(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】内容物取り出し容器
(51)【国際特許分類】
B65D 5/38 20060101AFI20240814BHJP
B65D 5/42 20060101ALI20240814BHJP
B65D 5/72 20060101ALI20240814BHJP
B65D 5/492 20060101ALI20240814BHJP
B65D 5/52 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
B65D5/38 Z
B65D5/42 G
B65D5/72 C
B65D5/492
B65D5/52 L
(21)【出願番号】P 2020158512
(22)【出願日】2020-09-23
【審査請求日】2023-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】弁理士法人小笠原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】甲〆 勲
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-052901(JP,A)
【文献】特開2019-031301(JP,A)
【文献】実開昭59-129710(JP,U)
【文献】米国特許第01898646(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0272756(US,A1)
【文献】特開2015-020804(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/38
B65D 5/42
B65D 5/72
B65D 5/492
B65D 5/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外容器と内容器と仕切り部を備え、
前記外容器は、少なくとも、正面板、左右側面板、背面板、および底面部が設けられ、前記正面板は、下方に内容物取り出し口が形成され、
前記内容器は、少なくとも、台座部、背面内板、および左右側面内板が設けられ、前記台座部は、少なくとも、台座底面板、内容物載置面板、および台座背面板を有し、
前記仕切り部は、複数の支柱部と複数の背面壁が交互に連接されることで形成され、
前記仕切り部は、前記支柱部を前記内容器の台座部の内容物載置面板に当接した状態で
前記内容器に収納され、その内容器は、台座部の台座底面板を前記外容器の底面部に当接した状態で前記外容器に収納され、
前記外容器の内容物取り出し口は、前記複数の支柱部の間に位置され、
前記内容物取り出し口の下端の少なくとも一部が前記内容物載置面板の前端より高い位置に設けられている、
ことを特徴とする、内容物取り出し容器。
【請求項2】
前記内容物載置面板は、正面側に向かって下方へ傾斜する傾斜面となっていることを特徴とする、請求項1に記載の内容物取り出し容器。
【請求項3】
前記外容器に天面部が設けられていることを特徴とする、請求項1または2に記載の内容物取り出し容器。
【請求項4】
前記外容器に背面上フラップが設けられていることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の内容物取り出し容器。
【請求項5】
前記内容器に天面内部が設けられていることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の内容物取り出し容器。
【請求項6】
前記外容器の正面板は
、内容物を目視可能な窓部を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の内容物取り出し容器。
【請求項7】
前記内容物載置面板に係合孔が設けられ、前記支柱部に前記係合孔と係合する係合突起が設けられている、
ことを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の内容物取り出し容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物を取り出すことが可能な内容物取り出し容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内容物を取り出しやすくするための内容物取り出し容器が知られている。
例えば、特許文献1には、周壁の一部に収納物取出口を有し、前後両端を立上り部と内底壁支持片で支持された内底壁と、その下面に沿わせられた内底壁補強片と、先端部がその内底壁補強片に当接して下方撓曲を阻止する外底壁とにより構成される底壁構造をもつ収納物の抜き取り可能な陳列用紙箱が提案されている。この収納物の抜き取り可能な陳列用紙箱は、内容物の重量を支持する底部構造により、優れた保形性を保証しうる。
また、例えば特許文献2には、開口部を有し内容物を収容する周壁と、開口部を塞ぐように周壁の一方の下端部から他方に向かって延びて周壁の他方の下端部に接触した状態に設けられ、下方に撓むことで周壁の他方の下端部との間に内容物を取り出すための隙間を形成する底壁とを備える包装箱が提案されている。この包装箱により、内容物の飛び出しを抑制しつつ内容物を容易に取り出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実公昭62-4505号公報
【文献】特開2018-193067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1や特許文献2に記載の内容物取り出し容器では、複数の内容物を収容または充填する際、容器の上方より内容物を落下させる形で行う必要がある。この場合、内容物が途中で引っ掛かったりするなど、内容物を整列させた状態で収容または充填するためには非常に作業性が悪い。また、内容物を1つずつ確実かつ容易に取り出せる構造とはなっていない。
【0005】
そこで、本発明は、複数の内容物を収容または充填する際に、内容物が途中で引っ掛かったりすることなく、内容物を整列させた状態で収容または充填する際の作業性が良く、かつ、内容物を1つずつ確実かつ容易に取り出すことのできる内容物取り出し容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、外容器と内容器と仕切り部を備え、
前記外容器は、少なくとも、正面板、左右側面板、背面板、および底面部が設けられ、前記正面板は、下方に内容物取り出し口が形成され、
前記内容器は、少なくとも、台座部、背面内板、および左右側面内板が設けられ、前記台座部は、少なくとも、台座底面板、内容物載置面板、および台座背面板を有し、
前記仕切り部は、複数の支柱部と複数の背面壁が交互に連接されることで形成され、
前記仕切り部は、前記支柱部を前記内容器の台座部の内容物載置面板に当接した状態で前記内容器に収納され、その内容器は、台座部の台座底面板を前記外容器の底面部に当接した状態で前記外容器に収納され、
前記外容器の内容物取り出し口は、前記複数の支柱部の間に位置され、
前記内容物取り出し口の下端の少なくとも一部が前記内容物載置面板の前端より高い位置に設けられている、
ことを特徴とする、内容物取り出し容器である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記内容物載置面板は、正面側に向かって下方へ傾斜する傾斜面となっていることを特徴とする、請求項1に記載の内容物取り出し容器である。
【0008】
請求項3に記載の発明は、前記外容器に天面部が設けられていることを特徴とする、請求項1または2に記載の内容物取り出し容器である。
【0009】
請求項4に記載の発明は、前記外容器に背面上フラップが設けられていることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の内容物取り出し容器である。
【0010】
請求項5に記載の発明は、前記内容器に天面内部が設けられていることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の内容物取り出し容器である。
【0011】
請求項6に記載の発明は、前記外容器の正面板は、内容物を目視可能な窓部を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の内容物取り出し容器である。
【0012】
請求項7に記載の発明は、前記内容物載置面板に係合孔が設けられ、前記支柱部に前記係合孔と係合する係合突起が設けられている、
ことを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の内容物取り出し容器である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の内容物取り出し容器は、下方に内容物取り出し口が形成された外容器と、内容物載置面板が設けられた内容器と、仕切り部とを備え、仕切り部が収納された内容器が外容器に収納される。よって、後に取り出すための内容物を収容または充填する際に、仕切り部で仕切られた内容器に内容物を収容または充填し、その内容物を外容器に収容することができる。そのため、従来品の内容物取り出し容器の上方より内容物を落下して内容物を収容または充填する場合のように、内容物が途中で引っ掛かったりすることがない。よって、内容物を整列させた状態で収容または充填する際の作業性が良い。
また、内容物取り出し口の下端の少なくとも一部が内容物載置面板の前端より高い位置に設けられている。よって、内容物載置面板に載置された内容物が、いったん内容物取り出し口に引っ掛かった後に内容物取り出し口から取り出すことができる。そのため、内容物取り出し口から内容物が飛び出さず、内容物取り出し口に引っ掛かった内容物を摘まんで取り出すことで、内容物を1つずつ確実かつ容易に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第一実施形態の内容物取り出し容器の正面図。
【
図2】本発明の第一実施形態の内容物取り出し容器に備えられる外容器、内容器、および仕切り部を分離した状態における、それぞれの斜視図。
【
図3】本発明の第一実施形態の内容物取り出し容器に備えられる外容器のブランクを示す平面図。
【
図4】本発明の第一実施形態の内容物取り出し容器に備えられる内容器のブランクを示す平面図。
【
図5】本発明の第一実施形態の内容物取り出し容器に備えられる仕切り部のブランクを示す平面図。
【
図6】
図1の本発明の第一実施形態の内容物取り出し容器のA-A線に沿う断面図。
【
図7】本発明の第一実施形態の内容物取り出し容器の内容物取り出し口の正面拡大図。
【
図8】(a)本発明の第二実施形態の内容物取り出し容器における、外装シートのブランクを示す平面図。(b)本発明の第二実施形態の内容物取り出し容器における、外装シートの使用状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、必要に応じて図面を参照して、本発明に係る内容物取り出し容器の実施形態の例について説明する。
【0016】
<第一実施形態>
図1は、本発明の第一実施形態の内容物取り出し容器1000の正面図である。
図2は、本発明の第一実施形態の内容物取り出し容器1000に備えられる外容器100、内容器200、および仕切り部300を分離した状態における、それぞれの斜視図である。
【0017】
図2に示されるように、内容物取り出し容器1000は、外容器100と内容器200と仕切り部300を備える。仕切り部300は内容器200に収納され、その仕切り部300が収納された内容器200は外容器100に収納されることで、
図1に示される内容物取り出し容器1000が形成される。外容器100、内容器200、仕切り部300に使用する材料は、板紙、段ボール紙、または樹脂などで、外容器100、内容器200および仕切り部300の全パーツに同じ材料を使用しても良いし、パーツごとや一部のパーツに異なる材料を使用しても良い。
【0018】
図1に示される内容物101は、例えば、ポーション容器に収納された3種類のジャムである。
図1などでは、内容物取り出し口22が3箇所設けられており、ポーション容器に収納された3種類のジャムが、仕切り部300により、その種類ごとに縦一列に積み重ねられることで、内容物取り出し口22からは、内容物101が種類ごとに取り出し可能となる。また、外容器100は内容物101を目視可能な窓部2を有する。
【0019】
以下に、外容器100、内容器200、仕切り部300についてそれぞれ説明する。
【0020】
(外容器について)
図3は、本発明の第一実施形態の内容物取り出し容器1000に備えられる外容器100のブランクを示す平面図である。
図2や
図3に示されるように、外容器100は、正面板1、左右側面板3、4、背面板5、底面部7、および天面部16が設けられ、正面板1は、下方に内容物取り出し口22が形成されている。外容器100は、少なくとも、正面板1、左右側面板3、4、背面板5、および底面部7が設けられていればよいが、
図1のようにさらに天面部16も設けられることで、内容物101が衛生的により保護されると共に、外容器100が万が一倒れた際に内容物101の散乱などを防ぐことが可能となる。
【0021】
内容物取り出し口22は、後述する仕切り部300の複数の支柱部61の間に位置される。
【0022】
内容物取り出し口22の数は、
図1に示されるように3つでなくとも、内容物101の種類の数などに応じて2つまたは4つ以上でもよい。
【0023】
内容物取り出し口22の形状は特に限定されないが、内容物101の形状に応じて形成され、内容物101を摘まんで僅かに持ち上げることで容易に取り出すことができる形状であることが好ましい。第一実施形態の内容物取り出し容器1000の内容物取り出し口22の形状は例えば、この内容物取り出し口22の正面拡大図を示す
図7に示されるように、上側を上側円弧状とし、下側を下側円弧状とし、その上辺と下辺をつなぐように左右が縦直線で形成されている。内容物取り出し口22の上側を上側円弧状とすることで、内容物101を取り出す際に指が内容物取り出し口22に引っ掛かりにくく、内容物101
をより取り出しやすくなる。
【0024】
また、外容器100の正面板1は、内容物101を目視可能な窓部2を有する。内容物101を目視可能な窓部2により、外容器100に例えば透視不可能な材料を用いた場合、内容物101の残存状況などを確認することが可能となる。さらに、
図1に示されるように、デザイン性を付与した窓部2を設けることで外観がよくなり、消費者の購買意欲を高めることも可能となる。また、外容器100の正面板1に窓部2以外に模様を施すことでデザイン性はより向上する。
【0025】
図1では窓部2の形状は丸形であるが、内容物101が窓部2から飛び出さず、かつ内容物101が衛生面や保形性などで保護されていれば特に限定されず、丸形の他に例えば、正方形、長方形、三角形、星形などでもよい。この窓部2の大きさや数も、内容物101が窓部2から飛び出さず、かつ内容物101が衛生面や保形性などで保護されていれば特に限定されない。
【0026】
なお、
図2に示されるように、外容器100の背面板5に背面上フラップ21が設けられることで以下の効果を有する。その効果とは、背面上フラップ21を背面板5の内面に接するように内側に折り込んだ上で内容器200を外容器100に収納することで、内容物取り出し容器1000全体のたわみ防止、剛性感、外観の見栄えを向上させることができるという効果である。
【0027】
図3に示されるように、外容器100のブランクは例えば以下のような構成となる。
【0028】
正面板1、正面板1の右側折罫aを介して連接した右側面板4、正面板1の左側折罫bを介して連接した左側面板3、左側面板3の左側折罫cを介して連接した背面板5、背面板5の左側折罫dを介して連接した胴部糊代片6、背面板5の上側折罫lを介して連接した背面上フラップ21が設けられている。また、正面板1の上側折罫jを介して連接した天面板17、天面板17の上側折罫mを介して連接した天面差し込み片20、右側面板4の上側折罫iを介して連接した右側面上フラップ19、左側面板3の上側折罫kを介して連接した左側面上フラップ18が設けられている。上記の天面板17、天面差し込み片20、右側面上フラップ19、および左側面上フラップ18により、外容器100の天面部16が形成される。
【0029】
さらに、正面板1の下側折罫fを介して連接した第1の底面板8、背面板5の下側折罫hを介して連接した第2の底面板9、左側面板3の下側折罫gを介して連接した左側面下フラップ10、右側面板4の下側折罫eを介して連接した右側面下フラップ11が設けられている。上記の第1の底面板8、第2の底面板9、左側面下フラップ10、および右側面下フラップ11により、外容器100の底面部7が形成される。また、第1の底面板8には第1の組み込み片14が、第2の底面板9には第2の組み込み片15が設けられており、第1の底面板8と第2の底面板9はこの第1の組み込み片14と第2の組み込み片15を組み込んで結合させることができる。さらに、第1の底面板8の右端に右側面下フラップ11と貼り付けるための第1の底部糊代片12、および第2の底面板9の右端(左側面板3側の端)に左側面下フラップ10と貼り付けるための第2の底部糊代片13が設けられている。
【0030】
このブランクから外容器100を形成する際は例えば以下の通りとする。
【0031】
まず、正面板1、左右側面板3、4、背面板5、胴部糊代片6を各折罫a~dを山折りにして折り曲げ、胴部糊代片6を右側面板4の右端内面に貼り付ける。次に第1の底面板8、第2の底面板9、右側面下フラップ11、左側面下フラップ10を折罫e~hを山折
りにして折り曲げ、第1の底部糊代片12を右側面下フラップ11の内面に貼り付け、第2の底部糊代片13を左側面下フラップ10の内面に貼り付け、第1の組み込み片14と第2の組み込み片15を組み込んで第1の底面板8と第2の底面板9を結合させることで底面部7を形成する。
【0032】
外容器100の中に内容器200を収納する際は、背面上フラップ21を背面板5の内面に接するように内側に折り込んで内容器200を収納し、右側面上フラップ19と左側面上フラップ18を折罫i、kを山折りにして折り曲げ、天面板17と天面差し込み片20を折罫j、mを山折りにして折り曲げて天面差し込み片20を左右側面上フラップ18、19の前縁と背面上フラップ21の外面の間に差し込む。
【0033】
(内容器について)
図4は、本発明の第一実施形態の内容物取り出し容器1000に備えられる内容器200のブランクを示す平面図である。
図4に示されるように、内容器200は、台座部38、背面内板31、左右側面内板32、33、および天面内部48を有する。前記台座部38は内容物101が載置される内容物載置面板43を有する。内容器200は、少なくとも、台座部38、背面内板31、および左右側面内板32、33が設けられていればよいが、
図2のようにさらに天面内部48も設けられることで、内容物101を収容した内容器200を外容器100に収納する際に、内容物101が安定して固定され、内容物101が落下することを防ぐことができる。
【0034】
図6は、
図1の本発明の第一実施形態の内容物取り出し容器1000のA-A線に沿う断面図である。
図2や
図6に示されるように、前記内容物載置面板43は、正面側に向かって下方へ傾斜する傾斜面となっている。内容物載置面板43は、正面側に向かって下方へ傾斜する傾斜面となることで、縦一列に積み重ねられた複数の内容物101を内容物取り出し口22から容易に取り出すことができる。内容物101を1つ取り出すと、その取り出した内容物101の上に載っていた内容物101が自動的に内容物載置面板43に落下するように設けられている。傾斜面の傾斜角度は内容物101が内容物載置面板43に落下した時に内容物取り出し口22から外側に飛び出さず、内容物取り出し口22から取り出しやすければ特に限定されない。
【0035】
図7は、本発明の第一実施形態の内容物取り出し容器1000の内容物取り出し口22の正面拡大図である。内容物取り出し口22の下端の少なくとも一部が、内容器200の内容物載置面板43の前端より高い位置に設けられている。例えば、
図7では、内容物取り出し口22の下側が下側円弧状に形成されているとともに、その下側円弧状の高さ方向最も低い部分、つまり内容物取り出し口22の下端の高さ方向最も低い部分が内容物載置面板43の前端より高い位置に設けられている。
【0036】
内容物取り出し口22の下端の高さ方向最も低い部分が内容物載置面板43の前端より高い位置に設けられてさえいれば、内容物取り出し口22と内容物載置面板43の間の高さ方向の長さ分(
図7のD)だけ段差が生じるため、内容物取り出し口22の下側が下側円弧状に形成されていなくてもよい。また、内容物取り出し口22の下側が下側円弧状に形成されてさえいれば、下側円弧状の左右部分で内容物101と交差する部分と内容物載置面板43の前端との間の高さ方向の長さ分(
図7のE)だけ段差が生じるため、内容物取り出し口22の下端の高さ方向最も低い部分が内容物載置面板43の前端より高い位置でなく、内容物取り出し口22の下端の高さ方向最も低い部分が内容物載置面板43の前端と同じ高さとしてもよい。ここで、高さ方向とは、底面部7に対して垂直な方向である。
【0037】
また、前記台座部38の内容物載置面板43には係合孔47が設けられている。この係
合孔47は、後述する仕切り部300の支柱部61の支柱左側面板62または支柱右側面板63に設けられた係合突起67と係合する。係合孔47と係合突起67が係合することで、仕切り部300が内容器200に安定して固定される。
【0038】
図4に示されるように、内容器200のブランクは例えば以下のような構成となる。
【0039】
背面内板31、背面内板31の右側折罫xを介して連接した右側面内板33、背面内板31の左側折罫tを介して連接した左側面内板32が設けられている。左側面内板32の上下端には第1の左側面糊代片34、第2の左側面糊代片35が、右側面内板33の上下端には第1の右側面糊代片36、第2の右側面糊代片37が、それぞれ設けられている。
【0040】
背面内板31の上側折罫rを介して連接した天面内板49、天面内板49の左側折罫を介して連接した天面左フラップ50、天面内板49の右側折罫wを介して連接した天面右フラップ51が設けられている。上記の天面内板49、天面左フラップ50、および天面右フラップ51により天面内部48が形成される。
【0041】
さらに、背面内板31の下側折罫nを介して連接した台座底面板39、台座底面板39の左側折罫uを介して連接した台座底面左フラップ40、台座底面板39の右側折罫yを介して連接した台座底面右フラップ41、台座底面板39の下側折罫oを介して連接した台座正面板42が設けられる。また、台座正面板42の下側折罫pを介して連接した内容物載置面板43、内容物載置面板43の左側折罫vを介して連接した内容物載置面左フラップ44、内容物載置面板43の右側折罫zを介して連接した内容物載置面右フラップ45、内容物載置面板43の下側折罫qを介して連接した台座背面板46が設けられる。内容物載置面板43には、仕切り部300の係合突起67が係合される係合孔47が複数設けられている。
【0042】
このブランクから内容器200を形成する際は例えば以下の通りとする。
【0043】
まず、台座底面左フラップ40、台座底面右フラップ41、内容物載置面左フラップ44、および内容物載置面右フラップ45を各折罫u、y、v、zを山折りにして折り曲げる。次に、台座底面左フラップ40が内容物載置面左フラップ44の上になるように、台座底面右フラップ41が内容物載置面右フラップ45の上になるように、台座底面板39、台座正面板42、内容物載置面板43、台座背面板46を各折罫n、o、p、qを谷折りに折り曲げる。
【0044】
台座背面板46の外面を背面内板31の内面に当接させた状態で、左側面内板32、右側面内板33を折罫t、xを谷折りに折り曲げ、左側面内板32の第2の左側面糊代片35を台座底面左フラップ40の外面に貼り付け、右側面内板33の第2の右側面糊代片37を台座底面右フラップ41の外面に貼り付ける。
【0045】
また、天面内板49、天面左フラップ50、および天面右フラップ51を各折罫s、wを谷折りに折り曲げ、左側面内板32の第1の左側面糊代片34を天面左フラップ50の外面に貼り付け、右側面内板33の第1の右側面糊代片36を天面右フラップ51の外面に貼り付ける。
【0046】
(仕切り部について)
図5は、本発明の第一実施形態の内容物取り出し容器1000に備えられる仕切り部300のブランクを示す平面図である。仕切り部300は、複数の支柱部61と複数の背面壁65が交互に連接することで形成される。支柱部61は、支柱左右側面板62、63とその間に折罫aa、bbを介して連接される支柱正面板64とから構成される。
図2に示されるように、3つの縦長空間である内容物収容部66を設けるように4つの支柱部61が形成されている。
図5に示されるように、左端の支柱部61の支柱右側面板63、右端の支柱部61の支柱左側面板62、および、それ以外の支柱部61の支柱左右側面板62、63のそれぞれの下端に、内容器200の内容物載置面板43の係合孔47に係合させるための係合突起67が形成されている。
【0047】
仕切り部300の形状は、複数の支柱部61とその間の背面壁65により内容物101を縦数列に仕切り、背面壁65に沿うように複数の内容物101を縦方向に整列させることができる形状であれば、特に限定されない。
【0048】
図5に示されるように、仕切り部300のブランクは例えば以下のような構成となる。
【0049】
支柱正面板64の左側折罫aaを介して連接した支柱左側面板62、支柱正面板64の右側折罫bbを介して連接した支柱右側面板63が設けられる。支柱左側面板62、支柱正面板64、および支柱右側面板63により支柱部61が形成される。
【0050】
複数の支柱部61の間、つまり、支柱右側面板63と支柱左側面板62の間に、背面壁65が設けられる。背面壁65は、支柱右側面板63の右側折罫ccと支柱左側面板62の左側折罫ddを介して連接される。支柱左側面板62と支柱右側面板63のそれぞれの下辺は、内容器200をブランクから折り曲げて形成された状態の内容物載置面板43に隙間なく当接できるような傾斜形状となっている。
【0051】
このブランクから仕切り部300を形成する際は例えば以下の通りとする。
【0052】
支柱正面板64の左右の折罫aa、bbを山折りに折り曲げることで支柱部61を形成する。次に、支柱右側面板63の右側折罫ccと支柱左側面板62の左側折罫ddを谷折りに折り曲げることで背面壁65を形成する。このようにすることで、蛇腹状の仕切り部300が完成する。
【0053】
(内容物取り出し容器の組み立て)
上記ブランクから形成された各パーツから内容物取り出し容器1000を組み立てる際は例えば以下の通りとする。
【0054】
まず、蛇腹状に形成された仕切り部300の支柱左側面板62または支柱右側面板63に設けられた係合突起67を、内容器200の内容物載置面板43に設けられた係合孔47に差し込む形で係合し、支柱左右側面板62、63の下辺を内容器200の内容物載置面板43に合わせるようにして当接する。このようにして仕切り部300が内容器200の中に固定された状態で収納される。
【0055】
次に、内容器200を背面内板31を下にして置き、仕切り部300の各背面壁65の上に、種類ごとに分けられた内容物101を縦方向にそれぞれ整列させて充填する。このように内容物101を内容物取り出し容器1000の上方から落下して充填するのではなく寝かせた内容器200に内容物101を充填させるため、内容物101を整列させた状態で充填する際の作業性が良い。外容器100の天面部16を構成する天面板17、左右側面上フラップ18、19を内側に折り曲げず開口した状態で、背面上フラップ21を背面板5の内側に山折りに折り込み、上記の内容器200を外容器100の開口された上方から入れて、台座底面板39の外面が外容器100の底面部7の内面に当接した状態で外容器100に収納する。背面上フラップ21を背面板5の内面に接するように内側に折り込んだ上で内容器200を外容器100に収納することで、内容物取り出し容器1000全体のたわみ防止、剛性感、外観の見栄えを向上させることができる
【0056】
最後に、外容器100の天面部16を構成する天面板17、左右側面上フラップ18、19を内側に折り曲げ、天面差し込み片20を左右側面上フラップ18、19の前縁と背面上フラップ21の外面の間に差し込む。
【0057】
上記の通り内容物取り出し容器1000を組み立てると、内容物取り出し口22は、
図7に示されるように、仕切り部300の複数の支柱部61の間に位置され、内容物取り出し口22の下端の少なくとも一部が内容物載置面板43の前端より高い位置に設けられる。
例えば
図7のように、内容物取り出し口22の下側が下側円弧状に形成されているとともに、その下側円弧状の高さ方向最も低い部分、つまり内容物取り出し口22の下端の高さ方向最も低い部分が内容物載置面板43の前端より高い位置に設けられる。このように内容物取り出し口22の下端の少なくとも一部が内容物載置面板43の前端より高い位置に設けられることで、内容物取り出し口22と内容物載置面板43の間に段差が生じる。よって、内容物載置面板43に載置された内容物101が内容物取り出し口22に引っ掛かり、内容物取り出し時に内容物101が外側に飛び出すことを防止し、複数の内容物101を内容物取り出し口22から連続して1つずつ確実に取り出すことが可能となる。
【0058】
(内容物取り出し容器の使用)
外容器100の正面板1に設けられた内容物取り出し口22にて内容物101を摘まんでわずかに持ち上げることで容易に内容物101を取り出すことができる。また、1つの内容物101を取り出すとその上に載っていた次の内容物101が、正面側に向かって下方へ傾斜した内容物載置面板43の上に自動的に落下して、内容物取り出し口22付近に位置される。このように、複数の内容物101を連続して1つずつ確実かつ容易に取り出すことが可能となる。また、内容物101はその種類ごとに内容物取り出し口22から取り出すことが可能となる。
【0059】
<第二実施形態>
第二実施形態の内容物取り出し容器1001は例えば、第一実施形態における外容器100、内容器200、および仕切り部300の3パーツに加えて外装シート400も設けられる。第二実施形態の内容物取り出し容器1001は、上述した第一実施形態の内容物取り出し容器1000の外容器100を覆う外装シート400が設けられている以外は第一実施形態の内容物取り出し容器1000と同じである。以下、その外装シート400について説明する。
【0060】
(外装シートについて)
図8(a)は、本発明の第二実施形態の内容物取り出し容器1001における、外装シート400のブランクを示す平面図である。
図8(b)は、本発明の第二実施形態の内容物取り出し容器1001における、外装シート400の使用状態を示す斜視図である。
【0061】
図8(b)に示されるように、内容物101が収容され、内容器200および仕切り部300が収納された外容器100に、外装シート400を取付けることで、輸送時や陳列時など内容物取り出し容器1001が揺れたり倒れたりした際に内容物取り出し口22からの内容物101の飛び出しを防ぐとともに、内容物101が衛生面でより保護される。また、贈答品などとして外観向上のため外装シート400を用いてもよい。
【0062】
また、外容器100に天面部16が設けられていない場合は、外装シート400により、内容物101を衛生的に保護したり、外容器100の上方からの内容物101の落下などを防ぐことが可能となる。
【0063】
図8(a)に示されるように、外装シート400のブランクは例えば以下のような構成となる。前面板72、前面板72の上側折罫eeを介して連接した上面板71、前面板72の下側折罫ffを介して連接した下面板73、下面板73の下側折罫ggを介して連接した後面板74、後面板74の下側折罫hhを介して連接した外装シート糊代片75を有する。
【0064】
このブランクから外装シート400を形成する際は例えば、上面板71、前面板72、下面板73、後面板74、および外装シート糊代片75を各折罫ee、ff、gg、hhを山折りして折り曲げ、外装シート糊代片75を上面板71の上端内面に貼り付ける。
【0065】
外装シート400の材料は、外容器100などの他パーツと同じように、板紙、段ボール紙、または樹脂を使用することができる。
【0066】
以上の通り、本発明の内容物取り出し容器は、仕切り部で仕切られた内容器に内容物を収容または充填し、その内容物を外容器に収容するため、内容物が途中で引っ掛かったりすることがなく、内容物を整列させた状態で収容または充填する際の作業性が良い。
また、内容物取り出し口の下端の少なくとも一部が内容物載置面板の前端より高い位置に設けられているため、内容物取り出し口から内容物が飛び出さず、内容物取り出し口に引っ掛かった内容物を摘まんで取り出すことで、内容物を1つずつ確実かつ容易に取り出すことができる。
【0067】
本発明の内容物取り出し容器は、家庭や店頭などでも使用することができる。内容物を1つずつ確実かつ容易に取り出せるため、家庭で使用する時は、お店感覚で楽しく内容物を取り出すことができ、店頭などで使用する時は正面板のデザイン性などとも相まってアイキャッチ効果や販促効果もある。
【0068】
また、各パーツのブランクから容易に内容物取り出し容器を組み立てることができるため、各パーツのブランクと内容物のセットとして販売したり、内容物と別売りしたりすることもできる。
【符号の説明】
【0069】
1000、1001・・・内容物取り出し容器
100・・・外容器
101・・・内容物
1・・・正面板
2・・・窓部
3・・・左側面板
4・・・右側面板
5・・・背面板
6・・・胴部糊代片
7・・・底面部
8・・・第1の底面板
9・・・第2の底面板
10・・・左側面下フラップ
11・・・右側面下フラップ
12・・・第1の底部糊代片
13・・・第2の底部糊代片
14・・・第1の組み込み片
15・・・第2の組み込み片
16・・・天面部
17・・・天面板
18・・・左側面上フラップ
19・・・右側面上フラップ
20・・・天面差し込み片
21・・・背面上フラップ
22・・・内容物取り出し口
a、b、c、d、e、f、g、h、i、j、k、l、m・・・折罫
200・・・内容器
31・・・背面内板
32・・・左側面内板
33・・・右側面内板
34・・・第1の左側面糊代片
35・・・第2の左側面糊代片
36・・・第1の右側面糊代片
37・・・第2の右側面糊代片
38・・・台座部
39・・・台座底面板
40・・・台座底面左フラップ
41・・・台座底面右フラップ
42・・・台座正面板
43・・・内容物載置面板
44・・・内容物載置面左フラップ
45・・・内容物載置面右フラップ
46・・・台座背面板
47・・・係合孔
48・・・天面内部
49・・・天面内板
50・・・天面左フラップ
51・・・天面右フラップ
n、o、p、q、r、s、t、u、v、w、x、y、z・・・折罫
300・・・仕切り部
61・・・支柱部
62・・・支柱左側面板
63・・・支柱右側面板
64・・・支柱正面板
65・・・背面壁
66・・・内容物収容部
67・・・係合突起
aa、bb、cc、dd・・・折罫
400・・・外装シート
71・・・上面板
72・・・前面板
73・・・下面板
74・・・後面板
75・・・外装シート糊代片
ee、ff、gg、hh・・・折罫