(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
H04N 25/77 20230101AFI20240813BHJP
H04N 25/772 20230101ALI20240813BHJP
【FI】
H04N25/77
H04N25/772
(21)【出願番号】P 2021503467
(86)(22)【出願日】2020-01-30
(86)【国際出願番号】 JP2020003507
(87)【国際公開番号】W WO2020179302
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2023-01-11
(31)【優先権主張番号】P 2019041793
(32)【優先日】2019-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川崎 凌平
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-170703(JP,A)
【文献】国際公開第2018/037902(WO,A1)
【文献】特開2014-171011(JP,A)
【文献】特開2016-092662(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/00-25/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受光した光に応じて光電変換により電荷を発生させる受光素子と、
前記受光素子から前記電荷を読み出して、該電荷に応じたアナログ信号を出力する画素回路と、
前記アナログ信号と、電圧が時間に応じて一定の傾斜に従い階段状に変化する参照信号と、を比較した比較結果に基づき該アナログ信号をデジタル信号に変換する変換回路と、
をそれぞれ含む複数の画素と、
前記参照信号として、前記複数の画素のうち第1の画素に供給するための第1の参照信号と、前記複数の画素のうち該第1の画素と異なる第2の画素に供給するための第2の参照信号と、を生成する生成部と、
前記生成部と前記第1の画素とを接続する第1の配線と、
前記生成部と前記第2の画素とを接続する第2の配線と、
を備え、
前記第1の参照信号が前記第1の配線を介して前記第1の画素に供給され、
前記第2の参照信号が前記第2の配線を介して前記第2の画素に供給され
、
前記複数の画素は、2次元の格子状の配列で配置され、
前記第1の画素および前記第2の画素は、
前記格子状の配列において行方向および列方向に交互に配置され、
前記第1の配線および前記第2の配線は、
前記格子状の配列に対して1列および1行おきの格子として構成される、
撮像装置。
【請求項2】
前記生成部は、
前記第1の参照信号に対してオフセットを与えた前記第2の参照信号を生成する
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記生成部は、
前記第1の参照信号に対して前記傾斜の基準となる基準電圧をシフトさせる前記オフセットを与えた前記第2の参照信号を生成する
請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記生成部は、
前記第1の参照信号に対して前記傾斜を前記時間の方向にシフトさせる前記オフセットを与えた前記第2の参照信号を生成する
請求項2に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第1の配線は、
格子状に設けられ、前記配列における複数の前記第1の画素が該格子状の各格子点に1対1に対応して配置され、
前記第2の配線は、
格子状に設けられ、前記配列における複数の前記第2の画素が該格子状の各格子点に1対1に対応して配置される
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記複数の画素は、前記受光素子に対応してカラーフィルタが設けられ、
前記第1の配線および前記第2の配線の少なくとも一方は、前記複数の画素のうち、同一の波長成分を通過する前記カラーフィルタが設けられる画素それぞれに接続される
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
第1の半導体チップと、該第1の半導体チップに積層される第2の半導体チップと、を含み、
前記受光素子および前記画素回路が前記第1の半導体チップに配置され、前記変換回路と前記生成部と、が前記第2の半導体チップに配置される
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記第1の配線および前記第2の配線が前記第2の半導体チップに配置される
請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
第1の半導体チップと、該第1の半導体チップに積層される第2の半導体チップと、を含み、
前記受光素子および前記画素回路と、前記変換回路の少なくとも一部と、が前記第1の半導体チップに配置され、該変換回路の該第1の半導体チップに配置されない部分と前記生成部と、が前記第2の半導体チップに配置される
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記第1の配線および前記第2の配線が前記第1の半導体チップに配置される
請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
受光した光に応じて光電変換により電荷を発生させる受光素子と、
前記受光素子から前記電荷を読み出して、該電荷に応じたアナログ信号を出力する画素回路と、
前記アナログ信号と、電圧が時間に応じて一定の傾斜に従い階段状に変化する参照信号と、を比較した比較結果に基づき該アナログ信号をデジタル信号に変換する変換回路と、
をそれぞれ含む複数の画素と、
前記参照信号として、前記複数の画素のうち第1の画素に供給するための第1の参照信号を生成する第1の生成部と、
前記参照信号として、前記複数の画素のうち第2の画素に供給するための第2の参照信号を生成する第2の生成部と、
前記第1の生成部と前記第1の画素とを接続する第1の配線と、
前記第2の生成部と前記第2の画素とを接続する第2の配線と、
を備え、
前記第1の参照信号が前記第1の配線を介して前記第1の画素に供給され、
前記第2の参照信号が前記第2の配線を介して前記第2の画素に供給され
、
前記複数の画素は、2次元の格子状の配列で配置され、
前記第1の画素および前記第2の画素は、
前記格子状の配列において行方向および列方向に交互に配置され、
前記第1の配線および前記第2の配線は、
前記格子状の配列に対して1列および1行おきの格子として構成される、
撮像装置。
【請求項12】
前記第1の生成部および前記第2の生成部は、
それぞれ、前記複数の画素が配置される領域の同一の側に配置される
請求項11に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記第1の生成部は、
前記複数の画素が配置される領域の一端の側に配置され、
前記第2の生成部は、
前記領域の、前記一端に対向する他端に配置される
請求項11に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記第2の生成部は、
前記第1の参照信号に対してオフセットを与えた前記第2の参照信号を生成する
請求項11に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記第2の生成部は、
前記第1の参照信号に対して前記傾斜の基準となる基準電圧をシフトさせる前記オフセットを与えた前記第2の参照信号を生成する
請求項14に記載の撮像装置。
【請求項16】
前記第2の生成部は、
前記第1の参照信号に対して前記傾斜を前記時間の方向にシフトさせる前記オフセットを与えた前記第2の参照信号を生成する
請求項14に記載の撮像装置。
【請求項17】
前記第1の配線は、
格子状に設けられ、前記配列における複数の前記第1の画素が該格子状の各格子点に1対1に対応して配置され、
前記第2の配線は、
格子状に設けられ、前記配列における複数の前記第2の画素が該格子状の各格子点に1対1に対応して配置される
請求項11に記載の撮像装置。
【請求項18】
前記複数の画素は、前記受光素子に対応してカラーフィルタが設けられ、
前記第1の配線および前記第2の配線の少なくとも一方は、前記複数の画素のうち、同一の波長成分を通過する前記カラーフィルタが設けられる画素それぞれに接続される
請求項11に記載の撮像装置。
【請求項19】
第1の半導体チップと、該第1の半導体チップに積層される第2の半導体チップと、を含み、
前記受光素子および前記画素回路が前記第1の半導体チップに配置され、前記変換回路と前記第1の生成部と前記第2の生成部と、が前記第2の半導体チップに配置され、
前記第1の配線および前記第2の配線が前記第2の半導体チップに配置される請求項11に記載の撮像装置。
【請求項20】
第1の半導体チップと、該第1の半導体チップに積層される第2の半導体チップと、を含み、
前記受光素子および前記画素回路と、前記変換回路の少なくとも一部と、が前記第1の半導体チップに配置され、該変換回路の該第1の半導体チップに配置されない部分と前記第1の生成部と前記第2の生成部と、が前記第2の半導体チップに配置され、
前記第1の配線および前記第2の配線が前記第1の半導体チップに配置される
請求項11に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
受光した光を光電変換によりアナログ信号に変換する受光素子を含む画素が行列状に配置された画素アレイが知られている。この画素アレイに対し、各画素から読み出されたアナログ信号による画素信号をデジタル信号による画素信号に変換するAD(Analog to Digital)変換器を各画素に組み込んだ構成(画素内ADCと呼ぶ)が提案されている。
【0003】
画素内ADCとしては、時間に応じて階調に従い電圧値が変化するランプ信号を用いたシングルスロープ型のADCが用いられることが一般的である。このシングルスロープ型のADCにおいては、画素アレイの各画素に共通にランプ信号を生成させ、このランプ信号の生成と共にカウンタを作動させる。コンパレータにより、ランプ信号の電圧と画素から読み出された画素信号の電圧とを比較する。コンパレータは、これらの電圧の高低関係が反転した時点で出力を反転させてカウンタを停止させ、時間情報を出力する。この時間情報をデジタルコードに変換して、デジタル信号に変換された画素信号を得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-055589号公報
【文献】特開2018-186478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画素アレイに含まれる各画素から読み出した画素信号に対するAD変換をシングルスロープ型の画素内ADCを用いて行う構成において、例えば面内の輝度分布が平坦な場合には、コンパレータの出力が一斉反転を起こす。そのため、当該画素アレイの全体における瞬時電流の増大が懸念される。
【0006】
本開示は、画素アレイにおける瞬時電流の抑制が可能な撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る撮像装置は、受光した光に応じて光電変換により電荷を発生させる受光素子と、前記受光素子から前記電荷を読み出して、該電荷に応じたアナログ信号を出力する画素回路と、前記アナログ信号と、電圧が時間に応じて一定の傾斜に従い階段状に変化する参照信号と、を比較した比較結果に基づき該アナログ信号をデジタル信号に変換する変換回路と、をそれぞれ含む複数の画素と、前記参照信号として、前記複数の画素のうち第1の画素に供給するための第1の参照信号と、前記複数の画素のうち該第1の画素と異なる第2の画素に供給するための第2の参照信号と、を生成する生成部と、前記生成部と前記第1の画素とを接続する第1の配線と、前記生成部と前記第2の画素とを接続する第2の配線と、を備え、前記第1の参照信号が前記第1の配線を介して前記第1の画素に供給され、前記第2の参照信号が前記第2の配線を介して前記第2の画素に供給され、前記複数の画素は、2次元の格子状の配列で配置され、前記第1の画素および前記第2の画素は、前記格子状の配列において行方向および列方向に交互に配置され、前記第1の配線および前記第2の配線は、前記格子状の配列に対して1列および1行おきの格子として構成される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の各実施形態に適用可能な撮像装置の一例の構成を示すブロック図である。
【
図2】各実施形態に適用可能な画素の構成の例を示すブロック図である。
【
図3】各実施形態に適用可能な撮像装置の構造の例を示す図である。
【
図4A】第1の半導体チップにおける各部の配置例を示す図である。
【
図4B】第2の半導体チップにおける各部の配置例を示す図である。
【
図5A】各実施形態に適用可能な画素回路およびADCの構成例を示す回路図である。
【
図5B】各実施形態に適用可能な画素回路およびADCの構成例を示す回路図である。
【
図6】各実施形態に適用可能なADCおよび記憶回路の動作を説明するための図である。
【
図7】各実施形態に適用可能な画素回路の動作と参照信号との関係の一例を示す図である。
【
図8】既存技術による撮像装置の一例の構成を示す図である。
【
図9】既存技術においてDACにより出力される参照信号の例を示す図である。
【
図10】第1の実施形態に係る撮像装置の一例の構成を示す図である。
【
図11】第1の実施形態に係る第1のオフセットについて説明するための図である。
【
図12】第1の実施形態に係る第2のオフセットについて説明するための図である。
【
図13】第1の実施形態の第1の変形例に係る撮像装置の一例の構成を示す図である。
【
図14】第1の実施形態の第2の変形例による配線の第1の例を示す図である。
【
図15】第1の実施形態の第2の変形例による配線の第2の例を示す図である。
【
図16】第1の実施形態の第2の変形例による配線の第3の例を示す図である。
【
図17】第2の実施形態に係る撮像装置の一例の構成を示す図である。
【
図18】第2の実施形態に適用可能な、第1および第2の参照信号を生成、出力可能な回路の第1の例を示す回路図である。
【
図19】第2の実施形態に適用可能な、第1および第2の参照信号を生成、出力可能な回路の第2の例を示す回路図である。
【
図20】第2の実施形態に適用可能な、第1および第2の参照信号を生成、出力可能な回路の第3の例を示す回路図である。
【
図21】第3の実施形態に係る電子機器の一例の構成を示すブロック図である。
【
図22】本開示の技術を適用した撮像装置の使用例を説明する図である。
【
図23】体内情報取得システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図24】内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
【
図25】カメラヘッドおよびCCUの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図26】車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図27】車外情報検出部および撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の各実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の各実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより、重複する説明を省略する。
【0010】
(各実施形態に共通の構成)
図1は、本開示の各実施形態に適用可能な撮像装置の一例の構成を示すブロック図である。
図1において、撮像装置1000は、画素アレイ部1と、垂直走査回路2と、水平走査回路3と、タイミング制御部4と、DAC(Digital to Analog Converter)5と、時刻コード発生回路6と、全体制御部7と、画像処理部8と、を含む。
【0011】
画素アレイ部1は、複数の画素10を含む。また、画素10は、受光素子と、画素回路と、変換回路と、記憶部と、を含む。それぞれ詳細は後述するが、受光素子は、光電変換により受光した光に応じた電荷を発生させる。画素回路は、受光素子で発生された電荷を読み出してアナログ信号として出力する。変換回路は、画素回路から出力されたアナログ信号を、参照信号に基づきデジタル信号である画素信号に変換する。記憶部は、変換回路で変換された画素信号を記憶する。画素10は、さらに、画素信号に対して、ノイズ低減を行う相関二重サンプリング(CDS:Correlated Double Sampling)処理を施す信号処理回路を含めてもよい。
【0012】
画素アレイ部1において、複数の画素10は、水平方向(行方向)および垂直方向(列方向)の行列状の配列で配置される。画素アレイ部1において、画素10の行方向の並びをラインと呼ぶ。この画素アレイ部1において所定数のラインから読み出された画素信号により、1フレームの画像(画像データ)が形成される。例えば、3000画素×2000ラインで1フレームの画像が形成される場合、画素アレイ部1は、少なくとも3000個の画素10が含まれるラインを、少なくとも2000ライン、含む。
【0013】
垂直走査回路2は、後述する全体制御部7の制御に従い、各画素10から画素信号を読み出す際の駆動パルスなどの制御信号を生成し、画素アレイ部1の行毎に供給する。水平走査回路3は、全体制御部7の制御に従い、画素アレイ部1の各列を所定の順番で選択する選択操作を行うことにより。各画素10において記憶部に保持される各画素信号を順次出力する。水平走査回路3は、例えばシフトレジスタやアドレスデコーダなどを用いて構成される。
【0014】
タイミング制御部4は、例えば全体制御部7の制御に従い、撮像装置1000の各部の動作を制御するための、1乃至複数種類のクロック信号を生成する。タイミング制御部4により生成されたクロック信号は、垂直走査回路2および水平走査回路3に供給される。また、図示は省略するが、タイミング制御部4により生成されたクロック信号は、DAC5および時刻コード発生回路6にも供給される。
【0015】
DAC5は、各画素10において変換回路で用いられる参照信号を生成する。例えば、DAC5は、タイミング制御部4から供給されるクロック信号と、全体制御部7から供給される、クロック信号に応じて値が減少(または増加)するデジタル値と、に基づき、電圧が一定の傾斜に従い階段状に降下(または上昇)する参照信号(RAMP信号)を生成する。DAC5により生成された参照信号は、画素アレイ部1に供給され、画素アレイ部1に含まれる各画素10に渡される。
【0016】
なお、以下では、特に記載の無い限り、参照信号の傾斜(電圧の降下若しくは上昇)が開始されたことを、参照信号が開始された、のように記述する。同様に、参照信号の傾斜が終了したことを、参照信号が終了した、のように記述する。
【0017】
時刻コード発生回路6は、参照信号における電圧の傾斜に応じた時刻コードを発生させる。例えば、時刻コード発生回路6は、タイミング制御部4からクロック信号が供給され、全体制御部7から参照信号の開始を示す信号と、が供給される。時刻コード発生回路6は、参照信号が開始されると、クロック信号に従いカウントを行い、カウント毎に時刻を示す時刻コードを発生させる。時刻コード発生回路6が発生した時刻コードは、画素アレイ部1に供給され、各画素10に渡される。
【0018】
全体制御部7は、例えばプロセッサを含み、所定のプログラムに従ってこの撮像装置1000の全体の動作を制御する。また、全体制御部7は、外部から入力された制御信号に応じて撮像装置1000の全体の動作を制御することもできる。
【0019】
画像処理部8は、例えばフレームメモリを含み、水平走査回路3から出力された1フレーム分の画素信号を記憶する。画像処理部8は、記憶した1フレーム分の画素信号に対して所定の画像処理を施す。ここでの画像処理は、ゲイン調整、ホワイトバランス調整などの処理が考えられる。これに限らず、画像処理部8は、エッジ抽出や、顔判定といった処理を実行することも可能である。
【0020】
図2は、各実施形態に適用可能な画素の構成の例を示すブロック図である。
図2において、画素10は、画素回路11と、ADC(Analog to Digital Converter)12と、記憶回路13と、演算回路14と、を含む。
【0021】
画素回路11は、受光素子と、読み出し回路と、を含む。読み出し回路は、受光素子において受光した光に応じて発生した電荷を受光素子から読み出す。読み出し回路は、読み出した電荷に応じた電圧のアナログ信号を出力する。読み出し回路から出力されたアナログ信号は、ADC12に供給される。また、ADC12に対して、DAC5から参照信号が供給される。
【0022】
なお、詳細は後述するが、DAC5は、読み出し回路からの1回の読み出し処理において、読み出し回路のリセットレベル検出用の参照信号を生成し、その後、読み出し回路から読み出したアナログ信号のレベルを検出するための参照信号を生成する。
【0023】
ADC12は、比較回路を含む。比較回路は、画素回路11から供給されたアナログ信号と、DAC5から供給された参照信号とを比較し、当該アナログ信号と参照信号との電圧の高低関係が反転した場合に、出力信号VCOを反転させる。ADC12の出力信号VCOは、記憶回路13に供給される。
【0024】
一方、時刻コード発生回路6は、例えばクロック信号に従いクロック毎に更新される時刻コードを発生させる。時刻コード発生回路6により発生された時刻コードは、書き込み用転送回路20に供給される。書き込み用転送回路20は、例えば、画素アレイ部1において列毎に設けられ、対応する列に整列する複数の画素10が接続される。書き込み用転送回路20は、時刻コード発生回路6から供給された時刻コードを、接続される各画素10に供給する。
【0025】
記憶回路13は、例えばラッチ回路であって、書き込み用転送回路20から供給された時刻コードを保持する。例えば、記憶回路13は、書き込み用転送回路20から供給された時刻コードにより、直前に供給され保持された時刻コードを更新する。記憶回路13は、ADC12から供給された出力信号VCOが反転したタイミングで、時刻コードの更新を停止する。
【0026】
なお、演算回路14は、記憶回路13に保持された時刻コードに基づき、読み出し回路から読み出されたアナログ信号に対するノイズ除去処理を行う。例えば、演算回路14は、読み出し回路のリセットレベル検出用の参照信号に基づき保持された時刻コードと、読み出し回路から読み出したアナログ信号のレベルを検出するための参照信号に基づき保持された時刻コードと、の差分を求める演算を行う。この差分に基づき、画素データを得ることができる。この画素データは、オフセット性のノイズが除去された画素データであって、記憶回路13に返される。記憶回路13は、演算回路14から返された画素データを保持する。
【0027】
参照信号の終了のタイミングで、例えば行毎に、行に整列する各画素10の記憶回路13からノイズが除去された画素データが読み出され、読み出された画素データが、読み出し用転送回路21を介して出力される。
【0028】
読み出し用転送回路21は、例えば、垂直走査回路2および水平走査回路3それぞれにより指定された画素10から時刻コードを読み出して、画素データとして出力する。読み出し用転送回路21から出力された画素データは、画像処理部8に供給され、フレームメモリに記憶される。画像処理部8は、例えば、フレームメモリに1フレーム分の画素データが記憶されると、フレームメモリに記憶される画素データに対して所定の画像処理を施し、例えば撮像装置1000の外部に出力する。
【0029】
図3は、各実施形態に適用可能な撮像装置1000の構造の例を示す図である。
図3において、撮像装置1000は、第1の半導体チップ1001と、第2の半導体チップ1002と、を例えば導電路16を介して電気的に接触させつつ貼り合わせて、1つの撮像装置1000として形成される。
【0030】
第1の半導体チップ1001は、画素領域1010が配置される。画素領域1010は、受光素子が行列状に配置される。
図3の例では、画素領域1010に対して、画素回路11が行列状に配置されている。第2の半導体チップ1002は、画素ロジック領域1011が配置される。画素ロジック領域1011は、例えば、画素回路11に対応する処理回路15が、第1の半導体チップ1001における画素回路11の配置に対応して、行列状に配置される。処理回路15は、例えば、
図3に示したADC12、記憶回路13および演算回路14を含む。すなわち、画素10は、第1の半導体チップ1001に配置される画素回路11と、第2の半導体チップ1002に、当該画素回路11に対して1対1に配置される処理回路15と、を含んで構成される。
【0031】
上述では、画素10に含まれる各要素のうち、画素回路11が第1の半導体チップ1001に配置され、処理回路15が第2の半導体チップ1002に配置されるように説明したが、これはこの例に限定されない。例えば、第1の半導体チップ1001に対して、画素回路11と、当該画素回路11に対応する処理回路15の一部と、を配置し、第2の半導体チップ1002に対して、当該画素回路11に対応する処理回路15の他の部分を配置することもできる。一例として、処理回路15に含まれる各要素のうち、ADC12の一部を対応する画素回路11と共に第1の半導体チップ1001に配置し、当該ADC12の他の部分を、対応する処理回路15に含まれる記憶回路13および演算回路14と共に第2の半導体チップ1002に配置する。
【0032】
次に、第1の半導体チップ1001および第2の半導体チップ1002における各部の配置について、概略的に説明する。
図4Aは、第1の半導体チップ1001における各部の配置例を示す図である。
図4Aにおいて、第1の半導体チップ1001に対して、画素領域1010が配置されると共に、垂直走査回路2の一部と、水平走査回路3の一部と、DAC5と、が配置される。
図4Aの例では、垂直走査回路2は、画素領域1010の行方向の両側(
図4Aにおける左右側)に配置されている。また、
図4Aの例では、画素領域1010の列方向の一方(例えば
図4Aにおける上側)には、水平走査回路3の一部が配置され、列方向の他方には、DAC5が配置される。
【0033】
図4Bは、第2の半導体チップ1002における各部の配置例を示す図である。
図4Bにおいて、第2の半導体チップ1002に対して、画素ロジック領域1011が配置されると共に、垂直走査回路2の一部と、水平走査回路3の一部と、ロジック部1012と、が配置される。ロジック部1012は、例えば
図1に示したタイミング制御部4と、時刻コード発生回路6と、全体制御部7と、画像処理部8と、が含まれる。
【0034】
また、
図4Aおよび
図4Bの例では、垂直走査回路2および水平走査回路3は、第1の半導体チップ1001と第2の半導体チップ1002とに分割されて配置されている。
【0035】
次に、
図5Aおよび
図5Bを用いて、各実施形態に適用可能な画素回路11およびADC12の構成について説明する。
図5Aおよび
図5Bは、各実施形態に適用可能な画素回路11およびADC12の構成例を示す回路図である。
図5Aは、各実施形態に適用可能な、画素回路11とADC12の一部とが第1の半導体チップ1001に配置される場合の、画素回路11およびADC12の回路の例を示している。ADC12の他の部分は、第2の半導体チップ1002に配置される。
【0036】
図5Aにおいて、画素回路11は、リセットトランジスタ104、FD(Floating Diffusion)101、転送トランジスタ103、フォトダイオード(PD)100および排出トランジスタ102を備える。リセットトランジスタ104、転送トランジスタ103および排出トランジスタ102として、例えば、NチャネルのMOS(Metal-Oxide-Semiconductor)トランジスタが用いられる。
【0037】
フォトダイオード100は、光電変換により電荷を生成する。排出トランジスタ102は、垂直走査回路2から供給される駆動信号OFGに従い、露光開始時にフォトダイオード100に蓄積された電荷を排出させる。転送トランジスタ103は、垂直走査回路2からの転送信号TRGに従い、露光終了時にフォトダイオード100からFD101に電荷を転送する。FD101は、転送された電荷を蓄積して蓄積した電荷量に応じた電圧を生成する。リセットトランジスタ104は、垂直走査回路2から供給されるリセット信号RSTに従い、FD101を初期化する。
【0038】
ADC12は、PチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ108、109および110と、NチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ106、107および105と、を備えるコンパレータを含む。
【0039】
トランジスタ106および105は、差動対を構成し、これらのトランジスタのソースは、トランジスタ107のドレインに共通に接続される。また、トランジスタ106のドレインは、トランジスタ108のドレインとトランジスタ108および109のゲートとに接続される。トランジスタ105のドレインは、トランジスタ109のドレインとトランジスタ110のゲートとリセットトランジスタ104のドレインとに接続される。また、トランジスタ106のゲートには、RAMP信号が参照信号として入力される。
【0040】
トランジスタ107のゲートには、所定のバイアス電圧BIASが印加され、トランジスタ107のソースには、所定の接地電圧が印加される。トランジスタ105のゲートは、リセットトランジスタ104、FD101および転送トランジスタ103に接続される。
【0041】
トランジスタ108および109は、カレントミラー回路を構成する。トランジスタ108、109および110のソースには、電源電圧HVが印加される。この電源電圧HVは、電源電圧LVよりも高電圧とされている。また、トランジスタ110のドレインは、電圧変換回路を構成するトランジスタ113に接続される。
【0042】
また、画素回路11と、トランジスタ106、107および105とは、第1の半導体チップ1001に形成される。トランジスタ105および106は、第2の半導体チップ1002上に形成される、カレントミラー回路を構成するトランジスタ108および109と、例えばCCC(Copper-Copper Connection)などによる結合部120aおよび120bを介して接続される。
【0043】
ADC12の一部である、電圧変換回路を構成するトランジスタ113のゲートには電源電圧LVが印加される。電圧変換回路により、電源電圧HVを、より低い電源電圧LVに変換し、低電圧で動作する回路を後段に配置することができる。トランジスタ113のドレインは、トランジスタ110のドレインに接続され、ソースは、ADC12の一部である正帰還回路に接続される。
【0044】
図5Aの例では、正帰還回路は、それぞれPチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ111および112と、NチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ114と、NOR回路115と、を含んで構成されている。
【0045】
正帰還回路において、トランジスタ111および112は、電源電圧LVに直列に接続される。また、トランジスタ111のゲートには、垂直走査回路2から供給される駆動信号INIが入力される。トランジスタ112のドレインは、トランジスタ113のソースと、トランジスタ114のドレインと、NOR回路115の一方の入力端に接続される。NOR回路115の他方の入力端には、垂直走査回路2から供給される制御信号VCOFORCEが入力される。NOR回路115の出力が、正帰還信号FBとしてトランジスタ112のゲートに入力される。
【0046】
トランジスタ114のソースには接地電圧が印加され、ゲートには、垂直走査回路2から供給される駆動信号が入力される。
【0047】
NOR回路115の出力は、さらに、バッファ回路116および117を介して、出力信号VCOとして出力される。
【0048】
上述の構成において、コンパレータは、トランジスタ105のゲートに入力される、FD101により生成された電圧と、トランジスタ106のゲートに入力される参照信号の電圧と、の高低関係が反転した場合に、トランジスタ109のドレインから出力される信号をハイレベルからローレベルに反転させる。この信号は、トランジスタ110によりさらに反転されて、電圧変換回路(トランジスタ113)に入力される。このとき、電圧変換回路に入力される信号は、鈍りのため、ハイレベルの電圧が中間電圧となっている。そこで、電圧変換回路の後段に設けられる正帰還回路によりハイレベルの電圧を引き上げ、信号を整形する。この整形された信号が、ADC12の出力信号VCOとして出力される。
【0049】
図5Bは、各実施形態に適用可能な、画素回路11が第1の半導体チップ1001に配置され、ADC12の全体が第2の半導体チップ1002に配置される場合の回路例を示している。
図5Bの例では、画素回路11の出力と、ADC12においてコンパレータを構成するトランジスタ105のゲートと、がCCCなどによる結合部120cを介して接続される。ここで、結合部120cは、通常のCCCとは異なり、平行平板を形成して容量結合させる構成が用いられる。
【0050】
このとき、コンパレータ側から見て、結合部120cの容量がFD101の容量に見えてしまうことを回避するために、結合部120cとFD101との間に、それぞれNチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ130および131によるバッファを設けている。
【0051】
また、この
図5Bの構成において、NチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ118のドレインがトランジスタ105のドレインに接続され、ソースがトランジスタ105のゲートに接続される。トランジスタ118のゲートには、例えば垂直走査回路2からオートゼロ信号AZが供給される。トランジスタ118は、オートゼロ信号AZに従いオン/オフが制御され、オン状態でトランジスタ105のドレイン-ゲート間を接続し、例えばトランジスタ105から見た結合部120cの容量を初期化する。なお、このオートゼロ信号AZは、リセット信号RSTと同期している必要は無い。
【0052】
なお、上述した
図4Aおよび
図4Bに示す、DAC5が第1の半導体チップ1001に配置される例に対して、
図5Aに示す構成を適用する場合、DAC5から出力される参照信号(RAMP信号)をトランジスタ106に供給するための信号線(RAMP線)およびドライバは、第1の半導体チップ1001に配置される。一方、
図4Aおよび
図4Bに示す配置例に対して、
図5Bに示す構成を適用する場合、RAMP線およびドライバが第2の半導体チップ1002に配置される。DAC5がこのドライバを含むものとした場合、DAC5は、第1の半導体チップ1001と第2の半導体チップ1002とに分割して配置されることになる。
【0053】
また、上述した
図4Aおよび
図4Bに示した配置は、この例に限定されない。例えば、DAC5を第2の半導体チップ1002に配置することも可能である。この配置に対して
図5Aに示す構成を適用する場合、RAMP線およびドライバは、第1の半導体チップ1001に配置される。DAC5がこのドライバを含むものとした場合、DAC5は、第1の半導体チップ1001と第2の半導体チップ1002とに分割して配置されることになる。一方、第2の半導体チップ1002にDAC5が配置される例に対して
図5Bに示す構成を適用する場合、RAMP線およびドライバは、第2の半導体チップ1002に配置される。
【0054】
図6および
図7を用いて、各実施形態に適用可能な画素回路11、ADC12および記憶回路13の動作について説明する。
図6は、各実施形態に適用可能な、ADC12および記憶回路13の動作を説明するための図である。
図6において、参照信号(RAMP信号)は、時間の経過に従い所定の傾斜で電圧が降下する信号として示されている。なお、
図6では、説明のため、参照信号が時間に対して直線的に電圧が降下するスロープ状の信号として示されているが、実際には、DAC5により、例えば階調値に応じて階段状に電圧が降下する信号となる。
【0055】
参照信号における電圧の降下が開始された時点を、ADC動作開始の時点とし、時刻コード発生回路6により、所定のクロックに従い時刻コードが発生される。
図6の例では、時刻コードとして示される信号のハイ(High)状態で時刻コードが更新される。記憶回路13は、時刻コード発生回路6により発生された時刻コードを保持する。記憶回路13は、供給される時刻コードが更新されると、更新された時刻コードにより保持した時刻コードを更新する。
【0056】
ADC動作が開始されると、ADC12のコンパレータにおいて、参照信号の電圧とFD101の電圧とが比較される。コンパレータは、これらの電圧の高低関係が反転した時点で、ハイ(High)状態の出力信号を反転させてロー(Low)状態とし、ADC動作を終了させる。記憶回路13は、コンパレータの出力の反転に応じて、保持する時刻コードの更新を停止する。これにより、記憶回路13に対して、ADC動作が終了した時点での時刻コードが保持される。
【0057】
図7は、各実施形態に適用可能な、画素回路11の動作と、参照信号との関係の一例を示す図である。参照信号は、初期において、例えば前回検出されたFD101のリセットレベルの電圧とされる。時間t
0~t
1でリセット信号RSTがハイ状態とされて、FD101が初期化される。FD101の初期化の後、DAC5は、参照信号の電圧を所定の電圧から降下させる。これにより、参照信号の第1のスロープ1040が形成される。この第1のスロープ1040に応じて、ADC12において1回目のADC動作が行われる。この1回目のADC動作により、参照信号の第1のスロープ1040に基づきFD101のリセットレベルの電圧が検出される。DAC5は、参照信号の低下を所定のタイミング(時間t
2)で停止させ、参照信号の電圧を電圧降下開始時の所定の電圧とする。
【0058】
次に、時間t3~t4で転送信号TRGがハイ状態とされ、フォトダイオード100からFD101に電荷が転送され、FD101により、転送された電荷量に応じた電圧が生成される。DAC5は、転送信号TRGが時間t4において、参照信号の電圧を所定の電圧から降下させる。これにより、参照信号の第2のスロープ1041が形成される。この第2のスロープ1041に応じて、ADC12において2回目のADC動作が開始される。この2回目のADC動作により、参照信号の第2のスロープ1041に基づきFD101における電荷量に応じた電圧が検出される。DAC5は、参照信号が下限に達した時点で参照信号の低下を停止させる(時間t5)。
【0059】
1回目のADC動作により検出された電圧と、2回目のADC動作により検出された電圧と、の差分を求めることで、オフセット性のノイズが除去された画素信号を得ることができる。このように、ADC12は、画素回路11における1回の画素信号の読み出しにおいて、2回のADC動作を行う。
【0060】
(既存技術による構成例)
次に、本開示の説明に先立って、既存技術による、画素内ADCによる画素アレイ部に対する参照信号の供給について、
図8および
図9を用いて説明する。
図8は、既存技術による撮像装置の一例の構成を示す図である。なお、
図8では、例えば
図1に示した撮像装置1000の構成において、画素アレイ部1およびDAC5を抜き出して示している。
図8を用いて、各画素が画素内ADC構成を持つ画素アレイ部に対して参照信号を供給する方法について説明する。なお、
図8および以降の同様の図において、第1の半導体チップ1001を「上チップ」、第2の半導体チップ1002を「下チップ」としてそれぞれ示している。
【0061】
上チップにおいて、画素領域1010に対して、それぞれ画素内ADC構成を持つ画素10が、行列状に配置される。また、参照信号を生成、供給を行うDAC5が下チップに設けられる。DAC5から出力された参照信号は、画素アレイ部1における各列に対して、当該各列に設けられた各ドライバ1020を介して供給される。参照信号は、画素アレイ部1において、画素10の配置に応じた格子状の配線1030により、各画素10に供給される。
【0062】
例えば、画素アレイ部1において、各画素10上に透明絶縁膜が形成される。配線1030は、この透明絶縁膜上に形成され、透明絶縁膜に設けられたビア(Via)ホール1021を介して各画素10内の回路に接続される。
【0063】
図9は、既存技術においてDAC5により出力される参照信号の例を示す図である。参照信号は、
図7を用いて説明したように、FD101のリセットレベルの電圧を検出するための第1のスロープ1040と、FD101に蓄積された電荷量に応じた電圧を検出するための第2のスロープ1041と、を含む。
【0064】
既存技術によれば、例えば画素アレイ部1に受光される光の画素領域1010の面内における輝度分布が平坦な場合には、ADC12において、コンパレータの出力が一斉反転を起こすことになる。そのため、画素アレイ部1の全体における瞬時電流の増大が懸念される。
【0065】
[第1の実施形態]
次に、第1の実施形態について説明する。第1の実施形態では、参照信号を生成、供給するためのDACを複数設け、例えば複数のDACそれぞれにおいて、電圧方向または時間方向にオフセットを与えた各参照信号を生成、出力する。各参照信号は、それぞれ異なる配線を介して、異なる画素10に供給される。このような構成とすることで、例えば画素アレイ部1に受光される光の画素領域1010の面内における輝度分布が平坦な場合の、各画素内ADCにおけるコンパレータの一斉反転を回避することが可能となる。
【0066】
図10は、第1の実施形態に係る撮像装置の一例の構成を示す図である。なお、
図10では、
図1に示した撮像装置1000の構成において、第1の実施形態に関わりの深い、画素アレイ部1およびDAC5(
図10の例ではDAC5aおよび5b)を抜き出して示し、他の部分を省略している。
【0067】
図10において、撮像装置1000aは、それぞれ参照信号の生成、出力を行う、2つのDAC5aおよび5bを含む。
図10の例では、DAC5aおよび5bは、画素領域1010の1つの辺の側に纏めて設けられている。DAC5aからの出力は、ドライバ1020を介して、画素領域1010上に設けられた配線1031aに接続される。一方、DAC5bの出力は、ドライバ1020を介して、画素領域1010上に設けられた配線1031bに接続される。
【0068】
配線1031aおよび1031bは、例えば、透明絶縁膜を介して2層に形成される。配線1031aおよび1031bは、互いに異なる画素10に対して、それぞれビアホール1021を介して接続される。より具体的には、
図10の例では、配線1031aおよび1031bは、互いに隣接しない画素10と接続される。
【0069】
また、第1の実施形態では、各配線1031aおよび1031bは、それぞれ、行列状の配列で配置される各画素10の位置に対応して、格子状に設けられる。
図10の例では、各配線1031aおよび1031bは、それぞれ、1列および1行おきの格子として構成される。各配線1031aおよび1031bは、各格子点にビアホール1021が設けられ、このビアホール1021を介して画素10と接続される。
【0070】
DAC5aは、第1の参照信号(RAMP(A)とする)を生成し、各ドライバ1020を介して配線1031aに供給する。第1の参照信号は、配線1031aを介して、配線1031aに接続される各画素10に供給される。同様に、DAC5bは、第2の参照信号(RAMP(B)とする)を生成し、各ドライバ1020を介して配線1031bに供給する。第2の参照信号は、配線1031bを介して、配線1031bに接続される各画素10に供給される。
【0071】
なお、
図5Aを用いて説明した、画素10において、画素回路11と、ADC12の一部と、が第1の半導体チップ1001上に配置され、他の部分が第2の半導体チップ1002上に配置される場合、各配線1031aおよび1031bは、第1の半導体チップ1001上に設けると、好ましい。一方、
図5Bを用いて説明した、画素10において、画素回路11が第1の半導体チップ1001上に配置され、他の部分が第2の半導体チップ1002上に配置される場合、各配線1031aおよび1031bは、第2の半導体チップ1002上に設けると、好ましい。
【0072】
(第1の実施形態に係る参照信号について)
上述したように、第1の実施形態では、複数の参照信号を、画素領域1010に含まれる各画素10に対して分散させて供給している。これにより、画素領域1010に含まれる各画素10が画素内ADCの構成を有する場合に、画素領域1010に含まれる各画素10における、コンパレータ出力の一斉反転を回避することが可能となる。
【0073】
次に、第1の実施形態に係る参照信号について説明する。第1の実施形態では、DAC5aにより生成される第1の参照信号に対してオフセットを与えた信号を、DAC5bにより第2の参照信号として生成する。
図11および
図12を用いて、参照信号に与えるオフセットについて説明する。
【0074】
図11は、第1の実施形態に係る第1のオフセットについて説明するための図である。第1のオフセットは、DAC5aおよび5bが生成する第1の参照信号(RAMP(A))および第2の参照信号(RAMP(B))のリセットレベルに対してオフセット電圧V
ofstを与える。このオフセット電圧V
ofstにより、同一のFD電圧に対して、第1の参照信号から見たFD電圧FD_Aと、第2の参照信号から見たFD電圧FD_Bとを、オフセット電圧V
ofstに相当する分だけ、相対的に異ならせることができる。
【0075】
図11の例では、FD電圧のリセットレベルの検出を行う前に、第2の参照信号のリセットレベルを、第1の参照信号のリセットレベルに対してオフセット電圧V
ofstを加算した電圧に設定している。
【0076】
図11の例では、第1の参照信号の第1のスロープ1040aおよび第2のスロープ1041aと、第2の参照信号の第1のスロープ1040bおよび第2のスロープ1041bと、が同一となっている。一方、上述したように、第1の参照信号から見たFD電圧FD_Aと、第2の参照信号から見たFD電圧FD_Bと、がオフセット電圧V
ofstの分だけ異なる。そのため、
図11の左下に拡大して示されるように、第1の参照信号におけるFD電圧FD_Aに対するコンパレータの反転タイミングと、第2の参照信号におけるFD電圧FD_Bに対するコンパレータの反転タイミングと、にオフセット電圧V
ofstに対応する時間差Δtが生じる。したがって、画素アレイ部1におけるコンパレータ出力の一斉反転を回避できる。
【0077】
なお、この場合、DAC5aが生成する第1の参照信号は、当該第1の参照信号に対してオフセット電圧Vofst=0を与えた信号であると考えることができる。
【0078】
図12は、第1の実施形態に係る第2のオフセットについて説明するための図である。第2のオフセットは、DAC5aが生成する第1の参照信号(RAMP(A))に対する時間方向のオフセットである。
図12に示されるように、DAC5aは、第1のスロープ1040aおよび第2のスロープ1041aを含む第1の参照信号(RAMP(A))を生成する。これに対して、DAC5bは、当該第1の参照信号に対してオフセット時間t
ofstを与えた信号を、第2の参照信号(RAMP(B))として生成する。
【0079】
図12の例では、第2の参照信号の第1のスロープ1040bおよび第2のスロープ1041bは、それぞれ、第1の参照信号の第1のスロープ1040aおよび第2のスロープ1041aに対して、オフセット時間t
ofstだけタイミングがシフトしている。そのため、
図12の左下に拡大して示されるように、第1の参照信号の第1のスロープ1040aに対して第2の参照信号の第1のスロープ1040bが時間方向にシフトしているために、同一の電圧FDに対して第1のスロープ1040aおよび1040bが交差するタイミングに、オフセット時間t
ofstの差分が生じる。したがって、各画素10において画素回路11からADC12に供給されるFD101の電圧FDが等しい場合であっても、第1の参照信号が供給される各画素10と、第2の参照信号が供給される各画素10と、において、コンパレータの反転タイミングにオフセット時間t
ofstの差が生じる。したがって、画素アレイ部1におけるコンパレータ出力の一斉反転を回避できる。
【0080】
なお、この場合、DAC5aが生成する第1の参照信号は、当該第1の参照信号に対してゼロ時間のオフセット時間tofstを与えた信号であると考えることができる。
【0081】
(第1の実施形態の第1の変形例)
次に、第1の実施形態の第1の変形例について説明する。上述した第1の実施形態では、
図10に示したように、DAC5aおよび5bを画素領域1010の1つの辺の側に纏めて設けられているが、これはこの例に限定されない。第1の実施形態の第1の変形例では、画素領域1010の対向する辺の一方にDAC5aを設け、他方にDAC5bを設ける。
【0082】
図13は、第1の実施形態の第1の変形例に係る撮像装置の一例の構成を示す図である。なお、
図13では、上述した
図10と同様に、
図1に示した撮像装置1000の構成において、第1の実施形態の第1の変形例に関わりの深い、画素アレイ部1およびDAC5(
図10の例ではDAC5aおよび5b)を抜き出して示し、他の部分を省略している。
【0083】
図13において、撮像装置1000bは、それぞれ参照信号の生成、出力を行う、2つのDAC5aおよび5bを含む。
図13の例では、DAC5aが画素領域1010の1つの辺の側に設けられている。一方、DAC5bは、DAC5aと画素領域1010を挟んで対向する側の変に設けられている。DAC5aの出力は、ドライバ1020を介して、画素領域1010の一方の辺から、画素領域1010上に設けられた配線1031aに接続される。また、DAC5bの出力は、ドライバ1020を介して、画素領域1010の、上述のDAC5aが設けられる辺に対して画素領域1010を挟んで対向する辺から、画素領域1010上に設けられた配線1031bに接続される。
【0084】
DAC5aが生成する第1の参照信号(RAMP(A))と、DAC5bが生成する第2の参照信号(RAMP(B))は、第1の実施形態で説明した第1のオフセット(オフセット電圧Vofst)および第2のオフセット(オフセット時間tofst)の何れも適用することができる。
【0085】
この第1の実施形態の第1の変形例においても、上述した第1の実施形態と同様に、第1の参照信号が供給される画素10と、第2の参照信号が供給される画素10とで、それぞれ対応する画素回路11からADC12に供給されるFD101の電圧が等しい場合であっても、各画素10におけるコンパレータの反転タイミングを異ならせることができる。
【0086】
また、半導体チップ上のレイアウトの制限で、
図10によるDAC5aおよび5bの配置、あるいは、
図13によりDAC5aおよび5bの配置の何れかを選択した場合であっても、同様な効果を得ることが可能である。
【0087】
(第1の実施形態の第2の変形例)
次に、第1の実施形態の第2の変形例について説明する。第1の実施形態の第2の変形例は、画素アレイ部1に含まれる各画素10に対してカラーフィルタが設けられている場合の例である。
【0088】
第1の実施形態の第2の変形例では、この場合において、複数の画素10のうち、同一の波長成分を通過するカラーフィルタが設けられた各画素10に対して、それぞれ異なる参照信号を供給する複数の配線のうち、1つの配線を共通して接続する。このように、同一の波長成分を通過するカラーフィルタが設けられた各画素10に対して共通の配線により参照信号を供給することで、同一の波長成分の画素信号に対する参照信号におけるオフセットによる影響を回避することが可能である。なお、以下では、特に記載の無い限り、「同一の波長成分」を「同色」のように記述する。
【0089】
図14は、第1の実施形態の第2の変形例による配線の第1の例を示す図である。
図14の例では、各画素10に対して、ベイヤ(Bayer)配列に従い、2画素×2画素を単位として、R(赤)色、G(緑)色およびB(青)色のカラーフィルタが設けられている。
図14の例では、2画素×2画素の4個の画素10に対して、それぞれ1つのR色およびB色のカラーフィルタと、2つのG色のカラーフィルタと、が同色のカラーフィルタが隣接しないように設けられる。
図14では、R色、G色およびB色のカラーフィルタが設けられた画素10を、それぞれ、画素10R、画素10Gおよび画素10Bとして示している。
【0090】
図14の例では、例えば第1の参照信号(RAMP(A))が供給される配線1031aが、各画素10Gに接続される。一方、第2の参照信号(RAMP(B))が供給される配線1031bが、各画素10Rおよび10Bにそれぞれ接続される。この場合、R色、G色およびB色の3色のカラーフィルタに対して2系統の参照信号を適用する。そのため、知覚上、より感度の高いG色のカラーフィルタが設けられた画素10Gに対して第1の参照信号を供給する。また、G色に対して感度の低いR色およびB色のカラーフィルタが設けられた画素10Rおよび10Bに対して、第2の参照信号を共通して供給している。
【0091】
図15は、第1の実施形態の第2の変形例による配線の第2の例を示す図である。第2の例は、R色、G色およびB色の各カラーフィルタが、ベイヤ配列と異なる配列で、各画素10に対して設けられた場合の配線例である。
図15の例では、R色、G色およびB色の各カラーフィルタが、ベイヤ配列の各画素を、2画素×2画素からなる4画素に分割した配列で、各画素10に設けられている。このカラーフィルタ配列を、4分割ベイヤ型RGB配列と呼ぶ。
【0092】
この4分割ベイヤ型RGB配列においても、
図14を用いて説明したベイヤ型配列の場合と同様に、例えば第1の参照信号(RAMP(A))が供給される配線1031aが、各画素10Gに接続される。一方、第2の参照信号(RAMP(B))が供給される配線1031bが、各画素10Rおよび10Bにそれぞれ接続される。4分割ベイヤ型RGB配列では、2画素×2画素の配列で隣接する4つの画素10に対して、同一色のカラーフィルタが設けられている。そのため、各配線1031aおよび1031bは、この2画素×2画素の配列で隣接する4つの画素10を単位として接続される。
【0093】
図16は、第1の実施形態の第2の変形例による配線の第3の例を示す図である。第3の例は、3系統以上の参照信号が、それぞれ異なる配線により供給される例である。
図16の例では、各画素10に設けるカラーフィルタとして、R色、G色およびB色のカラーフィルタに加えて、W(白)色のカラーフィルタを設ける例である。
図16では、W色のカラーフィルタが設けられた画素10を画素10Wとして示している。W(白)色のカラーフィルタは、例えば可視光領域の全波長を所定以上の透過率で透過するカラーフィルタである。W色のカラーフィルタは、可視光領域の全波長に加え、近赤外領域など可視光領域外の波長を所定以上の透過率で透過するフィルタを用いることもできる。これに限らず、W色の画素10Wは、カラーフィルタを設けない構成でもよい。これらR色、G色、B色およびW色のカラーフィルタのそれぞれが、2画素×2画素の4個の画素10それぞれに対して1対1に設けられる。
【0094】
図16の例では、例えばR色、G色、B色およびW色の4色のカラーフィルタに対応して、4系統の参照信号が供給される。例えば、第1および第2の参照信号をそれぞれ生成するDAC5aおよび5bに加えて、それぞれ例えば第1の参照信号に対してオフセットを与えた第3の参照信号および第4の参照信号を生成する2つのDAC5を設ける。第2、第3および第4の参照信号は、例えば、第1の参照信号に対してそれぞれ異なるオフセットを与えた信号である。
【0095】
図16において、配線1031aは、各画素10Gに接続される。配線1031bは、各画素10Wに接続される、配線1031cは、各画素10Bに接続される。同様に、配線1031dは、各画素10Rに接続される。ここで、配線1031aおよび1031bは、画素領域1010の1つの辺の側(
図16の例では画素領域1010の下側)に設けられたDAC5aおよび5b(図示しない)の出力が接続される。また、配線1031cおよび1031dは、第3の参照信号および第4の参照信号を生成する2つのDAC5の出力がそれぞれ接続される。
【0096】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、異なるオフセットが与えられた複数の参照信号を、1つのDAC5により生成、出力する例である。
図17は、第2の実施形態に係る撮像装置の一例の構成を示す図である。なお、
図17では、
図1に示した撮像装置1000の構成において、第1の実施形態に関わりの深い、画素アレイ部1およびDAC5(
図17の例ではDAC5c)を抜き出して示し、他の部分を省略している。
【0097】
図17において、第2の実施形態に係る撮像装置1000cは、異なるオフセットが与えられた第1の参照信号(RAMP(A))および第2の参照信号(RAMP(B))を生成し、それぞれ同時に出力可能なDAC5cを含む。DAC5cの第1の参照信号の出力は、各ドライバ1020を介して配線1031aに接続される。また、DAC5cの第2の参照信号の出力は、第1の参照信号とは異なる各ドライバ1020を介して配線1031bに接続される。
【0098】
なお、
図17において、各画素10に対する配線1031aおよび1031bの接続は、例えば上述した
図10と同一なので、ここでの説明を省略する。
【0099】
(第1および第2の参照信号を生成、出力可能な回路の例)
図18~
図20は、第2の実施形態に適用可能な、第1および第2の参照信号を生成、出力可能な回路の例を示す回路図である。なお、
図18~
図20に示すDAC5c(a)、5c(b)および5c(d)は、それぞれ、参照信号に対してオフセット電圧V
ofstを与える場合の例を示している。
【0100】
図18は、第2の実施形態に適用可能な、第1および第2の参照信号を生成、出力可能な回路の第1の例を示す回路図である。
図18において、DAC5c(a)は、大まかには、1つの基準電流生成部と、並列接続され、それぞれ第1の参照信号(RAMP(A))および第2の参照信号(RAMP(B))を出力する2つのDACと、を含む。各DACは、RAMP生成部と、オフセット生成部と、を含み、オフセット生成部の後段に、出力部を含む。
【0101】
基準電流生成部は、NチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ201と、差動増幅器200と、抵抗202と、を含む。差動増幅器200の正極入力端に対して、定電圧源としての図示されないBGR(Bandgap reference)回路により生成された、一定電圧の電圧VBGRが入力される。差動増幅器200の出力は、トランジスタ201のゲートに入力される。トランジスタ201のソースは、抵抗202を介して接地電位に接続されると共に、差動増幅器200の負極入力端に接続される。
【0102】
このような構成において、差動増幅器200は、トランジスタ201のドレインが負極入力端(-)に接続されることで形成される負帰還により、抵抗202の両端の電位がBGR回路から出力される電圧VBGRと一致するように制御する。抵抗202に流れる電流は、定電流であり、これを基準電流Irefとして用いる。
【0103】
トランジスタ201のドレインは、PチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ210aを複製元とし、それぞれPチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ210bおよび210cを複製先としたカレントミラー回路の、電流の複製元であるトランジスタ210aのドレインに接続される。基準電流Irefは、このカレントミラー回路により複製される。このカレントミラー回路の複製先であるトランジスタ210bのドレインが、NチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ215aのドレインに接続される。
【0104】
トランジスタ215aを複製元として、それぞれNチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ215bおよび215c、ならびに、トランジスタ215b’および215c’をそれぞれ複製先とするカレントミラー回路が構成される。
【0105】
ここで、トランジスタ215bおよび215cにより基準電流Irefが複製された電流は、
図18の上側に示される、第1の参照信号(RAMP(A))を生成するための回路で用いられる電流となる。一方、トランジスタ215b’および215c’により基準電流Irefが複製された電流は、
図18の下側に示される、第2の参照信号(RAMP(B))を生成するための回路で用いられる電流となる。
【0106】
まず、
図18の上側に示される、第1の参照信号(RAMP(A))を生成するための回路について説明する。トランジスタ215bにより基準電流Irefが複製された電流は、上側のRAMP生成部に含まれる、それぞれPチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ211aおよび211bによるカレントミラー回路に供給される。
【0107】
なお、トランジスタ215bは、並列接続される所定数のNチャネルのMOSトランジスタを含み、当該所定数のトランジスタのうちオン状態とするトランジスタの数に従い、複製された電流の電流値を制御できる。
【0108】
ここで、第1の参照信号(RAMP(A))に係る構成におけるRAMP生成部に含まれるトランジスタ211bは、例えば参照信号(RAMP(A))により比較される階調に応じた数の、並列接続されるPチャネルのMOSトランジスタを含む。外部、例えば全体制御部7による制御に従い、トランジスタ211bに含まれる各トランジスタのうちオン状態にするトランジスタの数を、クロック信号に従い順次減少、あるいは、増加させていくことで、時間に従い階段状に変化する電流を作り出せる。この電流を、後述するように、例えば抵抗218で電圧に変換して、PチャネルのMOSトランジスタである、ソースフォロワ接続されるトランジスタ217を介して出力することで、時間に従い階段状に電圧が変化する参照信号を生成できる。
【0109】
一方、トランジスタ210cのドレインがNチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ216aのドレインに接続される。トランジスタ216aを複製元とし、それぞれNチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ216bおよび216cを複製先とするカレントミラー回路が構成される。
【0110】
トランジスタ216bのドレインが、PチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ212aのドレインに接続される。トランジスタ212aを複製元とし、それぞれPチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ212bおよび212cを複製先とするカレントミラー回路が構成される。これら、トランジスタ212aと、トランジスタ212bおよび212cと、によるカレントミラー回路を含んで、第1の参照信号(RAMP(A))に係る構成におけるオフセット生成部が構成される。
【0111】
トランジスタ215cのドレインが、PチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ213aのドレインに接続される。トランジスタ213aを複製元とし、PチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ213bを複製先とするカレントミラー回路が構成される。トランジスタ213bのドレインは、終端抵抗である抵抗218の一端に接続される。抵抗218の他端は、接地電圧に接続される。
【0112】
第1の参照信号(RAMP(A))に係る構成におけるRAMP生成部の出力、すなわち、トランジスタ211bのドレインが、第1の参照信号(RAMP(A))に係る構成におけるオフセット生成部に含まれる、それぞれカレントミラー回路の複製先であるトランジスタ212bおよび212cのドレインと接続される。これにより、第1の参照信号(RAMP(A))に係る構成におけるRAMP生成部の出力に対して、電流によりオフセットを与えることができる。
【0113】
ここで、トランジスタ212bおよび212cは、例えば並列接続される所定数のPチャネルのMOSトランジスタを含み、当該所定数のトランジスタのうちオン状態とするトランジスタの数に従い、複製された電流の電流値を制御できる。トランジスタ212bおよび212cそれぞれに含まれる所定数のトランジスタのうちオン状態とするトランジスタの数を制御することで、オフセット量、オフセットの有無を制御することが可能である。
【0114】
トランジスタ211bのドレインは、さらに、トランジスタ213bのドレインと、抵抗218と、が接続される接続点に接続される。当該接続点は、さらに、PチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ217のゲートに接続される。すなわち、抵抗218に流れる電流が抵抗218により電圧に変換され、この変換された電圧が、トランジスタ217のゲートに入力される。
【0115】
一方、トランジスタ216cのドレインが、PチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ214aのドレインに接続される。トランジスタ214aを複製元とし、PチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ214bを複製先とするカレントミラー回路が構成される。トランジスタ217は、ソースがこのカレントミラー回路におけるトランジスタ214bのドレインに接続され、このカレントミラー回路を電流源とするソースフォロワを構成する。トランジスタ217のソースから、出力電圧が取り出される。この出力電圧が、第1の参照信号(RAMP(A))となる。
【0116】
なお、トランジスタ214bは、例えば並列接続される所定数のPチャネルのMOSトランジスタを含み、当該所定数のトランジスタのうちオン状態とするトランジスタの数に従い、複製された電流の電流値を制御できる。これにより、トランジスタ217によるソースフォロワのゲインを調整できる。
【0117】
なお、上述した第1の参照信号(RAMP(A))を生成するための構成は、参照信号を生成するための一般的なDACと略同様の構成となっている。
【0118】
次に、
図18の下側に示される、第2の参照信号(RAMP(B))を生成するための回路について説明する。この回路は、上述した、
図18の上側に示される第1の参照信号(RAMP(A))を生成するための回路と、略同一の構成となる。
【0119】
すなわち、トランジスタ215b’により基準電流Irefが複製された電流は、第2の参照信号(RAMP(B))に係る構成におけるRAMP生成部に含まれる、それぞれPチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ211a’および211b’によるカレントミラー回路に供給される。
【0120】
なお、トランジスタ215b’は、並列接続される所定数のNチャネルのMOSトランジスタを含み、当該所定数のトランジスタのうちオン状態とするトランジスタの数に従い、複製された電流の電流値を制御できる。
【0121】
第2の参照信号(RAMP(B))に係る構成におけるRAMP生成部に含まれるトランジスタ211b’は、上述したトランジスタ211bと同様に、例えば参照信号(RAMP(A))により比較される階調に応じた数の、並列接続されるPチャネルのMOSトランジスタを含む。制御に従い、トランジスタ211bに含まれる各トランジスタのうちオン状態にするトランジスタの数を、クロック信号に従い順次減少、あるいは、増加させていくことで、時間に従い階段状に変化する電流を作り出せる。この電流を、後述するように、例えば抵抗218’で電圧に変換して、PチャネルのMOSトランジスタである、ソースフォロワ接続されるトランジスタ217’を介して出力することで、時間に従い階段状に電圧が変化する、第2の参照信号(RAMP(B))を生成できる。
【0122】
一方、トランジスタ210c’のドレインがNチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ216a’のドレインに接続される。トランジスタ216a’を複製元とし、それぞれNチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ216b’および216c’を複製先とするカレントミラー回路が構成される。
【0123】
トランジスタ216b’のドレインが、PチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ212a’のドレインに接続される。トランジスタ212a’を複製元とし、それぞれPチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ212b’および212c’を複製先とするカレントミラー回路が構成される。
【0124】
トランジスタ215c’のドレインが、PチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ213a’のドレインに接続される。トランジスタ213a’を複製元とし、PチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ213b’を複製先とするカレントミラー回路が構成される。トランジスタ213b’のドレインは、終端抵抗である抵抗218の一端に接続される。抵抗218の他端は、接地電圧に接続される。
【0125】
第2の参照信号(RAMP(B))に係る構成におけるRAMP生成部の出力、すなわち、トランジスタ211bのドレインが、第2の参照信号(RAMP(B))に係る構成におけるオフセット生成部に含まれる、それぞれカレントミラー回路の複製先であるトランジスタ212b’および212c’のドレインと接続される。これにより、第2の参照信号(RAMP(B))に係る構成におけるRAMP生成部の出力に対して、電流によりオフセットを与えることができる。
【0126】
ここで、トランジスタ212b’および212c’は、例えば並列接続される所定数のPチャネルのMOSトランジスタを含み、当該所定数のトランジスタのうちオン状態とするトランジスタの数に従い、複製された電流の電流値を制御できる。トランジスタ212b’および212c’それぞれに含まれる所定数のトランジスタのうちオン状態とするトランジスタの数を制御することで、オフセット量、オフセットの有無を制御することが可能である。
【0127】
トランジスタ211b’のドレインは、さらに、トランジスタ213b’のドレインと、抵抗218’と、が接続される接続点に接続される。当該接続点は、さらに、PチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ217’のゲートに接続される。すなわち、抵抗218’に流れる電流が抵抗218’により電圧に変換され、この変換された電圧が、トランジスタ217’のゲートに入力される。
【0128】
一方、トランジスタ216c’のドレインが、PチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ214a’のドレインに接続される。トランジスタ214a’を複製元とし、PチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ214b’を複製先とするカレントミラー回路が構成される。トランジスタ217’は、ソースがこのカレントミラー回路におけるトランジスタ214b’のドレインに接続され、このカレントミラー回路を電流源とするソースフォロワを構成する。トランジスタ217’のソースから、出力電圧が取り出される。この出力電圧が、第2の参照信号(RAMP(B))となる。
【0129】
なお、トランジスタ214b’は、例えば並列接続される所定数のPチャネルのMOSトランジスタを含み、当該所定数のトランジスタのうちオン状態とするトランジスタの数に従い、複製された電流の電流値を制御できる。これにより、トランジスタ217’によるソースフォロワのゲインを調整できる。
【0130】
この
図18に示す第1の例は、基準電流生成部以降の構成を並列して持つため、制御の自由度が高い。
【0131】
図19は、第2の実施形態に適用可能な、第1および第2の参照信号を生成、出力可能な回路の第2の例を示す回路図である。この第2の例におけるDAC5c(b)は、上述した第1の例おけるDAC5c(a)に対して、基準電流生成部と、RAMP生成部と、を共通化した例である。なお、
図19において、基準電流生成部およびRAMP生成部の構成は、上述した
図18における基準電流生成部およびRAMP生成部の構成と同様であるので、ここでの説明を省略する。
【0132】
基準電流生成部により生成された基準電流Irefを複製する、トランジスタ210aおよび210bによるカレントミラー回路において、トランジスタ210bのドレインがNチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ215aのドレインに接続される。トランジスタ215aを複製元として、それぞれNチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ215bおよび215c、ならびに、トランジスタ215b’および215c’をそれぞれ複製先とするカレントミラー回路が構成される。
【0133】
基準電流生成部におけるトランジスタ210aを複製元とするカレントミラー回路を構成する、PチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ210cのドレインが、NチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ216aのドレインに接続される。トランジスタ216aを複製元とし、それぞれNチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ216bおよび216cを複製先とするカレントミラー回路が構成される。
【0134】
トランジスタ216bのドレインが、PチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ212aのドレインに接続される。トランジスタ212aを複製元とし、それぞれPチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ212bおよび212cを複製先とするカレントミラー回路が構成される。
【0135】
トランジスタ215cのドレインが、PチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ213aのドレインに接続される。トランジスタ213aを複製元とし、PチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ213bを複製先とするカレントミラー回路が構成される。トランジスタ213bのドレインは、終端抵抗である抵抗218の一端に接続される。抵抗218の他端は、接地電圧に接続される。
【0136】
RAMP生成部の出力、すなわち、トランジスタ211bのドレインが、それぞれカレントミラー回路の複製先であるトランジスタ212bおよび212cのドレインと接続される。さらに、トランジスタ211bのドレインが、それぞれNチャネルのMOSトランジスタである、トランジスタ230aおよび230a’それぞれのドレインに接続される。
【0137】
トランジスタ230aを複製元とし、NチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ230bを複製先とするカレントミラー回路が構成される。このトランジスタ230a’および230b’によるカレントミラー回路で複製されたRAMP生成部の出力に基づき、第1の参照信号(RAMP(A))が生成される。
【0138】
同様に、トランジスタ230a’を複製元とし、NチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ230b’を複製先とするカレントミラー回路が構成される。このトランジスタ230a’および230b’によるカレントミラー回路で複製されたRAMP生成部の出力に基づき、第2の参照信号(RAMP(B))が生成される。
【0139】
トランジスタ230bのドレインが、PチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ231aのドレインに接続される。トランジスタ231aを複製元とし、PチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ231bを複製先とするカレントミラー回路が構成される。
【0140】
ここで、トランジスタ212bおよび212cは、例えば並列接続される所定数のPチャネルのMOSトランジスタを含み、当該所定数のトランジスタのうちオン状態とするトランジスタの数に従い、複製された電流の電流値を制御できる。
【0141】
トランジスタ231bのドレインが、トランジスタ213bのドレインと、終端抵抗である抵抗218の一端と、が接続される接続点に接続される。抵抗218の他端は、接地電位に接続される。当該接続点は、さらに、PチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ217のゲートに接続される。すなわち、抵抗218に流れる電流が電圧に変換され、変換された電圧がトランジスタ217のゲートに供給される。
【0142】
一方、トランジスタ216cのドレインが、PチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ214aのドレインに接続される。トランジスタ214aを複製元とし、それぞれPチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ214bおよび214b’を複製先とするカレントミラー回路が構成される。トランジスタ217は、ソースがこのカレントミラー回路におけるトランジスタ214bのドレインに接続され、このカレントミラー回路を電流源とするソースフォロワを構成する。トランジスタ214bは、例えば並列接続される所定数のPチャネルのMOSトランジスタを含み、当該所定数のトランジスタのうちオン状態とするトランジスタの数に従い、複製された電流の電流値を制御できる。これにより、トランジスタ217によるソースフォロワのゲインを調整できる。トランジスタ217のソースから、出力電圧が取り出される。この出力電圧が、第1の参照信号(RAMP(A))となる。
【0143】
一方、トランジスタ230b’のドレインが、PチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ231a’のドレインに接続される。トランジスタ231a’を複製元とし、PチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ231b’を複製先とするカレントミラー回路が構成される。
【0144】
トランジスタ231b’のドレインが、トランジスタ213b’のドレインと、終端抵抗である抵抗218’の一端と、が接続される接続点に接続される。抵抗218’の他端は、接地電位に接続される。当該接続点は、さらに、PチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ217’のゲートに接続される。すなわち、抵抗218’に流れる電流が電圧に変換され、変換された電圧がトランジスタ217’のゲートに供給される。
【0145】
トランジスタ217’は、ソースがトランジスタ214aを複製元とするカレントミラー回路における、複製先のトランジスタ214b’のドレインに接続され、トランジスタ214aおよび214b’によるカレントミラー回路を電流源とするソースフォロワを構成する。トランジスタ214b’は、例えば並列接続される所定数のPチャネルのMOSトランジスタを含み、当該所定数のトランジスタのうちオン状態とするトランジスタの数に従い、複製された電流の電流値を制御できる。これにより、トランジスタ217’によるソースフォロワのゲインを調整できる。トランジスタ217’のソースから、出力電圧が取り出される。この出力電圧が、第2の参照信号(RAMP(B))となる。
【0146】
上述の構成において、RAMP生成部の出力が供給される先の、トランジスタ231bおよび231b’は、それぞれ、例えば並列接続される所定数のPチャネルのMOSトランジスタを含み、当該所定数のトランジスタのうちオン状態とするトランジスタの数に従い、複製された電流の電流値を制御できる。
【0147】
トランジスタ231bに含まれる所定数のトランジスタのうちオン状態とするトランジスタの数と、トランジスタ231b’に含まれる所定数のトランジスタのうちオン状態とするトランジスタの数と、を独立して制御することができる。これにより、第1の参照信号(RAMP(A))と、第2の参照信号(RAMP(B))との、オフセット量、オフセットの有無を、独立して制御することが可能である。
【0148】
この
図19に示す第2の例は、
図18に示した第1の例による構成と比較して、少ない素子数で構成可能である。
【0149】
図20は、第2の実施形態に適用可能な、第1および第2の参照信号を生成、出力可能な回路の第3の例を示す回路図である。この第3の例におけるDAC5c(c)は、RAMP生成部の出力を、当該出力を電圧に変換する変換部において2系統に分け、RAMP生成部の出力が変換された各電圧に対してオフセット電圧を与えて、第1の参照信号(RAMP(A))と、第2の参照信号(RAMP(B))と、を出力する。
【0150】
なお、
図20において、基準電流生成部およびRAMP生成部の構成は、上述した
図18における基準電流生成部およびRAMP生成部の構成と同様であるので、ここでの説明を省略する。
【0151】
基準電流生成部により生成された基準電流Irefを複製する、トランジスタ210aおよび210bによるカレントミラー回路において、トランジスタ210bのドレインがNチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ215aのドレインに接続される。トランジスタ215aを複製元として、それぞれNチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ215bおよび215cをそれぞれ複製先とするカレントミラー回路が構成される。
【0152】
基準電流生成部におけるトランジスタ210aを複製元とするカレントミラー回路を構成する、PチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ210cのドレインが、NチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ216aのドレインに接続される。トランジスタ216aを複製元とし、それぞれNチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ216bを複製先とするカレントミラー回路が構成される。
【0153】
トランジスタ216bのドレインが、PチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ214aのドレインに接続される。トランジスタ214aを複製元とし、それぞれPチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ214bおよび214b’を複製先とするカレントミラー回路が構成される。トランジスタ214bのドレインがトランジスタ217のソースに接続される。また、トランジスタ214b’のドレインがトランジスタ217’のソースに接続される。
【0154】
なお、トランジスタ214bおよび214b’は、それぞれ、例えば並列接続される所定数のPチャネルのMOSトランジスタを含み、当該所定数のトランジスタのうちオン状態とするトランジスタの数に従い、複製された電流の電流値を制御できる。
【0155】
トランジスタ215cのドレインが、PチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ212aのドレインに接続される。トランジスタ212aを複製元とし、それぞれPチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ212b、212cおよび212c’を複製先とするカレントミラー回路が構成される。トランジスタ212bのドレインは、終端抵抗である抵抗218の一端に接続される。抵抗218の他端は、接地電圧に接続される。
【0156】
トランジスタ212bと抵抗218とが接続される接続点に、RAMP生成部の出力、すなわち、トランジスタ211bのドレインが接続される。当該接続点に、さらに、第1の参照信号(RAMP(A))に係るキャパシタ245の一端と、PチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ244のドレインとが接続される。トランジスタ244のソースは、キャパシタ245の他端に接続される。当該接続点に、さらにまた、第2の参照信号(RAMP(B))に係るキャパシタ245’の一端と、PチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ244’のドレインとが接続される。トランジスタ244’のソースは、キャパシタ245’の他端に接続される。
【0157】
トランジスタ212cのドレインが抵抗241の一端に接続され、抵抗241の他端が接地電圧に接続される。トランジスタ212cのドレインと抵抗241とが接続される接続点に、キャパシタ246の一端が接続される。キャパシタ245の他端とトランジスタ244のソースとの接続点に、キャパシタ246の他端が接続される。当該接続点に、さらに、PチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ217のゲートが接続される。
【0158】
ここで、キャパシタ245および246は、それぞれの一端に供給される電圧を加算(または減算)し、加算された電圧を、キャパシタ245および246の各他端が接続される接続点から取り出す加算器を構成する。トランジスタ217のゲートには、RAMP生成部の出力が抵抗218により変換された電圧と、トランジスタ212cと抵抗241とが接続される接続点から取り出された電圧と、をこの加算器で加算した電圧が入力される。なお、キャパシタ245は、一端にドレイン、他端にソースが接続されるトランジスタ244をオン状態に制御することで、リフレッシュされる。
【0159】
トランジスタ217は、ソースが、トランジスタ214aを複製元とし、トランジスタ214bを複製先とするカレントミラー回路におけるトランジスタ214bのドレインに接続される。トランジスタ217は、このカレントミラー回路を電流源とするソースフォロワを構成する。トランジスタ214bは、例えば並列接続される所定数のPチャネルのMOSトランジスタを含み、当該所定数のトランジスタのうちオン状態とするトランジスタの数に従い、複製された電流の電流値を制御できる。これにより、トランジスタ217によるソースフォロワのゲインを調整できる。
【0160】
トランジスタ217のソースから、RAMP生成部の出力が抵抗218により変換された電圧と、トランジスタ212cと抵抗241とが接続される接続点から取り出された電圧と、が加算された電圧に応じた出力電圧が取り出される。このトランジスタ217から取り出された電圧が、第1の参照信号(RAMP(A))となる。
【0161】
トランジスタ212c’のドレインが抵抗241’の一端に接続され、抵抗241’の他端が接地電圧に接続される。トランジスタ212c’のドレインと抵抗241’とが接続される接続点に、キャパシタ246’の一端が接続される。キャパシタ245’の他端とトランジスタ244’のソースとの接続点に、キャパシタ246’の他端が接続される。当該接続点に、さらに、PチャネルのMOSトランジスタであるトランジスタ217’のゲートが接続される。
【0162】
上述と同様に、キャパシタ245’および246’は、それぞれの一端に供給される電圧を加算(または減算)し、加算された電圧を、キャパシタ245’および246’の各他端が接続される接続点から取り出す加算器を構成する。トランジスタ217’のゲートには、RAMP生成部の出力が抵抗218’により変換された電圧と、トランジスタ212c’と抵抗241’とが接続される接続点から取り出された電圧と、をこの加算器で加算した電圧が入力される。なお、キャパシタ245’は、一端にドレイン、他端にソースが接続されるトランジスタ244’をオン状態に制御することで、リフレッシュされる。
【0163】
トランジスタ217’は、ソースが、トランジスタ214aを複製元とし、トランジスタ214b’を複製先とするカレントミラー回路におけるトランジスタ214b’のドレインに接続される。トランジスタ217’は、このカレントミラー回路を電流源とするソースフォロワを構成する。トランジスタ214b’は、例えば並列接続される所定数のPチャネルのMOSトランジスタを含み、当該所定数のトランジスタのうちオン状態とするトランジスタの数に従い、複製された電流の電流値を制御できる。これにより、トランジスタ217’によるソースフォロワのゲインを調整できる。
【0164】
トランジスタ217’のソースから、RAMP生成部の出力が抵抗218’により変換された電圧と、トランジスタ212c’と抵抗241’とが接続される接続点から取り出された電圧と、が加算された電圧に応じた出力電圧が取り出される。このトランジスタ217’から取り出された電圧が、第2の参照信号(RAMP(B))となる。
【0165】
上述の構成において、RAMP生成部の出力が供給されるトランジスタ212cおよび212c’は、それぞれ、例えば並列接続される所定数のPチャネルのMOSトランジスタを含み、当該所定数のトランジスタのうちオン状態とするトランジスタの数に従い、複製された電流の電流値を制御できる。これにより、トランジスタ212cおよび抵抗241とが接続される接続点から取り出される電圧、ならびに、トランジスタ212c’および抵抗241’とが接続される接続点から取り出される電圧も、制御される。
【0166】
トランジスタ212cに含まれる所定数のトランジスタのうちオン状態とするトランジスタの数と、トランジスタ212c’に含まれる所定数のトランジスタのうちオン状態とするトランジスタの数と、を独立して制御することができる。これにより、第1の参照信号(RAMP(A))と、第2の参照信号(RAMP(B))との、オフセット量、オフセットの有無を、独立して制御することが可能である。
【0167】
[第3の実施形態]
次に、本開示の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、上述した第1の実施形態およびその変形例、ならびに、第2の実施形態に係る技術を適用した電子機器の構成例について説明する。
図21は、第3の実施形態に係る電子機器の一例の構成を示すブロック図である。
【0168】
図21において、電子機器300は、光学系301と、撮像装置1000と、信号処理回路310と、記憶媒体311と、モニタ312と、を備えている。
図22においては、ここで、電子機器300としては、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、撮像機能付きの携帯電話やスマートフォンなどを適用することができる。
【0169】
光学系301は、被写体からの像光(入射光)を撮像装置1000の撮像面上に結像させる。これにより、信号電荷が一定期間、撮像装置1000内に蓄積される。信号処理回路310は、撮像装置1000から出力された信号に対して各種の信号処理を行う。信号処理が行われた映像信号は、メモリなどの記憶媒体311に記憶させることができる。また、当該映像信号を、モニタ312に出力することもできる。
【0170】
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態として、本開示に係る、第1の実施形態およびその変形例、ならびに、第2の実施形態による撮像装置1000の適用例について説明する。
図22は、上述の第1の実施形態およびその変形例、ならびに、第2の実施形態に係る撮像装置1000を使用する使用例を示す図である。
【0171】
上述した撮像装置1000は、例えば、以下のように、可視光や、赤外光、紫外光、X線等の光をセンシングする様々なケースに使用することができる。
【0172】
・ディジタルカメラや、カメラ機能付きの携帯機器等の、鑑賞の用に供される画像を撮影する装置。
・自動停止等の安全運転や、運転者の状態の認識等のために、自動車の前方や後方、周囲、車内等を撮影する車載用センサ、走行車両や道路を監視する監視カメラ、車両間等の測距を行う測距センサ等の、交通の用に供される装置。
・ユーザのジェスチャを撮影して、そのジェスチャに従った機器操作を行うために、TVや、冷蔵庫、エアーコンディショナ等の家電に供される装置。
・内視鏡や、赤外光の受光による血管撮影を行う装置等の、医療やヘルスケアの用に供される装置。
・防犯用途の監視カメラや、人物認証用途のカメラ等の、セキュリティの用に供される装置。
・肌を撮影する肌測定器や、頭皮を撮影するマイクロスコープ等の、美容の用に供される装置。
・スポーツ用途等向けのアクションカメラやウェアラブルカメラ等の、スポーツの用に供される装置。
・畑や作物の状態を監視するためのカメラ等の、農業の用に供される装置。
【0173】
[本開示に係る技術のさらなる適用例]
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ適用することができる。例えば、本開示に係る技術は、内視鏡手術システムに適用されてもよい。
【0174】
(体内情報取得システムへの適用例)
図23は、本開示に係る技術(本技術)が適用され得る、カプセル型内視鏡を用いた患者の体内情報取得システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
【0175】
体内情報取得システム10001は、カプセル型内視鏡10100と、外部制御装置10200とから構成される。
【0176】
カプセル型内視鏡10100は、検査時に、患者によって飲み込まれる。カプセル型内視鏡10100は、撮像機能および無線通信機能を有し、患者から自然排出されるまでの間、胃や腸等の臓器の内部を蠕動運動等によって移動しつつ、当該臓器の内部の画像(以下、体内画像ともいう)を所定の間隔で順次撮像し、その体内画像についての情報を体外の外部制御装置10200に順次無線送信する。
【0177】
外部制御装置10200は、体内情報取得システム10001の動作を統括的に制御する。また、外部制御装置10200は、カプセル型内視鏡10100から送信されてくる体内画像についての情報を受信し、受信した体内画像についての情報に基づいて、表示装置(図示しない)に当該体内画像を表示するための画像データを生成する。
【0178】
体内情報取得システム10001では、このようにして、カプセル型内視鏡10100が飲み込まれてから排出されるまでの間、患者の体内の様子を撮像した体内画像を随時得ることができる。
【0179】
カプセル型内視鏡10100と外部制御装置10200の構成および機能についてより詳細に説明する。
【0180】
カプセル型内視鏡10100は、カプセル型の筐体10101を有し、その筐体10101内には、光源部10111、撮像部10112、画像処理部10113、無線通信部10114、給電部10115、電源部10116、および制御部10117が収納されている。
【0181】
光源部10111は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の光源から構成され、撮像部10112の撮像視野に対して光を照射する。
【0182】
撮像部10112は、撮像素子、および当該撮像素子の前段に設けられる複数のレンズからなる光学系から構成される。観察対象である体組織に照射された光の反射光(以下、観察光という)は、当該光学系によって集光され、当該撮像素子に入射する。撮像部10112では、撮像素子において、そこに入射した観察光が光電変換され、その観察光に対応する画像信号が生成される。撮像部10112によって生成された画像信号は、画像処理部10113に提供される。
【0183】
画像処理部10113は、CPUやGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサによって構成され、撮像部10112によって生成された画像信号に対して各種の信号処理を行う。画像処理部10113は、信号処理を施した画像信号を、RAWデータとして無線通信部10114に提供する。
【0184】
無線通信部10114は、画像処理部10113によって信号処理が施された画像信号に対して変調処理等の所定の処理を行い、その画像信号を、アンテナ10114Aを介して外部制御装置10200に送信する。また、無線通信部10114は、外部制御装置10200から、カプセル型内視鏡10100の駆動制御に関する制御信号を、アンテナ10114Aを介して受信する。無線通信部10114は、外部制御装置10200から受信した制御信号を制御部10117に提供する。
【0185】
給電部10115は、受電用のアンテナコイル、当該アンテナコイルに発生した電流から電力を再生する電力再生回路、および昇圧回路等から構成される。給電部10115では、いわゆる非接触充電の原理を用いて電力が生成される。
【0186】
電源部10116は、二次電池によって構成され、給電部10115によって生成された電力を蓄電する。
図27では、図面が煩雑になることを避けるために、電源部10116からの電力の供給先を示す矢印等の図示を省略しているが、電源部10116に蓄電された電力は、光源部10111、撮像部10112、画像処理部10113、無線通信部10114、および制御部10117に供給され、これらの駆動に用いられ得る。
【0187】
制御部10117は、CPU等のプロセッサによって構成され、光源部10111、撮像部10112、画像処理部10113、無線通信部10114、および、給電部10115の駆動を、外部制御装置10200から送信される制御信号に従って適宜制御する。
【0188】
外部制御装置10200は、CPU、GPU等のプロセッサ、又はプロセッサとメモリ等の記憶素子が混載されたマイクロコンピュータ若しくは制御基板等で構成される。外部制御装置10200は、カプセル型内視鏡10100の制御部10117に対して制御信号を、アンテナ10200Aを介して送信することにより、カプセル型内視鏡10100の動作を制御する。カプセル型内視鏡10100では、例えば、外部制御装置10200からの制御信号により、光源部10111における観察対象に対する光の照射条件が変更され得る。また、外部制御装置10200からの制御信号により、撮像条件(例えば、撮像部10112におけるフレームレート、露出値等)が変更され得る。また、外部制御装置10200からの制御信号により、画像処理部10113における処理の内容や、無線通信部10114が画像信号を送信する条件(例えば、送信間隔、送信画像数等)が変更されてもよい。
【0189】
また、外部制御装置10200は、カプセル型内視鏡10100から送信される画像信号に対して、各種の画像処理を施し、撮像された体内画像を表示装置に表示するための画像データを生成する。当該画像処理としては、例えば現像処理(デモザイク処理)、高画質化処理(帯域強調処理、超解像処理、ノイズリダクション処理、手ブレ補正処理等)、拡大処理(電子ズーム処理)等、それぞれ単独で、あるいは、組み合わせて、各種の信号処理を行うことができる。外部制御装置10200は、表示装置の駆動を制御して、生成した画像データに基づいて撮像された体内画像を表示させる。あるいは、外部制御装置10200は、生成した画像データを記録装置(図示しない)に記録させたり、印刷装置(図示しない)に印刷出力させてもよい。
【0190】
以上、本開示に係る技術が適用され得る体内情報取得システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、例えば、撮像部10112に適用され得る。撮像部10112に本開示に係る技術を適用することにより、撮像部10112が平坦な被写体を撮影した場合などにおける瞬時電流を抑制することが可能となり、これにより、カプセル型内視鏡10100の小型化が可能となる。
【0191】
(内視鏡手術システムへの適用例)
本開示に係る技術は、さらに、内視鏡手術システムに適用されてもよい。
図24は、本開示に係る技術(本技術)が適用され得る内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
【0192】
図24では、術者(医師)11131が、内視鏡手術システム11000を用いて、患者ベッド11133上の患者11132に手術を行っている様子が図示されている。図示するように、内視鏡手術システム11000は、内視鏡11100と、気腹チューブ11111やエネルギー処置具11112等の、その他の術具11110と、内視鏡11100を支持する支持アーム装置11120と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート11200と、から構成される。
【0193】
内視鏡11100は、先端から所定の長さの領域が患者11132の体腔内に挿入される鏡筒11101と、鏡筒11101の基端に接続されるカメラヘッド11102と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒11101を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡11100を図示しているが、内視鏡11100は、軟性の鏡筒を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
【0194】
鏡筒11101の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡11100には光源装置11203が接続されており、当該光源装置11203によって生成された光が、鏡筒11101の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者11132の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡11100は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
【0195】
カメラヘッド11102の内部には光学系および撮像素子が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該撮像素子に集光される。当該撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU:Camera Control Unit)11201に送信される。
【0196】
CCU11201は、CPUやGPU等によって構成され、内視鏡11100および表示装置11202の動作を統括的に制御する。さらに、CCU11201は、カメラヘッド11102から画像信号を受け取り、その画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。
【0197】
表示装置11202は、CCU11201からの制御により、当該CCU11201によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。
【0198】
光源装置11203は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の光源から構成され、術部等を撮影する際の照射光を内視鏡11100に供給する。
【0199】
入力装置11204は、内視鏡手術システム11000に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置11204を介して、内視鏡手術システム11000に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、内視鏡11100による撮像条件(照射光の種類、倍率および焦点距離等)を変更する旨の指示等を入力する。
【0200】
処置具制御装置11205は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具11112の駆動を制御する。気腹装置11206は、内視鏡11100による視野の確保および術者の作業空間の確保の目的で、患者11132の体腔を膨らめるために、気腹チューブ11111を介して当該体腔内にガスを送り込む。レコーダ11207は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ11208は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像又はグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
【0201】
なお、内視鏡11100に術部を撮影する際の照射光を供給する光源装置11203は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成することができる。RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度および出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置11203において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
【0202】
また、光源装置11203は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれおよび白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
【0203】
また、光源装置11203は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察すること(自家蛍光観察)、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得ること等を行うことができる。光源装置11203は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光および/又は励起光を供給可能に構成され得る。
【0204】
図25は、
図24に示すカメラヘッド11102およびCCU11201の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0205】
カメラヘッド11102は、レンズユニット11401と、撮像部11402と、駆動部11403と、通信部11404と、カメラヘッド制御部11405と、を有する。CCU11201は、通信部11411と、画像処理部11412と、制御部11413と、を有する。カメラヘッド11102とCCU11201とは、伝送ケーブル11400によって互いに通信可能に接続されている。
【0206】
レンズユニット11401は、鏡筒11101との接続部に設けられる光学系である。鏡筒11101の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド11102まで導光され、当該レンズユニット11401に入射する。レンズユニット11401は、ズームレンズおよびフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。
【0207】
撮像部11402は、撮像素子で構成される。撮像部11402を構成する撮像素子は、1つ(いわゆる単板式)であってもよいし、複数(いわゆる多板式)であってもよい。撮像部11402が多板式で構成される場合には、例えば各撮像素子によってRGBそれぞれに対応する画像信号が生成され、それらが合成されることによりカラー画像が得られてもよい。あるいは、撮像部11402は、3D(Dimensional)表示に対応する右目用および左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の撮像素子を有するように構成されてもよい。3D表示が行われることにより、術者11131は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部11402が多板式で構成される場合には、各撮像素子に対応して、レンズユニット11401も複数系統設けられ得る。
【0208】
また、撮像部11402は、必ずしもカメラヘッド11102に設けられなくてもよい。例えば、撮像部11402は、鏡筒11101の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
【0209】
駆動部11403は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部11405からの制御により、レンズユニット11401のズームレンズおよびフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部11402による撮像画像の倍率および焦点が適宜調整され得る。
【0210】
通信部11404は、CCU11201との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11404は、撮像部11402から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル11400を介してCCU11201に送信する。
【0211】
また、通信部11404は、CCU11201から、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を受信し、カメラヘッド制御部11405に供給する。当該制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、並びに/又は撮像画像の倍率および焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。
【0212】
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、ユーザによって適宜指定されてもよいし、取得された画像信号に基づいてCCU11201の制御部11413によって自動的に設定されてもよい。後者の場合には、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能およびAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡11100に搭載されていることになる。
【0213】
カメラヘッド制御部11405は、通信部11404を介して受信したCCU11201からの制御信号に基づいて、カメラヘッド11102の駆動を制御する。
【0214】
通信部11411は、カメラヘッド11102との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11411は、カメラヘッド11102から、伝送ケーブル11400を介して送信される画像信号を受信する。
【0215】
また、通信部11411は、カメラヘッド11102に対して、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を送信する。画像信号や制御信号は、電気通信や光通信等によって送信することができる。
【0216】
画像処理部11412は、カメラヘッド11102から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。
【0217】
制御部11413は、内視鏡11100による術部等の撮像、および、術部等の撮像により得られる撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部11413は、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を生成する。
【0218】
また、制御部11413は、画像処理部11412によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部等が映った撮像画像を表示装置11202に表示させる。この際、制御部11413は、各種の画像認識技術を用いて撮像画像内における各種の物体を認識してもよい。例えば、制御部11413は、撮像画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具11112の使用時のミスト等を認識することができる。制御部11413は、表示装置11202に撮像画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を当該術部の画像に重畳表示させてもよい。手術支援情報が重畳表示され、術者11131に提示されることにより、術者11131の負担を軽減することや、術者11131が確実に手術を進めることが可能になる。
【0219】
カメラヘッド11102およびCCU11201を接続する伝送ケーブル11400は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、又はこれらの複合ケーブルである。
【0220】
ここで、
図25の例では、伝送ケーブル11400を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド11102とCCU11201との間の通信は無線で行われてもよい。
【0221】
以上、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、例えば、内視鏡11100や、カメラヘッド11102の撮像部11402に適用され得る。撮像部10402に本開示に係る技術を適用することにより、撮像部10402が平坦な被写体を撮影した場合などにおける瞬時電流を抑制することが可能となる。
【0222】
なお、ここでは、一例として内視鏡手術システムについて説明したが、本開示に係る技術は、その他、例えば、顕微鏡手術システム等に適用されてもよい。
【0223】
(移動体への適用例)
本開示に係る技術は、さらに、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボットといった各種の移動体に搭載される装置に対して適用されてもよい。
【0224】
図26は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0225】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。
図26に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、および統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、および車載ネットワークI/F(インタフェース)12053が図示されている。
【0226】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、および、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0227】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0228】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット12030は、例えば、受信した画像に対して画像処理を施し、画像処理の結果に基づき物体検出処理や距離検出処理を行う。
【0229】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
【0230】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0231】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0232】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0233】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0234】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声および画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。
図26の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062およびインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイおよびヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0235】
図27は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
図27では、車両12100は、撮像部12031として、撮像部12101、12102、12103、12104および12105を有する。
【0236】
撮像部12101、12102、12103、12104および12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドアおよび車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101および車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102、12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。撮像部12101および12105で取得される前方の画像は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0237】
なお、
図31には、撮像部12101~12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112および12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102および12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101~12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0238】
撮像部12101~12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101~12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0239】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101~12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111~12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0240】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101~12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0241】
撮像部12101~12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101~12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101~12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101~12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0242】
以上、本開示に係る技術が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、例えば、撮像部12031に適用され得る。撮像部12031に本開示に係る技術を適用することにより、撮像部12031が平坦な被写体を撮影した場合などにおける瞬時電流を抑制することが可能となる。
【0243】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0244】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
受光した光に応じて光電変換により電荷を発生させる受光素子と、
前記受光素子から前記電荷を読み出して、該電荷に応じたアナログ信号を出力する画素回路と、
前記アナログ信号と、電圧が時間に応じて一定の傾斜に従い階段状に変化する参照信号と、を比較した比較結果に基づき該アナログ信号をデジタル信号に変換する変換回路と、
をそれぞれ含む複数の画素と、
前記参照信号として、前記複数の画素のうち第1の画素に供給するための第1の参照信号と、前記複数の画素のうち該第1の画素と異なる第2の画素に供給するための第2の参照信号と、を生成する生成部と、
前記生成部と前記第1の画素とを接続する第1の配線と、
前記生成部と前記第2の画素とを接続する第2の配線と、
を備え、
前記第1の参照信号が前記第1の配線を介して前記第1の画素に供給され、
前記第2の参照信号が前記第2の配線を介して前記第2の画素に供給される
撮像装置。
(2)
前記生成部は、
前記第1の参照信号に対してオフセットを与えた前記第2の参照信号を生成する
前記(1)に記載の撮像装置。
(3)
前記生成部は、
前記第1の参照信号に対して前記傾斜の基準となる基準電圧をシフトさせる前記オフセットを与えた前記第2の参照信号を生成する
前記(2)に記載の撮像装置。
(4)
前記生成部は、
前記第1の参照信号に対して前記傾斜を前記時間の方向にシフトさせる前記オフセットを与えた前記第2の参照信号を生成する
前記(2)に記載の撮像装置。
(5)
前記複数の画素は、2次元の格子状の配列で配置され、
前記第1の配線は、
格子状に設けられ、前記配列における複数の前記第1の画素が該格子状の各格子点に1対1に対応して配置され、
前記第2の配線は、
格子状に設けられ、前記配列における複数の前記第2の画素が該格子状の各格子点に1対1に対応して配置される
前記(1)乃至(4)の何れかに記載の撮像装置。
(6)
前記複数の画素は、前記受光素子に対応してカラーフィルタが設けられ、
前記第1の配線および前記第2の配線の少なくとも一方は、前記複数の画素のうち、同一の波長成分を通過する前記カラーフィルタが設けられる画素それぞれに接続される
前記(1)乃至(5)の何れかに記載の撮像装置。
(7)
第1の半導体チップと、該第1の半導体チップに積層される第2の半導体チップと、を含み、
前記受光素子および前記画素回路が前記第1の半導体チップに配置され、前記変換回路と前記生成部と、が前記第2の半導体チップに配置される
前記(1)乃至(6)の何れかに記載の撮像装置。
(8)
前記第1の配線および前記第2の配線が前記第2の半導体チップに配置される
前記(7)に記載の撮像装置。
(9)
第1の半導体チップと、該第1の半導体チップに積層される第2の半導体チップと、を含み、
前記受光素子および前記画素回路と、前記変換回路の少なくとも一部と、が前記第1の半導体チップに配置され、該変換回路の該第1の半導体チップに配置されない部分と前記生成部と、が前記第2の半導体チップに配置される
前記(1)乃至(6)の何れかに記載の撮像装置。
(10)
前記第1の配線および前記第2の配線が前記第1の半導体チップに配置される
前記(9)に記載の撮像装置。
(11)
受光した光に応じて光電変換により電荷を発生させる受光素子と、
前記受光素子から前記電荷を読み出して、該電荷に応じたアナログ信号を出力する画素回路と、
前記アナログ信号と、電圧が時間に応じて一定の傾斜に従い階段状に変化する参照信号と、を比較した比較結果に基づき該アナログ信号をデジタル信号に変換する変換回路と、
をそれぞれ含む複数の画素と、
前記参照信号として、前記複数の画素のうち第1の画素に供給するための第1の参照信号を生成する第1の生成部と、
前記参照信号として、前記複数の画素のうち第2の画素に供給するための第2の参照信号を生成する第2の生成部と、
前記第1の生成部と前記第1の画素とを接続する第1の配線と、
前記第2の生成部と前記第2の画素とを接続する第2の配線と、
を備え、
前記第1の参照信号が前記第1の配線を介して前記第1の画素に供給され、
前記第2の参照信号が前記第2の配線を介して前記第2の画素に供給される
撮像装置。
(12)
前記第1の生成部および前記第2の生成部は、
それぞれ、前記複数の画素が配置される領域の同一の側に配置される
前記(11)に記載の撮像装置。
(13)
前記第1の生成部は、
前記複数の画素が配置される領域の一端の側に配置され、
前記第2の生成部は、
前記領域の、前記一端に対向する他端に配置される
前記(11)または(12)に記載の撮像装置。
(14)
前記第2の生成部は、
前記第1の参照信号に対してオフセットを与えた前記第2の参照信号を生成する
前記(11)乃至(13)の何れかに記載の撮像装置。
(15)
前記第2の生成部は、
前記第1の参照信号に対して前記傾斜の基準となる基準電圧をシフトさせる前記オフセットを与えた前記第2の参照信号を生成する
前記(14)の何れかに記載の撮像装置。
(16)
前記第2の生成部は、
前記第1の参照信号に対して前記傾斜を前記時間の方向にシフトさせる前記オフセットを与えた前記第2の参照信号を生成する
前記(14)の何れかに記載の撮像装置。
(17)
前記複数の画素は、2次元の格子状の配列で配置され、
前記第1の配線は、
格子状に設けられ、前記配列における複数の前記第1の画素が該格子状の各格子点に1対1に対応して配置され、
前記第2の配線は、
格子状に設けられ、前記配列における複数の前記第2の画素が該格子状の各格子点に1対1に対応して配置される
前記(11)乃至(16)の何れかに記載の撮像装置。
(18)
前記複数の画素は、前記受光素子に対応してカラーフィルタが設けられ、
前記第1の配線および前記第2の配線の少なくとも一方は、前記複数の画素のうち、同一の波長成分を通過する前記カラーフィルタが設けられる画素それぞれに接続される
前記(11)乃至(17)の何れかに記載の撮像装置。
(19)
第1の半導体チップと、該第1の半導体チップに積層される第2の半導体チップと、を含み、
前記受光素子および前記画素回路が前記第1の半導体チップに配置され、前記変換回路と前記第1の生成部と前記第2の生成部と、が前記第2の半導体チップに配置され、
前記第1の配線および前記第2の配線が前記第2の半導体チップに配置される前記(11)乃至(18)の何れかに記載の撮像装置。
(20)
前記第1の配線および前記第2の配線が前記第2の半導体チップに配置される
前記(19)に記載の撮像装置。
(21)
第1の半導体チップと、該第1の半導体チップに積層される第2の半導体チップと、を含み、
前記受光素子および前記画素回路と、前記変換回路の少なくとも一部と、が前記第1の半導体チップに配置され、該変換回路の該第1の半導体チップに配置されない部分と前記第1の生成部と前記第2の生成部と、が前記第2の半導体チップに配置され、
前記第1の配線および前記第2の配線が前記第1の半導体チップに配置される
前記(11)乃至(18)の何れかに記載の撮像装置。
(22)
前記第1の配線および前記第2の配線が前記第1の半導体チップに配置される
前記(21)に記載の撮像装置。
【符号の説明】
【0245】
1 画素アレイ部
4 タイミング制御部
5,5a,5b,5c,5c(a),5c(b),5c(c) DAC
6 時刻コード発生回路
7 全体制御部
10,10R,10G,10B,10W 画素
11 画素回路
12 ADC
13 記憶回路
14 演算回路
16 導電路
20 書き込み用転送回路
21 読み出し用転送回路
100 フォトダイオード
101 FD
120a,120b,120c 結合部
300 電子機器
1000 撮像装置
1001 第1の半導体チップ
1002 第2の半導体チップ
1020 ドライバ
1021 ビアホール
1030,1031a,1031b 配線
1040,1040a,1040b 第1のスロープ
1041,1041a,1041b 第2のスロープ