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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】供給装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/14 20060101AFI20240814BHJP
   G07D 1/00 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
B65G47/14 103
B65G47/14 S
G07D1/00 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020149460
(22)【出願日】2020-09-04
(65)【公開番号】P2022043933
(43)【公開日】2022-03-16
【審査請求日】2023-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】溝口 明仁
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-141865(JP,U)
【文献】特開2005-258962(JP,A)
【文献】特開平08-020422(JP,A)
【文献】特開2018-144953(JP,A)
【文献】米国特許第05326312(US,A)
【文献】特開2019-151445(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/14
G07D 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の胴部と、該胴部の軸方向における他方の端部を塞ぐ底板とで有底円筒状を成す容器であって、直径Dが肉厚Tを超える回転体を収容し、を下にして水平面に対して軸を傾斜した状態で該軸周りに回転す容器と、
該底からの距離SをT<S<Dで且つS<2Tとして該容器内に配置され、開口長さLがD<L<2Dである該回転体の出口を有する空間を該底との間に形成し、最小幅がDを超える貫通孔を中央部に有し、該容器の内周面から該貫通孔の周縁までの最小距離がD以上であるであって、該底板と略平行な該胴部の断面を該貫通孔を除いて全て覆う中板と、
を備える供給装置。
【請求項2】
前記空間を除く前記容器内に向けて前記内周面から突出しており、前記胴部の前記軸方向における一方の端部の開口から見たとき前記胴部の前記軸側の先端が前記貫通孔の周縁に至る第一突出部であって、前記板との間の離間距離がTよりも小さい第一突出部をさらに備える、請求項1に記載の供給装置。
【請求項3】
前記貫通孔を挟んで前記第一突出部側とは反対側である前記貫通孔の周縁部から、前記空間を除く前記容器内に向けて突出している第二突出部であって、前記第一突出部に沿って落下する前記回転体を前記空間内に案内する案内面を有する第二突出部をさらに備える、請求項2に記載の供給装置。
【請求項4】
前記案内面は前記板に対して傾斜している、請求項3に記載の供給装置。
【請求項5】
前記貫通孔は、直径がDの2倍以上の円形である、請求項1~4の何れか1項に記載の供給装置。
【請求項6】
前記空間よりも下側に配置され、前記出口から供給された前記回転体を前記容器の回転の軸方向及び鉛直方向と交差する交差方向に搬送する搬送部であって、上方に開口しており、前記交差方向から見て開口幅がTを超えてD未満であるU字状の断面を有し、前記交差方向における一方の端部が他方の端部よりも低くなるように傾斜している搬送部をさらに備える、請求項1~5の何れか1項に記載の供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、横向きに設けられ且つ内部に硬貨が投入される回転筒と、この回転筒の周壁にその円周方向および長さ方向に各々間隔を存した複数個所に内外面に貫通して形成され且つ回転筒内下部に溜まった硬貨を収容して自然落下する位置まで運ぶ硬貨受け孔と、前記回転筒の周壁外周に設けられ且つ前記硬貨受け孔に収容された硬貨が自然落下する位置に運ばれるまで硬貨受け孔から前記回転筒外に落ちないように保持する硬貨保持部材と、前記回転筒の長さ方向に沿って設けられ且つ前記硬貨受け孔から自然落下する効果を受止めて整列させながら導出する硬貨導出手段と、を具備してなる硬貨送出装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開昭55-141865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、回転体を一定の姿勢で1個ずつ分けられた状態で供給することができる供給装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様に記載の供給装置は、直径Dが肉厚Tを超える回転体を収容し、底を下にして傾斜回転する容器と、該底からの距離SをT<S<Dで且つS<2Tとして該容器に配置され、開口長さLがD<L<2Dである該回転体の出口を有する空間を該底との間に形成し、最小幅がDを超える貫通孔を有する板と、を備える。
【0006】
第2態様に記載の供給装置は、第1態様に記載の供給装置において、前記容器は、内側に前記板が配置されている円筒状である。
【0007】
第3態様に記載の供給装置は、第2態様に記載の供給装置において、前記容器の内周面から前記貫通孔の周縁までの最小距離がD以上である。
【0008】
第4態様に記載の供給装置は、第2態様又は第3態様に記載の供給装置において、前記空間を除く前記容器内に向けて前記内周面又は前記板から突出しており、前記内周面から前記貫通孔の周縁部に至る第一突出部であって、前記板及び前記内周面との間の離間距離がTよりも小さい第一突出部をさらに備える。
【0009】
第5態様に記載の供給装置は、第4態様に記載の供給装置において、前記貫通孔を挟んで前記第一突出部側とは反対側である前記貫通孔の周縁部から、前記空間を除く前記容器内に向けて突出している第二突出部であって、前記第一突出部に沿って落下する前記回転体を前記空間内に案内する案内面を有する第二突出部をさらに備える。
【0010】
第6態様に記載の供給装置は、第5態様に記載の供給装置において、前記案内面は前記板に対して傾斜している。
【0011】
第7態様に記載の供給装置は、第5態様又は第6態様に記載の供給装置において、前記第一突出部は、前記容器の回転方向下流側に、前記貫通孔の径方向に沿う平面部が形成されており、前記案内面は、前記平面部に対する前記容器の回転方向下流側を向いている。
【0012】
第8態様に記載の供給装置は、第1態様~第7態様の何れか一態様に記載の供給装置において、前記貫通孔は、直径がDの2倍以上の円形である。
【0013】
第9態様に記載の供給装置は、第1態様~第8態様の何れか一態様に記載の供給装置において、前記空間よりも下側に配置され、前記出口から供給された前記回転体を前記容器の回転の軸方向及び鉛直方向と交差する交差方向に搬送する搬送部であって、上方に開口しており、前記交差方向から見て開口幅がTを超えてD未満であるU字状の断面を有し、前記交差方向における一方の端部が他方の端部よりも低くなるように傾斜している搬送部をさらに備える。
【発明の効果】
【0014】
第1態様の構成によれば、回転体を一定の姿勢で1個ずつ分けられた状態で供給することができる。
【0015】
第2態様の構成によれば、容器が板を段部とする段付き状である構成と比して、容器の容量を増やすことができる。
【0016】
第3態様の構成によれば、容器の内周面から貫通孔の周縁までの最小距離がD未満である構成と比して、底と板との間の空間を除く容器内にある回転体と空間内の回転体との干渉が抑制される。
【0017】
第4態様の構成によれば、第一突出部を備えない構成と比して、底と板との間の空間を除く容器内にある回転体の、単位時間あたりの空間への送り込み量を増やすことができる。
【0018】
第5態様の構成によれば、第二突出部を備えない構成と比して、底と板との間の空間を除く容器内にある回転体の、単位時間あたりの空間への送り込み量を増やすことができる。
【0019】
第6態様の構成によれば、第二突出部の案内面が板に対して垂直である構成と比して、底と板との間の空間を除く容器内にある回転体を空間内に送り込みやすい。
【0020】
第7態様の構成によれば、第二突出部の案内面が第一突出部の平面部に対する容器の回転方向上流側を向いている構成と比して、底と板との間の空間を除く容器内にある回転体を空間内に送り込みやすい。
【0021】
第8態様の構成によれば、貫通孔の直径がDの2倍未満である構成と比して、底と板との間の空間を除く容器内にある回転体の、単位時間あたりの空間への送り込み量を増やすことができる。
【0022】
第9態様の構成によれば、動力を用いて回転体を搬送する構成と比して、回転体の自重による回転のみで回転体を搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施形態に係る供給装置の構成を示す側面断面図である。
図2】実施形態に係る供給装置を容器の底側から見た背面図である。
図3】実施形態に係る供給装置の動作説明図(実施形態の本体部を容器の開口から見た正面図)である。
図4】実施形態に係る供給装置の動作説明図(実施形態の本体部を容器の開口から見た正面図)である。
図5】実施形態に係る供給装置の動作説明図(実施形態の本体部を容器の開口から見た正面図)である。
図6】(A)実施形態に係る供給装置の本体部を容器の開口から見た正面図である。(B)実施形態に係る供給装置の本体部の側面図である。
図7】(A)実施形態に係る供給装置によって供給される部品の正面図である。(B)実施形態に係る供給装置によって供給される部品の側面図である。
図8】実施形態に係る供給装置に対する比較形態を示す側面断面図である。
図9】実施形態に係る供給装置の変形例の本体部を容器の開口から見た正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施形態に係る供給装置の一例について図1図7に従って説明する。
【0025】
なお、以下に示す説明では、供給装置10をユーザ(図示省略)が立つ側から正面視して、装置上下方向(鉛直方向)、装置幅方向(水平方向)、装置奥行方向(水平方向)をそれぞれ、H方向、W方向、D方向と記載する。また、装置上下方向、装置幅方向、装置奥行方向のそれぞれ一方側と他方側を区別する必要がある場合は、供給装置10を正面視して、上側を+H側、下側を-H側、右側を+W側、左側を-W側、奥側を-D側、手前側を+D側と記載する。
【0026】
(供給装置10)
本実施形態に係る供給装置10は、例えば他の機械装置の構成部品である円盤状の部品20を組立設備等の被供給部(図示省略)に供給する装置である。供給装置10は、図1及び図2に示されるように、部品20が収容される本体部40と、本体部40から供給された部品20を被供給部(図示省略)に搬送する搬送部30と、を備える。本実施形態において、供給装置10は、被供給部(図示省略)に対して+W側に配置されている。
【0027】
(部品20)
部品20は、図7に示されるように、直径Dが肉厚Tを超える(D>T)円盤状の部材である。本実施形態において、部品20の外周面及び端面は、夫々外周面20a及び端面20bという。
【0028】
部品20は、外周面20aが設置面に接触しているとき、軸周りに回転しながら設置面に沿って移動することができる。特に、部品20の軸が水平方向に沿っており、外周面20aが傾斜している設置面に接触しているとき、部品20は自重により回転しながら設置面に沿って移動することができる。部品20は、回転体の一例である。
【0029】
なお、本発明における回転体は、直径Dが肉厚Tを超えており、外周面が設置面に接触しているときに設置面に沿って軸周りに回転しながら移動することができるのであれば、円盤状の部材に限定されない。例えば、本発明における回転体は、端面に貫通孔が形成されているリング状(円筒状)の部材であってもよい。また、本発明における回転体は、平歯車のように、外周面に凹凸が形成されていてもよい。外周面に凹凸が形成された回転体は、その軸(回転軸)と凸部の先端との距離を2倍したものが直径Dとなる。
【0030】
(本体部40)
本体部40は、図6(A)及び図6(B)に示されるように、軸方向における一方の端部が開口している有底円筒状の容器41を含んで構成されている。また、本体部40は、図1及び図6(A)に示されるように、容器41の内側に配置されている中板50と、第一案内部材60と、第二案内部材70と、を備える。また、本体部40は、例えば複数のローラ部材を含んで構成され、容器41の外周面と接触して容器41を軸周りに回転可能に支持する支持部(図示省略)を備える。具体的には、支持部(図示省略)は、軸が互いに平行で、それぞれ軸回りに回転可能な2本の円筒体又は円柱体である。この2本の円筒体又は円柱体は、それぞれ容器41の外周面と接触可能なように、軸方向とは交差する方向に離間しており、かつ、軸方向に延びている。この2本の円筒体又は円柱体の上に、容器41を置くと、容器41は、軸回りに回転可能に支持される。言うまでもないが、2本の円筒体又は円柱体の上に容器41を置いた構成では、2本の円筒体又は円柱体の2本の軸と、容器41の軸は、互いに平行になっている。また、本体部40は、例えばモータ等を含んで構成され容器41を軸周りに回転させる回転手段(図示省略)と、をさらに備える。具体的には、回転手段(図示省略)は、前記したモータと、2個の平歯車と、から構成される。一方の平歯車は、その軸が、容器41の軸と一致するように、後述する容器41の底板44の外側に固定される。他方の平歯車は、モータの回転軸に固定される。そして、2個の平歯車(一方の平歯車と他方の平歯車)を噛み合わせることにより、回転手段(図示省略)は、支持部(図示省略)により回転可能に支持された容器41を、容器41の軸周りに回転させることができる。本実施形態における回転手段(図示省略)は、容器41の開口から見て容器41を時計回りに回転させる(図4参照)。容器41が回転手段(図示省略)によって軸周りに回転すると、中板50と、第一案内部材60と、第二案内部材70と、は容器41と共に容器41の軸回りに回転する。
【0031】
{容器41}
容器41は、図6(B)に示されるように、円筒状の胴部47と、胴部47の軸方向における他方の端部を塞ぐ底板44とで有底円筒状を成している。底板44は、底の一例である。容器41は、軸方向における一方の端部の開口から投入された複数の部品20を容器41内に収容する機能を有する。本実施形態における容器41の軸方向における一方の端部の開口は、開口42という。また、本実施形態における容器41の内周面は、内周面46という。また、容器41は、容器41内に収容した部品20を容器41外に排出して供給する供給口48が底板44側の胴部47に形成されている。つまり、容器41は、部品20を供給口48から排出する機能を有する。供給口48は出口の一例である。
【0032】
容器41は、図1に示されるように、支持部(図示省略)によって底板44を下にして傾斜した状態で軸周りに回転可能な状態で支持されている。容器41の軸の、水平面に対する傾斜角を傾斜角θという。本発明における傾斜角θは45°以下であることが好ましく、20°以下であることがより好ましい。さらに、本発明における傾斜角θは、10°以下であることがなお好ましい。本実施形態における傾斜角θは2°である。また、本発明における傾斜角θは0.5°以上であることが好ましい。なお、図1では、容器41が水平面に対して傾斜していることを強調するために、傾斜角θを2°よりも大きい角度で表現している。
【0033】
供給口48は、図6(B)に示されるように、容器41の軸と直交する方向(容器41の径方向)から見て矩形状に胴部47を貫通している。換言すると、供給口48は、容器41の軸と直交する第一の方向(図6(B)の紙面手前奥行方向(紙面に直交する方向))から見て、容器41の胴部47の内側と外側とを貫通している。供給口48の底板44側の周縁は、容器41の内側を向く底板44の端面に沿うように形成されている。換言すると、容器41の内側を向く底板44の端面の一部により、供給口48の底板44側の周縁が構成されている。供給口48の、容器41の軸と直交する方向における開口長さLは、容器41の軸方向における開口幅Wを超えている(L>W)。換言すると、容器41の軸方向及び前記した第一の方向の両方向と直交する第二の方向(図6(B)の紙面上下方向(紙面に沿う方向))における供給口48の開口長さLは、容器41の軸方向における開口幅Wを超えている(L>W)。ここで、供給口48の開口長さLとは、供給口48の胴部47に対する貫通方向(前記した第一の方向)において供給口48と対向している仮想平面に供給口48を投影したとき、投影された供給口48の、容器41の軸と直交する方向(前記した第二の方向)における長さである。すなわち、供給口48の開口長さLとは、装置幅方向の両縁間の直線距離である。また、開口長さLは、部品20の直径Dを超えて且つ直径Dの2倍未満である(D<L<2D)。また、開口幅Wは、部品20の肉厚Tを超えて且つ直径D未満である(T<W<D)。さらに、開口幅Wは、肉厚Tの2倍未満である(W<2T)。すなわち、容器41は、容器41内の部品20を供給口48経由で容器41外に供給することが可能な構造を有する。特に、供給口48は、下方を向いているときに、部品20を自重で通過させることができる。また、供給口48は、前述した寸法から、2個以上の部品20が同時に通過することができない構造を有している。換言すると、供給口48は、下方を向いているときに、1個のみの部品20が通過可能な構造を有する。
【0034】
{中板50}
中板50は、図1及び図6(A)に示されるように、容器41の内側を向く底板44の端面と板面が対向するように配置されている板状の部材である。中板50は、板の一例である。中板50は、容器41の軸方向から見た中央部に、容器41の軸方向に貫通している円柱状の貫通孔52を有する。貫通孔52は、部品20の直径Dの2倍以上である直径を有する。すなわち、貫通孔52は、最小幅が部品20の直径Dを超えている。
【0035】
中板50は、底板44からの距離S(離間距離S)が部品20の肉厚Tを超えて且つ直径D未満であるもの(T<S<D)として底板44から離間して配置されている。換言すると、容器41の内側を向く底板44の端面と、当該端面と対向する中板50の板面との離間距離Sは、T<S<Dを充足するように設定されている。また、中板50の底板44からの離間距離Sは、供給口48の開口幅Wを超えている(S>W)。また、中板50の底板44からの離間距離Sは、部品20の肉厚Tの2倍未満である(S<2T)。
【0036】
中板50は、図1に示されるように、胴部47に囲まれた内部空間を、開口42側で部品20が投入される被投入空間41aと、底板44と中板50とで挟まれている空間41bとに仕切っている。すなわち、中板50は、容器41内に被投入空間41a及び空間41bを形成している。また、中板50は、底板44と中板50との間の空間41bを除く容器41内の空間として被投入空間41aを形成している。中板50によって形成される空間41bの、容器41の軸方向における幅の寸法は、中板50の底板44からの離間距離Sと同等である。換言すると、空間41bは、容器41の軸方向において、部品20の肉厚Tを超えて且つ直径D未満の幅Sを有する。
【0037】
貫通孔52の周縁は、周縁56という。貫通孔52の周縁56から容器41の内周面46までの最小距離Aは、図6(A)に示されるように、部品20の直径D以上の長さである(A≧D)。本実施形態において、容器41の径方向における貫通孔52の周縁56から容器41の内周面46までの距離は、容器41の全周においてAである。このため、貫通孔52の軸と、容器41の軸は一致している。また、中板50の、貫通孔52の周縁56からの径方向における距離がAの0.3倍の範囲内である部位は、周縁部54という。
【0038】
{第一案内部材60}
第一案内部材60は、図1及び図6(A)に示されるように、被投入空間41a側の内周面46から被投入空間41a側の周縁部54側に向けて延びるように配置されている矩形状の薄板である。すなわち、第一案内部材60は、空間41bを除く容器41内(容器41の軸)に向けて内周面46から突出しており、その先端(容器41の軸側の自由端)が容器41の軸方向に沿って延びており、貫通孔52の周縁部54に至っている。第一案内部材60は、第一突出部の一例である。実施形態において、容器41の開口42から見た第一案内部材60における容器41の軸側の先端は、貫通孔52の周縁56に至っている。第一案内部材60は、図1に示されるように、容器41の軸方向において中板50から離間しており、その離間距離L1は部品20の肉厚T未満である(L1<T)。
【0039】
なお、第一案内部材60は、中板50と接触するように形成されていてもよい。このとき、容器41の軸方向における第一案内部材60と中板50との離間距離L1は0であり、部品20の肉厚T未満である(L1=0<T)。換言すると、第一案内部材60は、被投入空間41a側の中板50の端面から空間41bを除く容器41の内側に向けて突出するように配置されていてもよい。さらに換言すると、第一案内部材60は、被投入空間41a側を向く中板の端面から、容器41の軸方向に沿って、容器41の開口42側に向けて突出するように構成されていても良い。第一案内部材60が中板50から突出しているものであるとき、容器41の径方向における容器41の軸とは反対側に位置する中板50の部位は、部品20の肉厚Tよりも小さい距離L2以内であれば容器41の内周面46から離間していてもよい。第一案内部材60が内周面46から空間41bを除く容器41の内側に向けて突出するように配置されているものであるとき、第一案内部材60と内周面46との離間距離L2は0である(L2=0<T)。
【0040】
第一案内部材60は、図6(A)に示されるように、開口42から見ると、板厚方向の中心線(板厚方向の中心を通る線)が貫通孔52の径方向に沿うように配置されている。第一案内部材60は、薄板であるため、第一案内部材60の板面は、容器41の軸方向から見て貫通孔52の径方向に沿うものとして見なせる。第一案内部材60の板厚方向の中心線と板面との距離が3mm以上5mm以下である第一案内部材60の板面は、容器41の軸方向から見て貫通孔52の径方向に沿う平面部の一例である。容器41の開口42から見て、第一案内部材60の容器41の回転方向下流側の板面は、板面62という。換言すると、第一案内部材60には、容器41の回転方向下流側に、貫通孔52の径方向に沿う板面62が形成されている。
【0041】
{第二案内部材70}
第二案内部材70は、図1及び図6(A)に示されるように、容器41の径方向において貫通孔52を挟んで第一案内部材60とは反対側の周縁部54から空間41bを除く容器41の内側に向けて突出するように配置されている板状の部材である。第二案内部材70は、第二突出部の一例である。貫通孔52を挟んで第一案内部材60とは反対側とは、容器41の軸方向から見て、貫通孔52の中心と第一案内部材60の中央部とを結ぶ仮想線分と直交して該中心を通る仮想直線VLを境界として、第一案内部材60とは反対側にあることを示す。第二案内部材70は、開口42側から見て、貫通孔52の一部を覆うように配置されている。換言すると、第二案内部材70は、容器41の軸方向において(容器41の軸方向から見て)貫通孔52の一部と重なるように中板50の周縁部54に配置されている。第二案内部材70は、一方向に延び、平面視矩形状の基部72と、一方向に延び、平面視矩形状の傾斜部74と、を有する。ここで、平面視とは、板面に直交する方向(板厚方向)から見ることをいう。基部72と傾斜部74は、接続されており、一体的に形成されている。つまり、第二案内部材70は、一方向に延びた長尺な板状の部材を、当該一方向に沿う方向で折り曲げたものであり、当該折り目の一方側を基部72、他方側を傾斜部74としたものである。
【0042】
基部72は、図1及び図6(A)に示されるように、中板50に沿って配置されている部位であり、第二案内部材70を中板50の周縁部54に固定させている部位である。基部72は、容器41の軸方向から見て貫通孔52と重ならないように配置されている。基部72の貫通孔52側の端部の、容器41の内周面46からの最小距離は、部品20の直径Dを超えている。その理由は、部品20が容器41の内周面46と第2案内部材70の傾斜部74の間に挟まることを抑制するためである。
【0043】
傾斜部74は、容器41の径方向から見て、基部72の貫通孔52側の端部から、貫通孔52側であって中板50に対して被投入空間41a側に向かう方向に傾斜して突出している部位である。傾斜部74は、容器41の軸方向から見て、一部が貫通孔52と重なっている。傾斜部74の、容器41の軸方向における突出高さは、部品20の肉厚Tを超えている。換言すると、開口42側を向く中板50の端面から、傾斜部74の先端(自由端)までの容器41の軸方向における傾斜部74の突出高さは、部品20の肉厚Tを超えている。その理由は、後述するように、傾斜部74に当たった部品20を空間41b内に案内するためである。本発明における傾斜部74の、基部72に対する傾斜角ψは95°以上であって135°以下の範囲内であることが好ましい。この範囲の角度であれば、傾斜部74は、部品20を空間41b内に案内し易くなるからである。また、本発明における傾斜部74の傾斜角ψは100°以上であって130°以下の範囲内であることがより好ましい。本実施形態における傾斜部74の傾斜角ψは120°である。
【0044】
傾斜部74の基部72に対する反対側の面は、面74aという。換言すると、面74aは、中板50の周縁部54に基部72を固定した状態において、中板50の貫通孔52側を向く傾斜部74の面である(図1参照)。面74aは、容器41の開口42から見て、第一案内部材60の板面62に対する容器41の回転方向下流側を向いている(図4参照)。換言すると、容器41の開口42から見て、貫通孔52の径方向に沿う板面62と、傾斜部74の板面74aが延びる方向(板面74aの長手方向)の成す角度は、鈍角である。また、本実施形態における面74aは、空間41b側を向いている。
【0045】
傾斜部74を有する第二案内部材70は、面74aに向かって移動して面74aに接触した部品20の移動方向を、面74aに沿って貫通孔52側に落下する方向に変更させ、部品20を貫通孔52経由で空間41b内に案内する機能を有する。面74aは案内面の一例である。
【0046】
{搬送部30}
搬送部30は、図1及び図2に示されるように、容器41の空間41bの下方に配置され、一方向(装置幅方向に対して傾斜する方向)に延びる部材である。搬送部30は、+W側の端部及び-W側の端部を有しており、-W側の端部が被供給部(図示省略)まで延びている。搬送部30は、-W側の端部が+W側の端部よりも低くなるように、装置幅方向に対して傾斜角αで傾斜している。本発明における傾斜角αは10°以上であって60°以下の範囲内であることが好ましい。本実施形態における搬送部30の傾斜角αは15°である。
【0047】
搬送部30は、図1に示されるように、装置幅方向から見て上方に開口しているU字状の断面を有している。該断面における搬送部30の側壁及び底部は、夫々側壁32及び底部34という。底部34から開口端までの高さHUは、部品20の直径Dの半分を超える(HU>D/2)。搬送部30の開口の開口幅WUは、供給口48の開口幅W以上の長さを有する(WU≧W)。また搬送部30の開口の開口幅WUは、部品20の肉厚Tを超えて直径D未満である(T<WU<D)。また、搬送部30は、容器41の供給口48が-H側に沿う方向を向いているときに、+H側への搬送部30の開口の投影線の内側に供給口48が収まるように配置されている。
【0048】
搬送部30は、空間41b内の部品20(例えば、部品20の外周面20aが搬送部30の底部34に接触する姿勢の部品20等)を搬送部30の内側に収めることができる。また、搬送部30は、その長手方向が装置幅方向に対して傾斜していることで、搬送部30の内側に収めた部品20を自重で部品20の軸まわりに自転させ、高さが低い側(-W側)の端部に向けて移動させることができる機能を有する。すなわち、搬送部30は、搬送部30の内側に収めた部品20を、装置奥行方向及び装置上下方向と交差する装置幅方向に搬送し、被供給部(図示省略)に供給する機能を有する。
【0049】
(部品20の供給方法)
次に、本実施形態における供給装置10を用いた部品20の供給方法について説明する。
【0050】
まず、ユーザ(図示省略)は、複数の部品20を容器41の開口42から容器41の内側に投入した後、回転手段(図示省略)によって容器41を軸周りに(開口42から見て時計回りで)回転させる。供給装置10は、容器41が底板44を下にして傾斜した状態で回転していることで、容器41内の部品20を開口42側から底板44側に移動させる。なお、部品20は、容器41が軸周りに回転している状態で、容器41内に投入してもよい。また、容器41内には複数の部品20が投入されるとしたが、部品20の動きを説明しやすいように、図3図5では部品20を1つのみ図示しており、また第二案内部材70の基部72の図示は省略している。
【0051】
供給装置10は、図3及び図4に示されるように、容器41と共に容器41の軸周りに(時計回りで)回転する第一案内部材60によって被投入空間41a側で中板50上に落下(移動)した部品20を掬い上げる。第一案内部材60に掬い上げられた部品20は、容器41及び第一案内部材60のさらなる回転に伴って、図5に示されるように、第一案内部材60の板面62に沿って内周面46側から貫通孔52側に向けて落下する。すなわち、第一案内部材60は、容器41の軸周りに回転することで掬い上げた部品20を、貫通孔52に向けて案内する。内周面46側から落下して移動する部品20は、落下した先に位置する第二案内部材70の傾斜部74に接触することで、面74aに沿って移動して貫通孔52経由で空間41bに案内される。
【0052】
供給装置10は、図1に示されるように、空間41bの幅SがT<S<Dである空間41b内に案内された部品20の姿勢を、端面20bが容器41の底板44に沿う姿勢に規制する。また、空間41b内に案内させた複数の部品20は、空間41bの幅SがS<2Tであることで、空間41b内において肉厚T方向で部品20同士が重なることがない。すなわち、供給装置10は、空間41b内の部品20を一定の姿勢に規制する。空間41b内で-H側に位置する部品20は、回転する容器41の供給口48が-H側を向いたとき、空間41b内で規制された姿勢のまま、自重で供給口48から落下することで容器41の外側に供給される。供給口48の開口幅W及び開口長さLと、部品20の直径D及び肉厚Tとの関係がT<W<2Tで且つD<L<2Dであることから、供給口48からは部品20が1個ずつ分けられた状態で容器41の外側に供給される。なお、供給口48の開口幅Wは、供給口48における部品20の詰まりを抑制する観点から、空間41bの幅Sと等しいこと(W=S)が望ましい。
【0053】
供給口48から落下した部品20は、空間41b内で規制された姿勢のまま供給口48の下方に配置されている搬送部30に受け止められ、外周面20aが搬送部30の底部34に接触する姿勢となって搬送部30の内側に収められる。搬送部30の内側に収められた部品20は、搬送部30の高さが低い側(-W側)の端部に向けて自重により回転することで移動する。すなわち、供給口48から供給されて搬送部30の内側に収められた部品20は、搬送部30によって装置幅方向に搬送され、被供給部(図示省略)に供給される。
【0054】
(作用及び効果)
次に、実施形態の作用及び効果について説明する。なお、この説明において、本実施形態に対する比較形態を記載するときに、本実施形態の供給装置10と同様の部品等を用いる場合、その部品等の符号及び名称をそのまま用いて説明する。
【0055】
実施形態の供給装置10は、容器41内に底板44からの幅SがT<S<Dで且つS>2Tである空間41bを形成する中板50を備え、また空間41b内に開口長さLがD<L<2Wである供給口48が設けられている構成を有している。これにより、実施形態の供給装置10は、容器41内に投入された部品20が空間41b内で一定の姿勢に規制され、1個ずつ分けられた状態で供給口48から部品20を供給することができる。
【0056】
また、実施形態の供給装置10は、内側に中板50が配置されている円筒状の容器41を備える構成を有している。すなわち、供給装置10は、被投入空間41a及び空間41bの直径が何れも容器41の内周面46の直径である構成を有している。本実施形態の供給装置10と、以下に示す比較形態の供給装置110と、を比較する。
【0057】
比較形態の供給装置110は、図8に示されるように、本体部40に代わって、本体部140を備えている。本体部140は、容器41に代わって、側方から見てT字状である段付きの円筒状の容器141を含んで構成されている。具体的には、容器141は、胴部147と、底板144と、板部150と、胴部145と、を有する。胴部147は、実施形態の容器41の直径と同等の直径を有する円筒状の部材である。底板144は、胴部147の軸方向における他方の端部を塞ぐ部材である。底板144は底の一例である。板部150は、胴部147の直径と同等の外径を有し、胴部147の底板144とは反対側の端部に配置されている。板部150には、胴部147の軸方向に板部150を貫通する円柱状の貫通孔152が形成されている。このため、板部150は、胴部147の底板144とは反対側の端部の一部を覆う部材であるといえる。胴部147の軸と、貫通孔152の軸は、一致している。板部150は、板の一例である。胴部145は、板部150の貫通孔152の周縁から胴部147とは反対方向に延びており、胴部147とは反対側の端部が開口している円筒状の部材である。換言すると、胴部145は、その一端が板部150の貫通孔152の周縁に接続された長尺な(一方向に延びた)円筒状の部材である。胴部145の軸は、貫通孔152の軸と一致している。胴部145の、胴部147とは反対側の端部の開口は、開口142という。胴部147には、供給口148が形成されている。また、胴部145の内周面は、内周面146という。
【0058】
板部150の貫通孔152及び胴部145の内周面146の直径は、実施形態の供給装置10の貫通孔52の直径と同等である。板部150は底板144から距離Sで離間して配置されており、底板144との間に空間141bを形成している。また、板部150は、胴部145と胴部147との間で段差を形成している。すなわち、容器141は、板部150を段部としている。また、比較形態の供給装置110は、第一案内部材60及び第二案内部材70に相当する部材を備えていない。以上の点以外については、比較形態の供給装置110は、実施形態の供給装置10と同様の構成とされている。
【0059】
比較形態の容器141は、実施形態の容器41よりも容量が小さい。換言すると、実施形態の容器41は、比較形態の141よりも容量が大きい。よって、実施形態の供給装置10は、容器が板を段部とする段付き状である構成と比して、容器41の容量を増やすことができる。なお、上記の比較形態の供給装置110は、本発明の技術的思想の範囲内にあるものである。
【0060】
また、実施形態の供給装置10は、容器41の内周面46から貫通孔52の周縁56までの最小距離Aが、部品20の直径D以上である構成を有している。よって、実施形態の供給装置10は、容器41の内周面46から貫通孔52の周縁56までの最小距離がD未満である構成と比して、被投入空間41a内にある部品20と空間41b内の部品20との干渉が抑制される。
【0061】
また、実施形態の供給装置10は、第一案内部材60を備えている。第一案内部材60を備える供給装置10は、被投入空間41a内にある部品20を、容器41と共に容器41の軸周りに回転する第一案内部材60で掬い上げて貫通孔52側に案内することができる。よって、実施形態の供給装置10は、第一案内部材60を備えない構成と比して、被投入空間41a内にある部品20の、単位時間あたりの空間41bへの送り込み量を増やすことができる。
【0062】
また、実施形態の供給装置10は、第二案内部材70を備えている。第二案内部材70を備える供給装置10は、第一案内部材60によって貫通孔52側に案内された部品20を、第二案内部材70の面74aに沿って移動させて貫通孔52経由で空間41bに案内することができる。よって、実施形態の供給装置10は、第二案内部材70を備えない構成と比して、被投入空間41a内にある部品20の、単位時間あたりの空間41bへの送り込み量を増やすことができる。
【0063】
また、実施形態の供給装置10は、第二案内部材70の案内面である面74aが、中板50に対して傾斜している構成を有している。第二案内部材の案内面が中板50に対して垂直である場合、第一案内部材60に掬い上げられて貫通孔52側に落下して第二案内部材の案内面に接触した部品20が、落下による接触の反動で上方に跳ねてしまい、空間41bに送り込まれなくなる虞がある。一方、実施形態の供給装置10は、第二案内部材70の案内面である面74aが中板50に対して傾斜していることで、第一案内部材60に掬い上げられて落下して第二案内部材70の面74aに接触した部品20は、落下の反動で跳ねることが抑制される。よって、実施形態の供給装置10は、第二案内部材の案内面が中板50に対して垂直である構成と比して、被投入空間41a内にある部品20を空間41b内に送り込みやすい。
【0064】
また、実施形態の供給装置10は、第二案内部材70の面74aが、第一案内部材60の板面62に対する容器41の回転方向下流側を向いている構成を有している。よって、実施形態の供給装置10は、第二案内部材70の案内面が第一案内部材60の板面62に対する容器41の回転方向上流側を向いている構成と比して、被投入空間41a内にある部品20を空間41b内に送り込みやすい。
【0065】
また、実施形態の供給装置10は、中板50の貫通孔52の直径が、部品20の直径Dの2倍以上である構成を有している。よって、実施形態の供給装置10は、中板50の貫通孔の直径が部品20の直径Dの2倍未満である構成と比して、被投入空間41a内にある部品20の、単位時間あたりの空間41bへの送り込み量を増やすことができる。
【0066】
また、実施形態の供給装置10は、搬送部30が、容器41の軸方向及び鉛直方向と交差する装置幅方向における一方の端部が他方の端部よりも低くなるように傾斜している構成を有している。よって、実施形態の供給装置10は、動力を用いて部品20を搬送する構成と比して、部品20の自重による回転のみで部品20を搬送することができる。すなわち、実施形態の供給装置10は、動力を用いて部品20を搬送する構成と比して、部品20の搬送によるエネルギーの消費を抑制することができる。
【0067】
以上のとおり、本発明の特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内にて種々の変形、変更、改良が可能である。
【0068】
例えば、実施形態の供給装置10は、容器41を有底円筒状とした。しかしながら、容器41は、底があるのであれば、円筒状のものに限定されない。本発明に係る容器は、例えば、回転の軸方向から見て多角形状のものであってもよい。
【0069】
また、実施形態の供給装置10は、容器41の内周面46から貫通孔52の周縁56までの最小距離Aが、部品20の直径D以上であるものとした。しかしながら、本発明に係る容器の内周面から貫通孔の周縁までの最小距離は、部品20の直径D未満であってもよい。
【0070】
また、実施形態の供給装置10は、第一案内部材60及び第二案内部材70を備えるものとした。しかしながら、本発明に係る供給装置は、第一案内部材60又は第二案内部材70の何れか一方のみを備える構成であってもよく、第一案内部材60及び第二案内部材70の両者を備えない構成であってもよい。
【0071】
また、実施形態の供給装置10は、板面62を有する薄板である第一案内部材60を備えるものとした。しかしながら、本発明に係る第一突出部は、容器の回転に伴って部品20を掬い上げて貫通孔52側に案内する面を有するのであれば、薄板に限定されず、ブロック状の部材であってもよい。また、第一案内部材60が有する、容器の回転に伴って部品20を掬い上げて貫通孔52側に案内する面は、曲面状であってもよい。
【0072】
また、実施形態の供給装置10は、第一案内部材60の板面62が貫通孔52の径方向に沿っているものとした。しかしながら、本発明に係る第一突出部は、容器の軸方向から見て容器の内周面から貫通孔の周縁部に向かって延びているのであれば、平面部が貫通孔の径方向に沿っているものに限定されない。例えば、本発明に係る第一突出部の一例としての第一案内部材260は、図9に示されるように、板面262が貫通孔52の径方向に対して傾斜した状態で容器41の内周面46から貫通孔52の周縁部54に向かって延びていてもよい。
【0073】
また、実施形態の供給装置10は、第一案内部材60が貫通孔52の周縁56に至るものとした。しかしながら、本発明に係る第一突出部は、容器の軸方向から見て容器の内周面から貫通孔の周縁部に向かって延びているのであれば、第一突出部が貫通孔の周縁に至らない構成であってもよい。
【0074】
また、実施形態の供給装置10は、第二案内部材70の面74aが中板50に対して傾斜しているものとした。しかしながら、本発明に係る第二突出部の案内面は、中板50に対して垂直であってもよい。
【0075】
また、実施形態の供給装置10は、第二案内部材70の面74aが第一案内部材60の板面62に対する容器41の回転方向下流側を向いているものとした。しかしながら、本発明に係る第二案内部材の案内面は、第一突出部の平面部に対する容器の回転方向上流側を向いていてもよい。
【0076】
また、実施形態の供給装置10は、中板50の貫通孔52の直径が部品20の直径Dの2倍以上であるものとした。しかしながら、本発明に係る板に形成されている貫通孔は、部品20の直径Dを超えているのであれば、部品20の直径Dの2倍未満であってもよい。
【0077】
また、実施形態の供給装置10は、貫通孔52が中板50の中央部に形成されているものとした。しかしながら、本発明に係る板に形成されている貫通孔は、板の中央部からずれている部位に形成されていてもよい。
【0078】
また、実施形態の供給装置10は、中板50の貫通孔52が円形であるものとした。しかしながら、本発明に係る板に形成されている貫通孔は、最小幅が部品20の直径Dを超えているのであれば、楕円状であってもよく、多角形状であってもよい。
【0079】
また、実施形態の供給装置10は、供給口48から供給された部品20の自重による回転のみで部品20を搬送する搬送部30を備えるものとした。しかしながら、本発明に係る供給装置は、出口から供給された部品20を、ベルトコンベア等の動力を用いて搬送する構成であってもよい。また、本発明に係る供給装置は、組立設備等の被供給部に出口から直接的に部品20を供給する構成であってもよい。
【0080】
また、実施形態の供給装置10は、U字状の断面における底部34から開口端までの高さHUが部品20の直径Dの半分を超える(HU>D/2)搬送部30を備えるものとした。しかしながら、本発明に係る搬送部は、U字状の断面を有する構成において、底部から開口端までの高さは、部品20の直径Dの半分未満であってもよい(HU<D/2)。
また、実施形態に係る発明は、下記のように把握することもできる。
(1)
直径Dが肉厚Tを超える回転体を収容し、胴部に隣接する底を下にして傾斜回転する容器と、
該底からの距離SをT<S<Dで且つS<2Tとして該容器内に配置され、最小幅がDを超える貫通孔を有する板と、
を備え、
該底部と該板で挟まれた空間を囲む該胴部の部分に、開口長さLがD<L<2Dである該回転体の出口が形成されている
供給装置。
(2)
前記胴部は、円筒状である(1)に記載の供給装置。
(3)
前記胴部の内周面から前記貫通孔の周縁までの最小距離がD以上である(2)に記載の供給装置。
(4)
前記空間を除く前記容器内に向けて前記胴部又は前記板から突出しており、前記胴部から前記貫通孔の周縁に至る第一突出部であって、前記板及び前記胴部との間の離間距離がTよりも小さい第一突出部をさらに備える(2)又は(3)に記載の供給装置。
(5)
前記貫通孔を挟んで前記第一突出部側とは反対側である前記貫通孔の周縁部から、前記空間を除く前記容器内に向けて突出している第二突出部であって、前記第一突出部に沿って落下する前記回転体を前記空間内に案内する案内面を有する第二突出部をさらに備える(4)に記載の供給装置。
【符号の説明】
【0081】
10 供給装置
20 部品(回転体の一例)
30 搬送部
41 容器
44 底板(底の一例)
48 供給口(出口の一例)
50 中板(板の一例)
52 貫通孔
54 周縁部
56 周縁
60 第一案内部材(第一突出部の一例)
62 板面(平面部の一例)
70 第二案内部材(第二突出部の一例)
72a 案内面
D 直径
L 開口長さ
S 底からの離間距離
T 肉厚
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9