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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】半導体構造及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/76 20060101AFI20240814BHJP
   H01L 27/088 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
H01L21/76 N
H01L27/088 331A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023033546
(22)【出願日】2023-03-06
(65)【公開番号】P2024101972
(43)【公開日】2024-07-30
【審査請求日】2023-03-06
(31)【優先権主張番号】112102171
(32)【優先日】2023-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】599039843
【氏名又は名称】聯華電子股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】王 家麟
(72)【発明者】
【氏名】江 品宏
(72)【発明者】
【氏名】邱 達偉
(72)【発明者】
【氏名】呂 佳紋
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 偉倫
(72)【発明者】
【氏名】林 岳璋
【審査官】宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0102408(US,A1)
【文献】米国特許第11404305(US,B1)
【文献】特表2020-536394(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/76
H01L 27/088
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造であって、当該半導体構造は、
第1のデバイス領域と、該第1のデバイス領域に近接する第2のデバイス領域とを含む基板と、
該基板内の前記第1のデバイス領域と前記第2のデバイス領域との間の第1のトレンチ絶縁構造体と、を含み、
該第1のトレンチ絶縁構造体は、前記第1のデバイス領域内の第1の下面と、前記第2のデバイス領域内の第2の下面とを含み、前記第1の下面は前記第2の下面より低く、前記第1のトレンチ絶縁構造体は、前記第1のデバイス領域内の第1の上面と、前記第2のデバイス領域内の第2の上面とを含み、前記第1の上面は、前記第2の上面と同一平面上にあ
前記第1のデバイス領域内の前記基板の上面が、前記第2のデバイス領域内の前記基板の上面よりも低く、
当該半導体構造は、
前記第1のデバイス領域内の前記基板の前記上面上の第1のゲート酸化物層と、
前記第2のデバイス領域内の前記基板の前記上面上の第2のゲート酸化物層と、をさらに含み、
前記第1のゲート酸化物層は前記第2のゲート酸化物層より厚く、
前記第2のゲート酸化物層の上面が、前記第1のデバイス領域内の前記第1のトレンチ絶縁構造体の前記第1の上面と、前記第2のデバイス領域内の前記第1のトレンチ絶縁構造体の前記第2の上面と同一平面上にあり、前記第2のゲート酸化物層は前記第1の上面及び前記第2の上面に亘って延びる、
半導体構造。
【請求項2】
前記第1のデバイス領域は中電圧デバイス領域であり、前記第2のデバイス領域は入力/出力(I/O)デバイス領域である、請求項1に記載の半導体構造。
【請求項3】
前記第1のゲート酸化物層は約200~220オングストロームの厚さを有しており、前記第2のゲート酸化物層は約30~60オングストロームの厚さを有する、請求項に記載の半導体構造。
【請求項4】
前記第2のデバイス領域に近接する第3のデバイス領域と、
前記基板内の前記第3のデバイス領域と前記第2のデバイス領域との間の第2のトレンチ絶縁構造体と、をさらに含み、
前記第2のトレンチ絶縁構造体は、前記第2のデバイス領域内の第3の下面と、前記第3のデバイス領域内の第4の下面とを含み、前記第3の下面は、前記第4の下面と同一平面上にあり、前記第2のトレンチ絶縁構造体は、前記第2のデバイス領域内の第3の上面と、前記第3のデバイス領域内の第4の上面とを含み、前記第3の上面は、前記第4の上面より低い、請求項に記載の半導体構造。
【請求項5】
前記第3のデバイス領域は1.2Vデバイス領域である、請求項に記載の半導体構造。
【請求項6】
前記第3のデバイス領域に近接する第4のデバイス領域と、
前記基板内の前記第3のデバイス領域と前記第4のデバイス領域との間の第3のトレンチ絶縁構造体と、をさらに含み、
前記第3のトレンチ絶縁構造体は、前記第3のデバイス領域内の第5の下面と、前記第4のデバイス領域内の第6の下面とを含み、前記第5の下面は、前記第6の下面と同一平面上にあり、前記第3のトレンチ絶縁構造体は、前記第3のデバイス領域内の第5の上面と、前記第4のデバイス領域内の第6の上面とを含み、前記第5の上面は、前記第6の上面より高い、請求項に記載の半導体構造。
【請求項7】
前記第4のデバイス領域は、低電圧又はSRAMデバイス領域である、請求項に記載の半導体構造。
【請求項8】
半導体構造を形成するための方法であって、当該方法は、
第1のデバイス領域と、該第1のデバイス領域に近接する第2のデバイス領域とを含む基板を提供するステップと、
前記基板内の前記第1のデバイス領域と前記第2のデバイス領域との間に第1のトレンチ絶縁構造体を形成するステップと、を含み、
該第1のトレンチ絶縁構造体は、前記第1のデバイス領域内の第1の下面と、前記第2のデバイス領域内の第2の下面とを含み、前記第1の下面は前記第2の下面よりも低く、前記第1のトレンチ絶縁構造体は、前記第1のデバイス領域内の第1の上面と、前記第2のデバイス領域内の第2の上面とを含み、前記第1の上面は、前記第2の上面と同一平面上にあ
前記第1のデバイス領域内の前記基板の上面が、前記第2のデバイス領域内の前記基板の上面よりも低く、
当該方法は、
前記第1のデバイス領域内の前記基板の前記上面に第1のゲート酸化物層を形成するステップと、
前記第2のデバイス領域内の前記基板の前記上面上に第2のゲート酸化物層を形成するステップと、をさらに含み、
前記第1のゲート酸化物層は前記第2のゲート酸化物層よりも厚く、
前記第2のゲート酸化物層の上面が、前記第1のデバイス領域内の前記第1のトレンチ絶縁構造体の前記第1の上面と、前記第2のデバイス領域内の前記第1のトレンチ絶縁構造体の前記第2の上面と同一平面上にあり、前記第2のゲート酸化物層は前記第1の上面及び前記第2の上面に亘って延びる、
方法。
【請求項9】
前記第1のデバイス領域は中電圧デバイス領域であり、前記第2のデバイス領域は入出力(I/O)デバイス領域である、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のゲート酸化物層は約200~220オングストロームの厚さを有しており、前記第2のゲート酸化物層は約30~60オングストロームの厚さを有する、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記第2のデバイス領域に近接して第3のデバイス領域を形成するステップと、
前記基板内の前記第3のデバイス領域と前記第2のデバイス領域との間に第2のトレンチ絶縁構造体を形成するステップと、をさらに含み、
前記第2のトレンチ絶縁構造体は、前記第2のデバイス領域内の第3の下面と、前記第3のデバイス領域内の第4の下面とを含み、前記第3の下面は、前記第4の下面と同一平面上にあり、前記第2のトレンチ絶縁構造体は、前記第2のデバイス領域内の第3の上面と、前記第3のデバイス領域内の第4の上面とを含み、前記第3の上面は、前記第4の上面より低い、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記第3のデバイス領域は1.2Vデバイス領域である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第3のデバイス領域に近接して第4のデバイス領域を形成するステップと、
前記基板内の前記第3のデバイス領域と前記第4のデバイス領域との間に第3のトレンチ絶縁構造体を形成するステップと、をさらに含み、
該第3のトレンチ絶縁構造体は、前記第3のデバイス領域内の第5の下面と、前記第4のデバイス領域内の第6の下面とを含み、前記第5の下面は、前記第6の下面と同一平面上にあり、前記第3のトレンチ絶縁構造体は、前記第3のデバイス領域内の第5の上面と、前記第4のデバイス領域内の第6の上面とを含み、前記第5の上面は、前記第6の上面より高い、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第4のデバイス領域は、低電圧又はSRAMデバイス領域である、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体の技術分野に関し、特に改良した半導体構造及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路技術の発展は日進月歩であり、新世代の製品の回路設計は前世代のものよりも小さく複雑になっている。一部の製品では、集積回路内に異なる閾値電圧及び/又は動作電圧を有する半導体デバイスが必要であり、半導体デバイスの構造は、異なる閾値電圧及び/又は動作電圧を実現するために互いに異なる場合がある。例えば、相対的に厚いゲート酸化物層を使用して、相対的に高い電圧領域で半導体デバイスの動作電圧を高めることができ、相対的に高い電圧領域の部分と相対的に低い電圧領域の部分との間の高低差をそれに応じて生成することができる。高低差は、関連する製造プロセスで問題を引き起こす可能性があり、製造歩留まりに悪影響を及ぼす可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2003/0235964号公報
【文献】米国特許第6,455,405号
【文献】米国特許第6,468,099号
【文献】米国特許第8,546,268号
【発明の概要】
【0004】
本発明の1つの目的は、従来技術の欠陥又は欠点を解決する、改良した半導体構造及びその製造方法を提供することである。
【0005】
本発明の一態様は、半導体構造を提供し、半導体構造は、第1のデバイス領域と、第1のデバイス領域に近接する第2のデバイス領域とを含む基板と、基板内の第1のデバイス領域と第2のデバイス領域との間の第1のトレンチ絶縁(isolation:分離)構造体と、を含む。第1のトレンチ絶縁構造体は、第1のデバイス領域内の第1の下面と、第2のデバイス領域内の第2の下面とを含む。第1の下面は第2の下面よりも低い。第1のトレンチ絶縁構造体は、第1のデバイス領域内の第1の上面と、第2のデバイス領域内の第2の上面とを含む。第1の上面は、第2の上面と同一平面上にある。
【0006】
いくつかの実施形態によれば、第1のデバイス領域は中電圧デバイス領域であり、第2のデバイス領域は入出力(I/O)デバイス領域である。
【0007】
いくつかの実施形態によれば、第1のデバイス領域内の基板の上面が、第2のデバイス領域内の基板の上面よりも低い。
【0008】
いくつかの実施形態によれば、半導体構造は、第1のデバイス領域内の基板の上面上の第1のゲート酸化物層と、第2のデバイス領域内の基板の上面上の第2のゲート酸化物層と、をさらに含み、第1のゲート酸化物層は第2のゲート酸化物層よりも厚い。
【0009】
いくつかの実施形態によれば、第1のゲート酸化物層は約200~220オングストロームの厚さを有しており、第2のゲート酸化物層は約30~60オングストロームの厚さを有する。
【0010】
いくつかの実施形態によれば、第2のゲート酸化物層の上面が、第2のデバイス領域内の第1のトレンチ絶縁構造体の第2の上面と同一平面上にある。
【0011】
いくつかの実施形態によれば、半導体構造は、第2のデバイス領域に近接する第3のデバイス領域と、基板内の第3のデバイス領域と第2のデバイス領域との間の第2のトレンチ絶縁構造体と、をさらに含み、第2のトレンチ絶縁構造体は、第2のデバイス領域内の第3の下面と、第3のデバイス領域内の第4の下面とを含み、第3の下面は、第4の下面と同一平面上にある。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、第3のデバイス領域は1.2Vデバイス領域である。
【0013】
いくつかの実施形態によれば、半導体構造は、第3のデバイス領域に近接する第4のデバイス領域と、基板内の第3のデバイス領域と第4のデバイス領域との間の第3のトレンチ絶縁構造体と、をさらに含み、第3のトレンチ絶縁構造体は、第3のデバイス領域内の第5の下面と、第4のデバイス領域内の第6の下面とを含み、第5の下面は、第6の下面と同一平面上にある。
【0014】
いくつかの実施形態によれば、第4のデバイス領域は、低電圧又はSRAMデバイス領域である。
【0015】
本発明の別の態様は、半導体構造を形成するための方法を提供する。第1のデバイス領域と、第1のデバイス領域に近接する第2のデバイス領域とを含む基板が提供される。基板内の第1のデバイス領域と第2のデバイス領域との間に第1のトレンチ絶縁構造体が形成される。第1のトレンチ絶縁構造体は、第1のデバイス領域内の第1の下面と、第2のデバイス領域内の第2の下面とを含む。第1の下面は第2の下面よりも低い。第1のトレンチ絶縁構造体は、第1のデバイス領域内の第1の上面と、第2のデバイス領域内の第2の上面とを含む。第1の上面は、第2の上面と同一平面上にある。
【0016】
いくつかの実施形態によれば、第1のデバイス領域は中電圧デバイス領域であり、第2のデバイス領域は入出力(I/O)デバイス領域である。
【0017】
いくつかの実施形態によれば、第1のデバイス領域内の基板の上面が、第2のデバイス領域内の基板の上面よりも低い。
【0018】
いくつかの実施形態によれば、この方法は、第1のデバイス領域内の基板の上面に第1のゲート酸化物層を形成するステップと、第2のデバイス領域内の基板の上面に第2のゲート酸化物層を形成するステップと、をさらに含み、第1のゲート酸化物層は、第2のゲート酸化物層よりも厚い。
【0019】
いくつかの実施形態によれば、第1のゲート酸化物層は約200~220オングストロームの厚さを有しており、第2のゲート酸化物層は約30~60オングストロームの厚さを有する。
【0020】
いくつかの実施形態によれば、第2のゲート酸化物層の上面が、第2のデバイス領域内の第1のトレンチ絶縁構造体の第2の上面と同一平面上にある。
【0021】
いくつかの実施形態によれば、この方法は、第2のデバイス領域に近接して第3のデバイス領域を形成するステップと、基板内の第3のデバイス領域と第2のデバイス領域との間に第2のトレンチ絶縁構造体を形成するステップと、をさらに含み、第2のトレンチ絶縁構造体は、第2のデバイス領域内の第3の下面と、第3のデバイス領域内の第4の下面とを含み、第3の下面は、第4の下面と同一平面上にある。
【0022】
いくつかの実施形態によれば、第3のデバイス領域は1.2Vデバイス領域である。
【0023】
いくつかの実施形態によれば、この方法は、第3のデバイス領域に近接して第4のデバイス領域を形成するステップと、基板内の第3のデバイス領域と第4のデバイス領域との間に第3のトレンチ絶縁構造体を形成するステップと、をさらに含み、第3のトレンチ絶縁構造体は、第3のデバイス領域内の第5の下面と、第4のデバイス領域内の第6の下面とを含み、第5の下面は、第6の下面と同一平面上にある。
【0024】
いくつかの実施形態によれば、第4のデバイス領域は、低電圧又はSRAMデバイス領域である。
【0025】
本発明のこれら及び他の目的は、様々な図及び図面に示される好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読めば、当業者には確実に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態による半導体構造を製造するための方法を示す概略図である。
図2】本発明の一実施形態による半導体構造を製造するための方法を示す概略図である。
図3】本発明の一実施形態による半導体構造を製造するための方法を示す概略図である。
図4】本発明の一実施形態による半導体構造を製造するための方法を示す概略図である。
図5】本発明の一実施形態による半導体構造を製造するための方法を示す概略図である。
図6】本発明の一実施形態による半導体構造を製造するための方法を示す概略図である。
図7】本発明の一実施形態による半導体構造を製造するための方法を示す概略図である。
図8】本発明の一実施形態による半導体構造を製造するための方法を示す概略図である。
図9】本発明の一実施形態による半導体構造を製造するための方法を示す概略図である。
図10】本発明の一実施形態による半導体構造を製造するための方法を示す概略図である。
図11】本発明の一実施形態による半導体構造を製造するための方法を示す概略図である。
図12】本発明の一実施形態による半導体構造の概略断面図であり、第4のデバイス領域のシリコン酸化物層の上面が、領域同士の間の高低差の表示を容易にするために、水平基準面として点線で示している。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示の以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成し、本発明を実施することができる特定の実施形態を例として示す添付の図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施できるように十分に詳細に説明している。
【0028】
他の実施形態を利用することができ、本発明の範囲から逸脱することなく、構造的、論理的、及び電気的な変更を行うことができる。従って、以下の詳細な説明は限定と見なすべきではなく、本明細書に含まれる実施形態は、添付の特許請求の範囲によって規定される。
【0029】
図1図11を参照されたい。これらの図は、本発明の一実施形態による半導体構造1の製造方法を示す概略図である。例えば、半導体構造1は、22nm埋込み高電圧デバイス又はプロセスプラットフォームに適している可能性がある。図1に示されるように、基板100が提供される。例えば、基板100は、シリコン基板等の半導体基板であってもよい。シリコン酸化物パッド層102及びシリコン窒化物パッド層104が基板100に形成される。本発明の一実施形態によれば、基板100は、第1のデバイス領域RA1、第1のデバイス領域RA1に近接する第2のデバイス領域RA2、第2のデバイス領域RA2に近接する第3のデバイス領域RA3、及び第3のデバイス領域RA3に近接する第4のデバイス領域RA4を含む。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、例えば、第1のデバイス領域RA1は中電圧(MV)デバイス領域であり、第2のデバイス領域RA2は入出力(I/O)デバイス領域である。本発明の一実施形態によれば、例えば、第3のデバイス領域RA3は1.2Vデバイス領域であり得る。本発明の一実施形態によれば、例えば、第4のデバイス領域RA4は、低電圧(LV)デバイス領域又はスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)デバイス領域であり得る。
【0031】
次に、フォトレジストパターンPR1をシリコン窒化物パッド層104に形成し、フォトレジストパターンPR1は開口部OP1を有しており、第1のデバイス領域RA1のシリコン窒化物パッド層104を露出させる。エッチング処理を利用して、第1のデバイス領域RA1のシリコン窒化物パッド層104及びシリコン酸化物パッド層102を、開口部OP1を介して除去して基板100を露出させる。
【0032】
図2に示されるように、次に、フォトレジストパターンPR1を除去する。次に、熱酸化処理を実行して、基板100の第1のデバイス領域RA1にシリコン酸化物層106を形成する。本発明の一実施形態によれば、例えば、シリコン酸化物層106の厚さは約420オングストロームである。このとき、第1のデバイス領域RA1の基板100の上面S1は、周囲の基板100の上面より低く、約210オングストロームの段差H1を形成する。
【0033】
図3に示されるように、ウェットエッチング処理等のエッチング処理を実行して、基板100上のシリコン酸化物パッド層102及びシリコン窒化物パッド層104を除去する。
【0034】
図4に示されるように、次に、シリコン酸化物パッド層108及びシリコン窒化物パッド層(図示せず)を基板100に形成した後に、シャロートレンチ絶縁処理を行う。第1のトレンチ絶縁構造体TI1が、基板100内の第1のデバイス領域RA1と第2のデバイス領域RA2との間に形成され、第2のトレンチ絶縁構造体TI2が、基板100内の第2のデバイス領域RA2と第3のデバイス領域RA3との間に形成され、第3のトレンチ絶縁構造体TI3が、基板100内の第3のデバイス領域RA3と第4のデバイス領域RA4との間に形成される。次に、シリコン窒化物パッド層を除去する。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、第1のトレンチ絶縁構造体TI1は、第1のデバイス領域RA1の第1の下面BS1と、第2のデバイス領域RA2の第2の下面BS2とを含む。第1の下面BS1は第2の下面BS2より低く、これにより、第1のデバイス領域RA1と第2のデバイス領域RA2との間に約210オングストロームの段差H2を形成する。
【0036】
本発明の一実施形態によれば、第2のトレンチ絶縁構造体TI2は、第2のデバイス領域RA2の第3の下面BS3と、第3のデバイス領域RA3の第4の下面BS4とを含む。第3の下面BS3及び第4の下面BS4は同一平面上にある。本発明の一実施形態によれば、第3のトレンチ絶縁構造体TI3は、第3のデバイス領域RA3の第5の下面BS5と、第4のデバイス領域RA4の第6の下面BS6とを含む。第5の下面BS5及び第6の下面BS6は同一平面上にある。
【0037】
図5に示されるように、次に、フォトレジストパターンPR2を基板100に形成し、フォトレジストパターンPR2は開口部OP2を有しており、第1のデバイス領域RA1及び第2のデバイス領域RA2のシリコン酸化物パッド層108、第1のトレンチ絶縁構造体TI1、及び第2のデバイス領域RA2内のトレンチ絶縁構造体TI2を露出させる。エッチング処理を使用して、第1のデバイス領域RA1及び第2のデバイス領域RA2のシリコン酸化パッド層108を、開口部OP2を介して除去し、基板100を露出させる。このとき、第2のトレンチ絶縁構造体TI2は、第2のデバイス領域RA2と第3のデバイス領域RA3との間に段差H3を形成する。その後、フォトレジストパターンPR2を除去する。
【0038】
図6に示されるように、次に、中電圧ゲート酸化物層プロセス、例えば原位置での(in-situ)蒸気発生(ISSG)プロセスを実行し、原子層堆積(ALD)プロセス等の堆積プロセスを実行して、第1のデバイス領域RA1から第4の領域RA4にそれぞれシリコン酸化物層210~240を形成する。本発明の一実施形態によれば、例えば、第1のデバイス領域RA1のシリコン酸化物層210及び第2のデバイス領域RA2のシリコン酸化物層220の厚さは、約140オングストロームの厚さのISSGシリコン酸化物層と、約70オングストロームの厚さのALDシリコン酸化物層とを含めて約210オングストロームであり得る。第1のデバイス領域RA1のシリコン酸化物層210は、中電圧ゲート酸化物層として機能する。
【0039】
本発明の一実施形態によれば、例えば、第3のデバイス領域RA3のシリコン酸化物層230及び第4のデバイス領域RA4のシリコン酸化物層240の厚さは、約49オングストロームの厚さのシリコン酸化物パッド層108、約140オングストロームの厚さのISSGシリコン酸化物層、及び約70オングストロームの厚さのALDシリコン酸化物層を含めて約259オングストロームであり得る。
【0040】
このとき、第1のデバイス領域RA1の基板100の上面S1は、第2のデバイス領域RA2の基板100の上面S2より僅かに低い。第2のデバイス領域RA2の基板100の上面S2は、第3のデバイス領域RA3の基板100の上面S3よりも僅かに低い。例えば、上面S2は上面S3より約30オングストロームだけ低い。第3のデバイス領域RA3の基板100の上面S3は、第4のデバイス領域RA4の基板100の上面S4と同一平面上にある。
【0041】
図7に示されるように、次に、フォトレジストパターンPR3を基板100に形成し、フォトレジストパターンPR3は開口部OP3を有しており、第2のデバイス領域RA2、第3のデバイス領域RA3、及び第4のデバイス領域RA4を露出させる。反応性イオンエッチング(RIE)又は化学的酸化物除去エッチング等のエッチング処理を使用して、シリコン酸化物層220~240の部分的な厚さをエッチングして、開口部OP3を介して除去する。その後、フォトレジストパターンPR3を除去する。このとき、第2のデバイス領域RA2のシリコン酸化物層220の厚さは約90オングストロームであり、第3のデバイス領域RA3のシリコン酸化物層230の厚さ及び第4のデバイス領域RA4のシリコン酸化物層240の厚さは、約140オングストロームである。
【0042】
図8に示されるように、次に、フォトレジストパターンPR4を基板100に形成し、フォトレジストパターンPR4は開口部OP4を有しており、第3のデバイス領域RA3及び第4のデバイス領域RA4を露出させる。シリコン酸化物層230~240は、バッファ酸化物エッチング(BOE)又は類似のウェットエッチング処理等のエッチング処理を使用することによって、開口部OP4を介して完全に除去される。その後、フォトレジストパターンPR4を除去する。
【0043】
図9に示されるように、酸化処理を実行して、約15.5オングストロームの厚さのシリコン酸化物層231及びシリコン酸化物層241を、基板100上の第3のデバイス領域RA3及び第4のデバイス領域RA4にそれぞれ形成する。
【0044】
図10に示されるように、次に、フォトレジストパターンPR5を基板100に形成し、フォトレジストパターンPR5は、開口部OP5a、及びOP5bを有しており、第2のデバイス領域RA2及び第4のデバイス領域RA4をそれぞれ露出させる。第4のデバイス領域RA4のシリコン酸化物層241と、第2のデバイス領域RA2のシリコン酸化物層220の一部の厚さとを、希フッ酸(DHF)等のウェットエッチング処理を使用してエッチング除去する。このとき、第2のデバイス領域RA2のシリコン酸化物層220の残りの厚さは約50オングストロームである。その後、フォトレジストパターンPR5を除去する。第2のデバイス領域RA2のシリコン酸化物層220は、入出力(I/O)デバイスのゲート酸化物層として機能する。
【0045】
図11に示されるように、酸化処理を実行して、基板100の第4のデバイス領域RA4にシリコン酸化物層242を形成する。本発明の一実施形態によれば、例えば、シリコン酸化物層242は、約8オングストロームの厚さを有する。第4のデバイス領域RA4のシリコン酸化物層242は、低電圧デバイス又はSRAMデバイスのゲート酸化物層として機能する。
【0046】
図12を参照されたい。この図では、第4のデバイス領域RA4のシリコン酸化物層242の上面は、領域同士の間の高低差を分かりやすく示すために、水平基準面として点線Pで示している。第1のトレンチ絶縁構造体TI1は、第1のデバイス領域RA1の第1の上面TS1と、第2のデバイス領域RA2の第2の上面TS2とをさらに含む。第1の上面TS1及び第2の上面TS2は、同一平面上にあり、点線Pによって示される水平基準面より約20オングストローム上にある。
【0047】
本発明の一実施形態によれば、第1のデバイス領域RA1の基板100の上面S1は、第2のデバイス領域RA2の基板100の上面S2より低い。本発明の一実施形態によれば、例えば、第1のデバイス領域RA1の基板100の上面S1は、点線Pで示される水平基準面より約200オングストロームだけ低い。本発明の一実施形態によれば、例えば、第2のデバイス領域RA2の基板100の上面S2は、点線Pで示される水平基準面より約30オングストロームだけ低い。本発明の一実施形態によれば、シリコン酸化物層210はシリコン酸化物層220よりも厚い。本発明の一実施形態によれば、シリコン酸化物層210は200~220オングストロームの厚さを有しており、シリコン酸化物層220は30~60オングストロームの厚さを有する。本発明の一実施形態によれば、シリコン酸化物層220の上面220aは、第2のデバイス領域RA2の第1のトレンチ絶縁構造体TI1の第2の上面TS2と同一平面上にある。
【0048】
当業者は、本発明の教示を保持しながら、装置及び方法の多数の修正及び変更を行うことができることを容易に理解するであろう。従って、上記の開示は、添付の特許請求の範囲のよってのみ限定されると解釈すべきである。
図1
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図12