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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】スライド案内装置
(51)【国際特許分類】
   B66C 23/697 20060101AFI20240814BHJP
【FI】
B66C23/697
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020178722
(22)【出願日】2020-10-26
(65)【公開番号】P2022069833
(43)【公開日】2022-05-12
【審査請求日】2023-07-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000148759
【氏名又は名称】株式会社タダノ
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(72)【発明者】
【氏名】福岡 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】小林 和宏
【審査官】中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-091135(JP,A)
【文献】特開2012-001321(JP,A)
【文献】特開2010-168216(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0251284(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 19/00- 23/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側ブームと内側ブームとの間に配置され、外側ブームに対する内側ブームの相対的スライドを案内するスライド案内装置であって、
内側ブームの外周面に当接する当接面を有するスライドパッドと、
上記当接面を露出させた状態で上記スライドパッドを収容するリテーナと、
当該リテーナに着脱自在に設けられ、上記当接面以外の面に当接することにより上記リテーナと協働して上記スライドパッドを上記リテーナに対して位置決めする位置決め部材と、
リテーナに螺合することにより、当該リテーナを上記外側ブームに締結する締結部材とを備え
上記スライドパッドは、
矩形断面の直方体が弧状に湾曲し、上記当接面である湾曲内面、湾曲外面並びにこれらを連続させる一端面、他端面及び一対の側面が形成された形状であり、
上記リテーナは、
上記湾曲外面に当接する外壁、上記一端面に当接する一端壁及び上記一対の側面に当接する一対の側壁を有し、上記湾曲内面を露出させた状態で上記スライドパッドと嵌合する器状に形成され、
上記位置決め部材は、
上記外壁に着脱自在に設けられる基板と、
当該基板に連続して上記他端面と当接することによって上記スライドパッドが上記リテーナから脱落することを防止する脱落防止板とを有する、スライド案内装置。
【請求項2】
上記位置決め部材は、上記締結部材によって上記リテーナに締結される請求項1に記載のスライド案内装置。
【請求項3】
上記リテーナは、上記外側ブームに対する相対的位置を変更するシムプレートを備えている、請求項1または2に記載のスライド案内装置。
【請求項4】
上記シムプレートは、上記締結部材によって上記リテーナに締結される請求項3に記載のスライド案内装置。
【請求項5】
上記締結部材は2本のボルトからなり、
上記シムプレートは、一方のボルトが挿通される挿通孔と、当該シムプレートの縁から延び、他方のボルトが相対的にスライド可能なスライド溝を有する請求項3または4に記載のスライド案内装置。
【請求項6】
上記リテーナは、上記締結部材が螺合する座部を有し、
上記位置決め部材及びシムプレートは、上記座部に上記締結部材によって締結される請求項3から5のいずれかに記載のスライド案内装置。
【請求項7】
外側ブームと内側ブームとの間に配置され、外側ブームに対する内側ブームの相対的スライドを案内するスライド案内装置であって、
内側ブームの外周面に当接する当接面を有するスライドパッドと、
上記当接面を露出させた状態で上記スライドパッドを収容するリテーナと、
当該リテーナに着脱自在に設けられ、上記当接面以外の面に当接することにより上記リテーナと協働して上記スライドパッドを上記リテーナに対して位置決めする位置決め部材と、
リテーナに螺合することにより、当該リテーナを上記外側ブームに締結する締結部材とを備え
上記位置決め部材は、上記締結部材によって上記リテーナに締結される、スライド案内装置。
【請求項8】
上記リテーナは、上記外側ブームに対する相対的位置を変更するシムプレートを備えている、請求項7に記載のスライド案内装置。
【請求項9】
上記シムプレートは、上記締結部材によって上記リテーナに締結される請求項8に記載のスライド案内装置。
【請求項10】
上記締結部材は2本のボルトからなり、
上記シムプレートは、一方のボルトが挿通される挿通孔と、当該シムプレートの縁から延び、他方のボルトが相対的にスライド可能なスライド溝を有する請求項8または9に記載のスライド案内装置。
【請求項11】
上記リテーナは、上記締結部材が螺合する座部を有し、
上記位置決め部材及びシムプレートは、上記座部に上記締結部材によって締結される請求項8から10のいずれかに記載のスライド案内装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、テレスコピックを構成するブームのスライドを案内するスライド案内装置の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
クレーン車は、一般に、伸縮するブームを有するブーム装置を搭載している。ブームは、通常、ベースブーム、中間ブーム及びトップブームを有し、これらはテレスコピックを構成する。ベースブームに対して中間ブームが、且つ中間ブームに対してトップブームが相対的にスライドすることにより、ブームが伸縮する。クレーン作業では、ブーム装置によってブームが所要の長さ及び姿勢にセットされ、ウインチ装置により吊荷が操作される。
【0003】
クレーン作業では、ブームは、起伏、旋回されることにより外力を受けるほか、風等の外部環境に起因して、あるいは接地面の傾斜によりクレーン車が傾くことに起因して外力を受ける場合があり、したがって、ブームは、縦方向のみならず横方向にも荷重を受ける。ブームに横方向の荷重が作用した状態であっても、ブームの円滑な伸縮動作が可能でなければならない。そのため、隣り合うブーム間(たとえばベースブームと、これの内側に配置された中間ブーム)に両者の相対的スライドを案内する装置が設けられている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に開示されたスライド案内装置は、外側ブームと内側ブームとの隙間に配置されるスライドパッド及びこれを保持する保持器と、これらを外側ブームに固定する固定機構とを有する。固定機構は、外側ブームに設けられ、保持器及びスライドパッドを支持し、保持器及びスライドパッドは、内側ブームを臨む姿勢となる。位置決め機構は、調整ボルトを有し、これが操作されることによって保持器の位置が調整され、スライドパッドが内側ブームの表面と当接するように配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平11-130377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記横方向の荷重は、上記スライドパッド及び保持器を通じて上記調整ボルトに作用する。したがって、上記調整ボルトと保持器との接触部分に大きな面圧が生じ、調整ボルトあるいは保持器が損傷を受ける可能性がある。この不都合は、調整ボルト及び保持器の十分な強度設計により解消されるが、それでは、調整ボルト等が大型化し、ブームの軽量且つコンパクト設計という普遍的要請に反する。
【0007】
他方、ブームの軽量コンパクト設計のため、上記保持器が省略されたスライド案内装置も提案されている。このタイプのスライド案内装置では、外側ブームに設けられたブラケットに直接にスライドパッドが固定される。この構造では、前述の調整ボルト及び保持器の損傷の問題は発生しないが、スライドパッドの強固な固定その他のスライド案内装置の十分な強度設計が困難である。そのため、上記横方向の荷重が大きい場合、スライドパッドが損傷する可能性がある。この問題を回避するためには、上記ブラケット及びスライドパッドが大型化し、やはりブームのコンパクト設計が阻害される。
【0008】
本発明はかかる背景のもとになされたものであり、その目的は、軽量且つコンパクトであり、ブームが横方向に大荷重を受けた場合であっても円滑な伸縮動作を支援するスライド案内装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1) 本発明に係るスライド案内装置は、典型的にはクレーン用ブーム装置に適用されるものであり、外側ブームと内側ブームとの間に配置され、外側ブームに対する内側ブームの相対的スライドを案内する。このスライド案内装置は、内側ブームの外周面に当接する当接面を有するスライドパッドと、上記当接面を露出させた状態で上記スライドパッドを収容するリテーナと、当該リテーナに着脱自在に設けられ、上記当接面以外の面に当接することにより上記リテーナと協働して上記スライドパッドを上記リテーナに対して位置決めする位置決め部材と、リテーナに螺合することにより、当該リテーナを上記外側ブームに締結する締結部材とを備えている。
【0010】
この構成によれば、スライドパッドは、リテーナに収容される。このリテーナに位置決め部材が設けられることにより、スライドパッドがリテーナに位置決めされた状態で保持される。締結部材が外側ブーム側からリテーナに螺合することにより、スライドパッドはリテーナと共に外側ブームに固定される。この状態で、スライドパッドの当接面がリテーナから露出し、内側ブームの外周面に当接する。このスライドパッドにより、クレーン作業中にブームに横方向の荷重が作用した場合であっても、内側ブームの外側ブームに対する相対的スライドが円滑に案内される。上記スライドパッドは、リテーナに位置決めされた状態で収容保持されているから、上記横方向の荷重は、リテーナ全体に作用する。したがって、リテーナに局所的に大きな面圧ないし圧縮応力が生じることはなく、スライドパッド及びリテーナは、最適な(軽量且つコンパクトな)強度設計がなされる。なお、上記位置決め部材は着脱自在であるから、当該位置決め部材が取り外されることにより、スライドパッドも簡単にリテーナから外れる。したがって、スライドパッドの交換作業も簡単である。
【0011】
(2) 上記リテーナは、上記外側ブームに対する相対的位置を変更するシムプレートを備えているのが好ましい。
【0012】
この構成では、シムプレートによって、スライドパッドと内側ブームとの間の隙間が調整されるので、リテーナが外側ブームに取り付けられる際に、スライドパッドが内側ブームに当接することができる。したがって、上記横方向の荷重が作用したとしても、スライドパッド及びリテーナに局所的に大きな面圧が生じることは、確実に防止される。
【0013】
(3) 上記スライドパッドは、矩形断面の直方体が弧状に湾曲し、上記当接面である湾曲内面、湾曲外面並びにこれらを連続させる一端面、他端面及び一対の側面が形成された形状であり、上記リテーナは、上記湾曲外面に当接する外壁、上記一端面に当接する一端壁及び上記一対の側面に当接する一対の側壁を有し、上記湾曲内面を露出させた状態で上記スライドパッドと嵌合する器状に形成されてもよい。この場合、上記位置決め部材は、上記外壁に着脱自在に設けられる基板と、当該基板に連続して上記他端面と当接することによって上記スライドパッドが上記リテーナから脱落することを防止する脱落防止板とを有するのが好ましい。
【0014】
この構成では、スライドパッドは、器状のリテーナに嵌め込まれる。具体的には、スライドパッドの湾曲外面及び一端面が、それぞれ、リテーナの外壁及び一端壁と当接し、且つスライドパッドの一対の側面が、それぞれ、リテーナの一対の側壁に当接する。さらに、位置決め部材の基板が上記外壁に取り付けられると、同時に上記脱落防止板がスライドパッドの他端面に当接する。これにより、スライドパッドは、リテーナに対する位置ずれが防止される。したがって、上記横方向の荷重が作用したとしても、スライドパッド及びリテーナに局所的に大きな面圧が生じることは、より一層確実に防止される。
【0015】
(4) 上記位置決め部材は、上記締結部材によって上記リテーナに締結されるのが好ましい。
【0016】
この構成では、リテーナが外側ブームに取り付けられる際に、スライドパッドをリテーナに位置決めする作業も同時に行われる。したがって、作業工数及びスライド案内装置の部品点数が削減される。
【0017】
(5) 上記シムプレートは、上記締結部材によって上記リテーナに締結されるのが好ましい。
【0018】
この構成では、上記シムプレートを固定する専用部品が不要となる。したがって、スライド案内装置の部品点数が削減される。
【0019】
(6) 上記締結部材は2本のボルトからなり、上記シムプレートは、一方のボルトが挿通される挿通孔と、当該シムプレートの縁から延び、他方のボルトが相対的にスライド可能なスライド溝とを有するのが好ましい。
【0020】
上記リテーナが外側ブームに取り付けられる際に、シムプレートは、スライドパッドと内側ブームとの隙間を埋める。したがって、実際の作業では、上記隙間に合わせてシムプレートが交換されたり、シムプレートの枚数が変更される。この発明では、後述のようにシムプレートの着脱作業が容易であるから、スライドパッドと内側ブームとの隙間を調整する作業が円滑に行われる。
【0021】
シムプレートは上記2本のボルトにて締結され、一方のボルトに対応して挿通孔が設けられ、他方のボルトに対応してスライド溝が設けられている。実際のシムプレートの着脱作業では、まず他方のボルトがリテーナに仮り止めされた状態で、このボルトが上記スライド溝に沿ってスライドするようにシムプレートが挿入される。
【0022】
上記一方のボルトが螺合されるリテーナの所定部位に上記挿通孔が位置合わせされた状態で、当該一方のボルトがシムプレートの挿通孔に挿通され、リテーナにねじ込まれる。この状態で、シムプレートの枚数等の変更が必要である場合は、一方のボルトのみが取り外されるだけで、シムプレートの挿抜が可能である。しかも、シムプレートは、他方のボルトに常時係合した状態であるから、作業者が意図せずにシムプレートがリテーナから脱落することが防止される。所要のシムプレートがリテーナに配置された状態で上記2本のボルトがリテーナにねじ込まれることにより、このシムプレートがリテーナに固定される。
【0023】
(7) 上記リテーナは、上記締結部材が螺合する座部を備えていてもよい。この場合、上記位置決め部材及びシムプレートは、上記座部に上記締結部材によって締結されるのが好ましい。
【0024】
この構成によれば、リテーナ及びシムプレートの確実な締結が実現され、シムプレートの挿抜作業も容易になるという利点がある。
【発明の効果】
【0025】
この発明によれば、ブームが横方向に大荷重を受けた場合であっても、その荷重はスライドパッドを通じてリテーナ全体に作用するから、リテーナに局部的に大きな面圧や圧縮応力が生じない。したがって、スライドパッド及びリテーナの軽量コンパクト設計が可能であり、外側ブームに対する内側ブームの安全なスライドが実現する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るスライド案内装置10が設けられたブーム11の外観斜視図である。
図2図2は、図1における要部拡大斜視図である。
図3図3は、ブーム11の先端部14の分解斜視図である。
図4図4は、図2におけるIV-矢視図である。
図5図5は、スライド案内装置10の斜視図である。
図6図6は、スライド案内装置10をブーム11に取り付けるためのブラケット15の斜視図である。
図7図7は、リテーナ17の斜視図である。
図8図8は、図7におけるVIII-VIII断面図である。
図9図9は、スライドパッド16の斜視図である。
図10図10は、スライドパッド16の側面図である。
図11図11は、位置決め板18の斜視図である。
図12図12は、位置決め板18の平面図である。
図13図13は、シムプレート46の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の好ましい実施形態が、適宜図面が参照されながら説明される。なお、本実施の形態は、本発明に係るスライド案内装置の一態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様が変更されてもよいことは言うまでもない。
【0028】
1.概略と特徴点
【0029】
図1は、本発明の一実施形態に係るスライド案内装置10が設けられたブーム11の外観斜視図である。図2及び図3は、図1における要部拡大斜視図である。図2は、ブーム11の先端部14の斜視図、図3は分解斜視図である。図4は、図2におけるIV-矢視図である。
【0030】
このブーム11(特許請求の範囲に記載された「外側ブーム」に相当)は、クレーン車に搭載されるブーム装置の部品であって、ベースブームを構成する。図1では示されていないが、ブーム11の内側に中間ブーム12(図4参照:特許請求の範囲に記載された「内側ブーム」に相当)及びトップブームが配置され、これらはテレスコピックを構成する。
【0031】
図2及び図3が示すように、ブーム11の先端部14に一対のスライド案内装置10及び一対のスライド案内装置13が設けられている。なお、図3では、一方のスライド案内装置10のみが図示されている。これらは、ブーム11と中間ブーム12との隙間に配置され(図4参照)、スライド案内装置10は上記先端部14の上方に配置され、スライド案内装置13は上記先端部14の下方に配置されている。
【0032】
スライド案内装置10及びスライド案内装置13は、ブーム11に対して中間ブーム12が長手方向28(図2参照:図4において紙面に垂直な方向)に相対的にスライドする際に、円滑なスライドを案内する。スライド案内装置13は、主として中間ブーム12を下方から支持し、スライド案内装置10は、主として中間ブーム12の横揺れを抑えるために中間ブーム12の上側角部に当接する(図4参照)。なお、スライド案内装置10、13は、ブーム11と中間ブーム12との間のみならず、一般的に、外側に配置されたブームと、その内側に配置されたブームとの間に配置され得る。
【0033】
図5は、スライド案内装置10の斜視図である。図6は、スライド案内装置10をブーム11に取り付けるためのブラケット15の斜視図である。
【0034】
本実施形態の特徴とするところは、上記スライド案内装置10の構造である。本実施形態では、図2及び図4が示すように、ブーム11の先端部14に一対のスライド案内装置10が左右対称に設けられている。説明の簡略化のために、一方のスライド案内装置10の構造について説明される。
【0035】
2.スライド案内装置の具体的構成
【0036】
図4及び図5が示すように、スライド案内装置10は、上記中間ブーム12と当接するスライドパッド16と、これを保持する器状のリテーナ17と、スライドパッド16をリテーナ17に位置決めする位置決め板18(特許請求の範囲に記載された「位置決め部材」に相当)と、位置決め板18をリテーナ17に固定するボルト19、20(特許請求の範囲に記載された「締結部材」に相当)を有する。スライドパッド16は、後述のようにリテーナ17に嵌め込まれ、リテーナ17との間にがたつきは生じない。このスライドパッド16に上記位置決め板18が当接することにより、スライドパッド16は、リテーナ17及び位置決め板18との幾何学的位置関係のみによってリテーナ17に固定される。すなわち、スライドパッド16は、ボルト等の締結手段を介さずにリテーナ17に固定される。
【0037】
本実施形態では、リテーナ17は、シムプレート46を備えている。このシムプレート46は、図2が示すようにスライド案内装置10がブーム11に取り付けられる際に、中間ブーム12に対する相対的位置(中間ブーム12との距離)を調整するものである。このシムプレート46が設けられることによる作用効果については後述される。
【0038】
3.ブラケット
【0039】
スライド案内装置10は、上記ブラケット15(図6参照)を介してブーム11の先端部14に固定される。図3が示すように、ブーム11の先端角部に切欠部21が設けられている。ブラケット15は、この切欠部21を塞ぐように配置される。
【0040】
図6が示すように、ブラケット15は、基板22と、補強板23、24とを有する。なお、図3では、ブラケット15に補器25、26、27が固定されているが、これらは省略され得るものであり、図6では図示されていない。
【0041】
上記基板22は、細長矩形の平板からなり、上記切欠部21(図3参照)を覆うように屈曲成形されている。基板22は、このように屈曲されることにより、天井部33、斜辺部34及び側面部35を有し、これらは上記切欠部21を塞ぐようにブーム11の先端角部を回り込んでいる。図6並びに図3及び図4が示すように、基板22の一端29及び他端30は、ぞれぞれ、上記切欠部21の縁部31、32に当接しており、基板22は、上記縁部31、32に掛け渡された状態である。上記天井部33、斜辺部34及び側面部35にぞれぞれ一対の長孔36、37、長孔38、39及び長孔40、41が設けられている。各長孔36~41は、基板22を貫通している。各長孔36~41は同様の形状であり、長さ42は、本実施形態では32mmに設定される。長孔36、37のピッチ43は、本実施形態では30mmに設定される。なお、長孔38、39のピッチ、長孔40、41のピッチは、上記ピッチ43と同様である。
【0042】
補強板23、24は、平板からなり、基板22の両側に配置され、互いに対向している。補強板23は、基板22の外周面に沿って配置されて、補強板24は、基板22の側面に配置されている。これにより、基板22の剛性が向上する。補強板23の下縁44及び側縁45は、ブーム11の上縁46及び側縁47(図3参照)に固定される。補強板24も同様に上記上縁46及び側縁47に固定される。なお、補強板23、24は省略されてもよい。
【0043】
4.リテーナ
【0044】
図7及び図8は、それぞれ、リテーナ17の斜視図及びVIII-VIII断面図である。
【0045】
リテーナ17は、メインフレーム51と、一対の側壁板52、53(特許請求の範囲に記載された「一対の側壁」に相当)とを有する。
【0046】
メインフレーム51は、細長矩形の平板が屈曲されることにより形成される。図8が示すように、メインフレーム51は、天井板54、斜辺板55及び側面板56(特許請求の範囲に記載された「外壁」に相当)並びに底面板57(特許請求の範囲に記載された「一端壁」に相当)を有し、これらは連続している。天井板54と斜辺板55とが成す角度及び斜辺板55と側面板56とが成す角度は、それぞれ、上記リテーナ15(図6参照)の天井部33と斜辺部34とがなす角度及び斜辺部34と側面部35とが成す角度に対応している。底面板57は、側面板56に対して直交するように屈曲されており、底面板57と天井板54とは互いに平行である。もっとも、底面板57は、天井板54と平行でなくてもよく、略平行であればよい。
【0047】
メインフレーム51に3つの台座58~60(特許請求の範囲に記載された「座部」に相当)が設けられている。本実施形態では、台座58は直方体状を呈し、台座59、60は台座58と同一の形状である。台座58は一対のねじ穴61、62を備えている。このねじ穴61、62は台座58を貫通しており、ねじ穴61、62のピッチ63は、上記ブラケット15の天井部33に設けられた長孔36、37のピッチ43に対応している。台座59、60も同様のねじ穴64、65、66、67を備えている。
【0048】
図8が示すように、上記メインフレーム51に貫通孔68~70が設けられている。すなわち、天井板54に一対の貫通孔68が、斜辺板55に一対の貫通孔69が、側面板56に単一の貫通孔70が設けられている。一対の貫通孔68のピッチは、上記ねじ穴61、62のピッチ63に対応しており、各貫通孔68の中心は、それぞれ、上記ねじ穴61、62の中心と一致している。本実施形態では、貫通孔68の内径は、上記ねじ穴61、62の内径よりも大きく設定されている。各貫通孔69と上記ねじ穴64、65との関係は、各貫通孔68と上記ねじ穴61、62との関係と同様である。貫通孔70は、矩形状を呈し、図7及び図8が示すように、台座60が貫通孔70に嵌め込まれて固定されている。本実施形態では、台座60の下面71は、上記側面板56の下面72と連続している。もっとも、この貫通孔70に代えて、上記一対の貫通孔68と同様の貫通孔が設けられてもよい。台座60が貫通孔70に嵌め込まれることによる作用効果については後述される。
【0049】
なお、上記台座58~60は省略されてもよい。その場合、メインフレーム51に設けられた貫通孔68~70に代えて、上記ねじ穴61、62、64、65、66、67が設けられる。
【0050】
側壁板52、53の形状は、本実施形態では同一である。側壁板53は、図8が示すようにメインフレーム51の一方の側面に設けられており、側壁板52は、図7及び図8が示すように、側壁板53と対向してメインフレーム51の他方の側面に設けられている。したがって、リテーナ17は器状を呈し、メインフレーム51及び側壁板52、53によってキャビティ73(図8参照)が形成される。後述されるが、このキャビティ73にスライドパッド16が嵌め込まれ(図5参照)、スライドパッド16の一部は、図5が示すように露出する。なお、側壁板52、53の外形形状は特に限定されるものではなく、メインフレーム51と協働して上記キャビティ73を区画することが可能な形状であればよい。
【0051】
5.スライドパッド
【0052】
図9はスライドパッド16の斜視図である。図10は、スライドパッド16の側面図であり、図9におけるX-矢視図である。
【0053】
スライドパッド16は、たとえば樹脂(典型的にはポリアミド)からなり、同図が示すように、断面が矩形である直方体が弧状に湾曲された形状に成形されている。スライドパッド16は、内面74(特許請求の範囲に記載された「当接面」及び「湾曲内面」に相当)、外面75(特許請求の範囲に記載された「湾曲外面」に相当)、先端面76(特許請求の範囲に記載された「一端面」に相当)、下端面77(特許請求の範囲に記載された「他端面」に相当)及び一対の側面78、79を有する。これら先端面76、下端面77及び一対の側面78、79は、上記内面74及び外面75を連続させている。このスライドパッド16は、リテーナ17のキャビティ73(図8参照)に嵌め込まれ、図5が示すように、上記内面74が露出する。
【0054】
図10が示すように、スライドパッド16の内面74は、円弧状に形成されている。この内面74の曲面形状は特に限定されるものではないが、図4が示すように、内面74は、中間ブーム12の外周面80(上記上側角部)に沿って当接することができる形状となっている。スライドパッド16の外面75は、本実施形態では、連続する5つの平面81~85を有する。この外面75は、リテーナ17のメインフレーム51の内面(図8参照)に当接する。具体的には、上記平面81(図10参照)が上記メインフレーム51の天井板54(図8参照)に当接し、上記平面83(図10参照)が上記メインフレーム51の斜辺板55(図8参照)に当接し、上記平面85(図10参照)が上記メインフレーム51の側面板56(図8参照)に当接する。もっとも、スライドパッド16の外面75が上記メインフレーム51の形状に対応して3つの平面から構成されていてもよいし、要するに、上記メインフレーム51の天井板54、斜辺板55及び側面板56に当接する面を備えていればよい。スライドパッド16の下端面77(図10参照)は、矩形の平面であり、上記メインフレーム51の底面板57(図8参照)と当接することができる。
【0055】
図9及び図7が示すように、スライドパッド16の幅寸法86(図9参照)、すなわち、一対の側面78、79間の寸法は、リテーナ17(図7参照)のキャビティ73の寸法に対応している。すなわち、スライドパッド16の幅寸法86(図9参照)は、リテーナ17の側壁板52、53の離間寸法87(図7参照)に対応している。したがって、スライドパッド16が上記キャビティ73に嵌め込まれると、スライドパッド16の下端面77がリテーナ17の底面板57の上面88(図8参照)と当接し、且つスライドパッド16の側面78、79がリテーナ17の側壁板52、53と当接する。この状態で、スライドパッド16の先端面76はリテーナ17と接触していないので、スライドパッド16は、上記下端面77が上記底面板57に載置されつつ、図5及び図8において反時計回りにリテーナ17から脱落する方向へのみ変位可能となっている。
【0056】
6.位置決め板
【0057】
図11及び図12は、それぞれ、位置決め板18の斜視図及び平面図である。
【0058】
位置決め板18は、図5が示すようにリテーナ17に着脱自在に設けられる。図11及び図12が示すように、位置決め板18は、屈曲された矩形の平板からなり、基板89及び脱落防止板90を有する。脱落防止板90は基板89に対して略直交するように連続している。位置決め板18の幅寸法95は、スライドパッド16の幅寸法86(図9参照)及びリテーナ17の側壁板52、53の離間寸法87(図7参照)に対応している。
【0059】
基板89にボルト挿通孔91及びスライド溝92が設けられている。ボルト挿通孔91の内径は、スライド溝92の幅寸法と同一である。スライド溝92は、たとえば、ボルト挿通孔91と寸法93だけ離れた位置に設けられた挿通孔が基板89の縁部94まで切り欠かれることにより形成される。上記寸法93は、上記ブラケット15(図6参照)の天井部33に設けられた長孔36、37のピッチ43に対応しており、且つリテーナ17(図7参照)の台座58に設けられたねじ穴61、62のピッチ63に対応している。なお、ボルト挿通孔91の内径がスライド溝92の幅寸法と異なっていてもよいし、上記スライド溝92に代えて、ボルト挿通孔91と寸法93だけ離れた位置に挿通孔が設けられていてもよい。脱落防止板90は、前述のように基板89に連続して形成されている。この脱落防止板90は、基板89と別部材として構成され、基板89に固着されていてもよい。後述されるように、基板89がリテーナ17の台座58に締結されると(図5参照)、脱落防止板90は、スライドパッド16の先端面76と当接する。脱落防止板90の高さ49は、上記先端面76と当接するために必要且つ十分な寸法に設定される。
【0060】
7.シムプレート
【0061】
図13は、シムプレート46の平面図である。
【0062】
シムプレート46は、図5が示すように台座58~60に重ねるように配置される。ただし、上記位置決め板18は、後述のように台座58に重ね合わせられるため、この位置決め板18及びシムプレート46が台座58の上に配置される。図13が示すように、シムプレート46の外形形状は、本実施形態では矩形である。もっとも、シムプレート46の外形形状は特に限定されるものではない。シムプレート46の厚み寸法は特に限定されるものではないが、本実施形態では、1mm~4mmである。
【0063】
シムプレート46にボルト挿通孔96及びスライド溝97が設けられている。ボルト挿通孔96の内径は、スライド溝97の幅寸法と同一である。スライド溝97は、たとえば、ボルト挿通孔96と寸法98だけ離れた位置に設けられた挿通孔がシムプレート46の縁部99まで切り欠かれることにより形成される。上記寸法98は、上記ブラケット15(図6参照)の天井部33に設けられた長孔36、37のピッチ43に対応しており、且つリテーナ17(図7参照)の台座58に設けられたねじ穴61、62のピッチ63に対応している。なお、ボルト挿通孔96の内径がスライド溝97の幅寸法と異なっていてもよいし、上記スライド溝97に代えて、ボルト挿通孔96と寸法98だけ離れた位置にボルト挿通孔96と同様の挿通孔が設けられていてもよい。
【0064】
8.ボルト及びスライド案内装置の組立要領
【0065】
前述のように、スライドパッド16はリテーナ17に保持され、このリテーナ17は、ブラケット15を介してボルト19、20によりブーム11に締結される(図2及び図5参照)。
【0066】
図2及び図6が示すように、一対のブラケット15がブーム11の先端部14の左右にに固定される。具体的には、基板22の一端29及び他端30(図6参照)がブーム11の上記縁部31、32に固定され、補強板23の下縁44及び側縁45がブーム11の上記上縁46及び側縁47(図3参照)に固定される。補強板24も同様に上記上縁46及び側縁47に固定される。
【0067】
この状態で、リテーナ17がブラケット15に取り付けられる。すなわち、図7が示すように、リテーナ17の台座58~60に設けられたねじ穴61、62、ねじ穴64、65及びねじ穴66、67がブラケット15の長孔36、37、長孔38、39及び長孔40、41に合わせられ、ブラケット15側からボルト19、20が上記台座58~60にねじ込まれる。このとき、図5が示すように、スライドパッド16、位置決め板18及びシムプレート46も同時に組み込まれる。
【0068】
まず、各ボルト20がブラケット15の長孔36、38、40に挿通され、リテーナ17の台座58~60に設けられたねじ穴61、64、66にねじ込まれる。これにより、リテーナ17がブラケット15に仮止めされる。なお、本実施形態では、図5が示すように、座金48を介してボルト19、20が取り付けられる。もっとも、この座金48は省略されてもよい。
【0069】
スライドパッド16(図10参照)は、前述のようにリテーナ17のキャビティ73(図8参照)に嵌め込まれ、位置決め板18の基板89が台座58の上に配置される。このとき、上記基板89は、図5及び図7において矢印47の向き(上記ねじ穴62からねじ穴61に向かう向き)に上記長手方向28に沿って移動しながら上記台座58の上に配置される。すなわち、上記ボルト20は、相対的に基板89に設けられたスライド溝92の奥まで進入し、ボルト挿通孔91の位置は、上記台座58に設けられたねじ穴62の位置と一致する。
【0070】
位置決め板18の取付作業と一緒にシムプレート46も取り付けられる。すなわち、シムプレート46は、上記位置決め板18と同様に、上記矢印47の向きに(図5図7参照)移動しながら上記台座58の上に配置される。これにより、上記ボルト20は、位置決め板18の基板89及びシムプレート46にそれぞれ設けられたスライド溝92、97(図11図13参照)の奥まで進入し、位置決め板18及びシムプレート46にそれぞれ設けられたボルト挿通孔91及び貫通孔96の位置は、上記台座58に設けられたねじ穴62の位置と一致する。なお、台座59、60の上にも同様の要領でシムプレート46が配置される。
【0071】
なお、台座59、60の上にも同様の要領でシムプレート46が配置される。具体的には、台座59に仮止めされたボルト20は、シムプレート46に設けられたスライド溝97(図13参照)の奥まで進入し、シムプレート46に設けられた貫通孔96の位置は、上記台座59に設けられたねじ穴65(図7参照)の位置と一致する。台座60に仮止めされたボルト20は、シムプレート46に設けられたスライド溝97(図13参照)の奥まで進入し、シムプレート46に設けられた貫通孔96の位置は、上記台座60に設けられたねじ穴67(図7参照)の位置と一致する。
【0072】
図5が示すように、リテーナ17、位置決め板18及びシムプレート46が位置合わせされた状態で上記ボルト19が取り付けられる。具体的には、ボルト19は、シムプレート46の貫通孔96及び位置決め板18のボルト挿通孔91を貫通し、台座58のねじ穴62にねじ込まれる。また、他のボルト19は、シムプレート46の貫通孔96を貫通し、台座59、60のねじ穴65、67にねじ込まれる。最後にボルト19、20が締め込まれることにより、スライド案内装置10がブラケット15を介してブーム11に固定される。
【0073】
9.作用効果
【0074】
前述のように、スライドパッド16の下端面77がリテーナ17の底面板57に載置され、スライドパッド16がリテーナ17に嵌め込まれると、スライドパッド16は、図5及び図8において反時計回りにリテーナ17から脱落する方向へのみ変位可能となる。このリテーナ17に位置決め板18が設けられることにより、スライドパッド16の変位が規制され、リテーナ17に位置決め状態で保持される。ボルト19、20がリテーナ17にねじ込まれることにより、スライドパッド16はリテーナ17と共にブーム11に固定される(図2及び図4参照)。この状態で、スライドパッドの内面74がリテーナ17から露出し、中間ブーム12の外周面80に当接する(図4参照)。
【0075】
このスライドパッド16により、クレーン作業中に中間ブーム12に横方向の荷重が作用した場合であっても、中間ブーム12のブーム11に対する相対的スライドが円滑に案内される。スライドパッド16は、リテーナ17に位置決めされているから、上記横方向の荷重は、リテーナ17の全体に作用する。したがって、リテーナ17に局所的に大きな面圧ないし圧縮応力が生じることはなく、スライドパッド16及びリテーナ17は、最適な(軽量且つコンパクトな)強度設計がなされる。加えて、位置決め板18部材は着脱自在であるから、位置決め板18が取り外されることにより、スライドパッド16も簡単にリテーナ17から外れる。したがって、スライドパッド16の交換作業も簡単である。
【0076】
本実施形態では、シムプレート46の枚数が調整されることにより、スライドパッド16と中間ブーム12との間の隙間が調整されるので、リテーナ17がブーム11に取り付けられる際に、スライドパッド16が中間ブーム12に良好に当接する。したがって、中間ブーム12に上記横方向の荷重が作用したとしても、スライドパッド16及びリテーナ17に局所的に大きな面圧が生じることが確実に防止される。
【0077】
本実施形態では、スライドパッド16の外面75及び下端面77が、それぞれ、リテーナ17のメインフレーム51(主として斜辺板55)及び底面板57と当接し、スライドパッド16の側面78、79が、それぞれ、リテーナ17の側壁板52、53に当接し、さらに、位置決め板18の脱落防止板90がスライドパッド16の先端面76に当接する。すなわち、スライドパッド16は、リテーナ17と面接触した状態でリテーナ17に対する位置ずれが防止される。したがって、上記横方向の荷重が作用したとしても、スライドパッド16及びリテーナ17に局所的に大きな面圧が生じることがより一層確実に防止される。
【0078】
本実施形態では、リテーナ17がブーム11に取り付けられる際に、スライドパッド16をリテーナ17に位置決めする作業が同時に行われる。したがって、スライド案内装置10の部品点数が削減され、且つスライド案内装置10の取付作業の工数が低減される。
【0079】
本実施形態では、リテーナ17がブーム11に取り付けられる際に、シムプレート46も上記ボルト19、20によってリテーナ17に締結される。したがって、シムプレート46を固定する専用部品が不要となり、スライド案内装置10の部品点数が削減される。
【0080】
本実施形態では、図5が示すように、ボルト20がリテーナ17に仮止めされ、このボルト20に対して相対的にスライドしつつシムプレート46が挿入される。シムプレート46及び位置決め板18がリテーナ17に対して所定の位置に配置された状態で、ボルト19がシムプレート46及び位置決め板18を貫通し、リテーナ17にねじ込まれる。たとえば、スライドパッド16と中間ブーム12との隙間を埋めるためにシムプレート46の枚数の変更が必要である場合は、ボルト19のみが取り外されるだけで、シムプレート46の挿抜が可能である。シムプレート46の着脱の際に、シムプレート46は、ボルト20に常時係合した状態であるから、作業中にシムプレート46がリテーナ17から脱落することが防止される。
【0081】
本実施形態では、リテーナ17に上記台座58~60が設けられているので、リテーナ17及びシムプレート46が確実に締結固定される。しかも、シムプレート46の挿抜作業も容易になる。加えて、図8が示すように、台座60が貫通孔70に嵌め込まれており、台座60の下面71が側面板56の下面72と連続している。すなわち、台座60が貫通孔70に挿入され、ブーム11の内側にスライドした状態となっている。これにより、ブーム11の幅寸法が抑えられるという利点がある。
【符号の説明】
【0082】
10・・・スライド案内装置
11・・・ブーム
12・・・中間ブーム
14・・・先端部
15・・・ブラケット
16・・・スライドパッド
17・・・リテーナ
18・・・位置決め板
19・・・ボルト
20・・・ボルト
22・・・基板
28・・・長手方向
46・・・シムプレート
49・・・高さ
51・・・メインフレーム
52・・・側壁板
53・・・側壁板
54・・・天井板
55・・・斜辺板
56・・・側面板
57・・・底面板
58~60・・・台座
61・・・ねじ穴
62・・・ねじ穴
63・・・ピッチ
64~67・・・ねじ穴
68~70・・・貫通孔
71・・・下面
72・・・下面
73・・・キャビティ
74・・・内面
75・・・外面
76・・・先端面
77・・・下端面
78・・・側面
79・・・側面
80・・・外周面
81・・・外面
83・・・外面
85・・・外面
86・・・幅新法
87・・・離間寸法
88・・・上面
89・・・基板
90・・・脱落防止板
91・・・ボルト挿通孔
92・・・スライド溝
93・・・寸法
95・・・幅寸法
96・・・貫通孔
97・・・スライド溝
98・・・寸法
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13