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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/78 20060101AFI20240813BHJP
   H01L 29/06 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
H01L29/78 652S
H01L29/78 652F
H01L29/78 652Q
H01L29/78 652M
H01L29/78 652P
H01L29/78 652K
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023017796
(22)【出願日】2023-02-08
(62)【分割の表示】P 2019048329の分割
【原出願日】2019-03-15
(65)【公開番号】P2023053046
(43)【公開日】2023-04-12
【審査請求日】2023-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】一関 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】西脇 達也
(72)【発明者】
【氏名】相田 喜久夫
(72)【発明者】
【氏名】大麻 浩平
【審査官】杉山 芳弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-069551(JP,A)
【文献】特開2013-069783(JP,A)
【文献】特開2011-086746(JP,A)
【文献】特開平11-233765(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/78
H01L 29/06
H01L 21/336
H01L 21/768
H01L 21/3205
H01L 23/522
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体層と、
前記半導体層上に設けられ、第1軸に沿って延びる第1電極と、
前記半導体層上に設けられ、前記第1軸と垂直な第2軸に沿って延びる第3電極と、
前記第1電極および前記第3電極上に設けられた第5電極であって、前記第1電極および前記第3電極と電気的に接続され、第1部分、第2部分、第3部分、および第4部分を含み、前記第1部分は前記第1電極と交わり、前記第2部分は前記第1電極と交わるとともに第1の末端を有し、前記第3部分は前記第3電極と交わり、前記第4部分は前記第3電極と交わるとともに第2の末端を有する、第5電極と、
を備え
前記第1部分は、前記第2部分および前記第3部分に直接接続する半導体装置。
【請求項2】
前記第1電極は、ゲート電極であり、
前記第3電極は、ゲート電極であり、
前記第5電極は、ゲート電極である、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1部分は前記第2軸に沿って延びる、
請求項1又は請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第4部分は前記第1軸に沿って延びる、
請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記半導体層上に設けられ、前記第1軸に沿って延びる第2電極と、
前記半導体層上に設けられ、前記第2軸に沿って延びる第4電極と、
をさらに備え、
前記第5電極の前記第1部分は前記第2電極と交わり、前記第5電極の前記第2部分は前記第2電極と交わり、前記第5電極の前記第3部分は前記第4電極と交わり、前記第5電極の前記第4部分は前記第4電極と交わる、
請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第2電極は、フィールドプレート電極であり、
前記第4電極は、フィールドプレート電極である、
請求項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記半導体層上に設けられ、前記第2電極および前記第4電極と電気的に接続された第6電極をさらに備え、
前記第6電極は、第1部分、第2部分、第3部分、第4部分、および第5部分を含み、前記第6電極の前記第1部分は、前記第5電極の前記第1部分と前記半導体装置の縁との間で前記第2電極と重なり、前記第6電極の前記第2部分は、前記第5電極の前記第1部分と前記第5電極の前記第2部分との間で前記第2電極と重なり、前記第6電極の前記第3部分は、前記第5電極の前記第3部分と前記半導体装置の縁との間で前記第4電極と重なり、前記第6電極の前記第4部分は、前記第5電極の前記第4部分と前記半導体装置の縁との間で前記第4電極と重なり、前記第6電極の前記第5部分は、前記第5電極の前記第2部分、前記第3部分、および前記第4部分により囲まれた部分で前記第2電極および前記第4電極と重なる、
請求項又は請求項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第6電極は、ソース電極である、
請求項に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第6電極は、前記半導体層の上方の前記半導体装置の縁に囲まれた領域のうち、前記第5電極と間隔を有しつつ前記第5電極が位置していない領域を覆う、
請求項又は請求項に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記半導体層は、
絶縁体を介して前記第2電極に面する、第1導電型の第1半導体層と、
前記第1半導体層と接し、絶縁体を介して前記第1電極に面する、第2導電型の第2半導体層と、
前記第2半導体層と接し、前記第1導電型の第3半導体層と、
前記第2半導体層と接し、前記第6電極の前記第2部分の位置で前記第6電極と電気的に接続された、前記第2導電型の第4半導体層と、
を備える、
請求項乃至請求項のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記半導体装置は、
前記第1電極を含む、前記第1軸に沿って延びる複数の第1電極と、
前記第3電極を含む、前記第2軸に沿って延びる複数の第3電極と、
を備え、
前記第5電極の前記第1部分は、前記複数の第1電極と交わり、
前記第5電極の前記第2部分は、前記複数の第1電極と交わり、
前記第5電極の前記第3部分は、前記複数の第3電極と交わり、
前記第5電極の前記第4部分は、前記複数の第3電極と交わる、
請求項1乃至請求項1のいずれか1項の半導体装置。
【請求項12】
半導体層と、
前記半導体層上に設けられ、第1軸に沿って延びる第1電極と、
前記半導体層上に設けられ、前記第1軸と垂直な第2軸に沿って延びる第3電極と、
前記第1電極および前記第3電極上に設けられた第5電極であって、前記第1電極および前記第3電極と電気的に接続され、第1部分、第2部分、第3部分、第4部分、および第5部分を含み、前記第4部分は、前記第2軸に沿って延び、前記第1電極と交わり、第1の末端を有し、前記第1部分は、前記第4部分と接続し、前記第2部分は、前記第3電極と交わり、前記第3部分は、前記第2軸に沿って延び、前記第1電極と交わり、前記第2部分と接続し、前記第5部分は、前記第3部分と直接接続し、前記第3電極と交わり、第2の末端を有する第5電極と、
を備える半導体装置。
【請求項13】
前記半導体層の上方の前記半導体装置の縁に囲まれた領域は第1領域および第2領域からなり、
前記第1電極ならびに前記第5電極の前記第1部分および前記第分は、前記第1領域中に位置し、
前記第3電極ならびに前記第5電極の前記第部分および前記第部分は、前記第2領域中に位置し、
前記第5電極の前記第部分は、前記第1電極と重ならない第6部分を含む、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第5電極は、前記第5電極の前記第3部分と前記第5電極の前記第4部分とを直接接続する第5部分をさらに含み、
前記第5電極の前記第3部分は、前記第5電極の前記第1部分および前記第5電極の前記第2部分と接続されている、
請求項1乃至請求項1のいずれか1項の半導体装置。
【請求項15】
前記半導体層の上方の前記半導体装置の縁に囲まれた領域は第1領域および第2領域からなり、
前記第1電極および前記第5電極の前記第1部分ならびに前記第2部分は、前記第1領域中に位置し、
前記第3電極および前記第5電極の前記第3部分、前記第4部分、ならびに前記第5部分は、前記第2領域中に位置し、
前記第5電極の前記第5部分は、前記第3電極と重ならない第6部分を含む、
請求項1に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、概して半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電力制御などに使用される縦型のMOSFET(metal oxide semiconductor field effect transistor)の半導体装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5011843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高性能の半導体装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態による半導体装置は、半導体層と、第1電極と、第3電極と、第5電極と、を含む。上記第1電極は、上記半導体層上に設けられ、第1軸に沿って延びる。上記第3電極は、上記半導体層上に設けられ、上記第1軸と垂直な第2軸に沿って延びる。上記第5電極は、上記第1電極および上記第3電極上に設けられ、上記第1電極および上記第3電極と電気的に接続され、第1部分、第2部分、第3部分、および第4部分を含む。上記第1部分は上記第1電極と交わる。上記第2部分は上記第1電極と交わるとともに第1の末端を有する。上記第3部分は上記第3電極と交わる。上記第4部分は上記第3電極と交わるとともに第2の末端を有する。上記第1部分は、上記第2部分および上記第3部分に直接接続する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1実施形態の半導体装置の平面構造を示す。
図2図2は、第1実施形態の半導体装置の平面構造を示す。
図3図3は、第1実施形態の半導体装置の一部の断面構造を示す。
図4図4は、第1実施形態の半導体装置の一部の断面構造を示す。
図5図5は、第1実施形態の半導体装置の一部の断面構造を示す。
図6図6は、第1の参考用の半導体装置の平面の構造を示す。
図7図7は、第2の参考用の半導体装置の平面の構造を示す。
図8図8は、第2実施形態の半導体装置の平面構造を示す。
図9図9は、第2実施形態の半導体装置の平面構造を示す。
図10図10は、第3実施形態の半導体装置の平面構造を示す。
図11図11は、第3実施形態の半導体装置の平面構造を示す。
図12図12は、第4実施形態の半導体装置の平面構造を示す。
図13図13は、第4実施形態の半導体装置の平面構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に実施形態が図面を参照して記述される。以下の記述において、略同一の機能および構成を有する構成要素は同一符号を付され、繰り返しの説明は省略される場合がある。図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なり得る。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。また、ある実施形態についての記述は全て、明示的にまたは自明的に排除されない限り、別の実施形態の記述としても当てはまる。各実施形態は、この実施形態の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、実施形態の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定しない。
【0008】
以下の記述には、xyz直交座標系が用いられる。
【0009】
<第1実施形態>
図1および図2は、第1実施形態の半導体装置1の平面構造を示し、xy面に沿った構造を示す。半導体装置1は、例えば1つの半導体チップとして形成されており、後述の半導体基板(図示せぬ)を含むとともに半導体基板上に設けられた導電体および絶縁体を含む。図1および図2は、z軸上の相違する座標について示す。図2は、図1よりも大きいz軸座標について示す。
【0010】
図1に示されるように、半導体装置1のxy面に沿った面は、矩形の形状を有し、y軸に沿って並ぶ2つの辺LEおよびRE、ならびにx軸に沿って並ぶ2つの辺TEおよびBEを含む。例えば、辺LE、RE、TE、およびBEは、半導体装置1のxy面に沿った面のそれぞれ、左辺、右辺、上辺、下辺である。
【0011】
半導体装置1は、第1領域R1および第2領域R2を含む。第1領域R1および第2領域R2は、xy面に沿って広がり、互いに重なり合わない。例えば、半導体装置1のxy面に沿った全体の面は、第1領域R1および第2領域R2に分割されている。第1領域R1は半導体装置1のxy面に沿った全体の面のうちの上側の部分を占め、第2領域R2は半導体装置1のxy面に沿った全体の面のうちの下側の部分を占める。
【0012】
半導体装置1は、複数のゲート電極11および複数のフィールドプレート(FP)電極12を含む。ゲート電極11は、x軸に沿って延びるものとy軸に沿って延びるものを含み、FP電極12は、x軸に沿って延びるものとy軸に沿って延びるものを含む。y軸に沿って延びるゲート電極11およびFP電極12は、x軸に沿って間隔を有して並び、x軸に沿って延びるゲート電極11およびFP電極12は、y軸に沿って間隔を有して並ぶ。
【0013】
1つのFP電極12と2つのゲート電極11は、1つの電極セットGを構成する。各電極セットGにおいて、2つのゲート電極11は、1つのFP電極12を挟む。全ての電極セットGのうち、第1領域R1中の電極セットGは電極セットG1と称され、第2領域R2中の電極セットGは電極セットG2と称される。
【0014】
電極セットG1は、y軸に沿って延び、x軸に沿って左辺LEと右辺REの間に亘って並ぶ。電極セットG1は、電極セットG1LおよびG1Sからなる。電極セットG1Lは、電極セットG1Sより長い。すなわち、電極セットG1L中のゲート電極11およびFP電極12は、電極セットG1S中のゲート電極11およびFP電極12よりも長い。
【0015】
電極セットG1Lは、全電極セットのG1のうちの第1領域R1の左側の部分に位置し、電極セットG1Sは、全ての電極セットG1のうちの第1領域R1の右側の部分に位置する。電極セットG1SとG1Lの境界は、例えば後述のゲートパッド21の或る部分の縁に一致する。
【0016】
電極セットG1Lは、上辺TEの極近傍の位置と、第1領域R1および第2領域R2の境界の位置とに亘って延びる。電極セットG1Lの少なくともFP電極12が、上辺TEの極近傍の位置と、第1領域R1および第2領域R2の境界の位置とに亘って延びていればよく、電極セットG1Lのゲート電極11は、両端において電極セットG1LのFP電極12よりも短くても良い。
【0017】
電極セットG1Sは、第1領域R1のy軸上の中央よりも上辺TEの近くの位置と、第1領域R1および第2領域R2の境界の位置とに亘って延びる。電極セットG1Sの少なくともFP電極12が、第1領域R1のy軸上の中央よりも上辺TEの近くの位置と、第1領域R1および第2領域R2の境界の位置とに亘って延びていればよく、電極セットG1Sのゲート電極11は、両端において電極セットG1SのFP電極12よりも短くてもよい。
【0018】
電極セットG1LおよびG1Sの下端は、例えば、y軸上の同じ座標に位置する。
【0019】
電極セットG2は、x軸に沿って、左辺LEの極近傍の位置と右辺REの極近傍の位置とに亘って延びる。電極セットG2の少なくともFP電極12が、左辺LEの極近傍の位置と右辺REの極近傍の位置とに亘って延びていればよく、電極セットG2のゲート電極11は両端において電極セットG2のFP電極12よりも短くてもよい。また、電極セットG2は、y軸に沿って、第1領域R1と第2領域R2の境界から下辺BEまでの領域の全体に亘って並ぶ。
【0020】
各ゲート電極11は、コンタクト14を介して、ゲートパッド21と接続されている。各FP電極12は、コンタクト15を介してソースパッド22と接続されている。ゲートパッド21の形状およびFP電極12の形状、ならびにコンタクト14および15の位置については、後に詳述される。
【0021】
図1および図2に、特に図2に示されるように、半導体装置1は、ゲートパッド21およびソースパッド22を含む。ゲートパッド21およびソースパッド22は、xy面に沿って広がり、互いに間隔を有しており、互いに接触しておらず、互いに電気的に絶縁されている。
【0022】
ゲートパッド21は、全てのゲート電極11および全てのFP電極12の各々の2つの端の位置において全てのゲート電極11および全てのFP電極12を横切るような形状および配置を有するパターンを有する。以下、そのような形状のゲートパッド21の一例が記述される。
【0023】
ゲートパッド21は、第1部分21a、第2部分21b、第3部分21c、第4部分21d、第5部分21e、第6部分21f、および第7部分21gを含む。
【0024】
第1部分21aは、矩形の形状を有し、半導体装置1の右上の角に位置する。第1部分21aの上辺は、半導体装置1の上辺TEに沿う。第1部分21aの右辺は、半導体装置1の右辺REに沿い、例えば半導体装置1の右辺RE上に位置する。第1部分21aの左辺は、最も右端の電極セットG1Lと最も左端の電極セットG1Sの境界の延長線上に位置する。第1部分21aの下辺は、電極セットG1Sの上端に面する。
【0025】
第2部分21bは、矩形の形状を有し、半導体装置1の上辺TEに沿って延び、上辺TEと間隔を有する。第2部分21bの右辺は、第1部分21aの左辺と接続されている。第2部分21bは、電極セットG1LのFP電極12のそれぞれの上辺より若干下に位置する。第2部分21bは、全ての電極セットG1Lを横切って延びる。第2部分21bの左辺は、例えば、電極セットG1Lの最も左のゲート電極11の右辺よりも左側に位置する。
【0026】
第3部分21cは、矩形の形状を有し、半導体装置1の右辺REに沿って延びる。第3部分21cの上辺は、第1部分21aの下辺と接続されている。第3部分21cの下辺は、電極セットG1(G1LおよびG1S)のゲート電極11およびFP電極12のそれぞれの下辺より若干上に位置する。
【0027】
第4部分21dは、矩形の形状を有し、x軸に沿って延びる。第4部分21dの右辺は、第3部分21cの左辺と接続されている。第4部分21dは、第1部分21aの下辺に面する。第4部分21dは、全ての電極セットG1Sを横切って延びる。第4部分21dの左辺は、例えば、最も右の電極セットG1Lと最も左の電極セットG1Sの境界の延長線上に位置する。
【0028】
第5部分21eは、矩形の形状を有し、x軸に沿って延びる。第5部分21eの右辺は、第3部分21cの左辺と接続されている。第5部分21eは、電極セットG1(G1LおよびG1S)のFP電極12のそれぞれの下辺より若干上に位置する。第5部分21eの左辺は、例えば、最も左のゲート電極11と半導体装置1の左辺LEとの間に位置し、電極セットG2のゲート電極11およびFP電極12のそれぞれの左辺より若干右に位置する。
【0029】
第6部分21fは、矩形の形状を有し、半導体装置1の右辺REに沿って延び、右辺REと間隔を有する。第6部分21fの上辺は、第3部分21cの下辺と接続されている。第6部分21fは、電極セットG2のFP電極12のそれぞれの右辺より若干左に位置する。第6部分21fは、全ての電極セットG2を横切って延びる。第6部分21fの下辺は、例えば、電極セットG2の最も下のゲート電極11の上辺よりも下側に位置する。
【0030】
第7部分21gは、矩形の形状を有し、半導体装置1の左辺LEに沿って延び、左辺LEと間隔を有する。第7部分21gの上辺は、第5部分21eの下辺と接続されている。第7部分21gは、電極セットG2のFP電極12のそれぞれの左辺より若干右に位置する。第7部分21gは、全ての電極セットG2を横切って延びる。第7部分21gの下辺は、例えば、電極セットG2の最も下のゲート電極11の上辺よりも下側に位置する。
【0031】
ソースパッド22は、例えば、半導体装置1のxy面に沿った領域のうち、ゲートパッド21との境界におけるゲートパッド21との間隔の領域、および半導体装置1の上辺UE、下辺BE、右辺RE、およびLEとの間隔の領域を除いて、ゲートパッド21により覆われていない領域を覆うパターンを有する。以下、そのような形状のソースパッド22の一例が記述される。
【0032】
ソースパッド22は、第1部分22a、第2部分22b、第3部分22c、第4部分22d、第5部分22e、第6部分22f、第7部分22g、第8部分22h、および第9部分22iを含む。
【0033】
第1部分22aは、矩形の形状を有し、半導体装置1の上辺TEに沿って延びる。第1部分22aは、半導体装置1の上辺TEと、ゲートパッド21の第1部分21aとの間に位置する。第1部分22aの右辺は、例えば、ゲートパッド21の第1部分21aの左辺に面し、第1部分22aの下辺は、例えば、ゲートパッド21の第2部分21bの上辺に面する。第1部分22aの左辺は、ゲートパッド21の第2部分21bの左辺よりも、半導体装置1の左辺LEに近い位置に位置し、例えば、半導体装置1の左辺に面する。第1部分22aは、全ての電極セットG1LのFP電極12のそれぞれの上辺と重なっており、さらに全ての電極セットG1Lのゲート電極11のそれぞれの上辺とも重なっていてもよい。
【0034】
第2部分22bは、矩形の形状を有し、ゲートパッド21の第2部分21bの左辺と半導体装置1の左辺LEとの間に位置する。第2部分22bの上辺は、ソースパッド22の第1部分22aの下辺と接続されている。第2部分22bの左辺は、例えば、半導体装置1の左辺LEに面する。
【0035】
第3部分22cは、矩形の形状を有し、ゲートパッド21の第2部分21bと第5部分21eとの間で広がる。第3部分22cの左辺は、半導体装置1の左辺LEに沿って延び、例えば、半導体装置1の左辺LEに面する。第3部分22cの上辺は、例えば、第2部分22bの下辺と接続されている。第3部分22cの右辺は、部分的にゲートパッド21の第1部分21aの左辺に面し、第3部分22cの上辺は、ゲートパッド21の第2部分21bに面する。第3部分22cは、全ての電極セットG1Lと重なっている。
【0036】
第4部分22dは、矩形の形状を有し、第3部分22c、およびゲートパッド21の第1部分21a、第3部分21c、ならびに第4部分21dにより囲まれた領域に位置する。第4部分22dの上辺、右辺、および下辺は、それぞれ、ゲートパッド21の第1部分21a、第3部分21c、および第4部分21dに面する。第4部分22dの左辺は、第3部分22cの右辺と接続されている。第4部分22dは、全ての電極セットG1SのFP電極12のそれぞれの上辺と重なっており、さらに全ての電極セットG1Sのゲート電極11のそれぞれの上辺とも重なっていてもよい。
【0037】
第5部分22eは、矩形の形状を有し、第3部分22c、およびゲートパッド21の第3部分21c、第4部分21d、ならびに第5部分21eにより囲まれた領域に位置する。第5部分22eの上辺、右辺、および下辺は、それぞれ、ゲートパッド21の第4部分21d、第3部分21c、および第5部分21eに面する。第5部分22eの左辺は、第3部分22cの右辺と接続されている。第5部分22eは、全ての電極セットG1Sと重なっている。
【0038】
第6部分22fは、矩形の形状を有し、第3部分22c、ゲートパッド21の第7部分21g、および半導体装置1の左辺LEならびに下辺BEにより囲まれた領域に位置する。第6部分22fの左辺は、例えば、半導体装置1の左辺LEに面する。第6部分22fの上辺は、第3部分22cの下辺と接続されている。第6部分22fの右辺は、ゲートパッド21の第7部分21gに面する。第6部分22fは、全ての電極セットG2のFP電極12のそれぞれの左辺と重なっており、さらに全ての電極セットG2のゲート電極11のそれぞれの左辺とも重なっていてもよい。
【0039】
第7部分22gは、矩形の形状を有し、半導体装置1の下辺BEに沿って延び、半導体装置1の左辺LEと右辺REに亘って延びる。第7部分22gの下辺、左辺、および右辺は、それぞれ、例えば、半導体装置1の下辺BE、左辺LE、および右辺REに面する。第7部分22gの上辺は、部分的に第6部分22fの下辺と接続されており、部分的にゲートパッド21の第6部分21fの下辺および第7部分21gの下辺に面する。
【0040】
第8部分22hは、矩形の形状を有し、第7部分22g、およびゲートパッド21の第5部分21e、第6部分21f、ならびに第7部分21gにより囲まれた領域に位置する。第8部分22hの下辺は、第7部分22gの上辺と接続されている。第8部分22hの上辺、右辺、および左辺は、それぞれ、ゲートパッド21の第5部分21e、第6部分21f、ならびに第7部分21gに面する。第8部分22hは、全ての電極セットG2と重なっている。また、第8部分22hは、全ての電極セットG1のFP電極12のそれぞれの下辺と重なっており、さらに全ての電極セットG1のゲート電極11のそれぞれの下辺とも重なっていてもよい。
【0041】
第9部分22iは、矩形の形状を有し、第7部分22g、ゲートパッド21の第3部分21cおよび第6部分21f、ならびに半導体装置1の右辺により囲まれた領域に位置する。第9部分22iの右辺は、例えば、半導体装置1の右辺REに面する。第9部分22iの上辺および左辺は、それぞれ、ゲートパッド21の第3部分21cの下辺および第6部分21fの右辺に面する。第9部分22iの下辺は、第7部分22gの上辺と接続されている。第9部分22iは、全ての電極セットG2のFP電極12のそれぞれ右辺と重なっており、さらに、全ての電極セットG2のゲート電極11のそれぞれ右辺とも重なっていてもよい。
【0042】
各コンタクト14は、ゲートパッド21と1つのゲート電極11とが交わる位置に位置し、ゲートパッド21と当該ゲート電極11とを接続する。各ゲート電極11は、両端の2ケ所においてゲートパッド21の一部と重なっており、2ケ所においてゲートパッド21とコンタクト14を介して接続されている。
【0043】
各コンタクト15は、ソースパッド22と1つのFP電極12とが交わる位置に位置し、ソースパッド22と当該FP電極12とを接続する。各FP電極12の両端は、ゲートパッド21の外側に位置し、各FP電極12は両端のゲートパッド21の外側の部分の2ケ所でコンタクト15を介してソースパッド22と接続されている。
【0044】
ゲートパッド21はここまで記述されたようなパターンおよび形状を有しており、このため、ゲートパッド21に印加された信号は以下の経路でゲートパッド21の端に到達する。第1部分21aは、例えば半導体装置1の外部から供給される信号を受け取る。受け取られた信号は、第2部分21bで左に進んで、第2部分21bの左辺に到達し、この過程で、信号は全ての電極セットG1Lのそれぞれのゲート電極11の上側のコンタクト14の位置を通過する。また、受け取られた信号は、第4部分21dの左辺に到達し、この過程で、信号は全ての電極セットG1Sのそれぞれのゲート電極11の上側のコンタクト14の位置を通過する。また、受け取られた信号は、第3部分21cおよび第6部分21fで下に進んで第6部分21fの下辺に到達し、この過程で、信号は全ての電極セットG2のそれぞれのゲート電極11の右側のコンタクト14の位置を通過する。
【0045】
第1部分21aで受け取られた信号はまた、第3部分21cで下に進み、第5部分21eで左に進んで第5部分21eの左辺に達し、第7部分21gで下に進んで第7部分21gの下辺に達する。この過程で、信号は、全ての電極セットG1のそれぞれのゲート電極11の下側のコンタクト14の位置を通過し、全ての電極セットG2のそれぞれのゲート電極11の左側のコンタクト14の位置を通過する。
【0046】
図3は、第1実施形態の半導体装置1の一部の断面構造を示し、図1および図2のIII-III線に沿った断面を示す。
【0047】
図3に示されるように、ドレイン電極31の上面上に半導体32が設けられている。半導体32は、シリコン基板およびシリコンのエピタキシャル層を含む。半導体32は、n型ドレイン領域34、n型ドリフト領域35、p型ベース領域36、n型ソース領域37、およびp型コンタクト領域38含む。導電型を示す「n」または「p」の上付き文字「+」および「-」は、相対的なキャリア濃度を示す。例えば、n型の領域、n型の領域、n型の領域は、この順でより高いキャリア濃度を有する。キャリア濃度は、当該キャリア濃度を有する領域が、n型不純物およびp型不純物の両方を含んでいる場合、p型不純物によって相殺される分のn型不純物を除いたn型不純物の濃度を指す。p型についても同様であり、n型不純物についての記述の中の「n」と「p」を置換した記述が、p型についての記述として当てはまる。
【0048】
型ドレイン領域34は、ドレイン電極31の上面上に位置し、例えば、シリコン基板中に位置する。半導体32のうち、n型ドレイン領域34以外の部分は、例えばエピタキシャル層である。
【0049】
半導体32は、複数のトレンチ41によって上面から部分的に除去された形状を有する。トレンチ41の底は、n型ドリフト領域35中に位置し、n型ドレイン領域34と接していない。各トレンチ41は、後に詳述されるように1つの電極セットGを内包する。よって、トレンチ41は、図1および図2を参照して記述されるように電極セットGが配置されることを可能にする形状および配置を有する。電極セットG1(G1LおよびG1S)を内包するトレンチ41は、xy面において、電極セットG1と同じく、第1領域R1中に位置し、y軸に沿って延び、x軸に沿って並ぶ。電極セットG2を内包するトレンチ41は、xy面において、電極セットG2と同じく、第2領域R2中に位置し、x軸に沿って延び、y軸に沿って並ぶ。
【0050】
各トレンチ41中に、2つのゲート電極11および1つのFP電極12が設けられている。FP電極12は、トレンチ41の中央または中央近傍に位置し、z軸に沿って、トレンチ41の開口の位置(半導体32の上面)より低い位置から、トレンチ41の底より高い位置に亘って延びる。
【0051】
各トレンチ41中で、2つのゲート電極11は、FP電極12の両側に位置する。一方のゲート電極11は、FP電極12とトレンチ41の左側の縁との間に位置する。もう一方のゲート電極11は、FP電極12とトレンチ41の右側の縁との間に位置する。FP電極12は、z軸に沿って、トレンチ41の開口の位置(半導体32の上面)より低い位置と、n型ドリフト領域35よりの上面の近傍の位置とに亘る。
【0052】
トレンチ41の、FP電極12とゲート電極11以外の領域は絶縁体42を設けられている。すなわち、FP電極12とn型ドリフト領域35との間には絶縁体42の一部が位置し、FP電極12と各ゲート電極11との間の領域には絶縁体42の別の一部が位置する。また、各ゲート電極11とp型ベース領域36との間には絶縁体42の一部が位置する。さらに、FP電極12の上面およびゲート電極11の上面は絶縁体42の一部により覆われている。
【0053】
各p型ベース領域36は、2つの電極セットGの間に位置し、すなわち、左側の電極セットG中の右側のゲート電極11と、右側の電極セットG中の左側のゲート電極11との間に位置する。p型ベース領域36は、底面においてn型ドリフト領域35の上面に接し、左端において左側の電極セットG中の右側のゲート電極11と絶縁体42の一部を介して面し、右端において右側の電極セットG中の左側のゲート電極11と絶縁体42の一部を介して面する。p型ベース領域36は、隣のトレンチ41に沿ってx軸またはy軸に沿って延びる。
【0054】
各p型ベース領域36の上側に2つのn型ソース領域37が間隔を有して位置する。n型ソース領域37の底はp型ベース領域36と接する。左側のn型ソース領域37は、左端において左側の電極セットG中の右側のゲート電極11と絶縁体42の一部を介して面する。右側のn型ソース領域37は、右端において右側の電極セットG中の左側のゲート電極11と絶縁体42の一部を介して面する。n型ソース領域37は、隣のトレンチ41に沿ってx軸またはy軸に沿って延びる。
【0055】
各p型ベース領域36の上側には、1つのp型コンタクト領域38が位置している。p型コンタクト領域38の底は、下部および側部において対応する1つのp型ベース領域36に接しており、例えば、p型ベース領域36と対応するn型ソース領域37との境界よりも低い位置に位置する。
【0056】
各トレンチ41中の絶縁体42の上面上には、絶縁体43が位置する。隣り合う絶縁体43は、p型コンタクト領域38の上方で間隔を有している。
【0057】
ソースパッド22は絶縁体43の上面上に位置する部分と、隣り合う絶縁体43の間の部分とを含む。ソースパッド22は、隣り合う絶縁体43の各間の領域において、p型コンタクト領域38と接する。
【0058】
図4は、第1実施形態の半導体装置1の一部の断面構造を示し、図1および図2のIV-IV線に沿った断面を示す。図4に示されるように、各コンタクト14は、接続されるゲート電極11の上方に位置する。絶縁体42および43は、ゲート電極11の上方において部分的に除去されており、この部分においてコンタクト14は上面においてゲートパッド21の底面と接続されているとともに底面において対応するゲート電極11の上面と接続されている。
【0059】
図5は、第1実施形態の半導体装置1の一部の断面構造を示し、図1および図2のV-V線に沿った断面を示す。図5に示されるように、各コンタクト15は、接続されるFP電極12の上方に位置する。絶縁体42および43は、FP電極12の上方において部分的に除去されており、この部分においてコンタクト15は上面においてソースパッド22の底面と接続されているとともに底面において対応するFP電極12の上面と接続されている。
【0060】
第1実施形態によれば、以下に記述されるように、反りが抑制されるとともに配線長の短い半導体装置1が実現されることができる。
【0061】
半導体装置1は、2方向、特に直交する2方向に延びる電極セットGを含む。このため、電極セットGが1方向に延びる場合のように応力が同じ方向に集中することが抑制され、半導体装置1のチップの反りが抑制されることができる。
【0062】
応力の集中の緩和のために電極セットGを2方向に沿って配置するために、第1実施形態のように、半導体装置1の面を2つの領域(例えば、第1領域R1と第2領域R2)に分け、一方の領域では電極セットGを第1方向に沿って配置し、他方の領域では電極セットGを第2方向に沿って配置することが考えられる。このように配置された電極セットGと接続されることが可能なゲートパッド21およびソースパッド22の形状には、いくつかの可能性が考えられる。全ての電極セットGと両端において重なるようにゲートパッドを配置し、ゲートパッドが配置されていない個所にソースパッドが広がるように配置される必要がある。
【0063】
図6は、第1の参考用の半導体装置100の平面の構造を示し、ゲートパッド110およびソースパッド120を示す。ゲートパッド110は第1実施形態のゲートパッド21に対応し、ソースパッド120は第1実施形態のソースパッド22に対応する。ゲートパッド110は、第1実施形態のゲートパッド21の第1部分21aと同様の矩形状の部分100aを含み、さらに、第1領域R1の周囲および第2領域R2の周囲を囲むパターンを有する。このような形状のゲートパッド110に基づいてソースパッド120を配置しようとすると、ソースパッド120は、第1領域R1においてゲートパッド110のパターンにより囲まれた部分とその他の部分との独立した2つの部分を含む形にならざるを得ず、分断されない形態でソースパッド120が配置されることができない。
【0064】
図7は、第2の参考用の半導体装置200の平面の構造を示し、ゲートパッド210およびソースパッド220を示す。ゲートパッド210は、第1実施形態のゲートパッド21の第1部分21aと同様の矩形状の第1部分210aを含み、また、半導体装置200の上辺に沿う第2部分210b、左辺に沿う第3部分210c、第1領域R1と第2領域R2の境界の第4部分210d、下辺に沿う第5部分210e、および右辺に沿う第6部分210fを含む。第4部分210dは、第1領域R1中に位置する。第4部分210dおよび第6部分210fは、間隔を有している。このような形状のゲートパッド210に基づけば、ソースパッド220の第1領域R1中の部分は、ソースパッド220の第2領域R2中の部分と、第1領域R1の右辺の部分およびゲートパッド210の第4部分210dと第6部分210fとの間の領域を介して連続的であることができる。すなわち、ソースパッド220は、分断されることなく配置されることができる。
【0065】
しかしながら、ゲートパッド210の配線が長い部分が存在し、また、第4部分210dおよび第6部分210fへの信号の伝達の効率が悪い。第1部分210aで受け取られた信号は、第2部分210bで左へ進み、第3部分210cで下へ進み、第4部分210dで右に進む。同様に、第1部分210aで受け取られた信号は、第2部分210bで左へ進み、第3部分210cで下へ進み、第5部分201eで右に、第6部分210fで上に進む必要がある。これらの経路は、或る方向に進んだ信号が別の場所で逆方向に進むことを強要する。このような信号伝達は非効率である。
【0066】
第1実施形態の半導体装置1のゲートパッド21は、第2部分21b、第3部分21c、第4部分21d、第5部分21e、第6部分21f、および第7部分21gを含む。第2部分21bは全ての電極セットG1Lの上側の部分と重なり、右辺でのみ第1部分21aと接続されており、左辺においてゲートパッド21の他の部分と接続されていない。第4部分21dは、全ての電極セットG1Sの上側の部分と重なり、第5部分21eは、全ての電極セットG1の下側の部分と重なり、右辺において第3部分21cと接続されており、第2部分21bとは接続されていない。第6部分21fは、全ての電極セットG2の右側の部分と重なり、上辺において第3部分21cと接続されており、下辺においてゲートパッド21の他の部分と接続されていない。第7部分21gは、全ての電極セットG2の左側の部分と重なり、上辺において第5部分21eと接続されており、下辺においてゲートパッド21の他の部分と接続されていない。
【0067】
このような形状のゲートパッド21により、第1部分21aで受け取られた信号は、一旦或る方向に進んでから逆の方向に戻ることなく、各部分の末端に到達することができる。このため、第1部分21aで受け取られた信号は、効率よく全てのコンタクト14に到達できる。また、ゲートパッド21により完全に囲まれる領域が存在しないので、ゲートパッド21が設けられる領域以外の領域の全体を覆う連続的なソースパッド22が設けられることができる。
【0068】
ここまでの記述は、ゲートパッド21の第1部分21aがxy面上で右側に位置する例に関する。第1実施形態はこれに限られない。例えば、半導体装置1は、y軸に関する鏡像の構造を有していても良い。この場合、ゲートパッド21の第1部分21aは、半導体装置1の左上に位置する。他の要素の形状や配置は、類推されることが可能であり、詳細な記述はなされない。
【0069】
<第2実施形態>
第2実施形態の半導体装置1は、電極セットGの延びる方向の点で第1実施形態と異なり、このことに基づいてゲートパッド21およびソースパッド22の形状の点で第1実施形態と異なる。第2実施形態の半導体装置1は、第1実施形態との区別のために、半導体装置1Aと称される。以下、第1実施形態と異なる点が主に記述される。
【0070】
図8および図9は、第2実施形態の半導体装置1Aのxy面に沿った構造を示す。図8および図9は、z軸上の相違する座標について示す。図8は、図9よりも大きいz軸座標について示す。
【0071】
図8に示されるように、電極セットGは、第1領域R1中の電極セットG3および第2領域R2中の電極セットG4を含む。電極セットG3は、x軸に沿って延び、上辺TEから、第1領域R1と第2領域R2の境界までの領域の全体に亘って並ぶ。電極セットG3は、電極セットG3LおよびG3Sからなる。電極セットG3Lは、電極セットG3Sより長い。すなわち、電極セットG3L中のゲート電極11およびFP電極12は、電極セットG3S中のゲート電極11およびFP電極12よりも長い。
【0072】
電極セットG3Sは、第1領域R1中の全ての電極セットG3のうちの第1領域R1の上側の部分に位置し、電極セットG3Lは、第1領域R1のうちの第1領域R1の下側の部分に位置する。電極セットG3SとG3Lの境界は、例えばゲートパッド21Aの後述の第1部分21aの縁の延長線上に一致する。電極セットG3Sは、左辺LEの極近傍の位置と、第1領域R1のx軸上の中央よりも右辺REの近くの位置とに亘って延びる。電極セットG3Sの少なくともFP電極12が、左辺LEの極近傍の位置と、第1領域R1のx軸上の中央よりも右辺REの近くの位置とに亘って延びていればよく、電極セットG3Sのゲート電極11は、両端において電極セットG3のFP電極12よりも短くても良い。
【0073】
電極セットG3Lは、左辺LEの極近傍と右辺REの極近傍の位置とに亘って延びる。電極セットG3Lの少なくともFP電極12が、上辺TEの極近傍の位置と、左辺LEの極近傍と右辺REの極近傍の位置とに亘って延びていればよく、電極セットG3Lのゲート電極11は、両端において電極セットG3LのFP電極12よりも短くても良い。
【0074】
電極セットG3LおよびG3SのFP電極12のそれぞれの左端は、例えば、x軸上の同じ座標に位置し、電極セットG3LおよびG3Sのゲート電極11およびFP電極12のそれぞれの左端がx軸上の同じ座標に位置していてもよい。
【0075】
電極セットG4は、y軸に沿って、第1領域R1および第2領域R2の境界の位置と、下辺BEの極近傍の位置とに亘って延びる。電極セットG4の少なくともFP電極12が、第1領域R1および第2領域R2の境界の位置と、下辺BEの極近傍の位置とに亘って延びていればよく、電極セットG4のゲート電極11は、両端において電極セットG4のFP電極12よりも短くても良い。また、電極セットG4は、x軸に沿って、左辺LEから右辺REまでの領域の全体に亘って並ぶ。
【0076】
図8および図9に、特に図9に示されるように、半導体装置1Aは、ゲートパッド21およびソースパッド22を含む。第2実施形態のゲートパッド21およびソースパッド22は、それぞれ、ゲートパッド21Aおよびソースパッド22Aと称されて、第1実施形態のものと区別される場合がある。
【0077】
ゲートパッド21Aは、第1部分21Aa、第2部分21Ab、第3部分21Ac、第4部分21Ad、第5部分21Ae、第6部分21Af、および第7部分21Agを含む。
【0078】
第1部分21Aaは、第1実施形態のゲートパッド21の第1部分21aとほぼ同じであり、矩形の形状を有し、半導体装置1Aの右上の角に位置する。第1部分21Aaの上辺は、例えば半導体装置1Aの上辺UEに面し、第1部分21Aaの右辺は、例えば半導体装置1Aの右辺REに面する。第1部分21aの左辺は、電極セットG3SのFP電極12のそれぞれの右辺に面し、さらに、電極セットG3Sのゲート電極11のそれぞれの右辺に面していてもよい。第1部分21Aaの下辺は、電極セットG3SとG3Lの境界の延長線上に位置する。
【0079】
第2部分21Abは、矩形の形状を有し、半導体装置1Aの上辺TEに沿って延びる。第2部分21Abの上辺は例えば半導体装置1Aの上辺TEに面する。第2部分21Abの右辺は、第1部分21Aaの左辺と接続されている。第2部分21Abの左辺は、電極セットG3のゲート電極11およびFP電極12のそれぞれの左辺より若干右に位置する。
【0080】
第3部分21Acは、矩形の形状を有し、y軸に沿って延びる。第3部分21Acの上辺は、第2部分21Abの下辺と接続されている。第3部分21Acの右辺は、例えば、第1部分21Aaの左辺に面する。第3部分21Acは、全ての電極セットG3Sの右側の部分と重なっている。第3部分21Acの下辺は、例えば、最も下の電極セットG3Sと最も上の電極セットG3Lの境界の延長線上に位置する。
【0081】
第4部分21Adは、矩形の形状を有し、半導体装置1Aの左辺LEに沿って延び、左辺LEと間隔を有する。第4部分21Adの上辺は、第2部分21Abの下辺と接続されている。第4部分21Adは、電極セットG3(G3SおよびG3L)のFP電極12のそれぞれの左辺より若干右に位置する。第4部分21Adは、全ての電極セットG3を横切って延びる。第4部分21Adの下辺は、電極セットG3Lの最も下のゲート電極11の上辺よりも下側に位置する。
【0082】
第5部分21Aeは、矩形の形状を有し、半導体装置1Aの右辺REに沿って延び、右辺REと間隔を有する。第5部分21Aeの上辺は、第1部分21Aaの下辺と接続されている。第5部分21Aeは、電極セットG3LのFP電極12のそれぞれの右辺より若干左に位置する。第5部分21Aeは、全ての電極セットG3Lを横切って延びる。第5部分21Aeの下辺は、電極セットG4のFP電極12のそれぞれの下辺より若干上に位置する。
【0083】
第6部分21Afは、矩形の形状を有し、x軸に沿って延びる。第6部分21Afの右辺は、第5部分21Aeの左辺と接続されている。第6部分21Afは、電極セットG4のFP電極12のそれぞれの上辺より若干下に位置する。第6部分21Afは、全ての電極セットG4を横切って延びる。第6部分21Afの左辺は、例えば、電極セットG4の最も左のゲート電極11の右辺よりも左側に位置する。
【0084】
第7部分21Agは、矩形の形状を有し、x軸に沿って延びる。第7部分21Agの右辺は、第5部分21Aeの左辺と接続されている。第7部分21Agは、電極セットG4のFP電極12のそれぞれの下辺より若干上に位置する。第7部分21Agは、全ての電極セットG4を横切って延びる。第7部分21Agの左辺は、例えば、電極セットG4の最も左のゲート電極11の右辺よりも左側に位置する。
【0085】
ソースパッド22Aは、例えば、半導体装置1Aのxy面に沿った領域のうち、ゲートパッド21Aとの境界のゲートパッド21Aとの間隔の領域、および半導体装置1Aの上辺UE、下辺BE、右辺RE、およびLEとの間隔の領域を除いて、ゲートパッド21Aにより覆われていない領域を覆うパターンを有する。以下、そのような形状のソースパッド22Aの一例が記述される。
【0086】
ソースパッド22Aは、第1部分22Aa、第2部分22Ab、第3部分22Ac、第4部分22Ad、第5部分22Ae、第6部分22Af、第7部分22Ag、および第8部分22Ahを含む。
【0087】
第1部分22Aaは、矩形の形状を有し、半導体装置1Aの左辺LEとゲートパッド21Aの第4部分21Adとの間に位置し、半導体装置1Aの上辺TEと下辺BEとに亘って延びる。第1部分22Aaの左辺は、例えば、半導体装置1Aの左辺LEに面する。第1部分22Aaは、例えば、全ての電極セットG3のFP電極12のそれぞれの左辺と重なっており、さらに全ての電極セットG3のゲート電極11のそれぞれの左辺と重なっていてもよい。
【0088】
第2部分22Abは、矩形の形状を有し、ゲートパッド21Aの第4部分21Adの下辺とゲートパッド21Aの第6部分21fとの間に位置する。第2部分22Abの左辺は第1部分22Aaの右辺と接続されている。
【0089】
第3部分22Acは、矩形の形状を有し、ゲートパッド21Aの第2部分21Ab、第4部分21Ad、および第6部分21Afにより囲まれた領域のうちの第3部分21Acより左側の領域に位置する。第3部分22Acの左辺の一部は、第2部分22Abの右辺と接続されている。第3部分22Acは、全ての電極セットG3と重なっており、また、ゲートパッド21Aの第3部分21Acより左側の全ての電極セットG4のゲート電極11およびFP電極12の上辺と重なっている。
【0090】
第4部分22Adは、矩形の形状を有し、ゲートパッド21Aの第1部分21Aa、第3部分21Ac、第5部分21Ae、および第6部分21fにより囲まれた領域に位置する。第4部分22Adの左辺は、第3部分22Acの右辺と接続されている。第4部分22Adは、全ての電極セットG3Lと重なっており、また、ゲートパッド21Aの第3部分21Ac右辺より右側の全ての電極セットG4のゲート電極11およびFP電極12の上辺と重なっている。
【0091】
第5部分22Aeは、矩形の形状を有し、ゲートパッド21Aの第1部分21Aaと第3部分21Acとの間に位置する。第5部分22Aeの下辺は、第4部分22Adの上辺と接続されている。第5部分22Aeは、全ての電極セットG1SのFP電極12の右辺と重なっており、さらに全ての電極セットG1Sのゲート電極11の右辺とも重なっていてもよい。
【0092】
第6部分22Afは、矩形の形状を有し、ゲートパッド21Aの第5部分21Ae、第6部分21Af、および第7部分21Agにより囲まれた領域に位置する。第6部分22Afの左辺は、第1部分22Aaの右辺と接続されている。第6部分22Afは、全ての電極セットG4と重なっている。
【0093】
第7部分22Agは、矩形の形状を有し、ゲートパッド21Aの第7部分21Agと半導体装置1Aの下辺BEとの間の領域に位置する。第7部分22Agの左辺は、第1部分22Aaの右辺と接続されている。第7部分22Agの下辺は、例えば、半導体装置1Aの下辺BEに面する。第7部分22Agは、全ての電極セットG4のFP電極12の下辺と重なっており、さらに全ての電極セットG4のゲート電極11の下辺とも重なっていてもよい。
【0094】
第8部分22Ahは、矩形の形状を有し、ゲートパッド21Aの第1部分21Aa、第5部分21Ae、および半導体装置1Aの右辺REならびに下辺BEにより囲まれた領域に位置する。第8部分22Ahの左辺の一部は、第7部分22Agの右辺と接続されている。第8部分22Ahの右辺および下辺は、それぞれ、例えば、半導体装置1Aの右辺REおよび下辺BEに面する。第8部分22Ahは、全ての電極セットG3LのFP電極12の右辺と重なっており、さらに全ての電極セットG3Lのゲート電極11右辺とも重なっていてもよい。
【0095】
ゲートパッド21Aはここまで記述されたようなパターンまたは形状を有しており、このため、ゲートパッド21Aに印加された信号は以下の経路でゲートパッド21Aの端に到達する。第1部分21Aaは、例えば半導体装置1Aの外部から供給される信号を受け取る。受け取られた信号は、第2部分21Abで左に進んで、第3部分21Acで下に進んで、第3部分21Acの下辺に到達する。この過程で、全ての電極セットG3Sのゲート電極11のそれぞれの右側のコンタクト14の位置を通過する。受け取られた信号は、また、第2部分21Abを介して第4部分21Adの下辺に達する。この過程で、信号は、全ての電極セットG3のそれぞれのゲート電極11の左側のコンタクト14の位置を通過する。
【0096】
第1部分21Aaで受け取られた信号はまた、第5部分21Aeの下辺に達し、この過程で、全ての電極セットG3Lのそれぞれのゲート電極11の右側のコンタクト14の位置を通過する。信号は、さらに、第6部分21Afの左辺に達し、この過程で、全ての電極セットG4のそれぞれのゲート電極11の上側のコンタクト14の位置を通過する。信号は、さらに、第7部分21Agの左辺に達し、この過程で、全ての電極セットG4のそれぞれのゲート電極11の下側のコンタクト14の位置を通過する。
【0097】
半導体装置1Aの断面の構造は、第1実施形態の半導体装置1の断面の構造(図3図4、および図5)と同じである。
【0098】
第2実施形態の半導体装置1Aのゲートパッド21Aは、第3部分21Ac、第4部分21Ad、第5部分21Ae、第6部分21Af、および第7部分21Agを含む。第3部分21Acは全ての電極セットG3Sの右側の部分と重なり、上辺でのみ第2部分21Abと接続されている。第4部分21Adは、全ての電極セットG3の左側の部分と重なり、上辺でのみ第2部分21Abと接続されており、下辺においてゲートパッド21Aの他の部分と接続されていない。第5部分21Aeは、全ての電極セットG3Lの右側の部分と重なる。第6部分21Afは、全ての電極セットG4の上側の部分と重なり、右辺でのみ第5部分21Aeと接続されており、左辺においてゲートパッド21Aの他の部分と接続されていない。第7部分21Agは、全ての電極セットG4の下側の部分と重なり、右辺でのみ第5部分21Aeと接続されており、左辺においてゲートパッド21Aの他の部分と接続されていない。
【0099】
このような形状のゲートパッド21Aにより、第1部分21Aaで受け取られた信号は、一旦或る方向に進んでから逆の方向に戻ることなく、各部分の末端に到達することができる。このため、第1実施形態と同じく、第1部分21Aaで受け取られた信号は、効率よく、全てのコンタクト14に到達できる。また、ゲートパッド21Aにより完全に囲まれる領域が存在しないので、第1実施形態と同じく、ゲートパッド21Aが設けられる領域以外の領域の全体を覆う連続的なソースパッド22Aが設けられることができる。
【0100】
また、第2実施形態の半導体装置1Aは、第1実施形態の半導体装置1のxy面の有効に活用されることができる面積(有効面積)より広い有効面積を有する。第1実施形態では、図2に示されるように、ゲートパッド21の第3部分21cのうちの第6部分21fよりも右側の部分は、信号の伝達に必要な経路を超えた領域に位置し、必須の部分ではなく、余分な部分である。また、ソースパッド22の第3部分22cのうち、ゲートパッド21の第7部分21gの上側の部分ではFP電極12の下辺がソースパッド22と重なることができない故に電極セットG1が設けられることができない。
【0101】
第2実施形態によれば、このような有効に活用されることができない領域は、第1実施形態よりも狭い。或るサイズの単位面積UAによれば、第1実施形態では有効面積は950UAであるのに対し、第2実施形態によれば、961UAである。
【0102】
ここまでの記述は、ゲートパッド21Aの第1部分21Aaがxy面上で右側に位置する例に関する。第2実施形態はこれに限られない。例えば、半導体装置1Aは、y軸に関する鏡像の構造を有していても良い。この場合、ゲートパッド21の第1部分21aAは、半導体装置1Aの左上に位置する。他の要素の形状や配置は、類推されることが可能であり、詳細な記述はなされない。
【0103】
<第3実施形態>
第3実施形態は、電極セットGの配列、およびゲートパッド21ならびにソースパッド22の形状の点で第1実施形態と異なる。第3実施形態の半導体装置1は、第1実施形態との区別のために、半導体装置1Bと称される。以下、第1実施形態と異なる点が主に記述される。
【0104】
図10および図11は、第3実施形態の半導体装置1Bのxy面に沿った構造を示す。図10および図11は、z軸上の相違する座標について示す。図10は、図11よりも大きいz軸座標について示す。
【0105】
半導体装置1Bは、ゲートパッド21およびソースパッド22を含む。第3実施形態のゲートパッド21およびソースパッド22は、それぞれ、ゲートパッド21Bおよびソースパッド22Bと称されて、第1実施形態のものと区別される場合がある。
【0106】
図10および図11に示されるように、第3実施形態の半導体装置1Bは、第1実施形態の半導体装置1の縮小された平面構造と、半導体装置1の縮小された平面構造のy軸に関する鏡像とがx軸に沿って並んだ平面構造を有する。
【0107】
図10および図11に示されるように、半導体装置1Bは、第1領域RB1、第2領域RB2、第3領域RB3、および第4領域RB4を含む。第1領域RB1乃至第4領域RB4は、xy面に沿って広がり、互いに重なり合わない。例えば、半導体装置1Bのxy面に沿った全体の面は、第1領域RB1乃至第4領域RB4に分割されている。例えば、第1領域RB1および第2領域RB2は半導体装置1Bのxy面に沿った全体の面の左半分を占め、第1領域RB1は半導体装置1Bの左半分のうちの上側を占め、第2領域RB2は半導体装置1Bの左半分のうち下側を占める。第3領域RB3および第4領域RB4は半導体装置1Bのxy面に沿った全体の面の右半分を占め、第3領域RB3は半導体装置1Bの右半分のうちの上側を占め、第4領域RB4は半導体装置1Bの右半分のうち下側を占める。
【0108】
第1領域RB1および第2領域RB2の構造は、x軸に沿った寸法が半分になるのみで、基本的には第1実施形態の半導体装置1の第1領域R1および第2領域R2とそれぞれ同じである。
【0109】
第3領域RB3および第4領域RB4の構造は、第1領域RB1および第2領域RB2の構造のy軸に関する鏡像に等しい。そして、ゲートパッド21Bの第1領域RB1中の一部と、第3領域RB3中の一部とが接続されているとともに、ソースパッド22Bの第2領域RB2の一部と第4領域RB4の一部とが接続されている。より具体的には、以下の通りである。
【0110】
半導体装置1Bは、電極セットG11、G12、G13、およびG14を含む。電極セットG11およびG12は、第1実施形態の電極セットG1およびG2とそれぞれ同じ特徴を有し、それぞれ第1領域RB1および第2領域RB2中に位置する。電極セットG11は、電極セットG11SおよびG11Lを含み、電極セットG11SおよびG11Lは、第1実施形態の電極セットG1SおよびG1Lとそれぞれ同じ特徴を有する。
【0111】
電極セットG13は、電極セットG13SおよびG13Lを含み、電極セットG13SおよびG13Lは、電極セットG1SおよびG1Lとそれぞれ同じ特徴を有する。電極セットG13SおよびG13Lは、電極セットG1SおよびG1Lの配列がy軸に沿って反転された配列を有する。電極セットG14は、電極セットG2と同じ特徴を有する。
【0112】
各電極セットG12は、電極セットG14の延長線上に位置し、左右に並ぶ1つの電極セットG12および1つの電極セットG14は、互いに接続されている。すなわち、第2領域RB2および第4領域RB4において、各ゲート電極11および各FP電極12は、半導体装置1Bの左辺LEと右辺REに亘る。
【0113】
図10および図11に、特に図11に示されるように、ゲートパッド21Bは、第1部分21Ba、第2部分21Bb、第3部分21Bc、第4部分21Bd、第5部分21Be、第6部分21Bf、第7部分21Bg、第8部分21Bh、第9部分21Bi、第10部分21Bj、第11部分21Bk、第12部分21Bl、第13部分21Bm、および第14部分21Bnを含む。
【0114】
第1部分21Ba、第2部分21Bb、第3部分21Bc、第4部分21Bd、第5部分21Be、第6部分21Bf、および第7部分21Bgは、x軸の寸法が異なる点を除いて、第1実施形態のゲートパッド21の第1部分21a、第2部分21b、第3部分21c、第4部分21d、第5部分21e、第6部分21f、および第7部分21gとそれぞれ同じ特徴を有する。
【0115】
第8部分21Bh、第9部分21Bi、第10部分21Bj、第11部分21Bk、第12部分21Bl、第13部分21Bm、および第14部分21Bnは、それぞれ、第1部分21Ba、第2部分21Bb、第3部分21Bc、第4部分21Bd、第5部分21Be、第6部分21Bf、および第7部分21Bgと、y軸に関して反転していることを除いて同じ特徴を有する。
【0116】
第1実施形態での半導体装置1の右辺REに関する記述は、第3実施形態での半導体装置1Bの第1領域RB1および第2領域RB2の組と、第3領域RB3と第4領域RB4の組との境界の記述として当てはまり得る。
【0117】
第1部分21Baの右辺と第8部分21Bhの左辺は接続されている。第1部分21Baおよび第8部分21Bhの組は、ゲートパッド21Bに印加される信号を受け取り、入力部21BIと称される。
【0118】
第3部分21Bcの右辺と第10部分21Bjの右辺は接続されている。
【0119】
ソースパッド22Bは、第1部分22Ba、第2部分22Bb、第3部分22Bc、第4部分22Bd、第5部分22Be、第6部分22Bf、第7部分22Bg、第8部分22Bh、第9部分22Bi、第10部分22Bj、第11部分22Bk、第12部分22Bl、第13部分22Bm、第14部分22Bn、第15部分22Bo、第16部分22Bp、第17部分22Bq、および第18部分22Brを含む。
【0120】
第1部分22Ba、第2部分22Bb、第3部分22Bc、第4部分22Bd、第5部分22Be、第6部分22Bf、第7部分22Bg、第8部分22Bh、第9部分22Biは、x軸の寸法が異なる点を除いて、第1実施形態のソースパッド22の第1部分22a、第2部分22b、第3部分22c、第4部分22d、第5部分22e、第6部分22f、第7部分22g、第8部分22h、および第9部分22iとそれぞれ同じ特徴を有する。
【0121】
第10部分22Bj、第11部分22Bk、第12部分22Bl、第13部分22Bm、第14部分22Bn、第15部分22Bo、第16部分22Bp、第17部分22Bq、および第18部分22Brは、それぞれ、第1部分22Ba、第2部分22Bb、第3部分22Bc、第4部分22Bd、第5部分22Be、第6部分22Bf、第7部分22Bg、第8部分22Bh、第9部分22Biと、y軸に関して反転していることを除いて同じ特徴を有する。
【0122】
第7部分22Bgの右辺は、第16部分22Bpの左辺と接続されている。第9部分22Biの右辺は、第18部分22Brの左辺と接続されている。
【0123】
領域RB2およびRB4の各FP電極12は、領域RB2とRB4の境界においても、コンタクト15と接続されている。
【0124】
ゲートパッド21Bに印加される信号は、入力部21BIで受け取られ、第1領域RB1および第2領域RB2では、第1実施形態の第1領域R1および第2領域R2と同じように伝達する。第3領域RB3および第4領域RB4での信号の進行については、第1領域RB1およびRB2での信号の進行がy軸に関して反転した記述が当てはまる。
【0125】
入力部21BIで受け取られた信号はまた、第9部分21Biで右に進んで、第9部分21Biの右辺に到達し、この過程で、信号は全ての電極セットG13Lのそれぞれのゲート電極11の上側のコンタクト14の位置を通過する。また、受け取られた信号は、第11部分21Bkの右辺に到達し、この過程で、信号は全ての電極セットG13Sのそれぞれのゲート電極11の上側のコンタクト14の位置を通過する。また、受け取られた信号は、第10部分21Bjおよび第13部分21Bmで下に進んで第13部分21Bmの下辺に到達し、この過程で、信号は全ての電極セットG14のそれぞれのゲート電極11の左側のコンタクト14の位置を通過する。
【0126】
入力部21BIで受け取られた信号はまた、第10部分21Bjで下に進み、第12部分21Blで右に進んで第12部分21Blの右辺に達し、第14部分21Bnを下に進んで第14部分21Bnの下辺に達する。この過程で、信号は、全ての電極セットG3のそれぞれのゲート電極11の下側のコンタクト14の位置を通過し、全ての電極セットG14のそれぞれのゲート電極11の右側のコンタクト14の位置を通過する。
【0127】
第3実施形態の半導体装置1Bは、第1領域RB1および第2領域RB2において第1実施形態の半導体装置1の縮小された平面構造を有し、第3領域RB3および第4領域RB4において第1領域RB1および第2領域RB2のy軸に関する鏡像を有する。このような形状のゲートパッド21Bにより、入力部21BIで受け取られた信号は、第1実施形態と同じく、一旦或る方向に進んでから逆の方向に戻ることなく、各部分の末端に到達することができる。このため、第1実施形態と同じ利点を得られる。また、第3実施形態においても、ゲートパッド21Bにより完全に囲まれる領域が存在しないので、ゲートパッド21Bが設けられる領域以外の領域の全体を覆う連続的なソースパッド22Bが設けられることができる。
【0128】
ここまでの記述は、ゲートパッド21Bの入力部21BIが、半導体装置1Bの左辺LEと右辺REとの中央に位置する例に関する。第3実施形態はこの例に限られず、入力部21BIは、中央より左または右にずれた位置に位置していても良い。すなわち、第1領域RB1と第2領域RB2の組と、第3領域RB3と第4領域RB4の組との境界は、半導体装置1Bの左辺LEと右辺REとの間の任意の位置に位置することができる。
【0129】
ここまでの記述は、第3実施形態の半導体装置1Bが、第1実施形態の半導体装置1の縮小された平面構造と、半導体装置1の縮小された平面構造のy軸に関する鏡像とを含む例に関する。これに代えて、第3実施形態の半導体装置1Bは、第2実施形態の半導体装置1Aの縮小された平面構造と、半導体装置1Aの縮小された平面構造のy軸に関する鏡像とを含んでいても良い。すなわち、半導体装置1Bは、第1領域RB1およびRB2において第2実施形態の半導体装置1Aの縮小された平面構造を含み、第3領域RB3および第4領域RB4において、半導体装置1Aの縮小された平面構造のy軸に関する鏡像を含み得る。
【0130】
<第4実施形態>
第4実施形態は、電極セットGの配列、およびゲートパッド21ならびにソースパッド22の形状の点で第1実施形態と異なる。第4実施形態の半導体装置1は、第1実施形態との区別のために、半導体装置1Cと称される。以下、第1および第3実施形態と異なる点が主に記述され、第1乃至第3実施形態から当業者にとって類推可能な点についての記述は省略される。
【0131】
図12および図13は、第4施形態の半導体装置1Cのxy面に沿った構造を示す。図12および図13は、z軸上の相違する座標について示す。図12は、図13よりも大きいz軸座標について示す。
【0132】
半導体装置1Cは、ゲートパッド21およびソースパッド22を含む。第4実施形態のゲートパッド21およびソースパッド22は、それぞれ、ゲートパッド21Cおよびソースパッド22Cと称して、第1実施形態のものと区別される場合がある。
【0133】
図12および図13に示されるように、第4実施形態の半導体装置1Cは、第3実施形態の半導体装置1Bの縮小された平面構造と、半導体装置1Bの縮小された平面構造のx軸に関する鏡像とがy軸沿って並んだ平面構造を有する。
【0134】
半導体装置1Bの縮小された平面構造のx軸に関する鏡像については、第3実施形態における、第1実施形態の半導体装置1のy軸に関する鏡像についての記述から類推されることができる。
【0135】
図12および図13に示されるように、半導体装置1Cは、第1領域RC1、第2領域RC2、第3領域RC3、第4領域RC4、第5領域RC5、第6領域RC6、第7領域RC7、および第8領域RC8を含む。第1領域RC1乃至第8領域RC8は、xy面に沿って広がり、互いに重なり合わない。例えば、半導体装置1Cのxy面に沿った全体の面は、第1領域RC1乃至第8領域RC8に分割されている。例えば、第1領域RC1乃至第4領域RC4は、半導体装置1Cのxy面に沿った全体の面の下半分を占め、第5領域RC5乃至第8領域RC8は、半導体装置1Cの上半分を占める。
【0136】
第5領域RC5および第6領域RC6は左半分に位置し、第5領域RC5が下側に位置し、第6領域RC6が上側に位置する。第7領域RC7および第8領域RC8は右半分に位置し、第7領域RC7が下側に位置し、第8領域RC8が上側に位置する。
【0137】
第1領域RC1、第2領域RC2、第3領域RC3、および第4領域RC4の構造は、x軸およびy軸に沿った寸法が違うのみで、基本的には第3実施形態の半導体装置1Bの第1領域RB1、第2領域RB2、第3領域RB3、および第4領域RB4とそれぞれ同じである。すなわち、ゲートパッド21Cは、第1部分21Ca、第2部分21Cb、第3部分21Cc、第4部分21Cd、第5部分21Ce、第6部分21Cf、第7部分21Cg、第8部分21Ch、第9部分21Ci、第10部分21Cj、第11部分21Ck、第12部分21Cl、第13部分21Cm、および第14部分21Cnを含む。第1部分21Ca、第2部分21Cb、第3部分21Cc、第4部分21Cd、第5部分21Ce、第6部分21Cf、第7部分21Cg、第8部分21Ch、第9部分21Ci、第10部分21Cj、第11部分21Ck、第12部分21Cl、第13部分21Cm、および第14部分21Cnは、y軸の寸法が異なる点を除いて、第1部分21Ba、第2部分21Bb、第3部分21Bc、第4部分21Bd、第5部分21Be、第6部分21Bf、第7部分21Bg、第8部分21Bh、第9部分21Bi、第10部分21Bj、第11部分21Bk、第12部分21Bl、第13部分21Bm、および第14部分21Bnとそれぞれ同じ特徴を有する。
【0138】
第5領域RC5、第6領域RC6、第7領域RC7、および第8領域RC8の構造は、第1領域RC1、第2領域RC2、第3領域RC3、および第4領域RC4の構造が、x軸に関して反転された構造に等しい。
【0139】
第1領域RC1中の各ゲート電極11は第5領域RC5中の1つのゲート電極11と接続されて、連続的な構造となっている。第1領域RC1中の各FP電極12は第5領域RC5中の1つのFP電極12と接続されて、連続的な構造となっている。
【0140】
第3領域RC3中の各ゲート電極11は第7領域RC7中の1つのゲート電極11と接続されて、連続的な構造となっている。第3領域RC3中の各FP電極12は第7領域RC7中の1つのFP電極12と接続されて、連続的な構造となっている。
【0141】
ゲートパッド21Cの第1領域RC1の第1部分21Caの上辺は、ゲートパッド21Cのうちの第5領域RC5中に位置する第1部分21Caの鏡像の下辺と接続されている。ゲートパッド21Cの第3領域RC3の第8部分21Chの上辺は、ゲートパッド21Cのうちの第7領域RC7中に位置する第8部分21Chの鏡像の下辺と接続されている。第1領域RC1の第1部分21Ca、第5領域RC5中の第1部分21Caの鏡像、第3領域RC3の第8部分21Ch、および第7領域RC7中の第8部分21Chの鏡像の組の部分は、ゲートパッド21Cに印加される信号を受け取り、入力部21CIと称される。
【0142】
ソースパッド22Cのうちの第1領域RC1中で第5領域RC5との境界に位置する部分は、ソースパッド22Cのうちの第5領域RC5中で第1領域RC1との境界に位置する部分と接続されている。ソースパッド22Cのうちの第3領域RC3中で第7領域RC7との境界に位置する部分は、ソースパッド22Cのうちの第7領域RC7中で第3領域RC3との境界に位置する部分と接続されている。よって、ソースパッド22Cは、半導体装置1Cの上面の全面に亘って連続的な構造を有する。
【0143】
領域RC1およびRC5の各FP電極12は、領域RC1とRC5の境界においても、コンタクト15と接続されている。領域RC3およびRC7の各FP電極12は、領域RC3とRC7の境界においても、コンタクト15と接続されている。
【0144】
第4実施形態の半導体装置1Cは、第3実施形態の半導体装置1Bの縮小された平面構造と、半導体装置1Bの縮小された平面構造のx軸に関する鏡像とが接続された構造を有する。このため、第3実施形態に関して記述されたように、第1実施形態と同じ利点を得られる。
【0145】
ここまでの記述は、ゲートパッド21Cの入力部21CIが、半導体装置1Cの中央に位置する例に関する。第4実施形態はこの例に限られず、入力部21CIは、中央より左、右、上、または下にずれた位置に位置していても良い。すなわち、第1領域RC1と第2領域RC3の境界および第5領域RC5と第7領域RC7の境界は、半導体装置1Cの左辺LEと右辺REとの間の任意の位置に位置することができる。代替的に、あるいは付加的に、第1領域RC1と第5領域RC5の境界および第3領域RC3と第7領域RC7の境界は、半導体装置1Cの上辺TEと下辺BEとの間の任意の位置に位置することができる。
【0146】
ここまでの記述は、第4実施形態の半導体装置1Cが、第1実施形態の半導体装置1の縮小された平面構造と、半導体装置1の縮小された平面構造のy軸に関する鏡像と、半導体装置1の縮小された平面構造のx軸に関する鏡像と、半導体装置1の縮小された平面構造のx軸およびy軸に関する鏡像を含む例に関する。これに代えて、第4実施形態の半導体装置1Cは、第2実施形態の半導体装置1Aの縮小された平面構造と、半導体装置1Aの縮小された平面構造のy軸に関する鏡像と、半導体装置1Aの縮小された平面構造のx軸に関する鏡像と、半導体装置1Aの縮小された平面構造のx軸およびy軸に関する鏡像とを含み得る。すなわち、半導体装置1Cは、第1領域RB1および第2領域RB2において半導体装置1Aの縮小された平面構造を有し、第3領域RB3および第4領域RB4において、半導体装置1Aの縮小された平面構造のy軸に関する鏡像を含み、第5領域RB5および第6領域RB6において半導体装置1Aの縮小された平面構造のx軸に関する鏡像を含み、第7領域RB7および第8領域RB8において、半導体装置1Aの縮小された平面構造のx軸およびy軸に関する鏡像を含み得る。
【0147】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0148】
1…半導体装置、R1…第1領域、R2…第2領域、11…ゲート電極、12…FP電極、G、G1、G1L、G1S、G2…電極セット、21…ゲートパッド、22…ソースパッド、14…コンタクト、15…コンタクト。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13