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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】電気機械及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 9/19 20060101AFI20240813BHJP
   H02K 5/20 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
H02K9/19 A
H02K5/20
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022503509
(86)(22)【出願日】2020-06-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-21
(86)【国際出願番号】 EP2020067414
(87)【国際公開番号】W WO2021013451
(87)【国際公開日】2021-01-28
【審査請求日】2023-04-10
(31)【優先権主張番号】1908281
(32)【優先日】2019-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ドゥラン、ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】ブルネット マンクアット、ロイック
(72)【発明者】
【氏名】ドロートレ、ギヨーム
【審査官】三澤 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-110025(JP,A)
【文献】特開昭48-060207(JP,A)
【文献】特開2014-166067(JP,A)
【文献】特開2010-268537(JP,A)
【文献】米国特許第5939808(US,A)
【文献】国際公開第2016/177933(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第1209801(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 9/19
H02K 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシング(10)内に配設される固定子(2)及び回転子(3)を備える電気機械、特に、少なくとも1つの圧縮機又は循環機を駆動するための電動モータであって、前記電気機械(1)は、
前記固定子(2)の周りに配設され冷却流体の循環用の回路を備える冷却装置を備えており、前記冷却装置が、金属又は合金の熱伝導率に相当する高い熱伝導率を持つ材料の塊(4)に埋め込まれた部分を含む前記冷却流体の循環用の循環ダクト(5)を備え、高い熱伝導率を持つ材料の前記塊(4)は、前記循環ダクト(5)の周りにオーバーモールドされていることを特徴とし、
前記ケーシング(10)が、前記固定子(2)、前記回転子(3)及び前記冷却装置を収容する好ましくは密封された容積を画定することと、
前記循環ダクト(5)が、前記ケーシング(10)の壁上に開いている入口(6)及び出口(7)に接続されていることと、
前記循環ダクト(5)の前記入口(6)及び前記出口(7)が、高い熱伝導率を持つ材料の前記塊(4)における同一の長手方向端部に開いており、高い熱伝導率を持つ材料の前記塊(4)の前記長手方向は、組み立て位置で前記回転子の回転軸に平行であることと、
前記ケーシング(10)が、開位置で、前記回転子(3)の前記回転軸と、前記ケーシング(10)内の前記固定子(2)、前記回転子(3)及び前記冷却装置のアセンブリの取り付け方向とに平行な長手方向(11)に、前記固定子(2)、前記回転子(3)及び前記冷却装置へのアクセスを提供するアクセスカバー(8)を備えることと、
前記循環ダクト(5)の前記入口(6)及び出口(7)が、前記アクセスカバー(8)から切り離されている前記ケーシング(10)の壁上に開いていることと、を特徴とする、電気機械。
【請求項2】
高い熱伝導率を持つ材料の前記塊(4)が、アルミニウム又はアルミニウム合金から構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の電気機械。
【請求項3】
前記冷却流体の循環用の前記循環ダクト(5)が、金属材料又は合金、特にステンレス鋼合金からなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電気機械。
【請求項4】
高い熱伝導率を持つ材料の前記塊(4)が円筒形状を有することと、前記固定子(2)が、前記塊(4)の前記円筒状の内面に前記円筒状の内面と接触して格納されていることと、を特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の電気機械。
【請求項5】
前記固定子(2)が、締り嵌めを通して高い熱伝導率を持つ材料の前記塊(4)に格納されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の電気機械。
【請求項6】
前記循環ダクト(5)が、前記入口(6)及び前記出口(7)にそれぞれ接続されている、好ましくは曲がった端部を備え、前記開位置で、前記アクセスカバー(8)は、前記ケーシング(1)に接続された前記端部の取り外しと、前記固定子(2)、前記回転子(3)及び前記冷却装置の前記アセンブリ、並びに前記循環ダクト(5)の前記端部の、前記ケーシング(1)への引き抜き又は挿入とを可能にするように、前記入口(6)及び前記出口(7)に接続されている前記循環ダクト(5)の前記端部へのアクセスを同様に提供することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の電気機械。
【請求項7】
前記ケーシング(10)が密閉されていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の電気機械。
【請求項8】
高い熱伝導率を持つ材料の前記塊(4)に埋め込まれる、前記循環ダクト(5)の前記部分が、ジグザグ形、螺旋、往復セクション、直線セグメント、曲がったセグメントのうちの少なくとも1つを形成することを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の電気機械。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の電気機械、特に電気モータの製造方法であって、前記電気機械は、ケーシング(10)内に配設される固定子(2)及び回転子(3)と、金属又は合金などの高い熱伝導率を持つ材料の塊(4)に埋め込まれた部分を含む前記冷却流体の循環用のダクト(5)を備える冷却装置とを備え、前記冷却装置は、前記ケーシング(10)への挿入の前に前記固定子(2)と予め組み立てられる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機械及びその製造方法に関する。
【0002】
本発明は、より詳細には、ケーシング内に配設される固定子及び回転子を備える電気機械、特に、少なくとも1つの圧縮機又は循環機を駆動するための電動モータに関し、機械は、固定子の周りに配設され冷却流体の循環用の回路を備える冷却装置を備える。
【背景技術】
【0003】
電動モータ(及び特にモータの固定子)を冷却するための装置を提供することが知られており、例えば、欧州特許出願公開第2680408A1号明細書を参照されたい。
【0004】
既知の冷却装置は、外部環境に対して封止又は密封されているケーシングに格納される冷却流体の循環用の回路を提供する。この回路は、溶接部及び/又はシールによって機械のケーシングの内部容積の残りの部分に対して封止されている。
【0005】
封止が失敗した場合、機械の残りの部分への冷却流体の漏洩が重大な結果を招く可能性がある。特に、機械が、機械の封止ケーシングに格納された圧縮機を駆動するためのモータであるとき、漏洩する冷却流体は、圧縮されたサイクルガスと混合する可能性がある。この汚染は、このサイクルガスを使用する設備を損傷する可能性がある。
【0006】
漏洩箇所の修理には、時間とコストがかかる分解及び作業が伴う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上に開示した従来技術の欠点のすべて又は一部を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これを目指して、本発明による機械は、その他の点では上の序文で与えられたその一般的な定義に従って、本質的に、冷却装置が、金属又は合金などの高い熱伝導率を持つ材料の塊に埋め込まれた部分を含む冷却流体の循環用のダクトを備えることを特徴とする。
【0009】
さらにまた、本発明の実施形態は、以下の特徴のうちの1つ又は複数を有し得る。
- 高い熱伝導率を持つ材料の塊は、流体循環ダクトの周りにオーバーモールドされる、
- 高い熱伝導率を持つ材料の塊は、アルミニウム又はアルミニウム合金から構成される、
- 冷却流体の循環用のダクトは、金属材料又は合金、特にステンレス鋼合金からなる、
- 高い熱伝導率を持つ材料の塊は、円筒形状を有し、固定子は、前記塊の円筒状の内面にこれと接触して格納される、
- 固定子は、締り嵌めを通して高い熱伝導率を持つ材料の塊に格納される、
- ケーシングは、固定子、回転子及び冷却装置を収容する、例えば加圧されている、好ましくは密封された容積を区切る、
- 循環ダクトは、ケーシングの壁上に開く入口及び出口に接続されている、
- ケーシングは、開位置で、回転子の回転軸と、ケーシング内の固定子、回転子及び冷却装置のアセンブリの取り付け方向とに平行な長手方向に、固定子、回転子及び冷却装置へのアクセスを提供するアクセスカバーを備える、
- 循環ダクトは、好ましくは、入口及び出口にそれぞれ接続されている曲がった端部を備え、開位置で、カバーは、ケーシングに接続された端部の取り外しと、固定子、回転子及び冷却装置のアセンブリ並びに循環ダクトの前記端部のケーシングへの引き抜き又は挿入とを可能にするように、入口及び出口に接続されている循環ダクトの端部へのアクセスを同様に提供する、
- ケーシングは密閉されている、
- 高い熱伝導率を持つ材料の塊に埋め込まれる、循環ダクトの部分は、ジグザグ形、螺旋、往復セクション、直線セグメント、曲がったセグメントのうちの少なくとも1つを形成する。
【0010】
本発明は、同様に、上記又は下記の特徴のいずれか1つに従った電気機械、特にモータの製造方法に関し、この機械は、ケーシング内に配設される固定子及び回転子と、金属又は合金などの高い熱伝導率を持つ材料の塊に埋め込まれた部分を含む冷却流体の循環用のダクトを備える冷却装置とを備え、この方法で、冷却装置は、そのケーシングへの挿入の前に固定子と予め組み立てられる。
【0011】
本発明は、同様に、特許請求の範囲内の上記又は下記の特徴の任意の組み合わせを含む任意の代替の装置又は方法に関し得る。
【0012】
さらなる特定の特徴及び利点は、図を参照して提供される以下の説明を読めば明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態の一例を例示する、概略的且つ部分的な断面図を示す。
図2】循環ダクトの配置の一例を例示する、概略的且つ部分的な斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1に例示される(特に電動モータである)電気機械1は、ケーシング10内に配設される、固定子2及び回転子3を備える。
【0015】
好ましくは、ケーシング10は、固定子2、回転子3及び冷却装置を収容する、密封され封止された容積を区切る。
【0016】
固定子2は、長手方向軸11に関して、回転子3の周りに配設される。
【0017】
回転子3は、例えば、圧縮機9又は循環機が取り付けられている回転シャフトを駆動する。これは、機械1が特にモータ圧縮機であり得ることを意味する。当然のことながら、機械は、同様に、シャフトの他端に取り付けられたタービンを有するモータターボチャージャ、及び/又は複数の圧縮機、例えば(回転シャフトの両側に圧縮機ホイールを有する)2段モータ圧縮機を駆動するモータであり得る。
【0018】
ケーシング10の少なくとも一部は、軸対象(軸11に関して対称)であり、例えば円筒状又は管状であり、(長手方向軸11に関して)固定子2の周りに配設される形状を有することができる。ケーシング10は、特にシール及び締結ピンを用いて封止された方式で組み立てられる金属部品から構成され得る。
【0019】
機械1は、固定子2の周りに配設された冷却装置を備える。この装置は、従来、特に熱伝達液体用の冷却流体回路を備えている。このような熱伝達流体は、一般に、機械の一部、特に固定子2と直接的又は間接的に熱を交換することを目的とした液体である。それを目指して、冷却流体は、水、又は熱を輸送することが可能なその他の液体又は気体又は2相混合物とすることができる。
【0020】
有利な特徴によれば、この冷却装置は、金属又は合金などの高い熱伝導率を持つ材料の塊4に埋め込まれた部分を含む冷却流体の循環用のダクト5を備える。
【0021】
高い熱伝導率を持つ材料の塊4に埋め込まれる、循環ダクト5のこの部分は、特に螺旋状であり得、及び/又はジグザグを描き得る。これは、ダクトが固定子2の周りに及び/又は固定子2に沿って(ループ、ジグザグ又は他の形状で)複数の流路を形成することを意味する。
【0022】
例えば、ダクト5は、(好ましくは溶接部なしで)曲がっている。
【0023】
図2]に例示されるように、このダクト5は、例えば長手方向軸11の方向に螺旋状往復セクションを実装する。これにより、固定子2の均一な温度を得ることが可能になる。この場合、流体入口6及び出口7は、固定子2のまったく同一の長手方向側に位置し得る。例えば、ダクト5は、2つの反対方向に(それぞれ前後に)、長手方向11にそれぞれ進行する2群の螺旋から形成される。これらの2群の螺旋は、入れ子又は交互にすることができる。これは、流体を第1の長手方向に移動させる2つの螺旋又はターンの間に、流体を反対の長手方向に循環させる螺旋又はターンが位置していることを意味する。
【0024】
当然のことながら、この実施形態は決して限定的なものではない。例えば、代替として又は組み合わせて、ダクト5は、長手方向に曲がっていてもよい。これは、ダクト5が、長手方向軸11に平行な方向に延びる反対方向の(特に直線である)部分を有することができることを意味する。これは、ダクト5が、長手方向11に平行な方向に直線の往復セクションを形成することを意味する。これらの長手方向部分は、中心軸が長手方向軸11である円筒の母線に対応し得る。ダクトは、そのとき2つの隣接した長手方向部分間の接合部において曲がっている。他の方向づけが提供され得る。
【0025】
同じく、ダクト5のその他の幾何学的形状が、固定子のすべての周り又は一部の周りのみに想定され得る。
【0026】
加えて、機械のまったく同一の側に入口6及び出口7を有するように、ダクト5の戻り部分は、管、特に直線管を介して、高い熱伝導率を持つ材料の塊4を通して直接実現され得る。
【0027】
したがって、高い熱伝導率を持つ材料の塊4とダクト5とを備えるアセンブリは、長手方向に延びる管状ブロックを形成することができ、その2つの端部6、7は、塊4のまったく同一の長手方向端部に位置している。
【0028】
これは、(例えば、固定子2及び回転子3がこのアセンブリ4、5の中心部にすでに取り付けられた状態で)ケーシング10に螺入することができるアセンブリ4、5を形成する。
【0029】
これにより、機械1に接続された配管との接続がより容易になる。
【0030】
高い熱伝導率は、金属又は合金の熱伝導率に相当する熱伝導率を表す。
【0031】
例えば、高い熱伝導率を持つ材料の塊4は、アルミニウム又はアルミニウム合金から構成される。
【0032】
高い熱伝導率を持つ材料のこの塊4は、流体循環ダクト5の周りにオーバーモールドすることができる。
【0033】
冷却流体の循環用のダクト5は、金属材料又は合金、特にステンレス鋼合金からなり得る。
【0034】
例示されているように、高い熱伝導率を持つ材料の塊4は、例えば管状及び/又は円筒状の形状を有し、固定子2は、例えば円筒状であり、前記塊4の内面にこれと接触して格納される。これは、塊4が、循環ダクト5によって形成された管が通過する円筒形状を有することができることを意味し、金属の塊の体積が円筒全体を満たすわけではないこと意味する。
【0035】
例えば、固定子2の外面は、円筒状であり、回転子3の回転軸に平行な長手方向に、高い熱伝導率を持つ材料の塊4によって形成された円筒管に螺入される。
【0036】
例えば、固定子2は、締り嵌めを通して高い熱伝導率を持つ材料の塊4に取り付けることができる。これは、固定子2の効果的な冷却を目的として、これらの2つの要素間の良好な熱伝導を提供する。必要に応じて、接触抵抗を低減することを目的として、中間要素を間に置くことができる(例えば、熱グリース又は接着剤)。
【0037】
高い熱伝導率を持つ材料のこの塊4は、それが収容するダクトの部分の体積と等しいか又はそれよりも大きい(例えば1.5~3倍大きい)体積を有し得る。この塊4は、したがって、効果的な冷却を促進する熱慣性を有することができる。
【0038】
冷却装置及び固定子2を予め組み立てることができ、それから回転子を固定子に取り付けることができ、アセンブリを機械1のケーシング10に取り付けることができる。
【0039】
例えば、ケーシング10は、開位置で、固定子2、回転子3及び冷却装置へのアクセスを提供するアクセスカバー8を備える。好ましくは、このアクセスは、回転子3の回転軸と、ケーシング10内の固定子2、回転子3及び冷却装置のアセンブリの取り付け方向とに平行な長手方向11に方向づけられる。
【0040】
例示されるように、循環ダクト5は、ケーシング10の壁上に開く入口6及び出口7に接続されている。好ましくは、入口6及び出口7は、カバーに隣接したケーシング10の壁上に開く(入口6及び出口7がカバー内に開かないことを意味し、組み立て及び分解をより容易にする)。
【0041】
これは、(塊4内を循環する前に)冷却流体を供給し(塊4内を循環した後に)冷却流体を戻すための循環ダクト5の端部を、(例えば、溶接によって)ケーシング10において入口及び出口に接続することができることを意味する。
【0042】
例示されるように、循環ダクト5は、冷却流体入口6及び出口7にそれぞれ接続されている、曲がった端部15を備え得る。
【0043】
上述したように、前記入口6及び出口7は、固定子のまったく同一の長手方向側に、又は互いに反対側に位置し得る。
【0044】
加えて、好ましくは、カバー8が開位置にあるとき、それは、入口6及び出口7に接続されている、循環ダクト5のこれらの曲がった端部15へのアクセスを同様に提供する。この配置により、ケーシング10に接続された曲がった端部15を取り外し、アセンブリをケーシング10から引き抜くことが可能になる。逆に、この配置により、組み立て中に、冷却装置及び循環ダクト5の曲がった端部15を備えた、固定子2及び回転子3のアセンブリのケーシングへの挿入が可能になる。
【0045】
上記の配置は、冷却流体が機械1のケーシング10の内部に向かって漏洩するリスクを限定する。
【0046】
特に、提案された構造は、リスクを呈する溶接部の数を取り除くか、又は限定する。例えば、適切な場合、保守のために容易にアクセス可能な場所で、循環ダクト5の端部とケーシング10との間に1つ又は数個の溶接部のみを提供することが可能である。
【0047】
前述の通り、ケーシング10は、好ましくは密閉されており、ケーシングの外部に接続されているさまざまな流体回路は、それゆえ、さまざまな回路の封止を確実にするように、封止された方式でこのケーシングを通過する。したがって、ダクトの入口6及び出口7は、封止された方式でケーシング10を通過する。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] ケーシング(10)内に配設される固定子(2)及び回転子(3)を備える電気機械、特に、少なくとも1つの圧縮機又は循環機を駆動するための電動モータであって、前記機械(1)は、前記固定子(2)の周りに配設され冷却流体の循環用の回路を備える冷却装置を備えており、前記冷却装置が、金属又は合金の熱伝導率に相当する高い熱伝導率を持つ材料の塊(4)に埋め込まれた部分を含む前記冷却流体の循環用のダクト(5)を備え、高い熱伝導率を持つ材料の前記塊(4)は、前記流体循環ダクト(5)の周りにオーバーモールドされることを特徴とし、前記ケーシング(10)が、前記固定子(2)、前記回転子(3)及び前記冷却装置を収容する好ましくは密封された容積を区切ることと、前記循環ダクト(5)が、前記ケーシング(10)の壁上に開く入口(6)及び出口(7)に接続されていることとを特徴とする、電気機械。
[2] 前記循環ダクト(5)の前記入口(6)及び出口(7)が、高い熱伝導率を持つ材料の前記塊(4)のまったく同一の長手方向端部に開き、高い熱伝導率を持つ材料の前記塊(4)の前記長手方向は、取り付け位置で前記回転子の回転軸に平行であることを特徴とする、[1]に記載の機械。
[3] 高い熱伝導率を持つ材料の前記塊(4)が、アルミニウム又はアルミニウム合金から構成されることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の機械。
[4] 前記冷却流体の循環用の前記ダクト(5)が、金属材料又は合金、特にステンレス鋼合金からなることを特徴とする、[1]~[3]のいずれか一項に記載の機械。
[5] 高い熱伝導率を持つ材料の前記塊(4)が、円筒形状を有することと、前記固定子(2)が、前記塊(4)の前記円筒状の内面に前記円筒状の内面と接触して格納されることとを特徴とする、[1]~[4]のいずれか一項に記載の機械。
[6] 前記固定子(2)が、締り嵌めを通して高い熱伝導率を持つ材料の前記塊(4)に格納されることを特徴とする、[1]~[5]のいずれか一項に記載の機械。
[7] 前記ケーシング(10)が、開位置で、前記回転子(3)の前記回転軸と、前記ケーシング(10)内の固定子(2)、回転子(3)及び冷却装置のアセンブリの取り付け方向とに平行な長手方向(11)に、前記固定子(2)、前記回転子(3)及び前記冷却装置へのアクセスを提供するアクセスカバー(8)を備えることを特徴とする、[1]~[6]のいずれか一項に記載の機械。
[8] 前記ダクト(5)の前記入口(6)及び出口(7)が、前記アクセスカバー(8)から切り離されている前記ケーシング(10)の壁上に開くことを特徴とする、[7]に記載の機械。
[9] 前記循環ダクト(5)が、前記入口(6)及び前記出口(7)にそれぞれ接続されている、好ましくは曲がった端部を備え、前記開位置で、前記カバー(8)は、前記ケーシング(10)に接続された前記端部の取り外しと、固定子(2)、回転子(3)及び冷却装置の前記アセンブリ並びに前記循環ダクト(5)の前記端部の前記ケーシング(11)への引き抜き又は挿入とを可能にするように、前記入口(6)及び前記出口(7)に接続されている前記循環ダクト(5)の前記端部へのアクセスを同様に提供することを特徴とする、[7]又は[8]に記載の機械。
[10] 前記ケーシング(10)が密閉されていることを特徴とする、[1]~[9]のいずれか一項に記載の機械。
[11] 高い熱伝導率を持つ材料の前記塊(4)に埋め込まれる、前記循環ダクト(5)の前記部分が、ジグザグ形、螺旋、往復セクション、直線セグメント、曲がったセグメントのうちの少なくとも1つを形成することを特徴とする、[1]~[10]のいずれか一項に記載の機械。
[12] [1]~[10]のいずれか一項に記載の電気機械、特にモータの製造方法であって、前記機械は、ケーシング(10)内に配設される固定子(2)及び回転子(3)と、金属又は合金などの高い熱伝導率を持つ材料の塊(4)に埋め込まれた部分を含む前記冷却流体の循環用のダクト(5)を備える冷却装置とを備え、前記冷却装置は、前記ケーシング(10)への挿入の前に前記固定子(2)と予め組み立てられる、方法。
図1
図2