特許7537042IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

血液凝固第XIII因子(以下、単に第XIII因子ともいう。)の活性値決定方法、被験試料の調製方法、測定点試料の調製方法及び血液製剤の製造方法

要約特許出願時に添付された[要約書]

【課題】FXIII-GLDH法を前提とすることで第XIII因子活性値に応じた物性値の測定に要する作業性の改善を図りながらも、血漿に比して第XIII因子が精製された状態や濃縮された状態にある製品や中間品の第XIII因子活性値を検体組成の影響を受けることなく正確に決定できる方法を提供する。
【解決手段】被験試料に含まれる未知の第XIII因子活性値を、既知の基準試料と被験試料の物性値の比較により決定する方法であって、前記物性値は、FXIII-GLDH法において消費されるNAD(P)H若しくはNAD(P)H類縁体又は生成されるNAD(P)若しくはNAD(P)類縁体の単位時間あたりの変化量に相応する物性値であり、前記基準試料及び被験試料には、2.0~4.0mg/mLの濃度でフィブリノゲンを含有させることとした。
【選択図】図1

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

ところで、先述の通り第XIII因子は、第XIII因子製剤や生体組織接着剤の有効成分の一つとして利用されており、その製造過程では第XIII因子の精製や濃縮が行われる。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

従来の課題を解決するために、本発明に係る第XIII因子活性値決定方法では、(1)血漿以外の被験試料に含まれる未知の血液凝固第XIII因子(第XIII因子)活性値を、第XIII因子活性既知の基準試料と被験試料の物性値の比較により決定する方法であって、前記物性値は、グルタミン残基を有する第XIII因子の所定の基質とグリシンエチルエステルとをカルシウムイオンとトロンビンとの存在下で前記被験試料・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る

発明の効果[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明に係る第XIII因子活性値決定方法によれば、血漿以外の被験試料に含まれる未知の血液凝固第XIII因子(第XIII因子)活性値を、第XIII因子活性既知の基準試料と被験試料の物性値の比較により決定する方法であって、前記物性値は、グルタミン残基を有する第XIII因子の所定の基質とグリシンエチルエステルとをカルシウムイオンとトロンビンとの存在下で前記被験試料又は基準試料中の第XIII因子により反応させてアンモニアを生成させつつ、同アンモニアとα-ケトグルタル酸とをNAD(P)H又はNAD(P)H類縁体の存在下でグルタミン酸デヒドロゲナーゼにより反応させることで消費されるNAD(P)H若しくはNAD(P)H類縁体又は生成されるNAD(P)若しくはNAD(P)類縁体の単位時間あたりの変化量に相応する物性値であり、前記基準試料及び被験試料には、2.0~4.0mg/mLの濃度でフィブリノゲンを含有させることとしたため、FXIII-GLDH法を前提とすることで第XIII因子活性値に応じた物性値の測定に要する作業性の改善を図りながらも、血漿に比して第XIII因子が精製された状態や濃縮された状態にある製品や中間品の第XIII因子活性値を検体組成の影響を受けることなく正確に決定できる方法を提供することができる。

また、本発明に係る第XIII因子活性値決定方法によれば、被験物品(ただし、血漿を除く。)より調製した被験試料(ただし、血漿を除く。)に含まれる未知の血液凝固第XIII因子(第XIII因子)活性値に応じた物性値を測定して、基準試料に含まれる既知の第XIII因子活性値に応じた物性値と比較することにより、前記被験物品又は前記被験試料中の第XIII因子活性値を決定する方法であって、前記被験試料及び基準試料における第XIII因子活性値に応じた物性値は、グルタミン残基を有する前記第XIII因子の所定の基質とグリシンエチルエステルとをカルシウムイオンとトロンビンとの存在下で前記被験試料又は基準試料中の第XIII因子により反応させてアンモニアを生成させつつ同アンモニアとα-ケトグルタル酸とをNAD(P)H又はNAD(P)H類縁体の存在下でグルタミン酸デヒドロゲナーゼにより反応させることで消費されるNAD(P)H若しくはNAD(P)H類縁体又は生成されるNAD(P)若しくはNAD(P)類縁体の単位時間あたりの変化量に相応する物性値であり、前記基準試料は、1mLの正常血漿中の第XIII因子の活性を1単位とした場合に予め設定した測定点試料活性目標値に合致させた既知の第XIII因子活性値を有する1つの測定点試料又は複数のそれぞれ異なる測定点試料活性目標値に合致させた既知の第XIII因子活性値を有する複数の測定点試料により構成し、前記被験物品及び被験試料は第XIII因子活性値が予め予測されたものであり、前記測定点試料が1つの場合には当該測定点試料の第XIII因子活性値を被験試料活性目標値とする一方、前記測定点試料が複数の場合には前記基準試料のうち最大の第XIII因子活性を有する測定点試料の活性値から最小の第XIII因子活性を有する測定点試料の活性値までの範囲内より選択される値を被験試料活性目標値として、前記第XIII因子活性の予測値が前記被験試料活性目標値となるよう前記被験試料を調製し、前記基準試料及び被験試料には、2.0~4.0mg/mLの濃度でフィブリノゲンを含有させることとしたため、FXIII-GLDH法を前提とすることで第XIII因子活性値に応じた物性値の測定に要する作業性の改善を図りながらも、血漿に比して第XIII因子が精製された状態や濃縮された状態にある製品や中間品の第XIII因子活性値を検体組成の影響を受けることなく正確に決定できる方法を提供することができる。

また、前記測定点試料活性目標値は1.0単位/mLに設定し、前記基準試料は、第XIII因子活性値を1.0単位/mLとした1つの測定点試料にて構成すれば、正常血漿に近い第XIII因子活性を有する単一の測定点試料よりなる基準試料に基づき、被験試料の第XIII因子活性値の決定を堅実に行うことができる。

また、前記測定点試料活性目標値は0.5単位/mLと、1.0単位/mLと、1.5単位/mLに設定し、前記基準試料は、第XIII因子活性値を0.5単位/mLと、1.0単位/mLと、1.5単位/mLとした3つの測定点試料にて構成すれば、正常血漿に近い第XIII因子活性の範囲の複数の測定点試料よりなる基準試料に基づいて検量線を作成し、被験試料の第XIII因子活性値を決定することができる。

また、前記反応は、37℃にて行うこととすれば、適切な酵素反応条件下にて測定を行うことができ、安定した被験試料の第XIII因子活性値の決定を行うことができる。

また、前記被験試料及び基準試料における第XIII因子活性値に応じた物性値は、前記反応により消費されるNADHの波長340nmにおける1分間あたりの吸光度の変化量であり、同変化量は、前記反応の開始5分後と10分後にそれぞれ測定した吸光度の差を5で割った商として求めることとすれば、安定した被験試料の第XIII因子活性値の決定を行うことができる。

また、本発明に係る被験試料の調製方法によれば、前述した本発明に係る第XIII因子活性値決定方法にて使用する前記被験試料の調製方法であって、前記被験物品は、第XIII因子活性の予測値が1.5単位/mLを上回る高活性被験物品であり、前記被験試料は、オーレンベロナール緩衝液に2.0~4.0mg/mLの濃度でフィブリノゲンを含有させたフィブリノゲン試液を使用して前記高活性被験物品を希釈し調製することとすれば、血漿に比して活性が高い被験物品の第XIII因子活性をFXIII-GLDH法により決定可能な被験試料の調製方法を提供することができる。

また、前記高活性被験物品の第XIII因子活性の予測値が10.0単位/mLを上回る場合には、オーレンベロナール緩衝液に0.5w/v% HSA及び/又は0.1v/v% Tween20を含有させた検体希釈液により第XIII因子活性の予測値が前記被験試料活性目標値の10倍となるよう希釈して被験中間希釈試料を調製し、次いで、第XIII因子活性の予測値が前記被験試料活性目標値となるよう前記被験中間希釈試料を前記フィブリノゲン試液により10倍希釈して被験試料を調製すれば、例えば50倍や100倍といった高倍率希釈を行う際に、より経済性に優れた希釈液を使用することができる。

また、前記フィブリノゲン試液のフィブリノゲン濃度は2.5mg/mLであることとすれば、5倍以上の希釈を行う際に適したフィブリノゲン試液とすることができる。

また、本発明に係る測定点試料の調製方法によれば、前述した本発明に係る第XIII因子活性値決定方法にて使用する前記測定点試料の調製方法であって、前記測定点試料は、オーレンベロナール緩衝液に2.0~4.0mg/mLの濃度でフィブリノゲンを含有させたフィブリノゲン試液を使用して前記測定点試料活性目標値よりも大きな既知の第XIII因子活性値を有する標準物質を希釈し調製することとすれば、血漿に比して高い既知の活性を有する血漿ではない物品を希釈して測定点試料を調製することができる。

また、前記標準物質の第XIII因子活性値が前記測定点試料活性目標値の10倍を上回る場合には、オーレンベロナール緩衝液に0.5w/v% HSA及び/又は0.1v/v% Tween20を含有させた検体希釈液により第XIII因子活性値が前記測定点試料活性目標値の10倍となるよう希釈して測定点中間希釈試料を調製し、次いで、第XIII因子活性値が前記測定点試料活性目標値となるよう前記測定点中間希釈試料を前記フィブリノゲン試液により10倍希釈して測定点試料を調製することとすれば、例えば50倍や100倍といった高倍率希釈を行う際に、より経済性に優れた希釈液を使用することができる。

また、本発明に係る血液製剤の製造方法では、採取された血液又は血液の分画物に所定の前処理を施して半製品(ただし、血漿を除く。)を調製する半製品調製工程と、前記半製品又は半製品に対して測定のために必要な処理を施した処理物(ただし、血漿を除く。)を被験物質として前述した本発明に係る第XIII因子活性値決定方法により半製品の第XIII因子活性値の決定を行う第XIII因子活性値決定工程と、第XIII因子活性値決定工程にて決定した第XIII因子活性値に基いて前記半製品の適否判断を行い、同半製品が適品と判断された場合には必要に応じ所定の後処理を施して血液製剤とする製品生成工程と、を備えることとすれば、FXIII-GLDH法を前提とすることで第XIII因子活性値に応じた物性値の測定に要する作業性の改善を図りつつ、血漿に比して第XIII因子が精製された状態や濃縮された状態の半製品の第XIII因子活性値が決定された血液製剤を製造することができる。

また、前記第XIII因子活性値決定方法にて使用する前記被験試料は、前述の本発明に係る被験試料の調製方法により調製されたものとすれば、FXIII-GLDH法により決定可能な被験試料を調製した上で、血漿に比して活性が高い半製品の第XIII因子活性を決定して血液製剤を製造することができる。

また、前記第XIII因子活性値決定方法にて使用する前記測定点試料は、前述の本発明に係る測定点試料の調製方法により調製されたものであることとすれば、血漿に比して高い既知の活性を有する血漿ではない物品を希釈して測定点試料を調製し、これに基づく第XIII因子活性値の決定を半製品について行って、血液製剤を製造することができる。

この特許の権利範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】 高活性試料用希釈液の検討結果を示す説明図である。

代表図 図1本件の代表的な図

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