(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】撮像素子および撮像装置
(51)【国際特許分類】
H04N 25/704 20230101AFI20240813BHJP
H01L 27/146 20060101ALI20240813BHJP
H04N 25/702 20230101ALI20240813BHJP
H04N 25/70 20230101ALI20240813BHJP
【FI】
H04N25/704
H01L27/146 D
H01L27/146 A
H04N25/702
H04N25/70
(21)【出願番号】P 2023021978
(22)【出願日】2023-02-15
(62)【分割の表示】P 2019538012の分割
【原出願日】2018-07-25
【審査請求日】2023-02-15
(31)【優先権主張番号】P 2017159957
(32)【優先日】2017-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】坂元 俊起
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-152738(JP,A)
【文献】特開2005-259824(JP,A)
【文献】特開2015-032610(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 25/704
H01L 27/146
H04N 25/702
H04N 25/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射光を画素に集光し、前記入射光の入射角度に応じて前記画素の中心から偏移して前記画素毎に配置されるオンチップレンズと、
前記画素に配置されて、入射光に応じて光電変換を行う複数の光電変換部と、
前記画素における前記複数の光電変換部毎に配置されて、前記集光された入射光を導波して前記複数の光電変換部にそれぞれ入射させるとともに、前記オンチップレンズの偏移に基づいて互いに非相似の形状に構成される複数の導波路と
を具備し、
前記画素として、第1の射出瞳距離の第1の撮像レンズに対応した第1の画素と、第2の射出瞳距離の第2の撮像レンズに対応した第2の画素と、を含
み、
前記複数の導波路は、光路となるコアと当該コアを内包するクラッドによりそれぞれ構成され、前記導波路における前記クラッドの内面の傾斜が互いに異なることにより非相似の形状に構成される
撮像素子。
【請求項2】
前記複数の導波路は、前記オンチップレンズの偏移に応じて前記クラッドの内面の傾斜を変更する請求項
1記載の撮像素子。
【請求項3】
前記複数の導波路は、前記クラッドが異なる傾斜により形成された複数の内面により構成される請求項
1記載の撮像素子。
【請求項4】
前記画素に配置されて、前記複数の光電変換部における光電変換に基づく画像信号を生成する画素回路と、
前記光電変換部が形成される半導体基板の面のうち前記集光された入射光が入射される面とは異なる面に配置されて前記画像信号を伝達する配線層と
をさらに具備する請求項1
~3のいずれか1項記載の撮像素子。
【請求項5】
前記画素は、それぞれ2つの光電変換部および導波路を具備する請求項1
~4のいずれか1項記載の撮像素子。
【請求項6】
前記画素が2次元格子状に配列され、
前記オンチップレンズは、前記配列された画素毎の前記入射光の入射角度に応じて前記画素の中心から偏移して配置される
請求項1
~5のいずれか1項記載の撮像素子。
【請求項7】
被写体からの光を自身の撮像素子に入射させるレンズ毎の前記入射角度に応じて前記画素の中心からそれぞれ偏移して配置された複数の前記オンチップレンズと、
前記複数のオンチップレンズにおけるそれぞれの偏移に基づいて互いに非相似の形状に構成される前記複数の導波路が配置される複数の前記画素と
を具備する請求項1
~6のいずれか1項記載の撮像素子。
【請求項8】
入射光を画素に集光し、前記入射光の入射角度に応じて前記画素の中心から偏移して前記画素毎に配置されるオンチップレンズと、
前記画素に配置されて、入射光に応じて光電変換を行う複数の光電変換部と、
前記画素における前記複数の光電変換部毎に配置されて、前記集光された入射光を導波して前記複数の光電変換部にそれぞれ入射させるとともに、前記オンチップレンズの偏移に基づいて互いに非相似の形状に構成される複数の導波路と、
前記画素に配置されて、前記複数の光電変換部における光電変換に基づく画像信号を生成する画素回路と、
前記複数の光電変換部の光電変換に基づく複数の画像信号に基づいて位相差を検出する処理回路と
を具備し、
前記画素として、第1の射出瞳距離の第1の撮像レンズに対応した第1の画素と、第2の射出瞳距離の第2の撮像レンズに対応した第2の画素と、を含
み、
前記複数の導波路は、光路となるコアと当該コアを内包するクラッドによりそれぞれ構成され、前記導波路における前記クラッドの内面の傾斜が互いに異なることにより非相似の形状に構成される
撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、撮像素子および撮像装置に関する。詳しくは、像面位相差を検出する撮像素子および撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オートフォーカスを行うカメラに使用される撮像素子として、分割された2つの光電変換部を有する画素が2次元格子状に配置されて構成された撮像素子が使用されている。このような撮像素子では、各画素のそれぞれの光電変換部において光電変換が行われ、2つの画像信号が生成される。この撮像素子を使用するカメラにおいて、これら2つの画像信号により生成された画像の位相差を検出することにより焦点位置が検出される。次に、検出された焦点位置に基づいて撮影レンズの位置が調整され、オートフォーカスが行われる。このような、撮像素子に配置された画素によりオートフォーカスのための位相差を検出する方式は、像面位相差オートフォーカスと称される。なお、オートフォーカスの後の撮像の際には、画素の2つの光電変換部による画像信号が合算されて画像信号として出力される。これにより、被写体に応じた画像を得ることができる。
【0003】
また、撮像素子においては、撮像素子の中央部に配置される画素には、被写体からの光が撮影レンズを介して略垂直に入射する。一方、撮像素子の周辺部に配置される画素には、被写体からの光が斜めに入射する。このため光電変換部に到達する光が減少し、画素における感度が低下する。この周辺部に配置された画素における感度の低下を防止するため、瞳補正が行われる。ここで瞳補正とは、周辺部において斜めに入射する光に合わせて画素毎に配置されたマイクロレンズ(以下、オンチップレンズと称する)を画素の中心から偏心させて配置する補正方法である。また、オンチップレンズとは、画素に入射する光を光電変換部に集光させるために画素毎に配置されるレンズである。このオンチップレンズを偏心させて光電変換部の中心を通る入射光の光軸上に配置することにより、光電変換部への入射光を増加させることができ、感度の低下を防止することができる。
【0004】
上述の像面位相差を検出する撮像素子においても瞳補正を適用することにより、撮像素子周辺部に配置された画素の感度の低下を防止することができる。例えば、光電変換部が形成される半導体基板とオンチップレンズとの間に画像信号を伝達する配線層が形成される表面型の撮像素子において、2つの光電変換部毎の導波路が配線層に形成される撮像素子が使用されている(例えば、特許文献1参照。)。ここで、導波路とは、光を透過させるコアおよびコアを囲むクラッドにより構成され、オンチップレンズを介して入射した光を光電変換部に導波するものである。
【0005】
この撮像素子においては、第1の導波路および第2の導波路の2つの導波路が隣接して配置される。第1の導波路は画素の中心軸に対するオンチップレンズの偏心方向とは異なる方向に開口部が配置され、第2の導波路はオンチップレンズの偏心方向と同じ方向に開口部が配置される。オンチップレンズの中心を通る光が第1および第2の導波路の境界部に照射する位置にオンチップレンズを配置することにより、周辺部に配置される画素において位相差の検出が可能となる。
【0006】
しかし、オンチップレンズを透過した光が第1および第2の導波路に入射する際の入射角度が異なるため、第1および第2の導波路に対する光の結合効率が異なることとなる。これは、第1の導波路はオンチップレンズの偏心の方向と異なる方向に開口部が配置されるため、第1の導波路の開口部への光の入射角度がオンチップレンズの偏心の方向と同じ方向に開口部が配置される第2の導波路と比較して大きくなるためである。入射角度が大きい場合には導波路の高次の導波モードと結合することとなり、有限の次数を有する導波路における結合係数が小さくなるためである。このため、第1の導波路により入射光を伝達される光電変換部の感度が第2の導波路により入射光が伝達される光電変換部の感度より低くなる。
【0007】
この感度の低下を防ぐため、上述の従来技術では、第1の導波路は第2の導波路よりもコアとクラッドの屈折率差を大きくしている。または、第1の導波路は第2の導波路よりコアの断面積を大きしている。これらのうちの少なくとも一方を適用することにより導波路の結合効率の低下を防止し、第1および第2の導波路により入射光が伝達される光電変換部の感度を略等しくして位相差の検出精度の低下を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の従来技術は、第1および第2の導波路の屈折率差またはコアの断面積を光の入射角度に応じて変更している。しかし、第1および第2の導波路の屈折率差を変更するためには、これらの導波路において異なる材料によりクラッドまたはコアを形成する必要がある。また、第1および第2の導波路の断面積を変更する際には、オンチップレンズの中心を通る光を第1および第2の導波路の境界に照射させるとともにこれらの断面積を入射角度に応じて変更する必要がある。何れの場合においても導波路の形成が困難になるという問題がある。
【0010】
本技術は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、像面位相差を検出する撮像素子において画素の構成を簡略化することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本技術は、上述の問題点を解消するためになされたものであり、その第1の側面は、入射光を画素に集光し、上記入射光の入射角度に応じて上記画素の中心から偏移して上記画素毎に配置されるオンチップレンズと、上記画素に配置されて、入射光に応じて光電変換を行う複数の光電変換部と、上記画素における上記複数の光電変換部毎に配置されて、上記集光された入射光を導波して上記複数の光電変換部にそれぞれ入射させるとともに、上記オンチップレンズの偏移に基づいて互いに非相似の形状に構成される複数の導波路とを具備する撮像素子である。これにより、画素の中心から偏移して配置されたオンチップレンズを介して入射される光は、互いに非相似の形状に構成された複数の導波路により、複数の光電変換部に対してそれぞれ導波されるという作用をもたらす。非相似の形状に構成された導波路による導波損失の調整が想定され、オンチップレンズが偏移して配置された場合における複数の光電変換部の感度の補正が想定される。
【0012】
また、この第1の側面において、上記複数の導波路は、光路となるコアと当該コアを内包するクラッドによりそれぞれ構成され、上記導波路における上記入射光の入り口から出口までの上記クラッドの内面の傾斜が互いに異なることにより非相似の形状に構成されてもよい。これにより、互いに異なる内面の傾斜を有するクラッドを備える導波路により、入射光が導波されるという作用をもたらす。互いに異なるクラッドの内面の傾斜により導波における損失の調整が想定される。
【0013】
また、この第1の側面において、上記複数の導波路は、上記オンチップレンズの偏移に応じて上記クラッドの内面の傾斜を変更してもよい。これにより、オンチップレンズの偏移に応じて傾斜が変更されたクラッドを有する導波路により入射光が導波されるという作用をもたらす。オンチップレンズの偏移に応じた導波における損失の調整が想定される。
【0014】
また、この第1の側面において、上記複数の導波路は、上記クラッドが異なる傾斜により形成された複数の内面により構成されてもよい。これにより、異なる傾斜を有するクラッドを備える導波路により入射光が導波されるという作用をもたらす。異なる傾斜を有するクラッドによる導波における損失の調整が想定される。
【0015】
また、この第1の側面において、上記画素に配置されて、上記複数の光電変換部における光電変換に基づく画像信号を生成する画素回路と、上記光電変換部が形成される半導体基板の面のうち上記集光された入射光が入射される面とは異なる面に配置されて上記画像信号を伝達する配線層とをさらに具備してもよい。これにより、半導体基板における配線層が形成される面とは異なる面に導波路が形成されるという作用をもたらす。配線層に干渉されない導波路の形成が想定される。
【0016】
また、この第1の側面において、上記画素は、それぞれ2つの光電変換部および導波路を具備してもよい。これにより、2つの光電変換部に対して入射光をそれぞれ導波する2つの導波路が配置されるという作用をもたらす。
【0017】
また、この第1の側面において、上記画素が2次元格子状に配列され、上記オンチップレンズは、上記配列された画素毎の上記入射光の入射角度に応じて上記画素の中心から偏移して配置されてもよい。これにより、入射光の入射角度に応じてオンチップレンズが画素に対して偏移されて配置され、当該オンチップレンズにより光が集光される複数の画素が2次元格子状に配列されるという作用をもたらす。
【0018】
また、この第1の側面において、被写体からの光を自身の撮像素子に入射させるレンズ毎の上記入射角度に応じて上記画素の中心からそれぞれ偏移して配置された複数の上記オンチップレンズと、上記複数のオンチップレンズにおけるそれぞれの偏移に基づいて互いに非相似の形状に構成される上記複数の導波路が配置される複数の上記画素とを具備してもよい。これにより、レンズ毎の入射角度に応じて互いに非相似の形状に構成される複数の導波路をそれぞれ備える複数の画素が配置されるという作用をもたらす。入射角度が異なる複数のレンズに応じた画素毎の導波における損失の調整が想定される。
【0019】
また、本技術の第2の側面は、入射光を画素に集光し、上記入射光の入射角度に応じて上記画素の中心から偏移して上記画素毎に配置されるオンチップレンズと、上記画素に配置されて、入射光に応じて光電変換を行う複数の光電変換部と、上記画素における上記複数の光電変換部毎に配置されて、上記集光された入射光を導波して上記複数の光電変換部にそれぞれ入射させるとともに、上記オンチップレンズの偏移に基づいて互いに非相似の形状に構成される複数の導波路と、上記画素に配置されて、上記複数の光電変換部における光電変換に基づく画像信号を生成する画素回路と、上記複数の光電変換部の光電変換に基づく複数の画像信号に基づいて位相差を検出する処理回路とを具備する撮像装置である。これにより、画素の中心から偏移して配置されたオンチップレンズを介して入射される光は、互いに非相似の形状に構成された複数の導波路により、複数の光電変換部に対してそれぞれ導波されるという作用をもたらす。非相似の形状に構成された導波路による導波損失の調整が想定され、オンチップレンズが偏移して配置された場合における複数の光電変換部の感度の補正が想定される。また、感度が補正された複数の光電変換部において生成された画像信号による位相差の検出がさらに想定される。
【発明の効果】
【0020】
本技術によれば、像面位相差を検出する撮像素子において、複数の光電変換部にそれぞれ入射光を導波する導波路を互いに非相似の形状に構成することにより、オンチップレンズが偏移して配置された位相差画素の形成を簡略化するという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本技術の第1の実施の形態に係る撮像素子の構成例を示す図である。
【
図2】本技術の第1の実施の形態に係る画素の構成例を示す図である。
【
図3】本技術の第1の実施の形態に係る画素の構成例を示す図である。
【
図4】本技術の第1の実施の形態に係る導波路の構成例を示す図である。
【
図5】本技術の第1の実施の形態に係る画素における光電変換部の特性の一例を示す図である。
【
図6】本技術の第1の実施の形態に係る画素における撮像素子の製造方法の一例を示す図である。
【
図7】本技術の第1の実施の形態に係る画素における撮像素子の製造方法の一例を示す図である。
【
図8】本技術の第2の実施の形態に係る画素の構成例を示す図である。
【
図9】本技術の第3の実施の形態に係る画素の構成例を示す図である。
【
図10】本技術の実施の形態の変形例に係る導波路の構成例を示す図である。
【
図11】本技術が適用され得る撮像装置の一例であるカメラの概略的な構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、図面を参照して、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)を説明する。以下の図面において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。ただし、図面は、模式的なものであり、各部の寸法の比率等は現実のものとは必ずしも一致しない。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれることは勿論である。また、以下の順序で実施の形態の説明を行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
3.第3の実施の形態
4.変形例
5.カメラへの応用例
【0023】
<1.第1の実施の形態>
[撮像素子の構成]
図1は、本技術の第1の実施の形態に係る撮像素子の構成例を示す図である。同図の撮像素子9は、画素アレイ部1と、垂直駆動部2と、カラム信号処理部3と、制御部4とを備える。
【0024】
画素アレイ部1は、画素100が2次元格子状に配置されて構成されたものである。ここで、画素100は、照射された光に応じた画像信号を生成するものである。後述するように、画素100は、照射された光に応じた電荷を生成する光電変換部を有する。また画素100は、画素回路をさらに有する。この画素回路は、光電変換部により生成された電荷に基づく画像信号を生成する。画像信号の生成は、後述する垂直駆動部2により生成された制御信号により制御される。画素アレイ部1には、信号線91および92がXYマトリクス状に配置される。信号線91は、画素100における画素回路の制御信号を伝達する信号線であり、画素アレイ部1の行毎に配置され、各行に配置される画素100に対して共通に配線される。信号線92は、画素100の画素回路により生成された画像信号を伝達する信号線であり、画素アレイ部1の列毎に配置され、各列に配置される画素100に対して共通に配線される。これら光電変換部および画素回路は、半導体基板に形成される。
【0025】
同図において画素100aは画素アレイ部1の中央部に配置される画素100を表し、画素100bは画素アレイ部1の周辺部に配置される画素100を表す。これら画素100aおよび100bは、画素アレイ部1の略中央部に位置する行に配置され、2つの光電変換部を有する。同図における画素100aおよび100bにおいて破線により記載された矩形は光電変換部を表す。このような2つの光電変換部を有する画素は、位相差画素として使用される。
【0026】
ここで位相差画素とは、撮像素子9の画素アレイ部1に被写体からの光を集光する撮影レンズの異なる領域を通過した光による画像のずれを位相差として検出するための画素であり、オートフォーカスに利用される画素である。画素100aおよび100bが配置される行にはこのような位相差画素が複数配置され、配置される行の方向に2つの光電変換部が並べて配置される。これは、位相差画素の配置の方向と同じ方向に光電変換部が分割されて2つの画素が形成されたものと捉えることができる。この分割された画素の左側の画素および右側の画素をそれぞれA画素およびB画素と称する。これらA画素およびB画素には、それぞれ撮影レンズの右側および左側を通った光が入射する。画素100aおよび100bが配置される行の複数のA画素により生成された画像信号に基づく画像と複数のB画素により生成された画像信号に基づく画像との位相差を検出することにより、被写体に対する撮影レンズの焦点位置を検出することができる。検出した焦点位置に基づいて撮影レンズの位置を調整することにより、オートフォーカスを行うことが可能となる。
【0027】
このように、撮像素子9には撮影レンズを介して被写体からの光が入射され、画素アレイ部1の中央部に配置された画素100aには光が垂直に入射する。一方、画素アレイ部1の周辺部に配置された画素100bには、光が斜めに入射する。具体的には、同図において画素アレイ部1の右端に配置された画素100bには画素アレイ部1の鉛直方向に対して左斜め上方から光が入射する。そこで、これを補正するため、前述した瞳補正が行われる。画素100aおよび100bの構成の詳細については後述する。
【0028】
垂直駆動部2は、画素100の画素回路の制御信号を生成するものである。この垂直駆動部2は、生成した制御信号を同図の信号線91を介して画素100に伝達する。カラム信号処理部3は、画素100により生成された画像信号を処理するものである。このカラム信号処理部3は、同図の信号線92を介して画素100から伝達された画像信号の処理を行う。カラム信号処理部3における処理には、例えば、画素100において生成されたアナログの画像信号をデジタルの画像信号に変換するアナログデジタル変換が該当する。制御部4は、撮像素子9の全体を制御するものである。この制御部4は、垂直駆動部2およびカラム信号処理部3を制御する制御信号を生成して出力することにより、撮像素子9の制御を行う。制御部4により生成された制御信号は、信号線93および94により垂直駆動部2およびカラム信号処理部3に対してそれぞれ伝達される。
【0029】
[画素の構成]
図2は、本技術の第1の実施の形態に係る画素の構成例を示す図である。同図は、画素100の構成を表す回路図である。同図の画素100は、光電変換部101および102と、電荷保持部103と、MOSトランジスタ104乃至108とを備える。また、同図の信号線91は、信号線TR1、信号線TR2、信号線RSTおよび信号線SELにより構成される。また、画素100には、電源線Vddにより電源が供給される。なお、同図の画素100において、電荷保持部103およびMOSトランジスタ104乃至108により構成される回路は、前述の画素回路を構成する。
【0030】
光電変換部101のアノードは接地され、カソードはMOSトランジスタ104のソースに接続される。光電変換部102のアノードは接地され、カソードはMOSトランジスタ105のソースに接続される。MOSトランジスタ104および105のゲートは、それぞれ信号線TR1およびTR2に接続される。MOSトランジスタ104のドレインは、MOSトランジスタ105のドレイン、MOSトランジスタ106のソース、MOSトランジスタ107のゲートおよび電荷保持部103の一端に接続される。電荷保持部103の他の一端は、接地される。MOSトランジスタ106のゲートは信号線RSTに接続され、ドレインは電源線Vddに接続される。MOSトランジスタ107のドレインは電源線Vddに接続され、ソースはMOSトランジスタ108のドレインに接続される。MOSトランジスタ108のゲートは信号線SELに接続され、ソースは信号線92に接続される。
【0031】
光電変換部101および102は、画素100の入射光に応じて光電変換を行うものである。この光電変換部101および102には、フォトダイオードを使用することができる。光電変換により生成された電荷は、光電変換部101および102にそれぞれ保持される。なお、光電変換部101および102は、前述したA画素およびB画素の光電変換部にそれぞれ対応させることができる。
【0032】
MOSトランジスタ104および105は、光電変換部101および102の光電変換により生成されて保持されていた電荷を電荷保持部103に転送するMOSトランジスタである。MOSトランジスタ104は光電変換部101の電荷を転送し、MOSトランジスタ105は光電変換部102の電荷を転送する。これらMOSトランジスタ104および105は、それぞれ信号線TR1およびTR2により伝達される制御信号により制御される。
【0033】
電荷保持部103は、光電変換部101および102により生成され、MOSトランジスタ104および105により転送された電荷を保持するものである。この電荷保持部103には、半導体基板の拡散層に形成されたフローティングディフュージョン領域を使用することができる。
【0034】
MOSトランジスタ106は、電荷保持部103をリセットするためのMOSトランジスタである。このMOSトランジスタ106は、信号線RSTにより伝達される制御信号により制御され、電荷保持部103と電源線Vddとの間を導通させて、電荷保持部103に転送された電荷を電源線Vddに排出させる。これにより、電荷保持部103のリセットが行われる。このリセットの後に、MOSトランジスタ104および105による電荷の転送が行われる。
【0035】
MOSトランジスタ107は、電荷保持部103に転送された電荷に基づく画像信号を生成するMOSトランジスタである。このMOSトランジスタ107は、ゲートが電荷保持部103の接地されていない側の端子に接続されており、電荷保持部103に転送されて保持された電荷に応じた電圧がソースに出力される。MOSトランジスタ108は、MOSトランジスタ107により生成された画像信号を画素100の外部に対して出力するMOSトランジスタである。このMOSトランジスタ108は、信号線SELにより伝達される制御信号により制御され、MOSトランジスタ107のソースと信号線92との間を導通させることにより、画像信号の出力を行う。
【0036】
撮像素子9においてオートフォーカスを行う際には、光電変換部101の光電変換に基づく画像信号の生成と光電変換部102の光電変換に基づく画像信号の生成とが交互に行われる。具体的には、所定の露光期間の経過後にリセットが行われ、光電変換部101により生成されて保持された電荷がMOSトランジスタ104により電荷保持部103に転送される。その後、MOSトランジスタ107により画像信号が生成され、A画素の画像信号としてMOSトランジスタ108を介して画素100から出力される。同様に、光電変換部102により生成された電荷がMOSトランジスタ105により転送されて画像信号が生成され、B画素の画像信号として画素100から出力される。これらの画像信号の生成および出力が交互に行われ、出力された画像信号(A画素およびB画素の画像信号)に基づいてオートフォーカスが実行される。
【0037】
なお、通常の撮像を行う際には、光電変換部101および102における光電変換に基づくそれぞれの画像信号が合算された画像信号が生成される。
【0038】
[画素の断面構成]
図3は、本技術の第1の実施の形態に係る画素の構成例を示す図である。同図は、画素100の構成を表す模式断面図であり、
図1において説明した画素100aおよび100bの構成を表す図である。
【0039】
画素100aは、オンチップレンズ191と、カラーフィルタ192と、平坦化膜193と、導波路110および120と、半導体基板181と、配線層185および絶縁層184とを備える。また、画素100bは、導波路110の代わりに導波路130を備える。画素アレイ部1の中央部に配置された画素100aと周辺部に配置された画素100bとは、導波路の形状と画素100に対するオンチップレンズ191の位置以外は同一の構成にすることができる。これら画素100aおよび100bにより、画素アレイ部1が構成される。
【0040】
半導体基板181は、
図2において説明した画素100の光電変換部や画素回路の半導体部分が形成される半導体の基板である。同図においては、これらのうち、光電変換部101および102を記載している。同図の半導体基板181は、便宜上、P型のウェル領域に構成されるものと想定する。光電変換部101は、N型半導体領域182と当該N型半導体領域182の周囲のP型のウェル領域とにより構成される。N型半導体領域182およびP型のウェル領域の界面に形成されるPN接合において入射光に応じた光電変換が行われ、この光電変換により生成された電荷がN型半導体領域182に保持される。同様に、光電変換部102は、N型半導体領域183と周囲のP型ウェル領域とにより構成される。これら光電変換部101および102の光電変換により生成された電荷に基づいて、不図示の画素回路により画像信号が生成される。
【0041】
配線層185は、画素100において生成された画像信号や画素回路を制御する制御信号を伝達する配線である。この配線層185は、
図1において説明した信号線91および92を構成する。また、配線層185は、絶縁層184により相互に絶縁される。なお、同図の画素アレイ部1を備える撮像素子9は、配線層185が半導体基板181における光が入射される面とは異なる面に配置される裏面照射型の撮像素子である。
【0042】
オンチップレンズ191は、入射光を光電変換部101および102に集光するレンズである。また、オンチップレンズ191は、光の入射角度に応じて画素100の中心から偏移して画素100毎に配置される。オンチップレンズ191の配置の詳細については後述する。
【0043】
オンチップレンズ191の下層には、カラーフィルタ192および平坦化膜193が配置される。カラーフィルタ192は、光学的なフィルタであり、オンチップレンズ191を透過した光のうち、所定の波長の光、例えば、赤色光を透過させるフィルタである。平坦化膜193は、カラーフィルタ192と後述する導波路110等との間に配置され、カラーフィルタ192が形成される面を平坦化する膜である。この平坦化膜193により、均一な膜厚のカラーフィルタ192を形成することができる。
【0044】
導波路110および120は、オンチップレンズ191を介して入射された光を光電変換部101および102に導波するものである。導波路110は光電変換部101に入射光を導波し、導波路120は光電変換部102に入射光を導波する。これらの導波路は光路となるコアと当該コアを内包するクラッドによりそれぞれ構成される。具体的には、導波路110はコア115とクラッド111および112とにより構成され、導波路120はコア125とクラッド121および122とにより構成される。なお、クラッド111等は、コアと接するクラッドの内面に該当する。これら複数の面によりクラッドが構成される。また、クラッド111等は、クラッド材199における表面から半導体基板181に達する開口部の面に該当する。この開口部にコア材198が配置されて、コア115等が構成される。クラッドの構成の詳細については、後述する。
【0045】
コア材198にはクラッド材199より高い屈折率の材料が採用され、コア115に入射した光はコア115およびクラッド111等の界面において全反射される。これにより、導波路110等の入射光は、導波路110等の入り口から出口に配置された光電変換部101等の表面まで導波されることとなる。コア115等には、光透過性を有する絶縁物、例えば、窒化シリコン(SiN)を使用することができる。また、クラッド材199には、コア115等より屈折率が小さな絶縁物、例えば、酸化シリコン(SiO2)を使用することができる。
【0046】
前述のように、画素100aにおいては、導波路110および120が配置される。これらの導波路110および120は、導波路の入り口に対して出口が狭い形状に構成される。すなわち、クラッド111等の内面が所定の傾斜(テーパ)を有する形状に構成される。また、導波路110および120は、対称の形状に構成される。すなわち、クラッド111および112と121および122とは、対称の形状となる。このため、導波路110および120の入射光の導波における損失は略等しくなる。また、光電変換部101および102は略同等の形状に構成される。
【0047】
同図の矢印は、画素100aおよび100bに入射する光を表しており、画素アレイ部1の中央部に配置される画素100aには、略垂直に光が入射する。この垂直な入射光は、導波路110および120により分割され、光電変換部101および102にそれぞれ導波される。上述のように導波路110および120の損失は略等しいため、光電変換部101および102は入射光に対して略等しい感度を有する。以下、オンチップレンズ191の中心を通って画素100に入射する光を主光線と称する。
【0048】
一方、画素100bでは、導波路130および120が配置される。導波路130は、コア135とクラッド131および132とにより構成される。このうち、クラッド132は、クラッド112と略同等の形状に構成される。一方、クラッド131は、クラッド111と比較して小さな傾斜角の傾斜に構成される。このため、導波路130は、導波路110および120と比較して入り口の面積に対する出口の面積の比率が低下する。出口が絞られることとなり、損失が増加する。このため、画素100bにおいては、2つの導波路130および120損失が異なり、画素アレイ部1の中央に近い側に配置された導波路130の損失が大きくなる。この結果、画素100bにおける光電変換部101の感度が光電変換部102の感度より低くなる。
【0049】
同図に表したように、画素100bでは、光が斜めに入射する。同図においては、画素100bにおける光の入射角度として15°を想定する。すなわち、垂直方向に対して図面左方向に15°ずれた光が入射する。これを補償するために前述の瞳補正が行われ、オンチップレンズ191が画素100bの中心を基準として画素アレイ部1の中央方向に偏移して配置される。すなわち、オンチップレンズ191および画素100bの中心がそれぞれ異なる位置に配置されることとなる。この際、主光線が導波路130および120の境界に達する位置にオンチップレンズ191が配置される。すなわち、画素100bにおける主光線は、導波路130および120の境界に配置されたクラッド材199の頂部に入射する。これにより、主光線より入射角度が小さい入射光は光電変換部101に導波され、主光線より入射角度が大きい入射光は、光電変換部102に導波される。後述するクロスポイントを主光線の入射角度に設定することができ、焦点のずれに応じた画像信号を取得することができる。なお、導波路130および120の境界に配置されたクラッド材199の断面は、略等しい傾斜の2辺を有する三角形の形状に構成される。
【0050】
この際、導波路130は、導波路120と比較して入射光の導波路への入射角度が小さくなる。具体的には、導波路130は、比較的垂直に近い角度において光が入射する。このため、入射光および導波路の結合効率が高くなる。一方、導波路120は、オンチップレンズ191の端部に配置されるため、比較的大きな角度において光が入射する。このような場合、導波路の高次の導波モードと結合することとなり、入射光および導波路の結合効率が低くなる。
【0051】
そこで、上述のように導波路130および120のクラッドの形状を変更し、導波路130および120の損失を調整することにより、導波路130および120における結合効率の差異を補償する。すなわち、結合効率が高い導波路130においては、導波路120と比較して小さな傾斜角に構成されたクラッド131を配置して、損失を大きくする。これにより、オンチップレンズ191から導波路130を通過して光電変換部101に至る光量を導波路120を通過して光電変換部102に至る光量に略等しくすることができる。このように、オンチップレンズ191の偏移に応じて導波路130および120においてクラッドの形状を非相似の形状に構成することにより、導波路130および120を通過する光量を調整することができる。画素100bにおいて光電変換部101および102の感度を揃えることが可能となる。
【0052】
前述のように、同図の撮像素子9は裏面照射型の構成にしている。配線層185および絶縁層184と導波路110等とが半導体基板181のそれぞれ異なる面に形成されるため、導波路110等の配置を容易に行うことができ、入射角度に応じた画素100毎のクラッド131等の形状を容易に調整することができる。導波路130等のクラッドの内面の形状を変更することにより、位相差画素におけるA画素およびB画素の感度の調整が可能となる。また、半導体基板181における光電変換部101および102のN型半導体領域182および183は画素アレイ部1の全ての画素100において共通の形状にすることができ、半導体基板181の拡散層の形成を簡略化することができる。
【0053】
なお、撮像素子9は、表面照射型の撮像素子にすることもできる。具体的には、
図3の撮像素子9においてクラッド材199を絶縁層184として使用し、導波路110等のクラッド材199の領域に配線層185を埋め込むことにより、表面照射型の撮像素子を構成することができる。この場合には、導波路130等のクラッドの内面の形状の変更を見越した、配線層185の配置にする必要がある。後述する第2の実施の形態において説明するように、画素100における2つの導波路の境界に配置されたクラッド材199の形状を大幅に変更する際には、当該境界に配置されたクラッド材199には配線層185を配置しない等の処置が必要となる。
【0054】
[導波路の構成]
図4は、本技術の第1の実施の形態に係る導波路の構成例を示す図である。同図は、画素100における導波路の構成を表す上面図であり、クラッド材199の形状を表す上面図である。同図におけるaおよびbは、それぞれ画素100aおよび100bの導波路の構成を表す。同図において、点線はクラッド材199の稜線197を表す。この稜線197により構成された矩形は、導波路110等の入り口を表す。また、2点鎖線は、オンチップレンズ191を表す。なお、同図におけるaおよびbのA-A’線に沿った断面の構成が
図3における画素100aおよび100bの構成に該当する。
【0055】
同図におけるaに記載した画素100aは、導波路110および120を備える。導波路110は、所定の傾斜に構成された4つの矩形(台形)形状の内面により構成されるクラッドを有する。すなわち、導波路110は、クラッド111乃至114を備える。導波路110の出口、すなわちクラッド111乃至114の底部には半導体基板181が配置される。クラッド111乃至114は、それぞれが略同じ傾斜に構成される。同様に導波路120は、クラッド121乃至124を備える。クラッド121乃至124は、それぞれが略同じ傾斜に構成される。
【0056】
同図におけるbに記載した画素100bは、画素100aの導波路110の代わりに導波路130を備える。導波路130は、クラッド131乃至134を備える。クラッド132乃至134は、それぞれ同図におけるaのクラッド112乃至114と同じ傾斜に構成される。一方、クラッド131は、クラッド132乃至134より小さな傾斜角の傾斜に構成される。このため、導波路130の出口は、導波路110および120より狭くなる。前述のように、導波路の入り口の面積に対する出口の面積の比率が低下する。
【0057】
[光電変換部の特性]
図5は、本技術の第1の実施の形態に係る画素における光電変換部の特性の一例を示す図である。同図は、画素100に配置された2つの光電変換部における入射角度と感度との関係を表す図である。同図の横軸は画素100における入射光の入射角度(単位:度)を表し、縦軸は感度を表す。ここで、感度とは、入射光量に対する画像信号の比率である。同図におけるaおよびbは、それぞれ画素100aおよび100bにおける入射角度と感度との関係を表している。
【0058】
同図におけるaのグラフ201および202は、画素100aにおける光電変換部101および102の入射角度と感度との関係を表す。すなわち、グラフ201および202は、それぞれ画素100aの位置におけるA画素およびB画素の感度を表す。画素100aでは、導波路110および120が対称に形成される。このため、入射角度が0度の際にグラフ201および202が交差し、これらのグラフ201および202は対称な形状となる。画素100aでは、主光線が垂直(0°)に入射するため、撮影レンズにおける焦点位置がいわゆる前ピンまたは後ピンになった際の入射角度のずれをA画素およびB画素の画像信号の位相差により検出することができる。なお、グラフ201および202の交差点をクロスポイントと称する。
【0059】
同図におけるbでは、グラフ203および204が画素100bにおける光電変換部101および102の入射角度と感度との関係を表す。同図におけるbの画素100bでは、主光線の入射角度が15°となる。このため、15°の入射角度の際にグラフ203および204が交差するように瞳補正が行われる。すなわち、
図3において説明したようにオンチップレンズ191が画素100bの中心から偏移して配置される。この際、導波路130および120のうち、オンチップレンズ191の偏移の方向に配置される導波路130のクラッドの形状を調整し、光電変換部101および102の入射角度と感度との関係を揃える。これにより、画素100bにおける光電変換部101および102の入射角度と感度との関係を同図におけるbに表したグラフ203および204のように調整することができる。すなわち、主光線の入射角度である15°においてクロスポイントを形成し、対称の形状の入射角度と感度との関係にすることができる。これにより、画素アレイ部1の周辺部に配置された画素100bにおいても、A画素およびB画素の画像信号の差分により撮影レンズの焦点位置を検出することが可能となる。
【0060】
なお、画素アレイ部1の周辺部に配置された画素100bにおける主光線の入射角度(同図における15°)は、標準的な射出瞳距離(EPD:Exit Pupil Distance)の撮影レンズを想定したものである。すなわち、撮像素子9おいては、この標準的なEPDの撮影レンズに合わせた瞳補正を採用している。
【0061】
[導波路の製造方法]
図6および7は、本技術の第1の実施の形態に係る画素における撮像素子の製造方法の一例を示す図である。
図6および7は、撮像素子9の製造工程のうち導波路の製造工程を表した図である。画素アレイ部1の画素100bにおける導波路130および120を例に挙げて、製造工程を説明する。
【0062】
まず、絶縁層184等が形成された半導体基板181の裏面にクラッド材料301の膜を形成する。これは、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)により形成することができる(
図6におけるa)。次に、クラッド材料301の上にレジスト302を形成する(
図6におけるb)。このレジスト302は、
図3において説明したクラッド材199と同じ形状に構成される。すなわち、導波路130においては、クラッド131および132と同じ傾斜を有する形状のレジスト302を形成する。このよう
な傾斜は、例えば、感光性を有するレジストを塗布し、グレイスケールマスクを使用して露光し、現像することにより形成することができる。ここで、グレイスケールマスクとは、マスク上に濃淡グラデエーションを形成したマスクであり、傾斜に応じてグラデエーションの濃淡を連続的に変更して構成されたマスクである。このグラデエーションの濃淡に応じて露光量を変化させることができる。このため、現像後のレジストはグラデエーションの濃淡に応じた膜厚を有することとなり、所定の傾斜を有するレジスト302を形成することができる。
【0063】
なお、瞳補正のため、画素100における導波路のクラッドの形状(傾斜)は、画素アレイ部1の中央からの位置に応じて異なる。このため、画素アレイ部1の中央部の画素100から周辺部方向に向かってグラデエーションの濃淡が異なるグレイスケールマスクを使用して順次露光を行うことができる。これにより、画素アレイ部1の画素位置毎に異なる傾斜を有するレジストを形成することができる。
【0064】
次に、レジスト302をマスクとしてドライエッチングを行う。このドライエッチングには、異方性エッチングを使用する。これにより、クラッド材料301がエッチングされ、クラッド131等を有するクラッド材199を形成することができる(
図6におけるc)。次に、コア材料303の膜を形成する。これは、例えばCVDにより形成することができる(
図7におけるd)。次に、コア材料303の表面を研磨して平坦化する。これは、例えば、ドライエッチングや化学的機械的研磨(CMP:Chemical mechanical polishing)により行うことができる。これにより、コア材198を形成することができ、導波路130等を形成することができる(
図7におけるe)。その後、平坦化膜193、カラーフィルタ192およびオンチップレンズ191を順に形成することにより、撮像素子9を製造することができる。
【0065】
以上説明したように、本技術の第1の実施の形態の撮像素子9は、複数の導波路のクラッドの形状を互いに非相似の形状に構成することにより、位相差画素における複数の光電変換部の感度を調整する。この際、瞳補正に伴うオンチップレンズ191の偏移位置の影響を受けることなく光電変換部の感度を調整することができ、導波路の形成を簡略化することができる。
【0066】
<2.第2の実施の形態>
上述の第1の実施の形態の撮像素子9は、標準的なEPDの撮影レンズを想定した位相差画素を使用していた。これに対し、本技術の第2の実施の形態の撮像素子9は、異なるEPDの撮影レンズに対応した複数の位相差画素を備える点で、第1の実施の形態と異なる。
【0067】
[画素の断面構成]
図8は、本技術の第2の実施の形態に係る画素の構成例を示す図である。同図は、
図3において説明した位相差画素(15°の入射角度を想定)とは異なる入射角度の主光線に対応する位相差画素の例を表した図である。同図におけるaおよびbは、それぞれ10°および20°の入射角度を想定した画素100bの構成例を表している。これらの画素100bは、
図3において説明した画素100bとは別に画素アレイ部1に配置され、標準的なEPDとは異なるEPDの撮影レンズが使用された際に、位相差画素として使用される。なお、同図においては、絶縁層184および配線層185の記載を省略した。
【0068】
同図におけるaの画素100bは、
図3において説明した画素100bと比較して、導波路130および120の代わりに導波路140および150を備える。同図におけるaのオンチップレンズ191は、画素100bの中心に対して画素アレイ部1の中央部の方向に偏移して配置される。具体的には、オンチップレンズ191は、10°の入射角度の主光線が導波路140および150の境界に配置されたクラッド材199の頂部に入射する位置に配置され、瞳補正が行われる。導波路140はクラッド141および142を備え、導波路150はクラッド151および152を備える。
【0069】
導波路140および150の境界に配置されたクラッド材199の断面は、オンチップレンズ191の偏移の方向に頂点が倒れた三角形の形状に構成される。すなわち、オンチップレンズ191の偏移の方向と同じ側の辺を構成するクラッド142と比較して、オンチップレンズ191の偏移の方向とは異なる側の辺を構成するクラッド151は小さな傾斜角に構成される。これに対し、導波路140のクラッド141は、傾斜角度が異なる2つの傾斜により構成される。導波路の途中においてクラッドの傾斜が変化する構成となるため、単一の傾斜により構成されたクラッドを有する導波路と比較して、導波路140の損失が増加することとなる。このように、導波路140は、クラッド142が垂直に近い傾斜角に構成され、クラッド141が段階的に傾斜角が変化するとともに導波路140の出口の近傍において比較的小さな傾斜角に構成される。これにより、導波路150に対する導波路140の損失が調整される。
【0070】
同図におけるbの画素100bは、導波路130および120の代わりに導波路160および170を備える。同図におけるaと同様に、同図におけるbのオンチップレンズ191は、20゜の入射角度の主光線が導波路160および170の境界に配置されたクラッド材199の頂部に入射する位置に配置される。導波路160はクラッド161および162を備え、導波路170はクラッド171および172を備える。
【0071】
導波路160および170の境界に配置されたクラッド材199の断面は、オンチップレンズ191の偏移の方向とは異なる方向に頂点が倒れた三角形の形状に構成される。同図におけるbの主光線の入射角度は20°であり、同図におけるaの画素100bより大きな入射角度となる。このため、導波路160および170の境界に配置されたクラッド材199の断面をオンチップレンズ191の偏移の方向とは異なる方向に頂点が倒れた三角形の形状に構成する。主光線を導波路160および170の境界に入射させながら導波路170の出口の面積を同図におけるaの導波路150の出口と略同等の大きさにするためである。
【0072】
また、クラッド162が比較的小さな傾斜角に構成されるため、クラッド161の傾斜角を大きくすることにより、導波路170に対する導波路160の損失を調整することができる。
【0073】
このように、画素100bに配置された2つの導波路の境界のクラッド材199の形状を対応する撮影レンズのEPDに合わせて変更して瞳補正に対応させるとともにそれぞれの導波路における導波路の境界とは異なる側のクラッドの傾斜を変更する。これにより、導波路の損失を調整することができる。
【0074】
なお、本技術の第2の実施の形態における撮像素子9の構成は、この例に限定されない。例えば、同図におけるaのクラッド141は、単一の傾斜により構成することもできる。
【0075】
これ以外の撮像素子9の構成は本技術の第1の実施の形態において説明した撮像素子9の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0076】
以上説明したように、本技術の第2の実施の形態の撮像素子9は、複数の主光線の入射角度に対応した位相差画素をそれぞれ画素アレイ部1に配置する。これにより、EPDが異なる撮影レンズを使用する場合において、位相差画素による焦点位置の検出を行うことができる。
【0077】
<3.第3の実施の形態>
上述の第1の実施の形態の撮像素子9は、画素100に配置された2つの導波路の境界に配置されたクラッド材199として、頂点を有する三角形の断面のクラッド材199を使用していた。これに対し、本技術の第3の実施の形態の撮像素子9は、頂点形状が異なるクラッド材199を使用する。
【0078】
[画素の断面構成]
図9は、本技術の第3の実施の形態に係る画素の構成例を示す図である。同図の画素100bは、
図3において説明した画素100bと比較して、2つの導波路の境界に配置されたクラッド材199の頂部の形状が異なる。なお、同図の画素100bは、オンチップレンズ191、カラーフィルタ192、平坦化膜193、絶縁層184および配線層185の記載を省略した。
【0079】
同図におけるaでは、2つの導波路の境界に配置されたクラッド材199として平坦な頂部196を有するクラッド材199を使用する。また、同図におけるbでは、2つの導波路の境界に配置されたクラッド材199として断面が円弧形状の頂部195を有するクラッド材199を使用する。これらの何れにおいても、鋭角に構成された頂部を有するクラッド材199と比較して、クラッド材199の形成を容易にすることができる。なお、瞳補正を行う際には、主光線がこれらのクラッド材199の頂部に入射する位置にオンチップレンズ191が偏移して配置される。
【0080】
これ以外の撮像素子9の構成は本技術の第1の実施の形態において説明した撮像素子9の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0081】
以上説明したように、本技術の第3の実施の形態の撮像素子9は、平坦または断面が円弧形状の頂部を有するクラッド材199を使用するため、導波路の形成をさらに簡略化することができる。
【0082】
<4.変形例>
上述の第1の実施の形態の撮像素子9は、画素アレイ部1の横方向に隣接して配置された2つの導波路を備えていた。これに対し、本技術の実施の形態の変形例では、導波路の配置を変更する。
【0083】
[画素の断面構成]
図10は、本技術の実施の形態の変形例に係る導波路の構成例を示す図である。同図は、
図4において説明した導波路とは異なる配置に構成された導波路の構成例を示す図である。同図におけるaは、三角形の形状に構成された2つの導波路が斜め方向に隣接して配置された画素100の例を表す。この場合、2つの導波路は、それぞれの底辺において隣接して配置される。また、同図におけるbは、長方形の形状に構成された2つの導波路が縦方向に隣接して配置された画素100の例を表す。この場合、2つの導波路は、それぞれの長辺において隣接して配置される。なお、これらの画素100における光電変換部は、導波路と略同じ形状に構成され、導波路の出口に対応する位置に配置される。
【0084】
同図におけるaの導波路を備える画素100は、画素アレイ部1において斜め方向に複数配置され、焦点位置の検出に使用される。一方、同図におけるbの導波路を備える画素100は、画素アレイ部1において縦方向に複数配置され、焦点位置の検出に使用される。
【0085】
前述のように、焦点位置の検出には、複数の位相差画素によるA画素およびB画素の画像信号による画像の位相差を検出する必要がある。この際、被写体によっては、
図2において説明した画素100aおよび100bのように横方向に配置された位相差画素では、A画素およびB画素による画像の位相差の検出が困難となる場合がある。例えば、横方向の輝度の変化が少ない被写体の場合には、A画素およびB画素によるそれぞれの画像が略同等の画像となり、位相差の検出が困難となる。そこで、画素アレイ部1において位相差画素を斜め方向や縦方向にも配置して位相差の検出をそれぞれ行う。これにより、複数の方向から被写体の位相差を検出することが可能となり、焦点位置の検出精度を向上させることができる。
【0086】
また、同図におけるcは4つの導波路を備える画素100の例を表し、同図におけるdは16の導波路を備える画素100の例を表す。なお、導波路の個数に関わらず、光電変換部は画素100毎に2つ配置される。このような画素においては、導波路の形状を個別に変更して導波路の損失の調整を行うことができる。例えば、同図におけるcの例では、画素アレイ部1における配置の位置に応じてクラッドの傾斜角を変更した導波路を配置することができる。すなわち、画素アレイ部1の中央部に配置された画素においては導波路のクラッドの傾斜の変更は行わず、周辺部に配置された画素においては全ての導波路のクラッドの傾斜を変更する。そして画素アレイ部1の中央部と周辺部との中間に配置された画素100では、光電変換部毎の2つの導波路のうちの1つの導波路のクラッドの傾斜を変更する。このように画素アレイ部1における画素100の位置に応じて導波路の損失の調整を行うことができる。
【0087】
なお、本技術の実施の形態の変形例に係る撮像素子9の構成は、この例に限定されない。例えば、4以上の光電変換部を備える位相差画素が配置される構成にすることもできる。具体的には、同図におけるcにおいて、4つの導波路毎に光電変換部を備える構成の位相差画素にすることもできる。
【0088】
これ以外の撮像素子9の構成は本技術の第1の実施の形態において説明した撮像素子9の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0089】
<5.カメラへの応用例>
本技術は、様々な製品に応用することができる。例えば、本技術は、カメラ等の撮像装置に搭載される撮像素子として実現されてもよい。
【0090】
図11は、本技術が適用され得る撮像装置の一例であるカメラの概略的な構成例を示すブロック図である。同図のカメラ1000は、レンズ1001と、撮像素子1002と、撮像制御部1003と、レンズ駆動部1004と、画像処理部1005と、操作入力部1006と、フレームメモリ1007と、表示部1008と、記録部1009とを備える。
【0091】
レンズ1001は、カメラ1000の撮影レンズである。このレンズ1001は、被写体からの光を集光し、後述する撮像素子1002に入射させて被写体を結像させる。
【0092】
撮像素子1002は、レンズ1001により集光された被写体からの光を撮像する半導体素子である。この撮像素子1002は、照射された光に応じたアナログの画像信号を生成し、デジタルの画像信号に変換して出力する。
【0093】
撮像制御部1003は、撮像素子1002における撮像を制御するものである。この撮像制御部1003は、制御信号を生成して撮像素子1002に対して出力することにより、撮像素子1002の制御を行う。また、撮像制御部1003は、撮像素子1002から出力された画像信号に基づいてカメラ1000におけるオートフォーカスを行うことができる。ここでオートフォーカスとは、レンズ1001の焦点位置を検出して、自動的に調整するシステムである。このオートフォーカスとして、撮像素子1002に配置された位相差画素により像面位相差を検出して焦点位置を検出する方式(像面位相差オートフォーカス)を使用することができる。また、画像のコントラストが最も高くなる位置を焦点位置として検出する方式(コントラストオートフォーカス)を適用することもできる。撮像制御部1003は、検出した焦点位置に基づいてレンズ駆動部1004を介してレンズ1001の位置を調整し、オートフォーカスを行う。なお、撮像制御部1003は、例えば、ファームウェアを搭載したDSP(Digital Signal Processor)により構成することができる。
【0094】
レンズ駆動部1004は、撮像制御部1003の制御に基づいて、レンズ1001を駆動するものである。このレンズ駆動部1004は、内蔵するモータを使用してレンズ1001の位置を変更することによりレンズ1001を駆動することができる。
【0095】
画像処理部1005は、撮像素子1002により生成された画像信号を処理するものである。この処理には、例えば、画素毎の赤色、緑色および青色に対応する画像信号のうち不足する色の画像信号を生成するデモザイク、画像信号のノイズを除去するノイズリダクションおよび画像信号の符号化等が該当する。なお、画像処理部1005は、例えば、ファームウェアを搭載したマイコンにより構成することができる。
【0096】
操作入力部1006は、カメラ1000の使用者からの操作入力を受け付けるものである。この操作入力部1006には、例えば、押しボタンやタッチパネルを使用することができる。操作入力部1006により受け付けられた操作入力は、撮像制御部1003や画像処理部1005に伝達される。その後、操作入力に応じた処理、例えば、被写体の撮像等の処理が起動される。
【0097】
フレームメモリ1007は、1画面分の画像信号であるフレームを記憶するメモリである。このフレームメモリ1007は、画像処理部1005により制御され、画像処理の過程におけるフレームの保持を行う。
【0098】
表示部1008は、画像処理部1005により処理された画像を表示するものである。この表示部1008には、例えば、液晶パネルを使用することができる。
【0099】
記録部1009は、画像処理部1005により処理された画像を記録するものである。この記録部1009には、例えば、メモリカードやハードディスクを使用することができる。
【0100】
以上、本発明が適用され得るカメラについて説明した。本技術は以上において説明した構成のうち、撮像素子1002に適用され得る。具体的には、
図1において説明した撮像素子9は、撮像素子1002に適用することができる。撮像制御部1003は、撮像素子9に配置された位相差画素により生成された画像信号に基づいて像面位相差を検出し、レンズ駆動部1004を制御してレンズ1001の位置を調整することにより、オートフォーカスを実行することができる。これにより、瞳補正が行われた位相差画素により生成された画像信号に基づく焦点位置の検出が可能となり、カメラ1000において鮮明な画像を取得することができる。なお、撮像制御部1003は、請求の範囲に記載の処理回路の一例である。カメラ1000は、請求の範囲に記載の撮像装置の一例である。
【0101】
なお、ここでは、一例としてカメラについて説明したが、本発明に係る技術は、その他、例えば監視装置等に適用されてもよい。
【0102】
最後に、上述した各実施の形態の説明は本技術の一例であり、本技術は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本技術に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【0103】
また、上述の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、CD(CompactDisc)、DVD(DigitalVersatileDisc)およびメモリカード等を用いることができる。
【0104】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)入射光を画素に集光し、前記入射光の入射角度に応じて前記画素の中心から偏移して前記画素毎に配置されるオンチップレンズと、
前記画素に配置されて、入射光に応じて光電変換を行う複数の光電変換部と、
前記画素における前記複数の光電変換部毎に配置されて、前記集光された入射光を導波して前記複数の光電変換部にそれぞれ入射させるとともに、前記オンチップレンズの偏移に基づいて互いに非相似の形状に構成される複数の導波路と
を具備する撮像素子。
(2)前記複数の導波路は、光路となるコアと当該コアを内包するクラッドによりそれぞれ構成され、前記導波路における前記入射光の入り口から出口までの前記クラッドの内面の傾斜が互いに異なることにより非相似の形状に構成される前記(1)に記載の撮像素子。
(3)前記複数の導波路は、前記オンチップレンズの偏移に応じて前記クラッドの内面の傾斜を変更する前記(2)に記載の撮像素子。
(4)前記複数の導波路は、前記クラッドが異なる傾斜により形成された複数の内面により構成される前記(2)に記載の撮像素子。
(5)前記画素に配置されて、前記複数の光電変換部における光電変換に基づく画像信号を生成する画素回路と、
前記光電変換部が形成される半導体基板の面のうち前記集光された入射光が入射される面とは異なる面に配置されて前記画像信号を伝達する配線層と
をさらに具備する前記(1)から(4)のいずれかに記載の撮像素子。
(6)前記画素は、それぞれ2つの光電変換部および導波路を具備する前記(1)から(5)のいずれかに記載の撮像素子。
(7)前記画素が2次元格子状に配列され、
前記オンチップレンズは、前記配列された画素毎の前記入射光の入射角度に応じて前記画素の中心から偏移して配置される
前記(1)から(6)のいずれかに記載の撮像素子。
(8)被写体からの光を自身の撮像素子に入射させるレンズ毎の前記入射角度に応じて前記画素の中心からそれぞれ偏移して配置された複数の前記オンチップレンズと、
前記複数のオンチップレンズにおけるそれぞれの偏移に基づいて互いに非相似の形状に構成される前記複数の導波路が配置される複数の前記画素と
を具備する前記(1)から(7)のいずれかに記載の撮像素子。
(9)入射光を画素に集光し、前記入射光の入射角度に応じて前記画素の中心から偏移して前記画素毎に配置されるオンチップレンズと、
前記画素に配置されて、入射光に応じて光電変換を行う複数の光電変換部と、
前記画素における前記複数の光電変換部毎に配置されて、前記集光された入射光を導波して前記複数の光電変換部にそれぞれ入射させるとともに、前記オンチップレンズの偏移に基づいて互いに非相似の形状に構成される複数の導波路と、
前記画素に配置されて、前記複数の光電変換部における光電変換に基づく画像信号を生成する画素回路と、
前記複数の光電変換部の光電変換に基づく複数の画像信号に基づいて位相差を検出する処理回路と
を具備する撮像装置。
【符号の説明】
【0105】
1 画素アレイ部
2 垂直駆動部
3 カラム信号処理部
4 制御部
9 撮像素子
100、100a、100b 画素
101、102 光電変換部
110、120、130、140、150、160、170 導波路
111~114、121~124、131~134、141、142、151、152、161、162、171、172 クラッド
115、125、135 コア
181 半導体基板
184 絶縁層
185 配線層
191 オンチップレンズ
198 コア材
199 クラッド材
1000 カメラ
1001 レンズ
1002 撮像素子
1003 撮像制御部
1004 レンズ駆動部