(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】ユニット配賦装置、ユニット配賦方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/20 20120101AFI20240813BHJP
【FI】
G06Q50/20
(21)【出願番号】P 2023070808
(22)【出願日】2023-04-24
【審査請求日】2023-04-24
(73)【特許権者】
【識別番号】506142716
【氏名又は名称】株式会社Z会
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】神門 寛
(72)【発明者】
【氏名】小西 勲
(72)【発明者】
【氏名】辻 太一郎
(72)【発明者】
【氏名】望月 充
(72)【発明者】
【氏名】黒木 美雅
(72)【発明者】
【氏名】加藤 久典
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-065635(JP,A)
【文献】特開2022-049314(JP,A)
【文献】特開2003-178171(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0014332(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
答案の一部または全部を区分した単位であって1つまたは複数の問題を含む単位をユニットとし、前記ユニットを指導者に配賦するユニット配賦装置であって、
配賦対象であるユニットと同じ種類のユニットを所定の指導者に既に配賦済みで
ある度合の情報を用いて、既に配賦済みであればあるほど、前記配賦対象であるユニットにおける前記所定の指導者の第1の距離が小さくなるように、前記第1の距離を計算する第1距離計算部と、
前記所定の指導者に既に配賦されたユニットを指導時間換算した時間の合計の、前記所定の指導者の指導可能時間に対する比
の情報を用いて、前記比が小さくなるほど、前記所定の指導者の第2の距離が小さくなるように、前記第2の距離を計算する第2距離計算部と、
前記配賦対象であるユニットのレベルと、前記所定の指導者のレベ
ルの情報を用いて、2つのレベルの差が小さくなるほど、前記所定の指導者の第3の距離が小さくなるように、前記第3の距離を計算する第3距離計算部と、
前記第1の距離、前記第2の距離、前記第3の距離のうちの2つ以上の距離に基づいて、前記配賦対象であるユニットと前記所定の指導者との総合距離を求め、前記総合距離が最も小さい指導者に前記配賦対象であるユニットを配賦するユニット配賦
部と、
外部からの入力に基づいて重みづけ係数を変更する重みづけ係数変更部を含み、
前記第1、第2、第3の距離は、重みづけ係数により重みづけされる
ユニット配賦装置。
【請求項2】
請求
項1に記載のユニット配賦装置であって、
前記第1距離計算部は、
TSTを前記配賦対象であるユニットと同じ種類のユニットであって既に配賦済みのユニットを時間換算した時間の合計とし、TDをユニット1つあたりの平均指導時間とし、TSTが0である場合に第1の距離L1を重みづけ係数cとし、0<TST/TD<1である場合に第1の距離L1を前記重みづけ係数cと重みづけ係数aの積とし、それ以外の場合にTD/TSTに基づいて第1の距離L1を計算する
ユニット配賦装置。
【請求項3】
請求
項1に記載のユニット配賦装置であって、
前記第2距離計算部は、
前記所定の指導者に既に配賦されたユニットを時間換算した時間の合計をTSとし、前記所定の指導者の指導可能時間をTとし、TS/Tに重みづけ係数bを乗算した値を第2の距離L2として計算する
ユニット配賦装置。
【請求項4】
請求
項1に記載のユニット配賦装置であって、
前記第3距離計算部は、
前記配賦対象であるユニットのレベルをrとし、前記所定の指導者のレベルをRとし、(R-r)/Rに重みづけ係数dを乗算した値を第3の距離L3として計算する
ユニット配賦装置。
【請求項5】
答案の一部または全部を区分した単位であって1つまたは複数の問題を含む単位をユニットとし、前記ユニットを指導者に配賦するユニット配賦装置が実行するユニット配賦方法であって、
配賦対象であるユニットと同じ種類のユニットを所定の指導者に既に配賦済みで
ある度合の情報を用いて、既に配賦済みであればあるほど、前記配賦対象であるユニットにおける前記所定の指導者の第1の距離が小さくなるように、前記第1の距離を計算するステップと、
前記所定の指導者に既に配賦されたユニットを指導時間換算した時間の合計の、前記所定の指導者の指導可能時間に対する比
の情報を用いて、前記比が小さくなるほど、前記所定の指導者の第2の距離が小さくなるように、前記第2の距離を計算するステップと、
前記配賦対象であるユニットのレベルと、前記所定の指導者のレベ
ルの情報を用いて、2つのレベルの差が小さくなるほど、前記所定の指導者の第3の距離が小さくなるように、前記第3の距離を計算するステップと、
前記第1の距離、前記第2の距離、前記第3の距離のうちの2つ以上の距離に基づいて、前記配賦対象であるユニットと前記所定の指導者との総合距離を求め、前記総合距離が最も小さい指導者に前記配賦対象であるユニットを配賦するステッ
プと、
外部からの入力に基づいて重みづけ係数を変更するステップを含み、
前記第1、第2、第3の距離は、重みづけ係数により重みづけされる
ユニット配賦方法。
【請求項6】
コンピュータを請求項1か
ら4の何れかに記載のユニット配賦装置として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、答案を区分した単位であるユニットを指導者に配賦するユニット配賦装置、ユニット配賦方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信教育による指導の従来技術として例えば、非特許文献1がある。非特許文献1の通信教育事業者には、幼児~大学生・社会人など様々な学齢・年齢の会員から毎日沢山の答案が提出される。通信教育事業者は、これらの答案を指導者に手動で配賦する。指導者は、配賦された答案を指導する。通信教育事業者は、指導済の答案を手動で回収し、会員に公開する。
【0003】
なお、この明細書において「指導」は「採点」または「添削」、あるいは「採点と添削」を示すものとし、「指導者」とは答案に対して「指導」を実行する主体であるものとする。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】株式会社Z会、“Z会の添削指導(大学受験生)”、[online]、株式会社Z会、[令和5年3月28日検索]、インターネット〈 URL:https://www.zkai.co.jp/juken/lp-tensaku/〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の通信教育事業者による手動配賦は非常に煩雑かつコストが膨大であった。
【0006】
そこで本開示では、効率的な自動配賦を実現できるユニット配賦装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のユニット配賦装置は、答案の一部または全部を区分した単位であって1つまたは複数の問題を含む単位をユニットとし、ユニットを指導者に配賦するユニット配賦装置である。
【0008】
本開示のユニット配賦装置は、第1距離計算部と、第2距離計算部と、第3距離計算部と、ユニット配賦部を含む。
【0009】
第1距離計算部は、配賦対象であるユニットと同じ種類のユニットを所定の指導者に既に配賦済みであればあるほど、配賦対象であるユニットにおける所定の指導者の第1の距離が小さくなるように、第1の距離を計算する。第2距離計算部は、所定の指導者に既に配賦されたユニットを指導時間換算した時間の合計の、所定の指導者の指導可能時間に対する比が小さくなるほど、所定の指導者の第2の距離が小さくなるように、第2の距離を計算する。第3距離計算部は、配賦対象であるユニットのレベルと、所定の指導者のレベルとの差が小さくなるほど、所定の指導者の第3の距離が小さくなるように、第3の距離を計算する。ユニット配賦部は、第1の距離、第2の距離、第3の距離のうちの2つ以上の距離に基づいて、配賦対象であるユニットと所定の指導者との総合距離を求め、総合距離が最も小さい指導者に配賦対象であるユニットを配賦する。
【発明の効果】
【0010】
本開示のユニット配賦装置によれば、効率的な自動配賦を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施例1のユニット配賦装置の機能構成を示すブロック図。
【
図2】答案データベースに記憶される答案情報を例示する図。
【
図3】指導者データベースに記憶される指導者情報を例示する図。
【
図4】実施例1のユニット配賦装置の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【実施例1】
【0013】
以下、
図1を参照して実施例1のユニット配賦装置の機能構成を説明する。同図に示すように本実施例のユニット配賦装置1は、答案データベース1Aと、指導者データベース1Bと、重みづけ係数記憶部1Cと、第1距離計算部11と、第2距離計算部12と、第3距離計算部13と、ユニット配賦部14と、重みづけ係数変更部15を含む。
【0014】
以下、
図2、
図3を参照して、各記憶部に記憶されるデータの内容を説明する。
【0015】
≪答案データベース1A≫
図2(D)に答案データベース1Aに記憶される答案情報を示す。(D)に示すように、[答案情報]として、答案ID(その答案の識別子)、教科ID(その答案の教科を特定するための識別子)、開始年月日、終了年月日(システムとして当該答案を処理することができる期限)などが記憶されている。
【0016】
答案情報に紐づけて、その答案の[ユニット構造]が記憶される。ユニットについて以下に説明する。
【0017】
≪ユニット≫
ユニットとは、答案の一部または全部を区分した単位であって1つまたは複数の問題を含む単位のことであり、指導者に配賦される単位のことである。
【0018】
同図(A)に示すように、答案の一部を区分し、それぞれのユニットに1つまたは複数の問題を含むようにユニットを設定してもよい。また同図(B)に示すように、1つの問題につき1つのユニットを設定してもよい。(B)のようなユニット構造を最小粒度のユニット構造とも言う。また同図(C)に示すように、答案全体を1つのユニットとしてもよい。(C)のようなユニット構造を最大粒度のユニット構造とも言う。また、(C)のような区分の方法を便宜上「答案の全部を区分」とも表現する。同図(A)~(C)のいずれもありうる構造であるが、互いに関連する問題同士を一つのユニットに含むようにユニットを設定すれば好適である。
【0019】
[ユニット構造]には、答案ID(そのユニットが属している答案の識別子)、ユニットID(そのユニットの識別子)、問題ID(そのユニットに含まれる問題の識別子)、レベル(そのユニットに含まれる問題の難易度を表す指標)、換算指導時間(そのユニットを指導するために必要とされる時間)などが記憶される。
【0020】
≪指導者データベース1B≫
図3に指導者データベース1Bに記憶される指導者情報を示す。同図に示すように、[指導者情報]として、指導者ID(その指導者の識別子)、指導者氏名(その指導者の氏名)、緊急対応(繁忙期などに緊急対応として時間外の指導を受け付けるか否かの二値フラグ)、開始年月日、終了年月日(システムとして当該指導者に答案を配賦することができる期限)などが記憶されている。指導者情報に紐づけて、その指導者の[指導条件]、[指導量]、[指導スケジュール]、[指導実績]などが記憶される。
【0021】
≪指導条件≫
指導条件として、指導者ID、教科ID(その指導者が指導することができる教科の識別子)、レベル(その指導者が指導することができるレベル(難易度)の上限)が記憶される。1つの指導者IDに複数の教科IDを設定することができる。1つの指導者IDに複数の教科IDが設定されている場合、レベルは教科IDごとに設定される。
【0022】
≪指導量≫
指導量として、指導者ID、可能時間(デフォルト)、換算倍率などが記憶される。可能時間(デフォルト)とは、その指導者が1日に指導できる時間のデフォルト値であり、典型的には指導者に事前にヒアリングした時間が登録される。換算倍率とは、繁忙期など指定された期間に可能時間(デフォルト)に乗算される係数である。指定された期間内において可能時間(デフォルト)に換算倍率を乗算した値を可能時間(デフォルト)として扱う。
【0023】
≪指導スケジュール≫
指導スケジュールとして、指導者ID、指導年月日、可能時間、お休みなどが記憶される。指導年月日とは、その指導者が指導する予定となっている年月日である。可能時間とは、指導年月日ごとに設定される指導可能時間であり、指導者の都合に合わせて初期値である可能時間(デフォルト)を可能時間に変更することができる。お休みとは、指導年月日ごとに設定される二値フラグであり、例えばフラグ=trueの場合指導者の稼働日に該当し、フラグ=falseの場合指導者の休日に該当する。
【0024】
≪指導実績≫
指導実績として、指導者ID、答案ID(その指導者が指導した答案の識別子)、ユニットID(その指導者が指導したユニットの識別子)、指導開始日時、指導終了日時、累積指導時間などが記憶される。
【0025】
≪重みづけ係数記憶部1C≫
重みづけ係数記憶部1Cには、重みづけ係数a、b、c、dなどが記憶される。重みづけ係数aを親和係数、重みづけ係数bを指導余力距離係数、重みづけ係数cをユニット指導距離係数、重みづけ係数dをレベル距離係数と呼んでもよい。それぞれの係数の役割、意味などについては後述する。
【0026】
以下、
図4を参照して、実施例1のユニット配賦装置1の各構成要件の動作を説明する。
【0027】
≪第1距離計算部11≫
第1距離計算部11は、配賦対象であるユニットと同じ種類のユニットを所定の指導者に既に配賦済みであればあるほど、配賦対象であるユニットにおける所定の指導者の第1の距離が小さくなるように、第1の距離を計算する(S11)。第1の距離は、指導効率に影響する距離である。同じ指導者に同種のユニットが多く配賦されれば、指導者は同じ指導を繰り返し実行することになるため、その指導に対する練度が増し、指導効率が向上する。
【0028】
最もシンプルには、第1距離計算部11は、NSTを配賦対象であるユニットと同じ種類のユニットであって既に配賦済みのユニットの数とし、NSTの逆数に重みづけ係数c(ユニット指導距離係数)を乗算して、第1の距離を計算すればよい。
【0029】
また例えば、第1距離計算部11は、TSTを配賦対象であるユニットと同じ種類のユニットであって既に配賦済みのユニットを時間換算した時間の合計とし、TSTの逆数に重みづけ係数cを乗算して、第1の距離を計算すればよい。ただし、TSTが0になる場合、1以下になる場合に注意が必要である。例えばTSTを時間(hour)単位とした場合、TSTが1以下になる可能性がある。TSTが0になる場合は、TSTに基づかず、所定の重みづけ係数のみを用いて第1の距離を計算すればよい。TSTが1以下になる場合も同様に、TSTに基づかず、所定の重みづけ係数のみを用いて第1の距離を計算すればよい。あるいは、TSTが1以下にならないように、TSTを分、秒単位で設定してもよい。
【0030】
また、第1距離計算部11は、TDをユニット1つあたりの平均指導時間としてTST/TD(換算配賦ユニット数とも呼称する)を用いて第1の距離を計算してもよい。具体的には、第1距離計算部11は、TSTが0である場合に第1の距離L1を重みづけ係数cとし、0<TST/TD<1である場合に第1の距離L1を重みづけ係数cと重みづけ係数aの積、すなわちc×aとし、それ以外(TST/TD≧1)の場合に第1の距離L1をTD/TST(換算配賦ユニット数の逆数)に基づき、例えばL1=c×a×TD/TSTとして、第1の距離L1を計算してもよい。
【0031】
≪第2距離計算部12≫
第2距離計算部12は、所定の指導者に既に配賦されたユニットを指導時間換算した時間の合計の、所定の指導者の指導可能時間(端的には指導者のキャパシティ)に対する比が小さくなるほど、所定の指導者の第2の距離が小さくなるように、第2の距離を計算する(S12)。第2の距離は、指導者間における配賦の公平性に影響する距離である。特定の指導者に偏って多くのユニットが配賦されないようにすることにより、指導者の満足度、利便性が向上し、通信教育事業者に対する指導者の評価が向上する。
【0032】
例えば第2距離計算部12は、所定の指導者に既に配賦されたユニットを時間換算した時間の合計(1日あたり)をTSとし、所定の指導者の指導可能時間(1日あたり)をTとし、TS/Tに重みづけ係数b(指導余力距離係数)を乗算した値を第2の距離L2として計算すればよい。
【0033】
≪第3距離計算部13≫
第3距離計算部13は、配賦対象であるユニットのレベルと、所定の指導者のレベルとの差が小さくなるほど、所定の指導者の第3の距離が小さくなるように、第3の距離を計算する(S13)。第3の距離は、指導者をリソースとして捉えた場合の適切なリソース配分に影響する距離である。配賦するユニットのレベルと指導者のレベルとを可能な限り近づけることにより、レベル(難易度)が高い問題に対応できる指導者(リソース)の不足を回避することができる可能性が高くなる。
【0034】
例えば第3距離計算部13は、配賦対象であるユニットのレベルをrとし、所定の指導者のレベルをRとし、R-rに重みづけ係数d(レベル距離係数)を乗算した値を第3の距離L3として計算すればよい(S13)。
【0035】
また、例えば第3距離計算部13は、(R-r)/R(差分を割合に変換)に重みづけ係数dを乗算した値を第3の距離L3として計算してもよい(S13)。
【0036】
≪ユニット配賦部14≫
まず、ユニット配賦部14は、[指導条件]、[指導量]、[指導スケジュール]、[指導実績]に基づいて、指導者の絞り込みを実行する。例えば配賦対象となっているユニットの教科IDを担当しない指導者IDは、配賦対象から除外される。また配賦対象となっているユニットのレベルに満たない指導者IDは、配賦対象から除外される。また指導スケジュールが合致しない、例えば配賦日にお休みになっている指導者IDは、配賦対象から除外される。また累積指導時間が可能時間以上となっている、あるいは今回の配賦により累積指導時間が可能時間を超過する可能性がある指導者IDは、配賦対象から除外される。
【0037】
次に、ユニット配賦部14は、第1の距離L1、第2の距離L2、第3の距離L3のうちの2つ以上の距離に基づいて、配賦対象であるユニットと所定の指導者との総合距離Lを求め、総合距離Lが最も小さい指導者に配賦対象であるユニットを配賦する(S14)。例えば総合距離Lは以下の式で求められる。
【0038】
L=L1+L2
L=L1+L3
L=L2+L3
L=L1+L2+L3
これらの式を適宜変形してもよい。例えばL2=L1
2+L2
2+L3
2として、総合距離を求めてもよい。
【0039】
≪重みづけ係数変更部15≫
重みづけ係数変更部15は、外部からの入力に基づいて重みづけ係数a、b、c、dを変更する(S15)。重みづけ係数変更部15によれば、指導者に答案を配賦する際に、指導効率(第1の距離)、配賦の公平性(第2の距離)、リソース配分(第3の距離)の何れを重視するかを調整することができる。
【0040】
≪外部からの入力≫
外部からの入力は、簡単にはユーザ(例えば配賦管理者)によるユーザ操作に基づく入力でよい。また、外部からの入力をAI(人工知能)やモデルからの入力としてもよい。
【0041】
例えば、配賦の結果(実際に自動配賦したユニットと指導者のペアの情報)を何れかの記憶領域に蓄積しておき、現状の結果の中で望ましい結果、望ましくない結果を選別したうえで、教師データとして与えてAIまたはモデルを学習させることができる。学習済みのAIまたはモデルに重みづけ係数a、b、c、dを決定させ、これらの重みづけ係数を入力すればよい。
【0042】
<補記>
本発明の装置は、例えば単一のハードウェアエンティティとして、キーボードなどが接続可能な入力部、液晶ディスプレイなどが接続可能な出力部、ハードウェアエンティティの外部に通信可能な通信装置(例えば通信ケーブル)が接続可能な通信部、CPU(Central Processing Unit、キャッシュメモリやレジスタなどを備えていてもよい)、メモリであるRAMやROM、ハードディスクである外部記憶装置並びにこれらの入力部、出力部、通信部、CPU、RAM、ROM、外部記憶装置の間のデータのやり取りが可能なように接続するバスを有している。また必要に応じて、ハードウェアエンティティに、CD-ROMなどの記録媒体を読み書きできる装置(ドライブ)などを設けることとしてもよい。このようなハードウェア資源を備えた物理的実体としては、汎用コンピュータなどがある。
【0043】
ハードウェアエンティティの外部記憶装置には、上述の機能を実現するために必要となるプログラムおよびこのプログラムの処理において必要となるデータなどが記憶されている(外部記憶装置に限らず、例えばプログラムを読み出し専用記憶装置であるROMに記憶させておくこととしてもよい)。また、これらのプログラムの処理によって得られるデータなどは、RAMや外部記憶装置などに適宜に記憶される。
【0044】
ハードウェアエンティティでは、外部記憶装置(あるいはROMなど)に記憶された各プログラムとこの各プログラムの処理に必要なデータが必要に応じてメモリに読み込まれて、適宜にCPUで解釈実行・処理される。その結果、CPUが所定の機能(上記、…部、…手段などと表した各構成要件)を実現する。
【0045】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。また、上記実施形態において説明した処理は、記載の順に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されるとしてもよい。
【0046】
既述のように、上記実施形態において説明したハードウェアエンティティ(本発明の装置)における処理機能をコンピュータによって実現する場合、ハードウェアエンティティが有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記ハードウェアエンティティにおける処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0047】
上述の各種の処理は、
図5に示すコンピュータの記録部10020に、上記方法の各ステップを実行させるプログラムを読み込ませ、制御部10010、入力部10030、出力部10040などに動作させることで実施できる。
【0048】
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。具体的には、例えば、磁気記録装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM(Random Access Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magneto-Optical disc)等を、半導体メモリとしてEEP-ROM(Electrically Erasable and Programmable-Read Only Memory)等を用いることができる。
【0049】
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD-ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
【0050】
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
【0051】
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、ハードウェアエンティティを構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
【要約】
【課題】効率的な自動配賦を実現できるユニット配賦装置を提供する。
【解決手段】配賦対象であるユニットと同じ種類のユニットを所定の指導者に既に配賦済みであればあるほど配賦対象であるユニットにおける所定の指導者の第1の距離が小さくなるように第1の距離を計算する第1距離計算部と、所定の指導者に既に配賦されたユニットを指導時間換算した時間の合計の所定の指導者の指導可能時間に対する比が小さくなるほど所定の指導者の第2の距離が小さくなるように第2の距離を計算する第2距離計算部と、配賦対象であるユニットのレベルと所定の指導者のレベルとの差が小さくなるほど所定の指導者の第3の距離が小さくなるように第3の距離を計算する第3距離計算部と、2つ以上の距離に基づいて配賦対象であるユニットと所定の指導者との総合距離を求め総合距離が最も小さい指導者に配賦対象であるユニットを配賦するユニット配賦部を含む。
【選択図】
図1