(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】モジュラーヒータアセンブリと交換可能な補助感知接合部
(51)【国際特許分類】
H05B 3/03 20060101AFI20240813BHJP
H05B 3/10 20060101ALI20240813BHJP
H05B 3/48 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
H05B3/03
H05B3/10 A
H05B3/48
(21)【出願番号】P 2022560863
(86)(22)【出願日】2021-04-05
(86)【国際出願番号】 US2021025809
(87)【国際公開番号】W WO2021207092
(87)【国際公開日】2021-10-14
【審査請求日】2024-04-01
(32)【優先日】2020-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501162454
【氏名又は名称】ワットロー・エレクトリック・マニュファクチャリング・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オーセ、ジェレミー
(72)【発明者】
【氏名】シェファー、ダグラス
(72)【発明者】
【氏名】エリス、エリック
【審査官】古川 峻弘
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/273736(US,A1)
【文献】国際公開第2019/199506(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 3/00-3/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のヒータのそれぞれが抵抗発熱体を備える、前記複数のヒータと、
前記複数のヒータに電力を供給するためのコントローラと、
前記複数のヒータ
の前記抵抗発熱体から延び
て接続される複数セットの補助ワイヤと、
前記複数セットの補助ワイヤを前記コントローラに接続するためのワイヤハーネスと、
を具備し、
前記補助ワイヤの各セットは
、温度感知ワイヤ、補助電源ワイヤ及び補助電源戻しワイヤを含み、
前記補助ワイヤの各セットにおいて、前記温度感知ワイヤが熱電対接合部を形成する前記補助電源ワイヤ及び前記補助電源戻しワイヤのうちの1つに接合され、前記熱電対接合部が各ヒータの前記抵抗発熱体の端部に接続され、前記温度感知ワイヤの材質が前記補助電源ワイヤ及び前記補助電源戻しワイヤのうちの前記1つとは異なり、複数のヒータの各々がヒータと温度センサの両方として機能するように動作可能であるヒータシステム。
【請求項2】
前記
温度感知ワイヤの前記材質は、第1導電性材料で
あり、前記
補助電源ワイヤ
及び前記補助電源戻しワイヤの材質の前記材質は、第2導電性材料で
ある請求項1に記載のヒータシステム。
【請求項3】
前記第1導電性材料は、銅-ニッケル合金であり、前記第2導電性材料は、ニッケル-クロム合金である請求項2に記載のヒータシステム。
【請求項4】
前記ワイヤハーネスは、前記コントローラに直接接続された主電源ワイヤと主電源戻しワイヤとをさらに含み、前記主電源ワイヤ及び前記主電源戻しワイヤの一方は、前記複数セットの補助ワイヤの前記温度感知ワイヤと同じ材料で作られている請求項
1に記載のヒータシステム。
【請求項5】
前記複数セットの補助ワイヤに直接接続された複数のコネクタをさらに具備する請求項1に記載のヒータシステム。
【請求項6】
前記ワイヤハーネスは、主電源ワイヤ及び主電源戻しワイヤをさらに含み、前記主電源ワイヤと前記主電源戻しワイヤは、ヒータの1つを独立したヒータとしてルート決めするため、同一コネクタに選択的に接続される請求項
5に記載のヒータシステム。
【請求項7】
前記ワイヤハーネスは、主電源ワイヤと主電源戻しワイヤとをさらに含み、前記主電源ワイヤと前記主電源戻しワイ
ヤは、前記ヒータの少なくとも幾つかを直列に接続するように異なるコネクタに選択的に接続される請求項
5に記載のヒータシステム。
【請求項8】
抵抗発熱体を備えるヒータと、
温度感知ワイヤ、補助電源ワイヤ及び補助電源戻しワイヤを含み、前記ヒータ
の前記抵抗発熱体から延び
て接続される補助ワイヤのセットと、
を具備し、
前記温度感知ワイヤが熱電対接合部を形成する前記補助電源ワイヤ及び前記補助電源戻しワイヤのうちの1つに接合され、前記熱電対接合部が前記抵抗発熱体の端部に接続され、
前記
温度感知ワイヤと、前記補助電源ワイヤ及び前記補助電源戻しワイヤのうちの前記1つは、
前記ヒータがヒータと温度センサの両方として機能するように動作可能であるように、異なる材料で作られて
いる、
モジュラーヒータユニット。
【請求項9】
前記
温度感知ワイヤは、第1導電性材料で作ら
れ、前記補助電源ワイヤ及び
前記補助電源戻しワイヤ
は、第2導電性材料で作られている、請求項
8に記載のモジュラーヒータユニット。
【請求項10】
前記
補助ワイヤのセットに接続されるコネクタ部をさらに具備し、前記コネクタ部は、他のコネクタ部に直接又は接続ワイヤを介して接続されるように構成される請求項
9に記載のモジュラーヒータユニット。
【請求項11】
前記
補助ワイヤのセットのうちの2つだけが、電気回路の一部を形成するために別の電気部品に接続される請求項
9に記載のモジュラーヒータユニット。
【請求項12】
前記第1導電性材料は、銅-ニッケル合金であり、前記第2導電性材料はニッケル-クロム合金である請求項
9に記載のモジュラーヒータユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、抵抗ヒータ及び熱電対のような温度感知デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
このセクションの記述は、単に本開示に関連する背景情報を提供するものであり、先行技術を構成するものではない場合がある。
【0003】
抵抗ヒータは、ターゲット及び/又は環境に熱を提供するために様々な用途で使用されている。当該技術分野で知られている抵抗ヒータの1つのタイプは、カートリッジヒータであり、これは、一般に、セラミックコアの周りに巻かれた抵抗ワイヤ発熱体から構成されている。典型的なセラミックコアは、そこに配置された電源/端子ピンを持つ2つの長手方向の穴を定義している。抵抗ワイヤの一端は一方の電源ピンに電気的に接続され、抵抗ワイヤの他端は他方の電源ピンに電気的に接続されている。このアセンブリは、開放端と閉塞端、又は2つの開放端を持つ直径の大きな金属シースに挿入され、シースと抵抗ワイヤ/コアアセンブリの間に環状の空間を形成する。酸化マグネシウム(MgO)などの絶縁材料がシースの開口端に注入され、抵抗ワイヤとシース内面との間の環状空間に充填される。
【0004】
シースの開放端は、例えば、ポッティング化合物及び/又は個別のシール部材を用いて密閉される。次に、アセンブリ全体は、スウェージング又は他の適切なプロセスによってコンパクト化又は圧縮してシースの直径が小さくされ、これによりMgOをコンパクト化及び圧縮し、ピンに対してコアをつぶすようにセラミックコアを少なくとも部分的につぶして良好な電気接触及び熱伝達を確保にする。圧縮されたMgOは、発熱体とシースとの間に比較的良好な熱伝達経路を提供し、それはまた、発熱体からシースを電気的に絶縁する。
【0005】
ヒータが動作すべき適切な温度を決定するために、例えば熱電対のような個別の温度センサがヒータ上又はその近くに配置される。ヒータ及びその環境に個別の温度センサを追加することは、コストがかかり、加熱システム全体に複雑さを加えることになる。
【発明の概要】
【0006】
このセクションは、本開示の一般的な概要を提供し、その全範囲又はその特徴の全ての包括的な開示ではない。
【0007】
一態様において、ヒータシステムが提供され、このシステムは、複数のヒータと、複数のヒータに電力を供給するためのコントローラと、複数のヒータから延びる複数セットの補助ワイヤと、複数セットの補助ワイヤをコントローラに接続するためのワイヤハーネスと、を含む。補助ワイヤの各セットは3つのワイヤを含み、3つのワイヤのうちの2つは異なる材料で作られて熱電対接合部を形成するように接合され、複数のヒータの各々がヒータ及び温度センサの両方として機能するように動作可能である。
【0008】
他の特徴において、少なくとも3つのワイヤのうちの1つは、第1導電性材料で作られ、ワイヤの残りのものは、第2導電性材料で作られている。第1導電性材料は、銅-ニッケル合金であり、第2導電性材料は、ニッケル-クロム合金である。複数セットの補助ワイヤは、それぞれ温度感知ワイヤ、補助電源ワイヤ、及び補助電源戻しワイヤを含み、温度感知ワイヤは、補助電源ワイヤ及び補助電源戻しワイヤのうちの一方に接合されて熱電対接合部を形成している。また、熱電対接合部は、各ヒータの抵抗発熱体の端部に接合されている。ワイヤハーネスは、コントローラに直接接続された主電源ワイヤと主電源戻しワイヤとをさらに含み、主電源ワイヤ及び主電源戻しワイヤの一方は、温度感知ワイヤと同じ材料で作られている。
【0009】
さらに他の特徴において、ヒータシステムは、複数の補助ワイヤのセットに直接接続された複数のコネクタをさらに含む。ワイヤハーネスは、主電源ワイヤと主電源戻しワイヤとをさらに含み、主電源ワイヤと主電源戻しワイヤは、ヒータの1つを独立したヒータとして配線するために同じコネクタに選択的に接続されるか、ヒータの少なくともいくつかが直列に接続されるように異なるコネクタに選択的に接続される。
【0010】
別の態様において、少なくとも1つのヒータを制御する電力制御システムが提供され、このシステムは、コントローラと、コントローラに直接接続された主電源ワイヤ及び主電源戻しワイヤと、少なくとも1つのヒータを主電源ワイヤ及び主電源戻しワイヤに接続する第1ワイヤ及び第2ワイヤと、を含む。主電源ワイヤと第1電ワイヤは接続され、第1導電性材料で作られている。主電源戻しワイヤと第2電ワイヤは接続され、第1導電性材料とは異なる第2導電性材料で作られている。
【0011】
他の特徴において、第1導電性材料は、銅-ニッケル合金であり、第2導電性材料は、ニッケル-クロム合金である。電力制御システムは、主電源ワイヤ及び主電源戻しワイヤを少なくとも1つのヒータに接続するための少なくとも1つのコネクタをさらに含んでいる。
【0012】
さらに他の特徴において、電力制御システムは、複数の主電源ワイヤと、複数の主電源戻しワイヤと、複数のヒータに対応する複数のコネクタとを含むワイヤハーネスをさらに含んでいる。ワイヤハーネスは、複数のヒータが直列接続又は独立したヒータとして接続されるようにコントローラを複数のヒータに接続する。ワイヤハーネスは、複数のヒータが異なる順序で直列接続されるように、複数のコネクタを接続するための複数の接続ワイヤをさらに含んでいる。
【0013】
さらに別の形態において、モジュラーヒータユニットが提供され、このユニットは、ヒータと、ヒータから延びる3つのワイヤのセットとを含む。3つのワイヤのうちの2つは、異なる材料で作られており、熱電対接合部を形成するために接合される。
【0014】
他の特徴において、少なくとも3つのワイヤは、第1導電性材料で作られた温度感知ワイヤと、第1導電性材料とは異なる第2導電性材料で作られた補助電源ワイヤ及び補助電源戻しワイヤとを具備する。温度感知ワイヤは、補助電源ワイヤと補助電源戻しワイヤのうちの一方に接合されている。前記第1導電性材料は、銅-ニッケル合金であり、第2導電性材料は、ニッケル-クロム合金である。ヒータは抵抗発熱体を含み、熱電対接合部は抵抗発熱体の端部に接合されている。
【0015】
さらに他の特徴において、モジュラーヒータユニットは、少なくとも3つのワイヤのセットに接続されたコネクタ部をさらに具備する。コネクタ部は、他のコネクタ部に直接又は接続ワイヤを介して接続されるように構成される。少なくとも3つのワイヤのセットのうちの2つだけが、電気回路の一部を形成するために別の電気部品に接続される。
【0016】
適用可能な更なる領域は、本明細書に提供される説明から明らかになるであろう。説明及び具体例は、説明のみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図していないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本開示がよく理解されるように、次に、添付の図面を参照しながら、例として与えられるその様々な形態が説明される。
【0018】
【
図1】
図1は、本開示の教示に従って構築された二つの目的の電源ピンを有する抵抗ヒータの側断面図。
【0019】
【
図2】
図2は、
図1の抵抗ヒータと、本開示の教示に従って構築されたリードワイヤを有するコントローラの透視図。
【0020】
【
図3】
図3は、本開示の一態様に従って構築されたスイッチング回路と測定回路を示す回路図。
【0021】
【
図4】
図4は、複数の加熱ゾーンを有し、本開示の教示に従って構築されたヒータの代替形態の側断面図。
【0022】
【
図5】
図5は、順番に接続された複数のヒータを例示し、本開示の教示に従って構築された本開示の代替形態の側立面図。
【0023】
【
図6】
図6は、連続的に可変なピッチを有する抵抗素子を有し、本開示の教示に従って構築されたヒータの別の形態の側面断面図。
【0024】
【
図7】
図7は、複数の加熱ゾーンにおいて異なるピッチを有する抵抗体を有し、本開示の教示に従って構築されたヒータの別の形態の側断面図。
【0025】
【
図8】
図8は、ヒータを採用し、本開示の教示に従って構築された熱交換器の側面断面図。
【0026】
【
図9】
図9は、二つの目的の電源ピンを採用し、本開示の教示に従って構築された層状ヒータを例示する側断面図。
【0027】
【
図10】
図10は、本開示の教示に従った方法を例示するフロー図。
【0028】
【
図11】
図11は、本開示の教示に従って構成された流体浸漬加熱で使用するためのヒータの透視図。
【0029】
【0030】
【
図13】
図13は、本開示の教示に従った
図10のヒータの様々な接合部における温度の例示的な差異を示すグラフ。
【0031】
【
図14】
図14は、ゾーン内に複数のヒータコアを有し、本開示の教示に従って構成された本開示の別の態様の透視図。
【0032】
【
図15】
図15は、本開示の教示に従った一次感知接合部を有するヒータを示す図。
【0033】
【
図16】
図16は、本開示の教示に従った2つの一次感知接合部を有するヒータを示す図。
【0034】
【
図17A】
図17Aは、本開示の教示に従った一次感知接合部を有するカートリッジヒータの透視図。
【
図17B】
図17Bは、本開示の教示に従った一次感知接合部を有するカートリッジヒータの透視図。
【0035】
【
図18】
図18は、本開示の教示に従った一次感知接合部及び2線式発熱体を有する管状ヒータの透視図。
【0036】
【
図19】
図19は、本開示の教示に従って強化された温度測定機能を有する一次感知接合部を示す図。
【0037】
【
図20】
図20は、本開示の教示に従って構築された複数のヒータ及び電力制御システムを含むヒータシステムの概略図であり、電力制御システムは、複数のヒータを第1直列接続で接続して第1モジュラーヒータアセンブリを形成するワイヤハーネスを含む。
【0038】
【0039】
【
図21B】
図21Bは、ヒータ、ヒータから延びる3線機構、及びコネクタ部を含むモジュラーヒータユニットの概略図。
【0040】
【0041】
【
図23】
図23は、本開示の教示に従って構築された複数のヒータと電力制御システムとを含むヒータシステムの概略図であり、電力制御システムは、複数のヒータを第2直列接続で接続して、第2モジュラーヒータアセンブリを形成するワイヤハーネスを含んでいる。
【0042】
【
図24】
図24は、本開示の教示に従って構築された複数のヒータと電力制御システムとを含むヒータシステムの概略図であり、電力制御システムは、複数のヒータを第3直列接続で接続し、第3モジュラーヒータアセンブリを形成するワイヤハーネスを含んでいる。
【0043】
【
図25】
図25は、本開示の教示に従って構築された複数のヒータと電力制御システムとを含むヒータシステムの概略図であり、電力制御システムは、複数のヒータを独立したヒータと第4モジュラーヒータアセンブリに接続するワイヤハーネスを含んでいる。
【0044】
【0045】
【
図27】
図27は、本開示の教示に従って構築された複数のヒータと電力制御システムとを含むヒータシステムの電気の図であり、電力制御システムは、複数のヒータを独立したヒータと第5モジュラーヒータアセンブリに接続するワイヤハーネスを含んでいる。
【0046】
【
図28】
図28は、本開示の教示に従って構築された複数のヒータと電力制御システムとを含むヒータシステムの電気の図であり、電力制御システムは、複数のヒータを独立したヒータと第6モジュラーヒータアセンブリとに接続するワイヤハーネスを含んでいる。
【0047】
本明細書に記載された図面は、説明のためだけのものであり、本開示の範囲をいかなる形でも制限することを意図していない。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下の説明は、本質的に単なる例示であり、本開示、応用、又は用途を限定することを意図していない。図面全体を通して、対応する参照数字は、同様又は対応する部品及び特徴を示すことを理解されたい。
【0049】
図1を参照すると、本開示の教示によるヒータが図示され、一般に参照数字20で示されている。本形態のヒータ20は、カートリッジヒータであるが、本開示の教示は、本開示の範囲内に留まりながら、以下でより詳細に述べるように、他のタイプのヒータに適用され得ることが理解されるべきである。図示するように、ヒータ20は、2つの端部24及び26を有する抵抗発熱体22を具備し、抵抗発熱体22は、一例としてニクロム材料などの金属ワイヤの形態である。抵抗発熱体22は、非導電性部分(本形態ではコア)28の周りに巻かれるか、又は配置される。コア28は、近位端30及び遠位端32を規定し、少なくとも近位端30を通って延びる第1及び第2開口部34及び36をさらに規定する。
【0050】
ヒータ20は、第1導電性材料で作られた第1電源ピン40と、第1電源ピン40の第1導電性材料と異種の第2導電性材料で作られた第2電源ピン42と、をさらに具備する。さらに、抵抗発熱体22は、第1及び第2電源ピン40、42の第1及び第2導電性材料とは異種の材料で作られ、端部24で第1電源ピン40と第1接合部50を形成し、その他端26で第2電源ピン42と第2接合部52を形成している。抵抗発熱体22は、接合部50において第1電源ピン40とは異なる材料であり、接合部52において第2電源ピン42とは異なる材料であるので、熱電対接合が効果的に形成され、したがって、第1及び第2接合部50、52における電圧の変化が検出されて(以下でより詳細に規定するように)、別/個別の温度センサを使用せずにヒータ20の平均温度を決定することができる。
【0051】
一形態において、抵抗発熱体22はニクロム材料であり、第1電源ピン40はChromel(登録商標)ニッケル合金であり、第2電源ピン42はAlumel(登録商標)ニッケル合金である。代替的に、第1電源ピン40は鉄であり、第2電力42はコンスタンタンである可能性がある。3つの材料が異なり、接合部50及び52において熱電対接合が効果的に形成される限り、抵抗発熱体22、第1電源ピン40、及び第2電源ピン42に任意の数の異なる材料及びそれらの組み合わせを使用できることが当業者には理解されるはずである。本明細書に記載された材料は、単に例示的なものであり、したがって、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0052】
ある応用例において、ヒータ20の平均温度は、水分の存在を検出するために使用されてもよい。水分が検出された場合、水分管理制御アルゴリズムは、その後、ヒータ20を動作させ続けること及び可能な早すぎる故障ではなく、制御された方法で水分を除去するために、コントローラ(以下でより詳細に説明)を介して実装することができる。
【0053】
さらに示されるように、ヒータ20は、非導電性部分28を囲むシース60と、非導電性部分28の近位端30に配置され、シース60の中に少なくとも部分的に延びてヒータ組立品を完成させるシーリング部材62を含む。さらに、誘電体充填材料64が、抵抗発熱体22とシース60との間に配置される。カートリッジヒータの様々な構造及びさらなる構造的及び電気的詳細は、本願と共通に譲渡された米国特許第2,831,951号及び第3,970,822号にさらに詳細に記載されており、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。したがって、本明細書に例示された形態は単に例示的なものであり、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことが理解されるべきである。
【0054】
ここで
図2を参照すると、本開示は、電源ピン40、42と通信し、第1及び第2接合部50、52における電圧の変化を測定するように構成されたコントローラ70をさらに含む。より具体的には、コントローラ70は、接合部50、52におけるミリボルト(mV)変化を測定し、次に、これらの電圧変化を使用して、ヒータ20の平均温度を計算する。一態様において、コントローラ70は、抵抗発熱体22への電力を中断することなく、接合部50、52における電圧の変化を測定する。これは、例えば、AC入力電力信号のゼロクロスで読み取りを行うことによって達成してもよい。別の形態において、電力が中断され、コントローラ70は加熱モードから測定モードに切り替えて電圧の変化を測定する。平均温度が決定されると、コントローラ70は加熱モードに切り替わり、以下により詳細に説明される。より具体的には、一形態において、トライアックを使用してヒータ20へのAC電力を切り替え、電力信号のゼロクロスで、又はその付近で温度情報を収集する。本開示の範囲内に留まりながら、他の形態のACスイッチングデバイスを採用してもよく、したがって、トライアックの使用は単なる例示であり、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0055】
代替的に、
図3に示すように、FET72が、スイッチングデバイス及びDC電源によるFETのオフ期間中の電圧を測定する手段として使用される。一形態において、3つの(3)比較的大きな抵抗73、74、75が、測定回路76のための保護回路を形成するために使用される。このスイッチング及び測定回路は単に例示的なものであり、本開示の範囲を限定するものと解釈すべきではないことを理解されたい。
【0056】
図2に戻って、一対のリードワイヤ80が、第1電源ピン40及び第2電源ピン42に接続される。一態様において、リードワイヤ80は、例として、両方とも銅のような同じ材料である。リードワイヤ80は、コントローラ70に到達するために必要な電源ピンの長さを短縮するために設けられる一方、接合部82及び84における異なる材料によって別の接合を導入する。この形態において、コントローラ70が電圧の変化についてどの接合部が測定されているかを判断するために、コントローラ70が測定している接合部を識別するために信号ワイヤ86と88を切り替えるように、信号ワイヤ86と88が採用されてもよい。代替的に、信号ワイヤ86及び88は除去されてもよく、リードワイヤ接合部82及び84に亘る電圧の変化は、コントローラ70内のソフトウェアを通じて無視できるか又は補償され得る。
【0057】
ここで
図4を参照すると、本開示の教示は、複数のゾーン90、92及び94を有するヒータ20'に適用してもよい。ゾーンの各々は、上述のように、それ自身の電源ピン40'、42'及び抵抗発熱体22'のセットを含む(明確化のために、1つのゾーン90のみが図示されている)。このマルチゾーンヒータ20'の1つの形態において、コントローラ70(図示せず)は、電圧変化を検出するために、ゾーンの各々の端部96、98、及び100と通信し、それによってその特定のゾーンの平均温度を決定するであろう。代替的に、コントローラ70は、ヒータ20'の平均温度と、上記のように水分が存在する可能性があるか否かを決定するために、端部96のみと通信することができる。3つの(3)ゾーンが示されているが、本開示の範囲内に留まりながら、任意の数のゾーンが採用され得ることが理解されるべきである。
【0058】
ここで
図5に目を向けると、本開示の教示は、複数の別々のヒータ100、102、104、106、及び108に適用されてもよく、これらはカートリッジヒータであり得、示されるように順に接続される。各ヒータは、図示のように、抵抗発熱体に対する異種電源ピンの第1及び第2接合部を具備し、よって、各ヒータ100、102、104、106、及び108の平均温度は、上記のようにコントローラ70によって決定されることができる。別の形態において、ヒータ100、102、104、106、108の各々は、独自の電源ピンを有し、この複数のヒータ形態の複雑さを低減するために、単一の電源戻しピンが全てのヒータに接続される。カートリッジヒータを有するこの形態において、各コアは、連続する各ヒータのための電源ピンを収容するための通路を含んでもよい。
【0059】
ここで
図6及び
図7を参照すると、抵抗発熱体110のピッチは、ヒータ120に沿って調整された熱プロファイルを提供するために、本開示の別の形態に従って変化させることができる。一態様(
図5)において、抵抗発熱体110は、その長さに沿って連続的に可変のピッチを規定する。より具体的には、抵抗発熱体110は、すぐ隣の次の360度コイルループ上のピッチP4-P9の増加又は減少に対応する能力を有する連続的に可変なピッチを有する。抵抗発熱体110の連続可変ピッチは、ヒータ表面(例えば、シース112の表面)の磁束密度を緩やかに変化させる。この連続可変ピッチの原理は、充填断熱材114を有する管状ヒータに適用されるものとして示されているが、原理はまた、限定されないが、上記に規定されるカートリッジヒータを含む任意のタイプのヒータに適用され得る。加えて、上に述べたように、第1電源ピン122は第1導電性材料で作られ、第2電源ピン124は第1電源ピン122の第1導電性材料とは異種の第2導電性材料で作られ、一方、抵抗発熱体110は、第1及び第2電源ピン122、124の第1及び第2導電性材料とは異なる材料で作られるので、第1及び第2接合126、128での電圧変化が検出されてヒータ120の平均温度を決定することができる。
【0060】
別の形態(
図7)において、抵抗発熱体130は、ゾーンA、B、CにおいてそれぞれピッチP1、P2、P3を有する。P3はP1より大きく、P1はP2より大きい。抵抗発熱体130は、図示のように、各ゾーンの長さに沿って一定のピッチを有している。同様に、第1電源ピン132は第1導電性材料で作られ、第2電源ピン134は第1電源ピン132の第1導電性材料とは異種の第2導電性材料で作られ、一方、抵抗発熱体130は第1及び第2接合部136、138における電圧の変化が検出されてヒータ120の平均温度を決定するように、第1及び第2電源ピン132、134の第1及び第2導電性材料とは異質の材料で作られる。
【0061】
図8を参照すると、本明細書に記載されるようなヒータ及び二つの目的の電源ピンは、熱交換器140を例として含む多数の用途を有する。熱交換器140は、1つ又は複数の発熱体142を含んでもよく、発熱体142の各々は、本開示の範囲内に留まりながら、図示及び上述したように、ゾーン又は可変ピッチ抵抗発熱体をさらに含んでもよい。熱交換器の用途は単に例示的なものであり、本開示の教示は、その温度が絶対的であるか、又は上記に規定されるような水分の存在などの別の環境条件に対してであるかどうかに関わらず、温度測定も必要としながら熱が提供されている任意の用途で採用され得ることを理解されたい。
【0062】
図9に示すように、本開示の教示は、層状ヒータ150などの他のタイプのヒータに適用することもできる。一般に、層状ヒータ150は、基板154に適用される誘電体層152と、誘電体層152に適用される抵抗加熱層156と、抵抗加熱層156の上に適用される保護層158と、を含む。接合部160は、抵抗層158のトレース(trace)の一端と第1リードワイヤ162(明確化のため一端のみを示す)との間に形成され、同様に第2接合部が別の端部に形成され、上記に示した本開示の原理に従って、ヒータ150の平均温度を決定するためにこれらの接合部における電圧変化が検出される。このような層状ヒータは、本願と共通に譲渡された米国特許第8,680,443号により詳細に図示及び説明され、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0063】
上記のようなカートリッジ、管状、及び層状ヒータではなく、又はこれに加えて、他のタイプのヒータも、本開示の教示に従って採用することができる。これらの追加のタイプのヒータは、一例として、ポリマーヒータ、フレキシブルヒータ、ヒートトレース、及びセラミックヒータを含んでもよい。これらのタイプのヒータは、単に例示的なものであり、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことを理解されたい。
【0064】
ここで
図10を参照すると、本開示の教示に従った少なくとも1つのヒータを制御する方法が示されている。本方法は、以下のステップを含む。
【0065】
(A)電源ピンに電力を供給するためと、電源戻しピンを介して電力を戻すために、加熱モードを作動させることであり、電源ピンが第1導電性材料で作られ、電源戻しピンが第1導電性材料と異種である導電性材料で作られている。
【0066】
(B)電源ピンに電力を供給し、両端を有し、電源ピン及び戻りピンの第1及び第2導電性材料とは異なる材料からなる抵抗発熱体に電力を供給し、抵抗発熱体は一端で電源ピンとの第1接合部を形成し、他端で電源戻しピンとの第2接合部を形成し、さらに電源戻しピンを通じて電力を供給すること。
【0067】
(C)ヒータの平均温度を決定するため、第1及び第2接合部において電圧の変化を測定すること。
【0068】
(D)ステップ(C)で決定された平均温度に基づいて、必要に応じてヒータに供給される電力を調整すること;及び
【0069】
(E)ステップ(A)-(D)を繰り返すこと。
【0070】
この方法の別の形態において、破線で示すように、コントローラが電圧の変化を測定する測定モードに切り替わる間、ステップ(B)が中断され、その後、コントローラが加熱モードに戻される。
【0071】
本開示のさらに別の態様が
図11-13に示されており、流体浸漬加熱に使用するためのヒータが図示され、一般に参照数字200で示されている。ヒータ200は、流体内に浸漬するように構成された加熱部分202を具備し、加熱部分202は、複数の抵抗発熱体204と、加熱部分202と連続する少なくとも2つの非加熱部分206、208(
図12において1つの非加熱部分206のみが示されている)とを含む。各非加熱部分206、208は、長さを規定し、複数の発熱体204に電気的に接続された対応する複数セットの電源ピンを具備する。より具体的には、各セットの電源ピンは、第1導電性材料で作られた第1電源ピン212と、第1電源ピン212の第1導電性材料と異種の第2導電性材料で作られた第2電源ピン214を具備する。第1電源ピン212は、非加熱部206、208内で第2電源ピン214に電気的に接続され、接合部220、230、240を形成する。さらに示されるように、第2電源ピン214は、加熱部分202内に延び、対応する抵抗発熱体204に電気的に接続される。さらに、第2電源ピン214は、第2電源ピン2
14と抵抗発熱体204との間の接続部において別の接合部又は測定可能な量の熱を生じないように、対応する抵抗発熱体204よりも大きい断面積を画定する。
【0072】
さらに示されるように、終端部分250は、非加熱部分206と連続しており、複数の第1電源ピン212は、非加熱部分206を出て、リードワイヤ及びコントローラ(図示せず)に電気的に接続するために終端部分250に延在している。前の説明と同様に、抵抗発熱体204の各々は、第1及び第2電源ピン212、214の第1及び第2導電性材料とは異なる材料で作られており、第1電源ピン212の第2電源ピン214への接合部220、230、240の各々は、非加熱部分206、208の長さに沿った異なる位置に配置されている。より具体的には、そして一例として、接合部220は距離L1 にあり、接合部230は距離L2にあり、接合部240は距離L3にある。
【0073】
図13に示すように、時間「t」に亘る接合部220、230、240の温度で、接合部220は流体Fに浸漬し、接合部230は浸漬しているが流体の深さはそれほどではなく、接合部240は浸漬していない。したがって、接合部220、230、及び240のそれぞれにおける電圧の変化を検出することにより、加熱部202に対する流体レベルの指標を提供することができる。特に、調理/フライヤー用途で流体が油である場合、火災を引き起こさないように、動作中に加熱部202が空気にさらされないようにすることが望まれる。本開示の教示による接合部220、230、及び240により、コントローラは、流体レベルが加熱部分202に近過ぎるかどうかを判断し、したがってヒータ200から電力を切断することができる。
【0074】
この例において、3つの(3)接合部220、230、及び240が例示されているが、接合部が加熱部分202内に無いことを条件として、本開示の範囲内に留まりながら任意の数の接合部が採用され得ることが理解されるべきである。
【0075】
ここで
図14を参照すると、本開示のさらに別の態様は、示されるように、ヒータシステム270のゾーンに配置された複数のヒータコア300を含む。この例示的な形態におけるヒータコア300は、上述したようにカートリッジヒータであるが、本明細書に規定するような他のタイプのヒータも採用され得ることを理解されたい。したがって、本開示の本形態におけるカートリッジヒータの構造は、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0076】
各ヒータコア300は、図示のように、複数の電源ピン301、302、303、304、305を含む。上述した形態と同様に、電源ピンは異なる導電性材料で作られており、より具体的には、電源ピン301、304、305は第1導電性材料で作られ、電源ピン302、303、306は第1導電性材料と異種の第2導電性材料で作られる。さらに示すように、少なくとも1つのジャンパー320は、ジャンパー320の位置に近接した温度測定値を得るために、異種電源ピン、この例では電源ピン301と電源ピン303の間に接続される。ジャンパー320は、例えば、ジャンパー320の場所に近接する温度を示すミリボルト信号を得るのに十分なリードワイヤ又は他の導電性部材であってもよく、これは図示され上述したようにコントローラ70とも通信している。任意の数のジャンパー320が、異種電源ピンを横切って使用されてもよく、別の場所は、ゾーン3とゾーン4の間の電源ピン303と電源ピン305の間のジャンパー322に図示される。
【0077】
この例示的な形態において、電源ピン301、303、及び305は、それぞれ隣接する電源ピン302、304、及び306の間のヒータ回路のニュートラルレッグ(neutral legs)である。より具体的には、ゾーン1におけるヒータ回路は、電源ピン301と302の間にあり、これらの電源ピンの間に抵抗発熱体(例えば、
図1に示す要素22)があることになる。ゾーン2のヒータ回路は、電源ピン303と304の間にあり、これら2つの電源ピンの間に抵抗発熱体が配置されることになる。同様にゾーン3のヒータ回路は、電源ピン305と306の間にあり、これら2つの電源ピンの間に抵抗発熱体があることになる。これらのヒータ回路は単に例示的なものであり、上述したカートリッジヒータの教示に従って、
図1を参照しながら構成されていることを理解されたい。本開示の範囲内に留まりながら、複数のヒータコア300及びゾーンを有するヒータ回路の任意の数及び構成が採用され得る。4つの(4)ゾーン及びカートリッジヒータ構造の図示は、単に例示であり、異種電源ピン及びジャンパーは、他のタイプのヒータと共に、及び本開示の範囲内に留まりながらゾーンの異なる数及び/又は構成で採用され得ることが理解されるべきである。
【0078】
ここで
図15を参照すると、1つの形態において、ヒータ400は、温度を測定するためにヒータ400内又はヒータ400の外側に配置することができる一次感知接合部を含むように構成される。ヒータ400は、抵抗発熱体402と、第1電源ピン404と、第2電源ピン406とを含む。抵抗発熱体402は、第1端部と第2端部とを有する。第1電源ピン40
4は、抵抗発熱体402の第1端部に接続されて第1接合部408を形成し、第2電源ピン406は、抵抗発熱体402の第2端部に接続されて第2接合部410を形成している。第1電源ピン404及び第2電源ピン406は、コントローラを介して発熱体402に電力を供給するように動作可能である。
【0079】
第2電源ピン406は、第1リードワイヤ412と第2リードワイヤ414を含む。第1リードワイヤ412は、抵抗発熱体402の第2端部に接続されて第2接合部410を形成し、第2リードワイヤ414は、第1リードワイヤ412に接続されて第1基準領域において一次感知接合部416を形成する。第2リードワイヤ414は、第1リードワイヤ412を経由して抵抗発熱体402をコントローラに接続するように構成される。
【0080】
一形態において、第1リードワイヤ412及び第2リードワイヤ414は、異種の導電性材料、より詳細には、異なるゼーベック係数を有する材料で作られる。例えば、ニッケル合金、鉄、コンスタンタン、Alumel(登録商標)等の様々な組み合わせが使用できる。第1リードワイヤ412と第2リードワイヤ414の材料の違いは、
図15の異なる様式のワイヤ(例えば、第2リードワイヤ414はダッシュワイヤ、第1リードワイヤ412は破線点ワイヤ)で表されている。材料が異なるので、一次感知接合部416は、第1基準領域における温度を決定するために測定される電圧変化を生成するため、実質的に熱電対である。したがって、この形態において、抵抗発熱体402に接続するための接合部408及び410は、感知場所から離間している。このため、ヒータ400は、発熱体402の端部の温度を検出することに限定されず、ヒータ400内の様々な場所で温度の測定値を検出することができる。さらに、一態様において、第1リードワイヤ412及び第2リードワイヤ414は、一次感知接合部416をヒータ400の外部に有するように構成される。
【0081】
図2に関して説明したように、コントローラ(
図15には示されていない)は、第1電源ピン404及び第2電源ピン406と通信しており、電源ピン404及び406を介して抵抗発熱体402に電力を供給するように構成されている。また、コントローラは、材料のゼーベック係数を用いて、感知接合部416によって生じる電圧変化に基づき第1基準領域における温度を計算するように構成されている。
【0082】
一形態において、抵抗発熱体402、第1電源ピン404、及び第2電源ピン406の第1リードワイヤ412は、同じ導電性材料で、又は同様のゼーベック特性を有する材料(すなわち、実質的に同じゼーベック係数)で作られる。従って、第1接合部408及び第2接合部410で生じる電圧変化は実質的にゼロであり、コントローラによって決定される温度測定は、一次感知接合部416によって生じる電圧変化に基づいている。
【0083】
別の形態において、抵抗発熱体402、第1電源ピン404、及び/又は第2電源ピン406の第1リードワイヤ412は、異なる導電性材料で作られる。このような構成において、第2リードワイヤ414の材料は、第2リードワイヤ414のゼーベック係数が、抵抗発熱体402、第1電源ピン404、及び第2電源ピン406の第1リードワイヤ412の係数と最も異種であるように選択される。従って、一次感知接合部416は、全体の温度測定に対する最大の寄与者として提供され、第1及び第2接合部408及び410からの任意の温度測定は最小化される。
【0084】
上述したように、温度は、電力信号のゼロクロスで検出することができる。代替的に、コントローラは、抵抗発熱体に電力を向けるための加熱モードと、基準領域での温度を決定するために一次感知接合416での電圧の変化を測定するための測定モードとを切り替えるように構成される。
【0085】
図16を参照すると、一形態において、ヒータ420は、2つの感知接合部の間の仮想点における温度を検出するために、互いに近接した2つの感知接合部を含む。ここで、ヒータ420は、抵抗発熱体422と、第2電源ピン424と、第1電源ピン426を具備する。抵抗発熱体422は、第1端部と第2端部を含む。第1電源ピン426は、発熱体422の第1端部と第1接合部428を形成し、第2電源ピン424は、発熱体422の第2端部と第2接合部430を形成する。第2電源ピン424は、
図15の第2電源ピン406と同様に構成され、したがって、抵抗発熱体422に接続されて第2接合部430を形成する第1リードワイヤ432と、第1リードワイヤ432に接続されてヒータ420内の第1基準領域で一次感知接合部440を形成する第2リードワイヤ434と、を含んでいる。
【0086】
この形態において、第1電源ピン426は、第2電源ピン424と同様に構成され、感知接合を形成する2つのリードワイヤ(すなわち、第3リードワイヤ436及び第4リードワイヤ438)を含む。より詳細には、第3リードワイヤ436は抵抗発熱体422の第1端部に接続されて第1接合部428を形成し、第4リードワイヤ438は第2基準領域で第3リードワイヤ436と第2一次感知接合部442を形成する。第2一次感知接合442は、第1一次感知接合440を有する第1基準領域に隣接して近接するヒータ420の第2基準領域に設けられる。感知接合部440及び442は、ヒータ420の内部に設けられているが、感知接合部440及び442は、ヒータ420の外部に設けられてもよい。
【0087】
第2電源ピン424と同様に、第3リードワイヤ436は、第4のリードワイヤ438のものとは異なる導電性材料で作られており、第2電源ピン424の第2リードワイヤ434のものとは異なる導電性材料である。従って、第2一次感知接合部442は、第1基準領域と第2基準領域の間の温度を決定するために第1一次感知接合部と共に使用される熱電対として有効である。さらに、抵抗発熱体422、第2電源ピン424の第1リードワイヤ432、及び第1電源ピン426の第3リードワイヤ436は、第1接合部428及び第2接合部430によって生じる電圧変化が実質的にゼロであり、コントローラによって決定される温度測定が感知接合部440及び442での電圧変化に基づくように、同じ導電性材料又は同様のゼーベック特性を有する材料で作られる。
【0088】
コントローラ(
図16には示されていない)は、第1電源ピン426及び第2電源ピン424を介して発熱体422に電力を供給し、接合部440及び442によって生じる電圧変化に基づき2つの感知接合部440及び442の間の仮想点での温度を測定するように構成される。一態様において、第1及び第2基準領域における温度は実質的に同じであると推定され、このため、コントローラによって検出される温度は、第1及び第2基準領域間の仮想点と関連付けられる。
【0089】
図17A及び
図17Bを参照すると、一形態において、一次感知接合部は、ヒータの外側の仮想点又はヒータ内の基準領域での温度を測定するためにカートリッジヒータに設けられる。
図17Aは、金属ワイヤの形態の抵抗発熱体452と、第1電源ピン454と、第2電源ピン456とを含むカートリッジヒータ450を示す。カートリッジヒータ450は、ヒータ450の外側に設けられた2つの感知接合部を含み、2つの感知接合部の間の仮想点における温度を測定するように構成される。
【0090】
より詳細には、一形態において、抵抗発熱体452は、
図1に関して説明したように、非導電性部分(又は、この形態においてコア)の周りに巻回されるか、又は配置される。第1電源ピン454は、第1リードワイヤ458と第2リードワイヤ460とを含む。第1リードワイヤ458は、抵抗発熱体452の第1端に接続されて第1接合部462を形成し、第2リードワイヤ460は、ヒータ450の外部の第1基準領域で第1リードワイヤ458と第1一次感知接合部464を形成する。第2電源ピン456は、第3リードワイヤ466と第4リードワイヤ468とを含む。第3リードワイヤ466は、抵抗発熱体452に接続され、第2接合部470を形成する。第4のリードワイヤ468は、第3リードワイヤ466に接続され、ヒータ450の外側の第2基準領域において第2一次感知接合部472を形成する。第1及び第2一次感知接合部464及び472は、互いに隣接し、近接して配置される。
【0091】
一態様において、抵抗発熱体452、第1電源ピン454の第1リードワイヤ458、及び第2電源ピン456の第3リードワイヤ466は、同じ材料又は同様のゼーベック特性を有する材料で作られており、第1電源ピン454の第2リードワイヤ460及び第2電源ピン456の第4リードワイヤ468の材料とは異なっている。さらに、第1電源ピン454の第2リードワイヤ460の材料は、第2電源ピン456の第4リードワイヤ468の材料とは異なっている。従って、第1及び第2一次接合部464、472は、熱電対として動作し、2つの接合部464、472の間の仮想点における温度を検出する。
【0092】
図17Bは、ヒータ内に配置された1つの一次感知接合部を有するカートリッジヒータ480を示している。カートリッジヒータ480は、2つの端部を有する抵抗発熱体482と、第1電源ピン484と、第2電源ピン486とを含む。第1電源ピン484は、発熱体482の第1端部と第1接合部488を形成し、第2電源ピン486は、発熱体482の第2端部と第2接合部490を形成する。
図15のヒータと同様に、第2電源ピン486は、異なる材料で作られた(すなわち、異なるゼーベック係数を有する)第1リードワイヤ492及び第2リードワイヤ494を含む。第1リードワイヤ492は、抵抗発熱体482の第2端部に接続されて第2接合部490を形成し、第2リードワイヤ494は、第1リードワイヤ492に接続されてヒータ480内の第1基準領域で一次感知接合部496を形成する。従って、一次感知接合部490は、第1基準領域における温度を測定するための熱電対として動作可能である。
【0093】
1つの形態において、抵抗発熱体482、第1電源ピン484、及び第2電源ピン486の第1リードワイヤ492は、同じ導電性材料で、又は同様のゼーベック特性を有する材料で作られている。従って、第1接合部488及び第2接合部490によって生じる電圧変化は実質的にゼロであり、コントローラによって決定される温度測定は、一次感知接合部490によって生じる電圧変化に基づいている。
【0094】
図18を参照すると、本開示の一次感知接合部は、ヒータの内面とヒータの外面との間の温度を推定するための熱流束(heat flux)センサの一部として使用することもできる。より詳細には、一形態において、ヒータ500は、管を通って続く流体(例えば、ガス)を加熱するように動作可能であり、抵抗発熱(すなわち、熱)体502(ファントム線(phantom lines)で示されている)、第1電源ピン504、及び第2電源ピン506を含んでいる。
図18には完全に図示されていないが、抵抗発熱体502は、ヒータ500を通って延びるように構成されており、カバーによって保護されている。第1電源ピン504及び第2電源ピン506は、ヒータ500のカバー内に延びて、発熱体502の第1端部との第1接合部、及び発熱体502の第2端部との第2接合部をそれぞれ形成している。
【0095】
抵抗発熱体502は、ヒータとして及び温度センサとして機能するような「2線式」発熱体である。このような2線式機能は、例えば、本願と共通に譲渡され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,196,295号に開示されている。一般に、2線式システムの場合、発熱体502は、高い抵抗温度係数(TCR)材料で作られる。コントローラ(
図18には示されていない)は、第1及び第2電源ピン504及び506と通信しており、電源ピン504及び506に亘る電圧(すなわち、mV)変化を測定するように構成される。電圧変化を用いて、コントローラは、抵抗発熱体502の平均温度(例えば、約R1)を計算する。
【0096】
第1電源ピン504は、第1リードワイヤ508及び第2リードワイヤ510を含み、これらは異なる材料(すなわち、異なるゼーベック係数を有する)で作られている。第1リードワイヤ508は、発熱体502との第2接合部を形成し、第2リードワイヤ510は、ヒータ500(すなわち、発熱体502とは異なる面に沿っている)の外面(すなわち、R2)に沿っている第2基準領域において第1リードワイヤ508との一次感知接合部512を形成している。したがって、一次感知接合部512は、感知接合部512によって生じる電圧変化に基づき第2基準領域における温度を測定するために、熱電対として動作可能である。抵抗発熱体502、第2電源ピン506、及び第1電源ピン504の第1リードワイヤ508は、同じ材料で作られるか、又は類似のゼーベック特性を有する材料で作られる。
【0097】
一態様において、コントローラは、発熱体502の温度測定、一次感知接合部512での温度、及びコントローラからヒータ500に供給される電力に基づいて、ヒータ500の内面(すなわち、第1基準領域)と外面(第2基準領域)との間の仮想点での温度を推定するように構成される。より具体的には、コントローラは、2線式システムに関して説明したように、電源ピン506及び504に亘る電圧変化を用いて、第1基準領域における発熱体の平均温度を決定する。コントローラはさらに、一次感知接合部512によって生じる電圧変化と、第1及び第2リードワイヤ508及び510のゼーベック係数とに基づいて、第2基準領域での温度を決定する。2つの測定値、供給されている電力、及びヒータの形状を使用して、コントローラは、ヒータ500内の所望の位置(例えば、ヒータ内の任意の位置)における第3基準領域での温度を計算してもよい。さらに、ヒータ500の形状が既知である場合、コントローラは、ヒータ500の内表面と外表面との間の熱流束を決定するように構成することもできる。熱流束は、例えば、冷たい流体の進入領域の検出、温度設定値の調整、及び/又は他の適切なシステム制御に使用することができる。ヒータ500はチューブとして図示されているが、ヒータは、他の適切な形状(例えば、平板)で構成されてもよく、依然として本開示の範囲内である。
【0098】
さらに、一態様において、ヒータ500が通電される前に、一次感知接合部512が高TCR要素ワイヤ(すなわち、発熱体502)と同じ又は実質的に同じ温度であるように、ヒータ500は実質的に室温である。コントローラは、一次感知接合部512を使用して温度を測定し、さらに発熱体502の抵抗を測定するように構成される。コントローラは、ヒータ500の抵抗値を一次感知接合部512によって測定された温度と関連付け、この基準値を使用して他の抵抗を温度に変換し、それによって発熱体502を較正する。
【0099】
図19を参照すると、一次感知接合は、表面に沿った温度測定を改善するために様々な好適な方法で構成することができる。例えば、一形態において、一次感知接合部550は、異なる材料からなる第1リードワイヤ552及び第2リードワイヤ554によって形成される。感知接合部550は、平面形状(すなわち、平坦)を有し、表面との熱接触を改善し、発熱体から来る熱を拡散させるために、熱伝導性材料(例えば、銅)である熱拡散器556によって囲まれる。
【0100】
本開示の一次感知接合部は、熱電対として動作し、ヒータ内の異なる場所、さらにはヒータの外側での温度測定を可能にする。したがって、温度測定は、発熱体の端部に制限されない。さらに、ヒータは、もはや個別の温度センサを必要とせず、それによってヒータの複雑化を低減する。
【0101】
図20を参照すると、電力制御システム600と、電力制御システム600に接続されて制御される複数のヒータ602、604、606、608と、を含むヒータシステム700が示されている。電力制御システム600は、コントローラ610と、ワイヤハーネス612と、複数のヒータに接続され、そこから延びる複数セットの補助ワイヤ632、634、636とを含んでいる。ワイヤハーネス612及び複数セットの補助ワイヤ632、634、636は、コントローラ610を複数のヒータ602、604、606、608に接続する。複数のヒータは、第1ヒータ602と、第2ヒータ604と、第3ヒータ606と、第4ヒータ608とを含む。ワイヤハーネス612は、複数のヒータ602、604、606、608の一部又は全部を直列に接続して、異なるモジュール式ヒータアセンブリを形成するため、又は単体のヒータとして、又はそれらの組み合わせとして使用されてもよく、以下により詳細に説明される。任意の数のヒータがワイヤハーネス612によって接続されてもよく、ヒータは、本開示の範囲から逸脱することなく任意のタイプのヒータであってもよい。コントローラ610は、複数のヒータ602、604、606、608に電力を供給し、ヒータから送信される温度信号に基づいて複数のヒータ602、604、606、608の温度を決定し、測定された温度と目標温度とに基づき複数のヒータ602、604、606、608の温度を制御するように構成される。
【0102】
ワイヤハーネス612は、コントローラ610を複数のヒータ602、604、606、608に接続するための複数のコネクタ614、616、618、620及び複数の電気ワイヤを含む。一形態において、複数のコネクタ614、616、618、620は、広範囲の電力及び信号伝送オプションを可能にするためにピン及びソケットを内蔵し、コネクタと電気ワイヤとの間の接続/取り外しが容易かつ迅速にできるように構造的に設計されている円形プラスチックコネクタ(CPC)であってもよい。
図20の例示的な例において、複数のコネクタ614、616、618、620の数は、ヒータのそれぞれが対応するコネクタを介して別のヒータ(複数可)又はコントローラ610に接続されるように、複数のヒータ602、604、606、608の数と同じである。
【0103】
図20の例示的な例において、複数の電気ワイヤは、主電源ワイヤ622と、主電源戻しワイヤ624と、複数の接続ワイヤ626、628、630と、を含む。主電源ワイヤ622及び主電源戻しワイヤ624は、それぞれ、複数のヒータ602、604、606、608に電流を流すためのコントローラ610に直接接続されている。複数の接続ワイヤは、コネクタ614、616、618、620のうちの1つをコネクタ614、616、618、620のうちの別の1つに接続するための第1接続ワイヤ
626、第2接続ワイヤ
628、及び第3接続ワイヤ
630を含んでいる。複数セットの補助ワイヤは、コネクタ614、616、618、620と複数のヒータ602、604、606、608との間に配置される。3つの(3)接続ワイヤ及び4つの(4)ヒータは単に例示的なものであり、本明細書における図示及び説明は、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことが理解されるべきである。また、本開示の範囲から逸脱することなく、複数セットの補助ワイヤは、代替的に導電性ピンの形態に構成されてもよいことが理解される。
【0104】
図21Aを参照すると、対応するヒータのための補助ワイヤの各セットは、3つのワイヤを含み、3つのワイヤのうちの2つは、異なる材料で作られ、熱電対接合部635を形成するように接合され、それはまたヒータ602の抵抗発熱体637の端部に接合される。より具体的には、各セットの補助ワイヤは、温度感知ワイヤ
632、補助電源ワイヤ634、及び補助電源戻しワイヤ636を含む。温度感知ワイヤ632は第1導電性材料(破線で示す)で作られており、一方、補助電源ワイヤ634及び補助電源戻しワイヤ636は第1導電性材料とは異なる第2導電性材料(実線で示す)で作られている。
【0105】
温度感知ワイヤ632(第1導電性材料製)は、補助電源ワイヤ634及び補助電源戻しワイヤ63
6の一方(第2導電性材料製)に接合されて、それらの間に熱電対接合部635を形成している。
図21Aに示すように、各セットの補助電ワイヤの温度感知ワイヤ632は、補助電源ワイヤ634に接合され、抵抗発熱体637の一対の端子部のうちの1つに接合されて、それらの間に熱電対接合部635を形成している。補助電源戻しワイヤ636は、抵抗発熱体637の端子部のうちの他方に接続されている。このように、電流は、温度感知ワイヤ632から、抵抗発熱体637を経て、補助電源戻しワイヤ636に流れる。なお、3本の電ワイヤは、ヒータの抵抗発熱体637の端子部に固定されてヒータの一部となるようにしてもよい。
【0106】
3本のワイヤが各ヒータから延び、対応するコネクタに接続されているが、3本のワイヤのうち2本だけが電流を運ぶために使用され、3本のワイヤの残りの1本は、ヒータ動作の各モード中にバイパスされる。3本のワイヤのうちのどのワイヤがバイパスされるかは、ヒータがワイヤハーネスによって、特に、第1コネクタ部分と第2コネクタ部分とを含むコネクタ614、616、618、620のそれぞれによってどのように接続されるかに依存する。例えば、
図21Aに示すように、コネクタ614は、第1コネクタ部分614a及び第2コネクタ部分614bを含む。3本のワイヤの全てが特定のコネクタの第1コネクタ部に接続されるが、特定のコネクタの第2コネクタ部は、3本のワイヤのうちの2本のみを、接続ワイヤ(複数可)、主電源ワイヤ、又は主電源戻しワイヤを介して他のコネクタの第2コネクタ部又はコントローラ610へ接続する。
図20と関連して
図21Aに示すように、第1ヒータ602のための温度感知ワイヤ632及び補助電源戻しワイヤ636は、電流を運ぶために使用され、補助電源ワイヤ634はバイパスされる。
図20に明示するように、他のヒータ604、606、608のための補助電源ワイヤ634及び補助電源戻しワイヤ636は、電流を運ぶために使用され、温度感知ワイヤ632はバイパスされる。第1ヒータ602に設けられた熱電対接合部635は第1ヒータの温度を測定し、第1ヒータ602用の温度感知ワイヤ632と補助電源戻しワイヤ636はヒータの温度に関する信号をコントローラ610に送信する。
【0107】
一例として、第1導電性材料は、コンスタンタンなどの銅-ニッケル合金であってもよく、第2導電性材料は、Chromel(登録商標)などのニッケル-クロム合金であってもよい。温度感知目的の熱電対接合を形成するのに適した第1及び第2導電性材料の任意の組み合わせが、本開示の範囲から逸脱することなく使用され得る。
【0108】
図21Bを参照すると、コネクタ614、616、618、620の各々は、第1コネクタ部分と、嵌合する第2コネクタ部分(これは、例えば、ソケット及びプラグアセンブリであってもよい)とを含んでもよい。例えば、コネクタ614は、第1コネクタ部分614a及び第2コネクタ部分614bを含んでもよい。ヒータ602及び対応する1セットの補助ワイヤ(すなわち、温度感知ワイヤ632、補助電源ワイヤ634、及び補助電源戻しワイヤ636)は、第1コネクタ部分614aに取り付けられて、モジュラーヒータユニット603を形成する。モジュラーヒータユニット603は、嵌合するコネクタ部品及び適切な接続ワイヤを使用して様々な配線接続を実現することにより、別のモジュラーヒータユニット又はコントローラ610などの他の電気部品に容易に接続することができ、そのすべての変形は本開示の範囲に属するものとして解釈されるべきである。
【0109】
対応するヒータから延びる補助ワイヤのセットは、ヒータをヒータ及び温度センサの両方として使用することを可能にする3線機構を構成する。
図20の第1モジュール式ヒータアセンブリにおいて、第2、第3及び第4のヒータ604、606、608は、第2、第3及び第4のヒータが所望の熱出力を生成するためにヒータとしてのみ使用されるように、ワイヤハーネス612によって接続される。第2、第3、第4ヒータ604、606、608において、補助電源ワイヤ634及び補助電源戻しワイヤ636が選択的に用いられて電気回路の一部を構成し、一方、温度感知ワイヤ632はバイパスされる。温度感知ワイヤ632と補助電源ワイヤ634を選択的に用いて電気回路の一部を形成し、補助電源ワイヤ634をバイパスすることにより、第1ヒータ602は、ヒータと温度センサの両方として使用される。温度感知モード時、第1ヒータ602上の熱電対接合部635は、ヒータの温度を測定するために使用され、温度感知ワイヤ632と第1ヒータ用補助電源帰還ワイヤ636及び電気回路の他のワイヤは、温度信号をコントローラ610に伝達するために使用される。
【0110】
図22を参照すると、
図20の電力制御システム600及び複数のヒータを含むヒータシステム700の電気回路を示す電気図が示されている。複数のヒータ602、604、606、608は、この順序で直列に接続され、第1モジュール式ヒータアセンブリを形成している。主電源ワイヤ622は、破線で示すように、温度感知ワイヤ632と同じ第1導電性材料で作られている。主電源戻しワイヤ624及び接続ワイヤ626、628、630は、実線で示すように、補助電源ワイヤ634及び補助電源戻しワイヤ636と同じ第2導電性材料で作られている。一例として、第1導電性材料は、コンスタンタンであり、第2導電性材料は、Chromel(登録商標)であってもよい。
【0111】
制御システム600が電力モードにあるとき、電力は、コントローラ610のCH2+から、主電源ワイヤ622、第1ヒータ602の温度感知ワイヤ632及び補助電源戻しワイヤ636、第2ヒータ604の接続ワイヤ626、補助電源ワイヤ634と補助電源戻しワイヤ636と、第3ヒータ606の接続ワイヤ628、補助電源ワイヤ634及び補助電源戻しワイヤ636と、第4ヒータ608の接続ワイヤ630、補助電源ワイヤ634及び補助電源戻しワイヤ636とを介して供給される。電流は、主電源戻しワイヤ624を介して制御装置610のCH2-に戻る。
【0112】
制御システム600が温度感知モードの場合、電流経路は電力供給モードの場合と同じである。第1ヒータ602の熱電対接合部635は、第1ヒータ602の温度を測定するために使用される。第1ヒータ602の温度は、第1、第2、第3及び第4ヒータが直列に接続されているため、第1モジュラーヒータアセンブリの温度でもある。温度測定に関する信号は、第1ヒータ602の温度感知ワイヤ632及び補助電源戻しワイヤ636と、回路を形成する他のワイヤとを介してコントローラ610に伝送される。
【0113】
第1モジュラーヒータアセンブリの熱電対接合部635のうちの1つだけが、温度感知に使用される。第1モジュラーヒータアセンブリにおいて、主電源ワイヤ622によってコントローラ610に直接接続される第1ヒータ602の熱電対接合部635は、温度感知のために使用される。主電源ワイヤ622は、温度感知ワイヤ632と同じ第1導電性材料で作られており、第1モジュラーヒータアセンブリにおける温度感知ワイヤの延長とみなすことができる。
【0114】
図23を参照すると、電力制御システム600と、電力制御システム600に接続されて制御される複数のヒータ602、604、606、608を含むヒータシステム702が示されている。電力制御システム600は、第2直列接続である複数のヒータ602、604、606、608を経由するワイヤハーネス612'を含む。以下において、同様の要素には同様の参照数字を付し、明確化のためにその説明を省略する。
【0115】
この配線接続において、第2ヒータ604、第1ヒータ602、第3ヒータ606、及び第4ヒータ608は、この順序で直列接続されて第2モジュールヒータアセンブリを形成し、電力は最初に第2ヒータ604に供給される。この配線接続において、第2ヒータ用温度感知ワイヤ632と補助電源戻しワイヤ636とを選択的に用いて電気回路の一部を構成することにより、第2ヒータ604のみがヒータと温度センサとの両方に使用される。他のヒータ602、606、608は、補助電源ワイヤ634と補助電源戻しワイヤ636を選択的に用いて回路の一部を形成し、温度感知ワイヤをバイパスすることにより、ヒータの機能のみを果たすように使用される。第2ヒータ604の熱電対接合部635のみが、第2モジュラーヒータアセンブリの温度感知のために使用される。
図20の第1モジュラーヒータアセンブリと同様に、主電源ワイヤ622及び温度感知ワイヤ632は、第1導電性材料(例えばコンスタンタン)で作られ、残りのワイヤは、第2導電性材料(例えばChromel(登録商標))で作られる。主電源ワイヤ622は、温度感知目的のために、第2ヒータ604のための温度感知ワイヤ632の延長と考えることができる。
【0116】
図24を参照すると、電力制御システム600と、電力制御システム600に接続されて制御される複数のヒータ602、604、606、608を含むヒータシステム704が示されている。電力制御システム600は、第3直列接続で複数のヒータ602、604、606、608を経由するワイヤハーネス612”を含む。この配線接続において、第3ヒータ606、第2ヒータ604、第1ヒータ602、及び第4ヒータ608がこの順序で直列接続されて第3モジュラーヒータアセンブリを形成し、最初に第3ヒータ606に電力が供給される。この配線接続において、第3ヒータ606のみがヒータと温度センサの両方の機能を果たし、第3ヒータ606の熱電対接合部635が温度感知に使用される。他のヒータ602、604、608は、これらのヒータに関連する温度感知ワイヤ632をバイパスして、ヒータとしてのみ使用される。同様に、主電源ワイヤ622及び温度感知ワイヤ632は、第1導電性材料(例えばコンスタンタン)で作られ、残りのワイヤは第2導電性材料(例えばChromel(登録商標))で作られる。主電源ワイヤ622は、温度感知用の第3ヒータ606の温度感知ワイヤ632の延長ワイヤと考えることができる。
【0117】
図25及び
図26を参照すると、電力制御システム600'と、電力制御システム600に接続されて制御される複数のヒータ602、604、606、608を含むヒータシステム706が示されている。電力制御システム600'は、ワイヤハーネス720を含み、これはヒータの1つ(すなわち、第4のヒータ608)を独立したヒータとして配線し、ヒータの残りのもの(すなわち、第1、第2及び第3ヒータ602、604、606)を直列接続するために、2セットの主電源ワイヤ622及び主電源戻しワイヤ624を含んでいる。
【0118】
第1セットの主電源及び戻しワイヤは、第1ヒータ602、第2ヒータ604、第3ヒータ606をこの順序で直列接続して第4モジュールヒータアセンブリを形成し、電力はコントローラ610から第1ヒータ602に先に供給される。第2セットの主電源ワイヤと戻りワイヤは、第4ヒータ608が独立したヒータとなるように、第4ヒータ608をコントローラ610に直接接続する。第4のヒータ608は、第4モジュラーヒータアセンブリから独立して制御される。
【0119】
この第4モジュラーヒータアセンブリにおいて、第1ヒータ602のみがヒータと温度センサの両方として使用され、第1ヒータ602の熱電対接合部635が温度感知に使用される。また、単体のヒータである第4ヒータもヒータと温度センサの両方として機能し、第4ヒータの熱電対接合部635は第4ヒータ608の温度測定にも使用される。
【0120】
同様に、2つの主電源配線622及び温度感知配線632は、第1導電性材料(例えばコンスタンタン)で作られ、残りの配線は、第2導電性材料(例えばChromel(登録商標))で作られる。
【0121】
図27を参照すると、電力制御システム600”と、電力制御システム600”に接続され制御される複数のヒータ650、652、654、656とを含むヒータシステム708が示されている。電力制御システム600”は、複数のヒータ650、652、654、656に取り付けられた複数セットの補助ワイヤ632'、634'、636'、660、662と、複数セットの補助ワイヤをコントローラ610に接続するためのワイヤハーネス722と、を含んでいる。ワイヤハーネス722は、ヒータのうちの1つ(例えば、第4ヒータ656)を単体のヒータとして配線し、ヒータの残りのもの(すなわち、第1、第2、第3ヒータ650、652、654)を直列接続するために、2セットの主電源ワイヤ622及び主電源戻しワイヤ624を含んでいる。第1ヒータ650、第2ヒータ652、及び第3ヒータ654は、この順序で直列接続されて第5モジュラーヒータアセンブリを形成している。
【0122】
補助ワイヤの各セットは、対応するヒータに取り付けられ、温度感知ワイヤ632'、補助電源ワイヤ634'、補助電源戻しワイヤ636'、第1ルーティングワイヤ660、及び第2ルーティングワイヤ662を含む5本のワイヤを含んでいる。温度感知ワイヤ632'、補助電源ワイヤ634'及び補助電源戻しワイヤ636'の構造及び機能は、温度感知ワイヤ632、補助電源ワイヤ634及び補助電源戻しワイヤ636と同じであるため、本明細書では分かりやすくするためにその詳しい説明を省略する。各セットの第1配線ワイヤ660と第2配線ワイヤ662は、互いに接続されており、第1ヒータ、第2ヒータ、第3ヒータを所望の順序で接続するのに役立つように使用される。5本のワイヤの各セットにおいて、4本の補助電ワイヤのみがヒータ動作の各モードで使用され、各セットにおいて5本の電ワイヤのうち1本はバイパスされる。
【0123】
第1セットの主電源ワイヤ622と主電源戻しワイヤ624は、第5モジュラーヒータアセンブリに接続されている。第5モジュラーヒータアセンブリにおいて、第3ヒータ654は、熱電対接合部635と温度感知ワイヤ632が温度感知に使用されるマスター制御ヒータである。第3ヒータ654は、第3ヒータ654の温度感知電ワイヤ632'を選択的に使用して電気回路の一部を形成することにより、ヒータと温度センサの両方として機能する。第1及び第2ヒータ650、652の温度感知ワイヤ632は、バイパスされ、第1及び第2ヒータはヒータの機能のみを実行する。第2セットの主電源ワイヤ622と主電源戻しワイヤ624は、1つのヒータ、すなわち第4ヒータ656のみをコントローラ610に接続する。また、第4ヒータ656の熱電対接合部635と温度感知ワイヤ632は、第4ヒータ656の温度を測定するために使用される。
【0124】
第1乃至第4モジュラーヒータアセンブリのワイヤハーネス612、612'、612”、720とは異なり、本実施形態のワイヤハーネス722は、複数のヒータ650、652、654、656に対応する複数セットのコネクタ614、614'、616、616'、618、618'、620、620'を含んでいる。各ヒータは、一対のコネクタに接続されている。さらに、温度感知ワイヤは、ヒータから延びる各セットの補助電ワイヤにおいて、補助電源ワイヤではなく、補助電源戻しワイヤに取り付けられている。したがって、熱電対接合部は、1セットの補助電ワイヤそれぞれにおける補助電源戻しワイヤ636'と温度感知ワイヤ632'との間に形成されている。温度感知ワイヤ632'と主電源戻しワイヤ636'は、第1導電性材料(例えば、コンスタンタン)で作られ、残りのワイヤは第2導電性材料(例えば、Chromel(登録商標))で作られる。主電源戻しワイヤ636'は、温度感知目的のために、温度感知ワイヤ632'の延長とみなされる。
【0125】
図28を参照すると、電力制御システム600”’と、電力制御システム600”’に接続されて制御される複数のヒータ650、652、654、656を含むヒータシステム710が示されている。電力制御システム600”’は、ワイヤハーネス720を含み、これはヒータのうちの1つ(すなわち、第4のヒータ656)を独立したヒータとして経由し、ヒータの残りのもの(すなわち、第1、第2及び第3ヒータ650、652、654)を直列接続するために、2セットの主電源ワイヤ622と主電源戻しワイヤ624を含んでいる。第1、第2及び第3ヒータ650、652、654は、この順序で直列接続され、第6モジュラーヒータアセンブリを形成する。第6モジュラーヒータアセンブリにおいて、第2ヒータ652は、その熱電対接合部635と温度感知ワイヤ632'が温度測定と温度信号伝送に使用されるマスターコントロールヒータである。マスターコントロールヒータは、第6モジュラーヒータアセンブリの中央に配置される。第1セットの主電源ワイヤ622及び主電源戻しワイヤ624は、第6モジュラーヒータアセンブリに接続される。第2セットの主電源ワイヤ622と主電源戻しワイヤ624は、第4のヒータ656のみが独立したヒータとなるように、コントローラ610に接続される。
【0126】
3つのコネクタと6つの補助ワイヤが、第2ヒータ652とコントローラ610との接続、第1ヒータ650との接続、及び第3ヒータ654との接続に使用される。第1ヒータ650及び第3ヒータ654のそれぞれを他のヒータに接続するために、2つのコネクタ及び5つの補助ワイヤが使用される。第4のヒータ656とコントローラ610とを接続するため、2つのコネクタと5つの補助ワイヤとが使用される。第1ヒータ650、第3ヒータ654及び第4ヒータ656のための補助ワイヤの各セットは、
図27のものと同様に、温度感知ワイヤ632'、補助電源ワイヤ634'、補助電源戻しワイヤ636'、第1ルーティングワイヤ660、及び第2ルーティングワイヤ662を含む5つのワイヤを含んでいる。しかし、主制御ヒータとして使用される第2ヒータ652のための補助ワイヤのセットは、6つのワイヤを含んでいる。この6つのワイヤは、温度感知ワイヤ632'、補助電源ワイヤ634'、及び4つのルーティングワイヤ664を含む。6本の配線の全ては、各ヒータ動作モードにおいて使用される。
【0127】
本実施の形態において、第2ヒータ652用の熱電対接合部635は、温度感知ワイヤ632'と抵抗発熱体637の間に形成されている。第1及び第3ヒータ650,654用の熱電対接合部635は、温度感知ワイヤ632'、補助電源ワイヤ634'、及び抵抗発熱体637の間に形成される。第4ヒータ656用の熱電対接合部635は、温度感知ワイヤ632'、補助電源戻しワイヤ636'、及び抵抗発熱体637の間に形成される。温度感知ワイヤ632'と2本の主電源戻しワイヤ624は、全て第1導電性材料(材料A、例えばコンスタンタン)で作られており、残りのワイヤ(2本の主電源ワイヤ622、同一又は隣接するコネクタに接続する接続ワイヤ640、補助電源ワイヤ634'、補助電源戻しワイヤ636'、及びルーティングワイヤ660、662を含む)は第2導電性材料(材料B、例えばChromel(登録商標))で作られている。
【0128】
要約すると、本開示の教示に従って構築された電力制御システム600、600'、600”、又は600”’は、様々な配線接続を実現するためにコネクタを介して様々なワイヤを配線することができるワイヤハーネス612、612'、612”、720、722、又は724を含んでいる。複数のヒータの一部又は全部を異なる順序で直列に接続し、他のヒータを独立したヒータとして配線し、他のヒータから独立して制御することができる。いずれの形態にも示されていないが、ワイヤハーネスは、複数のヒータに対応する複数セットの主電源ワイヤ及び主電源戻しワイヤを含んでもよいことが理解される。主電源ワイヤ及び主電源戻しワイヤの各セットは、各ヒータが独立したヒータとなり、独立して制御されるように、1つのヒータのみをコントローラに接続する。
【0129】
さらに、電力制御システムは、複数のコネクタとヒータとの間に配置された複数セットの補助ワイヤを含む。補助ワイヤは、ヒータとコネクタの隣接するコネクタ部(オス部でもメス部でもよい)とに常時取り付けられ、複数のモジュラーヒータユニットを形成してもよい。複数のモジュラーヒータユニットは、コネクタ部と他のコネクタ部とを適切な配線を介して接続することにより、任意の順序で容易に直列接続したり、独立したヒータとして接続したりすることができる。したがって、ワイヤハーネスは、複数のヒータのモジュール性を向上させる。
【0130】
さらに、いくつかの形態において、複数の補助ワイヤのセットの各々は、温度感知ワイヤ、補助電源ワイヤ、及び補助電源戻りワイヤを含む3本のワイヤを含む。3本のワイヤのうちの2本は、熱電対接合部を形成するために接合される。接合された2本の電ワイヤのうち1本は、電気回路において関連するヒータをヒータとしてのみ使用するか、ヒータと温度センサの両方として使用するかによって、電気回路の一部を構成するように選択される。各ヒータから延びる3本のワイヤ機構により、各ヒータがヒータと温度センサの両方として選択的に機能するため、ヒータシステムにおいて追加の温度センサを使用する必要がなく、よりシンプルな設計のヒータシステムを提供することができる。
【0131】
他の形態において、補助ワイヤのセットは、5本のワイヤ又は6本のワイヤを含んでもよい。温度感知ワイヤ、補助電源ワイヤ、及び補助電源戻しワイヤに加えて、これらのヒータを異なる順序で接続し、ヒータのいずれか1つをヒータと温度センサの両方として使用するマスター制御ヒータとして使用するために、ルーティングオプションを増やすために追加のルーティングワイヤが各セットの補助ワイヤに含まれてもよい。
【0132】
図において、矢じりで示される矢印の方向は、一般に、図に関心のある情報(データ又は命令など)の流れを示すものである。例えば、要素Aと要素Bが様々な情報を交換するが、要素Aから要素Bに送信される情報が図示に関連している場合、矢印は要素Aから要素Bを指すことがある。この一方向の矢印は、要素Bから要素Aに他の情報が送信されないことを意味するものではない。さらに、要素Aから要素Bに送信される情報に対して、要素Bは要素Aに情報の要求又は受信確認を送信することができる。
【0133】
本願において、「モジュール」及び/又は「コントローラ」という用語は、その一部であるか、又は含むことができ、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル、アナログ、又はアナログ/デジタルの混合ディスクリート回路、デジタル、アナログ、又はアナログ/デジタルの混合集積回路、組合せ論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コードを実行するプロセッサ回路(共有、専用、又はグループ)、プロセッサ回路が実行するコードを格納するメモリ回路(共有、専用、又はグループ)、説明した機能をもたらす他の適切なハードウェア部品、又はシステムオンチップのように上記の一部又はすべての組み合わせのうち、いずれかを指すか、その一部であるか、又はそれらを含むことができる。
【0134】
メモリという用語は、コンピュータ読取り可能媒体という用語のサブセットである。本明細書で使用されるように、コンピュータ読取り可能媒体という用語は、媒体(搬送波上など)を伝搬する一過性の電気信号又は電磁信号を包含しない;したがって、コンピュータ読取り可能媒体という用語は、有形かつ非一過性と考えられる場合がある。非一過性で有形のコンピュータ読取り可能媒体の非限定的な例は、不揮発性メモリ回路(フラッシュメモリ回路、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ回路、又はマスク読み取り専用回路など)、揮発性メモリ回路(静的ランダムアクセスメモリ回路又は動的ランダムアクセスメモリ回路など)、磁気ストレージ媒体(アナログ又はデジタル磁気テープ又はハードディスクドライブなど)及び光ストレージ媒体(CD、DVD又はBlu-ray(登録商標)Discなど)である。
【0135】
本願で説明する装置及び方法は、コンピュータプログラムに具現化された1つ以上の特定の機能を実行するように汎用コンピュータを構成することによって作成された特殊目的コンピュータによって部分的又は完全に実施され得る。上述した機能ブロック、フローチャート構成要素、及び他の要素は、ソフトウェア仕様として機能し、熟練技術者又はプログラマーの日常作業によってコンピュータプログラムに変換され得る。
【0136】
本明細書で特に明示しない限り、機械的/熱的特性、組成割合、寸法及び/又は公差、又は他の特性を示す全ての数値は、本開示の範囲を説明する際に「約」又は「およそ」という言葉によって修正されるものとして理解されるものである。この修正は、工業的慣行;材料、製造、及び組立の公差;並びに試験能力を含む様々な理由で望まれる。
【0137】
本明細書で使用されるように、A、B、及びCのうちの少なくとも1つというフレーズは、非排他的論理和を用いた論理(A OR B OR C)を意味すると解釈されるべきで、”Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、及びCのうちの少なくとも1つ”という意味に解釈されるべきではない。
【0138】
本開示の説明は、本質的に単なる例示であり、したがって、本開示の実質から逸脱しない変形は、本開示の範囲内にあることが意図される。そのような変形は、本開示の精神及び範囲から逸脱するものとはみなされない。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
複数のヒータと、
前記複数のヒータに電力を供給するためのコントローラと、
前記複数のヒータから延びる複数セットの補助ワイヤと、
前記複数セットの補助ワイヤを前記コントローラに接続するためのワイヤハーネスと、
を具備し、
補助ワイヤの各セットは少なくとも3つのワイヤを含み、3つのワイヤのうちの2つは異なる材料で作られて熱電対接合を形成するように接合され、複数のヒータの各々がヒータと温度センサの両方として機能するように動作可能であるヒータシステム。
[2]
前記少なくとも3つのワイヤのうちの1つは、第1導電性材料で作られ、前記ワイヤの残りのものは、第2導電性材料で作られている[1]に記載のヒータシステム。
[3]
前記第1導電性材料は、銅-ニッケル合金であり、前記第2導電性材料は、ニッケル-クロム合金である[2]に記載のヒータシステム。
[4]
前記複数セットの補助ワイヤは、それぞれ温度感知ワイヤ、補助電源ワイヤ、及び補助電源戻しワイヤを含み、各セットの補助ワイヤにおいて、前記温度感知ワイヤは、前記補助電源ワイヤ及び前記補助電源戻しワイヤの一方に接合されて熱電対接合部を形成する[1]に記載のヒータシステム。
[5]
前記熱電対接合部は、各ヒータの抵抗発熱体の端部に接合されている[4]に記載のヒータシステム。
[6]
前記ワイヤハーネスは、前記コントローラに直接接続された主電源ワイヤと主電源戻しワイヤとをさらに含み、前記主電源ワイヤ及び前記主電源戻しワイヤの一方は、前記複数セットの補助ワイヤの前記温度感知ワイヤと同じ材料で作られている[4]に記載のヒータシステム。
[7]
前記複数セットの補助ワイヤに直接接続された複数のコネクタをさらに具備する[1]に記載のヒータシステム。
[8]
前記ワイヤハーネスは、主電源ワイヤ及び主電源戻しワイヤをさらに含み、前記主電源ワイヤと前記主電源戻しワイヤは、ヒータの1つを独立したヒータとしてルート決めするため、同一コネクタに選択的に接続される[7]に記載のヒータシステム。
[9]
前記ワイヤハーネスは、主電源ワイヤと主電源戻しワイヤとをさらに含み、前記主電源ワイヤと前記主電源戻しワイヤとは、前記ヒータの少なくとも幾つかを直列に接続するように異なるコネクタに選択的に接続される[7]に記載のヒータシステム。
[10]
少なくとも1つのヒータを制御する電力制御システムであって、
コントローラと、
前記コントローラに直接接続された主電源ワイヤ及び主電源戻しワイヤと、
前記少なくとも1つのヒータを前記主電源ワイヤ及び前記主電源戻しワイヤに接続する第1ワイヤ及び第2ワイヤと、
とを具備し、
前記主電源ワイヤと前記第1ワイヤは接続され、第1導電性材料で作られ、前記主電源ワイヤと前記第2ワイヤは接続され、前記第1導電性材料とは異なる第2導電性材料で作られている
電力制御システム。
[11]
前記第1導電性材料は、銅-ニッケル合金であり、前記第2導電性材料は、ニッケル-クロム合金である[10]に記載の電力制御システム。
[12]
前記主電源ワイヤ及び前記主電源戻しワイヤを前記少なくとも1つのヒータに接続するための少なくとも1つのコネクタをさらに具備する[10]に記載の電力制御システム。
[13]
複数の主電源ワイヤと、複数の主電源戻しワイヤと、複数のヒータに対応する複数のコネクタとを含むワイヤハーネスをさらに具備し、前記ワイヤハーネスは、前記複数のヒータが直列接続又は独立したヒータとして接続されるようにコントローラを複数のヒータに接続する[10]に記載の電力制御システム。
[14]
前記ワイヤハーネスは、前記複数のヒータが異なる順序で直列接続されるように前記複数のコネクタを接続するための複数の接続ワイヤをさらに含む、[13]に記載の電力制御システム。
[15]
ヒータと、
前記ヒータから延びる少なくとも3つのワイヤのセットと、
を具備し、
前記少なくとも3つのワイヤのうちの2つは、異なる材料で作られており、熱電対接合部を形成するために接合される
モジュラーヒータユニット。
[16]
前記少なくとも3つのワイヤは、第1導電性材料で作られた温度感知ワイヤと、前記第1導電性材料とは異なる第2導電性材料で作られた補助電源ワイヤ及び補助電源戻しワイヤとを含み、前記温度感知ワイヤは、前記補助電源ワイヤと前記補助電源戻しワイヤのうちの一方に接合されている、[15]に記載のモジュラーヒータユニット。
[17]
前記少なくとも3つのワイヤのセットに接続されるコネクタ部をさらに具備し、前記コネクタ部は、他のコネクタ部に直接又は接続ワイヤを介して接続されるように構成される[16]に記載のモジュラーヒータユニット。
[18]
前記少なくとも3つのワイヤのセットのうちの2つだけが、電気回路の一部を形成するために別の電気部品に接続される[16]に記載のモジュラーヒータユニット。
[19]
前記第1導電性材料は、銅-ニッケル合金であり、前記第2導電性材料はニッケル-クロム合金である[16]に記載のモジュラーヒータユニット。
[20]
前記ヒータは抵抗発熱体を含み、前記熱電対接合部は、前記抵抗発熱体の端部に接合されている[15]に記載のモジュラーヒータユニット。