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特許7536876ピクチャヘッダを含む映像情報をコーディングする映像デコーディング方法及びその装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】ピクチャヘッダを含む映像情報をコーディングする映像デコーディング方法及びその装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/46 20140101AFI20240813BHJP
   H04N 19/169 20140101ALI20240813BHJP
   H04N 19/172 20140101ALI20240813BHJP
   H04N 19/174 20140101ALI20240813BHJP
【FI】
H04N19/46
H04N19/169 200
H04N19/172
H04N19/174
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022540948
(86)(22)【出願日】2020-12-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-09
(86)【国際出願番号】 KR2020019319
(87)【国際公開番号】W WO2021137588
(87)【国際公開日】2021-07-08
【審査請求日】2022-08-23
(31)【優先権主張番号】62/956,634
(32)【優先日】2020-01-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(72)【発明者】
【氏名】ヘンドリー ヘンドリー
【審査官】久保 光宏
(56)【参考文献】
【文献】Rickard Sjoberg, et al.,"AHG9: Picture header enabled flag",Document: JVET-Q0426-v1, [online],JVET-Q0426 (version 1),Joint Video Experts Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11,2019年12月31日,Pages 1-15,[令和5年7月12日検索], インターネット, <URL: https://jvet-experts.org/doc_end_user/current_document.php?id=9251> and <URL: https://jvet-experts.org/doc_end_user/documents/17_Brussels/wg11/JVET-Q0426-v1.zip>.,(See document file "JVET-Q0426-v1.docx" in the zip file "JVET-Q0426-v1.zip".)
【文献】Benjamin Bross, et al.,"Versatile Video Coding (Draft 7)",Document: JVET-P2001-vE, [online],JVET-P2001 (version 14),Joint Video Experts Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11,2019年11月14日,Pages 4,49, and 86-88,[令和5年7月8日検索], インターネット, <URL: https://jvet-experts.org/doc_end_user/current_document.php?id=8857> and <URL: https://jvet-experts.org/doc_end_user/documents/16_Geneva/wg11/JVET-P2001-v14.zip>.,(See document file "JVET-P2001-vE.docx" in the zip file "JVET-P2001-v14.zip".)
【文献】Ling Li, et al.,"AHG 9: On picture header",Document: JVET-Q0419-v1, [online],JVET-Q0419 (version 1),Joint Video Experts Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11,2020年01月01日,Pages 1-5,[令和5年7月13日検索], インターネット, <URL: https://jvet-experts.org/doc_end_user/current_document.php?id=9244> and <URL: https://jvet-experts.org/doc_end_user/documents/17_Brussels/wg11/JVET-Q0419-v1.zip>.,(See document file "JVET-Q0419-v1.docx" in the zip file "JVET-Q0419-v1.zip".)
【文献】Jaehong Jung, et al.,"AHG9: On slice level control of LMCS and explicit scaling list",Document: JVET-R0089-v1, [online],JVET-R0089 (version 1),Joint Video Experts Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11,2020年04月03日,Pages 1-5,[令和5年7月13日検索], インターネット, <URL: https://jvet-experts.org/doc_end_user/current_document.php?id=9733> and <URL: https://jvet-experts.org/doc_end_user/documents/18_Alpbach/wg11/JVET-R0089-v1.zip>.,(See document file "JVET-R0089-v1.docx" in the zip file "JVET-R0089-v1.zip".)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N19/00-19/98
CSDB(日本国特許庁)
学術文献等データベース(日本国特許庁)
IEEEXplore(IEEE)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デコーディング装置により実行される映像デコーディングの方法において、
PH(Picture Header) NAL(Network Abstraction Layer)ユニットが存在するかどうかに対するフラグを取得するステップと、
前記フラグが前記PH NALユニットが存在することを示すことに基づいて、前記PH NALユニットから現在ピクチャに対するPHを取得するステップと、
前記フラグが前記PH NALユニットが存在しないことを示すことに基づいて、前記現在ピクチャに対するスライスヘッダから前記現在ピクチャに対する前記PHを取得するステップと、
前記PHに基づいて前記現在ピクチャをデコーディングするステップと、を含み、
前記フラグが前記PH NALユニットが存在しないことを示すことに基づいて、前記現在ピクチャは、一つのスライスのみを含む、方法。
【請求項2】
前記フラグが前記PH NALユニットが存在することを示すことに基づいて、前記現在ピクチャに対する前記PH NALユニット、及び前記スライスヘッダを含む少なくとも一つのVCL(Video Coding Layer) NALユニットは、ビットストリームを介して取得される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フラグが前記PH NALユニットが存在しないことを示すことに基づいて、PH NALユニットは、前記現在ピクチャを含むCLVS(Coded Layer Video Sequence)内の全てのピクチャに対して存在しない、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記フラグが前記PH NALユニットが存在しないことを示すことに基づいて、前記CLVS内の全ての前記ピクチャに対するピクチャヘッダは、全ての前記ピクチャのスライスヘッダに含まれる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
エンコーディング装置により実行される映像エンコーディングの方法において、
現在ピクチャと関連したPH(Picture Header)を含むPH NAL(Network Abstraction Layer)ユニットが存在するかどうかを判断するステップと、
前記PH NALユニットが存在するという前記判断に基づいて、前記PHを含む前記PH NALユニットを生成するステップと、
前記PH NALユニットが存在しないという前記判断に基づいて、前記PHを含む前記現在ピクチャに対するスライスヘッダを生成するステップと、
前記判断の結果に基づいて前記PH NALユニットが存在するかどうかに対するフラグを生成するステップと、
前記フラグを含む映像情報をエンコーディングするステップと、を含み、
前記フラグが前記PH NALユニットが存在しないことを示すことに基づいて、前記現在ピクチャは、一つのスライスのみを含む、方法。
【請求項6】
前記フラグが前記PH NALユニットが存在することを示すことに基づいて、前記映像情報は、前記PH NALユニット、及び前記現在ピクチャと関連した前記スライスヘッダを含む少なくとも一つのVCL(Video Coding Layer) NALユニットを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記フラグが前記PH NALユニットが存在しないことを示すことに基づいて、PH NALユニットは、前記現在ピクチャを含むCLVS(Coded Layer Video Sequence)内の全てのピクチャに対して存在しない、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記フラグが前記PH NALユニットが存在しないことを示すことに基づいて、前記CLVS内の全ての前記ピクチャに対するピクチャヘッダは、全ての前記ピクチャのスライスヘッダに含まれる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
映像に対するデータの送信方法であって、
映像情報のビットストリームを、
現在ピクチャと関連したPH(Picture Header)を含むPH NAL(Network Abstraction Layer)ユニットが存在するかどうかを判断するステップと、
前記PH NALユニットが存在するという前記判断に基づいて、前記PHを含む前記PH NALユニットを生成するステップと、
前記PH NALユニットが存在しないという前記判断に基づいて、前記PHを含む前記現在ピクチャに対するスライスヘッダを生成するステップと、
前記判断の結果に基づいて前記PH NALユニットが存在するかどうかに対するフラグを生成するステップと、
前記フラグを含む前記映像情報をエンコーディングするステップと、
に基づいて生成するステップと、
前記ビットストリームを含む前記データを送信するステップと、を含み、
前記フラグが前記PH NALユニットが存在しないことを示すことに基づいて、前記現在ピクチャは、一つのスライスのみを含む、送信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本文書は、映像コーディング技術に関し、より詳しくは、映像コーディングシステムにおいて、PH NALユニットを適応的にコーディングする映像デコーディング方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、HD(High Definition)画像及びUHD(Ultra High Definition)画像のような高解像度、高品質の画像に対する需要が様々な分野で増加している。画像データが高解像度、高品質になるほど、既存の画像データに比べて相対的に送信される情報量またはビット量が増加するため、既存の有無線広帯域回線のような媒体を利用して画像データを送信し、または既存の記録媒体を利用して画像データを格納する場合、送信費用と格納費用が増加される。
【0003】
それによって、高解像度、高品質画像の情報を効果的に送信または格納し、再生するために、高効率の画像圧縮技術が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本文書の技術的課題は、画像コーディング効率を上げる方法及び装置を提供することにある。
【0005】
本文書の他の技術的課題は、PH NALユニットの存在有無に対するフラグをコーディングする方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本文書の一実施例によると、デコーディング装置により実行される映像デコーディング方法が提供される。前記方法は、PH(Picture Header、PH)NAL(Network Abstraction Layer)ユニットの存在有無に対するフラグを取得するステップ、前記フラグに基づいてPHを取得するステップ、及び前記PHに基づいて前記PHと関連した現在ピクチャをデコーディングするステップを含むことを特徴とする。
【0007】
本文書の他の一実施例によると、映像デコーディングを実行するデコーディング装置が提供される。前記デコーディング装置は、PH(Picture Header、PH)NAL(Network Abstraction Layer)ユニットの存在有無に対するフラグを取得し、前記フラグに基づいてPHを取得するエントロピーデコーディング部及び前記PHに基づいて前記PHと関連した現在ピクチャをデコーディングする予測部を含むことを特徴とする。
【0008】
本文書の他の一実施例によると、エンコーディング装置により実行されるビデオエンコーディング方法を提供する。前記方法は、現在ピクチャと関連したPH(Picture Header、PH)を含むPH NAL(Network Abstraction Layer)ユニットが存在するかどうかを判断するステップ、前記判断の結果に基づいて前記PH NALユニットの存在有無に対するフラグを生成するステップ、及び前記フラグを含む映像情報をエンコーディングするステップを含むことを特徴とする。
【0009】
本文書の他の一実施例によると、ビデオエンコーディング装置を提供する。前記エンコーディング装置は、現在ピクチャと関連したPH(Picture Header、PH)を含むPH NAL(Network Abstraction Layer)ユニットが存在するかどうかを判断し、前記判断の結果に基づいて前記PH NALユニットの存在有無に対するフラグを生成し、前記フラグを含む映像情報をエンコーディングするエントロピーエンコーディング部を含むことを特徴とする。
【0010】
本文書の他の一実施例によると、映像デコーディング方法を実行するようにする映像情報を含むビットストリームが格納されたコンピュータ読み取り可能なデジタル格納媒体を提供する。コンピュータ読み取り可能なデジタル格納媒体において、前記映像デコーディング方法は、PH(Picture Header、PH)NAL(Network Abstraction Layer)ユニットの存在有無に対するフラグを取得するステップ、前記フラグに基づいてPHを取得するステップ、及び前記PHに基づいて前記PHと関連した現在ピクチャをデコーディングするステップを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本文書によると、PH NALユニットが存在するかどうかに対するフラグをシグナリングすることができ、前記フラグに基づいてビットストリームのビットレートに適応的にNALユニットを調節することができ、全般的なコーディング効率を向上させることができる。
【0012】
本文書によると、PH NALユニットが存在するかどうかに対するフラグに基づいて、現在ピクチャ内のスライス個数に対する制約及び関連ピクチャに対するPH NALユニット存在に対する制約を設定することができ、これによって、ビットストリームのビットレートに適応的にNALユニットを調節して全般的なコーディング効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本文書の実施形態が適用され得るビデオ/画像コーディングシステムの例を概略的に示す。
図2】本文書の実施形態が適用され得るビデオ/画像エンコード装置の構成を概略的に説明する図である。
図3】本文書の実施形態が適用され得るビデオ/画像デコード装置の構成を概略的に説明する図である。
図4】コーディングされた映像情報の階層構造(hierarchical structure)を例示的に示す。
図5】本文書の実施例によるエンコーディング手順を例示的に示す。
図6】本文書の実施例によるデコーディング手順を例示的に示す。
図7】PH NALユニットの存在有無によるNALユニット内のピクチャヘッダ構成を例示的に示す。
図8】本文書に係るエンコード装置による画像エンコード方法を概略的に示す。
図9】本文書に係る画像エンコード方法を行うエンコード装置を概略的に示す。
図10】本文書に係るデコード装置による画像デコード方法を概略的に示す。
図11】本文書に係る画像デコード方法を行うデコード装置を概略的に示す。
図12】本文書の実施形態が適用されるコンテンツストリーミングシステム構造図を例示的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本文書は、様々な変更を加えることができ、種々の実施形態を有することができ、特定実施形態を図面に例示し、詳細に説明しようとする。しかしながら、これは、本文書を特定実施形態に限定しようとするものではない。本明細書において常用する用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであって、本文書の技術的思想を限定しようとする意図で使用されるものではない。単数の表現は、文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。本明細書において「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加可能性を予め排除しないことと理解されるべきである。
【0015】
一方、本文書において説明される図面上の各構成は、互いに異なる特徴的な機能に関する説明の都合上、独立的に図示されたものであって、各構成が互いに別個のハードウェアや別個のソフトウェアで実現されるということを意味するものではない。例えば、各構成のうち、2つ以上の構成が結合されて1つの構成をなすことができ、1つの構成を複数の構成に分けることもできる。各構成が統合及び/又は分離された実施形態も本文書の本質から逸脱しない限り、本文書の権利範囲に含まれる。
【0016】
以下、添付した図面を参照して、本文書の好ましい実施形態をより詳細に説明する。以下、図面上の同じ構成要素に対しては、同じ参照符号を使用し、同じ構成要素に対して重なった説明は省略されることができる。
【0017】
図1は、本文書の実施形態が適用され得るビデオ/画像コーディングシステムの例を概略的に示す。
【0018】
図1に示すように、ビデオ/画像コーディングシステムは、第1の装置(ソースデバイス)及び第2の装置(受信デバイス)を含むことができる。ソースデバイスは、エンコードされたビデオ(video)/画像(image)情報またはデータをファイルまたはストリーミング形態でデジタル記録媒体またはネットワークを介して受信デバイスに伝達することができる。
【0019】
前記ソースデバイスは、ビデオソース、エンコード装置、送信部を備えることができる。前記受信デバイスは、受信部、デコード装置、及びレンダラーを備えることができる。前記エンコード装置は、ビデオ/画像エンコード装置と呼ばれることができ、前記デコード装置は、ビデオ/画像デコード装置と呼ばれることができる。送信機は、エンコード装置に含まれることができる。受信機は、デコード装置に含まれることができる。レンダラーは、ディスプレイ部を備えることができ、ディスプレイ部は、別個のデバイスまたは外部コンポーネントで構成されることもできる。
【0020】
ビデオソースは、ビデオ/画像のキャプチャ、合成、または生成過程などを介してビデオ/画像を取得することができる。ビデオソースは、ビデオ/画像キャプチャデバイス及び/又はビデオ/画像生成デバイスを含むことができる。ビデオ/画像キャプチャデバイスは、例えば、1つ以上のカメラ、以前にキャプチャされたビデオ/画像を含むビデオ/画像アーカイブなどを備えることができる。ビデオ/画像生成デバイスは、例えば、コンピュータ、タブレット、及びスマートフォンなどを備えることができ、(電子的に)ビデオ/画像を生成することができる。例えば、コンピュータなどを介して仮想のビデオ/画像が生成されることができ、この場合、関連データが生成される過程にてビデオ/画像キャプチャ過程が代替されることができる。
【0021】
エンコード装置は、入力ビデオ/画像をエンコードすることができる。エンコード装置は、圧縮及びコーディング効率のために、予測、変換、量子化など、一連の手順を実行することができる。エンコードされたデータ(エンコードされたビデオ/画像情報)は、ビットストリーム(bitstream)形態で出力されることができる。
【0022】
送信部は、ビットストリーム形態で出力されたエンコードされたビデオ/画像情報またはデータをファイルまたはストリーミング形態でデジタル記録媒体またはネットワークを介して受信デバイスの受信部に伝達することができる。デジタル記録媒体は、USB、SD、CD、DVD、ブルーレイ、HDD、SSDなど、様々な記録媒体を含むことができる。送信部は、予め決められたファイルフォーマットを介してメディアファイルを生成するためのエレメントを含むことができ、放送/通信ネットワークを介しての送信のためのエレメントを含むことができる。受信部は、前記ビットストリームを受信/抽出してデコード装置に伝達することができる。
【0023】
デコード装置は、エンコード装置の動作に対応する逆量子化、逆変換、予測など、一連の手順を実行してビデオ/画像をデコードすることができる。
【0024】
レンダラーは、デコードされたビデオ/画像をレンダリングすることができる。レンダリングされたビデオ/画像は、ディスプレイ部を介してディスプレイされることができる。
【0025】
この文書は、ビデオ/画像コーディングに関する。例えば、この文書において開示された方法/実施形態は、VVC(versatile video coding)標準、EVC(essential video coding)標準、AV1(AOMedia Video 1)標準、AVS2(2nd generation of audio video coding standard)、または次世代ビデオ/画像コーディング標準(例えば、H.267またはH.268等)に開示される方法に適用されることができる。
【0026】
この文書では、ビデオ/画像コーディングに関する様々な実施形態を提示し、他の言及がない限り、前記実施形態は、互いに組み合わせられて実行されることもできる。
【0027】
この文書においてビデオ(video)は、時間の流れによる一連の画像(image)の集合を意味し得る。ピクチャ(picture)は、一般に特定の時間帯の1つの画像を示す単位を意味し、サブピクチャ(subpicture)/スライス(slice)/タイル(tile)はコーディングにおいてピクチャの一部を構成する単位である。サブピクチャ/スライス/タイルは、1つ以上のCTU(coding tree unit)を含んでもよい。1つのピクチャは1つ以上のサブピクチャ/スライス/タイルで構成されてもよい。1つのピクチャは1つ以上のタイルのグループで構成されてもよい。1つのタイルグループは1つ以上のタイルを含んでもよい。ブリックはピクチャ内のタイル内のCTU行の長方形領域を示す(a brick may represent a rectangular region of CTU rows within a tile in a picture)。タイルは複数のブリックでパーティショニングされ、各ブリックは前記タイル内の1つ以上のCTU行で構成される(A tile may be partitioned into multiple bricks, each of which consisting of one or more CTU rows within the tile)。複数のブリックによりパーティショニングされていないタイルもブリックと呼ばれてもよい(A tile that is not partitioned into multiple bricks may be also referred to as a brick)。ブリックスキャンはピクチャをパーティショニングするCTUの特定の順次オーダリングを示し、前記CTUはブリック内においてCTUラスタスキャンで整列され、タイル内のブリックは前記タイルの前記ブリックのラスタスキャンで連続的に整列され、そして、ピクチャ内のタイルは前記ピクチャの前記タイルのラスタスキャンで連続整列される(A brick scan is a specific sequential ordering of CTUs partitioning a picture in which the CTUs are ordered consecutively in CTU raster scan in a brick, bricks within a tile are ordered consecutively in a raster scan of the bricks of the tile, and tiles in a picture are ordered consecutively in a raster scan of the tiles of the picture)。また、サブピクチャはサブピクチャ内の1つ以上のスライスの長方形領域を示す(a subpicture may represent a rectangular region of one or more slices within a picture)。すなわち、サブピクチャはピクチャの長方形領域を総括的にカバーする1つ以上のスライスを含む(a subpicture contains one or more slices that collectively cover a rectangular region of a picture)。タイルは特定タイル列及び特定タイル列以内のCTUの長方形領域である(A tile is a rectangular region of CTUs within a particular tile column and a particular tile row in a picture)。前記タイル列はCTUの長方形領域であり、前記長方形領域は前記ピクチャの高さと同じ高さを有し、幅はピクチャパラメータセット内のシンタックス要素により明示される(The tile column is a rectangular region of CTUs having a height equal to the height of the picture and a width specified by syntax elements in the picture parameter set)。前記タイル行はCTUの長方形領域であり、前記長方形領域はピクチャパラメータセット内のシンタックスエレメントにより明示される幅を有し、高さは前記ピクチャの高さと同一であり得る(The tile row is a rectangular region of CTUs having a height specified by syntax elements in the picture parameter set and a width equal to the width of the picture)。タイルスキャンはピクチャをパーティショニングするCTUの特定の順次オーダリングを示し、前記CTUはタイル内のCTUラスタスキャンで連続整列され、ピクチャ内のタイルは前記ピクチャの前記タイルのラスタスキャンで連続整列される(A tile scan is a specific sequential ordering of CTUs partitioning a picture in which the CTUs are ordered consecutively in CTU raster scan in a tile whereas tiles in a picture are ordered consecutively in a raster scan of the tiles of the picture)。スライスはピクチャの整数個のブリックを含み、前記整数個のブリックは1つのNALユニットに含まれる(A slice includes an integer number of bricks of a picture that maybe exclusively contained in a single NAL unit)。スライスは複数の完全なタイルで構成され、または、1つのタイルの完全なブリックの連続的なシーケンスであり得る(A slice may consists of either a number of complete tiles or only a consecutive sequence of complete bricks of one tile)。この文書では、タイルグループとスライスは混用されてもよい。例えば、本文書ではtile group/tile group headerはslice/slice headerと呼ばれてもよい。
【0028】
ピクセル(pixel)またはペル(pel)は、1つのピクチャ(または、画像)を構成する最小の単位を意味することができる。また、ピクセルに対応する用語として「サンプル(sample)」が使用されることができる。サンプルは、一般的にピクセルまたはピクセルの値を示すことができ、ルマ(luma)成分のピクセル/ピクセル値のみを示すこともでき、クロマ(chroma)成分のピクセル/ピクセル値のみを示すこともできる。
【0029】
ユニット(unit)は、画像処理の基本単位を示すことができる。ユニットは、ピクチャの特定領域及び当該領域に関連した情報のうち、少なくとも1つを含むことができる。1つのユニットは、1つのルマブロック及び2つのクロマ(例えば、cb、cr)ブロックを含むことができる。ユニットは、場合によって、ブロック(block)または領域(area)などの用語と混用して使用されることができる。一般的な場合、M×Nブロックは、M個の列とN個の行からなるサンプル(または、サンプルアレイ)、または変換係数(transform coefficient)の集合(または、アレイ)を含むことができる。
【0030】
本明細書において「A又はB(A or B)」は「Aのみ」、「Bのみ」又は「AとBの両方」を意味し得る。言い換えると、本明細書において、「A又はB(A or B)」は「A及び/又はB(A and/or B)」と解され得る。例えば,本明細書において「A、B又はC(A,B or C)」は,「Aのみ」、「Bのみ」、「Cのみ」又は「A、B及びCの任意の全ての組み合わせ(any combination of A,B and C)」を意味し得る。
【0031】
本明細書において使用されるスラッシュ(/)やコンマ(comma)は、「及び/又は(and/or)」を意味し得る。例えば、「A/B」は「A及び/又はB」を意味し得る。これにより、「A/B」は「Aのみ」、「Bのみ」、又は「AとBの両方」を意味し得る。例えば、「A、B、C」は「A、B又はC」を意味し得る。
【0032】
本明細書において「少なくとも1つのA及びB(at least one of A and B)」は、「Aのみ」、「Bのみ」又は「AとBの両方」を意味し得る。また、本明細書において「少なくとも1つのA又はB(at least one of A or B)」や「少なくとも1つのA及び/又はB(at least one of A and/or B)」という表現は、「少なくとも1つのA及びB(at least one of A and B)」と同様に解釈され得る。
【0033】
また、本明細書において「少なくとも1つのA、B及びC(at least one of A, B and C)」は、「Aのみ」、「Bのみ」、「Cのみ」又は「A、B及びCの任意の全ての組み合わせ(any combination of A, B and C)」を意味し得る。また、「少なくとも1つのA、B又はC(at least one of A, B or C)」や「少なくとも1つのA、B及び/又はC(at least one of A, B and/or C)」は「少なくとも1つのA、B及びC(at least one of A, B and C)」を意味し得る。
【0034】
また、本明細書において用いられる括弧は「例えば(for example)」を意味し得る。具体的には、「予測(イントラ予測)」と表示されている場合、「予測」の一例として「イントラ予測」が提案されているものであり得る。言い換えると、本明細書の「予測」は「イントラ予測」に制限(limit)されず、「イントラ予測」が「予測」の一例として提案されるものであり得る。また、「予測(すなわち、イントラ予測)」と表示されている場合にも、「予測」の一例として、「イントラ予測」が提案されているものであり得る。
【0035】
本明細書において1つの図面内で個別に説明される技術的特徴は、個別に実現されてもよく、同時に実現されてもよい。
【0036】
以下の図面は,本明細書の具体的な一例を説明するために作成された。図面に記載された具体的な装置の名称や具体的な信号/メッセージ/フィールドの名称は例示的に提示するものであるので、本明細書の技術的特徴が以下の図面に用いられた具体的な名称に制限されない。
【0037】
図2は、本文書の実施形態が適用され得るビデオ/画像エンコード装置の構成を概略的に説明する図である。以下、ビデオエンコード装置とは、画像エンコード装置を含むことができる。
【0038】
図2に示すように、エンコード装置200は、画像分割部(image partitioner)210、予測部(predictor)220、レジデュアル処理部(residual processor)230、エントロピーエンコード部(entropy encoder)240、加算部(adder)250、フィルタリング部(filter)260、及びメモリ(memory)270を備えて構成されることができる。予測部220は、インター予測部221及びイントラ予測部222を備えることができる。レジデュアル処理部230は、変換部(transformer)232、量子化部(quantizer)233、逆量子化部(dequantizer)234、逆変換部(inverse transformer)235を備えることができる。レジデュアル処理部230は、減算部(subtractor)231をさらに備えることができる。加算部250は、復元部(reconstructor)または復元ブロック生成部(recontructged block generator)と呼ばれることができる。前述した画像分割部210、予測部220、レジデュアル処理部230、エントロピーエンコード部240、加算部250、及びフィルタリング部260は、実施形態によって1つ以上のハードウェアコンポーネント(例えば、エンコーダチップセットまたはプロセッサ)により構成されることができる。また、メモリ270は、DPB(decoded picture buffer)を含むことができ、デジタル記録媒体により構成されることもできる。前記ハードウェアコンポーネントは、メモリ270を内/外部コンポーネントとしてさらに備えることもできる。
【0039】
画像分割部210は、エンコード装置200に入力された入力画像(または、ピクチャ、フレーム)を1つ以上の処理ユニット(processing unit)に分割することができる。一例として、前記処理ユニットは、コーディングユニット(coding unit、CU)と呼ばれることができる。この場合、コーディングユニットは、コーディングツリーユニット(coding tree unit、CTU)または最大コーディングユニット(largest coding unit、LCU)からQTBTTT(Quad-tree binary-tree ternary-tree)構造によって再帰的に(recursively)分割されることができる。例えば、1つのコーディングユニットは、クアッドツリー構造、バイナリツリー構造、及び/又はターナリ構造に基づいて下位(deeper)デプスの複数のコーディングユニットに分割されることができる。この場合、例えば、クアッドツリー構造が先に適用され、バイナリツリー構造及び/又はターナリ構造が後ほど適用されることができる。または、バイナリツリー構造が先に適用されることもできる。それ以上分割されない最終コーディングユニットに基づいて本文書に係るコーディング手順が実行されることができる。この場合、画像特性に応じるコーディング効率などに基づいて、最大コーディングユニットが直ちに最終コーディングユニットとして使用されることができ、または、必要に応じてコーディングユニットは、再帰的に(recursively)、より下位デプスのコーディングユニットに分割されて、最適のサイズのコーディングユニットが最終コーディングユニットとして使用されることができる。ここで、コーディング手順とは、後述する予測、変換、及び復元などの手順を含むことができる。他の例として、前記処理ユニットは、予測ユニット(PU:Prediction Unit)または変換ユニット(TU:Transform Unit)をさらに備えることができる。この場合、前記予測ユニット及び前記変換ユニットは、各々前述した最終コーディングユニットから分割またはパーティショニングされることができる。前記予測ユニットは、サンプル予測の単位であり、前記変換ユニットは、変換係数を誘導する単位及び/又は変換係数からレジデュアル信号(residual signal)を誘導する単位である。
【0040】
ユニットは、場合によって、ブロック(block)または領域(area)などの用語と混用して使用されることができる。一般的な場合、M×Nブロックは、M個の列とN個の行からなるサンプルまたは変換係数(transform coefficient)の集合を示すことができる。サンプルは、一般的にピクセルまたはピクセルの値を示すことができ、輝度(luma)成分のピクセル/ピクセル値のみを示すことができ、彩度(chroma)成分のピクセル/ピクセル値のみを示すこともできる。サンプルは、1つのピクチャ(または、画像)をピクセル(pixel)またはペル(pel)に対応する用語として使用することができる。
【0041】
エンコード装置200は、入力画像信号(原本ブロック、原本サンプルアレイ)から、インター予測部221またはイントラ予測部222から出力された予測信号(予測されたブロック、予測サンプルアレイ)を減算してレジデュアル信号(residual signal、残余ブロック、残余サンプルアレイ)を生成することができ、生成されたレジデュアル信号は、変換部232に送信される。この場合、図示されたように、エンコーダ200内において入力画像信号(原本ブロック、原本サンプルアレイ)から予測信号(予測ブロック、予測サンプルアレイ)を減算するユニットは、減算部231と呼ばれることができる。予測部は、処理対象ブロック(以下、現在ブロックという)に対する予測を実行し、前記現在ブロックに対する予測サンプルを含む予測されたブロック(predicted block)を生成することができる。予測部は、現在ブロックまたはCU単位でイントラ予測が適用されるか、またはインター予測が適用されるかを決定することができる。予測部は、各予測モードについての説明で後述するように、予測モード情報など、予測に関する様々な情報を生成してエントロピーエンコード部240に伝達することができる。予測に関する情報は、エントロピーエンコード部240でエンコードされてビットストリーム形態で出力されることができる。
【0042】
イントラ予測部222は、現在ピクチャ内のサンプルを参照して現在ブロックを予測することができる。前記参照されるサンプルは、予測モードによって前記現在ブロックの周辺(neighbor)に位置することができ、または、離れて位置することもできる。イントラ予測において予測モードは、複数の非方向性モードと複数の方向性モードとを含むことができる。非方向性モードは、例えば、DCモード及びプラナーモード(Planar Mode)を含むことができる。方向性モードは、予測方向の細かい程度によって、例えば、33個の方向性予測モードまたは65個の方向性予測モードを含むことができる。ただし、これは、例示に過ぎず、設定によってそれ以上またはそれ以下の個数の方向性予測モードが使用されることができる。イントラ予測部222は、隣接ブロックに適用された予測モードを用いて、現在ブロックに適用される予測モードを決定することもできる。
【0043】
インター予測部221は、参照ピクチャ上で動きベクトルにより特定される参照ブロック(参照サンプルアレイ)に基づいて、現在ブロックに対する予測されたブロックを誘導することができる。このとき、インター予測モードで送信される動き情報の量を減らすために、隣接ブロックと現在ブロックとの間の動き情報の相関性に基づいて動き情報をブロック、サブブロック、またはサンプル単位で予測することができる。前記動き情報は、動きベクトル及び参照ピクチャインデックスを含むことができる。前記動き情報は、インター予測方向(L0予測、L1予測、Bi予測等)情報をさらに含むことができる。インター予測の場合に、隣接ブロックは、現在ピクチャ内に存在する空間的隣接ブロック(spatial neighboring block)と参照ピクチャに存在する時間的隣接ブロック(temporal neighboring block)とを含むことができる。前記参照ブロックを含む参照ピクチャと前記時間的隣接ブロックを含む参照ピクチャとは同じであってもよく、異なってもよい。前記時間的隣接ブロックは、同一位置参照ブロック(collocated reference block)、同一位置CU(colCU)などの名称で呼ばれることができ、前記時間的隣接ブロックを含む参照ピクチャは、同一位置ピクチャ(collocated picture、colPic)と呼ばれることもできる。例えば、インター予測部221は、隣接ブロックに基づいて動き情報候補リストを構成し、前記現在ブロックの動きベクトル及び/又は参照ピクチャインデックスを導出するためにどのような候補が使用されるかを指示する情報を生成することができる。様々な予測モードに基づいてインター予測が実行されることができ、例えば、スキップモードとマージモードの場合に、インター予測部221は、隣接ブロックの動き情報を現在ブロックの動き情報として利用することができる。スキップモードの場合、マージモードとは異なってレジデュアル信号が送信されないことがある。動き情報予測(motion vector prediction、MVP)モードの場合、隣接ブロックの動きベクトルを動きベクトル予測子(Motion Vector Predictor)として利用し、動きベクトル差分(motion vector difference)をシグナリングすることによって現在ブロックの動きベクトルを指示することができる。
【0044】
予測部220は、後述する様々な予測方法に基づいて予測信号を生成することができる。例えば、予測部は、1つのブロックに対する予測のために、イントラ予測またはインター予測を適用することができるだけでなく、イントラ予測とインター予測とを同時に適用することができる。これは、combined inter and intra prediction(CIIP)と呼ばれることができる。また、予測部は、ブロックに対する予測のために、イントラブロックコピー(intra block copy、IBC)予測モードに基づくこともでき、または、パレットモード(palette mode)に基づくこともできる。前記IBC予測モードまたはパレットモードは、例えば、SCC(screen content coding)などのように、ゲームなどのコンテンツ画像/動画像コーディングのために使用されることができる。IBCは、基本的に現在ピクチャ内で予測を実行するが、現在ピクチャ内で参照ブロックを導出する点においてインター予測と類似して実行されることができる。すなわち、IBCは、本文書において説明されるインター予測技法のうち、少なくとも1つを利用することができる。パレットモードは、イントラコーディングまたはイントラ予測の一例と見ることができる。パレットモードが適用される場合、パレットテーブル及びパレットインデックスに関する情報に基づいてピクチャ内のサンプル値をシグナリングすることができる。
【0045】
前記予測部(インター予測部221及び/又は前記イントラ予測部222を含む)を介して生成された予測信号は、復元信号を生成するために用いられ、またはレジデュアル信号を生成するために用いられることができる。変換部232は、レジデュアル信号に変換技法を適用して変換係数(transform coefficients)を生成することができる。例えば、変換技法は、DCT(Discrete Cosine Transform)、DST(Discrete Sine Transform)、KLT(Karhunen-Loeve Transform)、GBT(Graph-Based Transform)、またはCNT(Conditionally Non-linear Transform)のうち、少なくとも1つを含むことができる。ここで、GBTは、ピクセル間の関係情報をグラフで表現するとするとき、このグラフから得られた変換を意味する。CNTは、以前に復元された全てのピクセル(all previously reconstructed pixel)を用いて予測信号を生成し、それに基づいて取得される変換を意味する。また、変換過程は、正方形の同じサイズを有するピクセルブロックに適用されることもでき、正方形でない、可変サイズのブロックにも適用されることもできる。
【0046】
量子化部233は、変換係数を量子化してエントロピーエンコード部240に送信され、エントロピーエンコード部240は、量子化された信号(量子化された変換係数に関する情報)をエンコードしてビットストリームとして出力することができる。前記量子化された変換係数に関する情報は、レジデュアル情報と呼ばれることができる。量子化部233は、係数スキャン順序(scan order)に基づいてブロック形態の量子化された変換係数を1次元ベクトル形態で再整列することができ、前記1次元ベクトル形態の量子化された変換係数に基づいて前記量子化された変換係数に関する情報を生成することもできる。エントロピーエンコード部240は、例えば、指数ゴロム(exponential Golomb)、CAVLC(context-adaptive variable length coding)、CABAC(context-adaptive binary arithmetic coding)などのような様々なエンコード方法を実行することができる。エントロピーエンコード部240は、量子化された変換係数の他に、ビデオ/イメージ復元に必要な情報(例えば、シンタックス要素(syntax elements)の値等)を共に、または別にエンコードすることもできる。エンコードされた情報(例えば、エンコードされたビデオ/画像情報)は、ビットストリーム形態でNAL(network abstraction layer)ユニット単位で送信または格納されることができる。前記ビデオ/画像情報は、アダプテーションパラメータセット(APS)、ピクチャパラメータセット(PPS)、シーケンスパラメータセット(SPS)、またはビデオパラメータセット(VPS)など、様々なパラメータセットに関する情報をさらに含むことができる。また、前記ビデオ/画像情報は、一般制限情報(general constraint information)をさらに含むことができる。本文書においてエンコード装置からデコード装置に伝達/シグナリングされる情報及び/又はシンタックス要素は、ビデオ/画像情報に含まれることができる。前記ビデオ/画像情報は、前述したエンコード手順を介してエンコードされて前記ビットストリームに含まれることができる。前記ビットストリームは、ネットワークを介して送信されることができ、またはデジタル記録媒体に格納されることができる。ここで、ネットワークは、放送網及び/又は通信網などを含むことができ、デジタル記録媒体は、USB、SD、CD、DVD、ブルーレイ、HDD、SSDなど、様々な記録媒体を含むことができる。エントロピーエンコード部240から出力された信号は、送信する送信部(図示せず)及び/又は格納する格納部(図示せず)がエンコード装置200の内/外部エレメントとして構成されることができ、または送信部は、エントロピーエンコード部240に含まれることもできる。
【0047】
量子化部233から出力された量子化された変換係数は、予測信号を生成するために用いられることができる。例えば、量子化された変換係数に逆量子化部234及び逆変換部235を介して逆量子化及び逆変換を適用することによってレジデュアル信号(レジデュアルブロックまたはレジデュアルサンプル)を復元することができる。加算部250は、復元されたレジデュアル信号をインター予測部221またはイントラ予測部222から出力された予測信号に加えることによって復元(reconstructed)信号(復元ピクチャ、復元ブロック、復元サンプルアレイ)が生成され得る。スキップモードが適用された場合のように、処理対象ブロックに対するレジデュアルがない場合、予測されたブロックが復元ブロックとして使用されることができる。加算部250は、復元部または復元ブロック生成部と呼ばれることができる。生成された復元信号は、現在ピクチャ内の次の処理対象ブロックのイントラ予測のために使用されることができ、後述するように、フィルタリングを経て次のピクチャのインター予測のために使用されることもできる。
【0048】
一方、ピクチャエンコード及び/又は復元過程でLMCS(luma mapping with chroma scaling)が適用されることもできる。
【0049】
フィルタリング部260は、復元信号にフィルタリングを適用して主観的/客観的画質を向上させることができる。例えば、フィルタリング部260は、復元ピクチャに様々なフィルタリング方法を適用して修正された(modified)復元ピクチャを生成することができ、前記修正された復元ピクチャをメモリ270、具体的に、メモリ270のDPBに格納することができる。前記様々なフィルタリング方法は、例えば、デブロッキングフィルタリング、サンプル適応的オフセット(sample adaptive offset)、適応的ループフィルタ(adaptive loop filter)、両方向フィルタ(bilateral filter)などを含むことができる。フィルタリング部260は、各フィルタリング方法についての説明で後述するように、フィルタリングに関する様々な情報を生成してエントロピーエンコード部240に伝達することができる。フィルタリングに関する情報は、エントロピーエンコード部240でエンコードされてビットストリーム形態で出力されることができる。
【0050】
メモリ270に送信された修正された復元ピクチャは、インター予測部221で参照ピクチャとして使用されることができる。エンコード装置は、これを介してインター予測が適用される場合、エンコード装置200とデコード装置300での予測ミスマッチを避けることができ、符号化効率も向上させることができる。
【0051】
メモリ270DPBは、修正された復元ピクチャをインター予測部221での参照ピクチャとして使用するために格納することができる。メモリ270は、現在ピクチャ内の動き情報が導出された(または、エンコードされた)ブロックの動き情報及び/又は既に復元されたピクチャ内のブロックの動き情報を格納することができる。前記格納された動き情報は、空間的隣接ブロックの動き情報または時間的隣接ブロックの動き情報として活用するために、インター予測部221に伝達することができる。メモリ270は、現在ピクチャ内の復元されたブロックの復元サンプルを格納することができ、イントラ予測部222に伝達することができる。
【0052】
図3は、本文書の実施形態が適用され得るビデオ/画像デコード装置の構成を概略的に説明する図である。
【0053】
図3に示すように、デコード装置300は、エントロピーデコード部(entropy decoder)310、レジデュアル処理部(residual processor)320、予測部(predictor)330、加算部(adder)340、フィルタリング部(filter)350、及びメモリ(memory)360を備えて構成されることができる。予測部330は、インター予測部331及びイントラ予測部332を備えることができる。レジデュアル処理部320は、逆量子化部(dequantizer)321及び逆変換部(inverse transformer)322を備えることができる。前述したエントロピーデコード部310、レジデュアル処理部320、予測部330、加算部340、及びフィルタリング部350は、実施形態によって1つのハードウェアコンポーネント(例えば、デコーダチップセットまたはプロセッサ)により構成されることができる。また、メモリ360は、DPB(decoded picture buffer)を備えることができ、デジタル記録媒体により構成されることもできる。前記ハードウェアコンポーネントは、メモリ360を内/外部コンポーネントとしてさらに備えることもできる。
【0054】
ビデオ/画像情報を含むビットストリームが入力されると、デコード装置300は、図2のエンコード装置でビデオ/画像情報が処理されたプロセスに対応して画像を復元することができる。例えば、デコード装置300は、前記ビットストリームから取得したブロック分割関連情報に基づいてユニット/ブロックを導出できる。デコード装置300は、エンコード装置で適用された処理ユニットを用いてデコードを実行することができる。したがって、デコードの処理ユニットは、例えば、コーディングユニットであり、コーディングユニットは、コーディングツリーユニットまたは最大コーディングユニットからクアッドツリー構造、バイナリツリー構造、及び/又はターナリツリー構造にしたがって分割されることができる。コーディングユニットから1つ以上の変換ユニットが導出されることができる。そして、デコード装置300を介してデコード及び出力された復元画像信号は、再生装置を介して再生されることができる。
【0055】
デコード装置300は、図2のエンコード装置から出力された信号をビットストリーム形態で受信することができ、受信された信号は、エントロピーデコード部310を介してデコードされることができる。例えば、エントロピーデコード部310は、前記ビットストリームをパーシングして画像復元(または、ピクチャ復元)に必要な情報(例えば、ビデオ/画像情報)を導出できる。前記ビデオ/画像情報は、アダプテーションパラメータセット(APS)、ピクチャパラメータセット(PPS)、シーケンスパラメータセット(SPS)、またはビデオパラメータセット(VPS)など、様々なパラメータセットに関する情報をさらに含むことができる。また、前記ビデオ/画像情報は、一般制限情報(general constraint information)をさらに含むことができる。デコード装置は、前記パラメータセットに関する情報及び/又は前記一般制限情報に基づいてさらにピクチャをデコードすることができる。本文書において後述されるシグナリング/受信される情報及び/又はシンタックス要素は、前記デコード手順を介してデコードされて前記ビットストリームから取得されることができる。例えば、エントロピーデコード部310は、指数ゴロム符号化、CAVLCまたはCABAC等のコーディング方法を基にビットストリーム内の情報をデコードし、画像復元に必要なシンタックスエレメントの値、レジデュアルに関する変換係数の量子化された値などを出力することができる。より詳細に、CABACエントロピーデコード方法は、ビットストリームで各構文要素に該当するビンを受信し、デコード対象構文要素情報と周辺及びデコード対象ブロックのデコード情報、または以前ステップでデコードされたシンボル/ビンの情報を利用して文脈(context)モデルを決定し、決定された文脈モデルによってビン(bin)の発生確率を予測し、ビンの算術デコード(arithmetic decoding)を実行して各構文要素の値に該当するシンボルを生成することができる。このとき、CABACエントロピーデコード方法は、文脈モデル決定後、次のシンボル/ビンの文脈モデルのためにデコードされたシンボル/ビンの情報を利用して文脈モデルをアップデートすることができる。エントロピーデコード部310でデコードされた情報のうち、予測に関する情報は、予測部(インター予測部332及びイントラ予測部331)に提供され、エントロピーデコード部310でエントロピーデコードが実行されたレジデュアル値、すなわち、量子化された変換係数及び関連パラメータ情報は、レジデュアル処理部320に入力されることができる。レジデュアル処理部320は、レジデュアル信号(レジデュアルブロック、レジデュアルサンプル、レジデュアルサンプルアレイ)を導出できる。また、エントロピーデコード部310でデコードされた情報のうち、フィルタリングに関する情報は、フィルタリング部350に提供されることができる。一方、エンコード装置から出力された信号を受信する受信部(図示せず)がデコード装置300の内/外部エレメントとしてさらに構成されることができ、または、受信部は、エントロピーデコード部310の構成要素である。一方、本文書に係るデコード装置は、ビデオ/画像/ピクチャデコード装置と呼ばれることができ、前記デコード装置は、情報デコーダ(ビデオ/画像/ピクチャ情報デコーダ)及びサンプルデコーダ(ビデオ/画像/ピクチャサンプルデコーダ)に区分することもできる。前記情報デコーダは、前記エントロピーデコード部310を備えることができ、前記サンプルデコーダは、前記逆量子化部321、逆変換部322、加算部340、フィルタリング部350、メモリ360、インター予測部332、及びイントラ予測部331のうち、少なくとも1つを備えることができる。
【0056】
逆量子化部321では、量子化された変換係数を逆量子化して変換係数を出力することができる。逆量子化部321は、量子化された変換係数を2次元のブロック形態で再整列することができる。この場合、前記再整列は、エンコード装置で実行された係数スキャン順序に基づいて再整列を実行することができる。逆量子化部321は、量子化パラメータ(例えば、量子化ステップサイズ情報)を利用して量子化された変換係数に対する逆量子化を実行し、変換係数(transform coefficient)を取得することができる。
【0057】
逆変換部322では、変換係数を逆変換してレジデュアル信号(レジデュアルブロック、レジデュアルサンプルアレイ)を取得するようになる。
【0058】
予測部は、現在ブロックに対する予測を実行し、前記現在ブロックに対する予測サンプルを含む予測されたブロック(predicted block)を生成することができる。予測部は、エントロピーデコード部310から出力された前記予測に関する情報に基づいて、前記現在ブロックにイントラ予測が適用されるか、またはインター予測が適用されるかを決定することができ、具体的なイントラ/インター予測モードを決定することができる。
【0059】
予測部320は、後述する様々な予測方法に基づいて予測信号を生成することができる。例えば、予測部は、1つのブロックに対する予測のために、イントラ予測またはインター予測を適用することができるだけでなく、イントラ予測とインター予測とを同時に適用することができる。これは、combined inter and intra prediction(CIIP)と呼ばれることができる。また、予測部は、ブロックに対する予測のために、イントラブロックコピー(intra block copy、IBC)予測モードに基づくこともでき、またはパレットモード(palette mode)に基づくこともできる。前記IBC予測モードまたはパレットモードは、例えば、SCC(screen content coding)などのように、ゲームなどのコンテンツ画像/動画コーディングのために使用されることができる。IBCは、基本的に現在ピクチャ内で予測を実行するが、現在ピクチャ内で参照ブロックを導出する点においてインター予測と類似して実行されることができる。すなわち、IBCは、本文書において説明されるインター予測技法のうち、少なくとも1つを利用することができる。パレットモードは、イントラコーディングまたはイントラ予測の一例と見ることができる。パレットモードが適用される場合、パレットテーブル及びパレットインデックスに関する情報が前記ビデオ/画像情報に含まれてシグナリングされることができる。
【0060】
イントラ予測部331は、現在ピクチャ内のサンプルを参照して現在ブロックを予測することができる。前記参照されるサンプルは、予測モードによって前記現在ブロックの周辺(neighbor)に位置することができ、または離れて位置することもできる。イントラ予測において予測モードは、複数の非方向性モードと複数の方向性モードとを含むことができる。イントラ予測部331は、隣接ブロックに適用された予測モードを用いて、現在ブロックに適用される予測モードを決定することもできる。
【0061】
インター予測部332は、参照ピクチャ上で動きベクトルにより特定される参照ブロック(参照サンプルアレイ)に基づいて、現在ブロックに対する予測されたブロックを誘導することができる。このとき、インター予測モードから送信される動き情報の量を減らすために、隣接ブロックと現在ブロックとの間の動き情報の相関性に基づいて動き情報をブロック、サブブロック、またはサンプル単位で予測することができる。前記動き情報は、動きベクトル及び参照ピクチャインデックスを含むことができる。前記動き情報は、インター予測方向(L0予測、L1予測、Bi予測等)情報をさらに含むことができる。インター予測の場合に、隣接ブロックは、現在ピクチャ内に存在する空間的隣接ブロック(spatial neighboring block)と参照ピクチャに存在する時間的隣接ブロック(temporal neighboring block)とを含むことができる。例えば、インター予測部332は、隣接ブロックに基づいて動き情報候補リストを構成し、受信した候補選択情報に基づいて前記現在ブロックの動きベクトル及び/又は参照ピクチャインデックスを導出できる。様々な予測モードに基づいてインター予測が実行されることができ、前記予測に関する情報は、前記現在ブロックに対するインター予測のモードを指示する情報を含むことができる。
【0062】
加算部340は、取得されたレジデュアル信号を予測部(インター予測部332及び/又はイントラ予測部331を含む)から出力された予測信号(予測されたブロック、予測サンプルアレイ)に加えることにより復元信号(復元ピクチャ、復元ブロック、復元サンプルアレイ)を生成することができる。スキップモードが適用された場合のように、処理対象ブロックに対するレジデュアルがない場合、予測されたブロックが復元ブロックとして使用されることができる。
【0063】
加算部340は、復元部または復元ブロック生成部と呼ばれることができる。生成された復元信号は、現在ピクチャ内の次の処理対象ブロックのイントラ予測のために使用されることができ、後述するように、フィルタリングを経て出力されることができ、または次のピクチャのインター予測のために使用されることもできる。
【0064】
一方、ピクチャデコード過程でLMCS(luma mapping with chroma scaling)が適用されることもできる。
【0065】
フィルタリング部350は、復元信号にフィルタリングを適用して主観的/客観的画質を向上させることができる。例えば、フィルタリング部350は、復元ピクチャに様々なフィルタリング方法を適用して修正された(modified)復元ピクチャを生成することができ、前記修正された復元ピクチャをメモリ360、具体的に、メモリ360のDPBに送信することができる。前記様々なフィルタリング方法は、例えば、デブロッキングフィルタリング、サンプル適応的オフセット(sample adaptive offset)、適応的ループフィルタ(adaptive loop filter)、両方向フィルタ(bilateral filter)などを含むことができる。
【0066】
メモリ360のDPBに格納された(修正された)復元ピクチャは、インター予測部332で参照ピクチャとして使用されることができる。メモリ360は、現在ピクチャ内の動き情報が導出された(または、デコードされた)ブロックの動き情報及び/又は既に復元されたピクチャ内のブロックの動き情報を格納することができる。前記格納された動き情報は、空間的隣接ブロックの動き情報または時間的隣接ブロックの動き情報として活用するために、インター予測部260に伝達することができる。メモリ360は、現在ピクチャ内の復元されたブロックの復元サンプルを格納することができ、イントラ予測部331に伝達することができる。
【0067】
本明細書において、エンコード装置200のフィルタリング部260、インター予測部221、及びイントラ予測部222で説明された実施形態は、各々デコード装置300のフィルタリング部350、インター予測部332、及びイントラ予測部331にも同一または対応するように適用されることができる。
【0068】
本文書において量子化/逆量子化及び/又は変換/逆変換のうち、少なくとも1つは省略されることができる。前記量子化/逆量子化が省略される場合、前記量子化された変換係数は、変換係数と呼ばれることができる。前記変換/逆変換が省略される場合、前記変換係数は、係数またはレジデュアル係数と呼ばれることができ、または、表現の統一性のために、変換係数と依然と呼ばれることもできる。
【0069】
本文書において量子化された変換係数及び変換係数は、各々変換係数及びスケーリングされた(scaled)変換係数と称されることができる。この場合、レジデュアル情報は、変換係数(等)に関する情報を含むことができ、前記変換係数(等)に関する情報は、レジデュアルコーディングシンタックスを介してシグナリングされることができる。前記レジデュアル情報(または、前記変換係数(等)に関する情報)に基づいて変換係数が導出され得るし、前記変換係数に対する逆変換(スケーリング)を介してスケーリングされた変換係数が導出され得る。前記スケーリングされた変換係数に対する逆変換(変換)に基づいてレジデュアルサンプルが導出され得る。これは、本文書の他の部分でも同様に適用/表現されることができる。
【0070】
図4は、コーディングされた映像情報の階層構造(hierarchical structure)を例示的に示す。
【0071】
図4は、本文書のコーディングレイヤ及び構造によってコーディングされたビデオ/映像(video/image)を例示的に示すことができる。図4を参照すると、コーディングされたビデオ/映像は、ビデオ/映像及びビデオ/映像のデコーディングプロセスを処理するVCL(Video Coding Layer、VCL)、コーディングされた情報を送信及び格納するサブシステム(subsystem)、VCLとサブシステムとの間に存在して機能を担当するNAL(Network Abstraction Layer、NAL)に区分されることができる。
【0072】
例えば、VCLでは、圧縮されたイメージデータ(スライスデータ)を含むVCLデータが生成され、またはピクチャパラメータセット(Picture Parameter Set、PPS)、シーケンスパラメータセット(Sequence Parameter Set、SPS)、ビデオパラメータセット(Video Parameter Set、VPS)または映像デコーディング過程に追加で必要なSEI(Supplemental Enhancement Information、SEI)メッセージを含むパラメータセットが生成されることができる。
【0073】
また、例えば、NALでは、VCLで生成されたRBSP(Raw Byte Sequence Payload)にヘッダ(header)情報(NALユニットヘッダ)を追加してNALユニットが生成されることができる。この場合、RBSPは、VCLで生成されたスライスデータ(slice data)、パラメータセット(parameter set)、SEIメッセージ(SEI message)などを参照することができる。NALユニットヘッダは、該当NALユニットに含まれているRBSPデータによって指定されたNALユニットタイプ情報を含むことができる。
【0074】
また、例えば、図4に示すように、NALユニットは、VCLで生成されたRBSPによってVCL NALユニットとNon-VCL NALユニットに分類されることができる(classified)。VCL NALユニットは、映像(image)に対する情報(スライスデータ)を含むNALユニットを意味することができ、Non-VCL NALユニットは、映像デコーディングに必要な情報(パラメータセットまたはSEIメッセージ)を含むNALユニットを意味することができる。
【0075】
前述したVCL NALユニットとNon-VCL NALユニットは、サブシステムのデータ規格(data standard)によってヘッダ情報を添付してネットワークを介して送信されることができる。例えば、NALユニットは、H.266/VVCファイルフォーマット(VVC file format)、リアルタイムトランスポートプロトコル(real-time transport protocol、RTP)、トランスポートプストリーム(Transport Stream、TS)などのようなあらかじめ決められた標準のデータフォーマット(data format)に変換されることができ、多様なネットワークを介して送信されることができる。
【0076】
また、前述したように、NALユニットは、該当NALユニットに含まれているRBSPデータ構造によってNALユニットタイプが指定されることができ、NALユニットタイプに対する情報は、NALユニットヘッダに格納されてシグナリングされることができる。
【0077】
例えば、NALユニットは、映像に対する情報(スライスデータ)を含むかどうかによってVCL NALユニットタイプとNon-VCL NALユニットタイプに分類されることができる。また、VCL NALユニットタイプは、VCL NALユニットに含まれているピクチャの特性とタイプによって分類されることができ、Non-VCL NALユニットタイプは、パラメータセットのタイプによって分類されることができる。
【0078】
次は、Non-VCL NALユニットタイプに含まれているパラメータセットのタイプによって指定されたNALユニットタイプの例である。
【0079】
-APS(Adaptation Parameter Set)NALユニット:APSを含むNALユニットに対するタイプ
【0080】
-DPS(Decoding Parameter Set)NALユニット:DPSを含むNALユニットに対するタイプ
【0081】
-VPS(Video Parameter Set)NALユニット:VPSを含むNALユニットに対するタイプ
【0082】
-SPS(Sequence Parameter Set)NALユニット:SPSを含むNALユニットに対するタイプ
【0083】
-PPS(Picture Parameter Set)NALユニット:PPSを含むNALユニットに対するタイプ
【0084】
-PH(Picture header)NALユニット:PHを含むNALユニットに対するタイプ
【0085】
前述したNALユニットタイプは、NALユニットタイプに対するシンタックス情報を有することができ、シンタックス情報は、NALユニットヘッダに格納及びシグナリングされることができる。例えば、前記シンタックス情報は、nal_unit_typeであり、NAL単位タイプは、nal_unit_type値に指定されることができる。
【0086】
一方、前述したように、一つのピクチャは、複数のスライスを含むことができ、スライスは、スライスヘッダ及びスライスデータを含むことができる。この場合、複数のスライス(スライスヘッダ及びスライスデータのセット)に対して一つのピクチャヘッダが追加される(埋め込まれる(embedded))ことができる。ピクチャヘッダ(ピクチャヘッダシンタックス)は、ピクチャに共通的に適用されることができる情報/パラメータを含むことができる。スライスヘッダ(スライスヘッダシンタックス)は、スライスに共通的に適用されることができる情報/パラメータを含むことができる。APS(APSシンタックス)またはPPS(PPSシンタックス)は、一つ以上のスライスまたはピクチャに共通的に適用されることができる情報/パラメータを含むことができる。SPS(SPSシンタックス)は、一つ以上のシーケンス(sequence)に共通的に適用されることができる情報/パラメータを含むことができる。VPS(VPSシンタックス)は、複数のレイヤに共通的に適用されることができる情報/パラメータを含むことができる。DPS(DPSシンタックス)は、全体映像に共通的に適用されることができる情報/パラメータを含むことができる。DPSは、コーディングされたビデオシーケンス(Coded Video Sequence、CVS)の連結(concatenation)と関連した情報/パラメータを含むことができる。この文書において、HLS(High Level Syntax)は、APSシンタックス、PPSシンタックス、SPSシンタックス、VPSシンタックス、DPSシンタックス、ピクチャヘッダシンタックス、及びスライスヘッダシンタックスのうち少なくとも一つを含むことができる。
【0087】
一方、前述したように、一般的に一つのピクチャに対して一つのNALユニットタイプが設定されることができ、前記NALユニットタイプは、前述したように、スライスを含むNALユニットのNALユニットヘッダでnal_unit_typeを介してシグナリングされることができる。以下の表は、NALユニットタイプコード及びNALユニットタイプクラスの一例を示す。
【0088】
【表1-1】
【0089】
【表1-2】
【0090】
一方、前述したように、ピクチャは、一つ以上のスライスで構成されることができる。また、前記ピクチャを説明するパラメータは、ピクチャヘッダ(Picture Header、PH)にシグナリングされることができ、スライスを説明するパラメータは、スライスヘッダ(Slice Header、SH)にシグナリングされることができる。前記PHは、自体NALユニットタイプに伝達されることができる。また、前記SHは、スライスのペイロード(payload)(すなわち、スライスデータ(slice data))を含むNALユニットの開始部分に存在できる。
【0091】
例えば、シグナリングされるPHのシンタックスエレメントは、下記の通りである。
【0092】
【表2-1】
【0093】
【表2-2】
【0094】
【表2-3】
【0095】
【表2-4】
【0096】
【表2-5】
【0097】
【表2-6】
【0098】
一方、PHの採択は、全てのコーディングされたピクチャに対して少なくとも二つのNALユニットがあるべきことを意味することができる。例えば、前記二つのユニットのうち、一つはPHに対するNALユニットであり、他の一つはスライスヘッダ(SH)及びスライスデータを含むコーディングされたスライスに対するNALユニットである。これはピクチャ当たり追加(additional)NALユニットがビットレート(bitrate)に大きい影響を及ぼすことができるため、ビットレートが低いビットストリームに対しては問題になることができる。したがって、PHが新しいNALユニットを消耗しないモードを有することが好ましい。
【0099】
したがって、本文書は、前述した問題を解決するための後述する実施例を提案する。提案される実施例は、個別的にまたは組み合わせて適用されることができる。
【0100】
一例として、CLVS(Coded Layer Video Sequence)にPH NALユニットが存在するかどうかを示すハイレバルパラメータセット内のフラグをシグナリングする方案を提案する。すなわち、前記フラグは、ピクチャヘッダ(picture header)がNALユニット(すなわち、PH NALユニット)に存在するかまたはスライスヘッダ(slice header)に存在するかを示すことができる。ここで、例えば、前記CLVSは、同じ値のnuh_layer_idを有するピクチャユニット(Picture Unit、PU)のシーケンスを意味することができる。前記ピクチャユニットは、コーディングされたピクチャに対するNALユニット(等)のセットである。また、例えば、前記ハイレバルパラメータセットは、SPS(Sequence Parameter Set、SPS)、PPS(Picture Parameter Set、PPS)またはスライスヘッダ(slice header)である。前記フラグは、ph_nal_present_flagと呼ばれることができる。または、前記フラグは、PH NAL存在フラグと呼ばれることができる。
【0101】
また、本文書は、前記PH NAL存在フラグと関連して、ph_nal_present_flagの値が同じなCVSのピクチャが参照する全てのSPSに対して同じであると制約する実施例を提案する。前記制約は、ph_nal_present_flagの値がマルチレイヤ(multi-layer)ビットストリームで一つのコーディングされたビデオシーケンスに対して同じでなければならないことを意味することができる。
【0102】
また、一例として、ph_nal_present_flagの値が1と同じ場合、一つのPH NALユニットが存在し、前記PH NALユニットは、ピクチャのVCL(Video Coding Layer、VCL)NALユニットと関連されることを提案する。
【0103】
また、一例として、ph_nal_present_flagの値が0と同じ場合(すなわち、PH NALユニットが各ピクチャに対して存在しない場合)、下記のような制約が適用される方案を提案する。
【0104】
例えば、前記制約は、下記の通りである。
【0105】
第一に、CLVSの全てのピクチャは、一つのスライスのみを含むことができる。
【0106】
第二に、PH NALユニットが存在しないことがある。PHシンタックステーブル(PH syntax table)は、SH(Slice Header、SH)及びスライスデータ(slicedata)と共にスライスレイヤRBSPに存在できる。すなわち、PHシンタックステーブルは、スライスヘッダに存在できる。
【0107】
第三に、PHシンタックステーブルとSHシンタックステーブルがバイト整列された(byte aligned)位置で始まることができる。これを具現するために、PHとSHとの間にバイト整列ビットが追加されることができる。
【0108】
第四に、SPSを参照する全てのPPS内のpicture_header_extension_present_flagの値は、0である。
【0109】
第五に、PHまたはSHに存在できる全てのシンタックスエレメントは、SHでないPHに存在できる。
【0110】
また、一例として、アクセスユニットディテクション(access unit detection)をアップデートする方案が提案されることができる。すなわち、PHをチェックする代わりに、全ての新しいVCL NALユニットは、新しいAU(Access Unit、AU)を意味することができる。すなわち、ph_nal_present_flagの値が、前記PH NALユニットが存在しないことを示す場合、ph_nal_present_flagを含むVCL NALユニットは、以前順序のAU(すなわち、以前順序のAUに対するピクチャ)に対するVCL NALユニットでなく、新しいAU(すなわち、新しいAUに対するピクチャ)に対するVCL NALユニットがパーシングされることを意味することができる。したがって、ph_nal_present_flagの値が、前記PH NALユニットが存在しないことを示す場合、ph_nal_present_flagを含むVCL NALユニットは、新しいAUのピクチャ(例えば、デコーディングが実行される現在ピクチャ)に対する1番目のVCL NALユニットである。ここで、AUは、互いに異なるレイヤに属し、DPB(Decoded Picture Buffer、DPB)の出力のために同じ時間と関連したコーディングされたピクチャを含むPU(Picture Unit、PU)のセットを意味することができる。また、前記PUは、互いに関連されてデコーディング順序が連続的な一つのコーディングされたピクチャを含むNALユニットのセットを意味することができる。すなわち、前記PUは、互いに関連されてデコーディング順序が連続的な一つのコーディングされたピクチャに対するNALユニットのセットを意味することができる。一方、ビットストリームがマルチレイヤビットストリームでないシングルレイヤビットストリーム(single layer bitstream)である場合、AUは、PUと同じである。
【0111】
本文書で提案した実施例は、後述するように具現されることができる。
【0112】
例えば、本文書の実施例で提案したph_nal_present_flagがシグナリングされるSPSシンタックスは、下記の通りである。
【0113】
【表3】
【0114】
表3を参照すると、SPSは、ph_nal_present_flagを含むことができる。
【0115】
例えば、シンタックスエレメントph_nal_present_flagのセマンティック(semantic)は、以下の表の通りである。
【0116】
【表4】
【0117】
例えば、表4を参照すると、シンタックスエレメントph_nal_present_flagは、SPSを参照するCLVS等(CLVSs)の各コーディングされたピクチャに対してPH_NUTと同じnal_unit_typeを有するNALユニットが存在するかどうかを示すことができる。例えば、1と同じph_nal_present_flagは、SPSを参照するCLVS等(CLVSs)の各コーディングされたピクチャに対してPH_NUTと同じnal_unit_typeを有するNALユニットが存在することを示すことができる。また、例えば、0と同じph_nal_present_flagは、SPSを参照するCLVS等(CLVSs)の各コーディングされたピクチャに対してPH_NUHと同じnal_unit_typeを有するNAL単位が存在しないことを示すことができる。
【0118】
また、例えば、前記ph_nal_present_flagが1である場合、下記のような内容が適用されることができる。
【0119】
-nal_unit_typeがPH_NUTであるNALユニット(すなわち、PH NALユニット)は、SPSを参照するCLVSに存在しない。
【0120】
-SPSを参照するCLVSの各ピクチャは、一つのスライスを含むことができる。
【0121】
-PHは、スライスレイヤRBSPに存在できる。
【0122】
一方、表3及び表4において、ph_nal_present_flagがSPSにシグナリングされる方案を提案しているが、表3及び表4に示す方案は、本文書で提案した一実施例に過ぎず、ph_nal_present_flagがSPS以外のPPSまたはスライスヘッダにシグナリングされる実施例も提案されることができる。
【0123】
一方、例えば、本文書で提案した一実施例によると、ピクチャヘッダシンタックステーブル及びピクチャヘッダRBSPは、以下の表のように分離されてシグナリングされることができる。
【0124】
【表5】
【0125】
また、前記シグナリングされるピクチャヘッダシンタックステーブルは、下記の通りである。
【0126】
【表6-1】
【0127】
【表6-2】
【0128】
【表6-3】
【0129】
【表6-4】
【0130】
【表6-5】
【0131】
【表6-6】
【0132】
また、例えば、本文書で提案した一実施例によると、スライスレイヤRBSPは、下記のようにシグナリングされることができる。
【0133】
【表7】
【0134】
また、例えば、本文書で提案した一実施例によると、以下の表に示す制約のうち一つ以上が適用されることができる。
【0135】
【表8】
【0136】
例えば、表8を参照すると、ph_nal_present_flagが0である場合、picture_header_extension_present_flagの値は0になることができる。
【0137】
また、例えば、下記の二つの条件が全て真(true)である場合、pic_rpl_present_flagの値が1と同じでなければならないことが、ビットストリーム適合性の要求事項である。
【0138】
-ph_nal_present_flagは0であり、PHと関連したピクチャがIDRピクチャでない。
【0139】
-ph_nal_present_flagは0であり、PHと関連したピクチャがIDRピクチャであり、sps_id_rpl_present_flagは1と同じである。
【0140】
ここで、前記rplは、参照ピクチャリスト(reference picture list)を意味することができる。
【0141】
また、例えば、ph_nal_present_flagの値が0である場合、pic_sao_enabled_present_flagの値は1と同じでなければならないことが、ビットストリーム適合性の要求事項である。
【0142】
また、例えば、ph_nal_present_flagの値が0である場合、pic_alf_enabled_present_flagの値は1と同じでなければならないことが、ビットストリーム適合性の要求事項である。
【0143】
また、例えば、ph_nal_present_flagの値が0である場合、pic_deblocking_filter_override_present_flagの値は1と同じでなければならないことが、ビットストリーム適合性の要求事項である。
【0144】
一方、例えば、実施例(等)は、下記の手順によって適用されることができる。
【0145】
図5は、本文書の実施例によるエンコーディング手順を例示的に示す。
【0146】
図5を参照すると、エンコーディング装置は、ピクチャに対する情報を含むNALユニット(等)を生成することができる(S500)。エンコーディング装置は、ピクチャヘッダに対するNALユニットが存在するかどうかを決定することができ(S510)、前記ピクチャヘッダに対するNALユニットが存在するかどうかを判断することができる(S520)。
【0147】
例えば、前記ピクチャヘッダに対するNALユニットが存在する場合、エンコーディング装置は、スライスヘッダを含むVCL NALユニット及びピクチャヘッダを含むPH NALユニットを含むビットストリームを生成することができる(S530)。
【0148】
一方、例えば、前記ピクチャヘッダに対するNALユニットが存在しない場合、エンコーディング装置は、スライスヘッダ及びピクチャヘッダを含むVCL NALユニットを含むビットストリームを生成することができる(S540)。すなわち、例えば、前記ピクチャヘッダシンタックス構造は、前記スライスヘッダに存在できる。
【0149】
図6は、本文書の実施例によるデコーディング手順を例示的に示す。
【0150】
図6を参照すると、デコーディング装置は、NALユニット(等)を含むビットストリームを受信することができる(S600)。以後、デコーディング装置は、ピクチャヘッダに対するNALユニットが存在するかどうかを判断することができる(S610)。
【0151】
例えば、前記ピクチャヘッダに対するNALユニットが存在する場合、デコーディング装置は、VCL NALユニット内のスライスヘッダ及びPH NALユニット内のピクチャヘッダに基づいてピクチャ/スライス/ブロック/サンプルをデコーディング/復元することができる(S620)。
【0152】
一方、例えば、前記ピクチャヘッダに対するNALユニットが存在しない場合、デコーディング装置は、VCL NALユニット内のスライスヘッダ及びピクチャヘッダに基づいてピクチャ/スライス/ブロック/サンプルをデコーディング/復元することができる(S630)。
【0153】
ここで、(コーディングされた)ビットストリームは、ピクチャをデコーディングするための一つ以上のNALユニットを含むことができる。また、NALユニットは、VCL NALユニットまたはnon-VCL NALユニットである。例えば、VCL NALユニットは、コーディングされたスライスに対する情報を含むことができ、VCL NALユニットは、前述した表1に記述されたNALユニットタイプクラス「VCL」を有するNALユニットタイプを有することができる。
【0154】
一方、本文書で提案した実施例によると、ビットストリームは、PH NALユニット(ピクチャヘッダに対するNALユニット)を含むことがあり、またはビットストリームは現在ピクチャに対するPH NALユニットを含まないことがある。PH NALユニットの存在有無を示す情報(例えば、ph_nal_present_flag)は、HLS(例えば、VPS、DPS、SPSまたはスライスヘッダなど)にシグナリングされることができる。
【0155】
図7は、PH NALユニットの存在有無によるNALユニット内のピクチャヘッダ構成を例示的に示す。例えば、図7の(a)は、現在ピクチャに対するPH NALユニットが存在する場合を示すことができ、図7の(b)は、現在ピクチャに対するPH NALユニットが存在しないが、ピクチャヘッダがVCL NALユニットに含まれる場合を示すことができる。
【0156】
例えば、前記PH NALユニットが存在する場合、ピクチャヘッダは、PH NALユニットに含まれることができる。それに対して、PH NALユニットが存在しない場合、ピクチャヘッダは、依然として構成されることができるが、他のNALユニットに含まれることができる。例えば、ピクチャヘッダは、VCL NALユニットに含まれることができる。前記VCL NALユニットは、コーディングされたスライスに対する情報を含むことができる。VCLユニットは、コーディングされたスライスに対するスライスヘッダを含むことができる。例えば、特定スライスヘッダが、コーディングされた/関連されたスライスがピクチャまたはサブピクチャ(subpicture)で1番目のスライスという情報を含む場合、ピクチャヘッダは、前記特定スライスヘッダを含む特定VCL NALユニットに含まれることができる。または、例えば、PH NALユニットが存在しない場合、ピクチャヘッダは、PPS NALユニット、APS NALユニットなどのようなNon-VCL NALユニットに含まれることができる。
【0157】
図8は、本文書によるエンコーディング装置による映像エンコーディング方法を概略的に示す。図8に開示された方法は、図2に開示されたエンコーディング装置により実行されることができる。具体的に、例えば、図8のS800乃至S820は、前記エンコーディング装置のエントロピーエンコーディング部により実行されることができる。また、図示されてはいないが、現在ピクチャをデコーディングする過程は、前記エンコーディング装置の予測部及びレジデュアル処理部により実行されることができる。
【0158】
エンコーディング装置は、現在ピクチャと関連したPH(Picture Header、PH)を含むPH NAL(Network Abstraction Layer)ユニットが存在するかどうかを判断する(S800)。エンコーディング装置は、現在ピクチャに対するNALユニットを生成することができる。例えば、前記現在ピクチャに対するNALユニットは、前記現在ピクチャと関連したPHを含むPH NALユニット及び/または前記現在ピクチャのスライスに対する情報(例えば、スライスヘッダ及びスライスデータ)を含むVCL(Video Coded Layer)NALユニットを含むことができる。エンコーディング装置は、前記PH NALユニットが存在するかどうかを判断することができる。例えば、前記PH NALユニットが存在する場合、エンコーディング装置は、前記現在ピクチャと関連したPHを含むPH NALユニット及び/または前記現在ピクチャのスライスに対する情報(例えば、スライスヘッダ及びスライスデータ)を含むVCL(Video Coded Layer)NALユニットを生成することができる。また、例えば、前記PH NALユニットが存在しない場合、エンコーディング装置は、前記現在ピクチャと関連したPH及び前記現在ピクチャの一つのスライスに対する情報(例えば、スライスヘッダ及びスライスデータ)を含むVCL(Video Coded Layer)NALユニットを生成することができる。また、例えば、前記フラグが、前記PH NALユニットが存在しないことを示す場合、前記現在ピクチャは、一つのスライスを含むことができる。ここで、例えば、前記PHは、前記現在ピクチャに対するパラメータを示すシンタックスエレメントを含むことができる。
【0159】
エンコーディング装置は、前記判断の結果に基づいて前記PH NALユニットの存在有無に対するフラグを生成する(S810)。エンコーディング装置は、前記判断の結果に基づいて前記PH NALユニットの存在有無に対するフラグを生成することができる。例えば、前記フラグは、前記PH NALユニットが存在するかどうかを示すことができる。例えば、前記フラグの値が1である場合、前記フラグは、前記PH NALユニットが存在することを示すことができ、前記フラグの値が0である場合、前記フラグは、前記PH NALユニットが存在しないことを示すことができる。または、例えば、前記フラグの値が0である場合、前記フラグは、前記PH NALユニットが存在することを示すことができ、前記フラグの値が1である場合、前記フラグは、前記PH NALユニットが存在しないことを示すことができる。前記フラグのシンタックスエレメントは、前述したph_nal_present_flagである。
【0160】
エンコーディング装置は、前記フラグを含む映像情報をエンコーディングする(S820)。エンコーディング装置は、前記フラグを含む映像情報をエンコーディングすることができる。映像情報は、前記フラグを含むことができる。また、例えば、前記映像情報は、ハイレバルシンタックスを含むことができ、前記フラグは、前記ハイレバルシンタックスに含まれることができる。例えば、前記ハイレバルシンタックスは、SPS(Sequence Parameter Set、SPS)である。または、例えば、前記ハイレバルシンタックスは、スライスヘッダ(Slice Header、SH)である。すなわち、例えば、前記フラグは、前記スライスヘッダに含まれることができる。
【0161】
一方、例えば、前記フラグが、前記PH NALユニットが存在することを示す場合、前記PHは、前記PH NALユニットに含まれることができ、前記フラグが、前記PH NALユニットが存在しないことを示す場合、前記PHは、前記現在ピクチャと関連したスライスヘッダに含まれることができる。例えば、前記フラグが、前記PH NALユニットが存在することを示す場合、前記PHは、前記PH NALユニットに含まれることができ、前記フラグが、前記PH NALユニットが存在しないことを示す場合、前記PHは、スライスヘッダを含むVCL NALユニットに含まれることができる。すなわち、例えば、前記フラグが、前記PH NALユニットが存在することを示す場合、前記PHは、前記PH NALユニットに含まれることができ、前記フラグが、前記PH NALユニットが存在しないことを示す場合、前記PHは、スライスヘッダに含まれることができる。例えば、前記フラグが、前記PH NALユニットが存在することを示す場合、前記映像情報は、前記PHを含む前記PH NALユニット及び前記現在ピクチャと関連したスライスヘッダを含む少なくとも一つのVCL NALユニットを含むことができ、前記フラグが、前記PH NALユニットが存在しないことを示す場合、前記映像情報は、前記PH及びスライスヘッダを含むVCL NALユニットを含むことができる。また、例えば、前記フラグが、前記PH NALユニットが存在しないことを示す場合、前記映像情報は、PH NALユニットを含まないことがある。
【0162】
また、例えば、前記フラグが、前記PH NALユニットが存在しないことを示す場合、前記現在ピクチャを含むCLVS(Coded Layer Video Sequence)内の全てのピクチャに対してPH NALユニットが存在しないことがある。すなわち、例えば、CLVS(Coded Layer Video Sequence)内の全てのピクチャに対するPH NALユニット存在有無に対するフラグの値は、同じである。また、例えば、前記フラグが、前記PH NALユニットが存在しないことを示す場合、前記CLVS内の前記全てのピクチャに対するピクチャヘッダは、前記全てのピクチャのスライスヘッダに含まれることができる。
【0163】
一方、例えば、AUディテクションが既存方案と異なるように修正されることができる。例えば、新しいVCL NALユニットは、新しいAUを意味することができる。すなわち、例えば、前記フラグが、前記PH NALユニットが存在しないことを示す場合、スライスヘッダを含むVCL NALユニットは、(新しいAU(すなわち、現在ピクチャに対するAU)に対する)前記現在ピクチャの1番目のVCL NALユニットである。例えば、前記フラグは、前記VCL NALユニットの前記スライスヘッダに含まれることができる。または、例えば、前記フラグが、前記PH NALユニットが存在することを示す場合、前記PH NALユニットにしたがう、すなわち、前記PH NALユニットの次にシグナリングされる前記現在ピクチャの1番目のVCL NALユニットである。
【0164】
一方、エンコーディング装置は、前記現在ピクチャをデコーディングすることができる。例えば、エンコーディング装置は、前記PHのシンタックスエレメントに基づいて前記現在ピクチャをデコーディングすることができる。例えば、前記PHのシンタックスエレメントは、前述した表6に示すシンタックスエレメントである。前記PHは、前記現在ピクチャに対するパラメータを示すシンタックスエレメントを含むことができ、エンコーディング装置は、前記シンタックスエレメントに基づいて前記現在ピクチャをデコーディングすることができる。また、例えば、前記スライスヘッダを含むVCL NALユニットは、前記現在ピクチャ内のスライスに対するスライスデータを含むことができ、エンコーディング装置は、前記スライスデータに基づいて前記現在ピクチャのスライスをデコーディングすることができる。例えば、デコーディング装置は、前記現在ピクチャの予測サンプル及びレジデュアルサンプルを導出することができ、前記予測サンプル及び前記レジデュアルサンプルに基づいて前記現在ピクチャに対する復元サンプル/復元ピクチャを生成することができる。
【0165】
一方、例えば、エンコーディング装置は、前記現在ピクチャのブロックに対する予測情報を生成及びエンコーディングすることができる。この場合、インター予測またはイントラ予測など、本文書に開示された多様な予測方法が適用されることができる。例えば、エンコーディング装置は、前記ブロックにインター予測を実行するかまたはイントラ予測を実行するかを決定することができ、具体的なインター予測モードまたは具体的なイントラ予測モードをRDコストに基づいて決定できる。決定されたモードによって、エンコーディング装置は、前記ブロックに対する予測サンプルを導出することができる。前記予測情報は、前記ブロックに対する予測モード情報を含むことができる。前記映像情報は、前記予測情報を含むことができる。
【0166】
また、例えば、エンコーディング装置は、前記現在ピクチャのブロックに対するレジデュアル情報をエンコーディングすることができる。
【0167】
例えば、エンコーディング装置は、前記ブロックに対する原本サンプルと予測サンプルの減算を介して前記レジデュアルサンプルを導出することができる。
【0168】
以後、例えば、エンコーディング装置は、前記レジデュアルサンプルを量子化して量子化されたレジデュアルサンプルを導出することができ、前記量子化されたレジデュアルサンプルに基づいて変換係数を導出することができ、前記変換係数に基づいて前記レジデュアル情報を生成及びエンコーディングすることができる。または、例えば、エンコーディング装置は、前記レジデュアルサンプルを量子化して量子化されたレジデュアルサンプルを導出することができ、前記量子化されたレジデュアルサンプルを変換して変換係数を導出することができ、前記変換係数に基づいて前記レジデュアル情報を生成及びエンコーディングすることができる。前記映像情報は、前記レジデュアル情報を含むことができる。また、例えば、エンコーディング装置は、映像情報をエンコーディングしてビットストリーム形態で出力できる。
【0169】
エンコーディング装置は、前記予測サンプルと前記レジデュアルサンプルの加算を介して復元サンプル及び/または復元ピクチャを生成することができる。以後、必要によって、主観的/客観的画質を向上させるために、デブロッキングフィルタリング、SAO及び/またはALF手順のようなインループフィルタリング手順が前記復元サンプルに適用されることができることは、前述の通りである。
【0170】
一方、前記映像情報を含むビットストリームは、ネットワークまたは(デジタル)格納媒体を介してデコーディング装置に送信されることができる。ここで、ネットワークは、放送網及び/または通信網などを含むことができ、デジタル格納媒体は、USB、SD、CD、DVD、ブルーレイ、HDD、SSDなど、多様な格納媒体を含むことができる。
【0171】
図9は、本文書による映像エンコーディング方法を実行するエンコーディング装置を概略的に示す。図8に開示された方法は、図9に開示されたエンコーディング装置により実行されることができる。具体的に、例えば、図9の前記エンコーディング装置のエントロピーエンコーディング部は、S800乃至S820を実行することができる。また、図示されてはいないが、現在ピクチャをデコーディングする過程は、前記エンコーディング装置の予測部及びレジデュアル処理部により実行されることができる。
【0172】
図10は、本文書によるデコーディング装置による映像デコーディング方法を概略的に示す。図10に開示された方法は、図3に開示されたデコーディング装置により実行されることができる。具体的に、例えば、図10のS1000乃至S1010は、前記デコーディング装置のエントロピーデコーディング部により実行されることができ、図10のS1020は、前記デコーディング装置の予測部及びレジデュアル処理部により実行されることができる。
【0173】
デコーディング装置は、PH(Picture Header、PH)NAL(Network Abstraction Layer)ユニットの存在有無に対するフラグを取得する(S1000)。デコーディング装置は、ビットストリームを介して前記PH NALユニットの存在有無に対するフラグを取得することができる。例えば、デコーディング装置は、ビットストリームを介して映像情報を取得することができ、前記映像情報は、前記フラグを含むことができる。また、例えば、前記映像情報は、ハイレバルシンタックスを含むことができ、前記フラグは、前記ハイレバルシンタックスに含まれることができる。例えば、前記ハイレバルシンタックスは、SPS(Sequence Parameter Set、SPS)である。または、例えば、前記ハイレバルシンタックスは、スライスヘッダ(Slice Header、SH)である。すなわち、例えば、前記フラグは、前記スライスヘッダに含まれることができる。
【0174】
例えば、前記フラグは、前記PH NALユニットが存在するかどうかを示すことができる。例えば、前記フラグの値が1である場合、前記フラグは、前記PH NALユニットが存在することを示すことができ、前記フラグの値が0である場合、前記フラグは、前記PH NALユニットが存在しないことを示すことができる。または、例えば、前記フラグの値が0である場合、前記フラグは、前記PH NALユニットが存在することを示すことができ、前記フラグの値が1である場合、前記フラグは、前記PH NALユニットが存在しないことを示すことができる。前記フラグのシンタックスエレメントは、前述したph_nal_present_flagである。
【0175】
デコーディング装置は、前記フラグに基づいてPHを取得する(S1010)。デコーディング装置は、前記フラグに基づいて前記PH NALユニットまたはスライスヘッダを含むVCL NALユニットで前記PHを取得することができる。すなわち、例えば、デコーディング装置は、前記フラグに基づいて前記PH NALユニットまたはスライスヘッダで前記PHを取得することができる。
【0176】
例えば、前記フラグが、前記PH NALユニットが存在することを示す場合、前記PHは、前記PH NALユニットで取得されることができ、前記フラグが、前記PH NALユニットが存在しないことを示す場合、前記PHは、スライスヘッダで取得されることができる。例えば、前記フラグが、前記PH NALユニットが存在することを示す場合、前記PHは、前記PH NALユニットに含まれることができ、前記フラグが、前記PH NALユニットが存在しないことを示す場合、前記PHは、スライスヘッダを含むVCL NALユニットに含まれることができる。すなわち、例えば、前記フラグが、前記PH NALユニットが存在することを示す場合、前記PHは、前記PH NALユニットに含まれることができ、前記フラグが、前記PH NALユニットが存在しないことを示す場合、前記PHは、スライスヘッダに含まれることができる。例えば、前記フラグが、前記PH NALユニットが存在することを示す場合、前記映像情報は、前記PHを含む前記PH NALユニット及びスライスヘッダを含むVCL NALユニットを含むことができ、前記フラグが、前記PH NALユニットが存在しないことを示す場合、前記映像情報は、前記PH及びスライスヘッダを含むVCL NALユニットを含むことができる。また、例えば、前記フラグが、前記PH NALユニットが存在しないことを示す場合、前記映像情報は、PH NALユニットを含まないことがある。
【0177】
また、例えば、前記フラグが、前記PH NALユニットが存在しないことを示す場合、前記PHと関連した現在ピクチャは、一つのスライスを含むことができる。すなわち、例えば、前記フラグが、前記PH NALユニットが存在しないことを示す場合、前記映像情報は、前記現在ピクチャ内の一つのスライスに対するスライスヘッダを含むVCL NALユニットを含むことができる。
【0178】
また、例えば、前記フラグが、前記PH NALユニットが存在することを示す場合、ビットストリームを介して前記現在ピクチャに対する前記PH NALユニット及びスライスヘッダを含む少なくとも一つのVCL NALユニットが取得されることができる。すなわち、例えば、前記フラグが、前記PH NALユニットが存在することを示す場合、前記映像情報は、前記現在ピクチャに対する前記PH NALユニット及び前記現在ピクチャ内の少なくとも一つのスライスに対するスライスヘッダを含むVCL NALユニットを含むことができる。
【0179】
また、例えば、前記フラグが、前記PH NALユニットが存在しないことを示す場合、前記現在ピクチャを含むCLVS(Coded Layer Video Sequence)内の全てのピクチャに対してPH NALユニットが存在しないことがある。すなわち、例えば、CLVS(Coded Layer Video Sequence)内の全てのピクチャに対するPH NALユニット存在有無に対するフラグの値は、同じである。また、例えば、前記フラグが、前記PH NALユニットが存在しないことを示す場合、前記CLVS内の前記全てのピクチャに対するピクチャヘッダは、前記全てのピクチャのスライスヘッダに含まれることができる。
【0180】
一方、例えば、AUディテクションが既存方案と異なるように修正されることができる。例えば、新しいVCL NALユニットは、新しいAUを意味することができる。すなわち、例えば、前記フラグが、前記PH NALユニットが存在しないことを示す場合、スライスヘッダを含むVCL NALユニットは、(新しいAU(すなわち、現在ピクチャに対するAU)に対する)前記現在ピクチャの1番目のVCL NALユニットである。例えば、前記フラグは、前記VCL NALユニットの前記スライスヘッダに含まれることができる。または、例えば、前記フラグが、前記PH NALユニットが存在することを示す場合、前記PH NALユニットにしたがう、すなわち、前記PH NALユニットの次にシグナリングされる前記現在ピクチャの1番目のVCL NALユニットである。
【0181】
デコーディング装置は、前記PHに基づいて前記PHと関連した現在ピクチャをデコーディングする(S1020)。デコーディング装置は、前記PHのシンタックスエレメントに基づいて前記現在ピクチャをデコーディングすることができる。例えば、前記PHのシンタックスエレメントは、前述した表6に示すシンタックスエレメントである。前記PHは、前記現在ピクチャに対するパラメータを示すシンタックスエレメントを含むことができ、デコーディング装置は、前記シンタックスエレメントに基づいて前記現在ピクチャをデコーディングすることができる。また、例えば、前記スライスヘッダを含むVCL NALユニットは、前記現在ピクチャ内のスライスに対するスライスデータを含むことができ、デコーディング装置は、前記スライスデータに基づいて前記現在ピクチャのスライスをデコーディングすることができる。例えば、デコーディング装置は、前記現在ピクチャの予測サンプル及びレジデュアルサンプルを導出することができ、前記予測サンプル及び前記レジデュアルサンプルに基づいて前記現在ピクチャに対する復元サンプル/復元ピクチャを生成することができる。
【0182】
以後、必要によって、主観的/客観的画質を向上させるために、デブロッキングフィルタリング、SAO及び/またはALF手順のようなインループフィルタリング手順が前記復元サンプルに適用されることができることは、前述の通りである。
【0183】
図11は、本文書による映像デコーディング方法を実行するデコーディング装置を概略的に示す。図10に開示された方法は、図11に開示されたデコーディング装置により実行されることができる。具体的に、例えば、図11の前記デコーディング装置のエントロピーデコーディング部は、図10のS1000乃至S1010を実行することができ、図11の前記デコーディング装置の予測部及びレジデュアル処理部は、図10のS1020を実行することができる。
【0184】
詳述した本文書によると、PH NALユニットが存在するかどうかに対するフラグをシグナリングすることができ、前記フラグに基づいてビットストリームのビットレートに適応的にNALユニットを調節することができ、全般的なコーディング効率を向上させることができる。
【0185】
また、本文書によると、PH NALユニットが存在するかどうかに対するフラグに基づいて現在ピクチャ内のスライス個数に対する制約及び関連ピクチャに対するPH NALユニット存在に対する制約を設定することができ、これによって、ビットストリームのビットレートに適応的にNALユニットを調節して全般的なコーディング効率を向上させることができる。
【0186】
前述した実施形態において、方法は、一連のステップまたはブロックで流れ図を基に説明されているが、本文書は、ステップの順序に限定されるものではなく、あるステップは、前述と異なるステップと異なる順序でまたは同時に発生することができる。また、当業者であれば、流れ図に示されたステップが排他的でなく、他のステップが含まれ、または流れ図の1つまたはそれ以上のステップが本文書の範囲に影響を及ぼさずに削除可能であることを理解することができる。
【0187】
本文書において説明した実施形態は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、またはチップ上で実現されて実行されることができる。例えば、各図面において図示した機能ユニットは、コンピュータ、プロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、またはチップ上で実現されて実行されることができる。この場合、実現のための情報(例えば、information on instructions)またはアルゴリズムがデジタル記録媒体に格納されることができる。
【0188】
また、本文書の実施形態が適用されるデコード装置及びエンコード装置は、マルチメディア放送送受信装置、モバイル通信端末、ホームシネマビデオ装置、デジタルシネマビデオ装置、監視用カメラ、ビデオ対話装置、ビデオ通信のようなリアルタイム通信装置、モバイルストリーミング装置、記録媒体、カムコーダ、注文型ビデオ(VoD)サービス提供装置、OTTビデオ(Over the top video)装置、インターネットストリーミングサービス提供装置、3次元(3D)ビデオ装置、画像電話ビデオ装置、運送手段端末(例えば、車両端末、飛行機端末、船舶端末等)、及び医療用ビデオ装置などに含まれることができ、ビデオ信号またはデータ信号を処理するために使用されることができる。例えば、OTTビデオ(Over the top video)装置として、ゲームコンソール、ブルーレイプレーヤ、インターネット接続TV、ホームシアターシステム、スマートフォン、タブレットPC、DVR(Digital Video Recoder)などを備えることができる。
【0189】
また、本文書の実施形態が適用される処理方法は、コンピュータで実行されるプログラムの形態で生産されることができ、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納されることができる。本文書に係るデータ構造を有するマルチメディアデータもコンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納されることができる。前記コンピュータが読み取り可能な記録媒体は、コンピュータで読み出すことができるデータが格納される全ての種類の格納装置及び分散格納装置を含む。前記コンピュータが読み取り可能な記録媒体は、例えば、ブルーレイディスク(BD)、汎用直列バス(USB)、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、RAM、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、及び光学的データ格納装置を含むことができる。また、前記コンピュータが読み取り可能な記録媒体は、搬送波(例えば、インターネットを介しての送信)の形態で実現されたメディアを含む。また、エンコード方法で生成されたビットストリームがコンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納され、または有無線通信ネットワークを介して送信されることができる。
【0190】
また、本文書の実施形態は、プログラムコードによるコンピュータプログラム製品で実現されることができ、前記プログラムコードは、本文書の実施形態によってコンピュータで実行されることができる。前記プログラムコードは、コンピュータにより読み取り可能なキャリア上に格納されることができる。
【0191】
図12は、本文書の実施形態が適用されるコンテンツストリーミングシステム構造図を例示的に示す。
【0192】
本文書の実施形態が適用されるコンテンツストリーミングシステムは、大別して、エンコードサーバ、ストリーミングサーバ、ウェブサーバ、メディア格納所、ユーザ装置、及びマルチメディア入力装置を含むことができる。
【0193】
前記エンコードサーバは、スマートフォン、カメラ、カムコーダなどのようなマルチメディア入力装置から入力されたコンテンツをデジタルデータで圧縮してビットストリームを生成し、これを前記ストリーミングサーバに送信する役割をする。他の例として、スマートフォン、カメラ、カムコーダなどのようなマルチメディア入力装置がビットストリームを直接生成する場合、前記エンコードサーバは省略されることができる。
【0194】
前記ビットストリームは、本文書の実施形態が適用されるエンコード方法またはビットストリーム生成方法により生成されることができ、前記ストリーミングサーバは、前記ビットストリームを送信または受信する過程で一時的に前記ビットストリームを格納することができる。
【0195】
前記ストリーミングサーバは、ウェブサーバを介したユーザ要請に基づいてマルチメディアデータをユーザ装置に送信し、前記ウェブサーバは、ユーザにどのようなサービスがあるかを知らせる媒介体役割をする。ユーザが前記ウェブサーバに所望のサービスを要請すると、前記ウェブサーバは、これをストリーミングサーバに伝達し、前記ストリーミングサーバは、ユーザにマルチメディアデータを送信する。このとき、前記コンテンツストリーミングシステムは、別の制御サーバを含むことができ、この場合、前記制御サーバは、前記コンテンツストリーミングシステム内の各装置間命令/応答を制御する役割をする。
【0196】
前記ストリーミングサーバは、メディア格納所及び/またはエンコードサーバからコンテンツを受信することができる。例えば、前記エンコードサーバからコンテンツを受信するようになる場合、前記コンテンツをリアルタイムで受信することができる。この場合、円滑なストリーミングサービスを提供するために、前記ストリーミングサーバは、前記ビットストリームを一定時間の間格納することができる。
【0197】
前記ユーザ装置の例として、携帯電話、スマートフォン(smartphone)、ノートブックコンピュータ(laptop computer)、デジタル放送用端末、PDA(personal digital assistants)、PMP(portable multimedia player)、ナビゲーション、スレートPC(slate PC)、タブレットPC(tablet PC)、ウルトラブック(ultrabook)、ウェアラブルデバイス(wearable device、例えば、ウォッチ型端末(smartwatch)、グラス型端末(smart glass)、HMD(head mounted display))、デジタルTV、デスクトップコンピュータ、デジタルサイニジなどがある。前記コンテンツストリーミングシステム内の各サーバは、分散サーバで運営されることができ、この場合、各サーバで受信するデータは分散処理されることができる。
【0198】
本明細書に記載された請求項は様々な方式で組み合わせることができる。例えば、本明細書の方法請求項の技術的特徴が組み合わせられて装置として実現されることもでき、本明細書の装置請求項の技術的特徴が組み合わせられて方法として実現されることもできる。また、本明細書の方法請求項の技術的特徴と装置請求項の技術的特徴が組み合わせられて装置として実現されることもでき、本明細書の方法請求項の技術的特徴と装置請求項の技術的特徴が組み合わせられて方法として実現されることもできる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7(a)】
図7(b)】
図8
図9
図10
図11
図12