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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】アンテナ用キャビティフィルタ
(51)【国際特許分類】
   H01P 1/207 20060101AFI20240813BHJP
【FI】
H01P1/207 Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023513102
(86)(22)【出願日】2021-08-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-08
(86)【国際出願番号】 KR2021011336
(87)【国際公開番号】W WO2022045754
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-02-22
(31)【優先権主張番号】10-2020-0109262
(32)【優先日】2020-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0111160
(32)【優先日】2021-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】508112782
【氏名又は名称】ケーエムダブリュ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ヘ キム
(72)【発明者】
【氏名】ウォン タイ キム
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0212298(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0074649(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第106129559(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0001571(KR,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2014-0004340(KR,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 1/00-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側が開口し、隔壁によって仕切られた複数のキャビティを有するフィルタ本体と、
前記複数のキャビティそれぞれに設けられる共振バーと、
前記共振バーの一部が挿入されかつ、前記共振バーが前記キャビティに設けられるように用意された共振バーボスと、
前記共振バーボスの内周面と前記共振バーの外周面との間に配置されて、前記キャビティの共振設計時、前記共振バーの挿入方向へのムービングおよびストップ機能を行う公差管理ストッパ部と、
前記共振設計による設計位置に前記公差管理ストッパ部によって仮固定された前記共振バーを、前記共振バーボスに固定するはんだ部と、を含む、アンテナ用キャビティフィルタ。
【請求項2】
前記共振バーボスは、前記キャビティの底面から前記一側方向に突出しかつ、中空の円形のパイプ形状に形成された、請求項1に記載のアンテナ用キャビティフィルタ。
【請求項3】
前記はんだ部は、前記公差管理ストッパ部が外部から隠匿されるように塗布および硬化する、請求項に記載のアンテナ用キャビティフィルタ。
【請求項4】
前記公差管理ストッパ部は、前記共振バーボスの内周面側に挿入される前記共振バーの外周面に一体に形成された、請求項に記載のアンテナ用キャビティフィルタ。
【請求項5】
一側が開口し、隔壁によって仕切られた複数のキャビティを有するフィルタ本体と、
前記複数のキャビティそれぞれに設けられる共振バーと、
前記共振バーの一部が挿入されかつ、前記共振バーが前記キャビティに設けられるように用意された共振バーボスと、
前記共振バーボスの内周面と前記共振バーの外周面との間に配置されて、前記キャビティの共振設計時、前記共振バーの挿入方向へのムービングおよびストップ機能を行う公差管理ストッパ部と、を含み、
前記公差管理ストッパ部は、シワの寄った形状を有しかつ、少なくとも前記共振バーボスの内周面に接する外周面の直径は、前記共振バーボスの内周面に締まり嵌めされる大きさに形成された、アンテナ用キャビティフィルタ。
【請求項6】
前記公差管理ストッパ部は、
前記共振バーの外周面に介在しかつ、外側は前記共振バーボスの内周面を加圧し、内側は前記共振バーの外周面を加圧するシワ部を含む、請求項に記載のアンテナ用キャビティフィルタ。
【請求項7】
前記公差管理ストッパ部は、前記シワ部の一側が円周方向に離隔して切開された複数の切開部をさらに含む、請求項に記載のアンテナ用キャビティフィルタ。
【請求項8】
前記公差管理ストッパ部は、前記シワ部の他側に一体に形成され、前記シワ部と共に前記共振バーの先端を取り囲むように備えられた支持板部をさらに含む、請求項に記載のアンテナ用キャビティフィルタ。
【請求項9】
一側が開口し、隔壁によって仕切られた複数のキャビティを有するフィルタ本体と、
前記複数のキャビティそれぞれに設けられる共振バーと、
前記共振バーの内部に挿入されかつ、前記共振バーが前記キャビティに設けられるように用意された共振バーボスと、
前記共振バーボスの外周面と前記共振バーの内周面との間に配置されて、前記キャビティの共振設計時、前記共振バーの挿入方向へのムービングおよびストップ機能を行う公差管理ストッパ部と、を含み、
前記共振バーボスは、前記キャビティの底面から前記一側方向に突出した円柱形状に形成され、
前記公差管理ストッパ部は、シワの寄った形状を有しかつ、少なくとも前記共振バーボスの外周面に接する内周面の直径は、前記共振バーボスの外周面に締まり嵌めされる大きさに形成された、アンテナ用キャビティフィルタ。
【請求項10】
前記公差管理ストッパ部は、
前記共振バーの内周面に介在しかつ、外側は前記共振バーの内周面を加圧し、内側は前記共振バーボスの外周面を加圧するシワ部を含む、請求項に記載のアンテナ用キャビティフィルタ。
【請求項11】
前記公差管理ストッパ部は、
前記シワ部の他側に一体に形成され、前記シワ部と共に前記共振バーボスの一端部を取り囲むように備えられた支持板部と、
前記支持板部の縁端部の一部および前記シワ部を円周方向に離隔して区分させる複数の切開部と、をさらに含む、請求項10に記載のアンテナ用キャビティフィルタ。
【請求項12】
一側が開口し、隔壁によって仕切られた複数のキャビティを有するフィルタ本体と、
前記複数のキャビティそれぞれに設けられる共振バーと、
前記共振バーの内部に挿入されかつ、前記共振バーが前記キャビティに設けられるように用意された共振バーボスと、
前記共振バーボスの外周面と前記共振バーの内周面との間に配置されて、前記キャビティの共振設計時、前記共振バーの挿入方向へのムービングおよびストップ機能を行う公差管理ストッパ部と、を含み、
前記共振バーボスは、前記キャビティの底面から前記一側方向へいくほど次第に直径が減少する円柱形状に形成され、
前記公差管理ストッパ部は、前記共振バーの内周面から中心方向に突出するリブ形状に形成されかつ、円周方向に離隔して備えられた複数の突出リブが前記共振バーの内周面に一体に形成された、アンテナ用キャビティフィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ用キャビティフィルタ(CAVITY FILTER FOR ANTENNA)に関し、より詳しくは、キャビティ内の部品に関する設計公差許容範囲を拡張させることができるアンテナ用キャビティフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
この部分の記述内容は単に本実施例についての背景情報を提供するに過ぎず、従来技術を構成するものではない。
【0003】
MIMO(Multiple Input Multiple Output)技術は、複数のアンテナを用いてデータ伝送容量を画期的に増加させる技術であって、送信機ではそれぞれの送信アンテナを介して互いに異なるデータを伝送し、受信機では適切な信号処理により送信データを区分する空間多重化(Spatial multiplexing)手法である。そのため、送受信アンテナの個数を同時に増加させることにより、チャネル容量が増加してより多くのデータを伝送可能にする。例えば、アンテナ数を10個に増加させると、現在の単一アンテナシステムに比べて、同じ周波数帯域を用いて約10倍のチャネル容量を確保するようになる。
【0004】
4G LTE-advancedでは8個のアンテナまで用いており、現在、pre-5G段階から64または128個のアンテナを装着した製品が開発されており、5Gでははるかに多い数のアンテナを有する基地局装備が用いられることが予想され、これをMassive MIMO技術という。現在のセル(Cell)運営が2-Dimensionであるのに対し、Massive MIMO技術が導入されると3D-Beamformingが可能になるので、Massive MIMO技術はFD-MIMO(Full Dimension)とも呼ばれる。
【0005】
Massive MIMO技術では、アンテナ素子の個数増加に伴い、それによる送受信機とフィルタの個数も併せて増加する。また、2014年ベースで全国的に20万箇所以上の基地局が設置されている状況である。すなわち、実装空間を最小化し実装が容易なキャビティフィルタの構造が必要になり、個別的にチューニングされたキャビティフィルタがアンテナに実装された後も同一のフィルタ特性を提供するようにするRF信号線連結構造が要求される。
【0006】
キャビティ構造を有するRFフィルタは、金属性導体で形成されたボックス構造の内部に導体の共振棒(または共振バー)などで構成された共振器が具備され、固有の周波数の電磁場だけを存在させることで共振によって超高周波の特性周波数のみ通過する特徴を有する。このようなキャビティ構造の帯域通過フィルタは、挿入損失が少なく高出力に有利で、移動通信基地局アンテナのフィルタとして多様に活用されている。
【0007】
しかし、キャビティ構造を有するRFフィルタは、キャビティ内の周波数のチューニング設計をするにあたり、キャビティ内に具備される共振器の製造時、設計公差範囲(すなわち、チューニング設計の可変範囲)内に精密に製造されることが要求される問題点がある。
【0008】
例えば、共振器(共振バー)が前記設計公差範囲内を逸脱して製造された場合には、実際のキャビティ内の周波数のチューニング時に共振器を周波数のチューニング設計範囲に入るように後加工しなければならない問題点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記の技術的課題を解決するためになされたものであって、共振器の製造時、公差許容範囲を拡張させることができ、キャビティ内の周波数のチューニング設計が容易なアンテナ用キャビティフィルタを提供することを目的とする。
【0010】
本発明の技術的課題は以上に言及した課題に制限されず、言及されていないさらに他の技術的課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によるアンテナ用キャビティフィルタの一実施例は、一側が開口し、隔壁によって仕切られた複数のキャビティを有するフィルタ本体と、前記複数のキャビティそれぞれに設けられる共振バーと、前記共振バーの一部が挿入されかつ、前記共振バーが前記キャビティに設けられるように用意された共振バーボスと、前記共振バーボスの内周面と前記共振バーの外周面との間に配置されて、前記キャビティの共振設計時、前記共振バーの挿入方向へのムービングおよびストップ機能を行う公差管理ストッパ部とを含む。
【0012】
ここで、前記共振バーボスは、前記キャビティの底面から前記一側方向に突出しかつ、中空の円形のパイプ形状に形成される。
【0013】
また、前記共振バーが前記共振設計による設計位置に前記公差管理ストッパ部によって仮固定されると、前記共振バーボスの先端に塗布された後に硬化するはんだ部をさらに含むことができる。
【0014】
また、前記はんだ部は、前記公差管理ストッパ部が外部から隠匿されるように塗布および硬化することができる。
【0015】
また、前記公差管理ストッパ部は、前記共振バーボスの内周面側に挿入される前記共振バーの外周面に一体に形成される。
【0016】
また、前記公差管理ストッパ部は、シワの寄った形状を有しかつ、少なくとも前記共振バーボスの内周面に接する外周面の直径は、前記共振バーボスの内周面に締まり嵌めされる大きさに形成される。
【0017】
また、前記公差管理ストッパ部は、前記共振バーボスの内周面と前記共振バーの外周面との間に配置される摩擦部材であってもよい。
【0018】
また、前記摩擦部材は、前記共振バーの外周面に介在しかつ、外側は前記共振バーボスの内周面を加圧し、内側は前記共振バーの外周面を加圧するシワ部を含むことができる。
【0019】
また、前記摩擦部材は、前記シワ部の一側が円周方向に離隔して切開された複数の切開部をさらに含むことができる。
【0020】
また、前記摩擦部材は、前記シワ部の他側に一体に形成され、前記シワ部と共に前記共振バーの先端を取り囲むように備えられた支持板部をさらに含むことができる。
【0021】
また、前記共振バーボスは、前記キャビティの底面から前記一側方向に突出した円柱形状に形成される。
【0022】
また、前記公差管理ストッパ部は、シワの寄った形状を有しかつ、少なくとも前記共振バーボスの外周面に接する内周面の直径は、前記共振バーボスの外周面に締まり嵌めされる大きさに形成される。
【0023】
また、前記公差管理ストッパ部は、前記共振バーボスの外周面と前記共振バーの内周面との間に配置される摩擦部材であってもよい。
【0024】
また、前記摩擦部材は、前記共振バーの内周面に介在しかつ、外側は前記共振バーの内周面を加圧し、内側は前記共振バーボスの外周面を加圧するシワ部を含むことができる。
【0025】
また、前記摩擦部材は、前記シワ部の他側に一体に形成され、前記シワ部と共に前記共振バーボスの一端部を取り囲むように備えられた支持板部と、前記支持板部の縁端部の一部および前記シワ部を円周方向に離隔して区分させる複数の切開部とをさらに含むことができる。
【0026】
また、前記共振バーボスは、前記キャビティの底面から前記一側方向へいくほど次第に直径が減少する円柱形状に形成され、前記公差管理ストッパ部は、前記共振バーの内周面から中心方向に突出するリブ形状に形成されかつ、円周方向に離隔して備えられた複数の突出リブが前記共振バーの内周面に一体に形成される。
【0027】
また、前記キャビティの開口した一側を覆うフィルタカバーをさらに含み、前記キャビティ空間の共振設計は、前記フィルタカバーと同等のカバー機能を行いかつ、所定の設計孔が形成された設計用カバーの前記設計孔を介して貫通挿入された外部圧入部材を用いて、前記公差管理ストッパ部が設けられた状態の前記共振バーをムービングおよびストップさせることを繰り返しながら行うことができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によるアンテナ用キャビティフィルタの一実施例によれば、次のような多様な効果を達成できる。
【0029】
第一、共振バーの金型射出設計後、キャビティ内のチューニング寸法を満たすための後加工過程を削除できる効果を有する。
【0030】
第二、共振バーの設計公差を既存より拡張できる効果を有する。
【0031】
第三、共振バーをはんだ部によって支えられる重量で製造すれば良いので、共振バーの厚さをより薄く製造できる効果を有する。
【0032】
第四、共振バーの後加工削除および厚さ縮小により加工費およびコストを節減することにより、高い生産歩留まりを達成できる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明によるアンテナ用キャビティフィルタの一部を示す外形模式図である。
図2図1のA-A線に沿った切開斜視図であって、本発明の一実施例によるアンテナ用キャビティフィルタの構成のうち、公差管理ストッパ部の第1実施例を示す切開斜視図である。
図3図1のA-A線に沿った断面図である。
図4図1のA-A線に沿った切開分解斜視図であり、
図5A】キャビティ内に共振バーを設ける順序を示す断面分解図である。
図5B】キャビティ内に共振バーを設ける順序を示す断面分解図である。
図5C】キャビティ内に共振バーを設ける順序を示す断面分解図である。
図6図1のA-A線に沿った切開斜視図であって、本発明の一実施例によるアンテナ用キャビティフィルタの構成のうち、公差管理ストッパ部の第2実施例を示す切開斜視図である。
図7図6の断面図である。
図8図6の切開分解斜視図である。
図9図1のA-A線に沿った切開斜視図であって、本発明の一実施例によるアンテナ用キャビティフィルタの構成のうち、公差管理ストッパ部の第3実施例を示す切開斜視図である。
図10図9の断面図である。
図11図9の切開分解斜視図である。
図12図1のA-A線に沿った切開斜視図であって、本発明の一実施例によるアンテナ用キャビティフィルタの構成のうち、公差管理ストッパ部の第4実施例を示す切開斜視図である。
図13図12の断面図である。
図14図6の切開分解斜視図である。
図15図1のA-A線に沿った切開斜視図であって、本発明の一実施例によるアンテナ用キャビティフィルタの構成のうち、公差管理ストッパ部の第5実施例を示す切開斜視図である。
図16図15の断面図である。
図17図15の切開分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の一実施例によるアンテナ用キャビティフィルタを、添付した図面を参照して詳細に説明する。
【0035】
各図面の構成要素に参照符号を付すにあたり、同一の構成要素については、たとえ他の図面上に表示されてもできるだけ同一の符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明の実施例を説明するにあたり、かかる公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の実施例に対する理解を妨げると判断された場合、その詳細な説明は省略する。
【0036】
本発明の実施例の構成要素を説明するにあたり、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使うことができる。このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって当該構成要素の本質や順番または順序などが限定されない。また、他に定義されない限り、技術的または科学的な用語を含む、ここで使われるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使われる辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈されなければならず、本出願において明らかに定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されない。
【0037】
図1は、本発明によるアンテナ用キャビティフィルタの一部を示す外形模式図であり、図2は、図1のA-A線に沿った切開斜視図であり、図3は、図1のA-A線に沿った断面図であり、図4は、図1のA-A線に沿った切開分解斜視図である。
【0038】
本発明によるアンテナ用キャビティフィルタの一実施例(1)は、図1図4に示すように、一側が開口したキャビティ(cavity)Cを有するフィルタ本体10と、フィルタ本体10の開口したキャビティCの一側を覆うように配置されたフィルタカバー20とを含む。
【0039】
フィルタ本体10には、図示しない隔壁によって仕切られた複数のキャビティCが形成され、複数のキャビティCは、周波数のチューニング設計によりそれぞれ個別的な特定の周波数のみ通過するように設計される。本発明の実施例に関連して示された図面は1つのキャビティCだけが図解されたが、図解された単位キャビティCが複数個連続的に備えられてフィルタ本体10をなすことができる。そのため、フィルタ本体10の構成のうち、キャビティCの間を仕切る構成が、上述した隔壁として機能できると理解すれば良い。
【0040】
フィルタ本体10は、全体として誘電体材質で形成され、キャビティCを形成する内面および外観を形成する部位全部に金属性材質の被膜を形成して、キャビティC内での固有の周波数の電磁場だけが存在するように備えられる。
【0041】
本発明によるアンテナ用キャビティフィルタの一実施例(1)では、説明の便宜のために、図1図4に示すように、単一のキャビティCが形成されたフィルタ本体10を例示して説明する。フィルタ本体10に備えられたそれぞれのキャビティCの外形は、特定周波数の設計値によってそれぞれ異なる形状に形成されるが、後述のように、共振バー40およびその設置のための共振バーボス30は、すべて必須に備えられたものと前提して説明する。
【0042】
ここで、本発明によるアンテナ用キャビティフィルタの一実施例(1)は、図1図4に示すように、複数のキャビティCそれぞれに設けられる共振バー40と、共振バー40の一部が挿入されかつ、共振バー40がキャビティCに設けられるように用意された共振バーボス30とをさらに含むことができる。
【0043】
共振バー40は、金属材質で備えられるものであって、キャビティC内でフィルタカバー20との間の空間(または離隔距離)によって周波数のチューニング設計が行われる主要フィルタ構成の1つである。
【0044】
このような機能を行う共振バー40は、図2図4に示すように、フィルタ本体10に形成されたキャビティCのうち閉鎖された底面から開口した一側への高さによって変更されるフィルタカバー20の内側面との間の距離の調整により周波数のチューニングが行われる。
【0045】
より詳しくは、共振バー40は、フィルタ本体10のキャビティCの底面に備えられた共振バーボス30に他側先端の一部が挿入固定され、共振バー40の一側先端とフィルタカバー20との間の離隔距離は、共振バー40の共振バーボス30に対する挿入量によって変更され、変更された離隔距離によって周波数のチューニング設計が確定される。
【0046】
共振バーボス30、30-T(Tube)は、上述のように、共振バー40がキャビティC内に設けられるように用意されたものであって、図2図4に示すように、ほぼ中空の円形のパイプ形状に形成される。ここで、共振バーボス30、30-Tは、フィルタ本体10を金型を用いて製造する時、キャビティCの内部にフィルタ本体10と一体に形成される。
【0047】
しかし、必ずしも共振バーボス30がフィルタ本体10と一体に形成される必要はなく、フィルタ本体10とは別途に製造されて、フィルタ本体10のキャビティCの内部に着脱可能に結合されることも可能である。また、共振バーボス30は、必ずしも円形のパイプ形状に形成されなければならないわけではなく、後述する図12図17に示された本発明の一実施例によるアンテナ用キャビティフィルタの構成のうち、公差管理ストッパ部の他の実施例(第4実施例および第5実施例)のように、キャビティCの底面から開口した一側方向に突出した円柱形状に備えられるか(図12図14参照)、キャビティCの底面から開口した一側方向へいくほど次第に直径が減少する円柱形状に形成され(図15図17参照)(それぞれ、図面符号「30-P」参照)、共振バー40の下端部が円柱形状の共振バーボス30-Pの一端部の外周面を取り囲むように嵌め結合される。これについては、後でより詳しく説明する。
【0048】
これとともに、本発明によるアンテナ用キャビティフィルタの一実施例(1)は、図2図4に示すように、公差管理ストッパ部50aをさらに含むことができる。以下、図2図4に示された公差管理ストッパ部50aは、「第1実施例による公差管理ストッパ部」と名付け、その参照番号を後述する第2実施例および第3実施例と区分するために「50a」と指し示すこととする。
【0049】
第1実施例による公差管理ストッパ部50aは、図2図4に示すように、共振バーボス30-Tの内周面31-I(In)と共振バー40の外周面との間に配置される。このような第1実施例による公差管理ストッパ部50aは、キャビティCの共振設計時、共振バー40の挿入方向へのムービングおよびストップ機能を行う役割をする。
【0050】
より詳しくは、共振バー40は、キャビティCの共振周波数のチューニングが可能に所定の外力が加えられると、フィルタ本体10のキャビティC内で共振バーボス30-Tに対してムービング可能に固定される。このように、共振バー40がキャビティCの内部で共振バーボス30-Tを介在してムービングされる動作で共振周波数のチューニングが行われる。
【0051】
ここで、第1実施例による公差管理ストッパ部50aは、共振周波数のチューニングのために、共振設計者が所定の外力以上を加えるとムービングされ、前記外力を除去すると共振バーボス30-Tに対して停止して仮固定させる役割を果たす。
【0052】
本発明によるアンテナ用キャビティフィルタの一実施例(1)は、上述のような第1実施例による公差管理ストッパ部50aが備えられることにより、従来に比べて共振バー40の設計公差を拡張させることができる。すなわち、予め設定された設計公差の範囲をより拡張することにより、共振バー40の製造時点で精密な製造設計が要求されないことはもちろん、キャビティC内の共振周波数のチューニングを行うに際して、共振バー40を後加工する過程を削除することができる。
【0053】
一方、本発明によるアンテナ用キャビティフィルタの一実施例(1)は、図2図4に示すように、共振バー40が共振設計による設計位置に第1実施例による公差管理ストッパ部50aによって仮固定されると、共振バーボス30-Tの先端に塗布された後に硬化しながら、共振バー40を完全固定させるはんだ部60をさらに含むことができる。
【0054】
第1実施例による公差管理ストッパ部50aは、上述のように、共振周波数のチューニング設計による共振バーボス30-Tの所定位置に共振バー40を仮固定させるとその機能を完了し、はんだ部60によって共振バー40を共振バーボス30-Tの仮固定された位置に完全に固定させることができる。
【0055】
はんだ部60は、第1実施例による公差管理ストッパ部50aが外部から隠匿されるように塗布および硬化することができる。第1実施例による公差管理ストッパ部50aが外部から隠匿されるとともに、キャビティC内での共振周波数のチューニング設計に影響を及ぼさない限度で、はんだ部60はいかなる材質の採用が可能である。例えば、はんだ部60は、溶融可能な鉛材質で採用できることはもちろん、一般の接着性物質も採用可能である。
【0056】
このようなはんだ部60は、共振バーボス30-Tの先端と共振バー40の外周面とのなす段差部位に環状に塗布されて硬化することにより、共振バーボス30-Tに共振バー40を強固に固定させることができる。
【0057】
一方、第1実施例による公差管理ストッパ部50aは、共振バーボス30-Tの内周面31-I側に挿入される共振バー40の外周面に一体に形成される(後述する図6~8に示された第2実施例および第3実施例参照)。
【0058】
また、第1実施例による公差管理ストッパ部50aは、別物として製造されて、共振バーボス30に先(先に)結合された後、共振バーボス30-Tの内側に締まり嵌め結合される(図1~4および後述する図9図11に示された第3実施例参照)。すなわち、第1実施例による公差管理ストッパ部50aは、共振バーボス30-Tの内周面31-Iと共振バー40の外周面との間に配置される摩擦部材であってもよい。
【0059】
上述した公差管理ストッパ部50aの第2実施例および第2実施例に関する具体的な説明は、後でより詳しく説明する。
【0060】
図5A図5Cは、キャビティC内に共振バー40を設ける順序を示す断面分解図である。
【0061】
キャビティC内に共振バー40を設ける様子を、図5A図5Cを参照して簡略に説明すれば、次の通りである。
【0062】
まず、図5Aに示すように、フィルタ本体10からフィルタカバー20が取り外された状態であって、第1実施例による公差管理ストッパ部50aが共振バー40の他側先端部に備えられた状態で、共振バーボス30-Tの開口した上側に位置させる。
【0063】
そして、図5Bに示すように、共振バー40の他側先端部の一部を共振バーボス30-Tの内側に締まり嵌め結合させる。この時、共振バー40の他側先端部に一体に備えられるか、別物として備えられて結合されている第1実施例による公差管理ストッパ部50aによって、作業者(共振周波数のチューニング設計者)の提供する外力が所定の外力以上の場合、共振バーボス30-Tに沿ってムービングされ、任意の位置で作業者の外力が除去されると停止されて仮固定される。
【0064】
最後に、図5Cに示すように、はんだ部60を共振バーボス30-Tの先端と共振バー40が形成する段差部位に環状に塗布させかつ、第1実施例による公差管理ストッパ部50aを外部から隠匿させるように塗布させた後に硬化させることにより、共振バー40を共振周波数のチューニング設計された位置に強固に固定させることができる。ここで、共振バー40は、はんだ部60によって離脱なく固定されれば良い重量で製造できるので、従来に比べてより薄い厚さに製造できるという利点を有する。共振バー40の厚さを薄く製造する場合、コストを節減できることは言うまでない。
【0065】
特に、図5B図5Cに示された共振バー40の組立過程中にキャビティC内の共振周波数のチューニング設計が1次的に行われる。この場合、フィルタカバー20と同等のカバー機能を行う設計用カバー70をフィルタカバー20の代わりに設けかつ、設計用カバー70に予め形成された所定の設計孔を介して貫通挿入された外部圧入部材80を用いて、第1実施例による公差管理ストッパ部50aが設けられた図5Bの状態の共振バー40に所定の外力以上を加えてムービングさせ、その外力を除去する動作でストップさせることを繰り返しながら、1次的な共振周波数のチューニング設計が行われる。
【0066】
そして、図示しないが、上述のように1次的な共振周波数のチューニング設計が完了すれば、設計用カバー70を除去し、フィルタカバー20を結合させた後、フィルタカバー20に形成された打刻部25に所定の打刻工具を用いて、外部からキャビティC内に打刻によるフィルタカバー20の形状変更量が反映されるように打刻する動作で精密に2次的な共振周波数のチューニング設計を行うことができる。
【0067】
図6は、図1のA-A線に沿った切開斜視図であって、本発明の一実施例によるアンテナ用キャビティフィルタの構成のうち、公差管理ストッパ部の第2実施例を示す切開斜視図であり、図7は、図6の断面図であり、図8は、図6の切開分解斜視図である。
【0068】
本発明によるアンテナ用キャビティフィルタの一実施例(1)において、第1実施例による公差管理ストッパ部50aは、図2図4に示すように、共振バー40とは別途に製造されて、キャビティC内の1次的な共振周波数のチューニング設計のために、共振バーボス30-Tの内周面31-Iと共振バー40の外周面との間に介在する構成で備えられたものである。しかし、図2図4に示すように、第1実施例による公差管理ストッパ部50aが必ずしも別物として製造される必要はない。
【0069】
すなわち、図6図8に示すように、第2実施例による公差管理ストッパ部50bは、共振バーボス30-Tの内周面31-I側に挿入される共振バー40の外周面(特に、他側先端部の外周面)に一体に形成されることも可能である。以下、説明の便宜のために、図2図4に示された公差管理ストッパ部50は、「第1実施例による公差管理ストッパ部50a」と名付け、図6図8に示された公差管理ストッパ部50bは、「第2実施例による公差管理ストッパ部50b」と名付けることとする。
【0070】
第1実施例による公差管理ストッパ部50aおよび第2実施例による公差管理ストッパ部50bは、両者とも、図4および図8に示すように、シワの寄った形状を有しかつ、少なくとも共振バーボス30-Tの内周面31-Iに接する外周面の直径は、共振バーボス30-Tの内周面31-Iに締まり嵌めされる大きさに形成される。
【0071】
ここで、第1実施例による公差管理ストッパ部50aは、図4に示すように、別物である摩擦部材として備えられた場合、共振バー40の外周面に介在しかつ、外側は共振バーボス30-Tの内周面31-Iを加圧し、内側は共振バー40の外周面を加圧するシワ部50a-1を含むことができる。
【0072】
シワ部50a-1のシワ寄った形状のうち少なくとも共振バー40の外周面に接する内周面の内径52aは、共振バー40の外周面に締まり嵌めされる大きさに形成されることが好ましい。また、シワ部50a-1のシワ寄った形状のうち少なくとも共振バーボス30-Tの内周面31-Iに接する外周面の外径51aは、共振バーボス30-Tの内周面31-Iに締まり嵌めされる大きさに形成されることが好ましい。
【0073】
したがって、第1実施例による公差管理ストッパ部50aは、先に共振バー40に結合される時、その内径52aの大きさによって共振バー40に締まり嵌め結合されることで強固に密着した後、上述した外径51aの大きさによって共振バーボス30-Tの内周面31-Iに締まり嵌め結合されることで強固に密着して、所定の摩擦力による仮固定が行われる。
【0074】
これに対し、第2実施例による公差管理ストッパ部50bは、図6図8に示すように、共振バー40に一体に形成されることから、共振バー40に対するスリップの問題は発生せず、その外径の大きさによって共振バーボス30-Tの内周面31-Iに締まり嵌め結合されることにより、所定の摩擦力による仮固定が行われるように構成される。
【0075】
図9は、図1のA-A線に沿った切開斜視図であって、本発明の一実施例によるアンテナ用キャビティフィルタの構成のうち、公差管理ストッパ部の第3実施例を示す切開斜視図であり、図10は、図9の断面図であり、図11は、図9の切開分解斜視図である。
【0076】
図9図11を参照すれば、上述した第1実施例による公差管理ストッパ部50aの変形例として、第3実施例による公差管理ストッパ部50cが開示される。
【0077】
すなわち、第3実施例による公差管理ストッパ部50cは、図9図11に示すように、共振バー40の外周面に介在しかつ、外側は共振バーボス30-Tの内周面31-Iを加圧し、内側は共振バー40の外周面を加圧するシワ部50c-1と、シワ部50c-1の一側が円周方向に離隔して切開された複数の切開部50c-2と、シワ部50c-1の他側に一体に形成され、シワ部50c-1と共に共振バー40の先端を取り囲むように備えられた支持板部50c-3とを含むことができる。
【0078】
ここで、シワ部50c-1の一側は、フィルタカバー20が結合される方向を意味し、シワ部50c-1の他側は、共振バー40の先端部に相当する方向を意味する。
【0079】
複数の切開部50c-2を含むシワ部50c-1は、共振バー40の外周面と共振バーボス30-Tの内周面31-Iとの間に介在して、作業者(または共振チューニング設計者)が提供する外力によって弾性変形されながら締まり嵌め結合を容易にする役割を果たすことができる。
【0080】
また、支持板部50c-3は、共振バー40の他側先端を取り囲むように備えられて、シワ部50c-1に相当する部位がねじれるのを防止することができる。
【0081】
図12は、図1のA-A線に沿った切開斜視図であって、本発明の一実施例によるアンテナ用キャビティフィルタの構成のうち、公差管理ストッパ部の第4実施例を示す切開斜視図であり、図13は、図12の断面図であり、図14は、図6の切開分解斜視図であり、図15は、図1のA-A線に沿った切開斜視図であって、本発明の一実施例によるアンテナ用キャビティフィルタの構成のうち、公差管理ストッパ部の第5実施例を示す切開斜視図であり、図16は、図15の断面図であり、図17は、図15の切開分解斜視図である。
【0082】
図2図11を参照すれば、本発明の一実施例によるアンテナ用キャビティフィルタ1において、公差管理ストッパ部50a、50b、50cは、フィルタ本体10のキャビティCの底面に円形のパイプ形状に形成された共振バーボス30-Tの空いている内部に共振バー40の他端部が嵌め結合される時、キャビティCの共振設計のために、別物としてまたは一体に備えられて適用される実施例で実現される。
【0083】
しかし、必ずしも共振バーボス30が円形のパイプ形状に形成される必要はなく、後述する第4実施例および第5実施例による公差管理ストッパ部50d、50eの場合のように、キャビティCの底面から前記一側方向に所定の高さ突出した円柱形状の共振バーボス30-P(Pole)で実現可能であり、共振バー40の他端部が共振バーボス30-Pの一端部の外周面を取り囲むように結合される形態で実現可能である。
【0084】
ここで、円柱形状に備えられた共振バーボス30-Pは、図12図14に示すように、全体の直径が同一に備えられるか、図15図17に示すように、キャビティCの底面から一側方向へいくほど次第に直径が減少する円柱形状に形成される。
【0085】
図12図14を参照すれば、第4実施例で実現される公差管理ストッパ部50dは、第3実施例で実現される公差管理ストッパ部50cと同じく別物として製造されて、共振バー40の内周面と共振バーボス30-Pの外周面31-O(Out)との間に介在する形態で備えられる。すなわち、第4実施例で実現される公差管理ストッパ部50dは、共振バーボス30-Pの外周面31-Oと共振バー40の内周面との間に配置される摩擦部材であってもよい。
【0086】
より詳しくは、第4実施例で実現される公差管理ストッパ部50dは、図12図14に示すように、シワの寄った形状を有しかつ、少なくとも共振バーボス30-Pの外周面31-Oに接する内周面の直径は、共振バーボス30-Pの外周面31-Oに締まり嵌めされる大きさに形成される。
【0087】
ここで、第4実施例で実現される公差管理ストッパ部50dは、図14に示すように、別物である摩擦部材として備えられた場合、共振バー40の内周面に介在しかつ、外側は共振バー40の内周面を加圧し、内側は共振バーボス30-Pの外周面31-Oを加圧するシワ部50d-1を含むことができる。
【0088】
また、摩擦部材として備えられた第4実施例で実現される公差管理ストッパ部50dは、シワ部50d-1の他側に一体に形成され、シワ部50d-1と共に共振バーボスの一端部を取り囲むように備えられた支持板部50d-3と、支持板部50d-3の縁端部の一部およびシワ部50d-1を円周方向に離隔して区分させる複数の切開部50d-2とをさらに含むことができる。
【0089】
ここでのシワ部50d-1も、切開部50d-2によって共振バー40の内周面と共振バーボス30-Pの外周面31-Oとの間に介在して、作業者(または共振チューニング設計者)が外力を提供する時、弾性変形されながら締まり嵌め結合を容易にする役割を果たすことができる。特に、円柱形状として、キャビティCの底面から一側方向に直径(外径)が同一に形成された共振バーボス30-Pとこれに結合される共振バー40の直径(内径)が同一の場合には、摩擦部材として備えられた公差管理ストッパ部50dのシワ部50d-1が内外側にそれぞれ共振バーボス30-Pの外周面31-Oおよび共振バー40の内周面の間で弾性的に摩擦力を生成することにより、作業者(または共振チューニング設計者)が提供する外力によって公差管理を容易に行うことができる。
【0090】
一方、図15図17を参照すれば、第5実施例で実現される公差管理ストッパ部50eは、共振バー40の内周面に一体に形成される。
【0091】
より詳しくは、第5実施例で実現される公差管理ストッパ部50eは、第4実施例で実現される公差管理ストッパ部50dとは異なり、キャビティCの底面から一側方向へいくほど次第に直径が減少する円柱形状に形成された共振バーボス30-Pに結合される共振バー40の公差管理がより容易という利点を提供する。
【0092】
すなわち、第5実施例で実現される公差管理ストッパ部50eは、図15および図17に示すように、共振バー40の内周面から中心方向に突出するリブ形状に形成されかつ、円周方向に離隔して備えられた複数の突出リブが共振バー40の内周面に一体に形成される。ここで、複数の突出リブは、共振バー40の外周面の一部が内側に膨らんで陥没形成されたものであって、共振バーボス30-Pの一端部の外周面31-Oを取り囲むように共振バー40が嵌め結合される時、複数の突出リブが共振バーボス30-Pの傾斜した外周面31-Oに上下線(line)接触して加圧されて、共振バー40の公差管理が容易に行われる。
【0093】
上記のように構成される本発明によるアンテナ用キャビティフィルタの一実施例の作用効果を簡略に説明すれば、次の通りである。
【0094】
まず、本発明によるアンテナ用キャビティフィルタの一実施例(1)は、キャビティC内の1次的な共振周波数のチューニング設計時、共振バーボス30に共振バー40が公差管理ストッパ部50a~50eを介して仮固定されるように共振バーボス30に対してムービング可能に備えられることにより、公差設計範囲を拡張できるという利点を有する。
【0095】
また、公差管理ストッパ部50a~50eの具備により上述した公差設計範囲が拡張されるので、細密な共振周波数のチューニング設計範囲を満たすために従来行っていた共振バー40の後加工工程を完全に削除することができる。
【0096】
そして、共振バー40の重量は、上述した1次的な共振周波数のチューニング完了後、共振バーボス30に対してはんだ部60による固定が行われれば良いように設計されるので、従来に比べてより薄い厚さの共振バー40の製造が可能なことから、製品全体のコスト節減をなすことができる。
【0097】
以上、本発明のアンテナ用キャビティフィルタの一実施例を、添付した図面を参照して詳細に説明した。しかし、本発明の実施例が必ずしも上述した一実施例によって限定されるものではなく、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者による多様な変形および均等な範囲での実施が可能であることは言うまでもない。そのため、本発明の真の権利範囲は後述する特許請求の範囲によって定められる。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明は、共振器の製造時、公差許容範囲を拡張させることができ、キャビティ内の周波数のチューニング設計が容易なアンテナ用キャビティフィルタを提供する。
【符号の説明】
【0099】
1:アンテナ用キャビティフィルタ 10:フィルタ本体
20:フィルタカバー 25:打刻部
30、30-T、30-P:共振バーボス 31-I:共振バーボスの内周面
31-O:共振バーボスの外周面 40:共振バー
41:ストッパ部設置段 50:公差管理ストッパ部
51a:外径 52a:内径
60:はんだ部 70:設計用カバー
80:外部圧入部材 C:キャビティ

図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17