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特許7536902筐体、電池、電力消費機器及び筐体の組立方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】筐体、電池、電力消費機器及び筐体の組立方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/271 20210101AFI20240813BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20240813BHJP
【FI】
H01M50/271 B
H01M50/291
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022580063
(86)(22)【出願日】2021-04-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-24
(86)【国際出願番号】 CN2021091336
(87)【国際公開番号】W WO2022041821
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2022-12-23
(31)【優先権主張番号】202010901525.8
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳彬彬
(72)【発明者】
【氏名】薛丹月
(72)【発明者】
【氏名】王慶
(72)【発明者】
【氏名】陳宜鋒
(72)【発明者】
【氏名】任帥
【審査官】佐溝 茂良
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-197664(JP,A)
【文献】特開2015-156302(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20- 50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体であって、
開口を有する第1の筐体と、
前記開口の周方向に沿って設置される収容溝と、
前記収容溝内に収容されるシーラントと、
周方向に配置される結合部を有する第2の筐体であって、前記結合部は、前記第2の筐体が前記開口上に被せられる時、前記収容溝内に突入し、且つ前記シーラントと結合して、前記第1の筐体と前記第2の筐体のシール接続を実現するためのものである第2の筐体と
前記第1の筐体の内周壁と共同で前記収容溝を画定する、前記第1の筐体内に設置されるブラケットと、を含み、
前記収容溝は、前記第1の筐体の内側に位置する、筐体。
【請求項2】
前記結合部は、前記収容溝内に突入し、且つ前記シーラントに挿入されることによって、前記結合部を前記シーラントと結合させるためのものである、請求項1に記載の筐体。
【請求項3】
前記ブラケットは、ストッパ部を有し、
前記ストッパ部は、前記第1の筐体内に位置する電池ユニットと当接して、前記電池ユニットが前記第2の筐体に近づく方向へ移動することを制限するためのものである、請求項に記載の筐体。
【請求項4】
前記ブラケットと前記第1の筐体は一体に成形され、又は、
前記ブラケットは前記第1の筐体から独立している、請求項に記載の筐体。
【請求項5】
前記筐体は、第1のロック部材をさらに含み、前記ブラケットと前記第1の筐体は、前記第1のロック部材によって接続される、請求項又はに記載の筐体。
【請求項6】
前記第1の筐体に第1の取付孔が設けられ、前記ブラケットに第2の取付孔が設けられ、
前記第1のロック部材は、前記第1の取付孔、前記シーラントと前記第2の取付孔を順に通過して、前記ブラケットと前記第1の筐体を接続する、請求項に記載の筐体。
【請求項7】
前記結合部に、前記第1のロック部材を回避するための切り欠きが開設され、前記シーラントは、前記切り欠きを完全に覆う、請求項に記載の筐体。
【請求項8】
前記ブラケットの外周壁は、
前記第1の筐体の内周壁に密着される第1の周面と、
前記第1の筐体の内周壁と間隔をあけて設置され、前記収容溝の一つの側壁である第2の周面であって、前記第1の筐体の内周壁は、前記収容溝のもう一つの側壁である第2の周面とを含む、請求項又はのいずれか一項に記載の筐体。
【請求項9】
前記ブラケットの外周壁は、
前記第1の周面と前記第2の周面との間に形成され、前記収容溝の底壁である段差面をさらに含む、請求項に記載の筐体。
【請求項10】
前記筐体は、第2のロック部材をさらに含み、前記第2の筐体と前記第1の筐体は、前記第2のロック部材によって接続される、請求項1~のいずれか一項に記載の筐体。
【請求項11】
前記第1の筐体に第3の取付孔が設けられ、前記第2の筐体に第4の取付孔が設けられ、
前記第2のロック部材は、前記第3の取付孔と前記第4の取付孔を順に通過して、前記第1の筐体と前記第2の筐体を接続し、
ここで、前記第3の取付孔は、前記シーラントよりも前記開口に近い、請求項10に記載の筐体。
【請求項12】
電池であって、
請求項1~11のいずれか一項に記載の筐体と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体により共同で画定されるシール空間内に収容される電池ユニットとを含む、電池。
【請求項13】
電力消費機器であって、請求項12に記載の電池を含む、電力消費機器。
【請求項14】
筐体の組立方法であって、前記方法は、
開口を有する第1の筐体内にブラケットを取り付けて、前記第1の筐体の内周壁と前記ブラケットにより共同で前記第1の筐体の前記開口の周方向に沿って設置される収容溝を画定するステップと、
前記第1の筐体の前記開口の周方向に沿って設置される前記収容溝内にシーラントを注入するステップと、
第2の筐体を前記開口上に被せて、前記第2の筐体の周方向に配置される結合部を前記収容溝内に突入させ、且つ前記シーラントと結合させるステップとを含む、筐体の組立方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、動力電池の技術分野に関し、具体的には、筐体、電池、電力消費機器及び筐体の組立方法に関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年8月31日に提出された、名称が「筐体、電池、電力消費機器及び筐体の組立方法」である中国特許出願CN202010901525.8の優先権を主張しており、同出願の内容のすべては、ここに参照として取り込まれる。
【背景技術】
【0003】
電池のシール性を確保するために、一般的には、電池の第1の筐体と第2の筐体との間をシールする必要がある。場合によっては、第1の筐体と第2の筐体との間にシールリングを設置して、第1の筐体と第2の筐体に対するシールを実現することがあるが、このようなシール方式は、シール不良が発生しやすい。
【発明の概要】
【0004】
本出願の実施例は、従来のシール方式でシール不良が発生しやすいという問題を改善するための筐体、電池、電力消費機器及び筐体の組立方法を提供する。
【0005】
第1の態様によれば、本出願の実施例は、第1の筐体と、収容溝と、シーラントと、第2の筐体とを含む筐体を提供し、第1の筐体は開口を有し、収容溝は前記開口の周方向に沿って設置され、シーラントは前記収容溝内に収容され、第2の筐体は周方向に配置される結合部を有し、前記結合部は、前記第2の筐体が前記開口上に被せられる時、前記収容溝内に突入し、且つ前記シーラントと結合して、前記第1の筐体と前記第2の筐体のシール接続を実現するためのものである。
【0006】
本出願による筐体では、シーラントが収容溝内に収容されるため、収容溝はシーラントに対して制限する役割を果し、シーラントは収容溝内でずれることがなく、シール不良の状況が生じにくく、シーラントのシール性が確保される。第2の筐体の結合部が収容溝内に延在してシーラントと結合するため、収容溝は結合部に対してもストッパする役割を果たすことができる。取り付ける時、収容溝内にシーラントを注入してから、第2の筐体の結合部を収容溝内に延在させてシーラントと結合させることで、第1の筐体と第2の筐体のシールが実現され、取り付けが容易で迅速である。取り付ける過程において、第2の筐体が過度に押圧されたとしても、収容溝内には常にシーラントが収容されているため、第2の筐体の結合部とシーラントは常に結合状態を保持することができ、第2の筐体の過度な押圧によりシール不良になることはない。
【0007】
本出願のいくつかの実施例では、前記結合部は、前記収容溝内に突入し、且つ前記シーラントに挿入されることによって、前記結合部を前記シーラントと結合させるためのものである。
【0008】
上記態様において、結合部をシーラントに挿入することによって、結合部とシーラントの結合を実現し、結合部とシーラントの結合後の堅固さを向上させ、シーラントと結合部の接触面積を増大させ、第1の筐体と第2の筐体のシール性を向上させる。
【0009】
本出願のいくつかの実施例では、前記収容溝は、前記第1の筐体の内側に位置する。
【0010】
上記態様において、収容溝を第1の筐体の内側に設置することによって、第1の筐体の内部の空間を有効に利用し、第1の筐体が占有する外部空間を小さくし、電池のエネルギー密度を向上させる。
【0011】
本出願のいくつかの実施例では、前記筐体は、前記第1の筐体内に設置されるブラケットをさらに含み、前記第1の筐体の内周壁と前記ブラケットが共同で前記収容溝を画定する。
【0012】
上記態様において、筐体内部に設置されるブラケットによって第1の筐体の内周壁と共同で収容溝を画定し、構造が簡単で、収容溝を可能な限り第1の筐体の周囲のエッジに近づけることができる。なお、第1の筐体に設置されるブラケットは、第1の筐体に対してある程度補強する役割を果たすことができる。
【0013】
本出願のいくつかの実施例では、前記ブラケットは、ストッパ部を有し、前記ストッパ部は、前記第1の筐体内に位置する電池ユニットと当接して、前記電池ユニットが前記第2の筐体に近づく方向へ移動することを制限するためのものである。
【0014】
上記態様において、ブラケットのストッパ部は、第1の筐体内に置かれる電池ユニットに対して制限する役割を果たすことによって、電池ユニットが第1の筐体内で揺れる可能性を低下させることができる。つまり、ブラケットは二つの役割を有し、一つの役割は、第1の筐体の内周壁と共同で収容溝を画定することであり、もう一つの役割は、電池ユニットを第1の筐体内に制限することである。
【0015】
本出願のいくつかの実施例では、前記ブラケットと前記第1の筐体は一体に成形され、又は、前記ブラケットは前記第1の筐体から独立している。
【0016】
上記態様において、ブラケットと第1の筐体が一体に成形される場合、ブラケットと第1の筐体は一つの全体を構成し、ブラケットと第1の筐体との間の堅固さを向上させ、ブラケットと第1の筐体との間に隙間が生じることはなく、収容溝のシーラント漏れは生じない。ブラケットが第1の筐体から独立する場合、ブラケットと第1の筐体を別々に製造してから、両者を組み立てればよく、収容溝の成形難易度を効果的に低下させ、生産コストを削減することができる。
【0017】
本出願のいくつかの実施例では、前記筐体は、第1のロック部材をさらに含み、前記ブラケットと前記第1の筐体は、前記第1のロック部材によって接続される。
【0018】
上記態様において、第1のロック部材でブラケットと第1の筐体を接続することによって、ブラケットを第1の筐体の内側に設置した後の堅固さを向上させ、電池ユニットが第1の筐体内で揺れる可能性をさらに低下させる。
【0019】
本出願のいくつかの実施例では、前記第1の筐体に第1の取付孔が設けられ、前記ブラケット上に第2の取付孔が設けられ、
前記第1のロック部材は、前記第1の取付孔、前記シーラントと前記第2の取付孔を順に通過して、前記ブラケットと前記第1の筐体を接続する。
【0020】
上記態様において、第1のロック部材が、第1の取付孔、シーラントと第2の取付孔を順に通過するため、第1のロック部材でブラケットと第1の筐体をロックすると同時に、第1のロック部材は、シーラントに対して固定する役割を果たし、シーラントの収容溝内からの脱落を防止する。
【0021】
本出願のいくつかの実施例では、前記結合部に、前記第1のロック部材を回避するための切り欠きが開設され、前記シーラントは、前記切り欠きを完全に覆う。
【0022】
上記技術案において、結合部に切り欠きが設置されるため、結合部をシーラントに挿入する過程で、第1のロック部材は切り欠き内に入り、結合部と第1のロック部材との干渉を避け、結合部をシーラントのより深い位置まで挿入できることを確保する。シーラントが切り欠きを完全に覆うため、外部の媒体(気体、液体など)が切り欠きから筐体内に入ることを避け、良好なシール性を確保する。
【0023】
本出願のいくつかの実施例では、前記ブラケットの外周壁は、第1の周面と第2の周面とをさらに含み、第1の周面は、前記第1の筐体の内周壁に密着され、前記第2の周面は、前記第1の筐体の内周壁と間隔をあけて設置され、前記第2の周面は、前記収容溝の一つの側壁であり、前記第1の筐体の内周壁は、前記収容溝のもう一つの側壁である。
【0024】
上記態様において、ブラケットの第1の周面と第1の筐体の内周壁とを密着することで、ブラケットと第1の筐体の位置決めを実現することができ、ブラケットが第1の筐体内で揺れる可能性を効果的に低下させることができる。なお、収容溝内に位置するシーラントは、第1の周面と第1の筐体の内周壁との間から溢れ出ることがない。
【0025】
本出願のいくつかの実施例では、前記ブラケットの外周壁は、前記第1の周面と前記第2の周面との間に形成され、前記収容溝の底壁である段差面をさらに含む。
【0026】
上記態様において、ブラケットの段差面は収容溝の底壁であり、即ち収容溝の底壁(段差面)と一つの側壁(第2の周面)はいずれもブラケット上に位置し、ブラケットを合理的に利用し、第1の筐体の構造を簡略化する。
【0027】
本出願のいくつかの実施例では、前記筐体は、第2のロック部材をさらに含み、前記第2の筐体と前記第1の筐体は、前記第2のロック部材によって接続される。
【0028】
上記態様において、第2のロック部材で第2の筐体と第1の筐体を接続することによって、第2の筐体の結合部とシーラントを結合した後の堅固さを向上させる。
【0029】
本出願のいくつかの実施例では、前記第1の筐体に第3の取付孔が設けられ、前記第2の筐体に第4の取付孔が設けられ、前記第2のロック部材は、前記第3の取付孔と前記第4の取付孔を順に通過して、前記第1の筐体と前記第2の筐体を接続し、ここで、前記第3の取付孔は、前記シーラントよりも前記開口に近い。
【0030】
上記態様において、第1の筐体上の、第2のロック部材が通過する第3の取付孔は、シーラントよりも第1の筐体の開口に近く、収容溝内にシーラントを注入する過程における、第3の取付孔内からのシーラント漏れを効果的に避けることができる。
【0031】
第2の態様によれば、本出願の実施例は、電池ユニットと、上記第1の態様による筐体とを含む電池を提供し、電池ユニットは、前記第1の筐体と前記第2の筐体により共同で画定されるシール空間内に収容される。
【0032】
上記態様において、筐体のシーラントが収容溝内に収容されるため、シーラントは失効しにくく、第1の筐体と第2の筐体との間は非常に良好なシール性を有し、電池ユニットのために長期的に安定したシール環境を提供することができる。
【0033】
第3の態様によれば、本出願の実施例は、上記第2の態様による電池を含む電力消費機器を提供する。
【0034】
上記態様において、電力消費機器の電池は非常に良好なシール性を有し、電池の筐体は、電池ユニットのために長期的に安定したシール環境を提供することができる。
【0035】
第4の態様によれば、本出願の実施例は、筐体の組立方法を提供し、前記方法は、前記第1の筐体の開口の周方向に沿って設置される収容溝内にシーラントを注入することと、第2の筐体を前記開口上に被せて、前記第2の筐体の周方向に配置される結合部を前記収容溝内に突入させ、且つ前記シーラントと結合させることとを含む。
【0036】
上記方法により、電池の迅速な組み立てを実現することができ、組み立て完了後の電池は、非常に良好なシール性を有する。シーラントが収容溝内に注入されるため、収容溝はシーラントに対して制限する役割を果し、シーラントは収容溝内でずれることがなく、シール不良の状況が生じにくく、シーラントのシール性が確保され、第2の筐体の結合部とシーラントを結合した後、第2の筐体と第1の筐体は、電池ユニットのために長期的に安定したシール環境を提供することができる。
【0037】
本出願のいくつかの実施例では、前記方法は、前記第1の筐体内にブラケットを取り付けて、前記第1の筐体の内周壁と前記ブラケットにより共同で前記第1の筐体の開口の周方向に沿って設置される収容溝を画定することをさらに含む。
【0038】
上記態様において、第1の筐体内にブラケットを取り付け、ブラケットによって第1の筐体の内周壁と共同で収容溝を画定し、収容溝を可能な限り第1の筐体の周囲のエッジに近づけることができるとともに、収容溝の成形難易度を効果的に低下させ、生産コストを削減する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
本出願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下では、本出願の実施例で使用する必要のある図面を簡単に説明するが、明らかに、以下に記述された図面は、本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的な労力を払わない前提で、図面に基づいて他の図面を入手することができる。
図1】本出願のいくつかの実施例による車両の構造概略図である。
図2】本出願のいくつかの実施例による電池の構造概略図である。
図3】本出願のいくつかの実施例による筐体の(結合部とシーラントの第1の結合形式の第1の可能な)部分図である。
図4】本出願のいくつかの実施例による筐体の(結合部とシーラントの第1の結合形式の第2の可能な)部分図である。
図5】本出願のいくつかの実施例による筐体の(結合部とシーラントの第1の結合形式の第3の可能な)部分図である。
図6】本出願のいくつかの実施例による筐体の(結合部とシーラントの第2の結合形式)部分図である。
図7】本出願のいくつかの実施例による筐体の(結合部とシーラントの第3の結合形式の第1の可能な)部分図である。
図8】本出願のいくつかの実施例による筐体の(結合部とシーラントの第3の結合形式の第2の可能な)部分図である。
図9】本出願のいくつかの実施例による第1の筐体と収容溝の第1の可能な位置関係図である。
図10】本出願のいくつかの実施例による第1の筐体と収容溝の第2の可能な位置関係図である。
図11】本出願のいくつかの実施例による第1の筐体と収容溝の第3の可能な位置関係図である。
図12】本出願のいくつかの実施例による電池の分解図である。
図13】本出願のいくつかの実施例による第1の筐体とブラケット両者の位置関係図である。
図14】本出願のいくつかの実施例による第1の筐体、ブラケットと電池ユニット三者の位置関係図である。
図15】本出願のいくつかの実施例によるブラケットの構造概略図である。
図16】本出願のいくつかの実施例による筐体(第1の筐体とブラケットが第1のロック部材によって接続される)の第1の可能な構造概略図である。
図17】本出願のいくつかの実施例による筐体(第1の筐体とブラケットが第1のロック部材によって接続される)の第2の可能な構造概略図である。
図18】本出願のいくつかの実施例による筐体(第2の筐体と第1の筐体が第2のロック部材によって接続される)の構造概略図である。
図19】本出願のいくつかの実施例による電池の部分図である。
図20】本出願のいくつかの実施例による筐体の組立方法のフローチャートである。
図21】本出願のまたいくつかの実施例による筐体の組立方法のフローチャートである。 なお、図面において、図は、実際の縮尺通りに描かれているとは限らない。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本出願の実施例の目的、技術案、及び利点をより明確にするために、以下は、本出願の実施例の図面を参照しながら、本出願の実施例における技術案を明確、完全に説明する。説明される実施例は、本出願の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではないことは明らかである。一般的には、ここの図面に記述と図示される本出願の実施例のアセンブリは様々な異なる構成で配置と設計することができる。
【0041】
従って、以下の、図面による本出願の実施例の詳細な記述は、特許請求される本出願の範囲を限定することを意図するものではなく、単に本出願の選択された実施例を示すものである。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を払わない前提で得られたすべての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0042】
注意すべきこととして、似ている参照番号及びアルファベットは以下の図面において類似している項目を示すため、一旦ある項目が一つの図面に定義されると、これに続く図面においてそれに対してそれ以上の定義及び説明は必要とされない。
【0043】
本出願の実施例の記述において、説明すべきこととして、示される方位若しくは位置関係は図面に示す方位若しくは位置関係、又は該出願製品が使用される際に慣習的に置かれている方位若しくは位置関係、又は当業者が慣習的に理解する方位若しくは位置関係、又は該出願製品が使用される際に慣習的に置かれている方位若しくは位置関係に基づくものであり、本出願を容易に記述し、且つその記述を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構造と操作されなければならないことを指示又は示唆するものではないため、本出願を制限するものとして理解すべきではない。さらに、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、単に区別して記述するためのものであり、相対的な重要性を指示又は示唆するものとして理解されるべきではない。
【0044】
発明者は、従来の筐体では、シールリングが第1の筐体の端面と第2の筐体の端面との間に直接設置されるため、筐体の振動中にシールリングのずれが発生しやすく、それにより第1の筐体と第2の筐体との間のシールリングによるシール不良を引き起こすことを発見した。
【0045】
そのため、本出願の実施例は、電力消費機器、電池、筐体及び筐体の組立方法を提供して、従来のシール方式でシール不良が発生しやすいという状況を改善する。
【0046】
本出願の実施例は電力消費機器を提供し、該電力消費機器は、車両、携帯電話、携帯型機器、ノートパソコン、汽船、宇宙航空機、電動玩具と電動工具などであってもよい。車両は、燃料油自動車、ガス自動車、又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車、又はレンジエクステンダー自動車などであってもよく、宇宙航空機は、飛行機、ロケット、スペースシャトルと宇宙船などを含み、電動玩具は、据置型又は移動型電動玩具、例えば、ゲーム機、電気自動車玩具、電気汽船玩具、電気飛行機玩具などを含み、電動工具は、金属切削電動工具、研磨電動工具、組み立て電動工具と鉄道用電動工具、例えば、電動ドリル、電動グラインダー、電動レンチ、電動ドライバー、電動ハンマ、ハンマードリル、コンクリート振動機、電動鉋などを含む。本出願の実施例では特に上記電力消費機器について限定しない。
【0047】
以下の実施例は、説明を容易にするために、電力消費機器が車両1000であることを例として説明する。
【0048】
図1を参照すると、車両1000の内部に電池100が設置されており、電池100は、車両1000の底部又は前部又は後部に設置することができる。電池100は、車両1000への給電に使用することができ、例えば、電池100は、車両1000の操作電源とすることができる。
【0049】
車両1000は、コントローラ200と、モータ300とをさらに含んでもよく、コントローラ200は、電池100がモータ300に給電するように制御するためのものであり、例えば、車両1000の始動、ナビゲーション及び走行時の作動電力需要に用いる。
【0050】
本出願のいくつかの実施例において、電池100は、車両1000の操作電源として用いることができるだけでなく、車両1000の駆動電源として、ガソリン又は天然ガスの代わりに、又はその一部の代わりに車両1000に駆動動力を提供することもできる。
【0051】
本出願の実施例による電池100は、より高い電圧と容量を提供するために一つ又は複数の電池ユニットを含む単一の物理モジュールを指す。例えば、本出願で言及される電池100は、電池モジュール又は電池パックなどが含まれてもよい。電池100は、一般的には、一つ又は複数の電池ユニットをパッケージングするための筐体を含む。筐体は、液体又はその他の異物が電池セルの充電又は放電に影響を与えることを避けることができる。
【0052】
電池ユニットは、一つ又は複数の電池セルを含む。電池ユニットが複数の電池セルを含む場合、複数の電池セルは、バスバーによって直列及び/又は並列に接続することができる。
【0053】
本出願において、電池セルは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池などを含んでもよいが、本出願の実施例では、それを限定しない。電池セルは、円柱体、扁平体、直方体、又はその他の形状などを有してもよく、本出願の実施例ではこれについても限定しない。電池セルは、一般的には、パッケージングの形態によって、柱形電池セル、四角形電池セルと軟質パウチ電池セルの三つの種類に分けられ、本出願の実施例では、それを限定しない。
【0054】
電池セルは電極アセンブリと電解液を含み、電極アセンブリは正極板、負極板及びセパレータによって構成される。電池セルは、主に金属イオンが正極板と負極板との間で移動することにより作動する。正極板は、正極集電体と正極活物質層とを含み、正極活物質層は、正極集電体の表面に塗覆されており、正極活物質層が塗布されていない集電体は、正極活物質層が塗覆された集電体から突出しており、正極活物質層が塗布されていない集電体は、正極タブとされる。リチウムイオン電池を例にして、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質は、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウムなどであってもよい。負極板は、負極集電体と負極活物質層とを含み、負極活物質層は、負極集電体の表面に塗覆されており、負極活物質層が塗布されていない集電体は、負極活物質層が塗覆された集電体から突出しており、負極活物質層が塗布されていない集電体は、負極タブとされる。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質は、炭素又はシリコンなどであってもよい。大電流を流しても溶断が生じないように、正極タブの数は複数で積層されており、負極タブの数は複数で積層されている。セパレータの材質は、PP又はPEなどであってもよい。また、電極アセンブリは、捲回型構造であってもよいし、積層型構造であってもよく、本出願の実施例はこれに限定されるものではない。
【0055】
図2を参照すると、本出願の実施例による電池100は、筐体10と電池ユニット30とを含み、電池ユニット30は、筐体10内に収容され、筐体10は、電池ユニット30のために長期的に安定したシール環境を提供することができる。
【0056】
図3図8を参照すると、本出願の実施例による筐体10は、第1の筐体11と、収容溝12と、シーラント13と、第2の筐体14とを含む。
【0057】
第1の筐体11は開口111を有し、収容溝12は開口111の周方向に沿って設置され、シーラント13は収容溝12内に収容される。第2の筐体14は周方向に配置される結合部141を有し、結合部141は、第2の筐体14が開口111上に被せられる時、収容溝12内に突入し、且つシーラント13と結合して、第1の筐体11と第2の筐体14のシール接続を実現するためのものである。
【0058】
シーラント13が収容溝12内に収容されるため、収容溝12はシーラント13に対して制限する役割を果し、シーラント13は収容溝12内でずれることがなく、シール不良の状況が生じにくく、シーラント13のシール性が確保される。第2の筐体14の結合部141が収容溝12内に延在してシーラント13と結合するため、収容溝12は結合部141に対してもストッパする役割を果たすことができる。取り付ける時、収容溝12内にシーラント13を注入してから、第2の筐体14の結合部141を収容溝12内に延在させてシーラント13と結合させることで、第1の筐体11と第2の筐体14のシールが実現され、取り付けが容易で迅速である。取り付ける過程において、第2の筐体14が過度に押圧されたとしても、収容溝12内には常にシーラント13が収容されているため、第2の筐体14の結合部141とシーラント13は常に結合状態を保持することができ、第2の筐体14の過度な押圧によりシール不良になることはない。
【0059】
ここで、第1の筐体11が第2の筐体14の蓋であってもよく、第2の筐体14が第1の筐体11の蓋であってもよい。以下の実施例はいずれも第2の筐体14が第1の筐体11の蓋であることを例として説明するが、理解できるように、第2の筐体14は第1の筐体11の上側に位置する。
【0060】
第1の筐体11は、頂部に開口111が設けられた中空構造である。第1の筐体11は直方体、円柱体などであってもよい。
【0061】
第2の筐体14は、第1の筐体11の開口111に被せるための本体142をさらに有し、結合部141は、本体142の底部に固定される。結合部141は、矩形リングや円形リングなどであってもよい。
【0062】
第1の筐体11が直方体である場合、第2の筐体14の本体142は矩形構造であってもよく、第2の筐体14の結合部141は矩形リングであってもよい。第1の筐体11が円柱体である場合、第2の筐体14の本体142は円形構造であってもよく、第2の筐体14の結合部141は円形リングであってもよい。
【0063】
説明すべきこととして、第2の筐体14の結合部141とシーラント13を結合することは、収容溝12内のシーラント13が凝固した後、シーラント13と結合部141が一体に接続されることとして理解されてもよい。結合部141とシーラント13は、様々な結合形式を有する。
【0064】
図3図5を参照すると、本出願のいくつかの実施例では、結合部141をシーラント13内に挿設することによって、結合部141とシーラント13を結合させ、このような構造は、結合部141とシーラント13の結合後の堅固さを向上させ、シーラント13と結合部141の接触面積を増大させ、第1の筐体11と第2の筐体14のシール性を向上させる。
【0065】
ここで、結合部141がシーラント13に挿入される場合、結合部141は三つの配置形式を有する。図3を参照すると、一つ目は、結合部141の内周壁と外周壁がいずれも収容溝12の側壁と距離を置いていることである。図4を参照すると、二つ目は、結合部141の内周壁が収容溝12の一つの側壁に密着されることである。図5を参照すると、三つ目は、結合部141の外周壁が収容溝12の一つの側壁に密着されることである。
【0066】
結合部141をシーラント13に挿入する時、結合部141は収容溝12の底壁まで延在してもよいし、結合部141は収容溝12の底壁と一定の距離を置いてもよい。
【0067】
図6を参照すると、本出願のいくつかの実施例では、結合部141の収容溝12内に延在する端の端面がシーラント13の上表面と接着することによって、結合部141をシーラント13と結合させる。
【0068】
図7図8を参照すると、本出願のいくつかの実施例では、結合部141の収容溝12内に延在する端の端面上に凹部1411が設けられ、シーラント13が凹部1411内に延在することによって、結合部141をシーラント13と結合させる。
【0069】
ここで、結合部141の厚さは、収容溝12の幅と等しくてもよく、即ち結合部141の内周壁と外周壁はそれぞれ収容溝12の二つの側壁に密着される。結合部141を収容溝12に挿入する過程において、結合部141は、収容溝12内のシーラント13を凹部1411内に押し付ける。
【0070】
凹部1411は、様々な構造であってもよい。図7を参照すると、凹部1411は、結合部141内に設置されるリング状溝1411aであってもよい。図8を参照すると、凹部1411は、結合部141内に設置される排気孔1411bであってもよく、排気孔1411bは、円形孔や方形孔などであってもよい。
【0071】
本出願の実施例では、収容溝12は第1の筐体11に設置され、収容溝12は様々な設置形式を有してもよい。図9を参照すると、収容溝12は第1の筐体11の外側に設置されてもよい。図10を参照すると、収容溝12は第1の筐体11の端面上に設置されてもよい。図11を参照すると、収容溝12は第1の筐体11の内側に設置されてもよく、それによって第1の筐体11の内部の空間を有効に利用し、第1の筐体11が占有する外部空間を小さくし、電池100のエネルギー密度を向上させる。
【0072】
図12図13を参照すると、本出願のいくつかの実施例では、筐体10は、ブラケット15をさらに含み、ブラケット15は、第1の筐体11内に設置され、ブラケット15と第1の筐体11の内周壁が共同で第1の筐体11の内側に位置する収容溝12(図13に示せず)を画定する。
【0073】
筐体10内部に設置されるブラケット15によって第1の筐体11の内周壁と共同で収容溝12を画定し、構造が簡単で、収容溝12を可能な限り第1の筐体11の周囲のエッジに近づけることができる。なお、第1の筐体11に設置されるブラケット15は、第1の筐体11に対してある程度補強する役割を果たすことができる。
【0074】
引き続き図13を参照すると、本実施例では、ブラケット15は第1の筐体11から独立している。ブラケット15と第1の筐体11を別々に製造してから、両者を組み立てればよく、収容溝12の成形難易度を効果的に低下させ、生産コストを削減することができる。
【0075】
いくつかの実施例において、ブラケット15の外周壁は、第1の周面151と第2の周面152とを含む。第1の周面151は、第1の筐体11の内周壁に密着される。第2の周面152は、第1の筐体11の内周壁と間隔をあけて設置され、第2の周面152は、収容溝12の一つの側壁であり、第1の筐体11の内周壁は、収容溝12のもう一つの側壁である。
【0076】
上記構造では、ブラケット15の第1の周面151と第1の筐体11の内周壁とを密着することで、ブラケット15と第1の筐体11の位置決めを実現することができ、ブラケット15が第1の筐体11内で揺れる可能性を効果的に低下させることができる一方、収容溝12内に位置するシーラント13は、第1の周面151と第1の筐体11の内周壁との間から溢れ出ることがない。
【0077】
いくつかの実施例において、ブラケット15の外周壁は段差面153をさらに含み、段差面153は、第1の周面151と第2の周面152との間に形成され、段差面153は、収容溝12の底壁である。
【0078】
ブラケット15の段差面153は収容溝12の底壁であり、即ち収容溝12の底壁(段差面153)と一つの側壁(第2の周面152)はいずれもブラケット15上に位置し、ブラケット15を合理的に利用し、第1の筐体11の構造を簡略化する。
【0079】
他の実施例では、収容溝12の底壁は、第1の筐体11上に設置されてもよい。
【0080】
例示的に、ブラケット15は中空のフレーム状構造であり、ブラケット15の重量を効果的に軽減できるとともに、回路基板(図示せず)やワイヤハーネス(図示せず)などの部品の配置を容易にする。
【0081】
いくつかの実施例において、ブラケット15は、第1の囲い154と、第2の囲い155と、接続体156とを含み、第1の囲い154と第2の囲い155は接続体156によって接続される。第2の囲い155は、第1の囲い154よりも筐体10の開口111に近く、第1の周面151は第1の囲い154の外面であり、第2の周面152は第2の囲い155の外面であり、段差面153は接続体156の外面である。
【0082】
いくつかの実施例において、図14を参照すると、ブラケット15はストッパ部157をさらに含み、ストッパ部157は、第1の筐体11内に位置する電池ユニット30と当接して、電池ユニット30が第2の筐体14に近づく方向へ移動することを制限するためのものである。
【0083】
ブラケット15のストッパ部157は、第1の筐体11内に置かれる電池ユニット30に対して制限する役割を果たすことによって、電池ユニット30が第1の筐体11内で揺れる可能性を低下させることができる。つまり、ブラケット15は二つの役割を有し、一つの役割は、第1の筐体11の内周壁と共同で収容溝12を画定することであり、もう一つの役割は、電池ユニット30を第1の筐体11内に制限することである。
【0084】
実際に組み立てる時、まず電池ユニット30を第1の筐体11内に置き、さらにブラケット15を第1の筐体11内に取り付け、ストッパ部157で電池ユニット30の頂部を押さえることにより、電池ユニット30を第1の筐体11内に制限する。
【0085】
例示的に、ストッパ部157は、接続体156から、第1の筐体11の中心位置に近づく方向へ延在する。
【0086】
ストッパ部157は、接続体156の周方向に沿って全周にわたって配置されてもよく、即ちストッパ部157はリング状構造、例えば、矩形リングや円形リングである。ストッパ部157は、接続体156の周方向に沿って局所的に配置されてもよく、例えば、接続体156は矩形リングの構造であり、ストッパ部157は接続体156の一つ、二つ、又は三つの辺上に配置される。
【0087】
いくつかの実施例において、図15に示すように、ブラケット15は矩形リングの構造であり、ブラケット15は、順に首尾接続される四つのフレーム159を含む。理解できるように、ブラケット15の第1の囲い154、第2の囲い155及び接続体156はいずれも矩形リングの構造である。接続体156の相対する二つの辺上にいずれもストッパ部157が設けられている。
【0088】
ブラケット15にとって、ブラケット15は一体型構造であってもよく、分離型構造であってもよい。ブラケット15が分離型構造である場合、ブラケット15の四つのフレーム159を個別に製造してから、溶接の方式によって四つのフレーム159を接続すればよい。四つのフレーム159はいずれも板材を屈曲させる方式によって成形することができる。
【0089】
ブラケット15と第1の筐体11が固定されていない場合、収容溝12内にシーラント13を注入すると、シーラント13はブラケット15と第1の筐体11に対してある程度固定する役割を果たすことができ、即ちブラケット15はシーラント13によって第1の筐体11と接着する。
【0090】
いくつかの実施例において、図16を参照すると、ブラケット15の堅固さをさらに向上させるために、筐体10は第1のロック部材16をさらに含んでもよく、ブラケット15と第1の筐体11を第1のロック部材16によって接続することで、ブラケット15と第1の筐体11は接続して固定され、電池ユニット30が第1の筐体11内で揺れる可能性をさらに低下させる。
【0091】
いくつかの実施例において、第1の筐体11上に第1の取付孔112が設けられ、ブラケット15上に第2の取付孔158が設けられ、第1のロック部材16は、第1の取付孔112、シーラント13と第2の取付孔158を順に通過して、ブラケット15と第1の筐体11を接続する。
【0092】
第1のロック部材16が、第1の取付孔112、シーラント13と第2の取付孔158を順に通過するため、第1のロック部材16でブラケット15と第1の筐体11をロックすると同時に、第1のロック部材16は、シーラント13に対して固定する役割を果たし、シーラント13の収容溝12内からの脱落を防止する。
【0093】
いくつかの実施例において、シーラント13は第1の取付孔112と第2の取付孔158を完全に覆い、第1のロック部材16の周壁と第1の取付孔112又は第2の取付孔158の孔壁に隙間が存在していても、シーラント13は該隙間を遮蔽又は封止し、筐体10シールの信頼性を向上させることができる。
【0094】
第2の取付孔158は、ブラケット15の第2の囲い155上に設置される。
【0095】
説明すべきこととして、第1のロック部材16が第1の取付孔112、シーラント13と第2の取付孔158を順に通過することは、ただ第1のロック部材16が同時に第1の取付孔112、シーラント13と第2の取付孔158を通過している最終状態を示しているが、組み立てる時、第1のロック部材16がまず第1の取付孔112を通過し、さらにシーラント13を通過し、最後に第2の取付孔158を通過することのみを示すというわけではない。
【0096】
実際に組み立てる時、シーラント13を収容溝12内に注入してから、第1のロック部材16に第1の取付孔112と第2の取付孔158を通過させ、第1のロック部材16が自然にシーラント13を通過し、最終的にブラケット15と筐体10に対する接続固定を実現してもよく、無論、まず第1のロック部材16に第1の取付孔112と第2の取付孔158を通過させ、ブラケット15と筐体10に対する接続固定を実現してから、収容溝12内にシーラント13を注入してもよい。
【0097】
例示的に、第1のロック部材16はボルトであり、第1のロック部材16の端部に第1のナット17が螺着され、第1のナット17は第1の筐体11の内部に位置し、第1のナット17はブラケット15の第2の囲い155を締め付ける。
【0098】
非制限的な一例において、第1のナット17は、一端が開放された管状部材であり、第1のナット17は第1のロック部材16の外側に螺着され、第1のナット17の開放された端が第2の取付孔158内に延在し、第1のナット17の第2の取付孔158まで延在する部分と第2の取付孔158の孔壁とは、シール接続を形成する。第1のナット17の第2の取付孔158内に延在する部分は、第1のシールリング18によって第2の取付孔158の孔壁とシール接続を形成することができる。
【0099】
引き続き図16を参照すると、第1のロック部材16がシーラント13を通過した場合、第2の筐体14の結合部141をシーラント13内に挿入する時、結合部141の端部は、第1のロック部材16と収容溝12の底壁との間に延在する領域であってもよく、この場合、結合部141上に第1のロック部材16を回避するための切り欠き1412(図12に示されている)を開設してもよく、結合部141と第1のロック部材16との干渉を避け、結合部141をシーラント13のより深い位置まで挿入できることを確保する。なお、シーラントは切り欠き1412を完全に覆い、外部の媒体(気体、液体など)が切り欠き1412を介して筐体10内に入ることを避け、良好なシール性を確保する。
【0100】
例示的に、図16において、第2の筐体14の本体142と結合部141は一体型構造であり、第2の筐体14は、本体142と結合部141との接続位置で屈曲構造143を形成し、結合部141をシーラント13内に挿入する時、本体142は自然に第1の筐体11の開口111に被せられる。
【0101】
図17を参照すると、第1のロック部材16がシーラント13を通過した場合、第2の筐体14の結合部141をシーラント13内に挿入する時、結合部141の端部は、第1のロック部材16と収容溝12の溝口との間に延在する領域であってもよい。
【0102】
説明すべきこととして、ブラケット15は第1のロック部材16によって筐体10に接続して固定されるほか、ブラケット15はその他の方式によって筐体10に接続して固定されてもよく、例えば、ブラケット15を筐体10内に置いた後、溶接の方式によって両者を固定する。
【0103】
無論、ブラケット15は第1の筐体11から独立するほか、ブラケット15は第1の筐体11と一体に成形されてもよく、それによってブラケット15と第1の筐体11は一つの全体を構成し、ブラケット15と第1の筐体11との間の堅固さを向上させ、ブラケット15と第1の筐体11との間に隙間が生じることはなく、収容溝12のシーラント漏れは生じない。
【0104】
ブラケット15と第1の筐体11が一体に成形される場合、ブラケット15にはストッパ部157(図14に示されている)を設置しなくてもよく、電池ユニット30(図14に示されている)を第1の筐体11内に入れる時、電池ユニット30をブラケット15の中心位置より第1の筐体11内に入れることができる。
【0105】
図18を参照すると、いくつかの実施例において、筐体10は第2のロック部材19をさらに含んでもよく、第2の筐体14と第1の筐体11を第2のロック部材19によって接続することで、第2の筐体14と第1の筐体11は接続して固定される。このような構造は、第2の筐体14の結合部141とシーラント13を結合した後の堅固さを向上させる。同時に、このような構造は、第2の筐体14と第1の筐体11との接続の安定性をも向上させる。
【0106】
ここで、第1の筐体11上に第3の取付孔113が設けられ、第2の筐体14上に第4の取付孔1413が設けられている。第2のロック部材19は、第3の取付孔113と第4の取付孔1413を順に通過して、第1の筐体11と第2の筐体14を接続して固定する。
【0107】
任意選択的に、第3の取付孔113はシーラント13よりも開口111に近く、理解できるように、第3の取付孔113はシーラント13よりも高い。このような構造は、収容溝12内にシーラント13を注入する過程における第3の取付孔113からのシーラント漏れを効果的に避けることができるとともに、第2のロック部材19を穿設する過程においてブラケット15の干渉を受けることはない。
【0108】
例示的に、第4の取付孔1413は、第2の筐体14の結合部141に設置される。
【0109】
例示的に、第2のロック部材19はボルトであり、第2のロック部材19の端部に第2のナット20が螺着され、第2のナット20は第1の筐体11の内部に位置し、第2のナット20は結合部141を締め付ける。
【0110】
非制限的な一例において、第2のナット20は、一端が開放された管状部材であり、第2のナット20は第2のロック部材19の外側に螺着され、第2のナット20の開放された端が第4の取付孔1413内に延在し、第2のナット20の第4の取付孔1413まで延在する部分と第4の取付孔1413の孔壁とは、シール接続を形成する。第2のナット20の第4の取付孔1413内に延在する部分は、第2のシールリング21によって第2の取付孔158の孔壁とシール接続を形成することができる。
【0111】
図19を参照すると、本出願の実施例では、電池ユニット30は、第1の筐体11と第2の筐体14により共同で画定されるシール空間22内に収容される。
【0112】
いくつかの実施例において、電池ユニット30の頂部はブラケット15のストッパ部157に当接する。電池ユニット30は直接にストッパ部157に当接してもよく、電池ユニット30は間接的にストッパ部157に当接してもよい。
【0113】
図19において、電池ユニット30は間接的にストッパ部157に当接し、電池ユニット30の頂部に絶縁体31が設けられており、絶縁体31は、電池ユニット30に対してストッパを行い、且つ絶縁の役割を果たすためのものである。
【0114】
図19に示すように、いくつかの実施例において、絶縁体31の頂部に緩衝部材32が設けられており、緩衝部材32はストッパ部157に当接する。緩衝部材32は、絶縁体31に対して緩衝する役割を果たし、絶縁体31とストッパ部157との剛体接触を避け、電池ユニット30に対して良好な制振役割を果たすためのものである。ここで、緩衝部材32は、スポンジやゴムなどの材質であってもよい。
【0115】
ここで、電池ユニット30は、一つ又は複数の電池セル33を含む。電池ユニット30が複数の電池セル33を含む場合、複数の電池セル33は、バスバー(図示せず)によって直列及び/又は並列に接続されることができる。図19には、電池ユニット30が複数の筒型電池セルを含む状況が示されている。
【0116】
説明すべきこととして、本出願の実施例による筐体10は、電池ユニット30を収容するために用いられるだけでなく、筐体10は、他の物品、例えば、輸送中に防塵や防水が必要とされる貨物を収容するために用いられてもよい。
【0117】
図20を参照すると、本出願の実施例は、筐体10の組立方法をさらに提供し、該方法は、
S100、第1の筐体11の開口111の周方向に沿って設置される収容溝12内にシーラント13を注入することと、
S200、第2の筐体14を開口111上に被せて、第2の筐体14の周方向に配置される結合部141を収容溝12内に突入させ、且つシーラント13と結合させることとを含む。
【0118】
上記方法により、筐体10の迅速な組み立てを実現することができ、組み立て完了後の筐体10は、非常に良好なシール性を有する。シーラント13が収容溝12内に注入されるため、収容溝12はシーラント13に対して制限する役割を果し、シーラント13は収容溝12内でずれることがなく、シール不良の状況が生じにくく、シーラント13のシール性が確保され、第2の筐体14の結合部141とシーラント13を結合した後、第2の筐体14と第1の筐体11は、長期的に安定したシール環境を提供することができる。
【0119】
図21に示すように、いくつかの実施例において、筐体10の組立方法は、S300、第1の筐体11内にブラケット15を取り付けて、第1の筐体11の内周壁とブラケット15により共同で第1の筐体11の開口111の周方向に沿って設置される収容溝12を画定することをさらに含む。
【0120】
ブラケット15を第1の筐体11内に置いた後、第1のロック部材16によってブラケット15と第1の筐体11をロックすることができ、最終的に、第1の筐体11の内周壁とブラケット15により共同で第1の筐体11の開口111の周方向に沿って設置される収容溝12を画定する。
【0121】
ステップS200を実行した後、第2のロック部材19によって第2の筐体14と第1の筐体11をロックしてもよい。
【0122】
説明すべきこととして、上記筐体10の組立方法に基づいて電池100を組み立てる時には、まず電池ユニット30を第1の筐体内に入れ、そしてステップS300を実行してもよい。ステップS300を実行する過程において、まずブラケット15のストッパ部157を電池ユニット30の頂部に当接させ、さらに第1のロック部材16によってブラケット15と第1の筐体11をロックしてもよい。無論、ステップS300を実行してから、さらに電池ユニット30を第1の筐体11内に入れてもよく、例えば、まず第1の筐体11内にブラケット15を取り付け、さらに電池ユニット30をブラケット15の中心位置より第1の筐体11内に入れる。
【0123】
説明すべきこととして、矛盾しない限り、本出願の上記各実施例及び実施例における特徴は互いに組み合わせることができる。
【0124】
以上は本出願の好適な実施例に過ぎず、本出願を制限するためのものではなく、当業者にとって、本出願は、種々な変更や変形が有り得る。本出願の精神及び原則内で行われるすべての修正、同等の置き換え、改善などは、いずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0125】
10-筐体
11-第1の筐体
111-開口
112-第1の取付孔
113-第3の取付孔
12-収容溝
13-シーラント
14-第2の筐体
141-結合部
1411-凹部
1411a-リング状溝
1411b-排気孔
1412-切り欠き
1413-第4の取付孔
142-本体
143-屈曲構造
15-ブラケット
151-第1の周面
152-第2の周面
153-段差面
154-第1の囲い
155-第2の囲い
156-接続体
157-ストッパ部
158-第2の取付孔
159-フレーム
16-第1のロック部材
17-第1のナット
18-第1のシールリング
19-第2のロック部材
20-第2のナット
21-第2のシールリング
22-シール空間
30-電池ユニット
31-絶縁体
32-緩衝部材
33-電池セル
100-電池
200-コントローラ
300-モータ
1000-車両
図1
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