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特許7536929広域エネルギ回収センサ・ネットワーク展開のためのマルチホップ・ネットワーキング・プロトコル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】広域エネルギ回収センサ・ネットワーク展開のためのマルチホップ・ネットワーキング・プロトコル
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/02 20090101AFI20240813BHJP
   H04W 40/10 20090101ALI20240813BHJP
   H04W 40/20 20090101ALI20240813BHJP
   H04W 4/38 20180101ALI20240813BHJP
   H04W 84/18 20090101ALI20240813BHJP
【FI】
H04W52/02 130
H04W40/10
H04W40/20
H04W4/38
H04W84/18
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023033599
(22)【出願日】2023-03-06
(62)【分割の表示】P 2017183421の分割
【原出願日】2017-09-25
(65)【公開番号】P2023075220
(43)【公開日】2023-05-30
【審査請求日】2023-03-08
(31)【優先権主張番号】15/379,144
(32)【優先日】2016-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・アール・ジョンストン
【審査官】石原 由晴
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0121176(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104219735(CN,A)
【文献】特開2015-088807(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0002709(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0264554(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギ回収センサ・ネットワークであって、
ノードとして動作する複数のエネルギ回収センサ(200-1、200-2、・・・)であって、前記エネルギ回収センサの各々は所定の通信プロトコルに従って動作するように構成される、複数のエネルギ回収センサ(200-1、200-2、・・・)と、
前記エネルギ回収センサと無線で通信するように構成されたサーバ(100)と、
を備え、
前記所定の通信プロトコルは、前記ノードが、前記ノードがアウェイクでありデータ・パケットを受信し再送するのに十分なエネルギを有することを示す受信準備完了(RTR)ビーコンを他のノードに送信する、RECEIVE状態を含み、前記ノードが、前記データ・パケットの宛先に物理的により近い別のノードから前記RTRビーコンを受信したときに、前記データ・パケットを前記別のノードに、前記データ・パケットが生成された順序で中継する、
エネルギ回収センサ・ネットワーク。
【請求項2】
前記所定の通信プロトコルはさらにSLEEP状態およびTRANSMIT状態を含む、請求項1に記載のエネルギ回収センサ・ネットワーク。
【請求項3】
前記複数のエネルギ回収センサのエネルギ回収センサは、前記エネルギ回収センサが予め決定された閾値のエネルギを回収するまで、前記SLEEP状態に留まる、請求項2に記載のエネルギ回収センサ・ネットワーク。
【請求項4】
各ノードは1つまたは複数の受信されたRTRビーコンを用いてパケットをルーティングする、請求項2または3に記載のエネルギ回収センサ・ネットワーク。
【請求項5】
前記所定の通信プロトコルはメディア・アクセス制御(MAC)プロトコルを含む、請求項2乃至4の何れか1項に記載のエネルギ回収センサ・ネットワーク。
【請求項6】
エネルギ回収ノードであって、
エネルギ回収デバイス(210)と、
前記エネルギ回収デバイスに接続されるエネルギ貯蔵デバイス(220)と、
マイクロ・コントローラ(240)と、
前記マイクロ・コントローラに接続される無線トランシーバ(250)と、
を備え、
前記マイクロ・コントローラおよび無線トランシーバは前記エネルギ貯蔵デバイスにより電力供給され、
前記マイクロ・コントローラは、前記エネルギ回収ノードがアウェイクであり、データ・パケットを別のノードから受信し再送するのに十分なエネルギを有ことを示す受信準備完了(RTR)ビーコンを前記無線トランシーバが送信する、RECEIVE状態を含む所定の通信プロトコルに従って、前記エネルギ回収ノードを動作させ、前記エネルギ回収ノードが、前記データ・パケットの宛先に物理的により近い別のノードから前記RTRビーコンを受信したときに、前記データ・パケットを前記別のノードに生成された順序で中継する
ように構成される、エネルギ回収ノード。
【請求項7】
前記所定の通信プロトコルはさらにSLEEP状態およびTRANSMIT状態を含む、請求項6に記載のエネルギ回収ノード。
【請求項8】
前記エネルギ回収ノードは、予め決定された閾値のエネルギが回収されるまで前記SLEEP状態に留まるように構成される、請求項7に記載のエネルギ回収ノード。
【請求項9】
前記エネルギ回収ノードは1つまたは複数の受信されたRTRビーコンを用いてパケットをルーティングして、近傍ノードのエネルギ・ステータスに関する情報を推測する、請求項7または8に記載のエネルギ回収ノード。
【請求項10】
複数のノードおよび前記ノードと無線で通信するように構成されたサーバを含むネットワーク内の第1のエネルギ回収ノードにより実施される方法であって、
予め決定された閾値のエネルギが回収されるまでSLEEP状態に留まるステップと、
前記予め決定された閾値のエネルギを回収する際、非決定的関数に基づいてTRANSMIT状態またはRECEIVE状態に入るステップと、
前記RECEIVE状態において、
前記第1のエネルギ回収ノードがデータを受信する準備ができており、他のノードからデータ・パケットを受信し再送するのに十分なエネルギを有することを示す受信準備完了(RTR)ビーコンを送信し、その後前記データ・パケットの送信を開始するために前記ネットワーク内の近傍の送信器ノードをリッスンするステップと、
データを第2のノードから受信するステップと、
前記TRANSMIT状態において、
RTRビーコンをノードから受信するステップと、
任意の進行中の送信を検出するステップと、
進行中の送信がない場合、データを送信するステップと、
別のノードが送信している場合にはバックオフ機構を実施して、チャネルが空くまで送信を遅延するステップと、
を含み、
前記第1のエネルギ回収ノードが、前記データ・パケットの宛先に物理的により近い別のノードから前記RTRビーコンを受信したときに、前記データ・パケットを前記別のノードに生成された順序で中継する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般にセンサ・ネットワークに関し、より詳細にはエネルギ回収センサのネットワークに対するマルチホップ・ネットワーキング・プロトコルに関する。エネルギ回収センサ・ネットワーク(EHSN)は、航空機客室システム、製造施設等を含む多くの領域において適用することができる。
【背景技術】
【0002】
低電力センサは現在、機能するためにバッテリを必要とする。当該バッテリは定期的な交換を必要とするので、当該低電力センサは、保守コストに起因して、広い分布(例えば、航空機にわたって何千)または(例えば、航空機エンジンのような)アクセス不能な位置に対して理想的ではない。さらに、バッテリ発電センサ・ネットワークは、バッテリ漏洩のリスクから生ずる環境問題に起因して、幾つかのアプリケーションに対して不適切である。エネルギ回収機能を有する低電力センサをバッテリ発電センサの代わりに使用できるが、センサからセンサへのデータ送信は、当該データ送信の連鎖において或るセンサが当該送信を継続するための電力を失う場合に失敗するおそれがある。この喪失は、エネルギ源の予測不可能でランダムな性質に起因して生ずる。かかるデータ送信故障を回避するために、EHSN通信プロトコルが、エネルギ回収デバイスの間のデータの送信を促進するのに必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
例示的な実施形態では、本発明は、複数の低電力センサ・ノードの間の通信を促進するためにビーコン方式を使用するEHSN通信プロトコルを提供する。当該例示的な実施形態において、当該所望のセンサ・データは、1組の中間中継ノードを介して一連のセンサ・ノードを通って発信センサから宛先ノードに流れる。或るノードから別のノードへの送信は受信機が開始したビーコン方式を用いて発生する。当該方式では、ビーコンは各ノードにより、それらがデータを中継するのに十分なエネルギを回収したときに送信される。当該特定の組の中継ノードは、どのノードが十分なエネルギを回収した(および適切なビーコンをブロードキャストした)か、およびどのノードが当該宛先ノードにデータを転送するために最適に配置されているかに基づいて、当該ネットワーク内の全セットのノードから日和見的に選択される。
【0004】
本開示の1つの実施形態は、エネルギ回収センサ・ネットワークの形態をとる。進歩的なネットワークはノードとして動作する複数のエネルギ回収センサを含み、当該エネルギ回収センサの各々は所定の通信プロトコルに従って動作するように構成される。さらに、当該ネットワークは当該エネルギ回収センサと無線で通信するように構成されたサーバを含む。当該所定の通信プロトコルは、ノードが、それがアウェイクでありデータ・パケットを受信し再送するのに十分なエネルギを有することを示す受信準備完了(RTR)ビーコンを他のノードに送信するRECEIVE状態を含む。
【0005】
本開示の別の実施形態はエネルギ回収ノードの形態をとる。進歩的なノードはエネルギ回収デバイス、エネルギ貯蔵デバイス、マイクロ・コントローラ、およびワイヤレストランシーバを含む。マイクロ・コントローラおよび無線トランシーバはエネルギ貯蔵デバイスにより電力供給される。マイクロ・コントローラは、トランシーバが、当該ノードがアウェイクであり、データ・パケットを別のノードから受信し当該データ・パケットを再送するのに十分なエネルギを有することを示すRTRビーコンを送信する所定の通信プロトコルに従って、当該エネルギ回収ノードを動作させるように構成される。
【0006】
本開示の別の実施形態は、当該エネルギ回収センサ・ネットワーク内の各ノードにより使用される方法の形態をとる。進歩的な方法は以下のステップを含む。予め決定された閾値のエネルギが回収されるまで、ノードはSLEEP状態に留まる。当該予め決定された閾値のエネルギを回収する際、ノードは非決定的関数に基づいてTRANSMIT状態またはRECEIVE状態に入る。RECEIVE状態において、当該ノードは、それがデータを受信する準備ができていることを示すRTRビーコンを送信し、データを第2のノードから受信する。TRANSMIT状態において、当該ノードは、別のノードからのRTRビーコンを待機し、任意の他のノードが現在データを送信しているかどうかを判定し、他のノードが現在データを送信していない場合、データを当該RTRビーコンの送信者に送信する。別のノードが現在データを送信している場合、第1のノードはチャネルが空くまで送信を遅延する。
【0007】
追加の特徴を以下で説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】広域エネルギ回収センサ・ネットワークの例示的な実施形態を概略的に示す図である。
図2】エネルギ回収センサの例示的な実施形態を概略的に示す図である。
図3】進歩的なEHSN通信プロトコルの流れ図である。
図4】2つのノードに対する例示的なタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下のセクションでは、本開示に従うEHSNの例示的な実施形態の概要がまず提供される。次に、代替的なアプローチとの比較、EHSNメディア・アクセス制御(MAC)プロトコル、受信機および送信器の動作モードの詳細、および日和見的中継を含む、進歩的な通信プロトコルの様々な態様のより詳細な説明が続く。
【0010】
概要
本開示は、エネルギ回収デバイスの間のスケジューリングとルーティングに関する未解決の問題を解決し、かかるデバイスを大規模展開、飛行機客室、および現場アプリケーションに対してネットワークすることを可能とする。無線センサ・ネットワークは低電力デバイスの集合(および潜在的に大規模な集合)を指し、その各々は、環境データ(例えば、温度、圧力、健康等)またはイベント(例えば、故障、近接等)の存在を測定でき、これらの測定値を無線で中央処理サーバに送信することができる。無線センサは、配線がサイズ、重量において非現実的である環境、および電力(SWAP)が制限された環境における展開を可能とする。現在、センサ・ネットワーク展開は、特にセンサの量または位置のためノードおよびバッテリの取り換えが実現不能または非現実的である環境において、コストおよびバッテリ寿命により制限される。これらの課題を克服するため、研究者たちは、エネルギ回収技術を利用して当該センサの動作のためのエネルギを生成することに注目している。
【0011】
太陽、風、温度勾配、または振動からのエネルギの回収により、再生可能エネルギを提供することでセンサ・ネットワークの寿命を動的に延ばすことができる。しかし、不確実かつ可変のエネルギ補充プロセスの中で決定的なネットワーキングの保証を提供する通信プロトコルが必要である。当該マルチホップEHSNネットワーキング・プロトコルは、エネルギ回収センサ・ノード間の通信およびネットワーキングを可能とする問題を解決し、広域展開を促進する。これらの環境では、シングルホップ、インフラベースの通信は、長距離送信およびマルチパス減衰プロフィールに対する電力要件に起因して実現不能であるおそれがある。しかし、エネルギ回収ノードとのメッシュネットワーキングを可能とするために、各送信器は、通信のチェーンにおける次の受信機が、中央制御またはグローバル同期に頼ることなくパケットを受信し中継するのに十分なエネルギ・リソースを有することを知る必要がある。開示されたEHSN通信プロトコルは、受信および再送のための十分なエネルギで中継を見つけるための受信機が開始したビーコン送信と、伝統的な固定のルートに頼ることなくパケットを転送するための日和見的中継の原理を用いてこれらの課題を解決する。本開示は、スケジューリングおよびルーティングの両方の目的のために、ビーコンを使用する。
【0012】
図1は、サーバ100と参照番号200-1乃至200-9で示す幾つかのセンサ・ノードとを含むEHSNを概略的に示す。図1の例示的なネットワークでは、陰影を施したノード(ノード200-1、200-4、200-5、200-6、および200-7)は送受信のための十分なエネルギを有すると仮定され、一方、残りのノード(ノード200-2、200-3、200-8、および200-9)は送信または受信のための十分なエネルギを有さないと仮定される。これは、時間とともにエネルギが回収され、最終的にノードが通信のための十分なエネルギを有するので、エネルギ状態の時間におけるスナップショットを表す。このネットワーク・モデルでは、当該ノードはデータをサーバ100に運搬するように設計される。当該サーバはバッテリによりまたは電気会社により電力供給されうるが、当該ノードはエネルギ回収デバイスにより電力供給される。当該ノードは、それらのそれぞれのエネルギレベルに依存してSLEEPおよびWAKE状態の間で遷移する。各ノードは、データを送受信するための十分な電力を要求し、WAKE状態においてアイドルに留まる。
【0013】
1つの例示的な環境では、EHSNは、例えば、外部サーフェスの氷検出、内部の客室圧力測定、近接検知、およびエンジン健康モニタリングのような目的のために航空機にわたって展開される。かかる環境における可能なエネルギ源は光発電(太陽光、内部照明等)、振動(圧電)、温度勾配、空気圧力、機械(例えば、プッシュ・ボタン)、および周辺RFエネルギを含む。
【0014】
図1の例示的な実施形態では新たなEHSN通信パラダイムを使用する。バッテリ発電ネットワークの目標は寿命を最大化することであり(ノードは常に利用可能であるが、エネルギを節約する必要がある)、EHSNの目標は、エネルギ回収制約を受けるサービス・スループット/品質を最大化することである。バッテリ発電センサ・ネットワークに使用される低エネルギネットワーキング・プロトコルはEHSNに対して最適ではない。EHSNでは、大分部のエネルギ消費は通信の目的のためである。なぜならば、データの送受信は相対的に大量のエネルギを必要とし、アイドルリスニングですらエネルギ利用を必要とするからである。ノードがそのエネルギを枯渇させたとき、当該ノードは十分なエネルギが回収されるまで、SLEEP状態に入り、休眠する。EHSNでの主要な課題は、当該エネルギ回収プロセスが制御不可能でありそのタイミングが未知であることである。換言すれば、WAKE状態に再度入るのに十分なエネルギをノードが回収したときを知らない。これは、決定的なネットワーキング保証を提供するのを困難にする。
【0015】
図2は、エネルギ回収センサ200の略図またはブロック図である。エネルギ回収センサ200は当業者に良く理解されるハードウェア要素を含む。当該実施形態では、エネルギ回収センサ200は、電気エネルギ214をエネルギ貯蔵デバイス220に供給するエネルギ回収デバイス210を備える。デバイス220からの格納されたエネルギは低電力センサ230、マイクロ・コントローラ240、および無線トランシーバ250により消費される。無線トランシーバ250はアンテナ260を介してデータを送受信する。参照212により示されるように、太陽光、熱、振動、風、RF等の形態の周辺エネルギがデバイス210により回収される。
【0016】
代替的なアプローチとの比較
本開示は、エネルギ回収デバイスの間のスケジューリングおよびルーティングの未解決の問題を解決する。現在利用可能なルーティングおよびスケジューリングのソリューションは、エネルギ回収センサのマルチホップ展開をサポートする所望の動作要件を満たすことができない。当該スケジューリングの部分的な問題に関して、典型的なセンサ・ネットワーク展開は、IEEE802.15.4と呼ばれる米国電気電子技術者協会(IEEE)による標準の実装に依存する。当該標準は、搬送波感知多重アクセス(CSMA)方式に基づく。しかし、CSMAは幾つかの理由でマルチホップエネルギ回収ネットワークには適していない。まず、低エネルギ動作を可能とするために、ノードをグローバルクロックに同期して、全てのノードが送信のために同一の期間の間に起動していることを保証する。このグローバル同期なしでは、ノードは、受信機がパケットを受信するのに十分なエネルギを有することの知識なしにパケットを送信する。第2に、送信要求(RTS)および送信クリア(CTS)のような802.15.4制御パケットは、ネットワークノードがエネルギを回収するために休眠している可能性があるときの「隠れ端末問題」のような多重アクセス問題をもはや解決しない。本開示の進歩的なアプローチは、十分なエネルギを回収する際にビーコンを送信するように受信機を構成することでこれらの課題を解決し、送信器が実現可能な中継を最小オーバヘッドで学習することを可能とする。
【0017】
Bluetooth低エネルギ(BLE)は、低電力のモノのインターネット(IoT)展開を目的とする代替的なMACレイヤである。しかし、Bluetoothプロトコルは、デバイスの間に「マスタ・スレーブ」関係を確立し、メッシュ展開の柔軟性に欠く。メッシュソリューションでは、幾つかのノードがデータを転送するのに十分なエネルギを有するとき、他のノードを代わりに使用してパケット遅延を減らすことができる。
【0018】
当該ルーティングの部分的問題は伝統的に、プロアクティブなルーティングプロトコル(例えば、オープン・ショーテスト・パス・ファースト(OSPF)または最適リンク状態ルーティング(OLSR))またはリアクティブなルーティングプロトコル(アドホック・オンデマンド距離ベクトル(AODV)または動的ソース・ルーティング(DSR))の何れかを介して解決される。これらのプロトコルは、各センサと当該サーバの間の固定のルートを確立し、パケットをこれらのルートに沿って転送する。しかし、中間の中継がエネルギを使い果たしたとき、パケットは、当該ネットワークを横断する前に回収プロセスを待機しなければならない。我々のソリューションは日和見的転送を使用する。当該日和見的転送は、どのノードが十分なエネルギを有するかに基づいてパケットごとの中継を選択する。これは、エネルギ利用を当該ネットワークにわたって分散させ、EHSNが限定的エネルギ回収制約のもとでアプリケーション性能要件を満たすことを可能とすることができる。
【0019】
EHSN MACプロトコル
このセクションでは、提案されたEHSN MACプロトコルの詳細について述べる。EHSN MACは、エネルギ回収(EH)ノードからEHノードへの通信ならびにEHノードから電力ノードへの通信向けに設計される。エネルギ回収受信機との通信を促進するために、EHSN MACは、受信機が、アクティブ(またはWAKE)状態にあることを近傍に警告するためのビーコン送信の責任を有する、受信機が開始したビーコン送信を使用する。これは、送信器および受信機の間で均等にオーバヘッドを拡散すること、ルーティングおよび転送の判断を行うための情報を送信器に提供することの二重効果を有する。
【0020】
当該プロトコルの概要が図3の流れ図に示されている。図3の流れ図は、RECEIVE、TRANSMIT、およびSLEEP状態の各々におけるセンサ、またはノードの動作を表す。一般に、当該ノードはソフトウェアを介してこのように動作するように構成される。したがって、当該流れ図に従って動作するように各ノードを構成するようにプログラムコードを書くことができることは当業者により理解される。
【0021】
示すように、EHSN MACプロトコルによれば、当該ノードはRECEIVE状態300、TRANSMIT状態400、またはSLEEP状態500で動作する。ノードは、通信のための十分なエネルギを回収するためにSLEEP状態500に入る。当該バッテリレベル上のウェイクアップ閾値により決定されるように、ノードは十分なエネルギが回収されるまでこの状態に留まる。図3において、これを参照番号510で示す。520で示すように起動する際、ノードはRECEIVE状態300またはTRANSMIT状態400の何れかに入り、これはバックログの(潜在的に非決定的な)関数により決定される(送信または受信を選択するための任意の関数を使用できる。例えば、当該関数はコインの裏返しのようにランダムであることができ、または、「バックログが閾値より大きい場合に送信状態に入る」であることができる)。RECEIVEおよびTRANSMIT状態におけるノードの動作を以下で説明する。
【0022】
RECEIVE状態300
分かるように、RECEIVE状態300は、ブロック320、340、370、360、および380を含むダイアモンド形状のブロックにより表される幾つかの繰り返し構成物(分岐またはループ)を含む。これらのダイアモンド形状のブロックの各々は、当業者には明らかであるように、分岐またはループ関数を実装する。さらに、RECEIVE状態300は長方形ブロック310、330、および350を含む。これらのブロックは特定の機能を実施し、ついで当該流れ図内の次のブロックに進む。
【0023】
RECEIVE状態300のノードは、ビーコンを送出して、アクティブ状態に入ったことをその近傍に警告し、ついで近傍の送信器がパケットの送信を開始するのをリスニングする役割を担う。当該受信機により送信されるビーコンは受信準備完了(RTR)メッセージ350である。このパケットは、当該受信機のアドレスを含む短いパケットである。任意の拡張は、待ち行列の長さまたはバッテリ状態に関する情報を追加するステップを含む。RECEIVE状態300へと起きる際、当該ノードは、当該RTRを送出する前にクリア・チャネル評価(CCA)340を実施して、進行中のパケット送信との衝突を回避する。媒体がクリアである場合、当該ノードはRTRビーコン350を送信し、リスニング状態360に入る。当該リスニング状態は、送信器の最大バックオフ間隔により与えられる、パケット送信が検出されるまで380、または十分な時間が経過するまで370、継続する。これは、送信器がRTRを検出した場合、それに応答するのに十分な時間を有していたことを保証する。パケットを検出した際、当該ノードはパケット310を受信し、それが正確に受信され320その受信機宛てであった場合に確認(ACK)330を送信する。
【0024】
TRANSMIT状態400
TRANSMIT状態400は、幾つかのダイアモンド形状の繰り返し構成物(分岐またはループ)ならびに特定の動作をとりついで次のブロックに進む幾つかの長方形の機能を含む。TRANSMIT状態400はRTR前状態420およびRTR後状態430を含む。判定ブロック410は、当該ノードが当該サーバの範囲内にあるかどうかを判定し、RTR前状態420またはRTR後状態430の何れかに分岐する。当該ノードがサーバ100の範囲内にある(図1)場合、RTR前状態420に入る必要はなく、代わりにブロック410から直接RTR後状態430およびブロック432に進む。他方、当該ノードが当該サーバの範囲にない場合、ブロック422でブロック410からRTR前状態420に進む。ブロック410に加えて、TRANSMIT状態400は反復ブロック423、425、426、433、および435、ならびに機能ブロック422、424、427、432、434、436、および437を含む。
【0025】
TRANSMIT状態400において、当該ノードは、近傍ノードがアウェイクであることを検出するまで待機し、パケットをそのノードに転送することを試みる。起動する際、当該ノードは低電力リスニング状態424に入り、参照番号425で示すように、受信機により送信されるRTRビーコンを待機する。RTRビーコンを受信する際、以下で説明する日和見的中継方式を通じて決定されるように、送信器がその受信機に送信するためのパケットを有する場合(参照番号426)、送信器はそのバックオフ・カウンタ(参照番号432)に等しい幾つかのスロットを待機し、CCA433を実施し、ついでチャネルがアイドルである場合にパケット434を送信する。送信の直後に確認応答信号(ACK)の受信により判定されるように(参照番号435)、送信に成功すると、送信器はバックオフ指数およびバックオフ・カウンタをリセットする。ACKが受信されない場合、バックオフ指数が増大され、バックオフ・カウンタがリセットされる(参照番号436)。EHSN MACは同様な指数バックオフ手続きをCSMA/CA(衝突回避を伴うCSMA)として使用する。当該バックオフ手続きは、RTRがブロードキャストされ、複数の送信器が送信すべきパケットを有するとき、送信器の間の競合を解決することを意図している。衝突の際にバックオフ指数を増大することによって、バックオフ・カウンタは、当該チャネルを現在争っているノードの数に適合する。しかし、RTRビーコン送信なしのCSMAバックオフ手続きを使用することは、当該サーバから遠いセンサの窮乏につながる。
【0026】
図4は2つのノードに対する例示的なタイミング図である。本例では、陰影を施したボックスは送信を参照し、陰影を施していないボックスは受信を参照する。2つのノード、ノードXおよびノードYがあると仮定する。下部のタイムラインはノードXに対応し、上部のタイムラインはノードYに対応する。発生する最初のものは、ノードYが起動し、その後にノードXが起動しRTRビーコンを送信するというものである。ノードXからのRTRビーコンはノードYにより受信され、ついでノードYはデータ・パケットを送信する。示すように、ノードYはその送信を所定の送信バックオフ時間だけ遅延している。ノードYからのデータ・パケットはノードXにより受信され、ついでノードXは確認応答(ACK)信号を送信する。当該ACK信号を受信した後、ノードYはスリープに戻る。示すように、ノードXはスリープに戻る前に他の送信をリッスンする。
【0027】
日和見的中継プロトコル
マルチホップトポロジでは、ルーティングプロトコルはEHSN固有の問題を解決するために必要である。伝統的に、パケットは、各ソースと宛先の間の最短または最小コストの固定の経路を計算することでトポロジを通じてルーティングされる。最短経路のルーティングが電力ネットワークに対して提案されているが、当該センサ・ネットワーク環境では、任意の固定経路のルーティングアルゴリズムは貧弱な性能に苦しんでいる。なぜならば、当該エネルギ・リソースが計画された経路上で枯渇し、当該ネットワークの残りが未使用のリソースを含むからである。
【0028】
進歩的な日和見的中継プロトコルは、どの近傍がパケットを受信するのに十分なエネルギを有するかに基づいて次ホップの近傍を日和見的に選択することで動作する。EHSNMACプロトコルの一部として、近傍ノードは、それがSLEEP状態から起動するときにRTRビーコンを送信する。ノードが当該RTRビーコンを近傍から受信したとき、パケットをその近傍に転送することが当該パケットを当該宛先の物理的に近くに移動させるかどうかを判定する。当該プロトコルを利用するために、各ノードが当該センサ・ネットワークの物理トポロジを認識すると仮定する。これは、静的ネットワーク展開を考慮するとき合理的な仮定である。したがって、受信されたRTRビーコンに基づいて、ノードはパケットを第1のノードに転送して、当該宛先により近いRTRを送信する。この日和見的中継選択はノードがスリープ中継を待機するのを防止しつつ、EHSN MACプロトコルのビーコン送信プロセスに任意のオーバヘッドを要求しない。当該中継を日和見的に選択することで、送信すべき非スリープ・ノードを見つけるのに必要な時間は少なくなる。
【0029】
当該日和見的中継プロトコルは、電力分析に従って選択された固定の送信電力を想定する。ノードが当該サーバの送信範囲内にある場合、当該ノードはパケットを直接当該サーバに送信すべきである。なぜならば、追加の中継に送信することで電力を削減できないからである。しかし、当該固定の送信範囲を、性能を最大化するために選択すべきである。さらに、ノードはパケットを、各待ち行列での標準的な先入れ先出し(FIFO)順序ではなく、生成された順序で送信/中継する。これにより、当該サーバから遠いノードは、ネットワーキング・リソースの公正な割当てを維持することができる。測定アプリケーションに対して、追加の待ち行列機構を、新鮮な測定値を優先してより古い測定値を落とすように実装することができる。
【0030】
結論
本明細書で説明したEHSN通信プロトコルは、重要な値を多くのドメインを提供することができる。センシングと健康モニタリングは、航空機および工場の動作および効率の重大な構成要素である。EHSNネットワーキング技術は、センサ展開に関するより大きなアプリケーションドメインを可能とし、以下のように肯定的な価値を提供する。
【0031】
EHSNネットワーキング技術はセンサ複雑性の簡略化を通じてコスト削減を提供する。即ち、センサシステムはもはや電力源を必要とせず、これは、コスト、保守、スペア、安全性等を考慮している。電力は、解決される必要がある重要なシステム動作およびライフサイクル要素およびロジスティクス・アイテムである。これはEHSNの実装では実現されない。
【0032】
また、EHSNネットワーキング技術は、削減されたSWAPを通じたセンサ展開スケールを提供する。即ち、既存のセンサプラットフォームは一般にサイズ、重量、および電力の点で最大化され、任意のSWAP節約は大きな価値差別化因子である。なぜならば、それは、必要に応じて追加の能力を展開する機会を生み出すからである。
【0033】
さらに、EHSNネットワーキング技術はミッション耐久性を提供する。即ち、今日、センサに対する枯渇した電力はミッション能力が無いことに等しい。当該ミッションを厳格な(例えば、電力の無い)環境で運営し実施する能力は別の重要な価値差別化因子である。例えば、兵士はセンサを具備していてもよく、(全てのそれらの機器を含む)典型的な持ち運びキットは100乃至120lbsのオーダであろう。その重要な部分はバッテリ・パックを含む。EHSN技術を用いてこのバッテリ要件を低減してもよい。
【0034】
さらに、本開示は以下の項に従う実施形態を含む。
【0035】
項1:ノードとして動作する複数のエネルギ回収センサ(200-1、200-2、・・・)であって、当該エネルギ回収センサの各々は所定の通信プロトコルに従って動作するように構成される、複数のエネルギ回収センサ(200-1、200-2、・・・)と、当該エネルギ回収センサと無線で通信するように構成されたサーバ(100)とを備えたエネルギ回収センサ・ネットワークであって、当該所定の通信プロトコルは、ノードが、当該ノードがアウェイクでありデータ・パケットを受信し再送するのに十分なエネルギを有することを示す受信準備完了(RTR)ビーコンを他のノードに送信するRECEIVE状態を含む、エネルギ回収センサ・ネットワーク。
【0036】
項2:当該所定の通信プロトコルはさらにSLEEP状態およびTRANSMIT状態を含む、項1に記載のエネルギ回収センサ・ネットワーク。
【0037】
項3:当該複数のエネルギ回収センサのエネルギ回収センサは、当該エネルギ回収センサが予め決定された閾値のエネルギを回収するまで、SLEEP状態に留まる、項2に記載のエネルギ回収センサ・ネットワーク。
【0038】
項4:当該予め決定された閾値のエネルギを回収する際、当該エネルギ回収センサは、ローカル・ネットワーク状態の非決定的関数に基づいてTRANSMIT状態またはRECEIVE状態の1つに入る、項3に記載のエネルギ回収センサ・ネットワーク。
【0039】
項5:当該非決定的関数は、当該チャネル状態、トラフィック・バックログ、局所トポロジ、またはエネルギ特性に基づいて動作モードを決定する、項4に記載のエネルギ回収センサ・ネットワーク。
【0040】
項6:当該エネルギ回収センサは、RECEIVE状態において、当該エネルギ回収センサが当該データ・パケットを受信する準備ができていることを示すRTRビーコンを複数のセンサにブロードキャストし、別のセンサからデータを受信した際に、当該サーバに送信するためにこのデータを問い合わせる、項4に記載のエネルギ回収センサ・ネットワーク。
【0041】
項7:当該エネルギ回収センサは、TRANSMIT状態にある間に、RTRビーコンを潜在的な中継ノードから受信するのを待機し、潜在的な中継ノードは日和見的ルーティング方式により決定され、当該エネルギ回収センサが任意の送信を検出しない場合、当該パケットを当該日和見的中継方式により決定される当該中継ノードに送信し、当該エネルギ回収センサが別の送信を検出した場合、当該現在のアクティブ送信が完了するまで送信を遅延する、項6に記載のエネルギ回収センサ・ネットワーク。
【0042】
項8:各ノードは1つまたは複数の受信されたRTRビーコンを用いてパケットをルーティングする、項2に記載のエネルギ回収センサ・ネットワーク。
【0043】
項9:当該所定の通信プロトコルはメディア・アクセス制御(MAC)プロトコルを含む、項2に記載のエネルギ回収センサ・ネットワーク。
【0044】
項10:エネルギ回収デバイス(210)と、エネルギ貯蔵デバイス(220)当該エネルギ回収デバイスに接続される、マイクロ・コントローラ(240)と、マイクロ・コントローラに接続されるワイヤレストランシーバ(250)とを備えたエネルギ回収ノードであって、マイクロ・コントローラおよび無線トランシーバはエネルギ貯蔵デバイスにより電力供給され、マイクロ・コントローラは、トランシーバが、当該ノードがアウェイクであり、データ・パケットを別のノードから受信し当該データ・パケットを再送するのに十分なエネルギを有することを示す受信準備完了(RTR)ビーコンを送信する所定の通信プロトコルに従って当該エネルギ回収ノードを動作させるように構成される、エネルギ回収ノード。
【0045】
項11:当該所定の通信プロトコルはさらにSLEEP状態およびTRANSMIT状態を含む、項10に記載のエネルギ回収ノード。
【0046】
項12:当該エネルギ回収ノードは、予め決定された閾値のエネルギが回収されるまでSLEEP状態に留まるように構成される、項11に記載のエネルギ回収ノード。
【0047】
項13:当該予め決定された閾値のエネルギを回収する際、当該エネルギ回収ノードは、ローカル・ネットワーク状態の非決定的関数に基づいてTRANSMIT状態またはRECEIVE状態の1つに入る、項12に記載のエネルギ回収ノード。
【0048】
項14:当該非決定的関数は、チャネル状態、トラフィック・バックログ、局所トポロジ、またはエネルギ特性のうち1つまたは複数を含む、項13に記載のエネルギ回収ノード。
【0049】
項15:当該エネルギ回収ノードはRECEIVE状態において当該エネルギ回収センサが当該データ・パケットを受信する準備ができていることを示すRTRビーコンを複数のセンサにブロードキャストし、別のセンサからデータを受信した際に、当該サーバに送信するためにこのデータを問い合わせる、項13に記載のエネルギ回収ノード。
【0050】
項16:当該エネルギ回収ノードは、TRANSMIT状態にある間に、日和見的ルーティング方式により決定される潜在的な中継ノードからRTRビーコンを受信するのを待機し、当該エネルギ回収センサが任意の送信を検出しない場合、当該パケットを当該日和見的中継方式により決定される当該中継ノードに送信し、当該エネルギ回収センサが別の送信を検出した場合、当該現在のアクティブ送信が完了するまで送信を遅延する、項15に記載のエネルギ回収ノード。
【0051】
項17:当該エネルギ回収ノードは1つまたは複数の受信されたRTRビーコンを用いてパケットをルーティングして、近傍ノードの当該エネルギ・ステータスに関する情報を推測する、項11に記載のエネルギ回収ノード。
【0052】
項18:当該所定の通信プロトコルはメディア・アクセス制御(MAC)プロトコルを含む、項11に記載のエネルギ回収ノード。
【0053】
項19:センサ(230)をさらに含む、項10に記載のエネルギ回収ノード。
【0054】
項20:複数のノードおよび当該ノードと無線で通信するように構成されたサーバを含むネットワーク内の第1のエネルギ回収ノードにより実施される方法であって、予め決定された閾値のエネルギが回収されるまでSLEEP状態に留まるステップと、当該予め決定された閾値のエネルギを回収する際、非決定的関数に基づいてTRANSMIT状態またはRECEIVE状態に入るステップと、RECEIVE状態において、当該エネルギ回収ノードはデータを受信する準備ができていることを示す受信準備完了(RTR)ビーコンを送信するステップと、データを第2のノードから受信するステップと、TRANSMIT状態において、RTRビーコンをノードから受信するステップと、任意の進行中の送信を検出するステップと、進行中の送信がない場合、データを送信するステップと、別のノードが送信している場合にはバックオフ機構を実施して、チャネルが空くまで送信を遅延するステップとを含む、方法。
【0055】
本明細書で開示した装置および方法の様々な例は多数のコンポーネント、特徴、および機能を含む。本明細書で開示した装置および方法の当該様々な例は、本明細書で開示した装置および方法の他の例の何れかのコンポーネント、特徴、および機能ノイズ化を任意の組合せで含み、かかる可能性の全ては本開示の趣旨および範囲内にあると意図されていることは理解されるべきである。さらに、本明細書で説明した当該例の多くの修正は、以上の説明および当該添付図面で提示された教示事項の利益を有する本開示が関係する当業者に想到される。したがって、本開示は提示された特定の例に限定されず、修正および他の例は添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれると意図されていることは理解される。さらに、以上の説明および当該関連図面を、本開示の例を要素および/または機能の特定の例示的な組合せの文脈で説明したが、要素および/または機能の異なる組合せは添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく代替的な実装により提供されてもよいことは理解されるべきである。
【符号の説明】
【0056】
100 サーバ
210 エネルギ回収デバイス
220 エネルギ貯蔵デバイス
230 低電力センサ
240 マイクロ・コントローラ
250 無線送受信機
図1
図2
図3
図4