(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】ディスプレイ用発光素子
(51)【国際特許分類】
H01L 33/08 20100101AFI20240813BHJP
H01L 33/38 20100101ALI20240813BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20240813BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
H01L33/08
H01L33/38
G09F9/33
G09F9/30 330
(21)【出願番号】P 2022526512
(86)(22)【出願日】2020-11-13
(86)【国際出願番号】 KR2020015940
(87)【国際公開番号】W WO2021096272
(87)【国際公開日】2021-05-20
【審査請求日】2023-11-09
(32)【優先日】2019-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506029004
【氏名又は名称】ソウル バイオシス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SEOUL VIOSYS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】65-16,Sandan-ro 163 Beon-gil,Danwon-gu,Ansan-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】イ,ソム グン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ソン ギュ
(72)【発明者】
【氏名】リュ,ヨン ウ
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ジョン ヒョン
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0214373(US,A1)
【文献】特開2014-175427(JP,A)
【文献】国際公開第2019/103568(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0288093(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のLED積層;
前記第1のLED積層の下に位置する第2のLED積層;
前記第2のLED積層の下に位置する第3のLED積層;
前記第2のLED積層と前記第3のLED積層間に介在する第1のボンディング層;
前記第1のLED積層と前記第2のLED積層間に介在する第2のボンディング層;
前記第2のボンディング層と前記第2のLED積層間に介在する第1の平坦化層;
前記第1のLED積層上に配置された第2の平坦化層;
前記第1の平坦化層、前記第2のLED積層および第1のボンディング層を貫通して前記第3のLED積層の第1の導電型半導体層および第2の導電型半導体層にそれぞれ電気的に接続された第1の下部埋め込みビア;および
前記第2の平坦化層および前記第1のLED積層を貫通する上部埋め込みビアを含み、
前記第1の下部埋め込みビアおよび上部埋め込みビアは、上段の幅が対応する貫通ホールの幅よりも大きい、ディスプレイ用発光素子。
【請求項2】
前記第1の下部埋め込みビアを覆う下部コネクタをさらに含み、
前記上部埋め込みビアの一部は前記下部コネクタに接続される、請求項1に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項3】
前記第1の下部埋め込みビアから離隔され、前記第2のLED積層の第2の導電型半導体層に電気的に接続された第3の下部コネクタをさらに含み、
前記上部埋め込みビアの一つは、前記第3の下部コネクタに電気的に接続される、請求項2に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項4】
前記第1の平坦化層は複数の領域に分けられ、
前記第1の平坦化層の一領域は、前記第2のLED積層と前記第3の下部コネクタ間に介在し、
前記第3の下部コネクタは、前記第1の平坦化層の一領域の周囲で前記第2のLED積層に電気的に接続する、請求項3に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項5】
前記第1の平坦化層および前記第2のLED積層の第2の導電型半導体層を貫通して、前記第2のLED積層の第1の導電型半導体層に電気的に接続する第2の下部埋め込みビアをさらに含み、
前記第2の下部埋め込みビアは、前記下部コネクタの一つに電気的に接続される、請求項2に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項6】
前記第1の下部埋め込みビアおよび前記上部埋め込みビアは、それぞれ対応する貫通ホール内で側壁絶縁層に囲まれている、請求項1に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項7】
前記側壁絶縁層は、貫通ホールの底に近いほど薄い、請求項6に記載のディスプレイ用
発光素子。
【請求項8】
前記第1のLED積層上に配置された複数の上部コネクタを含み、
前記上部コネクタは、前記上部埋め込みビアを覆って前記上部埋め込みビアにそれぞれ電気的に接続する、請求項1に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項9】
前記上部コネクタ上にそれぞれ配置されたバンプパッドをさらに含む、請求項8に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項10】
前記バンプパッドは、前記第1~第3のLED積層の第1の導電型半導体層に共通して電気的に接続された第1のバンプパッド、前記第1~第3のLED積層の第2の導電型半導体層にそれぞれ電気的に接続された第2~第4のバンプパッドを含む、請求項9に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項11】
前記第1のLED積層の第1の導電型半導体層上に配置された第1のn電極パッドをさらに含み、
前記上部コネクタの一つは、前記上部埋め込みビアと前記第1のn電極パッドを電気的に連結する、請求項9に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項12】
前記第1の下部埋め込みビアの上面は、前記第1の平坦化層の上面と並び、
前記上部埋め込みビアの上面は、前記第2の平坦化層の上面と並ぶ、請求項1に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項13】
前記第3のLED積層と前記第1のボンディング層間に介在して前記第1のボンディング層に接する下部絶縁層;及び
前記第2のLED積層と前記第2のボンディング層間に介在して前記第2のボンディング層に接する中間絶縁層をさらに含む、請求項1に記載のディスプレイ用発光素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ディスプレイ用発光素子およびディスプレイ装置に関するものであり、特に、LEDの積層構造を有するディスプレイ用発光素子およびそれを有するディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードは、無機光源として、ディスプレイ装置、車両用ランプ、一般照明のような様々な分野に多様に用いられている。発光ダイオードは、寿命が長く、且つ消費電力が低く、応答速度が速いという長所があるため、既存の光源を速い速度で置き換えている。
【0003】
一方、従来の発光ダイオードは、ディスプレイ装置においてバックライト光源として主に使用されて来た。しかし、近年、発光ダイオードを用いて直接イメージを具現するLEDディスプレイが開発されている。
【0004】
ディスプレイ装置は、一般に、青色、緑色および赤色の混合色を用いて多様な色を具現する。ディスプレイ装置は、多様なイメージを具現するために複数のピクセルを含み、各ピクセルは、青色、緑色および赤色のサブピクセルを備え、これらサブピクセルの色を通じて特定ピクセルの色が決められ、これらピクセルの組合せによってイメージが具現される。
【0005】
LEDは、その材料によって多様な色の光を放出することができ、青色、緑色および赤色を放出する個別LEDチップを二次元平面上に配列してディスプレイ装置を提供できる。しかし、各サブピクセルに一つのLEDチップを配列する場合、LEDチップの個数が多くなるため実装工程に多くの時間がかかる。
【0006】
また、サブピクセルを二次元平面上に配列するため、青色、緑色および赤色サブピクセルを含む一つのピクセルが占有する面積が相対的に広くなる。よって、制限された面積内にサブピクセルを配列するためには、各LEDチップの面積を減らす必要がある。しかし、LEDチップの大きさを減少させることは、LEDチップの実装を困難にし得、さらに、発光面積の減少を招く。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示が解決しようとする課題は、制限されたピクセル面積内で各サブピクセルの面積を増やすことのできるディスプレイ用発光素子およびディスプレイ装置を提供することである。
【0008】
本開示が解決しようとする別の課題は、実装工程時間を短縮できるディスプレイ用発光素子およびディスプレイ装置を提供することである。
【0009】
本開示が解決しようとする別の課題は、工程収率を増大させることのできるディスプレイ用発光素子およびディスプレイ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子は、第1のLED積層;前記第1のLED積層の下に位置する第2のLED積層;前記第2のLED積層の下に位置する第3のLED積層;前記第2のLED積層と前記第3のLED積層間に介在する第1のボンディング層;前記第1のLED積層と前記第2のLED積層間に介在する第2のボンディング層;前記第2のボンディング層と前記第2のLED積層間に介在する第1の平坦化層;前記第1のLED積層上に配置された第2の平坦化層;前記第1の平坦化層、前記第2のLED積層および第1のボンディング層を貫通して前記第3のLED積層の第1の導電型半導体層および第2の導電型半導体層にそれぞれ電気的に接続された第1の下部埋め込みビア;および前記第2の平坦化層および前記第1のLED積層を貫通する上部埋め込みビアを含むが、前記第1の下部埋め込みビアおよび上部埋め込みビアは、上段の幅が対応する貫通ホールの幅よりも大きい。
【0011】
本開示の一実施例にかかるディスプレイ装置は、回路基板;および前記回路基板上に整列された複数の発光素子を含むが、前記発光素子は、それぞれ上で説明した発光素子である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の実施例にかかるディスプレイ装置を説明するための概略的な斜視図である。
【
図2】本開示の一実施例にかかるディスプレイパネルを説明するための概略的な平面図である。
【
図3】本開示の一実施例にかかる発光素子を説明するための概略的な平面図である。
【
図4A】
図3の切り取り線A-A’に沿って切り取った概略的な断面図である。
【
図4B】
図3の切り取り線B-B’に沿って切り取った概略的な断面図である。
【
図5A】本開示の一実施例に従って成長基板上に成長した第1のLED積層を説明するための概略的な断面図である。
【
図5B】本開示の一実施例に従って成長基板上に成長した第2のLED積層を説明するための概略的な断面図である。
【
図5C】本開示の一実施例に従って成長基板上に成長した第3のLED積層を説明するための概略的な断面図である。
【
図6A】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図である。
【
図6B】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図6C】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図7A】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図である。
【
図7B】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図7C】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図8A】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図である。
【
図8B】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図8C】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図9A】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図である。
【
図9B】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図9C】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図10A】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図である。
【
図10B】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図10C】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図11A】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図である。
【
図11B】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図11C】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図12A】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図である。
【
図12B】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図12C】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図13A】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図である。
【
図13B】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図13C】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図14A】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図である。
【
図14B】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図14C】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図15A】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図である。
【
図15B】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図15C】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図16A】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図である。
【
図16B】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図16C】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図17A】本開示の実施例にかかる埋め込みビアの形成工程を説明するための概略的な断面図である。
【
図17B】本開示の実施例にかかる埋め込みビアの形成工程を説明するための概略的な断面図である。
【
図17C】本開示の実施例にかかる埋め込みビアの形成工程を説明するための概略的な断面図である。
【
図17D】本開示の実施例にかかる埋め込みビアの形成工程を説明するための概略的な断面図である。
【
図18】コンタクトホールに埋め込まれたビアを説明するためのSEMイメージである。
【
図19】埋め込まれたビアを説明するためのSEMイメージである。
【
図20】本開示の別の実施例にかかる発光素子を説明するための概略的な平面図である。
【
図21A】
図20の切り取り線C-C’に沿って切り取った概略的な断面図である。
【
図21B】
図20の切り取り線D-D’に沿って切り取った概略的な断面図である。
【
図22A】本開示の別の実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図である。
【
図22B】本開示の別の実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図22C】本開示の別の実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図23A】本開示の別の実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図である。
【
図23B】本開示の別の実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図23C】本開示の別の実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図24A】本開示の別の実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図である。
【
図24B】本開示の別の実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図24C】本開示の別の実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図25A】本開示の別の実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図である。
【
図25B】本開示の別の実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図25C】本開示の別の実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図26A】本開示の別の実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図である。
【
図26B】本開示の別の実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図26C】本開示の別の実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図27A】本開示の別の実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図である。
【
図27B】本開示の別の実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図27C】本開示の別の実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図28】回路基板上に実装された発光素子を説明するための概略的な断面図である。
【
図29A】本開示の一実施例にかかる発光素子を回路基板に転写する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図29B】本開示の一実施例にかかる発光素子を回路基板に転写する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図29C】本開示の一実施例にかかる発光素子を回路基板に転写する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図30】本開示の別の実施例にかかる発光素子を回路基板に転写する方法を説明するための概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の図面を参照して本開示の実施例を詳しく説明する。次に紹介する実施例は、本開示の属する技術分野の通常の技術者に本開示の思想が十分に伝わるようにするために例として提供するものである。よって、本開示は以下で説明する実施例に限定されるのではなく、他の形態に具現化することもできる。そして、図面において、構成要素の幅、長さ、厚さ等は便宜のために誇張して表現する場合もある。また、一つの構成要素が他の構成要素の「上部に」又は「上に」あると記載されている場合は、各部分が他の部分の「真上部」又は「真上に」ある場合だけでなく、各構成要素と他の構成要素間に別の構成要素が介在する場合も含む。明細書全体に亘って、同じ参照番号は同じ構成要素を表す。
【0014】
本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子は、第1のLED積層;前記第1のLED積層の下に位置する第2のLED積層;前記第2のLED積層の下に位置する第3のLED積層;前記第2のLED積層と前記第3のLED積層間に介在する第1のボンディング層;前記第1のLED積層と前記第2のLED積層間に介在する第2のボンディング層;前記第2のボンディング層と前記第2のLED積層間に介在する第1の平坦化層;前記第1のLED積層上に配置された第2の平坦化層;前記第1の平坦化層、前記第2のLED積層および第1のボンディング層を貫通して前記第3のLED積層の第1の導電型半導体層および第2の導電型半導体層にそれぞれ電気的に接続された第1の下部埋め込みビア;および前記第2の平坦化層および前記第1のLED積層を貫通する上部埋め込みビアを含むが、前記第1の下部埋め込みビアおよび上部埋め込みビアは、上段の幅が対応する貫通ホールの幅よりも大きい。
【0015】
本明細書では、説明の便宜のために第1のLED積層の下に第2のLED積層が配置され、第2のLED積層の下に第3のLED積層が配置されていると説明しているが、発光素子はフリップボンディングすることができ、よって、これら第1~第3のLED積層の上下位置が逆になり得るということに留意する必要がある。
【0016】
第1~第3のLED積層を相互積層することにより、ピクセル面積を増やさないと共に、各サブピクセルの発光面積を増やすことができる。さらに、埋め込みビアの上段の幅を大きくすることにより、埋め込みビアの電気的接続を助けることができる。
【0017】
一実施例において、前記第1のLED積層は前記第2のLED積層よりも長波長の光を放出し、前記第2のLED積層は前記第3のLED積層よりも長波長の光を放出することができる。例えば、前記第1、第2及び第3のLED積層は、それぞれ赤色光、緑色光および青色光を発することができる。
【0018】
別の実施例において、前記第1、第2および第3のLED積層は、それぞれ赤色光、青色光および緑色光を発することができる。第2のLED積層が青色光を発し、第3のLED積層が緑色光を発するようにすることにより、第2のLED積層で生成された光の光度を減らして色混合比を調節することができる。
【0019】
一方、前記発光素子は、前記第1の下部埋め込みビアを覆う下部コネクタをさらに含むことができ、前記上部埋め込みビアの一部は前記下部コネクタに接続できる。前記下部コネクタを採択することにより、上部埋め込みビアの電気的連結を強化することができ、さらに、上部埋め込みビアを形成する工程の信頼性を向上させることができる。
【0020】
一実施例において、前記第1の下部埋め込みビアは2つ、前記上部埋め込みビアは4つで、前記上部埋め込みビアのうち2つが前記第1の下部埋め込みビアに重なるように配置することができる。第1の下部埋め込みビアと上部埋め込みビアを重ねることにより、埋め込みビアによる光の損失を減らすことができる。
【0021】
一方、前記発光素子は、前記第1の下部埋め込みビアから離隔され、前記第2のLED積層の第2の導電型半導体層に電気的に接続された第3の下部コネクタをさらに含むことができ、前記上部埋め込みビアの一つは、前記第3の下部コネクタに電気的に接続され得る。
【0022】
さらに、前記第1の平坦化層は、複数の領域に分けることができ、前記第1の平坦化層の一領域は、前記第2のLED積層と前記第3の下部コネクタ間に介在し得、前記第3の下部コネクタは、前記第1の平坦化層の一領域の周囲で前記第2のLED積層に電気的に接続することができる。
【0023】
一実施例において、前記発光素子は、前記第1の平坦化層および前記第2のLED積層の第2の導電型半導体層を貫通して前記第2のLED積層の第1の導電型半導体層に電気的に接続する第2の下部埋め込みビアをさらに含むことができ、前記第2の下部埋め込みビアは、前記下部コネクタの一つに電気的に接続され得る。本実施例において、前記第1の平坦化層は連続し得る。
【0024】
一方、前記第1の下部埋め込みビアおよび前記上部埋め込みビアは、それぞれ対応する貫通ホール内で側壁絶縁層に囲まれてもよい。さらに、前記側壁絶縁層は、貫通ホールの底に近くなるほど薄くなり得る。
【0025】
前記発光素子は、前記第1のLED積層の第2の導電型半導体層にオーミック接触する第1の透明電極;前記第2のLED積層の第2の導電型半導体層にオーミック接触する第2の透明電極;および前記第3のLED積層の第2の導電型半導体層にオーミック接触する第3の透明電極をさらに含んでもよく、前記第2の透明電極は、前記第2のLED積層の第2の導電型半導体層を露出させる開口部を有することができ、前記第1の下部埋め込みビアは前記第2の透明電極の開口部の内部領域を通過することができる。
【0026】
前記発光素子は、前記第1のLED積層上に配置された複数の上部コネクタを含むことができ、前記上部コネクタは、前記上部埋め込みビアを覆って前記上部埋め込みビアにそれぞれ電気的に接続され得る。
【0027】
さらに、前記発光素子は、前記上部コネクタ上にそれぞれ配置されたバンプパッドをさらに含むことができる。
【0028】
前記バンプパッドは、前記第1~第3のLED積層の第1の導電型半導体層に共通して電気的に接続された第1のバンプパッド;前記第1~第3のLED積層の第2の導電型半導体層にそれぞれ電気的に接続された第2~第4のバンプパッドを含むことができる。
【0029】
一方、前記発光素子は、前記第1のLED積層の第1の導電型半導体層上に配置された第1のn電極パッドをさらに含むことができ、前記上部コネクタの一つは、前記上部埋め込みビアと前記第1のn電極パッドを電気的に連結できる。
【0030】
一実施例において、前記上部コネクタは、前記第1のLED積層で生成された光を反射する反射金属層を含むことができ、前記反射金属層は、例えばAu又はAu合金を含んでもよい。
【0031】
一方、前記第1の下部埋め込みビアの上面は、前記第1の平坦化層の上面と並んでもよく、前記上部埋め込みビアの上面は、前記第2の平坦化層の上面と並んでもよい。
【0032】
また、前記第1~第3のLED積層は、成長基板から分離されたものでもよい。さらに、前記発光素子は、成長基板を保有しなくてもよい。
【0033】
前記発光素子は、前記第3のLED積層と前記第1のボンディング層間に介在し、前記第1のボンディング層に接する下部絶縁層;および前記第2のLED積層と前記第2のボンディング層間に介在して前記第2のボンディング層に接する中間絶縁層をさらに含むことができる。前記下部絶縁層および中間絶縁層は、それぞれ第1のボンディング層および第2のボンディング層に対する接合力を増大させることができる。
【0034】
本開示の一実施例にかかるディスプレイ装置は、回路基板;および前記回路基板上に整列された複数の発光素子を含むが、前記発光素子はそれぞれ上で説明した発光素子である。
【0035】
以下、図面を参照して本開示の実施例について具体的に説明する。
【0036】
図1は、本開示の実施例にかかるディスプレイ装置を説明するための概略的な斜視図である。
【0037】
本開示の発光素子は、特別限定されるのではないが、特に、スマートウォッチ1000a、VRヘッドセット1000bのようなVRディスプレイ装置、又は拡張現実眼鏡1000cのようなARディスプレイ装置内に使用される。
【0038】
ディスプレイ装置内には、イメージを具現するためのディスプレイパネルが実装される。
図2は、本開示の一実施例にかかるディスプレイパネルを説明するための概略的な平面図である。
【0039】
図2を参照すると、ディスプレイパネルは回路基板101及び発光素子100を含む。
【0040】
回路基板101は、手動マトリックス駆動または能動マトリックス駆動のための回路を含み得る。一実施例において、回路基板101は内部に配線および抵抗を含むことができる。他の実施例において、回路基板101は配線、トランジスタ及びキャパシタを含むことができる。回路基板101はまた、内部に配置された回路に電気的接続を許容するためのパッドを上面に有し得る。
【0041】
複数の発光素子100は、回路基板101上に整列される。それぞれの発光素子100は一つのピクセルを構成する。発光素子100は、バンプパッド73を有し、バンプパッド73が回路基板101に電気的に接続される。例えば、バンプパッド73は回路基板101上に露出されたパッドにボンディングされ得る。
【0042】
発光素子100間の間隔は、少なくとも発光素子の幅よりも広くなり得る。
【0043】
発光素子100の具体的な構成に対して、
図3、
図4Aおよび
図4Bを参照して説明する。
図3は、本開示の一実施例にかかる発光素子100を説明するための概略的な平面図であり、
図4Aおよび
図4Bは、それぞれ本開示の一実施例にかかる発光素子100を説明するために
図3の切り取り線A-A’およびB-B’に沿って切り取った概略的な断面図である。
【0044】
説明の便宜のために、バンプパッド73a,73b,73c,73dが上側に配置されたものを図示および説明するが、発光素子100は
図2に示したように、回路基板101上にフリップボンディングされ、この場合、バンプパッド73a,73b,73c,73dが下側に配置される。さらに、特定実施例において、バンプパッド73a,73b,73c,73dは省略することもできる。また、基板41を一緒に図示するが、基板41は省略することもできる。
【0045】
図3、
図4Aおよび
図4Bを参照すると、発光素子100は、第1のLED積層23、第2のLED積層33、第3のLED積層43、第1の透明電極25、第2の透明電極35、第3の透明電極45、第1のn電極パッド27a、第2のn電極パッド37a、第3のn電極パッド47a、下部p電極パッド47b、第1~第3の下部コネクタ39a,39b,39c、下部埋め込みビア55a,55b、上部埋め込みビア65a,65b,65c,65d、第1の側壁絶縁層53、第1~第4の上部コネクタ67a,67b,67c,67d、第1のボンディング層49、第2のボンディング層59、下部絶縁層48、中間絶縁層58、上部絶縁層71、下部平坦化層51、上部平坦化層61およびバンプパッド73a,73b,73c,73dを含むことができる。さらに、発光素子100は、第1のLED積層23を貫通する貫通ホール23h1,23h2,23h3,23h4、第2のLED積層33を貫通する貫通ホール33h1,33h2を含むことができる。
【0046】
図4Aおよび
図4Bに示したように、本開示の実施例は第1~第3のLED積層23,33,43が垂直方向に積層される。一方、各LED積層23,33,43は、互いに異なる成長基板上で成長したものだが、本開示の実施例において成長基板は最終発光素子100に残留せず全て取り除かれる。よって、発光素子100は成長基板を含まない。しかし、本開示が必ずしもこれに限定されるのではなく、少なくとも一つの成長基板が含まれてもよい。
【0047】
第1のLED積層23、第2のLED積層33および第3のLED積層43は、それぞれ第1の導電型半導体層23a,33a、又は43a、第2の導電型半導体層23b,33b,又は43b、及びこれらの間に介在する活性層(図示せず)を含む。活性層は、特に多重量子井戸構造を有し得る。
【0048】
第1のLED積層23の下に第2のLED積層33が配置され、第2のLED積層33の下に第3のLED積層43が配置される。第1~第3のLED積層23,33,43で生成された光は、最終的に第3のLED積層43を通じて外部に放出される。
【0049】
一実施例において、第1のLED積層23は第2および第3のLED積層33,43に比べて長波長の光を放出し、第2のLED積層33は第3のLED積層43に比べて長波長の光を放出し得る。例えば、第1のLED積層23は赤色光を発する無機発光ダイオードで、第2のLED積層33は緑色光を発する無機発光ダイオードで、第3のLED積層43は青色光を発する無機発光ダイオードになり得る。
【0050】
別の実施例において、第1、第2および第3のLED積層23,33,43から放出される光の色混合比率を調節するために、第2のLED積層33が第3のLED積層43よりも短波長の光を放出し得る。これにより、第2のLED積層33から放出される光の光度を減らし、第3のLED積層43から放出される光の光度を増加させることができる。これにより、第1、第2および第3のLED積層23,33,43から放出される光の光度比率を劇的に変更することができる。例えば、第1のLED積層23は赤色光を放出し、第2のLED積層33は青色光を放出し、第3のLED積層43は緑色光を放出するように構成することができる。
【0051】
以下では、第2のLED積層33が第3のLED積層43よりも短波長の光、例えば、青色光を放出することを例に挙げて説明するが、第2のLED積層33が第3のLED積層43よりも長波長の光、例えば緑色光を放出できることに留意しなければならない。
【0052】
第1のLED積層23はAlGaInP系列の井戸層を含むことができ、第2のLED積層33はAlGaInN系列の井戸層を含むことができ、第3のLED積層43はAlGaInP系列またはAlGaInN系列の井戸層を含むことができる。
【0053】
第1のLED積層23は、第2および第3のLED積層33,43に比べて長波長の光を放出するため、第1のLED積層23で生成された光は第2および第3のLED積層33,43を透過して外部に放出され得る。また、第2のLED積層33は第3のLED積層43に比べて短波長の光放出するため、第2のLED積層33で生成された光の一部は第3のLED積層43に吸収されて損失され得、よって、第2のLED積層33で生成された光の光度を減らすことができる。一方、第3のLED積層43で生成された光は、第1および第2のLED積層23,33を経ず外部に放出されるため、その光度が増加し得る。
【0054】
一方、各LED積層23,33又は43の第1の導電型半導体層23a,33a,43aはそれぞれn型半導体層で、第2の導電型半導体層23b,33b,43bはp型半導体層である。また、本実施例において、第1のLED積層23の上面はn型半導体層23aで、第2のLED積層33の上面はp型半導体層33bで、第3のLED積層43の上面はp型半導体層43bである。つまり、第1のLED積層23の積層順序が、第2のLED積層33および第3のLED積層43の積層順序と反対になっている。第2のLED積層33の半導体層を第3のLED積層43の半導体層と同じ順序で配置することにより、工程安定性を確保することができ、これについては製造方法を説明しながら下記で詳しく説明する。
【0055】
第2のLED積層33は、第2の導電型半導体層33bが取り除かれて第1の導電型半導体層33aの上面を露出させるメサエッチング領域を含む。
図3および
図4Bに示したように、メサエッチング領域に露出した第1の導電型半導体層33a上に第2のn電極パッド37aが配置され得る。第3のLED積層43もまた、第2の導電型半導体層43bが取り除かれて第1の導電型半導体層43aの上面を露出させるメサエッチング領域を含み得、露出された第1の導電型半導体層43a上に第3のn電極パッド47が配置され得る。それとは逆に、第1のLED積層23はメサエッチング領域を含まなくてもよい。
【0056】
一方、第3のLED積層43は平坦な下部面を有し得るが、これに限定されない。例えば、第1の導電型半導体層43aの表面に凹凸を含むことができ、この凹凸によって光抽出効率を向上させることができる。第1の導電型半導体層43aの表面凹凸は、パターニングされたサファイア基板を分離することによって形成されたものでもよいが、必ずしもこれに限定されるのではなく、成長基板を分離した後にテクスチャリングを通じて追加形成されたものでもよい。第2のLED積層33もまた、表面がテクスチャリングされた第1の導電型半導体層33aを有し得る。
【0057】
本実施例において、第1のLED積層23、第2のLED積層33及び第3のLED積層43は、互いに重なり合って、大体似た大きさの発光面積を有し得る。但し、メサエッチング領域、貫通ホール23h1,23h2,23h3,23h4、及び貫通ホール33h1,33h2によって第1~第3のLED積層23,33,43の発光面積を調節することができる。例えば、第1および第3のLED積層23,43の発光面積は、第2のLED積層33の発光面積よりも大きくなり得、よって、第1のLED積層23または第3のLED積層43で生成される光の光度を第2のLED積層33で生成される光に比べてさらに増加させることができる。
【0058】
第1の透明電極25は、第1のLED積層23と第2のLED積層33の間に配置される。第1の透明電極25は、第1のLED積層23の第2の導電型半導体層23bにオーミック接触し、第1のLED積層23で生成された光を透過させる。第1の透明電極25は、インジウムスズ酸化物(ITO)等の透明酸化物層や金属層を利用して形成できる。第1の透明電極25は、第1のLED積層23の第2の導電型半導体層23bの前面を覆うことができ、その側面は第1のLED積層23の側面と並んで配置できる。つまり、第1の透明電極25の側面は、第2のボンディング層59で覆われない場合がある。さらに、貫通ホール23h1,23h2,23h3は、第2の透明電極25を貫通し得、よって、これら貫通ホールの側壁に第2の透明電極25が露出し得る。一方、貫通ホール23h4は、第1の透明電極25の上面を露出させることができる。しかし、本開示がこれに限定されるのではなく、第1のLED積層23の縁に沿って第1の透明電極25が部分的に取り除かれることにより、第1の透明電極25の側面が第2のボンディング層59で覆われてもよい。また、貫通ホール23h1,23h2,23h3が形成される領域において第1の透明電極25を予めパターニングして取り除くことにより、貫通ホール23h1,23h2,23h3の側壁に第1の透明電極25が露出することを防止できる。
【0059】
一方、第2の透明電極35は、第2のLED積層33の第2の導電型半導体層33bにオーミック接触する。図示したように、第2の透明電極35は第1のLED積層23と第2のLED積層33の間で第2のLED積層33の上面に接触する。第2の透明電極35は、赤色光に透明な金属層または導電性酸化物層で形成できる。導電性酸化物層の例としては、SnO2、InO2、ITO、ZnO、IZO等を挙げることができる。特に、第2の透明電極35はZnOで形成できるが、ZnOは第2のLED積層33上に単結晶で形成することができるため金属層や他の導電性酸化物層に比べて、電気的および光学的特性に優れる。さらに、ZnOは第2のLED積層33に対する接合力が強く発光素子の信頼性を向上させることができる。
【0060】
一方、第2の透明電極35は、第2のLED積層33の縁に沿って部分的に取り除くことができ、これにより、第2の透明電極35の外側の側面は、外部に露出せず、中間絶縁層58で覆われ得る。つまり、第2の透明電極35の側面は、第2のLED積層33の側面よりも内側にリセスされ、第2の透明電極35がリセスされた領域は中間絶縁層58および/または第2のボンディング層59で埋められる。一方、第2のLED積層33のメサエッチング領域近くでも第2の透明電極35がリセスされ、リセスされた領域は中間絶縁層58または第2のボンディング層59で埋められる。
【0061】
第3の透明電極45は、第3のLED積層33の第2の導電型半導体層43bにオーミック接触する。第3の透明電極45は、第2のLED積層33と第3のLED積層43の間に位置し得、第3のLED積層43の上面に接触する。第3の透明電極45は、赤色光および緑色光に透明な金属層または導電性酸化物層で形成することができる。導電性酸化物層の例としては、SnO2、InO2、ITO、ZnO、IZO等を挙げることができる。特に、第3の透明電極45はZnOで形成できるが、ZnOは第3のLED積層43上に単結晶で形成され得るため、金属層や他の導電性酸化物層に比べて電気的および光学的特性に優れる。特に、ZnOは第3のLED積層43に対する接合力が強く発光素子の信頼性を向上させることができる。
【0062】
第3の透明電極45は、第3のLED積層43の縁に沿って部分的に取り除くことができ、これにより、第3の透明電極45の外側の側面は、外部に露出せず、下部絶縁層48または第1のボンディング層49で覆われ得る。つまり、第3の透明電極45の側面は、第3のLED積層43の側面よりも内側にリセスされ、第3の透明電極45がリセスされた領域は、下部絶縁層48および/または第1のボンディング層49で埋められる。一方、第3のLED積層43のメサエッチング領域近くでも第3の透明電極45がリセスされ、リセスされた領域は下部絶縁層48または第1のボンディング層49で埋められる。
【0063】
第2の透明電極35及び第3の透明電極45を上のようにリセスすることにより、これらの側面がエッチングガスに露出することを防ぐため、発光素子100の工程収率を向上させることができる。
【0064】
一方、本実施例において、第2の透明電極35及び第3の透明電極45は、同種の導電性酸化物層、例えばZnOで形成することができ、第1の透明電極25は第2および第3の透明電極35,45と異なる種類の導電性酸化物層、例えばITOで形成することができる。しかし、本開示がこれに限定されるのではなく、これら第1~第3の透明電極25,35,45は全て同種でもよく、少なくとも一つが別の種類でもよい。
【0065】
第1の電極パッド27aは、第1のLED積層23の第1の導電型半導体層23aにオーミック接触する。第1の電極パッド27aは、例えばAuGe又はAuTeを含むことができる。
【0066】
第2の電極パッド37aは、第2のLED積層33の第1の導電型半導体層33aにオーミック接触する。第2の電極パッド37aは、メサエッチングによって露出された第1の導電型半導体層33a上に配置され得る。第2の電極パッド37aは、例えばCr/Au/Tiに形成できる。
【0067】
第3のn電極パッド47aは、第3のLED積層43の第1の導電型半導体層43aにオーミック接触する。第3のn電極パッド47aは、第2の導電型半導体層43bを通じて露出された第1の導電型半導体層43a上に、つまり、メサエッチング領域に配置することができる。第3のn電極パッド47aは、例えばCr/Au/Tiに形成することができる。第3のn電極パッド47aの上面は、第2の導電型半導体層43bの上面、さらに、第3の透明電極45の上面よりも高くなり得る。例えば、第3のn電極パッド47aの厚さは、約2um以上になり得る。第3のn電極パッド47aは円錐台形状になり得るが、これに限定されるのではなく、四角錐台、円筒形、四角筒形等の多様な形状を有することができる。
【0068】
下部p電極パッド47bは、第3のn電極パッド47aと同じ材料で形成することができる。但し、下部p電極パッド47bの上面は、第3のn電極パッド47aと大体同じ高さに位置することができ、よって、下部p電極パッド47bの厚さは第3のn電極パッド47aよりも小さくなり得る。つまり、下部p電極パッド47bの厚さは、第2の透明電極45上に突出した第3のn電極パッド47a部分の厚さと大体同じになり得る。例えば、下部p電極パッド47bの厚さは、約1.2um以下になり得る。下部p電極パッド47bの上面が第3のn電極パッド47aの上面と同じ高さになるように位置させることにより、貫通ホール33h1,33h2を形成する際、下部p電極パッド47bと第3のn電極パッド47aが同時に露出するようにできる。第3のn電極パッド47aと下部p電極パッド47bの高さが異なる場合、いずれかの電極パッドがエッチング工程で大きく損傷し得る。よって、第3のn電極パッド47aと下部p電極パッド47bの高さを大体同じに合わせることにより、いずれかの電極パッドが大きく損傷することを防ぐことができる。
【0069】
下部絶縁層48は、第3のLED積層43の上面を覆う。下部絶縁層48はまた、第3の透明電極45を覆うことができ、第3のn電極パッド47aおよび下部p電極パッド47bを覆うことができる。下部絶縁層48は、第3のn電極パッド47aおよび下部p電極パッド47bを露出させる開口部を有することができる。下部絶縁層48は、第3のLED積層43および第3の透明電極45を保護することができる。さらに、下部絶縁層48は第1のボンディング層49に対する接着力を向上させることができるのは勿論、例えばSiO2を含み得る。幾つかの実施例において、下部絶縁層48は省略することもできる。
【0070】
第1のボンディング層49は、第2のLED積層33を第3のLED積層43に結合する。第1のボンディング層49は、第1の導電型半導体層33aと第3の透明電極35の間でこれらを結合させることができる。第1のボンディング層49は、下部絶縁層48に接してもよく、第3のn電極パッド47aおよび下部p電極パッド47bに部分的に接してもよい。下部絶縁層48が省略された場合、第1のボンディング層49は第3の透明電極45およびメサエッチング領域に露出した第1の導電型半導体層43aに部分的に接してもよい。
【0071】
第1のボンディング層49は、透明有機物層で形成されたり、透明無機物層で形成されてもよい。有機物層は、SU8、ポリメチルメタアクリレート(poly(methylmethacrylate):PMMA)、ポリイミド、パリレン、ベンゾシクロブテン(Benzocyclobutene:BCB)等を例として挙げることができ、無機物層は、Al2O3、SiO2、SiNx等を例として挙げることができる。また、第1のボンディング層49はスピン-オン-ガラス(SOG)で形成することもできる。
【0072】
第1の平坦化層51は、第2のLED積層33上に配置できる。特に、第1の平坦化層51は第2の導電型半導体層33b上部領域に配置され、メサエッチング領域から離隔される。第1の平坦化層51は、パターニングによって複数のアイランド型に分けることができる。本実施例において、第1の平坦化層51は三つの領域に分けて配置されている。
【0073】
貫通ホール33h1,33h2は、第1の平坦化層51、第2のLED積層33および第1のボンディング層49を貫通し、第3のn電極パッド47aおよび下部p電極パッド47bを露出させることができる。
【0074】
第1の側壁絶縁層53は、貫通ホール33h1,33h2の側壁を覆い、貫通ホールの底を露出させる開口部を有する。第1の側壁絶縁層53は、例えば、化学気相蒸着技術または原子層蒸着技術を用いて形成することができ、例えばAl2O3,SiO2,Si3N4等で形成できる。
【0075】
下部埋め込みビア55a,55bは、それぞれ貫通ホール33h1,33h2を埋めることができる。下部埋め込みビア55a,55bは、第1の側壁絶縁層53によって第2のLED積層33から絶縁される。下部埋め込みビア55aは、第3のn電極パッド47aに電気的に接続され、下部埋め込みビア55bは下部p電極パッド47bに電気的に接続できる。
【0076】
下部埋め込みビア55a,55bは、化学機械研磨技術を用いて形成できる。例えば、シード層を形成し、めっき技術を用いて貫通ホール33h1,33h2をCu等の導電材料で埋めた後、化学機械研磨技術を用いて第1の平坦化層51上の金属層を取り除くことにより、下部埋め込みビア55a,55bが形成できる。
図4Aおよび
図4Bに示したように、下部埋め込みビア55a,55bは、貫通ホール33h1,33h2の入り口において相対的により広い幅を有することができ、これにより、電気的な接続を強化することができる。
【0077】
下部埋め込みビア55a,55bは、同一工程によって一緒に形成できる。これにより、下部埋め込みビア55a,55bは上面が第1の平坦化層51と大体並び得る。下部埋め込みビアを形成する具体的な工程については、下記でより詳しく説明する。しかし、本開示が本実施例に限定されるのではなく、互いに別の工程により形成することもできる。
【0078】
中間絶縁層58は、第2のLED積層33上に形成され、第2の透明電極35、第1の平坦化層51および第2のn電極パッド37aを覆う。中間絶縁層58はまた、第2のLED積層33のメサエッチング領域を覆うことができる。中間絶縁層58は、下部埋め込みビアおよび第2のn電極パッド37aを露出させる開口部を有することができる。中間絶縁層58は、例えばSiO2で形成することができる。中間絶縁層58は、第2のLED積層33および第2の透明電極35を保護することができ、さらに、第2のボンディング層59の接着力を向上させることができる。
【0079】
第1の平坦化層51の各領域上に下部コネクタ39a,39b,39cが配置される。第1の下部コネクタ39aは、下部埋め込みビア55aに電気的に接続し、また、横方向に延びて第2のn電極パッド37aに電気的に接続できる。これにより、第3のLED積層43の第1の導電型半導体層43aと第2のLED積層33の第1の導電型半導体層33aが電気的に共通して連結され得る。第1の下部コネクタ39aは下部埋め込みビア55aを覆うことができる。
【0080】
第2の下部コネクタ39bは、下部埋め込みビア55bに電気的に接続される。第2の下部コネクタ39bは、下部埋め込みビア55bを覆うことができる。
【0081】
第3の下部コネクタ39cは、第2の透明電極35に電気的に接続する。第3の下部コネクタ39cは、
図4Aに示したように、第1の平坦化層51を包むように形成され得、第1の平坦化層51の周りに沿って第2の透明電極35に接続できる。第3の下部コネクタ39cが第1の平坦化層51上に配置されるため、第3の下部コネクタ39cの上段の高さを第1の下部コネクタ39aや第2の下部コネクタ39bの上段高さと大体同じにさせることができる。
【0082】
第2のボンディング層59は、第1のLED積層23を第2のLED積層33に結合する。図示したように、第2のボンディング層59は第1の透明電極25と中間絶縁層58間に配置できる。第2のボンディング層59はまた、第1~第3の下部コネクタ39a,39b,39cを覆うことができる。第2のボンディング層59は、前述の第1のボンディング層49に対して説明した材料と同じ材料で形成することができ、重複を防ぐために、詳細な説明は省略する。
【0083】
第2の平坦化層61は、第1のLED積層23を覆う。第2の平坦化層61は、第1の平坦化層51とは異なり連続的に形成できる。第2の平坦化層61は、アルミニウム酸化膜、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜で形成できる。第2の平坦化層61は、第1のn電極パッド27aを露出させる開口部を有することができる。
【0084】
一方、貫通ホール23h1,23h2,23h3,23h4は、第2の平坦化層61および第1のLED積層23を貫通する。さらに、貫通ホール23h1,23h2,23h3は、第1の透明電極25および第2のボンディング層59を貫通して下部コネクタ39a,39b,39cを露出させ、貫通ホール23h4は第1の透明電極25を露出させることができる。例えば、貫通ホール23h1は、下部埋め込みビア55aに電気的接続を許容するための通路を提供するために形成され、貫通ホール23h2は下部埋め込みビア55bに電気的接続を許容するための通路を提供するために形成され、貫通ホール23h3は第2の透明電極35に電気的接続を許容するための通路を提供するために形成される。
【0085】
一方、貫通ホール23h4は、第1の透明電極25に電気的接続を許容するための通路を提供するために形成される。貫通ホール23h4は、第1の透明電極25を貫通しない。しかし、本開示がこれに限定されるのではなく、貫通ホール23h4が第1の透明電極25への電気的接続のための通路を提供する限り、第1の透明電極25を貫通することもできる。
【0086】
第2の側壁絶縁層63は、貫通ホール23h1,23h2,23h3,23h4の側壁を覆い、貫通ホールの底を露出させる開口部を有する。本実施例において、第2の側壁絶縁層63が第2の平坦化層61の開口部61aの側壁に形成されないことに留意する必要がある。しかし、本開示がこれに限定されるのではなく、第2の側壁絶縁層63が第2の平坦化層61の開口部61aの側壁に形成することもできる。第2の側壁絶縁層63は、例えば、化学気相蒸着技術または原子層蒸着技術を用いて形成することができ、例えば、Al2O3,SiO2,Si3N4等で形成できる。
【0087】
上部埋め込みビア65a,65b,65c,65dは、それぞれ貫通ホール23h1,23h2,23h3,23h4を埋めることができる。上部埋め込みビア65a,65b,65c,65dは、第2の側壁絶縁層63によって第1のLED積層23から電気的に絶縁される。
【0088】
一方、上部埋め込みビア65aは、第1の下部コネクタ39aを通じて下部埋め込みビア55aに電気的に接続され、上部埋め込みビア65bは第2の下部コネクタ39bを通じて下部埋め込みビア55bに電気的に接続され、上部埋め込みビア65cは第3の下部コネクタ39cを通じて第2の透明電極35に電気的に接続できる。また、上部埋め込みビア65dは第1の透明電極25に電気的に接続できる。
【0089】
上部埋め込みビア65a,65b,65c,65dは、化学機械研磨技術を用いて形成できる。例えば、シード層を形成し、めっき技術を用いて貫通ホール23h1,23h2,23h3,23h4を埋めた後、化学機械研磨技術を用いて第2の平坦化層61上の金属層を取り除くことにより、上部埋め込みビア65a,65b,65c,65dが形成できる。さらに、シード層を形成する前に金属バリア層が形成されてもよい。
【0090】
上部埋め込みビア65a,65b,65c,65dは、同一工程によって一緒に形成される第2の平坦化層61と大体並び得る。しかし、本開示が本実施例に限定されるのではなく、互いに異なる工程により形成されてもよい。
【0091】
第1の上部コネクタ67a、第2の上部コネクタ67b、第3の上部コネクタ67cおよび第4の上部コネクタ67dは、第2の平坦化層61上に配置される。第1の上部コネクタ67aは上部埋め込みビア65aに電気的に接続され、第2の上部コネクタ67bは上部埋め込みビア65bに電気的に接続され、第3の上部コネクタ67cは上部埋め込みビア65cに電気的に接続され、第4の上部コネクタ67dは上部埋め込みビア65dに電気的に接続できる。図示したように、第1~第4の上部コネクタ67a,67b,67c,67dは、それぞれ上部埋め込みビア65a,65b,65c,65dを覆うことができる。一方、第1の上部コネクタ67aは、第2の平坦化層61の開口部61aを通じて第1のn電極パッド27aに電気的に接続できる。これにより、第1~第3のLED積層23,33,43の第1の導電型半導体層23a,33a,43aが互いに電気的に共通接続される。
【0092】
第1の上部コネクタ67a、第2の上部コネクタ67b、第3の上部コネクタ67cおよび第4の上部コネクタ67dは、同一工程で同一材料により形成でき、例えば、Ni/Au/Tiに形成できる。
【0093】
上部絶縁層71は、第1のLED積層23、第2の平坦化層61を覆い、第1~第4の上部コネクタ67a,67b,67c,67dを覆うことができる。上部絶縁層71はまた、第1の透明電極25の側面を覆うことができる。上部絶縁層71は、第1の上部コネクタ67a、第2の上部コネクタ67b、第3の上部コネクタ67cおよび第4の上部コネクタ67dを露出させる開口部71aを有することができる。上部絶縁層71の開口部71aは、大体第1の上部コネクタ67a、第2の上部コネクタ67b、第3の上部コネクタ67cおよび第4の上部コネクタ67dの平らな面上に配置できる。上部絶縁層71は、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜で形成でき、第2の平坦化層61よりも薄く、例えば、約400nmの厚さに形成できる。
【0094】
バンプパッド73a,73b,73c,73dは、それぞれ上部絶縁層71の開口部71a内で第1の上部コネクタ67a、第2の上部コネクタ67b、第3の上部コネクタ67cおよび第4の上部コネクタ67d上に配置されてこれらに電気的に接続できる。
【0095】
第1のバンプパッド73aは、第1の上部コネクタ67aを通じて上部埋め込みビア65aおよび第1のn電極パッド27aに電気的に接続され、これにより、第1~第3のLED積層23,33,43の第1の導電型半導体層23a,33a,43aに共通して電気的に接続される。
【0096】
第2のバンプパッド73bは、第2の上部コネクタ67b、上部埋め込みビア65b、第2の下部コネクタ39b、下部埋め込みビア55b、下部p電極パッド47bおよび第3の透明電極45を通じて第3のLED積層43の第2の導電型半導体層43bに電気的に接続できる。
【0097】
第3のバンプパッド73cは、第3の上部コネクタ67c、上部埋め込みビア65c、第3の下部コネクタ39cおよび第2の透明電極35を通じて第2のLED積層33の第2の導電型半導体層33bに電気的に接続できる。
【0098】
第4のバンプパッド73dは、第4の上部コネクタ67dおよび第1の透明電極25を通じて第1のLED積層23の第2の導電型半導体層23bに電気的に接続できる。
【0099】
つまり、第2~第4のバンプパッド73b,73c,73dは、それぞれ第1~第3のLED積層23,33,43の第2の導電型半導体層23b,33b,43bに電気的に接続され、第1のバンプパッド73aは、第1~第3のLED積層23,33,43の第1の導電型半導体層23a,33a,43aに共通して電気的に接続される。
【0100】
バンプパッド73a,73b,73c,73dは、上部絶縁層71の開口部71aを覆うことができ、一部が上部絶縁層71上に配置できる。これと異なり、バンプパッド73a,73b,73c,73dが開口部71a内に配置されてもよく、これにより、バンプパッドの上面は平坦な面になり得る。
【0101】
バンプパッド73a,73b,73c,73dは、Au/Inに形成でき、例えばAuは3umの厚さに形成され、Inは約1umの厚さに形成できる。発光素子100は、Inを用いて回路基板101上のパッドにボンディングされ得る。本実施例において、Inを用いてバンプパッドをボンディングすることについて説明するが、Inに限定されるのではなく、Pb又はAuSnを用いてボンディングしてもよい。
【0102】
本実施例によると、第1のLED積層23はバンプパッド73a,73dに電気的に連結され、第2のLED積層33はバンプパッド73a,73cに電気的に連結され、第3のLED積層43はバンプパッド73a,73bに電気的に連結される。これにより、第1のLED積層23、第2のLED積層33および第3のLED積層43のカソードが第1のバンプパッド73aに共通して電気的に接続され、アノードが第2~第4のバンプパッド73b,73c,73dにそれぞれ電気的に接続する。よって、第1~第3のLED積層23,33,43は独立的に駆動できる。
【0103】
本実施例において、バンプパッド73a,73b,73c,73dが形成されたことを例に挙げて説明するが、バンプパッドは省略することもある。特に、異方性導電性フィルムや異方性導電性ペースト等を用いて回路基板にボンディングする場合は、バンプパッドが省略され、上部コネクタ67a,67b,67c,67dが直接ボンディングされてもよい。これにより、ボンディング面積を増加させることができる。
【0104】
以下で、発光素子100の製造方法を具体的に説明する。下記で説明する製造方法により、発光素子100の構造についてもより詳しく理解できると考える。
図5A、
図5Bおよび
図5Cは、本開示の一実施例に従って成長基板上に成長した第1~第3のLED積層23,33,43を説明するための概略的な断面図である。
【0105】
先ず、
図5Aを参照すると、第1の基板21上に第1の導電型半導体層23aおよび第2の導電型半導体層23bを含む第1のLED積層23が成長する。第1の導電型半導体層23aと第2の導電型半導体層23b間に活性層(図示せず)が介在し得る。
【0106】
第1の基板21は、第1のLED積層23を成長させるために使用できる基板、例えばGaAs基板でもよい。第1の導電型半導体層23aおよび第2の導電型半導体層23bは、AlGaInAs系列またはAlGaInP系列の半導体層で形成でき、活性層は、例えばAlGaInP系列の井戸層を含んでもよい。第1のLED積層23は、例えば赤色光を発するように、AlGaInPの組成比を定めることができる。
【0107】
第2の導電型半導体層23b上に第1の透明電極25が形成できる。第1の透明電極25は、前述の説明のように、第1のLED積層23で生成された光、例えば赤色光を透過する金属層または導電性酸化物層で形成できる。例えば、第1の透明電極25はITO(indium-tin oxide)で形成できる。
【0108】
図5Bを参照すると、第2の基板31上に第1の導電型半導体層33aおよび第2の導電型半導体層33bを含む第2のLED積層33が成長する。第1の導電型半導体層33aと第2の導電型半導体層33b間に活性層(図示せず)が介在し得る。
【0109】
第2の基板31は、第2のLED積層33を成長させるために使用できる基板、例えば、サファイア基板、SiC基板またはGaN基板になり得る。一実施例において、第2の基板31は平らなサファイア基板になり得るが、パターニングされたサファイア基板でもよい。第1の導電型半導体層33aおよび第2の導電型半導体層33bは、AlGaInN系列の半導体層で形成することができ、活性層は、例えばAlGaInN系列の井戸層を含むことができる。第2のLED積層33は、例えば青色光を発するように、AlGaInNの組成比を定めることができる。
【0110】
第2の導電型半導体層33b上に第2の透明電極35を形成することができる。第2の透明電極35は、前述の説明のように、第1のLED積層23で生成された光、例えば赤色光を透過する金属層または導電性酸化物層で形成することができる。特に、第2の透明電極35はZnOで形成できる。
【0111】
図5Cを参照すると、第3の基板41上に、第1の導電型半導体層43aおよび第2の導電型半導体層43bを含む第3のLED積層43が成長する。第1の導電型半導体層43aと第2の導電型半導体層43b間に活性層(図示せず)が介在し得る。
【0112】
第3の基板41は、第3のLED積層43を成長させるために使用できる基板、例えばサファイア基板、GaN基板またはGaAs基板でもよい。第1の導電型半導体層43aおよび第2の導電型半導体層43bは、AlGaInAs系列またはAlGaInP系列の半導体層、AlGaInN系列の半導体層で形成でき、活性層は、例えば、AlGaInP系列の井戸層またはAlGaInN系列の井戸層を含むことができる。第3のLED積層43は、例えば緑色光を発するように、AlGaInPまたはAlGaInNの組成比を定めることができる。
【0113】
第2の導電型半導体層43b上に第3の透明電極45を形成することができる。第3の透明電極45は、前述の説明のように、第1のLED積層23および第2のLED積層33で生成された光、例えば赤色光および青色光を透過する金属層または導電性酸化物層で形成することができる。特に、第3の透明電極45はZnOで形成することができる。
【0114】
第1~第3のLED積層23,33,43は、それぞれ互いに異なる成長基板21,31,41上で成長し、よって、その製造工程順序は制限されない。
【0115】
以下では、成長基板21,31,41上に成長した第1~第3のLED積層23,33,43を用いて発光素子100を製造する方法を説明する。以下では、主に一つの発光素子100領域に対して図示および説明するが、当業者であれば成長基板21,31,41上に成長したLED積層23,33,43を用いて、同じ製造工程で複数の発光素子100を一括して製造できることを理解できると考える。
【0116】
図6A、6B、6C、7A、7B、7C、8A、8B、8C、9A、9B、9C、10A、10B、10C、11A、11B、11C、12A、12B、12C、13A、13B、13C、14A、14B、14C、15A、15B、15C、16A、16B、および16Cは、本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図および断面図である。ここで、断面図は
図3の切り取り線A-A’またはB-B’に対応する。
【0117】
先ず、
図6A、
図6Bおよび
図6Cを参照すると、写真およびエッチング技術を用いて第3の透明電極45及び第2の導電型半導体層43bをパターニングして、第1の導電型半導体層43aを露出させる。この工程は、例えば、メサエッチング工程に該当する。フォトレジストパターンをエッチングマスクとして使用して行うことができる。例えば、エッチングマスクを形成した後、湿式エッチング技術で第3の透明電極45を先にエッチングし、次いで、同一エッチングマスクを用いて乾式エッチング技術で第2の導電型半導体層43bをエッチングできる。これにより、第3の透明電極45はメサエッチング領域からリセスできる。
図6Aには図面を簡略して表すために、メサの縁を図示し、第3の透明電極45の縁は図示していない。しかし、同じエッチングマスクを使用して第3の透明電極45を湿式エッチングするため、第3の透明電極45の縁がメサの縁からメサ内側にリセスされることを容易に理解することができる。同じエッチングマスクを用いるため、写真工程数が増加しないことから、工程コストを節約することができる。しかし、本開示がこれに限定されるのではなく、メサエッチング工程のためのエッチングマスクと第3の透明電極45をエッチングするためのエッチングマスクをそれぞれ使用することもできる。
【0118】
続いて、第3のn電極パッド47a及び下部p電極パッド47bがそれぞれ第1の導電型半導体層43a及び第3の透明電極45上に形成される。第3のn電極パッド47aと下部p電極パッド47bは互いに異なる厚さに形成できる。特に、第3のn電極パッド47aと下部p電極パッド47bの上面が大体同じ高さに位置し得る。
【0119】
一方、発光素子領域を限定するための分離領域を形成することができる。例えば、分離領域に沿って第1の導電型半導体層43aが取り除かれ、基板41の上面が露出し得る。
【0120】
さらに、第3のLED積層43上に下部絶縁層48が形成され得る。下部絶縁層48は、露出した基板41上面を覆い、第3の透明電極45および第3のLED積層43の上面および側面を覆うことができる。さらには、下部絶縁層48に第3のn電極パッド47aおよび下部p電極パッド47bを露出させる開口部を形成することができる。
【0121】
図7A、
図7Bおよび
図7Cを参照すると、
図6A、
図6Bおよび
図6Cを参照して説明した第3のLED積層43上に、
図5Bを参照して説明した第2のLED積層33がボンディングされる。TBDB(temporary bonding/debonding)技術を用いて一時基板に第2のLED積層33をボンディングし、第2の基板31が第2のLED積層33から先に取り除かれる。第2の基板31は、例えば、レーザーリフトオフ技術を用いて取り除かれ得る。第2の基板31が取り除かれた後、第1の導電型半導体層33aの表面に粗い面が形成され得る。その後、一時基板にボンディングされた第2のLED積層33の第1の導電型半導体層33aが、第3のLED積層43に向くように配置されて第3のLED積層43にボンディングされ得る。第2のLED積層33と第3のLED積層43は、第1のボンディング層49によって互いにボンディングされる。第2のLED積層33をボンディングした後、一時基板もレーザーリフトオフ技術を用いて取り除くことができる。これにより、第2の透明電極35が上面に配置された形態で第2のLED積層33が第3のLED積層43に配置され得る。
【0122】
続いて、第2の透明電極35をパターニングして開口部35a,35bを形成することができる。開口部35aは、第3のn電極パッド47aの上部に配置され、開口部35bは下部p電極パッド47bの上部に配置される。開口部35a,35bを予め形成することにより、後で貫通ホール33h1,33h2を形成するときに、第2の透明電極35が貫通ホールに露出することを防止することができる。
【0123】
図8A、
図8Bおよび
図8Cを参照すると、第1の平坦化層51が第2の透明電極35上に形成される。第1の平坦化層51は、大体平坦な上面を有し得、絶縁層で形成することができる。
【0124】
次いで、第1の平坦化層51、第2のLED積層33および第1のボンディング層49を貫通する貫通ホール33h1,33h2が形成される。貫通ホール33h1,33h2は、第2の透明電極35の開口部35a,35b内部を貫通し、よって、第2の透明電極35は貫通ホール33h1,33h2の側壁に露出しない。貫通ホール33h1,33h2は、それぞれ第3のn電極パッド47aおよび下部p電極パッド47bを露出させる。
【0125】
一方、第1の側壁絶縁層53が形成される。第1の側壁絶縁層53は、先ず第1の平坦化層51の上部および貫通ホール33h1,33h2の側壁および底面を覆うように形成できる。例えば、第1の側壁絶縁層53は、化学気相蒸着技術や原子層蒸着技術を用いて形成できる。
【0126】
次いで、乾式エッチング技術を用いて第1の側壁絶縁層53をブランケットエッチングする。これにより、貫通ホール33h1,33h2の底に形成された第1の側壁絶縁層53が取り除かれ、第3のn電極パッド47aおよび下部p電極パッド47bが露出する。第1の平坦化層51上に成形された第1の側壁絶縁層53は、ブランケットエッチングの間に全て取り除くことができ、貫通ホール33h1,33h2の入り口近くで第1の平坦化層51の一部もまた取り除くことができる。これにより、貫通ホール33h1,33h2の入り口が底に比べてより広い幅を有し得る。これについては、
図17A~
図17Dを参照して下記で詳しく説明する。
【0127】
その後、シード層およびめっき技術を用いて貫通ホール33h1,33h2を埋め込む下部埋め込みビア55a,55bが形成できる。第1の平坦化層51上に形成されたシード層およびめっき層は、化学機械研磨技術を用いて取り除くことができる。
【0128】
図9A、
図9Bおよび
図9Cを参照すると、第1の平坦化層51をパターニングして一部を取り除くことにより、複数の領域に第1の平坦化層51をアイランド形態で残すことができる。下部埋め込みビア55a,55bが形成された領域で第1の平坦化層51が残り、また、第2の透明電極層35に接続する下部コネクタ39cが形成される領域に第1の平坦化層51の一部が残り得る。一方、第1の平坦化層51がパターニングされることにより、第2の透明電極35の上面が露出される。
【0129】
図10A、
図10Bおよび
図10Cを参照すると、メサエッチングによって第2の透明電極および第2の導電型半導体層33bが部分的に取り除かれて第1の導電型半導体層33aが露出される。第2の透明電極35および第2の導電型半導体層33bは、写真およびエッチング技術を用いてパターニングされ得る。この工程は、前述の第3の透明電極45および第2の導電型半導体層43bをエッチングしたメサエッチング工程と同じ方法で湿式エッチングおよび乾式エッチング技術を用いて行うことができる。
【0130】
例えば、エッチングマスクを形成した後、湿式エッチング技術で第2の透明電極35を先にエッチングし、次いで同じエッチングマスクを用いて乾式エッチング技術で第2の導電型半導体層33bをエッチングできる。これにより、第2の透明電極35は、メサエッチング領域からリセスされ得る。
図11Aには図面を簡略に表すためにメサの縁を示し、第2の透明電極35の縁は図示していない。しかし、同じエッチングマスクを使用して第2の透明電極35を湿式エッチングするため、第2の透明電極35の縁がメサの縁からメサの内側にリセスされるものであることを容易に理解できる。同じエッチングマスクを用いるため、写真工程数が増えないことから、工程コストを節約することができる。しかし、本開示がこれに限定されるのではなく、メサエッチング工程のためのエッチングマスクと第2の透明電極35をエッチングするためのエッチングマスクをそれぞれ使用することもできる。
【0131】
第2のLED積層33のメサエッチング領域は、第3のLED積層43のメサエッチング領域と一部重なり得るが、大体互いに分離する。特に、第2のLED積層33のメサエッチング領域の一部は、第3のn電極パッド47aおよび下部p電極パッド47bから横方向に離隔できる。メサエッチングによって露出した第1の導電型半導体層33a上に第2のn電極パッド37aが形成され得る。
【0132】
一方、第2のLED積層33上に中間絶縁層58が形成され得る。中間絶縁層58は、メサエッチングによって露出した第1の導電型半導体層33aの一部の領域を覆い、さらに、第2の導電型半導体層33bおよび第2の透明電極35を覆い、また、第1の平坦化層51および第2のn電極パッド37aを覆うことができる。中間絶縁層58は、下部埋め込みビア55a,55bを露出させる開口部58a,58bを有することができ、また、第2のn電極パッド37aを露出させる開口部58dを有することができる。また、中間絶縁層58は、下部埋め込みビア55a,55bから離隔されて配置された第1の平坦化層51およびその周囲の領域を露出させる開口部58cを有することができる。
【0133】
図12A、
図12Bおよび
図12Cを参照すると、下部コネクタ39a,39b,39cが第1の平坦化層51上に形成される。第1の下部コネクタ39aは、下部埋め込みビア55aに電気的に接続すると共に、横方向に延びて第2のn電極パッド37aに電気的に接続できる。第1の下部コネクタ39aは、中間絶縁層58によって第2の透明電極35および第2の導電型半導体層33bから絶縁できる。
【0134】
その後、発光素子領域を限定するための分離領域が形成できる。例えば、分離領域に沿って第1の導電型半導体層33aが取り除かれ、第1のボンディング層49の上面が露出し得る。一方、図示してはいないが、第1の導電型半導体層33aの側面および中間絶縁層58を覆う絶縁層が追加されてもよい。この絶縁層は、下部コネクタ39a,39b,39cを露出させる開口部を有するように形成され得る。
【0135】
図13A、
図13Bおよび
図13Cを参照すると、
図5Aで説明した第1のLED積層23が第2のLED積層33にボンディングされる。第2のボンディング層59を用いて第1の透明電極25が第2のLED積層33に向くように第1のLED積層23と第2のLED積層33がボンディングできる。これにより、第2のボンディング層59は第1の透明電極25に接すると共に、中間絶縁層58および下部コネクタ39a,39b,39cに接することができる。
【0136】
一方、第1の基板21は、第1のLED積層23から取り除かれる。第1の基板21は、例えば、エッチング技術を用いて取り除くことができる。第1の基板21が取り除かれた後、第1の導電型半導体層23aの一部領域上に第1のn電極パッド27aが形成できる。第1のn電極パッド27aは、第1の導電型半導体層23aにオーミック接触するように形成できる。
【0137】
図14A、
図14Bおよび
図14Cを参照すると、第1のLED積層23および第1のn電極パッド27aを覆う第2の平坦化層61が形成される。第2の平坦化層61は、大体平坦な上面を有するように形成される。
【0138】
次いで、第2の平坦化層61および第1のLED積層23を貫通する貫通ホール23h1,23h2,23h3,23h4が形成される。貫通ホール23h1,23h2,23h3は、第1の透明電極25および第2のボンディング層59を貫通してそれぞれ下部コネクタ39a,39b,39cを露出させることができる。一方、貫通ホール23h4は、第1の透明電極25を露出させることができる。
【0139】
貫通ホール23h1,23h2,23h3は、同一工程によって一緒に形成することができ、貫通ホール23h4は貫通ホール23h1,23h2,23h3と別の工程によって形成できる。
【0140】
続いて、第2の側壁絶縁層63および上部埋め込みビア65a,65b,65c,65dが形成される。第2の側壁絶縁層63および上部埋め込みビア65a,65b,65c,65dを形成する工程は、前述の第1の側壁絶縁層53および下部埋め込みビア55a,55bを形成する工程と大体同じため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0141】
図15A、
図15Bおよび
図15Cを参照すると、第2の平坦化層61をパターニングして第1のn電極パッド27aを露出させる開口部61aが形成される。第2の平坦化層61は、写真およびエッチング技術を用いてパターニングされ得る。
【0142】
次いで、上部コネクタ67a,67b,67c,67dが形成される。上部コネクタ67a,67b,67c,67dは、反射金属層を含むことができ、よって、第1のLED積層23で生成された光を反射させて光の抽出効率を改善できる。例えば、上部コネクタ67a,67b,67c,67dは、AuまたはAu合金を含み得る。
【0143】
上部コネクタ67aは、上部埋め込みビア65aを第1のn電極パッド27aに電気的に連結できる。上部コネクタ67b,67c,67dは、それぞれ上部埋め込みビア65b,65c,65dに接続できる。
【0144】
一方、分離領域に沿って第2の平坦化層61、第1のLED積層23および第1の透明電極25がエッチングされ得る。例えば、第2の平坦化層61を予めパターニングし、次いで、第1のLED積層23、および第1の透明電極25をパターニングして発光素子領域を区画できる。第2の平坦化層61は、開口部61aを形成する際に、分離領域に沿って予めパターニングしてもよい。これにより、第2のボンディング層59の上面が露出され得る。
【0145】
続いて、上部絶縁層71が形成される。上部絶縁層71は、第1の透明電極25、第1のLED積層23、第2の平坦化層61を覆い、さらに、上部コネクタ67a,67b,67c,67dを覆うことができる。さらに、上部絶縁層71は上部コネクタ67a,67b,67c,67dを露出させる開口部71aを有するようにパターニングされ得る。
【0146】
次いで、前記開口部71aを覆うバンプパッド73a,73b,73c,73dが形成できる。第1のバンプパッド73aは、第1の上部コネクタ67a上に配置され、第2のバンプパッド73bは第2の上部コネクタ67b上に配置され、第3のバンプパッド73cは第3の上部コネクタ67c上に配置される。第4のバンプパッド73dは第4の上部コネクタ67d上に配置される。
【0147】
次いで、分離領域に沿って第1および第2のボンディング層49,59を取り除くことにより、基板41上に多数の互いに分離された発光素子100が形成され、発光素子100を回路基板101上にボンディングし、基板41を分離することにより、基板41から分離された発光素子100が完成する。回路基板101にボンディングされた発光素子100の概略的な断面図は
図28に示しており、これにつては後で詳しく説明する。
【0148】
本開示の実施例は、埋め込みビア55a,55b,65a,65b,65c,65dを用いて電気的接続を達成する。以下では、埋め込みビアを形成する工程を詳しく説明する。
【0149】
【0150】
先ず、
図17Aを参照すると、下地層S上に平坦化層51または61が形成される。下地層Sは、第1のLED積層23または第2のLED積層33を含むことができる。平坦化層51または61をパターニングしてエッチング領域を定義するハードマスクが形成され、このハードマスクをエッチングマスクとして使用して貫通ホールHが形成できる。貫通ホールHは、電気的連結のための要素、例えば、第3のn電極パッド47aや下部p電極パッド47bまたは下部コネクタ39a,39b,39cを露出させることができる。
【0151】
図17Bを参照すると、続いて、側壁絶縁層53または63が形成される。側壁絶縁層53または63は、平坦化層51または61の上面に形成でき、さらに、貫通ホールHの側壁および底に形成できる。層を覆う特性によって、貫通ホールHの底よりも入り口において側壁絶縁層53または63がより厚く形成され得る。
【0152】
図17Cを参照すると、乾式エッチング技術を用いて側壁絶縁層53または63をブランケットエッチングする。ブランケットエッチングによって貫通ホールHが底に蒸着した側壁絶縁層が取り除かれ、また、平坦化層51または61上面に配置された側壁絶縁層が取り除かれる。さらに、貫通ホールHの入り口付近の平坦化層51または61の一部も取り除かれる。これにより、貫通ホールHの幅W1よりも入り口の幅W2がより大きくなり得る。入り口の幅W2が大きくなることにより、後にめっき技術を用いた埋め込みビアの形成が容易になり得る。
【0153】
図17Dを参照すると、平坦化層51または61、および貫通ホールH内にシード層を形成し、めっき技術を用いて貫通ホールHを埋めるめっき層を形成することができる。次いで、平坦化層51または61上のめっき層およびシード層を、化学エッチング技術を用いて取り除くことにより、
図17Dに示したような埋め込みビア55または65が形成できる。
【0154】
図18は、コンタクトホールに埋め込まれたビアを説明するためのSEMイメージである。
図17A~
図17Dを参照して説明したように、貫通ホールHを形成して、埋め込みビアを形成し、化学機械研磨技術を用いて平坦化層上面のめっき層を取り除く前の形状を示している。
【0155】
図18を参照すると、めっき層によって貫通ホールが埋められていることを確認することができる。さらに、貫通ホールの入り口の幅W2が貫通ホールの幅W1よりも大きいことが確認でき、また、側壁絶縁層の厚さが貫通ホールの底に近いほど薄くなることが確認できる。
【0156】
図19は、化学機械研磨技術を用いて形成された埋め込みビアを説明するためのSEMイメージである。
図19は、化学機械研磨シリコン基板にホールを形成し、側壁絶縁層を蒸着した後、シード層およびめっき層を形成し、化学機械研磨技術を用いてシード層およびめっき層を取り除いた後の埋め込みビア形状を示している。ここでは、側壁絶縁層をブランケットエッチングせずに、埋め込みビアを形成した。
【0157】
図19を参照すると、埋め込みビアの上面はその周辺の側壁絶縁層の上面と並んでいることを確認することができ、よって、化学機械研磨技術を用いて埋め込みビアを貫通ホール内に形成できることが分かる。
【0158】
図20は、本開示の別の実施例にかかる発光素子200を説明するための概略的な平面図で、
図21Aおよび
図21Bは、それぞれ
図20の切り取り線C-C'およびD-D'に沿って切り取った概略的な断面図である。
【0159】
図20、
図21Aおよび
図21Bを参照すると、本実施例にかかる発光素子200は、上で説明した発光素子100と大体類似しているが、前の実施例で第1の平坦化層51はアイランド形態で複数の領域に分けられているのに対し、本実施例の第1の平坦化層151は連続的であることに違いがある。そのために、第2のLED積層33は第1の導電型半導体層33aを露出させるメサエッチング領域を有さず、また、第1の導電型半導体層33aにオーミック接触する第2の電極パッド37aは省略される。
【0160】
一方、第1の平坦化層151および第2の導電型半導体層33bを貫通して第1の導電型半導体層33aを露出させる貫通ホール33h3が形成され、この貫通ホール33h3を下部埋め込みビア55cが埋める。下部コネクタ39aは、下部埋め込みビア55aと下部埋め込みビア55cを電気的に連結することにより、第1の導電型半導体層33a,43aを共通して電気的に連結する。
【0161】
第2の透明電極35は、第2の導電型半導体層33bの上面を覆うが、貫通ホール33h1,33h2,33h3の側壁に露出しないように予めパターニングされ得る。例えば、第2の透明電極35は、第1の平坦化層151を形成する前に貫通ホール33h1,33h2,33h3が形成される領域に開口部を有するようにパターニングできる。
【0162】
一方、本実施例において、上部p電極パッド37bが第2の透明電極35上に配置でき、下部コネクタ39cは上部p電極パッド37bに電気的に接続できる。第1の平坦化層151は、下部コネクタ39cの電気的接続を許容するために上部p電極パッド37bを露出させる開口部を有することができる。
【0163】
一方、本実施例では中間絶縁層58は省略するが、本開示がこれに限定されるのではない。例えば、第2のLED積層33、第2の平坦化層151および下部コネクタ39a,39b,39cを覆う中間絶縁層が追加されてもよい。中間絶縁層は、上部埋め込みビア65a,65b,65cの電気的接続を許容するために下部コネクタ39a,39b,39cを露出させる開口部を有するように形成される。
【0164】
本実施例によると、第1の平坦化層151を連続して形成し、下部埋め込みビア55cを形成することにより下部コネクタ39aを第1の平坦化層151の平坦な面上に形成できる。
【0165】
【0166】
先ず、上で
図5A、
図5Bおよび
図5Cを参照して説明したように、第1のLED積層23、第2のLED積層33および第3のLED積層43がそれぞれ基板21,31,41上に成長し、透明電極25,35,45が形成される。
【0167】
続いて、
図22A、
図22Bおよび
図22Cを参照すると、上で
図6A、
図6Bおよび
図6Cを参照して説明したように、メサエッチング工程により第1の導電型半導体層43aが露出され、第3のn電極パッド47aおよび下部p電極パッド47bがそれぞれ第1の導電型半導体層43aおよび第3の透明電極45上に形成される。また、発光素子領域を限定するための分離領域が形成され得、下部絶縁層48が形成され得る。
【0168】
【0169】
次いで、第2の透明電極35をパターニングして第2の導電型半導体層33bを露出させる開口部35a,35b,35cが形成され得る。開口部35aは、第3のn電極パッド47a上部に配置され、開口部35bは下部p電極パッド47b上部に配置される。本実施例において、第1の導電型半導体層33aを露出させるためのメサエッチング工程は省略する。但し、上で説明した実施例で第2のn電極パッド37aが形成されていた領域上部に開口部35Cが追加される。また、第2の透明電極35は分離領域に沿って予め取り除かれて発光素子200領域単位に分離できる。
【0170】
また、第2の透明電極35上に上部p電極パッド37bが形成される。上部p電極パッド37bは、第2の透明電極35にオーミック接触できる。別の実施例において、上部p電極パッド37bは省略することもできる。
【0171】
図24A、
図24Bおよび
図24Cを参照すると、第2の透明電極35を覆う第1の平坦化層151が形成される。第1の平坦化層151は、上部p電極パッド27bを覆い、開口部35a,35b,35cを覆う。
【0172】
次いで、第1の平坦化層151、第2のLED積層33および第1のボンディング層49を貫通する貫通ホール33h1,33h2,33h3および第1の平坦化層151と第2の導電型半導体層33bを貫通して第1の導電型半導体層33aを露出させる貫通ホール33h3が形成される。貫通ホール33h1,33h2は、第2の透明電極35の開口部35a,35bの内部領域を通過して、貫通ホール33h3は第2の透明電極35の開口部35cの内部領域を通過する。
【0173】
その後、第1の側壁絶縁層53および下部埋め込みビア55a,55b,55cを形成することができる。下部埋め込みビア55a,55bは、
図8A、
図8Bおよび
図8Cを参照して説明した通りのため、詳細な説明は省略する。一方、下部埋め込みビア55cは第1の導電型半導体層33aに電気的に接続する。
【0174】
図25A、
図25Bおよび
図25Cを参照すると、下部コネクタ39a,39b,39cが第1の平坦化層151上に形成される。第1の下部コネクタ39aは、下部埋め込みビア55aに電気的に接続すると共に横方向に延びて下部埋め込みビア55cに電気的に接続することができる。第1の下部コネクタ39aは、第1の平坦化層151によって第2の透明電極35および第2の導電型半導体層33bから絶縁することができる。
【0175】
一方、本実施例において、第3の下部コネクタ39cは、第1の平坦化層151の開口部から露出した上部p電極パッド37bに電気的に接続することができる。第1の平坦化層151は、上部p電極パッド37bを露出させるように予めパターニングすることができる。上部p電極パッド37bが省略された場合、第3の下部コネクタ39cは、直接第2の透明電極35に接続することができる。
【0176】
第1の平坦化層151はまた、分離領域に沿って取り除くことができ、これにより、
図25Bおよび
図25Cに示したように、第2の導電型半導体層33bが露出し得る。
【0177】
図26A、
図26Bおよび
図26Cを参照すると、発光素子領域を限定するための分離領域を形成することができる。例えば、分離領域に沿って第2の導電型半導体層33bおよび第1の導電型半導体層33aが取り除かれ、第1のボンディング層49の上面が露出し得る。一方、図示してはいないが、第2のLED積層33、第1の平坦化層151および下部コネクタ39a,39b,39cを覆う絶縁層が追加されてもよい。この絶縁層は、下部コネクタ39a,39b,39cを露出させる開口部を有するように形成できる。
【0178】
図27A、
図27Bおよび
図27Cを参照すると、
図5Aで説明した第1のLED積層23が第2のLED積層33にボンディングされ、
図13A、
図13B、
図13C、
図14A、14B、14C、15A、15B、15C、16A、16Bおよび16Cを参考して説明したような工程を経て、第1のn電極パッド27a、第2の平坦化層61、上部埋め込みビア65a,65b,65c,65d、上部コネクタ67a,67b,67c,67d、上部絶縁層71およびバンプパッド73a,73b,73c,73dが形成される。これに対する詳細な説明は、上で説明したものと同じため省略する。
【0179】
次いで、分離領域に沿って第1および第2のボンディング層49,59を取り除くことにより、基板41上に多数の互いに分離した発光素子200が形成され、発光素子200を回路基板101上にボンディングし、基板41を分離することにより、基板41から分離された発光素子200が完成する。
【0180】
図28は、単一の発光素子100が回路基板101上に配置されたものを図示したが、回路基板101上には複数の発光素子100が実装される。それぞれの発光素子100は、青色光、緑色光および赤色光を放出できる一つのピクセルを構成し、回路基板101上に複数のピクセルが整列してディスプレイパネルが提供される。ここでは、発光素子100を例に挙げて説明するが、発光素子200が配置されてもよい。
【0181】
一方、基板41上には複数の発光素子100が形成され得、これら発光素子100は一つずつ回路基板101に転写されるのではなく、集団で回路基板101上に転写することができる。
図29A、
図29B、および
図29Cは、一実施例にかかる発光素子を回路基板に転写する方法を説明するための概略的な断面図である。ここでは、基板41上に形成された発光素子100または200を集団で回路基板101に転写する方法を説明する。
【0182】
図29Aを参照すると、
図16A、
図16Bおよび
図16Cで説明したように、基板41上に発光素子100の製造工程が完了したら、基板41上に複数の発光素子100が分離溝によって分離されて整列される。
【0183】
一方、上面にパッドを有する回路基板101が提供される。パッドは、ディスプレイのためのピクセルの整列位置に対応するように回路基板101上に配列される。一般に、基板41上に整列された発光素子100の間隔は、回路基板101内のピクセルの間隔に比べてより稠密になる。
【0184】
図29Bを参照すると、発光素子100のバンプパッドが回路基板101上のパッドにボンディングされる。バンプパッドとパッドは、半田ボンディングまたはInボンディングを用いてボンディングされ得る。一方、ピクセル領域間に位置する発光素子100は、ボンディングされるパッドがないため、回路基板101から離れた状態を保つ。
【0185】
次いで、基板41上にレーザーを照射する。レーザーは、パッドにボンディングされた発光素子100に選択的に照射される。このために、基板41上に発光素子100を選択的に露出させる開口部を有するマスクが形成されてもよい。
【0186】
その後、レーザーが照射された発光素子100を基板41から分離することにより、発光素子100が回路基板101に転写される。これにより、
図29Cに示したように、回路基板101上に発光素子100が整列されたディスプレイパネルが提供される。ディスプレイパネルは、
図1を参照して説明したような多様なディスプレイ装置に実装され得る。
【0187】
本実施例では、発光素子100を例に挙げて説明するが、発光素子200が転写されてもよい。
【0188】
図30は、別の実施例にかかる発光素子の転写方法を説明するための概略的な断面図である。
【0189】
図30を参照すると、本実施例にかかる発光素子の転写方法は、異方性導電性接着フィルムまたは異方性導電性接着ペーストを用いて発光素子をパッドにボンディングすることに違いがある。つまり、異方性導電性接着フィルムまたは接着ペースト121がパッド上に提供され、発光素子100が異方性導電性接着フィルムや接着ペースト121によりパッドに接着され得る。発光素子100は、異方性導電性接着フィルムや接着ペースト121内の導電物質によってパッドに電気的に接続される。
【0190】
本実施例において、バンプパッド73a,73b,73c,73dは省略することができ、上部コネクタ67a,67b,67c,67dが導電物質によりパッドに電気的に連結され得る。
【0191】
以上で、本開示の多様な実施例について説明したが、本開示はこれら実施例に限定されるのではない。また、一つの実施例について説明した事項や構成要素は、本開示の技術的思想から外れない限り、別の実施例にも適用できる。