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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】プログラム、及び、システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/216 20140101AFI20240813BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20240813BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20240813BHJP
   A63F 13/213 20140101ALI20240813BHJP
   A63F 13/211 20140101ALI20240813BHJP
   A63F 13/65 20140101ALI20240813BHJP
【FI】
A63F13/216
A63F13/58
A63F13/79
A63F13/213
A63F13/211
A63F13/65
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023168696
(22)【出願日】2023-09-28
【審査請求日】2023-11-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】得地 賢吾
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/179501(WO,A1)
【文献】特開2018-108172(JP,A)
【文献】特開2015-152565(JP,A)
【文献】特開2002-159063(JP,A)
【文献】特開2015-147053(JP,A)
【文献】特開2018-200358(JP,A)
【文献】国際公開第2010/119866(WO,A1)
【文献】特開2018-068599(JP,A)
【文献】特開2016-046651(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98、9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
ユーザが利用するアカウントに関連付けられた第1位置情報によりイベントを進行させ、
前記第1位置情報が取得できない場合、前記ユーザが前記第1位置情報から、前記第1位置情報とは異なる第2位置情報に切り替えを許可すると、前記第2位置情報により、前記イベントを進行させ
前記第1位置情報から前記第2位置情報に切り替え、又は、前記第2位置情報から前記第1位置情報に切り替えの後、所定の時間、切り替えを禁止する
プログラム。
【請求項2】
ユーザが操作する第1情報処理端末を有するシステムであって、
前記第1情報処理端末は、
前記ユーザが利用するアカウントに関連付けられた第1位置情報によりイベントを進行させ、
前記第1位置情報が取得できない場合、前記ユーザが前記第1位置情報から、前記第1位置情報とは異なる第2位置情報に切り替えを許可すると、前記第2位置情報により、前記イベントを進行させ
前記第1位置情報から前記第2位置情報に切り替え、又は、前記第2位置情報から前記第1位置情報に切り替えの後、所定の時間、切り替えを禁止する
システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、及び、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、Global Navigation Satellite System(GNSS)等の位置情報を利用したゲーム、又は、アプリケーションソフトウェアが知られている。具体的には、ユーザが操作する操作端末が、位置情報を取得する。そして、ユーザの位置情報に基づき、仮想マップ上でオブジェクトの位置を変更する技術が知られている(例えば、特許文献1等である)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許6075489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、ゲームを進行させていくと、ユーザの位置、又は、周囲の状況等によって、位置情報を取得できない場合がある。このように、位置情報が取得できない状態になると、ゲームが中断する、又は、エラーになる等といった不具合が生じる課題がある。
【0005】
本発明は、位置情報取得の状態による不具合が生じるのを防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するため、プログラムは、
コンピュータに、
ユーザが利用するアカウントに関連付けられた第1位置情報によりイベントを進行させ、
前記第1位置情報が取得できない場合、前記第1位置情報とは異なる第2位置情報により、前記イベントを進行させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、位置情報取得の状態による不具合が生じるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】システムの構成例を示す図である。
図2】情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
図3】イベントの進行例を示す図である。
図4】全体処理例を示すシーケンス図である。
図5】第2位置情報の使用例である。
図6】移動履歴情報の例を示す図である。
図7】第2位置情報の使用の通知例を示す図である。
図8】報酬の例を示す図である。
図9】報酬の保留例を示す図である。
図10】バーチャルパットの例を示す図である。
図11】第2情報処理端末を用いる変形例を示す図である。
図12】機能構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
[システム構成例]
図1は、システムの構成例を示す図である。例えば、システム1は、第1情報処理端末3、及び、サーバ4等を有する構成である。
【0011】
第1情報処理端末3は、例えば、スマートフォン、パーソナルコンピューター、ゲーム機、スマートグラス(眼鏡型の端末である。)、リストバンド型の端末、又は、その他身体に取り付けるウェアラブルデバイス等である。
【0012】
サーバ4は、ゲーム等の運用に用いる情報処理装置である。例えば、サーバ4は、管理者等が管理するゲームを運用するのに用いる情報処理装置である。また、サーバ4には、各ユーザのアカウント情報が記憶される。例えば、ユーザ2がゲームを開始する前に個人情報等を登録すると、アカウントが生成されてアカウント情報がサーバ4に記憶される。以降、ユーザ2は、アカウントを利用してゲーム等のサービスを利用できる。
【0013】
ユーザ2が使用する第1情報処理端末3からの指示により、情報を引き出すことでゲーム等のアプリを実行する。すなわち、ユーザ2が使用する情報処理装置が違っていても利用するアカウントが同じであれば、同じゲームデータを進行させることが可能である。もちろん、セキュリティの観点から、第1情報処理端末3のハードウェア固有の識別情報(例えば、物理アドレス等である。)を用いて、登録された所定の情報処理装置からしかアカウントを利用できないようにしてもよい。
【0014】
なお、アカウントは、メールアドレス、Social Networking Service(SNS)、電話番号、又は、生体情報等のセキュリティ情報と紐づけてよい。そして、ログイン等において、事前にアカウントに紐づけされている情報を用いて、ユーザ2を認証する。このようにして、アカウントを使用する際におけるセキュリティを確保する。
【0015】
また、同じアカウントに関連付けられた他のサービスのデータは、適宜連携させることができる。
【0016】
第1情報処理端末3は、GNSSにより、位置情報を取得する。具体的には、衛星5が上空から第1情報処理端末3の位置を計測した結果を第1情報処理端末3に送って、第1情報処理端末3が現在位置を示す位置情報を取得する。なお、位置情報は、サーバ4を介する等で取得されてもよい。また、位置情報は、実行中のアプリのアカウントに関連付けられる。
【0017】
なお、システム1の構成は、上記以外の装置があってもよい。例えば、システム1には、サーバ4がなく、第1情報処理端末3だけで構成する、所謂スタンドアロン型の構成でもよい。一方で、システム1は、例えば、サーバ4が複数ある構成等でもよい。
【0018】
[情報処理装置の例]
図2は、情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。例えば、第1情報処理端末3、及び、サーバ4は、図示するようなハードウェア構成の情報処理装置である。ただし、第1情報処理端末3、及び、サーバ4は、異なるハードウェア構成であってもよい。以下、第1情報処理端末3を例に説明する。
【0019】
第1情報処理端末3は、Central Processing Unit(以下「CPU3H1」という。)、記憶装置3H2、センサ3H3、入出力装置3H4、及び、通信装置3H5を有するハードウェア構成である。
【0020】
CPU3H1は、演算装置、及び、制御装置の例である。したがって、CPU3H1は、プログラムに基づき、各種の処理、及び、制御を行う。
【0021】
記憶装置3H2は、データ等を記憶する主記憶装置(揮発性である。)である。また、記憶装置3H2は、Solid State Drive(SSD)、又は、ハードディスク等の補助記憶装置(不揮発性である。)を有してもよい。
【0022】
センサ3H3は、センシングにより、位置情報等を取得する。なお、センサ3H3は、取得する情報の種類によって異なる。また、センサ3H3は、複数であってもよい。
【0023】
入出力装置3H4は、ユーザ2による操作を入力する、及び、ユーザ2に対して処理結果を出力する装置である。具体的には、入出力装置3H4は、タッチパネル等である。ただし、入出力装置3H4は、入力装置、及び、出力装置の組み合わせ等でもよい。
【0024】
通信装置3H5は、外部装置とデータを送受信する。例えば、通信装置3H5は、アンテナ等である。ただし、通信装置3H5は、有線通信を用いてもよい。
【0025】
なお、情報処理装置のハードウェア構成は、上記の構成に限られない。例えば、第1情報処理端末3は、演算装置、制御装置、記憶装置、入力装置、出力装置、及び、補助装置を外部、又は、内部に更に備えてもよい。
【0026】
[イベントの例]
図3は、イベントの進行例を示す図である。以下、イベントの進行がゲーム、すなわち、仮想空間内に反映される例で説明する。
【0027】
例えば、第1情報処理端末3は、ゲームのアプリを起動し、ユーザ2の進行情報が記録されたアカウントを利用してゲームを進行させる。なお、ユーザ2が選択可能なアカウントが複数存在する場合、ユーザ2にどのアカウントを利用してゲームの実行を始めるか選択させる。
【0028】
また、この起動時等に、ユーザ2のアカウントと情報処理端末が取得する位置情報等のセンサ情報の同期を行う。次に、ゲーム画面10を出力して、ユーザ2にイベントの進行を表示する。具体的には、ユーザ2が現実空間において移動すると、仮想空間内におけるキャラクタ11(オブジェクトの一例である。)が移動するイベントが進行する。すなわち、ゲームでは、ユーザ2の位置情報に応じて、キャラクタ11の移動というイベントが進行する。
【0029】
位置情報に基づき、例えば、ユーザ2が「北に1m(歩行によって)移動」したと判定されると、キャラクタ11が「(仮想空間内の)北に100歩移動」のように、ユーザ2の移動する方角(進行方向等でもよい。)、距離(歩数等でもよい。)、速度、及び、高低差等が考慮されて、仮想空間上に反映される。
【0030】
なお、イベントは、キャラクタ11の移動に限られず、事前に設定するゲーム上の他のイベントでもよい。例えば、イベントは、キャラクタ11の移動中に、アイテム12の取得、目的地への到達、拠点の制圧、他のユーザとの対戦、他のユーザとの共同作業、又は、敵キャラクタ13との戦闘等があってもよい。
【0031】
ただし、アイテム12、及び、敵キャラクタ13等は、事前に仮想空間上のマップに配置され、キャラクタ11の移動結果に応じて、アイテム12の取得等のイベントが生じる。
【0032】
したがって、イベントが進行すると、仮想空間内におけるキャラクタ11の位置が変化、キャラクタ11のパラメータが変化(例えば、キャラクタ11の回復、又は、強化等である。)、又は、ストーリが変化等が生じる。
【0033】
[シーケンス例]
図4は、全体処理例を示すシーケンス図である。例えば、全体処理は、以下のような手順で実行される。
【0034】
ステップS01では、第1情報処理端末3は、位置情報(以下「第1位置情報」という。)を取得する。第1位置情報の取得方法等は事前に設定される。なお、第1位置情報は、実行中のアプリのアカウントに関連付けられる。
【0035】
ステップS02では、第1情報処理端末3は、第1位置情報が取得できない場合(図において「第1位置情報が取得できない場合」と判断された場合である。)、第1位置情報とは異なる位置情報(以下「第2位置情報」という。)を取得する。
【0036】
第2位置情報は、第1位置情報と同じように、実行中のアプリのアカウントに関連付けられる。また、アカウントには、「第1位置情報が取得できない」等の判断結果も関連付けして記憶されてもよい。
【0037】
ステップS03では、第1情報処理端末3は、サーバ4に、第1位置情報、又は、第2位置情報を送信する。すなわち、第1情報処理端末3は、第1位置情報を取得できた場合には、第1位置情報をサーバ4に送信する。一方で、第1情報処理端末3は、第1位置情報を取得できなかった場合には、第2位置情報をサーバ4に送信する。
【0038】
ステップS04では、サーバ4は、第1情報処理端末3に、第1位置情報、又は、第2位置情報の反映結果を送信する。すなわち、ステップS04は、ステップS03による送信に対する返信となる。
【0039】
ステップS05では、第1情報処理端末3は、反映結果に基づき、イベントを進行させる。すなわち、ステップS05では、第1位置情報、又は、第2位置情報を反映させたゲームの進行結果が第1情報処理端末3によって、ユーザ2に表示される。なお、イベントの進行状況、又は、イベントの進行結果等は、実行中のアプリのアカウントに関連付けられる。
【0040】
第1位置情報は、例えば、GNSSにおける衛星5と通信を行って取得される。例えば、第1情報処理端末3が地下に位置する、又は、人が多くいる場(例えば、花火会場、又は、満員電車等である。)であると、第1情報処理端末3は、第1位置情報を取得できない場合がある。
【0041】
そこで、第1位置情報を取得できない場合(何度かリトライしてもよい。)、第1情報処理端末3は、第2位置情報に切り替える。
【0042】
第1位置情報、及び、第2位置情報の切り替え(第1位置情報から第2位置情報に切り替え、及び、第2位置情報から第1位置情報に切り替えの両方を含む。図4ではステップS02等が該当する。)は、事前の設定に基づき、自動的に実行されるのが望ましい。すなわち、第1位置情報、及び、第2位置情報の切り替えは、ユーザ2の操作がなく実行されるのが望ましい。
【0043】
ユーザ2の操作を必要とせず、第1位置情報、及び、第2位置情報の切り替えが実行されると、ユーザ2が第1情報処理端末3の画面を見る等の行動を減らすことができ、所謂「歩きスマホ」を少なくできる。
【0044】
第1位置情報、及び、第2位置情報をどのように取得する等は事前に設定される。なお、第1位置情報、及び、第2位置情報は、複数種類の組み合わせ等でもよい。
【0045】
[第1位置情報、及び、第2位置情報の例]
第1位置情報は、例えば、GNSSを利用して取得される位置情報である。なお、第1位置情報は、GNSSによる位置情報をセンサデータ等によって補正した位置情報等でもよい。したがって、第1位置情報は、GNSS以外を利用して取得される位置情報でもよい。
【0046】
第2位置情報は、例えば、カメラによる位置判定結果、第1位置情報とは異なる衛星で取得する位置情報、歩数計による計測結果、加速度センサによる計測結果、地磁気の計測結果、気圧センサによる計測結果、無線による位置特定結果、生体情報(例えば、発汗量、又は、カロリー消費量等である。)の変化に基づく移動量に換算した位置情報、又は、これらの組み合わせである。
【0047】
第1位置情報と第2位置情報は、どちらもユーザ2の位置を特定する情報であるが、情報を生成する方法が異なる。例えば、第1位置情報と第2位置情報は、情報源、又は、異なる種類のセンサで生成される。したがって、何らかの理由により、第1位置情報用のセンサ等が情報を生成できない場合であっても、第2位置情報用のセンサであれば、情報の生成が可能な場合がある。
【0048】
このように、第1位置情報と第2位置情報は、同一のユーザ2における同一の時点を示す関係である。ゆえに、第1位置情報と第2位置情報は、例えば、どちらもGPSを利用して生成し、かつ、計測を行った時点のみが異なる位置情報の組み合わせ等ではない(これはどちらも第1位置情報となる場合である)。したがって、どのようにして第1位置情報、及び、第2位置情報を生成するかは事前に設定されるが、第2位置情報は、第1位置情報が使用できない環境下でも取得できる可能性が高いセンサ等で生成されるのが望ましい。
【0049】
カメラによる位置判定は、例えば、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)等である。すなわち、第1情報処理端末3がカメラを備える場合、カメラでユーザ2の周辺を撮影する。撮影後、撮像データに基づき、周辺にある建物等を画像認識する。このような画像認識が行われると、周辺に存在する建物等が特定できるため、建物等の住所、及び、位置関係等によって、ユーザ2の位置、及び、進行方向等が特定できる。
【0050】
第1位置情報とは異なる衛星で取得する位置情報は、例えば、第2位置情報は、準天頂衛星を利用して取得される等である。日本国である場合、準天頂衛星を利用するシステムは、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System)等である。例えば、第1位置情報がGPS(Global Positioning System)を利用する場合、第2位置情報、すなわち、第1位置情報とは異なる衛星を利用して位置情報を取得すると、第1位置情報は取得できなくとも、第2位置情報は取得できる場合がある。
【0051】
歩数計による計測結果、加速度センサによる計測結果、地磁気の計測結果、又は、気圧センサによる計測結果は、例えば、第1位置情報が取得できた最後の位置から、その後、歩数計、又は、加速度センサ等のセンサでユーザ2の動作を計測して計測結果を加えて現在位置(すなわち、第2位置情報とする。)と推測する。
【0052】
もし、歩数計等では、進行方向が不明とする場合には、最後の位置までの進行方向がその後も同じであると仮定して現在位置を推定してもよい。一方で、地磁気、又は、気圧等によって、高低差、又は、進行方向等が特定できる場合には、最後の位置までの進行速度がその後も同じであると仮定して現在位置を推定してもよい。
【0053】
無線は、例えば、Wi-Fi(登録商標)、又は、Bluetooth(登録商標)等である。すなわち、無線を用いると、電波が届く範囲等に基づき、位置、及び、方向を特定できる場合がある。具体的には、Bluetooth(登録商標)では、受信角度(AoA:Angle of Arrival)、及び、放射角度(AoD:Angle of Departure)等で方向が特定できる。このように、特に屋内では、ユーザ2の位置等を特定するのに無線を用いると、精度良く特定できる場合が多い。
【0054】
なお、無線の規格等は、上記以外の近距離通信用の規格等でもよい。
【0055】
位置情報の生成には、上記以外のセンサ情報が用いられてもよい。例えば、位置情報の生成には、音、光、電波、又は、速度等を計測するセンサによる計測結果が用いられてもよい。
【0056】
また、第1位置情報、及び、第2位置情報は、複数のデータから平均値等の統計値を計算して生成されてもよい。
【0057】
図5は、第2位置情報の使用例である。例えば、ユーザ2は、第1情報処理端末3を携帯して移動しているとする。
【0058】
ユーザ2が移動し、ある位置に到達した時点(以下「第1時点T1」という。)から、第1位置情報が取得できなくなるとする。例えば、第1時点T1は、ユーザ2が地下道に入った時点等である。
【0059】
第1時点T1から、次に第1位置情報の取得を再開できる時点(以下「第2時点T2」という。)までは、第1情報処理端末3は、第1位置情報に代えて、第2位置情報を取得する。したがって、第1時点T1から第2時点T2までの間は、第2位置情報に基づき、ゲームが進行する。
【0060】
そして、第2時点T2、例えば、ユーザ2が地下道から出た時点になると、第1位置情報の取得が再開される。したがって、第2時点T2以降、すなわち、第1位置情報の取得が再開された場合、第1情報処理端末3は、第1位置情報に基づき、ゲームを進行する。
【0061】
なお、第2位置情報を用いる場合は、第1位置情報を取得できていた場合を条件にするのが望ましい。すなわち、第2位置情報を用いるのは、直前まで第1位置情報が取得できていた場合に限るのが望ましい。
【0062】
最初から第1位置情報が取得できない状態でゲームが開始された場合は、第1位置情報を意図的に取得できないようにしている場合があり、ゲームにおいて不正の操作となる可能性がある。したがって、図5に示す第1時点T1までの時間のように、第1位置情報でゲームを進行させた履歴があるのを条件に、第1情報処理端末3は、第2位置情報を用いるように切り替える。このような第1位置情報を取得した履歴があるのを条件にすると、不正を防ぐことができる。
【0063】
なお、履歴は、ゲームの進行のバックグラウンドで位置情報が第1位置情報であるか第2位置情報であるか等を時刻と伴に記録される。
【0064】
[移動履歴情報の例]
図6は、移動履歴情報の例を示す図である。例えば、移動履歴情報は、過去ルート20のように記憶される。なお、図6に示す地図は、現実空間の地図である。
【0065】
過去ルート20は、第1ルート21、第2ルート22、及び、第3ルート23で構成されるとする。そして、第1ルート21、第2ルート22、及び、第3ルート23のうち、第1ルート21、及び、第3ルート23が第1位置情報に基づいて特定されたルートであるとする。一方で、第2ルート22は、第2位置情報に基づいて特定されたルートであるとする。
【0066】
例えば、ユーザ2が第1地点P1で地下道に入り、その後、第2地点P2で地下道から出るようなルートを歩くと、過去ルート20が記録される。すなわち、過去ルート20は、第1地点P1から第2地点P2の間、第2位置情報が使用される例である。
【0067】
過去ルート20が記録されている場合、第1情報処理端末3は、第2位置情報として、過去ルート20を用いてよい。
【0068】
例えば、第1地点P1付近までは、第1位置情報が取得でき、かつ、第2地点P2付近で第1位置情報の取得が再開できた場合には、第1情報処理端末3は、記録しているルート(群)データを検索する。そして、第1情報処理端末3は、第1位置情報が取得不可となった地点、及び、第1位置情報が取得再開となった地点が近しいを同様のルートと推定する。そして、第1情報処理端末3は、推定された過去ルート20を今回も同様の移動をしたと推定し、第2位置情報とする。このような移動履歴情報に基づく推定結果を使用できると、第1情報処理端末3は、センサ等を使用しなくともイベントを進行させることができる。
【0069】
なお、過去ルート20は、複数(例えば、3回以上等である。)記録がある場合に限定されるのが望ましい。複数の同様の過去ルート20が記録されるのは、ユーザ2が同様のルートを高い頻度で使用する場合である。
【0070】
具体的には、複数の同様の過去ルート20が記録されるのは、所謂「通勤路」、又は、「通学路」等であって、ユーザ2が日常生活等でよく使用するルートである。このようなルートであれば、推定結果と実際にユーザ2が移動したルートが一致する可能性が高い。
【0071】
すなわち、複数の移動履歴情報がある場合、第1地点P1及び第2地点P2等のような第1位置情報によって特定できる情報で、第1位置情報が取得できない間の位置情報を移動履歴情報に基づく推定結果で精度良く補うことができる。
【0072】
なお、ルートの判定等は、例えば、Artificial Intelligence(AI、人工知能)等が用いられてもよい。すなわち、AIにルートを事前に学習させ、学習済みモデルがどのようなルートを取るか推定する構成であってもよい。
【0073】
[第2位置情報の使用制限例]
第2位置情報を用いるのは、時間、回数、又は、移動量の制限があるのが望ましい。また、第2位置情報を用いたイベントの進行(以下、第2位置情報に基づいて進行するイベントの進行度合いを「イベントの進行度」という。)は、制限されるのが望ましい。
【0074】
例えば、第2位置情報を用いる時間が制限される。制限時間は、例えば、「1時間」等のように事前に設定される。このような制限がある場合には、第2位置情報を用いたゲームの進行は、最大1時間である。つまり、この制限では、第1位置情報が取得できない時間は、第1位置情報が取得できない状態になってから最大1時間の間、第2位置情報が代わりに用いられる。
【0075】
同様に、回数を制限する場合には、例えば、第2位置情報を用いてイベントを進行させる1日における回数を制限する等である。なお、制限を行う単位は、「日(1日)」に限られず、時間、月、地理的な範囲、又は、距離等で制限してもよい。
【0076】
移動量は、例えば、第2位置情報に基づいてキャラクタ11を仮想空間内において移動させる距離等である。なお、移動量は、ユーザ2が現実空間で移動する量、すなわち、第2位置情報で計測された距離等でもよい。
【0077】
イベントの進行度は、例えば、第2位置情報に基づいて進行させるイベントの数等である。具体的には、イベントをアイテムの取得とすれば、第2位置情報に基づいて取得できるアイテムの数等が制限される。ほかにも、例えば、イベントにおける重要場面(例えば、ボスキャラとの「戦闘」が開始、又は、終了する場面等である。)は、第2位置情報では進行させない等のように進行度を一時的に停止させる制限等でもよい。
【0078】
このように、イベントは、キャラクタ11の仮想空間内における移動、ゲーム内で生じるシナリオ、敵キャラクタ13との「戦闘」、又は、これらの組み合わせ等であり、ゲーム内で生じる出来事であれば種類を問わない。
【0079】
以上のように、第1位置情報の代わりに第2位置情報が使用される時間、回数、移動量、又は、イベントの進行度等が制限されてもよい。
【0080】
第2位置情報は、第1位置情報より位置の精度が低い場合もある。したがって、第2位置情報を長く使用すると、ゲームにおいて不整合が生じる場合がある。例えば、速度、又は、位置等を計測する精度が低いデータに基づき、第2位置情報が生成される場合、ユーザ2が現実的には難しい速度で移動等という場合がある。このような位置情報が長く使用されると、ユーザ2が歩行不可能な位置に位置する等の不整合が生じる場合がある。そこで、第2位置情報の使用には制限がされるのが望ましい。
【0081】
[通知例]
図7は、第2位置情報の使用の通知例を示す図である。第2位置情報を使用している状態は、ユーザ2に通知されるのが望ましい。以下、ゲーム画面10上にメッセージ形式のGraphical User Interface(GUI)を出力して、第2位置情報を使用している状態を通知する例で説明する。ただし、通知は、メッセージ形式に限られない。例えば、通知は、振動、音、光、又は、ゲーム外の機能等による出力でもよい。
【0082】
図7は、図3と比較すると、第1メッセージ14、及び、第2メッセージ15が表示されている点が異なる。以下、異なる点を中心に説明し、重複する説明を省略する。
【0083】
第1メッセージ14は、第1位置情報が取得できない状態であることを通知するGUIである。
【0084】
第2メッセージ15は、第2位置情報を使用してゲームを進行させている状態であることを通知するGUIである。
【0085】
なお、通知は、第1位置情報、及び、第2位置情報の切り替えの際に出力されてもよい。例えば、第2位置情報に切り替えるか否かの切り替え操作用GUI、又は、第2位置情報が複数種類可能である場合には、どの種類を第2位置情報として使用するか等がユーザ2に操作できてもよい。
【0086】
具体的には、第2位置情報が複数種類取得できる場合(例えば、歩数情報と無線による特定情報の両方が可能等である。)、切り替えの際に、種類を選択するボタン等のGUIが表示されてもよい。なお、第2位置情報の種類の選択は、事前に設定できてもよい。例えば、第2位置情報の種類がアカウントに対して関連付けされる。また、選択する第2位置情報の種類に対して、優先して使用する順(所謂「優先度」である。)が設定できてもよい。
【0087】
以上のような通知がされると、ユーザ2に使用している位置情報の種類等を伝えることができる。
【0088】
[第2位置情報によりイベントを進行させることの通知例]
第1位置情報が取得できない場合となり、第1位置情報に代えて第2位置情報を取得してイベントを進行させるように切り替える場合、第1情報処理端末3は、第1位置情報から第2位置情報に切り替えたことをユーザ2に通知するのが望ましい。
【0089】
通知は、第2メッセージ15のように視覚情報(例えば、ポップアップ、メール、又は、点滅等も含む。)以外の形式でもよい。具体的には、通知は、振動等の触覚情報でもよい。ほかにも、通知は、音声等の聴覚情報でもよい。このように、第1位置情報から第2位置情報への切り替えを知らせる通知があると、ユーザ2は、位置情報が切り替わったのを気づくことができる。
【0090】
なお、第1位置情報から第2位置情報への切り替えは、ユーザ2に問い合わせをして、ユーザ2が許可した場合に切り替えが実行されてもよい。
【0091】
例えば、第1情報処理端末3は、第1位置情報から第2位置情報への切り替えを知らせる通知と一緒に、第1位置情報から第2位置情報への切り替えを許可するか否かを操作するGUIが表示する。例えば、GUIは、「許可ボタン」と「拒否ボタン」を表示する。
【0092】
そして、ユーザ2が「許可ボタン」を押す、すなわち、第1位置情報から第2位置情報への切り替えを許可すると、第1情報処理端末3は、第1位置情報から第2位置情報への切り替えを行う。このように、第1位置情報から第2位置情報への切り替えを許可するか否かをユーザ2に操作させると、ユーザ2が意図しない位置情報が使用されるのを防ぐことができる。
【0093】
なお、第1位置情報から第2位置情報への切り替え、又は、第2位置情報から第1位置情報への切り替えは、切り替えを禁止する時間帯があってもよい。第1位置情報から第2位置情報への切り替え、及び、第2位置情報から第1位置情報への切り替えが頻発すると、処理が複雑になりやすい。したがって、第1位置情報から第2位置情報への切り替えがされた後、第1位置情報が取得できるようになっても、しばらくの間は、直ぐに第2位置情報から第1位置情報への切り替えをせず、第2位置情報でイベントを進行させる状態が続いてもよい。
【0094】
[第2位置情報による移動量と、第1位置情報による進行方向の組み合わせ例]
イベントの進行は、第1位置情報が取得できない場合、第2位置情報による移動量と、第1位置情報による進行方向の組み合わせで進行されてもよい。
【0095】
例えば、第2位置情報の種類が歩数情報等の場合には、第2位置情報から移動量に換算が可能であっても、第2位置情報から進行方向が特定しづらい場合がある。
【0096】
このような場合には、直近の第1位置情報(例えば、最後に取得できた位置情報を記憶しておく。)に基づいて進行方向を特定する。その後に第1位置情報が取得できない場合、進行方向は維持されているとする。一方で、移動量は、第2位置情報から換算する。このように、第2位置情報による移動量と、第1位置情報による進行方向の組み合わせでイベントを進行させてもよい。
【0097】
ただし、第2位置情報によって進行方向が補正されてもよい。第2位置情報は、種類によって進行方向を示す情報を含む場合がある。以下、第1位置情報に基づいて特定される進行方向を「第1進行方向」という。一方で、第2位置情報に基づいて特定される進行方向を「第2進行方向」という。例えば、加速度センサ等を用いて第2位置情報を生成すると、第2位置情報は、第2進行方向を示すことができる。
【0098】
具体的には、第1進行方向が「北」を示す例とする。一方で、第2進行方向が「東」を示すとする。このような場合には、第1進行方向が補正されて「北東」の進行方向となる。この例は、第1進行方向と第2進行方向の間に補正する例であるが、補正は、これに限られない。例えば、基準となる第1進行方向を高い重みにして、第1進行方向寄りに補正してもよい。この例では、「北北東」等のように補正した進行方向となる。
【0099】
また、第1進行方向を最初は基準にし、時間経過に伴い徐々に第2進行方向の方へ進行方向を補正していってもよい。
【0100】
[報酬の保留例]
図8は、報酬の例を示す図である。例えば、ユーザ2の移動が反映されて、キャラクタ11が報酬ポイント31を通過、又は、到達すると、ゲームにおける報酬が付与されるとする。なお、報酬ポイント31は事前に設定される。
【0101】
報酬は、例えば、キャラクタ11が回復する等である。報酬ポイント31が所謂「回復ポイント」である。なお、報酬はキャラクタ11の回復に限られない。例えば、報酬は、何らかのアイテムが得られる、経験値等のポイント(ゲーム内で使用できる通貨等でもよい。)が得られる、キャラクタ11のパラメータが向上する、キャラクタ11のパラメータが一時的に向上する(所謂「バフ」がかかる状態をいう。)、又は、イベントが進行する(所謂「チェックポイント」である。)等でもよい。
【0102】
図9は、報酬の保留例を示す図である。以下、図5の同様の時点で第1位置情報の取得状態が変化する例で説明する。また、図9において、報酬ポイント31を通過する時点を「第3時点T3」とする。
【0103】
第1位置情報が取得できない、すなわち、第1時点T1から第2時点T2までを「エラー」とする。そして、エラー状態中は、報酬の付与が保留とされるのが望ましい。なお、保留されるのは、報酬に限られず、第2位置情報に基づくキャラクタ11の移動(移動量等である。)、又は、その他のイベントも保留されてもよい。
【0104】
したがって、保留状態では、報酬による効果がエラー状態中は反映されない。例えば、第3時点T3で付与される報酬がキャラクタ11の回復である場合には、保留状態では、キャラクタ11は体力等が回復する前の状態である。
【0105】
保留状態となった後、エラーが解除されると(図9における第2時点T2である。)、第1情報処理端末3は、保留状態である報酬を付与するか否かを判定条件に基づき追加して付与する。具体的には、第3時点T3で付与される報酬がキャラクタ11の回復である場合には、判定条件を満たす場合には、キャラクタ11は体力が第2時点T2で回復したと遡及して効果を付与する。
【0106】
判定条件は事前に設定される。例えば、判定条件は、エラーの時間、第3時点T3におけるキャラクタ11の強さ、第3時点T3で遭遇する敵キャラクタ13の強さ、又は、ユーザ2の操作内容(タップの速さ等である。)を考慮する。
【0107】
つまり、判定条件は、エラーでなければ、報酬が付与されたであろうとする現実性を判定する。したがって、第3時点T3におけるキャラクタ11の強さでは勝てない敵キャラクタ13と遭遇した場合では、判定条件に基づき、敵キャラクタ13を倒した場合の報酬は付与されない。
【0108】
以上のように、判定条件に基づいて報酬が付与されると、保留されている報酬のうち、現実的に取得可能な報酬が選別されて付与される。したがって、エラーを利用して不正に高い報酬を取得する等の行為を防ぐことができる。
【0109】
上記のように付与される報酬は、上限値が設定されるのが望ましい。すなわち、保留状態の報酬が上限値以上の値である場合、かつ、報酬が判定結果により付与される場合、報酬は、上限値が付与される。このように、保留状態の報酬は、上限値以外の値が付与されないように制限されるのが望ましい。
【0110】
特に保留状態の期間が長い場合、保留されていた報酬が一気に大量に付与されると、一気に状況が変化してしまう場合がある。このような状況になると、ユーザ2は、状況を把握できずに混乱する場合がある。したがって、上限値を設定して、キャラクタ11のステータス等が余りに急激に変化するのを防げるのが望ましい。
【0111】
また、報酬は、過去の報酬履歴を統計処理した統計結果に基づいて付与されるでもよい。例えば、報酬が経験値等の付与(以下付与される値を「付与値」という。)であるとする。まず、事前に、過去の報酬履歴には、過去に数か所の報酬ポイント31(報酬ポイント31の位置は異なる位置でもよい。)通過による付与値が記録される。なお、過去の報酬履歴は、ユーザ2に限られず、付近の他ユーザ、又は、同様のレベルの他ユーザの過去の報酬履歴を参照したデータでもよい。
【0112】
次に、複数の付与値が統計処理される。例えば、統計処理は、平均値、中央値、又は、移動平均値等を計算する処理である。したがって、統計処理により、過去の報酬履歴に基づき、平均値等といった統計結果が計算される。なお、どのような統計処理を行うかは事前に設定される。
【0113】
このような統計結果が得られると、過去に付与された実績のある付与値に近しい値が報酬として付与される。ゆえに、保留状態の報酬に基づき、過去に実績のないような大きな値が付与される等の例外的な報酬が付与されるといった事態が起きるのを防ぐことができる。
【0114】
[バーチャルパットの例]
図10は、バーチャルパットの例を示す図である。以下、図7と同様に、第1位置情報が取得できない状態である例で説明する。
【0115】
第1位置情報が取得できない状態下において、第1情報処理端末3は、操作用のGUI(以下「バーチャルパット32」の例とする。)を出力してもよい。なお、操作を入力するインタフェースは、バーチャルパット32に限られない。例えば、インタフェースは、ゲームコントローラ等のハードウェア等もよい。又は、インタフェースは、音声認識による音声入力、手振り等のジェスチャ入力、視線検知による視線入力等でもよい。
【0116】
バーチャルパット32は、ユーザ2の操作を入力するGUIである。例えば、バーチャルパット32上にユーザ2の指が触れると、方向等が入力される。
【0117】
このようにして、エラー中は、バーチャルパット32等でユーザ2の進行方向、又は、移動量等が入力されてもよい。
【0118】
バーチャルパット32の形状、出力範囲、及び、出力タイミングは上記以外でもよい。すなわち、GUIは、他の種類でもよい。
【0119】
なお、バーチャルパット32による入力量、入力回数、又は、入力時間等は制限されるのが望ましい。例えば、制限なくバーチャルパット32で移動量が入力できると、実際には数キロメートルの移動量が必要の内容を数メートルの移動量であってもバーチャルパット32で数キロメートルの移動量と入力する不正等ができる場合がある。ゆえに、バーチャルパット32による入力量、入力回数、又は、入力時間等を制限すると、不正な操作による影響を少なくできる。
【0120】
[第2情報処理端末を用いる変形例]
図11は、第2情報処理端末を用いる変形例を示す図である。図11は、図1に示すシステム構成と比較すると、第2情報処理端末6が追加される構成である点が異なる。以下、異なる構成について説明する。
【0121】
第2情報処理端末6は、例えば、時計型の情報処理装置である。すなわち、第2情報処理端末6は、ユーザ2が装着する形態であるのが望ましい。
【0122】
第2情報処理端末6は、例えば、心拍計、又は、振動センサ等のセンサを備えるハードウェア構成である。なお、第2情報処理端末6は、第1情報処理端末3とは異なるセンサを備えるハードウェア構成、又は、異なる種類のデータを計測できる情報処理装置であるのが望ましい。ただし、第2情報処理端末6は、運動器具、又は、体重計等でもよい。すなわち、第2情報処理端末6は、ユーザ2の所有物に限られず、少なくとも一時的に接続が可能な情報処理装置でもよい。また、第2情報処理端末6は、複数の装置であってもよい。
【0123】
第1情報処理端末3は、ネットワークを介して、又は、近距離通信等によって第2情報処理端末6と接続する。したがって、第1情報処理端末3は、第2情報処理端末6からユーザ2に関する情報(以下「外部情報」という。)を取得する。なお、外部情報は、サーバ4を介して取得されてもよい。
【0124】
例えば、第2情報処理端末6がユーザ2の心拍数等を計測できる場合、心拍数等の生体情報に基づき、ユーザ2の状態(例えば、歩行している状態か、又は、走っている状態か等である。)が推定できる。
【0125】
外部情報は、例えば、ユーザ2の移動速度、ユーザ2の歩数、又は、ユーザ2の移動状態等を示すセンサデータ等である。また、外部情報は、ユーザ2の移動速度、ユーザ2の歩数、又は、ユーザ2の移動状態等を直接計測した結果に限られず、センサデータに基づく推定結果でもよい。
【0126】
このように、外部情報が取得できると、ユーザ2の位置、又は、状態等が精度良く推定できる。なお、外部情報は、そのまま第2位置情報となってもよいし、第2位置情報を生成する上で補助的な情報となってもよい。ゆえに、第2位置情報を生成する上で、外部情報を使用できると、第1情報処理端末3は、ユーザ2の位置等が精度良く特定できる。
【0127】
以上の構成において、第1情報処理端末3のように、第1位置情報を取得する機器を「第1機器」とする。一方で、第2情報処理端末6のように、第2位置情報を取得し、かつ、第1情報処理端末3と連携する機器を「第2機器」とする。
【0128】
第1機器、及び、第2機器は、情報処理装置でなくともよい。例えば、第1機器、及び、第2機器は、センサ等でもよい。また、第1機器、及び、第2機器は、第1位置情報、及び、第2位置情報の生成方法等により異なる。
【0129】
そして、第1機器、及び、第2機器が演算装置等を有さないハードウェア構成であり、かつ、第1機器、及び、第2機器によるセンシング結果に基づき、第1機器、及び、第2機器に接続する情報処理装置が演算を行って第1位置情報、及び、第2位置情報を生成する構成等でもよい。
【0130】
[機能構成例]
図12は、機能構成例を示す図である。例えば、第1情報処理端末3は、第1位置情報取得部3F1、第2位置情報取得部3F2、切り替え部3F3、及び、イベント進行部3F4等を備える機能構成である。
【0131】
第1位置情報取得部3F1は、第1位置情報を取得する第1位置情報取得手順を行う。例えば、第1位置情報取得部3F1は、通信装置3H5等で実現する。
【0132】
第2位置情報取得部3F2は、第2位置情報を取得する第2位置情報取得手順を行う。例えば、第2位置情報取得部3F2は、センサ3H3等で実現する。
【0133】
切り替え部3F3は、第1位置情報が取得できない場合、イベント進行部3F4が使用する位置情報を第1位置情報から第2位置情報に切り替える切り替え手順を行う。例えば、切り替え部3F3は、CPU3H1等で実現する。
【0134】
イベント進行部3F4は、第1位置情報、又は、第2位置情報に基づき、イベントを進行させるイベント進行手順を行う。例えば、イベント進行部3F4は、CPU3H1等で実現する。
【0135】
以上のような構成であると、GPSが遮断される等によって第1位置情報が取得できない場合でも、第2位置情報を代わりにしてイベントを進行させることができる。例えば、位置情報を利用するゲームにおいて、第1位置情報が取得できない状態下では、移動量が反映されない、アイテムの取得が反映されない、又は、ゲームにおけるストーリの展開に不整合が生じるといった位置情報取得の状態による不具合が生じる場合がある。
【0136】
一方で、第2位置情報を代用してイベントが進行できると、位置情報取得の状態による不具合が生じるのを防ぐことができる。
【0137】
[その他の実施形態]
イベントは、ゲームにおける場合に限られない。例えば、イベントは、スマートフォンにおける飲食店用のアプリケーションソフト等における処理でもよい。例えば、アプリケーションソフトがユーザ2の位置を認証して、クーポンを付与する等のイベントを実行する場合に本発明が適用されてもよい。
【0138】
仮想空間は、ゲームに限られない。例えば、仮想空間は、メタバース等でもよい。メタバースとは、「メタ(meta、超越)」と「ユニバース(universe、宇宙、世界)」を組み合わせた言葉である。そして、メタバースは、多人数が参加可能であって、参加者がその中で自由に行動できるコンピュータネットワーク上の3次元仮想空間等をいう。したがって、ユーザ2が操作可能なキャラクタは、メタバース空間におけるアバター等でもよい。
【0139】
前述の処理、及び、本実施形態で実行される処理に用いるデータは、情報処理システムによって実行、及び、記憶されてもよい。例えば、情報処理システムは、処理又は記憶を冗長、分散、並列、又は、これらの組み合わせを実現するため、複数の情報処理装置で実行又は記憶してもよい。したがって、本発明は、前述に示すハードウェア構成以外の装置、及び、前述に示す装置以外のシステムで実現されてもよい。
【0140】
また、本発明に係るプログラムは、単一のプログラムに限定されず、複数のプログラムの集合体でもよい。本発明に係るプログラムは、単一の装置で実行されるものに限定されず、複数の情報処理装置で分担して実行されてもよい。更に、各情報処理装置の役割分担は、前述の例に限定されない。すなわち、前述した情報処理方法の一部、又は、全部が前述した情報処理装置とは異なる情報処理装置が実行してもよい。
【0141】
更に、プログラムによって実現される各部の一部、又は、全部は、集積回路等のハードウェアで実現することもできる。更に、プログラムは、コンピュータによって読み出し可能な非一過性の記録媒体に記録されて提供されてもよい。記録媒体とは、例えば、ハードディスク、SDカード(登録商標)、DVD等の光学ディスク、又は、インターネット上のサーバ等を指す。したがって、プログラムは、インターネット等の電気通信回線を介して配信されでもよい。
【0142】
また、情報処理システムを構成する情報処理装置等は、海外にあってもよい。
【0143】
なお、本発明は、前述に例示する各実施形態に限定されない。したがって、本発明は、技術的な要旨を逸脱しない範囲で、構成要素の追加、一部削除、各実施形態の組み合わせ、又は、変形が可能である。ゆえに、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項のすべてが本発明の対象となる。なお、前述に例示する実施形態は、実施において好適な具体例である。そして、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現可能であって、このような変形例は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【0144】
[付記] 本発明は、以下の発明を含む。
【0145】
<1>
コンピュータに、
ユーザが利用するアカウントに関連付けられた第1位置情報によりイベントを進行させ、
前記第1位置情報が取得できない場合、前記第1位置情報とは異なる第2位置情報を入力する操作を受け付け、
前記第2位置情報により、前記イベントを進行させる
プログラム。
【0146】
<2>
前記第1位置情報が取得できなくなった後、前記第1位置情報の取得が再開された場合、
前記第1位置情報により、前記イベントを進行させる
<1>に記載のプログラム。
【0147】
<3>
前記第2位置情報によって前記イベントを進行させる場合、
前記イベントの進行度、時間、回数、又は、移動量の制限がある
<1>に記載のプログラム。
【0148】
<4>
前記第1位置情報が取得できていない間に取得した報酬を保留状態とし、
前記第1位置情報が再度取得可能になった場合、前記保留状態の前記報酬を付与するか否かを判定条件に基づき判定し、
前記判定条件を満たす場合、前記保留状態の前記報酬が追加して付与される
<1>に記載のプログラム。
【0149】
<5>
前記保留状態の前記報酬を追加して付与する場合、
前記報酬の上限値が設定される
<4>に記載のプログラム。
【0150】
<6>
前記第2位置情報によって前記イベントを進行させる場合、
前記第2位置情報により前記イベントを進行させることを通知する
<1>に記載のプログラム。
【0151】
<7>
ユーザが操作する第1情報処理端末を有するシステムであって、
前記第1情報処理端末は、
前記ユーザが利用するアカウントに関連付けられた第1位置情報によりイベントを進行させ、
前記第1位置情報が取得できない場合、前記第1位置情報とは異なる第2位置情報を入力する操作を受け付け、
前記第2位置情報により、前記イベントを進行させる
システム。
【0152】
<8>
ユーザが操作するコンピュータが実行する情報処理方法であって、
前記ユーザが利用するアカウントに関連付けられた第1位置情報によりイベントを進行させる手順と、
前記第1位置情報が取得できない場合、前記第1位置情報とは異なる第2位置情報を入力する操作を受け付ける手順と、
前記第2位置情報により、前記イベントを進行させる手順と
を含む情報処理方法。
【0153】
上記<1>乃至<8>の発明は、例えば、図10等に示す記載に基づく発明である。
【0154】
<9>
コンピュータに、
ユーザが利用するアカウントに関連付けられた第1位置情報によりイベントを進行させ、
前記第1位置情報が取得できない場合、前記第1位置情報とは異なる第2位置情報により、前記イベントを進行させる
プログラム。
【0155】
<10>
前記第1位置情報を取得した履歴がある場合、
前記第2位置情報により、前記イベントを進行させる
<9>に記載のプログラム。
【0156】
<11>
前記第1位置情報が取得できなくなった後、前記第1位置情報の取得が再開された場合、
前記第1位置情報により、前記イベントを進行させる
<9>に記載のプログラム。
【0157】
<12>
前記第2位置情報によって前記イベントを進行させる場合、
前記イベントの進行度、時間、回数、又は、移動量の制限がある
<9>に記載のプログラム。
【0158】
<13>
前記第1位置情報が取得できていない間に取得した報酬を保留状態とし、
前記第1位置情報が再度取得可能になった場合、前記保留状態の前記報酬を付与するか否かを判定条件に基づき判定し、
前記判定条件を満たす場合、前記保留状態の前記報酬が追加して付与される
<9>に記載のプログラム。
【0159】
<14>
前記保留状態の前記報酬を追加して付与する場合、
前記報酬の上限値が設定される
<13>に記載のプログラム。
【0160】
<15>
前記保留状態の前記報酬を追加して付与する場合、
前記報酬は、
過去の報酬履歴を統計処理した統計結果に基づき付与される
<13>に記載のプログラム。
【0161】
<16>
前記第2位置情報により、前記イベントを進行させる場合、
前記ユーザに対し、前記第2位置情報により前記イベントを進行させる状態であることを通知する
<9>に記載のプログラム。
【0162】
<17>
前記第2位置情報は、
カメラによる位置判定結果、前記第1位置情報とは異なる衛星で取得する位置情報、歩数計による計測結果、加速度センサによる計測結果、地磁気の計測結果、気圧センサによる計測結果、無線による特定結果のうち少なくとも1つ以上である
<9>に記載のプログラム。
【0163】
<18>
前記第2位置情報は、
移動履歴情報に基づく推定結果である
<9>に記載のプログラム。
【0164】
<19>
前記第2位置情報は、
前記第1位置情報を取得する第1機器に連携する第2機器から取得する情報である
<9>に記載のプログラム。
【0165】
<20>
前記第2位置情報によって前記イベントを進行させる場合、
前記第2位置情報により前記イベントを進行させることを通知する
<9>に記載のプログラム。
【0166】
<21>
前記第2位置情報が複数種類取得できる場合であって、
前記第1位置情報が取得できない場合、
前記第2位置情報として使用する種類の選択を受け付けさせる
<9>に記載のプログラム。
【0167】
<22>
前記第1位置情報が取得できない場合、
前記第2位置情報による移動量と、前記第1位置情報による進行方向に基づき、前記イベントを進行させる
<9>に記載のプログラム。
【0168】
<23>
前記第1位置情報が取得できない場合、
前記第2位置情報による移動量と、
前記第1位置情報による第1進行方向を基準にして前記第2位置情報による第2進行方向で補正した進行方向に基づき、前記イベントを進行させる
<9>に記載のプログラム。
【0169】
<24>
ユーザが操作する第1情報処理端末を有するシステムであって、
前記第1情報処理端末は、
前記ユーザが利用するアカウントに関連付けられた第1位置情報によりイベントを進行させ、
前記第1位置情報が取得できない場合、前記第1位置情報とは異なる第2位置情報により、前記イベントを進行させる
システム。
【0170】
<25>
ユーザが操作するコンピュータが実行する情報処理方法であって、
前記ユーザが利用するアカウントに関連付けられた第1位置情報によりイベントを進行させる手順と、
前記第1位置情報が取得できない場合、前記第1位置情報とは異なる第2位置情報により、前記イベントを進行させる手順と
を含む情報処理方法。
【符号の説明】
【0171】
1 :システム
2 :ユーザ
3 :第1情報処理端末
3F1 :第1位置情報取得部
3F2 :第2位置情報取得部
3F3 :切り替え部
3F4 :イベント進行部
4 :サーバ
5 :衛星
6 :第2情報処理端末
10 :ゲーム画面
11 :キャラクタ
12 :アイテム
13 :敵キャラクタ
14 :第1メッセージ
15 :第2メッセージ
20 :過去ルート
21 :第1ルート
22 :第2ルート
23 :第3ルート
31 :報酬ポイント
32 :バーチャルパット
P1 :第1地点
P2 :第2地点
T1 :第1時点
T2 :第2時点
T3 :第3時点
【要約】
【課題】位置情報取得の状態による不具合が生じるのを防ぐ。
【解決手段】プログラムは、コンピュータに、ユーザが利用するアカウントに関連付けられた第1位置情報によりイベントを進行させ、前記第1位置情報が取得できない場合、前記第1位置情報とは異なる第2位置情報により、前記イベントを進行させる。
【選択図】図12
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12