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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240814BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240814BHJP
   G09F 13/18 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
G09F9/30 349Z
G09F9/00 302
G09F9/30 349C
G09F9/30 349D
G09F13/18 N
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020091033
(22)【出願日】2020-05-26
(65)【公開番号】P2021189209
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】中曽 教尊
(72)【発明者】
【氏名】尾▲崎▼ 剛
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-101177(JP,A)
【文献】国際公開第2014/086408(WO,A1)
【文献】特許第6370519(JP,B1)
【文献】特開2020-034886(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0048111(KR,A)
【文献】特開2006-212174(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/30
G09F 9/00
G09F 13/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光画素をマトリクス状に配列されて前記発光画素の発光により模様を表示する発光表示体と、
前記発光表示体の表面側を覆うように設けられて光を通過させる貫通孔を複数形成された被覆シートと、
前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ設けられて光の通過を案内する導光部材と、
を備え、
前記導光部材は、
前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ挿入されて光透過性を有する複数の導光体と、
前記発光表示体の表面側を覆うように前記発光表示体と前記被覆シートとの間に設けられて光透過性を有すると共に前記導光体を保持するベース部材と、
を備え、
前記導光体は、柱形状をなし、前記ベース部材側に位置する基端側の端面の面積が、前記基端と対向位置に位置する先端の、前記基端側の前記端面に沿う方向の断面積以上の大きさを有する四角柱形状又は四角錐形状である
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
発光画素をマトリクス状に配列されて前記発光画素の発光により模様を表示する発光表示体と、
前記発光表示体の表面側を覆うように設けられて光を通過させる貫通孔を複数形成された被覆シートと、
前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ設けられて光の通過を案内する導光部材と、
を備え、
前記導光部材は、
前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ挿入されて光透過性を有する複数の導光体と、
前記発光表示体の表面側を覆うように前記発光表示体と前記被覆シートとの間に設けられて光透過性を有すると共に前記導光体を保持するベース部材と、
を備え、
前記導光体は、柱形状をなし、前記ベース部材側に位置する基端側の端面の面積が、前記基端と対向位置に位置する先端の、前記基端側の前記端面に沿う方向の断面積以上の大きさを有し、前記基端側が四角柱形状であり、前記先端側が、四角錐形状,四角錐台形状又は半球形状である
ことを特徴とする表示装置。
【請求項3】
発光画素をマトリクス状に配列されて前記発光画素の発光により模様を表示する発光表示体と、
前記発光表示体の表面側を覆うように設けられて光を通過させる貫通孔を複数形成された被覆シートと、
前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ設けられて光の通過を案内する導光部材と、
を備え、
前記導光部材は、
前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ挿入されて光透過性を有する複数の導光体と、
前記発光表示体の表面側を覆うように前記発光表示体と前記被覆シートとの間に設けられて光透過性を有すると共に前記導光体を保持するベース部材と、
を備え、
前記導光体は、四角錐形状をなす、又は、前記ベース部材側に位置する基端側が四角柱形状をなすと共に先端側が四角錐形状をなしており、側面の一部のみに光反射層が設けられている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項4】
発光画素をマトリクス状に配列されて前記発光画素の発光により模様を表示する発光表示体と、
前記発光表示体の表面側を覆うように設けられて光を通過させる貫通孔を複数形成された被覆シートと、
前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ設けられて光の通過を案内する導光部材と、
を備え、
前記導光部材は、
前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ挿入されて光透過性を有する複数の導光体と、
前記発光表示体の表面側を覆うように前記発光表示体と前記被覆シートとの間に設けられて光透過性を有すると共に前記導光体を保持するベース部材と、
を備え、
前記導光体は、四角柱形状若しくは四角錐台形状をなす、又は、前記ベース部材側に位置する基端側が四角柱形状をなすと共に先端側が四角錐台形状若しくは半球形状をなしており、側面に光反射層が設けられている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項5】
発光画素をマトリクス状に配列されて前記発光画素の発光により模様を表示する発光表示体と、
前記発光表示体の表面側を覆うように設けられて光を通過させる貫通孔を複数形成された被覆シートと、
前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ設けられて光の通過を案内する導光部材と、
を備え、
前記導光部材は、
前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ挿入されて光透過性を有する複数の導光体と、
前記発光表示体の表面側を覆うように前記発光表示体と前記被覆シートとの間に設けられて光透過性を有すると共に前記導光体を保持するベース部材と、
を備え、
前記導光体は、前記被覆シートの内部に陥没している
ことを特徴とする表示装置。
【請求項6】
発光画素をマトリクス状に配列されて前記発光画素の発光により模様を表示する発光表示体と、
前記発光表示体の表面側を覆うように設けられて光を通過させる貫通孔を複数形成された被覆シートと、
前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ設けられて光の通過を案内する導光部材と、
を備え、
前記導光部材は、
前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ挿入されて光透過性を有する複数の導光体と、
前記発光表示体の表面側を覆うように前記発光表示体と前記被覆シートとの間に設けられて光透過性を有すると共に前記導光体を保持するベース部材と、
を備え、
前記導光体は、前記被覆シートの内部から突出している
ことを特徴とする表示装置。
【請求項7】
発光画素をマトリクス状に配列されて前記発光画素の発光により模様を表示する発光表示体と、
前記発光表示体の表面側を覆うように設けられて光を通過させる貫通孔を複数形成された被覆シートと、
前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ設けられて光の通過を案内する導光部材と、
を備え、
前記導光部材は、
前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ挿入されて光透過性を有する複数の導光体と、
前記発光表示体の表面側を覆うように前記発光表示体と前記被覆シートとの間に設けられて光透過性を有すると共に前記導光体を保持するベース部材と、
を備え、
前記導光体は、ヤング率が前記被覆シートのヤング率の0.8倍以上1.3倍以下である
ことを特徴とする表示装置。
【請求項8】
発光画素をマトリクス状に配列されて前記発光画素の発光により模様を表示する発光表示体と、
前記発光表示体の表面側を覆うように設けられて光を通過させる貫通孔を複数形成された被覆シートと、
前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ設けられて光の通過を案内する導光部材と、
を備え、
前記導光部材は、
前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ挿入されて光透過性を有する複数の導光体と、
前記発光表示体の表面側を覆うように前記発光表示体と前記被覆シートとの間に設けられて光透過性を有すると共に前記導光体を保持するベース部材と、
を備え、
前記ベース部材は、ルーバフィルムである
ことを特徴とする表示装置。
【請求項9】
発光画素をマトリクス状に配列されて前記発光画素の発光により模様を表示する発光表示体と、
前記発光表示体の表面側を覆うように設けられて光を通過させる貫通孔を複数形成された被覆シートと、
前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ設けられて光の通過を案内する導光部材と、
を備え、
前記被覆シートは、ヤング率が1×10Pa以上5×10Pa以下の材料からなる
ことを特徴とする表示装置。
【請求項10】
前記導光部材は、
前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ挿入されて光透過性を有する複数の導光体と、
前記発光表示体の表面側を覆うように前記発光表示体と前記被覆シートとの間に設けられて光透過性を有すると共に前記導光体を保持するベース部材と、
を備えていることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光透過性を有すると共に意匠性を有するシートを発光表示体の表面に設けた表示装置は、発光表示体が作動して発光しているとき、発光表示体からの光がシートを透過することにより、発光表示体に表示されている文字,数字,記号,図案,絵柄等のような模様を視認することができる。他方、発光表示体が作動停止しているとき、シートが発光表示体を覆い隠していることにより、発光表示体を認識できず、周囲と調和した意匠とすることができる。このような表示装置において、天然皮革や合成皮革等に小径の貫通孔を多数形成することにより光透過性を有したシートを適用すると、高級感を醸し出すことができ、ラグジュアリな雰囲気とすることができる(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6370519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
天然皮革や合成皮革等に貫通孔を形成したシートを発光表示体の表面に設けた従来の表示装置においては、シートの貫通孔の内部に粉塵等のゴミが入り込んだり、シートに外力が加わって貫通孔が変形したりすると、貫通孔が塞がって視認性の低下や画素の欠陥を招くおそれを生じてしまう。このため、上述したような従来の表示装置は、屋外等のようなゴミが入り込み易い環境や、手で触られるような外力が加わり易い環境等で使用することに難点があった。
【0005】
このような問題は、天然皮革や合成皮革等に貫通孔が形成されたシートを発光表示体の表面に設けた表示装置に限らず、不織布等に貫通孔が形成されたシート等のように、貫通孔が形成されたシートを発光表示体の表面に設けられた表示装置であれば、上述した場合と同様に生じ得ることである。
【0006】
このようなことから、本発明は、貫通孔が形成されたシートであっても、ゴミが入り込み易い環境や外力が加わり易い環境で問題なく使用できる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した課題を解決するための、本発明に係る表示装置は、発光画素をマトリクス状に配列されて前記発光画素の発光により模様を表示する発光表示体と、前記発光表示体の表面側を覆うように設けられて光を通過させる貫通孔を複数形成された被覆シートと、前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ設けられて光の通過を案内する導光部材と、を備え、前記導光部材は、前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ挿入されて光透過性を有する複数の導光体と、前記発光表示体の表面側を覆うように前記発光表示体と前記被覆シートとの間に設けられて光透過性を有すると共に前記導光体を保持するベース部材と、を備え、前記導光体は、柱形状をなし、前記ベース部材側に位置する基端側の端面の面積が、前記基端と対向位置に位置する先端の、前記基端側の前記端面に沿う方向の断面積以上の大きさを有する四角柱形状又は四角錐形状であることを特徴とする。
また、前述した課題を解決するための、本発明に係る表示装置は、発光画素をマトリクス状に配列されて前記発光画素の発光により模様を表示する発光表示体と、前記発光表示体の表面側を覆うように設けられて光を通過させる貫通孔を複数形成された被覆シートと、前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ設けられて光の通過を案内する導光部材と、を備え、前記導光部材は、前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ挿入されて光透過性を有する複数の導光体と、前記発光表示体の表面側を覆うように前記発光表示体と前記被覆シートとの間に設けられて光透過性を有すると共に前記導光体を保持するベース部材と、を備え、前記導光体は、柱形状をなし、前記ベース部材側に位置する基端側の端面の面積が、前記基端と対向位置に位置する先端の、前記基端側の前記端面に沿う方向の断面積以上の大きさを有し、前記基端側が四角柱形状であり、前記先端側が、四角錐形状,四角錐台形状又は半球形状であることを特徴とする。
また、前述した課題を解決するための、本発明に係る表示装置は、発光画素をマトリクス状に配列されて前記発光画素の発光により模様を表示する発光表示体と、前記発光表示体の表面側を覆うように設けられて光を通過させる貫通孔を複数形成された被覆シートと、前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ設けられて光の通過を案内する導光部材と、を備え、前記導光部材は、前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ挿入されて光透過性を有する複数の導光体と、前記発光表示体の表面側を覆うように前記発光表示体と前記被覆シートとの間に設けられて光透過性を有すると共に前記導光体を保持するベース部材と、を備え、前記導光体は、四角錐形状をなす、又は、前記ベース部材側に位置する基端側が四角柱形状をなすと共に先端側が四角錐形状をなしており、側面の一部のみに光反射層が設けられていることを特徴とする。
また、前述した課題を解決するための、本発明に係る表示装置は、発光画素をマトリクス状に配列されて前記発光画素の発光により模様を表示する発光表示体と、前記発光表示体の表面側を覆うように設けられて光を通過させる貫通孔を複数形成された被覆シートと、前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ設けられて光の通過を案内する導光部材と、を備え、前記導光部材は、前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ挿入されて光透過性を有する複数の導光体と、前記発光表示体の表面側を覆うように前記発光表示体と前記被覆シートとの間に設けられて光透過性を有すると共に前記導光体を保持するベース部材と、を備え、前記導光体は、四角柱形状若しくは四角錐台形状をなす、又は、前記ベース部材側に位置する基端側が四角柱形状をなすと共に先端側が四角錐台形状若しくは半球形状をなしており、側面に光反射層が設けられていることを特徴とする。
また、前述した課題を解決するための、本発明に係る表示装置は、発光画素をマトリクス状に配列されて前記発光画素の発光により模様を表示する発光表示体と、前記発光表示体の表面側を覆うように設けられて光を通過させる貫通孔を複数形成された被覆シートと、前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ設けられて光の通過を案内する導光部材と、を備え、前記導光部材は、前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ挿入されて光透過性を有する複数の導光体と、前記発光表示体の表面側を覆うように前記発光表示体と前記被覆シートとの間に設けられて光透過性を有すると共に前記導光体を保持するベース部材と、を備え、前記導光体は、前記被覆シートの内部に陥没していることを特徴とする。
また、前述した課題を解決するための、本発明に係る表示装置は、発光画素をマトリクス状に配列されて前記発光画素の発光により模様を表示する発光表示体と、前記発光表示体の表面側を覆うように設けられて光を通過させる貫通孔を複数形成された被覆シートと、前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ設けられて光の通過を案内する導光部材と、を備え、前記導光部材は、前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ挿入されて光透過性を有する複数の導光体と、前記発光表示体の表面側を覆うように前記発光表示体と前記被覆シートとの間に設けられて光透過性を有すると共に前記導光体を保持するベース部材と、を備え、前記導光体は、前記被覆シートの内部から突出していることを特徴とする。
また、前述した課題を解決するための、本発明に係る表示装置は、発光画素をマトリクス状に配列されて前記発光画素の発光により模様を表示する発光表示体と、前記発光表示体の表面側を覆うように設けられて光を通過させる貫通孔を複数形成された被覆シートと、前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ設けられて光の通過を案内する導光部材と、を備え、前記導光部材は、前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ挿入されて光透過性を有する複数の導光体と、前記発光表示体の表面側を覆うように前記発光表示体と前記被覆シートとの間に設けられて光透過性を有すると共に前記導光体を保持するベース部材と、を備え、前記導光体は、ヤング率が前記被覆シートのヤング率の0.8倍以上1.3倍以下であることを特徴とする。
また、前述した課題を解決するための、本発明に係る表示装置は、発光画素をマトリクス状に配列されて前記発光画素の発光により模様を表示する発光表示体と、前記発光表示体の表面側を覆うように設けられて光を通過させる貫通孔を複数形成された被覆シートと、前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ設けられて光の通過を案内する導光部材と、を備え、前記導光部材は、前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ挿入されて光透過性を有する複数の導光体と、前記発光表示体の表面側を覆うように前記発光表示体と前記被覆シートとの間に設けられて光透過性を有すると共に前記導光体を保持するベース部材と、を備え、前記ベース部材は、ルーバフィルムであることを特徴とする。
また、前述した課題を解決するための、本発明に係る表示装置は、発光画素をマトリクス状に配列されて前記発光画素の発光により模様を表示する発光表示体と、前記発光表示体の表面側を覆うように設けられて光を通過させる貫通孔を複数形成された被覆シートと、前記被覆シートの前記貫通孔の内部にそれぞれ設けられて光の通過を案内する導光部材と、を備え、前記被覆シートは、ヤング率が1×10 Pa以上5×10 Pa以下の材料からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る表示装置によれば、被覆シートの貫通孔の内部に導光部材が設けられていることから、発光表示体に表示される模様を被覆シート上で視認することができるのはもちろんのこと、被覆シートの貫通孔の内部への粉塵等のゴミの入り込みを防ぐことができると共に、被覆シートに外力が加わっても貫通孔の変形を防ぐことができるので、被覆シート上での発光表示体の視認性の低下を防止することができる。したがって、本発明に係る表示装置によれば、ゴミが入り込み易い環境や外力が加わり易い環境であっても問題なく使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る表示装置の第一の実施形態の概略構成を表す断面図である。
図2図1の被覆シートの製造方法の一例の手順を説明する断面図である。
図3】本発明に係る表示装置の第二の実施形態の概略構成を表す断面図である。
図4図3の被覆シートの製造方法の一例の手順を説明する断面図である。
図5】本発明に係る表示装置の第三の実施形態の概略構成を表す断面図である。
図6】本発明に係る表示装置の第四の実施形態の概略構成を表す断面図である。
図7】本発明に係る表示装置の第五の実施形態の概略構成を表す断面図である。
図8】本発明に係る表示装置の第六の実施形態の概略構成を表す断面図である。
図9】本発明に係る表示装置の第七の実施形態の概略構成を表す断面図である。
図10】本発明に係る表示装置の他の実施形態の要部の断面図である。
図11】本発明に係る表示装置の更に他の実施形態の要部の断面図である。
図12】本発明に係る表示装置の更なる他の実施形態の要部の断面図である。
図13】本発明に係る表示装置の更なる他の実施形態の説明図である。
図14】本発明に係る表示装置の更なる他の実施形態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る表示装置の実施形態を図面に基づいて説明するが、本発明は図面に基づいて説明する以下の実施形態のみに限定されるものではない。
【0011】
〈第一の実施形態〉
本発明に係る表示装置の第一の実施形態を図1,2に基づいて説明する。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る表示装置100は、発光画素をマトリクス状に配列されて発光画素の発光により模様を表示する発光表示体110と、発光表示体110の表面側を覆うように設けられて光を通過させる四角柱形状の貫通孔120aを複数形成された被覆シート120と、被覆シート120の貫通孔120aの内部にそれぞれ設けられて光の通過を案内する導光部材130と、を備えている。
【0013】
発光表示体110は、光の三原色である赤色(R),緑色(G),青色(B)の各色の光をそれぞれ発する3つの発光素子を一組とした発光画素をマトリクス状に多数配列したものであり、これら発光画素が発光することにより、文字,数字,記号,図案,絵柄等のような各種の模様を表面にカラー表示することができるようになっている。このような発光表示体110としては、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)や有機エレクトロルミネセンスディスプレイ(OELD)や発光ダイオード(LED)ディスプレイ等を挙げることができる。
【0014】
被覆シート120は、厚さが0.5mm以上2mm以下、ヤング率が1×10Pa以上5×10Pa以下の材料であると好ましく、天然皮革又は合成皮革からなると特に好ましい。天然皮革としては、牛革,豚革,馬革,羊革,山羊革等が挙げられ、合成皮革としては、ポリカーボネート樹脂,アクリル樹脂,アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂,ポリプロピレン樹脂,ポリエチレン樹脂等の合成樹脂を用いたものが挙げられる。
【0015】
導光部材130は、被覆シート120の貫通孔120aの内部にそれぞれ挿入されて光透過性を有する複数の導光体131と、発光表示体110の表面側を覆うように発光表示体110と被覆シート120との間に設けられて光透過性を有すると共に導光体131を保持するベース部材132と、を備えている。
【0016】
導光体131は、柱形状をなしており、ベース部材132側に位置する基端側(図1中、下端側)が四角柱形状をなす一方、被覆シート120の表面側に位置して基端側と対向位置に位置する先端側(図1中、上端側)が半球形状をなしている。これにより、導光体131は、基端側(図1中、下端側)の端面の面積が、先端(図1中、上端)の、基端側の端面(図1中、下端面)に沿う方向の断面積以上の大きさを有するものになっている。導光体131は、隣り合う間隔(ピッチ)が、基端側の端面同士を接触させない程度の距離であると好ましい。
【0017】
導光体131は、ガラスや樹脂等からなり、無色透明であると好ましい。ガラスとしては、ソーダ石灰ガラス,硼珪酸ガラス,石英ガラス等が挙げられる。また、樹脂としては、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)やポリシクロヘキシルメタクリレート系樹脂(PCHMA)等のアクリル系樹脂,ポリスチレン樹脂(PS)やスチレン-アクリロニトリル共重合樹脂(SAN)等のスチレン系樹脂,ポリカーボネート樹脂(PC),ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET),ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)等が挙げられる。
【0018】
導光体131は、被覆シート120のヤング率に対して、0.8倍以上1.3倍以下のヤング率であると好ましい。なぜなら、0.8倍未満であると、被覆シート120の貫通孔120aに導光体131を挿入し難くなってしまい、好ましくない。他方、1.3倍を超えると、被覆シート120の触感を十分に得ることが難くなってしまい、好ましくない。
【0019】
導光体131は、被覆シート120の貫通孔120a内に挿入されている状態で被覆シート120の正面側から見たときに、その先端が見える程度の高さ(長さ)を有していると好ましい。すなわち、導光体131は、高さ(長さ)が被覆シート120の厚さに等しい又は近似する大きさであると好ましい。
【0020】
より具体的には、導光体131は、高さ(長さ)が、被覆シート120の厚さに対して、0.8倍以上2倍以下であると好ましい(特に1倍であると非常に好ましい)。例えば、被覆シート120の厚さが0.7mmであると、導光体131は、高さ(長さ)が0.56mm以上1.4mm以下であると好ましい(特に0.7mmであると非常に好ましい)。
【0021】
なぜなら、0.8倍未満であると、先端側から光を周囲に拡散させるような広い視野角を持つことが難しくなってしまい、好ましくない。他方、2倍を超えると、被覆シート120の面積に対して、導光体131の視認される面積が大きくなり、質感の低下を招き易くなってしまうため、好ましくない。なお、1倍以下であれば、さらに、被覆シート120を手で触ったときに導光体131の存在を感じ難くなり、違和感をなくすことができるため、非常に好ましい。
【0022】
ベース部材132は、シート形状をなすと共に、導光体131と同一材料で一体構造をなし、導光体131を支持するようになっている。ベース部材132は、厚さが、発光表示体110の各色の発光素子の短手方向の幅以下の大きさであると好ましい。厚さが、発光表示体110の各色の発光素子の短手方向の幅よりも大きい大きさであると、発光表示体110の一つの発光素子からの光が複数の導光体131に入射し易くなり、映像が劣化し易くなってしまい、好ましくない。なお、厚さが薄過ぎてしまうと、ベース材として形状を維持し難くなってしまい、被覆シート120に導光体131を挿入する際の取り扱いに難点を生じてしまい、好ましくない。
【0023】
このような本実施形態に係る表示装置100においては、被覆シート120にレーザ光等で穿孔して貫通孔120aを導光部材130の導光体131の大きさ及びピッチに対応して形成する。ここで、被覆シート120は、柔軟であることから、貫通孔120a内に導光体131が挿入されると、貫通孔120aが拡径するので、貫通孔120aの形状を導光体131の形状に一致させるように貫通孔120aが形成される必要はなく、むしろ、導光体131の形状よりも少し小さい形状で貫通孔120aが形成されると好ましい。
【0024】
また、被覆シート120の貫通孔120aは、挿入される導光体131の形状に関係なく、円柱形状や円錐形状等を適用することができ、更には十字形等の切れ込みを入れて形成しただけのものを適用することもできる。すなわち、被覆シート120の貫通孔120aは、挿入された導光体131の形状に追従して変形可能な形状であれば適用可能である。なお、被覆シート120の貫通孔120aは、表面に沿った方向の断面積が、導光体131の基端側の端面の面積の1/3以上4/5以下であると好ましい。
【0025】
そして、被覆シート120の貫通孔120aの形成と併せて、導光部材130を金型等により一体成型加工した後、被覆シート120の貫通孔120aの内部に導光部材130の導光体131を差し込んでベース部材132に被覆シート120を重ね合わせ、接着剤等を介してベース部材132と被覆シート120とを接合し、これを発光表示体110の表面側に配設することにより、得ることができる。
【0026】
なお、図2に示すように、四角錐形状のニードル部11を基台12上に多数形成した金属製の穿孔具10とエラストマ製の押付板20とを対向させて、穿孔具10と押付板20との間に被覆シート120を配置し(図2A参照)、穿孔具10と押付板20とで被覆シート120を挟み込むように穿孔具10と押付板20とを被覆シート120に押し付けることにより(図2B参照)、被覆シート120に貫通孔120aを一括して形成することも可能である。
【0027】
このとき、図2Bに示すように、押付板20に穿孔具10のニードル部11を入り込ませるように穿孔具10と押付板20とを押し付けると、被覆シート120は、柔軟であることから、穿孔具10の四角錐形状のニードル部11の基端にまで押し込まれるように圧縮されながら基台12に押し付けられるので、貫通孔120aを大きく形成することができる。
【0028】
このようにして得られる本実施形態に係る表示装置100においては、発光表示体110を作動させて発光させると、発光表示体110からの光が導光部材130のベース部材132を透過して導光体131の内部に基端(図1中、下端)から進入し、導光体131の先端(図1中、上端)を介して被覆シート120の貫通孔120aから外部へ出射することにより、発光表示体110に表示されている模様を被覆シート120上から視認することができる。
【0029】
他方、発光表示体110の作動を停止して発光を中断すると、被覆シート120の表面全体に対する導光部材130の導光体131の先端の占める割合が非常に小さいことから、被覆シート120の表面上において導光部材130の導光体131の先端を認識することができず、周囲と調和した意匠となる。
【0030】
このようにして用いられる本実施形態に係る表示装置100においては、被覆シート120の貫通孔120aの内部に導光部材130の導光体131が挿入されていることから、発光表示体110に表示されている模様を被覆シート120上で視認できるのはもちろんのこと、被覆シート120の貫通孔120aの内部への粉塵等のゴミの入り込みを防ぐことができると共に、被覆シート120に外力が加わっても貫通孔120aの変形を防ぐことができるので、被覆シート120上での発光表示体110の視認性の低下を防止することができる。
【0031】
したがって、本発明に係る表示装置100によれば、ゴミが入り込み易い環境や外力が加わり易い環境であっても問題なく使用することができる。
【0032】
また、被覆シート120が柔らかい天然皮革や合成皮革であっても、貫通孔120aが歪んで曲がってしまうことを防止できるので、貫通孔120a内を通過する光量の低下を防止することができ、発光表示体110に表示される模様を被覆シート120上で安定して視認することができる。
【0033】
また、導光体131の基端側の端面の面積が、先端の、前記基端側の前記端面に沿う方向の断面積以上の大きさを有するので、導光体131の先端から出射する光量を増加させることができ、視認性を向上させることができる。
【0034】
なお、被覆シート120の貫通孔120aを穿孔具10及び押付板20で一括形成するようにすると、レーザ光等で穿孔する場合よりも、低コストで簡単に実施することができるのはもちろんのこと、厚さが部位によって微妙に異なる天然皮革の被覆シート120でも、すべての貫通孔120aを均一サイズで形成することが容易にできるので、発光表示体110からの模様を被覆シート120上に均一に表示することが確実にできる。
【0035】
〈第二の実施形態〉
本発明に係る表示装置の第二の実施形態を図3,4に基づいて説明する。ただし、前述した実施形態の場合と同様な部分については、前述した実施形態の説明で用いた符号と同様な符号を用いることにより、前述した実施形態での説明と重複する説明を省略することとする。
【0036】
図3に示すように、本実施形態に係る表示装置200は、発光表示体110と、貫通孔120aを複数形成された被覆シート120と、被覆シート120の貫通孔120aの内部にそれぞれ設けられて光の通過を案内する導光部材230と、を備えている。
【0037】
導光部材230は、被覆シート120の貫通孔120aの内部にそれぞれ挿入されて光透過性を有する複数の導光体231と、導光体231を保持するベース部材132と、を備えている。
【0038】
導光体231は、柱形状をなしており、四角錐形状をなしている。これにより、導光体231は、基端側(図3中、下端側)の端面の面積が、先端(図3中、上端)の、基端側の端面(図3中、下端面)に沿う方向の断面積以上の大きさを有するものになっている。
【0039】
また、導光体231は、その先端(図3中、上端)が被覆シート120の貫通孔120aの外部に位置するように被覆シート120の表面から突出している。すなわち、導光体231は、その長さ(高さ)が被覆シート120の貫通孔120aの長さ(深さ)よりもわずかに大きくなっている。言い換えると、被覆シート120は、その厚さが導光体231の長さ(高さ)よりも薄くなっている。
【0040】
つまり、前述した実施形態では、先端(上端)が球面形状をなして高さ(長さ)が被覆シート120の厚さに略等しい導光体131を有した導光部材130を備えた表示装置100の場合について説明したが、本実施形態では、四角錐形状、すなわち、先端(上端)が尖角形状をなして高さ(長さ)が被覆シート120の厚さよりもわずかに大きい導光体231を有した導光部材230を備えた表示装置200となっているのである。
【0041】
このような本実施形態に係る表示装置200においては、前述した実施形態の場合と同様に、被覆シート120に穿孔具10及び押付板20やレーザ光等で穿孔して貫通孔120aを形成すると共に、導光部材230を金型等により一体成型加工した後、被覆シート120の貫通孔120aの内部に導光部材230の導光体231を差し込んでベース部材132に被覆シート120を重ね合わせ、接着剤等を介してベース部材132と被覆シート120とを接合し、これを発光表示体110の表面側に配設することにより、得ることができる。
【0042】
なお、図4に示すように、導光部材230と押付板20とを対向させて、導光部材230と押付板20との間に被覆シート120を配置し(図4A参照)、導光部材230と押付板20とで被覆シート120を挟み込むように導光部材230と押付板20とを被覆シート120に押し付けることにより(図4B参照)、被覆シート120に貫通孔120aを一括して形成すると同時に、被覆シート120の貫通孔120a内に導光部材230の導光体231を入れ込み、ベース部材132に被覆シート120を重ね合わせて接着剤等を介してベース部材132と被覆シート120とを接合してしまうことも可能である。
【0043】
ここで、被覆シート120に貫通孔120aを形成するに際して導光部材230の導光体231が必要十分な硬度を発現し難い場合には、導光体231を冷却して導光体231の硬度(ヤング率)を高めてから行うと好ましい。
【0044】
具体的には、例えば、液体窒素を気化させた蒸気を導光部材230に接触させて導光部材230を氷点下にまで冷却することにより、導光体231の硬度(ヤング率)を高めることが容易にできる。このとき、導光体231を液体窒素中に直接的に浸漬して冷却してしまうと、導光体231が脆化して破損し易くなってしまうので、好ましくない。これにより、被覆シート120よりも柔らかい導光体231であっても適用可能となる。
【0045】
このようにして得られる本実施形態に係る表示装置200においては、前述した実施形態の場合と同様に、発光表示体110を作動させて発光させると、発光表示体110からの光が導光部材230のベース部材132を透過して導光体231の内部に基端(図3中、下端)から進入し、導光体231の先端(図3中、上端)より外部へ出射することにより、発光表示体110に表示されている模様を被覆シート120上から視認することができる。
【0046】
また、前述した実施形態の場合と同様に、発光表示体110の作動を停止して発光を中断すると、被覆シート120の表面全体に対する導光部材230の導光体231の先端の占める割合が比較的小さいことから、被覆シート120の表面上において導光部材230の導光体231の先端を認識することができず、周囲と調和した意匠となる。
【0047】
このようにして用いられる本実施形態に係る表示装置200においては、前述した実施形態の場合と同様に、被覆シート120の貫通孔120aの内部に導光部材230の導光体231が挿入されていることから、発光表示体110に表示された模様を被覆シート120上で視認できるのはもちろんのこと、被覆シート120の貫通孔120aの内部への粉塵等のゴミの入り込みを防ぐことができると共に、被覆シート120に外力が加わっても貫通孔120aの変形を防ぐことができるので、被覆シート120上での発光表示体110の視認性の低下を防止することができる。
【0048】
したがって、本実施形態に係る表示装置200によれば、前述した実施形態の場合と同様な作用効果を得ることができるだけでなく、導光部材230の導光体231の先端が被覆シート120の貫通孔120aの外部に位置するように被覆シート120の表面から突出していることから、導光体231の先端からの光を被覆シート120の外部へ拡散させながら送出することができると共に、導光体231が四角錐形状をなしていることから、発光表示体110からの光を拡散させるように出射することができ、被覆シート120上での視野角を拡げて、視認性をさらに高めることができる。
【0049】
また、被覆シート120の貫通孔120aを導光部材230及び押付板20で形成するようにすると、貫通孔120aの形成と同時に導光体231を貫通孔120aの内部に装入することができるので、作業効率を大きく向上させることができる。
【0050】
〈第三の実施形態〉
本発明に係る表示装置の第三の実施形態を図5に基づいて説明する。ただし、前述した実施形態の場合と同様な部分については、前述した実施形態の説明で用いた符号と同様な符号を用いることにより、前述した実施形態での説明と重複する説明を省略することとする。
【0051】
図5に示すように、本実施形態に係る表示装置300は、発光表示体110と、貫通孔120aを複数形成された被覆シート120と、被覆シート120の貫通孔120aの内部にそれぞれ設けられて光の通過を案内する導光部材330と、を備えている。
【0052】
導光部材330は、複数の導光体231と、発光表示体110の表面側を覆うように発光表示体110と被覆シート120との間に設けられて光透過性を有すると共に導光体231を保持するベース部材332と、を備えている。
【0053】
ベース部材332は、シート形状をなすと共に、導光体231と同一材料で一体構造をなし、導光体231を支持するようになっており、隣り合う導光体231の間に対応する位置にスリット332aがそれぞれ形成されている。
【0054】
つまり、本実施形態では、スリット332aを形成したベース部材332を有する導光部材330を備えた表示装置300となっているのである。
【0055】
このため、本実施形態に係る表示装置300においては、発光表示体110の発光画素からの光を最も近い導光体231のみに進入させてそれ以外の導光体231に進入させないように、導光部材330のベース部材332に入射した迷光をスリット332aで遮断することができる。
【0056】
したがって、本実施形態に係る表示装置300によれば、前述した実施形態の場合と同様な作用効果を得ることができると共に、視認性をさらに向上させることができる。
【0057】
〈第四の実施形態〉
本発明に係る表示装置の第四の実施形態を図6に基づいて説明する。ただし、前述した実施形態の場合と同様な部分については、前述した実施形態の説明で用いた符号と同様な符号を用いることにより、前述した実施形態での説明と重複する説明を省略することとする。
【0058】
図6に示すように、本実施形態に係る表示装置400は、発光表示体110と、貫通孔120aを複数形成された被覆シート120と、被覆シート120の貫通孔120aの内部にそれぞれ設けられて光の通過を案内する導光部材430と、を備えている。
【0059】
導光部材430は、複数の導光体231と、発光表示体110の表面側を覆うように発光表示体110と被覆シート120との間に設けられて光透過性を有すると共に導光体231を保持するベース部材432と、を備えている。
【0060】
ベース部材432は、導光体231が接着剤等で取り付けられ、導光体231の基端面(図6中、下端面)に対して直交する方向で発光表示体110から入射した光のみを透過させる可撓性を有するルーバフィルムからなっている。
【0061】
したがって、本実施形態に係る表示装置400によれば、導光部材430の導光体231への迷光の入射を防止することができるので、前述した実施形態の場合と同様な作用効果を得ることができる。
【0062】
さらに、可撓性を有するルーバフィルムからなるベース部材432に導光体231を取り付けた導光部材430としたことから、発光表示体110の表面が湾曲していても、発光表示体110の表面に沿って導光部材430を設置することができる。
【0063】
〈第五の実施形態〉
本発明に係る表示装置の第五の実施形態を図7に基づいて説明する。ただし、前述した実施形態の場合と同様な部分については、前述した実施形態の説明で用いた符号と同様な符号を用いることにより、前述した実施形態での説明と重複する説明を省略することとする。
【0064】
図7に示すように、本実施形態に係る表示装置500は、発光表示体110と、貫通孔120aを複数形成された被覆シート120と、被覆シート120の貫通孔120aの内部にそれぞれ設けられて光の通過を案内する導光部材530と、を備えている。
【0065】
導光部材530は、被覆シート120の貫通孔120aの内部にそれぞれ挿入されて光透過性を有する複数の導光体531と、発光表示体110の表面側を覆うように発光表示体110と被覆シート120との間に設けられて光透過性を有すると共に導光体531を保持するベース部材532と、ベース部材532と発光表示体110との間に設けられたルーバフィルム533と、を備えている。
【0066】
導光体531は、四角錐形状をなし、基端(図7中、下端)の周縁にフランジ部531aが一体的に設けられている。
【0067】
ベース部材532は、シート形状をなして弾性変形可能な材料である無色透明のエラストマからなり、複数の導光体531がフランジ部531aを埋め込まれるようにしてそれぞれ植設されている。なお、エラストマとしては、スチレン系やアクリル系のものが挙げられる。
【0068】
ルーバフィルム533は、可撓性を有し、ベース部材532に接着剤等を介して取り付けられ、ベース部材532の底面(図7中、下面)に対して直交する方向で発光表示体110から入射した光のみを透過させることができるようになっている。
【0069】
このような表示装置500においては、ルーバフィルム533が可撓性を有すると共に、ベース部材532が弾性変形可能であることから、例えば、発光表示体110の表面が人型ロボットの顔面等のような曲面形状をなしていても、導光部材530を発光表示体110の表面に沿って設置することができる。
【0070】
したがって、本実施形態に係る表示装置500によれば、前述した実施形態の場合と同様な作用効果を得ることができると共に、例えば、人型ロボットの顔面等に適用することもでき、人間に近い質感を表現することができる。
【0071】
なお、例えば、複数の導光体531を非常に薄いフィルム状のベース部材532で保持してルーバフィルム533を省略した導光部材を発光表示体110の表面に直接設けるような場合であっても、人型ロボットの顔面等に適用可能である。
【0072】
〈第六の実施形態〉
本発明に係る表示装置の第六の実施形態を図8に基づいて説明する。ただし、前述した実施形態の場合と同様な部分については、前述した実施形態の説明で用いた符号と同様な符号を用いることにより、前述した実施形態での説明と重複する説明を省略することとする。
【0073】
図8に示すように、本実施形態に係る表示装置600は、発光表示体110と、被覆シート120と、被覆シート120の貫通孔120aの内部にそれぞれ設けられて光の通過を案内する導光部材630と、を備えている。
【0074】
導光部材630は、被覆シート120の貫通孔120aの内部にそれぞれ挿入されて光透過性を有する複数の導光体631と、ベース部材132と、を備えている。
【0075】
導光体631は、四角錐形状をなし、その先端(図8中、上端)が被覆シート120の貫通孔120aの内部に位置するように被覆シート120の表面よりも陥没している。すなわち、導光体631は、その長さ(高さ)が被覆シート120の貫通孔120aの長さ(深さ)よりも小さくなっている。言い換えると、被覆シート120は、その厚さが導光体631の長さ(高さ)よりも厚くなっている。
【0076】
このような本実施形態に係る表示装置600においては、導光体631の先端が被覆シート120の貫通孔120aの内部に位置するように被覆シート120の表面よりも陥没していることから、被覆シート120の表面を手で触っても、導光体631の先端が手に直接触れてしまうことはない。
【0077】
したがって、本実施形態に係る表示装置600によれば、前述した実施形態の場合と同様な作用効果を得ることができるのはもちろんのこと、導光体631の先端の汚濁を大きく抑制することができると共に、手で表面を触ったときの感触を向上させることができる。
【0078】
〈第七の実施形態〉
本発明に係る表示装置の第六の実施形態を図9に基づいて説明する。ただし、前述した実施形態の場合と同様な部分については、前述した実施形態の説明で用いた符号と同様な符号を用いることにより、前述した実施形態での説明と重複する説明を省略することとする。
【0079】
図9に示すように、本実施形態に係る表示装置700は、発光表示体110と、被覆シート120と、導光部材230と、被覆シート120の表面(図9中、上面)を覆うように設けられて光透過性を有するカバー層740と、を備えている。
【0080】
カバー層740は、被覆シート120の貫通孔120aから外部に突出する導光部材230の導光体231の先端の周面を覆うように、すなわち、被覆シート120と合わせた厚さが導光体131の高さ(長さ)と等しい大きさ(1倍)となるように、被覆シート120の表面上に布設されており、被覆シート120と等しいヤング率を有する、すなわち、1×10Pa以上5×10Pa以下のヤング率の柔軟性を有する無色透明な材料からなっている。
【0081】
カバー層740の材料としては、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)やポリシクロヘキシルメタクリレート系樹脂(PCHMA)等のアクリル系樹脂,ポリスチレン樹脂(PS)やスチレン-アクリロニトリル共重合樹脂(SAN)等のスチレン系樹脂,ポリカーボネート樹脂(PC),ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET),ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)等を挙げることができる。
【0082】
このような本実施形態に係る表示装置700においては、光透過性及び柔軟性を有するカバー層740が導光体231の先端の周面を覆っていることから、被覆シート120上での視野角を拡げて明度及び視認性の更なる向上を図りつつ、被覆シート120の表面を手で触ったときの触感の向上を図ることができる。
【0083】
したがって、本実施形態に係る表示装置700によれば、前述した実施形態の場合と同様な作用効果を得ることができるのはもちろんのこと、明度及び視認性の向上と触感の向上とを同時に図ることができる。
【0084】
〈他の実施形態〉
なお、他の実施形態として、例えば、図10に示すように、導光体231,531,631,731の側面に金属製の光反射層834を蒸着して設けることにより、導光体231,531,631,731の先端から送出される光の量をより増加させることができる。
【0085】
また、更に他の実施形態として、例えば、図11に示すように、導光体231,531,631,731の先端となる四角錐形状の頂部が複数の突起部231b,531b,631b,731bを有するように形成されることにより、導光体231,531,631,731の先端から光をより拡散させながら送出することができるので、視野角をより拡大することができる。
【0086】
また、更なる他の実施形態として、例えば、基端側を四角柱形状とし、先端側を四角錐形状とした導光体931A(図12A参照)や、基端側を四角柱形状とし、先端側を四角錐台形状とした導光体931B(図12B参照)や、基端側を大面とし、先端側を小面とした四角錐台形状の導光体931C(図12C参照)や、四角柱形状の導光体931D(図12D参照)とすることも可能である。
【0087】
また、図13に示すように、導光体231は、ベース部材132側に位置する基端側(図13A中、下端側)の端面が、発光表示体110の1つの発光画素111の発光表面(図13A中、上面)と等しい面積比率で対向していると好ましい。なお、図13A中、111rは、1つの赤色(R)の発光素子、111bは、1つの青色(B)の発光素子111b、111gは、1つの緑色(G)の発光素子である。
【0088】
例えば、導光体231の前記端面の面積が、1つの発光画素111の発光表面の面積と等しい(1倍)場合、図13Bに示すように、すべての導光体231の基端面(下端面)が1つの発光画素111の発光表面(上面)の全域を覆うようになるので(図13B中、α)、すべての色を同一の導光体231から出射させることができ、明度の低下を大きく抑制することができると共に、モアレの発生を大きく抑制することができる。
【0089】
くわえて、導光体231の基端面(下端面)が発光表示体110の1つの発光画素111の発光表面(上面)に対してずれてしまったとしても(図13B中、β)、1つ発光画素111の発光表面(上面)を覆う面積に相違を生じることがないので、ずれていない場合とまったく同様に作用することができる。
【0090】
これは、例えば、導光体231の基端面(下端面)の面積が、1つの発光画素111の発光表面(上面)の面積の2倍等の整数倍の場合でも(図13B中、γ,δ)、まったく同様である。また、発光表示体110の形状や発光画素111の配列等によっては、導光体の基端面(下端面)の形状を平行四辺形状(図13B中、ε)とすることも可能である。
【0091】
また、図14に示すように、発光表示体110の表面積が大きく、1つの発光画素111を構成する各発光素子111r,111b,111gの発光表面の面積がそれぞれ大きい場合、導光体231は、ベース部材132側に位置する基端側(図14中、下端側)の端面が、発光表示体110の1つの発光素子、すなわち、1つの赤色(R)の発光素子111r,1つの緑色(G)の発光素子111g,1つの青色(B)の発光素子111bのうちのいずれか1つの発光表面(上面)に対向していると好ましい。
【0092】
すなわち、導光体231の基端面(下端面)が、各発光素子111r,111g,111bの発光表面(上面)に対応することにより、各発光素子111r,111g,111bからの光を対応する導光体231によってすべて出射させることができるので、上述した場合と同様に、明度の低下を大きく抑制することができると共に、モアレの発生を大きく抑制することができる。
【0093】
なお、本発明は、上述した実施形態の場合だけに限らず、例えば、上述した各実施形態の種々の技術的事項を必要に応じて適宜組み合わせることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明に係る表示装置は、被覆シートの清掃頻度を大幅に低減することができ、保守点検等に要する手間を大きく削減することができるので、産業上、極めて有益に利用することができる。
【符号の説明】
【0095】
10 穿孔具
11 ニードル部
12 基台
20 押付板
100 表示装置
110 発光表示体
111 発光画素
111r 赤色(R)の発光素子
111g 緑色(G)の発光素子
111b 青色(B)の発光素子
120 被覆シート
120a 貫通孔
130 導光部材
131 導光体
132 ベース部材
200 表示装置
230 導光部材
231 導光体
231b 突起部
300 表示装置
330 導光部材
332 ベース部材
332a スリット
400 表示装置
430 導光部材
432 ベース部材
500 表示装置
530 導光部材
531 導光体
531a フランジ部
531b 突起部
532 ベース部材
533 ルーバフィルム
600 表示装置
630 導光部材
631 導光体
631b 突起部
700 表示装置
740 カバー層
834 光反射層
931A,931B,931C,931D 導光体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図12
図13
図14