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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20240814BHJP
   G06F 21/62 20130101ALI20240814BHJP
【FI】
G06Q10/10
G06F21/62 309
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020122991
(22)【出願日】2020-07-17
(65)【公開番号】P2022019255
(43)【公開日】2022-01-27
【審査請求日】2023-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【弁理士】
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】飯村 和也
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-045237(JP,A)
【文献】特開2015-143975(JP,A)
【文献】特開2016-212725(JP,A)
【文献】特許第5644977(JP,B1)
【文献】特開2010-039605(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 21/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
文書に対するユーザの関与に関する関与情報をメモリに格納し、
特定の文書との関係について予め定められた条件を満たす前記文書に係る前記関与情報に基づき、当該特定の文書に対するユーザの関与の権限を設定し、
前記関与情報には、前記文書に対するユーザの第1態様による関与に関する第1関与情報と、前記文書に対するユーザの当該第1態様とは異なる第2態様による関与に関する第2関与情報とがあり、
前記条件を満たす前記文書に係る前記関与情報には、第1ユーザに係る前記第1関与情報が含まれる一方で当該第1ユーザに係る前記第2関与情報が含まれず、
前記プロセッサは、前記第1ユーザについて、前記特定の文書に対する前記第1態様による関与の権限を付与する一方で前記第2態様による関与の権限の付与を制限することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記文書に対するユーザの関与の態様には、前記第1態様と、前記第2態様と、当該第1態様および当該第2態様の何れとも異なる態様であって決裁後の当該文書に対する関与の態様である第3態様とがあり、
前記第1態様は、決裁前の前記文書に対する関与の態様であり、
前記条件を満たす前記文書に係る前記関与情報には、前記第1ユーザとは異なる第2ユーザに係る前記第1関与情報および前記第3態様に関する情報が何れも含まれず、
前記プロセッサは、前記第2ユーザについて、前記特定の文書に対する前記第1態様による関与の権限の付与を制限する一方で前記第3態様による関与の権限を付与することを特徴とする請求項記載の情報処理装置。
【請求項3】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
文書に対するユーザの関与に関する関与情報をメモリに格納し、
特定の文書との関係について予め定められた条件を満たす前記文書に係る前記関与情報に基づき、当該特定の文書に対するユーザの関与の権限を設定し、
前記条件を満たす前記文書に係る前記ユーザの関与に関する関与情報について定められた条件を満たす場合、前記特定の文書に対する関与の権限を当該ユーザに付与し、当該関与情報について定められた当該条件を満たさない場合、当該特定の文書に対する関与の権限の当該ユーザへの付与を制限し、
前記関与情報に係る前記条件は、前記条件を満たす前記文書に対する関与に関する時期および/または回数に関して定められていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
文書に対するユーザの関与に関する関与情報をメモリに格納し、
特定の文書との関係について予め定められた条件を満たす前記文書に係る前記関与情報に基づき、当該特定の文書に対するユーザの関与の権限を設定し、
前記特定の文書に対する前記ユーザについての前記権限の設定を受け付ける設定画像を端末に表示させ、
前記条件を満たす前記文書に係る前記関与情報について定められた条件を満たす場合に、前記特定の文書に対する前記ユーザについての前記設定の根拠に関する根拠情報を前記設定画像とともに前記端末に表示させることを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記特定の文書に対する前記権限を前記ユーザに付与し、
前記根拠情報には、前記ユーザに前記権限が付与された根拠に関する情報が含まれることを特徴とする請求項記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記特定の文書に対する前記権限の前記ユーザへの付与を制限し、
前記根拠情報には、前記制限の根拠に関する情報が含まれることを特徴とする請求項記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記特定の文書に対する前記権限を設定する対象のユーザの指定を端末を介して受け付け、
前記端末において特定のユーザの前記指定が行われる場合において、前記特定の文書に対する前記権限が当該特定のユーザに付与される場合には、当該特定のユーザの当該指定を促す情報を当該端末に表示させることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記文書の属性に関する属性情報およびユーザを識別する識別情報をメモリに格納し、
前記条件は、前記特定の文書の前記属性と、前記文書の前記属性との関係について定められ、
前記プロセッサは、前記条件を満たす前記文書に係る前記関与情報が関連付けられた前記識別情報から特定されるユーザに前記権限を付与することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータに、
文書に対するユーザの関与に関する関与情報をメモリに格納する機能と、
特定の文書との関係について予め定められた条件を満たす前記文書に係る前記関与情報に基づき、当該特定の文書に対するユーザの関与の権限を設定する機能と
前記関与情報には、前記文書に対するユーザの第1態様による関与に関する第1関与情報と、前記文書に対するユーザの当該第1態様とは異なる第2態様による関与に関する第2関与情報とがあり、
前記条件を満たす前記文書に係る前記関与情報には、第1ユーザに係る前記第1関与情報が含まれる一方で当該第1ユーザに係る前記第2関与情報が含まれず、
前記第1ユーザについて、前記特定の文書に対する前記第1態様による関与の権限を付与する一方で前記第2態様による関与の権限の付与を制限する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電子文書の定義時に、当該電子文書の回覧経路上のユーザの人事情報のうち当該電子文書の決裁後の閲覧権限設定に反映させる属性の組み合わせを選択設定する第1の設定手段と、前記電子文書の決裁時に、前記第1の設定手段で設定された組み合わせに対応する属性のみを、当該電子文書の決裁後の閲覧権限として当該電子文書の決裁に関わったユーザの人事情報から反映させるように制御する第2の設定手段と、を有することを特徴とするワークフローシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-172377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特定の文書が決裁される前におけるこの特定の文書に対するユーザの関与に基づき、決裁後における特定の文書のユーザによる閲覧の権限を設定する技術が存在する。しかしながら、この場合、特定の文書が使用される前にこの特定の文書に対するユーザの関与の権限を設定することができなかった。
本発明の目的は、特定の文書が使用される前に特定の文書に対するユーザの関与の権限を設定することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、文書に対するユーザの関与に関する関与情報をメモリに格納し、特定の文書との関係について予め定められた条件を満たす前記文書に係る前記関与情報に基づき、当該特定の文書に対するユーザの関与の権限を設定し、前記関与情報には、前記文書に対するユーザの第1態様による関与に関する第1関与情報と、前記文書に対するユーザの当該第1態様とは異なる第2態様による関与に関する第2関与情報とがあり、前記条件を満たす前記文書に係る前記関与情報には、第1ユーザに係る前記第1関与情報が含まれる一方で当該第1ユーザに係る前記第2関与情報が含まれず、前記プロセッサは、前記第1ユーザについて、前記特定の文書に対する前記第1態様による関与の権限を付与する一方で前記第2態様による関与の権限の付与を制限することを特徴とする情報処理装置である
求項に記載の発明は、前記文書に対するユーザの関与の態様には、前記第1態様と、前記第2態様と、当該第1態様および当該第2態様の何れとも異なる態様であって決裁後の当該文書に対する関与の態様である第3態様とがあり、前記第1態様は、決裁前の前記文書に対する関与の態様であり、前記条件を満たす前記文書に係る前記関与情報には、前記第1ユーザとは異なる第2ユーザに係る前記第1関与情報および前記第3態様に関する情報が何れも含まれず、前記プロセッサは、前記第2ユーザについて、前記特定の文書に対する前記第1態様による関与の権限の付与を制限する一方で前記第3態様による関与の権限を付与することを特徴とする請求項記載の情報処理装置である
求項に記載の発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、文書に対するユーザの関与に関する関与情報をメモリに格納し、特定の文書との関係について予め定められた条件を満たす前記文書に係る前記関与情報に基づき、当該特定の文書に対するユーザの関与の権限を設定し、前記条件を満たす前記文書に係る前記ユーザの関与に関する関与情報について定められた条件を満たす場合、前記特定の文書に対する関与の権限を当該ユーザに付与し、当該関与情報について定められた当該条件を満たさない場合、当該特定の文書に対する関与の権限の当該ユーザへの付与を制限し、前記関与情報に係る前記条件は、前記条件を満たす前記文書に対する関与に関する時期および/または回数に関して定められていることを特徴とする情報処理装置である。
請求項に記載の発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、文書に対するユーザの関与に関する関与情報をメモリに格納し、特定の文書との関係について予め定められた条件を満たす前記文書に係る前記関与情報に基づき、当該特定の文書に対するユーザの関与の権限を設定し、前記特定の文書に対する前記ユーザについての前記権限の設定を受け付ける設定画像を端末に表示させ、前記条件を満たす前記文書に係る前記関与情報について定められた条件を満たす場合に、前記特定の文書に対する前記ユーザについての前記設定の根拠に関する根拠情報を前記設定画像とともに前記端末に表示させることを特徴とする情報処理装置である。
請求項に記載の発明は、前記プロセッサは、前記特定の文書に対する前記権限を前記ユーザに付与し、前記根拠情報には、前記ユーザに前記権限が付与された根拠に関する情報が含まれることを特徴とする請求項記載の情報処理装置である。
請求項に記載の発明は、前記プロセッサは、前記特定の文書に対する前記権限の前記ユーザへの付与を制限し、前記根拠情報には、前記制限の根拠に関する情報が含まれることを特徴とする請求項記載の情報処理装置である。
請求項に記載の発明は、前記プロセッサは、前記特定の文書に対する前記権限を設定する対象のユーザの指定を端末を介して受け付け、前記端末において特定のユーザの前記指定が行われる場合において、前記特定の文書に対する前記権限が当該特定のユーザに付与される場合には、当該特定のユーザの当該指定を促す情報を当該端末に表示させることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置である。
請求項に記載の発明は、前記プロセッサは、前記文書の属性に関する属性情報およびユーザを識別する識別情報をメモリに格納し、前記条件は、前記特定の文書の前記属性と、前記文書の前記属性との関係について定められ、前記プロセッサは、前記条件を満たす前記文書に係る前記関与情報が関連付けられた前記識別情報から特定されるユーザに前記権限を付与することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置である。
請求項に記載の発明は、コンピュータに、文書に対するユーザの関与に関する関与情報をメモリに格納する機能と、特定の文書との関係について予め定められた条件を満たす前記文書に係る前記関与情報に基づき、当該特定の文書に対するユーザの関与の権限を設定する機能と、前記関与情報には、前記文書に対するユーザの第1態様による関与に関する第1関与情報と、前記文書に対するユーザの当該第1態様とは異なる第2態様による関与に関する第2関与情報とがあり、前記条件を満たす前記文書に係る前記関与情報には、第1ユーザに係る前記第1関与情報が含まれる一方で当該第1ユーザに係る前記第2関与情報が含まれず、前記第1ユーザについて、前記特定の文書に対する前記第1態様による関与の権限を付与する一方で前記第2態様による関与の権限の付与を制限する機能と、を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、特定の文書が使用される前に特定の文書に対するユーザの関与の権限を設定することができる
求項の発明によれば、条件を満たす文書が決裁される前に関与しなかったユーザを、内容が定められた特定の文書に関与させることができる
求項の発明によれば、特定の文書に対する関与の権限をユーザに無条件で付与する場合に比べて、条件を満たす文書に対する関与の時期および/または回数に基づいて権限を付与することに適していないユーザに特定の文書に対する関与の権限を付与することを抑制できる。
請求項の発明によれば、特定の文書に対してユーザが関与する権限の設定の根拠を、権限の設定者に認識させることができる。
請求項の発明によれば、特定の文書に対してユーザが関与する権限が付与された根拠を、権限の設定者に認識させることができる。
請求項の発明によれば、特定の文書に対してユーザが関与する権限の付与が制限された根拠を、権限の設定者に認識させることができる。
請求項の発明によれば、権限を設定する対象のユーザを指定する指定者に、特定の文書に対する関与の権限が付与されるユーザを認識させることができる。
請求項の発明によれば、特定の文書の属性とは無関係に条件が定められる場合に比べて、特定の文書との関係から権限の設定に関与情報が用いられることが適していない属性に属する文書に関与したユーザに特定の文書に対する関与の権限を付与することを抑制できる。
請求項の発明によれば、特定の文書が使用される前に特定の文書に対するユーザの関与の権限を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態による文書使用システムの全体構成例を示す図である。
図2】管理サーバ装置のハードウェア構成を示した図である。
図3】管理サーバ装置の機能構成例を示したブロック図である。
図4】文書管理テーブルを示した図である。
図5】権限設定処理の流れを示したフローチャートである。
図6】権限設定画面を示した図である。
図7】権限設定画面を示した図である。
図8】権限設定画面を示した図である。
図9】権限設定画面を示した図である。
図10】権限設定画面を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<文書使用システムの構成>
図1は、本実施形態による文書使用システム1の全体構成例を示す図である。本実施形態の文書使用システム1は、ユーザに文書を使用させる。より具体的には、文書使用システム1は、文書に対するユーザの関与についてユーザごとに権限を設定し、設定した権限の範囲でユーザに文書を使用させる。文書に対するユーザの関与としては、例えば、文書の編集、文書の内容を承認することの申請、申請された文書の内容の決裁、承認された文書の閲覧等が挙げられる。
【0009】
文書使用システム1においてユーザが文書に関与する流れの一例を説明する。文書使用システム1において、新たに文書が作成された場合に、文書を編集する権限が付与されたユーザは、作成された新たな文書を編集する。また、文書の内容を承認することの申請の権限が付与されたユーザは、編集された文書を申請する。そして、申請された文書の内容を決裁する権限が付与されたユーザは、申請された文書を承認または却下する。さらに、承認された文書を閲覧する権限が付与されたユーザは、承認された文書を閲覧する。このように、文書は、ユーザごとの関与の態様により使用される。
【0010】
文書使用システム1は、管理サーバ10と、複数の端末20とを備える。管理サーバ10と各端末20とは、それぞれネットワーク(不図示)を介して接続されている。また、複数の端末20は、互いに、ネットワーク(不図示)を介して接続されている。
【0011】
情報処理装置の一例としての管理サーバ10は、文書に関する情報を管理するサーバである。より具体的には、管理サーバ10は、文書、文書に対するユーザの関与の履歴、文書に対するユーザの関与の権限等を管理する。
本実施形態の管理サーバ10は、文書に対するユーザの関与の履歴を記憶する。そして、管理サーバ10は、文書に対するユーザの関与の履歴に基づき、新たに作成される文書に対するユーザの関与の権限を設定する。より具体的には、管理サーバ10は、新たな文書に関連する文書に関与したユーザに対して、新たな文書への関与の権限を付与する。また、管理サーバ10は、新たな文書に関連する文書に関与しなかったユーザに対して、新たな文書への関与の権限を付与しない。
【0012】
管理サーバ10は、新たな文書に対する関与の権限をユーザに付与する場合に、このユーザの端末20を用いた新たな文書への関与を許可する。また、管理サーバ10は、新たな文書に対する関与の権限をユーザに付与しない場合に、このユーザの端末20を用いた新たな文書への関与を許可しない。
管理サーバ10は、例えば、コンピュータにより実現される。管理サーバ10は、単一のコンピュータにより構成しても良いし、複数のコンピュータによる分散処理により実現しても良い。
【0013】
端末20は、ユーザに用いられる端末装置である。本実施形態の文書使用システム1には、文書を使用するユーザごとに、端末20が設けられている。言い換えると、本実施形態の文書使用システム1には、各ユーザに対応する端末20がそれぞれ設けられている。
ユーザは、端末20を用いて文書を使用する。より具体的には、ユーザは、端末20を用いて、管理サーバ10に付与された権限の範囲で、文書を使用する。
【0014】
また、端末20は、ユーザを識別するユーザ識別情報を記憶する。より具体的には、各端末20は、対応するユーザに係るユーザ識別情報を記憶する。そして、端末20においてユーザが文書に関与すると、この文書を識別する文書識別情報、関与に関する関与情報、関与の日付を識別する日付識別情報、およびユーザ識別情報をそれぞれ関連付けて、管理サーバ10に送信する。関与に関する関与情報とは、文書に対してユーザが関与したことが示された情報である。
端末20としては、例えば、コンピュータ、スマートフォン、タブレット型情報端末、その他の情報処理装置等が挙げられる。
【0015】
管理サーバ10と各端末20および複数の端末20の各々を接続するネットワークは、データの送受信が可能であれば、その種類は特に限定されない。データの送受信に用いられる通信回線は、有線であっても無線であっても良い。
また、図1に示す例では、7つの端末20を示したが、文書使用システム1の数は図示の7つには限定されない。文書使用システム1には、6つ以下の端末20が設けられてもよいし、8つ以上の端末20が設けられてもよい。
【0016】
<管理サーバ装置の構成>
次に、管理サーバ10のハードウェア構成について説明する。図2は、管理サーバ10のハードウェア構成を示した図である。
管理サーバ10は、プログラムの実行を通じて管理サーバ10の動作を制御するプロセッサ11と、プロセッサ11が実行するプログラムや各種のデータを記憶する記憶装置12と、ユーザの操作を受け付ける操作受付装置13と、ユーザが確認する操作画面を表示する表示装置14と、端末20との通信を実現するネットワークIF(=InterFace)15を有している。これらの各部は、データバス、アドレスバス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス等の信号線16で接続されている。
【0017】
プロセッサ11は、例えばCPUで構成される。プロセッサ11が記憶装置12に記憶されているプログラムに基づく処理を実行することで、各種の機能が実現される。
記憶装置12は、例えばBIOS(=Basic Input Output System)等が記憶されたROMと、ワークエリアとして用いられるRAMと、基本プログラムやアプリケーションプログラム等が記憶されたハードディスク装置で構成される。もっとも、ROMやRAMがプロセッサ11の一部に含まれることを妨げない。
【0018】
操作受付装置13は、例えばキーボード、マウス、機械式のボタン、スイッチで構成される。なお、操作受付装置13には、表示装置14と一体的にタッチパネルを構成するタッチセンサも含まれる。
端末の一例としての表示装置14は、情報の表示に用いられる液晶ディスプレイや有機EL(=Electro Luminescence)ディスプレイで構成される。
【0019】
<管理サーバ装置の機能構成>
次に、管理サーバ10の機能構成について説明する。図3は、管理サーバ10の機能構成例を示したブロック図である。
図3においては、プロセッサ11によるアプリケーションプログラムの実行を通じて実現する機能の一部が示されている。
管理サーバ10は、取得部101と、記憶部102と、受付部103と、抽出部104と、付与部105と、通知部106と、管理部107と、出力部108とを備える。
【0020】
取得部101は、管理サーバ10に送信された情報や、管理サーバ10の操作受付装置13を介して入力された情報を取得する。取得部101に取得された情報は、記憶部102に記憶される。
記憶部102は、情報を記憶する。より具体的には、記憶部102は、文書、文書に対するユーザの関与の履歴、文書に対するユーザの関与について定められた権限等を記憶する。記憶部102の記憶内容は、後に詳述する。
【0021】
受付部103は、文書に対するユーザの関与の権限を設定するための操作を受け付ける。本実施形態では、ユーザの権限を管理する管理者が、操作受付装置13を操作することで、新たな文書に対するユーザの関与の権限を設定することを管理サーバ10に指示する。この場合に、管理者は、権限を設定する対象の文書の属性を設定する。文書の属性としては、文書の種類、文書における対象の顧客、文書における対象の商品やサービス等が挙げられる。文書の種類とは、業務における文書の役割の種類である。文書の種類としては、見積書、設計書、契約書、提案書、報告書等が挙げられる。受付部103は、管理者から権限の設定の指示を受けるとともに、権限が設定される対象になる文書の属性に関する属性情報を取得する。文書の属性に関する属性情報とは、文書の属性が示された情報である。受付部103は、取得した属性情報を、抽出部104に送信する。
なお、権限が設定される対象の文書を、以下では、設定対象文書と称することがある。
【0022】
抽出部104は、記憶部102に記憶されている文書のうちの、設定対象文書に関連する文書を抽出する。より具体的には、抽出部104は、受付部103から取得した属性情報から、設定対象文書の属性を特定する。そして、記憶部102に記憶されている文書のうちの、設定対象文書と同じ属性に属する文書を、設定対象文書に関連する文書として抽出する。抽出部104は、抽出した文書を識別する文書識別情報を、付与部105および通知部106に送信する。なお、設定対象文書と同じ属性に属する文書が記憶部102に複数記憶されている場合、抽出部104は、この複数の文書を何れも抽出する。
【0023】
付与部105は、設定対象文書に対する関与の権限をユーザに付与する。付与部105は、設定対象文書と同じ属性に属する文書に関与したユーザに、設定対象文書に対する関与の権限を付与する。設定対象文書と同じ属性に属する文書とは、抽出部104から付与部105に送信された文書識別情報から特定される文書である。
【0024】
通知部106は、設定対象文書に対する関与の権限に関する情報を、管理者に通知する。より具体的には、通知部106は、設定対象文書に対する関与の権限が付与されるユーザの情報や、設定対象文書に対する関与の権限が付与されないユーザの情報等を、管理者に通知する。
【0025】
管理部107は、ユーザの端末20による文書の使用を管理する。管理部107は、端末20を介してユーザから文書の使用が申請されると、付与部105に付与されている権限の範囲によりユーザに文書を使用させる。一方で、管理部107は、付与部105に権限が付与されていない範囲ではユーザに文書を使用させない。一例を挙げると、管理部107は、文書を申請する権限が与えられ且つ文書を決裁する権限が与えられていないユーザから、端末20を介して、文書の使用の申請を受けることがある。この場合、管理部107は、文書の申請が可能な態様であって、且つ文書の決裁が不可能な態様により、文書を端末20に送信させる。
出力部108は、情報を端末20に出力する。より具体的には、出力部108は、管理部107に指示された情報を端末20に出力する。
【0026】
図4は、文書管理テーブルを示した図である。文書管理テーブルは、文書を管理するためのテーブルである。文書管理テーブルは、記憶部102に記憶されている。
文書管理テーブルでは、「文書」に、文書識別情報が示されている。
また、文書管理テーブルでは、「属性」に、「文書」が属する属性が示されている。文書管理テーブルでは、「属性」の「種類」に、文書の種類が示されている。一例を挙げると、「A」の文書に関連付けられた「見積書」は、「A」の文書が見積書であることを意味する。
【0027】
また、文書管理テーブルでは、「属性」の「対象客」に、「文書」における対象の顧客が示されている。一例を挙げると、「A」の文書に関連付けられた「x」は、「A」の文書が顧客である「x」向けに作成されたものであることを意味する。
また、文書管理テーブルでは、「属性」の「対象商品等」に、「文書」における対象の商品またはサービスが示されている。一例を挙げると、「A」の文書に関連付けられた「ア」は、「A」の文書が商品またはサービスである「ア」についての文書であることを意味する。
【0028】
また、文書管理テーブルでは、「属性」の「金額(万円)」に、「文書」における「対象商品等」が属する金額の範囲が示されている。一例を挙げると、「A」に関連付けられた「10~50」は、商品またはサービスである「ア」の金額が10万円乃至50万円の範囲であることを意味する。
なお、文書管理テーブルに示された「種類」、「対象客」、「対象商品等」および「金額(万円)」は、何れも、設定対象文書について管理者に設定される属性である。
【0029】
また、文書管理テーブルでは、「履歴」に、「文書」に対してユーザが関与した履歴が示されている。文書管理テーブルでは、「履歴」の「申請者」に、「文書」の承認を申請したユーザのユーザ識別情報が示されている。一例を挙げると、「A」の文書に関連付けられた「d」は、ユーザである「d」が「A」の文書の承認を申請したことを意味する。
本実施形態では、ユーザが端末20を用いて文書を申請すると、この端末20は、文書を申請したユーザのユーザ識別情報、申請された文書の文書識別情報、および申請の履歴を示す申請履歴情報を、管理サーバ10に送信する。管理サーバ10の取得部101は、取得した文書識別情報から特定される「文書」に関連付けられた「申請者」に、取得したユーザ識別情報を書き込む。
なお、文書管理テーブルの「申請者」に示された情報は、端末20から送信された関与情報である。
【0030】
また、文書管理テーブルでは、「履歴」の「決裁者」に、「文書」を決裁したユーザのユーザ識別情報が示されている。「A」の文書に関連付けられた「b」は、ユーザである「b」が「A」の文書を決裁したことを意味する。また、「決裁者」に示された「(承)」は、「文書」が「決裁者」に承認されたことを意味する。また、「決裁者」に示された「(却)」は、「文書」が「決裁者」に却下されたことを意味する。
なお、文書管理テーブルの「決裁者」に示された情報は、端末20から送信された関与情報である。
【0031】
また、文書の申請および文書の決裁のうちの一方は、文書に対するユーザの第1態様として捉えられ、文書の申請および文書の決裁のうちの他方は、文書に対するユーザの第2態様として捉えられる。また、文書管理テーブルにおける「決裁者」に示された情報および「申請者」に示された情報のうちの一方は、第1態様による関与に関する第1関与情報として捉えられる。また、文書管理テーブルにおける「決裁者」に示された情報および「申請者」に示された情報のうちの他方は、第2態様による関与に関する第2関与情報として捉えられる。
【0032】
また、文書管理テーブルでは、「決済日」に、「文書」が決裁された日付が示されている。一例を挙げると、「A」の文書に関連付けられた「2020/6/20」は、「A」の文書が2020年6月20日に決裁されたことを意味する。「決済日」に示された日付は、「文書」が承認された日付または却下された日付である。
【0033】
本実施形態では、ユーザが端末20を用いて文書を決裁すると、この端末20は、文書を決裁したユーザのユーザ識別情報、決裁された文書の文書識別情報、文書が決裁された日付を示す日付情報、および決裁の履歴を示す決裁履歴情報を、管理サーバ10に送信する。管理サーバ10の取得部101は、取得した文書識別情報から特定される「文書」に関連付けられた「決裁者」に、取得したユーザ識別情報を書き込む。また、取得部101は、取得した文書識別情報から特定される「文書」に関連付けられた「決済日」に、取得した日付情報を書き込む。
【0034】
図5は、権限設定処理の流れを示したフローチャートである。権限設定処理は、管理サーバ10のプロセッサ11が設定対象文書に対するユーザの関与の権限を設定する処理である。本実施形態では、管理者が文書に対する関与の権限の設定を管理サーバ10に指示すると、権限設定処理が開始される。なお、管理者が権限の設定を指示する際には、設定対象文書の属性、および権限を設定する対象のユーザが、管理者に指定されている。権限を設定する対象として管理者に指定されたユーザを、以下では、指定ユーザと称することがある。
また、以下では、設定対象文書が「見積書」であるとともに指定ユーザが「b」である場合について説明する。また、設定対象文書は、対象の顧客として「x」が指定され、対象の商品またはサービスとして「ア」が指定され、対象の商品またはサービスが属する金額の範囲として「10万円乃至50万円」が指定されたものとする。また、2020年7月1日に権限設定処理が行われるものとする。
【0035】
付与部105は、設定対象文書に関連する文書に対するユーザの関与の履歴を参照する(S101)。設定対象文書の属性が管理者に指定されると、記憶部102に記憶されている文書のうちの、設定対象文書と同じ属性に属する文書が抽出部104に抽出される。付与部105は、抽出部104に抽出された文書について文書管理テーブル(図4参照)に示されたユーザの関与の履歴を、設定対象文書に関連する文書に対する関与の履歴として参照する。なお、設定対象文書に関連する文書を、以下では、関連文書と称することがある。
上述した例においては、文書管理テーブルにおける「A」の文書が、設定対象文書と同じ「種類」である「見積書」、「対象客」である「x」、「対象商品等」である「ア」、「金額(万円)」である「10~50」に属している。この場合、抽出部104は、「A」の文書を抽出する。また、付与部105は、「A」の文書に関連付けられた「履歴」を参照する。
【0036】
付与部105は、関連文書に対するユーザの関与の履歴に、指定ユーザの関与の履歴が含まれているか否かを判定する(S102)。なお、抽出部104に複数の文書が抽出された場合、抽出された文書の各々について、ステップ102以降の処理が行われる。
上述した例においては、「A」の文書に対する関与の「履歴」に、指定ユーザである「b」が含まれている。そのため、付与部105は、関連文書に対するユーザの関与の履歴に指定ユーザの関与の履歴が含まれていると判定する(S102にてYES)。
【0037】
関連文書に対するユーザの関与の履歴に指定ユーザの関与の履歴が含まれている場合(S102にてYES)、付与部105は、関連文書に関与された日から権限設定処理が行われる日までの期間が有効期間以内であるか否かを判定する(S103)。有効期間は、関連文書に関与された日から権限設定処理が行われる日までの期間の有効性について定められた期間である。本実施形態では、設定対象文書を使用しないユーザに対して設定対象文書に関与する権限を付与することを抑制する観点から、有効期間が定められている。また、有効期間は何れの期間であってもよいが、例えば、3ヶ月間とする。付与部105は、文書管理テーブルにおいて関連文書に関連付けられた「決済日」から権限設定処理が行われる日までの期間が有効期間以内であるか否かにより、上記の判定を行う。
【0038】
上述した例においては、「A」の文書の「決済日」である「2020年6月20日」から権限設定処理が行われる日である「2020年7月1日」までの期間は、3ヶ月よりも短い。そのため、付与部105は、関連文書である「A」に関与された日から権限設定処理が行われる日までの期間が有効期間以内であると判定する(S103にてYES)。
【0039】
関連文書に関与された日から権限設定処理が行われる日までの期間が有効期間以内である場合(S103にてYES)、付与部105は、関連文書に対する指定ユーザの関与の履歴が、文書の申請および決裁の両方の履歴であるか否かを判定する(S104)。付与部105は、文書管理テーブルにおいて関連文書に関連付けられた「申請者」および「決裁者」の両方に指定ユーザのユーザ識別情報が示されているか否かにより、上記の判定を行う。
上述した例においては、関連文書である「A」に関連付けられた「履歴」において、「決裁者」に指定ユーザのユーザ識別情報である「b」が示されている一方で、「申請者」には指定ユーザのユーザ識別情報が示されていない。そのため、付与部105は、指定ユーザの関与の履歴が、文書の申請および決裁の両方の履歴ではないと判定する(S104にてNO)。
【0040】
指定ユーザの関与の履歴が文書の申請および決裁の両方の履歴ではない場合(S104にてNO)、付与部105は、指定ユーザの関与の履歴が文書の決裁の履歴であるか否かを判定する(S105)。
上述した例においては、関連文書である「A」に関連付けられた「履歴」において、「決裁者」に指定ユーザのユーザ識別情報である「b」が示されている。そのため、付与部105は、指定ユーザの関与の履歴が文書の決裁の履歴であると判定する(S105にてYES)。
【0041】
指定ユーザの関与の履歴が文書の決裁の履歴である場合(S105にてYES)、付与部105は、指定ユーザに、設定対象文書に対する編集、設定対象文書の決裁、および、承認後の設定対象文書の閲覧の権限を付与する(S106)。なお、この場合、付与部105は、指定ユーザに、設定対象文書に対する申請の権限を付与しない。
上述した例においては、付与部105は、指定ユーザである「b」に、設定対象文書に対する編集、決裁および閲覧の権限を付与する(S106)。この場合、「b」に対応する端末20から設定対象文書の使用が管理サーバ10に申請されると、管理部107は、設定対象文書の編集、決裁および承認後の設定対象文書の閲覧が可能な態様であって、設定対象文書の申請が不可能な態様により、設定対象文書を端末20に送信させる。
【0042】
また、指定ユーザの関与の履歴が文書の決裁の履歴ではない場合(S105にてNO)、指定ユーザの関与の履歴が文書の申請の履歴であることを意味する。この場合、付与部105は、指定ユーザに、設定対象文書の編集、設定対象文書の申請、および承認後の設定対象文書の閲覧の権限を付与する(S107)。なお、この場合、付与部105は、指定ユーザに、設定対象文書に対する決裁の権限を付与しない。
【0043】
また、指定ユーザの関与の履歴が、文書の申請および決裁の両方の履歴である場合(S104にてYES)がある。この場合、付与部105は、指定ユーザに、設定対象文書の編集、設定対象文書の申請、設定対象文書の決裁、および承認後の設定対象文書の閲覧の権限を付与する(S108)。
【0044】
また、関連文書に対するユーザの関与の履歴に指定ユーザの関与の履歴が含まれていない場合(S102にてNO)や、関連文書に関与された日から権限設定処理が行われる日までの期間が有効期間外である場合(S103にてNO)がある。これらの場合、付与部105は、指定ユーザに、承認後の設定対象文書に対する閲覧の権限を付与する(S109)。なお、この場合、付与部105は、指定ユーザに、設定対象文書に対する編集、申請および決裁の権限を付与しない。
【0045】
図6は、権限設定画面30を示した図である。権限設定画面30は、管理者が設定対象文書に対するユーザの関与の権限を設定するための画像である。本実施形態では、管理者が、管理サーバ10の操作受付装置13を操作することで、文書に対するユーザの関与の権限を設定することを管理サーバ10に指示すると、権限設定画面30が表示される。また、権限設定画面30は、管理サーバ10の表示装置14に表示される。なお、権限設定画面30において画像を表示させる処理は、管理サーバ10のプロセッサ11により行われる。
また、以下では、権限設定画面30における設定対象文書の属性として、対象の顧客が「x」であり、対象の商品またはサービスが「ア」であり、対象の商品またはサービスが属する金額の範囲が「10万円乃至50万円」であるものとする。また、2020年7月1日に権限設定画面30が表示されているものとする。すなわち、権限設定処理(図5参照)の説明にて挙げた例と同一の例とする。
【0046】
設定画像の一例としての権限設定画面30には、対象文書情報部31と、権限表示部32と、マーク画像33と、決裁指定促進部34と、申請指定促進部35と、除外通知部36と、中止部37と、決定部38とが表示されている。
【0047】
対象文書情報部31には、設定対象文書に関する情報が表示されている。より具体的には、対象文書情報部31には、設定対象文書の属性を示す情報が示されている。図示の例では、対象文書情報部31には、設定対象文書において、対象の顧客が「x」であり、対象の商品またはサービスが「ア」であり、対象の商品またはサービスが属する金額の範囲が「10万円乃至50万円」であることを示す情報が示されている。また、対象文書情報部31には、対象の文書の種類が「見積書」であることを示す情報が示されている。図示の例では、対象文書情報部31には、「「x」向け「ア」見積書(10~50万円)の権限設定」のテキストが表示されている。
【0048】
権限表示部32には、設定対象文書に対する関与についてのユーザごとの権限の設定の内容が表示されている。
権限表示部32の「指定」には、権限を設定する対象としてユーザが管理者に指定されたか否かを示す情報が表示される。「指定」が空欄である場合、権限を設定する対象としてユーザが管理者に指定されていないことを意味する。
また、権限表示部32の「名前」には、ユーザ識別情報が示されている。
また、権限表示部32の「申請(付与条件有)」には、設定対象文書の申請の権限が付与されているか否かを示す情報が表示される。「申請(付与条件有)」が空欄である場合、設定対象文書の申請の権限が付与されていないことを意味する。
【0049】
また、権限表示部32の「決裁(付与条件有)」には、設定対象文書の決裁の権限が付与されているか否かを示す情報が表示される。「決裁(付与条件有)」が空欄である場合、設定対象文書の決裁の権限が付与されていないことを意味する。
また、権限表示部32の「閲覧(付与条件無)」には、承認後の設定対象文書の閲覧の権限が付与されているか否かを示す情報が表示される。「閲覧(付与条件無)」が空欄である場合、承認後の設定対象文書の閲覧の権限が付与されていないことを意味する。
【0050】
なお、権限表示部32の「申請(付与条件有)」に示されている「付与条件有」は、権限を設定する対象としてユーザが管理者に指定された場合に、設定対象文書に対する申請の権限を指定ユーザに付与するための条件が定められていることを意味する。また、権限表示部32の「決裁(付与条件有)」は、権限を設定する対象としてユーザが管理者に指定された場合に、設定対象文書に対する決裁の権限を指定ユーザに付与するための条件が定められていることを意味する。また、権限表示部32の「閲覧(付与条件無)」は、権限を設定する対象としてユーザが管理者に指定された場合に、設定対象文書に対する閲覧の権限が無条件で指定ユーザに付与されることを意味する。
【0051】
マーク画像33は、権限表示部32における特定の項目の周囲に表示される。より具体的には、マーク画像33は、通知部106による通知の対象になる項目の周囲に表示される。図示の例では、ユーザ「b」に関連付けられた「指定」の項目、ユーザ「d」に関連付けられた「指定」の項目、およびユーザ「g」に関連付けられた「決裁(付与条件有)」の項目の周囲に、それぞれ、マーク画像33が表示されている。
【0052】
決裁指定促進部34には、ユーザの指定を管理者に促す情報が表示されている。より具体的には、決裁指定促進部34には、設定対象文書に対する決裁の権限を付与するためにユーザの指定を管理者に促す情報が表示されている。図示の例では、ユーザ「b」に向かう吹き出しが付された決裁指定促進部34が表示されている。また、図示の例では、「指定の必要はありませんか?決裁の権限が付与されます」のテキストが表示されている。
【0053】
ここで、設定対象文書の属性は、上述の通り、対象の顧客が「x」であり、対象の商品またはサービスが「ア」であり、対象の商品またはサービスが属する金額の範囲が「10万円乃至50万円」である。また、権限設定処理(図5参照)の説明において例示したように、この設定対象文書の権限設定処理においてユーザ「b」が指定ユーザである場合、付与部105は、設定対象文書に対する決裁の権限をユーザ「b」に付与する。この場合に、通知部106は、図示の通り、ユーザ「b」に対応する決裁指定促進部34を権限設定画面30に表示させる。すなわち、本実施形態では、通知部106は、指定ユーザになった場合に設定対象文書に対する決裁の権限が付与部105に付与されるユーザに対応付けて、決裁指定促進部34を表示させる。なお、ユーザが指定ユーザになった場合であっても設定対象文書に対する決裁の権限が付与部105に付与されない場合、通知部106は、このユーザに対応する決裁指定促進部34を表示させない。
【0054】
申請指定促進部35は、ユーザの指定を管理者に促す情報が表示されている。より具体的には、申請指定促進部35には、設定対象文書に対する申請の権限を付与するためにユーザの指定を管理者に促す情報が表示されている。図示の例では、ユーザ「d」に向かう吹き出しが付された申請指定促進部35が表示されている。また、図示の例では、「指定の必要はありませんか?申請の権限が付与されます」のテキストが表示されている。
【0055】
ここで、設定対象文書についての関連文書である「A」の文書(図4参照)には、「履歴」の「申請者」に、ユーザ「d」が関連付けられている。また、この「A」の文書の「決済日」から現時点までの期間は、有効期間である3ヶ月よりも短い。そのため、ユーザ「d」が指定ユーザになった場合、付与部105は、設定対象文書に対する申請の権限をユーザ「d」に付与する。この場合に、通知部106は、図示の通り、ユーザ「d」に対応する申請指定促進部35を権限設定画面30に表示させる。すなわち、本実施形態では、通知部106は、指定ユーザになった場合に設定対象文書に対する申請の権限が付与部105に付与されるユーザに対応付けて、申請指定促進部35を表示させる。なお、ユーザが指定ユーザになった場合であっても設定対象文書に対する申請の権限が付与部105に付与されない場合、通知部106は、このユーザに対応する申請指定促進部35を表示させない。
【0056】
根拠情報の一例としての除外通知部36には、設定対象文書に対する権限の付与の対象から除外されたことを示す情報が表示されている。除外通知部36には、除外された権限の種類を示す情報が含まれている。また、除外通知部36には、設定対象文書についての関連文書に関与された日から現時点までの期間が有効期間外であることを示す情報が含まれている。図示の例では、除外通知部36には、「前回の決裁から一定期間以上空いたため、決裁の権限付与の対象から除外されました」のテキストが表示されている。
【0057】
ここで、設定対象文書についての関連文書である「J」の文書(図4参照)には、「履歴」の「決裁者」に、ユーザ「g」が関連付けられている。一方で、この「J」の文書の「決済日」から現時点までの期間は、有効期間である3ヶ月よりも長い。そのため、ユーザ「g」が指定ユーザになった場合、付与部105は、設定対象文書に対する決裁の権限をユーザ「g」に付与しない。この場合に、通知部106は、図示の通り、ユーザ「g」に対応する除外通知部36を権限設定画面30に表示させる。すなわち、本実施形態では、通知部106は、指定ユーザになった場合であっても設定対象文書に対する関与の権限が付与部105に付与されないユーザに対応付けて、除外通知部36を表示させる。より具体的には、通知部106は、関連文書に関与された日から現時点までの期間が有効期間外になったために権限の付与の対象から除外されたユーザに対応付けて、除外通知部36を表示させる。
【0058】
例えば、管理者が、権限設定画面30の権限表示部32において、ユーザ「d」に対応する「指定」の項目を選択すると、図7に示すように、ユーザ「d」に対応する「指定」の項目に、チェック画像39が表示される。「指定」の項目に表示されるチェック画像39は、権限の設定の対象としてユーザが管理者に指定されたことを意味する。また、本実施形態では、何れかのユーザの「指定」の項目が選択されると、選択されたユーザを指定ユーザとして権限設定処理(図5参照)が行われる。図示の例では、ユーザ「d」を指定ユーザとして権限設定処理(図5参照)が行われる。
【0059】
また、ユーザ「d」を指定ユーザとして権限設定処理が行われると、権限表示部32において、ユーザ「d」に関連付けられた「申請(付与条件有)」の項目と「閲覧(付与条件無)」の項目とに、それぞれチェック画像39が表示される。「申請(付与条件有)」の項目に表示されるチェック画像39は、設定対象文書に対する編集および申請の権限が指定ユーザに付与されることを意味する。また、「閲覧(付与条件無)」の項目に表示されるチェック画像39は、承認後の設定対象文書に対する閲覧の権限が指定ユーザに付与されることを意味する。
【0060】
また、権限表示部32において、ユーザ「d」に関連付けられた「申請(付与条件有)」の項目の周囲には、マーク画像33が表示される。さらに、権限設定画面30には、申請根拠画像40が表示されている。根拠情報の一例としての申請根拠画像40には、設定対象文書に対する申請の権限が指定ユーザに付与された根拠が表示されている。より具体的には、申請根拠画像40には、設定対象文書に対する申請の権限が指定ユーザに付与された根拠として、指定ユーザによる申請の履歴が存在することを示す情報が表示される。図示の例では、申請根拠画像40には、「過去に申請履歴があったため申請の権限を付与しました」のテキストが表示される。本実施形態では、通知部106は、申請の権限が付与部105に付与される指定ユーザに対応付けて申請根拠画像40を表示させる。なお、権限設定処理にて指定ユーザに申請の権限が付与されない場合、通知部106は、この指定ユーザに対応する申請根拠画像40は表示しない。
【0061】
また、権限表示部32において、ユーザ「d」に関連付けられた「決裁(付与条件有)」の項目には、付与受付部41が表示される。付与受付部41は、設定対象文書に対する関与の権限の管理者による付与を受け付ける。
なお、権限表示部32においてユーザが指定されると、図7に示すように、決裁指定促進部34(図6参照)、申請指定促進部35、および除外通知部36が非表示になる。また、指定ユーザが指定される前に指定ユーザの「指定」の項目の周囲に表示されていたマーク画像33が非表示になる。一方で、指定ユーザとは異なるユーザに対応付けられていたマーク画像33は、表示を維持する。
【0062】
ここで、管理者が、権限設定画面30の権限表示部32において、ユーザ「b」に対応する「指定」の項目を選択すると、図8に示すように、ユーザ「b」に対応する「指定」の項目に、チェック画像39が表示される。この場合、ユーザ「b」を指定ユーザとして権限設定処理(図5参照)が行われる。
また、ユーザ「b」を指定ユーザとして権限設定処理が行われると、権限表示部32において、ユーザ「b」に関連付けられた「決裁(付与条件有)」の項目と「閲覧(付与条件無)」の項目とに、それぞれチェック画像39が表示される。「決裁(付与条件有)」の項目に表示されるチェック画像39は、設定対象文書に対する編集および決裁の権限が指定ユーザに付与されていることを意味する。
【0063】
また、権限表示部32において、ユーザ「b」に関連付けられた「決裁(付与条件有)」の項目の周囲には、マーク画像33が表示される。さらに、権限設定画面30には、決裁根拠画像42が表示されている。根拠情報の一例としての決裁根拠画像42には、設定対象文書に対する決裁の権限が指定ユーザに付与された根拠が表示されている。より具体的には、決裁根拠画像42には、設定対象文書に対する決裁の権限が指定ユーザに付与された根拠として、指定ユーザの決裁の履歴が存在することを示す情報が表示される。図示の例では、決裁根拠画像42には、「過去に決裁履歴があったため決裁の権限を付与しました」のテキストが表示される。本実施形態では、通知部106は、決裁の権限が付与部105に付与される指定ユーザに対応付けて決裁根拠画像42を表示させる。なお、権限設定処理にて指定ユーザに決裁の権限が付与されない場合、通知部106は、この指定ユーザに対応する決裁根拠画像42は表示しない。
また、権限表示部32において、ユーザ「b」に関連付けられた「申請(付与条件有)」の項目には、付与受付部41が表示される。
【0064】
ここで、管理者が、権限設定画面30の権限表示部32において、ユーザ「g」に対応する「指定」の項目を選択すると、図9に示すように、ユーザ「g」に対応する「指定」の項目に、チェック画像39が表示される。この場合、ユーザ「g」を指定ユーザとして権限設定処理(図5参照)が行われる。
また、ユーザ「g」を指定ユーザとして権限設定処理が行われると、権限表示部32において、ユーザ「g」に関連付けられた「閲覧(付与条件無)」の項目に、チェック画像39が表示される。また、ユーザ「g」に関連付けられた「決裁(付与条件有)」の項目に対応する除外通知部36が再び表示される。また、権限表示部32において、ユーザ「g」に関連付けられた「申請(付与条件有)」の項目と「決裁(付与条件有)」の項目とに、それぞれ付与受付部41が表示される。
【0065】
ここで、管理者が、権限表示部32において、ユーザ「g」に対応する「決裁(付与条件有)」の項目を選択すると、図10に示すように、ユーザ「g」に対応する「決裁(付与条件有)」の項目に、チェック画像39が表示される。すなわち、本実施形態では、権限設定処理において付与部105に権限が付与されない場合であっても、管理者による指示により、設定対象文書に対する関与の権限が指定ユーザに付与される。
【0066】
管理者が中止部37を選択すると、設定対象文書に対する関与の権限の設定が中止される。
また、管理者が決定部38を選択すると、付与部105は、権限設定画面30おける設定の内容により、設定対象文書に対する権限を各ユーザに付与する。また、付与部105に付与された権限と、権限が付与されたユーザとの関係が、記憶部102に記憶される。
【0067】
権限設定画面30において設定対象文書に対する権限が付与されたユーザは、端末20を用いて、設定対象文書を使用する。図示の例では、ユーザ「d」は、このユーザに対応する端末20を用いて、設定対象文書を編集し、編集した設定対象文書を申請する。また、ユーザ「b」やユーザ「g」は、各々に対応する端末20を用いて、申請された設定対象文書を決裁する。また、設定対象文書の承認後において、ユーザ「b」、ユーザ「d」、およびユーザ「g」は、各々に対応する端末20を用いて、承認された設定対象文書を閲覧する。
【0068】
以上の通り、本実施形態では、管理サーバ10のプロセッサ11は、設定対象文書との関係について予め定められた条件を満たす関連文書に係る関与情報に基づき、設定対象文書に対するユーザの関与の権限を設定する。
【0069】
また、本実施形態では、関連文書に係る関与情報に、ユーザに係る第1関与情報が含まれる一方でユーザに係る第2関与情報が含まれない場合に、プロセッサ11は、ユーザについて、設定対象文書に対する第1態様による関与の権限を付与する一方で第2態様に関する権限の付与を制限する。
【0070】
また、文書に対するユーザの関与の態様には、第1態様と、第2態様と、第1態様および第2態様の何れとも異なる態様であって決裁後の設定対象文書に対する関与の態様である第3態様とがある。第3態様は、例えば、決裁後の設定対象文書の閲覧である。そして、関連文書に係る関与情報に、ユーザに係る第1関与情報および第3態様に関する情報が何れも含まれない場合に、プロセッサ11は、このユーザについて、設定対象文書に対する第1態様による関与の権限の付与を制限する一方で第3態様による関与の権限を付与する。
【0071】
また、本実施形態では、プロセッサ11は、関連文書に係るユーザの関与に関する関与情報について定められた条件を満たす場合、設定対象文書に対する関与の権限をユーザに付与し、関与情報について定められた条件を満たさない場合、設定対象文書に対する関与の権限のユーザへの付与を制限する。
特に、本実施形態では、関与情報に係る条件は、関連文書に対する関与に関する時期に関して定められている。
【0072】
また、本実施形態では、プロセッサ11は、関連文書に係る関与情報について定められた条件を満たす場合に、設定対象文書に対するユーザについての設定の根拠に関する根拠情報を権限設定画面30とともに表示装置14に表示させる。
特に、本実施形態では、根拠情報には、ユーザに権限が付与された根拠に関する情報が含まれる。
また、本実施形態では、根拠情報には、設定対象文書に対する権限のユーザへの付与の制限の根拠に関する情報が含まれる。
【0073】
また、本実施形態では、プロセッサ11は、表示装置14においてユーザの指定が行われる場合において、設定対象文書に対する権限がユーザに付与される場合には、このユーザの指定を促す情報を表示装置14に表示させる。
また、プロセッサ11は、関連文書に係る関与情報が関連付けられたユーザ識別情報から特定されるユーザに、特定の文書に対する関与の権限を付与する。
【0074】
また、本実施形態では、通知部106は、設定対象文書に対する関与の権限が付与部105に付与される前に、特定のユーザの指定を促す情報や、特定のユーザが権限の付与の対象から除外されたことを示す情報を、管理者に通知する。
【0075】
なお、本実施形態では、文書に対する関与の権限の設定に関する各種の情報が管理サーバ10の表示装置14に表示され、管理者は、管理サーバ10を用いて、文書に対する関与の権限を設定しているが、これに限定されない。
例えば、管理サーバ10のプロセッサ11は、文書に対する関与の権限の設定に関する各種の情報を、端末20に表示させてもよい。また、管理者は、端末20を操作することで、文書に対する関与の権限を設定してもよい。すなわち、文書に対する関与の権限の設定に用いられる端末は、何れの端末であってもよい。
【0076】
また、本実施形態では、設定対象文書の申請の権限を指定ユーザに付与する条件として、関連文書の決裁日から現時点までの期間が有効期間内であることが定められているが、これに限定されない。
端末20は、指定ユーザが関連文書を申請した場合に、申請日を示す申請日情報を管理サーバ10に送信してもよい。そして、管理サーバ10のプロセッサ11は、関連文書の申請日から現時点までの期間が有効期間内である場合に、設定対象文書の申請の権限を指定ユーザに付与してもよい。すなわち、設定対象文書の申請の権限を指定ユーザに付与する条件は、関連文書に対する指定ユーザとは異なるユーザの関与の時期について定められてもよいし、関連文書に対する指定ユーザの関与の時期について定められてもよい。
【0077】
また、本実施形態では、ユーザに対応する端末20がユーザごとに設けられていることを説明したが、これに限定されない。
ユーザが、端末20を使用する場合に、ユーザ識別情報を端末20に入力することで、端末20がユーザに対応付けられてもよい。すなわち、端末20が使用されているときにユーザと端末20とが対応付けられれば、ユーザと端末20とが予め対応付けられなくてもよい。
【0078】
また、本実施形態では、設定対象文書に対する関与の権限の指定ユーザへの付与の条件に、関連文書の決裁日の時期が定められているが、これに限定されない。
例えば、設定対象文書に対する特定の態様による関与の権限の指定ユーザへの付与の条件に、指定ユーザが特定の態様により関与した関連文書の数が定められてもよい。一例を挙げると、プロセッサ11は、抽出部104に抽出された複数の関連文書のうちの、指定ユーザが申請した関連文書の数が有効数以上であるか否かを、設定対象文書に対する申請の権限を指定ユーザに付与するか否かの条件としてもよい。有効数は、指定ユーザが関与した関連文書の数の有効性について定められた期間である。有効数は、設定対象文書を使用しないユーザに対して設定対象文書に関与する権限を付与することを抑制する観点から定められてもよい。
【0079】
また、例えば、設定対象文書に対する特定の態様による関与の権限の指定ユーザへの付与の条件に、指定ユーザが関連文書に特定の態様により関与した頻度が定められてもよい。一例を挙げると、プロセッサ11は、抽出部104に抽出された複数の関連文書のうちの、指定ユーザによる関連文書の申請の頻度が有効頻度以上であるか否かを、設定対象文書に対する申請の権限を指定ユーザに付与するか否かの条件としてもよい。有効頻度は、予め定められた期間において指定ユーザが関与した関連文書の数について定められている。有効頻度は、設定対象文書を使用しないユーザに対して設定対象文書に関与する権限を付与することを抑制する観点から定められてもよい。
すなわち、関与情報に係る条件は、関連文書に対する関与に関する時期に関して定められるのみならず、関連文書に対する関与に関する回数に関して定められてもよい。
【0080】
また、例えば、設定対象文書に対する申請の権限の指定ユーザへの付与の条件に、指定ユーザが申請した関連文書が却下されていないことが定められてもよい。一例を挙げると、プロセッサ11は、文書管理テーブル(図4参照)において、「申請者」に指定ユーザが関連付けられた関連文書の「承認者」に「(却)」が示されていない場合に、設定対象文書に対する申請の権限を指定ユーザに付与してもよい。また、プロセッサ11は、文書管理テーブル(図4参照)において、「申請者」に指定ユーザが関連付けられた関連文書の「承認者」に「(却)」が示されている場合に、設定対象文書に対する申請の権限の指定ユーザへの付与を制限してもよい。
【0081】
また、本実施形態では、抽出部104は、設定対象文書と全ての属性が同じである文書を関連文書として抽出している。言い換えると、付与部105による権限の付与に用いられる文書が設定対象文書との関係について定められた条件は、設定対象文書と全ての属性が同じことである。
ここで、抽出部104は、少なくとも一つの属性が設定対象文書と同じである文書を、関連文書として抽出してもよい。また、抽出部104は、設定対象文書に類似する属性に属する文書を、関連文書として抽出してもよい。属性が類似することとは、例えば、文書における対象の商品またはサービスが類似すること、文章における対象の商品またはサービスの金額の範囲が近いこと、文章における対象の顧客がグループ企業の関係にあること等が挙げられる。すなわち、付与部105による権限の付与に用いられる文書が設定対象文書との関係について定められた条件は、設定対象文書と全ての属性が同じことに限定されない。
【0082】
また、本実施形態では、付与部105は、設定対象文書に対する関与の権限の指定ユーザへの付与の制限として、権限を指定ユーザに付与しないことを説明したが、これに限定されない。
付与部105は、設定対象文書に対する関与の権限の指定ユーザへの付与の制限として、設定対象文書に対する特定の態様による関与の範囲を制限してもよい。一例を挙げると、付与部105は、設定対象文書に対する決裁の権限の指定ユーザへの付与を制限する場合に、設定対象文書の一部に対する決裁の権限を指定ユーザに付与する一方で、設定対象文書の他の一部に対する決裁の権限を指定ユーザに付与しないようにしてもよい。
【0083】
また、設定対象文書に対する編集の権限が付与されたユーザが、この設定対象文書の属性を編集できるようにしてもよい。より具体的には、管理サーバ10は、設定対象文書に対する編集の権限が付与されたユーザの端末20に対して、設定対象文書の属性が編集できる態様により、設定対象文書を送信してもよい。
【0084】
また、承認後の文書に対する関与の態様は、文書の閲覧に限定されない。例えば、付与部105は、関連文書に対して指定ユーザが関与したか否かに関わらず、指定ユーザに対して、決裁後の文書を編集する権限を付与してもよい。ここで、決裁後の文書の編集は、第1態様および第2態様の何れとも異なる態様であって決裁後の文書に対する関与の態様である第3態様として捉えられる。
【0085】
また、決裁前の文書に対する関与の態様は、文書の申請および決裁に限定されない。例えば、付与部105は、関連文書に対して指定ユーザが関与したか否かに関わらず、指定ユーザに対して、決裁前の文書を閲覧する権限を付与してもよい。また、管理サーバ10は、決裁前の文書のユーザによる閲覧の履歴を管理してもよい。そして、管理サーバ10のプロセッサ11は、決裁前の関連文書のユーザによる閲覧の履歴が存在する場合に、決裁前の設定対象文書を閲覧する権限をユーザに付与してもよい。また、プロセッサ11は、決裁前の関連文書のユーザによる閲覧の履歴が無い場合に、決裁前の設定対象文書を閲覧する権限のユーザへの付与を制限してもよい。
【0086】
また、本実施形態では、付与部105は、設定対象文書の申請または決裁の権限を指定ユーザに付与する場合に、設定対象文書を編集する権限も指定ユーザに付与しているが、これに限定されない。
管理サーバ10は、例えば、ユーザによる文書の編集の履歴を管理してもよい。そして、管理サーバ10のプロセッサ11は、ユーザによる関連文書の編集の履歴が存在する場合に、設定対象文書の編集の権限をユーザに付与してもよい。また、プロセッサ11は、ユーザによる関連文書の編集の履歴が無い場合に、設定対象文書を編集する権限のユーザへの付与を制限してもよい。
【0087】
また、根拠情報として除外通知部36に表示される情報は、上記の例に限定されない。例えば、ユーザが設定対象文書と同じ属性の文書に関与していないためにユーザへの権限の付与が制限される場合に、ユーザへの権限の付与が制限される根拠として、ユーザが関与しなかった文書の属性を示す情報が、除外通知部36に表示されてもよい。
また、根拠情報として申請根拠画像40に表示される情報は、上記の例に限定されない。例えば、ユーザが設定対象文書と同じ属性の文書を申請したためにユーザに権限が付与される場合に、ユーザに権限が付与される根拠として、ユーザが申請した文書の属性を示す情報が、申請根拠画像40に表示されてもよい。
また、根拠情報として決裁根拠画像42に表示される情報は、上記の例に限定されない。例えば、ユーザが設定対象文書と同じ属性の文書を決裁したためにユーザに権限が付与される場合に、ユーザに権限が付与される根拠として、ユーザが決裁した文書の属性を示す情報が、決裁根拠画像42に表示されてもよい。
【0088】
また、上述した本実施形態におけるプロセッサ11は、広義的な意味でのプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU(=Central Processing Unit)等)の他、専用的なプロセッサ(例えばGPU(=Graphical Processing Unit)、ASIC(=Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(=Field Programmable Gate Array)、プログラム論理デバイス等)を含む。
また、上述した本実施形態におけるプロセッサ11の動作は、1つのプロセッサが単独で実行してもよいが、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して実行してもよい。また、プロセッサにおける各動作の実行の順序は、上述した本実施形態に記載した順序のみに限定されるものでなく、個別に変更してもよい。
【符号の説明】
【0089】
1…文書使用システム、10…管理サーバ、20…端末、11…プロセッサ、12…記憶装置、101…取得部、102…記憶部、103…受付部、104…抽出部、105…付与部、106…通知部、107…管理部、108…出力部
図1
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