(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】ハイブリッドモジュラーワイヤレスセンサ
(51)【国際特許分類】
G08C 17/00 20060101AFI20240813BHJP
H04B 1/38 20150101ALI20240813BHJP
【FI】
G08C17/00 Z
H04B1/38
(21)【出願番号】P 2021512430
(86)(22)【出願日】2019-09-04
(86)【国際出願番号】 US2019049476
(87)【国際公開番号】W WO2020051195
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2022-08-23
(32)【優先日】2018-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501162454
【氏名又は名称】ワットロー・エレクトリック・マニュファクチャリング・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フィリップス、ジェイムス、ビー
(72)【発明者】
【氏名】レクピド、ドン
(72)【発明者】
【氏名】フロスト、ナサン
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン、ランディ、スコット
【審査官】平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/151805(WO,A1)
【文献】特開2017-204226(JP,A)
【文献】特開2014-103667(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0154791(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 13/00-25/04
G01D 11/00-13/28
H04B 1/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部センサを受けるための第1の開口部と、通信ポートを画定する第2の開口部とを画定するハウジングと、
前記ハウジングに配設されたワイヤレス電源と、
前記ワイヤレス電源によって電源が供給され、前記外部センサと電気的に通信して、前記外部センサから外部デバイスに生のデータを送信するように構成されたワイヤレス
モジュールと、
前記ワイヤレス電源によって電源が供給され、前記ワイヤレス
モジュールから前記外部デバイスへのデータ送信レートを管理するように構成されたファームウェアと、を具備し、
前記通信ポートは、ワイヤーハーネスを受けるように構成され、前記外部センサからの前記生のデータは、
前記通信ポートに前記ワイヤーハーネスが挿入されていないときにワイヤレスに前記ワイヤレス
モジュールを通って、または
前記通信ポートに前記ワイヤーハーネスが挿入されているときに前記ワイヤーハーネスを通って、前記外部センサから処理のために前記外部デバイスに転送される、ワイヤレスセンサアセンブリ。
【請求項2】
前記ワイヤレスモジュールは、前記ハウジング内に配設される、請求項1のワイヤレスセンサアセンブリ。
【請求項3】
前記通信ポートは、前記ワイヤーハーネス、および取り外し可能なドングルの少なくとも一つと接続するように構成され、前記ワイヤーハーネスは、前記外
部デバイスと接続するように作動し、前記取り外し可能なドングルは、前記外
部デバイスとワイヤレス通信リンクを形成するように作動する、請求項1のワイヤレスセンサアセンブリ。
【請求項4】
前記取り外し可能なドングルは、前記ワイヤレスモジュールとして提供される、請求項3のワイヤレスセンサアセンブリ。
【請求項5】
前記通信ポートは、前記
ワイヤーハーネスと接続するように構成された複数のピンを含む、請求項1のワイヤレスセンサアセンブリ。
【請求項6】
前記ハウジングは、本体と、第1の筒部と、前記本体の縦軸と平行な方向に沿って前記本体から伸びる第2の筒部とを含む、請求項1のワイヤレスセンサアセンブリ。
【請求項7】
前記第1の筒部および前記第2の筒部は、前記本体の対向する端から伸び、前記本体の縦軸からずれる、請求項6のワイヤレスセンサアセンブリ。
【請求項8】
前記ファームウェアは、前記ワイヤレス電源によって排他的に電力を供給される、請求項1のワイヤレスセンサアセンブリ。
【請求項9】
前記ワイヤレス電源は、自己給電デバイス、熱電デバイス、またはバッテリーの中から選択される、請求項8のワイヤレスセンサアセンブリ。
【請求項10】
前記自己給電デバイスは、カンチレバー型のボードおよび前記カンチレバー型のボードにマウントされた圧電デバイスを含む振動デバイスである、請求項9のワイヤレスセンサアセンブリ。
【請求項11】
前記通信ポートは、USB(登録商標)、USB-C(登録商標)、イーサネット(登録商標)、CAN(登録商標)、およびAspiratedTIP/Ethernetの少なくとも1つであるコネクタを含む、請求項1のワイヤレスセンサアセンブリ。
【請求項12】
前記ワイヤレスモジュールは、Bluetooth(登録商標)モジュール、WiFi(登録商標)モジュール、またはLiFiモジュールの少なくとも1つであるワイヤレス通信コンポーネントを含む、請求項1のワイヤレスセンサアセンブリ。
【請求項13】
前記ワイヤレス
通信コンポーネントからの前記データ送信レートを管理するように構成された前記ファームウェアを含むマイクロプロセッサをさらに具備する、請求項
12のワイヤレスセンサアセンブリ。
【請求項14】
前記ワイヤレス電源は、バッテリーであり、前記ファームウェアは、バッテリー寿命の関数として前記ワイヤレス
通信コンポーネントからのデータ送信レートを制御するように構成されたファームウェアである、請求項13のワイヤレスセンサアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2018年9月5日に出願された米国特許出願第16/122,149号の優先権および利益を主張する。上記出願の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、一般にセンサアセンブリに関連し、より詳細にはワイヤレスセンサアセンブリに関連する。
【背景技術】
【0003】
このセクションの記述は、単に本開示に関連する背景情報を提供し、先行技術を構成せずともよい。
【0004】
センサは、動作および環境の特性を監視するために、多種多様な動作環境で使用される。これらのセンサは、例として、温度、圧力、速度、位置、動作、電流、電圧およびインピーダンスのセンサを挙げることができる。センサは、監視された動作環境に配置され、電気的信号を生成する、または監視された動作または環境の特性の変化に応じて電気的特性の変化を有するように設計される。センサの電気的特性の変化は、インピーダンス、電圧または電流の変化であってもよい。
【0005】
センサは、通常、プローブと処理ユニットとを含む。プローブは、環境からのデータを取得し、処理ユニットにデータを送信する。その後、処理ユニットは、測定値を決定し、ユーザに読み取り値を提供する。処理ユニットは、一般に、データ処理中に電源からかなりの量の電力を必要とする。電源は、内蔵電池、または有線によってセンサに接続された外部電源であってもよい。センサは、内蔵電池および処理ユニットを伴うと、小型に作られることはできない。センサが有線によって外部電源に接続される場合、センサを過酷な環境下で使用すること、または複雑な構造の装置に適切にマウントすることが困難である。
【0006】
いくつかの既知の処理ユニットは、低電力マイクロプロセッサを含むが、これらのマイクロプロセッサは、起動中に大量の電力を消費する。エネルギーハーベスティングが重要ないくつかのアプリケーションにおいて、低電力マイクロプロセッサによる起動時に消費される電力の初期量は、過剰な量のエネルギーを排出し、起動障害を引き起こす可能性がある。
【0007】
とりわけ電子センサの動作における、電力の消費、および収集に関連するこれらの問題が、本開示によって対処される。
【発明の概要】
【0008】
このセクションは、本開示の一般的な要約を提供し、その全範囲または、すべての特徴の包括的な開示ではない。
【0009】
ワイヤレスセンサアセンブリは、提供され、第1の開口および第2の開口を画定するハウジングと、第1の開口に提供され、外部センサと通信可能に結合するように構成された第1の通信ポートと、第2の開口に提供され、外部通信デバイスに物理的に接続するように構成された第2の通信ポートと、ハウジング内に配設されたワイヤレス電源とを含む。ワイヤレスセンサアセンブリは、さらに、ワイヤレス電源から電力を受け取り、外部センサからデータを取得するように構成された少なくとも1つ以上の電子機器を含む。その1つ以上の電子機器は、ワイヤレス通信リンクを形成するように動作可能なワイヤレスモジュールを含む。1つ以上の電子機器は、第2の通信ポートおよびワイヤレスモジュールの少なくとも1つによって、取得したデータを外部演算デバイスに送信するように構成されている。
【0010】
ある形態において、ワイヤレスモジュールは、ハウジング内に配設される。この形態において、外部通信デバイスが第2の通信ポートに接続されており、1つ以上の電子機器は、第2の通信ポートおよびワイヤレスモジュールの少なくとも1つによって、取得したデータを送信するように構成されていてもよい。
【0011】
別の形態において、第2の通信ポートは、ワイヤーハーネスおよび取り外し可能なドングルの少なくとも1つに接続するように構成される。ワイヤーハーネスは、外部演算デバイスに接続するように作動し、取り外し可能なドングルは、外部演算デバイスとのワイヤレス通信リンクを形成するように動作する。この形態において、取り外し可能なドングルは、ワイヤレスモジュールとして提供されてもよい。
【0012】
さらにもう一つの形態において、第2の通信ポートは、外部通信デバイスに接続するように構成された複数のピンを含む。
【0013】
別の形態において、ハウジングは、本体、第1の筒部、および本体の縦軸と平行な方向に沿って本体から伸びる第2の筒部を含む。この形態において、第1の筒部および第2の筒部は、本体の対向する端から伸びていてもよいし、本体の縦軸からずれていてもよい。
【0014】
さらに別の形態において、1つ以上の電子機器は、ワイヤレス電源によって排他的に電力が供給される。この形態において、ワイヤレス電源は、下記の、自己給電デバイス、熱電デバイス、あるいはバッテリーの中から選択されてもよい。更に、自己給電デバイスは、カンチレバー型のボード、およびカンチレバー型のボードにマウントされた圧電デバイスを含む振動デバイスであってもよい。
【0015】
さらなる形態において、第2の通信ポートは、USB(登録商標)、USB-C(登録商標)、Ethernet(登録商標)、CAN(登録商標)、およびAspiratedTIP/Ethernetの少なくとも1つであるコネクタ、および/または、Bluetooth(登録商標)モジュール、WiFi(登録商標)モジュール、またはLiFiモジュールの少なくとも1つであるワイヤレス通信コンポーネントを含むワイヤレスモジュールを含む。
【0016】
別の形態において、1つ以上の電子機器は、マイクロプロセッサを含む。そして、マイクロプロセッサは、ワイヤレスモジュールからのデータ伝送レートを管理するように構成されたファームウェアを含む。この形態によれば、ワイヤレス電源は、バッテリーであってもよいし、ファームウェアは、バッテリーの寿命を関数として、ワイヤレスモジュールからのデータ伝送レートを制御するように構成されていてもよい。
【0017】
適用性のさらなる領域は、本明細書で提供される説明から明らかになるであろう。説明および特定の例は、例示のみを目的とし、本開示の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本開示は、詳細な説明及び添付の図面から、より完全に理解されるであろう。
【0019】
【
図1】
図1は、本開示によって構成された、2つのワイヤレスセンサアセンブリの斜視図である。
【0020】
【
図2】
図2は、本開示の教示による電子機器およびワイヤレス電源の一形態の概略図である。
【0021】
【
図3】
図3は、第1形態のワイヤレスセンサアセンブリの別の斜視図である。
【0022】
【
図4】
図4は、第1形態のワイヤレスセンサアセンブリの別の変形例である。
【0023】
【
図5】
図5は、第1形態のワイヤレスセンサアセンブリのさらに別の変形例である。
【0024】
【
図6】
図6は、
図4のワイヤレスセンサアセンブリの別の斜視図である。
【0025】
【
図7】
図7は、第1形態のワイヤレスセンサアセンブリの部分詳細図であり、ハウジング内の構成要素を示している。
【0026】
【
図8】
図8は、第1形態のワイヤレスセンサアセンブリのハウジングの下部の上面斜視図であり、ハウジングの下部にセンサが接続されている。
【0027】
【
図9】
図9は、第1形態のワイヤレスセンサアセンブリのハウジングの下部の底面斜視図であり、ハウジングの下部にセンサが接続されている。
【0028】
【
図10】
図10は、第1形態のワイヤレスセンサアセンブリの斜視図であり、ハウジング内の構成要素を示すため、ハウジング上部が取り外されている。
【0029】
【0030】
【
図12】
図12は、本開示の第2形態によって構成されたワイヤレスセンサアセンブリの斜視図である。
【0031】
【
図13】
図13は、第2形態のワイヤレスセンサアセンブリの斜視図であり、ハウジング内の構成要素を示すため、ハウジング上部が取り外されている。
【0032】
【
図14】
図14は、第2形態のワイヤレスセンサアセンブリの別の斜視図であり、ハウジング内の構成要素を示すため、ハウジング上部が取り外されている。
【0033】
【
図15】
図15は、第2形態のワイヤレスセンサアセンブリのさらに別の斜視図であり、ハウジング内の構成要素を示すため、ハウジングの上部が取り外されている。
【0034】
【
図16】
図16は、本開示の第3形態によって構成されたワイヤレスセンサアセンブリの斜視図である。
【0035】
【
図17】
図17は、本開示の第4形態によって構成されたワイヤレスセンサアセンブリの斜視図である。
【0036】
【
図18】
図18は、第4形態のワイヤレスセンサアセンブリの部分断面図である。
【0037】
【
図19】
図19は、本開示の第5形態によって構成されたワイヤレスセンサアセンブリの斜視図である。
【0038】
【
図20】
図20は、第5形態のワイヤレスセンサアセンブリの斜視図であり、ハウジング内の構成要素を示すため、上部が取り外されている。
【0039】
【
図21】
図21は、本開示の第6形態によって構成されたワイヤレスセンサアセンブリの斜視図である。
【0040】
【
図22】
図22は、本開示の第6形態によって構成されたワイヤレスセンサアセンブリの分解図である。
【0041】
【
図23】
図23は、第6形態のワイヤレスセンサアセンブリの正面図であり、ハウジング内の構成要素を示すため、キャップが取り外されている。
【0042】
【
図24】
図24は、第6形態のワイヤレスセンサアセンブリのハウジング内に配置された電気及び電子部品の斜視図である。
【0043】
【0044】
【0045】
【
図27】
図27は、第8形態のワイヤレスセンサアセンブリの斜視図である。
【0046】
【
図28】
図28は、第8形態のワイヤレスセンサアセンブリ内に配設された電子機器の概略図である。
【0047】
対応する参照符号は、図面の幾つかの図を通して対応する部分を示している。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下の説明は、本質的に単なる例示であり、本開示、用途、または使用を限定することを意図するものではない。
【0049】
(第1形態)
【0050】
図1に示すように、本開示の第1形態によって構成されたワイヤレスセンサアセンブリ10は、一般に、ハウジング12およびセンサ14を含む。センサ14は、開口部(
図1には図示せず)に挿入されてもよく、ハウジング12内の電気および電子部品に接続されてもよい。あるいは、第1形態の変形例によるワイヤレスセンサアセンブリ10’は、ハウジング12’、センサ14’、およびセンサ14’をハウジング12’内の電気および電子部品に接続する有線16’を含んでいてもよい。ハウジング12’は、ハウジング12’を隣接するマウント構造(図示せず)にマウントするための一対のタブ17’をさらに含んでいてもよい。センサ14または14’は、例として、温度センサ、圧力センサ、ガスセンサ、および光学センサであってもよい。
【0051】
図2に示すように、他のコンポーネントの中でも、ハウジング12/12’内の例示的な電子部品が概略的な形で示されている。電子機器15は、一般に、この形態においてBluetooth(登録商標)RFトランスミッタとして示されているワイヤレス通信コンポーネント16と、ワイヤレス通信コンポーネント16から外部デバイス(図示せず)へのデータ送信レートを管理するように構成されたファームウェア17を含む。この形態において、ファームウェア17は、マイクロプロセッサに存在する。さらに示されるように、ワイヤレス電源19は、電子機器15に電力を供給する。電源19は、任意の数の形態を取ることが可能であり、以下により詳細に説明されるようなバッテリーを含む。この形態において、電源19は、振動または熱発電機(以下により詳細に説明する)、電力調整器、および過剰エネルギーを蓄積する蓄積部を含む「エネルギーハーベスティング」構成を含む。
【0052】
ファームウェア17は、マイクロプロセッサの最初の起動時に消費される電力を管理するようにも構成されていてもよい。通常、低電力マイクロプロセッサは、起動中の真の低電力モードに入る前に、1秒以下程度の初期の大きな電力バーストを消費する。適切に機能するためにマイクロプロセッサの低電力モードに依存するエネルギーハーベスティングアプリケーションにおいて、初期電力バーストが終了する前に蓄積されたエネルギーを排出し、起動障害を引き起こし、初期起動電力バーストは克服できないと判明し得る。初期起動サージのこの問題を解決するために、ファームウェア17は、平均電力消費がエネルギーハーベスティング構成の能力に収まるように、初期エネルギーバーストを時間の経過とともに拡げる様に修正され得る。この時間の経過とともにエネルギーを広げることは、マイクロプロセッサの起動を遅らせるが、蓄積されたエネルギーが排出されないため、起動障害が抑制される。
【0053】
別の形態において、エネルギーハーベスティングコンポーネント/モジュールが初期電力サージを通過できるように、アサートからストレージデバイスにエネルギーが十分蓄積されるまで出力論理信号を遅らせるため、追加の回路系がマイクロプロセッサに加えられてもよい。これは、外部遅延要素の形をとってもよいし、あるいは電力調節チップと共にマイクロプロセッサの一部であってもよい。ある形態において、十分な振動または熱エネルギーが利用可能である場合、エネルギーのバーストを拡げることなく起動を開始することができる、ところが、振動または熱エネルギーが殆どない場合、エネルギーバーストは、時間の経過とともに拡げられ得る。換言すれば、電子機器は、初期電力サージを維持するのに十分なエネルギーが蓄積されるまで、出力論理信号をアサートから遅らせるように構成されていてもよい。プロセッサおよびファームウェア17内のこれらおよび他のデータ管理機能は、以下により詳細に説明される。
【0054】
図3に示すように、ハウジング12は、第1の開口部22(
図6に示される)および第2の開口部24をそれぞれ画定する対向する第1および第2端部18および20を有する。センサ14は、第1の開口部22に挿入され、ハウジング12内にマウントされた電気および電子部品に接続された長手方向端部を有する。通信コネクタ26は、第2の開口部24内に配設され、嵌め合せ通信コネクタ(図示せず)を収容するように構成されている。第2の開口部24および通信コネクタ26は、接続されるべき嵌め合せ通信コネクタのタイプに従って異なるように構成されてもよい。例えば、通信コネクタ26は、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート(
図3)、USB-Cポート、イーサネットポート(
図4)、コントローラーエリアネットワーク(CAN)バスポート(
図5)およびアスピレイティドTIP/Ethernetポートなどを形成するように構成されてもよい。ハウジング12の外部輪郭は、通信コネクタ26の形状に対応するように適宜構成されてもよい。嵌め合せ通信コネクタ26はオプションであり、センサ14によって取得された生の検知データを、ネットワークを介して外部へ、または更なる処理のために外部または遠隔デバイス(図示せず)に送信するために使用することができる。あるいは、センサ14によって取得された生の検知データは、外部デバイスまたは遠隔デバイスに無線によって送信されてもよく、これについては以下でより詳細に説明する。
【0055】
図3にさらに示されるように、ハウジング12は、上部30および下部32を含み、各部は、対向する端部18、20の内部コンポーネントおよび外部特徴を収容する嵌合くさびを画定する。ハウジング12の下部32は、第1の開口部22を画定する、ところが、ハウジング12の上部30は、第2の開口部24を画定してもよく、また逆でも同様である。上部30と下部32の嵌合くさびは、対向する横方向側壁36に沿って密封界面34を画定する。上部30と下部32との間の密封界面34は、第1の開口部22が下部32(または代わりに上部30により)のみによって画定され、上、下部30,32により連帯的に角度がつけられている。このように、センサ14は、複数の部品(すなわち、上部30と下部32の両方)とは対照的に、センサ14が下部32のみで密封されるため、センサ14のハウジング12への密封は比較的容易にできる。
【0056】
図6および7に示されるように、ワイヤレスセンサアセンブリ10は、センサ14をハウジング12にマウントするためマウントアセンブリ36をさらに含む。マウントアセンブリ36は、ボス38、ボス38の自由端の圧縮シール40およびナット42を含む。センサ14は、ボス38、圧縮シール40およびナット42を通して挿入される。ボス38および圧縮シール40のまわりにナット42を固定することにより、センサ14はハウジング12に固定され、密封される。ナット42は、ねじ込み接続、圧入接続または押し込み接続を介してボス38に固定されてもよい。ボス38は、第1の開口部22に挿入される別の構成要素であってもよく、またはハウジング12の下部32の一体部分として形成されてもよい。
【0057】
図8に示されるように、ワイヤレスセンサアセンブリ10は、センサ14が振動を受けた時にセンサ14が回転することを防止するために、ハウジング12内、特に下部32に、回転防止機構44をさらに含む。回転防止機構44は、下部32の内面から突出するU字形シート46と、シート46内に配設された回転防止ナット48とを含む。
【0058】
ワイヤレスセンサアセンブリ10は、下部32を上部30に固定するための固定機構50をさらに含む。固定機構50は、
図8に示されるように、ねじおよび穴であってもよい。あるいは、上部30および下部32は、振動溶接、スナップ嵌め、または、当技術分野で知られている他の接合方法によって固定されてもよい。上部30および下部32は、また、組み立て中に上部30および下部32を位置合わせするための位置合わせ機構を含んでいてもよい。
【0059】
図9に示すように、下部32は、底面に画定された凹部50と、凹部50内に収容された磁石52と、をさらに含んでいてもよい。外部磁石52は、センサ14を非動作および動作させるように、ハウジング12内の電気および電子部品と通信するために作動する。磁石52は、輸送中にセンサ14を非動作にするためにハウジング12内に配設されたリードスイッチを開けるため、およびハウジング12内にバッテリーが提供されている場合にバッテリーの寿命を維持するために使用されてもよい。輸送中、粘着テープの小片が磁石の上を覆って置かれてもよい。センサ14を作動させるため、粘着テープと磁石52は、バッテリーからセンサ14への電力供給を可能にするために、取り外され得る。電気および電子部品は、センサ14が強い磁界に再び遭遇した場合に非動作になることを防ぐためのラッチ回路を含んでいてもよい。さらに、凹部50の周囲の凹部領域は、センサ14の機能状態を示すために使用されるインジケータLEDの「ライトパイプ」として機能してもよい。このエリアのプラスチックハウジング材料は、インジケータLEDがプラスチックハウジング材料を通して見えるように、他のハウジング12の部材よりも薄く作られていてもよい。
【0060】
図10および11に示すように、ワイヤレスセンサアセンブリ10は、ハウジング12によって画定される内部空間に配設され、センサ14および通信コネクタ26(
図3に示される)に接続される電気および電子部品を含む。電気及び電子部品は、通信ボード60と、ワイヤレス電源62と、ワイヤレス通信コンポーネントと、ファームウェア(図示せず)と、センサ14を通信ボード60に接続するためのセンサコネクタ66とを含んでいてもよい。通信ボード60は、プリント回路基板である。ワイヤレス電源62、ワイヤレス通信コンポーネント、およびファームウェアは、通信ボード60上にマウントされる。
【0061】
センサ14からの信号は、センサコネクタ66を介して通信ボード60に送信される。
図11に明示されるように、センサ14の有線68は、通信ボード60にマウントされたセンサコネクタ66に直接接続される。通信ボード60上のワイヤレス通信コンポーネントは、データ処理のために外部デバイス(すなわち、外部演算デバイス)にデータを送信する。外部デバイスは、データロギング、演算、またはさらなる処理のための別の遠隔デバイスへデータを再送する機能を実行する。センサ14は、生のデータのみを収集し、スリープに遷移する前に外部または遠隔デバイスに生のデータを送信する。全てのセンシング計算、キャリブレーション調整、エラー検証などは、ハウジング12内に配設されたワイヤレス電源62内に蓄積されたエネルギーを使い切らないように、外部または遠隔デバイスで実行される。そのため、バッテリーの寿命は、保存され得る。
【0062】
ハウジング12内の電気および電子部品は、ワイヤレス電源62から電力を受け取り、センサ14と電気的に通信するように構成される。ワイヤレス通信コンポーネントは、約0.5mW未満の電力消費を有する。ハウジング12内に配設された電気および電子部品は、ワイヤレス電源62によってのみ電力を供給される。ワイヤレス電源62は、とりわけバッテリーまたは自己給電デバイスであってもよい。自己給電デバイスは、熱電デバイスまたは、カンチレバー型のボードにマウントされた圧電デバイスを含む振動デバイスであってもよい。
【0063】
ある形態において、ワイヤレスセンサアセンブリ10は、約2in3未満の体積を画定する。ワイヤレス通信コンポーネントは、外部センサ14からの生のデータを、タブレット、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、クラウドコンピュータセンター、またはワイヤレス通信コンポーネントから送信されたデータを処理できる任意の処理デバイスに送信するように構成される。ワイヤレス通信コンポーネントは、Bluetoothモジュール、WiFiモジュールおよびLiFiモジュールから構成されるグループから選択される。ファームウェアは、ワイヤレス通信コンポーネントから外部または遠隔デバイスに送信するデータのレートを管理する。ファームウェアは、ワイヤレス通信コンポーネントから送信されるデータのレートをバッテリーの寿命を関数として制御する。また、ファームウェアは、ワイヤレス電源の電力を維持するために、プロセッサのクロックを制御する。さらに、ファームウェアは、ワイヤレス電源62に蓄積されたエネルギーを監視し、蓄積されたエネルギーの量の関数としてワイヤレス通信コンポーネントからのデータ送信レートを調整する。これは、蓄積されたエネルギーを保存するための低電力モードと類似していてもよい。そのようにして、バッテリーの寿命が維持されてもよく、さらに、センサ14は、電力の損失のために電源が落ちること、または少なくとも遅れることが防がれ得る。データ送信レートは、ワイヤレス電源62を再充電するためにより多くの熱または振動エネルギーが利用可能になるまで、所定の通常レートに戻ってもよい。
【0064】
(第2形態)
【0065】
図12~15に示されるように、本開示の第2形態によるワイヤレスセンサアセンブリ110は、ハウジングおよびセンサの構造を除いた第1形態のワイヤレスセンサアセンブリと似た構造を有する。同様の構成要素は、同様の参照符号によって示され、それら詳細な説明は、明確にするために本明細書では省略される。
【0066】
より具体的には、ワイヤレスセンサアセンブリ110は、ハウジング112およびセンサ114(
図15にて示される)を含む。ハウジング112は、上部130と下部132を含む。下部132は、ハウジング112を隣接するマウント構造にマウントするための一対のタブ133を含む。ハウジング112内に収容される電気および電子部品は、通信ボード60と、通信ボード60にマウントされたドーターボード166とを含む。ボードマウントセンサ114も、ドーターボード166にマウントされる。ドーターボード166は、第1の開口部22を通って延び、ハウジング11の外側に延びた一端とハウジング112の内側に延びた他端とを有する。センサ114からの信号は、ドーターボード166を介して、通信ボード60に送信される。ドーターボード166は、一対のゴムガスケット168によって支えられる。また、一対のガスケット168は、ドーターボード166とハウジング112の下部132との間に圧縮シールを提供する。
【0067】
(第3形態)
【0068】
図16に示すように、本開示の第3形態によって構成されたワイヤレスセンサアセンブリ210は、一般に、通信ポートを形成するための通信コネクタを収容するハウジング212において第2の開口部が画定されていないことを除いて、第1形態のハウジング12と同様の構造を有するハウジング212を含む。第1および第2形態のワイヤレスセンサアセンブリ10および110のように、ワイヤレスセンサアセンブリ210は、外部または遠隔デバイスとの無線通信と、センサ14、114から外部または遠隔デバイスへの生のデータを送信とのための同様の電気および電子部品を含む。そのため、通信ポートは、必要とされない。
【0069】
(第4形態)
【0070】
図17および18に示すように、本開示の第4形態によるワイヤレスセンサアセンブリ310は、ハウジング312と、一対の有線68を有するセンサ14とを含む。ハウジング312は、上部ハウジング部分316と、ヒートシンク構造318と、下部ベース320とを含む。上部ハウジング部分316は、第1形態の下部32と似た構造を有するが、ヒートシンク構造318に逆さまに取り付けられている。断熱層322は、ヒートシンク構造318と、下部ベース320との間に配設される。下部ベース320は、ハウジング312を隣接するマウント構造にマウントするための一対のタブ321を画定する。
【0071】
この形態において、ワイヤレスセンサアセンブリ310は、バッテリーを含まない。代わりに、ハウジング310内の電気および電子部品およびハウジング312の外側のセンサ14は、例えば、ハウジング312内に配設された熱電発電機(ThermoElectric Generator、TEG)324によって、自己給電される。ゼーベックジェネレータとも呼ばれるTEG324は、ゼーベック効果と呼ばれる現象を通して、熱(温度差)を電気エネルギーに直接変換するソリッドステートデバイスである。TEG324は、ヒートシンク構造318に隣接し、断熱層322上に配設される第1の金属板326と、断熱層322下に配設された第2の金属板328とを含む。断熱層322は、第1および第2の金属板326および328を分離する。電気および電子機器から生成された熱の一部は、第1の金属板326に伝導され、ヒートシンク構造318によって放散される。ハウジング312内の電気及び電子部品から生成された熱の別の一部は、第2の金属板に伝導される。第1および第2の金属板326および328の間に温度差が生じ、それにより、ハウジング312内の電気及び電子部品と、ハウジング312外のセンサ14とに電力を供給するための電気が生成される。
【0072】
(第5形態)
【0073】
図19および20に示すように、本開示の第5形態によって構成されたワイヤレスセンサアセンブリ410は、自己給電デバイスにおいてのみ異なり、第4形態の構造と同様の構造を有する。この形態において、自己給電デバイスは、力学的な歪みを、ハウジング内の電気および電子部品およびハウジング外のセンサ14に供給するための電流または電圧に変換する圧電発電機(PiezoElectric Generator、PEG)421である。歪みは、人間の動き、低周波地震振動、および音響ノイズなどの様々な原因から発生する可能性がある。本形態において、PEG421は、電力転送プリント回路基板(PCB)422と、金属板424と、金属板424の一端に取り付けられた重り426とを含む。金属板424は、金属板424に力学的な歪みを生じさせるために端に重り426を配設されたカンチレバー型のボードとして機能する。金属板424において生成された力学的な歪みは、電力/電気に変換され、電力転送PCB422を介して通信ボード(
図20では図示せず)に送られる。電力転送PCB422は、ヒートシンク構造318と、金属板424との間に留められる。本形態のハウジング412は、第4形態におけるハウジング312のように、上部ハウジング部分416と、ヒートシンク構造418と、下部ベース420とを含む。しかし、この形態におけるヒートシンク構造418は、電気の生成において熱が効果を持たないため、ただセンサ14およびPEG421のためのマウント構造として機能する。したがって、ヒートシンク構造418と、下部ベース420との間に断熱層は提供されない。
【0074】
金属板424において力学的な歪みを生じさせるために金属板424に取り付けられた重り426は、これらから生成される電気が増加するように、計算された周波数でPEG421において共振を引き起こし、金属板424における振動及び力学的な歪みを増大させるために、変更、または適切に選択されてもよい。
【0075】
(第6形態)
【0076】
図21~26に示すように、本開示の第6形態によって構成されたワイヤレスセンサアセンブリ510は、ハウジング512と、ハウジング512内の電気及び電子部品に有線514によって接続されるセンサ(図示せず)とを含んでいてもよい。ハウジング512は、長方形の構成を有する。ワイヤレスセンサアセンブリ510は、ハウジング512の一端に配設されたセンサコネクタ516と、ハウジング512の他端に配設されたキャップ518とをさらに含む。第6形態のワイヤレスセンサアセンブリ410のように、ワイヤレスセンサアセンブリ510は、ハウジング512内に配設された電気及び電子部品を含む。電気及び電子部品は、通信ボード520、圧電発電機(PEG)522の形態の自己給電デバイスを含んでいてもよい。PEG522は、金属板524、および金属板524の端部に取り付けられた重り526を含んでいてもよい。金属板524は、金属板524に力学的な歪みを引き起こすために端部に配設された重り524とともに、カンチレバー型のボードとして機能する。金属板524において生成された力学的な歪みは、電力/電気に変換され、その電力/電気は、センサ及び電気/電子部品に電力を供給するために通信ボードに送られる。
【0077】
本明細書に記載されたいずれの形態においても、センサ14によって取得された生の検知データは、生の検知データの処理が外部で生じるように、ラップトップ、スマートフォン、またはタブレットのような外部演算デバイスに送信される。ワイヤレスセンサアセンブリは、生の検知データが外部で処理されるため、電力消費を削減する利点を有する。さらに、データの処理および演算が外部または遠隔デバイスで実行されるので、外部または遠隔デバイスにおいて、正確性を上げるために、より完全な高解像度のルックアップテーブルが使用されてもよい。これは、センサにおいて使用可能なROMのスペースが限られているため、より小さいROMに格納されている正確性の低い多項式曲線フィッティングとは対照的である。
【0078】
さらに、ワイヤレスセンサアセンブリは、キャリブレーション曲線、およびルックアップテーブルにおいて、センサの回路系の変更を必要としないアップデートを可能にする利点を有する。フィールド交換センサは、RFIDタグまたはバーコードのような、識別(ID)情報、またはコードが割り当てられる。ワイヤレスセンサアセンブリのインストールまたは交換の間に、外部センサ14のキャリブレーション情報は、外部デバイスを通したワイヤレスセンサアセンブリとのワイヤレス通信によってアクセス可能である。ID情報のスキャンまたは入力によって、センサ14は、ネットワーク接続を介してあらかじめ決められたキャリブレーション曲線にリンクされる。さらに、ルックアップテーブルまたはキャリブレーション情報は、ドリフトを考慮して定期的に更新されてもよく、それによって、センサ14の寿命にわたって、センサの測定の正確性が上昇する。
【0079】
本明細書で開示されるワイヤレスセンサアセンブリの一形態において、ハウジングの寸法は、おおよそL1.75インチ×W1.25インチ×H0.68インチである。バッテリーが使用される場合、ハウジングは、より大きくてもよい。ワイヤレスコンポーネントとしてBluetoothコンポーネントの消費電力が小さく、本開示の一形態において0.170μW以下であるため、センサ14は、選択されたバッテリーで少なくとも2年間動作可能であり、毎秒データを送信できる。低消費電力は、また、自己給電を可能にする。さらに、本明細書で開示されたワイヤレスセンサアセンブリのいずれにおいても、通信ボードは、蓄積または生成されたエネルギーの量を検知することができ、センサに利用可能、または利用可能と予測される電力量に基づいて生の検知データの送信レートを自動的に調節することを許可できる。
【0080】
任意の形態によるワイヤレスセンサアセンブリは、外部デバイスまたは遠隔デバイスにデジタル生データを送信することができるデジタルセンシング製品であってもよい。ワイヤレスセンサアセンブリは、複数の構成を簡単に組み立てるために交換可能な部品を含み、そのため、「モジュラー」構造を提供する。本明細書に記述されたワイヤレスセンサアセンブリのそれぞれは、有線またはワイヤレス接続性、および可変なマウンティング、センサ入力の方法を提供するために可変である。
【0081】
任意の形態のワイヤレスセンサアセンブリは、1つのセンサ14のみを含むように説明されたが、本開示の範囲を逸脱することなく、1つ以上のセンサがハウジング内の電気及び電子部品に接続されてもよい。例えば、少なくとも2つのセンサ14は、第1の開口部26に挿入されてもよいし、
図6に示されるようにマウンティングアセンブリ36にマウントされてもよいし、二つのセンサコネクタ66によって通信ボード60に接続されてもよい。
【0082】
(第7形態)
【0083】
本開示の第7形態によって構成される低電力ワイヤレスセンサシステムは、複数のワイヤレスセンサアセンブリを含んでいてもよく、ワイヤレスネットワークは、それぞれのワイヤレスセンサアセンブリを動作可能に接続し、それぞれのワイヤレスセンサアセンブリ間でのデータの送受信を実行可能にする。ワイヤレスセンサアセンブリは、第1から第6の形態で説明したいずれの形態におけるワイヤレスセンサアセンブリであってもよく、それらの、または、タブレット、スマートフォン、またはパーソナルコンピュータのような外部デバイスとの間で通信をおこなってもよい。
【0084】
(第8形態)
【0085】
図27に示すように、本開示の第8形態によって構成されるワイヤレスセンサアセンブリ610は、ワイヤレス、あるいはワイヤーハーネスを使用してセンサから外部デバイス(すなわち、外部通信デバイス)に、データを送信することが出来るハイブリッドセンサアセンブリである。ワイヤレスセンサアセンブリ610は、ハウジング612と、ハウジング612内に配設された電気及び電子部品(図示せず)に接続されたセンサ614とを含む。ハウジング612は、電気及び電子部品が配設されている本体616と、本体616の対向する端から伸び、平行な方向に沿い、本体616の縦軸からずれる第1の筒部618、および第2の筒部620とを含む。第1の筒部618は、センサ614の端を収容するための第1の通信ポートを形成するため、第1の通信コネクタが配設された第1の開口部を画定する。第2の筒部620は、第2の通信ポートを形成するための第2の通信コネクタが形成された第2の開口部を画定する。第2の通信ポートは、特にユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、USB-Cポート、Ethernetポート、コントローラーエリアネットワーク(CAN)バスポートおよびアスピレイティドTIP/Ethernetポートであってもよい。第2の通信ポートはワイヤーハーネス622の一端を収容するように構成される。
【0086】
図28に示すように、ハウジング612内の電気及び電子部品は、センサ614から外部デバイス(図示せず)にデータをワイヤレスに送信するためのワイヤレスモジュール630と、
図2において示されたワイヤレス電源19に類似するワイヤレス電源(
図28において図示せず)と、リニアレギュレータ632とを含む。外部デバイスは、遠隔デバイスであり、これらに限定されないが、ワイヤレスモジュール630のワイヤレス通信コンポーネントから送信されたデータの処理ができるタブレット、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、クラウドコンピュータセンター、あるいは任意の制御デバイスが挙げられる。センサ614は、単に、生のデータを収集し、スリープに遷移する前に生のデータを外部または、遠隔デバイスに送信する。全ての検知演算、キャリブレーション調整、エラー検証などは、ハウジング612内に配設されたワイヤレス電源において蓄えられたエネルギーが使い切られないように、外部または遠隔デバイスで実行される。
【0087】
ワイヤレスモジュール630は、Bluetooth RFトランスミッタ634の形態のワイヤレス通信コンポーネント、プロセッサ636およびアナログデジタルコンバータ(ADC)638を含んでいてもよい。プロセッサ636は、ワイヤレス通信コンポーネント634から外部デバイス(図示せず)へのデータ送信レートを管理する。プロセッサ636は、ARM Cortex M4コアであってもよい。ADC638は、16ビットの4チャンネルADCであってもよい。ワイヤーハーネス622のための第2の通信ポートは、4つのピンを含んでいてもよい。
【0088】
図27に戻って示すと、本形態では、ワイヤレスモジュール630、ワイヤレス電源、およびリニアレギュレータ632は、ハウジング612内に固定、および配設される回路ボードに統合される。センサ614は、検知されるべきオブジェクトまたは環境から温度、圧力等の関連する情報を取得する。センサ614からの生のデータは、ワイヤレスモジュール630を使用した更なる処理のために、外部デバイスに無線で送信されてもよい。第2の通信ポートにワイヤーハーネス622が挿入されたとき、センサ614からの生のデータは、ワイヤーハーネス622によって外部デバイスに送信される。電気及び電子部品は、ワイヤーハーネス622が第2の通信ポートに挿入されたときに、ワイヤレス通信コンポーネントを非動作にするための回路系を含んでいてもよい。したがって、ワイヤレスセンサアセンブリ610は、ワイヤレス、またはワイヤーハーネス622を使用してセンサからデータを送信することが出来るハイブリッドセンサアセンブリである。
【0089】
あるいは、ワイヤーハーネス622は、外部デバイスから分離されるコンピュータ、またはエンジン制御ユニット(Engine Control Unit、ECU)に接続されていてもよい。センサ614からのデータは、センサ614の測定値を決定するためにワイヤレスモジュール630を通して外部デバイスに無線で送信されてもよい。センサ614からのデータは、ワイヤーハーネス622によって、コンピュータまたはECUにも送信される。これは、測定の読み取り値を提供することよりも、予防メンテナンスを目的としている。
【0090】
(第9形態)
【0091】
本開示の第9形態によって構成されるワイヤレスセンサアセンブリは、ハウジング612内の回路基板に接続するために第2の通信ポートに取り外し可能に挿入された取り外し可能なドングル(すなわち、外部通信デバイス)が、ワイヤレスモジュールに提供される場合を除いて、
図27のワイヤレスセンサアセンブリと構造的に似ている。同様な第2の通信ポートもまた、ワイヤーハーネス622に接続するように構成されている。それゆえ、ワイヤレスセンサアセンブリは、第2の通信ポートに挿入可能なワイヤーハーネス622を使用することによって、または第2の通信ポートに挿入可能である取り外し可能なドングルで提供されるワイヤレスモジュールを使用することによって、センサ614から外部デバイスに生のデータを送信できるハイブリッドモジュラーセンサアセンブリである。取り外し可能なドングルは、第2の通信ポートを稼動させるための4ピン通信インタフェース642を含んでいてもよい。
【0092】
本開示は、例として説明および図示された形態に限定されないことに留意されたい。多種多様な修正が記載されており、それらは当業者の知識の一部である。本開示及び本特許の保護の範囲を逸脱することなく、これら及び、更なる修正並びに技術的同等物による置換を説明および図に追加することができる。
以下に、本出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
第1の開口部と、第2の開口部とを画定するハウジングと、
前記第1の開口部に提供され、外部センサと通信可能に結合するように構成された第1の通信ポートと、
前記第2の開口部に提供され、外部通信デバイスに物理的に接続するように構成された第2の通信ポートと、
前記ハウジングに配設されたワイヤレス電源と、
前記ワイヤレス電源から電力を受け取り、前記外部センサからデータを取得するように構成された少なくとも一つの電子機器と、を具備し、
前記少なくとも一つの電子機器は、ワイヤレス通信リンクを形成するように動作するワイヤレスモジュールを含み、前記少なくとも一つの電子機器は、前記第2の通信ポートおよび前記ワイヤレスモジュールの少なくとも一方によって、外部演算デバイスに前記取得されたデータを送信するように構成される、ワイヤレスセンサアセンブリ。
[2]
前記ワイヤレスモジュールは、前記ハウジング内に配設される、[1]のワイヤレスセンサアセンブリ。
[3]
前記外部通信デバイスが前記第2の通信ポートに接続し、前記少なくとも一つの電子機器は、前記第2の通信ポートおよび前記ワイヤレスモジュールの少なくとも一方によって、前記取得されたデータを送信するように構成された、[2]のワイヤレスセンサアセンブリ。
[4]
前記第2の通信ポートは、ワイヤーハーネス、および取り外し可能なドングルの少なくとも一つと接続するように構成され、前記ワイヤーハーネスは、前記外部演算デバイスと接続するように作動し、前記取り外し可能なドングルは、前記外部演算デバイスとワイヤレス通信リンクを形成するように作動する、[1]のワイヤレスセンサアセンブリ。
[5]
前記取り外し可能なドングルは、前記ワイヤレスモジュールとして提供される、[4]のワイヤレスセンサアセンブリ。
[6]
前記第2の通信ポートは、前記外部通信デバイスと接続するように構成された複数のピンを含む、[1]のワイヤレスセンサアセンブリ。
[7]
前記ハウジングは、本体と、第1の筒部と、前記本体の縦軸と平行な方向に沿って前記本体から伸びる第2の筒部とを含む、[1]のワイヤレスセンサアセンブリ。
[8]
前記第1の筒部および前記第2の筒部は、前記本体の対向する端から伸び、前記本体の縦軸からずれる、[7]のワイヤレスセンサアセンブリ。
[9]
前記少なくとも一つの電子機器は、前記ワイヤレス電源によって排他的に電力を供給される、[1]のワイヤレスセンサアセンブリ。
[10]
前記ワイヤレス電源は、自己給電デバイス、熱電デバイス、またはバッテリーの中から選択される、[9]のワイヤレスセンサアセンブリ。
[11]
前記自己給電デバイスは、カンチレバー型のボードおよび前記カンチレバー型のボードにマウントされた圧電デバイスを含む振動デバイスである、[10]のワイヤレスセンサアセンブリ。
[12]
前記第2の通信ポートは、USB(登録商標)、USB-C(登録商標)、イーサネット(登録商標)、CAN(登録商標)、およびAspiratedTIP/Ethernetの少なくとも1つであるコネクタを含む、[1]のワイヤレスセンサアセンブリ。
[13]
前記ワイヤレスモジュールは、Bluetooth(登録商標)モジュール、WiFi(登録商標)モジュール、またはLiFiモジュールの少なくとも1つであるワイヤレス通信コンポーネントを含む、[1]のワイヤレスセンサアセンブリ。
[14]
前記少なくとも一つの電子機器は、マイクロプロセッサを含み、前記マイクロプロセッサは、前記ワイヤレスモジュールからのデータ送信レートを管理するように構成されたファームウェアを含む、[1]のワイヤレスセンサアセンブリ。
[15]
前記ワイヤレス電源は、バッテリーであり、前記ファームウェアは、バッテリー寿命の関数として前記ワイヤレスモジュールからのデータ送信レートを制御するように構成されたファームウェアである、[14]のワイヤレスセンサアセンブリ。