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特許7536906熱接着性複合繊維、その製造方法、これをそれぞれ含む繊維集合体及び不織布
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】熱接着性複合繊維、その製造方法、これをそれぞれ含む繊維集合体及び不織布
(51)【国際特許分類】
   D01F 8/14 20060101AFI20240813BHJP
   C08G 63/66 20060101ALI20240813BHJP
   C08G 63/672 20060101ALI20240813BHJP
   D01F 6/84 20060101ALI20240813BHJP
   D01F 6/86 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
D01F8/14 B
C08G63/66
C08G63/672
D01F6/84 301H
D01F6/86 301E
D01F6/86 302B
D01F6/86 304
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022581666
(86)(22)【出願日】2021-06-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-02
(86)【国際出願番号】 KR2021008238
(87)【国際公開番号】W WO2022005191
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】10-2020-0081041
(32)【優先日】2020-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520080171
【氏名又は名称】東レ尖端素材株式会社
【氏名又は名称原語表記】TORAY ADVANCED MATERIALS KOREA INC.
【住所又は居所原語表記】(Imsu-dong)300,3gongdan 2-ro,Gumi-si,Gyeongsangbuk-do 39389(KR)
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チェ ウォン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】イ ボン ソク
(72)【発明者】
【氏名】イ ジュ ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム ド ヒョン
【審査官】山本 晋也
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2013-0078545(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D01F 1/00 - 9/00
C08G 63/00 - 64/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
110℃~180℃の融点を有する熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂であって、下記化学式2で表示される化合物を含む樹脂A、及び、下記化学式3で表示される化合物及び下記化学式4で表示される化合物のうち一つ以上を含む樹脂Bの間のエステル交換反応を通じて形成されたブロック共重合体である前記熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂;及び
230℃~280℃の融点を有するポリエステル系樹脂を複合紡糸して形成されたことを特徴とする、熱接着性複合繊維:
【化1】
前記化学式2~4で、P 及びP は、それぞれ独立的に
【化2】
又は
【化3】
、R 及びR は、それぞれ独立的にC ~C のアルキレン基、R ~R は、それぞれ独立的にC ~C のアルキレン基、R は、C であり、nは、5~45の有理数、xは、25~90の有理数、yは、10~75の有理数、a及びcは、それぞれ独立的に55~80の有理数、b及びdは、それぞれ独立的に20~45の有理数である
【請求項2】
前記熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂は、前記樹脂Aと前記樹脂Bを7:3~2:8の重量比で反応させて形成されたことを特徴とする、請求項に記載の熱接着性複合繊維。
【請求項3】
前記樹脂Aは、140℃~175℃の融点を有し、前記樹脂Bは、110℃~150℃の軟化点を有することを特徴とする、請求項に記載の熱接着性複合繊維。
【請求項4】
前記熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂は、ASTM D638標準測定法によって測定した弾性回復率が80%~99%であることを特徴とする、請求項1に記載の熱接着性複合繊維。
【請求項5】
請求項1~請求項のうちいずれか一項に記載の熱接着性複合繊維を含む繊維集合体。
【請求項6】
前記繊維集合体は、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維をさらに含むことを特徴とする、請求項に記載の繊維集合体。
【請求項7】
前記繊維集合体は、重金属であるアンチモン(Sb)、コバルト(Co)の濃度がそれぞれ独立的に0.1ppm~10ppmであることを特徴とする、請求項に記載の繊維集合体。
【請求項8】
請求項~請求項のうちいずれか一項に記載の繊維集合体を含む不織布。
【請求項9】
(1)下記化学式2で表示される化合物を含む樹脂A、及び下記化学式3で表示される化合物と下記化学式4で表示される化合物のうち少なくとも一つを含む樹脂Bをエステル交換反応を通じて共重合させて熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂を合成する段階;
(2)前記熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂と230℃~280℃の融点を有するポリエステル系樹脂を複合紡糸する段階;を含むことを特徴とする、熱接着性複合繊維の製造方法:
【化4】
前記化学式2~4で、P及びPは、それぞれ独立的に
【化5】
又は
【化6】
、R及びRは、それぞれ独立的にC~Cのアルキレン基、R~Rは、それぞれ独立的にC~Cのアルキレン基、Rは、Cであり、nは、5~45の有理数、xは、25~90の有理数、yは、10~75の有理数、a及びcは、それぞれ独立的に55~80の有理数、b及びdは、それぞれ独立的に20~45の有理数である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱接着性複合繊維、その製造方法、これをそれぞれ含む繊維集合体及び不織布に関する。より詳しくは、工程上の不良率が低く、生産性に優れ、接着性、弾性回復率に優れた熱接着性複合繊維とその製造方法に関し、人体に無害で人体に接触する素材に用いるのに適した繊維集合体及び不織布に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ポリウレタンフォームは、イソシアネートとポリオールを発泡剤、触媒などとともに混合し、泡反応と重合反応を同時に進行して製造できる発泡体である。このようなポリウレタンフォームは、軽く、保温性、電気絶縁性、耐薬品性、反発弾性及び耐久性に優れているので、クッション素材の分野において弾性素材として多く用いられている。しかし、ポリウレタンフォームは、黄変及びにおいのような使用快適性、環境有害性、物性低下などが問題となっている。
【0003】
一方、ポリウレタンフォームの他に、人体に無害な環境にやさしい熱接着繊維で融着した繊維集合体も弾性素材として用いられている。繊維集合体の素材で用いられるエラストマーは、特有の弾性により包装容器、自動車内装材、弾性繊維など多くの用途に用いられている。また、再活用が不可能なゴム素材とは異なり、このようなエラストマーは再活用が容易なのでその需要が大きく増えている。特に、熱可塑性ポリエステル共重合体の場合、優れた弾性によって繊維集合体の素材として用いられている。
【0004】
熱可塑性エラストマー(TPE、Thermoplastic Elastomer)は、二つの異なる性質、すなわち、加熱すれば再形成され得る熱可塑性とゴム状重合体であるエラストマーの弾性をいずれも有している重合体である。熱可塑性エラストマーは、一種のブロック共重合体であって、一般的に、熱可塑性の特徴を示し得るハードセグメントブロックと弾性を示し得るソフトセグメントブロックとで構成され、二つの異なる特性を同時に示す。
【0005】
このような熱可塑性エラストマーは、テレフタル酸、ジメチルテレフタレート、イソフタル酸及びジメチルイソフタレートなどの酸成分と、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール、ブタンジオール、ポリエチレングリコール及びエチレングリコールなどのジオール成分を共重合させて製造する。しかし、このような重合法による低融点熱可塑性エラストマーの製造時には、ブタンジオールを貯蔵、投入する設備、テトラヒドロフランのような副産物を回収する設備などが必要であるという問題点がある。特に、テトラヒドロフランは、毒性及び爆発性を有している高危険性物質として安全管理に困難がある。
【0006】
また、このような熱可塑性エラストマーは、需要が大きく増えているのが実情であるが、相対的に市場規模が大きくないので重合法による高分子の生産時に固定費が上昇して費用上昇をもたらすという短所もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するために案出されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、熱接着性、弾性回復率に優れ、原価を節減し得る熱接着性複合繊維、これを含む繊維集合体及び不織布を提供することである。
【0008】
本発明が解決しようとする他の課題は、工程上不良率が低く、生産性に優れた熱接着性複合繊維の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明は、110℃~180℃の融点を有し、下記化学式1で表示されるソフトセグメントを5~25モル%の含量で含むブロック共重合体である熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂;及び230℃~280℃の融点を有するポリエステル系樹脂を複合紡糸して形成された熱接着性複合繊維を提供する。
【0010】
【化1】
【0011】
前記化学式1で、Rは、C3-5のアルキレン基を示す。
【0012】
本発明の好ましい一実施例において、前記熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂は、下記化学式2で表示される化合物を含む樹脂A;及び下記化学式3で表示される化合物及び下記化学式4で表示される化合物のうち一つ以上を含む樹脂B;の間のエステル交換反応を通じて形成されたブロック共重合体を含むことができる。
【0013】
【化2】
【0014】
【化3】
【0015】
【化4】
【0016】
前記化学式2~4で、P及びPは、それぞれ独立的に
【化5】

又は
【化6】

、R及びRは、それぞれ独立的にC~Cのアルキレン基、R~Rは、それぞれ独立的にC~Cのアルキレン基、Rは、Cであり、nは、5~45の有理数、xは、25~90の有理数、yは、10~75の有理数、a及びcは、それぞれ独立的に55~80の有理数、b及びdは、それぞれ独立的に20~45の有理数である。
【0017】
本発明の好ましい一実施例において、前記熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂は、前記樹脂Aと樹脂Bを7:3~2:8の重量比で反応させて形成されたものであってもよい。
【0018】
本発明の好ましい一実施例において、前記樹脂Aは、140℃~175℃の融点を有し、前記樹脂Bは、110℃~150℃の軟化点を有するものであってもよい。
【0019】
本発明の好ましい一実施例において、前記熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂は、ASTM D638標準測定法によって測定した80%~99%であるものであってもよい。
【0020】
また、上述した課題を解決するために、本発明は、前記熱接着性複合繊維を含む繊維集合体を提供する。
【0021】
本発明の好ましい一実施例において、前記繊維集合体は、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維をさらに含むことができる。
【0022】
本発明の好ましい一実施例において、前記繊維集合体は、重金属であるアンチモン(Sb)、コバルト(Co)の検出濃度がそれぞれ独立的に0.1ppm~10ppmであるものであってもよい。
【0023】
また、上述した課題を解決するために、本発明は、前記繊維集合体を含む不織布を提供する。
【0024】
また、上述した課題を解決するために、本発明は、(1)下記化学式2で表示される化合物を含む樹脂A、及び下記化学式3で表示される化合物と下記化学式4で表示される化合物のうち少なくとも一つを含む樹脂Bをエステル交換反応を通じて共重合させて熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂を合成する段階;(2)前記熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂と230℃~280℃の融点を有するポリエステル系樹脂を複合紡糸する段階;を含む熱接着性複合繊維の製造方法を提供する。
【0025】
【化7】
【0026】
【化8】
【0027】
【化9】
【0028】
前記化学式2~4で、P及びPは、それぞれ独立的に
【化10】

又は
【化11】

、R及びRは、それぞれ独立的にC~Cのアルキレン基、R~Rは、それぞれ独立的にC~Cのアルキレン基、Rは、Cであり、nは、5~45の有理数、xは、25~90の有理数、yは、10~75の有理数、a及びcは、それぞれ独立的に55~80の有理数、b及びdは、それぞれ独立的に20~45の有理数である。
【発明の効果】
【0029】
本発明による熱接着性複合繊維、これを含む繊維集合体及び不織布は、熱接着性と弾性回復率が低く、人体有害性が低いため人体に直接接触する素材、すなわち、寝具類又は自動車内装材などの素材として用いるのに容易であるという長所がある。
【0030】
また、本発明による熱接着性複合繊維の製造方法によると、製造時に副産物が生成されないので、工程管理が容易であり、工程が簡素化されて生産性が高く、少量生産時にも固定費の上昇を最小化して熱接着性複合繊維の製造原価を節減し得るという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の一実施例による熱接着性複合繊維の断面を概略的に示した図である。
図2】本発明の他の一実施例による熱接着性複合繊維の断面を概略的に示した図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明を実施例及び添付された図面を参照してより詳しく説明する。
【0033】
上述したように、従来の熱接着性複合繊維は、製造時に副産物が多く発生し、これらを処理するための別途の施設が必要であり、このような副産物は処理が難しくて製造費用が上昇するなどの問題点があった。それで、本発明者らは、110℃~180℃の融点を有し、下記化学式1で表示される構造を含むソフトセグメントを5~25モル%の含量で含む熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂;及び230℃~280℃の融点を有するポリエステル系樹脂を複合紡糸して形成された熱接着性複合繊維を提供して、このような問題の解決をはかった。
【0034】
【化12】
【0035】
前記化学式1で、Rは、C~Cのアルキレン基を示す。
【0036】
好ましくは、前記nは、5~45の有理数であってもよい。
【0037】
ここで、熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂内にソフトセグメントを5~25モル%の含量で含むとの意味は、前記化学式1で表示される構造を含むソフトセグメント繰り返し単位が全体樹脂に対して5~25モル%の含量で含まれていることを意味する。
【0038】
本発明は、高分子ブレンディングを通じて前記熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂内に前記ソフトセグメントを5~25モル%の含量で含むことによって、樹脂の熱可塑性により優れた熱接着性、弾性を示すと同時に、ポリエステル系エラストマーが粘着性(sticky)の表面特性を有することに比べてドライ(dry)な表面特性を有するので、向上した加工性を有することができる。また、融点230℃~280℃の低融点ポリエステルと前記ポリエステル系エラストマー樹脂の間の複合紡糸により製造時の副産物の発生を最小化することができ、原価を節減し得るという長所がある。
【0039】
より好ましくは、前記ソフトセグメントは、前記熱可塑性ポリエステル系エラストマーに10~20モル%の含量で含まれていてもよい。
【0040】
もし、前記熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂でソフトセグメントの含量が5モル%未満である場合、十分な弾性発現が行われない問題点があり得、反対にソフトセグメントの含量が25モル%を超過する場合、エラストマーの表面摩擦により加工性が低下するという問題点があり得る。
【0041】
以下、前記熱接着性複合繊維に含まれた各構成を、順に、より詳細に説明する。
【0042】
本発明の熱接着性複合繊維は、熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂と低融点ポリエステル系樹脂の複合紡糸により製造され、前記熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂は、110℃~180℃の融点を有する。
【0043】
好ましくは、前記熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂は、120℃~165℃の融点を有することができる。
【0044】
もし、前記熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂の融点が110℃未満である場合、紡糸時に融着、耐熱性、硬度、引張強度及び弾性率など機械的性質の低下があり得、また、前記熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂の融点が180℃を超過する場合、繊維集合体の製造時に熱接着性能が低下するか製造工程の温度が高くなる問題点があり得る。
【0045】
前記熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂は、下記化学式2で表示される化合物を含む樹脂A;及び下記化学式3と化学式4で表示される化合物のうち一つ以上を含む樹脂B;の間のエステル交換反応を通じて形成されたブロック共重合体を含むことができる。
【0046】
【化13】
【0047】
【化14】
【0048】
【化15】
【0049】
前記化学式2~4で、P及びPは、それぞれ独立的に
【化16】

又は
【化17】

を示す。
【0050】
また、R及びRは、それぞれ独立的にC~Cのアルキレン基を示し得る。好ましくは、Rは、C~Cのアルキレン基、Rは、Cのアルキレン基であってもよい。
【0051】
また、R~Rは、それぞれ独立的にC~Cのアルキレン基であってもよい。好ましくは、R、R及びRは、Cのアルキレン基であってもよい。
【0052】
また、Rは、Cであってもよく、nは、5~45の有理数であってもよい。
【0053】
xは、25~90の有理数であってもよい。好ましくは、xは、50~80であってもよい。
【0054】
yは、10~75の有理数であってもよい。好ましくは、yは、20~50であってもよく、xとyの比は、好ましくは、2:1~5:1であってもよい。
【0055】
前記x回繰り返されるセグメントは、ハードな性質を有し、y回繰り返されるセグメントは、ソフトな性質を有する。xとyの比が5:1で、xがさらに大きくなる場合、ハードな性質を有するセグメントのモル比が過度に大きくなって弾性が不足するという問題点があり得る。反対に、xとyの比で、2:1よりyがさらに大きくなる場合、ソフトな性質を有するセグメントのモル比が過度に大きくなって作業性が低下するという問題点があり得る。
【0056】
a及びcは、それぞれ独立的に55~80の有理数、好ましくは、それぞれ独立的に55~70であってもよい。
【0057】
b及びdは、それぞれ独立的に20~45の有理数、好ましくは、それぞれ独立的に30~45であってもよい。
【0058】
また、aとbの比、cとdの比は、好ましくは、1:1~3:1であってもよい。前記a回繰り返されるセグメント及びc回繰り返されるセグメントは、結晶性が高い性質を有し、c回繰り返されるセグメント及びd回繰り返されるセグメントは、結晶性が低い性質を有する。もし、a、cがb、dに比べて1:1より大きい割合を有する場合、結晶性が高い性質を有するセグメントのモル比が過度に大きくなって融点が増加する問題点があり得る。
【0059】
また、前記樹脂Aは、好ましくは、140℃~175℃の融点を有する弾性ポリエステル系エラストマーであってもよい。もし、樹脂Aの融点が140℃未満である場合、耐熱性が低下する問題があり得、融点が175℃を超過する場合、高温で熱接着をしなければならない問題があり得る。
【0060】
また、前記樹脂Bは、好ましくは、110℃~150℃の軟化点を有する低融点ポリエステル樹脂であってもよい。もし、樹脂Bの軟化点が110℃未満である場合、耐熱性に問題があり得、樹脂Bの軟化点が150℃を超過する場合、高温で熱接着をしなければならない問題があり得る。
【0061】
前記熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂は、前記樹脂Aと樹脂Bを7:3~2:8の重量比で反応させて形成されたブロック共重合体であってもよい。前記樹脂Aと樹脂Bの間の重量比は、好ましくは、60:40~30:70、より好ましくは、50:50~40:60であってもよい。
【0062】
もし、前記樹脂Aが樹脂Bに比べて7:3より大きい重量比を有すると、製造原価の上昇する問題がある。反対に、樹脂Aが樹脂Bに対して2:8より少ない重量比を有する場合には、熱接着性複合繊維の弾性が十分に発現されない問題点があり得る。
【0063】
好ましい一実施例によると、前記樹脂A及び樹脂Bは、ピロメリット酸二無水物(Pyromellitic dianhydride)、トリメリット酸無水物(Trimellitic dianhydride)、カルボニルビス(1-カプロラクタム)(carbonyl bis-(1-caprolactam))、ジエポキシドビスフェノールA-ジグリシジルエーテル(Diepoxide bisphenol A-diglycidyl ether)及びジエポキシドビスフェノールF-ジグリシジルエーテル(diepoxide ibsphenol F-diglycidyl ether)、エポキシド(Epoxide)からなる群より選択される1種以上を含む鎖延長剤により連結され得るが、これに制限されない。
【0064】
前記鎖延長剤は、樹脂Aと樹脂Bの間のエステル交換反応段階で融点を調節して共重合効率を改善するために添加されるものであって、前記化学式2~4で表示される樹脂の末端カルボキシル基(carboxyl group)又はヒドロキシ基(hydroxyl group)と反応するものから選択できる。
【0065】
前記鎖延長剤は、好ましくは、前記熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂100重量部に対して0.1~10重量部の含量で含まれ得る。好ましくは、0.1~3重量部の含量で含まれ得、より好ましくは、エステル交換反応時間と重合物のゲル化を最小化する側面から、下記関係式1によって求めることができる。
【0066】
[関係式1]
鎖延長剤の含量(wt%)=(鎖延長剤の重量平均分子量(M)×反応押出対象樹脂のカルボキシル末端の含量)÷(2×10
【0067】
もし、前記鎖延長剤が0.1重量部未満の含量で含まれる場合、樹脂Aと樹脂Bの間のエステル交換反応が過度に長くなって生産性が減少する問題があり得、10重量部より大きい含量で含まれる場合、鎖が過度に延長されて重合物のゲル化が行われて紡糸操業性が悪くなり、熱接着性複合繊維の物性が落ちる問題があり得る。
【0068】
また、前記熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂は、熱分解及び老化防止の目的で酸化防止剤を前記熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂100重量部に対して0.1~3重量部で含むことができる。前記酸化防止剤としては、ヒンダード(hindered)フェノール系酸化防止剤、ジフェニルアミン系酸化防止剤、金属錯化合物酸化防止剤及びヒンダードアミン系光安定剤からなる群より選択された1種以上であってもよく、好ましくは、テトラキスメチレン(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイトを単独で又はこの二つを混合して用いることができる。
【0069】
もし、前記酸化防止剤の含量が0.1重量部未満である場合、酸化防止剤の添加効果が不十分であり得、反対に、酸化防止剤の含量が3重量部を超過する場合には、熱接着性複合繊維の機械的物性が悪くなり得る。
【0070】
また、前記熱可塑性エラストマー樹脂は、好ましくは、固有粘度が0.8dl/g以上、好ましくは、0.9dl/g~1.5dl/g、より好ましくは、1.0dl/g~1.3dl/gであってもよい。もし、固有粘度が0.8dl/g未満である場合、紡糸作業性が減少する問題があり得る。
【0071】
また、本発明の好ましい一実施例において、前記熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂は、ASTM D638標準測定法によって測定した弾性回復率が85%~99%であるものであってもよい。
【0072】
また、本発明による熱接着性複合繊維は、前記熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂とともに230℃~280℃の融点を有する低融点ポリエステル系樹脂を複合紡糸した複合繊維であり、前記低融点ポリエステル系樹脂は、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(polybutylene terephthalate、PBT)樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート(polytrimethylene terephthalate、PTT)樹脂及びポリエチレンナフタレート(polyethylene naphthalate、PEN)樹脂のうち選択された1種以上を含むことができ、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポルブチレンテレフタレート樹脂及びポリエチレンナフタレート樹脂のうち選択された1種以上を含むことができ、より好ましくは、ポリエチレンテレフタレート樹脂を含むことができる。
【0073】
また、前記低融点ポリエステル系樹脂は、0.5dl/g~1.0dl/gの固有粘度を有することができ、好ましくは、0.55dl/g~0.90dl/g、より好ましくは、0.65dl/g~0.75dl/gの固有粘度を有することができる。もし、前記低融点ポリエステル系樹脂の固有粘度が0.50dl/g未満である場合、製造された熱接着性複合繊維の強度が低下する問題があり得、固有粘度が1.0dl/gを超過すると、紡糸及び延伸の作業性が減少する問題があり得る。
【0074】
前記低融点ポリエステル系樹脂は、230℃~280℃、好ましくは、240℃~265℃の融点を有することができる。もし、融点が230℃未満である場合、後処理加工時に繊維形態の安全性が低下する問題があり得る。反対に、融点が280℃を超過する場合には、紡糸作業性の問題があり得る。
【0075】
本発明による熱接着性複合繊維は、前記熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂及び低融点ポリエステル系樹脂を複合紡糸して形成された二成分複合繊維であって、好ましくは、サイド-バイ-サイド(side-by-side)型及びシース-コア(Sheath-Core)型繊維であってもよい。具体的に、図1は、本発明の好ましい一具現例によるサイド-バイ-サイド型複合繊維の断面を概略的に示した図であって、熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂と低融点ポリエステル系樹脂の間の割合と溶融粘度によって複合繊維自体の断面形態は変わることができるが、複合繊維の断面形態が制限されるものではない。
【0076】
また、本発明による熱接着性複合繊維は、1 denier~15 denier、好ましくは、3 denier~10 denierの平均繊度を有することができ、もし、平均繊度が1 denier未満である場合、紡糸性及び生産性が低くなるだけでなく、複合繊維の間隔が減って接着点が増加して繊維集合体の厚さが低下する問題があり得、15 denierを超過する場合、紡糸時に冷却が不十分となって断面が不均一となり得、繊維集合体の製造時に接着点が減少し、繊維集合体の表面均斉度が低下する問題があり得る。
【0077】
また、本発明による熱接着性複合繊維のフィラメント当たり平均繊維長は、16mm~100mm、好ましくは、24mm~96mm、より好ましくは、32mm~72mmであってもよく、もし、平均繊維長が16mm未満である場合、繊維集合体カーディング工程で複合繊維の物理的な結合が不足してカーディング作業性及び繊維集合体の形態安定性が低下する問題があり得、平均繊維長が100mmを超過すると、繊維集合体カーディング工程で複合繊維のねじれが増加して繊維集合体の表面均斉度が低下する問題があり得る。
【0078】
また、上述した課題を解決するために、本発明は、前記熱接着性複合繊維を含む繊維集合体を提供する。
【0079】
本発明の好ましい一実施例において、前記繊維集合体は、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維をさらに含むことができる。
【0080】
本発明の好ましい一実施例において、前記繊維集合体は、重金属であるアンチモン(Sb)、コバルト(Co)の検出濃度がそれぞれ独立的に0.1ppm~10ppmであるものであってもよい。
【0081】
一般的に、ポリエステル系繊維を重合する過程で触媒としてアンチモンなどの重金属を含む触媒を使用するが、本発明は、これを使用することを排除することによって最終繊維及びこれを含む繊維集合体で残余重金属の含量を最小化することができ、したがって、人体に直接接触する素材、例えば、自動車内装材、家具シートなどに使用するのに適した原緞を提供することができる。
【0082】
本発明の好ましい一実施例によると、前記繊維集合体は、永久圧縮変形率が15%以下であってもよい。永久圧縮変形率は、ASTM D 3574に基づいて測定することができる。
【0083】
また、前記熱接着性複合繊維とともに前記繊維集合体に含まれるポリエチレンテレフタレート繊維は、好ましくは、非弾性ポリエステル系短繊維であってもよい。
【0084】
前記熱接着性複合繊維と前記ポリエチレンテレフタレート繊維の混合比は、重量を基準として10:90~60:40、好ましくは、20:80~50:50、より好ましくは、30:70~50:50であってもよい。熱接着性複合繊維の割合が60:40より大きい場合には、繊維集合体の硬度が増加してマットレスなどの素材に適用しにくく、熱接着性複合繊維の割合が10:90より少ない場合には、繊維集合体の形態安定性が低下する問題があり得る。
【0085】
また、上述した課題を解決するために、本発明は、前記繊維集合体を含む不織布を提供する。
【0086】
また、上述した課題を解決するために、本発明は、(1)下記化学式2で表示される化合物を含む樹脂A、及び下記化学式3で表示される化合物と下記化学式4で表示される化合物のうち少なくとも一つを含む樹脂Bをエステル交換反応を通じて共重合させて熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂を合成する段階;(2)前記熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂と230℃~280℃の融点を有するポリエステル系樹脂を複合紡糸する段階;を含む熱接着性複合繊維の製造方法を提供する。
【0087】
【化18】
【0088】
【化19】
【0089】
【化20】
【0090】
前記化学式2~4で、P及びPは、それぞれ独立的に
【化21】

又は
【化22】

、R及びRは、それぞれ独立的にC~Cのアルキレン基、R~Rは、それぞれ独立的にC~Cのアルキレン基、Rは、Cであり、nは、5~45の有理数、xは、25~90の有理数、yは、10~75の有理数、a及びcは、それぞれ独立的に55~80の有理数、b及びdは、それぞれ独立的に20~45の有理数である。
【0091】
前記製造方法において用いられる樹脂の種類及び含量に関する事項は、上述した通りであるので、以下では詳しい説明は省略する。
【0092】
前記樹脂Aと樹脂Bの間のエステル交換反応は、静止系混練機乃至二軸混練機で行うことができる。
【0093】
具体的に、前記静止系混練機は、高せん断用静止系混練機であってもよく、分割数は、50万分割~500万分割、好ましくは、100万分割~300万分割であってもよい。分割数が50万分割未満である場合、共重合反応が不十分で弾性特性の発現が難しいだけでなく、紡糸時にダイスウェル(die-swell)による紡糸性低下の原因となり、500万分割を超過する場合、静止系混練機での圧力損失によって紡糸時の均圧で樹脂を吐出させることができず紡糸性が低下する問題点がある。
【0094】
本発明の好ましい一実施例において、二軸混練時に溶融状態の樹脂の滞留時間及び反応温度を調節して共重合反応の効率を向上させ得る。溶融状態での滞留時間が1分未満である場合、反応時間が不足して共重合反応が十分に行われないので、融点の変化が足りないか、弾性特性の発現が難しいだけでなく、紡糸時にダイスウェルによる紡糸性低下の原因となり、反応時間が5分を超過する場合、生産性低下及び劣化により物性が低下する問題がある。反応温度は、200℃~270℃に調節することが好ましい。温度が200℃未満である場合には、反応が過度に遅くて生産性が落ちる問題があり、反対に、温度が270℃を超過する場合には、熱分解が起きて所望する繊維の物性を得にくい。
【0095】
以下、本発明を具体的な実施例を通じて詳しく説明する。しかし、本発明の範囲が下記の実施例によって制限されるものではなく、本発明が属する技術分野において通常の技術者は、本発明の技術的思想を脱しない範囲で本発明の構成を変更置換して容易に実施することができる。
【0096】
<発明の実施のための形態>
<実施例>
準備例1
ポリエステル系樹脂;酸成分としてテレフタル酸、ジオール成分としてエチレングリコールを縮重合するが、チタン系重合触媒を用いて縮合重合してポリエステル系樹脂を製造した。このとき、製造されたポリエステル系樹脂は、固有粘度が0.652dl/g、融点が約252℃であった。
【0097】
熱可塑性ポリエステル系エラストマー:熱可塑性ポリエステル系エラストマーは、下記化学式2で表示される化合物である樹脂Aと下記化学式3で表示される化合物である樹脂Bを溶融混練して製造した。具体的に、樹脂Aは、固有粘度1.752dl/g及び融点162℃、ショアA硬度80である商業用ポリエステル系エラストマー樹脂であり、樹脂Bは、チタン系重合触媒を用いて縮重合した固有粘度0.648dl/g及び軟化点148℃であるアンチモンフリー(antimony-free、Sb-free)低融点ポリエステル樹脂である。
【0098】
【化23】
【0099】
【化24】
【0100】
前記樹脂A 50重量部と樹脂B 50重量部を合わせた混合物と前記混合物100重量部に対して0.5重量部の鎖延長剤及び0.2重量部の酸化防止剤を添加し、これを二軸混練機(スクリュー直径32mm、L/D=40)を用いてエステル交換反応を行った。
【0101】
前記反応及び押出時の押出機内の樹脂温度は、250℃、スクリューの速度は、300rpm、滞留時間は、1.5分となるように調節し、製造された樹脂組成物は、冷却した後にチップ化して熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂を製造した。
【0102】
準備例2
準備例1と同一に実施するが、樹脂Bとして前記化学式3の化合物の代わりに下記化学式4で表示され、固有粘度0.648dl/g、融点143℃である低融点ポリエステル樹脂を用いた点を異にして熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂を製造した。
【0103】
【化25】
【0104】
準備例3
前記準備例1と同一に実施するが、樹脂Aと樹脂Bの重量比を4:6に調節した点を異にした。
【0105】
準備例4
前記準備例1と同一に実施するが、樹脂Aと樹脂Bの重量比を3:7に調節した点を異にした。
【0106】
準備例5
前記準備例1と同一に実施するが、前記熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂を二軸混練機ではない150万分割の静止系混練機で混錬して製造した点を異にした。
【0107】
比較準備例1
前記準備例1と同一に実施するが、樹脂Aと樹脂Bの重量比を1:9に調節した点を異にした。
【0108】
比較準備例2
前記準備例1と同一に実施するが、樹脂Aと樹脂Bの重量比を7:3に調節した点を異にした。
【0109】
比較準備例3
前記準備例1と同一に実施するが、前記熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂を下記化学式2で表示される商業用ポリエステル系エラストマー樹脂を単独で用いた点を異にした。前記商業用ポリエステル系エラストマー樹脂は、固有粘度が1.45dl/g、融点が152℃、ショアD硬度が40であった。
【0110】
【化26】
【0111】
実験例1:弾性回復率測定
ASTM D638標準測定法に基づいて前記準備例によって製造された熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂を用いて引張試験片(specimen)を製造し、万能試験機を用いて弾性回復率を測定し、その結果を下記表1に示した。
【0112】
実験例2:ショア硬度測定
前記準備例によって製造された熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂をASTMD2240標準測定法によってショアDタイプで硬度を測定し、その結果を下記表1に示した。
【0113】
実験例3:ソフトセグメントのモル比測定
前記準備例と比較準備例によって製造された熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂に含まれたソフトセグメントのモル比をNMRを用いて分析した。測定された結果は、下記表1に示した。
【0114】
【表1】
【0115】
実施例1
前記準備例1によって製造された低融点ポリエステル系樹脂と熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂を図1のような断面を有するようにするサイド-バイ-サイド口金を用いて複合紡糸を実施し、製造された複合繊維の繊度は、6 denier、繊維長は、64mmであった。
【0116】
前記熱接着性複合繊維50重量%と非弾性ポリエチレンテレフタレート繊維50重量%を混合カーディングして不織ウェブを製造した後、テンターで熱処理して不織布を製造した。テンターの加工温度は、入口側が170℃、出口側が200℃であった。
【0117】
実施例2
実施例1と同一に実施するが、熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂を準備例2によって製造されたものを用いた点を異にした。
【0118】
実施例3
実施例1と同一に実施するが、熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂を準備例3によって製造されたものを用いた点を異にした。
【0119】
実施例4
実施例1と同一に実施するが、熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂を準備例4によって製造されたものを用いた点を異にした。
【0120】
実施例5
実施例1と同一に実施するが、熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂を準備例5によって製造されたものを用いた点を異にした。
【0121】
実施例6
実施例1と同一に実施するが、図2のような断面を有するようにするシース-コア口金を用いて複合紡糸を実施した点を異にした。
【0122】
比較例1
実施例1と同一に実施するが、比較準備例1によって製造された熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂を用いた点を異にした。
【0123】
比較例2
実施例1と同一に実施するが、比較準備例2によって製造された熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂を用いた点を異にした。
【0124】
比較例3
実施例1と同一に実施するが、熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂のみを単独紡糸して単独繊維で作った点を異にした。
【0125】
実験例4:繊維集合体の弾性回復率評価
製造された熱接着不織布を24時間の間初期厚さの75%まで圧縮し、圧縮除去1時間後の厚さとして下記関係式2によって繊維集合体の永久圧縮変形率を測定した。
【0126】
【数1】
【0127】
測定した結果は、下記表2に示した。
【0128】
【表2】
図1
図2