃がし通路35は、供給通路32の逆止弁32aよりも下流側から分岐するように設けられる。逃がし通路35は、所定の圧力が掛かることで開弁するリリーフバルブ35aを有する。これにより、逃がし通路35は、供給通路32の下流側が過圧状態となった際に内部の圧力を逃がすことができる。逃がし通路35を通った燃料は、サブタンク20の流入口23(
図1参照)からサブタンク20内に放出されるようになっている。
【0022】
<第2実施形態>
次に、
図4を参照しながら、第2実施形態に係るタンクユニット101について説明する。本実施形態のタンクユニット101は、第1実施形態のタンクユニット1と比較して、燃料タンク10内に設けられるサブタンク120の形態が異なっている。なお、上記以外の構成については、第1実施形態で示した構成と同じにすることができるため、同一の符号を付して説明を省略することとする。
【0023】
サブタンク120は、
図4に示すように、側壁部122の高さが低くなっており、流入口123が燃料タンク10の内部の比較的低い位置に配置される。これにより、流入口123を介してサブタンク120の内部に燃料が流入しやすくなっている。また、流入口123は、前出のウォーニング点よりも低い位置に配置することができる。フィルタ121は、高さを抑える代わりに水平方向に拡張することができる。これにより、サブタンク120の内部容量を確保することができる。
【0024】
ジェットポンプ40は、第1実施形態と同様に、側壁部122の下部に設けられてフィルタ121と高さ方向に略隣り合うように配置される。
図4に示すように、ジェットポンプ40は、流入口123よりも低い位置に配置される。
【0025】
<第3実施形態>
次に、
図5を参照しながら、第3実施形態に係るタンクユニット201について説明する。本実施形態のタンクユニット201は、第1実施形態のタンクユニット1と比較して、燃料をエンジン50(
図1参照)に供給する燃料供給システム230の構成が異なっている。なお、上記以外の構成については、第1実施形態で示した構成と同じにすることができるため、同一の符号を付して説明を省略することとする。
【0026】
燃料供給システム230は、
図5に示すように、燃料ポンプ231と、燃料ポンプ231からエンジン50に向かう供給通路232と、供給通路232から分岐してジェットポンプ40の供給口に接続される戻し通路233と、インジェクタ234とを有する。燃料ポンプ231は、その内部にDCモータを有し、作動中は燃料を一定の流量で供給するように構成される。インジェクタ234は、ポート噴射式であり、供給通路232の先端に設けられている。
【0027】
供給通路232は、その通路途中に燃料の逆流を防止する逆止弁232aを有する。戻し通路233は、逆止弁232aよりも下流側から分岐するように設けられる。戻し通路233は、その通路途中に圧力調整弁233aを有し、この圧力調整弁233aにより燃料ポンプ231から圧送された燃料の圧力が調整される。圧力調整弁233aから排出された余剰燃料はジェットポンプ40の内部に通され、ジェットポンプ40によって汲み上げられた燃料とともにサブタンク20内に戻される。
【0028】
<まとめ>
以上をまとめると、タンクユニット1であって、燃料を貯留する燃料タンク10と、燃料タンク10内に配置されるサブタンク20と、サブタンク20の下面の少なくとも一部を構成する中空状のフィルタ21と、フィルタ21を介してサブタンク20の内部と外部から燃料を吸引する燃料ポンプ31と、サブタンク20の外部に連通する吸入口44とサブタンク20の内部に連通する吐出口45とを有し、サブタンク20の外部の燃料をサブタンク20の内部に汲み上げるジェットポンプ40と、燃料ポンプ31が圧送する燃料の一部をジェットポンプ40に供給する戻し通路33とを有する。このような構成となっていることにより、燃料ポンプ31は、サブタンク20の下面のフィルタ21を介してサブタンク20の内部と外部の両方の燃料を吸引することができる。また、ジェットポンプ40により、サブタンク20の外部の燃料をサブタンク20の内部に供給することができる。
【0029】
また、燃料ポンプ31は、エンジン50に燃料を供給するための燃料ポンプ31である。戻し通路33は、燃料ポンプ31からエンジン50に燃料を供給するための供給通路32から分岐しており、燃料ポンプ31から圧送された燃料の一部をジェットポンプ40に戻すように構成される。このような構成となっていることにより、エンジン50に燃料を供給する既存の燃料ポンプ31を利用して、合理的にジェットポンプ40を作動させることができる。
【0030】
また、中空状のフィルタ21がサブタンク20の下面全体を構成している。このような構成となっていることにより、サブタンク20の下面全体に亘って燃料ポンプ31が燃料を吸引することができる。
【0031】
また、ジェットポンプ40が、サブタンク20の下面に高さ方向に略隣り合うように配置される。このような構成となっていることにより、燃料タンク10の燃料量が少なくなっても、ジェットポンプ40がサブタンク20に燃料を供給することができる。
【0032】
また、ジェットポンプ40の吸入口44が、燃料タンク10の底面に高さ方向に略隣り合うように配置される。このような構成となっていることにより、燃料タンク10の燃料量が少なくなっても、ジェットポンプ40の吸入口44にホース等の延長部材を設けることなくジェットポンプ40がサブタンク20に燃料を供給することができる。
【0033】
また、戻し通路233に、圧送される燃料の圧力を調整する圧力調整弁233aが設けられる。このような構成となっていることにより、戻し通路233の構成を利用してエンジン50に圧送される燃料の圧力を調整することができる。
【0034】
<その他の実施形態>
別の実施形態として、タンクユニットは、自動車の燃料タンクの他、二輪車や船舶等の燃料タンクに適用することができる。
【0035】
別の実施形態として、中空状のフィルタはサブタンクの下面の一部のみを成していても良い。
【0036】
別の実施形態として、ジェットポンプは、サブタンクの側壁部から内側に張り出すように組みつけられても良い。これにより、サブタンクの外側に張り出す部分が小さくなることで、サブタンクを燃料タンク内に挿入しやすくすることができる。別の実施形態として、ジェットポンプは、吐出口がサブタンクの内部と連通していさえすれば、サブタンクの側壁部の上部に設けられても良いし、サブタンクの上面や下面に設けられても良い。ジェットポンプは、サブタンクの流入口や燃料タンクのウォーニング点よりも高い位置に配置されても良い。また別の実施形態として、ジェットポンプは、その軸が水平方向に沿って延びるように配置されても良いし、上下方向に沿って延びるように配置されても良い。
【0037】
ジェットポンプの開口部(吸入口)は、前述のように燃料タンクの底面に向かい合うように下方に向かって開口する他、別の実施形態として、上方や水平方向に向かって開口しても良い。また別の実施形態として、ジェットポンプの開口部には、水分を除去する撥水フィルタが設けられても良い。これにより、ジェットポンプから流入する燃料の水分を除去して、サブタンク内に水が滞留することを抑制できる。
【0038】
以上、様々な実施形態を説明したが、本開示はそれらの実施形態に限定されるものではなく、当業者であれば他にも各種の変形、置換、改良などが可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 タンクユニット
10 燃料タンク
20 サブタンク
21 フィルタ
21a フィルタ部材
21b 空間
21c 連結部
21d スペーサ
22 側壁部
23 流入口
30 燃料供給システム
31 燃料ポンプ
31a 吸引口
31b ベーパジェット
32 供給通路
32a 逆止弁
32b 高圧ポンプ
32c 圧力センサ
33 戻し通路
33a プレフィルタ
34 インジェクタ
34a 第1インジェクタ
34b 第2インジェクタ
35 逃がし通路
35a リリーフバルブ
40 ジェットポンプ
41 ノズル
42 狭窄部
43 減圧室
44 開口部(吸入口)
45 吐出口
50 エンジン
101 タンクユニット
120 サブタンク
121 フィルタ
122 側壁部
123 流入口
201 タンクユニット
230 燃料供給システム
231 燃料ポンプ
232 供給通路
232a 逆止弁
233 戻し通路
233a 圧力調整弁
234 インジェクタ