(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】触媒化ガソリン微粒子フィルタ
(51)【国際特許分類】
B01J 23/63 20060101AFI20240813BHJP
B01D 53/94 20060101ALI20240813BHJP
B01J 27/053 20060101ALI20240813BHJP
F01N 3/035 20060101ALI20240813BHJP
F01N 3/10 20060101ALI20240813BHJP
F01N 3/24 20060101ALI20240813BHJP
F01N 3/28 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
B01J23/63 A ZAB
B01D53/94 150
B01D53/94 222
B01D53/94 241
B01D53/94 245
B01D53/94 280
B01J27/053 A
F01N3/035 A
F01N3/10 A
F01N3/24 E
F01N3/28 301A
(21)【出願番号】P 2021563009
(86)(22)【出願日】2020-04-20
(86)【国際出願番号】 US2020028937
(87)【国際公開番号】W WO2020219376
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2023-04-19
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/083641
(32)【優先日】2019-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】505470786
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(74)【代理人】
【識別番号】100185915
【氏名又は名称】長山 弘典
(72)【発明者】
【氏名】チー,ユン フェイ
(72)【発明者】
【氏名】チヤン,チュン ツォン
(72)【発明者】
【氏名】シアニ,アッティリオ
(72)【発明者】
【氏名】タン,ウェイヨン
【審査官】森坂 英昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-217646(JP,A)
【文献】特表2013-500857(JP,A)
【文献】特表2014-519404(JP,A)
【文献】特表2013-534463(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00 - 38/74
B01D 53/94
F01N 3/00 - 3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1) ガソリン微粒子フィルタ(GPF)と、
(2) 前記GPF表面の入口側、出口側、又は両側の上又は中に被覆された主触媒層であって、第1の組成物を含み、前記第1の組成物が、第1の支持体材料及び第1の白金族金属(PGM)を含む、前記主触媒層と、
(3) 前記GPF表面の入口側、出口側、又は両側の上又は中に置かれた副次的な機能性材料層であって、第2の組成物を含む、前記副次的
な機能性材料層と
を含み、
(4) 前記主触媒層が、前記副次的な機能性材料層よりも高い担持量を有し、
(5) 前記副次的な機能性材料層が前記主触媒層の上に置かれ、又は前記主な触媒材料層が前記副次的な機能性
材料層の上に置かれて
おり、
そして
前記第2の組成物が有する、1000℃の空気中で4時間か焼した後の比BET表面積が、77K窒素収着評価により、5~200m
2
・g
-1
の範囲、好ましくは7~100m
2
・g
-1
の範囲、及びより好ましくは10~70m
2
・g
-1
の範囲である、ガソリンエンジンからの排気ガス用の触媒化微粒子フィルタ。
【請求項2】
前記第2の組成物が、第2の支持体材料及び第2の白金族金属を含む、請求項1に記載の触媒化微粒子フィルタ。
【請求項3】
前記第1及び第2の支持体材料が、アルミナ、ジルコニア、セリア、シリカ、チタニア、セリア以外の希土類金属酸化物、及びこれらの混合物からなる群から独立して選択される、請求項2に記載の触媒化微粒子フィルタ。
【請求項4】
前記第1及び第2のPGMが、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、及びこれらの混合物からなる群から独立して選択される、請求項2又は3に記載の触媒化微粒子フィルタ。
【請求項5】
前記第2のPGMが、Pt、又はPt及びPdであり、前記第2のPGMが、触媒的に有効な量で存在して、排気ガス中のNO
x、CO及び炭化水素をN
2、CO
2及びH
2Oに変換し、且つガソリン微粒子フィルタに捕捉された粒子状物質の酸化を引き起こす、請求項4に記載の触媒化微粒子フィルタ。
【請求項6】
前記第1のPGMがRh、又はRh及びPdであり、前記第1のPGMが、触媒的に有効な量で存在して、排気ガス中のNO
x、CO及び炭化水素をN
2、CO
2及びH
2Oに変換する、請求項4又は5に記載の触媒化微粒子フィルタ。
【請求項7】
前記第2の組成物が、セリア、ジルコニア、酸化ストロンチウム、炭酸ストロンチウム、硫酸ストロンチウム、酸化バリウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、酸化マンガンのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の触媒化微粒子フィルタ。
【請求項8】
前記第2の組成物が、アルミナ、水和アルミナ、又はドープしたアルミナをさらに含み、ドーパントが、セリア、ジルコニア、酸化ストロンチウム、炭酸ストロンチウム、硫酸ストロンチウム、酸化バリウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、酸化マンガンのうちの少なくとも1つである、請求項
1に記載の触媒化微粒子フィルタ。
【請求項9】
前記第2の組成物が、酢酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、マレイン酸、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、セルロース、ヒドロキシルエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、デンプン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ(オキシエチレン)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、ポリカーボネート、及びポリウレタンからなる群のうちの1つ以上から選択される有機材料をさらに含む、請求項1から
8のいずれか1項に記載の触媒化微粒子フィルタ。
【請求項10】
前記主触媒層が、10~170g/L、好ましくは25~150g/L、より好ましくは45~120g/Lの範囲のウォッシュコート担持量を有する、請求項1から
9のいずれか1項に記載の触媒化微粒子フィルタ。
【請求項11】
前記副次的な機能性材料層が、1~15g/L、好ましくは1.5~12g/L、より好ましくは2~10g/Lの範囲の担持量を有する、請求項1から
10のいずれか1項に記載の触媒化微粒子フィルタ。
【請求項12】
前記副次的な機能性材料層が微粒子の形態で担持される、好ましくは気相担体を介して微粒子の形態で担持される、請求項1から
11のいずれか1項に記載の触媒化微粒子フィルタ。
【請求項13】
前記第2
の組成物の微粒子が、1~50μm、好ましくは2~25μmのD
90、及びより好ましくは3~20μmのD
90を有する、請求項
12に記載の触媒化微粒子フィルタ。
【請求項14】
(1) 請求項1から
13のいずれか1項に記載の微粒子フィルタを提供する工程と、
(2) 前記エンジンからの前記排気ガスを前記微粒子フィルタに通す工程と
を含む、ガソリンエンジンからの排気ガスを処理するための方法。
【請求項15】
前記排気ガスが、未燃焼の炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物、及び粒子状物質を含む、請求項
14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガソリンエンジンからの排気ガス処理のための触媒化微粒子フィルタに関するものである。触媒化微粒子フィルタは、効率的なフィルタと併せて、改善された触媒効率を提供する。
【背景技術】
【0002】
ガソリンエンジンの微粒子排出は、ユーロ6(2014年)基準を含む規制の対象となっている。開発されてきたガソリン直噴(GDI)エンジンの中には、微粒子の形成を生じる運転条件のものがある。ガソリンエンジンの後処理システムは、粒子状物質の基準を達成する必要がある。ディーゼルの希薄燃焼エンジンから発生する微粒子とは対照的に、GDIエンジンなどのガソリンエンジンから発生する微粒子は、より微細であり、且つより量が少ない傾向がある。これは、ディーゼルエンジンの燃焼条件が、ガソリンエンジンとは異なるためである。例えば、ガソリンエンジンはディーゼルエンジンよりも高い温度で動作する。また、ガソリンエンジンの排出物中の炭化水素成分も、ディーゼルエンジンとは異なる。
【0003】
未燃焼の炭化水素、一酸化炭素及び窒素酸化物の汚染物質の排出は、引き続き規制されている。よって内燃機関の排気ガスラインには、三元触媒(TWC)を含有する触媒コンバーターが位置している。この触媒は、排気ガス中の酸素による未燃焼の炭化水素及び一酸化炭素の酸化、並びに窒素酸化物の窒素への還元を促進する。
【0004】
触媒活性を有する微粒子フィルタは、米国特許第8,066,963号で提供されている。US8066963の微粒子フィルタは、フィルタ本体と、2つの層からなる触媒活性を有するコーティングとを含む。層は、第2の層が流入ガスと直接接触し、排気ガス側で第1の層を完全に覆うように配置されている。両層ともアルミナを含有する。第1の層はパラジウムを含有する。第2の層はロジウムを含有する。
【0005】
粒子トラップ上又は粒子トラップ内に被覆されたTWC触媒を含む触媒化粒子トラップが、米国特許第8,173,087号で提供されている。TWC触媒は、フィルタの入口側、出口側、又はその両方に被覆することができる。US8173087は、GDIガソリンエンジンからの粒子の一部が、フィルタが新鮮なときにフィルタ壁を通って流れることによって、フィルタに捕捉されるのを回避することができ、そして初期の濾過効率の問題に対処するために、触媒ウォッシュコートの薄い層をフィルタ壁上に被覆できることを特定している。
【0006】
米国特許第8,815,189号では、微粒子フィルタを有するガソリンエンジンの排出物処理システムが提供されている。US8815189の三元変換(TWC)触媒又は酸化触媒は、微粒子フィルタ上及び微粒子フィルタ中に被覆されており、この微粒子フィルタは、その非被覆多孔度と実質的に同じである被覆多孔度を有する。
【0007】
ガソリンエンジンは、典型的には、燃料リッチと燃料リーンの空燃比(A/F比)の間で振動する又は摂動する化学量論的な反応条件付近で運転される(A/F=14.7又はラムダ=1)。本明細書における「化学量論的」の使用は、化学量論値に近いA/F比の振動又は摂動を考慮した、ガソリンエンジンの条件を指す。当該技術分野でよく知られているように、化学量論的な予混合したガソリン/空気で運転する場合、PMレベルは非燃料レベルと同程度であり、よって予混合した化学量論的混合物の燃焼は、粒子をあまり生成しない。燃料リッチである予混合したガソリン/空気の場合、ラムダが0.7~0.8未満になると、PMが劇的に増加する。
【0008】
2016年12月23日に、中華人民共和国の環境保護部(MEP)は、軽車両からの排出に対する中国6制限及び測定方法の最終法規(GB18352.6-2016;以下、中国6とも称する)を発表した。これは中国5の排出基準よりもはるかに厳しい。特に中国6bでは、THC及びCOの排出を中国5レベルから50%削減すると共に、NOxを42%削減することを目標としている。さらに、中国6bは、亜酸化窒素(N2O)及び粒子状物質(PM)の制限を組み込んでおり、オンボード診断(OBD)要件を採用している。さらに、試験は世界統一試験サイクル(World Harmonized Light-duty Vehicle Test Cycle)(WLTC)で行うものと定められている。WLTCは多くの急加速及び長時間の高速要求を含み、高出力が要求され、これはリッチ条件下(ラムダ<1)又は深いリッチ条件下(ラムダ<0.8)で長時間(例えば5秒超)「オープンループ」状態(燃料パドルを最後まで押し込まなければならない)を引き起こす可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許第8,066,963号
【文献】米国特許第8,173,087号
【文献】米国特許第8,815,189号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、基準が厳しくなるにつれ、粒子状物質排出を満たしながら、規制されているHC、NOx、及びCOの変換を達成できるように、効率的なフィルタと併せて、改善された触媒効率をもたらす触媒化フィルタを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
概要
本発明は、ガソリンエンジンからの排気ガス用の触媒化微粒子フィルタに関するものである。触媒化微粒子フィルタは、効率的なフィルタと併せて、改善された触媒効率を提供する。
【0012】
態様は、ガソリンエンジンからの排気ガス用の触媒化微粒子フィルタを含み、このフィルタは、ガソリン微粒子フィルタ(GPF)と、GPF表面の入口側、出口側、又は両側の上又は中に被覆された主な(major)触媒層であって、第1の組成物を含み、該第1の組成物が、第1の水熱的に安定である支持体材料及び第1の白金族金属(PGM)を含む、主触媒層と、GPF表面の入口側、出口側、又は両側の上又は中に置かれた副次的な(minor)機能性材料層であって、第2の組成物を含む、副次的な機能性材料層とを含む。
【0013】
他の態様は、微粒子フィルタを提供することと、エンジンからの排気ガスを微粒子フィルタに通すこととを含む、ガソリンエンジンからの排気ガスを処理するための方法が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の実施態様による触媒化ガソリン微粒子フィルタ及び先行技術の微粒子フィルタの、新鮮な状態における気相汚染物質排出のプロットを示す。
【
図2】
図2は、本発明の実施態様による触媒化ガソリン微粒子フィルタ及び先行技術の微粒子フィルタの、濾過効率のプロットを示す。
【
図3】
図3は、本発明の実施態様による触媒化ガソリン微粒子フィルタの、新鮮な状態における気相汚染物質排出のプロットを示す。
【
図4】
図4は、本発明の実施態様による触媒化ガソリン微粒子フィルタの、濾過効率のプロットを示す。
【
図5】
図5は、本発明の実施態様による触媒化ガソリン微粒子フィルタ及び先行技術の微粒子フィルタの、濾過効率のプロットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明のいくつかの例示的な実施態様を記載する前に、本発明は、以下の記載に示される構造又はプロセス工程の詳細に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施態様が可能であり、且つ様々な方法で実施する又は行うことができる。
【0016】
本明細書で使用される用語に関して、以下の定義が提供される。
【0017】
特許請求の範囲を含む本明細書全体を通して、「1つを含む」又は「含む」という用語は、特に指定しない限り、「少なくとも1つを含む」という用語と同義であると理解すべきであり、「間」又は「~(から)」は限界値を含むものと理解すべきである。
【0018】
「a」、「an」及び「the」という用語は、記事の文法的対象の1つ以上(すなわち、少なくとも1つ)を指すために使用される。
【0019】
「及び/又は」という用語には、「及び」、「又は」、そしてこの用語に関連する要素の他のあらゆる可能な組み合わせの意味が含まれる。
【0020】
すべてのパーセンテージ及び比は、特に明記されていない限り、質量で言及される。
【0021】
ガソリンと併せて使用するのに好適である典型的な触媒化微粒子フィルタには、ガソリン微粒子フィルタ(GPF)と、炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物、及び微粒子を含む排気流の処理のために、GPF表面の入口側、出口側、又は両側の上又は中に被覆されたTWC触媒とが含まれる。我々は驚くべきことに、GPF表面の上又は中に被覆された主触媒層の他に、GPF表面の上又は中に副次的な機能性材料層を粒子の形態で配置することによって、背圧を過度に増加させることなく、効率的なフィルタと併せて著しく改善された触媒効率が提供されることを発見した。
【0022】
よって、本発明の一態様によれば、ガソリンエンジンからの排気ガス用の触媒化微粒子フィルタが提供され、このフィルタは、
(1) ガソリン微粒子フィルタ(GPF)と、
(2) GPF表面の入口側、出口側、又は両側の上又は中に被覆された主触媒層であって、第1の組成物を含み、該第1の組成物が、第1の支持体材料及び第1の白金族金属(PGM)を含む、主触媒層と、
(3) GPF表面の入口側、出口側、又は両側の上又は中に置かれた副次的な機能性材料層であって、第2の組成物を含む、副次的触媒層と
を含み、
(4) 主触媒層が、副次的な機能性材料層よりも高い担持量を有し、
(5) 副次的な機能性材料層が主触媒層の上に置かれ、又は主な触媒材料層が副次的な機能性層の上に置かれている。
【0023】
触媒ウォッシュコート層の「支持体」とは、貴金属、安定剤、促進剤、結合剤などを、会合、分散、含浸、又は他の好適な方法によって受ける材料を指す。支持体の例には、高表面積の耐火性金属酸化物、及び酸素貯蔵成分を含有する複合体などが含まれるが、これらに限定されない。高表面積の耐火性金属酸化物支持体とは、20Åより大きな細孔及び広い細孔分布を有する支持体粒子を指す。高表面積耐火性金属酸化物支持体、例えば「ガンマアルミナ」又は「活性化アルミナ」とも呼ばれるアルミナ支持体材料は、典型的には、1グラム当たり60平方メートル(「m2/g」)を超える、しばしば最大で約200m2/g又はそれ以上の新鮮なBET表面積を示す。このような活性アルミナは通常、アルミナのガンマ相とデルタ相の混合物であるが、相当量のイータ、カッパ、シータのアルミナ相を含有してもよい。活性アルミナ以外の耐火性金属酸化物を、所与の触媒における触媒成分の少なくとも一部のための支持体として使用することができる。例えば、アルファアルミナ、バルクセリア、ジルコニア、シリカ、チタニア、セリア以外の希土類金属酸化物、及び他の材料が、そのような使用に知られている。
【0024】
1つ以上の実施態様において、支持体材料の粒子径分布は、500nm~50μmの範囲にある。前記支持体材料のBET表面積は、77K窒素収着評価により、新鮮な状態で30~200m2/g、及び1000℃の空気中で4時間か焼した後で15~150m2/gの範囲にある。
【0025】
「BET表面積」は、N2吸着による表面積を決定するためのBrunauer-Emmett-Teller法を参照する通常の意味を有する。
【0026】
1つ以上の実施態様には、アルミナ、アルミナ-ジルコニア、アルミナ-セリア-ジルコニア、ランタナ-アルミナ、ランタナ-ジルコニア-アルミナ、バリア-アルミナ、バリアランタナ-アルミナ、バリアランタナ-ネオジミア-アルミナ、及びアルミナ-セリアからなる群から選択される活性化された化合物を含む高表面積の耐火性金属酸化物支持体が含まれる。酸素貯蔵成分を含有する複合体の例には、セリア-ジルコニア、セリア-ジルコニア-ランタナが含まれるが、これらに限定されない。「セリア-ジルコニア複合体」とは、セリア及びジルコニアを含む複合体を意味し、いずれかの成分の量を特定するものではない。好適なセリア-ジルコニア複合体には、例えば、5パーセント、10パーセント、15パーセント、20パーセント、25パーセント、30パーセント、35パーセント、40パーセント、45パーセント、50パーセント、55パーセント、60パーセント、65パーセント、70パーセント、75パーセント、80パーセント、85パーセント、90パーセント、又はなお95パーセントのセリア含有量を有する複合体が含まれるが、これらに限定されない。特定の実施態様では、支持体が、100パーセントの名目セリア含有量(すなわち、99パーセントを超える純度)を有するバルクセリアを含むことが提供される。
【0027】
酸素貯蔵成分(OSC)とは、多価状態を有し、酸化条件下で酸素又は亜酸化窒素などの酸化剤と積極的に反応することができる、又は還元条件下で一酸化炭素(CO)又は水素などの還元剤と反応する実体を指す。好適な酸素貯蔵成分の例には、セリアが含まれる。プラセオジミアもOSCとして含めることができる。ウォッシュコート層へのOSCの送達は、例えば、混合酸化物の使用によって達成することができる。例えば、セリアは、セリウムとジルコニウムとの混合酸化物、及び/又はセリウムとジルコニウムとネオジムとの混合酸化物によって、送達することができる。例えば、プラセオジミアは、プラセオジムとジルコニウムとの混合酸化物、及び/又はプラセオジムとセリウムとランタンとイットリウムとジルコニウムとネオジムとの混合酸化物によって、送達することができる。
【0028】
「PGM」とは白金族金属を意味し、「Pt」は白金を指す一方で、「Pd」はパラジウムを指し、そして「Rh」はロジウムを指す。これら用語は、これらのPGMの金属の形態だけでなく、排出物削減に対して触媒活性を有する任意の金属酸化物の形態も包含することを理解されたい。金属の形態と触媒活性を有する金属酸化物形態との組み合わせも本発明では考えられる。
【0029】
「ガソリン微粒子フィルタ」とは、直噴ガソリンエンジンにおける燃焼反応によって生成された微粒子を捕捉するようにサイズ化及び構成されたフィルタを意味する。微粒子の捕捉は、例えば、微粒子(又は煤)フィルタの使用、微粒子の流れる方向の変化によって微粒子を排気流から落とすような内部の蛇行した経路を有するフロースルー基材の使用、波形金属担体などの金属基材の使用、又は当業者に既知の他の方法によって、行うことができる。他の濾過装置が適している場合もあり、例えば、排気流から微粒子を叩き出すことができる粗面化された表面を有するパイプなどが挙げられる。また、屈曲のあるパイプも適している場合がある。
【0030】
例示的な微粒子フィルタは、ウォールフローフィルタ基材である。触媒組成物を支持するのに有用なウォールフロー基材は、基材の長手方向の軸に沿って延びる複数の微細で実質的に平行なガス流通路を有する。通常、各通路は基材本体の一端で塞がれており、交互の通路は反対側の端面で塞がれている。このようなモノリシック担体は、断面1平方インチ当たり最大で約300個の流路(又は「セル」)を含有してよいが、はるかに少ない数も使用してよい。例えば、担体は1平方インチ当たり約7~300個、より通常では約200~300個のセルを有してよい(「cpsi」)。セルは、長方形、正方形、円形、楕円形、三角形、六角形、又はその他の多角形の断面を有する。ウォールフロー基材は、典型的には、0.008インチから0.016インチの間の壁厚を有する。特定のウォールフロー基材は、0.010から0.012インチの間の壁厚を有する。
【0031】
商業的に使用されている典型的なウォールフローフィルタは、本発明で利用するウォールフローフィルタよりも低い壁の多孔度、例えば約42パーセント~65パーセントで形成されている。一般に、市販のウォールフローフィルタの細孔径分布は、典型的には非常に広く、平均細孔径は25ミクロンより小さい。
【0032】
本発明で使用される多孔質ウォールフローフィルタは、要素の壁がその上に1つ以上の触媒材料を有する、又はその中に1つ以上の触媒材料を含有するように、触媒化される。触媒材料は、要素の壁の入口側のみ、出口側のみ、入口側と出口側の両方に存在してよく、又は壁自体が触媒材料の全部又は一部からなっていてもよい。本発明には、触媒材料の1つ以上のウォッシュコート、及び触媒材料の1つ以上のウォッシュコートの組み合わせを、要素の入口壁及び/又は出口壁に使用することが含まれる。
【0033】
金属基材に関して、有用な基材は、1つ以上の金属又は金属合金から構成されてもよい。金属担体は、波形シート又はモノリシック形態などの様々な形状で使用してよい。特定の金属支持体には、耐熱金属と、チタン及びステンレス鋼などの金属合金、並びに鉄が実質的又は主要な成分である他の合金が含まれる。そのような合金は、ニッケル、クロム及び/又はアルミニウムの1つ以上を含有してよく、これら金属の総量は、少なくとも15質量パーセントの合金、例えば、10~25質量パーセントのクロム、3~8質量パーセントのアルミニウム及び最大で20質量パーセントまでのニッケルを、有利に含んでよい。合金は、少量又は微量の1つ以上の他の金属、例えばマンガン、銅、バナジウム、チタンなどを含有してもよい。金属担体の表面は、担体の表面上に酸化物層を形成することによって合金の耐食性を改善するために、高温、例えばセ氏1000度以上で酸化してよい。このような高温誘起酸化は触媒材料の担体への付着を促進する。
【0034】
1つ以上の実施態様において、第2の組成物は、第2の支持体材料及び第2の白金族金属を含む。具体的な実施態様において、第1及び第2の支持体材料は、アルミナ、ジルコニア、セリア、シリカ、チタニア、セリア以外の希土類金属酸化物、及びこれらの混合物からなる群から独立して選択される。具体的な実施態様において、第1及び第2のPGMは、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、及びこれらの混合物からなる群から独立して選択される。
【0035】
本明細書で使用する用語、「混合物」又は「組み合わせ」とは、任意の物理的又は化学的な形態の組み合わせ、例えばブレンド、溶液、懸濁液、合金、複合体などを指すが、これらに限定されない。
【0036】
より具体的な実施態様において、第2の組成物は第1の組成物と同じである。他のより具体的な実施態様において、第2の組成物は第1の組成物とは異なる。
【0037】
1つ以上の実施態様において、第2のPGMは、Pt、又はPt及びPdであり、第2のPGMは、触媒的に有効な量で存在して、排気ガス中のNOx、CO及び炭化水素をN2、CO2及びH2Oに変換し、且つガソリン微粒子フィルタに捕捉された粒子状物質の酸化を引き起こす。具体的な実施態様において、第2の組成物中のPtの粒子径は、2~20nm、好ましくは2~10nm、より好ましくは5~7nmである。具体的な実施態様において、第2の組成物は、第2の組成物のか焼質量に基づいて、約50質量%~約99.9質量%(約60質量%~約99.8質量%を含み、約70質量%~約99.6質量%を含む)の支持体材料を含んでよい。
【0038】
1つ以上の実施態様において、第1のPGMは、Rh、又はRh及びPdであり、第1のPGMは、触媒的に有効な量で存在して、排気ガス中のNOx、CO及び炭化水素をN2、CO2及びH2Oに変換する。具体的な実施態様において、第1の組成物は、第1の組成物のか焼質量に基づいて、約50質量%~約99.9質量%(約60質量%~約99.8質量%を含み、約70質量%~約99.6質量%を含む)の支持体材料を含んでいてよい。
【0039】
1つ以上の実施態様において、第2の組成物は、セリア、ジルコニア、酸化ストロンチウム、炭酸ストロンチウム、硫酸ストロンチウム、酸化バリウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、酸化マンガンのうちの少なくとも1つを含む。具体的な実施態様において、第2の組成物が有する比BET表面積は、77K窒素収着評価により、1000℃の空気中で4時間か焼した後、5~200m2・g-1の範囲、好ましくは7~100m2・g-1の範囲、及びより好ましくは10~70m2・g-1の範囲である。具体的な実施態様において、第2の組成物は、アルミナ、水和アルミナ、又はドープしたアルミナをさらに含み、ドーパントは、セリア、ジルコニア、酸化ストロンチウム、炭酸ストロンチウム、硫酸ストロンチウム、酸化バリウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、及び酸化マンガンのうちの少なくとも1つである。
【0040】
1つ以上の実施態様において、第2の組成物は、少なくとも1つの有機材料、例えば酢酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、マレイン酸、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、セルロース、ヒドロキシルエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、デンプン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ(オキシエチレン)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、ポリカーボネート、又はポリウレタンを含む。
【0041】
主触媒層は、単一の層又は複数の層で形成されてよい。いくつかの例では、触媒材料の1つのスラリーを調製し、このスラリーを使用して担体上に複数の層を形成することが好適である。触媒層は、従来技術でよく知られているプロセスによって容易に調製することができる。代表的なプロセスを以下に示す。本明細書で使用する用語「ウォッシュコート」とは、技術分野における通常の意味を有し、基材担体材料(例えば、十分に多孔質であるので処理されるガス流がそこを通過できるハニカム型担体部材)に施与された、触媒材料又は他の材料の薄い付着性コーティングをいう。従って、「ウォッシュコート層」とは、支持体粒子で構成されたコーティングと定義される。「触媒化ウォッシュコート層」とは、触媒組成物を含浸させた支持体粒子で構成されたコーティングである。
【0042】
主触媒層は、担体上の層で容易に調製することができる。特定のウォッシュコートの第1の層のために、ガンマアルミナなどの高表面積の耐火性金属酸化物の微細に分割された粒子を、適切な溶媒、例えば水に分散させて、スラリーを形成する。貴金属(例えば、パラジウム、ロジウム、白金、及び/又はこれらの組み合わせ)、安定剤、及び/又は促進剤などの成分を組み込むために、このような成分は、水溶性又は水分散性の化合物又は錯体の混合物としてスラリー中に組み込んでよい。典型的には、パラジウムが所望される場合、耐火性金属酸化物支持体上の成分の分散を達成するために、パラジウム成分は化合物又は錯体の形態で利用される。用語「パラジウム成分」とは、か焼又は使用の際に分解するか、或いは触媒活性を有する形態(通常は金属又は金属酸化物)に変換する任意の化合物、錯体を意味する。耐火性金属酸化物支持体粒子に金属成分を含浸又は堆積させるために用いる液体媒体が、金属、又はその化合物、又はその錯体、又は触媒組成物中に存在し得る他の成分と不利に反応せず、且つ加熱及び/又は真空の適用により揮発又は分解して金属成分から除去することができるのであれば、金属成分の水溶性化合物、又は水分散性化合物、又は錯体を使用することができる。いくつかの場合では、触媒が使用されて運転中に遭遇する高温にさらされるまで、液体の除去が完了しないこともある。一般的には、経済性及び環境性の両方の観点から、貴金属の可溶性化合物又は錯体の水溶液が利用される。例えば、硝酸パラジウム又は硝酸ロジウムが、好適な化合物である。
【0043】
本発明の層状の主触媒層の任意の層を調製する好適な方法は、所望の貴金属化合物(例えばパラジウム化合物)の溶液と、少なくとも1つの支持体、例えば微細に分割された高表面積の耐火性金属酸化物支持体などとの混合物を調製することであり、この混合物は、十分に乾燥しており、溶液の実質的にすべてを吸収して湿潤固体を形成し、この湿潤固体は、後に水と結合して被覆可能なスラリーを形成する。1つ以上の実施態様において、スラリーは酸性であり、例えば、約2~約7未満のpHを有する。スラリーのpHは、適切な量の無機酸又は有機酸をスラリーに加えることによって低下させてよい。酸と原材料との親和性を考慮すると、両者を組み合わせて使用することもできる。無機酸として硝酸が含まれるが、これに限定されない。有機酸には、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタミン酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、酒石酸、クエン酸などが含まれるが、これらに限定されない。その後、所望により、酸素貯蔵成分の水溶性又は水分散性の化合物、例えばセリウム-ジルコニウム複合体、安定剤、例えば酢酸バリウム、及び促進剤、例えば硝酸ランタンをスラリーに加えてもよい。
【0044】
1つ以上の実施態様において、主触媒層は、10~170g/L、好ましくは25~150g/L、より好ましくは45~120g/Lの範囲のウォッシュコート担持量を有する。
【0045】
1つ以上の実施態様において、副次的な機能性材料層は、1~15g/L、好ましくは1.5~12g/L、より好ましくは2~10g/Lの範囲の担持量を有する。
【0046】
1つ以上の実施態様において、副次的な機能性材料は、微粒子の形態で担持されてよい。他の実施態様において、副次的な機能性材料は、液状の懸濁液の形態で担持されてよい。
【0047】
好ましい実施態様において、副次的な機能性材料は、気相担体を介して微粒子の形態で、すなわち、いかなる液状の担体も使用せずに「乾式担持」される。このような乾式担持により、フィルタ内の副次的な機能性材料の分布は、使用中に微粒子フィルタに担持されるようになる非副次的な機能性材料の分布をより忠実に模倣する結果となる。「乾式担持」された副次的な機能性材料層を施与した触媒化ガソリン微粒子フィルタは、3つのカテゴリーのすべての汚染物質、特にHC及びCOの変換の大幅な改善を示した。驚くべきことに、「乾燥担持」された副次的な機能性材料層を施与した触媒化ガソリン微粒子フィルタでは、煤の燃焼が改善されることが見出された。
【0048】
担持されれば、副次的な機能性材料は、充填床の形態をとってもよい。例えば、微粒子フィルタがウォールフローフィルタである場合、副次的な機能性材料は、入口側で開いた複数のチャネルの壁に対して充填床を形成してもよい。充填床は、入口側で開いたチャネル内で、チャネルを閉じるシーラント材料に対して、すなわち入口チャネルの出口端に向かって、形成されてもよい。充填床は、典型的には多孔質であり、典型的にはガス透過性であり、細孔は、ガソリン排気中の粒子状物質、例えば煤を捕捉する大きさである。充填床の細孔は、微粒子フィルタの多孔質基材の細孔よりも、典型的には小さい。代わりに、又は加えて、充填床は、多孔質基材の壁よりも多孔質であってもよい(すなわち、長い経路長を提供することによって高レベルの濾過を提供してもよい)。充填床は、入口側で開いた複数のチャネルの壁に沿って延びていてもよい。充填床は、層又は膜、例えば、連続した層又は膜の形態をとってもよい。充填床は、複数のチャネルの壁の全長に沿って延びていてよく、又は壁の長さの一部のみに沿って延びていてもよい。充填床である代わりに、副次的な機能性材料は、多孔質コーティングの形態であってもよく、例えばウォッシュコートスラリーとして施与された(すなわち、ウォッシュコートスラリーに由来する)コーティングであってもよい。多孔質コーティングは、上述した充填床と同様にウォールフローフィルタに配置されてもよい。
【0049】
1つ以上の実施態様によるさらなる重要な利点は、D90を低減することにより、さらに高い新鮮濾過効率(FFE)の達成が可能なことである。いくつかの実施態様において、第2の機能性材料組成物の微粒子は、1~50μm、好ましくは2~25μmのD90、そしてより好ましくは3~20μmのD90を有する。
【0050】
「D90」は通常の意味を有し、累積粒子径分布において、小さい粒径側からの累積質量が90%に達した時点を指す。D90は、それぞれ粒子径分布を測定して決定した値である。粒子径分布は、レーザー回折式粒子径分布分析器を用いて測定する。
【0051】
他の態様には、先の実施態様による微粒子フィルタを提供することと、エンジンからの排気ガスを微粒子フィルタに通すこととを含む、ガソリンエンジンからの排気ガスを処理するための方法が含まれる。排気ガスは、未燃焼の炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物、及び粒子状物質を含む。
【実施例】
【0052】
本発明は、以下の実施例によってより完全に説明されるが、これは本発明を説明するために記載されるものであり、その限定として解釈されるものではない。特に明記しない限り、あらゆる部及びパーセンテージは質量によるものであり、あらゆる質量パーセントは、水含有量を除くことを意味する乾燥ベースで表す。各例において、担体はコージエライトであった。
【0053】
実施例1-比較例
触媒材料を有するガソリン微粒子フィルタを、入口側からの被覆と出口側からの被覆との二重被覆を用いて調製した。先行技術の触媒複合体は、ガソリン微粒子フィルタに被覆して、フィルタに捕捉された粒子状物質を低温で酸化し、窒素酸化物、一酸化炭素、及び炭化水素を低減するためのものであり、この複合体は白金、パラジウム、及びロジウムを含有し、貴金属の合計担持量は16.5g/ft3、そしてPt/Pd/Rhの比率は5/6.5/5であった。基材は、体積が2.0L(122in3)、セル密度が1平方インチ当たり300セル、壁厚が約200μm、多孔度が63%、そして水銀圧入測定による平均細孔径が19μmであった。この被覆は次のようにして調製した。
【0054】
出口側から施与した成分は、高表面積のガンマアルミナ、酸素貯蔵成分としてのセリアが40質量%のセリア-ジルコニア複合体、パラジウム、ロジウム、酸化バリウム及び酸化ジルコニアであって、濃度は触媒のか焼質量に基づいて、それぞれ約24.3%、69.2%、0.3%、0.3%、4.5%及び1.4%であった。酸化バリウムは水酸化物溶液として導入した。酸化ジルコニウムは硝酸塩溶液として導入した。被覆の合計担持量は1.01g/in3であった。
【0055】
硝酸ロジウム溶液の形態のロジウムを、プラネタリーミキサー(P-mixer)によって高表面積のガンマアルミナ及びセリアジルコニア複合体に含浸させ、初期湿潤を達成しながら湿潤粉末を形成した。硝酸パラジウム溶液の形態のパラジウムを、プラネタリーミキサー(P-mixer)によって高表面積のガンマアルミナ及びセリアジルコニア複合体に含浸させ、初期湿潤を達成しながら湿潤粉体を形成した。水性スラリーが形成された。バリウム溶液及びジルコニウム溶液を加えた。このスラリーを、粒子径の90%が5ミクロンになるまで粉砕した。次にこのスラリーを、当技術分野で知られている堆積法を用いて、ウォールフローコーディエライトフィルタの出口側に被覆した。被覆後、フィルタと出口被覆を乾燥させ、次に550℃の温度で約1時間か焼して、途中まで被覆された触媒化フィルタを得た。
【0056】
入口側から施与した成分は、セリアが50質量%の高表面積のセリア-アルミナ複合体、白金、パラジウム、高分散性の擬ベーマイトであるDispal(登録商標)アルミナ水和物、及び酸化ジルコニアであって、濃度は触媒のか焼質量に基づいて、それぞれ約94.7%、1.1%、0.3%、2.0%及び2.0%であった。高分散性の擬ベーマイトであるDispal(登録商標)アルミナ水和物を、水性分散体として導入した。酸化ジルコニウムは酢酸溶液として導入した。被覆の合計担持量は0.26g/in3であった。
【0057】
アミン錯体溶液の形態の白金を、プラネタリーミキサー(P-mixer)によって高表面積のセリア-アルミナ複合体に含浸させ、初期湿潤を達成しながら湿潤粉末を形成した。硝酸パラジウム溶液の形態のパラジウムを、プラネタリーミキサー(P-mixer)によって高表面積のセリア-アルミナ複合体に含浸させ、初期湿潤を達成しながら湿潤粉末を形成した。水性スラリーが形成された。Dispal(登録商標)分散体及びジルコニウム溶液を加えた。このスラリーを、粒子径の90%が12ミクロンになるまで粉砕した。次にこのスラリーを、当技術分野で知られている堆積法を用いて、途中まで被覆された触媒化フィルタの入口側に被覆した。被覆後、フィルタと出口被覆と入口被覆を乾燥させ、その後550℃の温度で約1時間か焼した。
【0058】
実施例2
触媒材料を有するガソリン微粒子フィルタを、出口側から被覆された主触媒層と、出口側から被覆された副次的な機能性材料層との二重被覆を用いて調製した。触媒複合体は、白金、パラジウム、及びロジウムを含有し、貴金属の合計担持量は16.5g/ft3、そしてPt/Pd/Rhの比率は5/6.5/5であった。基材は、体積が2.0L(122in3)、セル密度が1平方インチ当たり300セル、壁厚が約200μm、多孔度が63%、そして水銀圧入測定による平均細孔径が19μmであった。この被覆は次のようにして調製した。
【0059】
出口側から施与した主触媒層は、高表面積のガンマアルミナ、酸素貯蔵成分としてのセリアが40質量%のセリア-ジルコニア複合体、パラジウム、ロジウム、酸化バリウム及び酸化ジルコニアであって、濃度は触媒のか焼質量に基づいて、それぞれ約24.3%、69.2%、0.3%、0.3%、4.5%及び1.4%であった。酸化バリウムは水酸化物溶液として導入した。酸化ジルコニウムは硝酸塩溶液として導入した。被覆の合計担持量は1.01g/in3であった。
【0060】
硝酸ロジウム溶液の形態のロジウムを、プラネタリーミキサー(P-mixer)によって高表面積のガンマアルミナ及びセリアジルコニア複合体に含浸させ、初期湿潤を達成しながら湿潤粉末を形成した。硝酸パラジウム溶液の形態のパラジウムを、プラネタリーミキサー(P-mixer)によって高表面積のガンマアルミナ及びセリアジルコニア複合体に含浸させ、初期湿潤を達成しながら湿潤粉体を形成した。水性スラリーが形成された。バリウム溶液及びジルコニウム溶液を加えた。このスラリーを、粒子径の90%が5ミクロンになるまで粉砕した。次にこのスラリーを、当技術分野で知られている堆積法を用いて、ウォールフローコーディエライトフィルタの出口側に被覆した。被覆後、フィルタと出口被覆を乾燥させ、次に550℃の温度で約1時間か焼して、途中まで被覆された触媒化フィルタを得た。
【0061】
入口側から施与した副次的な機能性材料層は、セリアが50質量%の高表面積のセリア-アルミナ複合体、白金及びパラジウムであって、濃度は触媒のか焼質量に基づいて、それぞれ約98.6%、1.1%及び0.3%であった。アミン錯体溶液の形態の白金、続いて硝酸パラジウム溶液の形態のパラジウムを、プラネタリーミキサー(P-mixer)によって高表面積のセリア-アルミナ複合体に含浸させ、初期湿潤を達成しながら湿潤粉末を形成した。この粉末を550℃の温度で約2時間か焼した後、粒子径の90%が5.1ミクロン、50%が2.1ミクロン、及び10%が0.8ミクロンになるまで乾式粉砕し、1000℃の空気中で4時間か焼した後のその比表面積(BETモデル、77K窒素吸着測定)を66m2・g-1とした。粉末形態のPGM含有高表面積セリア-アルミナ複合体をガス担体と混合し、室温で入口側から部品に吹き込んだ。ガス担体の流量は575kg/時間であった。副次的な機能性材料層の担持量は0.26g/in3であった。
【0062】
実施例3
副次的な機能性材料層を入口側から施与した実施例2に記載の触媒化ガソリン微粒子フィルタを、粒子径の90%が11.7ミクロン、50%が4.2ミクロン、及び10%が1.4ミクロンになるまで乾式粉砕した。副次的な機能性材料層の担持量は0.26g/in3であった。
【0063】
実施例4
途中まで被覆された触媒フィルタとしての実施例1による触媒化ガソリン微粒子フィルタ。
【0064】
入口側から施与された副次的な機能性材料層は、硫酸バリウムであった。硫酸バリウム粉末は、粒子径の90%が4.8ミクロン、50%が2.3ミクロン、10%が0.9ミクロンであり、1000℃の空気中で4時間か焼した後のその比表面積(BETモデル、77K窒素吸着測定)が3m2・g-1であった。副次的な機能性材料層の担持量は0.26g/in3であった。
【0065】
実施例5-試験
実施例1~4によるガソリン微粒子フィルタをSGE1.5Lターボガソリン直噴エンジンの後の第1位置に置くことにより、これらの触媒化フィルタがガス相汚染物質(未燃焼のHC、CO及びNOx)を変換する能力を評価した(WLTC試験)。結果を
図1に示す。副次的な機能性材料層を施与した触媒化ガソリン微粒子フィルタは、3つのカテゴリーの汚染物質すべて、特にHC及びCOの変換の大幅な改善を示した。
【0066】
SGE1.5Lターボガソリン直噴エンジン(WLTC試験;PNエンジン出力=3.5×10
12#/km)の後の第1位置において、実施例1~4の新鮮な状態(0km、又は箱から出した状態)での濾過効率を測定した。結果を
図2に示す。副次的な機能性材料層を施与した触媒化ガソリン微粒子フィルタは、副次的な機能性材料層を施与していない先行技術のフィルタと比較して、濾過効率が20%向上した。この比較的高いウォッシュコート担持量(0.26g/in
3又は15g/L)では、副次的な機能性層の性質又は粒子径分布に起因する新鮮な濾過効率の差が緩和され、実施例14、15及び16はすべて同等の新鮮な濾過効率を示していることが注目される。
【0067】
実施例6
触媒材料を有するガソリン微粒子フィルタを、出口側から被覆された主触媒層と、出口側から被覆された副次的な機能性材料層との二重被覆を用いて調製した。触媒複合体は、白金及びパラジウムを含有し、貴金属の合計担持量は6.25g/ft3、そしてPt/Pd/Rhの比率は4/1/0であった。基材は、体積が2.5L(151in3)、セル密度が1平方インチ当たり200セル、壁厚が約200μm、多孔度が55%、そして水銀圧入測定による平均細孔径が9μmであった。この被覆は次のようにして調製した。
【0068】
出口側から施与した主触媒層は、セリアが50質量%の高表面積のセリア-アルミナ複合体、白金、パラジウム、高分散性の擬ベーマイトであるDispal(登録商標)アルミナ水和物、及び酸化ジルコニアであって、濃度は触媒のか焼質量に基づいて、それぞれ約94.7%、1.1%、0.3%、1.9%及び1.9%であった。高分散性の擬ベーマイトであるDispal(登録商標)アルミナ水和物を、水性分散体として導入した。酸化ジルコニウムは酢酸溶液として導入した。被覆の合計担持量は0.20g/in3であった。
【0069】
アミン錯体溶液の形態の白金を、プラネタリーミキサー(P-mixer)によって高表面積のセリア-アルミナ複合体に含浸させ、初期湿潤を達成しながら湿潤粉末を形成した。硝酸パラジウム溶液の形態のパラジウムを、プラネタリーミキサー(P-mixer)によって高表面積のセリア-アルミナ複合体に含浸させ、初期湿潤を達成しながら湿潤粉末を形成した。水性スラリーが形成された。Dispal(登録商標)分散体及びジルコニウム溶液を加えた。このスラリーを、粒子径の90%が12ミクロンになるまで粉砕した。次にこのスラリーを、当技術分野で知られている堆積法を用いて、ウォールフローコーディエライトフィルタの出口側に被覆した。被覆後、フィルタと出口被覆を乾燥させ、その後550℃の温度で約1時間か焼した。
【0070】
入口側から施与した副次的な機能性材料層は、セリアが50質量%の高表面積のセリア-アルミナ複合体、白金及びパラジウムであって、濃度は触媒のか焼質量に基づいて、それぞれ約98.6%、1.1%及び0.3%であった。アミン錯体溶液の形態の白金、続いて硝酸パラジウム溶液の形態のパラジウムを、プラネタリーミキサー(P-mixer)によって高表面積のセリア-アルミナ複合体に含浸させ、初期湿潤を達成しながら湿潤粉末を形成した。この粉末を550℃の温度で約2時間か焼した後、粒子径の90%が5.1ミクロン、50%が2.1ミクロン、及び10%が0.8ミクロンになるまで乾式粉砕し、1000℃の空気中で4時間か焼した後のその比表面積(BETモデル、77K窒素吸着測定)を66m2・g-1とした。粉末形態のPGM含有高表面積セリア-アルミナ複合体をガス担体と混合し、室温で入口側から部品に吹き込んだ。ガス担体の流量は575kg/時間であった。副次的な機能性材料層の担持量は0.06g/in3であった。
【0071】
実施例7
主触媒層のスラリーを、粒子径の90%が5ミクロンになるまで粉砕した、実施例6に記載の触媒化ガソリン微粒子フィルタ。
【0072】
実施例8
触媒材料を有するガソリン微粒子フィルタを、入口側からの単一を用いて調製した。触媒複合体は白金及びパラジウムを含有し、貴金属の合計担持量は6.25g/ft3、そしてPt/Pd/Rhの比率は4/1/0であった。基材は、体積が2.5L(151in3)、セル密度が1平方インチ当たり200セル、壁厚が約200μm、多孔度が55%、そして水銀圧入測定による平均細孔径が9μmであった。この被覆は次のようにして調製した。
【0073】
入口側から施与した触媒材料は、セリアが50質量%の高表面積のセリア-アルミナ複合体、白金及びパラジウムであって、濃度は触媒のか焼質量に基づいて、それぞれ約98.6%、1.1%及び0.3%であった。アミン錯体溶液の形態の白金、続いて硝酸パラジウム溶液の形態のパラジウムを、プラネタリーミキサー(P-mixer)によって高表面積のセリア-アルミナ複合体に含浸させ、初期湿潤を達成しながら湿潤粉末を形成した。次にこの粉末を550℃の温度で約2時間か焼し、粒子径の90%が5.1ミクロン、50%が2.1ミクロン、及び10%が0.8ミクロンになるまで乾式粉砕し、1000℃の空気中で4時間か焼した後のその比表面積(BETモデル、77K窒素吸着測定)を66m2・g-1とした。粉末形態のPGM含有高表面積セリア-アルミナ複合体をガス担体と混合し、室温で入口側から部品に吹き込んだ。ガス担体の流量は575kg/時間であった。副次的な機能性材料層の担持量は0.26g/in3であった。
【0074】
実施例9-試験
SGE1.5Lターボガソリン直噴エンジンの後の第1位置において、実施例6~8がガス相汚染物質を変換する能力及び新鮮な状態(0km、又は箱から出した状態)での濾過効率を評価した(WLTC試験;PNエンジン出力=3.5×10
12#/km)。結果をそれぞれ
図3及び
図4に示す。これらの実施例では、同様の新鮮な濾過効率が観察され、主触媒層と副次的な機能性材料層の両方を有する触媒化フィルタ(実施例6及び7)は、粉末のみを担持したサンプル(実施例8)よりも有意に良好なTWC活性を示した。
【0075】
実施例10-比較例
触媒材料を有するガソリン微粒子フィルタを、入口側からの単一被覆を用いて調製した。先行技術の三元変換(TWC)触媒複合体は、パラジウム及びロジウムを含有し、貴金属の合計担持量は7g/ft3、そしてPt/Pd/Rhの比率は0/2/5であった。基材は、体積が2.5L(151in3)、セル密度が1平方インチ当たり300セル、壁厚が約200μm、多孔度が63%、そして水銀圧入測定による平均細孔径が19μmであった。この被覆は次のようにして調製した。
【0076】
入口側から施与した成分は、高表面積のガンマアルミナ、酸素貯蔵成分としてのセリアが40質量%のセリア-ジルコニア複合体、パラジウム、ロジウム、酸化バリウム及び酸化ジルコニアであって、濃度は触媒のか焼質量に基づいて、それぞれ約24.8%、68.7%、0.1%、0.2%、5.0%及び1.3%であった。酸化バリウムは水酸化物溶液として導入した。酸化ジルコニウムは硝酸塩溶液として導入した。被覆の合計担持量は1.23g/in3であった。
【0077】
硝酸ロジウム溶液の形態のロジウムを、プラネタリーミキサー(P-mixer)によって高表面積のガンマアルミナ及びセリアジルコニア複合体に含浸させ、初期湿潤を達成しながら湿潤粉末を形成した。硝酸パラジウム溶液の形態のパラジウムを、プラネタリーミキサー(P-mixer)によって高表面積のガンマアルミナ及びセリアジルコニア複合体に含浸させ、初期湿潤を達成しながら湿潤粉体を形成した。水性スラリーが形成された。バリウム溶液及びジルコニウム溶液を加えた。このスラリーを、粒子径の90%が5ミクロンになるまで粉砕した。次にこのスラリーを、当技術分野で知られている堆積法を用いて、ウォールフローコーディエライトフィルタの入口側に被覆した。被覆後、フィルタと入口被覆を乾燥させ、次に550℃の温度で約1時間か焼して、途中まで被覆された触媒化フィルタを得た。
【0078】
実施例11
先行技術の三元変換(TWC)触媒複合体が主触媒層であり、追加の副次的な機能性材料層がフィルタの入口側内に担持された、実施例10による触媒化ガソリン微粒子フィルタ。
【0079】
入口側から施与された副次的な機能性材料層は、高表面積のガンマアルミナであった。アルミナは、粒子径の90%が5ミクロン、50%が2.5ミクロン、10%が1ミクロンになるまで乾式粉砕し、1000℃の空気中で4時間か焼した後のその比表面積(BETモデル、77K窒素吸着測定)は70m2・g-1であった。粉末形態の高表面積のガンマアルミナをガス担体と混合し、室温で部品に吹き込んだ。ガス担体の流量は575kg/時間であった。副次的な機能性材料層の担持量は0.066g/in3であった。
【0080】
実施例12
副次的な機能性材料層の担持量が0.041g/in3であった、実施例11に記載の触媒化ガソリン微粒子フィルタ。
【0081】
実施例13
副次的な機能性材料層の担持量が0.024g/in3であった、実施例11に記載の触媒化ガソリン微粒子フィルタ。
【0082】
実施例14
施与した副次的な機能性層が高表面積のガンマアルミナである、実施例11と同様に調製した触媒化ガソリン微微粒子フィルタ。アルミナは、90%が16ミクロン、50%が6.9ミクロン、10%が2.0ミクロンの粒子径に乾式粉砕したもので、1000℃の空気中で4時間か焼した後の比表面積(BETモデル、77K窒素吸着測定)は76m2・g-1であった。副次的な機能性材料層の担持量は0.066g/in3であった。
【0083】
実施例15
実施例11と同様に調製した触媒化ガソリン微粒子フィルタであって、施与した副次的な機能性層が高表面積のガンマアルミナであった。アルミナは、粒子径の90%が25.4ミクロン、50%が10.9ミクロン、10%が2.4ミクロンになるまで乾式粉砕し、1000℃の空気中で4時間か焼した後のその比表面積(BETモデル、77K窒素吸着測定)は75m2・g-1であった。副次的な機能性材料層の担持量は0.066g/in3であった。
【0084】
実施例16
実施例11と同様に調製した触媒化ガソリン微粒子フィルタであって、施与した副次的な機能性層がポリビニルアルコールの粉末をさらに含んでいた。ポリビニルアルコールPVA-1788は、粒子径が230メッシュの微細な粉末として得られた。このPVA粉末を、乾式粉砕した高表面積のガンマアルミナと1:5の割合の質量比で予備混合した。この混合粉末をさらにガス担体と混合し、室温で部品に吹き込んだ。ガス担体の流量は575kg/時間であった。副次的な機能性材料層の総搭載量は0.079g/in3であった。
【0085】
実施例17-試験
第1位置において(SGE1.5Lターボガソリン直噴エンジン;WLTC試験;PNエンジン出力=3.5×10
12#/km)、実施例10~16の新鮮な状態(0km、又は箱から出した状態)での濾過効率を測定した。結果を
図5に示す。副次的な機能性材料層を施与した触媒化ガソリン微粒子フィルタは、副次的な機能性材料層を施与していない先行技術のフィルタと比較して、濾過効率の著しい増加を示した。注目すべきは、濾過効率の増加は、機能性層の担持量が0.024g/in
3と低いときにすでに非常に顕著なことである(+24%、実施例10対13)。さらに、本発明の実施態様による実施例の濾過効率は、実施例11及び12で示されるように、副次的な機能性材料層をより高い担持量で施与することによってさらに向上する。機能層の最適化された粒子径分布は、実施例11、14及び15によって実証され、ここでは、粒子径D
90を25μm~16μm、さらに5μmに低減することで、より高い濾過効率(FFE)が達成された。有機材料を添加しても(実施例16)、本実施例に従って調製された触媒化ガソリン微粒子フィルタは、その高い濾過効率を維持する。