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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】太陽電池モジュールの測定装置
(51)【国際特許分類】
   H02S 50/10 20140101AFI20240813BHJP
   G01R 31/26 20200101ALI20240813BHJP
【FI】
H02S50/10
G01R31/26 F
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022540164
(86)(22)【出願日】2021-07-15
(86)【国際出願番号】 JP2021026557
(87)【国際公開番号】W WO2022024775
(87)【国際公開日】2022-02-03
【審査請求日】2023-01-16
(31)【優先権主張番号】P 2020127934
(32)【優先日】2020-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100156177
【弁理士】
【氏名又は名称】池見 智治
(74)【代理人】
【識別番号】100130166
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 宏明
(72)【発明者】
【氏名】宮道 祐介
(72)【発明者】
【氏名】黒須 敬太
(72)【発明者】
【氏名】牛尾 紳之介
(72)【発明者】
【氏名】西村 太佑
(72)【発明者】
【氏名】芝原 求己
(72)【発明者】
【氏名】高橋 雅也
【審査官】佐竹 政彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-050366(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0219509(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0175791(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02S 10/00-99/00
H01L 31/04-31/078
H01L 31/18-31/20
G01G 1/00-23/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池モジュールの正極端子と負極端子との間における出力電圧値および出力電流値を測定する出力特性測定部と、
前記太陽電池モジュールの重量に係る重量値を測定する重量測定部と、
光源部と、
を備え、
前記重量測定部は、前記太陽電池モジュールを所定の配置条件で保持する保持部、を含み、
前記出力特性測定部は、前記保持部によって前記所定の配置条件で保持された前記太陽電池モジュールの受光面に対して前記光源部によって光が照射されている際に、前記出力電圧値および前記出力電流値を測定し、
前記重量測定部は、前記保持部によって前記所定の配置条件で保持された前記太陽電池モジュールの重量に係る重量値を測定する、太陽電池モジュールの測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の太陽電池モジュールの測定装置であって、
前記保持部は、前記太陽電池モジュールを下方から支持する、太陽電池モジュールの測定装置。
【請求項3】
請求項1に記載の太陽電池モジュールの測定装置であって、
前記保持部は、前記太陽電池モジュールを上方から吊るした状態で保持する、太陽電池モジュールの測定装置。
【請求項4】
請求項に記載の太陽電池モジュールの測定装置であって、
前記保持部は、前記受光面が鉛直下向きに沿った方向を向いた状態にある前記太陽電池モジュールを下方から支持する、太陽電池モジュールの測定装置。
【請求項5】
請求項に記載の太陽電池モジュールの測定装置であって、
前記保持部は、前記受光面が鉛直下向きに沿った方向を向いた状態にある前記太陽電池モジュールを上方から吊るした状態で保持する、太陽電池モジュールの測定装置。
【請求項6】
請求項に記載の太陽電池モジュールの測定装置であって、
前記保持部は、前記受光面が鉛直上向きに沿った方向を向いた状態にある前記太陽電池モジュールを下方から支持する、太陽電池モジュールの測定装置。
【請求項7】
請求項に記載の太陽電池モジュールの測定装置であって、
前記保持部は、前記受光面が鉛直上向きに沿った方向を向いた状態にある前記太陽電池モジュールを上方から吊るした状態で保持する、太陽電池モジュールの測定装置。
【請求項8】
請求項に記載の太陽電池モジュールの測定装置であって、
前記保持部は、前記受光面が水平方向に沿った方向を向いた状態にある前記太陽電池モジュールを下方から支持する、太陽電池モジュールの測定装置。
【請求項9】
請求項に記載の太陽電池モジュールの測定装置であって、
前記保持部は、前記受光面が水平方向に沿った方向を向いた状態にある前記太陽電池モジュールを上方から吊るした状態で保持する、太陽電池モジュールの測定装置。
【請求項10】
請求項1から請求項の何れか1つの請求項に記載の太陽電池モジュールの測定装置であって、
前記保持部は、前記太陽電池モジュールを前記所定の配置条件で姿勢を維持するように保持する構造を有する、太陽電池モジュールの測定装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10の何れか1つの請求項に記載の太陽電池モジュールの測定装置であって、
前記出力特性測定部は、前記正極端子および前記負極端子に対して電気的に接続する第1配線部、を有し、
前記重量測定部は、前記第1配線部と、前記保持部によって前記所定の配置条件で保持されている前記太陽電池モジュールの前記正極端子および前記負極端子と、を電気的に接続する第2配線部、を含む、太陽電池モジュールの測定装置。
【請求項12】
請求項1から請求項の何れか1つの請求項に記載の太陽電池モジュールの測定装置であって、
前記保持部は、治具を介して前記太陽電池モジュールを前記所定の配置条件で保持し、
前記重量測定部による測定で得られる前記太陽電池モジュールおよび前記治具の重量に係る第1重量値から前記治具の重量に係る第2重量値を減じて、前記太陽電池モジュールの重量値を算出する第1算出部、をさらに備えている、太陽電池モジュールの測定装置。
【請求項13】
請求項12に記載の太陽電池モジュールの測定装置であって、
前記治具の重量に係る前記第2重量値の情報を記憶する記憶部、を備えている、太陽電池モジュールの測定装置。
【請求項14】
請求項13に記載の太陽電池モジュールの測定装置であって、
前記記憶部は、前記治具の種類を特定する複数の特定情報のそれぞれに対して重量値の情報を関連づけた治具重量情報を記憶し、
前記治具の種類を特定する特定情報の入力を受け付ける入力部と、
前記入力部で受け付けられた前記特定情報と、前記記憶部に記憶された前記治具重量情報と、に基づいて、前記治具の重量に係る前記第2重量値の情報を取得する取得部と、をさらに備えている、太陽電池モジュールの測定装置。
【請求項15】
請求項12に記載の太陽電池モジュールの測定装置であって、
前記重量測定部は、前記保持部によって前記治具が保持されている状態で該治具の重量に係る前記第2重量値を測定し、前記保持部によって前記治具を介して前記所定の配置条件で保持されている前記太陽電池モジュールおよび前記治具の重量に係る前記第1重量値を測定する、太陽電池モジュールの測定装置。
【請求項16】
請求項12から請求項15の何れか1つの請求項に記載の太陽電池モジュールの測定装置であって、
前記出力特性測定部は、前記正極端子および前記負極端子に対して電気的に接続する第1配線部、を有し、
該第1配線部は、前記保持部によって前記治具を介して前記所定の配置条件で保持されている前記太陽電池モジュールの前記正極端子および前記負極端子に対して、前記治具が有する第3配線部を介して電気的に接続される、太陽電池モジュールの測定装置。
【請求項17】
請求項16に記載の太陽電池モジュールの測定装置であって、
前記重量測定部は、前記第1配線部と前記第3配線部とを電気的に接続する第2配線部、を含む、太陽電池モジュールの測定装置。
【請求項18】
請求項1から請求項17の何れか1つの請求項に記載の太陽電池モジュールの測定装置であって、
前記出力特性測定部によって前記太陽電池モジュールの出力電圧値および出力電流値を測定する第1測定期間のうちの少なくとも一部の期間と、前記重量測定部によって前記太陽電池モジュールの重量に係る重量値を測定する第2測定期間のうちの少なくとも一部の期間と、が重なるように、前記光源部と、前記出力特性測定部と、前記重量測定部と、を制御する制御部、を備えている、太陽電池モジュールの測定装置。
【請求項19】
請求項18に記載の太陽電池モジュールの測定装置であって、
前記制御部は、前記第1測定期間内に前記第2測定期間が含まれるか、あるいは前記第2測定期間内に前記第1測定期間が含まれるように、前記光源部と、前記出力特性測定部と、前記重量測定部と、を制御する、太陽電池モジュールの測定装置。
【請求項20】
請求項1から請求項19の何れか1つの請求項に記載の太陽電池モジュールの測定装置であって、
前記重量測定部による測定に応じて得られた前記太陽電池モジュールの重量に係る重量値の情報を出力する出力部、を備えている、太陽電池モジュールの測定装置。
【請求項21】
請求項20に記載の太陽電池モジュールの測定装置であって、
前記出力特性測定部による測定に応じて得られた前記出力電圧値および前記出力電流値に基づいて、前記太陽電池モジュールの出力電力値を算出する第2算出部、を備え、
前記出力部は、前記重量測定部による測定に応じて得られた前記太陽電池モジュールの重量に係る重量値の情報と、前記第2算出部によって算出された前記出力電力値の情報と、を出力する、太陽電池モジュールの測定装置。
【請求項22】
請求項1から請求項19の何れか1つの請求項に記載の太陽電池モジュールの測定装置であって、
前記出力特性測定部による測定に応じて得られた前記出力電圧値および前記出力電流値に基づいて、前記太陽電池モジュールの出力電力値を算出する第2算出部と、
該第2算出部によって算出された前記出力電力値を、前記重量測定部による測定に応じて得られた前記太陽電池モジュールの重量値で除する計算、を含む予め設定された演算によって指標値を算出する第3算出部と、
前記指標値の情報を出力する出力部と、を備えている、太陽電池モジュールの測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、太陽電池モジュールの測定に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池モジュールの測定には、太陽電池モジュールの出力特性の測定がある(例えば、特開2019-140784号公報の記載を参照)。
【発明の概要】
【0003】
太陽電池モジュールの測定装置が開示される。
【0004】
太陽電池モジュールの測定装置の一態様は、出力特性測定部と、重量測定部と、光源部と、を備えている。前記出力特性測定部は、前記太陽電池モジュールの正極端子と負極端子との間における出力電圧値および出力電流値を測定する。前記重量測定部は、前記太陽電池モジュールの重量に係る重量値を測定する。前記重量測定部は、前記太陽電池モジュールを所定の配置条件で保持する保持部、を含む。前記出力特性測定部は、前記保持部によって前記所定の配置条件で保持された前記太陽電池モジュールの受光面に対して前記光源部によって光が照射されている際に、前記出力電圧値および前記出力電流値を測定する。前記重量測定部は、前記保持部によって前記所定の配置条件で保持された前記太陽電池モジュールの重量に係る重量値を測定する
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1図1は、第1実施形態に係る測定装置の概略的な構成の一例を示す図である。
図2図2は、第1実施形態に係る測定装置の制御部で実現される機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、第1実施形態に係る測定装置の動作タイミングの第1例を示す図である。
図4図4は、第1実施形態に係る測定装置の動作タイミングの第2例を示す図である。
図5図5は、第1実施形態に係る測定装置の動作タイミングの第3例を示す図である。
図6図6は、第1実施形態に係る測定装置の動作タイミングの第4例を示す図である。
図7図7は、第1実施形態に係る測定装置の動作タイミングの第5例を示す図である。
図8図8は、第1実施形態に係る測定装置の動作タイミングの第6例を示す図である。
図9図9は、第1実施形態に係る測定装置の概略的な構成の一変形例を示す図である。
図10図10は、第1実施形態に係る測定装置を用いた太陽電池モジュールの測定方法のフローの第1例を示す流れ図である。
図11図11は、搬入工程のフローの一例を示す流れ図である。
図12図12は、第1実施形態に係る測定装置を用いた太陽電池モジュールの測定方法のフローの第2例を示す流れ図である。
図13図13は、第1実施形態に係る測定装置を用いた太陽電池モジュールの測定方法のフローの第3例を示す流れ図である。
図14図14は、算出工程のフローの第1例を示す流れ図である。
図15図15は、算出工程のフローの第2例を示す流れ図である。
図16図16は、第2実施形態に係る測定装置の概略的な構成の一例を示す図である。
図17図17は、第3実施形態に係る測定装置の概略的な構成の一例を示す図である。
図18図18は、第4実施形態に係る測定装置の概略的な構成の一例を示す図である。
図19図19は、第5実施形態に係る測定装置の概略的な構成の第1例を示す図である。
図20図20は、第5実施形態に係る測定装置の概略的な構成の第2例を示す図である。
図21図21は、第6実施形態に係る測定装置の概略的な構成の第1例を示す図である。
図22図22は、第6実施形態に係る測定装置の概略的な構成の第2例を示す図である。
図23図23は、第7実施形態に係る測定装置の概略的な構成の第1例を示す図である。
図24図24は、第7実施形態に係る測定装置の概略的な構成の第2例を示す図である。
図25図25は、第8実施形態に係る測定装置の概略的な構成の第1A例を示す図である。
図26図26は、第8実施形態に係る測定装置を用いた太陽電池モジュールの測定方法における算出工程のフローの第1例を示す流れ図である。
図27図27は、第8実施形態に係る測定装置を用いた太陽電池モジュールの測定方法における算出工程のフローの第2例を示す流れ図である。
図28図28は、各種データの一例を示す図である。
図29図29は、第8実施形態に係る測定装置を用いた太陽電池モジュールの測定方法のフローの第1例を示す流れ図である。
図30図30は、第8実施形態に係る測定装置を用いた太陽電池モジュールの測定方法のフローの第2例を示す流れ図である。
図31図31は、第8実施形態に係る測定装置を用いた太陽電池モジュールの測定方法のフローの第3例を示す流れ図である。
図32図32は、第8実施形態に係る測定装置の制御部において実行される処理についてのフローの第1例を示す流れ図である。
図33図33は、第8実施形態に係る測定装置の制御部において実行される処理についてのフローの第2例を示す流れ図である。
図34図34は、第8実施形態に係る測定装置の概略的な構成の第1B例を示す図である。
図35図35は、第8実施形態に係る測定装置の概略的な構成の第2例を示す図である。
図36図36は、第8実施形態に係る測定装置の概略的な構成の第3例を示す図である。
図37図37は、第8実施形態に係る測定装置の概略的な構成の第4例を示す図である。
図38図38は、第8実施形態に係る測定装置の概略的な構成の第5例を示す図である。
図39図39は、第8実施形態に係る測定装置の概略的な構成の第6例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
太陽電池モジュールの測定には、太陽電池モジュールの出力特性の測定がある。
【0007】
太陽電池モジュールについては、軽量化と出力特性の向上とが指向される場合がある。このため、太陽電池モジュールの軽量化と出力特性の向上とが考慮された出力特性に係る指標値が考えられる。このような指標値として、例えば、太陽電池モジュールの最大出力の値(最大出力値とも最大電力値ともいう)を、太陽電池モジュールの重量の値で除する算出で得られる値(単位重量当たりの最大出力値ともいう)などが考えられる。
【0008】
しかしながら、例えば、太陽電池モジュールの出力特性を測定する際には、太陽電池モジュールの周辺における気体の流れの状態などの測定条件に応じて、太陽電池モジュールの冷却の度合いが変化し、測定結果が変化し得る。また、例えば、太陽電池モジュールの重量を測定する際には、太陽電池モジュールの周辺における気体の流れの状態などの測定条件に応じて、太陽電池モジュールに対する気流による浮揚力および押圧力が変化し、測定結果が変化し得る。
【0009】
このため、例えば、測定条件に応じてそれぞれ変化する測定結果としての出力特性と重量とを用いて算出される出力特性に係る指標値の測定精度を向上させる点で改善の余地がある。
【0010】
このような課題は、例えば、太陽電池モジュールの受光面の面積に対して太陽電池モジュールの重量が小さい場合に顕著となり得る。
【0011】
そこで、本開示の発明者は、太陽電池モジュールの出力特性に係る指標値の測定精度を向上させることができる技術を創出した。
【0012】
これについて、以下、各種実施形態を図面に基づいて説明する。図面においては同様な構成および機能を有する部分に同じ符号が付されており、下記説明では重複説明が省略される。図面は模式的に示されたものである。
【0013】
<1.第1実施形態>
第1実施形態に係る測定装置1は、太陽電池モジュール3の定量的な特徴に係る測定を行う装置(太陽電池モジュールの測定装置ともいう)である。
【0014】
<1-1.太陽電池モジュール>
太陽電池モジュール3は、例えば、第1面3aと、この第1面3aとは逆の第2面3bと、を有する。太陽電池モジュール3は、例えば、板状の構成を有する。板状の構成には、例えば、平板状の構成、曲がった板状の構成および柔軟性を有する板状の構成が含まれ得る。太陽電池モジュール3は、例えば、第1保護部材と、第2保護部材と、複数の太陽電池素子と、充填材と、を有する。第1保護部材は、例えば、第1面3aを構成している。第1保護部材には、例えば、ガラス製もしくは樹脂製などの薄板または樹脂製のフィルムなどの透明な部材が適用される。第2保護部材は、例えば、第2面3bを構成している。第2保護部材には、例えば、薄板またはフィルムなどの部材が適用される。第2保護部材は、例えば、透明であっても透明でなくてもよい。第1保護部材と第2保護部材とは、略平行な状態で隙間を挟んで位置している。複数の太陽電池素子は、例えば、第1保護部材と第2保護部材との隙間に位置している。各太陽電池素子は、例えば、光の照射に応じた光電変換によって電気を出力することができる。充填材は、例えば、第1保護部材と第2保護部材との間において複数の太陽電池素子を覆うように位置している。充填材の素材には、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニルブチラール(PVB)などのポリビニルアセタール、酸変性樹脂およびアイオノマーなどが適用される。
【0015】
各太陽電池素子は、例えば、半導体基板または薄膜半導体と、第1電極と、第2電極と、を有する。半導体基板には、例えば、結晶シリコンなどの結晶系半導体、アモルファスシリコンなどの非晶質系の半導体、あるいは銅とインジウムとガリウムとセレンの4種類の元素またはカドミウムとテルルの2種類の元素などを用いた化合物半導体が適用される。薄膜半導体には、例えば、シリコン系、化合物系またはその他のタイプの半導体が適用される。シリコン系の薄膜半導体には、例えば、アモルファスシリコンまたは薄膜多結晶シリコンなどを用いた半導体が適用される。化合物系の薄膜半導体には、例えば、CIS半導体またはCIGS半導体などのカルコパイライト構造を有する化合物半導体、ペロブスカイト構造を有する化合物などの化合物半導体、ケステライト構造を有する化合物半導体、あるいはカドミウムテルル(CdTe)半導体などが適用される。CIS半導体は、銅(Cu)、インジウム(In)およびセレン(Se)を含む化合物半導体である。CIGS半導体は、Cu、In、ガリウム(Ga)およびSeを含む化合物半導体である。その他のタイプの半導体には、例えば、有機半導体などが適用される。
【0016】
複数の太陽電池素子は、例えば、第1面3aおよび第2面3bに沿って並んでいる。複数の太陽電池素子は、例えば、2つ以上の太陽電池素子のグループ(太陽電池素子群ともいう)を含む。各太陽電池素子群は、例えば、電気的に直列に接続された2つ以上の太陽電池素子を含む。2つ以上の太陽電池素子群は、例えば、電気的に直列に接続されていてもよいし、電気的に並列に接続されていてもよい。複数の太陽電池素子は、例えば、配線材などの導電体によって電気的に接続され得る。
【0017】
また、太陽電池モジュール3は、例えば、第1端子3pと、第2端子3nと、を有する。第1端子3pおよび第2端子3nは、例えば、受光面としての第1面3aに対する光の照射に応じて複数の太陽電池素子で生じる電気を出力することができる。受光面は、例えば、太陽電池モジュール3内の太陽電池素子において光電変換を生じさせるための光を外部から受け付ける面としての役割を有する。ここで、例えば、第1端子3pが正極の端子(正極端子ともいう)である場合には、第2端子3nは負極の端子(負極端子ともいう)である。また、例えば、第1端子3pが負極端子である場合には、第2端子3nは正極端子である。ここで、例えば、太陽電池モジュール3が端子ボックスを有する場合には、端子ボックスは、第1端子3pおよび第2端子3nを有する。端子ボックスは、例えば、太陽電池モジュール3の第2面3b上に位置している形態が考えられる。
【0018】
<1-2.測定装置の構成>
図1で示されるように、測定装置1は、例えば、出力特性測定部10と、重量測定部20と、光源部30と、光源制御部40と、制御部50と、入力部60と、出力部70と、を備えている。
【0019】
<1-2-1.出力特性測定部>
出力特性測定部10は、例えば、第1端子3pと第2端子3nとの間における電圧の値(出力電圧値ともいう)および電流の値(出力電流値ともいう)を測定することができる。出力特性測定部10は、例えば、第1端子3pおよび第2端子3nに対して電気的に接続することが可能な配線部(第1配線部ともいう)W1を有する。第1配線部W1は、例えば、1本目の配線(1A配線ともいう)と、2本目の配線(1B配線ともいう)と、を含む。1本目の1A配線は、例えば、第1端子3pに電気的に接続される。2本目の1B配線は、例えば、第2端子3nに電気的に接続される。1A配線および1B配線には、例えば、それぞれ導線の外周部が樹脂などの絶縁体で被覆された電線などが適用される。第1配線部W1と第1端子3pおよび第2端子3nとの接続を行う方式には、例えば、コネクタ式、ピン端子式、ボタン式およびスライド差し込み式の何れかの方式が適用され得る。コネクタ式は、コネクタを用いて接続を行う方式である。ピン端子式は、ピン端子を用いて接続を行う方式である。ボタン式は、凸状の端子と凹状の端子とを嵌合させることで接続を行う方式である。スライド差し込み式は、差し込みプラグをプラグ受け(コンセントともいう)に差し込むことで接続を行う方式である。
【0020】
また、出力特性測定部10は、電圧測定部10vと、電流測定部10aと、を有する。電圧測定部10vおよび電流測定部10aは、例えば、第1配線部W1を介して、第1端子3pおよび第2端子3nに対して電気的に接続される。電圧測定部10vは、例えば、光源部30による第1面3aに対する光の照射に応じて第1端子3pと第2端子3nとの間に生じる電圧の値(出力電圧値)を測定することが可能な電圧計を有する。電流測定部10aは、例えば、光源部30による第1面3aに対する光の照射に応じて第1端子3pと第2端子3nとの間に流れる電流の値(出力電流値)を測定することが可能な電流計を有する。また、出力特性測定部10は、例えば、可変抵抗を有する。この可変抵抗は、例えば、電圧測定部10vと電気的に並列に接続されるとともに、電流測定部10aと電気的に直列に接続されるように、第1端子3pと第2端子3nとに対して電気的に接続される。
【0021】
<1-2-2.重量測定部>
重量測定部20は、例えば、太陽電池モジュール3の重量に係る値(重量値ともいう)を測定することができる。重量測定部20には、例えば、測定対象の重量値を測定することが可能な種々の方式の機器(重量測定器ともいう)が適用される。重量測定器には、例えば、デジタル式の重量計のような機器が適用される。デジタル式の重量計には、例えば、ロードセル式(電気抵抗線式)または電磁式などの電子天秤などが適用される。ここで、例えば、測定対象が太陽電池モジュール3であれば、太陽電池モジュール3の重量に係る重量値は、太陽電池モジュール3のみの重量値である場合と、太陽電池モジュール3の重量値に太陽電池モジュール3以外の構成の重量値が加わった重量値(合計重量値ともいう)である場合と、があり得る。
【0022】
ここでは、測定装置1が、出力特性測定部10と重量測定部20とを備えており、太陽電池モジュール3を測定対象とした出力特性に係る測定と重量に係る測定とを近い条件で実施することができる。これにより、例えば、太陽電池モジュール3についての単位重量当たりの最大出力値などといった太陽電池モジュール3の出力特性に係る指標値の測定精度が向上し得る。
【0023】
また、重量測定部20は、例えば、太陽電池モジュール3を所定の配置条件で保持することが可能な部分(保持部ともいう)22を含む。第1実施形態では、保持部22は、例えば、太陽電池モジュール3を下方から支持することができる。より具体的には、保持部22は、例えば、第1面3aが鉛直下向きに沿った方向を向いた状態にある太陽電池モジュール3を下方から支持することができる。これにより、例えば、太陽電池モジュール3を安定して保持することができる。ここでは、所定の配置条件は、例えば、所定の位置で第1面3aが鉛直下向きに沿った方向を向いた状態にある条件を含む。本明細書において、鉛直は、例えば、重力の方向であってもよいし、大地の表面(地面ともいう)、地上または床の面(床面ともいう)に対して垂直な方向であってもよい。鉛直下向きは、重力の方向である。鉛直下向きに沿った方向は、例えば、鉛直下向きの方向(下方向ともいう)であってもよいし、下方向を基準として数度程度の範囲内で傾いた方向(略下方向ともいう)であってもよいし、下方向を基準として10度程度の範囲内で傾いた方向であってもよい。図1の例では、保持部22は、環状のステージである。この環状のステージは、上下方向に貫通している貫通孔20tを有し、第1面3aの周端部を下方から支持することで、太陽電池モジュール3を保持することができる。このように、保持部22が、太陽電池モジュール3を保持している状態では、光源部30から発せられる光が貫通孔20tを介して太陽電池モジュール3の第1面3aに照射され得る。
【0024】
ここでは、例えば、保持部22によって所定の配置条件で保持された太陽電池モジュール3に第1配線部W1の少なくとも一部の重量が作用する場合が考えられる。ここで、例えば、重量測定部20は、第1配線部W1の少なくとも一部の重量値を含まない、太陽電池モジュール3の重量値を測定してもよい。換言すれば、重量測定部20では、例えば、第1配線部W1の少なくとも一部の重量値を加味した重量値の基準点(ゼロ点)を設定する調整(オフセット調整ともいう)が行われてもよい。ここでは、第1配線部W1の少なくとも一部の重量値は、例えば、予め与えられていてもよいし、重量測定部20などを用いた測定によって取得されてもよい。
【0025】
<1-2-3.光源部>
光源部30は、例えば、太陽電池モジュール3の第1面3aに対して光を照射することができる。光源部30は、例えば、太陽電池モジュール3の第1面3aに対して均一に光を照射することが可能な構成を有する。光源部30は、例えば、定常光を発してもよいし、パルス光を発してもよい。定常光は、例えば、ハロゲンランプもしくはメタルハライドランプなどを用いて発せられ得る。パルス光は、例えば、キセノンランプなどを用いて発せられ得る。パルス光は、例えば、比較的短い発光時間を有する光(ショートパルス光ともいう)であってもよいし、比較的長い発光時間を有する光(ロングパルス光ともいう)であってもよい。ショートパルス光には、例えば、0.5ミリ秒間から数ミリ秒間程度の発光時間のパルス光が適用される。ロングパルス光には、例えば、5ミリ秒間から数百ミリ秒間程度の発光時間のパルス光が適用される。
【0026】
第1実施形態では、光源部30は、例えば、保持部22によって所定の配置条件で保持された太陽電池モジュール3の第1面3aに対して光を照射することができる。図1の例では、光源部30は、床上などに設置されて上方向に向けて光を出射することができる。光源部30は、例えば、床上などに設置される架台としての役割を果たす筐体部31を有する。筐体部31は、例えば、光を出射する開口31oを形成している環状の上部31uを有する。そして、例えば、重量測定部20は、開口31o上に貫通孔20tが位置するように、環状の上部31uの上に位置している。これにより、例えば、光源部30の開口31oから上方に向けて出射される光が、貫通孔20tを介して、保持部22に所定の配置条件で保持された太陽電池モジュール3の第1面3aに照射され得る。光源制御部40は、例えば、光源部30が所定の擬似的な太陽光を出射するように、光源部30における発光を制御することができる。
【0027】
ここでは、例えば、出力特性測定部10は、保持部22によって所定の配置条件で保持された太陽電池モジュール3の第1面3aに対して光源部30によって光が照射されている際に、出力電圧値および出力電流値を測定することができる。そして、例えば、重量測定部20は、保持部22によって所定の配置条件で保持された太陽電池モジュール3の重量に係る重量値を測定することができる。換言すれば、例えば、測定装置1では、所定の配置条件で保持された太陽電池モジュール3について出力特性に係る測定と重量に係る測定とを行うことができる。これにより、太陽電池モジュール3を測定対象とした出力特性に係る測定と重量に係る測定とを近い条件で実施することができる。その結果、例えば、太陽電池モジュール3についての単位重量当たりの最大出力値などといった太陽電池モジュール3の出力特性に係る指標値の測定精度が向上し得る。
【0028】
<1-2-4.制御部>
制御部50は、例えば、測定装置1のうちの制御部50以外の構成要素を制御することができる。これにより、制御部50は、例えば、測定装置1の動作を統括的に管理することが可能である。制御部50は、例えば、一種の演算処理装置であって、演算部51および記憶部52を有する。
【0029】
演算部51は、例えば、種々の機能を実行するための制御および処理能力を提供するために、少なくとも1つのプロセッサを含む。少なくとも1つのプロセッサは、例えば、単一の集積回路(IC)、または複数の通信可能に接続された集積回路および/またはディスクリート回路(discrete circuits)などによって実現され得る。少なくとも1つのプ
ロセッサは、例えば、種々の既知の技術に従って実現されてもよい。プロセッサは、例えば、関連するメモリに記憶された指示を実行することによって1つ以上のデータ計算手続または処理を実行するように構成された1つ以上の回路またはユニットを含む。プロセッサは、1つ以上のデータ計算手続きまたは処理を実行するように構成されたファームウェア(例えば、ディスクリートロジックコンポーネント)であってもよい。プロセッサは、1以上のプロセッサ、コントローラ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号処理装置、プログラマブルロジックデバイス、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらのデバイス若しくは構成の任意の組み合わせ、または他の既知のデバイスおよび構成の組み合わせを含み、以下に説明される機能を実行してもよい。演算部51には、例えば、電気回路である中央演算ユニット(CPU:Central Processing Unit)などが適用され得る。
【0030】
記憶部52は、例えば、演算部51が読み取り可能な非一時的な記録媒体を含む。演算部51が読み取り可能な非一時的な記録媒体には、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、小型のハードディスクドライブおよびSSD(Solid State Drive)などの記憶媒体が含まれ得る。ROMには、例えば、不揮発性メモリで
あるフラッシュROM(フラッシュメモリ)が適用され得る。RAMには、例えば、揮発性メモリが適用される。記憶部52は、例えば、測定装置1における動作の制御および各種の演算を行うための1つ以上のプログラム52pなどを記憶している。記憶部52は、例えば、1つの記憶媒体もしくは2つ以上の記憶媒体を含む少なくとも1つの記憶媒体を有する。また、記憶部52は、例えば、各種のデータ(各種データともいう)52dを記憶することができる。各種データ52dには、例えば、演算部51における演算の途中で得られるデータ、演算部51における演算の結果として得られるデータ、および演算部51における演算に用いるデータなどが含まれ得る。測定装置1は、例えば、制御部50の外部に記憶媒体を有していてもよい。
【0031】
<1-2-5.入力部>
入力部60は、例えば、制御部50に接続されている。入力部60は、例えば、測定装置1のユーザの動作などに応答して、各種の情報の入力を受け付けることができる。入力部60には、例えば、キーボード、マウス、タッチパネルもしくはスイッチなどの操作部、音声による入力が可能なマイク部、および外部の装置からの通信回線を介した信号の入力が可能な通信部などのうちの1つ以上の部分が適用され得る。これにより、例えば、ユーザは、測定装置1に対して各種の情報を容易に入力することができる。入力部60は、例えば、1つ以上の任意の数の操作部を有していてもよいし、1つ以上の任意の数のマイク部を有していてもよい。
【0032】
<1-2-6.出力部>
出力部70は、例えば、制御部50に接続されている。出力部70は、例えば、各種の情報を出力することができる。出力部70による各種の情報の出力には、例えば、各種の情報の可視的な出力、可聴的な出力、および外部の装置に対するデータの出力などが含まれ得る。より具体的には、出力部70には、例えば、各種の情報の可視的な出力が可能な表示部、各種の情報の可聴的な出力が可能なスピーカ部、および各種の情報に係る信号の通信回線を介した外部の装置に対する出力が可能な通信部などのうちの1つ以上の部分が適用され得る。出力部70は、例えば、1つ以上の任意の数の表示部を有していてもよいし、1つ以上の任意の数のスピーカ部を有していてもよいし、1つ以上の任意の数の通信部を有していてもよい。ここで、例えば、入力部60がタッチパネルを含む場合には、入力部60の操作部と出力部70の表示部とが1つのタッチパネルによって実現されてもよい。例えば、入力部60の通信部と、出力部70の通信部と、が同一の部分であっても異なる部分であってもよい。
【0033】
<1-2-7.制御部で実現される機能>
制御部50では、例えば、演算部51が記憶部52内の1つ以上のプログラム52pを実行することで各種機能が実現され得る。この各種機能は、例えば、図2で示されるように、測定制御部501、出力制御部502、第1取得部503、第2取得部505、出力算出部(第2算出部ともいう)506および指標値算出部(第3算出部ともいう)507を有する。
【0034】
測定制御部501は、例えば、光源制御部40によって光源部30の発光を制御することができる。また、測定制御部501は、例えば、光源部30の発光に同期させて、太陽電池モジュール3の出力特性に係る値(出力特性値ともいう)を求めるための出力電圧値および出力電流値を出力特性測定部10に測定させるように、光源制御部40および出力特性測定部10を制御することができる。換言すれば、測定制御部501は、例えば、出力特性測定部10によって太陽電池モジュール3の出力電圧値および出力電流値を測定する動作(出力測定動作ともいう)を制御することができる。出力測定動作には、例えば、出力特性測定部10が、可変抵抗における抵抗値を段階的に変更させつつ、第1面3aに光が照射されている太陽電池モジュール3について出力電圧値および出力電流値を測定する動作が含まれる。ここで、太陽電池モジュール3の出力特性値には、例えば、短絡電流値、開放電圧値、最大出力値(出力電力値ともいう)およびフィルファクター(FF)などが含まれ得る。
【0035】
ここで、光源部30の発光と出力特性測定部10とによって出力電圧値および出力電流値を測定する方式(出力測定方式ともいう)には、例えば、定常光の照射を行う方式(定常光式ともいう)またはパルス光の照射を行う方式(パルス式ともいう)などが適用される。パルス式としては、例えば、複数回のショートパルス光の照射を行う方式(ショートパルス式ともいう)または1回のロングパルス光の照射を行う方式(ロングパルス式ともいう)などが採用される。例えば、出力測定方式に定常光式が適用される場合には、太陽電池モジュール3の第1面3aに対して光源部30から発せられる定常光が照射されている間に、出力特性測定部10によって出力電圧値および出力電流値が測定される。また、出力測定方式にショートパルス式が適用される場合には、例えば、太陽電池モジュール3の第1面3aに対して光源部30から発せられるショートパルス光が複数回照射されつつ、出力特性測定部10によって出力電圧値および出力電流値が測定される。また、出力測定方式にロングパルス式が適用される場合には、例えば、太陽電池モジュール3の第1面3aに対して光源部30から発せられるロングパルス光が1回照射される間に、出力特性測定部10によって出力電圧値および出力電流値が測定される。ここでは、例えば、太陽電池モジュール3が、有機系半導体を用いた光応答速度が比較的遅い太陽電池素子を有する場合には、出力測定方式に定常光式が適用され得る。また、例えば、太陽電池モジュール3が、化合物半導体を用いた光応答速度が比較的遅くない太陽電池素子を有する場合には、出力測定方式にロングパルス式が適用され得る。また、例えば、太陽電池モジュール3が、結晶系半導体を用いた光応答速度が比較的速い太陽電池素子を有する場合には、出力測定方式にショートパルス式が適用され得る。
【0036】
また、測定制御部501は、例えば、重量測定部20によって太陽電池モジュール3の重量に係る重量値を測定する動作(重量測定動作ともいう)を制御することができる。このため、測定制御部501は、例えば、出力特性測定部10が出力測定動作を行うタイミングと、重量測定部20が重量測定動作を行うタイミングと、を制御することができる。換言すれば、測定制御部501は、例えば、出力特性測定部10によって太陽電池モジュール3の出力電圧値および出力電流値を測定する期間(第1測定期間ともいう)と、重量測定部20によって太陽電池モジュール3の重量を測定する期間(第2測定期間ともいう)と、を制御することができる。第1測定期間には、例えば、1つの太陽電池モジュール3を測定対象とした出力測定動作が行われる期間が適用される。第2測定期間には、例えば、1つの太陽電池モジュール3を測定対象とした1回以上の重量測定動作が行われる期間が適用される。例えば、第2測定期間において、重量測定動作が2回以上行われる場合には、太陽電池モジュール3を測定対象とした2回以上の測定によって得られた2つ以上の重量値に係る統計値を、太陽電池モジュール3の重量に係る重量値としてもよい。2つ以上の重量値に係る統計値には、例えば、2つ以上の重量値の平均値および中央値などが適用され得る。
【0037】
例えば、図3から図6で示されるように、制御部50が、第1測定期間の少なくとも一部の期間と、第2測定期間の少なくとも一部の期間と、が重なるように、光源部30と、出力特性測定部10と、重量測定部20と、を制御する態様が考えられる。このような態様が採用されれば、例えば、太陽電池モジュール3の出力特性に係る測定と重量に係る測定とを近い条件で実施することができる。また、例えば、太陽電池モジュール3の出力特性に係る測定と重量に係る測定とに要する時間を短くすることができる。ここでは、例えば、第1測定期間において、光源部30が複数回の発光を行う場合には、光源部30の発光時に、重量測定部20が重量測定動作を行ってもよいし、光源部30による複数回の発光の合間の期間に、重量測定部20が重量測定動作を行ってもよい。
【0038】
ここで、例えば、図4で示されるように、制御部50が、第1測定期間内に第2測定期間が含まれるように、光源部30と、出力特性測定部10と、重量測定部20と、を制御してもよい。例えば、図5で示されるように、制御部50が、第2測定期間内に第1測定期間が含まれるように、光源部30と、出力特性測定部10と、重量測定部20と、を制御してもよい。例えば、図6で示されるように、制御部50が、第1測定期間と第2測定期間とが一致するように、光源部30と、出力特性測定部10と、重量測定部20と、を制御してもよい。これらの制御によれば、例えば、太陽電池モジュール3の出力特性に係る測定と重量に係る測定とをより近い条件で実施することができる。また、例えば、出力特性に係る測定と重量に係る測定とに要する時間をより短くすることができる。
【0039】
また、例えば、図7および図8で示されるように、制御部50が、第1測定期間と第2測定期間とが重ならないように、光源部30と、出力特性測定部10と、重量測定部20と、を制御してもよい。例えば、図7で示されるように、第1測定期間の後に、第2測定期間が到来していてもよいし、図8で示されるように、第2測定期間の後に、第1測定期間が到来していてもよい。ここでは、例えば、第1測定期間と第2測定期間との間の期間が短いほど、太陽電池モジュール3の出力特性に係る測定と重量に係る測定とをより近い条件で実施することができる。また、例えば、出力特性に係る測定と重量に係る測定とに要する時間をより短くすることができる。
【0040】
出力制御部502は、例えば、出力部70による各種の情報の出力を制御することができる。具体的には、例えば、出力制御部502は、各種の情報に係る信号を出力部70に送信することで、出力部70において各種の情報を出力させることができる。
【0041】
第1取得部503は、例えば、重量測定部20による測定に応じて得られた太陽電池モジュール3の重量に係る重量値を取得することができる。第1取得部503は、例えば、重量測定部20からの信号を受信することで、太陽電池モジュール3の重量に係る重量値を取得することができる。ここで、例えば、上述した第2測定期間において重量測定動作が2回以上行われる場合には、第1取得部503は、2回以上の測定に応じて得られた太陽電池モジュール3の重量に係る2つ以上の重量値を取得してもよい。そして、例えば、第1取得部503は、2つ以上の重量値に係る統計値を算出し、この統計値を太陽電池モジュール3の重量に係る重量値として取得してもよい。2つ以上の重量に係る統計値には、例えば、2つ以上の重量値の平均値および中央値などが適用され得る。ここで、制御部50は、例えば、第1取得部503によって重量測定部20から取得した太陽電池モジュール3の重量に係る重量値の情報を、出力制御部502による制御によって出力部70において出力させてもよい。換言すれば、例えば、出力部70は、重量測定部20による測定に応じて得られた太陽電池モジュール3の重量に係る重量値の情報を出力してもよい。これにより、例えば、太陽電池モジュール3の重量に係る重量値を、測定装置1のユーザなどが容易に認識することできる。
【0042】
第2取得部505は、例えば、出力特性測定部10による測定に応じて得られた太陽電池モジュール3の出力電圧値および出力電流値を取得することができる。第2取得部505は、例えば、出力特性測定部10からの信号を受信することで、太陽電池モジュール3の出力電圧値および出力電流値を取得することができる。
【0043】
出力算出部506は、例えば、出力特性測定部10による測定に応じて得られた太陽電池モジュール3の出力電圧値および出力電流値に基づいて、太陽電池モジュール3の出力電力値を算出することができる。出力算出部506は、例えば、出力特性測定部10において可変抵抗の抵抗値を段階的に変更させながら測定に応じて得られた出力電圧値および出力電流値に基づいて、出力電流値(I)と出力電圧値(V)との関係(I-V特性ともいう)を得ることができる。そして、出力算出部506は、例えば、I-V特性から、出力電力値としての最大出力値(Pm)を算出することができる。ここで、出力算出部506は、例えば、I-V特性から、短絡電流値(Isc)、開放電圧値(Voc)およびフィルファクター(FF)などの他の出力特性値を算出してもよい。
【0044】
ここで、制御部50は、例えば、第1取得部503によって重量測定部20から取得した太陽電池モジュール3の重量に係る重量値の情報と、出力算出部506によって算出された出力電力値の情報と、を出力制御部502による制御によって出力部70に出力させてもよい。換言すれば、例えば、出力部70は、重量測定部20による測定に応じて得られた太陽電池モジュール3の重量に係る重量値の情報と、出力算出部506によって算出された出力電力値の情報と、を出力してもよい。これにより、例えば、太陽電池モジュール3についての重量値と出力電力値とを、測定装置1のユーザなどが容易に認識することできる。ここでは、例えば、太陽電池モジュール3の重量に係る重量値の情報と、出力算出部506によって算出された出力電力値の情報と、が外部の装置に対してデータの状態で出力される場合も考えられる。この場合には、例えば、出力部70は、同一の太陽電池モジュール3を測定対象とした重量測定動作および出力測定動作の測定結果からそれぞれ得られた重量値の情報と出力電力値の情報とを、相互に関連づけた状態で、外部の装置に対してデータの状態で出力する態様が考えられる。
【0045】
指標値算出部507は、例えば、出力算出部506によって算出された出力電力値を、重量測定部20による測定に応じて得られた太陽電池モジュール3の重量値で除する計算、を含む予め設定された演算によって指標値を算出することができる。ここでは、指標値算出部507は、例えば、第1取得部503で取得された、重量測定部20による測定に応じて得られた太陽電池モジュール3の重量値を用いることができる。予め設定された演算には、例えば、太陽電池モジュール3の出力電力値を太陽電池モジュール3の重量値で除する計算が適用される。この場合には、指標値は、太陽電池モジュール3における単位重量当たりの出力電力値となる。予め設定された演算には、例えば、単位重量当たりの出力電力値に対して、測定装置1における測定条件および太陽電池モジュール3の形状などに応じた所定の計算が行われる演算が適用されてもよい。所定の計算には、例えば、測定装置1における出力測定動作および重量測定動作を行う際の測定条件および太陽電池モジュール3の形状に応じた係数を乗じる計算が適用され得る。測定条件には、例えば、温度、風圧およびエアマス(AM)などが含まれ得る。太陽電池モジュール3の形状には、例えば、第1面3aの曲率および太陽電池モジュール3の厚さなどが含まれ得る。
【0046】
ここで、制御部50は、例えば、指標値算出部507によって算出された指標値の情報を出力制御部502による制御によって出力部70に出力させてもよい。換言すれば、例えば、出力部70は、指標値算出部507によって算出された指標値の情報を出力してもよい。これにより、例えば、太陽電池モジュール3についての出力電力値を重量値で除する計算を含む演算で得られる指標値を、測定装置1のユーザなどが容易に認識することできる。
【0047】
<1-2-8.その他>
また、測定装置1は、例えば、温度センサ80を有していてもよい。これにより、測定装置1における測定時の温度が検知され得る。例えば、空調装置によって測定装置1が設置されている部屋の温度を調整することで、測定装置1の温度が調整され得る。測定装置1における測定時の温度は、例えば、標準的な温度に設定され得る。標準的な温度には、例えば、25℃程度の温度が適用される。温度センサ80には、例えば、接触式の温度センサまたは非接触式の温度センサが適用され得る。接触式の温度センサには、例えば、熱電対、白金測温抵抗体、サーミスタ測温体、バイメタル式温度計、液体充満式温度計および水銀温度計などが含まれ得る。非接触式の温度センサには、例えば、放射温度計などが含まれ得る。
【0048】
また、測定装置1は、例えば、太陽電池モジュール3を測定対象とした出力測定動作および重量測定動作を行う際に、出力特性測定部10、重量測定部20および光源部30などの主要な構成要素を囲むように位置させる外壁部2を有していてもよい。外壁部2は、例えば、太陽電池モジュール3の搬入が可能となるように開閉可能な扉部もしくはシャッター部を有する。ここで、例えば、外壁部2が、太陽電池モジュール3によって光電変換され得る波長の光を遮蔽する性質(遮光性ともいう)を有していれば、太陽電池モジュール3を測定対象とした出力測定動作を行う際に、測定装置1の外部空間から太陽電池モジュール3の第1面3aに向けて外乱光が入射しにくい。これにより、例えば、測定装置1における太陽電池モジュール3の出力特性に係る測定の精度が向上し得る。また、例えば、外壁部2が存在していれば、測定装置1の外部空間からの風が太陽電池モジュール3に作用しにくい。これにより、例えば、測定装置1における太陽電池モジュール3の重量に係る測定の精度が向上し得る。
【0049】
また、第1実施形態では、例えば、太陽電池モジュール3を測定対象とした出力測定動作を行う際に、太陽電池モジュール3の第2面3b上に断熱材4が配されてもよい。これにより、例えば、太陽電池モジュール3を測定対象とした出力測定動作を行う際に、太陽電池モジュール3の温度が均一となり得る。その結果、例えば、測定装置1における太陽電池モジュール3の出力特性に係る測定の精度が向上し得る。このような構成では、例えば、重量測定部20は、太陽電池モジュール3の重量に加えて、断熱材4の重量の影響を受け得る。このため、例えば、重量測定部20は、断熱材4の重量値を含まない、太陽電池モジュール3の重量に係る重量値を測定してもよい。換言すれば、重量測定部20では、例えば、断熱材4などの太陽電池モジュール3以外の構成の重量値を加味した重量値の基準点(ゼロ点)を設定する調整(オフセット調整)が行われてもよい。ここでは、断熱材4の重量値は、例えば、予め与えられてもよいし、重量測定部20などを用いた測定によって取得されてもよい。また、例えば、第1取得部503が、重量測定部20から、太陽電池モジュール3の重量値と、断熱材4などの太陽電池モジュール3以外の構成の重量値と、の合計値(合計重量値)を取得する場合が考えられる。この場合には、例えば、制御部50で実現される各種機能が、合計重量値から太陽電池モジュール3以外の構成の重量値を減じて、太陽電池モジュール3の重量値を算出する重量算出部(第1算出部ともいう)504を有していてもよい。ここでは、断熱材4などの太陽電池モジュール3以外の構成の重量値は、例えば、予め与えられていてもよいし、重量測定部20などを用いた測定によって取得されてもよい。
【0050】
また、例えば、図9で示されるように、重量測定部20は、第1配線部W1と、保持部22によって所定の配置条件で保持されている太陽電池モジュール3の第1端子3pおよび第2端子3nと、を電気的に接続することが可能な配線部(第2配線部)W2を含んでいてもよい。これにより、例えば、重量測定部20における重量測定動作は、第1配線部W1の重量の影響を受けにくく、太陽電池モジュール3の重量に係る測定の精度が向上し得る。また、例えば、太陽電池モジュール3の出力特性に係る測定と重量に係る測定とを同様な配置条件で精度良く行うことができる。
【0051】
ここでは、第2配線部W2は、例えば、1本目の配線(2A配線ともいう)と、2本目の配線(2B配線ともいう)と、を含む。1本目の2A配線は、例えば、第1配線部W1のうちの1本目の1A配線に対して電気的に接続される。2本目の2B配線は、例えば、第1配線部W1のうちの2本目の1B配線に対して接続される。2A配線および2B配線には、例えば、それぞれ導線の外周部が樹脂などの絶縁体で被覆された電線などが適用される。第1配線部W1と第2配線部W2との接続を行う方式には、例えば、コネクタ式、ピン端子式、ボタン式およびスライド差し込み式の何れかの方式が適用され得る。第2配線部W2は、例えば、重量測定部20の内部を貫通している部分を有していてもよいし、重量測定部20の表面部に沿って位置している部分を有していてもよい。
【0052】
また、例えば、第2配線部W2と、第1端子3pおよび第2端子3nと、が配線部(第4配線部ともいう)W4によって電気的に接続されてもよい。第4配線部W4は、例えば、1本目の配線(4A配線ともいう)と、2本目の配線(4B配線ともいう)と、を含む。1本目の4A配線は、例えば、第2配線部W2のうちの1本目の2A配線に対して電気的に接続されるとともに第1端子3pに対して電気的に接続される。2本目の4B配線は、例えば、第2配線部W2のうちの2本目の2B配線に対して接続されるとともに第2端子3nに対して電気的に接続される。第2配線部W2と第4配線部W4との接続を行う方式には、例えば、コネクタ式、ピン端子式、ボタン式およびスライド差し込み式の何れかの方式が適用され得る。そして、測定装置1は、例えば、第1配線部W1と、太陽電池モジュール3の第1端子3pおよび第2端子3nとが、第2配線部W2および第4配線部W4をこの記載の順に介して、電気的に接続された状態で、出力測定動作および重量測定動作を行うことができる。この場合には、例えば、重量測定部20は、第4配線部W4の重量値を含まない、太陽電池モジュール3の重量に係る重量値を測定してもよい。換言すれば、重量測定部20では、例えば、第4配線部W4の重量値を加味した重量値の基準点(ゼロ点)を設定する調整(オフセット調整)が行われてもよい。また、例えば、第1取得部503が、重量測定部20から、太陽電池モジュール3の重量値と、第4配線部W4を含む太陽電池モジュール3以外の構成の重量値と、の合計値(合計重量値)を取得する場合が考えられる。この場合には、例えば、制御部50で実現される各種機能が、合計重量値から第4配線部W4を含む太陽電池モジュール3以外の構成の重量値を減じて、太陽電池モジュール3の重量値を算出する重量算出部504を有していてもよい。第4配線部W4を含む太陽電池モジュール3以外の構成の重量値は、例えば、予め与えられていてもよいし、重量測定部20などを用いた測定によって取得されてもよい。
【0053】
<1-3.太陽電池モジュールの測定方法>
例えば、上述した測定装置1を用いることで、太陽電池モジュール3の定量的な特徴に係る測定を行う方法(太陽電池モジュールの測定方法ともいう)が実現され得る。太陽電池モジュール3の測定方法は、例えば、図10で示されるように、ステップS10の工程(搬入工程ともいう)と、ステップS20の工程(第1測定工程ともいう)と、を有する。ここでは、例えば、ステップS10の搬入工程が行われた後に、ステップS20の第1測定工程が行われる。
【0054】
ステップS10の搬入工程では、例えば、測定装置1に、太陽電池モジュール3が搬入される。この搬入工程では、測定装置1に太陽電池モジュール3を搬入する作業は、例えば、ユーザが手作業で行ってもよいし、ロボットなどが行ってもよい。ロボットの動作は、例えば、制御部50によって制御され得る。制御部50によるロボットの動作の制御は、例えば、入力部60を介してユーザの動作に応答して入力される各種の情報に応じて行われてもよいし、演算部51が記憶部52内の1つ以上のプログラム52pを実行することで実現される各種機能によって行われてもよい。
【0055】
ステップS20の第1測定工程では、例えば、測定装置1において、出力特性測定部10によって太陽電池モジュール3の第1端子3pと第2端子3nとの間における出力電圧値および出力電流値が測定されるとともに、重量測定部20によって太陽電池モジュール3の重量に係る重量値が測定される。ここでは、例えば、測定制御部501の制御によって、出力測定動作および重量測定動作が行われ得る。
【0056】
ここでは、例えば、太陽電池モジュール3の測定方法が、搬入工程と第1測定工程とを有しており、1台の測定装置1において太陽電池モジュール3を測定対象とした出力特性に係る測定と重量に係る測定とを近い条件で実施することができる。これにより、例えば、太陽電池モジュール3についての単位重量当たりの出力電力値などといった太陽電池モジュール3の出力特性に係る指標値の測定精度が向上し得る。
【0057】
ここで、ステップS10の搬入工程は、例えば、図11で示されるように、ステップS10aの工程(保持工程ともいう)と、ステップS10bの工程(接続工程ともいう)と、を含み得る。ステップS10aの保持工程およびステップS10bの接続工程は、例えば、何れの工程が先に行われてもよいし、両方の工程が並行して行われてもよい。
【0058】
ここで、ステップS10aの保持工程では、例えば、重量測定部20の保持部22によって太陽電池モジュール3が所定の配置条件で保持される。第1実施形態では、保持工程において、例えば、保持部22によって太陽電池モジュール3が下方から支持される。より具体的には、保持工程において、例えば、第1面3aが鉛直下向きに沿った方向を向いた状態にある太陽電池モジュール3を保持部22によって下方から支持する。換言すれば、例えば、太陽電池モジュール3の第1面3aが鉛直下向きに沿った方向を向いた状態となるように、保持部22によって太陽電池モジュール3が下方から支持される。これにより、例えば、太陽電池モジュール3は、安定して保持され得る。ここでは、所定の配置条件には、例えば、所定の位置で第1面3aが鉛直下向きに沿った方向を向いた状態にある条件が適用される。
【0059】
また、ステップS10bの接続工程では、例えば、出力特性測定部10の第1配線部W1が、第1端子3pおよび第2端子3nに電気的に接続される。ここで、第1配線部W1を第1端子3pおよび第2端子3nに電気的に接続する作業は、例えば、ユーザが手作業で行ってもよいし、ロボットなどが行ってもよい。ロボットの動作は、例えば、制御部50によって制御され得る。制御部50によるロボットの動作の制御は、例えば、入力部60を介してユーザの動作に応答して入力される各種の情報に応じて行われてもよいし、演算部51が記憶部52内の1つ以上のプログラム52pを実行することで実現される各種機能によって行われてもよい。
【0060】
ここでは、ステップS20の第1測定工程において、例えば、保持部22によって所定の配置条件で太陽電池モジュール3が保持されている。そして、例えば、太陽電池モジュール3の第1面3aに対して光源部30によって光が照射されている際に、太陽電池モジュール3の第1端子3pと第2端子3nとの間における出力電圧値および出力電流値が出力特性測定部10によって測定される。また、ステップS20の第1測定工程において、例えば、保持部22によって所定の配置条件で保持された太陽電池モジュール3の重量に係る重量値が重量測定部20によって測定される。換言すれば、例えば、所定の配置条件で保持された太陽電池モジュール3について出力特性に係る測定と重量に係る測定とが行われる。これにより、例えば、太陽電池モジュール3を測定対象とした出力特性に係る測定と重量に係る測定とが近い条件で実施され得る。その結果、例えば、太陽電池モジュール3についての単位重量当たりの出力電力値などといった太陽電池モジュール3の出力特性に係る指標値の測定精度が向上し得る。
【0061】
ここで、ステップS20の第1測定工程では、例えば、図3から図6で示されたように、第1測定期間の少なくとも一部の期間と、第2測定期間の少なくとも一部の期間と、が重なるように、制御部50によって、光源部30と、出力特性測定部10と、重量測定部20と、が制御されてもよい。第1測定期間は、上述したように、出力特性測定部10によって太陽電池モジュール3の出力電圧値および出力電流値が測定される期間である。第2測定期間は、上述したように、重量測定部20によって太陽電池モジュール3の重量が測定される期間である。このような態様が採用されれば、例えば、太陽電池モジュール3の出力特性に係る測定と重量に係る測定とが近い条件で実施され得る。また、例えば、太陽電池モジュール3の出力特性に係る測定と重量に係る測定とに要する時間が短くなり得る。ここでは、例えば、第1測定期間において、光源部30が複数回の発光を行う場合には、光源部30の発光時に、重量測定部20によって重量測定動作が行われてもよいし、光源部30による複数回の発光の合間の期間に、重量測定部20によって重量測定動作が行われてもよい。
【0062】
ステップS20の第1測定工程では、例えば、図4で示されたように、第1測定期間内に第2測定期間が含まれるように、制御部50によって、光源部30と、出力特性測定部10と、重量測定部20と、が制御されてもよい。また、ステップS20の第1測定工程では、例えば、図5で示されたように、第2測定期間内に第1測定期間が含まれるように、制御部50によって、光源部30と、出力特性測定部10と、重量測定部20と、が制御されてもよい。また、ステップS20の第1測定工程では、例えば、図6で示されたように、第1測定期間と第2測定期間とが一致するように、制御部50によって、光源部30と、出力特性測定部10と、重量測定部20と、が制御されてもよい。これらの制御によれば、例えば、太陽電池モジュール3の出力特性に係る測定と重量に係る測定とがより近い条件で実施され得る。また、例えば、出力特性に係る測定と重量に係る測定とに要する時間がより短くなり得る。
【0063】
また、ステップS20の第1測定工程において、例えば、図7および図8で示されたように、第1測定期間と第2測定期間とが重ならないように、制御部50によって、光源部30と、出力特性測定部10と、重量測定部20と、が制御されてもよい。例えば、図7で示されたように、第1測定期間の後に第2測定期間が到来してもよいし、図8で示されたように、第2測定期間の後に第1測定期間が到来してもよい。ここでは、例えば、第1測定期間と第2測定期間との間の期間が短いほど、太陽電池モジュール3の出力特性に係る測定と重量に係る測定とがより近い条件で実施され得る。また、例えば、出力特性に係る測定と重量に係る測定とに要する時間がより短くなり得る。

【0064】
また、ここで、ステップS10bの接続工程において、例えば、図9で示されるように、第1配線部W1が、重量測定部20のうちの第2配線部W2を介して、第1端子3pおよび第2端子3nに電気的に接続されてもよい。これにより、例えば、重量測定部20における重量測定動作は、第1配線部W1の重量の影響を受けにくく、太陽電池モジュール3の重量に係る測定の精度が向上し得る。また、例えば、太陽電池モジュール3の出力特性に係る測定と重量に係る測定とを同様な配置条件で精度良く行うことができる。
【0065】
また、ここで、太陽電池モジュール3の測定方法は、例えば、図12で示されるように、ステップS10の搬入工程と、ステップS20の第1測定工程と、ステップS30の工程(出力工程ともいう)と、を有していてもよい。ここでは、例えば、ステップS10の搬入工程とステップS20の第1測定工程とが行われた後に、ステップS30の出力工程が行われる。この出力工程では、例えば、ステップS20の第1測定工程における重量測定部20による測定に応じて得られた太陽電池モジュール3の重量に係る重量値の情報が、出力部70によって出力され得る。この出力工程では、例えば、制御部50によって、太陽電池モジュール3の重量に係る重量値の情報が、出力部70によって出力され得る。具体的には、例えば、第1取得部503によって重量測定部20から取得された太陽電池モジュール3の重量に係る重量値の情報が、出力制御部502による制御によって出力部70において出力され得る。これにより、例えば、太陽電池モジュール3の重量に係る重量値が、測定装置1のユーザなどによって容易に認識され得る。ここでは、例えば、ステップS20の第1測定工程の途中であっても、太陽電池モジュール3の重量に係る重量値の情報が得られた後であれば、ステップS30の出力工程が開始されてもよい。また、ここでは、例えば、太陽電池モジュール3の重量に係る重量値の情報が外部の装置に対してデータの状態で出力されてもよい。この場合には、例えば、同一の太陽電池モジュール3を測定対象とした重量測定動作および出力測定動作の測定結果からそれぞれ得られた重量値の情報と出力電圧値および出力電流値の情報とが、相互に関連づけた状態で、出力部70によって外部の装置に対してデータの状態で出力され得る。
【0066】
また、ここで、太陽電池モジュール3の測定方法は、例えば、図13で示されるように、ステップS10の搬入工程と、ステップS20の第1測定工程と、ステップS21の工程(算出工程ともいう)と、ステップS30の出力工程と、を有していてもよい。ここでは、例えば、ステップS20の第1測定工程とステップS30の出力工程との間に、ステップS21の算出工程が行われる。この算出工程では、例えば、ステップS20の第1測定工程における測定によって得られた値(測定値ともいう)について演算が行われる。この演算は、例えば、制御部50において行われる。
【0067】
ステップS21の算出工程では、例えば、図14で示されるように、ステップS21aの工程(第2算出工程ともいう)が行われ得る。換言すれば、太陽電池モジュール3の測定方法は、例えば、ステップS10の搬入工程と、ステップS20の第1測定工程と、ステップS21aの第2算出工程と、ステップS30の出力工程と、を有していてもよい。第2算出工程では、例えば、出力算出部506によって、ステップS20の第1測定工程における出力特性測定部10による測定に応じて得られた太陽電池モジュール3の出力電圧値および出力電流値に基づいて、太陽電池モジュール3の出力電力値が算出され得る。ここでは、例えば、出力特性測定部10において可変抵抗の抵抗値を段階的に変更させながら測定に応じて得られた出力電圧値および出力電流値に基づいて、出力算出部506によって出力電流値(I)と出力電圧値(V)との関係(I-V特性)が得られる。そして、例えば、出力算出部506によって、I-V特性から、出力電力値としての最大出力値(Pm)が算出され得る。ここで、例えば、出力算出部506によって、I-V特性から、短絡電流値(Isc)、開放電圧値(Voc)およびフィルファクター(FF)などの他の出力特性値が算出されてもよい。
【0068】
さらに、ここで、例えば、ステップS30の出力工程において、ステップS20の第1測定工程における重量測定部20による測定に応じて得られた太陽電池モジュール3の重量に係る重量値の情報と、ステップS21aの第2算出工程において出力算出部506によって算出された出力電力値の情報と、が出力部70によって出力されてもよい。この出力工程では、例えば、制御部50によって、太陽電池モジュール3の重量に係る重量値の情報と、ステップS21aの第2算出工程において算出された出力電力値の情報と、が出力部70によって出力され得る。具体的には、例えば、第1取得部503によって重量測定部20から取得された太陽電池モジュール3の重量に係る重量値の情報と、出力算出部506によって算出された出力電力値の情報と、が出力制御部502による制御により、出力部70によって出力され得る。これにより、例えば、太陽電池モジュール3についての重量値と出力電力値とが測定装置1のユーザなどによって容易に認識され得る。ここでは、例えば、太陽電池モジュール3の重量に係る重量値の情報と、出力算出部506によって算出された出力電力値の情報と、が外部の装置に対してデータの状態で出力されてもよい。この場合には、例えば、同一の太陽電池モジュール3を測定対象とした重量測定動作および出力測定動作の測定結果からそれぞれ得られた重量値の情報と出力電力値の情報とが相互に関連づけられた状態で、出力部70によって外部の装置に対してデータの状態で出力され得る。
【0069】
また、ステップS21の算出工程では、例えば、図15で示されるように、ステップS21aの第2算出工程と、ステップS21bの工程(第3算出工程ともいう)と、が行われてもよい。換言すれば、太陽電池モジュール3の測定方法は、例えば、ステップS10の搬入工程と、ステップS20の第1測定工程と、ステップS21aの第2算出工程と、ステップS21bの第3算出工程と、ステップS30の出力工程と、を有していてもよい。第3算出工程では、例えば、指標値算出部507によって、ステップS21aの第2算出工程で出力算出部506によって算出された出力電力値が、ステップS20の第1測定工程における重量測定部20による測定に応じて得られた太陽電池モジュール3の重量値で除される計算、を含む予め設定された演算によって指標値が算出され得る。ここでは、指標値算出部507は、例えば、第1取得部503で取得された、重量測定部20による測定に応じて得られた太陽電池モジュール3の重量値を用いることができる。予め設定された演算には、例えば、太陽電池モジュール3の出力電力値を太陽電池モジュール3の重量値で除する計算が適用される。この場合には、指標値は、太陽電池モジュール3における単位重量当たりの出力電力値となる。予め設定された演算には、例えば、単位重量当たりの出力電力値に対して、測定装置1における測定条件および太陽電池モジュール3の形状などに応じた所定の計算が行われる演算が適用されてもよい。所定の計算には、例えば、測定装置1における出力測定動作および重量測定動作を行う際の測定条件および太陽電池モジュール3の形状に応じた係数を乗じる計算が適用され得る。測定条件には、例えば、温度、風圧およびエアマス(AM)などが含まれ得る。太陽電池モジュール3の形状には、例えば、第1面3aの曲率および太陽電池モジュール3の厚さなどが含まれ得る。
【0070】
さらに、ここで、例えば、ステップS30の出力工程において、ステップS21bの第3算出工程において指標値算出部507によって算出された指標値の情報が、出力部70によって出力されてもよい。この出力工程では、例えば、制御部50によって、ステップS21bの第3算出工程において算出された指標値の情報が、出力部70によって出力され得る。具体的には、例えば、ステップS21bの第3算出工程において算出された指標値の情報が、出力制御部502による制御により、出力部70によって出力され得る。これにより、例えば、太陽電池モジュール3についての出力電力値を重量値で除する計算を含む演算で得られる指標値が、測定装置1のユーザなどによって容易に認識され得る。
【0071】
<1-4.第1実施形態のまとめ>
上述したように、例えば、太陽電池モジュール3の測定装置1は、出力特性測定部10と、重量測定部20と、を備えている。また、例えば、太陽電池モジュール3の測定方法は、測定装置1に太陽電池モジュール3を搬入する工程と、測定装置1において、太陽電池モジュール3についての出力電圧値および出力電流値の測定ならびに重量値の測定を行う工程と、を有する。このため、例えば、太陽電池モジュール3を測定対象とした出力特性に係る測定と重量に係る測定とを近い条件で実施することができる。これにより、例えば、太陽電池モジュール3についての単位重量当たりの出力電力値などといった太陽電池モジュール3の出力特性に係る指標値の測定精度が向上し得る。
【0072】
<2.他の実施形態>
本開示は上述の第1実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更および改良などが可能である。
【0073】
<2-1.第2実施形態>
上記第1実施形態において、例えば、図16で示されるように、保持部22が、太陽電池モジュール3を上方から吊るした状態で保持する態様が採用されてもよい。この場合には、例えば、上述した図11のステップS10aの保持工程において、保持部22によって太陽電池モジュール3が上方から吊るされた状態で保持される。より具体的には、例えば、保持部22が、第1面3aが鉛直下向きに沿った方向を向いた状態にある太陽電池モジュール3を上方から吊るした状態で保持する態様が採用されてもよい。この場合には、例えば、上述した図11のステップS10aの保持工程において、第1面3aが鉛直下向きに沿った方向を向いた状態にある太陽電池モジュール3が、保持部22によって上方から吊るされた状態で保持される。換言すれば、例えば、太陽電池モジュール3の第1面3aが鉛直下向きに沿った方向を向いた状態となるように、保持部22によって太陽電池モジュール3が上方から吊るされた状態で保持される。これにより、例えば、太陽電池モジュール3を保持した状態で、太陽電池モジュール3の第1面3aに対して容易に光を照射することができる。ここでは、所定の配置条件は、例えば、所定の位置で第1面3aが鉛直下向きに沿った方向を向いた状態にある条件を含む。
【0074】
図16で示される第2実施形態に係る測定装置1Aは、例えば、第1実施形態に係る測定装置1がベースとされて、重量測定部20の配置および構成が変更された形態を有する。
【0075】
重量測定部20には、例えば、ロードセルを用いたデジタル式の吊りはかりのような構成が適用され得る。重量測定部20は、例えば、光源部30の上方に位置している本体部21と、この本体部21からぶら下がっている状態で位置している保持部22と、を含む。本体部21は、例えば、保持部22によって保持された太陽電池モジュール3の重量値を測定するロードセルなどの構成を有する。保持部22は、例えば、太陽電池モジュール3を保持する1つ以上の保持具222と、1つ以上の保持具222を本体部21に連結している1つ以上の連結具221と、を含む。保持具222には、例えば、太陽電池モジュール3のうちの第1面3aと第2面3bとを接続する外周面に沿った部分(外周端部ともいう)の嵌合、係合、挟持または締結などによって、太陽電池モジュール3を保持することが可能な部材が適用される。これにより、1つ以上の保持具222は、例えば、太陽電池モジュール3の第1面3aのうちの光電変換に供する領域(有効領域ともいう)を減少させることなく、太陽電池モジュール3を保持することができる。保持具222の素材には、例えば、金属、樹脂およびセラミックスの何れの素材が適用されてもよい。連結具221には、例えば、ワイヤもしくはワイヤロープなどの紐状の部材などが適用される。
【0076】
図16の例では、1つ以上の保持具222は、例えば、第1面3aが下向きであり且つ略水平方向に沿って位置するように配された太陽電池モジュール3を保持する2つの保持具222を含む。2つの保持具222は、例えば、太陽電池モジュール3の水平方向の第1端部を保持する1つ目の保持具222と、太陽電池モジュール3の水平方向の第1端部とは逆の第2端部を保持する2つ目の保持具222と、を含む。これにより、保持部22は、例えば、第1面3aが鉛直下向きに沿った方向を向いた状態にある太陽電池モジュール3を吊るした状態で保持することができる。
【0077】
ここでは、例えば、保持具222が、保持部22によって所定の配置条件で保持されている太陽電池モジュール3の第1端子3pおよび第2端子3nと第1配線部W1とを電気的に接続することが可能な第2配線部W2を有する構成が採用され得る。ここで、例えば、保持部22によって所定の配置条件で太陽電池モジュール3を保持する際に、保持具222と第1端子3pおよび第2端子3nとが近接または接触する構成が考えられる。このような構成が採用されれば、例えば、第2配線部W2と、第1端子3pおよび第2端子3nと、が直接接続されてもよい。第2配線部W2と第1端子3pおよび第2端子3nとの接続を行う方式には、例えば、コネクタ式、ピン端子式、ボタン式およびスライド差し込み式の何れかの方式が適用され得る。また、例えば、保持部22で太陽電池モジュール3を保持する際に保持具222と第1端子3pおよび第2端子3nとが離れている構成が採用されれば、第2配線部W2と、第1端子3pおよび第2端子3nと、が第4配線部W4によって電気的に接続されてもよい。第4配線部W4は、例えば、保持部22の第2配線部W2に含まれてもよい。
【0078】
ここでは、例えば、保持部22によって所定の配置条件で保持された太陽電池モジュール3には、保持部22の重量が作用し得る。そこで、例えば、重量測定部20は、保持部22の重量値を含まない、太陽電池モジュール3の重量に係る重量値を測定してもよい。換言すれば、重量測定部20では、例えば、保持部22の重量値を加味した重量値の基準点(ゼロ点)を設定する調整(オフセット調整)が行われてもよい。ここでは、保持部22の重量値は、例えば、予め与えられていてもよいし、重量測定部20などを用いた測定によって取得されてもよい。ここで、例えば、第1取得部503が、重量測定部20から、太陽電池モジュール3の重量値と、保持部22を含む太陽電池モジュール3以外の構成の重量値と、の合計値(合計重量値)を取得する場合が考えられる。この場合には、例えば、制御部50で実現される各種機能が、合計重量値から保持部22を含む太陽電池モジュール3以外の構成の重量値を減じて、太陽電池モジュール3の重量値を算出する重量算出部504を有していてもよい。太陽電池モジュール3以外の構成の重量値は、例えば、予め与えられていてもよいし、重量測定部20などを用いた測定によって取得されてもよい。太陽電池モジュール3以外の構成の重量値には、例えば、第1配線部W1の少なくとも一部の重量値が含まれる場合も考えられる。また、太陽電池モジュール3以外の構成の重量値には、例えば、第4配線部W4の重量値が含まれる場合も考えられる。
【0079】
<2-2.第3実施形態>
上記第1実施形態において、例えば、図17で示されるように、保持部22が、第1面3aが鉛直上向きに沿った方向を向いた状態にある太陽電池モジュール3を下方から支持する態様が採用されてもよい。この場合には、例えば、上述した図11のステップS10aの保持工程において、第1面3aが鉛直上向きに沿った方向を向いた状態にある太陽電池モジュール3が、保持部22によって下方から支持される。換言すれば、例えば、太陽電池モジュール3の第1面3aが鉛直上向きに沿った方向を向いた状態となるように、保持部22によって太陽電池モジュール3が保持される。これにより、例えば、太陽電池モジュール3を安定して保持した状態で、太陽電池モジュール3の第1面3aに対して容易に光を照射することができる。ここでは、所定の配置条件は、例えば、所定の位置で第1面3aが鉛直上向きに沿った方向を向いた状態にある条件を含む。本明細書において、鉛直上向きは、重力の方向とは反対の方向である。鉛直上向きに沿った方向は、例えば、鉛直上向きの方向(上方向ともいう)であってもよいし、上方向を基準として数度程度の範囲内で傾いた方向(略上方向ともいう)であってもよいし、上方向を基準として10度程度の範囲内で傾いた方向であってもよい。
【0080】
図17で示される第3実施形態に係る測定装置1Bは、例えば、第1実施形態に係る測定装置1がベースとされて、光源部30の配置および重量測定部20の構成が変更された形態を有する。
【0081】
光源部30は、例えば、重量測定部20の上方に位置している。光源部30の筐体部31は、例えば、光を出射する開口31oを形成している環状の下部31bを有する。これにより、例えば、光源部30の開口31oから下方に向けて出射される光が、保持部22によって所定の配置条件で保持された太陽電池モジュール3の第1面3aに照射され得る。重量測定部20の保持部22は、例えば、貫通孔20tを有していなくてよい。
【0082】
ここでは、例えば、重量測定部20が、保持部22によって所定の配置条件で保持された太陽電池モジュール3の第1端子3pおよび第2端子3nと第1配線部W1と、を電気的に接続することが可能な第2配線部W2を含んでいてもよい。これにより、例えば、重量測定部20による重量測定動作は、第1配線部W1の重量の影響を受けにくく、太陽電池モジュール3の重量に係る測定の精度が向上し得る。また、例えば、太陽電池モジュール3の出力特性に係る測定と重量に係る測定とを同様な配置条件で精度良く行うことができる。ここで、例えば、保持部22によって所定の配置条件で太陽電池モジュール3を保持する際に、保持部22と第1端子3pおよび第2端子3nとが近接または接触する構成が考えられる。このような構成が採用されれば、例えば、第2配線部W2と、第1端子3pおよび第2端子3nと、が直接接続されてもよい。第2配線部W2と第1端子3pおよび第2端子3nとの接続を行う方式には、例えば、コネクタ式、ピン端子式、ボタン式およびスライド差し込み式の何れかの方式が適用され得る。また、例えば、保持部22で太陽電池モジュール3を保持する際に保持部22と第1端子3pおよび第2端子3nとが離れている構成が採用されれば、第2配線部W2と、第1端子3pおよび第2端子3nと、が第4配線部W4によって電気的に接続されてもよい。第4配線部W4は、例えば、保持部22の第2配線部W2に含まれてもよい。
【0083】
<2-3.第4実施形態>
上記第3実施形態において、例えば、図18で示されるように、保持部22が、太陽電池モジュール3を上方から吊るした状態で保持する態様が採用されてもよい。この場合には、例えば、上述した図11のステップS10aの保持工程において、保持部22によって太陽電池モジュール3が上方から吊るされた状態で保持される。より具体的には、例えば、保持部22が、第1面3aが鉛直上向きに沿った方向を向いた状態にある太陽電池モジュール3を上方から吊るした状態で保持する態様が採用されてもよい。この場合には、例えば、上述した図11のステップS10aの保持工程において、第1面3aが鉛直上向きに沿った方向を向いた状態にある太陽電池モジュール3が、保持部22によって上方から吊るされた状態で保持される。換言すれば、例えば、太陽電池モジュール3の第1面3aが鉛直上向きに沿った方向を向いた状態となるように、保持部22によって太陽電池モジュール3が上方から吊るされた状態で保持される。これにより、例えば、太陽電池モジュール3を保持した状態で、太陽電池モジュール3の第1面3aに対して容易に光を照射することができる。ここでは、所定の配置条件は、例えば、所定の位置で第1面3aが鉛直上向きに沿った方向を向いた状態にある条件を含む。
【0084】
図18で示される第4実施形態に係る測定装置1Cは、例えば、第3実施形態に係る測定装置1Bがベースとされて、重量測定部20の配置および構成が変更された形態を有する。
【0085】
重量測定部20には、例えば、ロードセルを用いたデジタル式の吊りはかりのような構成が適用され得る。重量測定部20は、例えば、光源部30の上方に位置している本体部21と、この本体部21からぶら下がっている状態で位置している保持部22と、を含む。本体部21は、例えば、保持部22によって保持された太陽電池モジュール3の重量値を測定するロードセルなどの構成を有する。保持部22は、例えば、太陽電池モジュール3を保持する保持具222と、保持具222を本体部21に連結している2つ以上の連結具221と、を含む。保持具222には、例えば、少なくとも太陽電池モジュール3の第2面3bを下方から支持することが可能な部材が適用される。保持具222は、例えば、太陽電池モジュール3を嵌合させることが可能な凹部222dを有していてもよい。これにより、例えば、太陽電池モジュール3をより安定して保持することができる。各連結具221には、例えば、ワイヤもしくはワイヤロープなどの紐状の部材などが適用される。2つ以上の連結具221は、例えば、光源部30から第1面3aに向かう光路から水平方向にずれた位置に配される。より具体的には、2つ以上の連結具221は、例えば、光源部30から第1面3aに向かう光路を挟むように配される。これにより、保持部22は、例えば、第1面3aが鉛直上向きに沿った方向を向いた状態にある太陽電池モジュール3を吊るした状態で保持することができる。
【0086】
ここでは、例えば、保持具222が、保持部22によって所定の配置条件で保持された太陽電池モジュール3の第1端子3pおよび第2端子3nと、第1配線部W1と、を電気的に接続することが可能な第2配線部W2を有する構成が採用され得る。ここで、例えば、保持部22によって所定の配置条件で太陽電池モジュール3を保持する際に、保持具222と第1端子3pおよび第2端子3nとが近接または接触する構成が考えられる。このような構成が採用されれば、例えば、第2配線部W2と、第1端子3pおよび第2端子3nと、が直接接続されてもよい。第2配線部W2と第1端子3pおよび第2端子3nとの接続を行う方式には、例えば、コネクタ式、ピン端子式、ボタン式およびスライド差し込み式の何れかの方式が適用され得る。また、例えば、保持部22で太陽電池モジュール3を保持する際に保持具222と第1端子3pおよび第2端子3nとが離れている構成が採用されれば、第2配線部W2と、第1端子3pおよび第2端子3nと、が第4配線部W4によって電気的に接続されてもよい。第4配線部W4は、例えば、保持部22の第2配線部W2に含まれてもよい。
【0087】
ここでは、例えば、保持部22によって所定の配置条件で保持された太陽電池モジュール3には、保持部22の重量が作用し得る。そこで、例えば、重量測定部20は、保持部22の重量値を含まない、太陽電池モジュール3の重量に係る重量値を測定してもよい。換言すれば、重量測定部20では、例えば、保持部22の重量値を加味した重量値の基準点(ゼロ点)を設定する調整(オフセット調整)が行われてもよい。ここでは、保持部22の重量値は、例えば、予め与えられていてもよいし、重量測定部20などを用いた測定によって取得されてもよい。ここで、例えば、第1取得部503が、重量測定部20から、太陽電池モジュール3の重量値と、保持部22を含む太陽電池モジュール3以外の構成の重量値と、の合計値(合計重量値)を取得する場合が考えられる。この場合には、例えば、制御部50で実現される各種機能が、合計重量値から保持部22を含む太陽電池モジュール3以外の構成の重量値を減じて、太陽電池モジュール3の重量値を算出する重量算出部504を有していてもよい。太陽電池モジュール3以外の構成の重量値は、例えば、予め与えられていてもよいし、重量測定部20などを用いた測定によって取得されてもよい。太陽電池モジュール3以外の構成の重量値には、例えば、第1配線部W1の少なくとも一部の重量値が含まれる場合も考えられる。また、太陽電池モジュール3以外の構成の重量値には、例えば、第4配線部W4の重量値が含まれる場合も考えられる。
【0088】
<2-4.第5実施形態>
上記第3実施形態において、例えば、図19および図20で示されるように、保持部22が、第1面3aが水平方向に沿った方向を向いた状態にある太陽電池モジュール3を下方から支持する態様が採用されてもよい。この場合には、例えば、上述した図11のステップS10aの保持工程において、保持部22によって第1面3aが水平方向に沿った方向を向いた状態にある太陽電池モジュール3が下方から支持される。換言すれば、例えば、太陽電池モジュール3の第1面3aが水平方向に沿った方向を向いた状態となるように、保持部22によって太陽電池モジュール3が下方から支持される。これにより、例えば、太陽電池モジュール3を保持した状態で、太陽電池モジュール3の第1面3aに対して容易に光を照射することができる。ここでは、所定の配置条件は、例えば、所定の位置で第1面3aが水平方向に沿った方向を向いた状態にある条件を含む。本明細書において、水平方向は、例えば、重力の方向に直交する方向であってもよいし、地面、地上または床面に沿った方向(略水平な方向ともいう)であってもよいし、鉛直(鉛直方向ともいう)と直交する方向であってもよい。水平方向に沿った方向は、例えば、水平方向であってもよいし、水平方向を基準として数度程度の範囲内で傾いた方向(略水平方向ともいう)であってもよいし、水平方向を基準として10度程度の範囲内で傾いた方向であってもよい。
【0089】
図19および図20で示される第5実施形態に係る測定装置1Dは、例えば、第3実施形態に係る測定装置1Bがベースとされて、重量測定部20の構成ならびに光源部30の配置および構成が変更された形態を有する。
【0090】
重量測定部20の保持部22は、例えば、第1面3aが水平方向に沿った方向において光源部30に対向するように、太陽電池モジュール3を下方から支持することができる。ここで、保持部22は、例えば、太陽電池モジュール3の一端部が嵌合するような凹部22dを有していてもよい。この凹部22dは、例えば、太陽電池モジュール3を所定の配置条件で姿勢を維持するように保持する構造としての役割を果たし得る。この場合には、例えば、上述した図11の保持工程において、保持部22によって太陽電池モジュールが所定の配置条件で太陽電池モジュール3の姿勢が維持されるように保持される。これにより、例えば、保持部22は、凹部22dの存在によって、太陽電池モジュール3を安定して保持することができる。
【0091】
光源部30は、例えば、重量測定部20の側方に位置している。光源部30の筐体部31は、例えば、光を出射する開口31oを形成している環状の側部31sを有する。これにより、例えば、光源部30の開口31oから側方に向けて出射される光が、保持部22によって所定の配置条件で保持された太陽電池モジュール3の第1面3aに照射され得る。
【0092】
図19の例では、図1の例と同様に、保持部22によって所定の配置条件で保持された太陽電池モジュール3の第1端子3pおよび第2端子3nと、第1配線部W1と、が直接接続されている。ここでは、例えば、保持部22によって所定の配置条件で保持された太陽電池モジュール3には、第1配線部W1の少なくとも一部の重量が作用し得る。そこで、例えば、重量測定部20は、第1配線部W1の少なくとも一部の重量値を含まない、太陽電池モジュール3の重量に係る重量値を測定してもよい。換言すれば、重量測定部20では、例えば、第1配線部W1の少なくとも一部の重量値を加味した重量値の基準点(ゼロ点)を設定する調整(オフセット調整)が行われてもよい。ここでは、第1配線部W1の少なくとも一部の重量値は、例えば、予め与えられていてもよいし、重量測定部20などを用いた測定によって取得されてもよい。ここで、例えば、第1取得部503が、重量測定部20から、太陽電池モジュール3の重量値と、第1配線部W1の少なくとも一部を含む太陽電池モジュール3以外の構成の重量値と、の合計値(合計重量値)を取得する場合が考えられる。この場合には、例えば、制御部50で実現される各種機能が、合計重量値から第1配線部W1の少なくとも一部を含む太陽電池モジュール3以外の構成の重量値を減じて、太陽電池モジュール3の重量値を算出する重量算出部504を有していてもよい。太陽電池モジュール3以外の構成の重量値は、例えば、予め与えられていてもよいし、重量測定部20などを用いた測定によって取得されてもよい。
【0093】
ここで、例えば、図20で示されるように、重量測定部20が、保持部22によって所定の配置条件で保持された太陽電池モジュール3の第1端子3pおよび第2端子3nと第1配線部W1とを電気的に接続することが可能な第2配線部W2を含んでいてもよい。これにより、例えば、重量測定部20による重量測定動作は、第1配線部W1の重量の影響を受けにくく、太陽電池モジュール3の重量に係る測定の精度が向上し得る。また、例えば、太陽電池モジュール3の出力特性に係る測定と重量に係る測定とを同様な配置条件で精度良く行うことができる。ここで、例えば、保持部22によって所定の配置条件で太陽電池モジュール3を保持する際に、保持部22と第1端子3pおよび第2端子3nとが近接または接触する構成が採用されれば、第2配線部W2と、第1端子3pおよび第2端子3nと、が直接接続されてもよい。第2配線部W2と第1端子3pおよび第2端子3nとの接続を行う方式には、例えば、コネクタ式、ピン端子式、ボタン式およびスライド差し込み式の何れかの方式が適用され得る。また、例えば、保持部22で太陽電池モジュール3を保持する際に保持部22と第1端子3pおよび第2端子3nとが離れている構成が採用されれば、第2配線部W2と、第1端子3pおよび第2端子3nと、が第4配線部W4によって電気的に接続されてもよい。第4配線部W4は、例えば、保持部22の第2配線部W2に含まれてもよい。
【0094】
ここでは、例えば、保持部22によって所定の配置条件で保持された太陽電池モジュール3には、第4配線部W4の重量が作用し得る。そこで、例えば、重量測定部20は、第4配線部W4の重量値を含まない、太陽電池モジュール3の重量に係る重量値を測定してもよい。換言すれば、重量測定部20では、例えば、第4配線部W4の重量値を加味した重量値の基準点(ゼロ点)を設定する調整(オフセット調整)が行われてもよい。ここでは、第4配線部W4の重量値は、例えば、予め与えられていてもよいし、重量測定部20などを用いた測定によって取得されてもよい。
【0095】
ここで、例えば、第1取得部503が、重量測定部20から、太陽電池モジュール3の重量値と、第4配線部W4を含む太陽電池モジュール3以外の構成の重量値と、の合計値(合計重量値)を取得する場合が考えられる。この場合には、例えば、制御部50で実現される各種機能が、合計重量値から第4配線部W4を含む太陽電池モジュール3以外の構成の重量値を減じて、太陽電池モジュール3の重量値を算出する重量算出部504を有していてもよい。第4配線部W4を含む太陽電池モジュール3以外の構成の重量値は、例えば、予め与えられていてもよいし、重量測定部20などを用いた測定によって取得されてもよい。
【0096】
<2-5.第6実施形態>
上記第5実施形態において、例えば、図21および図22で示されるように、保持部22が、太陽電池モジュール3を上方から吊るした状態で保持する態様が採用されてもよい。この場合には、例えば、上述した図11のステップS10aの保持工程において、保持部22によって太陽電池モジュール3が上方から吊るされた状態で保持される。より具体的には、例えば、保持部22が、第1面3aが水平方向に沿った方向を向いた状態にある太陽電池モジュール3を上方から吊るした状態で保持する態様が採用されてもよい。この場合には、例えば、上述した図11のステップS10aの保持工程において、保持部22によって第1面3aが水平方向に沿った方向を向いた状態にある太陽電池モジュール3が上方から吊るされた状態で保持される。換言すれば、例えば、太陽電池モジュール3の第1面3aが水平方向に沿った方向を向いた状態となるように、保持部22によって太陽電池モジュール3が上方から吊るされた状態で保持される。これにより、例えば、太陽電池モジュール3を保持した状態で、太陽電池モジュール3の第1面3aに対して容易に光を照射することができる。ここでは、所定の配置条件は、例えば、所定の位置で第1面3aが水平方向に沿った方向を向いた状態にある条件を含む。
【0097】
図21および図22で示される第6実施形態に係る測定装置1Eは、例えば、第5実施形態に係る測定装置1Dがベースとされて、重量測定部20の配置および構成が変更された形態を有する。
【0098】
重量測定部20には、例えば、ロードセルを用いたデジタル式の吊りはかりのような構成が適用され得る。重量測定部20は、例えば、光源部30の側方の領域の上方に位置している本体部21と、この本体部21からぶら下がっている状態で位置している保持部22と、を含む。本体部21は、例えば、保持部22によって保持された太陽電池モジュール3の重量に係る重量値を測定するロードセルなどの構成を有する。保持部22は、例えば、太陽電池モジュール3を保持する保持具222と、保持具222を本体部21に連結している連結具221と、を含む。保持具222には、例えば、第1面3aが水平方向に沿った方向を向いた状態にある太陽電池モジュール3を保持することが可能な部材が適用される。保持具222は、例えば、第1面3aが水平方向に沿った方向を向いた状態にある太陽電池モジュール3の上端部を、嵌合、係合、挟持または締結などによって保持することができる。連結具221には、例えば、ワイヤもしくはワイヤロープなどの紐状の部材などが適用される。保持具222は、例えば、連結具221によって本体部21から吊るされた状態にある。保持部22は、例えば、1つの連結具221を含んでいてもよいし、2つ以上の連結具221を含んでいてもよい。
【0099】
図21の例では、図19の例と同様に、保持部22によって所定の配置条件で保持された太陽電池モジュール3の第1端子3pおよび第2端子3nと、第1配線部W1と、が直接接続されている。ここでは、例えば、保持部22によって所定の配置条件で保持された太陽電池モジュール3には、第1配線部W1の少なくとも一部の重量が作用し得る。そこで、例えば、重量測定部20は、第1配線部W1の少なくとも一部の重量値を含まない、太陽電池モジュール3の重量に係る重量値を測定してもよい。換言すれば、重量測定部20では、例えば、第1配線部W1の少なくとも一部の重量値を加味した重量値の基準点(ゼロ点)を設定する調整(オフセット調整)が行われてもよい。ここでは、第1配線部W1の少なくとも一部の重量値は、例えば、予め与えられていてもよいし、重量測定部20などを用いた測定によって取得されてもよい。ここで、例えば、第1取得部503が、重量測定部20から、太陽電池モジュール3の重量値と、第1配線部W1の少なくとも一部を含む太陽電池モジュール3以外の構成の重量値と、の合計値(合計重量値)を取得する場合が考えられる。この場合には、例えば、制御部50で実現される各種機能が、合計重量値から第1配線部W1の少なくとも一部を含む太陽電池モジュール3以外の構成の重量値を減じて、太陽電池モジュール3の重量値を算出する重量算出部504を有していてもよい。太陽電池モジュール3以外の構成の重量値は、例えば、予め与えられていてもよいし、重量測定部20などを用いた測定によって取得されてもよい。
【0100】
ここで、例えば、図22で示されるように、保持具222が、保持部22によって所定の配置条件で保持された太陽電池モジュール3の第1端子3pおよび第2端子3nと第1配線部W1とを電気的に接続することが可能な第2配線部W2を有していてもよい。ここでは、例えば、保持部22によって所定の配置条件で太陽電池モジュール3を保持する際に、保持具222と第1端子3pおよび第2端子3nとが近接または接触する構成が考えられる。このような構成が採用されれば、例えば、第2配線部W2と、第1端子3pおよび第2端子3nと、が直接接続されてもよい。第2配線部W2と第1端子3pおよび第2端子3nとの接続を行う方式には、例えば、コネクタ式、ピン端子式、ボタン式およびスライド差し込み式の何れかの方式が適用され得る。また、例えば、保持部22で太陽電池モジュール3を保持する際に保持具222と第1端子3pおよび第2端子3nとが離れている構成が採用されれば、第2配線部W2と、第1端子3pおよび第2端子3nと、が第4配線部W4によって電気的に接続されてもよい。第4配線部W4は、例えば、保持部22の第2配線部W2に含まれてもよい。
【0101】
ここでは、例えば、保持部22によって所定の配置条件で保持された太陽電池モジュール3には、保持部22の重量が作用し得る。そこで、例えば、重量測定部20は、保持部22の重量値を含まない、太陽電池モジュール3の重量に係る重量値を測定してもよい。換言すれば、重量測定部20では、例えば、保持部22の重量値を加味した重量値の基準点(ゼロ点)を設定するオフセット調整が行われてもよい。ここでは、保持部22の重量値は、例えば、予め与えられていてもよいし、重量測定部20などを用いた測定によって取得されてもよい。ここで、例えば、第1取得部503が、重量測定部20から、太陽電池モジュール3の重量値と、保持部22を含む太陽電池モジュール3以外の構成の重量値と、の合計値(合計重量値)を取得する場合が考えられる。この場合には、例えば、制御部50で実現される各種機能が、合計重量値から保持部22を含む太陽電池モジュール3以外の構成の重量値を減じて、太陽電池モジュール3の重量値を算出する重量算出部504を有していてもよい。太陽電池モジュール3以外の構成の重量値は、例えば、予め与えられていてもよいし、重量測定部20などを用いた測定によって取得されてもよい。太陽電池モジュール3以外の構成の重量値には、例えば、第1配線部W1の少なくとも一部の重量値が含まれる場合も考えられる。また、太陽電池モジュール3以外の構成の重量値には、例えば、第4配線部W4の重量値が含まれる場合も考えられる。
【0102】
<2-6.第7実施形態>
上記第1実施形態および上記第3実施形態において、例えば、図23および図24で示されるように、保持部22が、太陽電池モジュール3を所定の配置条件で姿勢を維持するように保持する構造(保持構造ともいう)としての凹部22dを有していてもよい。この場合には、例えば、上述した図11のステップS10aの保持工程において、保持部22によって太陽電池モジュールが所定の配置条件で姿勢が維持されるように保持される。これにより、例えば、太陽電池モジュール3を所定の配置条件で安定して保持している状態で、太陽電池モジュール3の出力特性に係る測定と重量に係る測定とを同様な配置条件で精度良く行うことができる。
【0103】
図23で示される第7実施形態に係る測定装置1Fの構成の第1例は、例えば、第1実施形態に係る測定装置1がベースとされて、保持部22が、凹部22dを有する保持部22とされた形態を有する。図23の例では、凹部22dは、例えば、保持部22の上面側に位置しており、太陽電池モジュール3を嵌合させることができる。これにより、例えば、保持部22は、第1面3aが鉛直下向きに沿った方向を向いており且つ凹部22dに嵌合された状態にある太陽電池モジュール3を下方から支持することができる。ここで、保持部22は、例えば、保持構造として、凹部22dの代わりに、保持部22の上部に位置している2つ以上の突起部を有していてもよい。2つ以上の突起部は、例えば、保持部22上に載置された太陽電池モジュール3を側方から挟むように位置する形態が考えられる。
【0104】
図24で示される第7実施形態に係る測定装置1Fの構成の第2例は、例えば、第3実施形態に係る測定装置1Bがベースとされて、保持部22が、凹部22dを有する保持部22とされた形態を有する。図24の例では、凹部22dは、例えば、保持部22の上面側に位置しており、太陽電池モジュール3を嵌合させることができる。これにより、例えば、保持部22は、第1面3aが鉛直上向きに沿った方向を向いており且つ凹部22dに嵌合された状態にある太陽電池モジュール3を下方から支持することができる。ここでも、保持部22は、例えば、保持構造として、凹部22dの代わりに、保持部22の上部に位置している2つ以上の突起部を有していてもよい。2つ以上の突起部は、例えば、保持部22上に載置された太陽電池モジュール3を側方から挟むように位置する形態が考えられる。
【0105】
<2-7.第8実施形態>
上記第1実施形態から上記第6実施形態のそれぞれにおいて、例えば、図25および図34から図39で示されるように、保持部22は、治具90を介して太陽電池モジュール3を所定の配置条件で保持してもよい。この場合には、例えば、上述した図11のステップS10aの保持工程において、保持部22によって治具90を介して太陽電池モジュール3が所定の配置条件で保持される。このような構成が採用されれば、例えば、太陽電池モジュール3の形態に応じて、保持部22が太陽電池モジュール3を所定の配置条件でより安定して保持することができる。ここでは、例えば、太陽電池モジュール3が柔軟性を有していても、治具90によって太陽電池モジュール3が所望の形態で安定して保持され得る。治具90の素材には、例えば、金属、樹脂およびセラミックスの何れの素材が適用されてもよい。
【0106】
図25で示される第8実施形態に係る測定装置1Gの構成の一例(第1A例ともいう)は、例えば、図1で示された第1実施形態に係る測定装置1の構成の一例がベースとされて、保持部22が、治具90を介して太陽電池モジュール3を所定の配置条件で保持するように変更された形態を有する。治具90には、例えば、太陽電池モジュール3のうちの外周端部を、嵌合、係合、挟持または締結などによって保持することが可能な部材が適用される。より具体的には、治具90には、例えば、太陽電池モジュール3の外周端部に取り付けられる環状の枠体が適用される。治具90は、例えば、太陽電池モジュール3の外周端部に取り付けられた状態で、太陽電池モジュール3の第1面3aのうちの光電変換に供する領域(有効領域)を覆わないような形状を有する。治具90には、例えば、内周部に太陽電池モジュール3が嵌合または係合する溝部を有する環状の枠体が適用され得る。例えば、溝部が断熱材で構成されていれば、太陽電池モジュール3を測定対象とした出力測定動作を行う際に、太陽電池モジュール3の温度が均一となり得る。その結果、例えば、測定装置1における太陽電池モジュール3の出力特性に係る測定の精度が向上し得る。また、治具90は、例えば、太陽電池モジュール3の外周端部に取り付けられた状態で、太陽電池モジュール3の第2面3b上に位置している部分を有していてもよい。
【0107】
第8実施形態では、例えば、重量測定部20は、太陽電池モジュール3および治具90の重量に係る値(第1重量値ともいう)を測定する。換言すれば、第1取得部503は、例えば、重量測定部20による測定で得られる太陽電池モジュール3および治具90の重量に係る第1重量値を得る。このため、例えば、制御部50で実現される各種機能は、第1重量値から治具90の重量に係る値(第2重量値ともいう)を減じて、太陽電池モジュール3の重量値を算出する重量算出部(第1算出部)504を有していてもよい。この場合には、例えば、上述した図10のステップS20の第1測定工程において、保持部22によって治具90を介して所定の配置条件で保持されている太陽電池モジュール3および治具90の重量に係る第1重量値が、重量測定部20によって測定される。また、例えば、上述した図13のステップS21の算出工程では、図26および図27で示されるように、ステップS21cの工程(第1算出工程ともいう)が行われてもよい。換言すれば、太陽電池モジュール3の測定方法は、例えば、ステップS10の搬入工程と、ステップS20の第1測定工程と、ステップS21cの第1算出工程と、を有していてもよい。第1算出工程では、例えば、重量算出部504によって、ステップS20の第1測定工程における測定で得られた第1重量値から治具90の重量に係る第2重量値が減じられて、太陽電池モジュール3の重量値が算出される。これにより、例えば、治具90を用いて太陽電池モジュール3をより安定して所定の配置条件で保持した状態で、太陽電池モジュール3を測定対象とした出力特性に係る測定と重量に係る測定とを行うことができる。ここでは、例えば、第1重量値に、第1配線部W1などの太陽電池モジュール3および治具90とは異なる他の構成の重量値が含まれる場合がある。この場合には、例えば、第2重量値には、治具90の重量値に加えて、第1配線部W1などの他の構成の重量値が含まれてもよい。
【0108】
また、ここでは、例えば、図13で示されたステップS30の出力工程において、ステップS21cの第1算出工程で算出された太陽電池モジュール3の重量値の情報が出力部70によって出力される態様が考えられる。これにより、例えば、太陽電池モジュール3の重量に係る重量値が、測定装置1のユーザなどによって容易に認識され得る。
【0109】
また、ここで、例えば、ステップS21の算出工程において、図26で示されるように、ステップS21aの第2算出工程と、ステップS21cの第1算出工程と、が行われる場合を想定する。この場合には、例えば、図13で示されたステップS30の出力工程において、ステップS21aの第2算出工程で算出された出力電力値の情報と、ステップS21cの第1算出工程で算出された太陽電池モジュール3の重量値の情報と、が出力部70によって出力されてもよい。これにより、例えば、太陽電池モジュール3についての重量値と出力電力値とが測定装置1のユーザなどによって容易に認識され得る。
【0110】
また、ここで、例えば、ステップS21の算出工程において、図27で示されるように、ステップS21aの第2算出工程と、ステップS21cの第1算出工程と、ステップS21bの第3算出工程と、が行われる場合を想定する。この場合には、例えば、図27のステップS21bの第3算出工程では、指標値算出部507によって、ステップS21aの第2算出工程で算出された出力電力値を、ステップS21cの第1算出工程で算出された太陽電池モジュール3の重量値で除する計算、を含む予め設定された演算によって指標値が算出され得る。そして、例えば、図13で示されたステップS30の出力工程において、ステップS21bの第3算出工程で算出された指標値の情報が出力部70によって出力され得る。
【0111】
ここで、例えば、図28で示されるように、記憶部52が、治具90の重量に係る第2重量値の情報521dを記憶していてもよい。この場合には、例えば、重量算出部504は、記憶部52から第2重量値の情報521dを得て、第1重量値から第2重量値を減じ、太陽電池モジュール3の重量値を算出することができる。これにより、例えば、太陽電池モジュール3の重量値を容易に算出することができる。ここで、第2重量値の情報521dは、例えば、制御部50の機能によって、入力部60に対するユーザの動作に応答して記憶部52に記憶されてもよいし、可搬性の記憶媒体または通信回線を介して外部装置から入力されて、記憶部52に記憶されてもよい。また、例えば、制御部50の機能によって、重量測定部20などを用いた測定によって得た第2重量値の情報521dが、記憶部52に記憶されてもよい。
【0112】
ここでは、例えば、図29で示されるように、太陽電池モジュール3の測定方法が、ステップS01の工程(記憶工程ともいう)を有する形態が採用され得る。図29で示される太陽電池モジュール3の測定方法のフローは、図13で示された太陽電池モジュール3の測定方法のフローに、ステップS01の記憶工程が加えられたフローである。記憶工程では、例えば、治具90の重量に係る第2重量値の情報が記憶部52に記憶される。記憶工程は、例えば、ステップS21の算出工程におけるステップS21cの第1算出工程が行われるまでに実行されればよい。そして、例えば、図26または図27におけるステップS21cの第1算出工程では、重量算出部504によって、ステップS20の第1測定工程における測定で得られた第1重量値から、記憶部52から得られる第2重量値が減じられて、太陽電池モジュール3の重量値が算出され得る。これにより、例えば、太陽電池モジュール3の重量値が容易に算出され得る。
【0113】
ここで、例えば、測定対象である太陽電池モジュール3の形態などに応じて、種々の形態の治具90が採用されてもよい。この場合には、例えば、図28で示されるように、記憶部52が、治具90の種類を特定することが可能な複数の情報(特定情報ともいう)のそれぞれに対して治具90の重量値(第2重量値)の情報が関連づけられた情報(治具重量情報ともいう)522dを記憶してもよい。特定情報には、例えば、治具90の型番などの識別情報が適用される。治具重量情報522dには、例えば、複数の特定情報のそれぞれに重量値の情報が関連づけられたテーブルなどが適用される。ここで、例えば、制御部50の機能によって、入力部60に対するユーザの動作に応答して、特定情報ごとに重量値が関連づけられた状態で記憶部52に記憶されることで、治具重量情報522dが構築されてもよい。例えば、制御部50の機能によって、可搬性の記憶媒体または通信回線を介して外部装置から治具重量情報522dを得て、記憶部52に記憶されてもよい。また、例えば、制御部50の機能によって、治具90ごとに、重量測定部20などを用いた測定によって得た第2重量値が、記憶部52に記憶されることで、治具重量情報522dが構築されてもよい。ここで、例えば、記憶部52が、治具重量情報522dを記憶しており、入力部60が、ユーザの動作などに応答して、治具90の種類を特定することが可能な特定情報の入力を受け付けることができる場合を想定する。この場合には、例えば、制御部50で実現される機能としての第1取得部503が、入力部60で受け付けられた特定情報と、記憶部52に記憶された治具重量情報522dと、に基づいて、治具90の重量に係る第2重量値の情報を取得してもよい。この場合には、例えば、重量算出部(第1算出部)504は、第1取得部503で得られた第1重量値と第2重量値とに基づいて、太陽電池モジュール3の重量値を算出することができる。これにより、例えば、太陽電池モジュール3の形態に応じた種類の治具90を用いても、太陽電池モジュール3の重量値を容易に算出することができる。
【0114】
ここでは、例えば、図30で示されるように、太陽電池モジュール3の測定方法が、ステップS01の記憶工程と、ステップS02の工程(入力工程ともいう)と、を有する形態が採用され得る。図30で示される太陽電池モジュール3の測定方法のフローは、図13で示された太陽電池モジュール3の測定方法のフローに、ステップS01の記憶工程およびステップS02の入力工程が加えられたフローである。ステップS01の記憶工程では、例えば、治具90の種類を特定する複数の特定情報のそれぞれに対して重量値の情報を関連づけた治具重量情報522dが記憶部52に記憶される。また、ステップS02の入力工程では、例えば、治具90の種類を特定する特定情報の入力が入力部60によって受け付けられる。記憶工程および入力工程は、例えば、ステップS21の算出工程におけるステップS21cの第1算出工程が行われるまでに、この記載の順に実行されればよい。そして、例えば、図26または図27におけるステップS21cの第1算出工程では、第1取得部503によって、ステップS02の入力工程で入力部60によって受け付けられた特定情報と、ステップS01の記憶工程で記憶部52によって記憶された治具重量情報522dと、に基づいて、治具90の重量に係る第2重量値の情報が取得される。この場合には、ステップS21cの第1算出工程では、例えば、重量算出部504によって、ステップS20の第1測定工程における測定で得られた第1重量値から、第1取得部503で取得された第2重量値が減じられて、太陽電池モジュール3の重量値が算出される。これにより、例えば、太陽電池モジュール3の形態に応じた種類の治具90が用いられても、太陽電池モジュール3の重量値が容易に算出され得る。
【0115】
また、ここで、例えば、太陽電池モジュール3を測定対象とした出力測定動作および重量測定動作を行う前または後に、重量測定部20を用いて、治具90の重量を測定することで第2重量値に係る情報を取得してもよい。ここでは、例えば、太陽電池モジュール3を測定対象とした重量測定動作において、重量測定部20は、例えば、保持部22によって治具90を介して所定の配置条件で保持されている太陽電池モジュール3および治具90の重量に係る第1重量値を測定する。そして、例えば、太陽電池モジュール3を測定対象とした出力測定動作および重量測定動作を行う前または後に、重量測定部20は、例えば、保持部22が治具90を保持している状態で、この治具90の重量に係る第2重量値を測定してもよい。これにより、例えば、太陽電池モジュール3の形態に応じた種類の治具90を用いても、太陽電池モジュール3の重量値を容易に算出することができる。
【0116】
ここでは、例えば、図31で示されるように、太陽電池モジュール3の測定方法が、ステップS03の工程(第2測定工程ともいう)を有する形態が採用され得る。図31で示される太陽電池モジュール3の測定方法のフローは、図13で示された太陽電池モジュール3の測定方法のフローに、ステップS03の第2測定工程が加えられたフローである。ステップS03の第2測定工程では、例えば、ステップS10の搬入工程の前もしくはステップS20の第1測定工程の後に、保持部22によって治具90が保持され、重量測定部20によって保持部22で保持されている状態にある治具90の重量に係る第2重量値が測定される。第2測定工程は、例えば、ステップS21の算出工程におけるステップS21cの第1算出工程が行われるまでに実行されればよい。そして、例えば、図26または図27におけるステップS21cの第1算出工程では、重量算出部504によって、ステップS20の第1測定工程における測定で得られた第1重量値から、ステップS03の第2測定工程における測定で得られた第2重量値を減じて、太陽電池モジュール3の重量値が算出される。
【0117】
ここでは、例えば、図32で示されるように、制御部50において、ステップSp1からステップSp3の処理がこの記載の順に行われてもよい。ステップSp1では、例えば、第1取得部503が、保持部22によって治具90が保持されている状態で、重量測定部20による測定によって治具90についての第2重量値に係る情報を取得する。ステップSp2では、例えば、第1取得部503が、保持部22によって治具90を介して所定の配置条件で太陽電池モジュール3が保持された状態で、重量測定部20による測定によって太陽電池モジュール3および治具90についての第1重量値に係る情報を取得する。ステップSp3では、例えば、重量算出部504が、ステップSp2で取得した第1重量値からステップSp1で取得した第2重量値を減じて、太陽電池モジュール3の重量値を算出する。
【0118】
また、ここでは、例えば、図33で示されるように、制御部50において、ステップSt1からステップSt3の処理がこの記載の順に行われてもよい。ステップSt1では、例えば、第1取得部503が、保持部22によって治具90を介して所定の配置条件で太陽電池モジュール3が保持された状態で、重量測定部20による測定によって太陽電池モジュール3および治具90についての第1重量値に係る情報を取得する。ステップSt2では、例えば、第1取得部503が、保持部22によって治具90が保持されている状態で、重量測定部20による測定によって治具90についての第2重量値に係る情報を取得する。ステップSt3では、例えば、重量算出部504が、ステップSt1で取得した第1重量値からステップSt2で取得した第2重量値を減じて、太陽電池モジュール3の重量値を算出する。
【0119】
ここで、例えば、同一の治具90を用いて、複数の太陽電池モジュール3を順次に測定対象として出力測定動作および重量測定動作を行う場合が考えられる。この場合には、例えば、複数の太陽電池モジュール3を順次に測定対象として出力測定動作および重量測定動作を行う前後もしくは合間に、少なくとも1回、重量測定部20が、保持部22が治具90を保持している状態で、この治具90の重量に係る第2重量値を測定してもよい。
【0120】
第8実施形態では、例えば、図25で示されるように、第1配線部W1は、保持部22によって治具90を介して所定の配置条件で保持されている太陽電池モジュール3の第1端子3pおよび第2端子3nに対して、治具90が有する配線部(第3配線部ともいう)W3を介して電気的に接続されてもよい。この場合には、例えば、図11のステップS10bの接続工程において、第1配線部W1が、治具90が有する第3配線部W3を介して、第1端子3pおよび第2端子3nに対して電気的に接続される。これにより、例えば、太陽電池モジュール3を保持するために治具90を用いても、第1配線部W1の重量の影響が治具90の重量に係る第2重量値に反映されるため、太陽電池モジュール3の重量値を精度良く算出することができる。また、例えば、太陽電池モジュール3の出力特性に係る測定と重量に係る測定とを同様な配置条件で精度良く実行することができる。
【0121】
ここでは、第3配線部W3は、例えば、1本目の配線(3A配線ともいう)と、2本目の配線(3B配線ともいう)と、を含む。1本目の3A配線は、例えば、第1配線部W1のうちの1本目の1A配線に対して電気的に接続される。2本目の3B配線は、例えば、第1配線部W1のうちの2本目の1B配線に対して接続される。3A配線および3B配線には、例えば、それぞれ導線の外周部が樹脂などの絶縁体で被覆された電線などが適用される。第1配線部W1と第3配線部W3との接続を行う方式には、例えば、コネクタ式、ピン端子式、ボタン式およびスライド差し込み式の何れかの方式が適用され得る。第3配線部W3は、例えば、治具90の内部を貫通している部分を有していてもよいし、治具90の表面部に沿って位置している部分を有していてもよい。ここで、例えば、保持部22によって治具90を介して所定の配置条件で太陽電池モジュール3を保持する際に、治具90と第1端子3pおよび第2端子3nとが近接または接触する構成が考えられる。このような構成が採用されれば、例えば、第3配線部W3と、第1端子3pおよび第2端子3nと、が直接接続されてもよい。第3配線部W3と第1端子3pおよび第2端子3nとの接続を行う方式には、例えば、コネクタ式、ピン端子式、ボタン式およびスライド差し込み式の何れかの方式が適用され得る。また、例えば、保持部22によって治具90を介して太陽電池モジュール3を保持する際に、治具90と第1端子3pおよび第2端子3nとが離れている構成が採用されれば、第3配線部W3と、第1端子3pおよび第2端子3nと、が他の配線部によって電気的に接続されてもよい。他の配線部は、例えば、治具90の第3配線部W3に含まれてもよい。
【0122】
さらに、例えば、図34で示されるように、重量測定部20は、第1配線部W1と第3配線部W3とを電気的に接続することが可能な配線部(第2配線部)W2を含んでいてもよい。この場合には、例えば、図11のステップS10bの接続工程において、第1配線部W1が、重量測定部20が有する第2配線部W2と、治具90が有する第3配線部W3と、を介して、第1端子3pおよび第2端子3nに対して電気的に接続される。これにより、例えば、太陽電池モジュール3には第1配線部W1に起因する力が作用しにくい。その結果、例えば、太陽電池モジュール3および治具90に係る重量値を精度良く測定することができる。また、例えば、太陽電池モジュール3について出力特性に係る測定と重量に係る測定とを同様な配置条件で精度良く実行することができる。
【0123】
図34で示される第8実施形態に係る測定装置1Gの構成の一変形例(第1B例ともいう)は、例えば、図9で示された第1実施形態に係る測定装置1の構成の一変形例がベースとされて、保持部22が、治具90を介して太陽電池モジュール3を所定の配置条件で保持するように変更された形態を有する。
【0124】
図34の例では、第2配線部W2と第3配線部W3とが配線部(第4配線部)W4によって電気的に接続されている。第4配線部W4は、例えば、1本目の配線(4A配線)と、2本目の配線(4B配線)と、を含む。第2配線部W2は、例えば、1本目の配線(2A配線)と、2本目の配線(2B配線)と、を含む。1本目の2A配線は、例えば、第1配線部W1のうちの1本目の1A配線に対して電気的に接続されるとともに、第3配線部W3のうちの1本目の3A配線に対して、第4配線部W4のうちの1本目の4A配線を介して電気的に接続される。2本目の2B配線は、例えば、第1配線部W1のうちの2本目の1B配線に対して電気的に接続されるとともに、第3配線部W3のうちの2本目の3B配線に対して、第4配線部W4のうちの2本目の4B配線を介して電気的に接続される。第1配線部W1と第2配線部W2との接続、第2配線部W2と第4配線部W4との接続および第4配線部W4と第3配線部W3との接続をそれぞれ行う方式には、例えば、コネクタ式、ピン端子式、ボタン式およびスライド差し込み式の何れかの方式が適用され得る。第2配線部W2は、例えば、重量測定部20の内部を貫通している部分を有していてもよいし、重量測定部20の表面部に沿って位置している部分を有していてもよい。そして、測定装置1は、例えば、第1配線部W1と、太陽電池モジュール3の第1端子3pおよび第2端子3nとが、第2配線部W2、第4配線部W4および第3配線部W3をこの記載の順に介して、電気的に接続された状態で、出力測定動作および重量測定動作を行うことができる。
【0125】
図35で示される第8実施形態に係る測定装置1Gの構成の第2例は、例えば、図16で示された第2実施形態に係る測定装置1Aの構成の一例がベースとされて、保持具222が、治具90を介して太陽電池モジュール3を所定の配置条件で保持するように変更された形態を有する。
【0126】
図36で示される第8実施形態に係る測定装置1Gの構成の第3例は、例えば、図17で示された第3実施形態に係る測定装置1Bの構成の一例がベースとされて、保持部22が、治具90を介して太陽電池モジュール3を所定の配置条件で保持するように変更された形態を有する。
【0127】
図37で示される第8実施形態に係る測定装置1Gの構成の第4例は、例えば、図18で示された第4実施形態に係る測定装置1Cの構成の一例がベースとされて、保持具222が、治具90を介して太陽電池モジュール3を所定の配置条件で保持するように変更された形態を有する。
【0128】
図38で示される第8実施形態に係る測定装置1Gの構成の第5例は、例えば、図20で示された第5実施形態に係る測定装置1Dの構成の第2例がベースとされて、保持部22が、治具90を介して太陽電池モジュール3を所定の配置条件で保持するように変更された形態を有する。
【0129】
図39で示される第8実施形態に係る測定装置1Gの構成の第6例は、例えば、図22で示された第6実施形態に係る測定装置1Eの構成の第2例がベースとされて、保持具222が、治具90を介して太陽電池モジュール3を所定の配置条件で保持するように変更された形態を有する。
【0130】
図35から図39の各例でも、第1配線部W1は、保持部22によって治具90を介して所定の配置条件で保持されている太陽電池モジュール3の第1端子3pおよび第2端子3nに対して、治具90が有する配線部(第3配線部)W3を介して電気的に接続されてもよい。これにより、例えば、太陽電池モジュール3を保持するために治具90を用いても、第1配線部W1の重量の影響が治具90の重量に係る第2重量値に反映されるため、太陽電池モジュール3の重量値を精度良く算出することができる。また、例えば、太陽電池モジュール3の出力特性に係る測定と重量に係る測定とを同様な配置条件で精度良く実行することができる。また、重量測定部20は、第1配線部W1と第3配線部W3とを電気的に接続することが可能な配線部(第2配線部)W2を含んでいてもよい。これにより、例えば、太陽電池モジュール3には第1配線部W1に起因する力が作用しにくい。その結果、例えば、太陽電池モジュール3および治具90についての重量値を精度良く測定することができる。また、例えば、太陽電池モジュール3について出力特性に係る測定と重量に係る測定とを同様な配置条件で精度良く実行することができる。
【0131】
ここで、例えば、保持部22によって治具90を介して所定の配置条件で太陽電池モジュール3を保持する際に、保持部22と治具90とが近接または接触する。このため、例えば、第2配線部W2と、第3配線部W3と、が直接接続されてもよい。第2配線部W2と第3配線部W3との接続を行う方式には、例えば、コネクタ式、ピン端子式、ボタン式およびスライド差し込み式の何れかの方式が適用され得る。
【0132】
ここで、例えば、治具90が、第3配線部W3を有することなく、第2配線部W2が、治具90の隙間などを介して、第1端子3pおよび第2端子3nに電気的に接続されてもよい。換言すれば、重量測定部20は、第1配線部W1と、保持部22によって治具90を介して所定の配置条件で保持されている太陽電池モジュール3の第1端子3pおよび第2端子3nと、を電気的に接続することが可能な配線部(第2配線部)W2を含んでいてもよい。これにより、例えば、重量測定部20における重量測定動作は、第1配線部W1の重量の影響を受けにくく、太陽電池モジュール3の重量値の算出精度が向上し得る。また、例えば、太陽電池モジュール3の出力特性に係る測定と重量に係る測定とを同様な配置条件で精度良く実行することができる。
【0133】
ここでは、第2配線部W2の1本目の2A配線は、例えば、第1配線部W1のうちの1本目の1A配線に対して電気的に接続されるとともに第1端子3pに対して電気的に接続される。第2配線部W2の2本目の2B配線は、例えば、第1配線部W1のうちの2本目の1B配線に対して接続されるとともに第2端子3nに対して電気的に接続される。第2配線部W2と第1端子3pおよび第2端子3nとの接続を行う方式には、例えば、コネクタ式、ピン端子式、ボタン式およびスライド差し込み式の何れかの方式が適用され得る。第2配線部W2は、例えば、重量測定部20の内部を貫通している部分を有していてもよいし、重量測定部20の表面部に沿って位置している部分を有していてもよい。
【0134】
<3.その他>
上記各実施形態において、例えば、測定装置1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1Gにおいて、出力測定動作を行う際における太陽電池モジュール3の配置と、重量測定動作を行う際における太陽電池モジュール3の配置と、が若干異なっていてもよい。例えば、図18図21図22図37および図39の各例において、例えば、載置台5上に太陽電池モジュール3を当接させた状態で出力測定動作を行い、重量測定部20によって載置台5から上方に太陽電池モジュール3を吊り上げた後に重量測定動作を行ってもよい。この場合には、例えば、図10のステップS20の第1測定工程において、太陽電池モジュール3の配置が、出力特性測定部10によって太陽電池モジュール3の第1端子3pと第2端子3nとの間における出力電圧値および出力電流値が測定される際と、重量測定部20によって太陽電池モジュール3の重量に係る重量値が測定される際と、の間で異なっていてもよい。換言すれば、例えば、図10のステップS20の第1測定工程において、太陽電池モジュール3の配置が、出力測定動作が行われる際と重量測定動作が行われる際と、の間で異なっていてもよい。
【0135】
上記第2実施形態、第4実施形態、第6実施形態ならびに第8実施形態の第2例、第4例および第6例では、例えば、太陽電池モジュール3の重さに応じて、重量測定部20の保持部22が上下方向にずれる態様が想定される。このとき、例えば、光源部30と第1面3aとの位置関係が所望の位置関係からずれる場合がある。このような場合には、例えば、保持部22の上下方向におけるずれが低減されるように、太陽電池モジュール3の重さに応じて、重量測定部20が保持部22を上下方向に移動させる機構(移動機構ともいう)を有していてもよい。移動機構としては、例えば、上下方向における連結具221の巻き上げおよび巻き下げを行うことが可能な機構などが採用され得る。ここで、例えば、制御部50が、重量測定部20による測定で得られる太陽電池モジュール3の重量値などに応じて、重量測定部20の移動機構によって、保持部22を上下方向に移動させてもよい。
【0136】
上記各実施形態において、例えば、測定装置1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1Gは、制御部50、入力部60および出力部70を含んでいなくてもよい。換言すれば、測定装置1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1Gとデータの送受信が可能に接続された別の1つ以上の装置が、制御部50、入力部60および出力部70を含んでいてもよい。換言すれば、例えば、測定装置1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1Gは、出力特性測定部10と、重量測定部20と、光源部30と、を備えており、制御部50、入力部60および出力部70のうちの1つ以上の部分を、備えていてもよいし、備えていなくてもよい。ここで、制御部50には、例えば、パーソナルコンピュータなどの各種のコンピュータが適用され得る。入力部60には、例えば、コンピュータに接続されたキーボードおよびマウスなどの各種の入力装置が適用され得る。出力部70には、例えば、コンピュータに接続された液晶ディスプレイなどの各種の表示装置が適用され得る。
【0137】
上記各実施形態において、例えば、測定装置1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1Gは、光源部30、光源制御部40、制御部50、入力部60および出力部70を含んでいなくてもよい。換言すれば、測定装置1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1Gとはデータの送受信が可能な別の1つ以上の装置が、光源部30、光源制御部40、制御部50、入力部60および出力部70を含んでいてもよい。換言すれば、例えば、測定装置1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1Gは、出力特性測定部10および重量測定部20を備えており、光源部30、光源制御部40、制御部50、入力部60および出力部70のうちの1つ以上の部分を、備えていてもよいし、備えていなくてもよい。このような構成が採用されても、例えば、測定装置1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1Gは、太陽電池モジュール3を対象とした出力特性に係る測定と重量に係る測定とを近い条件で実施することができる。これにより、例えば、太陽電池モジュール3についての単位重量当たりの出力電力値などといった太陽電池モジュール3の出力特性に係る指標値の測定精度を向上させることができる。
【0138】
上記各実施形態において、例えば、制御部50の全ての機能あるいは制御部50の一部の機能は、その機能の実現にソフトウェアが不要であるハードウェアによって実現されても構わない。換言すれば、例えば、制御部50は回路によって形成されていればよい。
【0139】
上記各実施形態において、例えば、出力電力値は、最大出力値であってもよいし、出力電圧値と出力電流値との積であってもよい。
【0140】
上記各実施形態および各種変形例をそれぞれ構成する全部または一部を、適宜、矛盾しない範囲で組み合わせ可能であることは、言うまでもない。
【符号の説明】
【0141】
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G 測定装置
3 太陽電池モジュール
3a 第1面(受光面)
3n 第2端子
3p 第1端子
10 出力特性測定部
20 重量測定部
22 保持部
22d,222d 凹部
30 光源部
50 制御部
51 演算部
52 記憶部
52d 各種データ
60 入力部
70 出力部
90 治具
504 重量算出部(第1算出部)
506 出力算出部(第2算出部)
507 指標値算出部(第3算出部)
521d 第2重量値の情報
522d 治具重量情報
W1 第1配線部
W2 第2配線部
W3 第3配線部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
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図38
図39