IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 住友電装株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-ワイヤハーネス 図1
  • 特許-ワイヤハーネス 図2
  • 特許-ワイヤハーネス 図3
  • 特許-ワイヤハーネス 図4
  • 特許-ワイヤハーネス 図5
  • 特許-ワイヤハーネス 図6
  • 特許-ワイヤハーネス 図7
  • 特許-ワイヤハーネス 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】ワイヤハーネス
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/04 20060101AFI20240814BHJP
   H01B 7/00 20060101ALI20240814BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
H02G3/04 081
H02G3/04 068
H01B7/00 301
B60R16/02 620A
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020210637
(22)【出願日】2020-12-18
(65)【公開番号】P2022097194
(43)【公開日】2022-06-30
【審査請求日】2023-04-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】伊澤 克俊
(72)【発明者】
【氏名】田中 孝祐
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 隆太
【審査官】小林 秀和
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-063557(JP,A)
【文献】特開2014-033485(JP,A)
【文献】特開2003-164034(JP,A)
【文献】特開2019-209852(JP,A)
【文献】特開2019-053894(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/04
H01B 7/00
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線部材と、
前記電線部材の外周を覆う筒状の外装部材と、
前記外装部材の外周に取り付けられて前記外装部材の経路を規制する第1経路規制部材と、を備え、
前記外装部材は、直線状部と、前記直線状部に連なる蛇腹部と、を有し、
前記蛇腹部は、前記直線状部よりも屈曲性に優れており、
前記第1経路規制部材は、前記外装部材の外周のうち前記外装部材の周方向の一部を覆い、形状が優弧である第1本体部と、前記第1本体部における周方向の両端部によって形成され、前記第1経路規制部材の長さ方向と直交する方向に開口するとともに当該長さ方向の全体にわたって延びており、前記外装部材が挿入可能に構成された第1挿入口と、前記第1本体部における周方向の両端部の内面から前記外装部材に向かって突出して前記外装部材の外面に接触する第1突出部と、を有し、
前記第1経路規制部材は、前記蛇腹部に取り付けられている、
ワイヤハーネス。
【請求項2】
前記第1経路規制部材は、前記直線状部と離れた位置に取り付けられている、
請求項1に記載のワイヤハーネス。
【請求項3】
前記第1経路規制部材は、前記蛇腹部と前記直線状部とに跨がるように設けられている、
請求項1に記載のワイヤハーネス。
【請求項4】
電線部材と、
前記電線部材の外周を覆う筒状の外装部材と、
前記外装部材の外周に取り付けられて前記外装部材の経路を規制する第1経路規制部材と、を備え、
前記外装部材は、直線状部と、前記直線状部に連なる蛇腹部と、を有し、
前記蛇腹部は、前記直線状部の両端側に設けられた第1蛇腹部と第2蛇腹部とを有し、前記直線状部よりも屈曲性に優れ、
前記第1経路規制部材は、前記外装部材の外周のうち前記外装部材の周方向の一部を覆う第1本体部と、前記第1本体部における周方向の両端部によって形成され、前記第1経路規制部材の長さ方向と直交する方向に開口するとともに当該長さ方向の全体にわたって延びており、前記外装部材が挿入可能に構成された第1挿入口と、を有し、
前記第1経路規制部材は、前記第1蛇腹部と前記直線状部と前記第2蛇腹部とに跨がるように設けられている、
ワイヤハーネス。
【請求項5】
前記直線状部の外周に取り付けられて前記直線状部の経路を規制する第2経路規制部材を備えている、
請求項1または請求項2に記載のワイヤハーネス。
【請求項6】
電線部材と、
前記電線部材の外周を覆う筒状の外装部材と、
前記外装部材の外周に取り付けられて前記外装部材の経路を規制する第1経路規制部材と、第2経路規制部材と、を備え、
前記外装部材は、直線状部と、前記直線状部に連なる蛇腹部と、を有し、
前記直線状部の外径寸法は、前記蛇腹部の外径寸法よりも小さく、
前記蛇腹部は、前記直線状部よりも屈曲性に優れており、
前記第1経路規制部材は、前記外装部材の外周のうち前記外装部材の周方向の一部を覆う第1本体部と、前記第1本体部における周方向の両端部によって形成され、前記第1経路規制部材の長さ方向と直交する方向に開口するとともに当該長さ方向の全体にわたって延びており、前記外装部材が挿入可能に構成された第1挿入口と、を有し、
前記第1経路規制部材は、前記蛇腹部に取り付けられ、
前記第2経路規制部材は、前記直線状部の外周に取り付けられて前記直線状部の経路を規制している、
ワイヤハーネス。
【請求項7】
前記第2経路規制部材の長さは、前記直線状部の長さよりも短い、
請求項に記載のワイヤハーネス。
【請求項8】
前記直線状部に取り付けられた状態における前記第2経路規制部材の外径寸法は、前記蛇腹部の外径寸法以下である、
請求項に記載のワイヤハーネス。
【請求項9】
前記第2経路規制部材は、前記直線状部の外周のうち前記直線状部の周方向の一部を覆う第2本体部と、前記第2本体部における周方向の両端部によって形成され、前記第2経路規制部材の長さ方向と直交する方向に開口するとともに当該長さ方向の全体にわたって延びており、前記直線状部が挿入可能に構成された第2挿入口と、を有し、
前記第2本体部の形状は優弧である、
請求項5から請求項8のいずれか1項に記載のワイヤハーネス。
【請求項10】
電線部材と、
前記電線部材の外周を覆う筒状の外装部材と、
前記外装部材の外周に取り付けられて前記外装部材の経路を規制する第1経路規制部材と、第2経路規制部材と、を備え、
前記外装部材は、直線状部と、前記直線状部に連なる蛇腹部と、を有し、
前記蛇腹部は、前記直線状部よりも屈曲性に優れており、
前記第1経路規制部材は、前記外装部材の外周のうち前記外装部材の周方向の一部を覆う第1本体部と、前記第1本体部における周方向の両端部によって形成され、前記第1経路規制部材の長さ方向と直交する方向に開口するとともに当該長さ方向の全体にわたって延びており、前記外装部材が挿入可能に構成された第1挿入口と、を有し、
前記第1経路規制部材は、前記蛇腹部に取り付けられ、
前記第2経路規制部材は、前記直線状部の外周に取り付けられて前記直線状部の経路を規制し、前記直線状部の外周のうち前記直線状部の周方向の一部を覆い、形状が優弧である第2本体部と、前記第2本体部における周方向の両端部によって形成され、前記第2経路規制部材の長さ方向と直交する方向に開口するとともに当該長さ方向の全体にわたって延びており、前記直線状部が挿入可能に構成された第2挿入口と、前記第2本体部における周方向の両端部の内面から前記直線状部に向かって突出して前記直線状部の外面に接触する第2突出部と、を有している、
ワイヤハーネス。
【請求項11】
前記直線状部は、前記第2突出部が嵌まる凹部を有している、
請求項10に記載のワイヤハーネス。
【請求項12】
前記凹部は、2つ設けられている、
請求項11に記載のワイヤハーネス。
【請求項13】
前記凹部は、3つ以上設けられている、
請求項11に記載のワイヤハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワイヤハーネスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電線部材の外周を覆う外装部材としての蛇腹状のコルゲートチューブと、コルゲートチューブの周方向の一部を覆うとともに、電線部材が配索される経路を規制する経路規制部材とを備えるワイヤハーネスが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のワイヤハーネスにおけるコルゲートチューブは、長さ方向に沿って形成されたスリットを有している。経路規制部材は、コルゲートチューブの外周に沿って設けられた経路維持部材と、スリット内に設けられた取付部材とを備えている。取付部材は、スリットの内周側部分と、経路維持部材の外周側部分とにそれぞれ係止可能に構成されている。これらコルゲートチューブ、経路維持部材、及び取付部材がテープ巻きなどによって固定されることにより、電線部材の経路が規制されている。このようなワイヤハーネスでは、経路規制部材が取り付けられた部位では電線部材が曲がらないように経路が規制され、経路規制部材が取り付けられていない部位では電線部材が曲げ易い構成とされる。これにより、例えば、ワイヤハーネスの経路規制部材が取り付けられた部位は、車両に組み付けられた状態で垂れ下がってしまうことを防止できる。また、例えば、ワイヤハーネスの経路規制部材が取り付けられていない部位は、車両に組み付ける際に作業車が自由に曲げて組み付けることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-55760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のようなワイヤハーネスは、例えば、複数の車種で共通して曲がって欲しくない部位がある。また、ワイヤハーネスは、車種毎に曲がって欲しくない部位や曲がって欲しい部位が異なる場合がある。そこで、ワイヤハーネスでは、異なる車種に対して外装部材を好適に共用化できる構成が求められている。
【0006】
本開示の目的は、外装部材を異なる車種に対して好適に共用化可能としたワイヤハーネスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のワイヤハーネスは、電線部材と、前記電線部材の外周を覆う筒状の外装部材と、前記外装部材の外周に取り付けられて前記外装部材の経路を規制する第1経路規制部材と、を備え、前記外装部材は、直線状部と、前記直線状部に連なる蛇腹部と、を有し、前記蛇腹部は、前記直線状部よりも屈曲性に優れており、前記第1経路規制部材は、前記外装部材の外周のうち前記外装部材の周方向の一部を覆う第1本体部と、前記第1本体部における周方向の両端部によって形成され、前記第1経路規制部材の長さ方向と直交する方向に開口するとともに当該長さ方向の全体にわたって延びており、前記外装部材が挿入可能に構成された第1挿入口と、を有し、前記第1経路規制部材は、前記蛇腹部に取り付けられている。
【発明の効果】
【0008】
本開示のワイヤハーネスによれば、外装部材を異なる車種に対して好適に共用化できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態のワイヤハーネスを示す概略構成図である。
図2図2は、一実施形態のワイヤハーネスの一部を示す側面図である。
図3図3は、図2の3-3線に沿った断面図である。
図4図4は、図2の4-4線に沿った断面図である。
図5図5は、別例のワイヤハーネスの一部を示す側面図である。
図6図6は、別例のワイヤハーネスの一部を示す側面図である。
図7図7は、別例のワイヤハーネスを説明するための断面図である。
図8図8は、別例のワイヤハーネスを説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示のワイヤハーネスは、
[1]電線部材と、前記電線部材の外周を覆う筒状の外装部材と、前記外装部材の外周に取り付けられて前記外装部材の経路を規制する第1経路規制部材と、を備え、前記外装部材は、直線状部と、前記直線状部に連なる蛇腹部と、を有し、前記蛇腹部は、前記直線状部よりも屈曲性に優れており、前記第1経路規制部材は、前記外装部材の外周のうち前記外装部材の周方向の一部を覆う第1本体部と、前記第1本体部における周方向の両端部によって形成され、前記第1経路規制部材の長さ方向と直交する方向に開口するとともに当該長さ方向の全体にわたって延びており、前記外装部材が挿入可能に構成された第1挿入口と、を有し、前記第1経路規制部材は、前記蛇腹部に取り付けられている。
【0011】
同構成によれば、外装部材は、直線状部と、直線状部に連なり直線状部よりも屈曲性に優れている蛇腹部とを有するため、直線状部では曲がり難く、蛇腹部では曲げ易い構成とすることができる。そして、第1経路規制部材は、蛇腹部に取り付けられるため、蛇腹部の一部を曲がり難くすることができる。これにより、外装部材を異なる車種に対して好適に共用化することができる。すなわち、直線状部は、複数の車種において曲がって欲しくない部位に設定することで、共通の曲がり難い部位とすることができる。そして、蛇腹部において第1経路規制部材を取り付ける位置や第1経路規制部材の長さを変更することで、蛇腹部の曲がり難い部位及び曲げ易い部位を車種毎に変更することができる。
【0012】
[2]前記第1本体部の形状は優弧であることが好ましい。
同構成によれば、第1経路規制部材の第1本体部の形状は優弧であるため、例えば、テープ等の固定部材を用いることなく、外装部材の外周に対して第1挿入口を通じて第1経路規制部材を後付けして固定することができる。
【0013】
[3]前記第1経路規制部材は、前記第1本体部における周方向の両端部の内面から前記外装部材に向かって突出して前記外装部材の外面に接触する第1突出部を有していることが好ましい。
【0014】
同構成によれば、第1経路規制部材は、第1本体部における周方向の両端部の内面から外装部材に向かって突出して外装部材の外面に接触する第1突出部を有しているため、第1挿入口を通じた外装部材からの第1経路規制部材の脱離を抑制できる。
【0015】
[4]前記第1経路規制部材は、前記直線状部と離れた位置に取り付けられていることが好ましい。
同構成によれば、第1経路規制部材は、直線状部と離れた位置に取り付けられているため、第1経路規制部材と直線状部との間の蛇腹部で曲げ易い構成となる。
【0016】
[5]前記第1経路規制部材は、前記蛇腹部と前記直線状部とに跨がるように設けられていることが好ましい。
同構成によれば、第1経路規制部材は、蛇腹部と直線状部とに跨がるように設けられているため、直線状部と蛇腹部との境界の折れ曲がりを抑えることができる。すなわち、直線状部と蛇腹部との境界は、構造が変化することで折れ曲がりやすくなる虞があるが、第1経路規制部材によって折れ曲がりが抑えられる。
【0017】
[6]前記蛇腹部は、前記直線状部の両端側に設けられた第1蛇腹部と第2蛇腹部とを有し、前記第1経路規制部材は、前記第1蛇腹部と前記直線状部と前記第2蛇腹部とに跨がるように設けられていることが好ましい。
【0018】
同構成によれば、第1経路規制部材は、第1蛇腹部と直線状部と第2蛇腹部とに跨がるように設けられているため、直線状部と第1蛇腹部との境界及び直線状部と第2蛇腹部との境界の折れ曲がりを抑えることができる。すなわち、直線状部と第1蛇腹部との境界及び直線状部と第2蛇腹部との境界は、構造が変化することで折れ曲がりやすくなる虞があるが、第1経路規制部材によって折れ曲がりが抑えられる。
【0019】
[7]前記直線状部の外周に取り付けられて前記直線状部の経路を規制する第2経路規制部材を備えていることが好ましい。
同構成によれば、直線状部の外周に取り付けられて直線状部の経路を規制する第2経路規制部材を備えているため、直線状部の曲がり難くさが補完され、直線状部での十分な経路の規制を行うことができるようになる。この構成では、例えば、全体が蛇腹状のコルゲートチューブに経路を規制する経路規制部材を取り付ける場合に比べて、第2経路規制部材の薄型化を図りながら十分な経路の規制を行うことができるようになる。また、例えば、第2経路規制部材を備えずに直線状部の剛性を高めて十分な経路の規制を行う構成とした場合では、蛇腹部が曲がり難くなったり破損し易くなる虞があるが、上記構成ではこれを回避して蛇腹部の屈曲性を確保することができる。これらのことから、良好な経路規制と屈曲性とを両立させることができる。
【0020】
[8]前記直線状部の外径寸法は、前記蛇腹部の外径寸法よりも小さいことが好ましい。
同構成によれば、直線状部の外径寸法は、蛇腹部の外径寸法よりも小さいため、蛇腹部の外径寸法以上とした場合に比べて、第2経路規制部材が取り付けられた部位の外径寸法を小さくすることができる。
【0021】
[9]前記第2経路規制部材の長さは、前記直線状部の長さよりも短いことが好ましい。
同構成によれば、第2経路規制部材の長さは、直線状部の長さよりも短いため、第2経路規制部材の長さ方向の全てを直線状部に取り付けることができる。
【0022】
[10]前記直線状部に取り付けられた状態における前記第2経路規制部材の外径寸法は、前記蛇腹部の外径寸法以下であることが好ましい。
同構成によれば、直線状部に取り付けられた状態における第2経路規制部材の外径寸法は、蛇腹部の外径寸法以下であるため、第2経路規制部材が取り付けられた部位が蛇腹部よりも径方向に突出してしまうことがない。
【0023】
[11]前記第2経路規制部材は、前記直線状部の外周のうち前記直線状部の周方向の一部を覆う第2本体部と、前記第2本体部における周方向の両端部によって形成され、前記第2経路規制部材の長さ方向と直交する方向に開口するとともに当該長さ方向の全体にわたって延びており、前記直線状部が挿入可能に構成された第2挿入口と、を有し、前記第2本体部の形状は優弧であることが好ましい。
【0024】
同構成によれば、第2経路規制部材の第2本体部の形状は優弧であるため、例えば、テープ等の固定部材を用いることなく、直線状部の外周に対して第2挿入口を通じて第2経路規制部材を後付けして固定することができる。
【0025】
[12]前記第2経路規制部材は、前記第2本体部における周方向の両端部の内面から前記直線状部に向かって突出して前記直線状部の外面に接触する第2突出部を有していることが好ましい。
【0026】
同構成によれば、第2経路規制部材は、第2本体部における周方向の両端部の内面から直線状部に向かって突出して直線状部の外面に接触する第2突出部を有しているため、第2挿入口を通じた直線状部からの第2経路規制部材の脱離を抑制できる。
【0027】
[13]前記直線状部は、前記第2突出部が嵌まる凹部を有していることが好ましい。
同構成によれば、直線状部は、第2突出部が嵌まる凹部を有しているため、第2挿入口を通じた直線状部からの第2経路規制部材の脱離をより抑制できる。また、直線状部に対する第2経路規制部材の周方向の回転を抑制できる。また、第2経路規制部材が取り付けられた部位の外径寸法を小さくすることができる。また、凹部を有していない構成に比べて直線状部がより曲がり難くなる。
【0028】
[14]前記凹部は、2つ設けられていることが好ましい。
同構成によれば、凹部は、2つ設けられているため、第2本体部における周方向の両端部の第2突出部を共に凹部に嵌まった状態とすることができる。よって、凹部が1つの場合に比べて、第2挿入口を通じた直線状部からの第2経路規制部材の脱離をさらに抑制できる。また、直線状部に対する第2経路規制部材の周方向の回転をさらに抑制できる。また、第2経路規制部材が取り付けられた部位の外径寸法をさらに小さくすることができる。また、直線状部がさらに曲がり難くなる。
【0029】
[15]前記凹部は、3つ以上設けられていることが好ましい。
同構成によれば、凹部は、3つ以上設けられているため、直線状部に対する第2経路規制部材の周方向の取り付け位置を変更することができる。また、凹部が2つ以下の場合に比べて、直線状部がさらに曲がり難くなる。
【0030】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のワイヤハーネスの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。本明細書における「直交」は厳密に直交の場合のみでなく、本実施形態における作用効果を奏する範囲内で概ね直交の場合も含まれる。また、本明細書における「円」や「円弧」は厳密に円や円弧の場合のみでなく、本実施形態における作用効果を奏する範囲内で概ね円や円弧の場合も含まれる。
【0031】
(ワイヤハーネス10の全体構成)
図1に示すワイヤハーネス10は、2個又は3個以上の電気機器を電気的に接続する。ワイヤハーネス10は、例えば、ハイブリッド車や電気自動車等の車両Vの前部に設置されたインバータ11と、そのインバータ11よりも車両Vの後方に設置された高圧バッテリ12とを電気的に接続する。ワイヤハーネス10は、例えば、車両Vの床下等を通るように配索される。例えば、ワイヤハーネス10の長さ方向の中間部が車両Vの床下等の車室外を通るように配索される。
【0032】
インバータ11は、車両走行の動力源となる図示しない車輪駆動用のモータと接続される。インバータ11は、高圧バッテリ12の直流電力から交流電力を生成し、その交流電力をモータに供給する。高圧バッテリ12は、例えば、数百ボルトの電圧を供給可能なバッテリである。
【0033】
図1及び図3に示すように、ワイヤハーネス10は、上記電気機器同士を電気的に接続する電線部材20と、電線部材20の外周を覆う筒状の外装部材30とを備えている。
また、図1及び図2に示すように、ワイヤハーネス10は、外装部材30の外周に取り付けられて外装部材30の一部の経路を規制する第1経路規制部材40及び第2経路規制部材50を備えている。図1に示すように、電線部材20の両端部には、一対のコネクタC1,C2が取り付けられている。
【0034】
(電線部材20の構成)
図3に示すように、電線部材20は、1本又は複数本の電線21と、各電線21の外周を一括して覆う編組部材24とを有している。本実施形態の電線部材20は、2本の電線21を有している。電線部材20の一端部はコネクタC1を介してインバータ11と接続され、電線部材20の他端部はコネクタC2を介して高圧バッテリ12と接続されている。電線部材20は、例えば、車両の前後方向に延びるように長尺状に形成されている。電線21は、例えば、高電圧・大電流に対応可能な高圧電線である。電線21は、例えば、自身に電磁シールド構造を有しないノンシールド電線であってもよいし、自身に電磁シールド構造を有するシールド電線であってもよい。
【0035】
(電線21の構成)
図3に示すように、電線21は、導体よりなる芯線22と、芯線22の外周を被覆する絶縁被覆23とを有する被覆電線である。
【0036】
(芯線22の構成)
芯線22としては、例えば、複数の金属素線をより合わせてなる撚線、内部が中実構造をなす柱状の1本の金属棒からなる柱状導体や、内部が中空構造をなす筒状導体などを用いることができる。また、芯線22として、例えば、撚線、柱状導体、筒状導体等の複数種類の導体を組み合わせたものを用いることもできる。柱状導体としては、例えば、単芯線やバスバなどを挙げることができる。本実施形態の芯線22は、撚線である。芯線22の材料としては、例えば、銅系やアルミニウム系などの金属材料を用いることができる。
【0037】
芯線22の長さ方向、すなわち電線21の長さ方向に直交する平面によって芯線22を切断した断面形状(以下、横断面形状という)は、任意の形状にすることができる。芯線22の横断面形状は、例えば、円形状、半円状、多角形状、正方形状、扁平形状等に形成されている。本実施形態の芯線22の横断面形状は、円形状に形成されている。
【0038】
(絶縁被覆23の構成)
絶縁被覆23は、例えば、芯線22の外周面を全周にわたって被覆している。絶縁被覆23は、例えば、合成樹脂などの絶縁材料からなる。絶縁被覆23の材料としては、例えば、架橋ポリエチレンや架橋ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂を主成分とする合成樹脂を用いることができる。また、絶縁被覆23の材料としては、1種の材料を単独で用いてもよいし、2種以上の材料を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0039】
(編組部材24の構成)
編組部材24は、例えば、全体として各電線21の外周を一括して覆う筒状をなしている。編組部材24は、例えば、電線21の長さ方向の略全体にわたって各電線21の外周を覆うように設けられている。編組部材24としては、複数の金属素線が編成された編組線や、金属素線と樹脂素線とを組み合わせて編成された編組線を用いることができる。金属素線の材料としては、例えば、銅系やアルミニウム系などの金属材料を用いることができる。図示は省略するが、編組部材24は、例えば、各コネクタC1,C2などにおいてアース接続されている。
【0040】
(外装部材30の構成)
図3及び図4に示すように、外装部材30は、電線部材20の外周を周方向の全体にわたって覆う円筒状をなしている。外装部材30は、周方向の全体にわたって密閉されている。外装部材30の材料としては、例えば、導電性を有する樹脂材料や導電性を有しない樹脂材料を用いることができる。樹脂材料としては、例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ABS樹脂などの合成樹脂を用いることができる。図2に示すように、外装部材30は、直線状部31と、直線状部31に連なる蛇腹部32とを有する。
【0041】
図2及び図4に示すように、蛇腹部32は、その長さ方向に沿って大径部33と小径部34とが交互に連なって設けられた蛇腹構造を有している。蛇腹部32は、直線状部31よりも屈曲性に優れている。本実施形態の蛇腹部32は、直線状部31の両端側に設けられた第1蛇腹部35と第2蛇腹部36とを有する。すなわち、本実施形態の外装部材30は、第1蛇腹部35と直線状部31と第2蛇腹部36とがこの順で長さ方向に連なって設けられている。直線状部31は、例えば、電線部材20の配索経路のうち車両Vの床下等の外装部材30が直線状に延びる部分に対応して設定されている。
【0042】
図3に示すように、直線状部31は、その長さ方向に径が一定とされている。直線状部31の外径寸法A1は、蛇腹部32の外径寸法A2よりも小さい。なお、蛇腹部32の外径寸法A2は、大径部33の外径寸法A2である。本実施形態では、直線状部31の外径寸法A1は、蛇腹部32における小径部34の外径寸法A3(図4参照)と同じに設定されている。
【0043】
図3に示すように、直線状部31は、凹部37を有する。凹部37は、径方向内側に向かって凹んでいる。凹部37は、直線状部31の周方向に2つ設けられている。凹部37は、直線状部31の長さ方向に沿って延びている。凹部37は、直線状部31の長さ方向の全体に設けられている。凹部37は、直線状部31の長さ方向から見て、円弧形状に形成されている。
【0044】
(第1経路規制部材40の構成)
第1経路規制部材40は、樹脂製である。第1経路規制部材40の材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリアセタールなどの合成樹脂を用いることができる。第1経路規制部材40は、例えば、押出成形や射出成形などの周知の製造方法によって製造することができる。本実施形態の第1経路規制部材40は、長さ方向から見た断面形状が一定とされている。第1経路規制部材40は、押出成形品である。
【0045】
図4に示すように、第1経路規制部材40は、第1本体部41と、第1挿入口42とを有する。第1本体部41は、外装部材30の外周のうち外装部材30の周方向の一部を覆う。第1挿入口42は、第1本体部41における周方向の両端部によって形成され、第1経路規制部材40の長さ方向と直交する方向に開口するとともに当該長さ方向の全体にわたって延びており、外装部材30が挿入可能に構成される。第1本体部41の形状は、長さ方向から見て、優弧である。すなわち、第1本体部41の形状は、2点で仮想円を2つの部分に分けたとき、長さが全周の半分より大きい方の形状である。
【0046】
図2及び図4に示すように、第1経路規制部材40は、外装部材30の蛇腹部32に取り付けられている。本実施形態では、第1経路規制部材40は、第1蛇腹部35に取り付けられている。また、第1経路規制部材40は、蛇腹部32において、直線状部31と離れた位置に取り付けられている。
【0047】
図3に示すように、第1経路規制部材40は、第1本体部41における周方向の両端部の内面から外装部材30に向かって突出して外装部材30の外面、詳しくは蛇腹部32の外面に接触する第1突出部43を有している。第1突出部43の横断面形状は、例えば、半円形状である。第1突出部43は、第1経路規制部材40の長さ方向に沿って第1経路規制部材40の長さ方向の全体にわたって延びている。
【0048】
第1挿入口42の開口幅は、蛇腹部32の外径寸法A2よりも小さい。そして、外装部材30の蛇腹部32を長さ方向に直交する方向から第1挿入口42に挿入する際、第1経路規制部材40は弾性変形されて第1挿入口42の開口幅は大きくされる。外装部材30の蛇腹部32が第1経路規制部材40の内部に挿入されると、第1経路規制部材40が元の形状に戻ろうと弾性復帰する。これにより、上記開口幅が蛇腹部32の外径寸法A2よりも小さくなるとともに第1突出部43が蛇腹部32の外面に押圧接触することで、外装部材30に対して第1経路規制部材40が取り付けられる。
【0049】
(第2経路規制部材50の構成)
第2経路規制部材50は、樹脂製である。第2経路規制部材50の材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリアセタールなどの合成樹脂を用いることができる。第2経路規制部材50は、例えば、押出成形や射出成形などの周知の製造方法によって製造することができる。本実施形態の第2経路規制部材50は、長さ方向から見た断面形状が一定とされている。第2経路規制部材50は、押出成形品である。
【0050】
図3に示すように、第2経路規制部材50は、第2本体部51と、第2挿入口52とを有する。第2本体部51は、直線状部31の外周のうち直線状部31の周方向の一部を覆う。第2挿入口52は、第2本体部51における周方向の両端部によって形成され、第2経路規制部材50の長さ方向と直交する方向に開口するとともに当該長さ方向の全体にわたって延びており、直線状部31が挿入可能に構成される。第2本体部51の形状は、長さ方向から見て、優弧である。すなわち、第2本体部51の形状は、2点で仮想円を2つの部分に分けたとき、長さが全周の半分より大きい方の形状である。
【0051】
図2及び図3に示すように、第2経路規制部材50は、外装部材30の直線状部31に取り付けられている。第2経路規制部材50の長さは、直線状部31の長さよりも短い。そして、第2経路規制部材50は、長さ方向の全てが直線状部31に取り付けられている。
【0052】
図3に示すように、第2経路規制部材50は、第2本体部51における周方向の両端部の内面から直線状部31に向かって突出して直線状部31の外面に接触する第2突出部53を有している。第2突出部53の横断面形状は、例えば、半円形状である。第2突出部53は、第2経路規制部材50の長さ方向に沿って第2経路規制部材50の長さ方向の全体にわたって延びている。そして、第2突出部53は、直線状部31の凹部37に嵌まっている。上記のように直線状部31に取り付けられた状態における第2経路規制部材50の外径寸法A4は、蛇腹部32の外径寸法A2以下である。本実施形態では、直線状部31に取り付けられた状態における第2経路規制部材50の外径寸法A4は、蛇腹部32の外径寸法A2と同じに設定されている。
【0053】
第2挿入口52の開口幅は、直線状部31の外径寸法A1よりも小さい。そして、外装部材30の直線状部31を長さ方向に直交する方向から第2挿入口52に挿入する際、第2経路規制部材50は弾性変形されて第2挿入口52の開口幅は大きくされる。外装部材30の直線状部31が第2経路規制部材50の内部に挿入されると、第2経路規制部材50が元の形状に戻ろうと弾性復帰する。これにより、上記開口幅が直線状部31の外径寸法A1よりも小さくなるとともに第2突出部53が凹部37に嵌まることで、外装部材30に対して第2経路規制部材50が取り付けられる。
【0054】
本実施形態の作用について説明する。
外装部材30において、複数の車種で共通して曲がって欲しくない部位は、直線状部31が設定されている。また、外装部材30において、車種毎に曲がって欲しくない部位が異なる範囲は、蛇腹部32が設定されている。そして、蛇腹部32において車種毎に曲がって欲しくない部位には第1経路規制部材40が組み付けられる。例えば、図1に示すように、ワイヤハーネス10の経路は、車種毎に第1経路K1となる場合や第2経路K2となる場合があり、それぞれの経路において曲がって欲しくない部位に第1経路規制部材40が組み付けられる。これにより、第1経路規制部材40が組み付けられた部位は、経路が規制される。また、蛇腹部32において第1経路規制部材40が組み付けられていない部位は、車両Vに組み付ける際等に作業車が自由に曲げて組み付けることが可能となる。また、直線状部31は第2経路規制部材50によって直線状態での曲がり難さが補完されて経路が規制される。
【0055】
本実施形態の効果について説明する。
(1)外装部材30は、直線状部31と、直線状部31に連なり直線状部31よりも屈曲性に優れている蛇腹部32とを有するため、直線状部31では曲がり難く、蛇腹部32では曲げ易い構成とすることができる。そして、第1経路規制部材40は、蛇腹部32に取り付けられるため、蛇腹部32の一部を曲がり難くすることができる。これにより、外装部材30を異なる車種に対して好適に共用化することができる。すなわち、直線状部31は、複数の車種において曲がって欲しくない部位に設定することで、共通の曲がり難い部位とすることができる。そして、蛇腹部32において第1経路規制部材40を取り付ける位置や第1経路規制部材40の長さを変更することで、蛇腹部32の曲がり難い部位及び曲げ易い部位を車種毎に変更することができる。
【0056】
(2)第1経路規制部材40の第1本体部41の形状は優弧であるため、例えば、テープ等の固定部材を用いることなく、外装部材30の外周に対して第1挿入口を通じて第1経路規制部材40を後付けして固定することができる。
【0057】
(3)第1経路規制部材40は、第1本体部41における周方向の両端部の内面から外装部材30に向かって突出して外装部材30の外面に接触する第1突出部43を有している。よって、第1挿入口42を通じた外装部材30からの第1経路規制部材40の脱離を抑制できる。
【0058】
(4)第1経路規制部材40は、直線状部31と離れた位置に取り付けられているため、第1経路規制部材40と直線状部31との間の蛇腹部32で曲げ易い構成となる。
(5)直線状部31の外周に取り付けられて直線状部31の経路を規制する第2経路規制部材50を備えているため、直線状部31の曲がり難くさが補完され、直線状部31での十分な経路の規制を行うことができるようになる。この構成では、例えば、全体が蛇腹状のコルゲートチューブに経路を規制する経路規制部材を取り付ける場合に比べて、第2経路規制部材50の薄型化を図りながら十分な経路の規制を行うことができるようになる。また、例えば、第2経路規制部材50を備えずに直線状部31の剛性を高めて十分な経路の規制を行う構成とした場合では、蛇腹部32が曲がり難くなったり破損し易くなる虞があるが、上記構成ではこれを回避して蛇腹部32の屈曲性を確保することができる。これらのことから、良好な経路規制と屈曲性とを両立させることができる。
【0059】
(6)直線状部31の外径寸法A1は、蛇腹部32の外径寸法A2よりも小さいため、蛇腹部32の外径寸法以上とした場合に比べて、第2経路規制部材50が取り付けられた部位の外径寸法を小さくすることができる。
【0060】
(7)第2経路規制部材50の長さは、直線状部31の長さよりも短いため、第2経路規制部材50の長さ方向の全てを直線状部31に取り付けることができる。
(8)直線状部31に取り付けられた状態における第2経路規制部材50の外径寸法A4は、蛇腹部32の外径寸法A2以下であるため、第2経路規制部材50が取り付けられた部位が蛇腹部32よりも径方向に突出してしまうことがない。
【0061】
(9)第2経路規制部材50の第2本体部51の形状は優弧であるため、例えば、テープ等の固定部材を用いることなく、直線状部31の外周に対して第2挿入口52を通じて第2経路規制部材50を後付けして固定することができる。
【0062】
(10)第2経路規制部材50は、第2本体部51における周方向の両端部の内面から直線状部31に向かって突出して直線状部31の外面に接触する第2突出部53を有している。よって、第2挿入口52を通じた直線状部31からの第2経路規制部材50の脱離を抑制できる。
【0063】
(11)直線状部31は、第2突出部53が嵌まる凹部37を有しているため、第2挿入口52を通じた直線状部31からの第2経路規制部材50の脱離をより抑制できる。また、直線状部31に対する第2経路規制部材50の周方向の回転を抑制できる。また、第2経路規制部材50が取り付けられた部位の外径寸法を小さくすることができる。また、凹部37を有していない構成に比べて直線状部31がより曲がり難くなる。
【0064】
(12)凹部37は、2つ設けられているため、第2本体部51における周方向の両端部の第2突出部53を共に凹部37に嵌まった状態とすることができる。よって、凹部37が1つの場合に比べて、第2挿入口52を通じた直線状部31からの第2経路規制部材50の脱離をさらに抑制できる。また、直線状部31に対する第2経路規制部材50の周方向の回転をさらに抑制できる。また、第2経路規制部材50が取り付けられた部位の外径寸法をさらに小さくすることができる。また、直線状部31がさらに曲がり難くなる。
【0065】
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0066】
・上記実施形態では、第1経路規制部材40は、直線状部31と離れた位置に取り付けられているとしたが、これに限定されず、直線状部31と離れていない位置に取り付けられた構成としてもよい。
【0067】
例えば、図5に示すように、第1経路規制部材40は、蛇腹部32、詳しくは第1蛇腹部35と直線状部31とに跨がるように設けられている構成としてもよい。なお、この例のワイヤハーネス10は、第2経路規制部材50を有していない。
【0068】
このようにすると、直線状部31と第1蛇腹部35との境界の折れ曲がりを抑えることができる。すなわち、直線状部31と第1蛇腹部35との境界は、構造が変化することで折れ曲がりやすくなる虞があるが、第1経路規制部材40によって折れ曲がりが抑えられる。
【0069】
また、例えば、図6に示すように、第1経路規制部材40は、第1蛇腹部35と直線状部31と第2蛇腹部36とに跨がるように設けられている構成としてもよい。なお、この例のワイヤハーネス10は、第2経路規制部材50を有していない。
【0070】
このようにすると、直線状部31と第1蛇腹部35との境界及び直線状部31と第2蛇腹部36との境界の折れ曲がりを抑えることができる。すなわち、直線状部31と第1蛇腹部35との境界及び直線状部31と第2蛇腹部36との境界は、構造が変化することで折れ曲がりやすくなる虞があるが、第1経路規制部材40によって折れ曲がりが抑えられる。
【0071】
・上記実施形態では、凹部37は、第2突出部53の数と同数の2つ設けられているとしたが、これに限定されず、凹部37の数は変更してもよい。すなわち、凹部37の数を3つ以上としてもよいし、1つとしてもよいし、凹部37が設けられていない直線状部31としてもよい。
【0072】
具体的には、例えば、図7に示すように、凹部37が4つ設けられた構成としてもよい。この例では、凹部37が直線状部31の周方向に等間隔で4つ設けられている。このようにすると、例えば、直線状部31に対する第2経路規制部材50の周方向の取り付け位置を変更することができる。すなわち、図7においては、第2経路規制部材50の第2挿入口52が上方を向くように取り付けられているが、第2挿入口52が右方や左方や下方を向くように取り付けることが可能となる。また、凹部37が2つ以下の場合に比べて、直線状部31がさらに曲がり難くなる。
【0073】
また、例えば、図8に示すように、凹部37が設けられていない直線状部31としてもよい。
・上記実施形態では、第1経路規制部材40の第1本体部41の形状は優弧であるとしたが、これに限定されず、他の形状に変更してもよい。
【0074】
例えば、第1経路規制部材40の第1本体部41の形状を劣弧としてもよい。そして、例えば、第1経路規制部材40は、蛇腹部32と共にテープが巻き付けられることで蛇腹部32に対して固定されている構成としてもよい。
【0075】
・上記実施形態では、第1経路規制部材40は、第1突出部43を有しているとしたが、これに限定されず、第1突出部43を有していない構成としてもよい。
・上記実施形態では、ワイヤハーネス10は、直線状部31の外周に取り付けられる第2経路規制部材50を備えているとしたが、これに限定されず、第2経路規制部材50を備えていない構成としてもよい。
【0076】
・上記実施形態では、直線状部31の外径寸法A1は、蛇腹部32の外径寸法A2よりも小さいとしたが、これに限定されず、例えば、蛇腹部32の外径寸法A2以上としてもよい。また、上記実施形態では、直線状部31の外径寸法A1は、蛇腹部32における小径部34の外径寸法A3と同じであるとしたが、これに限定されず、例えば大径部33の外径寸法A2よりも小さく、かつ小径部34の外径寸法A3よりも大きい構成としてもよい。
【0077】
・上記実施形態では、第2経路規制部材50の長さは、直線状部31の長さよりも短いとしたが、これに限定されず、直線状部31の長さ以上であってもよい。なお、第2経路規制部材50の長さが直線状部31の長さよりも長い場合等、第2経路規制部材50の一部が蛇腹部32の周方向の一部を覆うように設けられてもよい。
【0078】
・上記実施形態では、直線状部31に取り付けられた状態における第2経路規制部材50の外径寸法A4は、蛇腹部32の外径寸法A2以下であるとしたが、これに限定されず、蛇腹部32の外径寸法A2よりも大きい構成としてもよい。
【0079】
・上記実施形態では、第2経路規制部材50の第2本体部51の形状は優弧であるとしたが、これに限定されず、他の形状に変更してもよい。
例えば、第2経路規制部材50の第2本体部51の形状を劣弧としてもよい。そして、例えば、第2経路規制部材50は、直線状部31と共にテープが巻き付けられることで直線状部31に対して固定されている構成としてもよい。
【0080】
・上記実施形態では、第2経路規制部材50は、第2突出部53を有しているとしたが、これに限定されず、第2突出部53を有していない構成としてもよい。
・第1経路規制部材40や第2経路規制部材50は、金属製としてもよい。例えば、第1経路規制部材40や第2経路規制部材50は、鉄系又は銅系又はアルミニウム系などの金属材料からなるものであってもよい。このようにすると、例えば、第1経路規制部材40や第2経路規制部材50が車両の熱源に近い位置に配置された場合等に、外装部材30の内部の温度、ひいては、電線部材20の温度が上昇することを抑制できる。
【0081】
・電線部材20は、1本の電線21を有するものであってもよいし、3本以上の電線21を有するものであってもよい。
・電線部材20は、編組部材24を省略することもできる。
【0082】
・ワイヤハーネス10は、外装部材30の長さ方向に互いに間隔をおいて設けられる複数の第1経路規制部材40や第2経路規制部材50を備えるものであってもよい。
・第1経路規制部材40や第2経路規制部材50は、車両Vの床下に設けられるものに限定されない。第1経路規制部材40や第2経路規制部材50は、電線部材20の配索経路のうち直線状に延びる部分であれば、例えば、車両Vの車室内に設けられるものであってもよい。
【符号の説明】
【0083】
10 ワイヤハーネス
11 インバータ
12 高圧バッテリ
20 電線部材
21 電線
22 芯線
23 絶縁被覆
24 編組部材
30 外装部材
31 直線状部
32 蛇腹部
33 大径部
34 小径部
35 第1蛇腹部
36 第2蛇腹部
37 凹部
40 第1経路規制部材
41 第1本体部
42 第1挿入口
43 第1突出部
50 第2経路規制部材
51 第2本体部
52 第2挿入口
53 第2突出部
A1 外径寸法
A2 外径寸法
A3 外径寸法
A4 外径寸法
C1 コネクタ
C2 コネクタ
K1 第1経路
K2 第2経路
V 車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8