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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】自動変速機の制御装置
(51)【国際特許分類】
   F16D 48/02 20060101AFI20240814BHJP
   F16D 25/08 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
F16D48/02 640J
F16D25/08 C
F16D48/02 640K
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020195349
(22)【出願日】2020-11-25
(65)【公開番号】P2022083808
(43)【公開日】2022-06-06
【審査請求日】2023-09-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001520
【氏名又は名称】弁理士法人日誠国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 勇亮
【審査官】鈴木 貴晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-128409(JP,A)
【文献】特開2020-046030(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 25/00-39/00,
48/00-48/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関に接続されたロックアップクラッチ付きのトルクコンバータと、前記内燃機関の回転を変速して出力する変速機構と、前記トルクコンバータと前記変速機構との間に設けられたクラッチと、前記クラッチの操作を自動で行うクラッチアクチュエータと、を備えた自動変速機の制御装置であって、
前記クラッチの締結位置の学習値を更新する学習を行う学習制御を実行する学習制御部を備え、
前記学習制御部は、
前記ロックアップクラッチの係合時又は解放時に前記学習を許可し、
前記ロックアップクラッチの少なくとも係合動作中及び解放動作中は前記学習を禁止し、
前記ロックアップクラッチの解放時に前記学習を許可する場合、前記ロックアップクラッチの係合時、係合動作中及び解放動作中は前記ロックアップクラッチの作動油圧に応じて前記学習値を補正することを特徴とする自動変速機の制御装置。
【請求項2】
内燃機関に接続されたロックアップクラッチ付きのトルクコンバータと、前記内燃機関の回転を変速して出力する変速機構と、前記トルクコンバータと前記変速機構との間に設けられたクラッチと、前記クラッチの操作を自動で行うクラッチアクチュエータと、を備えた自動変速機の制御装置であって、
前記クラッチの締結位置の学習値を更新する学習を行う学習制御を実行する学習制御部を備え、
前記学習制御部は、
前記ロックアップクラッチの係合時又は解放時に前記学習を許可し、
前記ロックアップクラッチの少なくとも係合動作中及び解放動作中は前記学習を禁止し、
前記ロックアップクラッチの係合時に前記学習を許可する場合、前記ロックアップクラッチの解放時、係合動作中及び解放動作中は前記ロックアップクラッチの作動油圧に応じて前記学習値を補正することを特徴とする自動変速機の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動変速機の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、変速機が自動変速される際に自動的に断接制御されるクラッチを備えた自動クラッチ装置において、クラッチを接続状態とするとき、クラッチ回転速度とエンジン回転速度とが同期する前に、エンジン回転速度の極小値を検出し且つ該極小値の検出後エンジン回転速度が上昇すると、クラッチ接続速度を接続開始速度よりも大きく変更するものが開示されている。
【0003】
特許文献1に記載の自動クラッチ装置は、上述のようにクラッチ接続速度を接続開始速度よりも大きく変更したとき、次回の変速制御からクラッチの接続開始速度を増速側に学習補正するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平10-274260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ロックアップクラッチ付きのトルクコンバータを有する自動変速機においては、変速時に自動的に断接制御されるクラッチがロックアップクラッチの状態により軸方向に変位するおそれがある。
【0006】
このため、ロックアップクラッチの状態によって学習値が大きく変動する可能性があり、学習値が安定しないおそれがある。学習値が安定しないと、制御が不安定になりクラッチ制御の精度が悪化するおそれがある。
【0007】
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたもので、ロックアップクラッチの状態によりクラッチが軸方向に変位する場合であっても、クラッチ制御の精度が悪化することを防止できる自動変速機の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するため、内燃機関に接続されたロックアップクラッチ付きのトルクコンバータと、前記内燃機関の回転を変速して出力する変速機構と、前記トルクコンバータと前記変速機構との間に設けられたクラッチと、前記クラッチの操作を自動で行うクラッチアクチュエータと、を備えた自動変速機の制御装置であって、前記クラッチの締結位置の学習値を更新する学習を行う学習制御を実行する学習制御部を備え、前記学習制御部は、前記ロックアップクラッチの係合時又は解放時に前記学習を許可し、前記ロックアップクラッチの少なくとも係合動作中及び解放動作中は前記学習を禁止し、前記ロックアップクラッチの解放時に前記学習を許可する場合、前記ロックアップクラッチの係合時、係合動作中及び解放動作中は前記ロックアップクラッチの作動油圧に応じて前記学習値を補正する構成を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ロックアップクラッチの状態によりクラッチが軸方向に変位する場合であっても、クラッチ制御の精度が悪化することを防止できる自動変速機の制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の一実施例に係る自動変速機の制御装置を備えた車両の概略構成図である。
図2図2は、本発明の一実施例に係る自動変速機の制御装置を備えた車両に搭載されたトルクコンバータ及びクラッチの構造を示す断面図である。
図3図3は、本発明の一実施例に係る自動変速機の制御装置によって実行される学習制御の処理の流れを示すフローチャートである。
図4図4は、本発明の一実施例に係る自動変速機の制御装置によって実行される学習制御において学習を許可する領域を示すグラフである。
図5図5は、本発明の一実施例に係る自動変速機の制御装置によって実行される学習制御の第1変形例を示すフローチャートである。
図6図6は、図5に示す第1変形例の学習制御において学習を許可する領域を示すグラフである。
図7図7は、本発明の一実施例に係る自動変速機の制御装置によって実行される学習制御の第2変形例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施の形態に係る自動変速機の制御装置は、内燃機関に接続されたロックアップクラッチ付きのトルクコンバータと、内燃機関の回転を変速して出力する変速機構と、トルクコンバータと変速機構との間に設けられたクラッチと、クラッチの操作を自動で行うクラッチアクチュエータと、を備えた自動変速機の制御装置であって、クラッチの締結位置の学習値を更新する学習を行う学習制御を実行する学習制御部を備え、学習制御部は、ロックアップクラッチの係合時又は解放時に学習を許可し、ロックアップクラッチの少なくとも係合動作中及び解放動作中は学習を禁止することを特徴とする。これにより、本発明の一実施の形態に係る自動変速機の制御装置は、ロックアップクラッチの状態によりクラッチが軸方向に変位する場合であっても、クラッチ制御の精度が悪化することを防止できる。
【実施例
【0012】
以下、本発明の一実施例に係る自動変速機の制御装置を備えた車両について図面を参照して説明する。
【0013】
図1に示すように、車両1は、内燃機関としてのエンジン2と、自動変速機3と、駆動輪4と、制御装置10と、を含んで構成されている。
【0014】
エンジン2には、複数の気筒が形成されている。本実施例において、エンジン2は、各気筒に対して、吸気行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行程からなる一連の4行程を行うように構成されている。エンジン2は、車両1の動力源である。
【0015】
自動変速機3は、エンジン2と駆動輪4との間の動力伝達経路に設けられている。自動変速機3は、トルクコンバータ30と、変速機構31と、クラッチ32と、クラッチアクチュエータ33と、を有している。
【0016】
トルクコンバータ30は、ロックアップクラッチ35を有する、いわゆるロックアップクラッチ付きのトルクコンバータである。トルクコンバータ30は、エンジン2とクラッチ32との間の動力伝達経路に設けられ、流体を介して動力の伝達を行う。
【0017】
トルクコンバータ30は、タービン軸36を介してクラッチ32に接続されている。トルクコンバータ30は、エンジン2によって発生されたトルクを増幅してクラッチ32を介して変速機構31に出力する。
【0018】
ロックアップクラッチ35は、トルクコンバータ30内に設けられ、エンジン2のクランク軸21とタービン軸36とを直接、接続(以下、「直結」という)する係合状態と、クランク軸21とタービン軸36との直結を解除する解放状態と、の間で作動状態が切り替えられるようになっている。トルクコンバータ30及びロックアップクラッチ35の詳しい構造については、後述する。
【0019】
変速機構31は、クラッチ32と駆動輪4との間の動力伝達経路に設けられ、クラッチ32に接続された入力軸37と、図示しないディファレンシャルを介して駆動輪4に接続された出力軸38と、を有する。
【0020】
変速機構31は、エンジン2から出力され、入力軸37に伝達されたエンジン2の回転を変速して出力軸38に出力する。出力軸38に出力された回転は、図示しないディファレンシャルを介して駆動輪4に伝達される。
【0021】
変速機構31は、歯数の異なる複数のギヤの組み合わせによって変速比の異なる複数のギヤ段を形成可能に構成されている。変速機構31におけるギヤ段の切替は、図示しないシフトアクチュエータによって自動で行われるようになっている。
【0022】
クラッチ32は、トルクコンバータ30と変速機構31との間の動力伝達経路に設けられている。クラッチ32は、タービン軸36に一体回転可能に連結されたクラッチホイールディスク32aと、入力軸37に一体回転可能に連結されたクラッチディスク32bと、を有する。
【0023】
クラッチ32は、クラッチディスク32bをクラッチホイールディスク32aに押し付けることでタービン軸36と入力軸37との間で動力を伝達する締結状態と、クラッチディスク32bをクラッチホイールディスク32aから離すことでタービン軸36と入力軸37との間の動力伝達を遮断する遮断状態と、に切り替えられるようになっている。
【0024】
クラッチ32は、締結状態と遮断状態とを切り替える操作(以下、「クラッチ操作」という)がクラッチアクチュエータ33によって自動で行われるようになっている。クラッチ32の詳しい構造については、後述する。
【0025】
クラッチアクチュエータ33は、制御装置10に電気的に接続されており、制御装置10からの指令に基づき、クラッチ32のクラッチ操作を自動で行うようになっている。
【0026】
制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、バックアップ用のデータなどを保存するフラッシュメモリと、入力ポートと、出力ポートとを備えたコンピュータユニットによって構成されている。
【0027】
コンピュータユニットのROMには、各種定数や各種マップ等とともに、当該コンピュータユニットを制御装置10として機能させるためのプログラムが格納されている。すなわち、CPUがRAMを作業領域としてROMに格納されたプログラムを実行することにより、当該コンピュータユニットは、本実施例における制御装置10として機能する。
【0028】
制御装置10には、上述した図示しないシフトアクチュエータ、クラッチアクチュエータ33及び油圧制御装置40等の各種装置、クランク角センサ50、タービン回転数センサ51、クラッチ回転数センサ52、クラッチ位置検出センサ53及びロックアップ油圧センサ54等の各種センサ類が接続されている。
【0029】
油圧制御装置40は、トルクコンバータ30のロックアップクラッチ35やクラッチアクチュエータ33に供給する作動油圧を制御する。油圧制御装置40は、制御装置10からの指令に基づきロックアップクラッチ35に供給する作動油圧の大きさを調整することにより、ロックアップクラッチ35を係合状態又は解放状態に切り替える。油圧制御装置40は、制御装置10からの指令に基づきクラッチアクチュエータ33に供給する作動油圧の大きさを調整することにより、クラッチ32を締結状態又は遮断状態に切り替える。
【0030】
クランク角センサ50は、クランク軸21の回転角(以下、「クランク角」という)を検出する。制御装置10は、クランク角センサ50から入力されたクランク角を示す情報に基づきエンジン2の回転数であるエンジン回転数を算出する。
【0031】
タービン回転数センサ51は、タービン軸36の回転数(以下、「タービン回転数」という)を検出する。クラッチ回転数センサ52は、入力軸37の回転数(以下、「クラッチ回転数」という)を検出する。
【0032】
クラッチ位置検出センサ53は、クラッチ32におけるクラッチ位置を検出する。例えば、クラッチ位置検出センサ53は、クラッチ32の後述するレリーズベアリング73の位置を検出する。
【0033】
ロックアップ油圧センサ54は、ロックアップクラッチ35に供給される作動油圧を検出する。
【0034】
制御装置10は、所定のロックアップ条件に基づき、ロックアップクラッチ35を係合状態又は解放状態に切り替えるよう、油圧制御装置40を制御する機能を有する。
【0035】
制御装置10は、クラッチ位置検出センサ53によって検出されたクラッチ位置に基づき、クラッチ位置とクラッチ伝達トルクとの関係を定義した図示しないマップを参照することにより、クラッチ32を制御するクラッチ制御部101としての機能を有する。
【0036】
制御装置10は、クラッチ32の締結位置(以下、「クラッチ締結位置」という)の学習値を更新する学習を行う学習制御を実行する学習制御部102としての機能を有する。制御装置10は、学習制御において、所定の学習条件が成立したことを条件に、学習を行う。
【0037】
本実施例においては、下記の(1)から(3)の全ての条件が所定時間以上、継続して成立したことを、所定の学習条件としている。
(1)クラッチアクチュエータ33が非作動状態、すなわち作動油圧が発生していない状態であること
(2)クラッチ回転数が所定回転数未満であること
(3)クラッチディスク32bの推定温度が所定温度未満であること
【0038】
制御装置10は、例えば、タービン回転数とクラッチ回転数との回転数差や、クラッチ伝達トルク等からクラッチディスク32bの推定温度を求めることができる。
【0039】
制御装置10は、クラッチアクチュエータ33に作動油圧が発生していない状態で、後述するレリーズベアリング73がダイヤフラムスプリング72に当接する位置をクラッチ締結位置の学習値として学習する。制御装置10は、学習を行うたびにクラッチ締結位置の学習値を更新する。
【0040】
本実施例において、制御装置10は、ロックアップクラッチ35の解放時にクラッチ締結位置の学習を許可し、ロックアップクラッチ35の係合時、係合動作中及び解放動作中は当該学習を禁止するようになっている。
【0041】
したがって、本実施例においては、制御装置10は、上述の所定の学習条件が成立した場合であっても、ロックアップクラッチ35が係合状態、係合動作中及び解放動作中である場合にはクラッチ締結位置の学習を行わないようになっている。
【0042】
ロックアップクラッチ35の解放時以外にクラッチ締結位置の学習が禁止されるのは、ロックアップクラッチ35の係合動作中及び解放動作中はロックアップクラッチ35が軸方向に変位するおそれがあり、当該ロックアップクラッチ35に変位が生ずるとクラッチ位置が変化してしまい、そのような状況で学習を行うと学習値が大きく変動するおそれがあるからである。ロックアップクラッチ35の軸方向への変位に伴いクラッチ位置が変化する理由については、後述する。
【0043】
これに対し、ロックアップクラッチ35の解放時や係合時は、ロックアップクラッチ35の軸方向への変位が生じ難いので、学習値が安定しやすい。このため、本実施例では、ロックアップクラッチ35の解放時にクラッチ締結位置の学習を許可する構成とした。
【0044】
ロックアップクラッチ35の解放時とは、ロックアップクラッチ35が解放状態にあることを意味し、具体的にはロックアップクラッチ35の作動油圧が所定油圧P1以上である場合を意味する。所定油圧P1は、ロックアップクラッチ35が解放状態にあるとみなすことのできる作動油圧の下限値であって予め実験的に求めて制御装置10のROMに記憶されている。
【0045】
学習値が安定しやすい状況でクラッチ締結位置の学習を行うことができればよいので、ロックアップクラッチ35の係合時にクラッチ締結位置の学習を許可する構成であってもよい。この構成については、後述する第1変形例で説明する。
【0046】
制御装置10は、ロックアップクラッチ35の係合時、係合動作中及び解放動作中は、ロックアップクラッチ35の作動油圧に応じてクラッチ締結位置の学習値を補正するようになっている。
【0047】
制御装置10のROMには、ロックアップクラッチ35の作動油圧とクラッチ締結位置との関係を予め実験的に求めた補正マップが記憶されている。制御装置10は、ロックアップクラッチ35の作動油圧に基づき当該補正マップを参照することにより、クラッチ締結位置の学習値を補正する。
【0048】
次に、図2を参照して、トルクコンバータ30、ロックアップクラッチ35及びクラッチ32の詳しい構造について説明するとともに、ロックアップクラッチ35の軸方向への変位に伴うクラッチ位置の変化について説明する。
【0049】
(トルクコンバータ及びロックアップクラッチ)
トルクコンバータ30は、フロントカバー61と、フロントカバー61に連結されるポンプシェル62とを有する。フロントカバー61は、ドライブプレート63を介してエンジン2のクランク軸21に連結されている。これにより、フロントカバー61及びポンプシェル62は、クランク軸21と一体で回転する。
【0050】
トルクコンバータ30は、ポンプシェル62に固定されるポンプインペラ64と、ポンプインペラ64に対向するタービンランナ65とを備えている。タービンランナ65は、タービン軸36に連結されている。
【0051】
図2に示すように、トルクコンバータ30の内部は、ロックアップクラッチ35を境にしてアプライ室30Aとリリース室30Bとに区画されている。アプライ室30A又はリリース室30Bには、ロックアップクラッチ35の作動状態に応じて作動油圧が供給される。
【0052】
ロックアップクラッチ35を係合する際には、アプライ室30Aに作動油圧(以下、この作動油圧を「アプライ圧」という)が供給されてリリース室30Bから作動油が排出される。アプライ圧が上昇して、リリース室30Bの作動油圧(以下、この作動油圧を「リリース圧」という)が低下すると、ロックアップクラッチ35に前後方向の圧力差が作用するため、ロックアップクラッチ35がフロントカバー61に近づく方向に移動する。
【0053】
ロックアップクラッチ35がフロントカバー61に押し付けられると、ロックアップクラッチ35が係合状態に切り替えられる。これにより、タービン軸36とクランク軸21とが直結され、エンジン2の動力が流体を介さずにタービン軸36に伝達される。
【0054】
ロックアップクラッチ35を解放する際には、リリース室30Bにリリース圧が供給されて、アプライ室30Aから作動油が排出される。アプライ圧が低下してリリース圧が上昇すると、ロックアップクラッチ35に前後方向の圧力差が作用し、ロックアップクラッチ35がフロントカバー61から離れる方向に移動する。これにより、ロックアップクラッチ35がフロントカバー61から引き離され、ロックアップクラッチ35が解放状態に切り替えられる。
【0055】
(クラッチ)
クラッチ32は、クラッチホイールディスク32aがボルト70によってタービン軸36に締結され、クラッチディスク32bが入力軸37の軸方向に移動自在に設けられている。
【0056】
クラッチ32は、クラッチカバー71と、ダイヤフラムスプリング72と、を備えている。クラッチカバー71は、クラッチホイールディスク32aに図示しないボルトによって締結され、クラッチホイールディスク32a及びタービン軸36と一体で回転する。
【0057】
ダイヤフラムスプリング72は、クラッチカバー71に取付けられ、外周縁に環状のプレッシャプレート72aが取り付けられている。ダイヤフラムスプリング72は、プレッシャプレート72aをクラッチディスク32b側に付勢し、クラッチディスク32bをクラッチホイールディスク32aに押し付ける。
【0058】
入力軸37の外方にはレリーズベアリング73が設置されている。レリーズベアリング73は、レリーズフォーク74によって入力軸37の軸方向で前方(クラッチ32側)に移動されると、ダイヤフラムスプリング72の中央付近を前方に向かって押圧する。
【0059】
レリーズベアリング73によってダイヤフラムスプリング72の中央付近が押圧されると、ダイヤフラムスプリング72によるプレッシャプレート72aのクラッチディスク32bへの付勢が解除される。これにより、クラッチホイールディスク32aに対するクラッチディスク32bの押圧力が無くなり、クラッチディスク32bがクラッチホイールディスク32aから離隔される。この結果、クランク軸21の回転がタービン軸36を介して入力軸37に伝達されなくなる。
【0060】
レリーズベアリング73は、レリーズフォーク74によって入力軸37の軸方向に対して後方に移動されると、ダイヤフラムスプリング72の中央付近から離れる。この状態では、ダイヤフラムスプリング72によってプレッシャプレート72aが付勢されてクラッチディスク32bがクラッチホイールディスク32aに押し付けられる。これにより、クランク軸21の回転がタービン軸36を介して入力軸37に伝達される。
【0061】
レリーズフォーク74は、油圧式のクラッチアクチュエータ33に連結されており、クラッチアクチュエータ33によって操作される。上述のクラッチ位置検出センサ53は、例えば、このクラッチアクチュエータ33に設けられ、レリーズフォーク74を押すクラッチアクチュエータ33の押し付け量から位置を検出している。
【0062】
(ロックアップクラッチの軸方向への変位に伴うクラッチ位置の変化について)
次に、上記のように構成された自動変速機3において、ロックアップクラッチ35の軸方向への変位に伴いクラッチ位置が変化する理由について説明する。
【0063】
(ロックアップクラッチの解放時)
ロックアップクラッチ35の解放時、リリース室30Bにはリリース圧が供給されている。このとき、リリース室30Bに供給されたリリース圧は、タービン軸36をクラッチ32側に押圧する押圧力としてタービン軸36に作用する。
【0064】
タービン軸36は、溝部に嵌合されたサークリップ80が軸受81に当接し、当該軸受81がタービン軸36の拡径部36aに当接しているため軸方向への移動が規制されているが、溝部とサークリップ80との間には軸方向に若干のガタが生じている。また、タービン軸36の入力軸側の端部には凹部36bが形成されており、この凹部36bの内周面に軸受82の外輪82aの外周面がルーズに嵌合している。
【0065】
このため、リリース圧が押圧力としてタービン軸36に作用すると、溝部とサークリップ80との間のガタの分だけタービン軸36が入力軸37側に移動する。これに伴い、タービン軸36に締結されたクラッチホイールディスク32a、及び、クラッチカバー71に取付けられたダイヤフラムスプリング72が変速機構31側(図1参照)に移動する。
【0066】
これにより、レリーズベアリング73が変速機構31側に移動してしまい、クラッチ位置検出センサ53によって検出されるクラッチ位置が締結側に変化する。この結果、図4に示すように、ロックアップクラッチ35の解放時は、ロックアップクラッチ35の係合時と比べて、クラッチ締結位置が締結側に変化する。
【0067】
図4においてP1で示すリリース圧は、ロックアップクラッチ35が解放状態にあるとみなすことのできる所定油圧P1である。したがって、リリース圧が所定油圧P1以上の領域がクラッチ締結位置の学習を許可する領域(図4中、「学習許可領域」と記す)となる。
【0068】
これに対し、図4において、リリース圧が所定油圧P1未満の領域は、クラッチ締結位置の学習を禁止する領域(図4中、「学習禁止領域」と記す)、かつ、クラッチ締結位置の学習値を補正する領域(図4中、「学習値補正領域」と記す)である。
【0069】
図4に示すように、ロックアップクラッチ35の解放時は、ロックアップクラッチ35の係合時と比べてクラッチ締結位置が締結側に変化するが、リリース圧の変位に対するクラッチ締結位置の変化は小さい、又は変化がない。したがって、ロックアップクラッチ35の解放時におけるクラッチ締結位置は、ロックアップクラッチ35の解放中及び係合中と比べて安定している。
【0070】
(ロックアップクラッチの係合時)
ロックアップクラッチ35の係合時、リリース室30Bからはリリース圧が排出され、アプライ室30Aにアプライ圧が供給されている。このように、ロックアップクラッチ35の係合時は、リリース室30Bからリリース圧が排出されるため、タービン軸36をクラッチ32側に押圧する押圧力がなくなる。
【0071】
このとき、レリーズフォーク74に作用するクラッチアクチュエータ33の押し付け荷重(以下、「プリロード荷重」という)によって、レリーズベアリング73がトルクコンバータ30側に移動する。これにより、ダイヤフラムスプリング72がトルクコンバータ30側に押圧され、これに伴いダイヤフラムスプリング72と一体のクラッチカバー71及びクラッチホイールディスク32aがトルクコンバータ30側に移動する。
【0072】
これにより、クラッチホイールディスク32aに締結されたタービン軸36が、溝部とサークリップ80との間のガタの分だけエンジン2側(図1参照)に移動してしまい、クラッチ位置検出センサ53によって検出されるクラッチ位置が遮断側に変化する。この結果、図4に示すように、ロックアップクラッチ35の係合時は、ロックアップクラッチ35の解放時と比べて、クラッチ締結位置が遮断側に変化する。
【0073】
プリロード荷重によってクラッチ32及びタービン軸36をトルクコンバータ30側に移動させる力は、クラッチアクチュエータ33がクラッチ32を遮断状態に切り替えるためにダイヤフラムスプリング72を押圧する力よりも小さい。
【0074】
図4に示すように、ロックアップクラッチ35の係合時は、ロックアップクラッチ35の解放時と比べてクラッチ締結位置が遮断側に変化するが、ロックアップクラッチ35の解放時と同様、リリース圧の変位に対するクラッチ締結位置の変化は小さい、又は変化がない。したがって、ロックアップクラッチ35の係合時におけるクラッチ締結位置も、ロックアップクラッチ35の解放中及び係合中と比べて安定している。
【0075】
(ロックアップクラッチの解放中及び係合中)
図4に示すように、ロックアップクラッチの解放中及び係合中は、ロックアップクラッチの解放時及び係合時と比べてリリース圧の変位に対するクラッチ締結位置の変化が大きい。
【0076】
このため、ロックアップクラッチの解放中及び係合中は、クラッチ締結位置の学習を行うには好ましくない状況である。したがって、本実施例では、上述したように、ロックアップクラッチ35の係合動作中及び解放動作中はクラッチ締結位置の学習が禁止される。
【0077】
(学習制御)
次に、図3を参照して、本実施例の制御装置10によって実行される学習制御の処理の流れについて説明する。図3に示す学習制御は、所定の時間間隔で繰り返し実行される。
【0078】
図3に示すように、制御装置10は、所定の学習条件が成立しているか否かを判定する(ステップS1)。所定の学習条件は、上述した通りである。制御装置10は、ステップS1において所定の学習条件が成立していないと判定した場合には、本学習制御を終了する。
【0079】
制御装置10は、ステップS1において所定の学習条件が成立していると判定した場合には、ロックアップクラッチ35が解放状態であるか否かを判定する(ステップS2)。制御装置10は、例えば、ロックアップクラッチ35を解放状態とするためのリリース圧、すなわち所定油圧P1以上のリリース圧がロックアップ油圧センサ54によって検出されている場合に、ロックアップクラッチ35が解放状態であると判定することができる。
【0080】
制御装置10は、ステップS2においてロックアップクラッチ35が解放状態でないと判定した場合には、本学習制御を終了する。制御装置10は、ステップS2においてロックアップクラッチ35が解放状態であると判定した場合には、クラッチ締結位置の学習を許可する(ステップS3)。
【0081】
次いで、制御装置10は、クラッチ締結位置の学習を行って(ステップS4)、本学習制御を終了する。
【0082】
以上のように、本実施例に係る自動変速機の制御装置は、ロックアップクラッチ35の解放時にクラッチ締結位置の学習を許可し、ロックアップクラッチ35の係合時、係合動作中及び解放動作中は当該学習を禁止するよう構成されている。
【0083】
この構成により、本実施例に係る自動変速機の制御装置は、学習値が安定しやすい状況でクラッチ締結位置の学習を行うことができ、学習値が大きく変動する状況でクラッチ締結位置の学習が行われることを回避することができる。これにより、ロックアップクラッチ35の状態によりクラッチ32が軸方向に変位する場合であっても、クラッチ制御の精度が悪化することを防止できる。
【0084】
また、本実施例に係る自動変速機の制御装置は、ロックアップクラッチ35の係合時、係合動作中及び解放動作中は、ロックアップクラッチ35の作動油圧に応じてクラッチ締結位置の学習値を補正するよう構成されている。
【0085】
この構成により、本実施例に係る自動変速機の制御装置は、ロックアップクラッチ35の解放時に学習したクラッチ締結位置から実際のクラッチ締結位置がずれた場合であっても、当該ずれを考慮したクラッチ締結位置をクラッチ制御に用いることができる。これにより、クラッチ締結位置の学習値に対して実際のクラッチ締結位置がずれた場合であっても、クラッチ制御の精度が悪化することを防止できる。
【0086】
なお、本実施例においては、ロックアップクラッチ35の解放時にクラッチ締結位置の学習を許可する学習制御としたが、次に説明する第1変形例、又は、第2変形例に示す学習制御としてもよい。
【0087】
(第1変形例)
第1変形例に係る学習制御では、ロックアップクラッチ35の係合時にクラッチ締結位置の学習を許可し、ロックアップクラッチ35の解放時、係合動作中及び解放動作中は当該学習を禁止する。
【0088】
ロックアップクラッチ35の係合時とは、ロックアップクラッチ35が係合状態にあることを意味し、具体的には、図6に示すようにロックアップクラッチ35のリリース圧が所定油圧P2以下である場合を意味する。所定油圧P2は、ロックアップクラッチ35が係合状態にあるとみなすことのできるリリース圧の下限値であって予め実験的に求めて制御装置10のROMに記憶されている。
【0089】
図6において、リリース圧が所定油圧P2以下の領域は、クラッチ締結位置の学習を許可する領域(図6中、「学習許可領域」と記す)である。
【0090】
これに対し、図6において、リリース圧が所定油圧P2を超える領域は、クラッチ締結位置の学習を禁止する領域(図6中、「学習禁止領域」と記す)、かつ、クラッチ締結位置の学習値を補正する領域(図6中、「学習値補正領域」と記す)である。
【0091】
次に、図5を参照して、第1変形例に係る学習制御の処理の流れについて説明する。図5に示す学習制御は、所定の時間間隔で繰り返し実行される。
【0092】
図5に示すように、制御装置10は、所定の学習条件が成立しているか否かを判定する(ステップS11)。所定の学習条件は、上述した通りである。制御装置10は、ステップS11において所定の学習条件が成立していないと判定した場合には、本学習制御を終了する。
【0093】
制御装置10は、ステップS11において所定の学習条件が成立していると判定した場合には、ロックアップクラッチ35が係合状態であるか否かを判定する(ステップS12)。制御装置10は、例えば、ロックアップクラッチ35を係合状態とするためのリリース圧、すなわち所定油圧P2以下のリリース圧がロックアップ油圧センサ54によって検出されている場合に、ロックアップクラッチ35が係合状態であると判定することができる。なお、アプライ圧に基づきロックアップクラッチ35が係合状態であると判定してもよい。
【0094】
制御装置10は、ステップS12においてロックアップクラッチ35が係合状態でないと判定した場合には、本学習制御を終了する。制御装置10は、ステップS12においてロックアップクラッチ35が係合状態であると判定した場合には、クラッチ締結位置の学習を許可する(ステップS13)。
【0095】
次いで、制御装置10は、クラッチ締結位置の学習を行って(ステップS14)、本学習制御を終了する。
【0096】
第1変形例において、制御装置10は、ロックアップクラッチ35の解放時、係合動作中及び解放動作中は、ロックアップクラッチ35の作動油圧に応じてクラッチ締結位置の学習値を補正する。
【0097】
このように、第1変形例に係る学習制御を行う場合であっても、本実施例と同様、学習値が安定しやすい状況でクラッチ締結位置の学習を行うことができ、学習値が大きく変動する状況でクラッチ締結位置の学習が行われることを回避することができる。これにより、ロックアップクラッチ35の状態によりクラッチ32が軸方向に変位する場合であっても、クラッチ制御の精度が悪化することを防止できる。
【0098】
また、ロックアップクラッチ35の係合時に学習したクラッチ締結位置から実際のクラッチ締結位置がずれた場合であっても、当該ずれを考慮したクラッチ締結位置をクラッチ制御に用いることができる。これにより、クラッチ締結位置の学習値に対して実際のクラッチ締結位置がずれた場合であっても、クラッチ制御の精度が悪化することを防止できる。
【0099】
(第2変形例)
第2変形例に係る学習制御では、ロックアップクラッチ35の係合時にクラッチ締結位置の学習を許可するのか、ロックアップクラッチ35の解放時にクラッチ締結位置の学習を許可するのか、を予め設定しておき、当該設定に基づきクラッチ締結位置の学習を許可する。当該設定は、ユーザ等により適宜変更可能である。
【0100】
図7を参照して、第2変形例に係る学習制御の処理の流れについて説明する。図7に示す学習制御は、所定の時間間隔で繰り返し実行される。
【0101】
図7に示すように、制御装置10は、所定の学習条件が成立しているか否かを判定する(ステップS21)。所定の学習条件は、上述した通りである。制御装置10は、ステップS21において所定の学習条件が成立していないと判定した場合には、本学習制御を終了する。
【0102】
制御装置10は、ステップS21において所定の学習条件が成立していると判定した場合には、ロックアップクラッチ35の解放時にクラッチ締結位置の学習を許可する設定か否かを判定する(ステップS22)。
【0103】
制御装置10は、ステップS22においてロックアップクラッチ35の解放時にクラッチ締結位置の学習を許可する設定であると判定した場合には、ロックアップクラッチ35が解放状態であるか否かを判定する(ステップS23)。
【0104】
制御装置10は、ステップS23においてロックアップクラッチ35が解放状態でないと判定した場合には、本学習制御を終了する。制御装置10は、ステップS23においてロックアップクラッチ35が解放状態であると判定した場合には、クラッチ締結位置の学習を許可する(ステップS24)。
【0105】
次いで、制御装置10は、クラッチ締結位置の学習を行って(ステップS25)、本学習制御を終了する。
【0106】
制御装置10は、ステップS22においてロックアップクラッチ35の解放時にクラッチ締結位置の学習を許可する設定でないと判定した場合には、ロックアップクラッチ35が係合状態であるか否かを判定する(ステップS26)。
【0107】
制御装置10は、ステップS26においてロックアップクラッチ35が係合状態でないと判定した場合には、本学習制御を終了する。制御装置10は、ステップS26においてロックアップクラッチ35が係合状態であると判定した場合には、クラッチ締結位置の学習を許可する(ステップS27)。
【0108】
次いで、制御装置10は、クラッチ締結位置の学習を行って(ステップS28)、本学習制御を終了する。
【0109】
第2変形例において、制御装置10は、ロックアップクラッチ35の係合時にクラッチ締結位置の学習を許可する場合には、ロックアップクラッチ35の解放時、係合動作中及び解放動作中は、ロックアップクラッチ35の作動油圧に応じてクラッチ締結位置の学習値を補正する。
【0110】
また、第2変形例において、制御装置10は、ロックアップクラッチ35の解放時にクラッチ締結位置の学習を許可する場合には、ロックアップクラッチ35の係合時、係合動作中及び解放動作中は、ロックアップクラッチ35の作動油圧に応じてクラッチ締結位置の学習値を補正する。
【0111】
このように、第2変形例に係る学習制御を行う場合であっても、本実施例と同様、学習値が安定しやすい状況でクラッチ締結位置の学習を行うことができ、学習値が大きく変動する状況でクラッチ締結位置の学習が行われることを回避することができる。これにより、ロックアップクラッチ35の状態によりクラッチ32が軸方向に変位する場合であっても、クラッチ制御の精度が悪化することを防止できる。
【0112】
また、ロックアップクラッチ35の係合時又は解放時に学習したクラッチ締結位置から実際のクラッチ締結位置がずれた場合であっても、当該ずれを考慮したクラッチ締結位置をクラッチ制御に用いることができる。これにより、クラッチ締結位置の学習値に対して実際のクラッチ締結位置がずれた場合であっても、クラッチ制御の精度が悪化することを防止できる。
【0113】
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0114】
1 車両
2 エンジン(内燃機関)
3 自動変速機
4 駆動輪
10 制御装置
21 クランク軸
30 トルクコンバータ
30A アプライ室
30B リリース室
31 変速機構
32 クラッチ
32a クラッチホイールディスク
32b クラッチディスク
33 クラッチアクチュエータ
35 ロックアップクラッチ
36 タービン軸
37 入力軸
38 出力軸
40 油圧制御装置
50 クランク角センサ
51 タービン回転数センサ
52 クラッチ回転数センサ
53 クラッチ位置検出センサ
54 ロックアップ油圧センサ
72 ダイヤフラムスプリング
73 レリーズベアリング
74 レリーズフォーク
101 クラッチ制御部
102 学習制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7