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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】包装袋の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 25/20 20060101AFI20240814BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20240814BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20240814BHJP
   B32B 15/08 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
B65D25/20 Q
B65D65/40 A
B32B27/00 H
B32B15/08 F
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020029265
(22)【出願日】2020-02-25
(65)【公開番号】P2021133935
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2023-01-13
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】313005282
【氏名又は名称】東洋製罐株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】弁理士法人エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森川 久彰
(72)【発明者】
【氏名】山田 幸司
【審査官】小原 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-254331(JP,A)
【文献】特開2015-117030(JP,A)
【文献】特開2009-107692(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0086242(US,A1)
【文献】国際公開第2016/039354(WO,A1)
【文献】特開2008-126505(JP,A)
【文献】特開2010-234719(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 25/20
B65D 65/40
B32B 27/00
B32B 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面シートの状態に開封可能であって、複数の内容物を収容可能な包装袋の製造方法であって、
前記包装袋の外側の面に外面画像を形成する外面画像形成工程と、
複数の前記内容物を画像取込装置により取り込んでなる内容物画像を取得する内容物画像取得工程と、
前記包装袋の内側の面に、前記内容物画像取得工程により取得された前記内容物画像を含む内面画像を形成する内面画像形成工程とを有し、
前記内容物画像取得工程では、スキャナにより、載置台上に状に盛られ複数の前記内容物に対し、複数の前記内容物の高さ方向において異なる高さで複数回走査を行い、複数回の前記走査により得られる複数のスキャン画像を合成することにより取得した疑似3D画像から前記載置台の画像部分を消去することにより複数の前記内容物の疑似3D画像を取得し、
前記内面画像形成工程では、複数の前記内容物の疑似3D画像の画像データに基づく印刷を行うことで、前記包装袋の内側の面に、前記内容物画像として、複数の前記内容物の疑似3D印刷画像を形成する
ことを特徴とする包装袋の製造方法。
【請求項2】
前記包装袋を構成する前記平面シートの積層体として、第1透明層と、前記内面画像の印刷層である内面画像印刷層と、接着層と、金属蒸着層と、第2透明層と、前記外面画像の印刷層である外面画像印刷層と、保護層とが順に積層された積層体を形成する積層体形成工程を有し、
前記積層体形成工程は、
前記第2透明層の一方の面に前記金属蒸着層を形成する金属蒸着層形成工程と、
前記第2透明層の前記金属蒸着層が形成された前記一方の面とは反対側の他方の面に前記外面画像印刷層を形成する外面画像印刷層形成工程と、
前記第2透明層の前記外面画像印刷層が形成された前記他方の面に前記保護層を形成する保護層形成工程と、
前記第1透明層における前記内容物と接触する一方の面とは反対側の他方の面に前記内面画像印刷層を形成する内面画像印刷層形成工程と、
前記内面画像印刷層が形成された前記第1透明層の他方の面、及び、前記金属蒸着層における前記第2透明層と接触する一方の面とは反対側の他方の面の何れか一方に接着層を形成する接着層形成工程と、
前記第1透明層と前記内面画像印刷層とからなる第1被接着体と、前記金属蒸着層と前記第2透明層と前記外面画像印刷層と前記保護層とからなる第2被接着体とを、前記第1被接着体における前記内面画像印刷層が形成された前記第1透明層と、前記第2被接着体における前記金属蒸着層とを対向させるようにして、前記接着層を介して貼り合せながら加熱加圧を行うラミネート工程と、を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の包装袋の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スナック菓子等の菓子類や健康食品等の食品は、収容体である包装袋(パウチ)に内容物として収容された状態で、食品商品として販売されている。そして、その包装袋の外側の面には、商品名の表示や宣伝効果等を目的として、様々なデザインの印刷画像が形成されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、包装袋を構成する積層フィルムにおいて、装飾、内容物の表示、賞味期間の表示、製造者、販売者等の表示、その他等の表示のための印刷層を設けている点が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-137067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の包装袋のような従来の収容体では、消費者が特に意外性や驚きを感じることは少なく、装飾性の高いものではなかった。そのため、食品商品等を収容する収容体においては、装飾性をより向上させる必要があった。
【0006】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、上述のような問題点を解決することを課題の一例とする。すなわち、本発明の課題の一例は、装飾性がより向上された包装袋の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る包装袋の製造方法は、平面シートの状態に開封可能であって、複数の内容物を収容可能な包装袋の製造方法であって、前記包装袋の外側の面に外面画像を形成する外面画像形成工程と、複数の前記内容物を画像取込装置により取り込んでなる内容物画像を取得する内容物画像取得工程と、前記包装袋の内側の面に、前記内容物画像取得工程により取得された前記内容物画像を含む内面画像を形成する内面画像形成工程とを有し、前記内容物画像取得工程では、スキャナにより、載置台上に状に盛られ複数の前記内容物に対し、複数の前記内容物の高さ方向において異なる高さで複数回走査を行い、複数回の前記走査により得られる複数のスキャン画像を合成することにより取得した疑似3D画像から前記載置台の画像部分を消去することにより複数の前記内容物の疑似3D画像を取得し、前記内面画像形成工程では、複数の前記内容物の疑似3D画像の画像データに基づく印刷を行うことで、前記包装袋の内側の面に、前記内容物画像として、複数の前記内容物の疑似3D印刷画像を形成することを特徴とする。
【0013】
好適には、前記包装袋を構成する前記平面シートの積層体として、第1透明層と、前記内面画像の印刷層である内面画像印刷層と、接着層と、金属蒸着層と、第2透明層と、前記外面画像の印刷層である外面画像印刷層と、保護層とが順に積層された積層体を形成する積層体形成工程を有し、前記積層体形成工程は、前記第2透明層の一方の面に前記金属蒸着層を形成する金属蒸着層形成工程と、前記第2透明層の前記金属蒸着層が形成された前記一方の面とは反対側の他方の面に前記外面画像印刷層を形成する外面画像印刷層形成工程と、前記第2透明層の前記外面画像印刷層が形成された前記他方の面に前記保護層を形成する保護層形成工程と、前記第1透明層における前記内容物と接触する一方の面とは反対側の他方の面に前記内面画像印刷層を形成する内面画像印刷層形成工程と、前記内面画像印刷層が形成された前記第1透明層の他方の面、及び、前記金属蒸着層における前記第2透明層と接触する一方の面とは反対側の他方の面の何れか一方に接着層を形成する接着層形成工程と、前記第1透明層と前記内面画像印刷層とからなる第1被接着体と、前記金属蒸着層と前記第2透明層と前記外面画像印刷層と前記保護層とからなる第2被接着体とを、前記第1被接着体における前記内面画像印刷層が形成された前記第1透明層と、前記第2被接着体における前記金属蒸着層とを対向させるようにして、前記接着層を介して貼り合せながら加熱加圧を行うラミネート工程と、を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、装飾性がより向上された包装袋の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】収容体の一例である包装袋であって、その上端側が開封された状態を示す斜視図である。
図2】包装袋の外側の面(外面)を示す図である。
図3】包装袋の内側の面(内面)を示す図である。
図4】スキャン処理を説明するための図である。
図5】平面シートとされた包装袋の断面図である。
図6】包装袋の製造処理を説明するためのフローチャートである。
図7】平面シートとされた包装袋の断面図である。
図8】平面シートとされた包装袋の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態(本実施形態)について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1は、収容体の一例である包装袋であって、その上端側が開封された状態を示す斜視図である。図2は、包装袋の外側の面(外面)を示す図である。図3は、包装袋の内側の面(内面)を示す図である。図4は、スキャン処理を説明するための図である。図5は、平面シートとされた包装袋の断面図である。図6は、包装袋の製造処理を説明するためのフローチャートである。
【0018】
[包装袋]
内容物を収容可能な収容体の一例である包装袋(パウチ)1は、図1に示すように、背面シール部11によって、包装袋1を構成する平面シートの長手方向の端縁が熱接着されることで筒状を成し、これにより、内容物を収容することが可能な収容部12を形成している。そして、収容部12の上端側にある上端シール部13によって収容部12の上端が熱接着されるとともに、収容部12の下端側にある下端シール部14によって収容部12の下端が熱接着されることで、密閉された包装袋1を構成する。
【0019】
包装袋1は、収容部12の外側の面である外面16と、収容部12の内側の面である内面17とを有している。包装袋1の外面16における背面シール部11を有する側とは反対側の面は、包装袋1の表側面1aを構成する。また、包装袋1の外面16における背面シール部11を有する側の面は、包装袋1の裏側面1bを構成する。
【0020】
背面シール部11の上端側と表側面1aの上端側とを摘みながら収容部12の外側の方向に引っ張ることで、熱接着していた上端シール部13同士が剥離する。これにより、図1に示すように、包装袋1の上端側は、開放されて開口部15が形成される。
【0021】
包装袋1には、例えばスナック菓子の一種である、じゃがいもを油で揚げて塩バター味に味付けしたポテトチップスが内容物として収容される。このポテトチップスを収容した包装袋1を上述のように密閉することで、食品商品としてのポテトチップスが構成される。
【0022】
なお、包装袋1に収容可能な内容物は、これに限定されず、何れのものでもよい。このような内容物としては、例えば、ポテトチップス以外のスナック菓子、スナック菓子以外の菓子類(例えばせんべい、チョコレート、クッキー、飴等)、健康食品等のその他の食品、食品以外の物体(例えば模型、玩具、文房具等)等を挙げることができる。
【0023】
[印刷画像]
(外面画像)
包装袋1は、例えば図2に示すように、その外面16に外面画像161が形成されている。この外面16は、表側面1aに相当する外面第1領域16-1と、裏側面1bに相当する外面第2領域16-2及び外面第3領域16-3とを有している。
【0024】
表側面1aに相当する外面第1領域16-1には、外面画像161の内、商品名画像161aと、内容物関連画像161bと、味表示文字画像161cとを含む画像が形成されている。
【0025】
また、裏側面1bに相当する外面第2領域16-2及び外面第3領域16-3には、外面画像161の内、情報画像161dを含む画像が形成されている。
【0026】
商品名画像161aは、食品商品としてのポテトチップスの商品名である「ポテトスナック」という比較的大きな文字を楕円形内に表示する画像である。
【0027】
内容物関連画像161bは、内容物であるポテトチップスの味等のイメージを消費者に与えるために、例えばバターを載せた茹でたじゃがいもとポテトチップスとを表す画像である。この内容物関連画像161は、任意の背景画像(図示せず)の手前に表示されていてもよい。なお、内容物関連画像161bの種類は、これに限定されず、他の画像であってもよい。
【0028】
味表示文字画像161cは、内容物であるポテトチップスの味を示す「塩バター」という文字を長方形内に表示する画像である。
【0029】
情報画像161dは、加工食品の名称、原材料名、内容量、賞味期限、製造者の連絡先(製造者名及びその住所)等の基本的な情報の文字列を含む基本情報画像161d-1と、使用後の包装袋1のリサイクルのためのリサイクルマーク画像161d-2と、バーコード画像161d-3と、栄養情報画像161d-4と、製造者のホームページのURL(Uniform Resource Locator)を示すURL画像161d-5と、その他の注意事項(例えば「開封後はお早目にお召し上がりください。」等)の文字列を含む注意事項画像161d-6とを有している。
【0030】
この図2に示す外面画像161は、内容物関連画像161b及び背景画像(図示せず)の画像データの上から、商品名画像161a、味表示文字画像161c及び情報画像161dの画像データを合成する処理を行うことにより生成される。この画像の合成処理は、公知の画像処理装置(公知の画像処理ソフトが起動可能なパーソナルコンピュータ(PC)等)を用いて行ってよい。画像処理装置には、印刷装置(図示せず)が接続されている。印刷装置が、画像処理装置の制御に基づいて、このような合成処理により得られた画像データに基づく印刷を行うことで、包装袋1の外面16に外面画像161の印刷画像が形成される。
【0031】
(内面画像)
また、包装袋1は、例えば図3に示すように、その内面17に内面画像171が形成されている。この内面17は、外面第1領域16-1の裏側に相当する内面第1領域17-1と、外面第3領域16-3の裏側に相当する内面第2領域17-2と、外面第2領域16-2の裏側に相当する内面第3領域17-3とを有している。
【0032】
この図3に示すように、内面17の長手方向(図3のx軸方向)における略中央位置を含む位置(内面第1領域17-1を含む位置)に、内面画像171が形成されている。すなわち、この内面画像171は、内面17の長手方向における端縁(背面シール部11となる部分)には形成されていない。
【0033】
この内面画像171は、内容物であるポテトチップスを示す画像(内容物画像)である。なお、内容物がポテトチップスではなく他の内容物である場合には、内容物画像171は、その内容物を示す画像となる。
【0034】
この内面画像171は、画像取込装置(図示せず)により、取込対象物である実物のポテトチップスを取り込んでなる取込画像である。本実施形態において、画像取込装置は、3Dスキャナ(図示せず)であってよく、取込対象物は3Dスキャン対象物ともいい、取込画像はスキャン画像ともいう。
【0035】
3Dスキャナは、3Dスキャン対象物である、載置台上の山状に盛られた内容物である実物のポテトチップスに対してスキャン(走査)を行い、スキャン画像(取込画像)として、このスキャンにより得られた疑似3D画像の画像データを取得する。この疑似3D画像は、実物のポテトチップスがリアルに2D(2次元)に再現されたものである。内面画像171は、このようなスキャンにより得られたポテトチップスの疑似3D画像の画像データに基づいて印刷された疑似3D印刷画像である。
【0036】
背面シール部11に沿って包装袋1を引裂いた後、上端シール部13及び下端シール部14に沿って包装袋1を引裂くようにして包装袋1を開封すると、その包装袋1は、平面シートになる。このような平面シートとなった包装袋1の内面17においては、内面画像171が形成されている位置上に、内容物であるポテトチップスが多く載置される。なお、上述したように、内面画像171は、内面17の背面シール部11となる部分には形成されないことから、平面シートとなった包装袋1の内面17において、内面画像171がその背面シール部11によって分断されることはない。
【0037】
このような包装袋1によれば、内面17に形成されている内面画像171(ポテトチップスの疑似3D画像)により、内容物であるポテトチップスの内容量よりも多い量のポテトチップスが存在しているかのような錯覚を消費者に感じさせることができる。また、包装袋1によれば、内容物のポテトチップスが段々と消費されて無くなったとしても、この内面画像171によって、ポテトチップスが依然として沢山あるかのような錯覚を消費者に感じさせることができる。そのため、包装袋1によれば、その開封後に、このような錯覚による意外性や驚きを消費者に感じさせることができるため、従来の包装袋よりも装飾性をより向上させることができる。
【0038】
図4に示すように、画像取込装置である3Dスキャナは、3Dスキャン対象物である、載置台42上の山状に盛られた複数の実物のポテトチップス41の高さ方向(図4のZ軸方向)において、異なる高さで複数回スキャン(走査)を行い、この複数回のスキャンにより得られた複数のスキャン画像を1つのスキャン画像に合成する。3Dスキャナは、取込画像として、この合成されたスキャン画像からなる疑似3D画像の画像データを取得する。
【0039】
このように、異なる高さで複数回のスキャンを行うことで、スキャンにより得られる合成されたスキャン画像の画質は向上する。この疑似3D画像は、3Dスキャン対象物である、載置台42上のポテトチップス41をその高さ方向(Z軸方向)の上方から見たものを2D(2次元)の画像として再現している。
【0040】
図4に示す例では、3Dスキャナは、3Dスキャン対象物である、載置台42上の山状に盛られた複数の実物のポテトチップス41の高さ方向(Z軸方向)において、そのポテトチップス41に対し、ポテトチップス41を載置した載置台42からの高さ方向の距離である高さD1~D3のそれぞれでスキャン(走査)を行う。具体的に、3Dスキャナは、載置台42上のポテトチップス41に対し、高さD1で第1のスキャンを行った後、高さD2で第2のスキャンを行い、最後に高さD3で第3のスキャンを行う。これにより、3Dスキャナは、スキャン画像(取込画像)として、第1~第3の各スキャンにより得られたスキャンデータに基づくポテトチップスが再現された疑似3D画像(図3に示す内面画像171)の画像データを取得する。3Dスキャナは、公知の画像処理装置(PC等)に接続されている。3Dスキャナは、この取得した画像データを画像処理装置に出力する。
【0041】
3Dスキャナは、山状に盛られた複数の実物のポテトチップス41だけでなく載置台42もスキャンしてしまう。そのため、3Dスキャナが取得したスキャン画像(取込画像)には、この載置台42の画像も含まれてしまう。そこで、画像処理装置(PC等)は、3Dスキャナから出力された疑似3D画像の画像データを入力すると、その画像データの画像から載置台42の画像を消去する処理を行い、ポテトチップス41のみの疑似3D画像からなる内面画像171の画像データを生成する。
【0042】
画像処理装置に接続されている印刷装置は、画像処理装置の制御に基づいて、このポテトチップス41の疑似3D画像の画像データに基づく印刷を行うことで、包装袋1の内面17に内面画像171としてのポテトチップス41の疑似3D印刷画像を形成する。
【0043】
[層構成]
図5の平面シートとされた包装袋1の断面図に示すように、平面シート状の包装袋1は、第1透明層A1と、内面画像印刷層B1と、接着層(第1接着層)E1と、金属蒸着層D1と、第2透明層A2と、外面画像印刷層B2と、保護層C1とが順に積層された積層体からなる。この平面状の包装袋1を構成する積層体(これを単に「包装袋1の積層体」ともいう。)は、第1透明層A1が包装袋1の内側(最内層)となるように、また、保護層C1が包装袋1の外側(最外層)となるように形成されている。
【0044】
包装袋1の積層体において、第1透明層A1における第1透明層第1面A1-aは、包装袋1に収容される内容物としてのポテトチップスと接触する面である。また、保護層C1における第2透明層A2と接触する保護層第1面C1-aとは反対側の保護層第2面C1-bは、外気と接触する面である。
【0045】
この包装袋1の積層体では、第2透明層A2における金属蒸着層D1と接触する第2透明層第1面A2-aとは反対側の第2透明層第2面A2-bに外面画像161が印刷されている。すなわち、第2透明層第2面A2-bに外面画像161の印刷層である外面画像印刷層B2が形成されている。
【0046】
また、この包装袋1の積層体では、第1透明層A1における第1透明層第1面A1-aとは反対側の面である第1透明層第2面A1-bに内面画像171が印刷されている。すなわち、第1透明層第2面A1-bに内面画像171の印刷層である内面画像印刷層B1が形成されている。
【0047】
このような包装袋1の積層体は、その厚さ方向において、図5に示すように、外面第1領域16-1と内面第1領域17-1とが重畳し、外面第2領域16-2と内面第3領域17-3とが重畳し、外面第3領域16-3と内面第2領域17-2とが重畳するように構成される。
【0048】
(第1透明層)
第1透明層A1は、包装袋1の最内層を構成するものであり、従来公知のポリオレフィンフィルムから形成される。このポリオレフィンフィルムは、印刷特性とともにヒートシール性を有し、安全且つ衛生的な透明のフィルムである。このようなポリオレフィンとしては、例えば低密度、中密度又は高密度のポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン-プロピレン共重合体、ポリブテン-1、ポリ4-メチル-1-ペンテン、エチレン-ブテン-1共重合体、プロピレン-ブテン-1共重合体、エチレン-プロピレン-ブテン-1共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、エチレン-アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。これらは単独でも、或いは2種以上の混合物の何れでも、使用することができる。耐熱性の観点からはプロピレン系重合体が適当であり、ホモポリプロピレンや、プロピレンを主体とするランダム共重合体やブロック共重合体を使用することができる。
【0049】
ヒートシール性の観点からは、ポリオレフィンフィルムは無延伸であることが特に好ましい。第1透明層A1の厚みは、10~300μmの範囲にあることが落下強度及び引裂き性の点から好ましい。
【0050】
(接着層)
接着層(第1接着層)E1は、従来公知の接着剤から形成される。このような接着剤としては、例えばポリエーテルポリウレタン系又はポリエステルポリウレタン系のウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、無水マレイン酸変性ポリプロピレン等の酸変性熱可塑性樹脂接着剤等が挙げられる。接着層E1は、例えば、このような接着剤を内面画像印刷層B1が形成された第1透明層第2面A1-bに塗布して乾燥させるか、或いは、このような接着剤からなる接着フィルムを内面画像印刷層B1が形成された第1透明層第2面A1-bに貼付する等の公知の方法で形成することができる。接着層E1の厚みは、0.5~10μmの範囲にあることが好ましい。
【0051】
(金属蒸着層)
金属蒸着層D1は、有色非透明であり、光遮断性(遮光性)とともに、酸素ガス、水蒸気ガス等のガスバリアー性を有する従来公知の金属によって形成されている。このような金属としては、アルミニウムの他、マグネシウム、ナトリウム、チタン、クロム、亜鉛、スズ、金、ナトリウム、ジルコニウム、インジウム等が挙げられる。中でも包装袋用としては、アルミニウムが好ましい。このような金属蒸着層D1は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ-ティング法等の物理気相成長法(PVD(Physical Vapor Deposition)法)、或いは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(CVD(Chemical Vapor Deposition)法)等の従来公知の方法で形成することができる。金属蒸着層D1の厚みは、0.01~0.1μmの範囲にあることが好ましい。
【0052】
(第2透明層)
第2透明層A2は、包装袋1の最外層を構成するものであり、印刷特性を有し、安全且つ衛生的な透明フィルムであり、公知の機械的、物理的、化学的等において優れた性質を有する合成樹脂等から形成することで、保護性が高い透明フィルムである。この合成樹脂としては、例えば、従来より包装材料の分野で多用されているポリエステル樹脂等が挙げられる。
【0053】
このようなポリエステル樹脂としては、例えば、芳香族カルボン酸成分の50モル%以上がテレフタル酸成分から成り、且つ脂肪族ジオールを主体とするアルコール成分の50モル%以上がエチレングリコール成分から成るエチレンテレフタレート単位を主体とするポリエステル樹脂等が挙げられる。ポリエステルは、ホモポリエステルでも、共重合ポリエステルでもよく、又は、これらの2種以上の混合物であってもよい。
【0054】
テレフタル酸成分以外のカルボン酸成分としては、特に限定されないが、例えばイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、p-β-オキシエトキシ安息香酸、ビフェニル-4,4’-ジカルボン酸、ジフェノキシエタン-4,4’-ジカルボン酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
【0055】
一方、エチレングリコール以外のアルコール成分としては、特に限定されないが、例えばプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-へキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビタン等のアルコール成分を挙げることができる。
【0056】
ポリエステル樹脂は、フィルム形成範囲の分子量を有し、溶媒としてフェノール/テトラクロロエタン混合溶媒を用いて測定した固有粘度[η]が0.5以上、特に0.6~1.5の範囲にあるのものが、腐食成分に対するバリア性や機械的性質の観点から好ましい。
【0057】
第2透明層A2は、包装材の引裂き性及び機械的強度の点から、二軸延伸されていることが好ましい。第2透明層A2の厚みは、5~100μmの範囲にあることが好ましい。
【0058】
このような材料からなる第2透明層A2は、上述の第1透明層A1よりも綺麗に画像を印刷することができる。
【0059】
(内面画像印刷層及び外面画像印刷層)
内面画像印刷層B1及び外面画像印刷層B2をそれぞれ形成する材料であるインクとしては、画像を鮮明に表示する観点から、使用する色として例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、特別色、ホワイト等の複数のインキから再現されていることが好ましく、特別色によって、より精細な印刷再現を表現することができる。このようなインキとしては、例えば紫外線硬化型、電子線硬化型、溶剤型等の従来公知の印刷インキが挙げられる。
【0060】
第1透明層A1の第1透明層第2面A1-bへの内面画像印刷層B1の形成、及び、第2透明層A2の第2透明層第2面A2-bへの外面画像印刷層B2の形成は、従来公知の印刷方式を採用した印刷により行うことができる。このような印刷方式としては、例えばグラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、スクリーン印刷等の従来公知の印刷方式が挙げられる。
【0061】
外面画像161の画像データに基づいて、第2透明層A2の第2透明層第2面A2-bに印刷を行うことで、第2透明層第2面A2-bに、外面画像161の印刷層である外面画像印刷層B2が形成される。また、実物のポテトチップスが再現された疑似3D画像からなる内面画像171の画像データに基づいて、第1透明層A1の第1透明層第2面A1-bに印刷を行うことで、第1透明層第2面A1-bに、疑似3D印刷画像の印刷層である内面画像印刷層B1が形成される。
【0062】
例えば印刷方式としてグラビア印刷を採用した場合、例えば巻き出しロールと、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、特別色、ホワイトの各インクに対応する各グラビアロールと、その各グラビアロールに対応するオーブンと、巻き取りロールとを有する印刷装置(図示せず)によって印刷を行う。この印刷装置は、画像処理装置(図示せず)に接続されており、画像処理装置の制御により、内面画像171又は外面画像161の画像データに基づいて印刷を行う。
【0063】
この場合、巻き出しロールによって巻き出された第1透明層A1又は第2透明層A2は、例えば上流側から順に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、特別色、ホワイトの各インクに対応する各グラビアロールと、その各グラビアロールにそれぞれ対応する各オーブンとを通過することにより、第1透明層第2面A1-b又は第2透明層第2面A2-bに内面画像171又は外面画像161の印刷が行われた後、巻き取りロールによって巻き取られる。
【0064】
内面画像印刷層B1の厚みは、0.5~5μmの範囲にあることが好ましい。また、外面画像印刷層B2の厚みは、0.5~5μmの範囲にあることが好ましい。
【0065】
なお、包装袋1において、内面画像印刷層B1と接着層E1との間、外面画像印刷層B2と第2透明層A2との間には、それぞれ、例えば白ベタ印刷層(図示せず)をさらに形成してもよい。これにより、接着層E1を介した金属蒸着層D1の色が内面画像印刷層B1の色に影響することを低減するとともに、第2透明層A2を介した金属蒸着層D1の色が外面画像印刷層B2の色に影響することを低減することができる。白ベタ印刷層は、例えば、酸化チタン等の白色顔料を熱硬化性、紫外線硬化性、電子線硬化性等の樹脂とともに溶剤中に分散した白色インクを塗布及び乾燥し、熱等により硬化することで形成される。
【0066】
(保護層)
保護層C1は、外面画像印刷層B2及び第2透明層A2を保護しつつ、包装袋1の外面16に潤滑性を付与することが可能なフィルム状のニスからなる層(フィルムニス層)である。このような保護層C1は、従来公知の透明樹脂からなるニスをローラ等で塗布した後に乾燥させることによって形成される。この透明樹脂は、潤滑剤を含有した透明熱硬化性樹脂であることが好ましい。潤滑剤を含有した透明熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアクリル樹脂、エポキシ樹脂等のベース樹脂に、メラミン樹脂等のアミノ樹脂又はフェノール樹脂等の樹脂を硬化剤として添加し、更に、パラフィン、ポリエチレン、シリコン等の潤滑剤を配合させたものが挙げられる。保護層C1の厚みは、1~10μmの範囲にあることが好ましい。
【0067】
[包装袋の製造処理]
次に、包装袋1の製造処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS1:金属蒸着層形成工程)
ステップS1の金属蒸着層形成工程では、第2透明層A2の第2透明層第1面A2-aにアルミニウム等の金属を従来公知の蒸着法によって蒸着させることにより、金属蒸着層D1を形成させる。このようにして、金属蒸着層D1が形成された第2透明層A2(金属蒸着された透明フィルム)を準備する。
【0068】
(ステップS2:外面画像印刷層形成工程)
ステップS1に続くステップS2の外面画像印刷層形成工程では、第2透明層A2の金属蒸着層D1が形成された第2透明層第1面A2-aとは反対側の第2透明層第2面A2-bに、例えば図2に示すような外面画像161の印刷層である外面画像印刷層B2を形成する。すなわち、画像処理装置(PC等)に接続された印刷装置(図示せず)により、画像処理装置により生成された外面画像161の画像データに基づいて、第2透明層第2面A2-bに、複数のインキを用いた従来公知の印刷方式による印刷を行うことで外面画像印刷層B2を形成する。この図2に示す外面画像161の画像データは、予め、画像処理装置により、内容物関連画像161b及び背景画像を含む画像の画像データの上から、商品名画像161a、味表示文字画像161c及び情報画像161dの画像データを合成することにより生成されたものである。
【0069】
(ステップS3:保護層形成工程)
ステップS2に続くステップS3の保護層形成工程では、第2透明層A2の外面画像印刷層B2が形成された第2透明層第2面A2-b、すなわち、第2透明層第2面A2-bの外面画像印刷層B2が形成されていない箇所と、外面画像印刷層B2における第2透明層A2と接触する外面画像印刷層第1面B2-aとは反対側の外面画像印刷層第2面B2-bとに、従来公知の透明樹脂からなるニスをローラ等で塗布した後に乾燥させる。これにより、保護層C1を形成する。
【0070】
このようにして、金属蒸着層D1と、第2透明層A2と、外面画像印刷層B2と、保護層C1とからなる第2被接着体L2を形成する。
【0071】
(ステップS4:内面画像印刷層形成工程)
ステップS3に続くステップS4の内面画像印刷層形成工程では、第1透明層A1における内容物(ポテトチップス)と接触する第1透明層第1面A1-aとは反対側の第1透明層第2面A1-bに、例えば図3に示すような実物のポテトチップスを再現した疑似3D画像からなる内面画像171の印刷層である内面画像印刷層B1を形成する。すなわち、画像処理装置に接続された印刷装置(図示せず)により、画像処理装置により生成された内面画像171の画像データに基づいて、第1透明層第2面A1-bに、複数のインキを用いた従来公知の印刷方式による印刷を行うことで内面画像印刷層B1を形成する。
【0072】
この図3に示す内面画像171の画像データは、予め、次のようにして生成されたものである。すなわち、3Dスキャナにより、3Dスキャン対象物である載置台42上の山状に盛られた実物のポテトチップス41に対して異なる高さで合計3回の走査(スキャン)を行うことで得られた3つのスキャン画像を1つのスキャン画像に合成する。そして、画像処理装置により、疑似3D画像の画像データの画像から載置台42の画像を消去する処理を行うことで、ポテトチップス41のみの疑似3D画像からなる内面画像171の画像データが生成される。
【0073】
このステップS4では、図4に示すX軸方向が図3に示す包装袋1の内面17のx軸方向に対応し、また、図4に示すY軸方向が図3に示す包装袋1の内面17のy軸方向に対応するような向きで内面画像171が形成されるように、第1透明層A1の第1透明層第2面A1-bに内面画像印刷層B1を形成する。
【0074】
このようにして、第1透明層A1と内面画像印刷層B1とからなる第1被接着体L1を形成する。
【0075】
(ステップS5:接着層形成工程)
ステップS4に続くステップS5の接着層形成工程では、第1被接着体L1における第1透明層A1の内面画像印刷層B1が形成された第1透明層第2面A1-b、すなわち、第1透明層A1の第1透明層第2面A1-bの内面画像印刷層B1が形成されていない箇所と、内面画像印刷層B1における第1透明層A1と接触する内面画像印刷層第1面B1-aとは反対側の内面画像印刷層第2面B1-bとに、従来公知の接着剤をローラ等で塗布した後に乾燥させる。これにより、接着層E1を形成する。
【0076】
なお、これに代えて、第2被接着体L2の金属蒸着層D1における第2透明層A2と接触する金属蒸着層第2面D1-bとは反対側の金属蒸着層第1面D1-aに接着層E1を形成してもよい。
【0077】
(ステップS6:ラミネート工程)
ステップS5に続くステップS6のラミネート工程では、第2被接着体L2と、接着層E1が形成された第1被接着体L1とを貼り合せて加熱加圧を行うラミネート処理を行う。具体的には、第2被接着体L2の金属蒸着層第1面D1-aと、第1被接着体L1に形成された接着層E1における第1透明層A1及び内面画像印刷層B1とに接触する接着層第1面E1-aとは反対側の接着層第2面E1-bとを対向させた状態として、第2被接着体L2と、接着層E1が形成された第1被接着体L1とを2つのローラを有するラミネート装置(図示せず)の2つのローラ間に通過させることで、これらを貼り合わせながら加熱加圧を行うラミネート処理を行う。
【0078】
このラミネート処理は、ステップS5で形成された接着層E1が乾燥した後に、接着剤が再び熱により溶融し、その状態で第1接着体L1と第2被接着体L2とが熱圧着されるものである。これにより、包装袋1の積層体が生成される。ラミネート処理の条件は、特に限定されないが、例えば、加圧圧力0.1~5Mpa、加熱温度40~80℃、加熱時間0.1~2秒とすることが好ましい。
【0079】
(ステップS7:シール部形成工程)
ステップS6に続くステップS7のシール部形成工程では、ステップS6で生成された包装袋1の積層体に対し、熱接着により、背面シール部11を形成することで、この積層体を筒状とする。そして、この筒状の積層体に対し、下端シール部14を形成することで、内容物のポテトチップスを収容可能な収容部12を形成する。そして、その収容部12内に内容物のポテトチップスを収容した後に、上端シール部13を形成することで、密封した包装袋1内に内容物のポテトチップスが収容されてなる食品商品としてのポテトチップスが構成される。
【0080】
このようなステップS1~ステップS7の処理により、内容物であるポテトチップスを収容した包装袋1が製造される。なお、包装袋1の製造処理における工程順序は、この図6に示すものに限定されない。例えばステップS1とステップS2とを入れ替えてもよい。また例えばステップS1~S3とステップS4とを入れ替えてもよい。
【0081】
[変形例]
上述の実施形態は、変形例を含めて各実施形態同士で互いの技術を適用することができる。上述の実施形態は、本発明の内容を限定するものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない程度に変更を加えることができる。
【0082】
例えば、3Dスキャナによる走査の回数は、上述の3回でなく他の回数であってもよい。例えば3Dスキャン対象物の高さ方向(図4のZ軸方向)の所定の高さ(例えば図4の高さD3)で、その3Dスキャン対象物に対して1回のスキャナによる走査(スキャン)を行うことで得られた1つのスキャン画像を取込画像としてもよい。
【0083】
また、画像取込装置は、上述のスキャナに限定されず、他の装置であってもよい。例えば、画像取込装置は、物体を撮像する撮像装置(カメラ)であってもよい。この場合、画像取込装置による画像取込の対象物(取込対象物)である、載置台上の山状に盛られた実物のポテトチップスに対し、その高さ方向(図4のZ軸方向)の所定の高さ(例えば図4の高さD3)で撮像装置(カメラ)により撮像することで、取込画像を取得する。
【0084】
また、取込対象物の下に、光源(蛍光灯、LED等)を配置して取込画像を取得するようにしてもよい。例えば、取込対象物の下から、その取込対象物に対して光源からの光を照射して取込画像を取得するようにしてもよい。これにより、取込画像として、より鮮明な画像を取得することができる。
【0085】
なお、その際に用いる光源は、フリッカーレス機能を搭載した光源(フリッカーレス光源)であってもよい。このフリッカーレス機能は、交流電流を直流電流に変換したり、或いは、50~60Hzの交流の周波数を7000Hz等の更なる高周波に変更する等して、照射する光のフリッカー(ちらつき)を抑制するものである。取込対象物の下にフリッカーレス光源を配置して取込画像を取得する場合、その光源から照射される光のフリッカー(ちらつき)を抑制し、取込画像における画像の取込ムラ、色ムラ等を防止することができる。
【0086】
また、上述の実施形態では、内面画像が、収容体に収容される内容物を示す画像である例について説明したが、内面画像は、これに限定されず、何れの画像であってもよく、例えば内容物に関連する画像であってもよい。
【0087】
例えば、内容物が上述のポテトチップスである場合に、内面画像は、例えば実物の皿を取り込んでなる取込画像の画像データに基づく印刷画像であってもよい。これにより、上述のように平面シートとなった包装袋の内面において、内面画像として皿の画像が形成されている位置上に、内容物であるポテトチップスが多く載置されるようになる。そのため、まるでポテトチップスが皿に盛られているかのような錯覚を消費者に感じさせることができる。
【0088】
また例えば、内容物がリンゴ果汁入りの飴である場合に、内面画像は、例えば複数の実物のリンゴを取込んでなる取込画像の画像データに基づく印刷画像であってもよい。これにより、包装袋の開封後に、その内面に形成されているリンゴの画像によって、リンゴ果汁入りの飴がまるでリンゴのような美味しさ(味、ジューシーさ等)を有するものであるかのような錯覚を消費者に感じさせることができる。
【0089】
また、上述の実施形態では、収容体の例として包装袋を挙げて説明したが、収容体の種類は、これに限定されず、何れの種類の収容体であってもよい。収容体を構成する材料は、何れであってもよく、例えば金属、樹脂、紙、ガラス、陶器、布、その他の自然物(草、穀物、土、石、木、その他バイオマス原料等)又はその他の人工物(合成繊維、その他合成化合物等)等の1種又は2種以上であってもよい。また、収容体の形状は、何れであってもよく、例えば多角筒状又は円筒状或いはその他の形状の、箱、ボトル、瓶、缶、カップ等の収容体であって、任意の蓋部を設けたもの等を挙げることができる。このような収容体としては、例えばプラスチック製又は紙製の箱、ガラス製のボトル、金属製の缶等を挙げることができる。
【0090】
また、包装袋の積層体の構成は、図5に示すものに限定されず、他の構成であってもよい。例えば図5の包装袋1に代えて、図7に示す積層体の包装袋1A、或いは、図8に示す積層体の包装袋1Bであってもよい。なお、図7及び図8の各積層体における図5の積層体中の同一構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0091】
図7に示す平面シート状の包装袋1Aの積層体は、第1透明層A1と、第1接着層(接着層)E1と、内面画像印刷層B1と、第2透明層A2と、金属蒸着層D1と、第1接着層E1と同一構成の第2接着層E2と、外面画像印刷層B2と、第3透明層A3とが順に積層された積層体からなる。この包装体1Aの積層体は、第1透明層A1が包装袋1の内側(最内層)となるように、また、第3透明層A3が包装袋1の外側(最外層)となるように形成されている。
【0092】
包装袋1Aの積層体において、また、第3透明層A3における第2接着層E2と接触する第3透明層第1面A3-aとは反対側の第3透明層第2面A3-bは、外気と接触する面である。
【0093】
この包装袋1Aの積層体では、第2透明層A2における金属蒸着層D1と接触する第2透明層第2面A2-bとは反対側の第2透明層第1面A2-aに内面画像印刷層B1が形成されている。また、この包装袋1Aの積層体では、第3透明層A3における第3透明層第2面A3-bとは反対側の第3透明層第1面A3-aに外面画像印刷層B2が形成されている。
【0094】
このような包装袋1Aの積層体は、例えば次のような方法で生成される。先ず、第3透明層A3の第3透明層第1面A3-aに外面画像印刷層B2を形成する(これを「第3被接着体M3」とする。)。次に、第2透明層A2の第2透明層第2面A2-bに金属蒸着層D1を形成した後に第2透明層A2の第2透明層第1面A2-aに内面画像印刷層B1を形成する(これを「第2被接着体M2」とする)。また、第1透明層A1(これを「第1被接着体M1」とする)を用意する。
【0095】
そして、第2被接着体M2の金属蒸着層第2面D1-bに第2接着層E2を形成する。なお、第2接着層E2は、第3被接着体M3の外面画像印刷層B2が形成された第3透明層第1面A3-aに形成してもよい。
【0096】
その後、第2被接着体M2に形成された第2接着層E2における金属蒸着層第2面D1-bと接触する第2接着層第1面E2-aとは反対側の第2接着層第2面E2-bと、第3被接着体M3における外面画像印刷層B2が形成された第3透明層第1面A3-aとを対向させた状態として、第2接着層E2が形成された第2被接着体M2と、第3被接着体M3とをラミネート装置の2つのローラ間に通過させることで、これらを貼り合わせながら加熱加圧を行うラミネート処理を行う。
【0097】
次に、第1被接着体M1の第1透明層第2面A1-bに第1接着層E1を形成する。なお、第1接着層E1は、第2被接着体M2の内面画像印刷層B1が形成された第2透明層第1面A2-aに形成してもよい。
【0098】
その後、第1被接着体M1に形成された第1接着層E1の第1接着層第2面E1-bと、ラミネートにより第3被接着体M3と貼り合わされた第2被接着体M2の内面画像印刷層B1が形成された第2透明層第1面A2-aとを対向させた状態として、第1接着層E1が形成された第1被接着体M1と、第3被接着体M3と貼り合わされた第2被接着体M2とを、ラミネート装置の2つのローラ間に通過させることで、これらを貼り合わせせながら加熱加圧を行うラミネート処理を行う。これにより、包装袋1Aの積層体が生成される。
【0099】
次に、図8に示す平面シート状の包装袋1Bの積層体は、図7に示す包装袋1Aの積層体と異なり、内面画像印刷層B1が第1透明層A1の第1透明層第2面A1-bに形成されている。
【0100】
このような包装袋1Bの積層体は、例えば次のようにして生成される。すなわち、上述の図7に示す第3被接着体M3を用意する。また、第2透明層A2の第2透明層第2面A2-bに金属蒸着層D1を形成する(これを「第2被接着体N2」という)。また、第1透明層A1の第1透明層第2面A1-bに内面画像印刷層B1を形成する(これを「第1被接着体N1」という)。
【0101】
そして、第2被接着体N2の金属蒸着層第2面D1-bに第2接着層E2を形成する。なお、第2接着層E2は、第3被接着体M3の外面画像印刷層B2が形成された第3透明層第1面A3-aに形成してもよい。
【0102】
その後、第2被接着体N2に形成された第2接着層E2の第2接着層第2面E2-bと、第3被接着体M3における外面画像印刷層B2が形成された第3透明層第1面A3-aとを対向させた状態として、第2接着層E2が形成された第2被接着体N2と、第3被接着体M3とをラミネート装置の2つのローラ間に通過させることで、これらを貼り合わせながら加熱加圧を行うラミネート処理を行う。
【0103】
次に、第1被接着体N1の内面画像印刷層B1が形成された第1透明層第2面A1-bに第1接着層E1を形成する。なお、第1接着層E1は、第2被接着体N2の第2透明層第1面A2-aに形成してもよい。
【0104】
その後、第1被接着体N1に形成された第1接着層E1の第1接着層第2面E1-bと、第2被接着体N2の第2透明層第1面A2-aとを対向させた状態として、第1接着層E1が形成された第1被接着体N1と、ラミネートにより第3被接着体M3と貼り合わされた第2被接着体N2とを、ラミネート装置の2つのローラ間に通過させることで、これらを貼り合わせながら加熱加圧を行うラミネート処理を行う。これにより、包装袋1Bの積層体が生成される。
【0105】
このように、図7の包装袋1A及び図8の包装袋1Bの生成では、接着層を2層設けて2回のラミネート処理を行う必要がある。そのため、包装袋1A、1Bよりも上述の図5の包装袋1の方が、少ない工程数で生成することができる。
【0106】
また、上述の実施形態では、樹脂製の透明層に外面画像161及び内面画像171を印刷する例について説明したが、画像の形成の仕方はこれに限定されない。例えば、金属蒸着層に外面画像161及び内面画像171を印刷してもよい。
【0107】
また例えば、積層体の最内層における内容物と接触する面に内面画像171を印刷し、積層体の最外層における外気と接触する面に外面画像161を印刷してもよい。但し、この場合の印刷インキは、より安全且つ衛生的で剥離し難いインキである必要がある。
【0108】
また例えば、積層体における最内層及び最外層の何れとも異なる層に内面画像171を予め印刷したラベル、外面画像161を予め印刷したラベルを貼付してもよい。
【0109】
また例えば、積層体の最内層における内容物と接触する面に、内面画像171を予め印刷したラベルを貼付し、積層体の最外層における外気と接触する面に、外面画像161を予め印刷したラベルを貼付してもよい。但し、この場合の印刷インキは、より安全且つ衛生的で剥離し難いインキである必要がある。
【0110】
また、包装袋における外面画像161の形成は、これ以外に、例えば、外面画像161を予め印刷したロールラベルの装着、或いは、外面画像161を予め印刷したシュリンクフィルムの装着等であってもよい。
【符号の説明】
【0111】
1,1A,1B 包装袋、1a 表側面、1b 裏側面、11 背面シール部、12 収容部、13 上端シール部、14 下端シール部、15 開口部、16 外面、16-1 外面第1領域、16-2 外面第2領域、16-3 外面第3領域、17 内面、17-1 内面第1領域、17-2 内面第2領域、17-3 内面第3領域、161 外面画像、161a 商品名画像、161b 内容物関連画像、161c 味表示文字画像、161d 情報画像、161d-1 基本情報画像、161d-2 リサイクルマーク画像、161d-3 バーコード画像、161d-4 栄養情報画像、161d-5 URL画像、161d-6 注意事項画像、171 内面画像、A1 第1透明層、B1 内面画像印刷層、E1 接着層(第1接着層)、D1 金属蒸着層、A2 第2透明層、B2 外面画像印刷層、C1 保護層、E2 第2接着層、A3 第3透明層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8