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特許7537012ネットワークコンポーネント、ネットワーク接続を提供するための方法、モバイル端末、及び無線通信を行うための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】ネットワークコンポーネント、ネットワーク接続を提供するための方法、モバイル端末、及び無線通信を行うための方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/029 20180101AFI20240813BHJP
   H04W 4/44 20180101ALI20240813BHJP
   H04W 8/10 20090101ALI20240813BHJP
   H04W 48/16 20090101ALI20240813BHJP
   H04W 72/231 20230101ALI20240813BHJP
   H04W 76/10 20180101ALI20240813BHJP
【FI】
H04W4/029
H04W4/44
H04W8/10
H04W48/16 134
H04W72/231
H04W76/10
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023513305
(86)(22)【出願日】2022-07-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-22
(86)【国際出願番号】 EP2022069425
(87)【国際公開番号】W WO2023057101
(87)【国際公開日】2023-04-13
【審査請求日】2023-02-24
(31)【優先権主張番号】21201003.7
(32)【優先日】2021-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】サマ,マラ レディ
(72)【発明者】
【氏名】タコルスリ,スリサクル
(72)【発明者】
【氏名】テポ,フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】巳之口 淳
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0288296(US,A1)
【文献】特開2008-227580(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0176768(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0112907(US,A1)
【文献】国際公開第2021/069057(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークコンポーネント(700)であって、当該ネットワークコンポーネント(700)は、
モバイル端末(102,301,401,604,900)が加入者識別モジュールを含むモバイルネットワーク加入のリストの指標、及び
加入のそれぞれについて、前記加入に関連付けられたモバイル通信ネットワーク(302,303,602,603)からの通信性能情報
を取得するように構成されたデータ収集インターフェイス(701)と、
モバイル通信ネットワークを選択するときに前記モバイル端末(102,301,401,604,900)が移動すると予想される場所における前記通信性能情報に基づいて、前記加入に関連付けられた前記モバイル通信ネットワーク(118,204,302,302,402,403,602,603)のうちの少なくとも1つのネットワークを介した通信を制御するための制御情報を決定するように構成されたコントローラ(702)と、
前記制御情報に従って、前記モバイル通信ネットワーク(302,303,602,603)のうちの少なくとも1つのネットワークを使用して通信を行うように前記モバイル端末(102,301,401,604,900)に通知するように構成された通知インターフェイス(703)と、を含む、
ネットワークコンポーネント(700)。
【請求項2】
前記データ収集インターフェイス(701)は、サードパーティアプリケーション(305,404)から追加情報を取得するようにさらに構成され、前記コントローラ(702)は、前記追加情報にさらに基づいて前記制御情報を決定するように構成される、請求項1に記載のネットワークコンポーネント(700)。
【請求項3】
前記追加情報には、前記加入及び/又はユーザ密度及び/又は移動に関連する前記モバイル通信ネットワーク(302,303,602,603)のうちの1つ又は複数のネットワークに関するカバレッジ情報が含まれる、請求項2に記載のネットワークコンポーネント(700)。
【請求項4】
前記コントローラ(702)は、前記通信性能情報に基づいて、前記モバイル通信ネットワーク(302,303,602,603)のうちの前記少なくとも1つのネットワークを選択するように構成され、前記制御情報には、前記モバイル通信ネットワーク(302,303,602,603)のうちの前記少なくとも1つのネットワークを通信に使用すべきであることが含まれる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のネットワークコンポーネント(700)。
【請求項5】
前記コントローラ(702)は、前記通信性能情報に基づいて、前記モバイル通信ネットワーク(302,303,602,603)のうちの前記少なくとも1つのネットワークのアクセスタイプを選択するように構成され、前記制御情報には、選択したアクセスタイプを通信に使用すべきであることが含まれる、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のネットワークコンポーネント(700)。
【請求項6】
各加入は、前記モバイル端末(102,301,401,604,900)のホームモバイル通信ネットワークに関連付けられ、該加入に関連付けられた前記モバイル通信ネットワーク(302,303,602,603)は、前記ホームモバイル通信ネットワーク(302,303,602,603)である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のネットワークコンポーネント(700)。
【請求項7】
各加入は、前記モバイル端末(102,301,401,604,900)の訪問先モバイル通信ネットワークに関連付けられ、該加入に関連付けられた前記モバイル通信ネットワーク(302,303,602,603)は、前記訪問先モバイル通信ネットワーク(302,303,602,603)である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のネットワークコンポーネント(700)。
【請求項8】
各加入は、ホームモバイル通信ネットワーク及び1つ又は複数の訪問先モバイル通信ネットワーク(302,303,602,603)に関連付けられ、前記データ収集インターフェイス(701)は、加入毎に、前記1つ又は複数の訪問先モバイル通信ネットワーク(302,303,602,603)のリストを取得するように構成され、前記コントローラ(702)は、前記1つ又は複数の訪問先モバイル通信ネットワーク(302,303,602,603)の前記リストから前記モバイル通信ネットワーク(302,303,602,603)のうちの前記少なくとも1つのネットワークを選択するように構成され、前記制御情報には、前記モバイル通信ネットワーク(302,303,602,603)のうちの前記少なくとも1つのネットワークを通信に使用すべきであることが含まれる、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のネットワークコンポーネント(700)。
【請求項9】
前記データ収集インターフェイス(701)は、加入毎に、前記加入に関連付けられた前記ホームモバイル通信ネットワークから前記1つ又は複数の訪問先モバイル通信ネットワーク(302,303,602,603)の前記リストを取得するように構成される、請求項8に記載のネットワークコンポーネント(700)。
【請求項10】
前記ネットワークコンポーネント(304,405,503,605)は、人工知能メカニズム及び/又は機械学習モデルを実装し、前記コントローラ(702)は、前記人工知能メカニズム及び/又は前記機械学習モデルを使用して前記制御情報を決定するように構成される、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のネットワークコンポーネント(700)。
【請求項11】
前記データ収集インターフェイス(701)は、前記モバイル端末(102,301,401,604,900)及び/又は情報モバイル通信ネットワーク及び/又はサードパーティアプリケーション(305,404)から前記リストの前記指標を取得するように構成される、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のネットワークコンポーネント(700)。
【請求項12】
前記通知インターフェイスは、前記モバイル端末(102,301,401,604,900)に、アプリケーション層又は制御プレーンシグナリングを介して前記制御情報に従って前記少なくとも1つのモバイル通信ネットワークを使用して通信を行うように通知するように構成される、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のネットワークコンポーネント(700)。
【請求項13】
ネットワーク接続を提供するための方法(800)であって、当該方法は、
モバイル端末(102,301,401,604,900)が加入者識別モジュールを含むモバイルネットワーク加入のリストの指標を取得するステップ(801)と、
加入のそれぞれについて、前記加入に関連付けられたモバイル通信ネットワーク(302,303,602,603)から通信性能情報を取得するステップ(802)と、
モバイル通信ネットワークを選択するときに前記モバイル端末(301)が移動すると予想される場所における前記通信性能情報に基づいて、前記加入に関連付けられた前記モバイル通信ネットワーク(302,303,602,603)のうちの少なくとも1つのネットワークを介した通信を制御するための制御情報を決定するステップ(803)と、
前記制御情報に従って、前記モバイル通信ネットワーク(302,303,602,603)のうちの前記少なくとも1つのネットワークを使用して通信を行うように前記モバイル端末(102,301,401,604,900)に通知するステップ(804)と、を含む、
方法。
【請求項14】
モバイル端末(102,301,401,604,900)であって、当該モバイル端末は、当該モバイル端末(102,301,401,604,900)と、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のネットワークコンポーネント(700)とを含むシステムよって構成され、当該モバイル端末(102,301,401,604,900)は、
当該モバイル端末(102,301,401,604,900)が加入者識別モジュールを含むモバイルネットワーク加入のリストの指標をネットワークコンポーネント(304,405,503,605,700)に送信するように構成された送信機(901)と、
前記モバイル端末(102,301,401,604,900)が移動すると予想される場所において、加入に関連付けられたモバイル通信ネットワーク(302,303,402,403,602,603)のうちの少なくとも1つのモバイル通信ネットワーク(303,403,603)を使用して通信を行うために、当該モバイル端末(102,301,401,604,990)に通知するための制御情報を前記ネットワークコンポーネント(304,405,503,605,700)から受信するように構成された受信機(902)と、
前記制御情報に従って前記少なくとも1つのモバイル通信ネットワーク(303,403,603)を使用して通信を行うように構成された通信モジュール(903)と、を含む、
モバイル端末(900)。
【請求項15】
無線通信を行い、請求項13に記載のネットワーク接続を提供するための方法に相互関連する方法(1000)であって、当該方法は、
モバイル端末(102,301,401,604,900)が、該モバイル端末(102,301,401,604,900)が加入者識別モジュールを含むモバイルネットワーク加入のリストの指標をネットワークコンポーネント(304,405,503,605,700)に送信するステップ(1001)と、
前記モバイル端末(102,301,401,604,900)が、該モバイル端末(102,301,401,604,900)が移動すると予想される場所において、加入に関連付けられたモバイル通信ネットワーク(302,303,402,403,602,603)のうちの少なくとも1つのモバイル通信ネットワーク(303,403,603)を使用して通信を行うために、前記モバイル端末(990)に通知するための制御情報を前記ネットワークコンポーネント(304,405,503,605,700)から受信するステップ(1002)と、
前記モバイル端末(102,301,401,604,900)が、前記制御情報に従って前記少なくとも1つのモバイル通信ネットワーク(303,403,603)を使用して通信を行うステップ(1003)と、を含む、
方法(1000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ネットワークコンポーネント、ネットワーク接続を提供するための方法、モバイル端末、及び無線通信を行うための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
依然として、モバイルネットワークによって達成されるカバレッジは100%ではない。一部の場所ではインターネットにアクセスできない場合があるため、これは携帯電話のユーザにとっては単に煩わしいかもしれないが、正常に機能するためにネットワークアクセスが必要な安全関連サービスにとっては深刻な問題を提起する。その一例が自律運転であり、V2X(vehicle-to-everything)は、例えば、他の車両又は車両の近くにある他の物体を検出するために使用される。
【0003】
従って、モバイル端末の接続性を改善するアプローチが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態によれば、ネットワークコンポーネントが提供され、ネットワークコンポーネントは、モバイル端末が加入者識別モジュールを含むモバイルネットワーク加入のリストの指標と、加入のそれぞれについて、加入に関連付けられたモバイル通信ネットワークからの通信性能情報とを取得するように構成されたデータ収集インターフェイスを含む。ネットワークコンポーネントは、通信性能情報に基づいて、加入に関連付けられたモバイル通信ネットワークのうちの少なくとも1つのネットワークを介した通信を制御するための制御情報を決定するように構成されたコントローラと、制御情報に従って、モバイル通信ネットワークのうちの少なくとも1つのネットワークを使用して通信を行うようにモバイル端末に通知するように構成された通知インターフェイスとをさらに含む。
【0005】
更なる実施形態によれば、上述の上記ネットワークコンポーネントに従ったネットワーク接続を提供するための方法、モバイル端末、及び無線通信を行うための方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図面において、同様の参照文字は、一般に、様々な図を通して同じ部分を指す。図面は必ずしも一定の縮尺で描いているわけではなく、代わりに、一般に本発明の原理を示すことに重点を置いている。以下の説明では、様々な態様について以下の図面を参照して説明する。
図1】無線通信ネットワーク、例えば3GPP(登録商標)(Third Generation Partnership Project)で指定された5G通信ネットワークを示す図である。
図2】V2X(Vehicle-to-Everything)アプリケーションへの5Gシステムの適用を示す図である。
図3】複数のPLMN(公衆陸上モバイルネットワーク)とモバイル選択システムとの配置を示す図である。
図4】一実施形態によるメッセージフローを示すメッセージフロー図である。
図5】モバイル選択システムの入力データ及び出力データの例を示す図である。
図6】ローミングのシナリオを示す図である。
図7】一実施形態によるネットワークコンポーネントを示す図である。
図8】一実施形態によるネットワーク接続を提供するための方法を示すフロー図である。
図9】一実施形態によるモバイル端末を示す図である。
図10】一実施形態による無線通信を行うための方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の詳細な説明では、本発明を実施することができる本開示の特定の詳細及び態様を例示として示す添付の図面を参照する。本発明の範囲から逸脱することなく、他の態様を利用することができ、構造的、論理的、及び電気的な変更を行うことができる。本開示のいくつかの態様を本開示の1つ又は複数の他の態様と組み合わせて新しい態様を形成することができるので、本開示の様々な態様は必ずしも相互に排他的ではない。
【0008】
本開示の態様に対応する様々な例を以下に説明する。例1は、前述のネットワークコンポーネントである。
【0009】
例2は、例1のネットワークコンポーネントであり、データ収集インターフェイスは、サードパーティアプリケーションから追加情報を取得するようにさらに構成され、コントローラは、追加情報にさらに基づいて制御情報を決定するように構成される。
【0010】
例3は、例2のネットワークコンポーネントであり、追加情報は、加入及び/又はユーザ密度及び/又は移動に関連するモバイル通信ネットワークのうちの1つ又は複数のネットワークに関するカバレッジ情報が含まれる。
【0011】
例4は、例1~3のいずれか1つのネットワークコンポーネントであり、コントローラは、通信性能情報に基づいて、モバイル通信ネットワークのうちの少なくとも1つのネットワークを選択するように構成され、制御情報には、モバイル通信ネットワークのうちの少なくとも1つのネットワークを通信に使用すべきであることが含まれる。
【0012】
例5は、例1~4のいずれか1つのネットワークコンポーネントであり、コントローラは、通信性能情報に基づいて、モバイル通信ネットワークのうちの少なくとも1つのネットワークのアクセスタイプ又はコアネットワークタイプを選択するように構成され、制御情報には、選択したアクセスタイプ又はコアネットワークタイプを通信に使用すべきであることが含まれる。
【0013】
例6は、例1~5のいずれか1つのネットワークコンポーネントであり、各加入は、モバイル端末のホームモバイル通信ネットワークに関連付けられ、加入に関連付けられたモバイル通信ネットワークは、ホームモバイル通信ネットワークである。
【0014】
例7は、例1~5のいずれか1つのネットワークコンポーネントであり、各加入は、モバイル端末の訪問先(visited)モバイル通信ネットワークに関連付けられ、加入に関連付けられたモバイル通信ネットワークは、訪問先モバイル通信ネットワークである。
【0015】
例8は、例1~5のいずれか1つのネットワークコンポーネントであり、各加入は、ホームモバイル通信ネットワーク及び1つ又は複数の訪問先モバイル通信ネットワークに関連付けられ、データ収集インターフェイスは、加入毎に、1つ又は複数の訪問先モバイル通信ネットワークのリストを取得するように構成され、コントローラは、1つ又は複数の訪問先モバイル通信ネットワークのリストからモバイル通信ネットワークのうちの少なくとも1つのネットワークを選択するように構成され、制御情報には、モバイル通信ネットワークのうちの少なくとも1つのネットワークを通信に使用すべきであることが含まれる。
【0016】
例9は、例8のネットワークコンポーネントであり、データ収集インターフェイスは、加入毎に、加入に関連付けられたホームモバイル通信ネットワークから1つ又は複数の訪問モバイル通信ネットワークのリストを取得するように構成される。
【0017】
例10は、例1~9のいずれか1つのネットワークコンポーネントであり、ネットワークコンポーネントは、人工知能メカニズム及び/又は機械学習モデルを実装し、コントローラは、人工知能メカニズム及び/又は機械学習モデルを使用して制御情報を決定するように構成される。
【0018】
例11は、例1~10のいずれか1つのネットワークコンポーネントであり、機械学習モデルによって、モバイル端末の将来の位置を予測する。
【0019】
例12は、例1~11のいずれか1つのネットワークコンポーネントであり、モバイル端末は、車両又はドローンのモバイル端末であり、ネットワークコンポーネントは、車両又はドローン制御アプリケーションを実装する。
【0020】
例13は、例12のネットワークコンポーネントであり、ネットワークコンポーネントは、V2X(vehicle-to-everything)アプリケーションを実装する。
【0021】
例14は、例1~13のいずれか1つのネットワークコンポーネントであり、制御情報には、モバイル通信ネットワークのうちの少なくとも1つのネットワークのアクセス情報が含まれる。
【0022】
例15は、例1~14のいずれか1つのネットワークコンポーネントであり、コントローラは、通信性能情報に従ってモバイル端末の予想される接続品質を最大化するために、加入に関連付けられたモバイル通信ネットワークのうちの少なくとも1つのネットワークを選択するように構成される。
【0023】
例16は、例1~15のいずれか1つのネットワークコンポーネントであり、データ収集インターフェイスは、モバイル端末及び/又は情報モバイル通信ネットワーク及び/又はサードパーティアプリケーションからリストの指標を取得するように構成される。
【0024】
例17は、例1~16のいずれか1つに記載のネットワークコンポーネントであり、通知インターフェイスは、モバイル端末に、アプリケーション層又は制御プレーンシグナリングを介して制御情報に従って少なくとも1つのモバイル通信ネットワークを使用して通信を行うように通知するように構成される。
【0025】
例18は、ネットワーク接続を提供するための方法であり、この方法は、モバイル端末が加入者識別モジュールを含むモバイルネットワーク加入のリストの指標を取得するステップと、加入のそれぞれについて、加入に関連付けられたモバイル通信ネットワークから通信性能情報を取得するステップと、通信性能情報に基づいて、加入に関連付けられたモバイル通信ネットワークのうちの少なくとも1つのネットワークを介した通信を制御するための制御情報を決定するステップと、制御情報に従って、モバイル通信ネットワークのうちの少なくとも1つのネットワークを使用して通信を行うようモバイル端末に通知するステップと、を含む。
【0026】
例19は、モバイル端末であり、このモバイル端末は、モバイル端末が加入者識別モジュールを含むモバイルネットワーク加入のリストの指標をネットワークコンポーネントに送信するように構成された送信機と、加入に関連付けられたモバイル通信ネットワークのうちの少なくとも1つのモバイル通信ネットワークを使用して通信を行うための制御情報を受信するように構成された受信機と、制御情報に従って通信を行うように構成された通信モジュールとを含む。
【0027】
例20は、無線通信を行うための方法であり、この方法は、モバイル端末が加入者識別モジュールを含むモバイルネットワーク加入のリストの指標をネットワークコンポーネントに送信するステップと、加入に関連付けられたモバイル通信ネットワークのうちの少なくとも1つのモバイル通信ネットワークを使用して通信を行うための制御情報を受信するステップと、制御情報に従って通信を行うステップとを含む。
【0028】
上記の例のいずれかの1つ又は複数の特徴は、他の例のいずれかと組み合わせることができることに留意されたい。特に、装置(特にネットワークコンポーネント)に関して説明した例は方法に対して同様に有効であり、モバイル端末に関して説明した例はモバイル端末に対して同様に有効である。
【0029】
更なる実施形態によれば、指示を含むコンピュータプログラム及びコンピュータ可読媒体が提供され、指示がコンピュータによって実行されると、コンピュータに上記の例のいずれか1つの方法を実行させる。
【0030】
以下では、様々な例についてより詳細に説明する。
【0031】
図1は、無線通信システム100、例えば3GPP(Third Generation Partnership Project)で指定された5G通信ネットワークを示している。
【0032】
無線通信システム100は、UE(ユーザ機器)及びナノ機器(NE)等のモバイル無線端末装置102を含む。加入者端末とも呼ばれるモバイル無線端末装置102は、端末側を形成する一方、以下に説明する無線通信システム100の他のコンポーネントは、モバイル無線通信ネットワーク側の一部、すなわちモバイル(無線)通信ネットワーク(例えば、公衆陸上移動通信ネットワーク、PLMN)の一部である。
【0033】
さらに、無線通信システム100は無線アクセスネットワーク103を含み、これは、複数の無線アクセスネットワークノード、すなわち、5G(第5世代)無線アクセス技術(5G New Radio)に従って無線アクセスを提供するように構成された基地局を含み得る。なお、無線通信システム100は、LTE(long Term Evolution)又は別の無線通信規格(例えば、Wi-Fi)に従って構成してもよいが、ここでは一例として5Gを使用する。各無線アクセスネットワークノードは、モバイル無線端末装置102とのエアインターフェイスを介した無線通信を提供することができる。無線アクセスネットワーク103は、任意の数の無線アクセスネットワークノードを含んでもよいことに留意されたい。
【0034】
無線通信システム100はコアネットワーク118をさらに含み、コアネットワーク118は、RAN103に接続されたアクセス及びモビリティ管理機能(AMF)101、統合データ管理(UDM)104(統合データレポジトリ(UDR)と対にすることができる)、及びネットワークスライス選択機能(NSSF)105を含む。ここ及び以下の例では、UDMは、例えばUDR(統合データレポジトリ)として知られる実際のUEの加入データベースからさらに構成してもよい。コアネットワーク118は、AUSF(認証サーバ機能)114及びPCF(ポリシー制御機能)115をさらに含む。
【0035】
コアネットワーク118は、複数のネットワークスライス106、107を有することができ、ネットワークスライス106、107毎に、オペレータは、複数のネットワークスライスインスタンス(NSI)108、109を作成することができる。例えば、コアネットワーク118は、拡張モバイルブロードバンド(eMBB)を提供するための3つのコアネットワークスライスインスタンス(CNI)108を含む第1のコアネットワークスライス106と、V2X(Vehicle-to-Everything)を提供するための3つのコアネットワークスライスインスタンス(CNI)109を含む第2のコアネットワークスライス107と、を含む。
【0036】
典型的に、ネットワークスライスが展開されると、ネットワーク機能(NF)がインスタンス化されるか、又は(既にインスタンス化されている場合)ネットワーク機能(NF)を参照してネットワークスライスインスタンス(NSI)が形成され、ネットワークスライスインスタンスに属するネットワーク機能が、ネットワークスライスインスタンス識別(identification:ID)で構成される。
【0037】
具体的には、図示の例では、第1のコアネットワークスライス106の各インスタンス108は、第1のセッション管理機能(SMF)110及び第1のユーザプレーン機能(UPF)111を含み、第2のコアネットワークスライス107の各インスタンス109は、第2のセッション管理機能(SMF)112及び第2のユーザプレーン機能(UPF)113を含む。
【0038】
コアネットワーク118は、ネットワーク機能/ネットワーク機能サービス登録、ネットワーク機能/ネットワーク機能サービス検出(discovery)を提供するNRF(ネットワークレポジトリ機能)117をさらに含むことができる。NRFは、モバイル無線通信ネットワーク側の任意のネットワーク機能へのインターフェイスを有することができ、例えばAMF101、SMF110、112へのインターフェイスを有することができる。簡素化するために、NRF117とAMF101との間のインターフェイスのみが示されている。
【0039】
無線通信システム100は、OAM(オペレーション、アドミニストレーション及びメンテナンス)機能(又はエンティティ)116をさらに含むことができ、OAM機能116は、例えばRAN103及びコアネットワーク118に接続された1つ又は複数のOAMサーバによって実装される(簡素化するために接続は示していない)。
【0040】
さらに、無線通信システム100は、NWDAF(ネットワークデータ及び分析機能)118を含むことができる。
【0041】
上で説明したように、5GS(5Gシステム)は、例えば、V2X(Vehicle-to-Everything)の通信を提供することができる。これは、例えば、UE102上で動作するV2Xアプリケーションが、図2に示されるように、5Gシステムのネットワーク側を介してV2Xアプリケーションサーバと通信することを意味する。
【0042】
図2は、V2X(Vehicle-to-Everything)アプリケーションへの5Gシステムの適用を示す。
【0043】
V2Xアプリケーション201は、UE202(例えば、UE102に対応する)上で実行されている。(例えば、RAN103に対応する)5Gアクセスネットワーク203及び(例えば、コアネットワーク118に対応する)5Gコアネットワーク(5GC)204を含む5Gシステムは、V2Xアプリケーション201とV2Xアプリケーションサーバ210との間のインターフェイス205を提供する。
【0044】
図1を参照して説明したように、5Gコアネットワーク204は、UDR206、PCF207、及びAMF208を含む。さらに、その5Gコアネットワーク204はネットワーク露出(exposure:公開)機能(NEF)209を提供する。5GSは、(5GC204及び5G-AN203が属する)PLMNでのNFと、UE201とV2Xアプリケーションサーバ210との間の(V1)インターフェイス(又は参照ポイント)を含むV2Xアプリケーションサーバとの間の通信を可能にするNEFサービスを提供する。V2Xアプリケーションサーバのアドレス情報を、UE202に対して構成する、又はAMF208とUE202との間のN1インターフェイスを介してプロビジョニングすることができる。
【0045】
しかしながら、無線カバレッジが不十分であるため、特に遠隔及び自律運転のための自動車接続に関して、単一のオペレータ(つまり、単一のPLMN)に依存することは、典型的に、自動車会社にとって望ましくない。
【0046】
従って、様々な実施形態によれば、自動車会社は、ある場所(例えば、国)で複数のPLMNオペレータとSLA(サービスレベル契約(agreement:合意))を結んでいると想定される。
【0047】
様々な実施形態によれば、自動車会社は、モバイル選択システム、例えば自動車会社の(例えば会社の構内の)プライベートクラウドで、例えばモバイルネットワークの選択のためにトレーニングされたAI(人工知能)システムを運用しているとさらに想定される。
【0048】
図3は、そのようなシナリオを示す。
【0049】
車両301が、2つ(又はそれ以上)のPLMN302、303のカバレッジ内にある。車両301は加入しており、PLMN302、303のそれぞれに(加入のための)加入者識別モジュールを含む。すなわち各PLMN302、303は車両301のホームネットワークである。例えば、車両301はUE202を含み、UE202はPLMN302、303のための加入者識別モジュールを装備している。USIMだけでなくSIMは両方とも、例えば加入者識別モジュール、つまり、モバイルネットワークアクセスを可能にするハードウェア(例えば、カード)及びソフトウェア(アプリケーション)と見なされることに留意されたい。加入者識別モジュールは加入に関連付けられる(典型的に、車両301が加入しているモバイルネットワークのオペレータによって提供される)。こうして、車両301は、複数の加入を有しており、加入毎に加入者識別モジュールを含む。
【0050】
V2Xアプリケーション201は、例えば、PLMN同士の間の接続の変更を処理するように構成される。様々な実施形態によれば、V2Xアプリケーション201は、車両301を製造した車両会社によって運営されるモバイル選択システム304によって提供される制御情報に従ってこれを行う。モバイル選択システムは、例えば、機械学習モデルを実装し、機械学習モデルの結果を使用して選択(PLMN選択及び/又はRAT(無線アクセス技術)選択及び/又はCN(コアネットワーク)選択))を行う。従って、そのシステムは、以下ではAI(人工知能)システムとして示されるが、実施形態は必ずしも機械学習を使用する必要はない。さらに、選択は、必ずしもPLMNの間で(例えば、それらのみ)行われるとは限らず、例えば、プライベートネットワークも選択において考慮され得る。
【0051】
図3のシナリオの例示的な使用事例は、遠隔及び自律運転のために、車両301が、現在サービスを提供しているPLMNに接続し続けるか、又は円滑な運転を継続するために別のPLMNに移動すべきかを知る必要があるということである。例えば、現在サービスを提供しているPLMNによって提供される進行中の通信セッションのネットワーク状態が、ネットワーク内のカバレッジエリアのパッチ(patchy:むら)又は輻輳によって不安定になるため、その車両301は別のPLMNに変更することが望ましい場合がある。
【0052】
様々な実施形態によれば、AIシステム304は、例えば、
・PLMN302、303からのネットワークの輻輳及び負荷情報、信号強度、車両301にサービスを提供するためのリソース等
・サードパーティアプリケーション305からのカバレッジ情報、トラフィック状況等
・予測結果(例えば、AIシステム304によって実行される(例えばAI)予測アルゴリズムによる出力)、例えば、車両301が移動している場所、を予測することを含むデータを収集する。次に、AIシステム304は、PLMNを選択するときに、車両301が移動していると予想される場所におけるネットワーク負荷を考慮することができる。
【0053】
AIシステム304は、対応する通知で制御情報を車両301に提供する。制御情報に従って、車両301は、別のPLMNに移動するか、又は現在のサービングPLMNを使用し続けるかどうかを決定する。
【0054】
別の例示的な使用事例は、2つのPLMN302、303の代わりに、(駐車ネットワークとして示される)駐車デッキに1つのPLMN及びローカルネットワークがある場合である。
【0055】
駐車ネットワークは、3GPPネットワークであっても、非3GPPネットワークであってもよい。従って、本明細書で説明するアプローチは、3GPPネットワークに限定されない。
【0056】
この使用事例では、基本的な接続サービスを、カバレッジの悪いエリアに駐車している(又はこれから車で乗り入れる)車両(例えば、地下駐車場のカーシェアリング車両)に提供する必要がある。これらのサービスには、車両暖房の開始、バッテリー状態の更新、車両のロック/ロック解除、バックエンドへの基本的な車両状態の更新等の車両制御が含まれる。AIシステム304は、駐車ネットワークから受信した情報に基づいて車両301の駐車を支援することもできる。
【0057】
AIシステム304は、駐車ネットワークの詳細を車両301に提供し、それによって車両301が駐車ネットワークに接続して悪いカバレッジエリアで接続できるようにする。
【0058】
こうして、様々な実施形態によれば、AIシステム304は、ネットワーク(例えば、PLMN)毎の入力データ、可能であればサードパーティアプリケーションからの入力も収集することによって、複数のネットワーク情報ベースの車両運転支援(又は一般的にはネットワーク選択支援)を提供し、その入力に基づいて、サービングネットワークの状態を決定し、車両を支援する、つまり、接続を継続するか、別のPLMNに移動するかを車両に伝える。
【0059】
図4は、一実施形態によるメッセージフローを示すメッセージフロー図400を示す。
【0060】
例えば車両301によって設置又は実装されるUE401、例えばPLMN302に対応する第1のPLMN402、例えばPLMN303に対応する第2のPLMN403、例えばサードパーティアプリケーション305に対応するサードパーティアプリケーション404、及び例えばAIシステム304に対応するAIシステム405がフローに関与する。
【0061】
最初に、406において、UE401が、第1のPLMN402に接続され、例えばV2Xアプリケーションサーバ210との通信のために第1のPLMN402を使用すると仮定する。さらに、UE401は、第1のPLMN402を介してAIシステム405への接続(例えば、セッション)を有する。UE401は、加入者識別モジュールの詳細、接続したPLMN(つまり、現在のサービングPLMN)及び位置特定情報等の情報をAIシステム405に提供する。
【0062】
407において、第1のPLMN402のネットワーク機能(NF)(例えば、(NEFを介した)NWDAF又はOAM)は、第1のPLMN402に関するデータ(例えば、その負荷に関する情報又は一般的な通信性能情報、すなわち、ネットワーク(ここでは第1のPLMN402)が例えばある地域で提供できる通信性能に関する情報)をAIシステム405に公開する。
【0063】
同様に、408において、第2のPLMN403のネットワーク機能(NF)は、第2のPLMN403に関するデータをAIシステム405に公開する。
【0064】
AIシステム405は、例えば、両方のPLMN402、403を含むネットワークデータについて通知を受けるために加入することができる。
【0065】
ネットワークデータは、AIシステム405の入力データとして機能する。
【0066】
409において、AIシステム405は、サードパーティアプリケーション404から(その入力データの一部を形成する)追加データの提供を受け得る。
【0067】
410において、その入力データに基づいて、AIシステム405は、本例では、円滑な接続のために(例えば、V2Xアプリケーションサーバ210への接続の中断を回避するために)、UE401が第2のPLMN403に切り替える必要があると予測する。
【0068】
従って、411において、AIシステム405は、PLMNを切り替えるためのポリシー(又は指示又は推奨)及びPLMNをどのように切り替えるかをUE401に通知し、ターゲットPLMN(例えば、PLMN識別)及び場合によっては、例えば目的の場所に到達する前に切り替える実行条件、ポリシーの有効性等に関する情報を含む。
【0069】
AIシステム405は、複数の候補ターゲットPLMN及び実行条件を提供することができる。
【0070】
412において、UE401は、ポリシーに従ってPLMN変更を実行する、すなわち、実行条件(もしあれば)に従って、411においてAIシステム405によって示されたPLMNに切り替える。この例では、UE401は、第2のPLMN403に切り替える。
【0071】
例えば、実行条件は、特定の場所(例えば、追跡エリア)に到達する前に切り替える、及び/又は直ぐに切り替える、及び/又は無線信号が特定のレベル又はしきい値に関して悪くなった場合に切り替える等され得る。
【0072】
413において、UE401は、第2のPLMN403を使用して(例えば、V2Xアプリケーションサーバと)通信し、第2のPLMN403を介してAIシステム405への接続(例えば、セッション)を有する。
【0073】
図5は、(AIシステム304に対応する)AIシステム503の入力データ501及び出力データ502(すなわち、UE301に提供され得るデータ)の例を示す。
【0074】
上述したように、PLMN302、303は、UE301のホームPLMNであると仮定する。
【0075】
車両301がPLMN302、303のカバレッジエリア内にない(ただし、例えば別の国にある)場合のローミングシナリオでは、PLMN302、303毎に、PLMNのオペレータと自動車会社との両方は、例えば別の国での(少なくとも1つの)更なるPLMN(少なくとも1つの)オペレータと契約を結んでいる。
【0076】
図6はローミングシナリオ600を示す。
【0077】
HPLMN601(例えば、PLMN302、303のうちの1つに対応する)のオペレータは、第1のVPLMN(訪問先PLMN)602のオペレータ及び第2のVPLMN603のオペレータと(ローミング)契約を結んでいる。
【0078】
車両604はHPLMN601のカバレッジの外にあるが、両方のVPLMN602、603の一方のカバレッジ内にあると仮定される。上記の実施形態と同様に、AIシステム605が提供される。
【0079】
そのようなシナリオでは、HPLMN601は、VPLMN602、603のリスト(すなわち、対応する契約によりHPLMN601のVPLMNとして機能し得るPLMNのリスト)をAIシステム605に提供する。
【0080】
AIシステム605は、VPLMN602、603のリストと、自動車会社が契約したPLMNのリストとの間の重複をチェックする。
【0081】
この例では、HPLMN601のオペレータと自動車会社との両方が、両方のVPLMN602、603と協力関係にあると仮定される。
【0082】
車両604(すなわち、車両のUE)は、例えばHPLMN601の詳細をAIシステム605に提供することができ、このシステム605は、そのHPLMN601である。その車両604は、その現在のサービングPLMN(PLMNの変更が望ましい場合があるため、ローミング契約なしの更なるVPLMNである場合がある)についての詳細も提供することができる。
【0083】
上記の実施形態と同様に、AIシステム605は、VPLMN602、603からデータを収集し、車両604が別のVPLMN又は別のRAT等に移動するのを支援する。
【0084】
こうして、例えば、AIが組み込まれたV2Xアプリケーションサーバは、車両のUEにAI入力を提供するときに、異なるH-PLMNと異なるV-PLMNとの間のローミング契約を考慮することができる。例えば、UEがローミング状況にあり、V-PLMNに接続されており、UEにカバレッジ及び接続サービスを提供する1つ又は複数の他のV-PLMNがある場合に、V2XアプリケーションサーバのAIシステムは、UEのHPLMNがV-PLMN及び他のV-PLMNとどのローミング契約を結んでいるかを考慮することができる。
【0085】
上記の実施形態では、AIシステムは、制御又は支援情報(例えば、ポリシー)をUEに送信して、UEがPLMNを変更するように指示(又は推奨)している。
【0086】
しかしながら、AIシステムは、特定のセッション(例えば、PDU(プロトコルデータユニット)セッション)のみを異なるPLMNに移動するために、そのような入力をUEに提供することもできる。
【0087】
例えば、AIシステムが、第1のセッションのQoS(サービス品質)が現在のサービングPLMNによって(例えば、負荷又は輻輳のため)保証できないと判定した場合に、AIシステムは、QoSを取得するために、このセッションを異なるPLMNに移動するようにUEに通知することができる。この場合に、一部のセッションは第1のPLMNによって提供され得る一方、他のセッションは第2のPLMNによって提供される。つまり、UEは2つの異なるPLMNに接続され、セッションを維持する。
【0088】
上記の実施形態は、車両の使用事例、すなわちUEが車両の一部である場合について説明しているが、上記のアプローチは、他の使用事例、特にUEがドローンの一部である場合にも適用され得ることに留意されたい。次に、ドローンは、ドローンサーバ(AIシステムを実装する)から、上記の車両と同様の指示又は提案を受け取ることができる。
【0089】
そのため、一般に、モバイル端末は、装置(車両又はドローン等)にモバイル通信を提供する任意の装置の一部であってもよい。そのモバイル端末は、スタンドアロン装置(スマートフォン等)であってもよい。そのモバイル端末は、3GPPによるUEであってもよい。
【0090】
さらに、AIシステムは、アプリケーション層を介して(直接的に)、又は5G通信ネットワークの制御プレーンを介して(間接的に)UEに情報(例えば、モバイル選択の指示又は提案に関する通知)を提供できることに留意されたい。例えば、後者(間接的に)の場合に、AIシステムは専用コンテナでUEに通知を送信し、このコンテナは、通信ネットワークによって制御プレーンを介してUEに渡される(例えば、AIシステム→NEF→AMF→UE)。
【0091】
ネットワークコンポーネントは、モバイル通信ネットワークのうちの1つのネットワークの一部であってもよく、又はモバイル通信ネットワークから独立していてもよい。
【0092】
要約すると、様々な実施形態によれば、図7に示されるように、ネットワークコンポーネントが提供される。
【0093】
図7は、一実施形態によるネットワークコンポーネント700を示す。
【0094】
ネットワークコンポーネント700は、モバイル端末が加入者識別モジュールを含むモバイルネットワーク加入のリストの指標、及び加入のそれぞれについて、加入に関連付けられたモバイル通信ネットワークから通信性能情報を取得するように構成されたデータ収集インターフェイス701を含む。
【0095】
ネットワークコンポーネント700は、通信性能情報に基づいて、加入に関連付けられたモバイル通信ネットワークのうちの少なくとも1つのネットワークを介した通信を制御するための制御情報を決定するように構成されたコントローラ702と、制御情報に従ってモバイル通信ネットワークのうちの少なくとも1つのネットワークを使用して通信を行うようにモバイル端末に通知するように構成された通知インターフェイス703とをさらに含む。
【0096】
ネットワークコンポーネント(又は通信ネットワークコンポーネント)は、例えば、アプリケーション層コンポーネント、すなわち、V2Xアプリケーションサーバ等のそれぞれの通信システムのアプリケーション層のコンポーネントである。
【0097】
様々な実施形態によれば、換言すれば、より良好なカバレッジを達成するために、モバイル端末は、複数のモバイルネットワーク加入を有しており、その端末が有するモバイルネットワーク加入についてネットワークコンポーネントに通知する。ネットワークコンポーネントは、これらの加入に関連付けられたモバイルネットワークからデータを収集する(これは、加入に対応するHPLMNであってもよく、又は例えば、モバイル端末がHPLMNのカバレッジエリア内にない場合、例えば、他の国にある場合に、HPLMNのオペレータ(つまり、モバイル端末が加入契約を結んでいるオペレータ)がローミング契約を結んでいるVPLMNであってもよい)。ネットワークコンポーネントは、加入に関連付けられたこれらのモバイルネットワークのうちの1つ又は複数のネットワークを介した通信を制御するための制御情報を決定し、その制御情報についてモバイル端末に通知する(つまり、制御情報を含む通知をモバイル端末に送信する)。これには、例えば、ネットワークコンポーネントが、加入に関連付けられたモバイルネットワークのうちの1つ又は複数のネットワークを選択し、モバイル端末が選択したモバイルネットワークを(例えば、ネットワークコンポーネント自体との通信、例えば、モバイル端末が車両に設置されたモバイル端末である場合の車両制御のための)通信に使用するように指示又は提案することが含まれる場合がある。様々な実施形態によれば、ネットワークコンポーネントは、別のオペレータ、すなわちモバイル端末が加入契約を結んでいるオペレータとは異なるオペレータによって操作されるコンポーネントである。
【0098】
複数の加入を有しており、これらの加入に関連付けられたモバイルネットワークから選択すること(例えば、現在最高の通信パフォーマンスが期待できるものを選択すること)によって、モバイル端末の全体的な接続性が向上する。これは、自律運転のための通信等の安全関連のアプリケーションに特に関連している。
【0099】
例えば、ネットワークコンポーネントは、機械学習モデルを実装し、こうして、上記の実施形態のように、AIシステムと見なすことができる。ただし、そのネットワークコンポーネントは、機械学習を使用せずに提供することもできることに留意されたい。
【0100】
例えば、AIシステムは、UEの現在のサービングPLMNとのUEの接続を継続することを決定するか、又は別のPLMNに切り替えるようにUEに通知するかを決定する内部ロジックを有する。この決定のために、そのAIシステムは、複数のPLMN及び場合によってはサードパーティアプリケーションからもデータを収集する場合がある。そのAIシステムは、現在又は別のPLMNの異なるPLMN及び/又はアクセスタイプ及び/又はCNタイプに移動するようにUEに指示する。そのAIシステムは、指示と共に、必要なパラメータ(例えば、ターゲットPLMN ID)をUEに提供することができる。AIシステムは、UEから必要な情報を受信することができ、例えば、UEは、そのUEが加入しているPLMNのリスト及びその現在のサービングPLMNに関する情報を提供することができる。
【0101】
通信性能情報の例、例えば達成可能なサービス品質、スループット等を図5に示す。
【0102】
例えば、ネットワークコンポーネントは、図8に示す方法を実行する。
【0103】
図8は、一実施形態によるネットワーク接続を提供するための方法を示すフロー図を示している。
【0104】
801において、モバイル端末が加入者識別モジュールを含むモバイルネットワーク加入のリストの指標が取得される。
【0105】
802において、加入のそれぞれについて、加入に関連付けられたモバイル通信ネットワークからの通信性能情報が取得される。
【0106】
803において、通信性能情報に基づいて、加入に関連付けられたモバイル通信ネットワークのうちの少なくとも1つのネットワークを介した通信を制御するための制御情報が決定される。
【0107】
804において、モバイル端末は、制御情報に従ってモバイル通信ネットワークのうちの少なくとも1つのネットワークを使用して通信を行うように通知される。
【0108】
図9は、一実施形態によるモバイル端末900を示す。
【0109】
モバイル端末900は、モバイル端末が加入者識別モジュールを含むモバイルネットワーク加入のリストの指標をネットワークコンポーネントに送信するように構成された送信機901と、加入に関連付けられたモバイル通信ネットワークのうちの少なくとも1つのモバイル通信ネットワークを使用して通信を行うための制御情報を受信するように構成された受信機902とを含む。
【0110】
モバイル端末900は、制御情報に従って通信を行うように構成された通信モジュール903をさらに含む。
【0111】
例えば、モバイル端末は、現在のサービングネットワークを介してリストの指標を送信することができ、次に、制御情報に従ってネットワーク(又はRAT又はCN)を切り替えることができる。モバイル端末は、セッション毎にこれを行うことができる。つまり、モバイル端末は、複数のセッションを有しており、制御情報で指定した少なくとも1つのモバイル通信ネットワーク(又はRAT又はCN)を介して1つ又は複数のセッションの通信を行うことができる(及び、別のモバイル通信ネットワーク(又はRAT又はCN)を介した他のセッションの通信は、それらセッションをサービングネットワークに残す)。
【0112】
図10は、一実施形態による無線通信を行うための方法を示すフロー図を示している。一実施形態によれば、この方法はモバイル端末によって実行される。
【0113】
1001において、モバイル端末が加入者識別モジュールを含むモバイルネットワーク加入のリストの指標が、ネットワークコンポーネントに送信される。
【0114】
1002において、加入に関連付けられたモバイル通信ネットワークのうちの少なくとも1つのモバイル通信ネットワークを使用して通信を行うための制御情報が受信される。
【0115】
1003において、制御情報に従って通信を行う。
【0116】
ネットワークコンポーネント及びモバイル端末のコンポーネント(例えば、コントローラ、インターフェイス等)は、例えば、1つ又は複数の回路によって実装され得る。「回路」は、メモリ、ファームウェア、又はこれらの任意の組合せで格納されたソフトウェアを実行する専用回路又はプロセッサであり得る、任意の種類のロジック実装エンティティとして理解され得る。こうして、「回路」は、ハードワイヤード論理回路又はプログラム可能なプロセッサ、例えばマイクロプロセッサ等のプログラム可能な論理回路であってもよい。「回路」は、ソフトウェア、例えば任意の種類のコンピュータプログラムを実行するプロセッサであってもよい。上述のそれぞれの機能の他の種類の実施態様も、「回路」として理解することができる。
【0117】
特定の態様を説明したが、当業者は、添付の特許請求の範囲によって規定される本開示の態様の精神及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細に様々な変更を加えることができることを理解すべきである。こうして、その範囲は添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と同等の意味及び範囲内にある全ての変更が含まれることが意図される。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10