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特許7537091テレビとしての無線通信装置および無線通信装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】テレビとしての無線通信装置および無線通信装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/06 20090101AFI20240814BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20240814BHJP
   H04W 16/14 20090101ALI20240814BHJP
【FI】
H04W36/06
H04W88/06
H04W16/14
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020014745
(22)【出願日】2020-01-31
(65)【公開番号】P2021122088
(43)【公開日】2021-08-26
【審査請求日】2022-12-26
(73)【特許権者】
【識別番号】723005698
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】市村 保雄
【審査官】綿引 隆
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-513265(JP,A)
【文献】特開2002-118509(JP,A)
【文献】国際公開第2012/101679(WO,A1)
【文献】特開2013-005288(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
BS放送を視聴可能なテレビとしての無線通信装置であって、
第1通信信号により、第1の通信規格によって無線通信を行う送受信部を含む第1通信部と、
前記第1通信信号と周波数帯域が重なる第2通信信号により、前記第1の通信規格とは異なる第2の通信規格によって無線通信を行う送受信部を含む第2通信部と、
前記第1通信信号および前記第2通信信号と周波数帯域が重なる第3通信信号としてのBS放送用電波により、前記第1の通信規格および前記第2の通信規格とは異なる第3の通信規格によって無線通信を行うように前記BS放送用電波を受信する放送用電波受信部を含む第3通信部と、
前記第1通信信号の使用周波数帯域である第1チャネルを変更する制御を行う制御部とを備え、
前記制御部は、前記第1チャネルの使用周波数帯域と、前記第2通信信号の使用周波数帯域である第2チャネルおよび前記第3通信信号の使用周波数帯域である第3チャネルのうち少なくとも一方の使用周波数帯域とが重なって干渉が生じた場合に、前記第2チャネルの情報および前記第3チャネルの情報を取得するとともに、取得した前記第2チャネルの情報および前記第3チャネルの情報に基づいて、前記第1チャネルを、前記第2チャネルおよび前記第3チャネルの使用周波数帯域とは異なる使用周波数帯域に変更する制御を行うように構成されている、テレビとしての無線通信装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1チャネルを変更する際に、前記第2チャネルおよび前記第3チャネルの使用周波数帯域を、前記第1チャネルの変更先の候補から除外する制御を行うように構成されている、請求項1に記載のテレビとしての無線通信装置。
【請求項3】
前記第1通信信号を処理する第1通信信号処理部と、前記第2通信信号を処理する第2通信信号処理部と、前記第3通信信号を処理する第3通信信号処理部とをさらに含み、
前記制御部は、前記第2チャネルの変更時、および、前記第3チャネルの変更時の少なくともいずれかにおいて、変更後の前記第1通信信号に起因する干渉を抑制するための第1干渉抑制信号を生成するとともに、生成した前記第1干渉抑制信号を、前記第2通信信号処理部および前記第3通信信号処理部に対して入力する制御を行うように構成されている、請求項1または2に記載のテレビとしての無線通信装置。
【請求項4】
記憶部をさらに備え、
前記制御部は、変更後の前記第1チャネルの情報を前記記憶部に記憶するとともに、前記第2チャネルの変更時、および、前記第3チャネルの変更時の少なくともいずれかにおいて、前記記憶部に記憶された前記第1チャネルの情報に基づいて、前記第1干渉抑制信号を生成する制御を行うように構成されている、請求項3に記載のテレビとしての無線通信装置。
【請求項5】
記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記第1チャネルを変更する際に、変更元の前記第1チャネルの情報を前記記憶部に記憶するとともに、変更後の前記第1チャネルを再度変更する際に、前記記憶部に記憶されている前記変更元の前記第1チャネルを、変更先の候補から除外する制御を行うように構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載のテレビとしての無線通信装置。
【請求項6】
第1通信信号により、第1の通信規格によって無線通信を行う第1通信部と、
前記第1通信信号と周波数帯域が重なる第2通信信号により、前記第1の通信規格とは異なる第2の通信規格によって無線通信を行う第2通信部と、
前記第1通信信号および前記第2通信信号と周波数帯域が重なる第3通信信号により、前記第1の通信規格および前記第2の通信規格とは異なる第3の通信規格によって無線通信を行う第3通信部と、
前記第1通信信号の使用周波数帯域である第1チャネルを変更する制御を行う制御部と、
前記第1通信信号を処理する第1通信信号処理部と、
前記第2通信信号を処理する第2通信信号処理部と、
前記第3通信信号を処理する第3通信信号処理部とを、備え、
前記制御部は、前記第1チャネルの使用周波数帯域と、前記第2通信信号の使用周波数帯域である第2チャネルおよび前記第3通信信号の使用周波数帯域である第3チャネルのうち少なくとも一方の使用周波数帯域とが重なって干渉が生じた場合に、前記第2チャネルの情報および前記第3チャネルの情報を取得するとともに、取得した前記第2チャネルの情報および前記第3チャネルの情報に基づいて、前記第1チャネルを変更する制御を行うように構成されており、
前記制御部は、前記第2チャネルおよび前記第3チャネルのうち、少なくともいずれかのチャネルが使用している周波数帯域に対して、前記第1チャネルを変更するとともに、前記第2通信信号に起因する干渉を抑制する第2干渉抑制信号、および、前記第3通信信号に起因する干渉を抑制する第3干渉抑制信号のうち、少なくともいずれかを生成し、前記第1通信信号処理部に対して入力する制御を行うように構成されている、無線通信装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第2チャネルおよび前記第3チャネルのうち、少なくともいずれかのチャネルが使用している周波数帯域に対して、前記第1チャネルを変更した際に、前記第1通信信号に起因する干渉を抑制する第1干渉抑制信号を生成するとともに、前記第2通信信号処理部および前記第3通信信号処理部のうち、少なくともいずれかに対して、前記第1干渉抑制信号を入力する制御を行うように構成されている、請求項6に記載の無線通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置に関し、特に、周波数帯域が重なる通信信号によって無線通信を行う無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、周波数帯域が重なる通信信号によって無線通信を行う無線通信装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、干渉帯域検出部と、利用可能帯域情報取得部と、ホッピングパターン生成部と、通信部とを有する通信装置(無線通信装置)が開示されている。上記特許文献1に記載の干渉帯域検出部は、通信に使用する信号の周波数が、他の通信機器が使用している周波数と重なる領域(干渉帯域)を検出するように構成されている。具体的には、干渉帯域検出部は、通信部において受信する電波の信号強度や復調されたデータのエラーレートなどを参照して、干渉が発生している周波数帯域を検出するように構成されている。また、利用可能帯域情報取得部は、干渉帯域検出部での検出結果に基づいて、干渉帯域を除く領域である利用可能領域を取得するように構成されている。ホッピングパターン生成部は、利用可能領域に基づいて、使用する信号の周波数帯域をホッピングさせる周波数のパターンを生成するように構成されている。また、通信部は、ホッピングパターン生成部によって生成されたホッピングパターンに基づいて、通信を行うように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-345274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の通信装置(無線通信装置)は、実際に通信している電波の信号強度やエラーレートなどに基づいて干渉帯域を取得する構成である。そのため、通信に用いる通信信号の周波数帯域と重なる周波数帯域の信号が混在している場合、干渉帯域を取得するために様々な周波数帯域の通信信号によって通信を行う必要があり、干渉帯域を取得する処理の負荷が増加する。そのため、干渉を回避するために通信信号の周波数帯域を変更する際に、処理の負荷が増加するという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、通信に用いる信号の周波数帯域と重なる周波数帯域の信号が混在する場合でも、干渉を回避するために、通信信号の使用周波数を変更する処理の負荷が増加することを抑制することが可能なテレビとしての無線通信装置および無線通信装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面におけるテレビとしての無線通信装置は、BS放送を視聴可能なテレビとしての無線通信装置であって、第1通信信号により、第1の通信規格によって無線通信を行う送受信部を含む第1通信部と、第1通信信号と周波数帯域が重なる第2通信信号により、第1の通信規格とは異なる第2の通信規格によって無線通信を行う送受信部を含む第2通信部と、第1通信信号および第2通信信号と周波数帯域が重なる第3通信信号としてのBS放送用電波により、第1の通信規格および第2の通信規格とは異なる第3の通信規格によって無線通信を行うようにBS放送用電波を受信する放送用電波受信部を含む第3通信部と、第1通信信号の使用周波数帯域である第1チャネルを変更する制御を行う制御部とを備え、制御部は、第1チャネルの使用周波数帯域と、第2通信信号の使用周波数帯域である第2チャネルおよび第3通信信号の使用周波数帯域である第3チャネルのうち少なくとも一方の使用周波数帯域とが重なって干渉が生じた場合に、第2チャネルの情報および第3チャネルの情報を取得するとともに、取得した第2チャネルの情報および第3チャネルの情報に基づいて、第1チャネルを、第2チャネルおよび第3チャネルの使用周波数帯域とは異なる使用周波数帯域に変更する制御を行うように構成されている。
【0008】
この発明の第1の局面によるテレビとしての無線通信装置では、上記のように、第2通信信号の使用周波数帯域である第2チャネルの情報および第3通信信号の使用周波数帯域である第3チャネルの情報を取得するとともに、取得した第2チャネルの情報および第3チャネルの情報に基づいて、第1チャネルを、第2チャネルおよび第3チャネルの使用周波数帯域とは異なる使用周波数帯域に変更する制御を行う制御部を備える。これにより、第2チャネルの情報と第3チャネルの情報とに基づいて、第1通信信号に干渉が生じる周波数帯域を、第1通信信号による通信を行うことなく取得することができる。その結果、第1通信信号による通信結果に基づいて第1通信信号の第1チャネルを変更する構成と異なり、第1通信信号、第2通信信号、および、第3通信信号が混在する場合でも、干渉を回避するために、第1通信信号の第1チャネルを変更する処理の負荷が増加することを抑制することができる。
【0009】
上記第1の局面によるテレビとしての無線通信装置において、好ましくは、制御部は、第1チャネルを変更する際に、第2チャネルおよび第3チャネルの使用周波数帯域を、第1チャネルの変更先の候補から除外する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、第1通信信号に干渉が生じる可能性が低い周波数帯域から第1チャネルの変更先を設定することが可能となるので、第1チャネルを変更する際に、第1通信信号に干渉が生じる周波数帯域を容易に回避することができる。その結果、第1通信信号の第1チャネルを変更する処理の負荷が増加することをより抑制することができる。
【0010】
上記第1の局面によるテレビとしての無線通信装置において、好ましくは、第1通信信号を処理する第1通信信号処理部と、第2通信信号を処理する第2通信信号処理部と、第3通信信号を処理する第3通信信号処理部とをさらに含み、制御部は、第2チャネルの変更時、および、第3チャネルの変更時の少なくともいずれかにおいて、変更後の第1通信信号に起因する干渉を抑制するための第1干渉抑制信号を生成するとともに、生成した第1干渉抑制信号を、第2通信信号処理部および第3通信信号処理部に対して入力する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、第2チャネルの使用周波数帯域および第3チャネルの使用周波数帯域が、変更後の第1チャネルの使用周波数帯域を含む周波数帯域に変更された場合でも、第2通信信号および第3通信信号において第1通信信号に起因する干渉が生じることを、第1干渉抑制信号によって抑制することができる。その結果、第2通信信号を用いた通信、および、第3通信信号を用いた通信の品質が低下することを抑制することができる。
【0011】
この場合、好ましくは、記憶部をさらに備え、制御部は、変更後の第1チャネルの情報を記憶部に記憶するとともに、第2チャネルの変更時、および、第3チャネルの変更時の少なくともいずれかにおいて、記憶部に記憶された第1チャネルの情報に基づいて、第1干渉抑制信号を生成する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、第1チャネルの情報が記憶部に記憶されているため、第2チャネルおよび第3チャネルを第1チャネルが使用している周波数帯域に変更する場合など、第2通信信号および第3通信信号において、第1通信信号に起因して干渉が生じる可能性がある場合に、必要に応じて第1干渉抑制信号を生成し、第2通信部および第3通信部に入力することができる。したがって、第1通信信号に起因して干渉が生じる可能性が高い場合には、第2通信部および第3通信部に対して第1干渉抑制信号を入力することによって、第2通信信号および第3通信信号に干渉が生じることを抑制することができる。一方、第2通信信号および第3通信信号において、第1通信信号に起因して干渉が生じる可能性が低い場合には、第2通信部および第3通信部に対して第1干渉抑制信号が入力されることを抑制することができる。その結果、干渉抑制信号制御の処理の負荷を軽減することができる。
【0012】
上記第1の局面によるテレビとしての無線通信装置において、好ましくは、記憶部をさらに備え、制御部は、第1チャネルを変更する際に、変更元の第1チャネルの情報を記憶部に記憶するとともに、変更後の第1チャネルを再度変更する際に、記憶部に記憶されている変更元の第1チャネルを、変更先の候補から除外する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、第1通信信号に干渉が生じる可能性が高い周波数帯域である変更元の周波数帯域が、第1チャネルの変更先の候補から除外される。したがって、第1チャネルを再度変更する際に、干渉が生じることを抑制することが可能な第1チャネルの変更先をより容易に設定することができる。その結果、第1チャネルを変更する処理の負荷が増加することを、より一層抑制することができる。
【0013】
この発明の第2の局面による無線通信装置は第1通信信号により、第1の通信規格によって無線通信を行う第1通信部と、第1通信信号と周波数帯域が重なる第2通信信号により、第1の通信規格とは異なる第2の通信規格によって無線通信を行う第2通信部と、第1通信信号および第2通信信号と周波数帯域が重なる第3通信信号により、第1の通信規格および第2の通信規格とは異なる第3の通信規格によって無線通信を行う第3通信部と、第1通信信号の使用周波数帯域である第1チャネルを変更する制御を行う制御部と、第1通信信号を処理する第1通信信号処理部と、第2通信信号を処理する第2通信信号処理部と、第3通信信号を処理する第3通信信号処理部とを備え制御部は、第1チャネルの使用周波数帯域と、第2通信信号の使用周波数帯域である第2チャネルおよび第3通信信号の使用周波数帯域である第3チャネルのうち少なくとも一方の使用周波数帯域とが重なって干渉が生じた場合に、第2チャネルの情報および第3チャネルの情報を取得するとともに、取得した第2チャネルの情報および第3チャネルの情報に基づいて、第1チャネルを変更する制御を行うように構成されており、制御部は、第2チャネルおよび第3チャネルのうち、少なくともいずれかのチャネルが使用している周波数帯域に対して、第1チャネルを変更するとともに、第2通信信号に起因する干渉を抑制する第2干渉抑制信号、および、第3通信信号に起因する干渉を抑制する第3干渉抑制信号のうち、少なくともいずれかを生成し、第1通信信号処理部に対して入力する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、第2干渉抑制信号および第3干渉抑制信号によって、第2通信信号および第3通信信号に起因して第1通信信号に干渉が生じることを抑制することができる。したがって、第2チャネルおよび第3チャネルの使用周波数帯域を、第1チャネルの変更先の候補として使用することができる。その結果、第1チャネルの変更先の候補を増加させることができる。
【0014】
この場合、好ましくは、制御部は、第2チャネルおよび第3チャネルのうち、少なくともいずれかのチャネルが使用している周波数帯域に対して、第1チャネルを変更した際に、第1通信信号に起因する干渉を抑制する第1干渉抑制信号を生成するとともに、第2通信信号処理部および第3通信信号処理部のうち、少なくともいずれかに対して、第1干渉抑制信号を入力する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、第2チャネルの使用周波数帯域および第3チャネルの使用周波数帯域に第1チャネルを変更した際に、第1通信信号に起因して、第2通信信号および第3通信信号に干渉が生じることを抑制することができる。その結果、第1チャネルを、第2チャネルおよび第3チャネルの使用周波数帯域に変更した場合でも、第1通信信号に起因して生じる干渉を抑制することが可能となるので、第2通信信号を用いた通信および第3通信信号を用いた通信の品質が低下することを抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、上記のように、通信に用いる信号の周波数帯域と重なる周波数帯域の信号が混在する場合でも、干渉を回避するために、通信信号の使用周波数を変更する処理の負荷が増加することを抑制することが可能なテレビとしての無線通信装置および無線通信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態による無線通信装置が他の無線通信装置と通信を行う構成を説明するための模式図である。
図2】第1実施形態による無線通信装置の全体構成を示すブロック図である。
図3】第1実施形態による無線通信装置が使用する第1通信信号、第2通信信号、および、第3通信信号の周波数帯域を説明するためのグラフである。
図4】第1実施形態による制御部が第1チャネルを変更する際の周波数帯域を設定する構成を説明するためのグラフである。
図5】第1実施形態の制御部による第1チャネルを変更する処理を説明するためのフローチャートである。
図6】第2実施形態による無線通信装置の全体構成を示すブロック図である。
図7】第2実施形態による制御部が第1チャネルを変更する際の周波数帯域を設定する構成を説明するためのグラフである。
図8】第2実施形態の制御部による第1チャネルを変更する際に、第1干渉抑制信号を出力する処理を説明するためのフローチャートである。
図9】第3実施形態による無線通信装置の全体構成を示すブロック図である。
図10】第3実施形態による制御部が第1チャネルを変更した際に、変更元の周波数帯域を変更先の候補から除外する構成を説明するためのグラフである。
図11】第3実施形態の制御部によって、第1チャネルの変更元を第1チャネルの変更先の候補から除外する処理を説明するためのフローチャートである。
図12】第4実施形態による無線通信装置の全体構成を示すブロック図である。
図13】第4実施形態による制御部が第1チャネルを変更した際に、干渉抑制信号を生成し、信号処理部に入力する構成を説明するためのグラフである。
図14】第4実施形態の制御部によって、第1チャネルを変更する処理を説明するためのフローチャートである。
図15】第1実施形態の変形例の制御部による第1チャネルを変更する処理を説明するためのフローチャートである。
図16】第2実施形態の第1変形例による無線通信装置の全体構成を示すブロック図である。
図17】第2実施形態の第1変形例の制御部による第1干渉抑制信号を出力する処理を説明するためのフローチャートである。
図18】第2実施形態の第2変形例の制御部による第1干渉抑制信号を出力する処理を説明するためのフローチャートである。
図19】第2実施形態の第3変形例の制御部による第1干渉抑制信号を出力する処理を説明するためのフローチャートである。
図20】第4実施形態の変形例の制御部によって、第1チャネルを変更する処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
[第1実施形態]
図1図4を参照して、本発明の第1実施形態による無線通信装置100の構成について説明する。
【0019】
図1に示すように、第1実施形態による無線通信装置100は、複数の通信規格による通信を行うように構成されている。図1に示す例では、無線通信装置100は、第1通信信号10により、第1の通信規格によって、無線通信装置101と無線通信を行うように構成されている。また、無線通信装置100は、第2通信信号20により、第2の通信規格によって、無線通信装置102と無線通信を行うように構成されている。また、無線通信装置100は、第3通信信号30により、第3の通信規格によって、無線通信装置103と無線通信を行うように構成されている。なお、図1に示す例では、通信規格の違いを把握しやすくするため、第2通信信号20および第3通信信号30に対して、互いに異なるハッチングを付して図示している。
【0020】
無線通信装置100は、たとえば、4KBS放送(新4K衛星放送)を視聴可能なテレビなどの通信端末を含む。また、無線通信装置101は、たとえば、ワイヤレススピーカーなどの通信機器を含む。また、無線通信装置102は、たとえば、無線LANルータなどの通信機器を含む。また、無線通信装置103は、たとえば、4KBS電波7(図2参照)を送信する送信装置などを含む。
【0021】
第1実施形態では、無線通信装置100は、第1の通信規格として、Bluetooth(登録商標)によって通信を行うように構成されている。また、無線通信装置100は、第2の通信規格として、wi-fi(登録商標)によって通信を行うように構成されている。また、無線通信装置100は、第3の通信規格として、4KBS電波7によって通信を行うように構成されている。
【0022】
図2に示すように、無線通信装置100は、第1通信部1と、第2通信部2と、第3通信部3と、第1制御部4と、第2制御部5と、記憶部6とを備えている。なお、第1制御部4は、特許請求の範囲の「制御部」の一例である。
【0023】
第1通信部1は、第1通信信号10により、第1の通信規格によって無線通信を行うように構成されている。具体的には、第1通信部1は、第1通信信号10を送受信することにより、他の無線通信装置(たとえば、無線通信装置101)と無線通信を行うように構成されている。第1通信部1は、第1送受信部1aと、後述する第1通信信号生成部4aと、後述する第1通信信号処理部4bとを含む。
【0024】
第1送受信部1aは、第1通信信号10を送受信するように構成されている。第1送受信部1aは、たとえば、アンテナを含む。
【0025】
第1通信信号10は、たとえば、2.4GHz(ギガヘルツ)帯の周波数帯域の信号を含む。また、第1通信信号10は、第1送信信号10aと、第1受信信号10bとを含む。第1送信信号10aは、矢印50に示すように、第1送受信部1aから送信される。また、第1受信信号10bは、矢印51に示すように、第1送受信部1aによって受信される。
【0026】
第2通信部2は、第1通信信号10と周波数帯域が重なる第2通信信号20により、第1の通信規格とは異なる第2の通信規格によって無線通信を行うように構成されている。具体的には、第2通信部2は、第2通信信号20を送受信することにより、他の無線通信装置(たとえば、無線通信装置102)と無線通信を行うように構成されている。第2通信部2は、第2送受信部2aと、後述する第2通信信号生成部4cと、後述する第2通信信号処理部4dとを含む。
【0027】
第2送受信部2aは、第2通信信号20を送受信するように構成されている。第2送受信部2aは、たとえば、アンテナを含む。
【0028】
第2通信信号20は、第1通信信号10と周波数帯域が重なる周波数帯域の信号を含む。第1実施形態では、第2通信信号20は、たとえば、2.4GHz(ギガヘルツ)帯の信号を含む。また、第2通信信号20は、第2送信信号20aと、第2受信信号20bとを含む。第2送信信号20aは、矢印52に示すように、第2送受信部2aから送信される。また、第2受信信号20bは、矢印53に示すように、第2送受信部2aによって受信される。
【0029】
第3通信部3は、第3通信信号30により、第3の通信規格によって無線通信を行うように構成されている。具体的には、第3通信部3は、第3通信信号30を受信することにより、他の無線通信装置(たとえば、無線通信装置103)から送信された信号(4KBS電波7)を受信するように構成されている。第3通信部3は、受信部3aと、後述する第3通信信号処理部5aとを含む。
【0030】
受信部3aは、第3通信信号30を受信するように構成されている。受信部3aは、たとえば、チューナー(テレビチューナー)を含む。
【0031】
第3通信信号30は、たとえば、2.4GHz(ギガヘルツ)帯の周波数帯域の信号を含む。また、第3通信信号30は、第3受信信号30aを含む。
【0032】
第1制御部4は、第1通信信号10の使用周波数帯域である第1チャネル11を変更する制御を行うように構成されている。第1制御部4は、たとえば、IC(Integrated Circuit)、または、LSI(Large-Scale Integration)などを含む。また、第1制御部4は、記憶部6に記憶されている各種プログラムを実行することにより、第1通信信号生成部4a、第1通信信号処理部4b、第2通信信号生成部4c、および、第2通信信号処理部4dとして機能するように構成されている。
【0033】
第1通信信号生成部4aは、第1送信信号10aを生成するように構成されている。具体的には、第1通信信号生成部4aは、使用周波数帯域が、複数の第1チャネル11(図3参照)のうち、いずれかのチャネルの周波数帯域となる第1送信信号10aを生成する。
【0034】
第1通信信号処理部4bは、第1送受信部1aによって受信された第1受信信号10bを処理するように構成されている。第1通信信号処理部4bは、たとえば、第1受信信号10bに対して、周波数変換などのRF処理、および、ベースバンド処理などの処理を行うように構成されている。
【0035】
第2通信信号生成部4cは、第2送信信号20aを生成するように構成されている。具体的には、第2通信信号生成部4cは、使用周波数帯域が、複数の第2チャネル21のうち、いずれかのチャネルの周波数帯域となる第2送信信号20aを生成する。
【0036】
第2通信信号処理部4dは、第2送受信部2aによって受信された第2受信信号20bを処理するように構成されている。第2通信信号処理部4dは、たとえば、第2受信信号20bに対して、RF処理、ベースバンド処理などの処理を行うように構成されている。
【0037】
第2制御部5は、第3通信信号処理部5aを含む。第2制御部5は、たとえば、IC、または、LSIなどを含む。また、第2制御部5は、記憶部6に記憶されている各種プログラムを実行することにより、第3通信信号処理部5aとして機能するように構成されている。
【0038】
第3通信信号処理部5aは、受信部3aによって受信された4KBS電波7の周波数を変換する処理(IF処理)を行うことにより、第3受信信号30aを取得する。なお、取得された第3受信信号30aは、いわゆる、輻射により、通信ケーブルなどから、矢印54に示すように、4KBS干渉波30bとして、外部に漏洩する場合がある。なお、図2に示す例では、便宜上、4KBS干渉波30bが第2制御部5から出力されるように図示している。本実施形態において、4KBS干渉波30bは、第2制御部5から漏洩するもの以外に、たとえば、チューナーと第2制御部5とを接続する通信ケーブル、チューナーと4KBS電波7を受信するためのアンテナを接続する通信ケーブルなどから漏洩する4KBS干渉波30bも含む。
【0039】
記憶部6は、第1制御部4が実行する各種プログラムを記憶するように構成されている。記憶部6は、たとえば、不揮発性メモリなどを含む。
【0040】
(第1通信信号、第2通信信号、および、第3通信信号)
次に、図3を参照して、第1通信信号10、第2通信信号20、および、第3通信信号30について説明する。
【0041】
図3は、第1通信信号10、第2通信信号20、および、第3通信信号30の周波数帯域を説明するためのグラフG1である。グラフG1は、横軸が周波数のグラフである。
【0042】
図3に示すように、第1通信信号10は、2.4GHz帯を周波数帯域とする通信信号である。第1実施形態では、第1通信信号10は、2.4GHz帯において、複数の第1チャネル11を有している。たとえば、各第1チャネル11は、1MHz(メガヘルツ)の周波数帯域のチャネル幅を有する通信信号である。
【0043】
また、第2通信信号20は、2.4GHz帯を周波数帯域とする通信信号である。図3に示すように、第2通信信号20は、2.4GHz帯において、第1通信信号10と重なる周波数帯域において、複数の第2チャネル21を有している。たとえば、各第2チャネル21は、20MHzの周波数帯のチャンネル幅を有する通信信号である。また、各第2チャネル21は、中心周波数が5MHzずつ異なる信号である。
【0044】
また、第3通信信号30は、2.4GHz帯を周波数帯域とする通信信号である。図3に示すように、第3通信信号30は、2.4GHz帯において、第1通信信号10および第2通信信号20と重なる周波数帯域において、複数の第3チャネル31を有している。具体的には、各第3チャネル31は、34.5MHzの周波数帯域のチャネル幅を有する通信信号である。
【0045】
(通信信号の干渉漏洩)
ここで、第1通信信号10、第2通信信号20、および、第3通信信号30は、共に、2.4GHz帯の信号であり、周波数帯域が重なっている。そのため、第1チャネル11、第2チャネル21、および、第3チャネル31の使用周波数帯域が重なると、各通信信号に干渉が生じる場合がある。そのような状態において、第1通信信号10による通信を行った場合、第1通信信号10において、通信速度の低下や、エラーの増加など、通信品質の低下が生じる可能性がある。
【0046】
そこで、第1実施形態では、第1制御部4は、第1通信信号10の使用周波数帯域である第1チャネル11を変更する制御を行うように構成されている。具体的には、第1制御部4は、第1チャネル11をランダムに切り替えながら通信を行う、いわゆるAFH(Adaptive Frequency Hopping)によって通信を行うように構成されている。
【0047】
(第1チャネルの変更)
図4は、第1通信信号10、第2通信信号20、および、第3通信信号30の使用チャネルの周波数帯域を示すグラフG2である。グラフG2は、横軸が周波数のグラフである。図4において、使用中(変更前)の第1チャネル11を、第1チャネル11aとして、他の第1チャネル11よりも太い線で図示している。また、使用中の第2チャネル21を、第2チャネル21aとして、他の第2チャネル21よりも太い線で図示している。また、使用中の第3チャネル31を、第3チャネル31aとして、他の第3チャネル31よりも太い線で図示している。
【0048】
第1実施形態では、第1制御部4は、第2通信信号20の使用周波数帯域である第2チャネル21の情報および第3通信信号30の使用周波数帯域である第3チャネル31の情報を取得するように構成されている。また、第1制御部4は、取得した第2チャネル21の情報および第3チャネル31の情報に基づいて、第1チャネル11を変更する制御を行うように構成されている。図4に示す例では、第1制御部4は、第1チャネル11aから、第1チャネル11bに変更する制御を行う。
【0049】
また、第1実施形態では、第1制御部4、第1チャネル11を変更する際に、第2チャネル21および第3チャネル31の使用周波数帯域を、第1チャネル11の変更先の候補から除外する制御を行うように構成されている。なお、図4では、便宜上、変更先から除外された第1チャネル11に対して、ハッチングを付して図示している。
【0050】
(第1チャネル変更処理)
次に、図5を参照して、第1実施形態による第1制御部4が、第1チャネル11を変更する処理について説明する。
【0051】
ステップS1において、第1通信信号処理部4bは、第2チャネル21の情報を取得する。具体的には、現在使用されている第2チャネル21aの周波数帯域の情報を取得する。
【0052】
また、ステップS2において、第1通信信号処理部4bは、第3チャネル31の情報を取得する。具体的には、現在使用されている第3チャネル31aの周波数帯域の情報を取得する。すなわち、第1制御部4は、第1通信信号処理部4bによるステップS1の処理とステップS2の処理とを、並列処理として実行する。
【0053】
ステップS3において、第1通信信号処理部4bは、第2チャネル21および第3チャネル31が使用している周波数帯域を、第1チャネル11の変更先の候補から除外する。
【0054】
ステップS4において、第1通信信号生成部4aは、除外された候補以外の周波数帯域から、第1送信信号10aを生成し、第1送受信部1aから送信する。第1実施形態では、たとえば、第1チャネル11bの周波数帯域の第1送信信号10aを生成し、第1送受信部1aから送信する。その後、処理は、終了する。
【0055】
第1制御部4は、第1通信信号10に干渉が生じた場合、上記ステップS1~S4の処理を行い、第1チャネル11を変更する。また、第2チャネル21および第3チャネル31が変更され、第1通信信号10に再度干渉が生じた場合にも、第1制御部4は、第1チャネル11の変更を行う。
【0056】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0057】
第1実施形態では、上記のように、無線通信装置100は、第1通信信号10により、第1の通信規格によって無線通信を行う第1通信部1と、第1通信信号10と周波数帯域が重なる第2通信信号20により、第1の通信規格とは異なる第2の通信規格によって無線通信を行う第2通信部2と、第1通信信号10および第2通信信号20と周波数帯域が重なる第3通信信号30により、第1の通信規格および第2の通信規格とは異なる第3の通信規格によって無線通信を行う第3通信部3と、第1通信信号10の使用周波数帯域である第1チャネル11を変更する制御を行う第1制御部4とを備え、第1制御部4は、第2通信信号20の使用周波数帯域である第2チャネル21の情報および第3通信信号30の使用周波数帯域である第3チャネル31の情報を取得するとともに、取得した第2チャネル21の情報および第3チャネル31の情報に基づいて、第1チャネル11を変更する制御を行うように構成されている。これにより、第2チャネル21の情報と第3チャネル31の情報とに基づいて、第1通信信号10に干渉が生じる周波数帯域を、第1通信信号10による通信を行うことなく取得することができる。その結果、第1通信信号10による通信結果に基づいて第1通信信号10の第1チャネル11を変更する構成と異なり、第1通信信号10、第2通信信号20、および、第3通信信号30が混在する場合でも、干渉を回避するために、第1通信信号10の第1チャネル11を変更する処理の負荷が増加することを抑制することができる。
【0058】
また、第1実施形態では、第1制御部4は、第1チャネル11を変更する際に、第2チャネル21および第3チャネル31の使用周波数帯域を、第1チャネル11の変更先の候補から除外する制御を行うように構成されている。これにより、第1通信信号10に干渉が生じる可能性が低い周波数帯域から第1チャネル11の変更先を設定することが可能となるので、第1チャネル11を変更する際に、第1通信信号10に干渉が生じる周波数帯域を容易に回避することができる。その結果、第1通信信号10の第1チャネル11を変更する処理の負荷が増加することをより抑制することができる。
【0059】
[第2実施形態]
図6および図7を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、第1チャネル11を変更する際に、第1通信信号10に起因する干渉を抑制するための処理を行わない上記第1実施形態の構成と異なり、第1チャネル11の変更時において、第1通信信号10による干渉を抑制する第1干渉抑制信号12を生成する構成の例について説明する。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成の部分には、同一の符号を付している。
【0060】
図6に示すように、第2実施形態による無線通信装置200は、第1制御部4の代わりに、第1制御部40を備える点で、上記第1実施形態による無線通信装置100とは異なる。
【0061】
具体的には、第1制御部40は、第1干渉抑制信号生成部4eをさらに含む点で、上記第1実施形態による第1制御部4とは異なる。第1干渉抑制信号生成部4eは、記憶部6において、第1干渉抑制信号12の情報を予め記憶しておいてもよい。また、第1干渉抑制信号生成部4eは、第2チャネル21および第3チャネル31の少なくともどちらか一方が変更される前に、第1干渉抑制信号12の調整を予め行い、第1干渉抑制信号12の情報を記憶部6に記憶しておいてもよい。
【0062】
第1干渉抑制信号生成部4eは、第1送信信号10aの情報に基づいて、第1干渉抑制信号12を生成するように構成されている。具体的には、第1干渉抑制信号生成部4eは、第1送信信号10aの位相情報および振幅情報に基づいて、第1干渉抑制信号12を生成するように構成されている。
【0063】
第1干渉抑制信号12は、変更後の第1チャネル11bの周波数帯域の第1送信信号10aの逆特性を有する信号である。第1送信信号10aの逆特性を有する信号とは、たとえば、第1送信信号10aの信号成分を相殺する特性を有する信号である。第1干渉抑制信号12は、たとえば、第1送信信号10aの逆位相の位相を有している。また、第1干渉抑制信号12は、第2受信信号20b、および/または、第3受信信号30aに重畳した第1送信信号10aの振幅と等しい振幅を有する信号である。
【0064】
また、第2実施形態では、第1干渉抑制信号生成部4eは、生成した第1干渉抑制信号12を、第2通信信号処理部4dおよび第3通信信号処理部5aに対して入力する制御を行うように構成されている。
【0065】
図7に示すグラフG3は、横軸が周波数のグラフである。図7は、周波数を変更する前の第1チャネル11aを、第1チャネル11bに変更する際に、第1干渉抑制信号生成部4eが、第1干渉抑制信号12を生成し、第2通信信号処理部4dおよび第3通信信号処理部5aに入力する場合の例を示している。
【0066】
なお、図7に示す例では、第2通信信号20は、第2チャネル21aの周波数帯域の信号である。また、第3通信信号30は、第3チャネル31aの周波数帯域の信号である。また、図7において、は、第1干渉抑制信号12を、破線の太線で図示している。
【0067】
(第1干渉抑制信号出力処理)
次に、図8を参照して、第2実施形態による第1制御部40が干渉を抑制する処理について説明する。
【0068】
ステップS5において、第1干渉抑制信号生成部4eは、変更後の第1チャネル11bの情報に基づき、第1干渉抑制信号12を生成する。具体的には、第1干渉抑制信号生成部4eは、第1チャネル11bの周波数帯域の第1送信信号10aの位相情報および振幅情報に基づき、第1送信信号10aの逆特性を有する第1干渉抑制信号12を生成する。
【0069】
ステップS6において、第1干渉抑制信号生成部4eは、生成した第1干渉抑制信号12を、第2通信信号処理部4dに出力する。
【0070】
また、ステップS7において、第1干渉抑制信号生成部4eは、生成した第1干渉抑制信号12を、第3通信信号処理部5aに出力する。その後、処理は、終了する。すなわち、第1制御部40は、第1干渉抑制信号生成部4eによるステップS6の処理およびステップS7の処理を、並列処理として実行する。
【0071】
第1干渉抑制信号生成部4eによって、第1干渉抑制信号12が第2通信信号処理部4dおよび第3通信信号処理部5aに入力されるので、第2チャネル21および第3チャネル31が第1チャネル11bの周波数帯域を含む周波数帯域に変更された場合でも、第1通信信号10に起因して干渉が生じることが抑制される。
【0072】
なお、第2実施形態では、第1制御部40は、第1チャネル11を第1チャネル11aから第1チャネル11bに変更した際に、上記ステップS5~S7の処理を行い、第1干渉抑制信号12を生成し、第2通信信号処理部4dおよび第3通信信号処理部5aに出力する。
【0073】
なお、第2実施形態による無線通信装置200のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0074】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、無線通信装置200は、第1通信信号10を処理する第1通信信号処理部4bと、第2通信信号20を処理する第2通信信号処理部4dと、第3通信信号30を処理する第3通信信号処理部5aとを含み、第1制御部40は、第2チャネル21の変更時、および、第3チャネル31の変更時の少なくともいずれかにおいて、変更後の第1通信信号10に起因する干渉を抑制するための第1干渉抑制信号12を生成するとともに、生成した第1干渉抑制信号12を、第2通信信号処理部4dおよび第3通信信号処理部5aに対して入力する制御を行うように構成されている。これにより、第2チャネル21の使用周波数帯域および第3チャネル31の使用周波数帯域が、変更後の第1チャネル11bの使用周波数帯域を含む周波数帯域に変更された場合でも、第2通信信号20および第3通信信号30において第1通信信号10に起因する干渉が生じることを、第1干渉抑制信号12によって抑制することができる。その結果、第2通信信号20を用いた通信、および、第3通信信号30を用いた通信の品質が低下することを抑制することができる。
【0075】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0076】
[第3実施形態]
図9および図10を参照して、第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、第1チャネル11を変更する際に、変更元の第1チャネル11aの情報を処理しない上記第1実施形態の構成とは異なり、第3実施形態における無線通信装置300は、第1チャネル11を変更する際に、変更元の第1チャネル11aの情報を記憶部6に記憶する構成について説明する。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成の部分には、同一の符号を付している。
【0077】
図9に示すように、第3実施形態による無線通信装置300は、第1制御部4の代わりに第1制御部41を備える点で、上記第1実施形態による無線通信装置100とは異なる。
【0078】
具体的には、第3実施形態による第1制御部41は、第1通信信号処理部4bの代わりに、第1通信信号処理部41aを含む点で、上記第1実施形態による第1制御部4とは異なる。第1制御部41は、記憶部6に記憶された各種プログラムを実行することにより、第1通信信号処理部41aとして機能するように構成されている。
【0079】
第3実施形態では、第1通信信号処理部41aは、第1チャネル11を変更する際に、変更元の第1チャネル11aの情報を記憶部6に記憶するように構成されている。
【0080】
図10に示すグラフG4は、横軸が周波数のグラフである。グラフG4に示すように、第1通信信号処理部41aは、変更後の第1チャネル11bを再度変更する際に、記憶部6に記憶されている変更元の第1チャネル11aを、変更先の候補から除外する制御を行うように構成されている。なお、図10では、変更先の候補から除外された第1チャネル11aを、破線で図示している。
【0081】
次に、図11を参照して、第3実施形態による第1制御部41が、変更元の第1チャネル11aを、変更先の候補から除外する処理について説明する。
【0082】
ステップS8において、第1通信信号処理部41aは、記憶部6から、変更元の第1チャネル11aの情報を取得する。
【0083】
ステップS9において、第1通信信号処理部41aは、変更元の第1チャネル11aが使用していた周波数帯域を、変更先の候補から除外する。除外された周波数帯域の情報は、記憶部6に記憶されてもよい。また、第2チャネル21および第3チャネル31が変更され、変更元の第1チャネル11aの周波数帯域において第1通信信号10に干渉が生じなくなった場合には、変更先の候補に戻してもよい。その後、処理は、終了する。
【0084】
なお、第3実施形態による無線通信装置300のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0085】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、上記のように、無線通信装置300は、記憶部6を備え、第1制御部41は、第1チャネル11を変更する際に、変更元の第1チャネル11aの情報を記憶部6に記憶するとともに、変更後の第1チャネル11bを再度変更する際に、記憶部6に記憶されている変更元の第1チャネル11aを、変更先の候補から除外する制御を行うように構成されている。これにより、第1通信信号10に干渉が生じる可能性が高い周波数帯域である変更元の周波数帯域が、第1チャネル11の変更先の候補から除外される。したがって、第1チャネル11を再度変更する際に、干渉が生じることを抑制することが可能な第1チャネル11の変更先をより容易に設定することができる。その結果、第1チャネル11を変更する処理の負荷が増加することを、より一層抑制することができる。
【0086】
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0087】
[第4実施形態]
図12および図13を参照して、第4実施形態について説明する。この第4実施形態では、第2チャネル21および第3チャネル31が使用している周波数帯域以外の周波数帯域に第1チャネル11の変更先を設定する上記第1実施形態の構成と異なり、第2チャネル21および第3チャネル31のうち、少なくともいずれかのチャネルが使用している周波数帯域に対して、第1チャネル11を変更する構成について説明する。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成の部分には、同一の符号を付している。
【0088】
図12に示すように、第4実施形態による無線通信装置400は、第1制御部4に代えて、第1制御部42を備える点で、上記第1実施形態による無線通信装置100とは異なる。
【0089】
具体的には、第4実施形態による第1制御部42は、第1干渉抑制信号生成部4e、第2干渉抑制信号生成部4f、および、第3干渉抑制信号生成部4gを含む点で、上記第1実施形態による第1制御部4とは異なる。なお、第1制御部42は、記憶部6に記憶されている各種プログラムを実行することにより、第1干渉抑制信号生成部4e、第2干渉抑制信号生成部4f、および、第3干渉抑制信号生成部4gとして機能する。
【0090】
第1干渉抑制信号生成部4eは、第1チャネル11の情報に基づいて、第1干渉抑制信号12を生成する。なお、第1干渉抑制信号生成部4eは、上記第2実施形態による第1干渉抑制信号生成部4eと同様の構成であるため、第1干渉抑制信号生成部4eが第1干渉抑制信号12を生成する詳細な説明は省略する。
【0091】
また、第4実施形態では、第2干渉抑制信号生成部4fは、第2通信信号20に基づいて、第2干渉抑制信号22を生成するように構成されている。具体的には、第2干渉抑制信号生成部4fは、第2送信信号20aの第2チャネル21の位相情報および振幅情報に基づいて、第2送信信号20aの逆特性を有する第2干渉抑制信号22を生成するように構成されている。第2送信信号20aの逆特性を有する信号とは、たとえば、第2送信信号20aの信号成分を相殺する特性を有する信号である。第2干渉抑制信号22は、たとえば、第2送信信号20aの逆位相の位相を有しており、振幅が第2送信信号20aと等しい信号である。
【0092】
また、第4実施形態では、第3干渉抑制信号生成部4gは、第3通信信号30に基づいて、第3干渉抑制信号32を生成するように構成されている。具体的には、第3干渉抑制信号生成部4gは、第3受信信号30aの第3チャネル31の位相情報および振幅情報に基づいて、第3受信信号30aの逆特性を有する第3干渉抑制信号32を生成するように構成されている。第3受信信号30aの逆特性を有する信号とは、たとえば、第3受信信号30aの信号成分を相殺する特性を有する信号である。第3干渉抑制信号32は、たとえば、第3受信信号30aの逆位相の位相を有している。また、第3干渉抑制信号32は、第1受信信号10bに重畳した第3受信信号30aの振幅と等しい振幅を有する信号である。
【0093】
図13に示すグラフG5は、横軸が周波数のグラフである。図13は、周波数を変更する前の第1チャネル11aを、第2チャネル21aおよび第3チャネル31aが使用している周波数帯域の第1チャネル11bに変更する例を示している。
【0094】
第4実施形態では、第1干渉抑制信号生成部4eは、第1チャネル11bに変更する際に、生成した第1干渉抑制信号12を、第2通信信号処理部4dおよび第3通信信号処理部5aに入力する制御を行うように構成されている。なお、図13に示す例では、第1干渉抑制信号12を、破線の太線で図示している。
【0095】
また、第2干渉抑制信号生成部4fは、生成した第2干渉抑制信号22を、第1通信信号処理部4bに入力する制御を行うように構成されている。なお、図13に示す例では、第2干渉抑制信号22を、破線の矢印として、太線で図示している。
【0096】
また、第3干渉抑制信号生成部4gは、生成した第3干渉抑制信号32を、第1通信信号処理部4bに入力する制御を行うように構成されている。第4実施形態では、第1干渉抑制信号生成部4eは、第1チャネル11bに変更する際に、第1干渉抑制信号12を生成し、第2通信信号処理部4dおよび第3通信信号処理部5aに入力する。なお、図13に示す例では、第3干渉抑制信号32を、破線の矢印として、太線で図示している。
【0097】
次に、図14を参照して、第4実施形態による第1制御部42が第1チャネル11を変更する処理について説明する。なお、上記第1実施形態および上記第2実施形態による第1制御部4および第1制御部40と同様の処理に関しては、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0098】
ステップS1およびステップS2において、第1通信信号処理部4bは、第2チャネル21aの情報および第3チャネル31aの情報を取得する。
【0099】
次に、ステップS10において、第2干渉抑制信号生成部32fは、第2干渉抑制信号22を生成し、第1通信信号処理部4bに出力する。
【0100】
また、ステップS2において、第1通信信号処理部4bは、第2チャネル21aの情報および第3チャネル31aの情報を取得する。
【0101】
次に、ステップS11において、第3干渉抑制信号生成部4gは、第3干渉抑制信号32を生成し、第1通信信号処理部4bに出力する。すなわち、第1制御部42は、第1通信信号処理部4bおよび第2干渉抑制信号生成部32fによるステップS1およびS10の処理と、第1通信信号処理部4bおよび第3干渉抑制信号生成部4gによるステップS2およびS11の処理とを、並列処理として実行する。
【0102】
ステップS5において、第1干渉抑制信号生成部4eは、第1干渉抑制信号生成部4eを生成する。
【0103】
ステップS12において、第1通信信号生成部4aは、第1チャネル11を第1チャネル11aから第1チャネル11bに変更する。具体的には、第1通信信号生成部4aは、変更後の第1チャネル11bの周波数帯域の第1送信信号10aを生成し、送信することにより、第1チャネル11を変更する。
【0104】
その後、ステップS6およびステップS7において、第1干渉抑制信号生成部4eは、生成した第1干渉抑制信号12を、第2通信信号処理部4dおよび第3通信信号処理部5aに出力する。その後、処理は、終了する。
【0105】
なお、第1干渉抑制信号生成部4eはステップS6およびS7の処理を、上記第2実施形態と同様に、並列処理として実行する。
【0106】
なお、第4実施形態による無線通信装置400のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0107】
(第4実施形態の効果)
第4実施形態では、上記のように、無線通信装置400は、第1通信信号10を処理する第1通信信号処理部4bと、第2通信信号20を処理する第2通信信号処理部4dと、第3通信信号30を処理する第3通信信号処理部5aとを含み、第1制御部42は、第2チャネル21および第3チャネル31のうち、少なくともいずれかのチャネルが使用している周波数帯域に対して、第1チャネル11を変更するとともに、第2通信信号20に起因する干渉を抑制する第2干渉抑制信号22、および、第3通信信号30に起因する干渉を抑制する第3干渉抑制信号32のうち、少なくともいずれかを生成し、第1通信信号処理部4bに対して入力する制御を行うように構成されている。これにより、第2干渉抑制信号22および第3干渉抑制信号32によって、第2通信信号20および第3通信信号30に起因して第1通信信号10に干渉が生じることを抑制することができる。したがって、第2チャネル21および第3チャネル31の使用周波数帯域を、第1チャネル11の変更先の候補として使用することができる。その結果、第1チャネル11の変更先の候補を増加させることができる。
【0108】
また、第4実施形態では、第1制御部42は、第2チャネル21および第3チャネル31のうち、少なくともいずれかのチャネルが使用している周波数帯域に対して、第1チャネル11を変更した際に、第1通信信号10に起因する干渉を抑制する第1干渉抑制信号12を生成するとともに、第2通信信号処理部4dおよび第3通信信号処理部5aのうち、少なくともいずれかに対して、第1干渉抑制信号12を入力する制御を行うように構成されている。これにより、第2チャネル21の使用周波数帯域および第3チャネル31の使用周波数帯域に第1チャネル11を変更した際に、第1通信信号10に起因して、第2通信信号20および第3通信信号30に干渉が生じることを抑制することができる。その結果、第1チャネル11を、第2チャネル21および第3チャネル31の使用周波数帯域に変更した場合でも、第1通信信号10に起因して生じる干渉を抑制することが可能となるので、第2通信信号20を用いた通信および第3通信信号30を用いた通信の品質が低下することを抑制することができる。
【0109】
なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0110】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0111】
たとえば、上記第1実施形態では、第1制御部4が、第2チャネル21および第3チャネル31の使用周波数帯域を、第1チャネル11の変更先の候補から除外する制御を行う構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1制御部4は、たとえば、第1チャネル11が第2チャネル21および第3チャネル31と重ならないように第1チャネル11を変更すれば、第2チャネル21および第3チャネル31の使用周波数帯域を、第1チャネル11の変更先の候補から除外する制御を行わなくてもよい。
【0112】
また、上記第1実施形態では、第1制御部4が、第1チャネル変更処理におけるステップS1の処理とステップS2の処理とを、並列処理として実行する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図16に示す第1実施形態の変形例のように、第1制御部4は、ステップS1の処理と、ステップS2の処理とを、直列処理として行うように構成されていてもよい。なお、第1実施形態の変形例では、ステップS1の処理とステップS2の処理とは、どちらが先に行われてもよい。
【0113】
また、上記第2実施形態では、第1制御部40が、第1チャネル11を変更した際に、第1干渉抑制信号12を生成し、第2通信信号処理部4dおよび第3通信信号処理部5aに入力する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図16の第2実施形態の第1変形例における無線通信装置500が備える第1制御部43のように、記憶部6に記憶された第1チャネル11の情報に基づいて、第1干渉抑制信号12を生成してもよい。
【0114】
具体的には、第2実施形態の第1変形例における無線通信装置500は、第1制御部40の代わりに、第1制御部43を備える点で、上記第2実施形態による無線通信装置200と異なる。第1制御部43は、第1干渉抑制信号生成部4eの代わりに、第1干渉抑制信号生成部43aを含む点で、上記第2実施形態における第1制御部40と異なる。
【0115】
第1制御部43は、変更後の第1チャネル11bの情報を記憶部6に記憶するように構成されている。また、第1制御部43は、第2チャネル21の変更時、および、第3チャネル31の変更時の少なくともいずれかにおいて、記憶部6に記憶された第1チャネル11の情報に基づいて、第1干渉抑制信号12を生成する制御を行うように構成されている。
【0116】
次に、図17を参照して、第2実施形態の第1変形例による第1制御部43が、第1干渉抑制信号12を出力する処理を説明する。なお、上記第2実施形態と同様の処理を行うステップについては、詳細な説明は省略する。
【0117】
ステップS13において、第1干渉抑制信号生成部43aは、変更後の第1チャネル11bの情報に基づき、第1干渉抑制信号12を生成する。具体的には、第1干渉抑制信号生成部4eは、記憶部6に記憶された変更後の第1チャネル11bの情報に基づき、第1チャネル11bの周波数帯域の第1送信信号10aの逆特性を有する第1干渉抑制信号12を生成する。
【0118】
その後、ステップS6およびS7において、第1干渉抑制信号生成部43aは、生成した第1干渉抑制信号12を、第2通信信号処理部4dおよび第3通信信号処理部5aに出力する。その後、処理は、終了する。なお、ステップS6の処理およびステップS7の処理は、上記第2実施形態と同様に、並列処理として実行される。
【0119】
上記のように構成すれば、第1チャネル11の情報が記憶部6に記憶されているため、第2チャネル21および第3チャネル31を第1チャネル11が使用している周波数帯域に変更する場合など、第2受信信号20bおよび第3受信信号30aにおいて、第1送信信号10aに起因して干渉が生じる可能性がある場合に、必要に応じて第1干渉抑制信12号を生成し、第2通信部2および第3通信部3に入力することができる。したがって、第1送信信号10aに起因して干渉が生じる可能性が高い場合には、第2通信部2および第3通信部3に対して第1干渉抑制信号12を入力することによって、第2通信部2および第3通信部3に干渉が生じることを抑制することができる。一方、第2受信信号20bおよび第3受信信号30aにおいて、第1送信信号10aに起因して干渉が生じる可能性が低い場合には、第2通信部2および第3通信部3に対して第1干渉抑制信号12が入力されることを抑制することができる。その結果、干渉抑制信号制御の処理の負荷を軽減することができる。
【0120】
なお、上記第2実施形態の第1変形例では、第1制御部43が、第1干渉抑制信号12の出力処理におけるステップS6およびS7の処理を並列処理として実行する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図18に示す第2実施形態の第2変形例のように、第1制御部43は、第1干渉抑制信号12の出力処理におけるステップS6およびS7の処理を直列処理として実行するように構成されていてもよい。なお、ステップS6およびS7の処理は、どちらが先に実行されてもよい。
【0121】
また、上記第2実施形態では、第1制御部40が、第1干渉抑制信号12の出力処理におけるステップS6およびS7の処理を、並列処理として実行する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図19に示す第2実施形態の第3変形例のように、第1制御部40は、第1干渉抑制信号12の出力処理におけるステップS6およびS7の処理を、並列処理として実行するように構成されていてもよい。なお、ステップS6およびS7の処理は、どちらが先に実行されてもよい。
【0122】
また、上記第4実施形態では、第1制御部42が、第2チャネル21および第3チャネル31の両方と重なる周波数帯域に第1チャネル11を変更する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1制御部42は、第2チャネル21および第3チャネル31のいずれかと重なる周波数帯域に、第1チャネル11を変更するように構成されていてもよい。第2チャネル21と重なる周波数帯域に第1チャネル11を変更する場合には、第1制御部42は、第2干渉抑制信号22を生成し、第1通信信号処理部4bに入力するように構成すればよい。また、第3チャネル31と重なる周波数帯域に第1チャネル11を変更する場合には、第1制御部42は、第3干渉抑制信号32を生成し、第1通信信号処理部4bに入力するように構成すればよい。
【0123】
また、上記第4実施形態では、第1制御部42が、第2通信信号処理部4dおよび第3通信信号処理部5aに対して、第1干渉抑制信号12を入力する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1制御部42は、第2通信信号処理部4dおよび第3通信信号処理部5aに対して、第1干渉抑制信号12を入力しなくてもよい。しかしながら、第1制御部42が第2通信信号処理部4dおよび第3通信信号処理部5aに対して、第1干渉抑制信号12を入力しない場合、第2通信信号20および第3通信信号30に対して干渉が生じる。したがって、第1制御部42は、第2通信信号処理部4dおよび第3通信信号処理部5aに対して、第1干渉抑制信号12を入力するように構成されることが好ましい。
【0124】
また、上記第4実施形態では、第1制御部42が、第1チャネル変更処理において、ステップS1およびS10の処理と、ステップS2およびS11における処理を並列処理として実行するとともに、ステップS6およびS7の処理を並列処理として実行する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図20に示す第4実施形態の変形例のように、第1制御部42は、第1チャネル変更処理において、ステップS1およびS2の処理を直列処理として実行し、ステップS10およびS11における処理を直列処理として実行し、ステップS6およびS7の処理を直列処理として実行するように構成されていてもよい。なお、ステップS1およびS2の処理は、どちらが先に実行されてもよい。また、ステップS10およびS11の処理は、どちらが先に実行されてもよい。また、ステップS6およびS7の処理は、どちらが先に実行されてもよい。
【0125】
また、上記第1~第4実施形態では、無線通信装置100(200、300、400)が、第1制御部4(40、41、42)と、第2制御部5との2つの制御部を備える構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、無線通信装置100(200、300、400)は、1つの制御部のみを備える構成であってもよい。
【0126】
また、上記第4実施形態では、第1制御部42が、第2制御部5から第3チャネル31の情報を取得し、第3干渉抑制信号32を生成する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第2制御部5を第3干渉抑制信号32が生成することが可能なように構成すれば、第1制御部42は、第2制御部5が生成した第3干渉抑制信号32を取得するように構成されていてもよい。
【0127】
また、上記第1~第4実施形態では、無線通信装置100(200、300、400)が、第2の通信規格として、wi-fiによる通信を行い、第3の通信規格として、4KBSの受信を行う構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、無線通信装置100(200、300、400)は、第2の通信規格として、4KBSの受信を行い、第3の通信規格として、wi-fiによる通信を行うように構成されていてもよい。
【0128】
また、上記第1~第4実施形態では、無線通信装置100(200、300、400)が、各々が2.4GHz帯の通信信号を用いた通信を行う構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、無線通信装置100(200、300、400)は、互いに通信信号の周波数帯域が重なるとともに、互いに通信規格が異なる通信方法であれば、どのような周波数帯域の通信信号を用いてもよい。
【符号の説明】
【0129】
1 第1通信部
2 第2通信部
3 第3通信部
4、40、41、42、43 第1制御部(制御部)
4b、41a、43a 第1通信信号処理部
4d 第2通信信号処理部
5a 第3通信信号処理部
6 記憶部
10 第1通信信号
10a 第1送信信号(第1通信信号)
10b 第1受信信号(第1通信信号)
11 第1チャネル
11a 変更元の第1チャネル
11b 変更後の第1チャネル
12 第1干渉抑制信号
20 第2通信信号
20a 第2送信信号(第2通信信号)
20b 第2受信信号(第2通信信号)
21 第2チャネル
21a 第2チャネル
22 第2干渉抑制信号
30 第3通信信号
30a 第3受信信号(第3通信信号)
31 第3チャネル
31a 第3チャネル
32 第3干渉抑制信号
100、200、300、400、500 無線通信装置
図1
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