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特許7537180可塑化装置、射出成形装置、および三次元造形装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】可塑化装置、射出成形装置、および三次元造形装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/00 20060101AFI20240814BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20240814BHJP
   B33Y 40/00 20200101ALI20240814BHJP
   B29C 64/209 20170101ALI20240814BHJP
   B29C 64/321 20170101ALI20240814BHJP
【FI】
B29C45/00
B33Y30/00
B33Y40/00
B29C64/209
B29C64/321
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020141532
(22)【出願日】2020-08-25
(65)【公開番号】P2022037410
(43)【公開日】2022-03-09
【審査請求日】2023-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】丸山 英伸
(72)【発明者】
【氏名】丸山 和伸
(72)【発明者】
【氏名】菅野 誠人
【審査官】田村 佳孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-055485(JP,A)
【文献】特開2010-000738(JP,A)
【文献】特開平03-104616(JP,A)
【文献】特開2016-002696(JP,A)
【文献】特開2005-349583(JP,A)
【文献】国際公開第2015/129733(WO,A1)
【文献】特開2018-051917(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109262968(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0239158(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00
B33Y 30/00
B33Y 40/00
B29C 64/209
B29C 64/321
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料を受け入れる供給口を有し、前記材料を可塑化して溶融材料を生成する可塑化部と

前記供給口に連通する投入口を有し、前記投入口から前記材料を前記可塑化部に供給す
る材料供給部と、
前記投入口と前記供給口とをつなぐ供給経路に気体を吹き入れる送風部と、
を含み、
前記可塑化部は、
駆動モーターと、
前記駆動モーターによって回転し、溝が設けられた溝形成面を有するスクリューと、
前記溝形成面に対向し、前記溝と連通する連通孔が設けられた対向面を有するバレルと
、を有し、
前記溝は、前記供給口を有し、
前記連通孔の圧力を検出する圧力検出部をさらに含み、
前記送風部は、前記圧力検出部の検出結果に基づいて制御される、
可塑化装置。
【請求項2】
材料を受け入れる供給口を有し、前記材料を可塑化して溶融材料を生成する可塑化部と

前記供給口に連通する投入口を有し、前記投入口から前記材料を前記可塑化部に供給す
る材料供給部と、
前記投入口と前記供給口とをつなぐ供給経路に気体を吹き入れる送風部と、
を含み、
前記可塑化部は、
駆動モーターと、
前記駆動モーターによって回転するスクリューと、を有し、
前記送風部は、前記スクリューの回転に基づいて制御される、
可塑化装置。
【請求項3】
材料を受け入れる供給口を有し、前記材料を可塑化して溶融材料を生成する可塑化部と

前記供給口に連通する投入口を有し、前記投入口から前記材料を前記可塑化部に供給す
る材料供給部と、
前記投入口と前記供給口とをつなぐ供給経路に送風口から気体を吹き入れる送風部と、
前記供給経路の前記材料を検出する第2材料検出部と、
を含み、
前記可塑化部は、
駆動モーターと、
前記駆動モーターによって回転するスクリューと、を有し、
前記スクリューは、前記第2材料検出部が材料切れを検出した場合に、回転が停止され

前記送風口は、前記供給経路において、前記第2材料検出部と前記投入口側との間に設
けられている、
可塑化装置。
【請求項4】
請求項1又は2のいずれか1項において、
前記供給経路の前記材料を検出する第2材料検出部を含み、
前記スクリューは、前記第2材料検出部が材料切れを検出した場合に、回転が停止され
る、可塑化装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項において、
前記材料供給部内の前記材料を検出する第1材料検出部と、
前記材料供給部に前記材料を補給する材料補給部と、
を含み、
前記材料補給部は、前記第1材料検出部の検出結果に基づいて、前記材料供給部に前記
材料を補給する、可塑化装置。
【請求項6】
請求項2ないし5のいずれか1項において、
前記スクリューは、溝が設けられた溝形成面を有し、
前記溝は、前記供給口を有し、
前記可塑化部は、前記溝形成面に対向する対向面を備えたバレルを有し、
前記対向面には、前記溝と連通する連通孔が設けられている、可塑化装置。
【請求項7】
請求項において、
前記送風部は、前記圧力検出部で検出された圧力が所定値よりも小さい場合に起動され
る、可塑化装置。
【請求項8】
請求項において、
前記送風部は、前記駆動モーターのトルク値が所定値よりも小さい場合に起動される、
可塑化装置。
【請求項9】
請求項1ないしのいずれか1項において、
前記材料供給部は、金属粒子および熱可塑性樹脂を含む前記材料を供給する、可塑化装
置。
【請求項10】
請求項1ないしのいずれか1項に記載の可塑化装置と、
前記可塑化装置から供給された前記溶融材料を成形型に射出するノズルと、
を含む、射出成形装置。
【請求項11】
請求項1ないしのいずれか1項に記載の可塑化装置と、
前記可塑化装置から供給された前記溶融材料をステージに向かって吐出させるノズルと

を含む、三次元造形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可塑化装置、射出成形装置、および三次元造形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、可塑化装置によって可塑化された材料を、一対の金型で形成されたキャビティーに供給し、ノズルから射出させる射出成形装置が知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、螺旋溝が形成されたローターと、ローターの端面と当接して中心に螺旋溝と連通する材料流入通路が設けられたバレルと、を備えた可塑化送出装置が記載されている。材料となるペレット状の樹脂は、ホッパー内に貯留されており、ホッパーから螺旋溝の径方向外側端部に供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-241016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような可塑化送出装置では、材料がホッパーの投入口付近で詰まり、材料がローターに形成された螺旋溝に供給されない場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る可塑化装置の一態様は、
材料を受け入れる供給口を有し、前記材料を可塑化して溶融材料を生成する可塑化部と、
前記供給口に連通する投入口を有し、前記投入口から前記材料を前記可塑化部に供給する材料供給部と、
前記投入口と前記供給口とをつなぐ供給経路に気体を吹き入れる送風部と、
を含む。
【0007】
本発明に係る射出成形装置の一態様は、
材料を可塑化して溶融材料にする可塑化装置と、
前記可塑化装置から供給された前記溶融材料を金型に射出するノズルと、
を含み、
前記可塑化装置は、
前記材料を受け入れる供給口を有し、前記材料を可塑化して溶融材料を生成する可塑化部と、
前記供給口に連通する投入口を有し、前記投入口から前記材料を前記可塑化部に供給する材料供給部と、
前記投入口と前記供給口とをつなぐ供給経路に気体を吹き入れる送風部と、
を含む。
【0008】
本発明に係る三次元造形装置の一態様は、
三次元造形物を造形する三次元造形装置であって、
材料を可塑化して溶融材料にする可塑化装置と、
前記可塑化装置から供給された前記溶融材料をステージに向かって吐出させるノズルと、
制御部と、
を含み、
前記可塑化装置は、
前記材料を受け入れる供給口を有し、前記材料を可塑化して溶融材料を生成する可塑化部と、
前記供給口に連通する投入口を有し、前記投入口から前記材料を前記可塑化部に供給する材料供給部と、
前記投入口と前記供給口とをつなぐ供給経路に気体を吹き入れる送風部と、
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る射出成形装置を模式的に示す側面図。
図2】本実施形態に係る射出成形装置を模式的に示す断面図。
図3】本実施形態に係る射出成形装置のフラットスクリューを模式的に示す斜視図。
図4】本実施形態に係る射出成形装置のバレルを模式的に示す平面図。
図5】本実施形態に係る射出成形装置を模式的に示す断面図。
図6】本実施形態に係る射出成形装置を模式的に示す斜視図。
図7】本実施形態に係る三次元造形装置を模式的に示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0011】
1. 射出成形装置
1.1. 全体の構成
まず、本実施形態に係る射出成形装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る射出成形装置100を模式的に示す側面図である。なお、図1では、互いに直交する3軸として、X軸、Y軸、およびZ軸を示している。X軸方向およびY軸方向は、例えば、水平方向である。Z軸方向は、例えば、鉛直方向である。
【0012】
射出成形装置100は、図1に示すように、射出部20と、型部30と、型締部40と、制御部50と、を含む。
【0013】
射出部20は、材料供給部10から供給された材料を可塑化して、溶融材料にする。そして、射出部20は、溶融材料を型部30に向けて射出する。
【0014】
なお、可塑化とは、溶融を含む概念であり、固体から流動性を有する状態に変化させることである。具体的には、ガラス転移が起こる材料の場合、可塑化とは、材料の温度をガラス転移点以上にすることである。ガラス転移が起こらない材料の場合、可塑化とは、材料の温度を融点以上にすることである。
【0015】
型部30には、成形品の形状に相当するキャビティーが形成される。射出部20から射出された溶融材料は、キャビティーに流れ込む。そして、溶融材料が冷却されて固化され、成形品が生成される。
【0016】
型締部40は、型部30の開閉を行う。型締部40は、溶融材料が冷却された固化された後に、型部30を開く。これにより、成形品が外部に排出される。
【0017】
制御部50は、例えば、プロセッサーと、主記憶装置と、外部との信号の入出力を行う入出力インターフェースと、を有するコンピューターによって構成されている。制御部50は、例えば、主記憶装置に読み込んだプログラムをプロセッサーが実行することによって、種々の機能を発揮する。具体的には、制御部50は、射出部20および型締部40を制御する。なお、制御部50は、コンピューターではなく、複数の回路の組み合わせによって構成されてもよい。制御部50の具体的な制御については、後述する。
【0018】
1.2. 具体的な構成
図2は、射出成形装置100を模式的に示す図1のII-II線断面図である。射出部20は、図2に示すように、例えば、可塑化部61を含む可塑化装置60と、射出機構70と、ノズル80と、を有している。
【0019】
可塑化部61は、材料供給部10から供給された材料を可塑化し、流動性を有するペースト状の溶融材料を生成して射出機構70へと導く。可塑化部61は、例えば、スクリューケース62と、駆動モーター64と、フラットスクリュー110と、バレル120と、加熱部130と、逆止弁140と、圧力検出部150と、を有している。
【0020】
スクリューケース62は、フラットスクリュー110を収容する筐体である。スクリューケース62とバレル120とによって囲まれた空間に、フラットスクリュー110が収容されている。
【0021】
駆動モーター64は、スクリューケース62に設けられている。駆動モーター64は、フラットスクリュー110を回転させる。駆動モーター64は、制御部50によって制御される。
【0022】
フラットスクリュー110は、回転軸RA方向の大きさが、回転軸RA方向と直交する方向の大きさよりも小さい略円柱形状を有している。図示の例では、回転軸RAは、Y軸と平行である。駆動モーター64が発生させるトルクによって、フラットスクリュー110は、回転軸RAを中心に回転する。フラットスクリュー110は、主面111と、主面111とは反対側の溝形成面112と、主面111と溝形成面112とを接続する接続面113と、を有している。ここで、図3は、フラットスクリュー110を模式的に示す斜視図である。なお、便宜上、図3では、図2に示した状態とは上下の位置関係を逆向きとした状態を示している。また、図2では、フラットスクリュー110を簡略化して図示している。
【0023】
フラットスクリュー110の溝形成面112には、図3に示すように、第1溝114が設けられている。第1溝114は、例えば、中央部115と、溝接続部116と、材料導入部117と、を有している。中央部115は、バレル120に設けられた連通孔126と対向している。中央部115は、連通孔126と連通している。溝接続部116は、中央部115と材料導入部117とを接続している。図示の例では、溝接続部116は、中央部115から溝形成面112の外周に向かって渦状に設けられている。材料導入部117は、溝形成面112の外周に設けられている。すなわち、材料導入部117は、フラットスクリュー110の接続面113に設けられている。材料供給部10から供給された材料は、材料導入部117から第1溝114に導入され、溝接続部116および中央部115を通って、バレル120に設けられた連通孔126に搬送される。なお、第1溝114の数は、特に限定されず、2つ以上の第1溝114が設けられていてもよい。
【0024】
バレル120は、図2に示すように、フラットスクリュー110に接続して設けられている。バレル120は、フラットスクリュー110の溝形成面112に対向する対向面122を有している。対向面122の中心には、連通孔126が設けられている。ここで、図4は、バレル120を模式的に示す平面図である。なお、便宜上、図2では、バレル120を簡略化して図示している。
【0025】
バレル120の対向面122には、図4に示すように、第2溝124と、連通孔126と、が設けられている。第2溝124は、複数設けられている。図示の例では、6つの第2溝124が設けられているが、その数は、特に限定されない。複数の第2溝124は、Y軸方向からみて、連通孔126の周りに設けられている。第2溝124は、一端が連通孔126に接続され、連通孔126から対向面122の外周に向かって渦状に延びている。第2溝124は、溶融材料を連通孔126に導く機能を有している。
【0026】
なお、第2溝124の形状は、特に限定されず、例えば、直線状であってもよい。また、第2溝124は、対向面122に設けられていなくてもよい。ただし、連通孔126に溶融材料を効率よく導くことを考慮すると、第2溝124は、対向面122に設けられていることが好ましい。
【0027】
加熱部130は、フラットスクリュー110とバレル120との間に供給された材料を加熱する。加熱部130は、例えば、バレル120に設けられている。図示の例では、加熱部130は、バレル120に設けられた4本のヒーターによって構成されている。加熱部130の出力は、制御部50によって制御される。可塑化部61は、フラットスクリュー110、バレル120、および加熱部130によって、材料を連通孔126に向かって搬送しながら加熱して溶融材料を生成し、生成された溶融材料を、連通孔126から射出機構70へと流出させる。
【0028】
逆止弁140は、図2に示すように、連通孔126に設けられている。逆止弁140 は、連通孔126からフラットスクリュー110に設けられた第1溝114への溶融材料の逆流を抑制する。
【0029】
圧力検出部150は、連通孔126に設けられている。圧力検出部150は、連通孔126の圧力を検出する圧力センサーである。
【0030】
射出機構70は、例えば、シリンダー72と、プランジャー74と、プランジャー駆動部76と、を有している。シリンダー72は、連通孔126に接続された略円筒状の部材である。プランジャー74は、シリンダー72の内部を移動する。プランジャー74は、モーターやギア等によって構成されたプランジャー駆動部76によって駆動される。プランジャー駆動部76は、制御部50によって制御される。
【0031】
射出機構70は、プランジャー74をシリンダー72内で摺動させることによって、計量操作および射出操作を実行する。計量操作とは、連通孔126から離れる-X軸方向にプランジャー74を移動させることによって、連通孔126に位置する溶融材料をシリンダー72内へと導いて、シリンダー72内において計量する操作を指す。射出操作とは、連通孔126へ近付く+X軸方向にプランジャー74を移動させることによって、シリンダー72内の溶融材料を、ノズル80を介して型部30に射出する操作を指す。
【0032】
ノズル80には、連通孔126と連通しているノズル孔82が設けられている。ノズル孔82は、可塑化部61から供給された溶融材料を型部30の成形型32に射出する。具体的には、上述した計量操作および射出操作が実行されることによって、シリンダー72内で計量された溶融材料が、射出機構70から連通孔126を介してノズル孔82へと送られる。そして、溶融材料は、ノズル孔82から型部30へと射出される。
【0033】
型部30は、成形型32を有している。成形型32は、金型である。ノズル孔82に送られた溶融材料は、ノズル孔82から成形型32のキャビティー34に射出される。具体的には、成形型32は、互いに対向する可動型36および固定型38を有し、可動型36と固定型38との間にキャビティー34を有している。キャビティー34は、成形品の形状に相当する空間である。可動型36および固定型38の材質は、金属である。なお、可動型36および固定型38の材質は、セラミックス、樹脂であってもよい。
【0034】
型締部40は、例えば、型駆動部42と、ボールねじ部44と、を有している。型駆動部42は、例えば、モーター、ギアなどによって構成されている。型駆動部42は、ボールねじ部44を介して可動型36に接続されている。型駆動部42の駆動は、制御部50によって制御される。ボールねじ部44は、型駆動部42の駆動による動力を可動型36に伝達する。型締部40は、型駆動部42およびボールねじ部44によって可動型36を移動させることによって、型部30の開閉を行う。
【0035】
1.3. 送風部等
図5は、射出成形装置100の可塑化装置60を模式的に示す断面図であって、図1に射出成形装置100を、Y軸およびZ軸を含むYZ平面に平行な面で切断した場合の断面図である。
【0036】
可塑化装置60は、図5に示すように、上述した材料供給部10および可塑化部61と、材料補給部160と、連結部170と、第1材料検出部180と、第2材料検出部182と、送風部190と、を含む。なお、便宜上、図1では、材料補給部160の図示を省略している。
【0037】
材料補給部160は、材料供給部10に材料Pを補給する。図示の例では、材料Pは、ペレット状である。材料Pは、例えば、金属粒子および熱可塑性樹脂を含むMIM材(Metal Injection Molding)である。
【0038】
材料Pに含まれる金属粒子の材質としては、例えば、マグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、コバルト(Co)やクロム(Cr)、アルミニウム (Al)、チタン(Ti)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)の単一の金属、もしくはこれらの金属を1つ以上含む合金、また、マルエージング鋼、ステンレス、コバルトクロムモリブデン、チタニウム合金、ニッケル合金、アルミニウム合金、コバルト合金、コバルトクロム合金が挙げられる。
【0039】
材料Pに含まれる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアセタール(POM )、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミド(PA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリ乳酸(PLA)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートなどの汎用エンジニアリングプラスチック、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などのエンジニアリングプラスチックが挙げられる。
【0040】
材料供給部10には、材料補給部160から材料Pが補給される。材料供給部10は、補給された材料Pを可塑化部61に供給する。材料供給部10としては、例えば、ホッパーが用いられる。材料供給部10には、材料Pが通る空洞12が設けられている。空洞12は、Y軸方向の大きさが一定である幅一定部12aと、Y軸方向の大きさが-Z軸方向に向かうにつれて徐々に小さくなる逆テーパー部12bと、を有している。材料供給部10は、材料導入部117に連通する投入口14を有している。図示の例では、投入口14は、逆テーパー部12bの-Z軸方向の端である。材料供給部10は、投入口14から連結部170を介して材料Pを可塑化部61に供給する。
【0041】
連結部170は、材料供給部10と可塑化部61とを連結している。連結部170の形状は、例えば、板状である。連結部170には、材料Pの経路となる供給経路172が設けられている。供給経路172は、投入口14と材料導入部117とをつないでいる。投入口14と材料導入部117とは、供給経路172を介して、連通している。図示の例では、供給経路172は、投入口14から材料導入部117まで一定の幅で設けられている。可塑化部61の材料導入部117は、材料Pを受け入れる供給口である。図示の例では、供給経路172は、連結部170およびスクリューケース62に設けられている。連結部170および材料供給部10は、可塑化部61に材料Pを供給する材料供給装置174を構成している。
【0042】
第1材料検出部180は、材料供給部10内の材料Pを検出する。第1材料検出部180は、例えば、材料供給部10に支持されている。第1材料検出部180の先端181は、材料供給部10に設けられた空洞12の逆テーパー部12bに位置している。第1材料検出部180は、材料供給部10内の材料Pの有無を検知する。第1材料検出部180は、例えば、高周波誘導式近接センサーや静電容量式近接センサーなどの近接センサーである。
【0043】
第2材料検出部182は、供給経路172の材料Pを検出する。第2材料検出部182は、例えば、可塑化部61に支持されている。第2材料検出部182の先端183は、可塑化部61に設けられた供給経路172に位置している。第2材料検出部182は、供給経路172の材料Pの有無を検知する。第2材料検出部182は、例えば、高周波誘導式近接センサーや静電容量式近接センサーなどの近接センサーである。
【0044】
なお、第1材料検出部180および第2材料検出部182は、重量センサーや圧力センサーであり、材料Pの残量を数値化することによって検出してもよい。また、第1材料検出部180および第2材料検出部182の一方または両方が設けられていなくてもよいが、材料切れを確実に検出するためには、第1材料検出部180および第2材料検出部182の両方が設けられていることが好ましい。
【0045】
送風部190は、供給経路172に気体を吹き入れる。送風部190は、例えば、ポンプ192と、ホース194と、を有している。ホース194は、ポンプ192からの気体を送る送風経路196を規定している。ここで、図6は、可塑化装置60を模式的に示す斜視図である。図5および図6に示す例では、送風経路196は、さらに連結部170によって規定されている。なお、便宜上、図6では、ホース194の図示を省略している。
【0046】
送風部190の送風経路196は、供給経路172と連通している。送風部190は、送風口198から供給経路172に気体を吹き入れる。送風口198は、送風経路196の供給経路172側の端である。図示の例では、送風口198は、送風経路196の+Y軸方向の端である。送風口198は、供給経路172において、第2材料検出部182と投入口14との間に設けられている。送風口198は、第2材料検出部182よりも投入口14側に位置している。送風口198は、第2材料検出部182の先端183よりも供給経路172の上流側に位置している。図示の例では、送風口198は、先端183よりも+Z軸方向に位置している。
【0047】
送風部190は、供給経路172に対して、交差する方向に気体を吹き入れる。図示の例では、送風部190は、+Y軸方向に気体を吹き入れ、材料Pは、供給経路172を-Z軸方向に進んで可塑化部61に供給される。
【0048】
送風部190から送風される気体は、例えば、空気である。送風部190から送風される気体は、乾燥された空気であることが好ましい。これにより、材料Pが気体に含まれる水分によって反応することを抑制することができる。空気の乾燥方法は、特に限定されないが、例えば、モレキュラーシーブによる乾燥が挙げられる。
【0049】
送風部190から送風される気体は、アルゴンなどの希ガスであってもよい。これにより、材料Pが気体に含まれる酸素によって反応することを抑制することができる。例えば材料Pが熱硬化性樹脂を含む場合、材料Pは化学的に不安定であり、空気中の酸素と反応する場合がある。
【0050】
1.4. 制御部
制御部50は、例えば、圧力検出部150の検出結果に基づいて、送風部190を制御する。具体的には、圧力検出部150で検出された圧力が所定値よりも小さい場合に、制御部50は、送風部190を起動させる。送風部190は、圧力検出部150の検出結果に基づいて制御され、圧力検出部150で検出された圧力が所定値よりも小さい場合に起動される。圧力検出部150で検出された圧力が所定よりも小さい場合は、供給経路172において材料Pが詰まり、材料Pが材料導入部117に供給されていない可能性がある。したがって、圧力検出部150の検出によって供給経路172における材料Pの詰まりを検出することができる。特に投入口14付近では、空洞12の幅が狭くなるため、材料Pが詰まり易い。圧力検出部150で検出された圧力が所定よりも小さい場合に、制御部50は、送風部190を起動させて気体を供給経路172に送風し、気体の空圧によって材料Pの詰まりを解消する。送風部190を起動させることにより圧力検出部150で検出される圧力が所定値より大きい通常の値となった場合、制御部50は、送風部190による送風を停止させる。
【0051】
制御部50は、例えば、フラットスクリュー110の回転に基づいて、送風部190を制御する。具体的には、制御部50は、駆動モーター64のトルク値を取得し、取得したトルク値が所定値よりも小さい場合に、送風部190を起動させる。送風部190は、フラットスクリュー110の回転に基づいて制御され、駆動モーター64のトルク値が所定値よりも小さい場合に起動される。駆動モーター64のトルク値が所定値よりも小さい場合は、供給経路172において材料Pが詰まり、材料Pが材料導入部117に供給されないために、フラットスクリュー110が空回りしている可能性がある。したがって、駆動モーター64のトルク値によって供給経路172においる材料Pの詰まりを検出することができる。駆動モーター64のトルク値が所定値よりも小さい場合に、制御部50は、送風部190を起動させて気体を供給経路172に送風し、材料Pの詰まりを解消する。送風部190を起動させることにより駆動モーター64のトルク値が所定値より大きい通常の値となった場合、制御部50は、送風部190による送風を停止させる。なお、圧力検出部150の検出結果やフラットスクリュー110の回転によらず、送風部190は、供給経路172に連続的に気体を送風してもよい。
【0052】
制御部50は、例えば、第1材料検出部180の検出結果に基づいて、材料補給部160を制御して材料供給部10に材料Pを補給する。材料補給部160は、第1材料検出部180の検出結果に基づいて、材料供給部10に材料Pを補給する。具体的には、第1材料検出部180が材料切れを検出した場合に、制御部50は、材料補給部160を駆動して、材料供給部10に材料Pを供給する。これにより、材料供給部10の材料切れを解消することができる。
【0053】
制御部50は、例えば、フラットスクリュー110を制御する。具体的には、第2材料検出部182が材料切れを検出した場合に、制御部50は、駆動モーター64を制御して、フラットスクリュー110の回転を停止させる。フラットスクリュー110は、第2材料検出部182が材料切れを検出した場合に、回転が停止される。これにより、フラットスクリュー110の空回りを防ぐことができる。
【0054】
なお、上記では、1つの制御部50において、圧力検出部150の検出結果に基づく送風部190の制御と、フラットスクリュー110の回転に基づく送風部190と、第1材料検出部180の検出結果に基づく材料補給部160の制御と、第2材料検出部182の検出結果に基づくフラットスクリュー110の制御と、を行う例について説明したが、制御ごとに別個の制御部を設けてもよい。ただし、装置の小型化を考慮すると、1つの制御部で上記の制御を行うことが好ましい。また、制御部50は、上記の制御の全てを行ってもよいし、いずれか1つの制御を行ってもよく、その数は、特に限定されない。
【0055】
1.5. 作用効果
可塑化装置60では、材料Pを受け入れる供給口としての材料導入部117を有し、材料Pを可塑化して溶融材料を生成する可塑化部61と、材料導入部117に連通する投入口14を有し、投入口14から材料Pを可塑化部61に供給する材料供給部10と、投入口14と材料導入部117をつなぐ供給経路172に気体を吹き入れる送風部190と、を含む。そのため、可塑化装置60では、仮に供給経路172において材料Pが詰まったとしても、送風部190からの気体によって材料Pを攪拌させて材料Pの詰まりを解消することができる。これにより、材料Pが可塑化部61に供給されないことによるブリッジ現象の発生を抑制することができる。
【0056】
さらに、可塑化装置60では、送風部190からの気体によって材料Pを冷却させることができる。これにより、材料Pが供給経路172において溶融して凝集することを抑制することができる。供給経路172において材料Pが凝集すると、詰まりが発生し易くなる。
【0057】
さらに、可塑化装置60では、送風部190を設けることにより材料Pの詰まりを解消できるため、例えば、機械的に供給経路の材料Pを攪拌させて詰まりを解消させる場合に比べて、装置の小型化を図ることができる。
【0058】
可塑化装置60では、材料供給部10内の材料Pを検出する第1材料検出部180と、材料供給部10に材料Pを補給する材料補給部160と、を含み、材料補給部160は、前記第1材料検出部の検出結果に基づいて、前記材料供給部に前記材料を補給する。そのため、可塑化装置60では、第1材料検出部180が材料切れを検知した場合、自動で、材料補給部160によって材料供給部10に材料が補給されるため、材料Pを材料供給部10に供給する手間を省くことができる。
【0059】
可塑化装置60では、フラットスクリュー110は、第1溝114が設けられた溝形成面112を有し、第1溝114は、材料導入部117を有し、可塑化部61は、溝形成面112に対向する対向面122を備えたバレル120を有し、対向面122には、第1溝114と連通する連通孔126が設けられている。そのため、可塑化装置60では、材料Pを、第1溝114を介して連通孔126に供給することができる。さらに、スクリューとして回転軸RA方向に長い棒状のインラインスクリューを用いる場合に比べて、省スペース化を図ることができる。
【0060】
可塑化装置60では、連通孔126の圧力を検出する圧力検出部150を含み、送風部190は、圧力検出部150の検出結果に基づいて制御される。可塑化装置60では、圧力検出部150の検出結果によって供給経路172における材料Pの詰まりを検出することができ、送風部190によって材料Pの詰まりを解消することができる。
【0061】
可塑化装置60では、送風部190は、圧力検出部150で検出された圧力が所定値よりも小さい場合に起動される。そのため、可塑化装置60では、材料Pの詰まりを解消することができる。
【0062】
可塑化装置60では、送風部190は、フラットスクリュー110の回転に基づいて制御される。可塑化装置60では、フラットスクリュー110の回転によって供給経路172における材料Pの詰まりを検出することができ、送風部190によって材料Pの詰まりを解消することができる。
【0063】
可塑化装置60では、送風部190は、駆動モーター64のトルク値が所定値よりも小さい場合に起動される。そのため、可塑化装置60では、材料Pの詰まりを解消することができる。
【0064】
可塑化装置60では、供給経路172の材料Pを検出する第2材料検出部182を含み、フラットスクリュー110は、第2材料検出部182が材料切れを検出した場合に、回転が停止される。そのため、可塑化装置60では、フラットスクリュー110の空回りを防ぐことができる。
【0065】
可塑化装置60では、送風部190は、送風口198から供給経路172に気体を吹き入れ、送風口198は、供給経路172において、第2材料検出部182と投入口14との間に設けられている。そのため、可塑化装置60では、送風部190からの気体によって材料Pが舞い上がり、第2材料検出部182が誤動作する可能性を小さくすることができる。
【0066】
可塑化装置60では、材料供給部10は、金属粒子および熱可塑性樹脂を含む材料Pを供給する。このようなMIM材からなる材料Pは、例えば樹脂のみからなる場合に比べて、質量が大きく詰まりが発生し易い。しかし、可塑化装置60では、このようなMIM材を用いても、送風部190からの気体によって材料Pの詰まりを解消することができる。さらに、MIM材からなる材料Pは、例えば樹脂のみからなる場合に比べて、熱伝導率が高い。そのため、材料Pに可塑化部61の熱が伝わり易すく、材料Pが溶融して凝集し易くなる。しかし、可塑化装置60では、送風部190からの気体によって材料Pを冷却することができるため、このようなMIM材を用いても、材料Pの溶融を抑制することができる。
【0067】
なお、材料Pは、金属粒子および熱可塑性樹脂の他に、セラミックスが混入されていてもよい。セラミックスとしては、例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムなどの酸化物セラミックスや、窒化アルミニウムなどの非酸化物セラミックスなどが挙げられる。さらに、材料Pには、例えば、顔料、ワックス、難燃剤、酸化防止剤、熱安定剤などの添加剤等が混入されていてもよい。
【0068】
さらに、材料Pには、バインダーが添加されていてもよい。バインダーとしては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、セルロース系樹脂或いはその他の合成樹脂またはPLA(ポリ乳酸)、PA(ポリアミド)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)が挙げられる。
【0069】
また、上記の例では、スクリューとして、回転軸RA方向の大きさが回転軸RA方向と直交する方向の大きさよりも小さいフラットスクリュー110を用いたが、フラットスクリュー110の代わりに、回転軸RA方向に長い棒状のインラインスクリューを用いてもよい。
【0070】
また、上記では、射出成形装置100が制御部50を有し、可塑化装置60が制御部を有しない例について説明したが、可塑化装置60が制御部50を有していてもよい。
【0071】
2. 三次元造形装置
次に、本実施形態に係る三次元造形装置について、図面を参照しながら説明する。図7は、本実施形態に係る三次元造形装置200を模式的に示す側面図である。
【0072】
三次元造形装置200は、例えば、図7に示すように、可塑化装置60と、ノズル80と、ステージ210と、移動機構220と、制御部50と、を含む。なお、便宜上、図7では、材料Pの図示を省略している。
【0073】
可塑化装置60は、材料供給部10と、可塑化部61と、材料補給部160と、連結部170と、第1材料検出部180と、第2材料検出部182と、送風部190と、を含む。可塑化部61は、スクリューケース62と、駆動モーター64と、フラットスクリュー110と、バレル120と、加熱部130と、逆止弁140と、圧力検出部150と、を有している。
【0074】
ノズル80は、可塑化装置60から供給された溶融材料をステージ210に向かって吐出させる。具体的には、三次元造形装置200は、ノズル80からステージ210に溶融材料を吐出させつつ、移動機構220を駆動して、ノズル80とステージ210との相対的な位置を変化させる。これにより、三次元造形装置200は、ステージ210上に所望の形状の三次元造形物を造形する。
【0075】
ステージ210は、移動機構220によって移動される。三次元造形物は、ステージ210の造形面212に形成される。
【0076】
移動機構220は、ノズル80とステージ210との相対的な位置を変化させる。図示の例では、移動機構220は、ノズル80に対して、ステージ210を移動させる。移動機構220は、例えば、3つのモーター222の駆動力によって、ステージ210をX軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向に移動させる3軸ポジショナーによって構成される。モーター222は、制御部50によって制御される。
【0077】
なお、移動機構220は、ステージ210を移動させずに、ノズル80を移動させる構成であってもよい。または、移動機構220は、ノズル80およびステージ210の両方を移動させる構成であってもよい。
【0078】
制御部50は、予め取得した造形データに基づいて移動機構220および可塑化装置60を制御することにより、ノズル80からステージ210上の所定の位置に、溶融材料を吐出させることで、三次元造形物を造形する。
【0079】
また、上記では、三次元造形装置200が制御部50を有し、可塑化装置60が制御部を有しない例について説明したが、可塑化装置60が制御部50を有していてもよい。
【0080】
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成、例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0081】
上述した実施形態から以下の内容が導き出される。
【0082】
可塑化装置の一態様は、
材料を受け入れる供給口を有し、前記材料を可塑化して溶融材料を生成する可塑化部と、
前記供給口に連通する投入口を有し、前記投入口から前記材料を前記可塑化部に供給する材料供給部と、
前記投入口と前記供給口とをつなぐ供給経路に気体を吹き入れる送風部と、
を含む。
【0083】
この可塑化装置によれば、仮に供給経路において材料が詰まったとしても、送風部からの気体によって材料を攪拌させて材料の詰まりを解消することができる。これにより、材料が可塑化部に供給されないことによるブリッジ現象の発生を抑制することができる。
【0084】
前記可塑化装置の一態様において、
前記材料供給部内の前記材料を検出する第1材料検出部と、
前記材料供給部に前記材料を補給する材料補給部と、
を含み、
前記材料補給部は、前記第1材料検出部の検出結果に基づいて、前記材料供給部に前記材料を補給してもよい。
【0085】
この可塑化装置によれば、第1材料検出部が材料切れを検知した場合、自動で、材料補給部によって材料供給部に材料が補給されるため、材料を材料供給部に供給する手間を省くことができる。
【0086】
前記可塑化装置の一態様において、
前記可塑化部は、
駆動モーターと、
前記駆動モーターによって回転するスクリューと、
を有してもよい。
【0087】
前記可塑化装置の一態様において、
前記スクリューは、溝が設けられた溝形成面を有し、
前記溝は、前記供給口を有し、
前記可塑化部は、前記溝形成面に対向する対向面を備えたバレルを有し、
前記対向面には、前記溝と連通する連通孔が設けられていてもよい。
【0088】
この可塑化装置によれば、材料を、溝を介して連通孔に供給することができる。
【0089】
前記可塑化装置の一態様において、
前記連通孔の圧力を検出する圧力検出部を含み、
前記送風部は、前記圧力検出部の検出結果に基づいて制御されてもよい。
【0090】
この可塑化装置によれば、圧力検出部の検出結果によって供給経路における材料の詰まりを検出することができ、送風部によって材料の詰まりを解消することができる。
【0091】
前記可塑化装置の一態様において、
前記送風部は、前記圧力検出部で検出された圧力が所定値よりも小さい場合に起動されてもよい。
【0092】
この可塑化装置によれば、材料の詰まりを解消することができる。
【0093】
前記可塑化装置の一態様において、
前記送風部は、前記スクリューの回転に基づいて制御されてもよい。
【0094】
この可塑化装置によれば、スクリューの回転によって供給経路における材料の詰まりを検出することができ、送風部によって材料Pの詰まりを解消することができる。
【0095】
前記可塑化装置の一態様において、
前記送風部は、前記駆動モーターのトルク値が所定値よりも小さい場合に起動されてもよい。
【0096】
この可塑化装置によれば、材料の詰まりを解消することができる。
【0097】
前記可塑化装置の一態様において、
前記供給経路の前記材料を検出する第2材料検出部を含み、
前記スクリューは、前記第2材料検出部が材料切れを検出した場合に、回転が停止されてもよい。
【0098】
この可塑化装置によれば、スクリューの空回りを防ぐことができる。
【0099】
前記可塑化装置の一態様において、
前記送風部は、送風口から前記供給経路に前記気体を吹き入れ、
前記送風口は、前記供給経路において、前記第2材料検出部と前記投入口側との間に設けられていてもよい。
【0100】
この可塑化装置によれば、送風部からの気体によって材料が舞い上がり、第2材料検出部が誤動作する可能性を小さくすることができる。
【0101】
前記可塑化装置の一態様において、
前記材料供給部は、金属粒子および熱可塑性樹脂を含む前記材料を供給してもよい。
【0102】
この可塑化装置によれば、材料として詰まり易いMIM材を用いても、送風部からの気体によって材料の詰まりを解消することができる。
【0103】
射出成形装置の一態様は、
材料を可塑化して溶融材料にする可塑化装置と、
前記可塑化装置から供給された前記溶融材料を金型に射出するノズルと、
を含み、
前記可塑化装置は、
前記材料を受け入れる供給口を有し、前記材料を可塑化して前記溶融材料を生成する可塑化部と、
前記供給口に連通する投入口を有し、前記投入口から前記材料を前記可塑化部に供給する材料供給部と、
前記投入口と前記供給口とをつなぐ供給経路に気体を吹き入れる送風部と、
制御部と、
を含む。
【0104】
三次元造形装置の一態様は、
三次元造形物を造形する三次元造形装置であって、
前記材料を可塑化して溶融材料にする可塑化装置と、
前記可塑化装置から供給された前記溶融材料をステージに向かって吐出させるノズルと、
制御部と、
を含み、
前記可塑化装置は、
材料を受け入れる供給口を有し、前記材料を可塑化して前記溶融材料を生成する可塑化部と、
前記供給口に連通する投入口を有し、前記投入口から前記材料を前記可塑化部に供給する材料供給部と、
前記投入口と前記供給口とをつなぐ供給経路に気体を吹き入れる送風部と、
を含む。
【符号の説明】
【0105】
10…材料供給部、12…空洞、12a…幅一定部、12b…逆テーパー部、14…投入口、20…射出部、30…型部、32…成形型、34…キャビティー、36…可動型、38…固定型、40…型締部、42…型駆動部、44…ボールねじ部、50…制御部、60…可塑化装置、61…可塑化部、62…スクリューケース、64…駆動モーター、70…射出機構、72…シリンダー、74…プランジャー、76…プランジャー駆動部、80…ノズル、82…ノズル孔、100…射出成形装置、110…フラットスクリュー、111…主面、112…溝形成面、113…接続面、114…第1溝、115…中央部、116…溝接続部、117…材料導入部、120…バレル、122…対向面、124…第2溝、126…連通孔、130…加熱部、140…逆止弁、150…圧力検出部、160…材料補給部、170…連結部、172…供給経路、174…材料供給装置、180…第1材料検出部、181…先端、182…第2材料検出部、183…先端、190…送風部、192…ポンプ、194…ホース、196…送風経路、198…送風口、200…三次元造形装置、210…ステージ、212…造形面、220…移動機構、222…モーター
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7