(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】棚
(51)【国際特許分類】
A47B 96/02 20060101AFI20240813BHJP
A47B 96/06 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
A47B96/02 H
A47B96/02 A
A47B96/06 B
A47B96/06 K
(21)【出願番号】P 2023135857
(22)【出願日】2023-08-23
(62)【分割の表示】P 2019158737の分割
【原出願日】2019-08-30
【審査請求日】2023-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000104973
【氏名又は名称】クリナップ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】乘松 香
(72)【発明者】
【氏名】間辺 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】亀山 裕樹
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-031540(JP,U)
【文献】特開2009-148381(JP,A)
【文献】特開2006-181115(JP,A)
【文献】特開2007-007176(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 96/02
A47B 96/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を支持する棚棒と、前記棚棒を支持する支持部材と、を備え、
前記棚棒は、上半分の領域と下半分の領域とから構成され、
前記下半分の領域に、下向きに凸となる
底側凸部を備え、
前記底側凸部は、下向きに凸となる尖端を備える、棚。
【請求項2】
前記下半分の領域は、前記棚棒の上下方向と長さ方向とに直交する厚み方向の両側から底側に向かって傾斜して前記尖端が形成される底側凸部を備える、請求項1に記載の棚。
【請求項3】
前記棚棒の前記上半分の領域は、上向きに凸となる天側凸部を備える、請求項1又は2に記載の棚。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棚に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品を収納又は陳列するための棚板を壁面に突出して設けた棚が広く用いられている。このような棚としては、物品を載置する載置部が、径方向に間隔を空けて並列する複数の棒状部材から構成されるものが提案されている。このような載置部は、ほこりが溜まりにくく、また、浴室や洗面所等の水回り空間で使用される際に水切りが良好であるため、清掃作業が容易であることが知られている。
【0003】
このような載置部を備える棚として、例えば、特許文献1では、台所の壁面に吊り下げて取り付けられる水切り棚であって、並列する複数の吊り枠と、その吊り枠によって支持される並列する複数のパイプと、を備える棚が開示されている。また、特許文献2では、伸縮ポールで壁間に取り付けられる簡易設置棚であって、左右一対の側枠と、この側枠間に設けられる複数の入れ子式パイプ材と、を備える棚が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平7-255541号公報
【文献】特開2000-79029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、水切りが良好であり、清掃作業が容易である棚を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る棚は、壁面に突設される支持部材と、該支持部材に支持されて、物品を支持する棚棒と、を備え、前記棚棒は、上半分の領域と下半分の領域とから構成され、前記下半分の領域に、下向きに凸となる尖端を備える。
【0007】
また、前記下半分の領域は、前記棚棒の上下方向と長さ方向とに直交する厚み方向の両側から底側に向かって傾斜して前記尖端が形成される底側凸部を備える構成とすることもできる。
【0008】
また、前記棚棒の前記上半分の領域は、上向きに凸となる天側凸部を備える構成とすることもできる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、水切りが良好であり、清掃作業が容易である棚を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る棚1を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る棚1が備える支持部材2を示す斜視図である。
【
図3(a)】
図3(a)は、本実施形態に係る棚1が備える棚棒5の正面拡大図である。
【
図3(b)】
図3(b)は、本実施形態に係る棚1が備える棚棒5の側面視における断面図である。
【
図4(a)】
図4(a)は、正向きで支持部材2に支持される棚棒5を示す、正面視における断面図である。
【
図4(b)】
図4(b)は、逆向きで支持部材2に支持される棚棒5を示す、正面視における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係る棚について、
図1~4を参照しつつ説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。
【0012】
図1は、本実施形態に係る棚1を示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係る棚1は、壁面Wに突設され、同一の構造を有する3つの支持部材2と、該支持部材2に支持され、同一の構造を有する6つの棚棒5と、を備えている。各棚棒5は、長さ方向(
図1中のY方向)の両端部がそれぞれ、支持部材2によって支持されている。
【0013】
長さ方向の一方側(
図1中のY方向の一方側)では支持部材2の突出方向(
図1中のX方向)に間隔を空けて3つの棚棒5が配置されていて、これらの棚棒5は、同じ高さ(
図1中のZ方向)に並列している。この状態が、並列状態Aである。一方、長さ方向の他方側(
図1中のY方向の他方側)では支持部材2の突出方向に間隔を空けて3つの棚棒5が配置されていて、これらの棚棒5のうち最も壁面W側に位置する1つの棚棒5が、他の棚棒5よりも低い位置に配置される低棚棒5aであり、残りの2つの棚棒5が、該低棚棒5aよりも高い位置に配置される高棚棒5bである。この状態が、段差状態Bである。本実施形態に係る棚1は、並列状態Aと段差状態Bとを切替可能に構成されている。なお、並列状態Aにおける各棚棒5と、段差状態Bにおける各高棚棒5bとは、同じ高さに位置しており、それぞれ長さ方向に連続して配置されている。
【0014】
突出方向の手前側(壁面Wとは反対側)の棚棒5、すなわち、最も壁面Wから離れて配置される棚棒5は、動作補助用の手摺部材としても使用することができる。これにより、例えば、浴室等で前記棚を使用する場合に、使用者の転倒事故を防止することができる。棚棒5を手摺部材として使用する場合、握りやすさの観点から、棚棒5の突出方向及び高さ方向の最大長さはそれぞれ30~40mmであることが好ましい。また、手摺部材として使用する棚棒5は、握りやすさの観点から、隣り合う棚棒5との間隔が30~40mmであることが好ましい。
【0015】
図2は、本実施形態に係る棚1が備える支持部材2を示す斜視図である。
図2に示すように、支持部材2は、壁面Wに取り付けるための棚取付部材3と、該棚取付部材3に支持され、壁面から突設される棚支持部材4と、を備えている。
【0016】
棚取付部材3は、幅方向(
図2中のY方向)に幅を有するL字状に構成され、高さ方向(
図2中のZ方向)に延びる縦板部31と、該縦板部31の高さ方向の底端部から厚み方向(
図2中のX方向)に延びる横板部32と、を備えている。縦板部31は、厚み方向の一端部に平坦な取付面31aを備えており、該取付面31aを壁面Wに当接させて、固定手段(ボルト、接着剤等)を用いて取り付けることができる。
【0017】
棚支持部材4は、厚み方向(
図2中のX方向)に延びる多角柱形状を有し、厚み方向の一方側の端面に形成され、棚取付部材3の横板部32と嵌合する嵌合孔部41と、厚み方向の一端部から他方側に向かう一部の領域に形成され、棚棒5が取り付けられる棒取付部42と、を備えている。すなわち、棚支持部材4は、棚棒5を支持可能に構成されている。
【0018】
嵌合孔部41は、四角柱状の孔を形成することで、棚取付部材3の横板部32と嵌合可能に構成されている。横板部32は、嵌合孔部41に挿入され、図示しない固定手段(ボルト、接着剤等)を用いて取り付けることができる。
【0019】
棒取付部42は、厚み方向から見て、幅方向の一方側に配置される一方側棒取付部42Rと、他方側に配置される他方側棒取付部42Lと、を備えていて、一方側棒取付部42R及び他方側棒取付部42Lは、左右対称の形状を有している。以下、一方側棒取付部42Rについて説明し、他方側棒取付部42Lについては説明を繰り返さない。
【0020】
一方側棒取付部42Rについて、
図4(a)を用いて説明する。一方側棒取付部42Rは、高さ方向の頂部に支持頂部420と、該支持頂部420から幅方向の一方側に向かって斜め底側に延びる頂部側支持当接面421と、該頂部側支持当接面421に連続して、幅方向の一方側に凸となる頂部側固定凸部422と、を備えている。また、一方側棒取付部42Rは、高さ方向の底部に支持底部426と、該支持底部426から幅方向の一方側に向かって斜め頂側に延びる底部側支持当接面425と、該底部側支持当接面425に連続して、幅方向の一方側に凸となる底部側固定凸部424と、を備えている。そして、頂部側固定凸部422及び底部側固定凸部424に連続して、幅方向の他方側に凹設される側方溝部423が設けられている。すなわち、一方側棒取付部42Rの外周面には、支持頂部420と、頂部側支持当接面421と、頂部側固定凸部422と、側方溝部423と、底部側固定凸部424と、底部側支持当接面425と、支持底部426とが順に外周面に沿って設けられている。
【0021】
上述のように、棚支持部材4は、頂部側固定凸部422と、底部側固定凸部424と、を備えている。棚棒5は、支持部材取付部72が頂部側固定凸部422及び底部側固定凸部424のいずれかに係止することで、棚支持部材4に支持される。なお、支持部材取付部72が頂部側固定凸部422に係止すると棚棒が高棚棒5bとなり、支持部材取付部72が底部側固定凸部424に係止すると棚棒が低棚棒5aとなる。
【0022】
このような支持部材2は、高さ方向が上下方向で、厚み方向の一方側が突出方向の奥側(壁面W側)で、厚み方向の他方側が突出方向の手前側(壁面W側とは反対側)となる向きで、棚取付部材3の縦板部31の取付面31aを壁面Wに当接させて取り付けられる。これにより、棚取付部材3の縦板部31は、上下方向に延びて壁面Wに取り付けられ、横板部32は、該縦板部31の下端部から突出方向の手前側に延びて配置される。また、横板部32と嵌合した棚支持部材4は、壁面W側から突出方向の手前側に延びて配置される。すなわち、支持部材2は、壁面Wから離れる手前側に向けて突設される。
【0023】
図3は、本実施形態に係る棚1が備える棚棒5の(a)正面拡大図、及び、(b)側面視における断面図である。
図3(a)に示すように、棚棒5は、長さ方向(
図3(a)中のY方向)に延びる棒部材6と、該棒部材6の長さ方向の両端部で、かつ、高さ方向(
図3(b)に示すZ方向)の底側に形成され、棚支持部材4に取り付けるための棒支持部材7と、を備えている。
【0024】
図3(b)に示すように、棒部材6は、高さ方向の天側半分の領域に位置する天棒部材6Uと、底側半分の領域に位置する底棒部材6Dと、から構成されている。天棒部材6Uは、高さ方向の天部に、厚み方向(
図3(a)中のX方向)の途中部分を頂部として厚み方向の両側に向かって底側に傾斜した、天向きに凸となる天側凸部61を備えている。天棒部材6Uが天側凸部61を備えることにより、例えば、浴室や台所等の水回りで使用する場合に、棚棒の天側半分の領域に付着した水が下方に流れやすくなり、容易に水切りを行うことができる。また、底棒部材6Dは、高さ方向の底部に、厚み方向の両側からそれぞれ底側に向かって傾斜して底向きに凸となり、尖端を備える底側凸部63を備えている。底棒部材6Dにおいて底側凸部63が尖端を備えることにより、例えば、浴室や台所等の水回りで使用する場合に、棚棒の底側半分の領域に付着した水が尖端に集まり水滴となって落ちやすいため、容易に水切りを行うことができる。なお、棒部材6は、厚み方向の一方側に配置される一方側棒部材6Rと、他方側に配置される他方側棒部材6Lと、を備えていて、一方側棒部材6R及び他方側棒部材6Lは、左右対称の形状を有している。
【0025】
図3(a)に示すように、棒部材6には、長さ方向の一方側の端部に棒支持部材7が設けられている。棒支持部材7は、高さ方向(
図3(a)中のZ方向)の天側の端部に設けられ、棒部材6に取り付けるための棒部材取付部71と、該棒部材取付部71に対して高さ方向の底側に連続し、支持部材2の棚支持部材4に取り付けるための支持部材取付部72と、を備えている。
【0026】
棒部材取付部71は、高さ方向の天側の端部に平坦な支持側取付面71aを備えている。棒部材取付部71は、支持側取付面71aを棒部材6の棒側取付面62に当接させて、固定手段(ボルト、接着剤等)を用いて取り付けることができる。
【0027】
支持部材取付部72は、長さ方向の一端部から他方側に向かって斜め底方へ延びる棒側当接面720と、該棒側当接面720から連続して、長さ方向の他方向きに凹設される棒固定凹部721と、該棒固定凹部721から連続して、長さ方向の一方側に突出する棒固定凸部722と、を備えている。なお、棒固定凸部722は、支持部材取付部72の高さ方向の底側の端部に設けられている。
【0028】
なお、棒部材6には、長さ方向の他方側の端部にも棒支持部材7が設けられている。他方側の棒支持部材7は、一方側の棒支持部材7とは、長さ方向の一方側と他方側とが反対向きに配置されていること以外、一方側の棒支持部材7と同様の構造を有する。
【0029】
このような棚棒5は、支持部材2に支持されている。具体的には、棚棒5は、高さ方向の天側を上側で、高さ方向の底側を下側で、厚み方向が突出方向となる向き(以下、この向きを正向きという)で、支持部材2に支持されている。なお、並列状態Aにおけるすべての棚棒5、及び、段差状態Bにおける高棚棒5bは、正向きで支持部材2に支持されている。
【0030】
棚棒5が正向きで支持されることにより、棒部材6は、上側半分の領域に位置する天棒部材6Uと、下側半分の領域に位置する底棒部材6Dと、から構成され、上側半分の領域に天側凸部61が配置され、下側半分の領域に下向きに凸になる底側凸部63が配置される。また、棒部材6の下方には、棒支持部材7が配置される。棒支持部材7は、上端部に棒部材取付部71が配置され、該棒部材取付部71に対して下方に連続して支持部材取付部72が配置される。なお、棚棒5は、厚み方向の一方側が突出方向の奥側(壁面W側)となる向きであっても、厚み方向の他方側が突出方向の奥側(壁面W側)となる向きであっても、支持部材2に支持可能に構成されている。
【0031】
一方、棚棒5は、高さ方向の天側を下側で、高さ方向の底側を上側で、厚み方向が突出方向となる向き(以下、この向きを逆向きという)でも、支持部材2に支持可能に構成されている。なお、段差状態Bにおける低棚棒5aは、逆向きで支持部材2に支持されている。
【0032】
棚棒5が逆向きで支持されることにより、棒部材6は、下端部に天側凸部61が配置され、上端部に底側凸部63が配置される。また、棒部材6の上方には、棒支持部材7が配置される。棒支持部材7は、下端部に棒部材取付部71が配置され、該棒部材取付部71に対して上方に連続して支持部材取付部72が配置される。
【0033】
棚棒5の並列状態Aから段差状態Bへの切り替えは、以下の通りである。
図4は、(a)正向き、及び、(b)逆向きで支持部材2に支持される棚棒5を示す、正面視における断面図である。
【0034】
棚棒5は、上方から下方に向かって力を加えることにより、棒支持部材7の棒固定凸部722が頂部側支持当接面421に当接し、さらに力を加えることにより頂部側固定凸部422を乗り越える。これにより、
図4(a)に示すように、棒支持部材7の棒側当接面720が棚支持部材4の頂部側支持当接面421と当接し、棒支持部材7の棒固定凸部722が棚支持部材4の側方溝部423に係合することにより固定される。この状態が、棚棒5が正向きで支持部材2に支持された状態である。そして、棚支持部材4の頂部側固定凸部422が棒支持部材7の棒固定凹部721に係合することにより、棒支持部材7の棒固定凸部722が頂部側固定凸部422を乗り越えて係合が解除される、すなわち、棚棒5が棚支持部材4の上方に移動することを規制している。
【0035】
支持部材2の突出方向に間隔を空けて配置される3つの棚棒5が、
図4(a)に示すように正向きで支持部材2に支持されることにより、並列状態Aが構成される(
図1参照)。並列状態Aでは、棚棒5の棒部材6の天側凸部61上に物品を載置することができる。
【0036】
正向きで支持部材2に支持される棚棒5は、下方から上方に向かって力を加えることにより、棒支持部材7の棒固定凸部722が頂部側固定凸部422を乗り越えて、棒支持部材7の棒固定凸部722と棚支持部材4の側方溝部423と係合が解除される。これにより、棚棒5を支持部材2から取り外すことができる。
【0037】
支持部材2から取り外した棚棒5は、上下に反転させて逆向きにし、棚支持部材4の下方から取り付けることができる。具体的には、逆向きに配置された棚棒5は、下方から上方に向かって力を加えることにより、棒支持部材7の棒固定凸部722が底部側支持当接面425に当接し、さらに力を加えることにより底部側固定凸部424を乗り越える。これにより、
図4(b)に示すように、棒支持部材7の棒側当接面720が棚支持部材4の底部側支持当接面425と当接し、棒支持部材7の棒固定凸部722が棚支持部材4の側方溝部423に係合することにより固定される。この状態が、棚棒5が逆向きで支持部材2に支持された状態である。また、棚支持部材4の底部側固定凸部424が棒支持部材7の棒固定凹部721に係合することにより、棒支持部材7の棒固定凸部722が底部側固定凸部424を乗り越えて係合が解除される、すなわち、棚棒5が棚支持部材4の下方に移動することを規制している。
【0038】
このように、本実施形態に係る棚1は、棚棒5を支持部材2に支持する向きを正向き又は逆向きに選択するだけで棚棒5の高さを変えることができるため、切り替え作業が簡単である。
【0039】
支持部材2の突出方向に間隔を空けて配置される3つの棚棒5のうち、最も壁面W側に位置する1つの低棚棒5aが
図4(b)に示すように逆向きで支持部材2に支持され、残りの2つの高棚棒5bが
図4(a)に示すように正向きで支持部材2に支持されることにより、段差状態Bが構成される(
図1参照)。段差状態Bでは、低棚棒5aの棒部材6の底側凸部63で物品の底面を支持し、該低棚棒5aに隣接して配置される高棚棒5b又は壁面Wで物品の側面を支持することができる。
【0040】
なお、本実施形態に係る棚1では、すべての棚棒5が、正向きであっても逆向きであっても支持部材2に支持可能に構成されている。これにより、棚1の形態を種々選択することが可能である。
【0041】
本実施形態に係る棚1は、複数の棚棒5から物品を載置する載置部が構成されるため、清掃作業が容易である。また、低棚棒5aが物品の底面を支持し、該低棚棒5aに隣接して配置される高棚棒5b又は壁面Wが物品の側面を支持することにより、物品を立て掛けることができるため、安定して物品を支持することができる。
【0042】
本実施形態に係る棚1は、並列状態Aと段差状態Bとを切替可能に構成されているため、並列状態Aにおいては複数の棚棒5上に物品を載置し、段差状態Bにおいては低棚棒5aと、該低棚棒5aに隣接して配置される部材とに物品を立て掛けることができるため、物品を支持する形態を変えることができる。その結果、棚1は、様々な大きさ及び形状の物品を支持することができる。
【0043】
本実施形態に係る棚1は、最も壁面W側に位置する棚棒が低棚棒5aであることにより、低棚棒5aと、該低棚棒5aに隣接して配置される高棚棒5b又は壁面Wとに物品を立て掛けて収納することができるため、収納した物品が目立ちにくくなり、美観を向上させる。
【0044】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0045】
例えば、前記実施形態に係る棚1は、同一の構造を有する3つの支持部材2と、該支持部材2に支持され、同一の構造を有する6つの棚棒5と、を備えている。しかしながら、本発明は当該構成に限定されるものではなく、支持部材2及び棚棒5は、それぞれ異なる構造を有していてもよい。また、本発明に係る棚1は、支持部材2を一又は複数有していてもよいし、棚棒5を2つ以上であればいくつ有していてもよい。
【0046】
前記実施形態に係る棚1は、低棚棒5aに隣接して配置される高棚棒5b又は壁面Wが物品の側面を支持する。しかしながら、本発明は当該構成に限定されるものではなく、低棚棒5aに隣接して配置される部材であれば、棚棒5及び壁面W以外の部材であってもよい。例えば、棚1が、壁面Wに沿って配置される縦板を備え、該縦板が物品の側面を支持してもよい。
【0047】
前記実施形態に係る棚1は、複数の棚棒5のうち最も壁面W側の棚棒5が低棚棒5aである。しかしながら、本発明は当該構成に限定されるものではなく、最も壁面W側の棚棒5よりも突出方向の手前側(壁面Wとは反対側)の棚棒5を低棚棒5aとしてもよい。
【0048】
前記実施形態に係る棚1は、並列状態Aと段差状態Bとを切替可能に構成されている。しかしながら、本発明は当該構成に限定されるものではなく、段差状態Bで固定されていてもよい。
【0049】
前記実施形態に係る棚1は、すべての棚棒5が、正向きであっても逆向きであっても支持部材2に支持可能に構成されている。しかしながら、本発明は当該構成に限定されるものではなく、一部の棚棒5が、正向きであっても逆向きであっても支持部材2に支持可能に構成されていてもよい。
【0050】
前記実施形態に係る棚1は、棚支持部材4の厚み方向の一端部から他方側に向かう一部の領域に、棚棒5が取り付けられる棒取付部42が設けられている。しかしながら、本発明は当該構成に限定されるものではなく、棚支持部材4の厚み方向の全長に渡って棒取付部42が設けられていてもよいし、厚み方向の他端部から一方側に向かう一部の領域に棒取付部42が設けられていてもよい。
【0051】
前記実施形態に係る棚1において、棒取付部42は、厚み方向から見て左右対称の形状を有している。しかしながら、本発明は当該構成に限定されるものではなく、一方側棒取付部42Rの側方溝部423及び他方側棒取付部42Lの側方溝部423は、高さ方向の異なる位置に配置されていてもよい。一方側棒取付部42Rの側方溝部423及び他方側棒取付部42Lの側方溝部423をこのように配置することで、長さ方向に連続する2つの棚棒5の高さを変えることができる。
【0052】
前記実施形態に係る棚1において、支持部材2は、棚取付部材3と棚支持部材4とが別体で構成されている。しかしながら、本発明は当該構成に限定されるものではなく、棚取付部材3と棚支持部材4とが一体で構成されていてもよい。
【0053】
前記実施形態に係る棚1において、棚取付部材3はL字状に構成され、棚支持部材4は角柱形状を有している。しかしながら、本発明は当該構成に限定されるものではなく、棚取付部材3は、平坦な平板部材、棒状部材等であってもよい。また、棚支持部材4は、円柱形状であってもよい。
【0054】
前記実施形態に係る棚1において、棚取付部材3はL字状に構成され、高さ方向に延びる縦板部31と、該縦板部31の高さ方向の底端部から厚み方向に延びる横板部32と、を備えている。しかしながら、本発明は当該構成に限定されるものではなく、横板部32は、縦板部31の高さ方向の頂端部から厚み方向に延びていてもよい。
【0055】
前記実施形態に係る棚1において、棒部材6は、長さ方向から見て、上(天側)半分の領域に上向き(天側)に突出した天側凸部61を備え、下(底側)半分の領域に下向き(底側)に凸となる底側凸部63を備えていて、左右対称の形状を有している。しかしながら、本発明は当該構成に限定されるものではなく、棒部材6は、長さ方向から見て、例えば、ひし形状、斜めに配置された長方形状、下向き(底側)に凸となる三角形状、円形状、楕円形状、上下が平面となる矩形状を有していてもよい。
【0056】
本発明に係る棚は、壁面に突設される支持部材と、前記支持部材の突出方向に間隔を空けて配置され、該支持部材に支持される複数の棚棒と、を備え、前記複数の棚棒が、他の棚棒よりも低い位置に配置されて物品の底面を支持する少なくとも1つの低棚棒を含み、前記低棚棒に隣接して配置される部材が物品の側面を支持する。
【0057】
特許文献1及び2に記載のような、径方向に間隔を空けて並列する複数の棒状部材から構成される載置部は、該載置部の上面に物品を載置する際、物品の大きさ及び形状によっては、物品の底部を複数の棒状部材に渡って載せることができず、安定して物品を載置できない場合があった。一方で、本発明に係る棚は、前記複数の棚棒から物品を載置する載置部が構成されるため、清掃作業が容易である。また、前記低棚棒が物品の底面を支持し、前記低棚棒に隣接して配置される部材が物品の側面を支持することにより、物品を立て掛けることができるため、安定して物品を支持することができる。
【0058】
本発明に係る棚において、前記複数の棚棒は、該複数の棚棒が同じ高さに並列する並列状態と、少なくとも1つの棚棒を他の棚棒よりも低い位置に配置して低棚棒とする段差状態と、を切替可能に構成されていてもよい。
【0059】
前記棚は、前記並列状態においては前記複数の棚棒上に物品を載置し、前記段差状態においては前記低棚棒と、前記低棚棒に隣接して配置される部材とに物品を立て掛けることができるため、物品を支持する形態を変えることができる。その結果、前記棚は、様々な大きさ及び形状の物品を支持することができる。
【0060】
本発明に係る棚は、最も壁面側に位置する棚棒が、低棚棒であってもよい。
【0061】
前記棚では、最も壁面側に位置する低棚棒と、該低棚棒に隣接して配置される部材とに物品を立て掛けて収納することができるため、収納した物品が目立ちにくくなり、美観を向上させる。
【0062】
本発明に係る棚において、前記棚棒は、上半分の領域と下半分の領域とから構成され、前記下半分の領域に、下向きに凸となる尖端を備えていてもよい。
【0063】
前記棚は、例えば、浴室や台所等の水回りで使用する場合に、棚棒の下半分の領域に付着した水が前記尖端に集まり水滴となって落ちやすいため、容易に水切りを行うことができる。
【0064】
本発明に係る棚は、最も壁面から離れて配置される棚棒が、動作補助用の手摺部材を兼用可能に構成されていてもよい。
【0065】
前記棚は、最も壁面から離れて配置される棚棒を動作補助用の手摺部材としても使用することができるため、例えば、浴室等で前記棚を使用する場合に、使用者の転倒事故を防止することができる。
【符号の説明】
【0066】
1 棚
2 支持部材
5 棚棒
5a 低棚棒
W 壁面