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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】業務支援装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0639 20230101AFI20240813BHJP
【FI】
G06Q10/0639
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023008317
(22)【出願日】2023-01-23
(65)【公開番号】P2024104203
(43)【公開日】2024-08-02
【審査請求日】2023-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大西 一哉
【審査官】太田 龍一
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-285773(JP,A)
【文献】特開2013-182393(JP,A)
【文献】国際公開第2012/014268(WO,A1)
【文献】特開2008-234185(JP,A)
【文献】特開2014-191390(JP,A)
【文献】国際公開第2005/010789(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発生した作業に対し、複数のオペレータの中から当該作業を担当するオペレータを選定してアサインするアサイン業務を支援する業務支援装置において、
前記作業の種類ごとに、当該作業を行うためにスキルが必要なカテゴリ及び当該スキルの最低限のスキルレベルが要件スキルとして規定され、
各オペレータがそれぞれ有するカテゴリごとのスキルレベルを管理するオペレータ管理部と、
発生した前記作業のカテゴリについて、今後一定期間内に発生すると予測される作業量に対して必要とされる前記オペレータの人数に対し、前記オペレータの数が不足しているスキルレベルがあるか否かを判定する不足有無判定部と、
オペレータ管理部が管理する各オペレータがそれぞれ有するカテゴリごとのスキルレベルと、発生した前記作業の前記要件スキルとに基づいて、対応するカテゴリのオペレータのスキルレベルが当該作業の要件スキルを満たすように、当該作業をアサインするオペレータを選定するオペレータ選定部と
を備え、
オペレータの各カテゴリのスキルレベルは、
カテゴリごとに、オペレータのスキルレベルと同じスキルレベルを前記要件スキルとする作業を行った経験回数に応じて上位のスキルレベルにそれぞれ上昇し、
各前記作業には、それぞれ緊急度が設定され、
前記オペレータ選定部は、
発生した前記作業の緊急度が低く、かつ、当該作業の前記要件スキルで規定されたカテゴリの当該要件スキルで規定されたスキルレベルよりも上のスキルレベルでオペレータが不足していないと前記不足有無判定部により判定された場合であって、当該作業の要件スキルを満たし、かつ、当該要件スキルと同じ前記要件スキルが規定された作業が未経験のオペレータが存在するときには、当該作業のアサイン先として当該オペレータを優先的に選定し、
発生した作業の前記緊急度が高い場合には、当該作業の前記要件スキルを満たすオペレータのうち、当該要件スキルで規定されたカテゴリのスキルレベルが最も高く、かつ、当該作業の経験回数が最も多いオペレータを当該作業のアサイン先として選定する
ことを特徴とする業務支援装置。
【請求項2】
前記オペレータ選定部は、
発生した作業の前記要件スキルで規定されたカテゴリの当該要件スキルで規定されたスキルレベルよりも上のスキルレベルでオペレータが不足していないと前記不足有無判定部により判定された場合であって、当該作業の要件スキルを満たし、かつ、当該要件スキルと同じ前記要件スキルが規定された作業が未経験のオペレータが存在しないときには、当該作業の前記要件スキルを満たし、かつ、当該作業の経験回数が最も少ないオペレータを選定する
ことを特徴とする請求項1に記載の業務支援装置。
【請求項3】
前記オペレータ選定部は、
発生した作業の作業実績を有する他のオペレータを指導員として併せて選定する
ことを特徴とする請求項に記載の業務支援装置。
【請求項4】
前記オペレータ選定部は、
発生した作業の作業実績を有する他のオペレータの中から、指導回数が最も少ないオペレータを前記指導員として選定する
ことを特徴とする請求項に記載の業務支援装置。
【請求項5】
前記オペレータ選定部は、
選定したオペレータに関する情報を、前記アサイン業務を行う管理者に提示する
ことを特徴とする請求項1に記載の業務支援装置。
【請求項6】
発生した作業に対し、複数のオペレータの中から当該作業を担当するオペレータを選定してアサインするアサイン業務を支援する業務支援装置により実行される業務支援方法であって、
前記作業の種類ごとに、当該作業を行うためにスキルが必要なカテゴリ及び当該スキルの最低限のスキルレベルが要件スキルとして規定され、
各オペレータがそれぞれ有するカテゴリごとのスキルレベルを管理する第1のステップと
発生した前記作業のカテゴリについて、今後一定期間内に発生すると予測される作業量に対して必要とされる前記オペレータの人数に対し、前記オペレータの数が不足しているスキルレベルがあるか否かを判定する第のステップと、
各オペレータがそれぞれ有するカテゴリごとのスキルレベルと、発生した前記作業の前記要件スキルとに基づいて、対応するカテゴリのオペレータのスキルレベルが当該作業の要件スキルを満たすように、当該作業をアサインするオペレータを選定する第のステップと
を備え、
オペレータの各カテゴリのスキルレベルは、
カテゴリごとに、オペレータのスキルレベルと同じスキルレベルを前記要件スキルとする作業を行った経験回数に応じて上位のスキルレベルにそれぞれ上昇し、
各前記作業には、それぞれ緊急度が設定され、
前記第のステップにおいて、前記業務支援装置は、
発生した前記作業の緊急度が低く、かつ、当該作業の前記要件スキルで規定されたカテゴリの当該要件スキルで規定されたスキルレベルよりも上のスキルレベルでオペレータが不足していないと前記第2のステップで判定た場合であって、当該作業の要件スキルを満たし、かつ、当該要件スキルと同じ前記要件スキルが規定された作業が未経験のオペレータが存在するときには、当該作業のアサイン先として当該オペレータを優先的に選定し、
発生した作業の前記緊急度が高い場合には、当該作業の前記要件スキルを満たすオペレータのうち、当該要件スキルで規定されたカテゴリのスキルレベルが最も高く、かつ、当該作業の経験回数が最も多いオペレータを当該作業のアサイン先として選定する
ことを特徴とする業務支援方法。
【請求項7】
前記第のステップにおいて、前記業務支援装置は、
発生した作業の前記要件スキルで規定されたカテゴリの当該要件スキルで規定されたスキルレベルよりも上のスキルレベルでオペレータが不足していないと前記第2のステップで判定た場合であって、当該作業の要件スキルを満たし、かつ、当該要件スキルと同じ前記要件スキルが規定された作業が未経験のオペレータが存在しないときには、当該作業の前記要件スキルを満たし、かつ、当該作業の経験回数が最も少ないオペレータを選定する
ことを特徴とする請求項に記載の業務支援方法。
【請求項8】
前記第のステップにおいて、前記業務支援装置は、
発生した作業の作業実績を有する他のオペレータを指導員として併せて選定する
ことを特徴とする請求項に記載の業務支援方法。
【請求項9】
前記第のステップにおいて、前記業務支援装置は、
発生した作業の作業実績を有する他のオペレータの中から、指導回数が最も少ないオペレータを前記指導員として選定する
ことを特徴とする請求項に記載の業務支援方法。
【請求項10】
選定したオペレータに関する情報を、前記アサイン業務を行う管理者に提示する第のステップを備える
ことを特徴とする請求項に記載の業務支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は業務支援装置及び方法に関し、例えば、システム管理業務の作業者(以下、これをオペレータと呼ぶ)に対して作業をアサインする業務を支援するアサイン業務支援装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、システムを複数のオペレータを使って管理する場合、これらオペレータを管理する管理者(以下、これをオペレータ管理者と呼ぶ)は、発生した作業に対して各オペレータのスキルやスケジュールを考慮して適切なオペレータを選定し、選定したオペレータにその作業をアサインしている。
【0003】
この場合、データセンタのように大規模なシステムの管理を行うためには、すべてのオペレータがすべての作業に対応できる状態にあることが望ましく、オペレータ間でスキルの伝承を行うことで作業の属人化をなくし、各オペレータが幅広い作業に対応できるように育成されることが望ましい。
【0004】
この点について、例えば特許文献1には、完了予定日に対して比較的余裕がある作業については、教育も兼ねてスキルの低い作業者を優先してその作業に割り当てるスキルアップモードを備えた作業指示システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2005-276003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、オペレータ管理者は、各オペレータがそれぞれどのような公的資格を有し、どのような作業にどの程度の実績を有しているかといったオペレータごとの詳細なスキルを把握していないことが多く、これまでの実績や各オペレータのスケジュールのみに基づいて各作業にアサインするオペレータを選定しているケースが多い。このため特定のスキルを有するオペレータが作業数と比較して不足している場合に作業の属人化が起り易いという問題があった。
【0007】
従って、作業の属人化を防止するためには、発生する作業数に対して人員が不足しているスキルを有するオペレータの育成が必須となるが、そもそも管理者がオペレータごとの詳細なスキルを把握していない場合には、日々発生する作業に対してどのようなスキルを有するオペレータがどの程度不足しているかを正確に把握できず、適切な人材育成を行い難いという問題があった。
【0008】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、適切な人材育成を行い得るようにアサイン業務を支援し得る業務支援装置及び方法を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決するため本発明においては、発生した作業に対し、複数のオペレータの中から当該作業を担当するオペレータを選定してアサインするアサイン業務を支援する業務支援装置において、前記作業の種類ごとに、当該作業を行うためにスキルが必要なカテゴリ及び当該スキルの最低限のスキルレベルが要件スキルとして規定され、各オペレータがそれぞれ有するカテゴリごとのスキルレベルを管理するオペレータ管理部と、発生した前記作業のカテゴリについて、今後一定期間内に発生すると予測される作業量に対して必要とされる前記オペレータの人数に対し、前記オペレータの数が不足しているスキルレベルがあるか否かを判定する不足有無判定部と、オペレータ管理部が管理する各オペレータがそれぞれ有するカテゴリごとのスキルレベルと、発生した前記作業の前記要件スキルとに基づいて、対応するカテゴリのオペレータのスキルレベルが当該作業の要件スキルを満たすように、当該作業をアサインするオペレータを選定するオペレータ選定部とを設け、オペレータの各カテゴリのスキルレベルは、カテゴリごとに、オペレータのスキルレベルと同じスキルレベルを前記要件スキルとする作業を行った経験回数に応じて上位のスキルレベルにそれぞれ上昇し、各前記作業には、それぞれ緊急度が設定され、前記オペレータ選定部は、発生した前記作業の緊急度が低く、かつ、当該作業の前記要件スキルで規定されたカテゴリの当該要件スキルで規定されたスキルレベルよりも上のスキルレベルでオペレータが不足していないと前記不足有無判定部により判定された場合であって、当該作業の要件スキルを満たし、かつ、当該要件スキルと同じ前記要件スキルが規定された作業が未経験のオペレータが存在するときには、当該作業のアサイン先として当該オペレータを優先的に選定し、発生した作業の前記緊急度が高い場合には、当該作業の前記要件スキルを満たすオペレータのうち、当該要件スキルで規定されたカテゴリのスキルレベルが最も高く、かつ、当該作業の経験回数が最も多いオペレータを当該作業のアサイン先として選定するようにした。
【0010】
また本発明においては、発生した作業に対し、複数のオペレータの中から当該作業を担当するオペレータを選定してアサインするアサイン業務を支援する業務支援装置により実行される業務支援方法であって、前記作業の種類ごとに、当該作業を行うためにスキルが必要なカテゴリ及び当該スキルの最低限のスキルレベルが要件スキルとして規定され、各オペレータがそれぞれ有するカテゴリごとのスキルレベルを管理する第1のステップと発生した前記作業のカテゴリについて、今後一定期間内に発生すると予測される作業量に対して必要とされる前記オペレータの人数に対し、前記オペレータの数が不足しているスキルレベルがあるか否かを判定する第のステップと、各オペレータがそれぞれ有するカテゴリごとのスキルレベルと、発生した前記作業の前記要件スキルとに基づいて、対応するカテゴリのオペレータのスキルレベルが当該作業の要件スキルを満たすように、当該作業をアサインするオペレータを選定する第のステップとを設け、オペレータの各カテゴリのスキルレベルは、カテゴリごとに、オペレータのスキルレベルと同じスキルレベルを前記要件スキルとする作業を行った経験回数に応じて上位のスキルレベルにそれぞれ上昇し、各前記作業には、それぞれ緊急度が設定され、前記第のステップにおいて、前記業務支援装置は、発生した前記作業の緊急度が低く、かつ、当該作業の前記要件スキルで規定されたカテゴリの当該要件スキルで規定されたスキルレベルよりも上のスキルレベルでオペレータが不足していないと前記第2のステップで判定た場合であって、当該作業の要件スキルを満たし、かつ、当該要件スキルと同じ前記要件スキルが規定された作業が未経験のオペレータが存在するときには、当該作業のアサイン先として当該オペレータを優先的に選定し、発生した作業の前記緊急度が高い場合には、当該作業の前記要件スキルを満たすオペレータのうち、当該要件スキルで規定されたカテゴリのスキルレベルが最も高く、かつ、当該作業の経験回数が最も多いオペレータを当該作業のアサイン先として選定するようにした。
【0011】
本発明の業務支援装置及び方法によれば、緊急度が低いタスクが、当該タスクと同じカテゴリの作業が未経験のオペレータにアサインされるため、結果的に各オペレータの各カテゴリのスキルレベルを効率的に底上げすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、適切な人材育成を行い得るようにアサイン業務を支援し得る業務支援装置及び方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施の形態のアサイン業務支援システムの全体構成を示すブロック図である。
図2】オペレータのスキルレベルの説明に供する概念図である。
図3】タスクテーブルの構成例を示す図表である。
図4】ワークフローテーブルの構成例を示す図表である。
図5】オペレータテーブルの構成例を示す図表である。
図6】資格コンテキストテーブルの構成例を示す図表である。
図7】作業実績テーブルの構成例を示す図表である。
図8】スキル保有状況テーブルの構成例を示す図表である。
図9】アサイン業務支援処理の処理手順を示すフローチャートである。
図10A】オペレータ選定処理の処理手順を示すフローチャートである。
図10B】オペレータ選定処理の処理手順を示すフローチャートである。
図11】オペレータ数の不足の有無の判定方法についての説明に供する概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0015】
(1)本実施の形態による業務管理システムの構成
図1において、1は全体として本実施の形態によるアサイン業務支援システムを示す。このアサイン業務支援システム1は、それぞれ1又は複数の申請者端末2と、複数のオペレータ端末3と、これら申請者端末2及びオペレータ端末3とネットワーク4を介して接続されたアサイン業務支援装置5とを備えて構成される。
【0016】
申請者端末2は、ハードディスク装置の増設や仮想マシンの追加といった何らかの作業を申請する申請者が使用する通信端末装置であり、汎用のコンピュータ装置から構成される。申請者端末2にはブラウザ2Aが実装されており、申請者は、このブラウザ2Aにより表示される所定の申請画面を用いて所望する作業をアサイン業務支援装置5に申請することができる。このとき申請者により申請画面に入力された内容が作業申請情報として申請者端末2からネットワーク4を介してアサイン業務支援装置5に送信される。
【0017】
オペレータ端末3は、それぞれ個々のオペレータが作業に利用する通信端末装置であり、汎用のコンピュータ装置から構成される。オペレータ端末3にもブラウザ3Aが実装されており、このブラウザ3Aにより表示される所定の情報表示画面に、後述のようにアサイン業務支援装置5からネットワーク4を介して送信されてくる対応するオペレータにアサインされた作業に関する情報が表示される。
【0018】
アサイン業務支援装置5は、申請者端末2から送信されてきた作業申請情報に基づいて、申請された作業をアサインするオペレータを選定し、選定したオペレータをオペレータ管理者に提示する機能を有するコンピュータ装置である。このアサイン業務支援装置5は、CPU(Central Processing Unit)10、メモリ11、記憶装置12、入力装置13、表示装置14及び通信装置15を備えて構成される。
【0019】
CPU10は、アサイン業務支援装置5全体の動作制御を司るプロセッサである。またメモリ11は、例えばRAM(Random Access Memory)などの不揮発性の半導体メモリから構成され、CPU10のワーキングメモリとして利用される。
【0020】
記憶装置12は、例えばハードディスク装置やSSD(Solid State Drive)などの大容量の不揮発性の記憶装置から構成され、プログラムや長期間の保存が必要なデータなどを保持するために利用される。記憶装置12に格納されたプログラムがアサイン業務支援装置5の起動時や必要時にメモリ11に読み出され、メモリ11に読み出されたプログラムをCPU10が実行することにより、後述のようなアサイン業務支援装置5全体としての各種処理が実行される。
【0021】
入力装置13は、キーボード及びマウスなどから構成され、オペレータを管理するオペレータ管理者がアサイン業務支援装置5に対して各種の操作入力を行うために利用される。また表示装置14は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどから構成され、各種情報を表示するために利用される。なお、入力装置13及び表示装置14に代えて、これらが一体化したタッチパネルを適用するようにしてもよい。
【0022】
通信装置15は、例えばNIC(Network Interface Card)などから構成され、ネットワーク4を介した申請者端末2やオペレータ端末3との通信時におけるプロトコル制御を行う。
【0023】
(2)本実施の形態のアサイン業務支援機能
次に、本アサイン業務支援装置5に実装されたアサイン業務支援機能について説明する。これに際して、まず、本アサイン業務支援システム1において申請者から申請される各作業の要件スキルと、オペレータのスキルレベルとについて説明する。
【0024】
本アサイン業務支援システム1における作業の「要件スキル」とは、その作業を行うオペレータに必要とされるその作業に応じた特定の技術分野(データベース、ネットワーク、AWS(Amazon Web Services)及びkubernetesなどの技術分野であり、以下、これをカテゴリと呼ぶ)の知識や経験実績などのスキルと、そのスキルの最低限度のレベル(以下、これを必要スキルレベル)をいう。
【0025】
本アサイン業務支援システム1では、オペレータが行うすべての作業に対して要件スキルが予め設定されており、例えば、『データベースのスキルレベルが「2」』という要件スキルが設定された作業については、データベースのスキルレベルが「2」以上のオペレータしかその作業を行うことができない。
【0026】
また、オペレータの「スキルレベル」とは、オペレータに対してカテゴリごと(スキルごと)にそれぞれ認定される、そのカテゴリにおけるそのオペレータのスキルの度合をいう。このスキルレベルは、そのカテゴリの公的な資格(以下、これを公的資格と呼ぶ)の取得状況と、そのカテゴリの作業実績とに基づいて認定される。
【0027】
具体的に、本実施の形態の場合、各公的資格に対してそれぞれその専門性の高さに応じて「1」~「3」の3段階でレベル(以下、これを資格レベルと呼ぶ)が予め設定されている。資格レベルは、「3」が最も専門性が高く、「1」が最も専門性が低い。
【0028】
そしてオペレータのスキルレベルは、当初、そのオペレータが保有する公的資格の資格レベルと同じレベルに認定される。またオペレータが公的な資格を保有しないカテゴリについては、そのカテゴリにおけるそのオペレータのスキルレベルが「1」に認定される。
【0029】
よって、例えば、あるオペレータがデータベースのカテゴリについては資格レベルが「2」の資格を保有し、これ以外のカテゴリの公的資格を保有していない場合には、そのオペレータは、当初、データベースのスキルレベルは「2」に認定され、他のカテゴリのスキルレベルは「1」に認定される。
【0030】
そして、カテゴリごとのスキルレベルは、それぞれそのオペレータの現在のスキルレベルと同じ必要スキルレベルの作業を行った実績回数が、そのカテゴリについて予め設定された閾値回数(以下、これをレベルアップ閾値回数と呼ぶ)に到達した場合に1段階だけ上昇し、最大「3」まで上昇する。
【0031】
従って、図2に示すように、オペレータがあるカテゴリについて資格レベルが「1」の公的な資格しか保有していない場合であっても、そのカテゴリの必要スキルレベルが「1」の作業を、「1」のスキルレベルについて予め設定された規定回数を行うことでそのスキルレベルを「2」に上げることができる。また、このオペレータは、この後、さらにそのカテゴリの必要スキルレベルが「2」の作業を、「2」のスキルレベルについて予め設定された規定回数を行うことでそのスキルレベルを「3」に上げることができる。
【0032】
次に、アサイン業務支援装置5に搭載された本実施の形態のアサイン業務支援機能について説明する。このアサイン業務支援機能は、申請者から申請された作業の緊急度が高くない場合には、オペレータの育成を目的とした人選を行い、選定したオペレータをオペレータ管理者に提示する機能である。
【0033】
実際上、アサイン業務支援装置5は、オペレータごとの各カテゴリのスキルレベルと、そのスキルレベルと同じ必要スキルレベルの作業の経験回数とを図5について後述するオペレータテーブル22に登録して管理している。
【0034】
またアサイン業務支援装置5は、直近の所定期間(例えば1か月間)のオペレータ全体の作業実績に基づいて、スキルレベルが「1」~「3」のオペレータの必要人数をカテゴリごとにそれぞれ算出し、算出したこれらカテゴリごと及びスキルレベルごとの必要人数を図8について後述するスキル保有状況テーブル25に登録して管理している。
【0035】
そしてアサイン業務支援装置5は、算出したカテゴリごと及びスキルレベルごとのオペレータの必要人数と、各オペレータのカテゴリごとのスキルレベルとに基づいて、各カテゴリの各スキルレベルについてオペレータの不足の有無をそれぞれ定期的に判定する。
【0036】
一方、本アサイン業務支援システム1において、オペレータによる作業を申請する申請者は、自身の申請者端末2を用いて、その作業の概略的な内容を表すタイトルと、その作業の終了希望日時とを上述の申請画面に入力した上でアサイン業務支援装置5に対してその作業の実施を申請する。
【0037】
この際、申請者は、作業の緊急度として、最も緊急度合が高い「very high」と、比較的緊急度合が高い「high」と、緊急度合が通常レベルの「medium」と、比較的緊急度が低い「low」と、緊急度合が低い「very low」との5段階の中からいずれかの緊急度を設定することができる。
【0038】
そしてアサイン業務支援装置5は、緊急度が「very high」、「high」又は「medium」に設定された作業についての申請を受け付けた場合には、迅速性及び正確性を担保するため、その作業の要件スキルを満たすオペレータの中から最もスキルが高く、その作業を行う空き時間を有するオペレータをその作業のアサイン先として選定する。なお、ここでの「最もスキルが高いオペレータ」とは、スキルレベルが最も高く、かつ、その作業の経験回数が最も多いオペレータをいう。
【0039】
これに対してアサイン業務支援装置5は、作業の緊急度が「low」又は「very low」に設定された作業に関する申請を受け付けた場合には、オペレータの育成を目的とする人選を行う。
【0040】
具体的に、アサイン業務支援装置5は、申請された作業のカテゴリにおけるその作業の必要スキルレベルよりも上のスキルレベルでオペレータ数が不足している場合には、そのカテゴリに関してその作業の必要スキルレベルと同じスキルレベルを有し、かつその作業を行い得る空き時間を有するオペレータの中から、次のスキルレベルにレベルアップするのが最も早い(その作業の必要スキルレベルと同じ必要スキルレベルが設定されたその作業と同じカテゴリの作業の経験回数が最も多い)オペレータを優先的にその作業のアサイン先として選定する。
【0041】
またアサイン業務支援装置5は、申請された作業のカテゴリにおけるその作業の必要スキルレベルよりも上のスキルレベルでオペレータ数が不足しておらず、かつ、そのカテゴリに関してその作業の必要スキルレベルと同じスキルレベルを有し、かつそのカテゴリのその必要スキルレベルと同じ必要スキルレベルの作業が未経験のオペレータが存在するときには、その未経験者を優先してその作業のアサイン先として選定する。
【0042】
この際、アサイン業務支援装置5は、かかる未経験者のオペレータと併せて、そのオペレータにその作業を指導する指導員となるオペレータを、その作業の作業実績を有するオペレータの中から選定する。
【0043】
以上のような本実施の形態のアサイン業務支援機能を実現するための手段として、アサイン業務支援装置5の記憶装置12には、図1に示すように、タスクテーブル20、ワークフローテーブル21、オペレータテーブル22、資格コンテキストテーブル23、作業実績テーブル24及びスキル保有状況テーブル25が格納され、アサイン業務支援装置5のメモリ11には、アサイン実行部26、作業実績更新部27、オペレータ管理部28及びスキル保有状況管理部29が格納されている。
【0044】
タスクテーブル20は、申請者から申請されるハードディスク装置の増設や仮想マシンの追加などの各作業(以下、これらをタスクとも呼ぶ)に対してそれぞれ予め設定された要件スキルを管理するために利用されるテーブルであり、予め作成されてアサイン業務支援装置5に与えられる。
【0045】
タスクテーブル20は、図3に示すように、タスクID欄20A、タスク欄20B、カテゴリ欄20C及び必要レベル欄20Dを備えて構成される。タスクテーブル20では、1つのレコード(行)が、1つのタスクに対応する。
【0046】
そしてタスクID欄20Aには、対応するタスクに対して付与されたそのタスクに固有の識別子(タスクID)が格納され、タスク欄20Bには、そのタスクの種類が格納される。またカテゴリ欄20Cには、対応するタスクの作業を行うためにスキルが必要となるカテゴリが格納され、必要レベル欄20Dには、その作業を行うオペレータに要求されるそのカテゴリの必要スキルレベルが格納される。
【0047】
従って、図3の例では、例えば「1」というタスクIDが付与されたタスクのタスク名は「Task_1」であり、そのタスクを実行するオペレータには、「DB(データベース)」というカテゴリの「1」以上のスキルレベルが必要となることが示されている。
【0048】
またワークフローテーブル21は、申請者から申請されたタスク(作業)の内容が1つのワークフローとして順次登録されるテーブルであり、図4に示すように、ワークフローID欄21A、タイトル欄21B、緊急度欄21C、作業終了希望日時欄21D、タスク欄21E、オペレータ欄21F、ステータス欄21G、ワークフロー開始日時欄21H及びワークフロー終了日時欄21Iを備えて構成される。ワークフローテーブル21では、1つのレコードが1つのワークフローに対応する。
【0049】
そしてワークフローID欄21Aには、対応するワークフローに対して付与されたそのワークフローに固有の識別子(ワークフローID)が格納される。またタイトル欄21B、緊急度欄21C、作業終了希望日時欄21D及びタスク欄21Eには、それぞれ対応するタスク(作業)について申請者により申請された対応するタスクに関する情報が格納される。
【0050】
具体的に、タイトル欄21Bには、対応するタスクについて申請者により入力された、そのタスクの内容や対象を簡略的に表すタイトルが格納される。また緊急度欄21Cには、そのタスクについて申請者が設定した緊急度が格納され、作業終了希望日時欄21Dには、申請者が希望するタスクの終了日時が格納される。さらにタスク欄21Eには、申請者が希望するタスクのタスク名が格納される。
【0051】
またオペレータ欄21Fには、対応するタスクがオペレータにアサインされた後にそのオペレータの氏名又はIDなどの識別情報が格納され、ステータス欄21Gには、そのタスクの現在の作業状態を表すステータスが格納される。かかるステータスとしては、そのタスクの処理がまだ開始されていないことを意味する「未着手」と、そのタスクが進行中であることを意味する「進行中」と、そのタスクが完了したことを意味する「クローズ」となどがある。
【0052】
さらにワークフロー開始日時欄21Hには、対応するタスクが開始された後にその日時(以下、これをワークフロー開始日時と呼ぶ)が格納され、ワークフロー終了日時欄21Iには、そのタスクが完了した後にその日時(以下、これをワークフロー終了日時と呼ぶ)が格納される。これらワークフロー開始日時及びワークフロー終了日時は、オペレータがそのタスクを開始する際や、そのタスクを終了した際に自身のオペレータ端末3を用いてその旨を入力した日時が格納される。
【0053】
従って、図4の例の場合、例えば「1」というワークフローIDが付与されたワークフローは、申請者により「システムA障害対応」というタイトルが設定されると共に、緊急度が「high」、作業終了希望日時が「2022/8/31 17:00」に設定された「Task_1」というタスクに関するものであり、このタスクは「2022/8/4 13:00」に作業が開始され、「2022/8/5 17:00」に作業が終了して現在のステータスは「クローズ」であることが示されている。
【0054】
オペレータテーブル22は、オペレータ管理者がオペレータを管理するために利用されるテーブルであり、予め作成されてアサイン業務支援装置5に与えられる。このオペレータテーブル22は、図5に示すように、オペレータID欄22A、氏名欄22B、所属欄22C、スケジュール欄22D、スキル・レベル欄22E及び経験回数欄22Fを備えて構成される。オペレータテーブル22では、1つのレコードが一人のオペレータに対応し、オペレータ管理者が管理するすべてのオペレータがオペレータテーブル22に登録される。
【0055】
そしてオペレータID欄22Aには、対応するオペレータに対して付与されたそのオペレータに固有の識別子(オペレータID)が格納され、氏名欄22Bには、そのオペレータの氏名が格納される。また所属欄22Cには、そのオペレータが所属する部署の識別情報(部署名又はその部署に付与されたその部署に固有の識別子)が格納され、スケジュール欄22Dには、そのオペレータの直近所定期間(例えば1週間や1ヵ月間)内のスケジュール(作業予定日程)が格納される。
【0056】
さらにスキル・レベル欄22E及び経験回数欄22Fは、データベース、ネットワーク、AWS(Amazon Web Services)及びkubernetesなどの各カテゴリにそれぞれ対応させて複数の領域22Gに区分されている。そしてスキル・レベル欄22Eにおけるこれら各領域22Gには、それぞれ対応するオペレータの対応するカテゴリ(スキル)のスキルレベルが格納される。また経験回数欄22Fにおけるこれら各領域22Gには、それぞれ対応するオペレータが対応するカテゴリの作業の経験回数が格納される。
【0057】
従って、図5の例の場合、例えば「10001」というオペレータIDが付与されたオペレータは、氏名が「A」、所属が「X部」であり、「DB(データベース)」のスキルレベルが「1」で、「NW(ネットワーク)」のスキルレベルが「2」でその経験回数が「2」回であることが示されている。
【0058】
資格コンテキストテーブル23は、オペレータテーブル22に登録された各オペレータの公的資格の保有状況を管理するために利用されるテーブルであり、図6に示すように、オペレータID欄23A、資格欄23B、カテゴリ欄23C、資格レベル欄23D、認証日欄23E及び認証期限欄23Fを備えて構成される。資格コンテキストテーブル23では、1つのレコードが、一人のオペレータが保有する1つの公的資格に対応する。よって、一人のオペレータが複数の公的資格を保有している場合には、これらの公的資格にそれぞれ対応させてレコードが作成される。
【0059】
そしてオペレータID欄に23Aは、対応するオペレータのオペレータIDが格納され、資格欄23Bには、そのオペレータが保有する対応する公的資格の内容が格納される。またカテゴリ欄23Cには、その公的資格のカテゴリが格納され、資格レベル欄23Dには、その公的資格に対して設定された資格レベルが格納される。
【0060】
さらに認証日欄23Eには、対応するオペレータからの申請によりそのオペレータがその公的資格を保有しているとオペレータ管理者が認定した日にちが格納され、認証期限欄23Fには、その認証の期限(認証期限)が格納される。認証期限は、対応するオペレータからの申請により繰返し更新することができる。
【0061】
従って、図6の例の場合、「10001」というオペレータIDが付与されたオペレータは、「AWS」の「SAA」という資格レベルが「1」の資格を保有しており、その認証日は「2021/7/31」で認証期限が「2026/7/31」であることが示されている。
【0062】
作業実績テーブル24は、各オペレータのこれまでの作業実績を管理するために利用されるテーブルであり、図7に示すように、オペレータID欄24A、タスク欄24B、経験回数欄24C、指導回数欄24D、カテゴリ欄24E及び必要レベル欄24Fを備えて構成される。作業実績テーブル24では、1つのレコードが、一人のオペレータの1種類のタスクの作業実績に対応する。よって、オペレータが複数種類のタスクの作業実績を有する場合には、これらタスクごとのレコードが作成される。
【0063】
そしてオペレータID欄24Aには、対応するオペレータのオペレータIDが格納され、タスク欄24Bには、そのオペレータがこれまでに行ったタスクのタスク名が格納される。また経験回数欄24Cには、そのオペレータがこれまでにそのタスクを行った回数(経験回数)が格納され、指導回数欄24Dには、そのオペレータがこれまでに指導者としてそのタスクの指導を未経験者に行った回数(指導回数)が格納される。
【0064】
さらにカテゴリ欄24Eには、対応するタスクを行うためにオペレータに要求されるスキルのカテゴリが格納され、必要レベル欄24Fには、そのタスクを担当するオペレータに要求される最低限度のスキルレベル(必要スキルレベル)が格納される。
【0065】
従って、図7の例の場合、例えば「10001」というオペレータIDが付与されたオペレータは、これまでに「Task_1」というタスクを「4」回担当した経験実績を有する一方で、そのタスクを未経験者に指導した指導経験が「0」回であり、「Task_2」というタスクのカテゴリは「DB(データベース)」で必要スキルレベルが「2」であることが示されている。
【0066】
スキル保有状況テーブル25は、アサイン業務支援システム1において一定期間(例えば1週間や1ヵ月間)内に発生する各要件スキルの作業に対応するために必要とされるオペレータの人数と、実際にその要件スキルの作業を担当可能なオペレータの人数とを管理するために利用されるテーブルであり、図8に示すように、要件スキル欄25A、必要人数欄25B及びオペレータ数欄25Cを備えて構成される。スキル保有状況テーブル25では、1つのレコードが、1つの要件スキルに対応する。
【0067】
そして要件スキル欄25Aには、対応する要件スキルの種別が格納される。要件スキルの種別は、その要件スキルにおけるカテゴリ及び必要スキルレベルの組合せにより表現される。例えば、要件スキルにおけるカテゴリが「DB(データベース)」で必要スキルレベルが「1」である場合には「DB Lv.1」と表現され、要件スキルにおけるカテゴリが「DB(データベース)」で必要スキルレベルが「2」である場合には「DB Lv.2」と表現される。
【0068】
また必要人数欄25Bには、アサイン業務支援システム1において、かかる一定期間内に発生するであろう対応する要件スキルの作業(タスク)を行うために必要となるオペレータの人数が格納され、オペレータ数欄25Cには、その作業の必要スキルレベルと同じスキルレベルを有するオペレータの人数が格納される。
【0069】
従って、図8の例の場合、本アサイン業務支援システム1において、かかる一定期間内に発生する「DB Lv.1(データベースのスキルレベル1)」という要件スキルの作業を行うために必要とされるオペレータの人数が「60」人であるのに対して、そのタスクの必要スキルレベルと同じスキルレベルを有するオペレータの人数が「50」人であることが示されている。
【0070】
一方、アサイン実行部26は、申請者から申請された作業の内容、緊急度及び作業終了希望日時に基づいてその作業をアサインするオペレータの候補を選定し、選定したオペレータをオペレータ管理者に提示する機能を有するプログラムである。アサイン実行部26は、最終的にオペレータ管理者が決定したその作業のアサイン結果や、アサインしたオペレータの作業状況に応じてワークフローテーブル21(図4)のオペレータ欄21F、ステータス欄21G、ワークフロー開始日時欄21H及びワークフロー終了日時欄21Iを適宜更新する。このようなアサイン実行部26の具体的な処理内容については後述する。
【0071】
また作業実績更新部27は、オペレータの作業実績に応じて作業実績テーブル24(図7)を更新する機能を有するプログラムである。作業実績更新部27は、1つのワークフローの作業が完了するごとに、その作業を行ったオペレータの対応するタスクの経験回数をインクリメントするように作業実績テーブル24を更新する。また作業実績更新部27は、このときその作業の指導を行ったオペレータがいた場合には、そのオペレータのそのタスクの指導回数をインクリメントするように作業実績テーブル24を更新する。
【0072】
さらにオペレータ管理部28は、各オペレータの各スキル及び当該スキルのスキルレベルを管理する機能を有するプログラムである。実際上、オペレータ管理部28は、いずれかのオペレータから新たな公的資格を取得した旨の申請があり、オペレータ管理者がこれを認証した場合に必要な情報を資格コンテキストテーブル23(図6)に登録する。またオペレータ管理部28は、オペレータが新たに取得した公的資格を資格コンテキストテーブル23に登録した場合や、オペレータによる1つのワークフローのタスクが終了した場合などに、オペレータテーブル22に登録されているそのオペレータのスキルレベルを必要に応じて更新する。
【0073】
スキル保有状況管理部29は、定期的に、今後一定期間(例えば1週間や1ヵ月間)内に発生するであろう各要件スキルの作業に対応するために必要とされる、各カテゴリの必要スキルレベルごとのオペレータの人数と、本アサイン業務支援システム1に存在する各カテゴリの各スキルレベルをそれぞれ有するオペレータの人数とをそれぞれ算出し、算出結果をスキル保有状況テーブル25(図8)に登録して管理する機能を有するプログラムである。
【0074】
実際上、スキル保有状況管理部29は、要件スキルごとに、次式
【数1】
により、その要件スキルの作業を行うために必要とされるその要件スキルの必要スキルレベルを有するオペレータの人数NPをそれぞれ算出し、算出結果をスキル保有状況テーブル25に登録して管理する。
【0075】
なお(1)式において、Tは、本アサイン業務支援システム1全体で直近の所定期間内に発生したその要件スキルの作業に要した合計時間を表し、tは、その要件スキルの必要スキルレベルを有するオペレータの当該所定期間内の平均の稼働時間を表す。
【0076】
またスキル保有状況管理部29は、オペレータテーブル22を参照して、カテゴリごとにそのカテゴリの「1」~「3」のスキルレベルを保有するオペレータの人数をそれぞれカウントし、カウント結果をスキル保有状況テーブル25に登録して管理する。
【0077】
(3)アサイン業務支援処理
(3-1)アサイン業務支援処理の流れ
次に、かかるアサイン業務支援機能に関連してアサイン業務支援装置5において実行される一連の処理(以下、これをアサイン業務支援処理と呼ぶ)の流れについて説明する。
【0078】
図9は、いずれかの申請者端末2から作業申請情報が与えられて新たなワークフローがワークフローテーブル21(図4)に登録された場合に、アサイン業務支援装置5において実行されるアサイン業務支援処理の流れを示す。ワークフローテーブル21に新たなワークフローが登録されると、この図9に示すアサイン業務支援処理が開始される。
【0079】
そして、まず、アサイン実行部26(図1)が、そのときワークフローテーブル21に新たに登録されたワークフロー(以下、これを対象ワークフローと呼ぶ)のタスク(以下、これを対象タスクと呼ぶ)をアサインするオペレータを選定するオペレータ選定処理を実行する。この際、アサイン実行部26は、必要に応じて対象タスクをアサインしたオペレータを指導する指導員のオペレータも選定する(S1)。なお、以下においては、対象タスクのアサイン先として選定されたオペレータと、その指導員として選定されたオペレータとを区別することなくまとめて選定オペレータと呼ぶ。
【0080】
続いて、アサイン実行部26は、選定オペレータに関する情報と、対象ワークフローに関する情報とを、表示装置14(図1)に表示するようにしてオペレータ管理者に提示する(S2)。かくして、オペレータ管理者は、表示装置14に表示されたこれらの情報に基づいて、その選定オペレータに対象タスクをアサインするか否かを判断し、その判断結果を入力装置13(図1)を介してアサイン業務支援装置5に入力する。
【0081】
次いで、アサイン実行部26は、オペレータ管理者が選定オペレータに対象タスクをアサインすることを承認したか否かを判断する(S3)。そしてアサイン実行部26は、この判断で否定結果を得るとステップS1に戻って、再度、他のオペレータを選定するオペレータ選定処理を実行する。
【0082】
これに対してアサイン実行部26は、ステップS3の判断で肯定結果を得ると、対象タスクを選定オペレータにアサインし、その旨の通知(以下、これをアサイン通知と呼ぶ)を選定オペレータのオペレータ端末3に送信する(S4)。この結果、かかるアサイン通知に基づいて、対象ワークフローの内容を表す情報と、その対象ワークフローのタスク(対象タスク)がアサインされた旨のメッセージとが表示された所定のアサイン通知画面が選定オペレータのオペレータ端末3に表示される。
【0083】
続いて、アサイン実行部26は、選定オペレータがかかるアサイン通知画面上において対象タスクの担当を引き受ける旨の操作入力を行ったか否かを判断する(S5)。そしてアサイン実行部26は、このステップS5で否定結果を得るとステップS1に戻り、この後、ステップS1以降を上述と同様に実行する。
【0084】
これに対してアサイン実行部26は、ステップS5の判断で肯定結果を得ると、選定オペレータが対象タスクの作業を終了させるのを待ち受ける(S6)。具体的に、本アサイン業務支援システム1では、各オペレータは、自身にアサインされたタスクを開始する際と、そのタスクが終了した際に自身のオペレータ端末3を用いてその旨をアサイン業務支援装置5に通知することとなっているため、かかる作業が終了した旨の通知(以下、これを作業終了通知と呼ぶ)が選定オペレータのオペレータ端末3から与えられるのを待ち受ける。
【0085】
そしてアサイン実行部26は、やがて、選定オペレータのオペレータ端末3からかかる作業終了通知が与えられると、選定オペレータのオペレータIDと、その選定オペレータがそのとき行った対象タスクの種類とを作業実績更新部27に通知する。かくして作業実績更新部27は、この通知に基づいて、作業実績テーブル24(図7)を更新する(S7)。
【0086】
具体的に、作業実績更新部27は、作業実績テーブル24(図7)における選定オペレータ(指導員を含む)の対象タスクの経験回数を「1」だけ増加させる。また作業実績更新部27は、その対象タスクの指導員にアサインされた選定オペレータが存在する場合には、さらに作業実績テーブル24におけるその選定オペレータの対象タスクの指導回数を「1」だけ増加させる。以上によりこのアサイン業務支援処理が終了する。
【0087】
(3-2)オペレータ選定処理の流れ
図10A及び図10Bは、かかるアサイン業務支援処理のステップS1でアサイン実行部26により実行されるオペレータ選定処理の具体的な流れを示す。アサイン実行部26は、この図10A及び図10Bに示す処理手順に従って、対象タスクをアサインするオペレータを選定する。
【0088】
実際上、アサイン実行部26は、アサイン業務支援処理のステップS1に進むとこのオペレータ選定処理を開始し、まず、対象タスクの種類と、その対象タスクの緊急度及び終了希望日時とをワークフローテーブル21(図4)から取得する(S10)。
【0089】
続いて、アサイン実行部26は、ステップS10で取得した対象ワークフローの緊急度に基づいて、対象タスクの緊急度が高いか否か(「very high」又は「high」か否か)を判断する(S11)。そしてアサイン実行部26は、この判断で肯定結果を得ると、対象タスクの要件スキルを満たし、かつスケジュールに空きがあるすべてのオペレータをオペレータテーブル22(図5)から抽出する(S12)。
【0090】
具体的に、アサイン実行部26は、まず、タスクテーブル20(図3)を参照して対象タスクのカテゴリ及び必要スキルレベルを取得する。またアサイン実行部26は、オペレータテーブル22のスキル・レベル欄22E及びスケジュール欄22Dを参照して、対象タスクのカテゴリについて対象タスクの必要スキルレベル以上のスキルレベルを有し、かつ対象タスクの終了希望日時までスケジュールに空きがあるすべてのオペレータを抽出する。
【0091】
次いで、アサイン実行部26は、ステップS12で抽出したオペレータの中から対象タスクのカテゴリのスキルが最も高いオペレータを、対象タスクのアサイン先として選定する(S13)。
【0092】
具体的に、アサイン実行部26は、まず、オペレータテーブル22におけるステップS12で抽出した各オペレータにそれぞれ対応するレコードのスキル・レベル欄22Eにそれぞれ格納された対象スキルに対応するカテゴリのスキルレベルをそれぞれ取得する。またアサイン実行部26は、作業実績テーブル24(図7)におけるこれらオペレータにそれぞれ対応するレコードの対象タスクに対応するレコードの経験回数欄24Cに格納された対象タスクの経験回数を取得する。そしてアサイン実行部26は、取得したこれらの情報に基づいて、対象タスクのカテゴリのスキルレベルが最も高く、かつ対象タスクの経験回数が最も多いオペレータを対象タスクのアサイン先として選定する。
【0093】
そしてアサイン実行部26は、この後、このオペレータ選定処理を終了してアサイン業務支援処理に戻る。
【0094】
これに対してアサイン実行部26は、ステップS11の判断で否定結果を得ると、スキル保有状況テーブル25(図8)を参照して、対象タスクのカテゴリについて、一定期間内に発生する作業量に対して必要とされる人数(必要人数)に対してオペレータの人数が不足しているスキルレベルがあるか否かを判定する(S14)。
【0095】
この際、アサイン実行部26は、スキル保有状況テーブル25における必要人数欄25Bに格納された数値と、同じ行のオペレータ数欄25Cに格納された数値との比較を行うだけでなく、そのスキルレベルよりも上のスキルレベルの余剰人員の数をも考慮してオペレータ数の不足の有無を判定する。
【0096】
例えば、図11に示すように、あるカテゴリ(図11ではデータベース)のスキルレベルが「1」のオペレータの人数が必要人数に比べて10人だけ少ない場合においても、スキルレベルが「2」のオペレータの人数が必要人数に対して10人多い(10人の余剰がある)場合には、スキルレベルが「2」のオペレータを必要スキルレベルが「1」の作業にアサインすることができるため、スキルレベルが「1」のオペレータの人数は必要人数に対して不足していないということができる。
【0097】
そこでアサイン実行部26は、スキルレベルごとに、そのスキルレベルよりも上のスキルレベルの余剰人数をもそのスキルレベルのオペレータ数としてカウントするようにして、各スキルレベルのオペレータが必要人数に対して不足しているか否かを判定する。
【0098】
次いで、アサイン実行部26は、ステップS14の判定結果に基づいて、対象タスクの必要スキルレベルよりも上のスキルレベルでオペレータが不足しているか否かを判断する(S15)。
【0099】
そしてアサイン実行部26は、この判断で肯定結果を得ると、対象タスクの要件レベルを満たし、かつ対象タスクの終了希望日時までスケジュールに空きがあるオペレータをオペレータテーブル22上で検索して抽出する(S16)。なお、ここでの「対象タスクの要件レベルを満たすオペレータ」とは、対象タスクのカテゴリのスキルレベルが対象タスクの必要スキルレベルと同じ又はそれよりも高いオペレータを指す。
【0100】
続いて、アサイン実行部26は、ステップS16で抽出したオペレータの中に、対象タスクのカテゴリのスキルレベルが対象タスクの必要スキルレベルと同じオペレータが存在するか否かを判断する(S17)。
【0101】
そしてアサイン実行部26は、この判断で肯定結果を得ると、ステップS16で抽出したオペレータの中から、対象タスクのカテゴリに関して対象タスクの必要スキルレベルと同じスキルレベルを有するすべてのオペレータを抽出する。またアサイン実行部26は、抽出した各オペレータを、オペレータテーブル22(図5)の各経験回数欄22Fにそれぞれ登録されている経験回数に基づいて、対象タスクの必要スキルレベルと同じ必要スキルレベルが設定された各タスク(対象タスクを含む)の経験回数の合計値が多い順にソートする(S18)。
【0102】
さらにアサイン実行部26は、ステップS18でソートしたオペレータの中から最も順位が高いオペレータを対象タスクのアサイン先として選定する(S19)。そしてアサイン実行部26は、この後、このオペレータ選定処理を終了してアサイン業務支援処理に戻る。
【0103】
これに対してアサイン実行部26は、ステップS17の判断で否定結果を得ると、ステップS16で抽出したオペレータの中から、対象タスクのカテゴリに関して対象タスクの必要スキルレベルよりも上のスキルレベルを有するオペレータを抽出する。またアサイン実行部26は、抽出した各オペレータを、ステップS18と同様にして対象タスクの必要スキルレベルと同じ必要スキルレベルが設定された各タスク(対象タスクを含む)の経験回数の合計値が多い順にソートする(S20)。
【0104】
そしてアサイン実行部26は、ステップS20でソートしたオペレータの中から最も順位が低いオペレータを対象タスクのアサイン先として選定し(S21)、この後、このオペレータ選定処理を終了してアサイン業務支援処理に戻る。
【0105】
一方、アサイン実行部26は、ステップS15の判断で否定結果を得た場合、対象タスクの要件スキルを満たし、かつ、当該要件スキルと同じ要件スキルが規定されたタスク(対象タスクを含む)の作業経験がないオペレータ(以下、これを未経験オペレータと呼ぶ)が存在するか否かを判断する(S22)。
【0106】
この判断は、タスクテーブル20から対象タスクと同じカテゴリ及び同じ必要スキルレベルのタスクをすべて抽出し、抽出したこれらすべてのタスクの経験回数が「0」のオペレータを作業実績テーブル24で検索することにより行うことができる。
【0107】
そしてアサイン実行部26は、この判断で否定結果を得ると、対象タスクの作業経験者をすべて抽出し、抽出したオペレータを、対象タスクの必要スキルレベルと同じ必要スキルレベルが設定された各タスク(対象タスクを含む)の経験回数の合計値が多い順にソートする(S23)。具体的に、アサイン実行部26は、作業実績テーブル24の各レコードのうち、タスク欄24Bに対象タスクのタスク名が格納され、経験回数欄24Cに「1」以上の数値が格納された各レコードにそれぞれ対応するオペレータをすべて抽出し、抽出したオペレータを、対象タスクの必要スキルレベルと同じ必要スキルレベルが設定された各タスク(対象タスクを含む)の経験回数の合計値が多い順にソートする。
【0108】
さらにアサイン実行部26は、ステップS23でソートしたオペレータの中から対象タスクの経験回数が最も少ないオペレータを特定し、そのオペレータを対象タスクのアサイン先として選定する(S24)。そしてアサイン実行部26は、この後、このオペレータ選定処理を終了してアサイン業務支援処理に戻る。
【0109】
これに対してアサイン実行部26は、ステップS22の判断で肯定結果を得ると、対象タスクの指導員となり得るすべてのオペレータを抽出する(S25)。具体的に、アサイン実行部26は、作業実績テーブル24の各レコードのうち、タスク欄24Bに対象タスクの種類が格納され、経験回数欄24Cに「1」以上の数値が格納された各レコードにそれぞれ対応するオペレータを抽出する。
【0110】
またアサイン実行部26は、ステップS25で抽出したオペレータを対象タスクの指導回数が多い順にソートする(S26)。具体的に、アサイン実行部26は、ステップS25で抽出した各オペレータを、作業実績テーブル24におけるそのオペレータに対応するレコードのうち、タスク欄24Bに対象タスクの種類が格納されているレコードの指導回数欄24Dに格納されている数値が大きい順にソートする。
【0111】
続いて、アサイン実行部26は、ステップS22の判定時に検出した上述の未経験オペレータのうち、対象タスクの終了希望日時までの間に対象タスクを終了可能な程度のスケジュールの空きがある対象未経験オペレータ(以下、これを特定未経験オペレータと呼ぶ)が存在するか否かを判断する(S27)。この判断は、かかる未経験オペレータについて、オペレータテーブル22(図5)のその未経験オペレータに対応するレコードのスケジュール欄22Dに格納されたスケジュールからかかる空き時間の有無をそれぞれ確認することにより行われる。
【0112】
そしてアサイン実行部26は、このステップS27で否定結果を得ると、対象タスクを未経験者オペレータにアサインするのを断念してステップS23に進む。そしてアサイン実行部26は、この後、ステップS23及びステップS24を上述のように処理した後にこのオペレータ選定処理を終了してアサイン業務支援処理に戻る。
【0113】
これに対してアサイン実行部26は、ステップS27の判断で肯定結果を得ると、かかる特定未経験オペレータをリストアップすると共に(S28)、リストアップした特定未経験者オペレータのうちの一人を対象タスクのアサイン先に仮決定する(S29)。
【0114】
次いで、アサイン実行部26は、ステップS26でソートした各オペレータの中に、ステップS29で対象タスクのアサイン先に仮決定した特定未経験オペレータのスケジュールとスケジュールが合うオペレータが存在するか否かを判断する(S30)。
【0115】
ここでの「スケジュールが合う」とは、ステップS29で対象タスクのアサイン先に仮決定した特定未経験オペレータの現在のスケジュールの空き時間で対象ワークフローの作業を実行する際に、その特定未経験オペレータの指導員となり得るスケジュール上の空き時間を有することを意味する。
【0116】
ステップS26でソートした各オペレータがそのような空き時間を有するか否かの判断は、オペレータテーブル22のそのオペレータに対応するレコードのスケジュール欄22Dに格納されたスケジュール上の空き時間と、ステップS29で対象タスクのアサイン先に仮決定した特定未経験オペレータのスケジュール上の空き時間との間で、対象タスクを実行可能な程度の時間の重なりがあるか否かを判定することにより行うことができる。
【0117】
そしてアサイン実行部26は、この判断で否定結果を得ると、ステップS29で対象タスクのアサイン先に仮決定した特定未経験オペレータを対象タスクのアサイン先から除外し(S31)、この後ステップS27に戻る。かくして、この後、この特定未経験オペレータがステップS28でリストアップされることなく、ステップS27で否定結果が得られ又はステップS30で肯定結果が得られるまでステップS27~ステップS30の処理が繰り替えされる。
【0118】
そしてアサイン実行部26は、やがてすべての特定未経験オペレータについてスケジュールが合う指導員となり得るオペレータを検出できずにステップS27で否定結果を得た場合には、ステップS23及びステップS24を上述と同様に実行し、この後、このオペレータ選定処理を終了してアサイン業務支援処理に戻る。
【0119】
これに対してアサイン実行部26は、いずれかの特定未経験オペレータとスケジュールが合う指導員となり得るオペレータを検出できたことによりステップS30で肯定結果を得た場合には、かかる特定未経験オペレータと、その指導員となり得るオペレータのうちの対象タスクに対する指導回数が最も少ないオペレータとを対象タスクのアサイン先に選定する(S32)。なお、このように対象タスクに対する指導回数が最も少ないオペレータを指導員として選定するのは、指導員も育成するためである。そしてアサイン実行部26は、この後、このオペレータ選定処理を終了してアサイン業務支援処理に戻る。
【0120】
なお、図9のアサイン業務支援処理のステップS3やステップS5で否定結果が得られた後に図10A及び図10Bのオペレータ選定処理を再度実行する場合、アサイン実行部26は、オペレータ管理者が承認しなかったオペレータや、対象タスクの担当を引き受けなかったオペレータをステップS12、ステップS16及びステップS25で抽出しない。
【0121】
これにより、アサイン業務支援処理のステップS3やステップS5で否定結果が得られた場合に、再度実行されるステップS1において、オペレータ管理者が承認しなかったオペレータや、対象タスクの担当を引き受けなかったオペレータが再び選定オペレータとして選定されることを未然に防止し得るようになされている。
【0122】
(4)本実施の形態の効果
以上の構成を有する本実施の形態のアサイン業務支援装置5によれば、緊急度が低いタスクが、当該タスクと同じカテゴリの作業が未経験のオペレータや、そのタスクの経験回数がより少ないオペレータにアサインされる。
【0123】
従って、本アサイン業務支援装置5によれば、各オペレータの各カテゴリのスキルレベルを効率的に底上げすることができ、かくして適切な人材育成を行い得るようにアサイン業務を支援することができる。
【0124】
(5)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、アサイン業務支援装置5を1つのコンピュータ装置により構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、アサイン業務支援装置5を複数のコンピュータ装置から構築される分散型コンピューティングシステムにより構成し、アサイン実行部26、作業実績更新部27、オペレータ管理部28及びスキル保有状況管理部29をこれら複数のコンピュータ装置に分散して配置するようにしてもよい。
【0125】
また上述の実施の形態においては、タスクテーブル20、ワークフローテーブル21、オペレータテーブル22、資格コンテキストテーブル23、作業実績テーブル24及びスキル保有状況テーブル25をそれぞれ図3図8のように構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の構成を広く適用することができる。
【0126】
さらに上述の実施の形態においては、オペレータの各カテゴリのスキルレベルを、公的資格の取得状況と、そのカテゴリの作業実績とに基づいて認定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、単にそのカテゴリの作業実績のみに基づいて認定するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本発明は、複数のオペレータの中から作業を担当するオペレータを選定してアサインするアサイン業務を支援する業務支援装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0128】
1……アサイン業務支援システム、2……申請者端末、3……オペレータ端末、5……アサイン業務支援装置、10……CPU、13……入力装置、14……表示装置、20……タスクテーブル、21……ワークフローテーブル、22……オペレータテーブル、23……資格コンテキストテーブル、24……作業実績テーブル、25……スキル保有状況テーブル、26……アサイン実行部、27……作業実績変更部、28……オペレータ管理部、29……スキル保有状況管理部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11