(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20240814BHJP
【FI】
G06Q10/06
(21)【出願番号】P 2020056087
(22)【出願日】2020-03-26
【審査請求日】2023-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】松下 一清
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-160278(JP,A)
【文献】特開平08-180110(JP,A)
【文献】特開2019-211809(JP,A)
【文献】特開2001-076045(JP,A)
【文献】特開2019-096221(JP,A)
【文献】特開2012-164146(JP,A)
【文献】特開2015-106789(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、
作業画面に対する操作を通じ、複数のワークフローを要素として含む合成ワークフローの構造
の表示
を受け付けた場合、要素としての
各ワークフローに対応する複数のアイコンを
記憶領域から読み出して表示ユニットに並べて表示
し、
前記合成ワークフローの作成作業の進捗の状況を作業画面に対する操作を通じて管理し、各ワークフローの設定作業の進捗の状況に応じて前記アイコンの表示の態様を切り替え、
ユーザによる設定作業の内容を検証し、検証の結果に不備が見つかった場合、設定中の前記ワークフローに対応する前記アイコンの表示の態様を特定の内容に変更し、
検証により見つかった前記不備が他のワークフローにおける設定と関係する場合、当該他のワークフローに対応する前記アイコンの表示の態様を特定の内容に変更する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記不備が見つかった設定中の前記ワークフロー
に対応する前記アイコンの表示
の態様と、当該不備が関係する前記他のワークフロー
に対応する前記アイコンの表示
の態様とを区別する、請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
コンピュータに、
作業画面に対する操作を通じ、複数のワークフローを要素として含む合成ワークフローの構造
の表示
を受け付けた場合、要素としての
各ワークフローに対応する複数のアイコンを
記憶領域から読み出して表示ユニットに並べて表示する機能
と、
前記合成ワークフローの作成作業の進捗の状況を作業画面に対する操作を通じて管理し、各ワークフローの設定作業の進捗の状況に応じて前記アイコンの表示の態様を切り替える機能と、
ユーザによる設定作業の内容を検証し、検証の結果に不備が見つかった場合、設定中の前記ワークフローに対応する前記アイコンの表示の態様を特定の内容に変更する機能と、
検証により見つかった前記不備が他のワークフローにおける設定と関係する場合、当該他のワークフローに対応する前記アイコンの表示の態様を特定の内容に変更する機能と、
を実現させる
ためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、業務上の手続きを電子化したワークフローにより、業務の進捗の管理を可能にしたシステムがある。ワークフローの電子化により、業務プロセスが可視化され、業務の進捗の状況が視覚化される。ワークフローは、申請、承認、決裁、発注、保存等の作業の配列として定義される。基本となるワークフローは、部署毎に作成される。部署内で行われる作業は、業務の種類や承認等の回数も限られる。このため、作業画面上にワークフローの全体を表示しても、内容の確認は容易である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
業務上の手続きには、複数の部署が関係することがある。この場合、複数の部署で行われる全ての作業を網羅的に配列したワークフローの作成が求められる。ところが、作業画面は限られるため、ワークフローを構成する全ての作業を表示させると、縮尺が小さ過ぎる等、内容の確認が困難になる。また、配列する作業の数が増えると、作業の漏れや禁則条件に該当する組み合わせの発見が難しくなる。
【0005】
本発明は、個々の作業に対応するアイコンを配列しながらワークフローを一から作成する場合に比して、全体像の把握を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、作業画面に対する操作を通じ、複数のワークフローを要素として含む合成ワークフローの構造の表示を受け付けた場合、要素としての各ワークフローに対応する複数のアイコンを記憶領域から読み出して表示ユニットに並べて表示し、前記合成ワークフローの作成作業の進捗の状況を作業画面に対する操作を通じて管理し、各ワークフローの設定作業の進捗の状況に応じて前記アイコンの表示の態様を切り替え、ユーザによる設定作業の内容を検証し、検証の結果に不備が見つかった場合、設定中の前記ワークフローに対応する前記アイコンの表示の態様を特定の内容に変更し、検証により見つかった前記不備が他のワークフローにおける設定と関係する場合、当該他のワークフローに対応する前記アイコンの表示の態様を特定の内容に変更する、情報処理装置である。
請求項2に記載の発明は、前記プロセッサは、前記不備が見つかった設定中の前記ワークフローに対応する前記アイコンの表示の態様と、当該不備が関係する前記他のワークフローに対応する前記アイコンの表示の態様とを区別する、請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項3に記載の発明は、コンピュータに、作業画面に対する操作を通じ、複数のワークフローを要素として含む合成ワークフローの構造の表示を受け付けた場合、要素としての各ワークフローに対応する複数のアイコンを記憶領域から読み出して表示ユニットに並べて表示する機能と、前記合成ワークフローの作成作業の進捗の状況を作業画面に対する操作を通じて管理し、各ワークフローの設定作業の進捗の状況に応じて前記アイコンの表示の態様を切り替える機能と、ユーザによる設定作業の内容を検証し、検証の結果に不備が見つかった場合、設定中の前記ワークフローに対応する前記アイコンの表示の態様を特定の内容に変更する機能と、検証により見つかった前記不備が他のワークフローにおける設定と関係する場合、当該他のワークフローに対応する前記アイコンの表示の態様を特定の内容に変更する機能と、を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明によれば、不備の解消が必要とされるワークフローの確認を容易化できる。
請求項2記載の発明によれば、不備の解消が必要とされるワークフローの確認を容易化できる。
請求項3記載の発明によれば、不備の解消が必要とされるワークフローの確認を容易化できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態で使用するワークフローシステムの構成例を示す図である。
【
図2】ある部署内で実行されるワークフローの構造例を説明する図である。
【
図3】実施の形態で使用するワークフローサーバの構成例を説明する図である。
【
図4】CPUによるアプリの実行により実現される機能の一例を説明する図である。
【
図5】ワークフローの作成処理の一例を説明する図である。
【
図6】ワークフローの作成に用いられる作業画面の一例を説明する図である。
【
図7】テンプレートの情報を表示する作業画面の一例を説明する図である。
【
図8】新規に作成する合成ワークフローの詳細設定に用いる作業画面の一例を説明する図である。
【
図9】要素としてのワークフローの詳細設定に用いる作業画面の一例を説明する図である。
【
図10】設定が変更された「仕事1」に単独の不備が見つかった場合の作業画面の一例を示す図である。
【
図11】「仕事1」の設定が後段の仕事との関係で不備となる場合の作業画面の一例を示す図である。
【
図12】設定が変更された「仕事1」に不備が見つからなかった場合の作業画面の一例を示す図である。
【
図13】合成ワークフローを構成する全てのワークフローの設定が終了した場合の作業画面の一例を説明する図である。
【
図14】合成ワークフローを作成した後のホーム画面の表示の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0010】
<実施の形態>
<システム構成>
図1は、実施の形態で使用するワークフローシステム1の構成例を示す図である。
図1に示すワークフローシステム1は、ワークフローを使用する権限を有するユーザが操作する情報端末10と、ワークフローとして定義された業務の流れを管理するワークフローサーバ20とを有している。
これらの端末は、いずれもネットワーク30に接続されている。本実施の形態の場合、ネットワーク30は、LAN(=Local Area Network)を想定する。もっとも、ネットワーク30の全部又は一部は、インターネット又はクラウドネットワークでもよい。
【0011】
ユーザが操作する情報端末10は、特定のユーザに専用の端末である必要はない。本実施の形態の場合、ログインに用いたアカウントにより、情報端末10を操作するユーザを特定する。
情報端末10は、例えばデスクトップ型のコンピュータ、ノート型のコンピュータ、タブレット型のコンピュータ、スマートフォンである。
ワークフローサーバ20は、ワークフロー上における電子文書の受け渡しや処理の進捗を管理するサーバである。本実施の形態におけるワークフローサーバ20は、情報処理装置の一例である。
本実施の形態におけるワークフローサーバ20は、1台のサーバにより構成される場合を想定するが、互いに連携する複数台のサーバにより構成されてもよい。
【0012】
本実施の形態においては、「ワークフロー」との用語を、複数人のユーザが関与する業務の流れの意味で使用する。
本実施の形態におけるワークフローは、例えば申請、承認、決裁、保管の組み合わせにより規定される。もっとも、ワークフローを規定する作業の内容や組み合わせは、ワークフローを運用する目的やワークフローを運用する事業者により異なる。
ワークフローで扱う電子文書には、例えば業務に使用するアプリケーションプログラムで作成された文書、電子メール、紙文書を電子化した文書、写真、画像その他が含まれる。
【0013】
図2は、ある部署内で実行されるワークフローの構造例を説明する図である。
図2に示すワークフローは、「開始」、「作成」、「回覧承認」、承認後の電子文書の「登録」、「終了」の5つの作業で構成されている。
図2の場合、「回覧承認」は、Aさん、Bさん、Cさん、Dさんを想定する。
図2に示すワークフローを設計するユーザは、作業画面上に、個々の作業に対応するアイコンをドラッグ&ドロップし、それらを業務の進行順に線分で繋ぐ作業を繰り返す。なお、ワークフローには、条件により分岐する経路を含む場合もある。
いうまでも無く、業務を構成する作業の数が増えるほど、作業画面上に表示されるアイコンの数も増え、作図される図形も複雑になる。このため、作業単位でワークフローを設計すると、前述したように、作業の漏れや禁則違反が起こりやすくなる。
【0014】
<ワークフローサーバの構成>
図3は、実施の形態で使用するワークフローサーバ20の構成例を説明する図である。
図3に示すワークフローサーバ20は、装置全体の動作を制御する演算ユニット201と、ハードディスク駆動装置(=HDD:Hard Disk Drive)202と、入出力ポート(=I/O:Input/Output)203と、外部装置との通信を実現する通信ユニット204と、指示等の入力に用いる入力ユニット205と、情報の表示に用いる表示ユニット206とを有している。これらの各部は、各種の信号線により接続されている。
【0015】
演算ユニット201は、プロセッサの一例であるCPU(=Central Processing Unit)201Aと、BIOS(=Basic Input Output System)等が記憶されたROM(=Read Only Memory)201Bと、作業エリアとして用いられるRAM(=Random Access Memory)201C等が設けられている。
演算ユニット201は、いわゆるコンピュータであり、プログラムの実行を通じて各種の機能を提供する。
ハードディスク駆動装置202は、不揮発性の記憶媒体である磁気ディスクを駆動する装置であり、ワークフローの管理に関連する各種のデータを保管するデータベース(=DB:DataBase)として用いられる。ハードディスク駆動装置202には、ワークフローの作成を支援するアプリケーションプログラム(以下「アプリ」という)も記憶される。
【0016】
図3では、ハードディスク駆動装置202が格納するデータの一例として、ワークフローテーブル202A、設定データ202B、イメージデータ202Cを表している。
ワークフローテーブル202Aは、ワークフローの管理で使用する各種のデータで構成される。各種のデータには、過去に実行された処理の履歴も含まれる。処理の履歴には、処理を行ったユーザの属性に関する情報、処理の対象となった電子文書に関する情報、処理の内容等が含まれる。
設定データ202Bは、ワークフローの設定に関するデータである。設定データ202Bには、ワークフローを構成する個々の項目に関する設定が含まれる。
イメージデータ202Cは、ワークフローに対応するアイコンで使用するイメージ等のデータである。
【0017】
図4は、CPU201Aによるアプリの実行により実現される機能の一例を説明する図である。
図4には、ワークフローの作成に関する機能を選択的に表している。
CPU201Aは、作成されるワークフローの設定を管理する設定管理部211と、ワークフローの作成に関する作業画面の表示を制御する表示制御部212として機能する。
本実施の形態における設定管理部211は、ユーザによる設定が禁則条件を満たすか否かを判定する処理や作成されたワークフローに関する設定データ202Bをハードディスク駆動装置202に保存する処理等を実行する。
本実施の形態における表示制御部212は、設定管理部211との連携により、ワークフローの作成に関する作業の進捗に応じて作業画面の表示を制御する処理等を実行する。
【0018】
<処理動作>
以下では、
図5~
図14を使用して、ワークフローサーバ20において実行される処理動作の一例を説明する。
図5は、ワークフローの作成処理の一例を説明する図である。なお、図中に示す記号のSはステップを意味する。
図5に示す処理動作は、設定管理部211と表示制御部212の連携により実行される。
本実施の形態では、ワークフローサーバ20に対する指示の入力に入力ユニット205(
図3参照)が用いられ、作業画面の表示に表示ユニット206(
図3参照)が用いられる。もっとも、ワークフローサーバ20に対する指示の入力や作業画面の表示には、ネットワーク30(
図1参照)を介して接続された情報端末10(
図1参照)を用いてもよい。
【0019】
図6は、ワークフローの作成に用いられる作業画面300の一例を説明する図である。
作業画面300の上部には、作業画面の切り替えに用いられるタブ301~304が表示されている。なお、作業画面300における「仕事」は、ワークフローを表している。
タブ301が選択された場合、作業画面300には、ホーム画面が表示される。
図6のタブ301には「ホーム」とのラベルが付されている。
タブ302が選択された場合、作業画面300には、ワークフローの作成を受け付ける画面が表示される。
図6のタブ302には「仕事の作成」とのラベルが付されている。
タブ303が選択された場合、作業画面300には、ワークフローの管理に関する情報が表示される。
図6のタブ303には「仕事の管理」とのラベルが付されている。
タブ304が選択された場合、作業画面300には、ユーザの管理に関する情報等が表示される。
図6のタブ304には「システム設定」とのラベルが付されている。
図6に示す作業画面300は、「仕事の作成」に対応するタブ302が選択された状態を表している。
【0020】
タブ301~304の下の領域には、テンプレートの一覧が表示される選択欄305と、作業の説明が表示される表示欄306と、テンプレートに対応するアイコンの表示欄307とが設けられている。
図6の場合、表示欄306には「テンプレートから仕事を作成できます」と記載され、テンプレートの選択をユーザに促している。
選択欄305には、選択可能なテンプレートとして、契約書用テンプレート、見積書用テンプレート、発注書用テンプレート、請求書用テンプレート、その他用テンプレートが表示されている。これらのテンプレートは、いずれもワークフローに対応する。なお、選択欄305に表示されるテンプレートの種類は、
図6に例示する組み合わせに限らない。
【0021】
図6に示す作業画面300は、契約書用テンプレートが選択された状態を表している。
このため、アイコンの表示欄307には、契約書用テンプレートについて用意されている4つのワークフローのアイコンが表示されている。
図6の場合、「仕事1」のラベルが付されたアイコンと、「仕事2」のラベルが付されたアイコンと、「仕事3」のラベルが付されたアイコンと、「合成」のラベルが付されたアイコンはいずれもワークフローに対応する。
これらのうち「仕事1」、「仕事2」、「仕事3」のラベルが付されたアイコンは、それぞれ単独での実行が可能なワークフローを表している。例えばこれらのアイコンは、それぞれ異なる部署で実行されるワークフローに対応する。
【0022】
本実施の形態の場合、「合成」のラベルが付されたアイコンは、複数のワークフローを要素として含むワークフローに紐付けられている。以下では、複数のワークフローを要素として含むワークフローを「合成ワークフロー」と呼び、要素としてのワークフローと区別する。
合成ワークフローも、個々の作業に対応するアイコンの結合として規定される点においては、要素としてのワークフローと違いがない。ただし、本実施の形態における合成ワークフローは、既存のワークフローの組み合わせとしての構造も有している。これにより、ユーザによる全体像の把握が容易になり、作業漏れや禁則条件に違反する箇所の確認も容易になる。
【0023】
図6の場合、合成ワークフローに対応するテンプレートのアイコンは1つだけ表示されているが、複数のアイコンが表示されてもよい。例えば「仕事1」に対応するワークフローと「仕事2」に対応するワークフローを要素に含むテンプレートのアイコンと、「仕事1」に対応するワークフローと「仕事2」に対応するワークフローと「仕事3」に対応するワークフローを要素に含むテンプレートのアイコンを用意してもよい。
なお、合成ワークフローの要素となるワークフローは、作業画面300に表示されているワークフローに限らない。
【0024】
アイコンの表示欄307のいずれかのアイコンがタップされると、設定管理部211は、タップされたアイコンに対応するテンプレートの情報を読み込む(ステップ1)。
図6では、合成ワークフローのアイコンがタップされているので、設定管理部211は、合成ワークフローのテンプレートの情報を読み込む。この後、設定管理部211は、読み込んだ情報を表示制御部212に与える。
表示制御部212は、読み込まれた情報を表示し、ユーザの指示を受け付ける(ステップ2)。
【0025】
図7は、テンプレートの情報を表示する作業画面310の一例を説明する図である。
作業画面310には、「仕事の新規作成」とのタイトル311が付されている。
タイトル311の下の行には、作業の対象であるテンプレートの構造情報312が文字により示されている。
図7の場合、ユーザがタップしたアイコンと、「読み取り → 仕事1 → 仕事2 → 仕事3」とが示されている。矢印の向きは、ワークフローの進捗の順序を表している。
このうち、「読み取り」は、ワークフローで処理する電子文書の読み取りを表している。
図7に示すように、電子文書の読み取りは、スキャナによる紙文書の読み取りだけでなく、データファイルの入力も可能である。
図7に示すテンプレートは、「仕事1」、「仕事2」、「仕事3」に対応する3つのワークフローを含んでいる。
構造情報312の下の行には、作成する合成ワークフローが関係する文書の種類(以下「文書種類」という)313が表示されている。
図7の場合、「文書種類: 契約書」と表示されている。
【0026】
文書種類313の下の行には、合成ワークフローを構成する個々の要素の内容に関する説明文314が表示されている。
図7では、「読み取り」に関する説明が表示されている。
説明文314の下の行には、作成したワークフローの表示に用いるアイコン315が表示されている。
図7の場合、テンプレートとは異なる「合成1」のラベルが付されている。
この他、作業画面310には、新規作成をキャンセルするためのボタン316、詳細な設定を行うために使用する作業画面を開くためのボタン317、テンプレートと同じ内容の合成ワークフローを作成するためのボタン318が表示されている。
図7の場合、ユーザは、詳細設定のボタン317をタップしている。なお、ボタン318がタップされた場合、テンプレートを複製した新しい合成ワークフローが作成される。
【0027】
「詳細設定」のラベルが付されているボタン317がタップされると、表示制御部212は、詳細設定を入力するための作業画面に表示を切り替える。
図8は、新規に作成する合成ワークフローの詳細設定に用いる作業画面320の一例を説明する図である。
作業画面320には、「仕事の詳細設定」とのタイトル321が付されている。
タイトル321の下の行には、作業画面320に表示する内容を選択するためのボタン322が表示される。本実施の形態の場合、詳細設定の画面は、「基本情報」と「権限」の2つの画面に分かれている。
図8には、2つの画面のうち「基本情報」の画面が表示されている。
【0028】
ボタン322の下の行には、作成される合成ワークフローが関係する文書種類323が表示されている。
図8の場合、「文書種類: 契約書」と示されている。
文書種類323の下の行には、ユーザによる仕事の名称の入力を受け付ける入力欄324と、仕事の説明の入力を受け付ける入力欄325とが表示されている。
図8の場合、仕事の名称として「合成ワークフロー」が入力され、仕事の説明として「仕事1、仕事2、仕事3を合成した仕事のワークフロー」が入力されている。
【0029】
入力欄325の下の行には、作成された合成ワークフローの表示に使用するアイコンの設定に用いる領域326が表示されている。
図8の場合、アイコンのスタイルと色(カラー)の選択が可能である。因みに、
図8ではスタイルとして「D」が選択され、アイコンの色として「青色」が選択されている。
アイコンの設定に用いる領域326の下の行には、合成ワークフローの構造の表示欄327が表示されている。
図8の場合、表示欄327には、合成ワークフローの構造が、要素として含まれるワークフローのアイコンの並びにより示されている。図中の矢印は実行の順序を表している。従って、合成ワークフローでは、「仕事1」のワークフローの次に「仕事2」のワークフローが実行され、更に次に「仕事3」のワークフローが実行される。合成ワークフローの構造が、ワークフロー単位のアイコンにより表示されるので、合成ワークフローの全体像の把握が容易になる。
【0030】
図8に示す作業画面320は、詳細設定の開始前の状態を表している。従って、表示制御部212(
図5参照)は、合成ワークフローの要素を構成するワークフローのアイコンを全て未設定の状態で表示する(ステップ3)。
このため、作業画面320における「仕事1」のアイコン、「仕事2」のアイコン、「仕事3」のアイコンは、詳細設定が終わっていないこと、すなわち未設定の状態を表している。
図8では、各アイコンを同様の形式で表現しているが、各アイコンに対するワークフローの詳細設定が終わっていないことの把握が可能であれば、それぞれ異なる形式で表現してもよい。
【0031】
図8の場合、詳細設定の対象として、「仕事1」のラベルが付されたアイコンがタップされている。この後、作業画面320は、「仕事1」に対応するワークフローの詳細設定を受け付ける画面に変化する。なお、「仕事2」や「仕事3」のラベルが付されたアイコンを最初にタップすることも可能であるが、「仕事1」に対応するワークフローの設定の内容によっては、「仕事2」や「仕事3」に対応するワークフローについて設定のやり直しが生じる可能性がある。
なお、作業画面320には、設定された内容をキャンセルするためのボタン328と、設定された内容を登録するためのボタン329も含まれる。ただし、ボタン329は、要素としての全てのワークフローに関する詳細設定が完了した後でないと、操作が無効と判断される。
【0032】
図9は、要素としてのワークフローの詳細設定に用いる作業画面330の一例を説明する図である。作業画面330に対する設定により、要素としてのワークフローは、合成ワークフロー用にカスタマイズされる。
作業画面330にも、「仕事の詳細設定」とのタイトル331が付されている。
タイトル331の下の行には、作業画面330における設定の対象である「仕事1」に対応するワークフローの構造情報332がボタン形式により示されている。
図9の場合、構造情報332は、「仕事の設定」、「開始」、「作成」、「回覧申請」等で構成される。
【0033】
各ボタンをタップすると、対応する作業についての設定を受け付ける画面が表示される。
図9に示す作業画面330は、個別の作業ではなく、「仕事1」としてのワークフローに関する設定であるので「仕事の設定」のボタンが選択状態で表示されている。
本実施の形態の場合、ワークフローを構成する作業が一覧的に表示されるので、最小単位である作業を一から連結して合成ワークフローを設計する場合とは異なり、作業の漏れが生じ難い。
【0034】
図9の場合も、構造情報332の下の行には、設定の対象であるワークフローが関係する文書種類333が表示される。
図9の場合、「文書種類: 契約書」と示されている。
文書種類333の下の行には、ユーザによる仕事の名称の入力を受け付ける入力欄334と、仕事の説明の入力を受け付ける入力欄335とが表示されている。
図9の場合、仕事の名称として「仕事1」が入力されているが、仕事の説明は空欄である。
【0035】
入力欄335の下の行には、「仕事1」を表すアイコンの設定に用いる領域336が表示されている。
図9の場合、アイコンのスタイルと色の選択が可能である。因みに、
図9ではスタイルとして「A」が選択され、アイコンの色として「青色」が選択されている。ここでのスタイルは、合成ワークフロー用にカスタマイズされた「仕事1」を区別するために用いられる。
【0036】
なお、作業画面330には、設定された内容をキャンセルするためのボタン337と、設定された内容を登録するためのボタン338も含まれる。ボタン338の操作により、作業画面330に入力した設定の内容が確定する。
表示制御部212(
図5参照)は、ボタン338に対する操作を通じ、ユーザによる設定を受け付ける(ステップ4)。この後、表示制御部212は、合成ワークフローの詳細設定に用いる作業画面320(
図8参照)に表示を切り替える。
この表示の切り替えに際し、表示制御部212は、受け付けた設定の内容を、設定管理部211に出力する。
【0037】
設定の内容を入力した設定管理部211は、設定に関する不備の有無を検証する(ステップ5)。換言すると、ユーザにより設定が変更されたワークフローが正常に動作するか否かが、設定管理部211において検証される。
ここでの検証は、詳細設定の対象である「仕事1」だけを動作させる状況での検証の他、他の要素と連携する状況での検証も含む。例えば「仕事1」に限れば正常と判定される設定の内容でも、「仕事2」との連携を考慮すると設定の不備が見つかる場合がある。
【0038】
検証の結果は、設定管理部211から表示制御部212に与えられる。検証の結果を受信した表示制御部212は、不備があるか否かを判定し(ステップ6)、判定の結果を作業画面320の表示に反映する。
図10は、設定が変更された「仕事1」に単独の不備が見つかった場合の作業画面320の一例を示す図である。
図10には、
図8との対応部分に対応する符号を付して示している。
本実施の形態の場合、不備が見つかっている間、設定の作業が終わっていないとみなす。このため、
図10においては、「仕事1」に対応するアイコンの表示は、エラーマーク以外、
図8に示す作業画面320と同じである。エラーマークの表示により、「仕事1」に関する詳細設定に何らかの不備が存在することが分かる。
この場合、ユーザは、「仕事1」のアイコンを再びタップし、作業画面330(
図9参照)に移行する。この場合、作業画面330には、例えば不備の内容、不備が見つかった項目、不備を解消するためのアドバイスが示される。
【0039】
図11は、「仕事1」の設定が後段の仕事との関係で不備となる場合の作業画面320の一例を示す図である。
図11には、
図8との対応部分に対応する符号を付して示している。
図11に示す作業画面320の場合、設定済みの「仕事1」だけでなく未設定の「仕事2」にもエラーマークが表示されている。
図11の場合、設定の変更が要求される「仕事1」のエラーマークが、「仕事1」の設定の影響を受ける「仕事2」のエラーマークとは異なる形態で表現されている。
もっとも、
図11に示すようにエラーマークを複数用意する必要はなく、同じエラーマークを用いてもよい。
【0040】
図10又は
図11は、ステップ6で肯定結果が得られた場合に表示される。すなわち、表示制御部212(
図5参照)は、不備に関連するワークフローのアイコンの状態を、不備の存在を示す表示に変更する(ステップ7)。
ステップ7の実行後、表示制御部212は、ステップ4に戻る。
一方、ステップ6で否定結果が得られた場合、表示制御部212は、設定が完了したワークフローに対応するアイコンの表示を設定の完了を示す表示に変更する(ステップ8)。
図12は、設定が変更された「仕事1」に不備が見つからなかった場合の作業画面320の一例を示す図である。
図12には、
図8との対応部分に対応する符号を付して示している。
図12に示す作業画面320の場合、「仕事1」に対する詳細設定が終わっているのでアイコンの表現が、作業画面330(
図9参照)で設定されたアイコンの内容に変更されている。なお、「仕事2」と「仕事3」のアイコンの状態は、
図8に示す作業画面320のままである。
このため、
図12に示す作業画面320を見たユーザは、「仕事1」の設定が終わったが、他の2つのワークフローの設定は終わっていないことを容易に確認可能である。
【0041】
表示制御部212は、ステップ8の後、全てのワークフローの設定が終了したか否かを判定する(ステップ9)。
ステップ9で否定結果が得られている間、表示制御部212は、ステップ4に戻り、残りのワークフローについての設定を受け付ける。
一方、ステップ9で肯定結果が得られた場合、表示制御部212は、合成ワークフローを構成する全てのワークフローに関する設定が終了したことを設定管理部211に通知する。
【0042】
図13は、合成ワークフローを構成する全てのワークフローの設定が終了した場合の作業画面320の一例を説明する図である。
図13には、
図8との対応部分に対応する符号を付して示している。
図13に示す作業画面320の場合、合成ワークフローを構成する3つのワークフロー、すなわち「仕事1」、「仕事2」、「仕事3」に対応するアイコンのいずれもが、詳細設定を開始する前とは異なっている。
このため、
図13に示す作業画面320の表示により、合成ワークフローの要素として用いられる全てのワークフローについて詳細設定の終了が視覚的にも確認される。
前述したように、全てのワークフローについて設定が完了すると、ボタン329の操作が可能となる。ボタン329がユーザにより操作されると、表示制御部212は、受け付けた設定の内容を設定管理部211に通知する。
【0043】
この後、設定管理部211は、通知を受けた設定の内容で、合成ワークフローの設定を更新する(ステップ10)。
図14は、合成ワークフローを作成した後のホーム画面340の表示の一例を説明する図である。
図14には、
図6との対応部分に対応する符号を付して示している。
ホーム画面340には、テンプレートを用いて作成された合成ワークフローのアイコンが表示されている。ここでのアイコンは、
図8に示す作業画面320で設定されたスタイルと色を反映する。また、ここでのアイコンには、テンプレートとは異なるラベルが付されている。
【0044】
<他の実施の形態>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の技術的範囲は前述した実施の形態に記載の範囲に限定されない。前述した実施の形態に、種々の変更又は改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0045】
例えば前述の実施の形態では、合成ワークフローの作成にテンプレートを使用しているが、作業画面300等においてワークフローに対応する任意のアイコンを実行順に並べて合成ワークフローを作成してもよい。この場合も、合成ワークフローを構成する個別のワークフローについての設定の作業を、
図7~
図13に示す作業画面等を用いて行えばよい。
前述の実施の形態においては、ワークフローサーバ20(
図1参照)において合成ワークフローを作成する処理を実行する場合について説明したが、前述した処理動作を実行する端末をワークフローサーバ20とは別に用意してもよいし、情報端末10(
図1参照)で実行してもよい。
【0046】
前述した各実施の形態におけるプロセッサは、広義的な意味でのプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU等)の他、専用的なプロセッサ(例えばGPU、ASIC(=Application Specific Integrated Circuit)、FPGA、プログラム論理デバイス等)を含む。
また、前述した各実施の形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサが単独で実行してもよいが、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して実行してもよい。また、プロセッサにおける各動作の実行の順序は、前述した各実施の形態に記載した順序のみに限定されるものでなく、個別に変更してもよい。
【符号の説明】
【0047】
1…ワークフローシステム、10…情報端末、20…ワークフローサーバ、30…ネットワーク、201…演算ユニット、202…ハードディスク駆動装置、211…設定管理部、212…表示制御部