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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】ミリ波モバイルルーター
(51)【国際特許分類】
   H01Q 3/04 20060101AFI20240813BHJP
   H01Q 1/22 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
H01Q3/04
H01Q1/22 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022558323
(86)(22)【出願日】2021-01-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-08
(86)【国際出願番号】 KR2021000424
(87)【国際公開番号】W WO2021206273
(87)【国際公開日】2021-10-14
【審査請求日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】10-2020-0043228
(32)【優先日】2020-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522377033
【氏名又は名称】ジーシーティー リサーチ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、チョン ミン
(72)【発明者】
【氏名】リ、ヒョン ク
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-303523(JP,A)
【文献】特表2019-508988(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0342789(US,A1)
【文献】特開平11-068680(JP,A)
【文献】特開平08-279711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 3/04
H01Q 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局とミリ波を送受信するモバイルルーターであって、
前記ミリ波を送受信するアンテナアレイを備える第1部材と、
第2部材と、
前記第1部材と前記第2部材とを連結する角度調節部と、
前記第1部材が所定の場所に置かれる方向、及び前記第1部材と前記第2部材とが広げられる角度による前記ミリ波の送受信感度を表示する感度表示部と、
前記ミリ波の送受信感度を調節するために、前記第1部材が特定の方向に置かれるように所定の方向を表示する調節表示部と、を含む、モバイルルーター。
【請求項2】
前記表示される方向は、前記基地局から受信されるミリ波の位相に基づいて生成されることを特徴とする、請求項に記載のモバイルルーター。
【請求項3】
基地局とミリ波を送受信するモバイルルーターであって、
前記ミリ波を送受信するアンテナアレイを備える第1部材と、
第2部材と、
前記第1部材と前記第2部材とを連結する角度調節部と、
前記第1部材が所定の場所に置かれる方向、及び前記第1部材と前記第2部材とが広げられる角度による前記ミリ波の送受信感度を表示する感度表示部と、
前記ミリ波の送受信感度を調節するために、前記第1部材と前記第2部材が特定の角度で広げられるようにする所定の角度を表示する調節表示部と、を含む、モバイルルーター。
【請求項4】
前記表示される角度は、前記基地局から受信されるミリ波の位相に基づいて生成されることを特徴とする、請求項に記載のモバイルルーター。
【請求項5】
前記角度調節部は、前記アンテナアレイが前記ミリ波を特定の角度で送受信するために前記第1部材と前記第2部材が所定の角度に調節されるように形成されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載のモバイルルーター。
【請求項6】
前記第1部材と前記第2部材とは、前記角度調節部を軸として折り畳み式で広げられたり折り畳まれたりすることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のモバイルルーター。
【請求項7】
前記角度調節部がヒンジであることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載のモバイルルーター。
【請求項8】
前記アンテナアレイは、各アンテナの位相を調節して指向性ミリ波ビームを生成するように形成されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載のモバイルルーター。
【請求項9】
前記感度表示部は音響を発生することを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載のモバイルルーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年4月9日付の韓国特許出願第2020-0043228号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、5Gモバイルルーターに係り、より詳細には、直進性の強い5Gミリ波(Millimeter wave)を効率よく送受信することができる折り畳み式(foldable)モバイルルーター(mobile router)に関する。
【背景技術】
【0003】
5G移動通信は、波長が1~10mmと短く且つ周波数が30~300GHzであるミリ波(millimeter wave)を使用するが、周波数が高いため広帯域伝送が可能であり、波長が短くてアンテナ及び送受信装置の小型化及び軽量化が可能であるという利点を持つ。一方、ミリ波は、波動が遠く伝送されず容易に遮断される欠点を持っており、スマートフォンのアンテナが位置する部分に手を載せて置くと、信号が妨げられることもある。
【0004】
このようなミリ波の欠点を補うために、基地局では、ビームフォーミング(beamforming)が可能なアンテナアレイ(array)を活用して無線エネルギーを集中させて伝送範囲及び距離を拡張している。図1を参照すると、アンテナのアレイを使用する5G Massive MIMO基地局30及び各アンテナの位相を調節して方向性を有するように形成されたビーム信号31、33、35が示されている。スマートフォンやモバイルルーターなどの携帯用端末でも5G信号の送受信が必要であるので、基地局と同様にアンテナアレイを使用している。
【0005】
ところが、ビームで形成された信号31、33、35は、エネルギーが集中しているので伝送範囲及び距離が拡張されたが、このような強い直進性のため端末の受信アンテナの方向と角度によって受信感度が大きく異なる現象が発生する。したがって、端末のアンテナアレイがビームを垂直方向に近く受信するほど、受信感度が良くなる。一般に、5G信号は、図1に示すように、地上に対して水平方向33、水平-上方向35、水平-下方向31などで受信される場合が多いので、このとき、端末のアンテナアレイは、信号31、33、35を垂直方向に近く受信するために、地上に対して垂直に近い方向に配置させることが好ましい。
【0006】
モバイルルーターは、移動通信網と通信してデータを送受信し、自分のサービス半径に位置したモバイルノード(node)にアクセスリンク(access link)を提供するアクセスポイント(access point;AP)、基地局或いはホットスポット(hot spot)の役割を果たす携帯用機器であって、従来の5Gモバイルルーター40は、携帯性のために、図2に示すように、薄い厚さに作られる。このようなモバイルルーター40を所定の場所、例えばテーブル等に置いて使用するとき、最適な受信感度のためにアンテナアレイ41、43、45を垂直方向に配置させるには、図2に示すようにモバイルルーター40の各側面の狭い面に1×4、1×8、2×4、2×8などで細長く形成するしかない。このように細長く形成されたアンテナアレイを使用すると、受信感度に限界があり、送信の際に形成されるビームのエネルギー集中も限界がある。
【0007】
また、多様な「方向」及び「角度」を有するビーム信号を最適に受信するために、従来のモバイルルーター40は、図2に示すように細長く形成された複数のアンテナアレイ41、43、45を配置して、これらの中から最も感度の良い1つのアンテナを選択して信号を受信する。ところが、モバイルルーター40を信号が受信される特定の「方向」(東西南北など)を向くようにテーブルに置くことはできるが、水平方向33、水平-上方向35、水平-下方向31などの様々な角度で受信されるビーム信号を最適な「角度」で受信することは困難であるという問題がある。
【0008】
一方、モバイルルーターの幅方向にアンテナアレイ47を広く配置すると(図2参照)、受信感度も良くなり、ビームのエネルギー集中も良くなるが、所定の場所、例えばテーブルなどに置くと、直上方又は直下方のビーム受信にのみ最適化されるので、水平方向に受信されるビームを最適に受信するためには、モバイルルーター40を縦に立てて置かなければならないという不便さが発生する。
【0009】
本発明の背景となる技術は、韓国公開特許公報第10-2020-0008647号に開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、様々な方向と角度で送受信される5Gミリ波ビーム信号の送受信感度を最適にするために、アンテナアレイを最適な方向と角度で置かれるようにユーザーが調節することができるモバイルルーターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するための本発明の一実施形態によれば、基地局とミリ波を送受信するモバイルルーターであって、前記ミリ波を送受信するアンテナアレイを備える第1部材と、第2部材と、前記第1部材と前記第2部材とを連結する角度調節部と、を含むモバイルルーターが提供される。
【0012】
前記角度調節部は、前記アンテナアレイが前記ミリ波を特定の角度で送受信するために前記第1部材と前記第2部材が所定の角度に調節されるように形成されることができる。
【0013】
前記第1部材と前記第2部材とは、前記角度調節部を軸として折り畳み式で広げられたり折り畳まれたりすることができる。
【0014】
前記角度調節部は、ヒンジであり得る。
【0015】
前記アンテナアレイは、各アンテナの位相を調節して指向性ミリ波ビームを生成するように形成されることができる。
【0016】
前記モバイルルーターは、前記第1部材が所定の場所に置かれる方向、及び前記第1部材と前記第2部材とが広げられる角度による前記ミリ波の送受信感度を表示する感度表示部をさらに備えることができる。
【0017】
前記感度表示部は、音響を発生することができる。
【0018】
前記モバイルルーターは、前記ミリ波の送受信感度を調節するために前記第1部材が特定の方向に置かれるように所定の方向を表示する調節表示部をさらに含むことができる。
【0019】
前記表示される方向は、前記基地局から受信されるミリ波の位相に基づいて生成されることができる。
【0020】
前記モバイルルーターは、前記ミリ波の送受信感度を調節するために前記第1部材と前記第2部材が特定の角度で広げられるようにする所定の角度を表示する調節表示部をさらに含むことができる。
【0021】
前記表示される角度は、前記基地局から受信されるミリ波の位相に基づいて生成されることができる。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、本発明によれば、アンテナアレイを備える第1部材が5Gミリ波ビーム信号を特定の角度で送受信するために第2部材に対して所定の角度に広げられるようにすることにより、5Gミリ波の送受信感度を最適となるようにユーザーが調節することができるという効果がある。
【0023】
また、ユーザーをして、モバイルルーターが特定の方向に置かれるように所定の方向を表示するか、或いは第1、第2部材が特定の角度で広げられるように所定の角度を表示する調節表示部をさらに備えることにより、5Gミリ波ビーム信号を最適な方向と角度で受信することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】5G Massive MIMO基地局及びビーム信号を示す図である。
図2】従来のモバイルルーターに備えられるアンテナアレイの配置を示す図である。
図3】本発明の一実施形態によるモバイルルーターを示すブロック図である。
図4】本発明の一実施形態によるモバイルルーターを示すブロック図である。
図5】本発明の一実施形態によるモバイルルーターが様々な方向のビーム信号を受信することを示す図である。
図6】本発明の一実施形態によるモバイルルーターが多様な角度のビーム信号を受信することを示す図である。
図7】本発明の一実施形態による調節表示部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照して、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施し得るように本発明の実施形態を詳細に説明する。下記の説明では、本発明の実施形態による動作を理解するために必要な部分のみを図示及び説明し、それ以外の部分の図示及び説明は、本発明の要旨を不明確にしないように省略した。しかし、本発明は、様々な異なる形態で実現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0026】
また、以下に説明される本明細書及び請求の範囲で使用された用語又は単語は、通常的又は辞書的な意味に限定されて解釈されてはならず、本発明を最も適切に表現することができるように本発明の技術思想に合致する意味と概念として解釈されるべきである。
【0027】
本発明の様々な実施形態を説明するにあたり、対応する構成要素に対しては同じ名称及び同じ参照符号を付して説明する。本発明の実施形態を説明するために参照する図面において、構成要素の大きさや線の厚さなどは、理解の便宜上、誇張して表現されていてもよい。
【0028】
本明細書で使用される用語における単数の表現は、文脈上明らかに異なるように解釈されない限り、複数の表現を含むと理解されるべきであり、「含む」などの用語は、実施される特徴、個数、ステップ、動作、構成要素、部分品又はこれらの組み合わせが存在することを意味するものであり、1つ又はそれ以上の他の特徴、個数、ステップ、動作、構成要素、部分品又はこれらの組み合わせの存在又は付加の可能性を排除しないものと理解されるべきである。
【0029】
図面についての詳細な説明を行う前に、本明細書における構成部に対する区分は、各構成部が担当する主機能別に区分したものに過ぎないことを明確にしようとする。すなわち、以下で説明する2つ以上の構成部が1つの構成部に合わせられるか、或いは1つの構成部がより細分化された機能別に2つ以上に分化されて備えられることもできる。そして、以下で説明する構成部のそれぞれは、自分が担当する主機能以外にも、他の構成部が担当する機能のうち一部又は全部の機能を追加的に行うこともでき、構成部それぞれが担当する主機能の一部機能が他の構成部によって専門に担当されて行われてもよいのは言うまでもない。
【0030】
図3及び図4は、本発明の一実施形態によるモバイルルーター10を示すブロック図である。
【0031】
図3を参照すると、モバイルルーター10は、第1部材1、第2部材2、アンテナアレイ15、及び角度調節部13を含んで構成でき、調節表示部17、感度表示部19、4Gアンテナ(図示せず)などをさらに含んで構成でき、図3(a)はモバイルルーター10の斜視図であり、図3(b)はモバイルルーター10の側面図である。
【0032】
第1部材1は、アンテナアレイ15を備え、角度調節部13を介して第2部材2と連結されることができる。
【0033】
角度調節部13は、アンテナアレイ15が基地局30とミリ波を特定の角度で送受信するために、第1部材1と第2部材2が所定の角度に調節されるように形成されることができる。
【0034】
第1部材1と第2部材2は、角度調節部13を軸として折り畳み式で広げられたり折り畳まれたりすることができる。
【0035】
一例として、図4を参照すると、第1部材1と第2部材2とが角度調節部13を軸として、(a)垂直に広げられている場合、(b)完全に折り畳まれている場合、(c)完全に広げられている場合が示されており、この他にも、第1部材1と第2部材2とが様々な角度を形成することができるようにすることが好ましい。
【0036】
角度調節部13は、ヒンジであり得るが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0037】
アンテナアレイ15は、複数のパッチアンテナ21が平面状の行列として配置されて構成され得る。
【0038】
アンテナアレイ15は、第1部材の広さ方向に形成されることができる。
【0039】
パッチアンテナ21は、長方形、円形又は楕円形などの様々な形状を有することができる。
【0040】
パッチアンテナ21のアレイで構成されるアンテナアレイ15は、方向性が大きく且つ利得が高い指向性ミリ波ビームを生成するが、各パッチアンテナ21の位相を調節して特定の方向性を有するようにビーム信号を作ることができる。
【0041】
アンテナアレイ15は、モバイルルーター10の図3(b)に示されているように、方向性51又は53をもってビームを送受信することができる。
【0042】
モバイルルーター10は、5G信号を送受信するアンテナアレイ15の他に、4Gアンテナ(図示せず)をさらに備えることができる。5G信号が微弱な場合などに4G信号を受信することができるようにすることにより、信号が微弱なところ、例えば地下鉄などであるか、或いはモバイルルーター10をポケットに入れて移動するときなどに有用に使用することができる。特に、ポケットに入れやすくするために、図4(b)のように第1部材1と第2部材2とが完全に折り畳まれているときに4Gで使用するようにすれば、非常に有用であり得る。
【0043】
以下、本発明によるモバイルルーター10が様々な「方向」と「角度」で送受信される5Gミリ波ビーム信号の送受信感度がどのように最適となるように受信することができるかについて説明する。
【0044】
図5は、本発明の一実施形態によるモバイルルーターが様々な「方向」のビーム信号を受信することを示す図である。
【0045】
5Gビーム信号、図5に示すように、東西南北56、57、58、59などの如何なる方向からも受信されることができる。ビーム信号は、方向性が大きいので、特定の方向から5Gビーム信号が受信されると、モバイルルーター10がその特定の方向を向くように配置すればよい。すなわち、図5に示されている矢印55のように、モバイルルーター10のアンテナアレイ15が5Gビーム信号の受信方向を向くようにモバイルルーター10を回転させておくと、最適な感度を得ることができる。
【0046】
このとき、5Gビーム信号がどの方向に受信されるかは、感度表示部19を介して把握することができる。感度表示部19は、第1部材又は第2部材に備えられることができる。
【0047】
感度表示部19は、モバイルルーター10又は第1部材1が所定の場所に置かれる方向による5G信号(ミリ波)の送受信感度を表示し、ディスプレイ又は音響で送受信感度の大きさを表示することができる。
【0048】
したがって、感度表示部19を用いて最適な送受信感度を有するようにする方向を見つけることができる。例えば、モバイルルーター10を矢印55のように回転させながら、次第に音が大きくなる方向に回転させ続けてから、音が最も大きい方向を向くように置けばよく、ディスプレイの場合は、感度バーが次第に大きくなる方向に回転させ続けてから、感度バーが最も大きい方向を向くように配置すればよい。或いは、断続的な音を発生させるようにして、送受信感度が良い方向であるほど音の間隔が短くなるように構成することもできる。
【0049】
図6は、本発明の一実施形態によるモバイルルーターが様々な「角度」のビーム信号を受信することを示す図である。
【0050】
図5で説明した方法で、感度が最適な特定の「方向」(ビーム信号が受信される方向)を見つけたとしても、その特定方向のビーム信号は、様々な角度31、33、35によって受信感度は異なる。
【0051】
例えば、水平方向33、水平-上方向35、水平-下方向31などの様々な角度で受信されるビーム信号を最適な感度で受信するためには、受信されるビーム信号に対してできる限り垂直方向にアンテナアレイ15面を配置することが好ましい。もちろん、いろいろな諸環境や信号の位相などによって必ずしも垂直方向ではないこともある。
【0052】
したがって、図6に示されている3つの例に示すように、第1部材1と第2部材2の角度を調節して、できる限り第1部材1又はアンテナアレイ15が(水平方向33、水平-上方向35、水平-下方向31等の角度で受信される)ビーム信号を垂直に受信することができるようにすれば、最適な送受信感度となるようにすることができる。
【0053】
このとき、ビーム信号がどの角度で受信されるかは、感度表示部19を介して把握することができる。
【0054】
感度表示部19は、第1部材1と第2部材2が広げられる角度による5G信号(ミリ波)の送受信感度を表示し、ディスプレイ又は音響で送受信感度の程度を表示することができる。
【0055】
したがって、感度表示部19を用いて最適な送受信感度を持つようにする角度を見つけることができる。例えば、第1部材1と第2部材2の角度を調節しながら、次第に音が大きくなる角度で広げ続けてから、音が最も大きい角度で広げておけばよく、ディスプレイの場合は、感度バーが次第に大きくなる角度で広げ続けてから、感度バーが最も大きい角度に広げておけばよい。あるいは、断続的な音を発生させるようにして、送受信感度の良い角度であるほど音の間隔が短くなるように構成することもできる。
【0056】
図7は、本発明の一実施形態による調節表示部17を示す図である。
【0057】
図7(a)を参照すると、調節表示部17は、ユーザーが第1部材1と第2部材2との「角度」を調節することができるようにする情報を表示することができる。調節表示部17は、第1部材又は第2部材に備えられることができる。
【0058】
5Gビーム信号(ミリ波)の送受信感度をアップさせるために、第1部材1と第2部材2が特定の角度で広げられるようにする「所定の角度」を矢印などで表示することができる。例えば、現在広げられている角度よりも約20度程度さらに広げることが最適な送受信感度を示したら、ユーザーが第2部材2を約20度程度さらに広げるように矢印で表示することができる。
【0059】
このとき、最適な感度を示すために、第1部材1と第2部材2がどの角度に広げられるべきか、すなわち、調節表示部17に表示される角度は、基地局30から受信されるミリ波の位相(phase)に基づいて計算及び生成されることができる。
【0060】
また、調節表示部17は、ユーザーが第1部材1を特定の「方向」に置かれるようにすることができる情報を表示してもよい。
【0061】
5Gビーム信号(ミリ波)の送受信感度をアップさせるために、第1部材1が特定の方向に置かれるように「所定の方向」を矢印などで表示することができる。例えば、現在モバイルルーター10が置かれている方向よりも約30度程度反時計方向に回転させておくことが最適な送受信感度を示したら、ユーザーが第1部材1を約30度程度さらに回転させるように矢印で表示することができる。
【0062】
このとき、最適な感度を示すために、第1部材1がどの方向に置かれるべきか、すなわち、調節表示部17に表示される方向は、基地局30から受信されるミリ波の位相に基づいて計算及び生成されることができる。
【0063】
以上のように、本実施形態によれば、アンテナアレイ15を備える第1部材1が5Gミリ波ビーム信号を特定の角度で送受信するために第2部材2に対して所定の角度で広げられるようにすることにより、5Gミリ波の送受信感度を最適となるようにユーザーが調節することが可能である。
【0064】
また、ユーザーが、モバイルルーター10が特定の方向に置かれるように所定の方向を表示するか、或いは第1、第2部材が特定の角度で広げられるように所定の角度を表示する調節表示部17をさらに備えることにより、5Gミリ波のビーム信号を最適な方向と角度で受信することが可能である。
【0065】
以上、本発明は、図面に示された実施例を参考として説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、本技術分野の通常の知識を有する者であればこれから様々な変形及び均等な他の実施形態が可能であることを理解するであろう。したがって、本発明の真正な技術的保護範囲は、添付の特許請求の範囲の技術的思想によって定められるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7