(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】遠隔支援装置、遠隔支援方法、及び遠隔支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/09 20060101AFI20240814BHJP
B60W 40/09 20120101ALI20240814BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20240814BHJP
B60W 30/095 20120101ALI20240814BHJP
【FI】
G08G1/09 V
B60W40/09
B60W60/00
B60W30/095
(21)【出願番号】P 2020208624
(22)【出願日】2020-12-16
【審査請求日】2023-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平野 大輔
(72)【発明者】
【氏名】武藤 健二
(72)【発明者】
【氏名】竹中 一仁
(72)【発明者】
【氏名】吉永 諭史
【審査官】増子 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-185280(JP,A)
【文献】特開2020-144650(JP,A)
【文献】特開2017-117080(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
B60W 10/00 - 10/30
B60W 30/00 - 60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転支援センタによる管理対象領域内の自動運転車両に対して遠隔支援を行う遠隔支援装置(20)であって、
前記自動運転車両から、前記自動運転車両の位置情報を含む支援要求情報を取得する取得部(21A)と、
前記取得部により取得された支援要求情報に応じて、オペレータが過去に応答した判定シーンのログであるオペレータ判定ログを含むデータベース(25B)から、前記位置情報により示される地点を含む特定の領域において前記オペレータによって直近に応答された判定シーンを取得し、取得した判定シーンに基づいて、前記自動運転車両のシーンを、追い越しすべきシーン及び待機すべきシーンのいずれかに分類する分類部(21B)と、
前記分類部により前記自動運転車両のシーンが前記追い越しすべきシーンに分類された場合に、前記オペレータの直近の応答に基づく自動応答を有効な応答として出力する期間を表す有効期間を、前記待機すべきシーンに分類された場合よりも短く設定する設定部(21B)と、
前記オペレータによる直近の応答から前記支援要求情報を取得するまでの期間が前記有効期間以内である場合、前記自動応答を前記自動運転車両に出力する指示を行い、前記オペレータによる直近の応答から前記支援要求情報を取得するまでの期間が前記有効期間を超える場合、前記自動応答を中止し、前記オペレータに今回の判定シーンを登録させる指示を行う指示部(21B)と、
を備えた遠隔支援装置。
【請求項2】
前記設定部は、前記特定の領域が、前記待機すべきシーンの発生頻度が予め設定された閾値以上の領域である場合、又は、前記待機すべきシーンの発生頻度が前記追い越しすべきシーンの発生頻度よりも高い領域である場合、前記追い越しすべきシーンの前記有効期間を、前記待機すべきシーンの前記有効期間よりも短く設定する
請求項
1に記載の遠隔支援装置。
【請求項3】
前記設定部は、前記特定の領域が、前記追い越しすべきシーンの発生頻度が予め設定された閾値以上の領域である場合、又は、前記追い越しすべきシーンの発生頻度が前記待機すべきシーンの発生頻度よりも高い領域である場合、前記追い越しすべきシーンの前記有効期間を、前記待機すべきシーンの前記有効期間以上に設定する
請求項
1に記載の遠隔支援装置。
【請求項4】
前記オペレータ判定ログは、前記オペレータの直近の応答を受け付けた直近の自動運転車両から得られた第1センシング情報を更に含み、
前記支援要求情報は、前記自動運転車両から得られた第2センシング情報を更に含み、
前記分類部は、前記第1センシング情報と、前記第2センシング情報との類似度に基づいて、前記自動運転車両のシーンを、前記追い越しすべきシーン及び前記待機すべきシーンのいずれかに分類する
請求項1に記載の遠隔支援装置。
【請求項5】
前記指示部は、前記オペレータによる直近の応答から前記支援要求情報を取得するまでの期間に対する前記有効期間の残り時間が一定時間以上であり、かつ、前記類似度が第1閾値以上である場合、又は、前記オペレータによる直近の応答から前記支援要求情報を取得するまでの期間に対する前記有効期間の残り時間が前記一定時間未満であり、かつ、前記類似度が前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上である場合、前記自動応答を前記自動運転車両に出力する指示を行
う
請求項
4に記載の遠隔支援装置。
【請求項6】
前記指示部は、前記類似度が閾値以上である場合、前記オペレータによる直近の応答から前記支援要求情報を取得するまでの期間が前記有効期間以内であれば前記自動応答を前記自動運転車両に出力する指示を行い、前記類似度が前記閾値未満である場合、前記オペレータによる直近の応答から前記支援要求情報を取得するまでの期間が前記有効期間以内であっても前記自動応答を中止し、前記オペレータに今回の判定シーンを登録させる指示を行
う
請求項
4に記載の遠隔支援装置。
【請求項7】
前記閾値は、前記オペレータによる直近の応答から前記支援要求情報を取得するまでの期間に対する前記有効期間の残り時間が少なくなるほど、大きな値とされる
請求項
6に記載の遠隔支援装置。
【請求項8】
前記オペレータ判定ログを用いて、判定シーン毎に、判定シーンの発生頻度と判定シーンの継続時間との関係を表す継続時間分布を算出する算出部(21E)を更に備え、
前記設定部は、前記算出部により算出された継続時間分布に基づいて、前記自動運転車両のシーンに応じた前記有効期間を設定する
請求項1~請求項
7の何れか1項に記載の遠隔支援装置。
【請求項9】
前記算出部は、判定シーン及び当該判定シーンに対応付けられた場所毎、又は、判定シーン及び当該判定シーンに対応付けられた時間帯毎、又は、判定シーン及び当該判定シーンに対応付けられた車種毎に、前記継続時間分布を算出する
請求項
8に記載の遠隔支援装置。
【請求項10】
前記算出部は、前記継続時間分布に基づいて前記有効期間を算出し、算出した前記有効期間を前記オペレータ判定ログに対応付けて前記データベースに登録する
請求項
8又は請求項
9に記載の遠隔支援装置。
【請求項11】
自動運転支援センタによる管理対象領域内の自動運転車両に対して遠隔支援を行う遠隔支援装置による遠隔支援方法であって、
前記自動運転車両から、前記自動運転車両の位置情報を含む支援要求情報を取得し、
前記取得された支援要求情報に応じて、オペレータが過去に応答した判定シーンのログであるオペレータ判定ログを含むデータベースから、前記位置情報により示される地点を含む特定の領域において前記オペレータによって直近に応答された判定シーンを取得し、取得した判定シーンに基づいて、前記自動運転車両のシーンを、追い越しすべきシーン及び待機すべきシーンのいずれかに分類し、
前記自動運転車両のシーンが前記追い越しすべきシーンに分類された場合に、前記オペレータの直近の応答に基づく自動応答を有効な応答として出力する期間を表す有効期間を、前記待機すべきシーンに分類された場合よりも短く設定
し、
前記オペレータによる直近の応答から前記支援要求情報を取得するまでの期間が前記有効期間以内である場合、前記自動応答を前記自動運転車両に出力する指示を行い、前記オペレータによる直近の応答から前記支援要求情報を取得するまでの期間が前記有効期間を超える場合、前記自動応答を中止し、前記オペレータに今回の判定シーンを登録させる指示を行う、
遠隔支援方法。
【請求項12】
自動運転支援センタによる管理対象領域内の自動運転車両に対して遠隔支援を行う遠隔支援装置の遠隔支援プログラム(25A)であって、
コンピュータを、
前記自動運転車両から、前記自動運転車両の位置情報を含む支援要求情報を取得する取得部(21A)、
前記取得部により取得された支援要求情報に応じて、オペレータが過去に応答した判定シーンのログであるオペレータ判定ログを含むデータベース(25B)から、前記位置情報により示される地点を含む特定の領域において前記オペレータによって直近に応答された判定シーンを取得し、取得した判定シーンに基づいて、前記自動運転車両のシーンを、追い越しすべきシーン及び待機すべきシーンのいずれかに分類する分類部(21B)
、
前記分類部により前記自動運転車両のシーンが前記追い越しすべきシーンに分類された場合に、前記オペレータの直近の応答に基づく自動応答を有効な応答として出力する期間を表す有効期間を、前記待機すべきシーンに分類された場合よりも短く設定する設定部(21B)、
及び、
前記オペレータによる直近の応答から前記支援要求情報を取得するまでの期間が前記有効期間以内である場合、前記自動応答を前記自動運転車両に出力する指示を行い、前記オペレータによる直近の応答から前記支援要求情報を取得するまでの期間が前記有効期間を超える場合、前記自動応答を中止し、前記オペレータに今回の判定シーンを登録させる指示を行う指示部(21B)
として機能させるための遠隔支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、遠隔支援装置、遠隔支援方法、及び遠隔支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動運転支援センタから自動運転車両を遠隔支援する技術がある。例えば、走行中の自動運転車両が何らかの障害で停車した場合、自動運転支援センタに対して支援要求を行う。自動運転支援センタのオペレータは、支援要求に応じて、路上駐車、工事等のシーンを判定し、その判定シーンに基づく応答を自動運転車両に対して行う。その後、支援要求のあった地点を走行する自動運転車両に対して、支援要求に応じて、オペレータの応答に基づく自動応答が行われる。
【0003】
例えば、特許文献1には、自動運転車両を遠隔制御する管制装置が記載されている。管制装置は、遠隔制御が実施された場合に、遠隔制御の対象となった自動運転車両である対象車から取得した位置情報と、対象車のセンサ類によって収集されたセンシングデータとを含む地点データを登録する登録部を備える。また、管制装置は、遠隔制御を実行する場合、登録部によって登録された地点データのうち、対象車から取得した現在の地点データと類似する地点データが利用可能なときは、類似する地点データを利用して遠隔制御による走行を指示する第1の遠隔制御を選択し、類似する地点データが利用可能でないときは、オペレータによってインターフェースに入力される指令を受け付け、指令に基づき遠隔制御による走行を指示する第2の遠隔制御を選択する選択部を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の技術では、地点データが類似する場合には同一の自動応答が行われる。しかしながら、自動応答をいつまで継続させるか有効期間が定められていない場合がある。この場合、実際には別の障害が発生しているにも関わらず、以前と同じ自動応答が行われ、自動運転車両が誤った挙動をとってしまう可能性がある。このため、自動応答の精度を向上させることが望まれる。
【0006】
本開示は、自動運転車両に対する遠隔支援を行う際の自動応答の精度を向上させることができる遠隔支援装置、遠隔支援方法、及び遠隔支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本開示の第1態様に係る遠隔支援装置(20)は、自動運転支援センタによる管理対象領域内の自動運転車両に対して遠隔支援を行う遠隔支援装置であって、前記自動運転車両から、前記自動運転車両の位置情報を含む支援要求情報を取得する取得部(21A)と、前記取得部により取得された支援要求情報に応じて、オペレータが過去に応答した判定シーンのログであるオペレータ判定ログを含むデータベース(25B)から、前記位置情報により示される地点を含む特定の領域において前記オペレータによって直近に応答された判定シーンを取得し、取得した判定シーンに基づいて、前記自動運転車両のシーンを、追い越しすべきシーン及び待機すべきシーンのいずれかに分類する分類部(21B)と、前記分類部により前記自動運転車両のシーンが前記追い越しすべきシーンに分類された場合に、前記オペレータの直近の応答に基づく自動応答を有効な応答として出力する期間を表す有効期間を、前記待機すべきシーンに分類された場合よりも短く設定する設定部(21B)と、を備えている。
【0008】
本開示の第2態様に係る遠隔支援方法は、自動運転支援センタによる管理対象領域内の自動運転車両に対して遠隔支援を行う遠隔支援装置による遠隔支援方法であって、前記自動運転車両から、前記自動運転車両の位置情報を含む支援要求情報を取得し、前記取得された支援要求情報に応じて、オペレータが過去に応答した判定シーンのログであるオペレータ判定ログを含むデータベースから、前記位置情報により示される地点を含む特定の領域において前記オペレータによって直近に応答された判定シーンを取得し、取得した判定シーンに基づいて、前記自動運転車両のシーンを、追い越しすべきシーン及び待機すべきシーンのいずれかに分類し、前記自動運転車両のシーンが前記追い越しすべきシーンに分類された場合に、前記オペレータの直近の応答に基づく自動応答を有効な応答として出力する期間を表す有効期間を、前記待機すべきシーンに分類された場合よりも短く設定する。
【0009】
本開示の第3態様に係る遠隔支援プログラム(25A)は、自動運転支援センタによる管理対象領域内の自動運転車両に対して遠隔支援を行う遠隔支援装置の遠隔支援プログラムであって、コンピュータを、前記自動運転車両から、前記自動運転車両の位置情報を含む支援要求情報を取得する取得部(21A)、前記取得部により取得された支援要求情報に応じて、オペレータが過去に応答した判定シーンのログであるオペレータ判定ログを含むデータベース(25B)から、前記位置情報により示される地点を含む特定の領域において前記オペレータによって直近に応答された判定シーンを取得し、取得した判定シーンに基づいて、前記自動運転車両のシーンを、追い越しすべきシーン及び待機すべきシーンのいずれかに分類する分類部(21B)、及び、前記分類部により前記自動運転車両のシーンが前記追い越しすべきシーンに分類された場合に、前記オペレータの直近の応答に基づく自動応答を有効な応答として出力する期間を表す有効期間を、前記待機すべきシーンに分類された場合よりも短く設定する設定部(21B)、として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
開示の技術によれば、自動運転車両に対する遠隔支援を行う際の自動応答の精度を向上させることができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施形態に係る遠隔支援システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】実施形態に係るオペレータによる遠隔支援の説明に供する図である。
【
図3】第1の実施形態に係る車載装置及び遠隔支援装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】実施形態に係るシーン分類テーブルの一例を示す図である。
【
図5】第1の実施形態に係る有効期間設定処理の説明に供する図である。
【
図6】実施形態に係る判定シーン毎の継続時間分布の一例を示す図である。
【
図7】実施形態に係る継続時間長の算出方法の説明に供する図である。
【
図8】実施形態に係る継続時間長の別の算出方法の説明に供する図である。
【
図9】実施形態に係る同一判定の方法の説明に供する図である。
【
図10】第1の実施形態に係る遠隔支援プログラムによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図11】比較例に係る有効期間設定処理の説明に供する図である。
【
図12】第2の実施形態に係る自動応答不可期間の一例を示す図である。
【
図13】第2の実施形態に係る有効期間設定処理の説明に供する図である。
【
図14】(A)~(C)は、第4の実施形態に係る判定シーンに対応付けられた場所毎に継続時間分布を算出する方法の説明に供する図である。
【
図15】施設からの距離に対する継続時間モデルの一例を示す図である。
【
図16】第4の実施形態に係る判定シーンに対応付けられた時間帯毎に継続時間分布を算出する方法の説明に供する図である。
【
図17】降水量に対する継続時間モデルの一例を示す図である。
【
図18】第4の実施形態に係る判定シーンに対応付けられた車種毎に継続時間分布を算出する方法の説明に供する図である。
【
図19】第5の実施形態に係る車載装置及び遠隔支援装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本開示の技術を実施するための形態の一例について詳細に説明する。
【0013】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る遠隔支援システム100の構成の一例を示す図である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係る遠隔支援システム100は、自動運転車両に搭載された車載装置10と、自動運転支援センタに設けられた遠隔支援装置20と、を備えている。遠隔支援装置20は、自動運転支援センタによる管理対象領域内の自動運転車両に対して遠隔支援を行う。なお、本実施形態では、自動運転車両として自家用の乗用車を例示して説明するが、例えば、トラック、バス、タクシー等の他の車両に適用してもよい。また、自動運転車両は、車両の制御や非常時に車両の制御を代替するために乗車する有人の場合も含む。さらに、車両の操舵の一部が自動で行われる車両も含む。
【0015】
車載装置10及び遠隔支援装置20は、ネットワークNを介して通信可能に接続されている。ネットワークNには、一例として、インターネット、WAN(Wide Area Network)等が適用される。
【0016】
自動運転車両は、所定の条件下において運転者の操作によらず自動走行が可能な車両である。自動運転車両は、走行中に路上駐車、渋滞、工事等の何らかの事象が発生すると、追い越し又は待機という動作を行うが、これらの動作は、一例として、自動運転支援センタからの応答に基づいて行われる。
【0017】
車載装置10は、住所又は緯度経度等の目的地の情報に基づいて、目的地までの走行ルートを含む走行計画を生成する機能、及び、自車両の自動運転を制御する機能を備えている。車載装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、メモリ12と、表示部13と、記憶部14と、センサ群15と、カメラ16と、通信部17と、を備えている。
【0018】
CPU11は、プロセッサの一例である。ここでいうプロセッサとは、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、CPU)や、専用のプロセッサ(例えば、GPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。メモリ12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により構成されている。
【0019】
表示部13には、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。表示部13は、タッチパネルを一体的に有していてもよい。
【0020】
記憶部14には、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等が用いられる。記憶部14には、自動運転の制御を行うための制御プログラム(図示省略)が記憶されている。
【0021】
センサ群15は、自車両の周囲の状況を把握するための各種のセンサにより構成されている。センサ群15は、車両外部の所定範囲に探査波を送信するミリ波レーダと、少なくとも車両前方の所定範囲をスキャンするLIDAR(Light Detection and Ranging/Laser Imaging Detection and Ranging)と、を含んでいる。また、センサ群15には、自車両に搭載されるGNSS(Global Navigation Satellite System)受信機が含まれていてもよい。このGNSS受信機により、自車両の現在位置及び現在時刻等の情報が取得される。
【0022】
カメラ16は、自車両の所定方向の所定範囲を撮影する。具体的に、カメラ16は、自車両の前側に設けられており、自車両の前方領域を撮影する。カメラ16は、1台でもよいが、より多くの情報を得るために複数個所に複数台設けられていてもよい。
【0023】
通信部17は、インターネット、WAN等のネットワークNに接続し、遠隔支援装置20と通信を行うための通信インターフェースである。
【0024】
なお、車載装置10は、自動運転に必要な走行装置(図示省略)と接続されており、この走行装置を制御することで自動運転を行う。この走行装置には、一例として、電動パワーステアリング、電子制御ブレーキ、電子制御スロットル等が含まれる。
【0025】
車載装置10は、自車両の走行計画に従って自動運転するように自車両の駆動、操舵、及び制動を制御することで自動運転を行う。なお、自動運転の方法自体には、様々な公知の方法が存在し、本実施形態では特に限定されるものではない。
【0026】
一方、遠隔支援装置20は、自動運転車両の車載装置10と定期的に通信することにより自動運転車両の車両状態を監視する。遠隔支援装置20には、一例として、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)等の汎用的なコンピュータ装置が適用される。遠隔支援装置20は、CPU21と、メモリ22と、操作部23と、表示部24と、記憶部25と、通信部26と、を備えている。
【0027】
CPU21は、プロセッサの一例である。ここでいうプロセッサとは、上述したように、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサや、専用のプロセッサを含むものである。メモリ22は、ROM、RAM等により構成されている。
【0028】
操作部23は、遠隔支援装置20への操作入力を受け付けるためのインターフェースとして構成されている。表示部24には、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELディスプレイ等が用いられる。表示部24は、タッチパネルを一体的に有していてもよい。
【0029】
記憶部25には、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリ等が用いられる。記憶部25には、自動運転車両の遠隔支援を行うための遠隔支援プログラム25Aが記憶されている。遠隔支援プログラム25Aは、例えば、遠隔支援装置20に予めインストールされていてもよい。遠隔支援プログラム25Aは、不揮発性の非遷移的(non-transitory)記録媒体に記憶して、又はネットワークNを介して配布して、遠隔支援装置20に適宜インストールすることで実現してもよい。なお、不揮発性の非遷移的記録媒体の例としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、光磁気ディスク、HDD、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、フラッシュメモリ、メモリカード等が想定される。
【0030】
通信部26は、インターネット、WAN等のネットワークNに接続し、車載装置10と通信を行うための通信インターフェースである。
【0031】
図2は、本実施形態に係るオペレータによる遠隔支援の説明に供する図である。
【0032】
図2に示すように、走行中の自動運転車両30が停車した場合、自動運転支援センタに対して支援要求を行う。自動運転支援センタのオペレータOPは、自動運転車両30からの支援要求に応じて、路上駐車、工事等のシーンを判定し、その判定シーンに基づく応答を自動運転車両30に対して行う。このとき、オペレータOPは、応答した判定シーンを地図上の地点データに対応付けて登録する。その後、判定シーンが登録された地点を走行する自動運転車両に対して、支援要求に応じて、同一の判定シーンに基づく自動応答を行う。
【0033】
ところで、上述したように、自動応答をいつまで継続させるか有効期間が定められていない場合がある。この場合、実際には別の障害が発生しているにも関わらず、以前と同じ自動応答が行われ、自動運転車両30が誤った挙動をとってしまう可能性がある。このため、自動応答の精度を向上させることが望まれる。
【0034】
このため、本実施形態に係る車載装置10のCPU11は、記憶部14に記憶されている制御プログラムをRAMに書き込んで実行することにより、
図3に示す各部として機能する。また、本実施形態に係る遠隔支援装置20のCPU21は、記憶部25に記憶されている遠隔支援プログラム25AをRAMに書き込んで実行することにより、
図3に示す各部として機能する。
【0035】
図3は、第1の実施形態に係る車載装置10及び遠隔支援装置20の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0036】
図3に示すように、本実施形態に係る車載装置10のCPU11は、要求出力部11A及び判定取得部11Bとして機能する。
【0037】
要求出力部11Aは、自車両が走行の継続ができないと判定したときの時刻情報、位置情報、センシング情報等を含む支援要求情報を、通信部17を介して自動運転支援センタの遠隔支援装置20に出力(送信)する。
【0038】
判定取得部11Bは、遠隔支援装置20から出力されたオペレータ応答又は自動応答を、通信部17を介して取得(受信)し、取得したオペレータ応答又は自動応答に含まれる判定シーンを自車両の車両制御を行う制御装置(図示省略)に送る。
【0039】
一方、本実施形態に係る遠隔支援装置20のCPU21は、要求取得部21A、自動判定部21B、判定出力部21C、オペレータ提示部21D、継続時間算出部21E、及びオペレータ判定登録部21Fとして機能する。なお、要求取得部21Aは、取得部の一例であり、自動判定部21Bは、分類部、設定部、及び指示部の一例であり、継続時間算出部21Eは、算出部の一例である。
【0040】
記憶部25には、例えば、オペレータ判定ログデータベース(以下、「オペレータ判定ログDB」という。)25B及び継続時間分布データベース(以下、「継続時間分布DB」という。)25Cが格納されている。なお、オペレータ判定ログDB25B及び継続時間分布DB25Cは、記憶部25ではなく、外部の記憶装置に格納されていてもよい。
【0041】
オペレータ判定ログDB25Bには、オペレータ判定ログが登録されている。このオペレータ判定ログは、オペレータが過去に応答した判定シーンのログである。この判定シーンとは、自動運転車両からの支援要求情報に応じて、オペレータが自動運転車両の現在のシーンを、例えば、「路上駐車」、「工事」、「渋滞」等と判定した結果を表している。各オペレータ判定ログには、例えば、各ログに一意のID(Identification)、判定時刻、支援要求位置(又は支援要求エリア)、支援内容(判定シーン、制御内容等を含む)、センシング情報(周辺画像、点群、認識結果等を含む)、同一判定の有無(有りの場合には同一のオペレータ判定ログのIDを含む)、等の情報が含まれる。また、継続時間分布DB25Cには、継続時間分布が登録されている。この継続時間分布には、例えば、継続時間を管理する単位であるシーンに関するシーン情報、継続時間分布(例えば、ヒストグラム)、等の情報が含まれる。この継続時間分布の算出方法については後述する。
【0042】
要求取得部21Aは、自動運転車両から出力された支援要求情報を、通信部26を介して取得(受信)し、取得した支援要求情報を自動判定部21Bに送る。
【0043】
自動判定部21Bは、要求取得部21Aにより取得された支援要求情報に応じて、オペレータ判定ログDB25Bから、自動運転車両の位置情報により示される地点を含む特定の領域においてオペレータによって直近に応答された判定シーンを取得する。ここで、特定の領域とは、例えば、支援要求地点を中心とした直径Xmの円形状の領域と定義される。
【0044】
自動判定部21Bは、取得した判定シーンに基づいて、自動運転車両のシーンを、追い越しすべきシーン及び待機すべきシーンのいずれかに分類する。
【0045】
図4は、本実施形態に係るシーン分類テーブル25Dの一例を示す図である。
【0046】
図4に示すシーン分類テーブル25Dは、例えば、記憶部25に格納されており、自動判定部21Bによって参照可能とされている。判定シーンが、例えば、「路上駐車」、「工事」、「事故」等であれば、自動運転車両のシーンは追い越しすべきシーンに分類され、判定シーンが、例えば、「歩行者」、「信号待ち」、「渋滞」、「バス待ち」等であれば、自動運転車両のシーンは待機すべきシーンに分類される。
【0047】
但し、追い越しすべきシーンの場合、実際には待機すべきシーンであるのに、追い越しすべきシーンに分類されてしまうと、不要な追い越しが発生するという誤判定の問題がある。一方、待機すべきシーンの場合、実際には追い越しすべきシーンであるのに、待機すべきシーンに分類されてしまうと、待機が発生するという誤判定の問題がある。
【0048】
自動判定部21Bは、自動運転車両のシーンが追い越しすべきシーンに分類された場合に、有効期間を、待機すべきシーンに分類された場合よりも短く設定する。なお、有効期間とは、オペレータの直近の応答に基づく自動応答を有効な応答として出力する期間を表す。有効期間は、直近のオペレータ応答を起点として導出される。
【0049】
図5は、第1の実施形態に係る有効期間設定処理の説明に供する図である。
【0050】
図5に示すように、グラフ40において、横軸は継続時間を示し、縦軸は頻度及び存在確率を示す。グラフ40では、一例として、「路上駐車」のシーンの場合について示している。存在確率41は、「路上駐車」のシーンが継続して存在している確率を示し、時間の経過と共に確率が低下する。頻度42は、「路上駐車」のシーンが継続時間帯毎に発生する頻度を示している。例えば、5分以上10分以下の駐車が10回発生等とされる。継続時間分布43は、オペレータ判定ログDB25Bに含まれるオペレータ判定ログから、例えば、判定シーン毎に算出される。継続時間分布43は、判定シーンの発生頻度と判定シーンの継続時間との関係を表す。継続時間分布43は、後述の継続時間算出部21Eによって算出される。
【0051】
自動判定部21Bは、一例として、
図5のグラフ40に示すように、待機すべきシーンに分類された場合の有効期間を継続時間分布43の平均値μとした場合に、追い越しすべきシーンに分類された場合の有効期間tを平均値μよりも短く、つまり、存在確率41が比較的高くなるように設定する。有効期間tは、例えば、下記の式(1)により算出される。但し、μは継続時間分布43の平均値、σは継続時間分布43の標準偏差を示す。
【0052】
t=μ-3σ ・・・(1)
【0053】
図5の(S1)では、自動運転車両30が走行中に何らかの障害に遭遇したため一旦停止し、自動運転支援センタに支援要求を行う。自動運転支援センタのオペレータ(OP)は、自動運転車両30が遭遇したシーンを「路上駐車」と判定し、その判定結果である判定シーンを応答する。自動運転車両30は、オペレータ応答に従って、追い越しシーンと判定し、「路上駐車」の車両を追い越す動作を行う。
【0054】
次に、(S2)では、上記(S1)と同様に、自動運転車両30が何らかの障害に遭遇したため一旦停止し、自動運転支援センタに支援要求を行う。自動運転支援センタの遠隔支援装置20は、直近のオペレータ応答に基づく自動応答として、「路上駐車」を自動的に応答する。自動運転車両30は、自動応答に従って、追い越しシーンと判定し、「路上駐車」の車両を追い越す動作を行う。
【0055】
次に、(S3)では、上記(S2)と同様に、自動運転車両30が何らかの障害に遭遇したため一旦停止し、自動運転支援センタに支援要求を行う。自動運転支援センタの遠隔支援装置20は、直近のオペレータ応答に基づく自動応答として、「路上駐車」を自動的に応答する。自動運転車両30は、自動応答に従って、追い越しシーンと判定し、追い越し動作を行う。しかし、この時点では、「路上駐車」の車両は存在しておらず、例えば、「歩行者」、「信号待ち」等の待機すべきシーンに変化している可能性がある。つまり、実際には待機すべきシーンであるのに、追い越し動作を行うのは安全性の観点から望ましくないと言える。
【0056】
このため、本実施形態では、上述したように、追い越しすべきシーンの有効期間tを、待機すべきシーンの有効期間(例えば、平均値μ)よりも短く設定している。つまり、待機すべきシーンでは、待機するだけなので、有効期間内に追い越しすべきシーンに変化した場合であっても安全性の観点からは問題ないと言える。一方、追い越しすべきシーンでは、有効期間内に待機すべきシーンに変化した場合、上述したように、安全性の観点から望ましくない場合がある。このため、追い越しすべきシーンの有効期間tを短く設定する。
【0057】
また、自動判定部21Bは、直近のオペレータ応答から支援要求情報を取得するまでの期間が有効期間以内である場合、判定出力部21Cに対して、自動応答を自動運転車両に出力する指示を行う。一方、自動判定部21Bは、直近のオペレータ応答から支援要求情報を取得するまでの期間が有効期間を超える場合、自動応答を中止し、オペレータ提示部21Dに支援要求情報を送り、オペレータに今回の判定シーンを登録させる指示を行う。
【0058】
オペレータ提示部21Dは、オペレータに対して、支援要求情報に含まれる前方画像、地図情報、センシング情報等を提示し、オペレータから今回の判定シーンの登録を受け付ける。オペレータ提示部21Dは、判定出力部21Cに対して、オペレータ応答を自動運転車両に出力する指示を行う。
【0059】
判定出力部21Cは、自動判定部21Bからの自動応答の出力指示に従って、自動応答を判定結果として出力(送信)する、あるいは、オペレータ提示部21Dからのオペレータ応答の出力指示に従って、オペレータ応答を判定結果として出力する。
【0060】
ここで、継続時間算出部21Eは、上述したように、オペレータ判定ログDB25Bに含まれるオペレータ判定ログを用いて、判定シーン毎に、継続時間分布を算出し、算出した継続時間分布を継続時間分布DB25Cに登録する。自動判定部21Bは、継続時間分布DB25Cに登録された継続時間分布に基づいて、自動運転車両のシーンに応じた有効期間を設定する。
【0061】
図6は、本実施形態に係る判定シーン毎の継続時間分布の一例を示す図である。
【0062】
図6に示すように、「路上駐車」、「障害物」等の判定シーン毎に異なる継続時間分布を算出してもよい。この場合、判定シーン毎に異なる継続時間分布を把握することができる。このため、有効期間の精度をより向上させることができる。
【0063】
図7は、本実施形態に係る継続時間長の算出方法の説明に供する図である。
【0064】
継続時間算出部21Eは、一例として、
図7に示すように、オペレータ判定ログDB25Bから取得したオペレータ判定ログから、同一シーンの判定を継続的に行ったときの継続時間長を算出する。つまり、最初(一度目)にオペレータ判定を行ったときの時刻と、最後(ここでは三度目)に同一のオペレータ判定を行ったときの時刻との差を継続時間長(同一判定継続時間)として算出する。
【0065】
図8は、本実施形態に係る継続時間長の別の算出方法の説明に供する図である。
【0066】
図8において、×は走行ログを示す。継続時間算出部21Eは、
図8に示すように、自動運転車両の走行ログを用いて継続時間長を算出してもよい。つまり、オペレータ判定ログから算出される継続時間長(同一判定継続時間)を基準として、前後数十秒(例えば20秒)を所定期間として予め定め、その所定期間における走行ログ、インフラとして設置されたカメラのログ等を取得する。そして、これらのログから得られるセンシング情報が類似する期間によって、基準とした継続時間長を補正する。これにより、継続時間長をより正確に把握することができる。
【0067】
また、オペレータ判定登録部21Fは、直近のオペレータ判定ログと、今回のオペレータ判定結果とが同一の判定シーンであるか否かを判定し、今回のオペレータ判定結果を、同一判定の有無と合わせて、オペレータ判定ログDB25Bに登録する。
【0068】
図9は、本実施形態に係る同一判定の方法の説明に供する図である。
【0069】
オペレータ判定登録部21Fは、オペレータ判定ログDB25Bから、今回のオペレータ判定結果と同一領域で直近に行われたオペレータ判定のログであるオペレータ判定ログを取得する。そして、オペレータ判定登録部21Fは、一例として、
図9に示すように、今回のオペレータ判定結果と、同一領域で直近のオペレータ判定ログとが同一の判定シーンであるか否かを判定する。両方の判定シーンが例えば「路上駐車」であれば、同一と判定する。同一か否かの判定は、オペレータに対して各々の自動運転車両から得られる前方画像等を提示してオペレータの判断を促してもよい。あるいは、各々の自動運転車両から得られるセンシング情報の特徴量が類似するか否かを公知の手法を用いて機械的に判断するようにしてもよい。
【0070】
本実施形態に係る遠隔支援装置20は、上述の
図3に示すように、過去のオペレータによる判定シーンの継続時間を事前に算出し、算出した継続時間分布を継続時間分布DB25Cに登録する。そして、有効期間の設定時に、継続時間分布DB25Cから継続時間分布を読み出して、読み出した継続時間分布に基づいて有効期間を設定する。
【0071】
次に、
図10を参照して、第1の実施形態に係る遠隔支援装置20の作用を説明する。
【0072】
図10は、第1の実施形態に係る遠隔支援プログラム25Aによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0073】
まず、遠隔支援装置20の電源がオンされると、遠隔支援プログラム25Aが起動され、以下の各ステップを実行する。
【0074】
図10のステップS101では、CPU21が、自動運転車両の車載装置10から、支援要求情報を取得したか否かを判定する。車載装置10から支援要求情報を取得したと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS102に移行し、車載装置10から支援要求情報を取得していないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS101で待機となる。このとき、取得した支援要求情報に含まれる位置情報に基づいて、自動運転車両の地点及び当該地点を含む領域(例えば、当該地点を中心として直径Xmの円形状の領域)を特定する。
【0075】
ステップS102では、CPU21が、オペレータ判定ログDB25Bから、ステップS101で特定した領域と同一の領域における直近のオペレータ判定ログを取得する。このオペレータ判定ログには、オペレータの直近の判定シーンが含まれている。
【0076】
ステップS103では、CPU21が、ステップS102で取得した直近のオペレータ判定ログに含まれる判定シーンに基づいて、一例として、上述の
図4に示すシーン分類テーブル25Dを参照し、自動運転車両のシーンを分類する。
【0077】
ステップS104では、CPU21が、ステップS103での分類の結果、自動運転車両のシーンが追い越しすべきシーン及び待機すべきシーンのいずれに分類されたかを判定する。追い越しすべきシーンに分類されたと判定した場合(追い越しすべきシーンの場合)、ステップS105に移行し、待機すべきシーンに分類されたと判定した場合(待機すべきシーンの場合)、ステップS106に移行する。
【0078】
ステップS105では、CPU21が、追い越しすべきシーンの有効期間tを、待機すべきシーンの有効期間(例えば、平均値μ)よりも短く設定する。追い越しすべきシーンの有効期間tは、例えば、上述の式(1)を用いて算出される。
【0079】
ステップS106では、CPU21が、待機すべきシーンの有効期間として、一例として、上述の
図5に示すように、継続時間分布の平均値μを設定する。
【0080】
ステップS107では、CPU21が、直近のオペレータ応答から支援要求情報を取得するまでの期間が有効期間(ここでは、有効期間t又は平均値μ)以内であるか否かを判定する。有効期間以内であると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS108に移行し、有効期間を超えると判定した場合(否定判定の場合)、ステップS109に移行する。
【0081】
ステップS108では、CPU21が、自動応答を出力するように指示する。
【0082】
ステップS109では、CPU21が、自動応答を中止し、オペレータに今回の判定シーンを登録するように指示する。
【0083】
ステップS110では、CPU21が、ステップS108での指示に基づく自動応答、又は、ステップS109での指示に基づくオペレータ応答を自動運転車両に出力する。
【0084】
ステップS111では、CPU21が、例えば、遠隔支援の終了指示等、終了タイミングが到来したか否かを判定する。終了タイミングが到来しないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS101に戻り処理を繰り返し、終了タイミングが到来したと判定した場合(肯定判定の場合)、本遠隔支援プログラム25Aによる一連の処理を終了する。
【0085】
このように本実施形態によれば、追い越しすべきシーンの有効期間が待機すべきシーンの有効期間よりも短く設定される。このため、自動運転車両に対する遠隔支援を行う際の自動応答の精度が向上する。
【0086】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、追い越しすべきシーンの有効期間を待機すべきシーンの有効期間よりも短く設定する形態について説明した。本実施形態では、不要な追い越しが望ましくないシーンの場合にだけ、追い越しすべきシーンの有効期間を待機すべきシーンの有効期間よりも短く設定する形態について説明する。
【0087】
本実施形態に係る遠隔支援装置は、上記第1の実施形態で説明した遠隔支援装置20と同様の構成要素を有しており、上述の
図3を参照して、相違点のみを説明する。
【0088】
まず、
図11を参照して、追い越しすべきシーンの有効期間tを継続時間分布43の平均値μに設定した場合について説明する。
【0089】
図11は、比較例に係る有効期間設定処理の説明に供する図である。
【0090】
図11の比較例では、追い越しすべきシーンである「路上駐車」のシーンの有効期間tが継続時間分布43の平均値μに設定されている。また、「路上駐車」のシーンの実際の継続時間は有効期間tよりも短くなっている。
【0091】
図11の(S11)では、自動運転車両30が走行中に何らかの障害に遭遇したため一旦停止し、自動運転支援センタに支援要求を行う。自動運転支援センタのオペレータ(OP)は、自動運転車両30が遭遇したシーンを「路上駐車」と判定し、その判定結果である判定シーンを応答する。自動運転車両30は、オペレータ応答に従って、追い越しシーンと判定し、「路上駐車」の車両を追い越す動作を行う。
【0092】
次に、(S12)では、上記(S11)と同様に、自動運転車両30が何らかの障害に遭遇したため一旦停止し、自動運転支援センタに支援要求を行う。自動運転支援センタの遠隔支援装置20は、直近のオペレータ応答に基づく自動応答として、「路上駐車」を自動的に応答する。自動運転車両30は、自動応答に従って、追い越しシーンと判定し、追い越し動作を行う。しかし、この時点では、「路上駐車」の車両は存在しておらず、待機すべきシーンである「渋滞」が発生しているため、自動応答の判定シーンは誤判定となる。期間T1は、誤判定となる期間を表している。
【0093】
図11に示すように、誤判定Aは、片側2車線の場所で「渋滞」を「路上駐車」と誤判定した場合について示している。この場合、隣接車線にはみ出す不要な追い越しが発生するという問題がある。一方、誤判定Bは、片側1車線の場所で「渋滞」を「路上駐車」と誤判定した場合について示している。この場合、対向車線にはみ出す不要な追い越しが発生するという問題がある。
【0094】
このため、追い越しすべきシーンの有効期間tは、支援要求のあった特定の領域が、待機すべきシーンの発生頻度が予め設定された閾値以上の領域、又は、待機すべきシーンの発生頻度が追い越しすべきシーンの発生頻度よりも高い領域である場合、上記式(1)を適用して、待機すべきシーンの有効期間(例えば、平均値μ)よりも短く設定してもよい。なお、上記閾値は、例えば、予め実験的に求められた値であり、一例として、発生頻度を0以上1以下の範囲で表した場合に0.5等が設定される。同一領域における、あるシーンAの発生頻度fは、例えば、下記の式(2)により算出される。但し、Nは同一領域におけるシーンAの判定回数、Rは同一領域における自動運転車両の走行回数を示す。
【0095】
f=N/R ・・・(2)
【0096】
なお、上記発生頻度fは、シーンの大分類(待機すべきシーン、追い越しすべきシーン)毎、あるいは、時間帯毎に算出してもよい。
【0097】
つまり、日常的に渋滞が発生し易い場所では、「路上駐車」等の追い越しすべきシーンの有効期間tを短くすることにより、自動応答による誤判定を抑制することが可能となる。
【0098】
図12は、第2の実施形態に係る自動応答不可期間T2の一例を示す図である。
【0099】
図12に示すように、「路上駐車」等の追い越しすべきシーンに対して、有効期間tを待機すべきシーンの有効期間(例えば、平均値μ)よりも短く設定した場合に、不要な追い越しを抑制することができる。しかし一方で、実際には追い越しすべきシーンの継続時間が有効期間tより長い場合には、自動応答ができない期間である自動応答不可期間T2が発生する。本実施形態においては、自動応答不可期間T2をできるだけ短くし、自動応答できる期間を長くすることを考える。
【0100】
例えば、支援要求のあった特定の領域が「路上駐車」等の追い越しすべきシーンが発生し易い領域である場合、有効期間tを長めに設定しても安全上大きな問題にならないことが多い。
【0101】
このため、本実施形態に係る自動判定部21Bは、支援要求のあった特定の領域が、追い越しすべきシーンの発生頻度が予め設定された閾値以上の領域、又は、追い越しすべきシーンの発生頻度が待機すべきシーンの発生頻度よりも高い領域である場合に、追い越しすべきシーンの有効期間tを、待機すべきシーンの有効期間(例えば、平均値μ)以上に設定する。なお、上記閾値は、例えば、予め実験的に求められた値である。つまり、追い越しすべきシーンが発生している領域の特徴によって、有効期間tを短く設定するか否かを決定することにより、自動応答可能な期間をある程度確保しつつ、自動応答による誤判定を抑制する。
【0102】
図13は、第2の実施形態に係る有効期間設定処理の説明に供する図である。
【0103】
図13において、地図上の黒丸は「路上駐車」の判定が登録されている地点を示している。地点Aについて、過去に発生した各シーンの発生頻度を表すグラフから、「渋滞」の発生頻度が「路上駐車」の発生頻度よりも高いこと(あるいは、「渋滞」の発生頻度が予め設定された閾値以上であること)が分かる。この場合、「路上駐車」の有効期間tを比較的長くすると、有効期間t内で「渋滞」に変化する可能性が高く、自動応答が誤判定となる可能性が高い。このため、有効期間tを平均値μよりも短く設定する。一方、地点Bについて、過去に発生した各シーンの発生頻度を表すグラフから、「路上駐車」の発生頻度が「渋滞」の発生頻度よりも高いこと(あるいは、「路上駐車」の発生頻度が予め設定された閾値以上であること)が分かる。この場合、「路上駐車」の有効期間tを比較的長くしても、有効期間t内で「渋滞」に変化する可能性が低く、自動応答が誤判定となる可能性が低い。このため、有効期間tを平均値μに設定する。
【0104】
このように本実施形態によれば、追い越しすべきシーンが発生している領域の特徴によって、有効期間を短く設定するか否かが決定される。このため、自動応答可能な期間をある程度確保しつつ、自動応答による誤判定が抑制される。
【0105】
[第3の実施形態]
上記第1の実施形態では、オペレータ判定ログから得られた、特定の領域における直近のオペレータの判定シーンに基づいて、自動運転車両のシーンを分類する形態について説明した。本実施形態では、判定シーンに加えて、更に、センシング情報の類似度を用いて、自動運転車両のシーンを分類する形態について説明する。
【0106】
本実施形態に係る遠隔支援装置は、上記第1の実施形態で説明した遠隔支援装置20と同様の構成要素を有しており、上述の
図3を参照して、相違点のみを説明する。
【0107】
オペレータ判定ログDB25Bに登録されたオペレータ判定ログは、オペレータの直近の応答を受け付けた直近の自動運転車両から得られたセンシング情報(以下、「第1センシング情報」という。)を含んでいる。また、支援要求情報は、今回の自動運転車両から得られたセンシング情報(以下、「第2センシング情報」という。)を含んでいる。
【0108】
自動判定部21Bは、第1センシング情報と、第2センシング情報との類似度に基づいて、自動運転車両のシーンを、追い越しすべきシーン及び待機すべきシーンのいずれかに分類する。なお、類似度の算出には、公知の手法が用いられる。第1センシング情報及び第2センシング情報として、例えば、画像が用いられる場合には、一例として、パターンマッチング等が適用される。
【0109】
自動判定部21Bは、オペレータによる直近の応答から支援要求情報を取得するまでの期間に対する有効期間の残り時間が一定時間(例えば、20秒)以上であり、かつ、類似度が第1閾値(例えば、0.6)以上である場合、自動応答を自動運転車両に出力する指示を行う。一方、自動判定部21Bは、オペレータによる直近の応答から支援要求情報を取得するまでの期間に対する有効期間の残り時間が一定時間(例えば、20秒)以上であり、かつ、類似度が第1閾値(例えば、0.6)未満である場合、自動応答を中止し、オペレータに今回の判定シーンを登録させる指示を行う。また、自動判定部21Bは、オペレータによる直近の応答から支援要求情報を取得するまでの期間に対する有効期間の残り時間が一定時間(例えば、20秒)未満であり、かつ、類似度が第1閾値よりも大きい第2閾値(例えば、0.9)以上である場合、自動応答を自動運転車両に出力する指示を行う。一方、自動判定部21Bは、オペレータによる直近の応答から支援要求情報を取得するまでの期間に対する有効期間の残り時間が一定時間(例えば、20秒)未満であり、かつ、類似度が第2閾値(例えば、0.9)未満である場合、自動応答を中止し、オペレータに今回の判定シーンを登録させる指示を行う。なお、ここでいう有効期間は、追い越しすべきシーンの有効期間tでもよいし、待機すべきシーンの有効期間(例えば、平均値μ)でもよい。
【0110】
また、自動判定部21Bは、類似度が閾値(例えば、0.6)以上である場合、オペレータによる直近の応答から支援要求情報を取得するまでの期間が有効期間以内であれば自動応答を自動運転車両に出力する指示を行い、類似度が閾値(例えば、0.6)未満である場合、オペレータによる直近の応答から支援要求情報を取得するまでの期間が有効期間以内であっても自動応答を中止し、オペレータに今回の判定シーンを登録させる指示を行うようにしてもよい。なお、ここでいう有効期間は、上記と同様に、追い越しすべきシーンの有効期間tでもよいし、待機すべきシーンの有効期間(例えば、平均値μ)でもよい。
【0111】
上記閾値は、オペレータによる直近の応答から支援要求情報を取得するまでの期間に対する有効期間の残り時間が少なくなるほど、大きな値としてもよい。これにより、有効期間の残り時間が多い場合には、類似度判定が比較的緩く、有効期間の残り時間が少ない場合には、類似度判定が比較的厳しくなる。
【0112】
このように本実施形態によれば、判定シーンに加えて、センシング情報の類似度を用いて、自動運転車両のシーンが分類される。このため、自動運転車両のシーンが精度良く分類される。
【0113】
[第4の実施形態]
上記第1の実施形態では、継続時間分布を管理する単位として判定シーンを用いる形態について説明した。本実施形態では、継続時間分布を管理する単位として場所、時間帯、及び車種を用いる形態について説明する。
【0114】
本実施形態に係る遠隔支援装置は、上記第1の実施形態で説明した遠隔支援装置20と同様の構成要素を有しており、上述の
図3を参照して、相違点のみを説明する。
【0115】
自動判定部21Bは、判定シーン及び当該判定シーンに対応付けられた場所毎、又は、判定シーン及び当該判定シーンに対応付けられた時間帯毎、又は、判定シーン及び当該判定シーンに対応付けられた車種毎に、継続時間分布を算出する。
【0116】
図14(A)~
図14(C)は、第4の実施形態に係る判定シーンに対応付けられた場所毎に継続時間分布を算出する方法の説明に供する図である。
【0117】
図14(A)に示すように、判定シーンを更にグリッドで分けて、継続時間分布を算出する。
図14(A)の例では、エリア1~エリア4で異なる特徴(地域性等)を反映した継続時間分布及び有効期間が算出される。このため、自動応答の精度が向上する。
【0118】
図14(B)に示すように、判定シーンが「路上駐車」の場合に、判定シーンを更に面する施設(コンビニエンスストア、商業施設、住宅、公園等)で分けて、継続時間分布を算出する。
図14(B)の例では、施設毎に路上駐車の目的が異なり、目的に応じて駐車時間も異なる。このため、施設毎に異なる駐車時間の特徴を反映した継続時間分布及び有効期間が算出される。このため、自動応答の精度が向上する。
【0119】
図14(C)に示すように、判定シーンが「事故」、「障害物」等の場合に、JAF(JAPAN AUTOMOBILE FEDERATION:一般社団法人日本自動車連盟)等のロードサービスを提供する拠点からの距離で分けて、継続時間分布を算出する。
図14(C)の例では、エリア毎に異なる撤去に要する時間の特徴を反映した継続時間分布及び有効期間が算出される。
【0120】
図15は、施設からの距離に対する継続時間モデルの一例を示す図である。
【0121】
図15において、発生頻度(Y軸)、継続時間(X軸)、及び拠点からの距離(Z軸)の3軸とし、3次元での継続時間分布を、例えば、ガウス過程等の機械学習を用いて推定する。この場合、ある距離については情報が欠落していても他の距離の情報から推定することが可能とされる。
【0122】
図16は、第4の実施形態に係る判定シーンに対応付けられた時間帯毎に継続時間分布を算出する方法の説明に供する図である。
【0123】
図16に示すように、例えば、「路上駐車」の判定シーンを更に時間帯(例えば、昼:8時~20時、夜:20時~8時)で分けて、継続時間分布を算出する。同様に、「障害物」(又は「故障車」)の判定シーンを更に時間帯(例えば、昼:8時~20時、夜:20時~8時)で分けて、継続時間分布を算出する。例えば、「路上駐車」の継続時間は、日中は短く、夜間は長くなる。一方、「障害物」(又は「故障車」)の継続時間は、日中は人手が多く撤去等のレッカー対応がスムーズなため短く、夜間は長くなる。
図16の例では、時間帯毎に異なる特徴を反映した継続時間分布及び有効期間が算出される。このため、自動応答の精度が向上する。
【0124】
また、「工事」の判定シーンでは、登録からの継続時間に対する降水量で分けて、継続時間分布を算出する。降水量のような期間毎に異なる特徴を反映した継続時間分布及び有効期間が算出される。このため、自動応答の精度が向上する。
【0125】
図17は、降水量に対する継続時間モデルの一例を示す図である。
【0126】
図17において、発生頻度(Y軸)、継続時間(X軸)、及び降水量(Z軸)の3軸とし、3次元での継続時間分布を、例えば、ガウス過程等の機械学習を用いて推定する。この場合、ある降水量については情報が欠落していても他の降水量の情報から推定することが可能とされる。
【0127】
図18は、第4の実施形態に係る判定シーンに対応付けられた車種毎に継続時間分布を算出する方法の説明に供する図である。
【0128】
図18に示すように、「路上駐車」の判定シーンでは、更に車種(例えば、乗用車、タクシー、トラック等)で分けて、継続時間分布を算出する。例えば、トラックの場合、路上駐車の時間が長くなっている。
図18の例では、車種毎に異なる特徴を反映した継続時間分布及び有効期間が算出される。このため、自動応答の精度が向上する。
【0129】
このように本実施形態によれば、判定シーンに対応付けられた場所毎、時間帯毎、又は車種毎に継続時間分布が算出される。このため、自動応答の精度が向上する。
【0130】
[第5の実施形態]
図19は、第5の実施形態に係る車載装置10及び遠隔支援装置20Aの機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0131】
図19に示すように、本実施形態に係る車載装置10のCPU11は、要求出力部11A及び判定取得部11Bとして機能する。
【0132】
一方、本実施形態に係る遠隔支援装置20AのCPU21は、要求取得部21A、自動判定部21B、判定出力部21C、オペレータ提示部21D、継続時間算出部21E、及びオペレータ判定登録部21Fとして機能する。本実施形態に係る遠隔支援装置20Aは、継続時間分布DB25Cを備えていない点が、上述の
図3に示す遠隔支援装置20と相違する。
【0133】
図19に示すように、本実施形態に係る遠隔支援装置20Aは、過去のオペレータによる判定シーンの継続時間分布及び有効期間を事前に算出し、算出した継続時間分布及び有効期間をオペレータ判定ログDB25Bに登録する。そして、有効期間の設定時に、オペレータ判定ログDB25Bから有効期間を読み出して設定する。
【0134】
すなわち、オペレータ判定登録部21Fは、今回支援要求のあった領域と同一の領域において直近で同一の判定シーンが登録されていない場合に、継続時間算出部21Eを動作させる。そして、継続時間算出部21Eは、オペレータ判定登録部21Fによって登録しようとしているオペレータによる判定シーンに対して、継続時間長及び継続時間分布を算出する。そして、継続時間算出部21Eは、算出した継続時間分布をオペレータ判定ログに対応付けて、オペレータ判定ログDB25Bに登録する。このとき、継続時間分布に代えて有効期間を登録してもよいし、継続時間分布及び有効期間を登録してもよい。
【0135】
以上、実施形態に係る遠隔支援装置を例示して説明した。実施形態は、遠隔支援装置が備える各部の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムの形態としてもよい。実施形態は、これらのプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な非遷移的記録媒体の形態としてもよい。
【0136】
その他、上記実施形態で説明した遠隔支援装置の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。
【0137】
また、上記実施形態で説明したプログラムの処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0138】
また、上記実施形態では、プログラムを実行することにより、実施形態に係る処理がコンピュータを利用してソフトウェア構成により実現される場合について説明したが、これに限らない。実施形態は、例えば、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現してもよい。
【符号の説明】
【0139】
10 車載装置、11、21 CPU、11A 要求出力部、11B 判定取得部、12、22 メモリ、13、24 表示部、14、25 記憶部、15 センサ群、16 カメラ、17、26 通信部、20、20A 遠隔支援装置、23 操作部、21A 要求取得部、21B 自動判定部、21C 判定出力部、21D オペレータ提示部、21E 継続時間算出部、21F オペレータ判定登録部、25A 遠隔支援プログラム、25B オペレータ判定ログDB、25C 継続時間分布DB、25D シーン分類テーブル、100 遠隔支援システム