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特許7536886電池モジュール充電システムとその制御方法、装置、ユニット及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】電池モジュール充電システムとその制御方法、装置、ユニット及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/04 20060101AFI20240813BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20240813BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20240813BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
H02J7/04 F
H01M10/44 Q
H01M10/48 P
H02J7/00 X
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022562137
(86)(22)【出願日】2022-06-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-06
(86)【国際出願番号】 CN2022099233
(87)【国際公開番号】W WO2023155346
(87)【国際公開日】2023-08-24
【審査請求日】2022-10-11
(31)【優先権主張番号】202210151016.7
(32)【優先日】2022-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】馬行
(72)【発明者】
【氏名】王興昌
(72)【発明者】
【氏名】田偉
(72)【発明者】
【氏名】盧方友
【審査官】宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-106219(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0220225(US,A1)
【文献】特開2020-018085(JP,A)
【文献】国際公開第2019/130774(WO,A1)
【文献】特表2015-504648(JP,A)
【文献】特開2008-116433(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M10/42-10/48
H02J7/00-7/12
H02J7/34-7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池モジュール充電システムにおける制御ユニットに応用される電池モジュール充電システムの制御方法であって、前記電池モジュール充電システムは、電池モジュールと、前記電池モジュールを充電するための充電装置と、前記電池モジュールと並列接続された負パルス吸収分岐回路と、前記電池モジュール充電システムを制御するための制御ユニットと、前記制御ユニットに接続された冷却ユニットと、DC/DCユニットと、を含み、
前記負パルス吸収分岐回路は、切り替えスイッチと、前記切り替えスイッチに直列接続された電力型抵抗と、前記電力型抵抗に直列接続されたスーパーキャパシタと、を含み、
前記DC/DCユニット、前記電力型抵抗及び前記スーパーキャパシタは閉回路を形成し、
前記DC/DCユニットの第1端は前記制御ユニットに接続され、前記DC/DCユニットの第2端は前記冷却ユニットに接続され、
前記制御方法は、
前記電池モジュールに対して負パルス充電を行うプロセスにおいて、前記電池モジュールのSOC値を監視するステップと、
前記SOC値が予め設定された数値で増えるたびに、前記電池モジュール充電システムにおける切り替えスイッチをオンにするように制御し、前記電力型抵抗及び前記スーパーキャパシタが前記電池モジュールの放電エネルギーを吸収できるようにするステップと、
前記切り替えスイッチがオンの時間が予め設定された時間持続した後、前記切り替えスイッチをオフにするように制御するステップと、を含むことを特徴とする、電池モジュール充電システムの制御方法。
【請求項2】
前記切り替えスイッチをオンにするように制御する前記ステップの後に、
前記電池モジュール充電システムにおけるDC/DCユニットの起動を制御することにより、起動した前記電池モジュール充電システムにおけるDC/DCユニットが放電エネルギーを前記電池モジュール充電システムにおける冷却ユニットへの給電電圧に変換できるようにするステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュール充電システムの制御方法。
【請求項3】
前記切り替えスイッチをオンにするように制御する前記ステップの後に、
前記電池モジュール充電システムにおける冷却ユニットの起動を制御することにより、起動した前記冷却ユニットが給電電圧の作用で、前記電池モジュール充電システムにおける電力型抵抗を放熱できるようにするステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュール充電システムの制御方法。
【請求項4】
前記切り替えスイッチをオフにするように制御する前記ステップの後に、
前記電池モジュール充電システムにおけるDC/DCユニットの起動を持続的に制御することにより、持続的に起動した前記DC/DCユニットが、前記電池モジュール充電システムにおけるスーパーキャパシタが吸収した放電エネルギーを前記電池モジュール充電システムにおける冷却ユニットへの給電電圧に持続的に変換できるようにするステップと、
前記冷却ユニットの起動を持続的に制御することにより、持続的に起動した前記冷却ユニットが前記給電電圧の作用で、前記電池モジュール充電システムにおける電力型抵抗を持続的に放熱できるようにするステップと、
前記スーパーキャパシタに吸収された放電エネルギーが完全に消費されたと判断された時、前記DC/DCユニット及び前記冷却ユニットをオフにするように制御するステップと、をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュール充電システムの制御方法。
【請求項5】
前記電池モジュールのSOC値を監視する前記ステップは、前記電池モジュールの現在の電気量を取得し、且つ前記現在の電気量と完全に充電された時の電気量とに基づき、電池モジュールの現在のSOC値を算出するステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュール充電システムの制御方法。
【請求項6】
切り替えスイッチをオンにするように制御する前記ステップの後に、
電池モジュール充電システムにおける充電装置の充電電力を0に設定することにより、前記切り替えスイッチがオンの間に、前記電池モジュールに対して正パルスで充電を行うのを一時停止するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の電池モジュール充電システムの制御方法。
【請求項7】
電池モジュール充電システムに設置される電池モジュール充電システムの制御装置であって、
前記電池モジュール充電システムは電池モジュールと、前記電池モジュールを充電するための充電装置と、前記電池モジュールと並列接続された負パルス吸収分岐回路と、前記電池モジュール充電システムを制御するための制御ユニットと、前記制御ユニットに接続された冷却ユニットと、DC/DCユニットと、を含み、
前記負パルス吸収分岐回路は切り替えスイッチと、前記切り替えスイッチに直列接続された電力型抵抗と、前記電力型抵抗に直列接続されたスーパーキャパシタと、を含み、前記DC/DCユニット、前記電力型抵抗及び前記スーパーキャパシタは閉回路を形成し、前記DC/DCユニットの第1端は前記制御ユニットに接続され、前記DC/DCユニットの第2端は前記冷却ユニットに接続され
前記電池モジュールに対して負パルス充電を行うプロセスにおいて、前記電池モジュールのSOC値を監視するために用いられる監視モジュールと、
前記SOC値が予め設定された数値で増えるたびに、前記電池モジュール充電システムにおける切り替えスイッチをオンにするように制御するために用いられる切り替えスイッチオン制御モジュールと、
前記切り替えスイッチがオンの時間が予め設定された時間持続した後、前記切り替えスイッチをオフにするように制御するために用いられる切り替えスイッチオフ制御モジュールと、を含み、前記電力型抵抗及び前記スーパーキャパシタは、前記切り替えスイッチをオンにした後、前記電池モジュールの放電エネルギーを吸収するために用いられることを特徴とする、電池モジュール充電システムの制御装置。
【請求項8】
前記切り替えスイッチをオンにするように前記制御した後、前記電池モジュール充電システムにおけるDC/DCユニットの起動を制御することにより、起動した前記DC/DCユニットが放電エネルギーを前記電池モジュール充電システムにおける冷却ユニットへの給電電圧に変換できるようにするために用いられる第2起動モジュールをさらに含むことを特徴とする、請求項に記載の電池モジュール充電システムの制御装置。
【請求項9】
前記切り替えスイッチをオンにするように前記制御した後、前記電池モジュール充電システムにおける冷却ユニットの起動を制御することにより、起動した前記冷却ユニットが前記電池モジュール充電システムにおける給電電圧の作用で、前記電池モジュール充電システムにおける電力型抵抗を放熱できるようにするために用いられる第1起動モジュールをさらに含むことを特徴とする、請求項に記載の電池モジュール充電システムの制御装置。
【請求項10】
オフ制御モジュールをさらに含み、
第2起動モジュールは、前記切り替えスイッチをオフにするように前記制御した後、前記DC/DCユニットの起動を持続的に制御することにより、持続的に起動した前記電池モジュール充電システムにおけるDC/DCユニットが、前記電池モジュール充電システムにおけるスーパーキャパシタが吸収した放電エネルギーを前記冷却ユニットへの給電電圧に持続的に変換できるようにするためにさらに用いられ、
第1起動モジュールは、前記切り替えスイッチをオフにするように前記制御した後、前記電池モジュール充電システムにおける冷却ユニットの起動を持続的に制御することにより、持続的に起動した前記冷却ユニットが前記給電電圧の作用で、前記電池モジュール充電システムにおける電力型抵抗を持続的に放熱できるようにするためにさらに用いられ、
前記オフ制御モジュールは、前記スーパーキャパシタに吸収された放電エネルギーが完全に消費されたと判断された時、前記DC/DCユニット及び前記冷却ユニットをオフにするように制御するために用いられることを特徴とする、請求項に記載の電池モジュール充電システムの制御装置。
【請求項11】
前記監視モジュールは具体的に、
前記電池モジュールの現在の電気量を取得し、且つ前記現在の電気量と完全に充電された時の電気量とに基づき、電池モジュールの現在のSOC値を算出するために用いられることを特徴とする、請求項に記載の電池モジュール充電システムの制御装置。
【請求項12】
電池モジュール充電システムにおける充電装置の充電電力を0に設定することにより、前記切り替えスイッチがオンの間に、前記電池モジュールに対して正パルスで充電を行うのを一時停止するために用いられる電力設定モジュールをさらに含むことを特徴とする、請求項に記載の電池モジュール充電システムの制御装置。
【請求項13】
請求項7に記載の制御装置を含むことを特徴とする、電池モジュール充電システム。
【請求項14】
前記DC/DCユニットは、起動した後に前記放電エネルギーを前記冷却ユニットへの給電電圧に変換するために用いられ、
前記冷却ユニットは、起動した後に前記給電電圧の作用で、前記電力型抵抗を放熱するために用いられることを特徴とする、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
少なくとも1つのプロセッサと、前記少なくとも1つのプロセッサと通信接続されたメモリを含み、
前記メモリに前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なコマンドが記憶され、前記コマンドは前記少なくとも1つのプロセッサによって実行され、それにより前記少なくとも1つのプロセッサは請求項1~のいずれか一項に記載の電池モジュール充電システムの制御方法を実行することができることを特徴とする、制御ユニット。
【請求項16】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサで実行される時に請求項1~のいずれか一項に記載の電池モジュール充電システムの制御方法を実現することを特徴とする、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例は充電技術分野に関し、特に電池モジュール充電システムとその制御方法、装置、制御ユニット及び記憶媒体に関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本願は2022年2月18日に提出された、出願番号CN202210151016.7、名称「電池モジュール充電システムとその制御方法、装置、制御ユニット及び記憶媒体」の中国特許出願の優先権を主張し、該出願内容の全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
負パルス充電は、充電プロセスにおいて、電池に対する断続的なパルス放電を行う。負パルス充電は様々な分極の電圧を効果的に除去し、電池を充電する時に必要な時間を短縮し、水分損失を低下させる等の利点を有するため、広く応用されている。しかしながら、現在の負パルス充電技術には充電プロセスにおける減極の速度が遅いという問題が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例の目的は、負パルス充電プロセスにおける減極の速度を加速することができる電池モジュール充電システムとその制御方法、装置、制御ユニット及び記憶媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様によれば、本願の実施例は電池モジュール充電システムとその制御方法を提供し、前記電池モジュール充電システムは電池モジュールと、前記電池モジュールを充電するための充電装置と、前記電池モジュールと並列接続された負パルス吸収分岐回路と、前記電池モジュール充電システムを制御するための制御ユニットと、前記制御ユニットに接続された冷却ユニットと、DC/DC直流コンバータユニットと、を含み、前記負パルス吸収分岐回路は切り替えスイッチと、前記切り替えスイッチに直列接続された電力型抵抗と、前記電力型抵抗に直列接続されたスーパーキャパシタと、を含み、前記DC/DCユニット、前記電力型抵抗及び前記スーパーキャパシタは閉回路を形成し、前記DC/DCユニットの第1端は前記制御ユニットに接続され、前記DC/DCユニットの第2端は前記冷却ユニットに接続され、前記制御方法は前記制御ユニットに応用され、前記電池モジュールに対して負パルス充電を行うプロセスにおいて、前記電池モジュールのSOC値を監視するステップと、前記SOC値が予め設定された数値で増えるたびに、前記切り替えスイッチをオンにするように制御し、前記電力型抵抗及び前記スーパーキャパシタが前記電池モジュールの放電エネルギーを吸収できるようにするステップと、前記切り替えスイッチがオンの時間が予め設定された時間持続した後、前記切り替えスイッチをオフにするように制御するステップと、を含む。ここで、前記方法は、前記切り替えスイッチをオンにするように制御する前記ステップに続いて、さらに、前記DC/DCユニットの起動を制御することにより、起動した前記DC/DCユニットが前記放電エネルギーを前記冷却ユニットへの給電電圧に変換できるようにするステップと、前記冷却ユニットの起動を制御することにより、起動した前記冷却ユニットが前記給電電圧の作用で、前記電力型抵抗を放熱できるようにするステップと、を含む。
【0006】
本願の実施例の技術的解決手段において、電力型抵抗が位置する分岐回路にスーパーキャパシタが直列接続され、該スーパーキャパシタは電池モジュールの放電エネルギーを吸収するために用いられる。電池モジュールに対して負パルス充電を行うプロセスにおいて、SOC値が予め設定された数値で増えるたびに、切り替えスイッチをオンにするように制御し、それにより電力型抵抗及びスーパーキャパシタが電池モジュールの放電エネルギーを吸収できるようにし、且つ切り替えスイッチがオンの時間が予め設定された時間持続した後、切り替えスイッチをオフにするように制御する。切り替えスイッチのオンとオフを制御することにより、放電エネルギーの吸収開始と放電エネルギーの吸収停止のタイミングを効果的に制御することができる。電力型抵抗はそれ自体が放電エネルギーを消費させることができ、スーパーキャパシタと組み合わせて放電エネルギーをさらに吸収することができるため、負パルス充電プロセスにおける減極の速度を加速させる。すなわち負パルス充電プロセスにおける分極の累積を緩和することができ、それにより電池モジュール負極の均一且つ平坦で緻密な形態を保持し、電池モジュールのインピーダンスの増加を抑制し、低温における電池の容量維持率を向上させ、サイクル回数の安定性を向上させ、耐用年数を延長することに役立つ。さらに充電システムは電池モジュールの安全性及び耐用年数に影響を与えることなく高出力の直流急速充電を実現し、充電時間を短縮することができる。切り替えスイッチをオンにすると、電力型抵抗の温度が電池モジュールの放電エネルギーを吸収することによって上昇するが、冷却ユニットを介して該電力型抵抗を放熱し、充電の安全性を向上させることに役立つ。放電エネルギーを変換することにより、冷却ユニットへの給電に適した給電電圧が得られ、冷却ユニットへ給電するための専用の給電ユニットを必要とせず、エネルギー利用率の向上に役立ち、同時に放電エネルギーの消費を加速して、負パルス充電プロセスにおける減極の速度をいっそう加速することができる。放電エネルギーがスーパーキャパシタに吸収された放電エネルギーである場合、スーパーキャパシタに貯蔵された放電エネルギーをリアルタイムに消費することに役立ち、次回、切り替えスイッチをオンにする時に、スーパーキャパシタに放電エネルギーを吸収し続けるための十分な容量があるようにして、負パルス充電プロセスの全体における減極の速度を加速することができる。
【0007】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記切り替えスイッチをオフにするように制御する前記ステップに続いて、さらに、前記DC/DCユニットの起動を持続的に制御することにより、持続的に起動した前記DC/DCユニットが、前記スーパーキャパシタが吸収した放電エネルギーを前記冷却ユニットへの給電電圧に持続的に変換できるようにするステップと、前記冷却ユニットの起動を持続的に制御することにより、持続的に起動した前記冷却ユニットが前記給電電圧の作用で、前記電力型抵抗を持続的に放熱できるようにするステップと、前記スーパーキャパシタに吸収された放電エネルギーが消費されたと判断された時、前記DC/DCユニット及び前記冷却ユニットをオフにするように制御するステップと、を含む。
【0008】
切り替えスイッチをオフにした後、DC/DCユニット及び冷却ユニットが一定時間起動するように制御して、スーパーキャパシタが吸収しそれに貯蔵された放電エネルギーを消費し続け、スーパーキャパシタに吸収された放電エネルギーが消費された時、DC/DCユニット及び冷却ユニットをオフにするように制御することで、電力型抵抗に対する放熱時間を増加させると同時に、スーパーキャパシタが吸収しそれに貯蔵された放電エネルギーを完全に消費できるようにして、充電プロセスの全体において切り替えスイッチをオフにするたびに、スーパーキャパシタは電池モジュールの放電エネルギーを吸収する十分な容量を有し、負パルス充電プロセスの全体における減極の速度を大幅に加速することができる。
【0009】
第2態様によれば、本願の実施例は電池モジュール充電システムの制御装置を提供し、前記電池モジュール充電システムは電池モジュールと、前記電池モジュールを充電するための充電装置と、前記電池モジュールと並列接続された負パルス吸収分岐回路と、前記電池モジュール充電システムを制御するための制御ユニットと、前記制御ユニットに接続された冷却ユニットと、DC/DC直流コンバータユニットと、を含み、前記負パルス吸収分岐回路は切り替えスイッチと、前記切り替えスイッチに直列接続された電力型抵抗と、前記電力型抵抗に直列接続されたスーパーキャパシタと、を含み、前記DC/DCユニット、前記電力型抵抗及び前記スーパーキャパシタは閉回路を形成し、前記DC/DCユニットの第1端は前記制御ユニットに接続され、前記DC/DCユニットの第2端は前記冷却ユニットに接続される。
【0010】
前記制御装置は、前記電池モジュールに対して負パルス充電を行うプロセスにおいて、前記電池モジュールの現在のSOC値を監視するために用いられる監視モジュールと、前記SOC値が予め設定された数値で増えるたびに、前記切り替えスイッチをオンにするように制御し、前記電力型抵抗及び前記スーパーキャパシタが前記電池モジュールの放電エネルギーを吸収できるようにするために用いられる切り替えスイッチオン制御モジュールと、前記切り替えスイッチがオンの時間が予め設定された時間持続した後、前記切り替えスイッチをオフにするように制御するために用いられる切り替えスイッチオフ制御モジュールと、前記切り替えスイッチをオンにするように前記制御した後、前記DC/DCユニットの起動を制御することにより、起動した前記DC/DCユニットが前記放電エネルギーを前記冷却ユニットへの給電電圧に変換できるようにするために用いられる第2起動モジュールと、前記切り替えスイッチをオンにするように前記制御した後、前記冷却ユニットの起動を制御することにより、起動した前記冷却ユニットが前記給電電圧の作用で、前記電力型抵抗を放熱できるようにするために用いられる第1起動モジュールと、を含む。
【0011】
いくつかの実施例において、前記制御装置はさらに、オフ制御モジュールをさらに含み、前記第2起動モジュールは、前記切り替えスイッチをオフにするように制御した後、前記DC/DCユニットの起動を持続的に制御することにより、持続的に起動した前記DC/DCユニットが、前記スーパーキャパシタが吸収した放電エネルギーを前記冷却ユニットへの給電電圧に変換できるようにするためにさらに用いられ、前記第1起動モジュールは、前記切り替えスイッチをオフにするように制御した後、前記冷却ユニットの起動を持続的に制御することにより、持続的に起動した前記冷却ユニットが前記給電電圧の作用で、前記電力型抵抗を持続的に放熱できるようにするためにさらに用いられ、前記オフ制御モジュールは、前記スーパーキャパシタに吸収された放電エネルギーが消費されたと判断された時、前記DC/DCユニット及び前記冷却ユニットをオフにするように制御するために用いられる。
【0012】
第3態様によれば、本願の実施例はさらに、電池モジュールと、前記電池モジュールを充電するための充電装置と、前記電池モジュールと並列接続された負パルス吸収分岐回路と、前記電池モジュール充電システムを制御するための制御ユニットと、前記制御ユニットに接続された冷却ユニットと、DC/DC直流コンバータユニットと、を含み、前記負パルス吸収分岐回路は切り替えスイッチと、前記切り替えスイッチに直列接続された電力型抵抗と、前記電力型抵抗に直列接続されたスーパーキャパシタと、を含み、前記DC/DCユニット、前記電力型抵抗及び前記スーパーキャパシタは閉回路を形成し、前記DC/DCユニットの第1端は前記制御ユニットに接続され、前記DC/DCユニットの第2端は前記冷却ユニットに接続され、前記電力型抵抗及び前記スーパーキャパシタは、前記切り替えスイッチをオンにした後、前記電池モジュールの放電エネルギーを吸収するために用いられ、前記DC/DCユニットは、起動した後に前記放電エネルギーを前記冷却ユニットへの給電電圧に変換するために用いられ、前記冷却ユニットは、起動した後に前記給電電圧の作用で、前記電力型抵抗を放熱するために用いられる電池モジュール充電システムを提供する。
【0013】
第4態様によれば、本願の実施例はさらに、少なくとも1つのプロセッサと、前記少なくとも1つのプロセッサと通信接続されたメモリとを含み、ここで、前記メモリには前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なコマンドが記憶され、前記コマンドは前記少なくとも1つのプロセッサによって実行され、それにより前記少なくとも1つのプロセッサは第1態様に記載の電池モジュール充電システムの制御方法を実行することができる制御ユニットを提供する。
【0014】
第5態様によれば、本願の実施例はさらにコンピュータプログラムが記憶され、前記コンピュータプログラムはプロセッサによって実行される時に第1態様に記載の電池モジュール充電システムの制御方法を実行することができるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0015】
上記説明は本願の技術的解決手段の概要に過ぎず、本願の技術的解決手段をより明確に理解するために、明細書の内容に従って実施することができ、且つ本願の上記及び他の目的、特徴及び利点をより明確に理解できるようにするために、以下に本願の具体的な実施形態を挙げる。
【0016】
本願の実施例における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に本願の実施例に必要な図面を簡単に説明し、明らかなことは、以下に示される図面は本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、図面に基づいて他の図面をさらに取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本願の一実施例が開示する電池モジュール充電システムの概略図である。
図2】本願の一実施例が開示する電池モジュール充電システムの制御方法のフローチャートである。
図3】本願の一実施例が開示する別の電池モジュール充電システムの概略図である。
図4】本願の一実施例が開示するさらに別の電池モジュール充電システムの概略図である。
図5】本願の一実施例が開示する別の電池モジュール充電システムの制御方法のフローチャートである。
図6】本願の一実施例が開示する電池モジュール充電システムの制御装置の概略図である。
図7】本願の一実施例が開示する制御ユニットの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に図面及び実施例を参照しながら本願の実施形態をさらに詳細に説明する。以下の実施例の詳細な説明及び図面は本願の原理を例示的に説明するために用いられるが、本願の範囲を限定するものではなく、本願は記載された実施例に限定されない。
【0019】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。本明細書で使用される用語は、単に具体的な実施例を説明することが目的であり、本願を限定することを意図したものではない。本願の明細書と特許請求の範囲及び上記図面の説明における「含む」及び「有する」という用語及びそれらの任意の類語は、排他的なものではないことを意図している。
【0020】
本願の記載において説明すべきことは、別途説明されない限り、「複数」は、2つ以上という意味であり、「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」等の用語が指示する方位又は位置関係は、本願の説明を容易にして、説明を簡略化するものであるに過ぎず、対象の装置や素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成され及び操作されるべきであることを示す又は暗示するものではなく、従って本願を限定するものと理解すべきではない。さらに、「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、説明する目的で用いられるに過ぎず、相対的な重要性を示す又は暗示するものと理解すべきではない。「垂直」は、厳密な意味での垂直ではなく、誤差の許容範囲内にあるものである。「平行」は、厳密な意味での平行ではなく、誤差の許容範囲内にあるものである。
【0021】
以下の説明に出現する方位表現はいずれも図に示す方向であり、本願の具体的な構造を限定するものではない。本願の記載においてさらに説明すべきことは、別途明確に規定及び限定されない限り、「取り付ける」、「つながっている」、「接続」という用語は広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、又は一体接続であってもよい。直接つながっていてもよく、中間媒体を介して間接的につながっていてもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0022】
本明細書における「実施例」への言及は、実施例に関連して説明される特定の特徴、構造又は特性が、本願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。本明細書の各所にこの語が出現しても、必ずしも全てが同じ実施例を指すわけではなく、他の実施例と相互に排他的で独立した又は代替的な実施例を指すものでもない。当業者は、本明細書に記載の実施例は他の実施例と組み合わせることができることを明示的かつ暗示的に理解する。
【0023】
本願の実施例の記載における「及び/又は」という用語は、単に関連対象の関連関係を説明しているに過ぎず、3種類の関係が存在可能であることを示し、例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在する、AとBが同時に存在する、Bが単独で存在する、という3つの状況を示すことができる。なお、本明細書において記号「/」は、一般的に前後の関連対象が「又は」の関係であることを示す。
【0024】
現在、市場の情勢が発展していることから、動力電池の応用はますます広がっている。動力電池は水力、火力、風力及び太陽光発電所等のエネルギー貯蔵電源システムへの応用にとどまらず、電動自転車、電動バイク、電気自動車等の電動車両、及び軍事装備及び航空宇宙等の幅広い分野に応用されている。動力電池の応用分野の拡大に伴い、市場におけるその需要量も絶えず拡大し、それに伴うのが動力電池(以下、電池又は電池モジュールと称する)に対する各種充電技術の発展である。
【0025】
市販の電池の多くは充電可能な蓄電池であり、最も一般的なものは、リチウムイオン電池又はリチウムイオンポリマー電池等のリチウム電池である。充電プロセスにおいて、一般的には継続充電の方式で電池を充電するが、電池を継続充電すると電池のリチウム析出、発熱等の現象が発生し、そのうち、リチウム析出、発熱等の現象は電池性能を低下させ、サイクル寿命を大幅に短縮させるだけでなく、電池の急速充電容量を制限し、且つ発火、爆発等の災害となる結果を引き起こし、安全上の深刻な問題を引き起こす可能性がある。
【0026】
本発明者らは、各種の充電技術のうち、負パルス充電が現在では一般的な充電技術の一つであることに注目した。負パルス充電は充電時に、電池モジュールに対して断続的なパルス放電を行い、具体的な実現において一般的には大電流充電のギャップで、電池モジュールを放電することにより、電池モジュールに対する急速な充電を実現しており、充電速度が速いことも負パルス充電技術が広く応用される主な理由の一つである。
【0027】
しかしながら、現在の負パルス充電技術に関する発明者らの研究により、負パルス充電プロセスにおいては、電池モジュールを放電する時、放電エネルギーが迅速に吸収されにくく、減極がリアルタイムに行われず、減極の速度が遅いことが発見された。これを基に、負パルス充電プロセスにおける減極の速度が遅いという問題を解決するために、発明者らは鋭意研究を行い、減極の速度が遅いという問題を引き起こす主な要因、すなわち放電エネルギーが迅速に吸収されにくいという問題の解決に着手し、電池モジュール充電システム及びその制御方法を設計した。該電池モジュール制御システムは電力型抵抗及びスーパーキャパシタを含み、電力型抵抗はそれ自体が電池モジュールの放電エネルギーを消費させることができ、スーパーキャパシタと組み合わせることで電池モジュールの放電エネルギーをいっそう吸収することができ、すなわち、電力型抵抗とスーパーキャパシタを組み合わせると放電エネルギーの吸収速度を加速し、それにより負パルス充電プロセスにおける減極の速度を加速することができる。上記制御方法は、電池モジュールに対して負パルス充電を行うプロセスにおいて、電池モジュールのSOC値が予め設定された数値で増えるたびに、切り替えスイッチをオンにするように制御し、それにより電力型抵抗及びスーパーキャパシタが前記電池モジュールの放電エネルギーを吸収できるようにし、且つ切り替えスイッチがオンの時間が予め設定された時間持続した後、切り替えスイッチをオフにするように制御する。
【0028】
本願の実施例が開示する電池モジュール充電システムの制御方法は、制御ユニットに応用され、該制御ユニットは電池管理ユニット(Battery Management System、BMS)であってもよい。BMSは動力電池の使用における安全を守る制御システムであり、電池の使用状態を常時に監視し、新エネルギー車両の使用における安全を保証する。具体的な実現において、制御ユニットはさらに本願の実施例における制御方法を実行できる他の装置であってもよい。本実施例が応用される状況は、充電装置を利用して電池モジュールに負パルス充電を行う状況である。本実施例において、負パルス充電は以下のように理解することができる。充電プロセス全体において、正パルスで電池モジュールに対する充電を行う時、電池モジュールに対して断続的に負パルス放電を行う。該電池モジュールは電動自転車、電動バイク、電気自動車等の充電を必要とする装置における電池モジュールであってもよく、例えば具体的には車載リチウム電池であってもよい。
【0029】
なお、上記言及した充電装置は、電池モジュールを動力源とする電力消費装置に対する充電を行うことができる。ここで電力消費装置は携帯電話、タブレット、ノートパソコン、電動玩具、電動工具、バッテリーカー、電気自動車、船舶、宇宙船等であってもよいがこれらに限定されない。充電装置は充電スタンド、充電コネクタ、充電キャビネット等であってもよい。
【0030】
いくつかの実施例において、電池モジュール充電システムは、概略図が図1に示すように、電池モジュール101と、電池モジュールを充電するための充電装置102と、電池モジュール101と並列接続された負パルス吸収分岐回路103と、電池モジュール充電システムを制御するための制御ユニット104と、を含み、負パルス吸収分岐回路103は切り替えスイッチS1と、切り替えスイッチS1に直列接続された電力型抵抗R1と、電力型抵抗R1に直列接続されたスーパーキャパシタC1と、を含む。充電装置102及び切り替えスイッチS1はいずれも制御ユニット104に接続され、且つ制御ユニット104によって制御される。電力型抵抗R1及びスーパーキャパシタC1は、切り替えスイッチS1をオンにした後、電池モジュール101の放電エネルギーを吸収するために用いられる。ここで、電池モジュール101の放電エネルギーはすなわち、充電プロセス全体において、電池モジュール101に対して断続的に行われる負パルス放電時の放電エネルギーである。
【0031】
いくつかの実施例において、図1に示すように、電池モジュール充電システムは、電池モジュール101の負極と充電装置102との間に接続された充電負極リレーK4と、電池モジュール101の正極と充電装置102との間に接続された充電正極リレーK3と、電池モジュール101の負極と充電負極リレーK4との間に接続されたヒューズFuseと、をさらに含む。図1において、充電装置102には、リレーK5とリレーK6とがさらに設けられてもよい。制御ユニット104は、K3、K4、K5、K6をオンにするように制御して、充電装置102が電池モジュール101に対する充電を開始できるようにする。
【0032】
本願のいくつかの実施例によれば、電池モジュール充電システムの制御方法のフローチャートは図2に示され、以下を含む。
【0033】
ステップ201:電池モジュールに対して負パルス充電を行うプロセスにおいて、電池モジュールのSOC値を監視する。
【0034】
ステップ202:SOC値が予め設定された数値で増えるたびに、切り替えスイッチをオンにするように制御し、電力型抵抗及びスーパーキャパシタが電池モジュールの放電エネルギーを吸収できるようにする。
【0035】
ステップ203:切り替えスイッチがオンの時間が予め設定された時間持続した後、切り替えスイッチをオフにするように制御する。
【0036】
図1に示すように、ステップ201において、制御ユニット104は、K3、K4、K5、K6をオンにするように制御して、充電装置102が電池モジュール101に対する負パルス充電を開始できるようにする。充電装置102が電池モジュール101に対する負パルス充電を行うプロセスにおいて、制御ユニット104は電池モジュール101の充電状態(state of charge、SOC)値をリアルタイムに監視することができる。SOC値は電池モジュールの現在の電気量とそれが完全に充電された時の電気量との比であり、パーセンテージで示され、その値の範囲は0~1である。SOC値が0の場合、電池モジュールが完全に放電しており、電池モジュールにおける現在の電気量が0であることを示す。SOC=1の場合、電池モジュールが完全に充電されており、電池モジュールにおける現在の電気量は完全に充電された時の電気量であることを示す。
【0037】
いくつかの実施例において、電池モジュール101が完全に充電された時の電気量は電池モジュール101の出荷パラメータであってもよく、すなわち電池モジュール101が完全に充電された時の電気量はそれが出荷される前にテストすることができる。しかしながら、本実施例はこれを具体的に限定せず、電池モジュール101が完全に充電された時の電気量は、実際の必要に応じて電池モジュール101が出荷された後にテストすることもできる。ステップ201において、制御ユニット104は電池モジュール101の現在の電気量をリアルタイムに取得し、且つ現在の電気量と完全に充電された時の電気量とに基づき、電池モジュールの現在のSOC値を算出することができる。
【0038】
ステップ202において、制御ユニットは電池モジュールのSOC値を監視し始めてから、SOC値が予め設定された数値で増えたことを監視するたびに、切り替えスイッチをオンにするように制御することは、負パルス充電全体のプロセスにおいて、電池モジュール101が一定の容量の電気量だけ充電されるたびに、すなわちSOC値が予め設定された数値で増えるたびに、切り替えスイッチを1回オンにするように制御することを意図する。ここで、予め設定された数値は実際の必要に応じて、例えば5%、10%、15%等に設定することができ、本実施例はこれを具体的に限定しない。
【0039】
いくつかの実施例において、電池モジュールのSOC値の監視を開始する時点は負パルス充電を開始する時点と理解してもよく、その場合ステップ202は、負パルス充電を開始してから、SOC値が予め設定された数値で増えたと判断するたびに、切り替えスイッチをオンにするように制御するステップであってもよい。
【0040】
いくつかの実施例において、電池モジュールのSOC値の監視を開始する時点で検知されるSOC値は、SOC初期値として理解することができる。
【0041】
SOC初期値が1%であり、予め設定された数値が10%であると仮定すると、SOC値が予め設定された数値で増えるたびに、SOC値が毎回10%増えると理解することができる。
【0042】
SOC値が予め設定された数値で増えるたびに、切り替えスイッチをオンにするように制御するステップは、以下のように理解することができる。SOC値が1%から11%に増えたことを検知すると、切り替えスイッチをオンにするように制御する。SOC値が11%から21%に増えたことを検知すると、切り替えスイッチをオンにするように制御する。SOC値が21%から31%に増えたことを検知すると、切り替えスイッチをオンにするように制御する。SOC値が31%から41%に増えたことを検知すると、切り替えスイッチをオンにするように制御する。SOC値が41%から51%に増えたことを検知すると、切り替えスイッチをオンにするように制御する。SOC値が51%から61%に増えたことを検知すると、切り替えスイッチをオンにするように制御する。SOC値が61%から71%に増えたことを検知すると、切り替えスイッチをオンにするように制御する。SOC値が71%から81%に増えたことを検知すると、切り替えスイッチをオンにするように制御する。SOC値が81%から91%に増えたことを検知すると、SOC値が100%であることを検知して充電が完了したことを示すまで、切り替えスイッチをオンにするように制御する。
【0043】
SOC初期値が5%であり、予め設定された数値が15%であると仮定すると、SOC値が予め設定された数値で増えるたびに、SOC値が毎回15%増えると理解することができる。
【0044】
SOC値が予め設定された数値で増えるたびに、切り替えスイッチをオンにするように制御するステップは、以下のように理解することができる。SOC値が5%から20%に増えたことを検知すると、切り替えスイッチをオンにするように制御する。SOC値が20%から35%に増えたことを検知すると、切り替えスイッチをオンにするように制御する。SOC値が35%から50%に増えたことを検知すると、切り替えスイッチをオンにするように制御する。SOC値が50%から65%に増えたことを検知すると、切り替えスイッチをオンにするように制御する。SOC値が65%から80%に増えたことを検知すると、切り替えスイッチをオンにするように制御する。SOC値が80%から95%に増えたことを検知すると、切り替えスイッチをオンにするように制御する。SOC値が100%であることを検知して充電が完了したことを示すまで行う。
【0045】
ステップ202において、制御ユニット104は、電力型抵抗R1及びスーパーキャパシタC1が電池モジュール101の放電エネルギーを吸収できるように、切り替えスイッチS1をオンにするように制御する。ここで、切り替えスイッチS1をオンにすることは、負パルス吸収分岐回路103、電池モジュール101、充電正極リレーK3、充電負極リレーK4、ヒューズFuseで構成される回路が導通することに相当し、それにより電力型抵抗R1及びスーパーキャパシタC1は、電池モジュール101の放電エネルギーを吸収することができる。該放電エネルギーは、電池モジュール101が負パルス放電する逆電流であると理解することもできる。
【0046】
いくつかの実施例において、制御ユニット104が切り替えスイッチS1をオンにするように制御した後、充電装置102の充電電力を0に設定することができ、それにより、切り替えスイッチS1がオンの間に、充電装置102は電池モジュール101に対して正パルスで充電を行うのを一時停止することができる。切り替えスイッチS1をオフにすると、充電装置102は充電装置102の充電電力を回復することができ、切り替えスイッチS1がオフの間に、充電装置102は電池モジュール101に対して正パルスで充電を行い、それにより電池モジュール101のSOC値を増加させることができる。
【0047】
ステップ203において、制御ユニット104は切り替えスイッチS1をオンにするように制御してから計時を開始し、且つ計時時間の長さ、すなわちオンになっている時間が予め設定された時間に達したと判断した後、切り替えスイッチS1をオフにするように制御し、それにより負パルス吸収分岐回路103、電池モジュール101、充電正極リレーK3、充電負極リレーK4、ヒューズFuseで構成された回路をオフにして、電力型抵抗R1及びスーパーキャパシタC1は放電エネルギーの吸収を停止する。ここで、予め設定された時間は実際の必要に応じて設定することができ、6秒、7秒、8秒等であってもよい。切り替えスイッチS1をオフにすると、電池モジュール101は放電を停止し、充電装置102は電池モジュール101に対する充電を開始する。つまり、負パルス充電全体のプロセスにおいて、切り替えスイッチS1をオンにするたびに、電池モジュール101は放電を開始し、切り替えスイッチS1をオフにするたびに、電池モジュール101は放電を停止し、充電装置102は電池モジュール101に対する充電を開始する。これにより充電時に、電池モジュールに対する断続的なパルス放電を行うという負パルス充電技術を実現することができる。
【0048】
本実施例において、電力型抵抗が位置する分岐回路にスーパーキャパシタが直列接続され、該スーパーキャパシタは電池モジュールの放電エネルギーを吸収するために用いられる。電池モジュールに対して負パルス充電を行うプロセスにおいて、SOC値が予め設定された数値で増えるたびに、切り替えスイッチをオンにするように制御し、それにより電力型抵抗及びスーパーキャパシタが電池モジュールの放電エネルギーを吸収できるようにし、且つ切り替えスイッチがオンの時間が予め設定された時間持続した後、切り替えスイッチをオフにするように制御する。切り替えスイッチのオンとオフを制御することにより、放電エネルギーの吸収開始と放電エネルギーの吸収停止のタイミングを効果的に制御することができる。電力型抵抗はそれ自体が放電エネルギーを消費させることができ、スーパーキャパシタと組み合わせて放電エネルギーをさらに吸収することができるため、負パルス充電プロセスにおける減極の速度を加速させる。すなわち負パルス充電プロセスにおける分極の累積を緩和することができ、それにより電池モジュール負極の均一且つ平坦で緻密な形態を保持し、電池モジュールのインピーダンスの増加を抑制し、低温における電池の容量維持率を向上させ、サイクル回数の安定性を向上させ、耐用年数を延長することに役立つ。さらに充電システムは電池モジュールの安全性及び耐用年数に影響を与えることなく高出力の直流急速充電を実現し、充電時間を短縮することができる。
【0049】
本願のいくつかの実施例に基づき、好ましくは、電池モジュール充電システムは、制御ユニットに接続された冷却ユニットをさらに含む。上記ステップ202の後に、冷却ユニットの起動を制御して、起動後の冷却ユニットが電力型抵抗を放熱できるようにするステップをさらに含む。
【0050】
ここで、冷却ユニットは冷却放熱を行うためのモジュール又は装置であってもよい。本実施例において、制御ユニットは切り替えスイッチS1をオンにするように制御した後、冷却ユニットを起動するように制御し、冷却ユニットを起動することでその冷却機能が発揮され始め、それにより電力型抵抗を放熱する。好ましくは、電力抵抗をより良好に放熱するために、冷却ユニットの設置位置を電力型抵抗に近づけることができる。
【0051】
いくつかの実施例において、電池モジュール充電システムは、概略図が図3に示すように、電池モジュール101、充電装置102、制御ユニット104、冷却ユニット301、給電ユニット302、切り替えスイッチS1、電力型抵抗R1、スーパーキャパシタC1を含む。ここで、冷却ユニット301の第1端は制御ユニット104に接続され、それにより制御ユニット104は冷却ユニット301の起動と停止を制御することができる。冷却ユニット301の第2端は給電ユニット302に接続され、それにより給電ユニット302は冷却ユニット301へ給電することができる。給電ユニット302はさらに制御ユニット104に接続されてもよく、それにより制御ユニット104は給電ユニット302が冷却ユニット301への給電をいつ開始するか、冷却ユニット301への給電をいつ停止するかを制御することができる。
【0052】
本実施例は、負パルスが実質的に大きな電流であることを考慮しており、切り替えスイッチをオンにすると、電力型抵抗の温度が電池モジュールの放電エネルギーを吸収することによって急速に上昇しやすいことから、冷却ユニットを介して該電力型抵抗を放熱し、充電の安全性を向上させることに役立つ。
【0053】
本願のいくつかの実施例によれば、好ましくは、電池モジュール充電システムは、DC/DC直流コンバータユニットをさらに含み、DC/DCユニット、電力型抵抗及びスーパーキャパシタは閉回路を形成し、DC/DCユニットの第1端は制御ユニットに接続され、DC/DCユニットの第2端は冷却ユニットに接続される。上記ステップ202の後に、DC/DCユニットの起動を制御することにより、起動したDC/DCユニットが放電エネルギーを冷却ユニットへの給電電圧に変換できるようにするステップをさらに含む。
【0054】
なお、負パルスは実質的に大きな電流であるため、放電エネルギーに対応する電圧は一般的に大きく、例えば400Vであり、それに対して冷却ユニットに必要な給電電圧は一般的に小さく、例えば24Vである。電池モジュールの放電エネルギーを十分に利用するために、本実施例は、DC/DCユニットを利用して放電エネルギーを冷却ユニットに必要な給電電圧に直接変換し、冷却ユニットに給電することに相当する。つまり、DC/DCユニットを冷却ユニットの給電ユニットとしてそのまま用いることができ、冷却ユニットへ給電するための専用の給電ユニットを必要としない。
【0055】
いくつかの実施例において、電池モジュール充電システムは、概略図が図4に示すように、電池モジュール101、充電装置102、制御ユニット104、冷却ユニット301、DC/DCユニット401、切り替えスイッチS1、電力型抵抗R1、スーパーキャパシタC1を含む。DC/DCユニット401の第1端は制御ユニット104に接続され、DC/DCユニット401の第2端は冷却ユニット301に接続され、DC/DCユニット401の第3端は電力型抵抗R1と切り替えスイッチS1との間に接続され、DC/DCユニット401の第4端はスーパーキャパシタC1の電力型抵抗R1から離れた一端に接続される。制御ユニット104は切り替えスイッチS1をオンにするように制御した後、DC/DCユニット401を起動するように制御することにより、起動したDC/DCユニット401が放電エネルギーを冷却ユニット301への給電電圧に変換し、冷却ユニット301への給電を実現することができる。
【0056】
いくつかの実施例において、切り替えスイッチS1をオンにすると、電池モジュール101は放電を開始し、スーパーキャパシタC1は電池モジュール101の放電エネルギーの吸収と貯蔵を開始して、起動したDC/DCユニット401は電池モジュール101からの放電エネルギーを冷却ユニット301への給電電圧に変換することができ、切り替えスイッチS1をオンにすると、起動した冷却ユニット301を介して電力型抵抗R1を放熱する。切り替えスイッチS1をオフにすると、電池モジュール101は放電を停止し、スーパーキャパシタC1は電池モジュール101の放電エネルギーの吸収を停止して、起動したDC/DCユニット401はスーパーキャパシタC1に貯蔵された放電エネルギーを冷却ユニット301への給電電圧に変換することができ、切り替えスイッチS1をオフにすると、起動した冷却ユニット301を介して電力型抵抗R1を放熱し続け、且つスーパーキャパシタC1に貯蔵された放電エネルギーをリアルタイムに消費する。つまり、切り替えスイッチS1をオンにすると、起動したDC/DCユニット401が変換する放電エネルギーは、電池モジュール101からの放電エネルギーそのままであってもよい。切り替えスイッチS1をオフにすると、起動したDC/DCユニット401が変換する放電エネルギーは、スーパーキャパシタC1に貯蔵された放電エネルギーである。しかしながら、本実施例はこれを具体的に限定せず、実際の必要に応じて、切り替えスイッチS1をオンにした後、制御により起動するDC/DCユニット401が変換する放電エネルギーもスーパーキャパシタC1に貯蔵された放電エネルギーであるように選択することができる。換言すれば、スーパーキャパシタC1に放電エネルギーが貯蔵されたなら、起動したDC/DCユニット401がスーパーキャパシタC1に貯蔵された放電エネルギーを冷却ユニット301への給電電圧に変換するようにしてもよい。
【0057】
本実施例は、放電エネルギーを変換することにより、冷却ユニットへの給電に適した給電電圧が得られ、冷却ユニットへ給電するための専用の給電ユニットを必要とせず、エネルギー利用率の向上に役立ち、同時に放電エネルギーの消費を加速して、負パルス充電プロセスにおける減極の速度をいっそう加速することができる。放電エネルギーがスーパーキャパシタに吸収された放電エネルギーである場合、スーパーキャパシタに貯蔵された放電エネルギーをリアルタイムに消費することに役立ち、次回、切り替えスイッチをオンにする時に、スーパーキャパシタに放電エネルギーを吸収し続けるための十分な容量があるようにして、負パルス充電プロセスの全体における減極の速度を加速することができる。
【0058】
いくつかの実施例において、DC/DCユニット401を介して冷却ユニットへ給電するプロセスにおいて、スーパーキャパシタはさらにリンクコンデンサの役割を果たすことができ、追加のリンクコンデンサの使用を回避する。スーパーキャパシタがリンクコンデンサの役割を果たす場合、DC/DCユニット401が出力する給電電圧に対して平滑化フィルタリングを行い、且つ給電電圧の電圧変動を許容範囲に保つことに役立つ。
【0059】
いくつかの実施例において、切り替えスイッチをオフにした後、DC/DCユニット及び冷却ユニットを制御し一定時間T起動することができ、Tの大きさは実際の必要に応じて予め設定することができ、それにより電力型抵抗を放熱し続け且つスーパーキャパシタに貯蔵されたエネルギーを消費し続ける。
【0060】
本願のいくつかの実施例に基づき、好ましくは、ステップ203において切り替えスイッチをオフにするように制御するステップの後に、DC/DCユニットの起動を持続的に制御することにより、持続的に起動したDC/DCユニットが、スーパーキャパシタが吸収した放電エネルギーを冷却ユニットへの給電電圧に変換できるようにするステップをさらに含む。冷却ユニットの起動を持続的に制御することにより、持続的に起動した冷却ユニットが給電電圧の作用で、電力型抵抗を持続的に放熱できるようにする。スーパーキャパシタに吸収された放電エネルギーが消費されたと判断された時、DC/DCユニット及び冷却ユニットをオフにするように制御する。
【0061】
図4を参照し、制御ユニット104は切り替えスイッチS1をオフにするように制御した後、DC/DCユニット401及び冷却ユニット301を起動するように持続的に制御し、それにより持続的に起動するDC/DCユニット401はスーパーキャパシタC1が吸収した放電エネルギーを冷却ユニット401への給電電圧に持続的に変換することができ、且つ持続的に起動する冷却ユニット401はDC/DCユニット401が持続的に変換して得られた給電電圧の作用で、電力型抵抗R1を持続的に放熱する。つまり、切り替えスイッチS1をオフにするように制御した後、電力型抵抗R1に余熱が存在し、且つスーパーキャパシタC1に吸収された放電エネルギーがまだ貯蔵される可能性を考慮する。従って、DC/DCユニット401及び冷却ユニット301を制御してさらに一定時間持続的に起動することにより、電力型抵抗Rを放熱し続け、且つスーパーキャパシタC1に貯蔵された放電エネルギーを消費し続ける。制御ユニット104はスーパーキャパシタC1における残りの放電エネルギーをリアルタイムに取得することができ、制御ユニット104が、スーパーキャパシタC1における残りの放電エネルギーが0であると判断し、すなわちスーパーキャパシタC1に吸収された放電エネルギーが消費されたと判断された時、DC/DCユニット401及び冷却ユニット301をオフにするように制御する。すなわち、本実施例において、切り替えスイッチS1をオフにした後、制御ユニット104はDC/DCユニット401及び冷却ユニット301を制御して一定時間T起動し、Tの大きさはスーパーキャパシタC1に貯蔵された放電エネルギーが完全に消費されるために必要な時間に基づいて適応的に決定される。
【0062】
本実施例において、切り替えスイッチをオフにした後、DC/DCユニット及び冷却ユニットが一定時間起動するように制御して、スーパーキャパシタが吸収しそれに貯蔵された放電エネルギーを消費し続け、スーパーキャパシタに吸収された放電エネルギーが消費された時、DC/DCユニット及び冷却ユニットをオフにするように制御することで、電力型抵抗に対する放熱時間を増加させると同時に、スーパーキャパシタが吸収しそれに貯蔵された放電エネルギーを完全に消費できるようにして、充電プロセスの全体において切り替えスイッチをオフにするたびに、スーパーキャパシタは電池モジュールの放電エネルギーを吸収する十分な容量を有し、負パルス充電プロセスの全体における減極の速度を大幅に加速することができる。
【0063】
本願のいくつかの実施例によれば、図4における電池モジュール充電システムの概略図と組み合わせて、電池モジュール充電システムの制御方法のフローチャートは図5に示され、以下を含む。
【0064】
ステップ501:電池モジュールに対して負パルス充電を行うプロセスにおいて、電池モジュールのSOC値を監視する。
【0065】
ステップ502:SOC値が予め設定された数値で増えるたびに、切り替えスイッチをオンにするように制御し、電力型抵抗及びスーパーキャパシタが電池モジュールの放電エネルギーを吸収できるようにする。
【0066】
ステップ503:DC/DCユニットの起動を制御することにより、起動したDC/DCユニットが放電エネルギーを冷却ユニットへの給電電圧に変換できるようにする。
【0067】
ステップ504:冷却ユニットの起動を制御することにより、起動した冷却ユニットが給電電圧の作用で、電力型抵抗を放熱できるようにする。
【0068】
ステップ505:切り替えスイッチがオンの時間が予め設定された時間持続した後、切り替えスイッチをオフにするように制御する。
【0069】
ステップ506:DC/DCユニット及び冷却ユニットの起動を持続的に制御し、且つスーパーキャパシタに吸収された放電エネルギーが消費されたと判断された時、DC/DCユニット及び冷却ユニットをオフにするように制御する。
【0070】
本実施例において、切り替えスイッチのオンとオフを制御することにより、放電エネルギーの吸収開始と放電エネルギーの吸収停止のタイミングを効果的に制御することができる。電力型抵抗はそれ自体が放電エネルギーを消費させることができ、スーパーキャパシタと組み合わせて放電エネルギーをさらに吸収することができるため、負パルス充電プロセスにおける減極の速度を加速させる。すなわち負パルス充電プロセスにおける分極の累積を緩和することができ、それにより電池モジュール負極の均一且つ平坦で緻密な形態を保持し、電池モジュールのインピーダンスの増加を抑制し、低温における電池の容量維持率を向上させ、サイクル回数の安定性を向上させ、耐用年数を延長することに役立つ。さらに充電システムは電池モジュールの安全性及び耐用年数に影響を与えることなく高出力の直流急速充電を実現し、充電時間を短縮することができる。短時間の負パルス充電機能を実現すると同時に、大電流で電池モジュールを充電し続けることによる電池モジュールのリチウム析出のリスクを解消することができる。冷却ユニットを介して該電力型抵抗を放熱し、充電の安全性を向上させることに役立つ。放電エネルギーを変換することにより、冷却ユニットへの給電に適した給電電圧が得られ、冷却ユニットへ給電するための専用の給電ユニットを必要とせず、エネルギー利用率の向上に役立ち、同時に放電エネルギーの消費を加速して、負パルス充電プロセスにおける減極の速度をいっそう加速することができる。放電エネルギーがスーパーキャパシタに吸収された放電エネルギーである場合、スーパーキャパシタに貯蔵された放電エネルギーをリアルタイムに消費することに役立ち、次回、切り替えスイッチをオンにする時に、スーパーキャパシタに放電エネルギーを吸収し続けるための十分な容量があるようにする。切り替えスイッチをオフにした後、DC/DCユニット及び冷却ユニットが一定時間起動するように制御して、スーパーキャパシタが吸収しそれに貯蔵された放電エネルギーを消費し続け、スーパーキャパシタに吸収された放電エネルギーが消費された時、DC/DCユニット及び冷却ユニットをオフにするように制御することで、電力型抵抗に対する放熱時間を増加させると同時に、スーパーキャパシタが吸収しそれに貯蔵された放電エネルギーを完全に消費できるようにして、充電プロセスの全体において切り替えスイッチをオフにするたびに、スーパーキャパシタは電池モジュールの放電エネルギーを吸収する十分な容量を有し、負パルス充電プロセスの全体における減極の速度を大幅に加速することができる。
【0071】
なお、上記図1図3図4に示す電池モジュール充電システムにおける負パルス吸収分岐回路はいずれも充電装置の外部に設置されているが、具体的な実現において、負パルス吸収分岐回路は充電装置の内部に設置されてもよい。本実施例は負パルス吸収分岐回路の設置位置を具体的に限定しない。
【0072】
以上の各方法のステップ分割は、説明を明確にするためのものに過ぎず、実施時に1つのステップに統合するか又はあるステップを分割して、複数のステップに分解することができ、同じ論理関係が含まれる限り、いずれも本特許の保護範囲内にある。アルゴリズム又はフローに進歩性を有さない修正を加えるか又は進歩性を有さない設計を導入するにも関わらず、そのアルゴリズム及びフローの中心となる設計を修正しないことによるものは、いずれも該特許の保護範囲内にある。
【0073】
本願のいくつかの実施例に基づき、電池モジュール充電システムの制御装置に関する。電池モジュール充電システムは電池モジュールと、電池モジュールを充電するための充電装置と、電池モジュールと並列接続された負パルス吸収分岐回路と、電池モジュール充電システムを制御するための制御ユニットと、を含む。負パルス吸収分岐回路は切り替えスイッチと、切り替えスイッチに直列接続された電力型抵抗と、電力型抵抗に直列接続されたスーパーキャパシタと、を含む。ここで、電池モジュール充電システムの概略図は図1,3、4を参照することができ、重複を避けるためにここでは説明を省略する。
【0074】
いくつかの実施例において、制御装置は、概略図が図6に示すように、電池モジュールに対して負パルス充電を行うプロセスにおいて、電池モジュールの現在の充電状態SOC値を監視するために用いられる監視モジュール601と、SOC値が予め設定された数値で増えるたびに、切り替えスイッチをオンにするように制御し、電力型抵抗及びスーパーキャパシタが電池モジュールの放電エネルギーを吸収できるようにするために用いられる切り替えスイッチオン制御モジュール602と、切り替えスイッチがオンの時間が予め設定された時間持続した後、切り替えスイッチをオフにするように制御するために用いられる切り替えスイッチオフ制御モジュール603と、を含む。
【0075】
いくつかの実施例において、電池モジュール充電システムは、制御ユニットに接続された冷却ユニットをさらに含む。制御装置は、切り替えスイッチをオンにするように制御した後、冷却ユニットの起動を制御することにより、起動した冷却ユニットが電力型抵抗を放熱できるようにするために用いられる第1起動モジュールをさらに含む。
【0076】
いくつかの実施例において、電池モジュール充電システムは、DC/DC直流コンバータユニットをさらに含む。DC/DCユニット、電力型抵抗及びスーパーキャパシタは閉回路を形成し、DC/DCユニットの第1端は制御ユニットに接続され、DC/DCユニットの第2端は冷却ユニットに接続される。制御装置は、切り替えスイッチをオンにするように制御した後、DC/DCユニットの起動を制御することにより、起動したDC/DCユニットが放電エネルギーを冷却ユニットへの給電電圧に変換できるようにするために用いられる第2起動モジュールをさらに含み、それにより冷却ユニットは前記給電電圧の作用で、電力型抵抗を放熱することができる。
【0077】
いくつかの実施例において、前記制御装置はさらに、オフ制御モジュールを含む。第2起動モジュールは、切り替えスイッチをオフにするように制御した後、DC/DCユニットの起動を持続的に制御することにより、持続的に起動したDC/DCユニットが、スーパーキャパシタが吸収した放電エネルギーを冷却ユニットへの給電電圧に変換できるようにするためにさらに用いられる。第1起動モジュールは、切り替えスイッチをオフにするように制御した後、冷却ユニットの起動を持続的に制御することにより、持続的に起動した冷却ユニットが給電電圧の作用で、電力型抵抗を持続的に放熱できるようにするためにさらに用いられる。オフ制御モジュールは、スーパーキャパシタに吸収された放電エネルギーが消費されたと判断された時、DC/DCユニット及び冷却ユニットをオフにするように制御するために用いられる。
【0078】
制御装置の実施例が上記制御方法の実施例に対応することは明らかである。上記制御方法の実施例で言及した関連技術の詳細及び技術的効果は、制御装置の実施例において依然として有効であり、重複を削減するために、ここでは説明を省略する。これに対応して、制御装置の実施例で言及した関連技術の詳細及び技術的効果は、上記制御方法の実施例にも適用することができる。
【0079】
特筆すべきは、本実施形態に関する各モジュールはいずれも論理モジュールであり、実際の応用において、1つの論理モジュールは1つの物理ユニットであってもよく、1つの物理ユニットの一部であってもよく、さらに複数の物理ユニットの組み合わせで実現されてもよい。また、本発明の進歩性を有する部分を強調するために、本実施形態は本発明が提出する技術的課題の解決に密接に関与しないモジュールを導入していないが、これは本実施形態に他のモジュールが存在しないことを示すものではない。
【0080】
本願のいくつかの実施例によれば、電池モジュール充電システムに関し、電池モジュールと、電池モジュールを充電するための充電装置と、電池モジュールと並列接続された負パルス吸収分岐回路と、電池モジュール充電システムを制御するための制御ユニットと、を含む。負パルス吸収分岐回路は切り替えスイッチと、切り替えスイッチに直列接続された電力型抵抗と、電力型抵抗に直列接続されたスーパーキャパシタと、を含む。電力型抵抗及びスーパーキャパシタは、切り替えスイッチをオンにした後、電池モジュールの放電エネルギーを吸収するために用いられる。本実施例において、電池モジュール充電システムの概略図は上記図1を参照することができる。
【0081】
いくつかの実施例において、電池モジュール充電システムは、制御ユニットに接続された冷却ユニットをさらに含む。冷却ユニットは、起動した後に電力型抵抗を放熱するために用いられる。本実施例において、電池モジュール充電システムの概略図は上記図3を参照することができる。
【0082】
いくつかの実施例において、電池モジュール充電システムは、DC/DC直流コンバータユニットをさらに含む。DC/DCユニット、電力型抵抗及びスーパーキャパシタは閉回路を形成し、DC/DCユニットの第1端は制御ユニットに接続され、DC/DCユニットの第2端は冷却ユニットに接続される。DC/DCユニットは、起動した後に放電エネルギーを冷却ユニットへの給電電圧に変換するために用いられる。本実施例において、電池モジュール充電システムの概略図は上記図4を参照することができる。
【0083】
電池モジュール充電システムの実施例と上記制御方法の実施例を相互に組み合わせて使用することは明らかである。上記制御方法の実施例で言及した電池モジュール充電システムに係る関連技術の詳細及び技術的効果は、電池モジュール充電システムの実施例において依然として有効であり、重複を削減するために、ここでは説明を省略する。これに対応して、電池モジュール充電システムの実施例で言及した関連技術の詳細及び技術的効果は、上記制御方法の実施例にも適用することができる。
【0084】
本願のいくつかの実施例に基づき、制御ユニットに関し、図7を参照して、制御ユニットは、少なくとも1つのプロセッサ701と、前記少なくとも1つのプロセッサ701に通信接続されるメモリ702と、を含み、ここで、前記メモリ702には前記少なくとも1つのプロセッサ701によって実行可能なコマンドが記憶され、前記コマンドは前記少なくとも1つのプロセッサ701によって実行され、それにより前記少なくとも1つのプロセッサ701は上記方法の実施例における電池モジュール充電システムの制御方法を実行することができる。
【0085】
ここで、メモリ702及びプロセッサ701はバス方式で接続され、バスは任意の数の相互接続されたバス及びブリッジを含み、バスは1つ又は複数のプロセッサ701及びメモリ702の様々な回路を一体に接続することができる。バスはさらに、周辺機器、電圧レギュレータ、及び電力管理回路などの他の様々な回路を一体に接続してもよく、これらは本分野でよく知られており、よって、本明細書でさらに説明することはしない。バスインタフェースは、バスと送受信機との間のインタフェースを提供する。送受信機は1つのコンポーネントであってもよく、複数のコンポーネント、例えば複数の受信機及び送信機であってもよく、伝送媒体上で他の様々な装置と通信するためのユニットを提供する。プロセッサ701によって処理されたデータはアンテナを介して無線媒体で伝送され、さらに、アンテナはデータを受信し且つデータをプロセッサ701に伝送する。
【0086】
プロセッサ701は、バス及び通常の処理の管理を担当し、さらにタイマー、周辺機器インタフェース、電圧調整、電力管理、及び他の制御機能を含む様々な機能を提供することができる。メモリ702は、プロセッサ701が動作を実行する時に使用するデータを記憶するために用いられる。
【0087】
本願のいくつかの実施例は、コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、上記方法の実施例が実現される。
【0088】
すなわち、当業者であれば理解できるように、上記実施例の方法における全部又は一部のステップはプログラムを介して関連するハードウェアに命令して完了することができ、該プログラムは記憶媒体に記憶され、装置(ワンチップマイコン、チップ等であってもよい)又はプロセッサ(processor)に本願の各実施例の前記方法における全部又は一部のステップを実行させる複数のコマンドを含む。前記記憶媒体は、USBメモリ、リムーバブルハードディスク、リードオンリーメモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスク又は光ディスク等のプログラムコードを記憶可能な各種媒体を含む。
【0089】
最後に説明すべきことは、以上の各実施例は本願の技術的解決手段を説明するためのものに過ぎず、それを制限するものではない。前述の実施例を参照して本願を詳細に説明したが、当業者は以下のことを理解すべきである。当業者は依然として前記各実施例に記載の技術的解決手段を修正し、又はそのうち一部又は全部の技術的特徴を等価置換することができ、これらの修正又は置換は、対応する技術的解決手段の実質を本願の各実施例の技術的解決手段の範囲から逸脱させるものではなく、いずれも本願の特許請求の範囲及び明細書の範囲に収まるべきである。特に、各実施例で言及した各技術的特徴は、構造的な矛盾がない限り、いずれも任意の方法で組み合わせることができる。本願は、本明細書に開示された特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲に含まれる全ての技術的解決手段を含む。
【符号の説明】
【0090】
101 :電池モジュール
102 :充電装置
103 :負パルス吸収分岐回路
104 :制御ユニット
301 :冷却ユニット
302 :給電ユニット
401 :DC/DCユニット
601 :監視モジュール
602 :切り替えスイッチオン制御モジュール
603 :切り替えスイッチオフ制御モジュール
701 :プロセッサ
702 :メモリ
C1 :スーパーキャパシタ
Fuse :ヒューズ
K3 :充電正極リレー
K4 :充電負極リレー
K5、K6:リレー
R1 :電力型抵抗
S1 :切り替えスイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7