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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】瓶型容器仕切部材及び包装箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/493 20060101AFI20240814BHJP
【FI】
B65D5/493 110
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021000091
(22)【出願日】2021-01-04
(65)【公開番号】P2022105369
(43)【公開日】2022-07-14
【審査請求日】2023-06-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】夏川 準司
(72)【発明者】
【氏名】中路 哲也
【審査官】小原 一郎
(56)【参考文献】
【文献】実開昭57-024220(JP,U)
【文献】登録実用新案第3217394(JP,U)
【文献】特開2013-121845(JP,A)
【文献】米国特許第03921891(US,A)
【文献】米国特許第06702115(US,B1)
【文献】特開2003-063524(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0139895(US,A1)
【文献】米国特許第04249691(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/48 - 5/499
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
瓶型容器を収容する箱体の底壁の上面に配置される瓶型容器仕切部材であって、
底板と、
前記底板の左右縁部から立ち上がる左右仕切板と、
前記底板から前記左右仕切板に亘って形成されたスリットと、
前記底板の前部に折曲誘導線を介して連続し、前記底板の下面側に回動されて前記スリットに差し込まれることで、前記左右仕切板に交差して立ち上がる横仕切板と、
を備え、
前記底板は、前記箱体の底壁に形成される凹状部に嵌合可能であり、
前記左右仕切板及び前記横仕切板は、折曲線を介して下方へ向けて折り返される折返し部を備えており、
前記各折曲線は、切込み線及び折曲誘導線からなり、
前記各折曲誘導線は、2本の平行な罫線からなり、
前記左右仕切板における前記折曲誘導線は、前記左右仕切板及び前記横仕切板で区画される各収容部において、前記左右仕切板の延在方向の中央部に配置されており、
前記横仕切板における前記折曲誘導線は、前記各収容部において、前記横仕切板の延在方向の中央部に配置されていることを特徴とする瓶型容器仕切部材。
【請求項2】
瓶型容器を収容可能な箱体と、
前記箱体の底壁の上面に配置される瓶型容器仕切部材と、
前記箱体の上部内側に配置され瓶型容器の上部を仕切る上部仕切部材と、を備える包装箱であって、
前記瓶型容器仕切部材は、請求項1に記載の瓶型容器仕切部材であることを特徴とする包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、瓶型容器用包装箱の下部を仕切る瓶型容器仕切部材及びこの瓶型容器仕切部材を用いた包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、酒類等の飲料を封入した瓶型容器を包装箱に複数本収容する場合に、包装箱の下部を瓶型容器の本数に合わせて仕切る仕切部材が使用されている。
そのような仕切部材の例として、特許文献1に開示されたものが知られている。
【0003】
特許文献1の仕切部材は、ブランクシートを罫線に沿って山折りまたは谷折りすることで立体的に形成され、外箱(箱体)の内側に挿入されて底壁の上面に載置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第4280650号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の仕切部材は、箱体の底壁の上面に単に配置されるものであるため、輸送時等に箱内で動き易く、これを防止したいという要望があった。
外箱の底壁は、一般に、左右一対の内フラップの下面に前後一対の外フラップを重ね、外フラップ同士の突き合わせ部分を閉じることで形成している。これにより、底壁の上面には、離間した内フラップ同士の間に凹状部が形成されるため、この凹状部を埋める埋め板を別途形成して底壁に配置していた。このため、瓶型容器の梱包作業が煩雑であった。
【0006】
本発明は、前記した問題を解決し、箱体の底壁に位置決めできるとともに、瓶型容器の梱包作業が簡単な瓶型容器仕切部材及び包装箱を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため本発明の瓶型容器仕切部材は、瓶型容器を収容する箱体の底壁の上面に配置されるものである。瓶型容器仕切部材は、底板と、前記底板の左右縁部から立ち上がる左右仕切板と、前記底板から前記左右仕切板に亘って形成されたスリットと、前記底板の前部に折曲誘導線を介して連続し、前記底板の下面側に回動されて前記スリットに差し込まれることで、前記左右仕切板に交差して立ち上がる横仕切板と、を備えている。前記底板は、前記箱体の底壁に形成される凹状部に嵌合可能である。前記左右仕切板及び前記横仕切板は、折曲線を介して下方へ向けて折り返される折返し部を備えており、前記各折曲線は、切込み線及び折曲誘導線からなり、前記各折曲誘導線は、2本の平行な罫線からなり、前記左右仕切板における前記折曲誘導線は、前記左右仕切板及び前記横仕切板で区画される各収容部において、前記左右仕切板の延在方向の中央部に配置されており、前記横仕切板における前記折曲誘導線は、前記各収容部において、前記横仕切板の延在方向の中央部に配置されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の瓶型容器仕切部材では、箱体の底壁の凹状部に底板を嵌め込むようにして箱体の底壁の内面(上面)に配置できる。したがって、箱体の底壁に対して瓶型容器仕切部材を位置決めでき、従来のように箱体の底壁の上面に単に配置されるものに比べて箱体の底壁に対する移動を確実に防止できる。また、底板は瓶型容器の荷重を受けて凹状部に位置決めされるので、輸送時の振動等を受けても凹状部から外れ難い。これにより、仕切機能に優れる瓶型容器仕切部材が得られる。
【0010】
また、折返し部を備えていることによって、左右の仕切板及び横仕切板の強度を向上できる。したがって、仕切機能に優れる瓶型容器仕切部材が得られる。
【0011】
また、本発明の包装箱は、瓶型容器を収容可能な箱体と、前記箱体の底壁の上面に配置される前記瓶型容器仕切部材と、前記箱体の上部内側に配置され瓶型容器の上部を仕切る上部仕切部材と、を備える包装箱である。
【0012】
本発明では、箱体の底壁に瓶型容器仕切部材を位置決めして配置することが可能となる。したがって、箱体内で瓶型容器仕切部材が動き難く、瓶型容器の保持機能に優れる包装箱が得られる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の瓶型容器仕切部材及び包装箱では、箱体の底壁に位置決めできるとともに、瓶型容器の梱包作業が簡単であるという作用効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る瓶型容器仕切部材を用いた包装箱を内部が見える状態で表した斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る瓶型容器仕切部材を用いた包装箱の構成要素を分解して示した斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る瓶型容器仕切部材を用いた包装箱の図1のIII-III線に沿う断面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る瓶型容器仕切部材を用いた包装箱に適用される外箱のブランクシートを示した図である。
図5】本発明の一実施形態に係る瓶型容器仕切部材を示した斜視図である。
図6】本発明の一実施形態に係る瓶型容器仕切部材のブランクシートを示した図である。
図7】本発明の一実施形態に係る瓶型容器仕切部材を示した平面図である。
図8】本発明の一実施形態に係る瓶型容器仕切部材を示した正面図である。
図9】本発明の一実施形態に係る瓶型容器仕切部材を示した下面図である。
図10】本発明の一実施形態に係る瓶型容器仕切部材を示した右側面図である。
図11】本発明の一実施形態に係る瓶型容器仕切部材を用いた包装箱に適用される上部仕切部材のブランクシートを示した図である。
図12】本発明の一実施形態に係る瓶型容器仕切部材を用いた包装箱に適用される上部仕切部材のブランクシートのレイアウト図である。
図13】(a)(b)は本発明の一実施形態に係る瓶型容器仕切部材の組み立て手順を示した斜視図である。
図14】(a)~(c)は本発明の一実施形態に係る瓶型容器仕切部材の組み立て手順を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
以下の説明において、前後左右上下の方向は、瓶型容器仕切部材及び包装箱を説明する上で便宜上設定したものであり、本発明の瓶型容器仕切部材及び包装箱の構成を限定するものではない。
【0016】
図1に示すように、包装箱1は、商品である瓶型容器(以下、「瓶」と称する。)Bを縦置きで6本収容可能な大きさの箱体2を備えている。箱体2は、外形状が直方体形状を呈している。包装箱1は、さらに、包装箱1の内側下部(瓶Bの下部B1)を仕切る瓶型容器仕切部材20と、包装箱1の内側上部(瓶Bの上部)を仕切る上部仕切部材30と、を備えている(図2図3参照)。各瓶Bの胴部には、商品名を表示するラベルLが貼り付けられている。また、各瓶Bの上端部はキャップで封止されている。瓶Bとしては、例えば、ワイン等が封入される瓶が挙げられる。
【0017】
箱体2(図1中二点鎖線で図示)は、左右一対の側壁3a,3b及び前後一対の端壁4a,4bからなる角筒状の胴部5と、胴部5の下側開口部を閉じている底壁6と、胴部5の上側開口部を閉じている頂壁7と、を備えている。
【0018】
箱体2は、図4に示すように、一枚の段ボール製のシートを切り抜いたブランクシートSH1を各罫線(折線、線状の溝)において山折りまたは谷折りすることで形成される。図4のブランクシートSH1は内面側が見えるように配置されている。
なお、罫線に切れ込み(ハーフカット線等)を形成してもよい。このようにすると、罫線においてブランクシートSH1を折り曲げ易くなる。
【0019】
側壁3a,3b及び端壁4a,4bは、それぞれ四角形に形成されている。前端壁4aには、右側壁3bに対して接着剤によって接合される接合片8が連設されている。
【0020】
底壁6は、左右一対の底内フラップ6a,6aと、前後一対の底外フラップ6b,6bと、によって構成されている。底壁6の内面(上面)には、図2図3に示すように、左右一対の底内フラップ6a,6aが離間することによって平面視四角形状の凹状部6cが形成されている。凹状部6cは、底内フラップ6aの厚みにより段差ができる分、下方に窪んでいる。前後一対の底外フラップ6b,6b同士の先端部は前後方向の中央部で突き合わされており、突き合せ部分が図示しない粘着テープ等により封緘されている。
【0021】
頂壁7は、図4に示すように、左右一対の内フラップ7a,7aと、前後一対の外フラップ7b,7bと、によって構成されている。頂壁7の内面(下面)には、図3に示すように、左右一対の内フラップ7a,7aの離間による下面視四角形状の凹状部7cが形成されている。凹状部7cは、内フラップ7aの厚みにより段差ができる分、上方に窪んでいる。前後一対の外フラップ7b,7b同士の先端部は、瓶Bの収容後に前後方向の中央部で突き合わされ、突き合せ部分が図示しない粘着テープ等により封緘される。
【0022】
瓶型容器仕切部材20は、図1に示すように、箱体2の底壁6の内面(上面)に配置される部材である。瓶型容器仕切部材20は、箱体2の下部を、瓶Bを収容可能な6つの収容部に仕切るものである。瓶型容器仕切部材20は、図5に示すように、底板21と、左右仕切板22,23と、横仕切板28と、を備えている。左右仕切板22,23は、外形状がいずれも前後方向に長い四角形状を呈している。横仕切板28は、外形状が左右方向に長い四角形状を呈している。左右仕切板22,23は、いずれも底板21から直角に立ち上がっている。横仕切板28は、左右仕切板22,23の前後方向の中央部において左右仕切板22,23のそれぞれに直交するように立ち上がっている。
【0023】
瓶型容器仕切部材20は、図6に示すように、ブランクシートSH2を各罫線(折線、線状の溝)において山折りまたは谷折りすることで形成される。ブランクシートSH2は、一枚の段ボール製のシートを型抜きして形成される。図6のブランクシートSH2は内面側が見えるように配置されている。ブランクシートSH2の各罫線(折線)は、ブランクシートSH2の表面を押し込んで形成された線状の溝(押罫)である。なお、罫線に切れ込みを形成してもよい。このようにすると、罫線においてブランクシートSH2を折り曲げ易くなる。
【0024】
ブランクシートSH2は、長四角形状(長方形状)の底板21を左右方向の中央部に備えている。底板21の左縁部には、罫線L22を介して左仕切板22が連設されている。また、底板21の右縁部には、罫線L23を介して右仕切板23が連設されている。左仕切板22及び右仕切板23は、底板21と略同様の大きさの長四角形状(長方形状)を呈している。
【0025】
底板21は、箱体2の底壁6の凹状部6cに対応する大きさを備えており、凹状部6cに対して嵌合可能である。つまり、瓶型容器仕切部材20を底壁6の内面(上面)に配置すると、底板21が嵌合突部として機能し凹状部6cに嵌合される。
【0026】
底板21の前後方向の中央部には、図6に示すように、スリット24が形成されている。スリット24は、底板21から左右仕切板22,23に亘って延在しており、横仕切板28(図5参照)を係合するための係合溝として機能する。スリット24は、底板21の全幅に亘って形成される幅広部24aと、幅広部24aに連続して左右仕切板22,23に形成される幅狭部24b,24bとを備えている。各幅狭部24b,24bは、幅広部24aに連続する部分24c,24cが傾斜状に広がっている。幅広部24aの前後方向の幅は、ブランクシートSH2の2枚分の厚さに相当する大きさに設定されている。また、幅狭部24b,24bの両先端部における前後方向の幅は、ブランクシートSH2の1枚分の厚さに相当する大きさに設定されている。各幅狭部24b,24bは、図5に示すように、左右仕切板22,23の上下方向の略中央部まで形成されている。
【0027】
左仕切板22は、底板21の左縁部から上方に向けて延びる立上り部22aと、立上り部22aの上縁部に連続し折曲線25を介して下方に折り返される折返し部22bとを備えている。折曲線25は、図6に示すように、罫線L22と平行に延在する切込み線25a及び折曲誘導線25bからなる。折曲誘導線25bは、切込み線25aの延在方向に間隔を空けて前後2箇所に設けられている。各折曲誘導線25bは、2本の平行な罫線からなり、図5に示すように、上方に凸となる断面円弧状に山折りされる。
【0028】
折返し部22bは、折曲線25で折り返され、立上り部22aの上部内面に重なっている。これにより、左仕切板22の上部は、段ボール2枚分の厚さとなっている。折返し部22bの下縁部には、立上り部22aのスリット24に対応する位置に切欠22c(図6参照)が形成されている。
【0029】
右仕切板23は、左仕切板22と左右対称の構成であり、底板21の右縁部から上方に向けて延びる立上り部23aと、立上り部23aの上縁部に連続し折曲線26を介して下方に折り返される折返し部23bとを備えている。折曲線26は、図6に示すように、罫線L23と平行に延在する切込み線26a及び折曲誘導線26bからなる。折曲誘導線26bは、切込み線26aの延在方向に間隔を空けて前後2箇所に設けられている。各折曲誘導線26bは、2本の平行な罫線からなり、図5に示すように、上方に凸となる断面円弧状に山折りされる。
【0030】
折返し部23bは、各折曲誘導線26bで折り返され、立上り部23aの上部内面に重なっている。これにより、右仕切板23の上部は、段ボール2枚分の厚さとなっている。折り返し部23bの下縁部には、立上り部23aのスリット24に対応する位置に切欠23c(図6参照)が形成されている。
【0031】
なお、各折曲誘導線25b,26bは、図5に示すように、左右仕切板22,23及び横仕切板28で区画される各収容部において、前後方向の略中央部に配置されている。これにより、瓶Bを収容する際等にラベルLが傷つき難くなっている。
【0032】
底板21の前部には、図6に示すように、連結部27を介して横仕切板28が連設されている。連結部27は、平面視で台形状に区画される部位であり、台形の上底となる折曲誘導線27aと、台形の下底となる折曲誘導線27bと、これらを繋ぐ左右の傾斜切込線27c,27cとを備えている。折曲誘導線27a及び折曲誘導線27bは、スリット24と平行である。連結部27は、左右の傾斜切込線27c,27cにおいて底板21から部分的に切り離されるとともに、折曲誘導線27aにおいて底板21の下面側に折り返される部位である(図7図9参照)。なお、図3において、底板21の下方への連結部27の突出は省略している。
【0033】
横仕切板28は、図6に示すように、連結部27の折曲誘導線27bを介して底板21の前側に連続する立上り部28aと、折曲線29を介して立上り部28aに連続する折り返し部28bとを備えている。立上り部28aは、連結部27の折曲誘導線27bの左右に連続する切込線28c,28cにより、底板21の前縁部及び左右仕切板22,23の前縁部から切り離されている。折曲線29は、連結部27の折曲誘導線27bと平行に延在する切込み線29a及び折曲誘導線29bからなる。折曲誘導線29bは、切込み線29aの延在方向に間隔を空けて左右3箇所に設けられている。各折曲誘導線29bは、2本の平行な罫線からなり、上方に凸となる断面円弧状に折り返される。切込み線29aには、左右2つのスリット29c,29cが直交している。スリット29c,29cは、左右仕切板22,23に横仕切板28を係合するための係合溝として機能する。スリット29c,29cは、左右仕切板22,23のスリット24の各幅狭部24b,24bに対して係合可能である。折り返し部28bは、図5に示すように、各折曲誘導線29bで谷折りされて立上り部28aの後面側に重なっている。
【0034】
なお、各折曲誘導線29bは、図5に示すように、左右仕切板22,23及び横仕切板28で区画される各収容部において、左右方向の略中央部に配置されている。これにより、瓶Bを収容する際等にラベルLが傷つき難くなっている。
【0035】
上部仕切部材30は、図1図3に示すように、箱体2の上部内側に配置される部材である。上部仕切部材30は、瓶型容器仕切部材20に対応して箱体2の上部を6つの瓶Bの収容部に仕切るものである。上部仕切部材30は、図3に示すように、天板31と、左右仕切板32,33と、横仕切板34と、を備えている。左右仕切板32,33は、図13に示すように、外形状がいずれも前後方向に幾分長い四角形状を呈している。横仕切板34は、図3に示すように、外形状が左右方向に長い四角形状を呈している。左右仕切板32,33は、天板31の左右縁部から下方に延在している。横仕切板34は、左右仕切板32,33の前後方向の中央部において左右仕切板32,33のそれぞれに直交するように立ち上がっている。
【0036】
上部仕切部材30は、図11に示すように、一枚の段ボール製のシートを切り抜いたブランクシートSH3により形成される。図11のブランクシートSH3は内面側が見えるように配置されている。
【0037】
ブランクシートSH3は、長四角形状(長方形状)の天板31と、天板31の左縁部に罫線を介して連設された左仕切板32と、天板31の右縁部に罫線を介して連設された右仕切板33と、切込線L35で分離可能に連設された横仕切板34と、を備えている。左右仕切板32,33及び横仕切板34には、係合用スリット32a,33a,34a,34bが形成されている。
【0038】
天板31は、図1図3に示すように、箱体2の頂壁7の凹状部7c(図3参照)に対応する大きさを備えている。天板31は、瓶Bの上端(キャップ)に上部仕切部材30を被せた状態で、頂壁7の凹状部7cに対して嵌合可能である。つまり、天板31は、嵌合突部として機能して凹状部7cに嵌合されるように構成されている。これにより、上部仕切部材30は、頂壁7の内面(下面)に対して移動が規制された状態に位置決めされる。
【0039】
図11はブランクシートSH3を打ち抜き加工する際のレイアウト図であり、外形状が略四角形状のシートSH4により加工が可能である。このシートSH4では、切込線L35に連設された横仕切板34,34を左右方向に互い違いに配置して、横仕切板34による前後方向への突出をなくしている。
このシートSH4によれば、1回の打ち抜き加工で2枚のブランクシートSH3を形成することができ、無駄を無くした効率の良いブランクシートSH3の生産が可能である。
【0040】
次に、瓶型容器仕切部材20をブランクシートSH2から組み立てる際の手順について説明する。
はじめに、図13(a)に示すように、底板21の左右の罫線L22,L23を谷折りにして、左右仕切板22,23の立上り部22a,23aを底板21に対して立ち上げる。このとき、左右仕切板22,23を折曲線25,26に沿って谷折りにして、左右仕切板22,23の内面に折返し部22b,23bを重ねる。
【0041】
その後、図13(b)に示すように、横仕切板28において折曲線29を谷折りにして立上り部28aに折返し部28bを重ねる。
【0042】
その後、図14(a)に示すように、底板21の連結部27の傾斜切込線27c,27cを切り離し、折曲誘導線27aを軸として連結部27及び横仕切板28を底板21の下面側に回動させる。
【0043】
その後、底板21の下面側に回動された横仕切板28の上端部を、図14(b)に二点鎖線で示すように、スリット24に近づけて差し込む。この場合、底板21には、スリット24の幅広部24aが開口しており、また、左右仕切板22,23には、幅広部24aに連続して傾斜状に広がる部分24c,24cが開口しいているので、横仕切板28の上端部をスリット24にスムーズに差し込むことができる。
【0044】
その後、横仕切板28をスリット24の奥にさらに差し込むと、図14(c)に示すように、スリット24の左右の幅狭部24b,24bに対して、横仕切板28のスリット29c,29cがそれぞれ係合し、左右仕切板22,23に対して直交する状態に横仕切板28が立ち上がる。これにより、瓶型容器仕切部材20が組み立てられる。
【0045】
以上説明した本実施形態の瓶型容器仕切部材20によれば、箱体2の底壁6の凹状部6cに底板21を嵌め込むようにして箱体2の底壁6の内面(上面)に配置できる。したがって、箱体2の底壁6に対して瓶型容器仕切部材20を位置決めでき、従来のように箱体の底壁の上面に単に配置されるものに比べて箱体2の底壁6に対する移動を確実に防止できる。また、底板21は瓶Bの荷重を受けて凹状部6cに位置決めされるので、輸送時の振動等を受けても凹状部6cから外れ難い。これにより、仕切機能に優れる瓶型容器仕切部材20が得られる。
【0046】
また、左右仕切板22,23及び横仕切板28は、下方へ向けて折り返される折返し部22b,23b,28bを備えている。つまり、瓶型容器仕切部材20に備わる全ての仕切板が2枚重ね構造となっている。したがって、強度を向上でき、仕切機能に優れる瓶型容器仕切部材20が得られる。
【0047】
また、本実施形態の包装箱1は、瓶型容器仕切部材20と、瓶Bを収容可能な箱体2と、箱体2の上部内側に配置され瓶Bの上部を仕切る上部仕切部材30と、を備える。したがって、箱体2の底壁6に瓶型容器仕切部材20を位置決めして配置することが可能であり、箱体2内で瓶型容器仕切部材20が動き難く、瓶Bの保持機能に優れる包装箱1が得られる。
【0048】
また、上部仕切部材30の天板31を頂壁7の凹状部7cに嵌め込むことができ、上部仕切部材30も箱体2の上部に位置決めできるので、瓶Bの保持機能により優れた包装箱1が得られる。
【0049】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
例えば、左右仕切板22,23において、折返し部22b,23bは、左右仕切板22,23の内面に折り返されるものを示したが、外面に折り返されてもよい。
【0050】
また、折曲線25,26,29は、部分的に折曲誘導線25b,26b,29bを設けたものを示したが、これに限られることはなく、全体に形成してもよい。
【0051】
また、底板21の形状は、底壁6の凹状部6cに嵌合可能なものであれば、種々の形状のものを採用することができる。
また、天板31の形状も、頂壁7の凹状部7cに嵌合可能なものであれば、種々の形状のものを採用することができる。
【0052】
また、左右仕切板22,23及び横仕切板28の立ち上がり高さは、実施形態で示したものより高く形成することもでき、これとは逆に、低く形成することもできる。
【0053】
本実施形態のブランクシートSH1~SH4は段ボール製であるが、各種公知の板紙によってブランクシートを形成してもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 包装箱
2 箱体
6 底壁
6c 凹状部
20 瓶型容器仕切部材
21 底板
22 左仕切板
23 右仕切板
28 横仕切板
30 上部仕切部材
B 瓶型容器
図1
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