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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】X線透視撮影装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20240101AFI20240814BHJP
   A61B 6/10 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
A61B6/00 520Z
A61B6/10 555
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020197561
(22)【出願日】2020-11-27
(65)【公開番号】P2022085733
(43)【公開日】2022-06-08
【審査請求日】2023-03-02
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】廣▲瀬▼ 大
(72)【発明者】
【氏名】吉田 光毅
【審査官】佐藤 賢斗
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-081410(JP,A)
【文献】国際公開第2019/097594(WO,A1)
【文献】特開2019-193875(JP,A)
【文献】特開2011-019816(JP,A)
【文献】特開平09-220219(JP,A)
【文献】特開2001-204720(JP,A)
【文献】国際公開第2014/198829(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 - 6/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者にX線を照射するX線源と、
前記X線源から照射されたX線を検出するX線検出器と、
前記X線源および前記X線検出器を対向させた状態で保持するCアームと、前記被験者が載置される天板と、前記被験者のX線画像を表示する表示部と、を含む複数の撮影装置構成部材と、
操作者の操作入力を受け付ける入力受付部と、
前記複数の撮影装置構成部材のうちのいずれかが移動することを報知する報知部と、
前記複数の撮影装置構成部材のうちの第1撮影装置構成部材を移動させる第1操作入力を前記入力受付部が受け付けることに基づいて前記第1撮影装置構成部材を移動させる制御を行う際に、前記複数の撮影装置構成部材のうちの前記第1撮影装置構成部材とは異なる第2撮影装置構成部材を前記第1撮影装置構成部材の移動と連動して移動させる制御を行う場合に、前記第1撮影装置構成部材が移動することを報知することなく、前記第2撮影装置構成部材が移動することを前記報知部によって報知させる制御を行う制御部と、を備える、X線透視撮影装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1撮影装置構成部材の移動と連動して前記第2撮影装置構成部材を移動させる移動モードの入力を第2操作入力として受け付けた際に、前記第1操作入力に基づいて前記第1撮影装置構成部材の移動を開始する前に、予め前記報知部によって報知させる制御を行うように構成されている、請求項1に記載のX線透視撮影装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2操作入力を受け付けた際に、前記第1撮影装置構成部材の移動に連動して前記第2撮影装置構成部材を移動させるか否かの判定を行うとともに、前記第2撮影装置構成部材を前記第1撮影装置構成部材の移動に連動して移動させる場合には、前記報知部による報知を行い、前記第2撮影装置構成部材を前記第1撮影装置構成部材の移動に連動して移動させない場合には、前記報知部による報知を行わないように構成されている、請求項2に記載のX線透視撮影装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1操作入力に基づいて前記第1撮影装置構成部材を所定の位置に移動させる際に、前記第2撮影装置構成部材の移動前の位置である現在位置と、前記第2撮影装置構成部材の移動後の位置である目的位置とを取得するとともに、前記現在位置と前記目的位置とが異なる場合には、前記報知部に報知させる制御を行い、前記現在位置と前記目的位置とが同じ場合には、前記報知部による報知を行わないように構成されている、請求項3に記載のX線透視撮影装置。
【請求項5】
前記複数の撮影装置構成部材の少なくとも2つを移動させる複数の移動機構をさらに備え、
前記報知部は、前記第2撮影装置構成部材、および、前記複数の移動機構のうち前記第2撮影装置構成部材を移動させる移動機構の少なくとも一方に設けられている、請求項2~4のいずれか1項に記載のX線透視撮影装置。
【請求項6】
前記報知部は、前記第2撮影装置構成部材を移動させる移動機構の一方側および他方側に設けられている、請求項5に記載のX線透視撮影装置。
【請求項7】
前記天板を移動させる天板移動機構と、前記Cアームを移動させるCアーム移動機構と、をさらに備え、
前記制御部は、前記第1撮影装置構成部材としての前記天板の前記天板移動機構による移動に連動して、前記第2撮影装置構成部材としての前記Cアームを前記Cアーム移動機構によって移動させる制御を行う場合に、前記Cアームが移動することを前記報知部によって報知させる制御を行うように構成されている、請求項1~6のいずれか1項に記載のX線透視撮影装置。
【請求項8】
前記Cアームを移動させるCアーム移動機構と、前記表示部を移動させる表示部移動機構と、をさらに備え、
前記制御部は、前記第1撮影装置構成部材としての前記Cアームの前記Cアーム移動機構による移動に連動して、前記第2撮影装置構成部材としての前記表示部を前記表示部移動機構によって移動させる場合に、前記表示部が移動することを前記報知部によって報知させる制御を行うように構成されている、請求項1~6のいずれか1項に記載のX線透視撮影装置。
【請求項9】
前記報知部は、光を出力することにより報知する発光部を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載のX線透視撮影装置。
【請求項10】
前記報知部は、報知音を出力するスピーカをさらに含む、請求項1~9のいずれか1項に記載のX線透視撮影装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記第1撮影装置構成部材を単独で移動させる移動モードと、前記第1撮影装置構成部材の移動と連動して前記第2撮影装置構成部材を移動させる移動モードとを切り替え可能に構成されている、請求項1に記載のX線透視撮影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線透視撮影装置に関し、特に、複数の撮影装置構成部材を移動させるX線透視撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の撮影装置構成部材を移動させるX線透視撮影装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1に記載のX線撮影装置は、検診台と、天板移動機構と、アームと、アーム移動機構と、制御部と、操作部とを備える。検診台は、被験者を載置する天板を備えている。また、天板移動機構は、天板を移動させるように構成されている。また、アームは、X線照射部とX線検出部とを対向する状態で支持するように構成されている。また、アーム移動機構は、アームを、鉛直軸周りに回転させる旋回動作と、水平軸周りに回転させる回転動作と、円弧に沿ってスライドさせるスライド動作と、水平方向に移動させる水平移動動作とを実行するように構成されている。また、制御部は、天板移動機構による天板の水平方向への移動動作に連動して、アームに、旋回動作、回転動作、スライド動作、および、水平移動動作の少なくとも一つを実行させるように構成されている。また、操作部は、操作者の操作入力を受け付けるように構成されている。
【0004】
上記特許文献1に開示されているX線撮影装置では、天板の移動動作に連動してアームを動作させる連動モードと、天板の移動動作に連動してアームを動作させない非連動モードとを切り替え可能に構成されている。連動モードが選択された状態において、操作者が操作部を操作することにより、天板の移動動作に連動してアーム部が動作する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2020-081410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、上記特許文献1に開示されているX線撮影装置(X線透視撮影装置)のように、天板の移動に連動してアーム(Cアーム)が自動的に移動する場合に、装置の仕様を十分に把握していない操作者が操作した際に、Cアームが操作者や技師などに接触する場合がある。すなわち、天板などの所定の撮影装置構成部材の移動に連動して、Cアームなどの他の撮影装置構成部材が移動する構成の場合、装置の仕様を十分に把握していない操作者が撮影装置構成部材を操作した際に、操作者が操作していない撮影装置構成部材も連動して移動し、その連動して移動した撮影装置構成部材が操作者や技師などに接触する場合がある。また、操作者が複数の撮影装置構成部材が連動して移動する仕様を把握していたとしても、どの部材が連動して移動するかを装置が決定する場合には、操作者が意図しない部材が移動することがある。そこで、装置の仕様の把握度合いに依存せず、所定の撮影装置構成部材と連動して移動する撮影装置構成部材がどの部材であるかを把握することが可能なX線透視撮影装置が望まれている。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、装置の仕様の把握度合いに依存せず、所定の撮影装置構成部材と連動して移動する撮影装置構成部材がどの部材であるかを操作者や技師などに対して把握させることが可能なX線透視撮影装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面におけるX線透視撮影装置は、被験者にX線を照射するX線源と、X線源から照射されたX線を検出するX線検出器と、X線源およびX線検出器を対向させた状態で保持するCアームと、被験者が載置される天板と、被験者のX線画像を表示する表示部と、を含む複数の撮影装置構成部材と、操作者の操作入力を受け付ける入力受付部と、複数の撮影装置構成部材のうちのいずれかが移動することを報知する報知部と、複数の撮影装置構成部材のうちの第1撮影装置構成部材を移動させる第1操作入力を入力受付部が受け付けることに基づいて第1撮影装置構成部材を移動させる制御を行う際に、複数の撮影装置構成部材のうちの第1撮影装置構成部材とは異なる第2撮影装置構成部材を第1撮影装置構成部材の移動と連動して移動させる制御を行う場合に、第1撮影装置構成部材が移動することを報知することなく、第2撮影装置構成部材が移動することを報知部によって報知させる制御を行う制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
上記一の局面におけるX線透視撮影装置では、制御部は、第2撮影装置構成部材を第1撮影装置構成部材の移動と連動して移動させる制御を行う場合に、第2撮影装置構成部材が移動することを報知部によって報知させる制御を行うように構成されている。これにより、第1撮影装置構成部材の移動と連動して第2撮影装置構成部材が移動する場合には、報知部によって第2撮影装置構成部材が移動することが報知されるので、操作者が、第1撮影装置構成部材の移動と連動して第2撮影装置構成部材が移動することを事前に把握していない場合でも、第2撮影装置構成部材が移動することを操作者に把握させることができる。また、X線透視撮影装置が、複数の撮影装置構成部材のうち、第1撮影装置構成部材と連動して移動する第2撮影装置構成部材を決定する場合でも、複数の撮影装置構成部材のうち、どの撮影装置構成部材が第2撮影装置構成部材であるかを報知部によって報知することが可能となるので、複数の撮影装置構成部材が連動して移動することを把握している操作者に対しても、どの撮影装置構成部材が移動するかを把握させることができる。これらの結果、装置の仕様の把握度合いに依存せず、所定の撮影装置構成部材と連動して移動する撮影装置構成部材がどの部材であるかを操作者や技師などに対して把握させることが可能なX線透視撮影装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態によるX線透視撮影装置の構成を説明するための模式図である。
図2】被験者を側方から見た場合の撮影方向を説明するための模式図(A)、および、被験者を足側から見た場合の撮影方向を説明するための模式図(B)である。
図3】天板とX線検出器との相対位置について説明するための模式図である。
図4】一実施形態によるCアーム移動機構の構成を説明するための模式図である。
図5】入力受付部の構成を説明するための模式図である。
図6】天板操作部、Cアーム操作部、および、X線検出器操作部の構成を説明するための模式図である。
図7】一実施形態において、天板の移動に連動してCアームを移動させる構成を説明するための模式図(A)~模式図(C)である。
図8】第2撮影装置構成部材が移動することを報知する処理を説明するためのフローチャートである。
図9】第1変形例によるX線透視撮影装置の構成を説明するための模式図である。
図10】第1変形例において、Cアームの移動に連動して表示部を移動させる構成を説明するための模式図(A)~模式図(C)である。
図11】第2変形例によるX線透視撮影装置の構成を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
(X線透視撮影装置の全体構成)
図1図7を参照して、本発明の一実施形態によるX線透視撮影装置100について説明する。
【0013】
図1に示すように、X線透視撮影装置100は、被験者90の血管を撮影するための装置である。被験者90の血管は、たとえば、被験者90の頭部の血管、心臓の血管(冠動脈)、腹部の血管、および、下肢の血管である。
【0014】
本実施形態によるX線透視撮影装置100は、X線源1と、X線検出器2と、複数の撮影装置構成部材3と、入力受付部4と、報知部5と、コンピュータ6と、を備える。また、一実施形態によるX線透視撮影装置100は、複数の撮影装置構成部材3を移動させる複数の移動機構7を備える。
【0015】
X線源1は、被験者90にX線を照射するように構成されている。X線源1は、図示しないX線管を含んでいる。X線管は、内部の陽極および陰極のそれぞれに電流を流すことにより過熱させるとともに、陽極と陰極との間に電圧をかけることにより陰極から飛び出した熱電子が陽極に衝突する際にX線を放射するように構成されている。また、X線管で発生したX線は、X線検出器2に向けて照射されるように構成されている。
【0016】
X線検出器2は、X線源1から照射されたX線を検出するように構成されている。X線検出器2は、たとえば、FPD(Flat Panel Detector)である。X線検出器2は、X線源1により照射され被験者90を透過したX線を受像して、受像したX線を電気信号に変換するように構成されている。X線検出器2は、内部に複数の画素(区画)を有する撮影素子(図示せず)を有し、対応する画素ごとにX線の強度を検出するとともに、画素ごとのX線の情報(検出信号)を画素値として電気信号(デジタルデータ)に変換する。電気信号に変換されたX線の情報は、制御部60に送信される。
【0017】
なお、本実施形態における撮影装置構成部材3とは、撮影を行う際に、移動機構7によって移動され得る部材である。本実施形態では、複数の撮影装置構成部材3は、Cアーム30と、天板31と、表示部32とを含む。
【0018】
Cアーム30は、円弧状の形状を有している。Cアーム30は、X線源1およびX線検出器2を対向させた状態で保持するように構成されている。具体的には、Cアーム30の一端にはX線源1が接続されるとともに、他端にはX線検出器2が接続されている。X線源1とX線検出器2とは、Cアーム30により、天板31に横たわっている被験者90を挟んで対向するように配置される。本実施形態では、X線透視撮影装置100は、Cアーム30を1つ備えるシングルプレーン型である。
【0019】
Cアーム30は、後述するCアーム移動機構7bに回動可能に取り付けられている。Cアーム30は、Cアーム移動機構7bによって、旋回および平行移動が可能なように構成されている。
【0020】
天板31は、被験者90が載置されるように構成されている。被験者90は、天板31の長手方向と、被験者90の頭と足とを結ぶ方向とが同じになるように、天板31に載置される。ここで、図1の状態において、天板31の長手方向をX方向とする。また、被験者90の頭が配置される側の方向をX1方向とし、足が配置される側の方向をX2方向とする。また、X方向に直交する天板31の短手方向(被験者90の左右方向)をY方向とする。また、仰向けで被験者90が横たわったときの被験者90の右手側の方向をY1方向とし、左手側の方向をY2方向とする。また、X方向およびY方向に直交する上下方向をZ方向とする。また、上方向をZ1方向とし、下方向をZ2方向とする。天板31は、被験者90を載置した状態で、天板移動機構7aによって、X方向、Y方向、および、Z方向に移動されるように構成されている。
【0021】
表示部32は、被験者90のX線画像10を表示するように構成されている。表示部32は、たとえば、液晶モニタを含む。
【0022】
入力受付部4は、操作者の操作入力を受け付けるように構成されている。入力受付部4は、天板31に設けられている。入力受付部4の詳細な構成については、後述する。
【0023】
報知部5は、操作者および技師などに対して、複数の撮影装置構成部材3のうちのいずれかが移動することを報知するように構成されている。本実施形態では、報知部5は、光を出力することにより報知する発光部5aを含む。発光部5aは、たとえば、LED(Light Emitting Diode)を含む。また、図1に示すように、発光部5aは、X方向に沿って延びる線状光源である。
【0024】
本実施形態では、報知部5は、第2撮影装置構成部材3b、および、複数の移動機構7のうち第2撮影装置構成部材3bを移動させる移動機構7の少なくとも一方に設けられている。本実施形態では、報知部5は、第2撮影装置構成部材3bを移動させる移動機構7の一方側および他方側に設けられている。具体的には、報知部5は、Cアーム移動機構7bに設けられている。本実施形態では、報知部5は、Cアーム移動機構7bのY1方向側の側面と、Y2方向側の側面とに設けられている。
【0025】
コンピュータ6は、プロセッサ6aと、記憶部6bとを含む。
【0026】
プロセッサ6aは、制御部60と、画像処理部61とを含む。プロセッサ6aは、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)や画像処理用に構成されたFPGA(Field-Programmable Gate Array)などを含む。制御部60は、プロセッサ6aが各種プログラムを実行することにより実現される機能ブロックとしてソフトウェア的に構成される。制御部60は、専用のプロセッサ(処理回路)を設けてハードウェアにより構成されていてもよい。
【0027】
本実施形態では、制御部60は、複数の撮影装置構成部材3のうちの第1撮影装置構成部材3aを移動させる第1操作入力に基づいて第1撮影装置構成部材3aを移動させる制御を行う際に、複数の撮影装置構成部材3のうちの第1撮影装置構成部材3aとは異なる第2撮影装置構成部材3bを第1撮影装置構成部材3aの移動と連動して移動させる制御を行う場合に、第2撮影装置構成部材3bが移動することを報知部5によって報知させる制御を行うように構成されている。なお、第1撮影装置構成部材3aとは、操作者が意図的に操作することにより移動される部材である。また、第2撮影装置構成部材3bとは、操作者の意図によらず、制御部60の制御により第1撮影装置構成部材3aと連動して移動される部材である。本実施形態では、第1撮影装置構成部材3aが天板31であり、第2撮影装置構成部材3bがCアーム30である例について説明する。また、第2撮影装置構成部材3bを第1撮影装置構成部材3aと連動して移動させるとは、第1撮影装置構成部材3aを移動させる操作によって、第2撮影装置構成部材3bが移動することを意味する。すなわち、第2撮影装置構成部材3bを第1撮影装置構成部材3aと連動して移動させるとは、第1撮影装置構成部材3aが移動している間に第2撮影装置構成部材3bも移動することを意味する。
【0028】
記憶部6bは、プロセッサ6aが実行する各種プログラム、および、画像処理部61が生成するX線画像10などを記憶するように構成されている。記憶部6bは、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)、または、SSD(Solid State Drive)などの不揮発性のメモリを含む。
【0029】
複数の移動機構7は、複数の撮影装置構成部材3の少なくとも2つを移動させるように構成されている。本実施形態では複数の移動機構7は、天板31を移動させる天板移動機構7aと、Cアーム30を移動させるCアーム移動機構7bと、を備える。
【0030】
天板移動機構7aは、天板31をX方向、Y方向、および、Z方向に移動可能に構成されている。天板移動機構7aは、X方向の直動機構、Y方向の直動機構、および、Z方向の直動機構を含む。
【0031】
Cアーム移動機構7bは、Cアーム30を旋回および平行移動可能に構成されている。Cアーム移動機構7bの詳細な構成については、後述する。
【0032】
(Cアームの角度)
X線透視撮影装置100は、図2(A)に示す被験者90を載置する天板31の長手方向(X方向)に沿う縦断面内における一端側(CRANIAL)または他端側(CAUDAL)から被験者90に対して斜めにX線を照射する方向と、図2(B)に示す被験者90の右前斜位(RAO:right anterior oblique)、正面、および左前斜位(LAO:left anterior oblique)のそれぞれとを組み合わせた任意の方向からそれぞれ撮影を行うように構成されている。なお、図2(B)ではCアーム30の図示を省略している。
【0033】
(撮影位置)
図3に示すように、Cアーム30の天板31に対する相対位置(撮影位置)は、撮影する部位によって異なる。図3では、矢印の方向は、天板31に対してCアーム30を挿入する方向であり、被験者90側である矢印の先端側にX線検出器2が位置し、先端側とは反対の矢印の末端側にCアーム移動機構7bが位置する。上面視において天板31の長手方向(X方向)に沿ってCアーム30を配置する場合をHOMEポジションとする。また、被験者90の頭側(X1方向)から足側(X2方向)に向かうとともに、天板31の長手方向(X方向)の周縁部から被験者90に向かうようにCアーム30を斜めに配置する位置をMULTIポジションとする。すなわち、MULTIポジションは、天板31の長手方向(X方向)において、天板31の中央よりも被験者90の頭部側において、Cアーム30を斜めに配置する位置である。
【0034】
また、上面視において被験者90の側方から中央に向かって天板31の短手方向(Y方向)に沿ってCアーム30を配置する位置をSIDEポジションとする。すなわち、SIDEポジションは、天板31の長手方向(X方向)において、天板31の中央付近においてCアーム30を横向き(Y方向に沿った向き)に配置する位置である。さらに、SIDEポジションより被験者90の足側(X2方向)に移動させた位置をPERIポジションとする。すなわち、PERIポジションと、天板31の長手方向(X方向)において、天板31の中央よりも被験者90の足部側において、Cアーム30を斜めに配置する位置である。たとえば、被験者90の頭部から胸部までを撮影する場合には、HOMEポジションが用いられる。また、下肢を撮影する場合には、PERIポジションが用いられる。また、被験者90の腹部を撮影する場合には、MULTIポジションまたはSIDEポジションが用いられる。なお、HOMEポジション、MULTIポジション、SIDEポジション、および、PERIポジションの各々は、Cアーム30の向きと、Cアーム30と天板31の相対位置(Cアーム30および天板31の各々の位置座標)と、を特定するものである。
【0035】
(Cアーム移動機構)
図4に示すように、Cアーム移動機構7bは、アーム基台70と、回動機構71と、移動機構72とを含む。図4に示すように、回動機構71は、被験者90の頭と足とを結ぶ天板31の長手方向(X方向)に延びる線である回動軸11の軸線周りにCアーム30を回動する。また、回動機構71は、被験者90の左右方向である天板31の短手方向(Y方向)に延びる線を軸としてCアーム30をCアーム30の周方向80に回動可能に構成されている。回動機構71は、たとえば、モータなどを含む。
【0036】
移動機構72は、アーム基台70に取り付けられている。移動機構72によって、アーム基台70を水平移動することによりCアーム30を水平移動することができる。移動機構72は、床面91に設けられた第1回動部72aと、第1回動部72aに回動可能に保持され、アーム基台70を回動可能に保持する第2回動部72bとを含む。第1回動部72aは、基台軸12と、基台軸12から離れた位置に設けられた中間軸13とを含む。第2回動部72bは、水平回転軸14を含む。
【0037】
基台軸12および中間軸13は、それぞれ、床面91に対して垂直方向を向いた回転軸である。また、水平回転軸14も床面91に対して垂直方向を向いた回転軸である。これにより、移動機構72は、基台軸12の軸線周りの回動と、中間軸13の軸線周りの回動と、水平回転軸14の軸線周りの回動とを組み合わせて、アーム基台70およびCアーム30を所望の位置に水平移動させることができる。
【0038】
(入力受付部)
図5に示すように、入力受付部4は、天板操作部4aと、Cアーム操作部4bと、X線検出器操作部4cと、移動モード選択部4dとを含む。
【0039】
天板操作部4aは、移動モード選択部4dによって、所定の移動モードが選択された状態において、操作者が天板操作部4aを押下している間、天板31を移動させるように構成されている。すなわち、天板操作部4aは、天板31の移動先(ポジション)が予め設定された状態において、操作者が天板操作部4aを押下している間、天板31を移動先まで移動させるように構成されている。天板操作部4aは、たとえば、押しボタンを含む。
【0040】
Cアーム操作部4bは、操作者がCアーム操作部4bを操作している間、Cアーム30を移動させるように構成されている。Cアーム操作部4bは、たとえば、レバースイッチを含む。Cアーム操作部4bの詳細な構成については、後述する。
【0041】
X線検出器操作部4cは、操作者がX線検出器操作部4cを操作している間、X線検出器2をX線の照射軸方向において前後方向に移動させるように構成されている。X線検出器操作部4cは、たとえば、レバースイッチを含む。X線検出器操作部4cの詳細な構成については、後述する。
【0042】
移動モード選択部4dは、撮影装置構成部材3の移動モードの入力を受け付け可能に構成されている。移動モード選択部4dは、たとえば、押しボタンを含む。撮影装置構成部材3の移動モードは、たとえば、下肢を撮影するフェモラルアプローチモード、予め設定された位置にCアーム30および天板31を移動させるメモリモード、Cアーム30および天板31を任意の位置に移動させるフリーモードなどを含む。操作者は、所望の移動モードの移動モード選択部4dを押下し、天板操作部4a、Cアーム操作部4b、および、X線検出器操作部4cの少なくともいずれかを操作することにより、所望の移動モードによって撮影装置構成部材3を移動させる。
【0043】
図6に示すように、Cアーム操作部4bは、第1レバー部40と、回転選択ボタン41と、水平移動選択ボタン42とを含む。操作者が回転選択ボタン41を押下した状態で第1レバー部40を傾倒させることにより、Cアーム30を、CRANIALまたはCAUDALと、RAOまたはLAOとを組み合わせた所望の角度に傾けることができる。また、操作者が水平移動選択ボタン42を押下した状態で第1レバー部40を傾倒させることにより、Cアーム30を水平移動させることができる。
【0044】
また、図6に示すように、X線検出器操作部4cは、第2レバー部43と、X線検出器移動ボタン44とを含む。操作者がX線検出器移動ボタン44を押下した状態で、第2レバー部43を傾倒させることにより、X線検出器2をX線の照射軸方向において前後に移動させることができる。
【0045】
(天板およびCアームの移動)
次に、図7(A)~図7(C)を参照して、天板31の移動に連動してCアーム30が移動する構成について説明する。図7(A)~図7(C)に示す例は、移動モード選択部4d(図5参照)によってフェモラルアプローチモードが選択された場合のCアーム30および天板31の移動を示している。
【0046】
制御部60は、図7(A)に示すように、Cアーム30を被験者90の頭部側(X1方向側)から挿入している状態で、フェモラルアプローチモードが選択された場合に、被験者90の下肢を撮影するために、矢印81の方向に天板31を移動させる。
【0047】
その際、図7(A)に示すように、天板31の移動方向(X1方向)側にCアーム30が配置されているため、そのままの状態では天板31を移動させることができない。操作者がCアーム30を移動させることにより、天板31を矢印81の方向に移動させることが可能となるが、操作者の操作回数が増加し、負担が増加する。そこで、フェモラルアプローチモードでは、天板31を移動させる操作を行った際に、Cアーム30を天板31の移動に連動して移動させる。具体的には、図7(B)に示すように、天板31の移動に連動して矢印82の方向にCアーム30を旋回させる。制御部60は、Cアーム30を天板31に干渉しない位置まで旋回させつつ、矢印81の方向に天板31を移動させる制御を行うことにより、図7(C)に示すように、被験者90の下肢を撮影する位置まで天板31を移動させる。なお、本実施形態では、制御部60は、天板移動機構7aおよびCアーム移動機構7bを制御することにより、天板31とCアーム30とを、同時に、かつ、並行に移動させる。
【0048】
ここで、フェモラルアプローチモードにおいて天板31の移動に連動してCアーム30が移動することを操作者が把握していないと、操作者および技師などにCアーム30が接触する可能性がある。
【0049】
(制御部による報知処理)
そこで、本実施形態では、制御部60は、第1撮影装置構成部材3a(天板31)の移動と連動して第2撮影装置構成部材3b(Cアーム30)を移動させる移動モード(フェモラルアプローチモード)の入力を第2操作入力として受け付けた際に、第1操作入力に基づいて第1撮影装置構成部材3a(天板31)の移動を開始する前に、予め報知部5によって報知させる制御を行うように構成されている。具体的には、本実施形態では、制御部60は、第1操作入力として、天板31を移動させる操作入力を受け付けた際に、第1撮影装置構成部材3aとしての天板31が移動を開始する前に、報知部5(発光部5a)によって報知させる制御を行う。すなわち、本実施形態では、制御部60は、第1撮影装置構成部材3aとしての天板31の天板移動機構7aによる移動に連動して、第2撮影装置構成部材3bとしてのCアーム30をCアーム移動機構7bによって移動させる制御を行う場合に、Cアーム30が移動することを報知部5によって報知させる制御を行うように構成されている。
【0050】
また、本実施形態では、制御部60は、操作者から第2撮影装置構成部材3b(Cアーム30)を移動させる操作入力を受け付けることなく、第2撮影装置構成部材3bを第1撮影装置構成部材3a(天板31)の移動に連動して移動させるか否かを判定する。具体的には、制御部60は、第2操作入力を受け付けた際に、第1撮影装置構成部材3a(天板31)の移動に連動して第2撮影装置構成部材3b(Cアーム30)を移動させるか否かの判定を行う。ここで、制御部60が第2撮影装置構成部材3bを移動させるか否かを判定する構成の場合、複数の撮影装置構成部材3が連動して移動する仕様を把握している操作者であっても、どの撮影装置構成部材3が連動して移動するかを把握することができない。そこで、本実施形態では、制御部60は、第2撮影装置構成部材3bを第1撮影装置構成部材3a(天板31)の移動に連動して移動させる場合には、報知部5による報知を行い、第2撮影装置構成部材3b(Cアーム30)を第1撮影装置構成部材3aの移動に連動して移動させない場合には、報知部5による報知を行わないように構成されている。
【0051】
具体的には、制御部60は、第1操作入力に基づいて第1撮影装置構成部材3a(天板31)を所定の位置に移動させる際に、第2撮影装置構成部材3b(Cアーム30)の移動前の位置である現在位置50と、第2撮影装置構成部材3b(Cアーム30)の移動後の位置である目的位置51とを取得するとともに、現在位置50と目的位置51とが異なる場合には、報知部5に報知させる制御を行い、現在位置50と目的位置51とが同じ場合には、報知部5による報知を行わないように構成されている。なお、制御部60は、Cアーム移動機構7bの駆動部(図示せず)に設けられたポテンショメータなどから、現在位置50を取得する。また、制御部60は、選択された移動モードに基づいて、記憶部6bから目的位置51を取得する。
【0052】
(報知部による報知の方法)
本実施形態では、制御部60は、発光部5a(報知部5)から光を出力する制御を行うことにより、第2撮影装置構成部材3b(Cアーム30)が移動することを報知させる制御を行う。本実施形態では、制御部60は、発光部5aの発光態様を異ならせることにより、第2撮影装置構成部材3bが移動することを報知する制御を行う。具体的には、制御部60は、X線透視撮影装置100が稼働している状態では、発光部5aを点灯状態とするように制御し、天板31の移動に連動してCアーム30が移動する場合には、発光部5aを点灯状態から点滅状態とする制御を行うことにより、報知させる制御を行うように構成されている。
【0053】
(報知処理)
次に、図8を参照して、本実施形態による制御部60が、第2撮影装置構成部材3b(Cアーム30)が移動することを報知部5に報知させる処理について説明する。
【0054】
ステップ101において、制御部60は、第2撮影装置構成部材3b(Cアーム30)が第1撮影装置構成部材3a(天板31)と連動して移動するモード(フェモラルアプローチモード)の第2操作入力があったか否かを判定する。第2操作入力があった場合、処理は、ステップ102へ進む。第2操作入力がない場合、制御部60は、ステップ101の処理を繰り返す。
【0055】
ステップ102において、制御部60は、Cアーム30の現在位置50を取得する。ステップ102の処理では、制御部60は、Cアーム30の現在位置50として、Cアーム移動機構7bから、Cアーム30の角度、および、位置座標を取得する。
【0056】
ステップ103において、制御部60は、Cアーム30の目的位置51を取得する。ステップ103の処理では、制御部60は、Cアーム30の目的位置51として、記憶部6bから、移動後のCアーム30の角度、および、位置座標を取得する。
【0057】
ステップ104において、制御部60は、現在位置50と目的位置51とが等しいか否かを判定する。現在位置50と目的位置51とが等しい場合、処理は、終了する。すなわち、現在位置50と目的位置51とが等しい場合、Cアーム30は移動しないので、制御部60は、報知部5による報知を行わない。また、現在位置50と目的位置51とが等しくない場合、処理は、ステップ105へ進む。
【0058】
ステップ105において、制御部60は、報知部5による報知を行う。具体的には、制御部60は、報知部5(発光部5a)によって光を出力させることにより、報知を行う。具体的には、制御部60は、発光部5aの発光態様を点灯状態から点滅状態に変更することにより、報知を行う。
【0059】
ステップ106において、制御部60は、第1操作入力があったか否かを判定する。第1操作入力があった場合、処理は、ステップ107へ進む。第1操作入力がなかった場合、制御部60は、ステップ106の処理を繰り返す。
【0060】
ステップ107において、制御部60は、天板移動機構7aおよびCアーム移動機構7bを制御することにより、第1撮影装置構成部材3a(天板31)および第2撮影装置構成部材3b(Cアーム30)を移動させる。
【0061】
ステップ108において、制御部60は、第1撮影装置構成部材3a(天板31)および第2撮影装置構成部材3b(Cアーム30)が所定の位置まで移動したか否かを判定する。天板31およびCアーム30が所定の位置まで移動した場合、処理は、ステップ108へ進む。天板31およびCアーム30が所定の位置まで移動し定ない場合、処理は、ステップ106へ進む。
【0062】
ステップ108において、制御部60は、報知部5(発光部5a)による報知を停止する。その後、処理は、終了する。なお、現在位置50と目的位置51とが等しい場合、ステップ109の処理は省略される。
【0063】
なお、ステップ102の処理と、ステップ103の処理とは、どちらが先に行われてもよい。
【0064】
本実施形態では、制御部60による報知処理は、実質的に、移動モードが選択される第2操作入力の入力と同時に行われる。言い換えると、制御部60は、移動モードの選択を受け付けてから、動作開始(第1操作入力の受付)までの間に、報知を開始する。
【0065】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0066】
本実施形態では、上記のように、X線透視撮影装置100は、被験者90にX線を照射するX線源1と、X線源1から照射されたX線を検出するX線検出器2と、X線源1およびX線検出器2を対向させた状態で保持するCアーム30と、被験者90が載置される天板31と、被験者90のX線画像10を表示する表示部32と、を含む複数の撮影装置構成部材3と、操作者の操作入力を受け付ける入力受付部4と、複数の撮影装置構成部材3のうちのいずれかが移動することを報知する報知部5と、複数の撮影装置構成部材3のうちの第1撮影装置構成部材3a(天板31)を移動させる第1操作入力に基づいて第1撮影装置構成部材3aを移動させる制御を行う際に、複数の撮影装置構成部材3のうちの第1撮影装置構成部材3aとは異なる第2撮影装置構成部材3b(Cアーム30)を第1撮影装置構成部材3aの移動と連動して移動させる制御を行う場合に、第2撮影装置構成部材3bが移動することを報知部5によって報知させる制御を行う制御部60と、を備える。
【0067】
これにより、第1撮影装置構成部材3a(天板31)の移動と連動して第2撮影装置構成部材3b(Cアーム30)が移動する場合には、報知部5によって第2撮影装置構成部材3bが移動することが報知されるので、操作者が、第1撮影装置構成部材3aの移動と連動して第2撮影装置構成部材3bが移動することを事前に把握していない場合でも、第2撮影装置構成部材3bが移動することを操作者に把握させることができる。また、X線透視撮影装置100が、複数の撮影装置構成部材3のうち、第1撮影装置構成部材3aと連動して移動する第2撮影装置構成部材3bを決定する場合でも、複数の撮影装置構成部材3のうち、どの撮影装置構成部材3が第2撮影装置構成部材3bであるかを報知部5によって報知することが可能となるので、複数の撮影装置構成部材3が連動して移動することを把握している操作者に対しても、どの撮影装置構成部材3が移動するかを把握させることができる。これらの結果、装置の仕様の把握度合いに依存せず、所定の撮影装置構成部材3と連動して移動する撮影装置構成部材3がどの部材であるかを操作者や技師などに対して把握させることが可能なX線透視撮影装置100を提供することができる。
【0068】
また、上記実施形態では、以下のように構成したことによって、下記のような更なる効果が得られる。
【0069】
すなわち、本実施形態では、上記のように、制御部60は、第1撮影装置構成部材3a(天板31)の移動と連動して第2撮影装置構成部材3b(Cアーム30)を移動させる移動モードの入力を第2操作入力として受け付けた際に、第1操作入力に基づいて第1撮影装置構成部材3aの移動を開始する前に、予め報知部5によって報知させる制御を行うように構成されている。これにより、第2操作入力を受け付けた際に、第2撮影装置構成部材3bが移動することが報知されるので、第2撮影装置構成部材3bが移動を開始する前に、第2撮影装置構成部材3bが移動することを報知することができる。その結果、第2撮影装置構成部材3bが移動を開始する前に、第2撮影装置構成部材3bが移動することを、操作者に確実に把握させることができる。
【0070】
また、本実施形態では、上記のように、制御部60は、第2操作入力を受け付けた際に、第1撮影装置構成部材3a(天板31)の移動に連動して第2撮影装置構成部材3b(Cアーム30)を移動させるか否かの判定を行うとともに、第2撮影装置構成部材3bを第1撮影装置構成部材3aの移動に連動して移動させる場合には、報知部5による報知を行い、第2撮影装置構成部材3bを第1撮影装置構成部材3aの移動に連動して移動させない場合には、報知部5による報知を行わないように構成されている。ここで、第2操作入力を受け付けた際に、第1撮影装置構成部材3aの移動に連動して第2撮影装置構成部材3bを移動させるか否かの判定を行わずに、報知部5によって報知する構成の場合、第2撮影装置構成部材3bが第1撮影装置構成部材3aと連動して移動しない場合でも報知部5によって報知される。そのため、第2撮影装置構成部材3bが移動するのか否かを操作者が正確に把握することができない場合がある。上記のように、第2撮影装置構成部材3bが移動する場合は報知を行い、第2撮影装置構成部材3bが移動しない場合には報知を行わない構成とすることにより、第2撮影装置構成部材3bが第1撮影装置構成部材3aと連動して移動する場合にのみ、第2撮影装置構成部材3bが移動することが報知される。したがって、報知部5によって報知された場合には、必ず第2撮影装置構成部材3bが移動するということを操作者に把握させることができる。その結果、第2撮影装置構成部材3bが移動しない場合も報知する構成とは異なり、操作者が混乱することを抑制することができる。
【0071】
また、本実施形態では、上記のように、制御部60は、第1操作入力に基づいて第1撮影装置構成部材3a(天板31)を所定の位置に移動させる際に、第2撮影装置構成部材3b(Cアーム30)の移動前の位置である現在位置50と、第2撮影装置構成部材3bの移動後の位置である目的位置51とを取得するとともに、現在位置50と目的位置51とが異なる場合には、報知部5に報知させる制御を行い、現在位置50と目的位置51とが同じ場合には、報知部5による報知を行わないように構成されている。これにより、制御部60は、取得した現在位置50と目的位置51とが異なるか同じであるかを判定することにより、報知部5による報知を行うか否かを容易に判定することができる。
【0072】
また、本実施形態では、上記のように、複数の撮影装置構成部材3の少なくとも2つを移動させる複数の移動機構7をさらに備え、報知部5は、第2撮影装置構成部材3b(Cアーム30)、および、複数の移動機構7のうち第2撮影装置構成部材3bを移動させる移動機構7(Cアーム移動機構7b)の少なくとも一方に設けられている。これにより、第1撮影装置構成部材3a(天板31)と連動して移動する第2撮影装置構成部材3b、および、第2撮影装置構成部材3bを移動させる移動機構7のいずれかに報知部5が設けられるので、実際に移動する部材の近傍において、報知部5による報知を行うことができる。その結果、たとえば、所定の位置に固定的に配置されたモニタなどに第2撮影装置構成部材3bが移動する旨を表示することにより報知する構成と異なり、操作者が、モニタなどが見えない位置にいる場合でも、第2撮影装置構成部材3bが移動することを操作者や技師などに把握させることができる。
【0073】
また、本実施形態では、上記のように、報知部5は、第2撮影装置構成部材3b(Cアーム30)を移動させる移動機構7(Cアーム移動機構7b)の一方側および他方側に設けられている。これにより、第2撮影装置構成部材3bを移動させる移動機構7の両側に報知部5が設けられるため、操作者が、第2撮影装置構成部材3bを移動させる移動機構7のどちら側にいた場合でも、報知部5による報知を操作者や技師などに把握させることができる。
【0074】
また、本実施形態では、上記のように、天板31を移動させる天板移動機構7aと、Cアーム30を移動させるCアーム移動機構7bと、をさらに備え、制御部60は、第1撮影装置構成部材3aとしての天板31の天板移動機構7aによる移動に連動して、第2撮影装置構成部材3bとしてのCアーム30をCアーム移動機構7bによって移動させる制御を行う場合に、Cアーム30が移動することを報知部5によって報知させる制御を行うように構成されている。これにより、天板31の移動に連動してCアーム30が移動することが報知部5によって報知されるので、天板31の移動に連動してCアーム30が移動するX線透視撮影装置100において、本実施形態の構成とすることは好適である。
【0075】
また、本実施形態では、上記のように、報知部5は、光を出力することにより報知する発光部5aを含む。これにより、発光部5aから出力される光により、第2撮影装置構成部材3bが移動することを操作者や技師などに対して視覚的に容易に把握させることができる。また、発光部5aから出力される光によって第2撮影装置構成部材3bが移動することが報知されるので、たとえば、表示部32などに第2撮影装置構成部材3bが移動することを表示することにより報知する構成とは異なり、操作者が表示部32に表示される情報を正確に把握していない場合でも、第2撮影装置構成部材3bが移動することを操作者や技師などに直感的に把握させることができる。
【0076】
[本実施形態の第1変形例]
図9および図10を参照して、第1変形例について説明する。なお、上記実施形態と同様の構成に関しては、同じ符号を付すとともに、説明を省略する。
【0077】
第1変形例によるX線透視撮影装置200は、コンピュータ6の代わりにコンピュータ26を備える点、および、表示部32を移動させる表示部移動機構7cをさらに備える点で、上記実施形態によるX線透視撮影装置100と異なる。第1変形例によるコンピュータ26は、プロセッサ6aの代わりにプロセッサ6cを備える点で、上記実施形態によるコンピュータ6と異なる。第1変形例によるプロセッサ6cは、制御部60の代わりに制御部62を備える点で、上記実施形態によるプロセッサ6aと異なる。
【0078】
表示部移動機構7cは、表示部32をX方向およびY方向に移動させるように構成されている。表示部移動機構7cは、たとえば、X方向の直動機構と、Y方向の直動機構とを含む。なお、表示部移動機構7cは、表示部32をZ方向に移動させるように構成されていてもよい。
【0079】
また、第1変形例では、図9に示すように、報知部5(発光部5a)は、表示部32に設けられている。
【0080】
第1変形例では、図10(A)~図10(C)に示すように、制御部62は、Cアーム30を矢印83に沿って旋回させる際に、表示部32がCアーム30の旋回軌道内配置されている場合に、Cアーム30の移動に連動して表示部32を矢印84の方向に移動させる制御を行う。
【0081】
また、第1変形例では、制御部62は、第1撮影装置構成部材3aとしてのCアーム30のCアーム移動機構7bによる移動に連動して、第2撮影装置構成部材3bとしての表示部32を表示部移動機構7cによって移動させる場合に、表示部32が移動することを報知部5(図9参照)によって報知させる制御を行うように構成されている。
【0082】
第1変形例では、制御部62は、Cアーム30を移動させる操作入力を受け付けた際に、第1撮影装置構成部材3a(Cアーム30)の移動に連動して第2撮影装置構成部材3b(表示部32)を移動させるか否かの判定を行う。また、制御部62は、表示部32をCアーム30の移動に連動して移動させる場合には、報知部5による報知を行い、表示部32をCアーム30の移動に連動して移動させない場合には、報知部5による報知を行わないように構成されている。具体的には、制御部62は、表示部32の移動前の位置である現在位置52と、表示部32の移動後の位置である目的位置53とを取得するとともに、現在位置52と目的位置53とが異なる場合には、報知部5に報知させる制御を行い、現在位置52と目的位置53とが同じ場合には、報知部5による報知を行わないように構成されている。なお、制御部62は、現在位置52を表示部移動機構7cから取得する。また、制御部62は、記憶部6bから目的位置53を取得する。
【0083】
第1変形例のその他の構成は、上記実施形態と同様である。
【0084】
(第1変形例の効果)
第1変形例では、上記のように、X線透視撮影装置200は、Cアーム30を移動させるCアーム移動機構7bと、表示部32を移動させる表示部移動機構7cと、をさらに備え、制御部62は、第1撮影装置構成部材3aとしてのCアーム30のCアーム移動機構7bによる移動に連動して、第2撮影装置構成部材3bとしての表示部32を表示部移動機構7cによって移動させる場合に、表示部32が移動することを報知部5によって報知させる制御を行うように構成されている。これにより、Cアーム30の移動に連動して表示部32が移動することが報知部5によって報知されるので、Cアーム30の移動に連動して表示部32が移動するX線透視撮影装置200において、第1変形例の構成とすることは好適である。
【0085】
第1変形例のその他の効果は、上記実施形態と同様である。
【0086】
[本実施形態の第2変形例]
図11を用いて第2変形例について説明する。なお、上記実施形態と同じ構成は同じ符号を用いて説明を省略する。
【0087】
図11に示すように、第2変形例によるX線透視撮影装置300は、報知部5が、報知音を出力するスピーカ5bを含む点、コンピュータ6の代わりにコンピュータ36を備えるで、本実施形態によるX線透視撮影装置100とは異なる。
【0088】
第2変形例によるコンピュータ36は、プロセッサ6aの代わりにプロセッサ6dを備える点で、上記実施形態によるコンピュータ6とは異なる。また、プロセッサ6dは、制御部60の代わりに制御部63を備える点で、上記実施形態によるプロセッサ6aとは異なる。
【0089】
第2変形例による制御部63は、第1撮影装置構成部材3aと連動して第2撮影装置構成部材3bが移動する場合に、スピーカ5bから報知音を出力することにより報知を行うように構成されている。報知音は、警告音、および、音声による警告メッセージを含む。なお、第2変形例では、制御部63は、発光部5aおよびスピーカ5bの両方を用いて報知させてもよいし、発光部5aは用いず、スピーカ5bのみにより報知させてもよい。
【0090】
第2変形例のその他の構成は、上記実施形態と同様である。
【0091】
(第2変形例の効果)
第2変形例では、上記のように、X線透視撮影装置300は、報知部5は、報知音を出力するスピーカ5bをさらに含む。これにより、スピーカ5bから発せられる報知音によって、第2撮影装置構成部材3bが移動することを操作者や技師などに対して聴覚的に容易に把握させることができる。
【0092】
また、第2変形例のその他の効果は、上記実施形態と同様である。
【0093】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0094】
たとえば、上記実施形態および第2変形例では、制御部が、天板31の移動に連動してCアーム30が移動させる制御を行い、上記第1変形例では、制御部がCアーム30の移動に連動して表示部32を移動させる制御を行う構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部は、天板31の移動に連動してCアーム30を移動させる際に、表示部32がCアーム30の移動に干渉する場合、Cアーム30の移動に連動して表示部32を移動させるように構成されていてもよい。すなわち、制御部は、天板31の移動に連動して、Cアーム30および表示部32の両方を移動させるように構成されていてもよい。制御部が天板31の移動に連動してCアーム30および表示部32の両方を移動させる構成の場合、報知部5は、Cアーム30および表示部32の両方、または、表示部移動機構7cおよびCアーム移動機構7bの両方に設ければよい。
【0095】
また、上記実施形態および第2変形例では、第1撮影装置構成部材3aが天板31であり、第2撮影装置構成部材3bがCアーム30である構成の例を示し、第1変形例では、第1撮影装置構成部材3aがCアーム30であり、第2撮影装置構成部材3bが表示部32である構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。第1撮影装置構成部材3aは、操作者が意図して移動させる部材であれば、Cアーム30、天板31、および、表示部32のうちのいずれの部材であってもよい。また、第2撮影装置構成部材3bは、第1撮影装置構成部材3aの移動に連動して移動する部材であれば、Cアーム30、天板31、および、表示部32のうちのいずれの部材であってもよい。なお、Cアーム30、天板31、および、表示部32のうち、移動範囲が大きく、重量が大きい部材は、Cアーム30である。そのため、Cアーム30、天板31、および、表示部32のうち、操作者や技師などに接触した際の影響が最も大きいのは、Cアーム30である。したがって、報知部5は、少なくともCアーム30またはCアーム移動機構7bに設けられていてもよい。
【0096】
また、複数の撮影装置構成部材3のうち、どの部材が第1撮影装置構成部材3aであり、どの部材が第2撮影装置構成部材3bであるかは、複数の撮影装置構成部材3を移動させる際の移動モードによって決定される。すなわち、Cアーム30、天板31、および、表示部32は、移動モードによって、第1撮影装置構成部材3aにも第2撮影装置構成部材3bにもなり得る。したがって、操作者が選択する移動モードによって第1撮影装置構成部材3aおよび第2撮影装置構成部材3bが変更される可能性がある構成では、報知部5は、複数の撮影装置構成部材3、または、複数の移動機構7の全てに設ければよい。
【0097】
また、上記実施形態、第1変形例および第2変形例では、Cアーム30が1つであるシングルプレーン型である例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、Cアーム30が2つであるバイプレーン型であってもよい。
【0098】
また、上記実施形態、第1変形例および第2変形例では、天板31の移動に連動してCアーム30が移動する場合に、報知部5による報知を行う構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部は、Cアーム30の移動に連動して天板31が移動する場合に、報知部5による報知を行うように構成されていてもよい。すなわち、制御部は、複数の撮影装置構成部材3のうち、第1撮影装置構成部材3aと連動して第2撮影装置構成部材3bが移動する場合に、報知部5による報知を行うように構成されていればよい。このように構成すれば、X線透視撮影装置100が移動させる撮影装置構成部材3を決定する場合であっても、連動して移動する撮影装置構成部材3を操作者に報知することができる。その結果、操作者の装置の仕様を把握度合いに依存せず、所定の撮影装置構成部材3と連動して移動する撮影装置構成部材3がどの部材であるかを把握させることができる。
【0100】
また、上記実施形態、第1変形例および第2変形例では、制御部が、第1撮影装置構成部材3aの移動に連動して第2撮影装置構成部材3bを移動させるか否かの判定を行う構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部は、第1撮影装置構成部材3aの移動に連動して第2撮影装置構成部材3bを移動させるか否かの判定を行わないように構成されていてもよい。すなわち、制御部は、第2操作入力に基づいて、報知部5による報知を行うように構成されていてもよい。しかしながら、第2操作入力に基づいて報知を行う構成の場合、第2撮影装置構成部材3bが移動しない場合にも、報知部5による報知が行われる場合がある。第2撮影装置構成部材3bが移動しない場合にも報知部5による報知が行われると、操作者が混乱することになる。したがって、制御部は、第1撮影装置構成部材3aの移動に連動して第2撮影装置構成部材3bを移動させるか否かの判定を行うように構成されることが好ましい。
【0101】
また、上記実施形態、第1変形例および第2変形例では、制御部が、第2撮影装置構成部材3bの現在位置および目的位置に基づいて、報知部5による報知を行うか否かの判定を行う構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部は、第1撮影装置構成部材3aの位置と第2撮影装置構成部材3bの位置とに基づいて、報知部5による報知を行うか否かを判定するように構成されていてもよい。すなわち、制御部は、第1撮影装置構成部材3aの位置と、第2撮影装置構成部材3bの位置とに基づいて、第2撮影装置構成部材3bを移動させるか否かを判定することにより、報知部5による報知を行うか否かを判定するように構成されていてもよい。
【0102】
また、上記実施形態および第2変形例では、報知部5が移動機構7に設けられる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。報知部5は、第2撮影装置構成部材3bに設けられていてもよい。第2撮影装置構成部材3bが第1撮影装置構成部材3aの移動に連動して移動することを報知することが可能であれば、報知部5はどこに設けられていてもよい。
【0103】
また、上記実施形態および第1変形例では、制御部が、発光部5aを点灯状態から点滅状態に切り替えることにより、第2撮影装置構成部材3bが移動することを報知する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部は、発光部5aが出力する光の色を異ならせることにより、第2撮影装置構成部材3bが移動することを報知させる制御を行ってもよい。発光部5aから出力される光により、第2撮影装置構成部材3bが移動することを報知させることが可能であれば、報知態様は問わない。
【0104】
また、上記実施形態および第1変形例では、報知部5が発光部5aを含み、第2変形例では、報知部5がスピーカ5bを含む構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、報知部5は、第2撮影装置構成部材3bが移動する旨を表示するモニタを含んでいてもよい。報知部5がモニタを含む場合、第2撮影装置構成部材3bが移動する方向を示す矢印を表示してもよいし、第2撮影装置構成部材3bが移動する方向のメッセージを表示してもよい。
【0105】
また、上記実施形態、および、第2変形例では、報知部5として、Cアーム移動機構7bの一方側と他方側とに設けられた発光部5aを含む構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、報知部5として、Cアーム移動機構7bの周囲全面に亘って1つの発光部が設けられていてもよい。また、報知部5として、移動機構7の上面に突出する1つの発光部を備える構成であってもよい。移動機構7の一方側および他方側のどちら側に操作者などがいる場合でも、第2撮影装置構成部材3bが第1撮影装置構成部材3aと連動して移動することを報知することが可能であれば、発光部5aの配置および個数は問わない。
【0106】
また、上記実施形態、第1変形例および第2変形例では、制御部が、第1撮影装置構成部材3aの所定の位置への移動に連動して第2撮影装置構成部材3bを移動させる際に報知を行う構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部は、第1撮影装置構成部材3aを任意の位置に移動させる際に、第2撮影装置構成部材3bが干渉することを抑制するために、第2撮影装置構成部材3bを移動させる際に、報知部5によって報知を行うように構成されていてもよい。
【0107】
また、上記実施形態、第1変形例および第2変形例では、入力受付部4が、操作者が手で操作する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、入力受付部4は、操作者が足で操作する、いわゆる、フットスイッチとして構成されていてもよい。また、入力受付部4は、操作者が手で操作する、いわゆる、ハンドスイッチと、操作者が足で操作する、いわゆる、フットスイッチとの両方を含んでいてもよい。
【0108】
また、上記実施形態、第1変形例および第2変形例では、制御部が、第1撮影装置構成部材3aと同時に、かつ、並行して第2撮影装置構成部材3bを移動させる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部は、第2撮影装置構成部材3bを移動させた後に、第1撮影装置構成部材3aを移動させるように構成されていてもよい。第1操作入力によって第1撮影装置構成部材3aと第2撮影装置構成部材3bとを移動させれば、同時に移動させても順番に移動させてもよい。
【0109】
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0110】
(項目1)
被験者にX線を照射するX線源と、
前記X線源から照射されたX線を検出するX線検出器と、
前記X線源および前記X線検出器を対向させた状態で保持するCアームと、前記被験者が載置される天板と、前記被験者のX線画像を表示する表示部と、を含む複数の撮影装置構成部材と、
操作者の操作入力を受け付ける入力受付部と、
前記複数の撮影装置構成部材のうちのいずれかが移動することを報知する報知部と、
前記複数の撮影装置構成部材のうちの第1撮影装置構成部材を移動させる第1操作入力に基づいて前記第1撮影装置構成部材を移動させる制御を行う際に、前記複数の撮影装置構成部材のうちの前記第1撮影装置構成部材とは異なる第2撮影装置構成部材を前記第1撮影装置構成部材の移動と連動して移動させる制御を行う場合に、前記第2撮影装置構成部材が移動することを前記報知部によって報知させる制御を行う制御部と、を備える、X線透視撮影装置。
【0111】
(項目2)
前記制御部は、前記第1撮影装置構成部材の移動と連動して前記第2撮影装置構成部材を移動させる移動モードの入力を第2操作入力として受け付けた際に、前記第1操作入力に基づいて前記第1撮影装置構成部材の移動を開始する前に、予め前記報知部によって報知させる制御を行うように構成されている、項目1に記載のX線透視撮影装置。
【0112】
(項目3)
前記制御部は、前記第2操作入力を受け付けた際に、前記第1撮影装置構成部材の移動に連動して前記第2撮影装置構成部材を移動させるか否かの判定を行うとともに、前記第2撮影装置構成部材を前記第1撮影装置構成部材の移動に連動して移動させる場合には、前記報知部による報知を行い、前記第2撮影装置構成部材を前記第1撮影装置構成部材の移動に連動して移動させない場合には、前記報知部による報知を行わないように構成されている、項目2に記載のX線透視撮影装置。
【0113】
(項目4)
前記制御部は、前記第1操作入力に基づいて前記第1撮影装置構成部材を所定の位置に移動させる際に、前記第2撮影装置構成部材の移動前の位置である現在位置と、前記第2撮影装置構成部材の移動後の位置である目的位置とを取得するとともに、前記現在位置と前記目的位置とが異なる場合には、前記報知部に報知させる制御を行い、前記現在位置と前記目的位置とが同じ場合には、前記報知部による報知を行わないように構成されている、項目3に記載のX線透視撮影装置。
【0114】
(項目5)
前記複数の撮影装置構成部材の少なくとも2つを移動させる複数の移動機構をさらに備え、
前記報知部は、前記第2撮影装置構成部材、および、前記複数の移動機構のうち前記第2撮影装置構成部材を移動させる移動機構の少なくとも一方に設けられている、項目2~4のいずれか1項に記載のX線透視撮影装置。
【0115】
(項目6)
前記報知部は、前記第2撮影装置構成部材を移動させる移動機構の一方側および他方側に設けられている、項目5に記載のX線透視撮影装置。
【0116】
(項目7)
前記天板を移動させる天板移動機構と、前記Cアームを移動させるCアーム移動機構と、をさらに備え、
前記制御部は、前記第1撮影装置構成部材としての前記天板の前記天板移動機構による移動に連動して、前記第2撮影装置構成部材としての前記Cアームを前記Cアーム移動機構によって移動させる制御を行う場合に、前記Cアームが移動することを前記報知部によって報知させる制御を行うように構成されている、項目1~6のいずれか1項に記載のX線透視撮影装置。
【0117】
(項目8)
前記Cアームを移動させるCアーム移動機構と、前記表示部を移動させる表示部移動機構と、をさらに備え、
前記制御部は、前記第1撮影装置構成部材としての前記Cアームの前記Cアーム移動機構による移動に連動して、前記第2撮影装置構成部材としての前記表示部を前記表示部移動機構によって移動させる場合に、前記表示部が移動することを前記報知部によって報知させる制御を行うように構成されている、項目1~6のいずれか1項に記載のX線透視撮影装置。
【0118】
(項目9)
前記報知部は、光を出力することにより報知する発光部を含む、項目1~8のいずれか1項に記載のX線透視撮影装置。
【0119】
(項目10)
前記報知部は、報知音を出力するスピーカをさらに含む、項目1~9のいずれか1項に記載のX線透視撮影装置。
【符号の説明】
【0120】
1 X線源
2 X線検出器
3 複数の撮影装置構成部材
3a 第1撮影装置構成部材
3b 第2撮影装置構成部材
4 入力受付部
5 報知部
5a 発光部
5b スピーカ
7 複数の移動機構
7a 天板移動機構
7b Cアーム移動機構
7c 表示部移動機構
10 X線画像
30 Cアーム
31 天板
32 表示部
50、52 現在位置
51、53 目的位置
60、62、63 制御部
90 被験者
100、200、300 X線透視撮影装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11