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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】後処理システム及び画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B65H 43/08 20060101AFI20240814BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20240814BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240814BHJP
   B65H 37/06 20060101ALI20240814BHJP
   B65H 45/12 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
B65H43/08
B41J29/00 H
B41J29/38 206
B65H37/06
B65H45/12
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020120285
(22)【出願日】2020-07-14
(65)【公開番号】P2022017634
(43)【公開日】2022-01-26
【審査請求日】2023-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大塚 勝
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-334989(JP,A)
【文献】特開2001-220032(JP,A)
【文献】特開2012-171785(JP,A)
【文献】特開平10-250933(JP,A)
【文献】特開2005-112523(JP,A)
【文献】特開2021-150679(JP,A)
【文献】特開平06-040021(JP,A)
【文献】特開2014-141330(JP,A)
【文献】特開2018-189728(JP,A)
【文献】特開2005-306585(JP,A)
【文献】特開2013-010581(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 7/00- 7/20
B65H 43/00-43/08
B41J 29/00
B41J 29/38
B65H 37/06
B65H 45/00-45/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に折り処理を施す折り部と、
前記折り処理後の前記用紙を読み取って読取画像を取得する画像読取部と、
前記読取画像に基づいて、折りずれを検出する制御部と、
を備え
前記画像読取部は、前記折り処理後の前記用紙の両面の読取画像を取得可能であり、
前記制御部は、前記折り処理後の前記用紙の両面の読取画像に基づいて、折りずれを検出する後処理システム。
【請求項2】
用紙に折り処理を施す折り部と、
前記折り処理後の前記用紙を読み取って読取画像を取得する画像読取部と、
前記読取画像に基づいて、折りずれを検出する制御部と、
を備え
前記制御部は、前記読取画像における、前記折り部により実施された折りの種類と前記用紙の用紙サイズに応じて予め定められた矩形領域の辺に平行な、前記用紙の用紙サイズに応じて予め定められた長さ以上の直線部分を前記用紙の用紙面上に重なる用紙エッジとして検出し、前記折り部により実施された折りの種類に対して予め設定された正常時の用紙面上の用紙エッジの数よりも、前記検出した前記用紙面上に重なる用紙エッジの数が多い場合に、平行な折りずれが検出されたと判定する後処理システム。
【請求項3】
用紙に折り処理を施す折り部と、
前記折り処理後の前記用紙を読み取って読取画像を取得する画像読取部と、
前記読取画像に基づいて、折りずれを検出する制御部と、
を備え
前記折り部として、前記用紙に対して2回の折り処理を実施し、前記用紙に1回目の折り処理を実施する第1の折り部と、前記用紙に2回目の折り処理を実施する第2の折り部を有し、
前記画像読取部は、前記1回目の折り処理を実施した前記用紙を読み取って読取画像を取得する第1の画像読取部と、前記2回目の折り処理を実施した前記用紙を読み取って読取画像を取得する第2の画像読取部とを備え、
前記制御部は、前記第1の画像読取部により取得された読取画像に基づき前記1回目の折り処理に対する折りずれを検出した場合には、前記2回目の折り処理を実施しないように制御する後処理システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記読取画像において、前記折り部により実施された折りの種類と前記用紙の用紙サイズに応じて予め定められた矩形領域の外に直線部分を検出した場合に、斜めの折りずれが検出されたと判定する請求項1~3のいずれか一項に記載の後処理システム。
【請求項5】
前記折りの種類は、中折り、内三つ折り、外三つ折り、ダブルパラレル、Z折り、又は観音折りである請求項2又は4に記載の後処理システム。
【請求項6】
前記折りずれを検出した後、折り位置の自動調整機能を実行するか否かを選択するための選択部を備える請求項1~のいずれか一項に記載の後処理システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記折りずれが検出された用紙をヤレ紙として排出するよう制御する請求項1~のいずれか一項に記載の後処理システム。
【請求項8】
用紙に画像を形成する画像形成装置と、
請求項1~のいずれか一項に記載の後処理システムを備え、
前記画像形成装置の用紙搬送方向下流に、前記折り部と前記画像読取部が配置され、前記画像形成装置により画像形成された用紙に前記折り部により折り処理が施される、画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、後処理システム及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成された用紙に折り処理を施す後処理システムにおいて、折りずれが発生した場合、ユーザー又はサービスマンが目視で出力物のずれ量を判断し、調整(数値の変更)を実施している。しかし、1回の調整操作で最適な結果が得られない場合もあり、手間がかかり、生産性の低下、資源の無駄が発生していた。
【0003】
そこで、例えば、特許文献1には、Z折り機能の折りずれを検出する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-141330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の技術では、図15に示すように、複数のセンサー(SE1、SE2)が折り処理済みの用紙を検出するタイミングがずれていれば斜めずれを検出することができるが、例えば、図16に示すように、折り位置が斜めになって用紙エッジが用紙面上に重なるパターンや、図17に示すように、折り位置が搬送方向に平行にずれたまま用紙エッジが用紙面上に重なるパターンのように、複数のセンサーの用紙の検出タイミングが同一となった場合は折りずれを検出することができない。
【0006】
本発明の課題は、折り処理後の折りずれを、折りずれの状態に拘わらず正確に検出できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の後処理システムは、
用紙に折り処理を施す折り部と、
前記折り処理後の前記用紙を読み取って読取画像を取得する画像読取部と、
前記読取画像に基づいて、折りずれを検出する制御部と、
を備え
前記画像読取部は、前記折り処理後の前記用紙の両面の読取画像を取得可能であり、
前記制御部は、前記折り処理後の前記用紙の両面の読取画像に基づいて、折りずれを検出する。
【0008】
請求項2に記載の発明の後処理システム
用紙に折り処理を施す折り部と、
前記折り処理後の前記用紙を読み取って読取画像を取得する画像読取部と、
前記読取画像に基づいて、折りずれを検出する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記読取画像における、前記折り部により実施された折りの種類と前記用紙の用紙サイズに応じて予め定められた矩形領域の辺に平行な、前記用紙の用紙サイズに応じて予め定められた長さ以上の直線部分を前記用紙の用紙面上に重なる用紙エッジとして検出し、前記折り部により実施された折りの種類に対して予め設定された正常時の用紙面上の用紙エッジの数よりも、前記検出した前記用紙面上に重なる用紙エッジの数が多い場合に、平行な折りずれが検出されたと判定する。
【0009】
請求項3に記載の発明の後処理システム
用紙に折り処理を施す折り部と、
前記折り処理後の前記用紙を読み取って読取画像を取得する画像読取部と、
前記読取画像に基づいて、折りずれを検出する制御部と、
を備え、
前記折り部として、前記用紙に対して2回の折り処理を実施し、前記用紙に1回目の折り処理を実施する第1の折り部と、前記用紙に2回目の折り処理を実施する第2の折り部を有し、
前記画像読取部は、前記1回目の折り処理を実施した前記用紙を読み取って読取画像を取得する第1の画像読取部と、前記2回目の折り処理を実施した前記用紙を読み取って読取画像を取得する第2の画像読取部とを備え、
前記制御部は、前記第1の画像読取部により取得された読取画像に基づき前記1回目の折り処理に対する折りずれを検出した場合には、前記2回目の折り処理を実施しないように制御する
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1~3のいずれか一項に記載の発明において、
前記制御部は、前記読取画像において、前記折り部により実施された折りの種類と前記用紙の用紙サイズに応じて予め定められた矩形領域の外に直線部分を検出した場合に、斜めの折りずれが検出されたと判定する。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項2又は4に記載の発明において、
前記折りの種類は、中折り、内三つ折り、外三つ折り、ダブルパラレル、Z折り、又は観音折りである。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1~5のいずれか一項に記載の発明において、
前記折りずれを検出した後、折り位置の自動調整機能を実行するか否かを選択するための選択部を備える。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1~6のいずれか一項に記載の発明において、
前記制御部は、前記折りずれが検出された用紙をヤレ紙として排出するよう制御する。
【0014】
請求項8に記載の発明の画像形成システム
用紙に画像を形成する画像形成装置と、
請求項1~7のいずれか一項に記載の後処理システムを備え、
前記画像形成装置の用紙搬送方向下流に、前記折り部と前記画像読取部が配置され、前記画像形成装置により画像形成された用紙に前記折り部により折り処理が施される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、折り処理後の折りずれを、折りずれの状態に拘わらず正確に検出できるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1の実施形態における画像形成システムの概略構成を示す図である。
図2】第1の実施形態における画像形成システムの機能的構成を示すブロック図である。
図3】折りの種類ごとの正常時の用紙面上の用紙エッジの数を示す図である。
図4】折り処理制御処理Aの流れを示すフローチャートである。
図5】(a)は、折りずれが発生することなく正常にZ折りが終了した用紙を第1読取部により読み取ることにより取得された読取画像の一例を示す図、(b)は、折りずれが発生することなく正常にZ折りが終了した用紙の断面を示す図である。
図6】Z折りをした際に斜めずれが発生した用紙を第1読取部により読み取ることにより取得された読取画像の一例を示す図である。
図7】(a)は、折りずれが発生することなく正常に外三つ折りが終了した用紙を第1読取部により読み取ることにより取得された読取画像の一例を示す図、(b)は、折りずれが発生することなく正常に外三つ折りが終了した用紙の断面を示す図である。
図8】外三つ折りをした際に斜めずれが発生した用紙を第1読取部により読み取ることにより取得された読取画像の一例を示す図である。
図9】(a)は、Z折りをした際に平行ずれが発生した用紙を第1読取部により読み取ることにより取得された読取画像の一例を示す図、(b)は、Z折りをした際に平行ずれが発生した用紙の断面を示す図である。
図10】(a)は、外三つ折りをした際に平行ずれが発生した用紙を第1読取部により読み取ることにより取得された読取画像の一例を示す図、(b)は、Z折りをした際に平行ずれが発生した用紙の断面を示す図である。
図11】第2の実施形態における画像形成システム200の概略構成を示す図である。
図12】第2の実施形態おける画像形成システム200の機能的構成を示すブロック図である。
図13】折り処理制御処理Bの流れを示すフローチャートである。
図14】2回の折り処理によって外三つ折りを実施する様子を上方からみた模式図である。
図15】従来技術の折りずれ検出を説明するための図である。
図16】従来技術の折りずれ検出を説明するための図である。
図17】従来技術の折りずれ検出を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
【0021】
<第1の実施形態>
(画像形成システム100の構成)
まず、第1の実施形態の構成について説明する。
図1は、本実施形態における画像形成システム100の概略構成を示す図である。図2に、画像形成システム100の機能的構成を示すブロック図である。
図1、2に示すように、画像形成システム100は、画像形成装置1と、後処理システム2とを備えて構成されている。
【0022】
画像形成装置1は、入力された画像データに基づいて用紙に画像を形成する。画像形成装置1は、図2に示すように、制御部11、操作表示部12、記憶部13、通信部14、画像形成部15、給紙部16等を備えて構成されている。
【0023】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備えて構成される。制御部11のCPUは、ROMに記憶されているプログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムに従って画像形成装置1の各部を統括制御する。
例えば、通信部14を介してPC(Personal Computer)等の外部装置から折り処理を含む印刷ジョブ(以下、ジョブ)が入力されると、制御部11は、後述する折り処理制御処理Aを実行する。
【0024】
操作表示部12は、操作部と表示部により構成される。操作部は、操作キーや表示部の画面に重ねられて配置されたタッチパネル等の入力デバイスを備え、これらの入力デバイスに対する入力操作を操作信号に変換して制御部11に出力する。表示部は、LCD(Liquid crystal display)等を備え、画像形成装置1及び後処理システム2の状態や、タッチパネルへの入力操作の内容を示す操作画面等を表示する。
【0025】
記憶部13は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、HDD(Hard Disc Drive)等で構成され、外部から入力されたジョブの画像データやジョブの設定情報等が記憶される。ここで、ジョブの設定情報には、ジョブで使用される用紙種類や用紙サイズ、片面/両面印刷等の画像形成条件の他、ジョブで実行する後処理に関する情報、例えば、折り処理を実施するページや折りの種類の情報等が含まれる。
また、記憶部13には、折りの種類ごとに、正常に折り処理した場合に用紙面上に重なる用紙エッジの数(図3参照。用紙の上面側と下面側の用紙エッジの数。)が記憶されている。また、記憶部13には、折りの種類及び用紙サイズの組み合わせごとに予め定められた矩形領域(正常な折り処理後の用紙領域に相当する領域)の情報(サイズ及び位置)が記憶されている。また、記憶部13には、用紙サイズごとの画像形成領域の縦横の幅が記憶されている。また、記憶部13には、各種調整値が記憶されている。
ここで、用紙エッジとは、用紙端部又は折りによって用紙端となっている箇所(用紙折り部と呼ぶ)を指す。
【0026】
なお、本実施形態では、図3に示すように、正常なZ折りの際に用紙上面の用紙エッジが1となる場合を例として説明するが、用紙下面の用紙エッジが1となる構成であってもよい。
【0027】
通信部14は、NIC(Network interface card)又はシリアルインターフェース等により構成され、外部のPCや後処理システム2の各装置などとの間でデータの送受信を行う。
【0028】
画像形成部15は、制御部11の制御に従って、記憶部13に記憶されたジョブの画像データに基づき、用紙に画像を形成する。画像形成部15の画像形成方式としては、電子写真方式やインクジェット方式等の各種の方式を採用することができる。
【0029】
給紙部16は、用紙を格納した給紙トレイを備え、制御部11からの制御に従って用紙を給紙する。
【0030】
後処理システム2は、折り装置3と、画像読取装置4と、排紙装置5とを備えて構成されている。なお、後処理システム2は、さらに他の後処理装置が備えられていてもよい。
【0031】
折り装置3(折り部)は、画像形成装置1から搬送された用紙に折り処理を施す。折り装置3は、図2に示すように、制御部31、通信部32、折り部33等を備えて構成されている。
【0032】
制御部31は、CPU、ROM、RAMを備えて構成される。制御部31のCPUは、ROMに記憶されているプログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムに従って折り装置3の各部を統括制御する。
例えば、制御部31は、通信部32を介して画像形成装置1からジョブの各ページに実施する折りの種類の情報を受信すると、受信した情報に基づいて、画像形成装置1から搬送されてきた用紙に折り部33により折り処理を行い、折り処理済みの用紙を図示しない搬送ローラー等により画像読取装置4に搬送する。
【0033】
通信部32は、NIC又はシリアルインターフェース等により構成され、画像形成装置1や後処理システム2の各装置などとの間でデータの送受信を行う。
【0034】
折り部33は、画像形成装置1から搬送されてきた用紙に折り処理を施すものである。本実施形態において、折り部33は、搬送されてきた用紙に対し、図3に示す中折り、内三つ折り、外三つ折り、ダブルパラレル、Z折り、又は観音折りを行う。
【0035】
画像読取装置4(画像読取部)は、折り装置3から搬送されてきた折り処理済みの用紙を読み取り、得られた読取画像を画像形成装置1に送信する。画像読取装置4は、図2に示すように、制御部41、通信部42、第1読取部43、第2読取部44等を備えて構成されている。
【0036】
制御部41は、CPU、ROM、RAMを備えて構成される。制御部41のCPUは、ROMに記憶されているプログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムに従って画像読取装置4の各部を統括制御する。
例えば、制御部41は、折り装置3から搬送されてきた折り処理済みの用紙を第1読取部43及び第2読取部44により読み取らせ、得られた読取画像のデータを通信部42を介して画像形成装置1に送信するとともに、読み取り済みの用紙を図示しない搬送ローラー等により排紙装置5に搬送する。
【0037】
通信部42は、NIC又はシリアルインターフェース等により構成され、画像形成装置1や後処理システム2の各装置などとの間でデータの送受信を行う。
【0038】
第1読取部43は、搬送されてきた用紙の上側の面を読み取る。第2読取部44は、搬送されてきた用紙の下側の面を読み取る。第1読取部43及び第2読取部44は、リニアイメージセンサー(例えばCCDラインセンサー等)、光学系、光源等を備えて構成され、折り装置3から搬送された用紙を読み取って、得られた読取画像を制御部41に出力する。なお、第1読取部43及び第2読取部44の読取可能な範囲は、用紙サイズより大きい。
【0039】
排紙装置5は、制御部51、通信部52、第1トレイ53、第2トレイ54、図示しない搬送ローラー等を備える。排紙装置5は、画像読取装置4から搬送されてきた用紙を、制御部11からの制御に従って第1トレイ53又は第2トレイ54に排紙する。
【0040】
(画像形成システム100の動作)
次に、画像形成システム100の動作について説明する。
図4は、通信部14により折り処理を含むジョブの画像データ及び設定情報が受信された際に制御部11により実行される、折り処理制御処理Aの流れを示すフローチャートである。図4の折り処理制御処理Aは、制御部11のCPUとROMに記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0041】
まず、制御部11は、給紙部16により用紙を搬送し、ジョブの画像データに基づいて用紙に画像を形成させる(ステップS1)。
【0042】
次いで、制御部11は、折り装置3により、画像形成済みの用紙に対しジョブで指定された種類の折り処理を実行させる(ステップS2)。
折り装置3では、通信部32を介して受信される制御部11からの制御信号に基づいて、制御部31は、搬送されてきた用紙に対し、指定された種類の折り処理を折り部33により実施させる。
【0043】
次いで、制御部11は、折り処理済みの用紙を画像読取装置4により読み取らせ、読取画像を取得する(ステップS3)。
画像読取装置4では、通信部42を介して受信される制御部11からの制御信号に基づいて、制御部41は、搬送されてきた用紙を第1読取部43及び第2読取部44に読み取らせ、得られた読取画像のデータを通信部42により制御部11に送信する。
【0044】
次いで、制御部11は、取得した読取画像からエッジ検出を行う(ステップS4)。
【0045】
次いで、制御部11は、検出したエッジに基づいて、実施された折りの種類及び用紙サイズの組み合わせに対して予め定められた矩形領域の外に直線部分が検出されたか否かを判断する(ステップS5)。
予め定められた矩形領域は、折りの種類及び用紙サイズの組み合わせごとの正常な折り処理後の用紙領域に相当する領域であり、記憶部13に記憶されている。
予め定められた矩形領域の外に直線部分が検出されたと判断した場合(ステップS5;YES)、制御部11は、斜めの折りずれが検出されたと判定し(ステップS6)、ステップS10に移行する。
【0046】
図5(a)は、折りずれが発生することなく正常にZ折りが終了した用紙を第1読取部43により読み取ることにより取得された読取画像の一例を示す図、図5(b)は、折りずれが発生することなく正常にZ折りが終了した用紙の断面を示す図である。なお、図5(a)、(b)には、寸法を併記している。また、図5(a)、(b)においては、読取画像の背景や外枠の図示は省略している。
【0047】
図6は、Z折りをした際に斜めずれが発生した用紙を第1読取部43により読み取ることにより取得された読取画像の一例を示す図である。図6においては、読取画像の背景や外枠の図示は省略している。
Z折りを行った場合、図5(a)に示す実線の長方形の領域が用紙領域であり、上述の矩形領域と一致しているが、図6の読取画像においては、上述の矩形領域(すなわち、用紙領域)の外にL1、L2で示す直線部分が検出されている。このように、第1読取部43又は第2読取部44の少なくとも一方による読取画像において、予め定められた矩形領域の外に直線部分が検出された場合、制御部11は、斜めずれが検出されたと判定する。
【0048】
図7(a)は、折りずれが発生することなく正常に外三つ折りが終了した用紙を第1読取部43により読み取ることにより取得された読取画像の一例を示す図、図7(b)は、折りずれが発生することなく正常に外三つ折りが終了した用紙の断面を示す図である。なお、図7(a)、(b)には、寸法を併記している。また、図7(a)、(b)においては、読取画像の背景や外枠の図示は省略している。
【0049】
図8は、外三つ折りをした際に斜めずれが発生した用紙を第1読取部43により読み取ることにより取得された読取画像の一例を示す図である。図8においては、読取画像の背景や外枠の図示は省略している。
外三つ折り処理を行った場合、図7(a)に示す実線の長方形の領域が用紙領域であり、上述の矩形領域と一致しているが、図8の読取画像においては、上述の矩形領域(すなわち、用紙領域)の領域外にL3~L5で示す直線部分が検出されている。このように、第1読取部43又は第2読取部44の少なくとも一方による読取画像において、予め定められた矩形領域の外に直線部分が検出された場合、制御部11は、斜めずれが検出されたと判定する。
なお、中折り、内三つ折り、ダブルパラレル、観音折りについても同様に、第1読取部43又は第2読取部44の少なくとも一方による読取画像において、予め定められた矩形領域の外に直線部分が検出された場合、制御部11は、斜めずれが検出されたと判定する。
【0050】
一方、読取画像において、実施された折りの種類及び用紙サイズの組み合わせに対して予め定められた矩形領域の外に直線部分が検出されていないと判断した場合(ステップS5;NO)、制御部11は、ステップS4で検出したエッジに基づいて、読取画像において、折りの種類及び用紙サイズの組み合わせに応じて予め定められた矩形領域の辺に平行で所定長さより長い直線部分が検出されたか否かを判断する(ステップS7)。
【0051】
ここで、読取画像には、用紙エッジが直線部分として検出される他、用紙上に形成された画像においても直線部分が含まれる場合がある。ただし、用紙上で画像形成可能な領域は用紙サイズごとに決まっており、画像形成可能な領域の周囲には余白が設けられているため、画像形成可能な領域の辺に平行(すなわち、上述の矩形領域の辺に平行)でその幅よりも長い直線(所定長さより長い直線)は、画像として形成された直線ではなく、用紙エッジと判断することができる。
【0052】
予め定められた矩形領域の辺に平行で所定長さより長い直線部分が検出されたと判断した場合(ステップS7;YES)、制御部11は、折りの種類に応じて予め設定されている正常時の用紙面上の用紙エッジの数(図3参照)よりもステップS7で検出した直線部分の数の方が多いか否かを判断する(ステップS8)。
【0053】
折りの種類に応じて予め設定されている正常時の用紙面上の用紙エッジの数よりもステップS7で検出した直線部分の数の方が多いと判断した場合(ステップS8;YES)、制御部11は、用紙端部に平行な折りずれ(平行ずれ)が検出されたと判定し(ステップS9)、ステップS10に移行する。
【0054】
図9(a)は、Z折りをした際に平行ずれが発生した用紙を第1読取部43により読み取ることにより取得された読取画像の一例を示す図である。図9(b)は、Z折りをした際に平行ずれが発生した用紙の断面を示す図である。なお、図9(a)、(b)には、寸法を併記している。また、図9(a)、(b)においては、読取画像の背景や外枠の図示は省略している。
平行ずれがない場合の読取画像及び寸法は図5(a)、(b)に示すとおりであり、図9(a)、(b)では、用紙先端が1cm用紙後端側にずれている。
【0055】
図9(a)に示すように、Z折り時に平行ずれが発生した用紙の第1読取部43による読取画像においては、上述の予め定められた矩形領域(図5(a)参照)の辺に平行で所定長さ(画像形成可能領域幅)より長い直線部分の数(2)が、正常にZ折りが行われた場合の用紙面上の用紙エッジの数(1。図3参照。)よりも多くなる。このように、制御部11は、第1読取部43又は第2読取部44の少なくとも一方による読取画像において、予め定められた矩形領域の辺(図5(a)参照)に平行で所定長さ(画像形成可能領域幅)より長い直線部分の数が、正常にZ折りが行われた場合の用紙面上の用紙エッジの数よりも多い場合、制御部11は、平行ずれが検出されたと判定する。
【0056】
図10(a)は、外三つ折りをした際に平行ずれが発生した用紙を第1読取部43により読み取ることにより取得された読取画像の一例を示す図である。図10(b)は、外三つ折りをした際に平行ずれが発生した用紙の断面を示す図である。なお、図10(a)、(b)には、寸法を併記している。また、図10(a)、(b)においては、読取画像の背景や外枠の図示は省略している。
平行ずれがない場合の読取画像及び寸法は図7(a)、(b)に示すとおりであり、図10(a)では、用紙先端が1cm用紙後端側にずれており、用紙折り部が1cm先端側にずれている。
【0057】
図10(a)に示すように、外三つ折り時に平行ずれが発生した用紙の第1読取部43による読取画像においては、上述の予め定められた矩形領域(図7(a)参照)の辺に平行で所定長さ(画像形成可能領域幅)より長い直線部分の数(2)が、正常に外三つ折りが行われた場合の用紙面上の用紙エッジの数(0。図3参照。)よりも多くなる。このように、制御部11は、第1読取部43又は第2読取部44の少なくとも一方による読取画像において、予め設定された矩形領域の辺(図7(a)参照)に平行で所定長さ(画像形成可能領域幅)より長い直線部分の数が、正常に外三つ折りが行われた場合の用紙面上の用紙エッジの数よりも多い場合、制御部11は、平行ずれが検出されたと判定する。
なお、中折り、内三つ折り、ダブルパラレル、観音折りについても同様に、第1読取部43又は第2読取部44の少なくとも一方による読取画像において、予め定められた矩形領域の辺(図7(a)参照)に平行で所定長さ(画像形成可能領域幅)より長い直線部分の数が、正常に折り処理が行われた場合の用紙面上の用紙エッジの数よりも多い場合、制御部11は、平行ずれが検出されたと判定する。
【0058】
ステップS10において、制御部11は、折りずれが検出された用紙をヤレ紙として排紙装置5により第2トレイ54に排出させる(ステップS10)。
これにより、折りずれが検出されたヤレ紙を出力物(成果物)と区別することが容易となる。
【0059】
次いで、制御部11は、折り位置の自動調整機能の実行が選択されているか否かを判断する(ステップS11)。
ここで、折りずれが検出された際に折り位置の自動調整機能を実行するか否かは、操作表示部12によりユーザーが選択できるようになっている。
【0060】
折り位置の自動調整機能の実行が選択されていないと判断した場合(ステップS11;NO)、制御部11は、ステップS14に移行する。
折り位置の自動調整機能の実行が選択されたと判断した場合(ステップS11;YES)、制御部11は、折り位置の自動調整機能を実行する(ステップS12)。
例えば、制御部11は、斜めずれが発生していると判定した場合、読取画像に基づいて予め定められた矩形領域からの斜めずれによる突出量(用紙搬送方向と直交する方向の突出量)を計測し、計測結果に基づいて、折り装置3に備えられている用紙を揃えるための整合板(図示せず)の押し込み量を調整する。
また、例えば、制御部11は、平行ずれが生じていると判定した場合、読取画像に基づいて各折りが実施された用紙搬送方向の位置を検出し、各折りが実施された位置の検出結果に基づいて、各折りを実施する位置を調整する。
これにより、ユーザーが目視で折りずれ量を判断して調整する手間を省くことができる。
【0061】
一方、ステップS7において、予め定められた矩形領域に平行で所定長さより長い直線部分が検出されていないと判断した場合(ステップS7;NO)、又は、ステップS8において、ステップS7で検出した直線部分の数が折りの種類に応じて予め設定されている正常時の用紙面上の用紙エッジの数以下であると判断した場合(ステップS8;NO)、制御部11は、折り処理済みの用紙を排紙装置5により出力物(成果物)として第1トレイ53に排出させ(ステップS13)、ステップS14に移行する。
【0062】
ステップS14において、制御部11は、ジョブが完了したか否かを判断する(ステップS14)。
ジョブが完了していないと判断した場合(ステップS14;NO)、制御部11は、ステップS1に戻る。
ジョブが完了したと判断した場合(ステップS14;YES)、制御部11は、折り処理制御処理Aを終了する。
【0063】
なお、ステップS2~S10、13の処理は、1枚の用紙ごとに限らず、複数枚の用紙ごとに(すなわち、用紙束に対して)行うこととしてもよい。
【0064】
このように、第1の実施形態では、折り処理済みの用紙を読み取った読取画像に基づいて折りずれを検出するので、折りずれの状態に拘わらず、折りずれを正確に検出することができる。また、複数回の折りを含む折り処理の実行後に折り処理された用紙の両面を読み取ることによって、1回の読み取り動作で複数回の折りの中で発生した全ての折りずれを効率的に検出することができる。折りずれを正確に、効率的に検出することにより、ユーザー及びサービスマンの手間がからず生産性が向上し、資源の無駄も防止することが可能となる。
【0065】
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0066】
(画像形成システム200の構成)
まず、第2の実施形態の構成について説明する。
図11は、本実施形態における画像形成システム200の概略構成を示す図である。図12は、画像形成システム200の機能的構成を示すブロック図である。
図11、12に示すように、画像形成システム200は、画像形成装置1と、後処理システム2Aとを備えて構成されている。
【0067】
第2の実施形態において、画像形成装置1の記憶部13には、折りの種類及び用紙サイズごとに予め定められた矩形領域(正常な折り処理後の用紙領域に相当する領域)として、第1回目の折り処理後、第2回目の折り処理後のそれぞれに対応するものが記憶されている。その他の画像形成装置1の構成は、第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を援用し、後処理システム2Aの構成について説明する。
【0068】
図11図12に示すように、後処理システム2Aは、第1の折り装置3A(第1の折り部)と、第1の画像読取装置4A(第1の画像読取部)と、第2の折り装置3B(第2の折り部)と、第2の画像読取装置4B(第2の画像読取部)と、排紙装置5と、を備えて構成されている。後処理システム2Aでは、2回の折り処理で完成する折り(例えば、外三つ折り、内三つ折り、Z折り等)のうち1回目の折り処理を第1の折り装置3Aで実施し、1回目の折り処理後の用紙を第1の画像読取装置4Aで読み取る。その後、1回目の折り処理が終了した用紙に対して第2の折り装置3Bで2回目の折り処理を実施し、2回目の折り処理後の用紙を第2の画像読取装置4Bで読み取る。
【0069】
第1の折り装置3Aは、制御部31A、通信部32A、折り部33Aを備えて構成され、各部はバスを介して接続されている。
【0070】
制御部31Aは、CPU、ROM、RAMを備えて構成される。制御部31AのCPUは、ROMに記憶されているプログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムに従って第1の折り装置3Aの各部を統括制御する。
例えば、制御部31Aは、通信部32Aを介して画像形成装置1からジョブの各ページに実施する折りの種類の情報を受信すると、受信した情報に基づいて、画像形成装置1から搬送されてきた用紙に対して折り部33Aにより1回目の折り処理を行わせ、折り処理済みの用紙を図示しない搬送ローラー等により第1の画像読取装置4Aに搬送させる。
【0071】
通信部32Aは、NIC又はシリアルインターフェース等により構成され、画像形成装置1や後処理システム2Aの各装置などとの間でデータの送受信を行う。
【0072】
折り部33Aは、画像形成装置1から搬送されてきた用紙に折り処理を施すものである。本実施形態において、折り部33Aは、搬送されてきた用紙に対し、内三つ折り、外三つ折り、Z折り等の2回の折り処理で完成する折りについての1回目の折り処理を行う。
【0073】
第1の画像読取装置4Aは、第1の折り装置3Aから搬送されてきた1回目の折り処理済みの用紙を読み取り、得られた読取画像を画像形成装置1に送信する。第1の画像読取装置4Aは、図12に示すように、制御部41A、通信部42A、第1読取部43A、第2読取部44A等を備えて構成されている。
【0074】
制御部41Aは、CPU、ROM、RAMを備えて構成される。制御部41AのCPUは、ROMに記憶されているプログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムに従って第1の画像読取装置4Aの各部を統括制御する。
例えば、制御部41Aは、第1の折り装置3Aから搬送されてきた第1回目の折り処理済みの用紙を第1読取部43A及び第2読取部44Aにより読み取らせ、得られた読取画像のデータを通信部42Aを介して画像形成装置1に送信するとともに、読み取り済みの用紙を図示しない搬送ローラー等により第2の折り装置3Bに搬送する。
【0075】
通信部42Aは、NIC又はシリアルインターフェース等により構成され、画像形成装置1や後処理システム2Aの各装置などとの間でデータの送受信を行う。
【0076】
第1読取部43Aは、搬送されてきた用紙の上側の面を読み取る。第2読取部44Aは、搬送されてきた用紙の下側の面を読み取る。第1読取部43A及び第2読取部44Aは、リニアイメージセンサー(例えばCCDラインセンサー等)、光学系、光源等を備えて構成され、第1の折り装置3Aから搬送された用紙を読み取って、得られた読取画像を制御部41Aに出力する。なお、第1読取部43A及び第2読取部44Aの読取可能な範囲は、用紙サイズより大きい。
【0077】
第2の折り装置3Bは、制御部31B、通信部32B、折り部33Bを備えて構成され、各部はバスを介して接続されている。
【0078】
制御部31Bは、CPU、ROM、RAMを備えて構成される。制御部31BのCPUは、ROMに記憶されているプログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムに従って第2の折り装置3Bの各部を統括制御する。
例えば、制御部31Bは、通信部32Bを介して画像形成装置1からジョブの各ページに実施する折りの種類の情報を受信すると、受信した情報に基づいて、第1の画像読取装置4Aから搬送されてきた用紙に対して折り部33Bにより2回目の折り処理を行わせ、折り処理済みの用紙を図示しない搬送ローラー等により第2の画像読取装置4Bに搬送させる。
【0079】
通信部32Bは、NIC又はシリアルインターフェース等により構成され、画像形成装置1や後処理システム2Aの各装置などとの間でデータの送受信を行う。
【0080】
折り部33Bは、第1の画像読取装置4Aから搬送されてきた用紙に折り処理を施すものである。本実施形態において、折り部33Bは、搬送されてきた用紙に対し、内三つ折り、外三つ折り、Z折り等の2回の折り処理で完成する折りについての2回目の折り処理を行う。
【0081】
第2の画像読取装置4Bは、第2の折り装置3Bから搬送されてきた2回目の折り処理済みの用紙を読み取り、得られた読取画像を画像形成装置1に送信する。第2の画像読取装置4Bは、図2に示すように、制御部41B、通信部42B、第1読取部43B、第2読取部44B等を備えて構成されている。
【0082】
制御部41Bは、CPU、ROM、RAMを備えて構成される。制御部41BのCPUは、ROMに記憶されているプログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムに従って第2の画像読取装置4Bの各部を統括制御する。
例えば、制御部41Bは、第2の折り装置3Bから搬送されてきた第2回目の折り処理済みの用紙を第1読取部43B及び第2読取部44Bにより読み取らせ、得られた読取画像のデータを通信部42Bを介して画像形成装置1に送信するとともに、読み取り済みの用紙を図示しない搬送ローラー等により排紙装置5に搬送する。
【0083】
通信部42Bは、NIC又はシリアルインターフェース等により構成され、画像形成装置1や後処理システム2Aの各装置などとの間でデータの送受信を行う。
【0084】
第1読取部43Bは、搬送されてきた用紙の上側の面を読み取る。第2読取部44Bは、搬送されてきた用紙の下側の面を読み取る。第1読取部43B及び第2読取部44Bは、リニアイメージセンサー(例えばCCDラインセンサー等)、光学系、光源等を備えて構成され、第2の折り装置3Bから搬送された用紙を読み取って、得られた読取画像を制御部41Bに出力する。なお、第1読取部43B及び第2読取部44Bの読取可能な範囲は、用紙サイズより大きい。
【0085】
排紙装置5は、第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を援用する。
【0086】
(画像形成システム200の動作)
次に、画像形成システム200の動作について説明する。
図13は、通信部14により折り処理を含むジョブの画像データ及び設定情報が受信された際に制御部11により実行される、折り処理制御処理Bの流れを示すフローチャートである。図13の折り処理制御処理Bは、制御部11のCPUとROMに記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0087】
まず、制御部11は、給紙部16により用紙を搬送し、ジョブの画像データに基づいて用紙に画像を形成させる(ステップS21)。
【0088】
次いで、制御部11は、第1の折り装置3Aにより、画像形成済みの用紙に対しジョブで指定された種類の折りの1回目の折り処理を実行させる(ステップS22)。
第1の折り装置3Aでは、通信部32Aを介して受信される制御部11からの制御信号に基づいて、制御部31Aは、搬送されてきた用紙に対し、指定された種類の折り処理の1回目の折りを折り部33Aにより実施させる。
【0089】
次いで、制御部11は、1回目の折り処理済みの用紙を第1の画像読取装置4Aにより読み取らせ、読取画像を取得する(ステップS23)。
第1の画像読取装置4Aでは、通信部42Aを介して受信される制御部11からの制御信号に基づいて、制御部41Aは、搬送されてきた用紙を第1読取部43A及び第2読取部44Aに読み取らせ、得られた読取画像のデータを通信部42Aにより制御部11に送信する。
【0090】
次いで、制御部11は、取得した読取画像からエッジ検出を行う(ステップS24)。
【0091】
次いで、制御部11は、検出したエッジに基づいて、折りずれが検出されたか否かを判定する(ステップS25)。
ステップS25において、制御部11は、例えば、図4のステップS5で説明したように、実施された折りの種類及び用紙サイズの組み合わせに対して予め定められた矩形領域(ここでは、正常な1回目の折り処理後の用紙領域に相当する領域)の外に直線部分が検出されたか否かを判断する。予め定められた矩形領域の外に直線部分が検出されたと判断した場合、制御部11は、斜めの折りずれが検出されたと判定する。
予め定められた矩形領域の外に直線部分が検出されていないと判断した場合、例えば、制御部11は、読取画像中に、予め定められた矩形領域と同じサイズの矩形領域が存在するか否かを判断する。予め定められた矩形領域と同じサイズの矩形領域が存在しないと判断した場合、制御部11は、用紙先端に平行な折りずれが検出されたと判定する。予め定められた矩形領域と同じサイズの矩形領域が存在すると判断した場合、制御部11は、折りずれは検出されていないと判定する。
【0092】
折りずれが検出されたと判定した場合(ステップS25;YES)、制御部11は、第2の折り装置3Bに対し、2回目の折り処理を実行せずに、折りずれが検出されたと判定された用紙を第2の画像読取装置4Bに向けて搬送させるとともに、第2の画像読取装置4Bに対し、読み取りを行わずに当該用紙を排紙装置5に向けて搬送させ(ステップS26)、ステップS31に移行する。
【0093】
一方、ステップS25において、折りずれが検出されていないと判定した場合(ステップS25;YES)、制御部11は、第2の折り装置3Bにより、1回目の折り処理済みの用紙に対しジョブで指定された種類の折りの2回目の折り処理を実行させる(ステップS27)。
第2の折り装置3Bでは、通信部32Bを介して受信される制御部11からの制御信号に基づいて、制御部31Bは、搬送されてきた用紙に対し、指定された種類の折りの2回目の折り処理を折り部33Bにより実施させる。
【0094】
次いで、制御部11は、2回目の折り処理済みの用紙を第2の画像読取装置4Bにより読み取らせ、読取画像を取得する(ステップS28)。
第2の画像読取装置4Bでは、通信部42Bを介して受信される制御部11からの制御信号に基づいて、制御部41Bは、搬送されてきた用紙を第1読取部43B及び第2読取部44Bに読み取らせ、得られた読取画像のデータを通信部42Bにより制御部11に送信する。
【0095】
次いで、制御部11は、取得した読取画像からエッジ検出を行う(ステップS29)。
【0096】
次いで、制御部11は、検出したエッジに基づいて、折りずれが検出されたか否かを判定する(ステップS30)。
ステップS30では、例えば、第1の実施形態で説明した、図4のステップS5~9の処理を実行し、斜めずれ又は平行ずれが検出された場合、折りずれが検出されたと判定する。
【0097】
折りずれが検出されたと判定した場合(ステップS30;YES)、制御部11は、ステップS31に移行する。
【0098】
ステップS31において、制御部11は、折りずれが検出された用紙をヤレ紙として排紙装置5により第2トレイ54に排出させる(ステップS31)。
これにより、折りずれが検出されたヤレ紙を出力物(成果物)と区別することが容易となる。
【0099】
次いで、制御部11は、折り位置の自動調整機能の実行が選択されているか否かを判断する(ステップS32)。
ここで、折りずれが検出された際に折り位置の自動調整機能を実行するか否かは、操作表示部12によりユーザーが選択できるようになっている。
【0100】
折り位置の自動調整機能の実行が選択されていないと判断した場合(ステップS32;NO)、制御部11は、ステップS35に移行する。
折り位置の自動調整機能の実行が選択されたと判断した場合(ステップS32;YES)、制御部11は、折り位置の自動調整機能を実行し(ステップS33)、ステップS35に移行する。
ステップS33の処理は、ステップS12の処理と同様であるので説明を援用する。
【0101】
一方、ステップS30において、折りずれがないと判定した場合(ステップS30;NO)、制御部11は、折り処理済みの用紙を排紙装置5により出力物(成果物)として第1トレイ53に排出させ(ステップS34)、ステップS35に移行する。
【0102】
ステップS35において、制御部11は、ジョブが完了したか否かを判断する(ステップS35)。
ジョブが完了していないと判断した場合(ステップS35;NO)、制御部11は、ステップS21に戻る。
ジョブが完了したと判断した場合(ステップS35;YES)、制御部11は、折り処理制御処理Bを終了する。
【0103】
なお、ステップS22~S31、S34の処理は、1枚の用紙ごとに限らず、複数枚の用紙ごとに(用紙束に対して)行うこととしてもよい。
【0104】
例えば、外三つ折りを実施する場合、図14に示すように、1回目の折りを行い、次いで2回目の折りが行われるが、第2の実施形態では、1回目の折りで折りずれを検出した場合、2回目の折りは実施しない。そのため、余計な折りをする必要がなくなるため、2回目の折りを実施するための部材(ナイフ、モーター、ローラー等のパーツ)の消耗を抑えることができる。
【0105】
このように、第2の実施形態では、折り処理済みの用紙を読み取った読取画像に基づいて折りずれを検出するので、折りずれの状態にかかわらず、折りずれを正確に検出することができる。また、1回目の折りで折りずれを検出した場合、2回目の折りは実施しないため、余計な折りをする必要がなくなるため、2回目の折りを実施するための部材(ナイフ、モーター、ローラー等のパーツ)の消耗を抑えることができる。
【0106】
以上、本発明の第1~第2の実施形態について説明したが、上記実施形態における記述は、本発明に係る後処理システムの好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【0107】
例えば、画像形成装置1は、スキャナーを備える構成とし、スキャナーで読み取られた画像データに基づいて用紙に画像を形成するものであってもよい。
【0108】
また、例えば、上記実施形態においては、第1読取部43及び第2読取部44(第1読取部43A及び第2読取部44A、第1読取部43B及び第2読取部44B)によって取得された読取画像に基づいて折りずれを判定する本発明の制御部が画像形成装置1の制御部11である場合を例にとり説明したが、これに限定されない。例えば、画像読取装置4(第1の画像読取装置4A)の制御部41(41A)が本発明の制御部としての機能を実現することとしてもよい。例えば、画像読取装置4(第1の画像読取装置4A)の図示しない記憶部に、上述の折りの種類ごとの用紙エッジの数、折りの種類及び用紙サイズの組み合わせごとに予め定められた矩形領域の情報、用紙サイズごとの画像形成領域の縦横の幅、折り位置の調整値等を記憶しておき、制御部41(41A)は、ジョブが開始されると、ジョブの設定情報を画像形成装置1から受信し、ジョブの設定情報及び記憶部に記憶されている情報に基づいて、折り処理済みの用紙に対して折り処理制御処理AのステップS3~S14(折り処理制御処理BのステップS23~S35)の処理を実行することとしてもよい。また、後処理システム2(2A)内に、本発明の制御部の機能を実現する専用のサーバー等を備えることとしてもよい。
【0109】
また、上記実施形態では、画像形成装置1と後処理システム2が別体である場合を例にとり説明したが、画像形成装置1内に後処理システム2が備えられている構成としてもよい。
【0110】
また、以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピューター読み取り可能な媒体としてHDDや半導体メモリーを使用した例を開示したが、この例に限定されない。
その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリー等の不揮発性メモリー、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。
また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0111】
その他、後処理システムの細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0112】
100、200 画像形成システム
1 画像形成装置
11 制御部
12 操作表示部
13 記憶部
14 通信部
15 画像形成部
16 給紙部
2 後処理システム
3 折り装置
31 制御部
32 通信部
33 折り部
4 画像読取装置
41 制御部
42 通信部
43 第1読取部
44 第2読取部
5 排紙装置
51 制御部
52 通信部
2A 後処理システム
3A 第1の折り装置
31A 制御部
32A 通信部
33A 折り部
4A 第1の画像読取装置
41A 制御部
42A 通信部
43A 第1読取部
44A 第2読取部
3B 第2の折り装置
31B 制御部
32B 通信部
33B 折り部
4B 第2の画像読取装置
41B 制御部
42B 通信部
43B 第1読取部
44B 第2読取部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17