IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 深▲せん▼市華星光電技術有限公司の特許一覧

<>
  • 特許-表示パネル及び液晶表示装置 図1
  • 特許-表示パネル及び液晶表示装置 図2
  • 特許-表示パネル及び液晶表示装置 図3
  • 特許-表示パネル及び液晶表示装置 図4
  • 特許-表示パネル及び液晶表示装置 図5
  • 特許-表示パネル及び液晶表示装置 図6
  • 特許-表示パネル及び液晶表示装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】表示パネル及び液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1339 20060101AFI20240813BHJP
   G02F 1/1345 20060101ALI20240813BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALN20240813BHJP
【FI】
G02F1/1339 505
G02F1/1345
G02F1/1368
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021565791
(86)(22)【出願日】2021-10-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(86)【国際出願番号】 CN2021127589
(87)【国際公開番号】W WO2023065393
(87)【国際公開日】2023-04-27
【審査請求日】2021-12-08
(31)【優先権主張番号】202111231907.5
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515203228
【氏名又は名称】ティーシーエル チャイナスター オプトエレクトロニクス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TCL China Star Optoelectronics Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.9-2,Tangming Rd,Guangming New District,Shenzhen,Guangdong,China 518132
(74)【代理人】
【識別番号】100204386
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 啓
(72)【発明者】
【氏名】周 ▲穎▼
【審査官】井亀 諭
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2011-0067261(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第113138480(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1339
G02F 1/1368
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルであって、表示領域と、前記表示領域に隣接して設けられる周辺領域と、対向して設置される第1基板及び第2基板と、表示層と、を含み、前記表示パネルは前記周辺領域に対応する部分に、
複数の導電ボールを含むフレームシールと、
前記第1基板上に設けられ、少なくとも1つの第1信号線を含む第1金属層と、
前記第1金属層上に設けられ、第1平坦部と、第2平坦部と、前記第1平坦部と前記第2平坦部との間に隣接して設けられる少なくとも1つのビアと、を含む有機膜層であって、前記ビアは前記第1信号線を露出させ、且つ前記第2平坦部の頂面が所在する水平面の高さは前記第1平坦部の頂面が所在する水平面の高さよりも高い、有機膜層と、
ランド領域であって、前記第1信号線上に定義され、且つ前記ビアは前記ランド領域内に位置するランド領域と、
前記第1基板上に設けられ、導電パッドを含み、前記導電パッドは前記ビア内の第1信号線を被覆し、且つ前記ビアに隣り合う前記第1平坦部及び前記第2平坦部の頂面に向かって延伸して設置されている第1導電層と、
前記第2基板の前記フレームシールに隣り合う側に設けられる第2導電層と、を含み、
一部の前記導電ボールは前記第2平坦部上の導電パッドに位置し、且つ前記第2導電層に接触し、且つ前記第1信号線は前記導電パッド及び前記導電ボールによって前記第2導電層と電気的に接続されており、
前記第1信号線と前記有機膜層の第2平坦部との間には、順に設置されているゲート絶縁層及びパッシベーション層を含み、前記第1信号線と前記有機膜層の第1平坦部との間には前記パッシベーション層を含み、前記第2平坦部の下方の前記ゲート絶縁層は一部の前記第1信号線上に重なって設けられ、前記第1平坦部の下方の前記パッシベーション層は一部の前記第1信号線上に重なって設けられる、表示パネル。
【請求項2】
前記第1基板の上表面から前記有機膜層の第2平坦部の頂面までの間のすべての膜層厚さはバスライン領域膜層厚さとして定義されており、且つ前記第1基板の上表面以上の、前記表示領域におけるすべての膜層厚さは表示領域膜層厚さとして定義されており、前記導電ボールのサイズの計算条件は少なくとも前記バスライン領域膜層厚さと前記表示領域膜層厚さとが等しいことを前提とすることを含む、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記導電パッドは第1方向又は第2方向で前記ランド領域から延出し、前記導電パッドの前記第1基板における正投影面積は前記ランド領域の前記第1基板における正投影面積よりも大きい、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記第1金属層はさらに少なくとも1つの第2信号線を含み、前記第2信号線は前記第1信号線と間隔をあけており、前記導電パッドは前記第2方向に沿って前記第2信号線に延伸する、請求項に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記第1方向は前記フレームシールが前記周辺領域に沿ってコーティングされる方向であり、且つ前記第2方向は前記第1方向に垂直である、請求項に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記有機膜層の第2平坦部の前記第1基板における正投影面積は前記有機膜層の第1平坦部の前記第1基板における正投影面積よりも大きい、ことを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記有機膜層は複数の前記ビアを含み、前記複数のビアは互いに間隔をおいて設置されており、且つ前記複数のビアの前記第1基板における正投影は前記導電パッドの前記第1基板における正投影内に位置し、且つ前記ランド領域の前記第1基板における正投影内に位置する、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記第2基板と前記第2導電層との間には、さらに、回路ユニットに対応して設置されている黒色遮光層を含む、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項9】
液晶表示装置であって、
発光素子、反射片及び拡散板を含むバックライトモジュールと、請求項1~5、7、8のいずれか一項に記載の表示パネルと、を含み、
前記バックライトモジュールは前記表示パネルに必要な光源を提供することに用いられ前記第2平坦部の前記第1基板における正投影面積は前記第1平坦部の前記第1基板における正投影面積よりも大きい液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は表示技術分野に関し、特に表示パネル及び液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示技術の発展に伴って、表示パネルは既にさまざまな分野に幅広く応用されており、且つ既に複数種の電子製品において使用されており、たとえば携帯電話、ポータブルマルチメディア装置、ノートパソコン、テレビ及びディスプレイ等である。市場のニーズを満たすために、ますます多くの企業がサイズが大きく、高解像度の超狭ベゼル、ひいてはフレームレス表示製品の研究に取り組んでいる。従って、超狭フレーム表示製品を発展させることは今後の傾向となっている。
【0003】
超狭フレーム製品に対して、フレームが非常に狭いという制限のため、一般的にフレームシール内に導電ボールが含まれるという設計を採用して上下板を導通させる。導電ボールによってカラーフィルム基板の電極層をアレイ基板の第1金属層又は第2金属層と導通し、ゆえに、導通位置はいずれも開口部設計を行う必要がある。いわゆるフレームシール内に導電ボールが含まれるとは、フレームシールと導電ボールを所定の割合で均一に混合することである。フレームシールがコーティングされる時、そのコーティング位置にはいずれも導電ボールが存在する。このような特殊な箇所に存在する状況として、導電ボールがそれぞれバスライン領域上と導通位置の開口部の箇所を占有する時、2つの箇所の間に高さ差が存在し、表示上にエッジの高さギャップの差異に起因する周辺明るさむら(mura)の課題が発生し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願では表示パネル及び液晶表示装置を提供しており、従来の表示パネルのフレームシールの導電ボールが第2導電層に効果的に接触して上板と下板を導通できず、且つバスライン領域と回路導通部位との間のギャップに起因する周辺輝度むら(mura)を回避して、それにより表示品質に影響を与えるという技術的課題を解決するために用いられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本願により提供された技術的手段は以下のとおりである。
【0006】
本願の実施例は表示パネルを提供しており、表示領域と、前記表示領域に隣接して設けられる周辺領域と、対向して設置される第1基板及び第2基板と、表示層と、を含み、前記表示パネルは前記周辺領域に対応する部分に、複数の導電ボールを含むフレームシールと、前記第1基板上に設けられ、少なくとも1つの第1信号線を含む第1金属層と、前記第1金属層上に設けられ、第1平坦部と、第2平坦部と、前記第1平坦部と前記第2平坦部との間に隣接して設けられる少なくとも1つのビアと、を含む有機膜層であって、前記ビアは前記第1信号線を露出させ、且つ前記第2平坦部の頂面が所在する水平面の高さは前記第1平坦部の頂面が所在する水平面の高さよりも高い、有機膜層と、前記第1信号線上に定義されており、且つ前記ビアは前記ランド領域内に位置するランド領域と、前記第1基板上に設けられ、導電パッドを含み、前記導電パッドは前記ビア内の第1信号線を被覆し、且つ前記ビアに隣り合う前記第1平坦部及び前記第2平坦部の頂面に向かって延伸して設置されている第1導電層と、前記第2基板の前記フレームシールに隣り合う側に設けられる第2導電層と、を含み、一部の前記導電ボールは前記第2平坦部上の導電パッドに位置し、且つ前記第2導電層に接触し、且つ前記第1信号線は前記導電パッド及び前記導電ボールによって前記第2導電層と電気的に接続されている。
【0007】
選択可能に、前記第1信号線と前記有機膜層の第2平坦部との間にはさらに順に設置されているゲート絶縁層及びパッシベーション層を含み、前記第1信号線と前記有機膜層の第1平坦部との間にはさらに前記パッシベーション層を含み、前記第2平坦部の下方の前記ゲート絶縁層は一部の前記第1信号線上に重なって設けられ、前記第1平坦部の下方の前記パッシベーション層は一部の前記第1信号線上に重なって設けられる。
【0008】
選択可能に、前記第1基板の上表面から前記有機膜層の第2平坦部の頂面までの間のすべての膜層厚さはバスライン領域膜層厚さとして定義されており、且つ前記第1基板の上表面以上の、前記表示領域におけるすべての膜層厚さは表示領域膜層厚さとして定義されており、前記導電ボールのサイズの計算条件は少なくとも前記バスライン領域膜層厚さと前記表示領域膜層厚さとが等しいことを前提とすることを含む。
【0009】
選択可能に、前記導電パッドは第1方向又は第2方向で前記ランド領域から延出し、前記導電パッドの前記第1基板における正投影面積は前記ランド領域の前記第1基板における正投影面積よりも大きい。
【0010】
選択可能に、前記第1金属層はさらに少なくとも1つの第2信号線を含み、前記第2信号線は前記第1信号線と間隔をあけており、前記導電パッドは前記第2方向に沿って前記第2信号線に延伸する。
【0011】
選択可能に、前記第1方向は前記フレームシールが前記周辺領域に沿ってコーティングされる方向であり、且つ前記第2方向は前記第1方向に垂直である。
【0012】
選択可能に、前記有機膜層の第2平坦部の前記第1基板における正投影面積は前記有機膜層の第1平坦部の前記第1基板における正投影面積よりも大きい。
【0013】
選択可能に、前記有機膜層は複数の前記ビアを含み、前記有機膜層は複数の前記ビアを含み、前記複数のビアは互いに間隔をおいて設置されており、且つ前記複数のビアの前記第1基板における正投影は前記導電パッドの前記第1基板における正投影内に位置し、且つ前記ランド領域の前記第1基板における正投影内に位置する。
【0014】
選択可能に、前記第2基板と前記第2導電層との間には、さらに、回路ユニットに対応して設置されている黒色遮光層を含む。
【0015】
本願の実施例はさらに液晶表示装置を提供しており、バックライトモジュールと、表示パネルと、を含み、前記バックライトモジュールは発光素子と、反射片と、拡散板と、を含み、前記バックライトモジュールは前記表示パネルに必要な光源を提供することに用いられ、且つ前記表示パネルは表示領域と、前記表示領域に隣接して設けられる周辺領域と、対向して設置される第1基板及び第2基板と、表示層と、を含み、前記表示パネルは前記周辺領域に対応する部分に、複数の導電ボールを含むフレームシールと、前記第1基板上に設けられ、少なくとも1つの第1信号線を含む第1金属層と、前記第1金属層上に設けられ、第1平坦部と、第2平坦部と、前記第1平坦部と前記第2平坦部との間に隣接して設けられる少なくとも1つのビアと、を含む有機膜層であって、前記ビアは前記第1信号線を露出させ、且つ前記第2平坦部の頂面が所在する水平面の高さは前記第1平坦部の頂面が所在する水平面の高さよりも高く、前記第2平坦部の前記第1基板における正投影面積は前記第1平坦部の前記第1基板における正投影面積よりも大きい、有機膜層と、前記第1信号線上に定義され、且つ前記ビアは前記ランド領域内に位置するランド領域と、前記第1基板上に設けられ、導電パッドを含み、前記導電パッドは前記ビア内の第1信号線を被覆し、且つ前記ビアに隣り合う前記第1平坦部及び前記第2平坦部の頂面に向かって延伸して設置されている第1導電層と、前記第2基板の前記フレームシールに隣り合う側に設けられる第2導電層と、を含み、一部の前記導電ボールは前記第2平坦部上の導電パッドに位置し、且つ前記第2導電層に接触し、且つ前記第1信号線は前記導電パッド及び前記導電ボールによって前記第2導電層と電気的に接続されている。
【発明の効果】
【0016】
本願により提供された表示パネル及び液晶表示装置において、導電パッドのビア内における第1信号線(すなわち導通箇所)に対する延伸及び拡大設計によって、導電ボールの第2導電層と導電パッドとの間における接触範囲を増加させ、且つバスライン領域膜層厚さと表示領域膜層厚さとが等しいという前提で導電ボールのサイズを計算して、導電ボールのサイズをバスライン領域により適応させることで、バスライン領域と導通箇所との間に起因するギャップを効果的に減少させることができる。それにより従来の表示パネルのフレームシールの導電ボールが第2導電層に効果的に接触して上板と下板を導通できず、及びバスライン領域と回路導通箇所との間のギャップに起因する周辺輝度むらの技術的課題を解決する。
【0017】
実施例又は従来技術における技術的手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の記述においておいて使用しようとする図面を簡単に紹介する。明らかなように、以下の記述における図面は単に出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的な努力をしない前提下で、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本願の実施例の表示パネルの平面構造模式図である。
図2図1の表示パネルの周辺領域の対応する部分の断面構造模式図である。
図3】本願の実施例の表示パネルの周辺領域におけるランド領域の模式図である。
図4】本願の実施例の表示パネルの導電パッドの周辺領域における平面構造模式図である。
図5】本願の別の実施例の表示パネルの導電パッドの周辺領域における平面構造模式図である。
図6図2の表示パネルの導電ボール分布の模式図である。
図7】本願の実施例により提供された液晶表示装置の断面構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の各実施例の説明は添付した図を参照して、本願を実施するために用いる特定の実施例を例示するために用いられる。本願に言及される方向用語、たとえば「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「内」、「外」、及び「側面」等は、単に添付した図を参照する方向である。従って、使用される方向用語は本願を説明及び理解するために用いられるが、本願を制限するために用いられない。図において、構造が類似するユニットは同じ記号を用いて表される。図面において、明瞭に理解し及び容易に説明するために、いくつかの層及び領域の厚さを誇張している。すなわち図面において示される各コンポーネントのサイズ及び厚さは任意に示されるものであるが、本願はこれに制限されない。
【0020】
本願は表示パネルを提供しており、特にフレームシール内に導電ボールが含まれる配置を有する表示パネルであり、導電ボールはフレームシールがコーティングされた後、カラーフィルム基板及びアレイ基板に効果的に接触できないという課題を改善し、及び膜層のギャップに起因する周辺表示むらの状況を減少させることに用いられる。
【0021】
本願の図1に参照されるように、図1は本願の実施例により提供された表示パネルの平面構造模式図である。図1に示すように、本願の表示パネル1には表示領域AA(active area)及び表示領域AAに隣接して設けられる周辺領域PA(peripheral area)が定義されており、且つ第1基板10と、第1基板10に対向して設置されている第2基板20と、周辺領域PAに設置されるフレームシール30と、第1基板10と第2基板20との間に設置される表示層40と、を含む。第1基板10及び第2基板20はガラス基板、石英基板又はプラスチック基板であってもよく、ここでは限定しない。本実施例の表示層40は1つの液晶層であり、且つ複数の液晶分子(図示せず)を有する。また、表示パネル1の表示領域AAはすなわち光線が透過可能な領域であり、それを介して映像画面を表示するが、周辺領域PAは主に周辺駆動素子及び配線を配置するための領域であり、黒色行列パターンがあるため、光線が透過しにくい。本願の実施例の周辺領域PAは表示領域AAの外周に周設されることを例とする。
【0022】
なお、本願の実施例の表示パネルは液晶表示パネルを例とするが、別の実施例では、表示パネルは有機発光ダイオード表示パネル(図示せず)であってもよい。この場合、表示層は有機発光層であってもよく、このとき、第2基板は保護カバープレートであってもよく、それにより有機発光層を外界の湿気又は異物に影響されないように保護する。
【0023】
図2に参照されるように、それは図1の表示パネルの周辺領域の対応する部分の断面構造模式図である。図2に示すように、本願のフレームシール30は周辺領域PAに設置されており、且つ第1基板10及び第2基板20の外周を密閉して、表示層40を第1基板10と第2基板20との間で密封させる(図1に示すように)。特に注意する点として、本願の実施例のフレームシール30は好ましくは導電性質を有する導電性接着剤を採用する。図2に示すように、フレームシール30は導電ボール31及びコロイド32からなり、ここで導電ボール31はコロイド32内に分布している。具体的には、導電ボール31は金、銀、銅又はアルミニウムで製造されてもよく、又は金、銀、銅又はアルミニウムがメッキされたボール本体で製造されてもよい。選択可能に、導電ボール31は2種以上の上記ボール本体を含んでもよい。本願の実施例において採用された導電ボール31は金ボールであり、フレームシール内に金ボール(Au in seal)が含まれる配置が形成される。
【0024】
図2に示すように、本願の実施例の第1基板10の周辺領域PAに対応する部分には、下から上へ順に第1金属層11、ゲート絶縁層12、パッシベーション層13、有機膜層14及び第1導電層15が設けられる。注意する必要がある点として、本願の実施例の第1基板10の表示領域AAに対応する部分は、さらにアレイ状に配列した薄膜トランジスタデバイス(図示せず)及び表示層40を含む。ここで上記薄膜トランジスタデバイスの構造は慣用技術であり、ここでは詳細な記述は省略する。上記薄膜トランジスタデバイスの動作原理は、走査信号に基づいて活性層、ソース電極及びドレイン電極を導通し、且つデータ信号に基づいてデータを画素電極に入力し、それを介して表示層40における液晶の偏向を制御して映像を表示させる。本願の実施例中では、第1基板10はアレイ基板であり(又は下板とも呼ばれる)、第2基板20はカラーフィルム基板である(又は上板とも呼ばれる)。
【0025】
特に注意する点として、本願の実施例の第1金属層11は、複数本の第1信号線111及び複数本の第2信号線112を含み(図3に示すように)、ここで第1信号線111及び第2信号線112はそれぞれ共通電極信号を伝送することに用いられる。また、一般的な薄膜トランジスタ表示パネルと同じであり、本願の第1基板10上にはさらに第2金属層(図示せず)が設置されており、それはデータ信号線を含む。しかしながら、図2の視点の関係のため、上記第2金属層は、図2において有機膜層14、パッシベーション層13及びゲート絶縁層12に遮られており、従って表示されていない。ただし、本願の実施例中では、ゲート駆動回路(gate driver circuit)が第1基板10上のアレイ領域に直接形成されたアレイゲート駆動回路(gate driver on array、GOA)を採用でき、表示パネルの重量を効果的に軽減させ、生産プロセスの工程を減少させることができる。GOA回路を採用するため、本願の実施例の表示パネル1に必要な駆動IC等の素子は主に表示パネル1の上側又は下側の周辺領域PA内に配置されており、さらに表示パネルの狭額縁化の効能が達成される。
【0026】
引き続き図2を参照する。本願の実施例の第2基板20の周辺領域PAに対応する部分は、第1基板10に向かう方向上に、順に黒色遮光層21及び第2導電層22が設けられる。ここで黒色遮光層21は遮光作用を果たし、すなわち黒行列層であり、且つ第2導電層22はフレームシール30に隣り合う。また、第2基板20の表示領域AAに対応する部分は、さらに第2導電層22と第2基板20との間に位置するカラーフィルタ層(図示せず)を含む。本願の実施例の第1導電層15及び第2導電層22の材質はインジウムスズ酸化物(ΙΤO)であるが、たとえば、インジウム亜鉛酸化物(ΙΖO)、アルミニウム亜鉛酸化物(ΑΖO)、カドミウム錫酸化物(CTO)、酸化錫(SnO2)、又は酸化亜鉛(ZnO)等の導電材料であってもよく、ここでは限定しない。図2に示すように、フレームシール30は第1導電層15と第2導電層22との間に設けられ、且つ第1導電層15及び第2導電層22に付着して接触する。
【0027】
図3図2を組み合わせて参照する。図3は本願の実施例の表示パネルの周辺領域PAにおけるランド領域の模式図である。図3に示すように、本願の実施例の第1金属層11の第1信号線111及び第2信号線112は、それぞれ共通電極信号を伝送することに用いられる。具体的には、第1信号線111は第2基板20の共通電極信号を伝送することに用いられるが、第2信号線112は第1基板10の共通電極信号を伝送することに用いられる。複数本の第1信号線111は間隔をおいて配列されており、複数本の第2信号線112は間隔をおいて配列されており、且つ第2信号線112は第1信号線111の一側に設置されている。注意する必要がある点として、本願の実施例はパッシベーション層13上に有機膜層14がさらにコーティングされており(図2に示すように)、すなわち、第1基板10上に重合体薄膜(Polymer Film on Array、PFA)が設置されている。有機膜層14の設置により、さらに下方膜層の表面の平坦性を変化させ、平坦化が実現され且つ電界が互いに干渉するのが防止される。別の実施例中では、特にサイズが大きなディスプレイ製品において、PFA膜層でパッシベーション層を単独で置換してもよい。
【0028】
また、図3に示すように、本願の実施例では複数本の第1信号線111上にはランド領域110が定義されており、ここで複数のビア140は互いに間隔をおいて且つアレイ方式で設置されており、且つランド領域110の範囲内に位置する。すなわち、上記ランド領域110は上記複数のビア140が並ぶ範囲を定義する。具体的には、複数のビア140の第1基板10における正投影は第1導電層15の導電パッド151(詳細は後述)の第1基板10における正投影内に位置し、且つランド領域110の第1基板10における正投影内に位置する。
【0029】
図2に示すように、本願の有機膜層14は第1金属層11上に設けられ、第1平坦部141と、第2平坦部142と、第1平坦部141と第2平坦部142との間に隣接して設けられるビア140と、を含む。ビア140は第1金属層11の第1信号線111を露出させることに用いられる。実際のプロセス中では、有機膜層14はまずパッシベーション層13上にコーティングされ、その後、露光、現像及びエッチングを含むリソグラフィプロセスによって複数のビア140を形成し、さらに第1信号線111を露出させる。引き続き図2を参照し、第1信号線111と有機膜層14の第2平坦部142との間には順にゲート絶縁層12及びパッシベーション層13が設置されており、すなわち、第2平坦部142から第1基板10までの間はバスライン領域(busline)として定義される。また、第1信号線111と有機膜層14の第1平坦部141との間にはパッシベーション層13のみが設置されている。具体的には、第2平坦部142の下方のゲート絶縁層12は一部の第1信号線111上に重なって設けられ、第1平坦部141の下方のパッシベーション層13は一部の第1信号線111上に重なって設けられ、ここで第1平坦部141と第2平坦部142との間にはビア140が形成される。
【0030】
引き続き図2に参照されるように、第1基板10上の第1導電層15と第2基板20の第2導電層22との間の導電ボール31はコロイド32中に分散している。具体的には、導電ボール31は第1平坦部141及び第2平坦部142上に分散している。しかしながら、表示パネル1のバスライン領域における対応する部分に設置された膜層が比較的多く、従って、第2平坦部142の頂面が所在する水平面の高さは第1平坦部141の頂面が所在する水平面の高さよりも高く、第1平坦部141と第2平坦部142に断面における高さ差を生じさせる。また、ビア140の地勢はさらに第1平坦部141及び第2平坦部142よりも低いため、一部の導電ボール31はレベルが低いビア140箇所に落ちて第2導電層22に接触できないということを生じさせる可能性がある。言い換えれば、上記高さ差により導電ボール31が上板に接触できず、第2導電層22(すなわちカラーフィルム基板又は上板)と第1導電層15(すなわちアレイ基板又は下板)を導通できず、さらに周辺領域の表示輝度むら(mura)の課題を生じさせる。
【0031】
上記課題を解決するために、本願のいくつかの実施例中では、第1基板10上の第1導電層15は上記導電パッド151を含む。上記導電パッド151はビア140内の第1信号線111を被覆し、且つビア140に隣り合う第1平坦部141及び第2平坦部142の頂面に向かって延伸する。すなわち、導電パッド151は相応なビア140内の第1信号線111を完全に被覆し且つそれに接触し、且つ導電パッド151がさらにビア140に隣り合う第1平坦部141及び第2平坦部142の側壁に沿って頂面に達するように設置されている。図2に示すように、第2平坦部142上により多くの導電パッド151の範囲を増加して、導電ボール31の占有に供する。特に説明するように、図2に示すように、本願の有機膜層14の第2平坦部142の第1基板10における正投影面積は第1平坦部141の第1基板10における正投影面積よりも大きく、それにより導電パッド151の分布範囲がさらに延伸する。これを基礎として、導電パッド151のビア140内における第1信号線111(すなわち導通箇所)に対する延伸及び拡大設計によって、導電ボール31の第2導電層22と導電パッド151との間における接触範囲を増加させ、それにより第2平坦部142と第1平坦部141又は第2平坦部142とビア140との間のギャップに起因する影響を効果的に減少させ、且つフレームシール内に金ボール(Au in seal)が含まれるという設計による周辺mura課題を改善することができる。
【0032】
引き続き図4に参照されるように、図4は本願の実施例の表示パネル1の導電パッド151の周辺領域PAにおける平面構造模式図である。具体的には、本願の実施例の第1導電層15の導電パッド151はランド領域110を被覆し、且つ第1方向D1又は第2方向D2でランド領域110から延伸する。すなわち、導電パッド151の第1基板10における正投影面積はランド領域110の第1基板10における正投影面積よりも大きい。図4に示すように、導電パッド151はランド領域110の左、右両側に沿って第1方向D1で外に向かってランド領域110から延出し、さらに拡大された第1導電パッド範囲110aが形成され、それはランド領域110の範囲よりも大きい。ここで、上記第1方向D1はフレームシール30が周辺領域PAに沿ってコーティングされる方向であり、且つ複数本の第1信号線111上に位置する。図4に示すように、ランド領域110内の各ビア140の面積はそれぞれランド領域110の面積及び第1導電パッド範囲110aの面積未満である。
【0033】
図5図3と組み合わて参照する。図5は本願の別の実施例の表示パネル1の導電パッド151の周辺領域PAにおける平面構造模式図である。図5に示すように、導電パッド151はランド領域110に沿って第2方向D2でランド領域110から延出し、さらに拡大された第2導電パッド範囲110bが形成され、それはランド領域110の範囲よりも大きい。すなわち、導電パッド151は上記第2方向D2に沿って第2信号線112の上方の領域に延伸し、且つ第1方向D1に垂直である。言い換えれば、第2方向D2はフレームシール30に垂直であり周辺領域PAに沿ってコーティングされる方向である。導電パッド151を第1方向D1及び/又は第2方向D2に向かって延伸させることによって、第2基板20(上板)と第1基板10(下板)の導通面積が大幅に向上し、それにより導電ボール31は第2平坦部142上の導電パッド151に位置し、且つ第2導電層22に接触し、且つ第1信号線111は導電パッド151及び導電ボール31によって第2導電層22と電気的に接続されており、それにより表示パネルの周辺輝度むらの課題が改善される。
【0034】
特に説明するように、導電ボール31が凹部のビア140において第2導電層22に接触できないという状況を減少させるために、本願の実施例は有機膜層14の第1信号線111に対応する部分のみに複数のビア140を形成する(図4及び図5に示すように)。本願の表示パネル1は最適化された後、複数のビア140の位置の面積は上記バスライン領域の位置全体の面積に対して割合が比較的小さく、さらに第2平坦部142(バスライン領域)と第1平坦部141に起因するギャップを減少させて、表示パネル周辺mura課題を改善する。
【0035】
また、従来の表示パネルの周辺領域の導電ボールの計算は、導電パッドの導通箇所とバスライン領域(busline)との地勢の差異を考慮しないため、バスライン領域上の導電ボールはサイズが大きすぎるので表示パネルを突き上げるという現象が生じる。一方では、導電パッド箇所の第1金属層と上板の第1導電層との導通不良の状況が生じ、他方では、バスライン領域と表示領域AAとの間のギャップが大きすぎることが生じる。本願では導電ボール31のサイズの計算方式の改善を介して上記課題を解決し、その詳細は後述する。
【0036】
図6を参照し、それは図2の表示パネル1の導電ボール31の分布模式図である。本願の実施例中では、第1基板10の上表面から有機膜層14の第2平坦部142の頂面までの間のすべての膜層厚さはバスライン領域膜層厚さT1として定義される。第1基板10の上表面以上の、表示領域AAにおけるすべての膜層厚さは表示領域膜層厚さT2として定義される。特に説明するように、本願の実施例の導電ボール31のサイズ計算条件は少なくともバスライン領域膜層厚さT1と表示領域膜層厚さT2とが等しいことを前提とすることを含む。上記の前提でサイズの計算を行い、本願の導電ボール31のサイズは上記バスライン領域の配置に適応しており、押出により第2基板20(上板)を突き上げることがなく、膜層のギャップの増加を回避でき、且つ導電ボール31が導電パッド151の拡大箇所でも第2基版20(上板)と導通できる。ゆえに、同時にギャップによる周辺mura課題も改善できる。
【0037】
図7を参照し、図7は本願の実施例により提供された液晶表示装置100の断面構造模式図である。図7に示すように、本願の実施例の別の液晶表示装置100については、液晶表示装置100はバックライトモジュール4及び上記実施例の表示パネル1を含む。本願の実施例のバックライトモジュール4はエッジ型バックライトを例として、上記表示パネル1に必要な光源を提供することに用いられ、バックライトモジュール4は発光素子41、反射片42及び拡散板43等の光学素子を含む。バックライトモジュール4の細部構造は従来の液晶表示装置のバックライトモジュールの構造と同じであってもよく、ここでは詳細な記述は省略する。
【0038】
以上のように、本願により提供された表示パネル及び液晶表示装置において、導電パッドのビア内における第1信号線(すなわち導通箇所)に対する延伸及び拡大設計によって、導電ボールの第2導電層と導電パッドとの間における接触範囲を増加させ、且つバスライン領域膜層厚さと表示領域膜層厚さとが等しい前提で導電ボールのサイズを計算し、導電ボールのサイズをバスライン領域により適応させることで、バスライン領域と導通箇所との間に起因するギャップを効果的に減少させることができる。それにより従来の表示パネルのフレームシールの導電ボールが第2導電層に効果的に接触して上板と下板を導通できず、及びバスライン領域と回路導通箇所との間のギャップに起因する周辺輝度むらの技術的課題を解決する。
【0039】
上記実施例中では、各実施例についての記述はいずれもそれ自体の焦点を持っており、ある実施例において詳しく記述されていない部分は、他の実施例の関連記述を参照すればよい。
【0040】
以上、本出願の実施例を詳細に紹介した。本文では具体的な例を応用して本出願の原理及び実施形態を論述したが、以上実施例の説明はただ本出願の技術的手段及びそのコアアイデアへの理解を補助することに用いられる。当業者は、依然として上記各実施例に記載の技術的手段を修正でき、又はその中の一部の技術的特徴を同等置換でき、それらの修正又は置換は、相応な技術的手段の本質を本出願の各実施例の技術的手段の範囲から逸脱させないことを理解すべきである。
【符号の説明】
【0041】
1 表示パネル
4 バックライトモジュール
10 第1基板
11 第1金属層
12 ゲート絶縁層
13 パッシベーション層
14 有機膜層
15 第1導電層
20 第2基版
21 黒色遮光層
22 第2導電層
30 フレームシール
31 導電ボール
32 コロイド
40 表示層
41 発光素子
42 反射片
43 拡散板
100 液晶表示装置
110 ランド領域
110a 第1導電パッド範囲
110b 第2導電パッド範囲
111 第1信号線
112 第2信号線
140 ビア
141 第1平坦部
142 第2平坦部
151 導電パッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7