(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-09
(45)【発行日】2024-08-20
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0637 20230101AFI20240813BHJP
【FI】
G06Q10/0637
(21)【出願番号】P 2024076125
(22)【出願日】2024-05-08
【審査請求日】2024-05-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513056101
【氏名又は名称】フリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】木佐森 慶一
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-2531403(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0092499(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0129739(KR,A)
【文献】特開2014-229219(JP,A)
【文献】特開2000-215158(JP,A)
【文献】経営・起業相談チャットボットのLINEサービスをリニューアル,[online],中小企業基盤整備機構,2023年11月30日,https://www.smrj.go.jp/press/2023/jver9n000000e2a1-att/20231130_press02.pdf,[検索日 2024.06.03]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させ、ユーザの事業に係る業務サービスを提供するためのプログラムであって、
前記メモリは、前記ユーザの事業に係る業務データを記憶し、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記ユーザからの入力により、前記ユーザの事業に関するアドバイスを求める質問を含むテキスト情報を受け付けるステップと、
前記受け付けたテキスト情報に対して解析を行い、前記ユーザの事業に関する質問を抽出するステップと、
前記ユーザの事業に係る業務データを参照して分析を行い、前記ユーザの事業に関する質問に対して回答する回答情報を生成するステップと、
前記ユーザの事業に係る業務データを前記ユーザに提示する前記業務サービスの表示画面に、前記ユーザの事業に係る業務データとともに、前記生成した回答情報
と、前記生成した回答情報に関連する前記ユーザの事業に係る業務データの項目とを参照可能に表示するステップと、を実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記ユーザの事業に係る業務データを前記ユーザに提示する前記業務サービスの表示画面において、前記生成した回答情報に関連する前記ユーザの事業に係る業務データの項目を、他の項目とは異なる態様で表示する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記回答情報を生成するステップにおいて、前記ユーザの事業に係るキャッシュフローの説明、前記ユーザが保有すべき自己資金の説明のいずれかまたは両方を含む、前記ユーザの事業に関する質問に対して回答する回答情報を生成する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記ユーザの質問を抽出するステップにおいて、自然言語処理により、前記受け付けたテキスト情報に対して解析を行い、前記ユーザの事業に関するアドバイスを求める質問を抽出する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
制御部と、メモリとを備え、ユーザの事業に係る業務サービスを提供する情報処理装置であって、
前記メモリは、前記ユーザの事業に係る業務データを記憶し、
前記制御部は、
前記ユーザからの入力により、前記ユーザの事業に関するアドバイスを求める質問を含むテキスト情報を受け付けるステップと、
前記受け付けたテキスト情報に対して解析を行い、前記ユーザの事業に関する質問を抽出するステップと、
前記ユーザの事業に係る業務データを参照して分析を行い、前記ユーザの事業に関する質問に対して回答する回答情報を生成するステップと、
前記ユーザの事業に係る業務データを前記ユーザに提示する前記業務サービスの表示画面に、前記ユーザの事業に係る業務データとともに、前記生成した回答情報
と、前記生成した回答情報に関連する前記ユーザの事業に係る業務データの項目とを参照可能に表示するステップと、を実行する、情報処理装置。
【請求項6】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータにより実行され、ユーザの事業に係る業務サービスを提供するための方法であって、
前記メモリは、前記ユーザの事業に係る業務データを記憶し、
前記方法は、前記プロセッサが、
前記ユーザからの入力により、前記ユーザの事業に関するアドバイスを求める質問を含むテキスト情報を受け付けるステップと、
前記受け付けたテキスト情報に対して解析を行い、前記ユーザの事業に関する質問を抽出するステップと、
前記ユーザの事業に係る業務データを参照して分析を行い、前記ユーザの事業に関する質問に対して回答する回答情報を生成するステップと、
前記ユーザの事業に係る業務データを前記ユーザに提示する前記業務サービスの表示画面に、前記ユーザの事業に係る業務データとともに、前記生成した回答情報
と、前記生成した回答情報に関連する前記ユーザの事業に係る業務データの項目とを参照可能に表示するステップと、を実行する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、人間が自然言語により入力(テキスト入力でもよく、発話による音声入力でもよい)した文章を解析し、その内容を理解して適切な出力を行う技術が、各種のサービスとして提供されている。
【0003】
このような言語解析を行って各種サービスを提供する技術として、特許文献1には、SaaS(Software as a Service)等の各種のネットワークサービスを利用(操作)するためにチャットボットを利用したシステムにおいて、自然言語や単語により、サービスの操作に関する入力テキストを受け付けると、受け付けた入力テキストから認識処理を行い、享受させるためのサービスを選択し、選択されたサービスを提供するためのコマンドを生成する、対話型入力支援システムについての技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、会社を経営する経営者にとって、経営上の悩みは多く、アドバイスを求める相談相手が欲しいというニーズは多い。ここで、経営上の悩みとは、会社の経営状況によって異なるものであり、実際に経営状況を把握しないと相談内容に適切にアドバイスすることはできないものである。しかし、経営者にとって、会社の経営状況はあまり開示したくないと考えるため、信頼できる相手でないと会社の経営状況を開示できない。そのため、相談相手は限られていた。
【0006】
そこで、本開示では、業務システムにおいて、経営者からの事業に関するアドバイスを業務データに基づいて回答する技術について説明する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態によると、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させ、ユーザの事業に係る業務サービスを提供するためのプログラムであって、メモリは、ユーザの事業に係る業務データを記憶し、プログラムは、プロセッサに、ユーザからの入力により、ユーザの事業に関するアドバイスを求める質問を含むテキスト情報を受け付けるステップと、受け付けたテキスト情報に対して解析を行い、ユーザの事業に関する質問を抽出するステップと、ユーザの事業に係る業務データを参照して分析を行い、ユーザの事業に関する質問に対して回答する回答情報を生成するステップと、生成した回答情報を出力するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、ユーザの事業に関するアドバイスを求める質問を受け付けると、そのテキスト情報を解析し、業務データから回答情報を生成して出力する。そのため、業務データに基づいたユーザの事業に関するアドバイスを出力することが可能になる。これにより、会社の経営者による、アドバイスを求める相談相手が欲しいというニーズを満たすことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1の業務システム1の全体構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1の端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1のサーバ20の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図4】
図3の業務データベース2021のデータ構造の例を示す図である。
【
図5】業務システム1による質問回答処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】端末装置10に表示するサービス提供の画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施の形態について説明する。以下の記載および図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施する事が可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。以下の説明では、同一の構成には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0011】
本明細書中に記載されている構成要素により実現される機能は、当該記載された機能を実現するようにプログラムされた、汎用プロセッサ、特定用途プロセッサ、集積回路、ASICs(Application Specific Integrated Circuits)、CPU(a Central Processing Unit)、従来型の回路、および/又はそれらの組合せを含む、circuitry又はprocessing circuitryにおいて実装されてもよい。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含み、circuitry又はprocessing circuitryとみなされる。プロセッサは、メモリに格納されたプログラムを実行する、programmed processorであってもよい。
【0012】
本明細書において、circuitry、ユニット、手段は、記載された機能を実現するようにプログラムされたハードウェア、又は実行するハードウェアである。当該ハードウェアは、本明細書に開示されているあらゆるハードウェア、又は、当該記載された機能を実現するようにプログラムされた、又は、実行するものとして知られているあらゆるハードウェアであってもよい。
【0013】
当該ハードウェアがcircuitryのタイプであるとみなされるプロセッサである場合、当該circuitry、手段、又はユニットは、ハードウェアと、当該ハードウェア及び又はプロセッサを構成する為に用いられるソフトウェアの組合せである。
【0014】
<概要>
以下、本開示に係る業務システムについて説明する。本開示に係る業務システムは、例えば、ユーザである企業や個人事業主等の事業者に対して、会計処理のサービスを提供する会計システムとしての機能を備えている。また、本開示に係る業務システムは、例えば、ユーザである企業や個人事業主等の事業者に対して、人事労務処理のサービスを提供する人事労務システムとしての機能を備えている。また、本開示に係る業務システムは、例えば、ユーザである企業や個人事業主等の事業者に対して、販売管理処理のサービスを提供する販売管理システムとしての機能を備えている。さらに、本開示に係る業務システムは、例えば、上記のような機能を統合して提供する、統合型ERPシステムとして各種サービスを提供してもよい。
【0015】
本開示に係る業務システムの例として提供される会計処理のサービスは、企業や個人事業主で行われる、仕入、売上、借入のような入出金を管理するサービスであり、入出金を帳簿(仕訳帳、総勘定元帳)に記録(記帳)して(仕訳)会計データを業務データとして管理し、所定の決算期に決算処理として試算表を作成し、財務諸表である損益計算書や貸借対照表を作成している。また、決算処理の結果に基づき、法人税や事業所税、消費税等の申告書を作成する税務申告処理も行っている。本開示に係る業務システムは、仕入、売上等の入出金取引の入力を受け付けて帳簿への記帳を行い、試算表、財務諸表の作成し、税務申告の処理を支援するコンピュータシステムである。また、本開示に係る業務システムは、例えばクラウドサーバ等によりWebサービスとして、いわゆるSaaS(Software as a Service)によって提供されるシステムである。
【0016】
また、本開示に係る業務システムは、ユーザから各種のアドバイスを求める質問文であるテキスト情報の入力を受け付ける構成となっており、この質問文に対して、チャットボットのように回答文を自動生成して出力する構成となっている。ユーザからのアドバイスを求める質問文とは、例えば、会社の経営者であるユーザからの、かいしゃのk経営に関するアドバイスを求める質問文である。
【0017】
上記のように、会社を経営する経営者にとっての経営上の悩みに答えてほしいとのニーズがあるが、会社の経営上の悩みに経営状況を勘案して答えるのは容易ではない。また、会社の経営者も自社の経営状況を開示するのは心理的に抵抗があり、信頼できる相手でないと会社の経営状況を開示できないこともある。そのため、会社の経営者にとって経営上の悩みについて相談できる相談相手は限られることになり、このようなニーズにあまり応えられていない状況であった。
【0018】
そこで、本開示に係る業務システムは、ユーザの事業に関するアドバイスを求める質問文を受け付けると、そのテキスト情報を解析して質問を抽出し、業務データを分析して質問に対する回答情報を生成し、出力する。
【0019】
また、本開示に係る業務システムは、ユーザの事業に係る業務データとともに、生成した回答情報を出力する。このとき、例えば業務データの表示欄と、質問文及び回答文の表示欄とを参照可能に、並列に表示する。
【0020】
上記のような構成により、業務データに基づいたユーザの事業に関するアドバイスを出力することが可能になる。これにより、会社の経営者による、アドバイスを求める相談相手が欲しいというニーズを満たすことを可能にしている。
【0021】
<実施の形態1>
以下、業務システム1について説明する。以下の説明では、例えば、端末装置10がサーバ20へアクセスすることにより、サーバ20が、端末装置10で画面を生成するための情報を応答する。端末装置10は、サーバ20から受信した情報に基づいて画面を生成し表示する。
【0022】
<1 業務システム1の全体構成>
図1は、実施の形態1の業務システム1の全体構成を示すブロック図である。
図1に示すように、業務システム1は、複数の端末装置(
図1では、端末装置10A及び端末装置10Bを示している。以下、総称して「端末装置10」ということもある)と、サーバ20とを含む。端末装置10とサーバ20とは、ネットワーク80を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク80は、有線または無線ネットワークにより構成される。本実施形態では、サーバ20はWebサーバ(クラウドサーバを含む)であり、端末装置10との間でWebページにより情報のやり取りを行う。また、端末装置10にはWebページを閲覧するためのWebページブラウザがインストールされているが、サーバ20のサービスを提供するための専用アプリケーションがインストールされ、専用アプリケーションにより閲覧可能に構成してもよい。
【0023】
端末装置10は、各ユーザが操作する装置である。ここで、ユーザとは、端末装置10を使用して業務システム1の機能である会計処理(仕訳処理)を行い、経営上のアドバイスを求める者であり、例えば事業者である企業の経営者、または個人事業主等である。端末装置10は、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPC等により実現される。この他、端末装置10は、例えば移動体通信システムに対応したタブレットや、スマートフォン等の携帯端末であるとしてもよい。
【0024】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等の通信規格に対応した無線基地局81、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11等の無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することにより、ネットワーク80に接続される。
図1に端末装置10Bとして示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0025】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、キーボードや、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス等)である。出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。メモリ15は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0026】
サーバ20は、ユーザである事業者の取引に係る会計処理に関する各種情報、例えば仕入、売上、借入のような入出金の情報を管理する装置である。サーバ20は、ユーザから各種のアドバイス、例えばユーザの事業に関するアドバイスを求める質問文であるテキスト情報の入力を受け付ける。また、サーバ20は、受け付けたテキスト情報を解析して質問を抽出し、業務データを分析して質問に対する回答情報を生成し、出力する。
【0027】
サーバ20は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0028】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0029】
<1.1 端末装置10の構成>
図2は、
図1の端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
図2に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、操作受付部130(キーボード131及びマウス132を含む)と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカ142と、ディスプレイ150と、記憶部160と、制御部170とを含む。端末装置10は、
図2では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリー、バッテリーから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路等)も有している。
図2に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
図2に示す端末装置10は、移動体通信システムに対応したタブレットや、スマートフォン等の携帯端末として説明するが、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであってもよい。
【0030】
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0031】
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
【0032】
第1無線通信部121は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第2無線通信部122は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路等を含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部170へ与える。
【0033】
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部130は、キーボード131と、マウス132とを含む。なお、操作受付部130は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する、タッチスクリーンとして構成してもよい。
【0034】
キーボード131は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。キーボード131は、文字入力を行う装置であり、入力された文字情報を入力信号として制御部170へ出力する。
【0035】
マウス132は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。マウス132は、ディスプレイ150に表示されている表示物を選択等するためのポインティングデバイスであり、画面上で選択された位置情報と、ボタン押下されていることを示す情報とを入力信号として制御部170へ出力する。
【0036】
音声処理部140は、音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部170へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカ142へ与える。音声処理部140は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。スピーカ142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0037】
ディスプレイ150は、制御部170の制御に応じて、画像、動画、テキスト等のデータを表示する。ディスプレイ150は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
【0038】
記憶部160は、例えばフラッシュメモリ等のメモリ15及び記憶部16により構成され、端末装置10が使用するデータ及びプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部160は、ユーザ情報161を記憶する。
【0039】
ユーザ情報161は、端末装置10を使用して、業務システム1の機能である会計処理を行うユーザの情報である。ユーザ情報としては、ユーザを識別する情報(ユーザID)、事業者の氏名または名称等の情報が含まれる。
【0040】
制御部170は、例えばプロセッサ19により構成され、記憶部160に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部170は、例えば予め端末装置10の記憶部160に格納され、インストールされているアプリケーションである図示しないプログラムに従って動作することにより、入力操作受付部171と、送受信部172と、通知制御部173と、データ処理部174としての機能を発揮する。
【0041】
入力操作受付部171は、キーボード131等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。
【0042】
送受信部172は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0043】
通知制御部173は、ユーザに対し情報を提示する処理を行う。通知制御部173は、表示画像をディスプレイ150に表示させる処理、音声をスピーカ142に出力させる処理等を行う。
【0044】
データ処理部174は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
【0045】
<1.2 サーバ20の機能的な構成>
図3は、
図1のサーバ20の機能的な構成を示すブロック図である。
図3に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0046】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0047】
記憶部202は、例えばメモリ25、ストレージ26から構成され、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202は、業務データベース2021等を記憶する。
【0048】
業務データベース2021は、業務システム1の管理対象である、ユーザの事業に係る業務データ、具体的には企業や個人事業主等に係る入出金を記帳した仕訳のデータを保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0049】
制御部203は、サーバ20のプロセッサ29がプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、業務データ受付モジュール2033、テキスト入力受付モジュール2034、テキスト情報解析モジュール2035、回答情報生成モジュール2036、及び回答出力モジュール2037に示す機能を発揮する。
【0050】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0051】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0052】
業務データ受付モジュール2033は、業務システム1のユーザによる端末装置10の操作により、ユーザから入力された、ユーザの事業に係る業務データを受け付ける処理を制御する。業務データ受付モジュール2033が受け付ける業務データとは、例えば、ユーザの取引に係る仕入、売上、借入のような入出金に関するデータであり、入出金の日付、金額等のデータである。
【0053】
なお、業務データ受付モジュール2033は、例えば、業務データを金融機関、クレジットカード会社等とのデータ連携により同期処理を行い、金融機関、クレジットカード会社から電子明細データを取得して業務データとして反映させることにより受け付けてもよい。業務データ受付モジュール2033は、例えば、ユーザの同意の下、金融機関、クレジットカード会社のサーバにアクセスし、当該ユーザが保有している金融機関の口座情報、当該ユーザが使用しているクレジットカードの使用情報を取得する。業務データ受付モジュール2033による電子明細データを取得する処理は、上記のように金融機関、クレジットカード会社のサーバにアクセスするプル型の情報取得処理でもよく、金融機関、クレジットカード会社のサーバから情報送信を受け付けるプッシュ型の情報取得処理でもよい。
【0054】
業務データ受付モジュール2033は、取得した業務データを、例えば業務データベース2021に格納して記憶させる。
【0055】
テキスト入力受付モジュール2034は、業務システム1のユーザからの端末装置10の操作による入力により、ユーザの事業に関するアドバイスを求める質問を含むテキスト情報を受け付ける処理を制御する。ユーザの事業に関するアドバイスを求める質問とは、例えば、会社の経営者であるユーザからの、自己の会社の経営状況についてなんらかのアドバイスを求める質問であり、キャッシュフロー、自己資金を含む資金繰り、仕入れ価格の推移、売上の状況、人件費等の経費についてのアドバイスを含む。
【0056】
テキスト入力受付モジュール2034は、具体的には、「会社の・・・について、どのように評価すべきか教えて欲しい。」、「現在における、会社のキャッシュフローの安全性について知りたい。」のように、具体的な質問内容について自然言語で記載した質問の文を、テキスト情報として受け付ける。このテキスト情報は、自己の会社の業務データについて具体的に言及したものであってもよく、複数の文からなる文章であってもよい。このとき、質問の文は、言語の種類(日本語、英語等)も限定されない。
【0057】
テキスト入力受付モジュール2034は、例えば、端末装置10のキーボード131またはタッチパネルから入力を受け付けたテキスト情報、音声処理部140からユーザの発話により入力された音声信号を文字起こし処理により変換されたテキスト情報等を、端末装置10の送受信部172から送信されることにより受け付ける。
【0058】
テキスト情報解析モジュール2035は、テキスト入力受付モジュール2034が受け付けたテキスト情報に対して解析を行い、ユーザの事業に関する質問を抽出する処理を制御する。テキスト情報解析モジュール2035は、例えば、テキスト入力受付モジュール2034が受け付けた、ユーザの事業に関するアドバイスを求める質問を含むテキスト情報を解析して、自然言語処理により質問を意味する情報を抽出する。テキスト情報解析モジュール2035がこのように処理するのは、ユーザが入力したテキスト情報は自然言語で記載、または発話した質問であるため、不必要な情報も含まれている場合もあり、自然言語処理により質問を意味する情報を抽出する必要があるからである。
【0059】
テキスト情報解析モジュール2035は、例えば、学習済みモデル(図示は省略)により上記のような自然言語処理を行ってもよい。テキスト情報解析モジュール2035が使用する学習済みモデルは、例えば、モデル学習プログラムに従い、機械学習モデルに機械学習を行わせることで生成される学習済みモデルである。学習済みモデルは、例えば、複数の関数が合成されたパラメータ付き合成関数であり、複数の調整可能な関数及びパラメータの組合せにより定義される。学習済みモデルは、具体的な例として、自然言語処理を行うTransformer技術をベースにした、GPT-4(Generative Pre-Training4)、Gemini等のモデルにより実現されてもよい。また、学習済みモデルは大規模言語モデルであってもよい。
【0060】
テキスト情報解析モジュール2035が使用する学習済みモデルは、例えば、入力される文字の羅列に対し、これらの文字を具体的な経営上の課題と対応付けた所望の順序に整形して出力するように学習されている。学習済みモデルは、例えば、教師あり学習により学習されてもよいし、教師あり学習と強化学習の両方の手法で学習されてもよい。学習済みモデルは、汎用的なモデルであってもよいし、特定のユーザに特化したモデルであってもよい。
【0061】
回答情報生成モジュール2036は、ユーザの事業に係る業務データを参照して分析を行い、テキスト情報解析モジュール2035が抽出したユーザの事業に関する質問に対して回答する回答情報を生成する処理を制御する。回答情報生成モジュール2036は、例えば、ユーザが入力した、自己の事業に関するアドバイスを求める質問に対して、具体的なアドバイスの回答をする回答情報を生成する。回答情報生成モジュール2036は、テキスト入力受付モジュール2034が受け付けた、自己の会社の経営状況についてなんらかのアドバイスを求める質問に対する回答であり、キャッシュフロー、自己資金を含む資金繰り、仕入れ価格の推移、売上の状況、人件費等の経費についてのアドバイスを回答情報として生成する。
【0062】
回答情報生成モジュール2036は、例えば、業務データベース2021に格納されている当該ユーザに係る業務データを参照して、資金繰り、仕入れ価格の推移、売上の状況、人件費等の経費、のような具体的な項目について分析を行う。回答情報生成モジュール2036は、具体的には、業務データによる収支分析、ポートフォリオ分析、財務分析等を行う。回答情報生成モジュール2036は、例えば、学習済みモデル(図示は省略)により上記のような業務データの分析を行ってもよい。
【0063】
回答情報生成モジュール2036は、例えば、「会社の・・・について、どのように評価すべきか教えて欲しい。」、「現在における、会社のキャッシュフローの安全性について知りたい。」のような、具体的な質問内容について自然言語で記載した質問の文に対して、「会社の・・・については、・・・のように評価すべきです。」、「現在における、会社のキャッシュフローは、健全であると評価できます。」のような、具体的な回答を自然言語で記載した回答情報を生成する。
【0064】
回答情報生成モジュール2036は、回答情報の生成を、例えば、上記のような学習済みモデルによる自然言語処理により、回答情報を生成してもよい。
【0065】
回答出力モジュール2037は、回答情報生成モジュール2036が生成した回答情報を出力する処理を制御する。回答出力モジュール2037は、例えば、回答情報を端末装置10へ送信し、ディスプレイ150に表示させることにより出力する。回答出力モジュール2037は、例えば、回答情報を、チャットボットのようにディスプレイ150に表示させる。
【0066】
また、回答出力モジュール2037は、当該ユーザの事業に係る業務データとともに、回答情報生成モジュール2036が生成した回答情報を出力してもよい。例えば、回答出力モジュール2037は、例えば、業務データをユーザに提示する業務サービスの表示画面に、業務データベース2021に格納されている当該ユーザの事業に係る業務データと、回答情報生成モジュール2036が生成した回答情報とを参照可能に、例えば並列に表示してもよい。このとき、回答出力モジュール2037は、例えば、当該ユーザの事業に係る業務データを表示し、回答情報に関連するユーザの事業に係る業務データの項目を、他の項目とは異なる態様で表示、例えば強調表示、色彩を変更して表示、吹き出し等で示して表示する、等で表示してもよい。
【0067】
<2 データ構造>
図4は、
図3の業務データベース2021のデータ構造の例を示す図である。
【0068】
図4に示すように、業務データベース2021のレコードのそれぞれは、項目「ユーザID」と、項目「ユーザ名」と、項目「仕訳データ詳細情報」等を含む。
【0069】
項目「ユーザID」は、業務システム1にて管理する業務データの登録を行うユーザそれぞれを識別する情報である。
【0070】
項目「ユーザ名」は、業務システム1にて管理する業務データの登録を行うユーザである企業の名称(会社名)または個人事業主名である。
【0071】
項目「仕訳データ詳細情報」は、業務システム1にて管理する業務データである、仕入や売上等の入出金の取引を記帳した仕訳データであり、具体的には、項目「日付」と、項目「借方/貸方」と、項目「摘要」と、項目「金額」等を含む。この項目「仕訳データ詳細情報」は、事業者であるユーザが日々の取引について登録した情報に基づき、仕訳を行い、会計情報として登録した情報であり、例えば、項目「日付」の順に時系列で、最新の情報がレコードとして追加されるように構成されている。
【0072】
項目「日付」は、業務システム1にて管理する業務データに係る取引が発生した日付の情報である。
【0073】
項目「借方/貸方」は、業務データの仕訳を行った仕訳データの借方または貸方の区別を示す情報であり、例えば、借方である場合は「借方」の情報が、貸方である場合は「貸方」の情報が格納されている。借方及び貸方は、現在帳簿への記帳で一般的に使用されている、複式簿記における記載項目である。
【0074】
項目「摘要」は、業務データの仕訳を行った仕訳データの勘定科目を示す情報である。勘定科目は、日々の取引の入力で使用される費目の内容を示す情報であり、例えば
図6に示すように、「売掛金」、「売上」等の内容が格納されている。
【0075】
項目「金額」は、仕訳を行った仕訳データの金額を示す情報である。項目「金額」には、項目「摘要」が示す勘定科目の例である、「普通預金」への入出金、「売上」等の金額が格納されている。
【0076】
サーバ20の業務データ受付モジュール2033は、ユーザが取引に関する情報に基づき仕訳を行い、業務データとして登録することに伴って、業務データベース2021の項目「仕訳データ詳細情報」を更新する。
【0077】
<3 動作>
以下、
図5を参照しながら、実施の形態1における業務システム1による質問回答処理について説明する。
【0078】
図5は、業務システム1による質問回答処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【0079】
ステップS121において、サーバ20のテキスト入力受付モジュール2034は、業務システム1のユーザからの端末装置10の操作による入力により、ユーザの事業に関するアドバイスを求める質問を含むテキスト情報を受け付ける。ステップS121では、例えば、端末装置10のディスプレイ150にテキスト情報の入力を受け付けるための所定の入力フォーマットを表示し、ユーザが当該入力フォーマットにテキスト情報である質問を入力(文字入力でも音声発話からの変換による入力でもよい)すると端末装置10の入力操作受付部171が入力された情報を受け付け、送受信部172がこれらの情報を送信するので、サーバ20の通信部201を介して受け付ける。ユーザの事業に関するアドバイスを求める質問とは、例えば、会社の経営者であるユーザからの、自己の会社の経営状況についてなんらかのアドバイスを求める質問であり、キャッシュフロー、自己資金を含む資金繰り、仕入れ価格の推移、売上の状況、人件費等の経費についてのアドバイスを含む。
【0080】
ステップS122において、サーバ20のテキスト情報解析モジュール2035は、ステップS121で受け付けたテキスト情報に対して解析を行い、ユーザの事業に関する質問を抽出する。ステップS122では、ユーザの事業に関するアドバイスを求める質問を含むテキスト情報を解析して、既存技術である学習済みモデル等による自然言語処理により、質問を意味する情報を抽出する。
【0081】
ステップS123において、サーバ20の回答情報生成モジュール2036は、ユーザの事業に係る業務データを参照して分析を行い、ステップS122で抽出したユーザの事業に関する質問に対して回答する回答情報を生成する。ステップS123では、例えば、業務データベース2021に格納されている当該ユーザに係る業務データを参照して、資金繰り、仕入れ価格の推移、売上の状況、人件費等の経費、のような具体的な項目について分析を行う。また、ステップS123では、例えば、学習済みモデルによる自然言語処理により、回答情報を生成する。
【0082】
ステップS124において、サーバ20の回答出力モジュール2037は、ステップS123で成した回答情報を出力する。ステップS124では、例えば、回答情報を、通信部201を介して端末装置10へ送信し、ディスプレイ150に表示させる。
【0083】
ステップS125において、サーバ20の回答出力モジュール2037は、ステップS124で送信した回答情報とともに端末装置10に表示させる、当該ユーザの事業に係る業務データを出力する。ステップS125では、例えば、業務データを、通信部201を介して端末装置10へ送信し、ディスプレイ150に表示させる。
【0084】
以上のように、業務システム1では、ユーザの事業に関するアドバイスを求める質問文を受け付けると、そのテキスト情報を解析して質問を抽出し、業務データを分析して質問に対する回答情報を生成し、出力する。
【0085】
<4 画面例>
以下、
図6を参照しながら、業務システム1による質問回答の画面例について説明する。
【0086】
図6は、端末装置10に表示するサービス提供の画面例を示す図である。
図6の画面例は、サーバ20のテキスト入力受付モジュール2034により受け付けられたテキスト情報と、当該テキスト情報による質問に対する、回答情報生成モジュール2036により生成された回答情報と、が業務データとともに、端末装置10のディスプレイ150に表示された画面例を示す。
図5のステップS125に相当する。
【0087】
図6に示すように、端末装置10のディスプレイ150には、ウィンドウ1031が表示されている。このウィンドウ1031には、業務システム1による業務サービス提供画面1031aが表示されている。
【0088】
業務サービス提供画面1031aには、表示項目として、業務データ表示欄1031b、質問回答表示欄1031cが表示されている。業務データ表示欄1031bは、ユーザの事業に係る業務データを、業務データベース2021から読み出して表示する表示欄である。質問回答表示欄1031cは、テキスト入力受付モジュール2034により受け付けられたテキスト情報と、当該テキスト情報による質問に対する、回答情報生成モジュール2036により生成された回答情報とを表示する表示欄である。
【0089】
質問回答表示欄1031cには、テキスト入力受付モジュール2034により受け付けられたテキスト情報(質問文)である質問文表示欄1031dと、回答情報生成モジュール2036により生成された回答情報である回答表示欄1031eとが表示されている。ユーザが質問文表示欄1031dのように質問文を投稿すると、その質問文の投稿に対する1または複数の回答が回答情報生成モジュール2036により生成され、回答表示欄1031eに表示される。また、回答表示欄1031eに表示される回答に関連する業務データの表示態様の例として、吹き出し残金額1031f,1031gが業務データ表示欄1031bに重畳して表示される。これにより、ユーザは、自己の質問に対する回答を得ることができる。
【0090】
<小括>
以上のように、本実施形態によると、ユーザの事業に関するアドバイスを求める質問文を含むテキスト情報を受け付けると、そのテキスト情報を解析してユーザの事業に関する質問を抽出し、ユーザの事業に関する業務データを分析して質問に対する回答情報を生成し、出力する。そのため、業務データに基づいたユーザの事業に関するアドバイスを、適切に出力することが可能になる。これにより、会社の経営者による、アドバイスを求める相談相手が欲しいというニーズを満たすことが可能である。
【0091】
また、本実施形態によると、ユーザの事業に関する業務データとともに、質問に対する回答情報を生成し、出力する。このとき、回答情報に関連するユーザの事業に係る業務データの項目を出力し、異なる態様で出力する。そのため、質問に対する回答を、具体的な業務データを示すことでより具体的に回答することが可能になる。これにより、ユーザはより具体的な回答を得ることが可能である。
【0092】
以上、開示に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換及び変更を行なって実施することができる。これらの実施形態及び変形例ならびに省略、置換及び変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【0093】
例えば、本開示に係る実施形態では、ユーザの会計データを参照し、会計データに基づいて経営上の課題に対する回答情報を生成する構成について説明したが、この構成に限られず、ユーザの人事労務データを参照し、人事労務データに基づいて経営上の課題に対する回答情報を生成する構成にしてもよく、ユーザの販売管理データを参照し、販売管理データに基づいて経営上の課題に対する回答情報を生成する構成にしてもよい。
【0094】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を、以下に付記する。
【0095】
(付記1)プロセッサ29と、メモリ25とを備えるコンピュータに実行させ、ユーザの事業に係る業務サービスを提供するためのプログラムであって、メモリは、ユーザの事業に係る業務データを記憶し、プログラムは、プロセッサ29に、ユーザからの入力により、ユーザの事業に関するアドバイスを求める質問を含むテキスト情報を受け付けるステップ(S121)と、受け付けたテキスト情報に対して解析を行い、ユーザの事業に関する質問を抽出するステップ(S122)と、ユーザの事業に係る業務データを参照して分析を行い、ユーザの事業に関する質問に対して回答する回答情報を生成するステップ(S123)と、生成した回答情報を出力するステップ(S124)と、を実行させる、プログラム。
【0096】
(付記2)回答情報を出力するステップにおいて、ユーザの事業に係る業務データとともに生成した回答情報を出力する、(付記1)に記載のプログラム。
【0097】
(付記3)ユーザの事業に係る業務データをユーザに提示する業務サービスの表示画面に、ユーザの事業に係る業務データと、生成した回答情報とを参照可能に提示する、(付記2)に記載のプログラム。
【0098】
(付記4)ユーザの事業に係る業務データをユーザに提示する業務サービスの表示画面において、生成した回答情報に関連するユーザの事業に係る業務データの項目を、他の項目とは異なる態様で表示する、(付記3)に記載のプログラム。
【0099】
(付記5)回答情報を生成するステップにおいて、ユーザの事業に係るキャッシュフローの説明、ユーザが保有すべき自己資金の説明のいずれかまたは両方を含む、ユーザの事業に関する質問に対して回答する回答情報を生成する、(付記1)に記載のプログラム。
【0100】
(付記6)ユーザの質問を抽出するステップにおいて、自然言語処理により、受け付けたテキスト情報に対して解析を行い、ユーザの事業に関するアドバイスを求める質問を抽出する、(付記1)から(付記5)のいずれかに記載のプログラム。
【0101】
(付記8)制御部203と、メモリ25(記憶部202)とを備える情報処理装置であって、メモリは、ユーザの事業に係る業務データを記憶し、制御部203は、ユーザからの入力により、ユーザの事業に関するアドバイスを求める質問を含むテキスト情報を受け付けるステップ(S121)と、受け付けたテキスト情報に対して解析を行い、ユーザの事業に関する質問を抽出するステップ(S122)と、ユーザの事業に係る業務データを参照して分析を行い、ユーザの事業に関する質問に対して回答する回答情報を生成するステップ(S123)と、生成した回答情報を出力するステップ(S124)と、を実行する、情報処理装置。
【0102】
(付記9)プロセッサ29と、メモリ25とを備えるコンピュータにより実行されるための方法であって、メモリは、ユーザの事業に係る業務データを記憶し、方法は、プロセッサ29が、ユーザからの入力により、ユーザの事業に関するアドバイスを求める質問を含むテキスト情報を受け付けるステップ(S121)と、受け付けたテキスト情報に対して解析を行い、ユーザの事業に関する質問を抽出するステップ(S122)と、ユーザの事業に係る業務データを参照して分析を行い、ユーザの事業に関する質問に対して回答する回答情報を生成するステップ(S123)と、生成した回答情報を出力するステップ(S124)と、を実行する、方法。
【符号の説明】
【0103】
1 :業務システム
10 :端末装置
10A :端末装置
10B :端末装置
13 :入力装置
14 :出力装置
15 :メモリ
16 :記憶部
19 :プロセッサ
20 :サーバ
25 :メモリ
26 :ストレージ
29 :プロセッサ
80 :ネットワーク
81 :無線基地局
82 :無線LANルータ
111 :アンテナ
112 :アンテナ
121 :第1無線通信部
122 :第2無線通信部
130 :操作受付部
131 :キーボード
132 :マウス
140 :音声処理部
141 :マイク
142 :スピーカ
150 :ディスプレイ
160 :記憶部
161 :ユーザ情報
170 :制御部
171 :入力操作受付部
172 :送受信部
173 :通知制御部
174 :データ処理部
201 :通信部
202 :記憶部
203 :制御部
2021 :業務データベース
2031 :受信制御モジュール
2032 :送信制御モジュール
2033 :業務データ受付モジュール
2034 :テキスト入力受付モジュール
2035 :テキスト情報解析モジュール
2036 :回答情報生成モジュール
2037 :回答出力モジュール
【要約】
【課題】業務システムにおいて、取引先を対象とする前受金の管理を容易にするとともに、請求書の自動発行を抑止することで、前受金の管理を容易にする技術を提供する。
【解決手段】業務システムのサーバは、ユーザの事業に係る業務データを記憶し、その機能として、ユーザからの入力により、ユーザの事業に関するアドバイスを求める質問を含むテキスト情報を受け付けるステップ(S121)と、受け付けたテキスト情報に対して解析を行い、ユーザの事業に関する質問を抽出するステップ(S122)と、ユーザの事業に係る業務データを参照して分析を行い、ユーザの事業に関する質問に対して回答する回答情報を生成するステップ(S123)と、生成した回答情報を出力するステップ(S124)と、を実行させる。
【選択図】
図5