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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20240814BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240814BHJP
   B41J 29/13 20060101ALI20240814BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
G03G21/16 133
G03G21/16 109
G03G21/00 370
B41J29/13
B41J29/00 E
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020199015
(22)【出願日】2020-11-30
(65)【公開番号】P2022086806
(43)【公開日】2022-06-09
【審査請求日】2023-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】春田 晃太郎
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-168977(JP,A)
【文献】特開2004-334035(JP,A)
【文献】特開2004-010188(JP,A)
【文献】特開2012-051733(JP,A)
【文献】特開2014-076896(JP,A)
【文献】特開2014-027366(JP,A)
【文献】特開2017-154352(JP,A)
【文献】特開2013-228540(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0048003(US,A1)
【文献】中国実用新案第204374613(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00-29/70
B65H 31/00-31/40
G03G 13/00
13/34-15/00
15/36
21/00-21/02
21/14-21/20
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有する筐体と、
第1カバーと、前記第1カバーを囲む第2カバーとを有し、前記開口を覆うトップカバーと、を備え、
前記第1カバーは、
排出されたシートを支持する第1排出トレイ部と、
前記第1排出トレイ部に支持されたシートの下方に位置し、シート排出方向に沿って前記第1排出トレイ部のシート排出方向下流端まで延びる第1凹部と、
操作パネルと、を備え、
前記第2カバーは、
前記第1排出トレイ部のシート排出方向下流端に連続して配置され、前記第1排出トレイ部とともに排出されたシートを支持する第2排出トレイ部と、
前記第1凹部のシート排出方向下流端に連続して配置され、前記第1凹部とともにシート手掛部を構成する第2凹部と、
近距離無線通信を行うための近距離無線通信部と、を備え
前記近距離無線通信部は、アンテナ部と、前記アンテナ部の位置を示すマークと、を含む画像形成装置。
【請求項2】
シート排出方向において、前記第2凹部の長さは、前記第1凹部の長さよりも短いことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1凹部及び前記第2凹部は、平坦な底面と、底面から上方へ延びる傾斜面とを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2凹部は、前記アンテナ部及び前記マークよりもシート排出方向上流に位置することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記近距離無線通信部は、前記アンテナ部を覆う第3カバーを備え、
前記第2凹部の少なくとも一部と前記第3カバーは、上方から見てシート排出方向と直交する直交方向において重なっていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1凹部の少なくとも一部と前記操作パネルとは、上方から見てシート排出方向と直交する直交方向において重なっていることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記トップカバーは、排出されたシートのシート排出方向下流端を規制する規制部を備え、
前記シート手掛部は、上方から見てシート排出方向と直交する直交方向において、前記規制部の両側に配置されることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
シート排出方向において、前記規制部の長さは、前記第1凹部の長さよりも短いことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第2カバーは、前記画像形成装置の電源のオン、オフを切り替える電源ボタンを含み、
前記近距離無線通信部は、上方から見てシート排出方向と直交する直交方向において、前記第2カバーの一端側に配置され、
前記電源ボタンは、前記直交方向において前記第2カバーの他端側に配置されることを特徴とする請求項1から請求項8の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第1排出トレイ部は、シート排出方向に沿って前記第1排出トレイ部のシート排出方向下流端まで延びる複数のリブを備え、
前記第1排出トレイ部のシート排出方向下流端は、前記第2排出トレイ部のシート排出方向上流端より上方に位置していることを特徴とする請求項1から請求項9の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記第1凹部は、上方から見てシート排出方向と直交する直交方向において、前記複数のリブと重なっていることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記第1凹部は、上方から見てシート排出方向と直交する直交方向において、前記複数のリブのうちの1つと、前記複数のリブのうちの他の1つとの間に配置されていることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、排出されたシートを取り出しやすくするために、凹形状のシート手掛部が設けられた画像形成装置が知られている。例えば、特許文献1には、排出されたシートを支持する排出トレイの前方にシート手掛部が配置された構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-228540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の構成では、シート手掛部を配置するスペースが排出トレイの前方に必要である。そのため、画像形成装置のシート排出方向の長さを短く構成しようとすると、シート手掛部を配置できないため、画像形成装置の小型化が難しかった。
【0005】
本発明は、第1カバーと第1カバーを囲む第2カバーとを有するトップカバーを備えた画像形成装置において、トップカバーにシート手掛部を設けるとともに、トップカバーのシート排出方向の長さを短くすることができる構成を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、開口を有する筐体を備える。また画像形成装置は、第1カバーと、前記第1カバーを囲む第2カバーとを有し、前記開口を覆うトップカバーを備える。前記第1カバーは、排出されたシートを支持する第1排出トレイ部と、前記第1排出トレイ部に支持されたシートの下方に位置し、シート排出方向に沿って前記第1排出トレイ部のシート排出方向下流端まで延びる第1凹部と、を備える。前記第2カバーは、前記第1排出トレイ部のシート排出方向下流端に連続して配置され、前記第1排出トレイ部とともに排出されたシートを支持する第2排出トレイ部と、前記第1凹部のシート排出方向下流端に連続して配置され、前記第1凹部とともにシート手掛部を構成する第2凹部と、を備える。
【0007】
上記の構成によれば、シート手掛部を第1カバーから第2カバーまで延ばすことにより、第1カバーにのみ設ける場合よりもトップカバーのシート排出方向の長さを短くすることができ、画像形成装置を小型化することができる。
【0008】
上記の画像形成装置は、シート排出方向において、前記第2凹部の長さは、前記第1凹部の長さよりも短くてもよい。
【0009】
また上記の画像形成装置において、前記第1凹部及び前記第2凹部は、平坦な底面と、底面から上方へ延びる傾斜面とを有していてもよい。
【0010】
また上記の画像形成装置において、前記第1カバーは、操作パネルを備え、前記第2カバーは、近距離無線通信を行うための近距離無線通信部を備え、前記近距離無線通信部は、アンテナ部と、前記アンテナ部の位置を示すマークと、を含んでいてもよい。
【0011】
また上記の画像形成装置において、前記第2凹部は、前記アンテナ部及び前記マークよりもシート排出方向上流に位置していてもよい。
【0012】
また上記の画像形成装置において、前記近距離無線通信部は、前記アンテナ部を覆う第3カバーを備え、前記第2凹部の少なくとも一部と前記第3カバーは、上方から見てシート排出方向と直交する直交方向において重なっていてもよい。
【0013】
上記の構成によれば、第2カバーのシート排出方向の長さを短くすることができ、画像形成装置を小型化することができる。
【0014】
また上記の画像形成装置において、前記第1凹部の少なくとも一部と前記操作パネルとは、上方から見てシート排出方向と直交する直交方向において重なっていてもよい。
【0015】
上記の構成によれば、第1カバーのシート排出方向下流端付近に操作パネルが配置されるため、シート排出方向下流から操作しやすい。
【0016】
また上記の画像形成装置において、前記トップカバーは、排出されたシートのシート排出方向下流端を規制する規制部を備え、前記シート手掛部は、上方から見てシート排出方向と直交する直交方向において、前記規制部の両側に配置されていてもよい。
【0017】
上記の構成によれば、排出されたシートを両側のどちらからでも取り出しやすい。
【0018】
また上記の画像形成装置は、シート排出方向において、前記規制部の長さは、前記第1凹部の長さよりも短くてもよい。
【0019】
また上記の画像形成装置において、前記第2カバーは、前記画像形成装置の電源のオン、オフを切り替える電源ボタンを含み、前記近距離無線通信部は、上方から見てシート排出方向と直交する直交方向において、前記第2カバーの一端側に配置され、前記電源ボタンは、前記直交方向において前記第2カバーの他端側に配置されていてもよい。
【0020】
上記の構成によれば、第2カバーにおける近距離無線通信部とは反対側の空いたスペースに電源ボタンを配置することができる。
【0021】
また上記の画像形成装置において、前記第1排出トレイ部は、シート排出方向に沿って前記第1排出トレイ部のシート排出方向下流端まで延びる複数のリブを備え、前記第1排出トレイ部のシート排出方向下流端は、前記第2排出トレイ部のシート排出方向上流端より上方に位置していてもよい。
【0022】
上記の構成によれば、第1排出トレイ部と第2排出トレイ部との境界において、第1排出トレイ部が第2排出トレイ部より高く形成され、第1排出トレイ部にはさらにリブが形成されているため、排出されたシートの先端が第1排出トレイ部から第2排出トレイ部へスムーズに案内される。
【0023】
また上記の画像形成装置において、前記第1凹部は、上方から見てシート排出方向と直交する直交方向において、前記複数のリブと重なっていてもよい。
【0024】
また上記の画像形成装置において、前記第1凹部は、上方から見てシート排出方向と直交する直交方向において、前記複数のリブのうちの1つと、前記複数のリブのうちの他の1つとの間に配置されていてもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、シート手掛部を第1カバーから第2カバーまで延ばすことにより、第1カバーにのみ設ける場合よりもトップカバーのシート排出方向の長さを短くすることができ、画像形成装置を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】一実施形態の画像形成装置の斜視図である。
図2図1の画像形成装置の平面図である。
図3】トップカバーの拡大斜視図である。
図4図2のA-A断面図である。
図5図4のB部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の説明では、図1に示すように画像形成装置1が使用可能に設置された状態を基準とし、排出トレイ31におけるシート排出方向を前、その反対側を後とし、画像形成装置1を前側から見て左右方向を規定し、さらに画像形成装置1のトップカバー3側を上、筐体2側を下とし、各方向を定める。本実施形態において、トップカバー3上面における各部材の前端はシート排出方向下流端である。また、左右方向は上方から見てシート排出方向と直交する直交方向の一例である。
【0028】
[画像形成装置の全体構成]
図1は本発明の一実施形態の画像形成装置1の斜視図、図2は画像形成装置1の平面図である。画像形成装置1は、筐体2と、トップカバー3とを備える。筐体2は、各部材を支持するフレーム(不図示)と、フレームを覆い外観を構成するカバー21とを備える。カバー21は、上面全体に第1開口部21Aを有し、前面下部に第2開口部21Bを有する。
【0029】
筐体2には、画像形成前のシートを支持するシートトレイ5と、シートトレイ5からシートを搬送する搬送機構と、搬送機構によって搬送されてきたシートに画像を形成する画像形成部と、画像形成部から筐体2外へシートを搬送する排出機構とが収容されている。
【0030】
シートトレイ5は、第2開口部21Bを通じて前後方向に移動させることで、筐体2に対して挿抜可能となっている。画像形成部の構成には特に限定はなく、電子写真方式、インクジェット方式、サーマルヘッド方式などの構成を用いることができる。本実施形態において、画像形成部は、カラー印刷が可能な、いわゆるダイレクトタンデム方式のものであり、前後方向に並設される4つのドラムユニットと、露光用LEDヘッド30(図4参照)と、定着部とを備える。
【0031】
トップカバー3は、画像形成装置1の上部を構成する部材である。トップカバー3は、筐体2の後上部にヒンジ39(図4参照)によって揺動可能に取り付けられ、第1開口部21Aを覆う閉位置(図1に示す位置)と第1開口部21Aを開放する開位置との間で開閉可能である。なお、トップカバー3は、筐体2に開閉不能に固定されていてもよい。
【0032】
トップカバー3は、上面に排出機構によって排出されるシートを支持する排出トレイ31を備える。排出トレイ31はトップカバー3の上面に後側から前側に向かって凸状に湾曲しつつ登るように傾斜した形状を有している。これにより、画像が形成されたシートは、排出機構によって後側から前側に向かって排出トレイ31に排出される。
【0033】
また、トップカバー3は、排出トレイ31に排出されたシートの下に手を入れてシートを取り出しやすくするための2つのシート手掛部32を備える。シート手掛部32は、左右方向において、後述する規制部36の両側に配置される。これにより、排出されたシートを左右のどちらからでも取り出しやすい。以下に、トップカバー3について詳しく説明する。
【0034】
[トップカバー]
図3はトップカバー3の拡大斜視図、図4図2のA-A断面図、図5図4のB部分の拡大図である。トップカバー3は、第1カバー33と、第2カバー34とを備える。第1カバー33は、上方から見て略矩形のカバーである。第2カバー34は、第1カバー33の前後左右を囲むカバーである。第1カバー33と第2カバー34とは、上面の平坦面部分が面一になるように配置されている。第1カバー33と第2カバー34とを異なる色の部材で構成することにより、意匠性が向上する。
【0035】
<第1カバー>
図2から図4に示すように、第1カバー33は、排出トレイ31の一部である第1排出トレイ部311と、操作パネル35と、規制部36と、シート手掛部32の一部である第1凹部321とを備える。
【0036】
(第1排出トレイ部)
第1排出トレイ部311は、排出トレイ31のうち第1カバー33に形成された部分であり、第1カバー33の上面に後側から前側に向かう傾斜面311Aとそれに続く水平面311Bとで構成される。第1排出トレイ部311は第1カバー33の前端まで形成される。
【0037】
第1排出トレイ部311は、傾斜面311A及び水平面311Bの上面から突出し、シート排出方向に沿って延びる複数のリブ312を有する。リブ312は、第1排出トレイ部311の前端まで延びる複数のリブ312Aと、第1凹部321の後端近傍まで延びる複数のリブ312Bとで構成される。リブ312により排出されるシートの搬送抵抗が軽減され、シートがスムーズに排出される。
【0038】
(操作パネル)
操作パネル35は、第1カバー33における左前端であって第1排出トレイ部311の左方に配置される。操作パネル35は、表示部351と、操作部352と、カバー353とを備える。表示部351は、液晶パネル等の表示具で構成される。操作部352は、タッチパネルや操作ボタン等の操作具で構成される。カバー353は、表示部351及び操作部352を露出する開口部を有し、上方から見て略矩形であって側方から見て略三角形に形成されている。なお、操作パネル35の配置には特に限定はなく、例えば、第1カバー33における右前端に配置されてもよい。
【0039】
(規制部)
規制部36は、排出トレイ31に排出されたシートのシート排出方向下流端を規制する略矩形の板状部材である。規制部36は、第1排出トレイ部311の左右中央であって、第1排出トレイ部311の前端部の窪み部分に配置され、第1排出トレイ部311の前端に回動可能に支持される。
【0040】
規制部36は、第1カバー33の上面に沿って水平に位置する収納位置(図1に実線で示す位置)と、先端部が斜め前方に立ち上がった使用位置(図1に二点鎖線で示す位置)との間で揺動可能である。規制部36が使用位置にあるとき、排出トレイ31に排出されたシートの前端が規制部36に当接してシートが排出トレイ31上に規制される。
【0041】
(第1凹部)
第1凹部321は、シート手掛部32のうち第1カバー33に形成された部分である。第1凹部321は、第1排出トレイ部311に支持されたシートの下方に位置し、シート排出方向に沿って第1排出トレイ部311の前端まで延びる凹部である。
【0042】
2つの第1凹部321は左右対称な形状を有している。本実施形態において、第1凹部321は、水平方向に延びる平坦な底面321Aと、底面321Aの前端以外の周囲から斜め上方へ広がるように延びる傾斜面321Bとで構成される。なお、第1凹部321の形状には特に限定はなく、例えば略直方体の形状であってもよい。
【0043】
第1凹部321の少なくとも一部と操作パネル35とは、上方から見て左右方向において重なっていることが好ましい。本実施形態では、図2に示すように、第1凹部321の全部と操作パネル35とが、上方から見て左右方向において重なっている。これにより、第1カバー33の前端付近に操作パネル35が配置されることになるため、ユーザは画像形成装置1の前側から操作パネル35を視認及び操作しやすい。
【0044】
また図2に示すように、シート排出方向において、第1凹部321の長さが規制部36の長さより長いことが好ましい。また図2に示すように、第1凹部321は、上方から見て左右方向において、リブ312Aと重なっていることが好ましい。また図2に示すように、第1凹部321は、上方から見て左右方向において、リブ312Aのうちの1つと、リブ312Aのうちの他の1つとの間に配置されていることが好ましい。
【0045】
<第2カバー>
図2から図4に示すように、第2カバー34は、排出トレイ31の一部である第2排出トレイ部313と、近距離無線通信部37と、電源ボタン38と、シート手掛部32の一部である第2凹部322とを備える。
【0046】
(第2排出トレイ部)
第2排出トレイ部313は、排出トレイ31のうち第2カバー34に形成された部分である。第2排出トレイ部313は、第1排出トレイ部311の前端に連続して配置される。
【0047】
図5に示すように、第2カバー34における第1カバー33の前端との境界部分は、後方向へ下がる傾斜面34Aとなっている。これにより、第1排出トレイ部311の前端は、第2排出トレイ部313の後端より上方に位置する。
【0048】
よって、第1排出トレイ部311の前端と第2排出トレイ部313の後端との境界において、第1排出トレイ部311が第2排出トレイ部313より高く形成され、第1排出トレイ部311にはさらにリブ312Aが形成されているため、排出されたシートの先端が第1排出トレイ部311から第2排出トレイ部313へ引っ掛かることなくスムーズに案内される。
【0049】
(近距離無線通信部)
図2及び図4に示すように、近距離無線通信部37は、第2カバー34の左前部に配置されている。なお、近距離無線通信部37は、第2カバー34における第2排出トレイ部313以外の部分に配置されていればよく、例えば、第2カバー34の右前部に配置されていてもよい。
【0050】
近距離無線通信部37は、ICカードやスマートフォン等の外部機器と近距離無線通信を行うための部材である。本実施形態において、近距離無線通信部37はNFC(Near Field Communication)を用いている。近距離無線通信部37は、基板371と、アンテナ部372と、基板371及びアンテナ部372を覆う第3カバー373と、マーク374とを備える。
【0051】
基板371は、略矩形の板状の回路基板であり、アンテナ部372をはじめ通信回路や検出回路等を搭載している。通信回路は、送受信される電波を信号処理する機能を有する。検出回路は、アンテナ部372に流れる電流を検出することにより、アンテナ部372にて送受信される電波の強度を検出する機能を有する。
【0052】
基板371は、第2カバー34における上面の左前部に形成された略矩形の開口部34Bの直下に、第2カバー34の上面と平行に配置される。アンテナ部372は、基板371の上面の略中央に搭載されたループアンテナである。アンテナ部372は、外部機器と通信するための電波を送受信する機能を有する。
【0053】
第3カバー373は、開口部34Bを塞ぎ、第2カバー34の上面と面一に取り付けられるカバーである。マーク374は、アンテナ部372の位置を示すマークであり、第3カバー373の上面であってアンテナ部372に対向する位置に印刷される。本実施形態において、マーク374は第3カバー373の中央に配置されている。
【0054】
このような構成により、ユーザは、マーク374を目安にして外部機器を近づけることで、外部機器と画像形成装置1との間で無線通信させることができる。なお、マーク374は、例えば、第3カバー373の一部を透光性部材で構成し、透光性部材の直下に発光ダイオード等の光源を配置してマークが光る構成としてもよい。また、マーク374の大きさや形状には特に限定はない。
【0055】
(電源ボタン)
図2及び図3に示すように、電源ボタン38は、画像形成装置1の電源のオン、オフを切り替えるための操作具である。電源ボタン38は、第2カバー34の右前部に配置されている。なお、電源ボタン38は、第2カバー34における第2排出トレイ部313以外の部分に配置されていればよく、例えば、第2カバー34の左前部に配置されていてもよい。
【0056】
本実施形態のように、第2カバー34の左右方向において、一端側に近距離無線通信部37が配置され、他端側に電源ボタン38が配置されることが好ましい。これにより、第2カバー34における近距離無線通信部37とは反対側の空いたスペースに電源ボタン38を配置することができる。
【0057】
(第2凹部)
図2から図4に示すように、第2凹部322は、シート手掛部32のうち第2カバー34に形成された部分であり、第1凹部321の前端に連続して配置される。第2凹部322は、第2排出トレイ部313に支持されたシートの下方に位置し、シート排出方向に沿って第2排出トレイ部313の途中まで延びる凹部である。
【0058】
2つの第2凹部322は左右対称な形状を有している。本実施形態において、第2凹部322は、第1凹部321と同様に、水平方向に延びる平坦な底面322Aと、底面322Aの後端以外の周囲から斜め上方へ広がるように延びる傾斜面322Bと、底面322Aの後端から斜め下方へ延びる傾斜面322Cとで構成される。なお、第2凹部322の形状には特に限定はなく、例えば略直方体の形状であってもよい。
【0059】
第2凹部322の少なくとも一部と第3カバー373は、上方から見て左右方向において重なっていることが好ましい。本実施形態では、図2に示すように、第2凹部322の前半分と操作パネル35の後部とが、上方から見て左右方向において重なっている。これにより、第2カバー34のシート排出方向の長さを短くすることができ、画像形成装置1を小型化することができる。
【0060】
また、シート排出方向において、第2凹部322の長さは、第1凹部321の長さよりも短いことが好ましい。また、第2凹部322は、アンテナ部372及びマーク374よりもシート排出方向上流である後方に位置することが好ましい。
【0061】
このような画像形成装置1によれば、シート手掛部32を第1カバー33から第2カバー34まで延ばすことにより、第1カバー33にのみ設ける場合よりもトップカバー3の前後方向の長さを短くすることができ、画像形成装置1を小型化することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 画像形成装置
2 筐体
3 トップカバー
21A 第1開口部(開口)
32 シート手掛部
33 第1カバー
34 第2カバー
35 操作パネル
36 規制部
37 近距離無線通信部
38 電源ボタン
311 第1排出トレイ部
312A リブ
313 第2排出トレイ部
321 第1凹部
321A、322A 底面
321B、322B 傾斜面
322 第2凹部
372 アンテナ部
373 第3カバー
374 マーク
図1
図2
図3
図4
図5