(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
B25C 7/00 20060101AFI20240814BHJP
B25F 5/00 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
B25C7/00 Z
B25F5/00 C
(21)【出願番号】P 2021013553
(22)【出願日】2021-01-29
【審査請求日】2023-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】工機ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】相澤 宗太郎
(72)【発明者】
【氏名】西河 智雅
(72)【発明者】
【氏名】安富 俊徳
【審査官】マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-276378(JP,A)
【文献】特開2005-001064(JP,A)
【文献】特開2006-315116(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25C 1/00 - 7/00
B25F 5/00
B27F 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
止具が供給される射出部を有する本体部と、
前記射出部に供給された前記止具を打撃して前記止具を第1方向の一方側へ射出させる打撃部と、
前記第1方向に相対移動可能に前記本体部に設けられ、加工材から作用する反力によってオフ位置から前記第1方向の他方側のオン位置へ移動する移動部材と、
前記本体部に着脱可能に取付けられ、前記移動部材の少なくとも一部を覆うカバーと、
前記移動部材のオン位置において前記打撃部の打撃動作を許可し、前記移動部材のオフ位置において前記打撃部の打撃動作を禁止する制御部と、
を備え、
前記カバーの前記本体部への取付状態及び取外状態の何れの状態であっても、前記移動部材が前記オン位置と前記オフ位置との間を移動可能に構成されており、
前記カバーの取外状態では、前記移動部材がオン位置に配置されていても、
前記制御部が前記打撃部の打撃動作を禁止する作業機。
【請求項2】
前記本体部には、前記カバーの前記本体部への着脱状態を検出して前記制御部に検出信号を出力する着脱検出部が設けられており、
前記制御部は、前記着脱検出部からの検出信号に基づいて前記カバーの取外状態を検知すると、前記打撃部の打撃動作を禁止する請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記カバーの前記本体部への取付方向と前記第1方向の他方側とが一致している請求項2に記載の作業機。
【請求項4】
前記本体部には、カバー側被検出部が前記第1方向に相対移動可能に設けられており、
前記カバーの前記本体部への取付時に、前記カバーによって前記カバー側被検出部が取外位置から前記第1方向の他方側の取付位置に移動することで前記カバー側被検出部が前記着脱検出部に接近して、前記制御部が前記カバーの取付状態を検知する請求項3に記載の作業機。
【請求項5】
前記カバー側被検出部は、前記取付位置よりも前記第1方向の他方側のオーバーラン位置まで移動可能に構成されており、
前記オーバーラン位置では、前記制御部が前記カバーの取外状態を検知して前記打撃部の打撃動作を禁止する請求項4に記載の作業機。
【請求項6】
前記第1方向に対して直交する方向を第2方向とし、前記第1方向及び第2方向に対して直交する方向を第3方向とし、
前記移動部材は、前記加工材に押付けることで前記加工材から前記第1方向の他方側への反力が作用する押付部を有しており、
前記カバーは、前記移動部材を前記第2方向の一方側及び前記第3方向の両側から覆っており、前記押付部の一部が、前記カバー及び前記射出部よりも前記第1方向の一方側へ突出している請求項1~請求項5の何れか一項に記載の作業機。
【請求項7】
前記移動部材は、前記押付部よりも第2方向の一方側に配置された突出部を有しており、
前記カバーが、前記突出部における前記第1方向の一方側端部を覆っている請求項6に記載の作業機。
【請求項8】
前記移動部材は、
前記本体部と当接して前記移動部材の移動範囲を規定する第1移動部材と、
前記第1移動部材に対して前記第1方向に相対移動可能に連結され、前記押付部を有する第2移動部材と、
前記第2移動部材の前記第1移動部材に対する相対位置を調整する調整部材と、
を含んで構成され、
前記第2移動部材には、前記調整部材に連結された連結部が形成されており、
前記連結部が、前記突出部における前記第1方向の一方側端部を構成している請求項7に記載の作業機。
【請求項9】
前記本体部には、前記移動部材のオン位置を検出する位置検出部が設けられており、
前記制御部は、前記位置検出部からの検出信号に基づいて前記移動部材のオン位置を検知する請求項1~請求項8の何れか1項に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載の打込機(作業機)では、釘等の止具がノーズの射出部に供給され、打撃部によって止具が打撃されて射出部から射出される。また、射出部には、プッシュレバーが上下方向に移動可能に設けられている。プッシュレバーの下端部は、加工材に当接される当接部(押込部)として構成され、プッシュレバーの上端側部分は、上下方向におけるプッシュレバーの位置を調整することができる非当接部として構成されている。そして、打込機の作業時には、プッシュレバーの当接部を加工材に押付けて、加工材への打込み加工を行う。すなわち、加工材から当接部への反力によってプッシュレバーが射出部に対して上側に移動することで、打込機の打込動作が許可される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記打込機では、プッシュレバーの当接部及び非当接部が、打込機のハウジングから露出している。このため、例えば、打込み加工では、作業者が、プッシュレバーの当接部以外の部分(例えば、非当接部)の周囲部材等への接触を回避しつつ、押込操作を行う必要がある。このため、上記打込機では、作業性を向上するという点において、改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、作業性を向上することができる作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、止具が供給される射出部を有する本体部と、前記射出部に供給された前記止具を打撃して前記止具を第1方向の一方側へ射出させる打撃部と、前記第1方向に相対移動可能に前記本体部に設けられ、加工材から作用する反力によってオフ位置から前記第1方向の他方側のオン位置へ移動する移動部材と、前記本体部に着脱可能に取付けられ、前記移動部材の少なくとも一部を覆うカバーと、前記移動部材のオン位置において前記打撃部の打撃動作を許可し、前記移動部材のオフ位置において前記打撃部の打撃動作を禁止する制御部と、を備え、前記カバーの前記本体部への取付状態及び取外状態の何れの状態であっても、前記移動部材が前記オン位置と前記オフ位置との間を移動可能に構成されており、前記カバーの取外状態では、前記移動部材がオン位置に配置されていても、前記制御部が前記打撃部の打撃動作を禁止する作業機である。
【0007】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記本体部には、前記カバーの前記本体部への着脱状態を検出して前記制御部に検出信号を出力する着脱検出部が設けられており、前記制御部は、前記着脱検出部からの検出信号に基づいて前記カバーの取外状態を検知すると、前記打撃部の打撃動作を禁止する作業機である。
【0008】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記カバーの前記本体部への取付方向と前記第1方向の他方側とが一致している作業機である。
【0009】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記本体部には、カバー側被検出部が前記第1方向に相対移動可能に設けられており、前記カバーの前記本体部への取付時に、前記カバーによって前記カバー側被検出部が取外位置から前記第1方向の他方側の取付位置に移動することで前記カバー側被検出部が前記着脱検出部に接近して、前記制御部が前記カバーの取付状態を検知する作業機である。
【0010】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記カバー側被検出部は、前記取付位置よりも前記第1方向の他方側のオーバーラン位置まで移動可能に構成されており、前記オーバーラン位置では、前記制御部が前記カバーの取外状態を検知して前記打撃部の打撃動作を禁止する作業機である。
【0011】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記第1方向に対して直交する方向を第2方向とし、前記第1方向及び第2方向に対して直交する方向を第3方向とし、前記移動部材は、前記加工材に押付けることで前記加工材から前記第1方向の他方側への反力が作用する押付部を有しており、前記カバーは、前記移動部材を前記第2方向の一方側及び前記第3方向の両側から覆っており、前記押付部の一部が、前記カバー及び前記射出部よりも前記第1方向の一方側へ突出している作業機である。
【0012】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記移動部材は、前記押付部よりも第2方向の一方側に配置された突出部を有しており、前記カバーが、前記突出部における前記第1方向の一方側端部を覆っている作業機である。
【0013】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記移動部材は、前記本体部と当接して前記移動部材の移動範囲を規定する第1移動部材と、前記第1移動部材に対して前記第1方向に相対移動可能に連結され、前記押付部を有する第2移動部材と、前記第2移動部材の前記第1移動部材に対する相対位置を調整する調整部材と、を含んで構成され、前記第2移動部材には、前記調整部材に連結された連結部が形成されており、前記連結部が、前記突出部における前記第1方向の一方側端部を構成している作業機である。
【0014】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記本体部には、前記移動部材のオン位置を検出する位置検出部が設けられており、前記制御部は、前記位置検出部からの検出信号に基づいて前記移動部材のオン位置を検知する作業機である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の1又はそれ以上の実施形態によれば、作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本実施の形態に係る打込機を示す左側から見た側面図である。
【
図2】
図1に示される打込機の下端部を拡大して示す前側から見た正面図である。
【
図3】
図1に示される打込機のハウジング内を示す左側から見た側断面図である。
【
図4】(A)は、
図2に示される打込機の下端部においてカバーを取外した状態で示す正面図であり、(B)は、(A)の打込機の下端部の左側から見た側面図である。
【
図5】(A)は、
図2に示される打込機の打込深さ調整機構を示す左側から見た断面図(
図2の5A-5A線断面図)であり、(B)は、(A)のプッシュレバーユニットがオン位置に移動した状態を示す断面図である。
【
図6】
図5(A)に示される打込深さ調整機構及びカバー機構を示す左斜め前方から見た分解斜視図である。
【
図7】
図1に示される打込機の射出部周辺を示す後側から見た断面図(
図1の7-7線断面図)である。
【
図8】(A)は、
図7に示される着脱検出センサの周辺を拡大して示す断面図(
図7のa部拡大図)であり、(B)は、(A)のカバーを射出部から取外し且つカバー側磁石が取外位置に移動した状態を示す断面図である。
【
図9】
図7に示される着脱検出センサの周辺を拡大して示す上側から見た断面図(
図7の9-9線断面図)である。
【
図10】(A)は、
図1に示される打込機のカバーの左側から見た側面図であり、(B)は、(A)のカバーの正面図であり、(C)は、(A)のカバーの右側から見た側面図である。
【
図11】本実施の形態に係る打込機の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図12】(A)は、本実施の形態に係る打込機の打込深さ調整機構及びカバー機構の変形例を模式的に示す側面図であり、(B)は、(A)の状態からレバーユニットがオン位置に移動した状態を示す側面図であり、(C)は、(A)の状態からカバーが取付けられた状態を示す側面図であり、(D)は、(C)の状態からレバーユニットがオン位置に移動した状態を示す側面図である。
【
図13】(A)は、本実施の形態に係る打込機をフライホイール方式にした例を示す側面図であり、(B)は、(A)のドライバブレードが上死点から下死点への下降した状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を用いて、本実施の形態に係る作業機としての打込機10について説明する。なお、図面に適宜示される矢印UP、矢印FR、矢印RHは、それぞれ打込機10の上側、前側、右側を示している。以下の説明において、上下、前後、左右の方向を用いて説明するときには、特に断りのない限り、打込機10の上下方向、前後方向、左右方向を示すものとする。そして、上下方向が本発明の第1方向に対応し、前後方向が本発明の第2方向に対応し、左右方向が本発明の第3方向に対応する。また、下側が、本発明の第1方向の一方側に対応し、上側が、本発明の第1方向の他方側に対応する。さらに、前側が本発明の第2方向の一方側に対応する。
【0018】
図1~
図3に示されるように、打込機10は、本体部としての打込機本体12を有しており、打込機本体12には、マガジン60が組付けられている。そして、マガジン60に装填された止具としての釘Nを、打込機本体12に供給し、打込機本体12において釘Nを加工材Wに打ち込むようになっている。
【0019】
打込機本体12は、ハウジング14、ノーズ30、シリンダ40、蓄圧容器42、及び駆動機構50を含んで構成されている。また、打込機本体12は、打込深さ調整機構70(
図5(A)参照)、カバー機構90(
図7参照)、及び制御部100を有している。以下、打込機10の各構成について説明する。
【0020】
(ハウジング14について)
ハウジング14は、左側から見た側面視で、中空の略b字形状に形成されている。具体的には、ハウジング14は、上下方向に延在された本体ハウジング部14Aと、本体ハウジング部14Aの上下方向中間部から後斜め上方へ延出されたハンドル部14Bと、本体ハウジング部14Aの下端部から後側へ延出されたモータハウジング部14Cと、を含んで構成されている。また、モータハウジング部14Cの後端部は、上側へ屈曲されて、ハンドル部14Bの後端部と接続されている。また、ハウジング14は、複数のハウジング部材によって構成されており、これらハウジング部材を互いに組付けることで、ハウジング14が構成されている。
【0021】
また、ハウジング14の後端部は、バッテリ装着部14Dとして構成されており、バッテリ装着部14Dには、バッテリ20が着脱可能に装着されている。バッテリ20は、後述する制御部100と電気的に接続されており、バッテリ20から制御部100へ電力を供給する構成になっている。
【0022】
ハンドル部14Bの前端部内には、トリガ22が設けられている。トリガ22は、ハンドル部14Bから下側へ突出すると共に、上側へ引き操作可能に構成されている。また、ハンドル部14Bの前端部内には、トリガ22の上側において、図示しないトリガスイッチが設けられている。トリガ22が引き操作されると、トリガスイッチが押圧されて、後述する制御部100にトリガスイッチの検出信号が出力される構成になっている。
【0023】
(ノーズ30について)
図3~
図5、及び
図7に示されるように、ノーズ30は、金属製とされて、本体ハウジング部14Aの下端部内に配置されている。ノーズ30は、ノーズ30の上端部を構成するノーズ取付筒部30Aと、ノーズ取付筒部30Aから下側へ延出された射出部30Bと、を含んで構成されている。ノーズ取付筒部30Aは、上側へ開放された有底円筒状に形成されており、ノーズ取付筒部30Aの側壁の内周面には、雌ねじが形成されている。ノーズ取付筒部30Aの底壁の中央部には、射出孔30Cが貫通形成されている。ノーズ取付筒部30Aの内部には、略円筒状のバンパ34が収容されている。そして、後述する打撃部44の上死点から下死点への下降時に、打撃部44がバンパ34に衝突して、打撃部44の運動エネルギーをバンパ34によって吸収するようになっている。
【0024】
射出部30Bは、ノーズ取付筒部30Aから下側へ延出されると共に、本体ハウジング部14Aから下側へ突出している。射出部30Bは、上側から見た平面視で後側へ開放された凹状に形成されると共に、前側から見た正面視で上下方向を長手方向とする略矩形状に形成されている。射出部30Bの下端部の左右方向両端部には、後述するカバー91を固定するための左右一対のカバー固定部30D(
図4(A)及び(B)参照)が形成されており、カバー固定部30Dは、射出部30Bから下側へ突出している。カバー固定部30Dには、固定ネジ部30Eが左右方向に貫通形成されており、固定ネジ部30Eの内周面に雌ねじが形成されている。射出部30Bの左側部には、左側へ突出したホルダ収容部30Fが形成されている。ホルダ収容部30F(
図4(A)及び(B)、
図7~
図9参照)は、上下方向に延在されると共に、上下方向に貫通している。また、ホルダ収容部30Fの前壁の下端部には、下側へ延出したガイドリブ30G(
図1及び
図2参照)が形成されており、ガイドリブ30Gは、前後方向を板厚方向とした略三角形板状に形成されている。
【0025】
射出部30Bの内部には、上下方向に延在された略長尺柱状のブレードガイド32が設けられている。ブレードガイド32は、平面視で右側へ開放された凹状に形成されており(
図9参照)、射出部30Bに締結固定されている。ブレードガイド32は、前述の射出孔30Cの下側に配置されており、ブレードガイド32の下端部は、射出部30Bよりも下側へ突出している。ブレードガイド32の内部は、射出路32Aとして構成されており、射出孔30Cによって、ノーズ取付筒部30Aの内部とが射出路32Aの内部とが連通している。ブレードガイド32の下端側部分には、左右一対のストッパ部32B(
図4(A)及び(B)参照)が形成されている。ストッパ部32Bは、前側から見て、略逆L字形ブロック状に形成されて、ブレードガイド32から前側へ突出している。また、ストッパ部32Bは、一対のカバー固定部30Dの間に配置されると共に、射出部30Bよりも前側へ突出している。
【0026】
図5、及び
図7~
図9に示されるように、射出部30Bの内部には、ブレードガイド32の左側において、後述するセンサ基板80を保持するための基板ホルダ36が設けられている。基板ホルダ36は、上下方向に延在され且つ後側へ開放された略箱形状に形成されて、射出部30Bに締結固定されている。さらに、射出部30Bには、基板ホルダ36の下端部の前側において、センサ孔30H(
図5参照)が貫通形成されており、センサ孔30Hは、上下方向に延在された略長孔状に形成されている。射出部30Bの上端部における右部には、後述する変換機を収容する変換部収容部30J(
図7参照)が形成されており、変換部収容部30Jは、前後方向を軸方向とする円筒状に形成されている。
【0027】
(シリンダ40について)
図3に示されるように、シリンダ40は、上下方向を軸方向とする略円筒状に形成されると共に、ノーズ30の上側で且つ本体ハウジング部14Aの内部に配置されている。シリンダ40の下端部の外周部には、雄ねじが形成されており、シリンダ40の下端部の雄ねじが、ノーズ取付筒部30Aの雌ねじに螺合されて、シリンダ40がノーズ取付筒部30Aに連結されている。
【0028】
(蓄圧容器42について)
蓄圧容器42は、シリンダ40の上側に配置されて、シリンダ40の上端部を閉塞するようにシリンダ40に固定されている。蓄圧容器42の内部は、圧力室42Aとして構成されており、圧力室42Aには、気体が充填されている。圧力室42A内に充填される気体は、空気、不活性ガス等であり、本実施の形態では、不活性ガスが圧力室42A内に充填されている。
【0029】
(打撃部44について)
打撃部44は、上下方向に延在された長尺状に形成されると共に、上下方向に移動可能にシリンダ40内に収容されている。具体的には、打撃部44は、上死点(
図3に示される位置)と、上死点から下降した下死点(図示省略)と、の間を移動可能に構成されている。打撃部44は、打撃部44の上端部を構成するピストン46と、ピストン46から下側へ延出されたドライバブレード48と、を含んで構成されている。
【0030】
ピストン46は、上側へ開放された略有底円筒状に形成されており、ピストン46の外径がシリンダ40の内径よりも僅かに小さく設定されている。ピストン46の中央部には、後述するドライバブレード48を取付けるための取付部46Aが形成されており、取付部46Aは、上下方向を軸方向とする略円筒状に形成されて、ピストン46から下側へ延出されている。
【0031】
ドライバブレード48は、上下方向に延在された略長尺状に形成されている。ドライバブレード48の上端部が取付部46A内に嵌入されて、ドライバブレード48がピストン46から下側へ延出しており、ドライバブレード48の下端部は、ブレードガイド32内に配置されている。そして、打撃部44が上死点から下死点へ移動することで、射出路32A内の釘Nをドライバブレード48によって上側から打撃するように構成されている。なお、打込機10の非作動状態では、打撃部44は、下死点に配置されている。
【0032】
(駆動機構50について)
図3及び
図7に示されるように、駆動機構50は、モータ52、減速機構部54、及び変換部56を有している。モータ52は、ブラシレスモータとして構成されており、モータハウジング部14Cの後端側内に収容されると共に、後述する制御部100に電気的に接続されている。モータ52は、前後方向を軸方向とする駆動軸52Aを有しており、駆動軸52Aの前端部が、モータ52の前側に配置された減速機構部54に連結されている。
【0033】
変換部56は、減速機構部54の前側で且つノーズ30の変換部収容部30J内に配置されている。変換部56は減速機構部54に連結されており、モータ52の回転力が変換部56に伝達される構成になっている。また、変換部56は、下死点のドライバブレード48と係合しており、モータ52の回転力をドライバブレード48に伝達して、ドライバブレード48を下死点から上死点に移動させる機構部として構成されている。さらに、ドライバブレード48の上死点では、変換部56とドライバブレード48との係合状態が解除されて、圧力室42A内の圧力によって打撃部44が上死点から下死点へ下降するように構成されている。これにより、打撃部44の打撃動作の1サイクルが完了するようになっている。
【0034】
(マガジン60について)
図1に示されるように、マガジン60は、マガジンケース62と、マガジンケース62に設けられたフィーダ64と、を含んで構成されている。マガジンケース62は、左右方向を厚み方向とする略長尺偏平状に形成されており、左側から見て、後側へ向かうに従い上側へ傾斜する方向に延在されている。マガジンケース62は、モータハウジング部14Cの左側に隣接配置されており、マガジンケース62の前端部が、ノーズ30の射出部30Bに組付けられ、マガジン60の後端側部分が、モータハウジング部14Cに固定されている。なお、マガジンケース62は、平面視で、後斜め左側へ若干傾斜している。
【0035】
マガジンケース62内部には、釘Nが収容されており、釘Nは、マガジン60の長手方向に相対移動可能にマガジンケース62に保持されている。また、前述のブレードガイド32には、図示しないスリットが形成されており、当該スリットによってマガジンケース62と射出路32Aとが連通している。
【0036】
フィーダ64は、釘Nを射出路32Aに供給するための部材として構成されている。フィーダ64は、マガジン60の長手方向に相対移動可能にマガジンケース62に組付けられている。フィーダ64は、図示しない付勢バネによってマガジン60の前端側に付勢されている。そして、打撃部44が上死点に上昇したときに、フィーダ64によって、釘Nが、押圧されて、射出路32A内に供給される構成になっている。
【0037】
(打込深さ調整機構70について)
打込深さ調整機構70は、釘Nの加工材Wへの打込み深さを調節する機構として構成されている。
図4~
図6に示されるように、打込深さ調整機構70は、移動部材としてのレバーユニット71と、位置検出部としてのレバー位置検出センサ79と、を含んで構成されている。
【0038】
レバーユニット71は、全体として上下方向に延在された略長尺状に形成されている。また、レバーユニット71は、ノーズ30の射出部30Bの前側に配置されると共に、上下方向に相対移動可能に射出部30Bに連結されている。具体的には、レバーユニット71は、オフ位置(
図4及び
図5(A)に示される位置)と、オフ位置から上側へ移動したオン位置(
図5(B)及び
図6に示される位置)と、の間を移動可能に構成されている。そして、打込機10の非作動状態では、レバーユニット71がオフ位置に配置されている。
【0039】
レバーユニット71は、連結軸72と、調整部材としてのアジャスタ74と、第1移動部材としてのストッパレバー75と、第2移動部材としてのプッシュレバー77と、位置検出部としてのレバー側磁石78と、を含んで構成されている。
【0040】
(連結軸72について)
連結軸72は、上下方向に延在された略円柱状に形成されて、射出部30Bの上端部の前側に配置されている。そして、連結軸72の上端部が、ノーズ30に固定された筒状の支持筒73内に、上下方向に相対移動可能に挿入されている。これにより、連結軸72がノーズ30に上下方向に相対移動可能に連結されている。連結軸72の下端側部分には、径方向外側へ突出したフランジ部72Aが設けられている。
【0041】
(アジャスタ74について)
アジャスタ74は、上下方向を軸方向とする略円筒状に形成され、フランジ部72Aの下側において、連結軸72と同軸上に配置されている。そして、連結軸72の下端部がアジャスタ74の上端部内に挿入されて、アジャスタ74が連結軸72に回転可能に支持されている。アジャスタ74の内周部の下部には、雌ねじが形成されている。アジャスタ74の上面の中央部には、ボス74Aが形成されており、ボス74Aは、上下方向を軸方向とする略円筒状に形成されて、アジャスタ74から上側へ突出している。
【0042】
(ストッパレバー75について)
ストッパレバー75は、前後方向を板厚方向とし且つ上下方向を長手方向とする略長尺板状に形成されて、射出部30Bの前側に隣接して配置されている。ストッパレバー75の上端部には、前側に屈曲された上側支持片75Aが形成されており、上側支持片75Aには、連結孔75Bが貫通形成されている。そして、上側支持片75Aが、アジャスタ74と連結軸72のフランジ部72Aとの間に配置されると共に、アジャスタ74のボス74Aが連結孔75B内に回転可能に挿入されている。これにより、ストッパレバー75が、連結軸72及びアジャスタ74に上下方向に一体移動可能に連結されると共に、アジャスタ74がストッパレバー75に対して自身の軸回りに相対回転可能に構成されている。また、ストッパレバー75の下端側部分は、ブレードガイド32における一対のストッパ部32Bの間に配置されており、一対のストッパ部32Bによって、ストッパレバー75における連結軸72の軸回りの回転が制限されている。
【0043】
ストッパレバー75の下端側部分には、左右一対の第1レバー規制部75Cが設けられている。一対の第1レバー規制部75Cは、ストッパレバー75から左右方向外側へ突出すると共に、ブレードガイド32のストッパ部32Bの上側に隣接配置されている(
図4(A)及び
図5(A)参照)。これにより、オフ位置におけるレバーユニット71の下側への移動が制限されている。また、ストッパレバー75の下端部における左端部には、後側へ屈曲された第2レバー規制部75Dが形成されている。第2レバー規制部75Dは、左右方向を板厚方向とし且つ上側へ開放された略V字形板状に形成されて、ブレードガイド32の左側に隣接して配置されている。そして、レバーユニット71のオン位置では、第2レバー規制部75Dが、ブレードガイド32における左側のストッパ部32Bに当接して、レバーユニット71の上側への移動が制限される構成になっている(
図5(B)及び
図6参照)。すなわち、ストッパレバー75は、レバーユニット71の上下方向の移動範囲を規定する部材として構成されている。
【0044】
また、前述の連結軸72には、圧縮コイルスプリングとして構成されたプッシュバネ76が装着されている。プッシュバネ76の上端部は、支持筒73に係止され、プッシュバネ76の下端部が、ストッパレバー75の上側支持片75Aに係止されて、プッシュバネ76がレバーユニット71を下側へ付勢している。これにより、レバーユニット71がオフ位置に保持されている。
【0045】
(プッシュレバー77について)
プッシュレバー77は、レバーユニット71の下部を構成している。プッシュレバー77は、ストッパレバー75と同様に、前後方向を板厚方向とし且つ上下方向に延在された略長尺板状に形成されている。プッシュレバー77の上端部には、前側へ屈曲された下側支持片77Aが形成されており、下側支持片77Aは、アジャスタ74の下側に配置されている。下側支持片77Aには、上側へ突出した調整軸77Bが設けられている。調整軸77Bは、上下方向を軸方向とする略円柱状に形成されており、調整軸77Bの外周部には、雄ねじが形成されている。そして、調整軸77Bが、アジャスタ74の内部に下側から挿入されて、アジャスタ74の雌ネジに螺合されている。これにより、プッシュレバー77がアジャスタ74にねじ結合によって連結されている。よって、アジャスタ74を軸回りに回転させることで、プッシュレバー77がアジャスタ74に対して上下方向に相対移動する構成になっている。すなわち、アジャスタ74を回転させることで、レバーユニット71が上下方向に伸縮するように構成されている。
【0046】
プッシュレバー77の下端部は、押付部77Cとして構成されている。押付部77Cは、下側から見て、後側へ開放された略U字形状に形成されており、ブレードガイド32が押付部77C内に上下方向に相対移動可能に挿入されている。これにより、アジャスタ74の回転時において、プッシュレバー77が調整軸77Bの軸回りに回転することが制限されている。
【0047】
ここで、打込機10の非作動状態では、レバーユニット71がオフ位置に配置されると共に、押付部77Cが、射出部30B及びブレードガイド32よりも下側へ突出している。そして、打込機10では、押付部77Cを加工材Wに上側から押付けて、加工材Wに対する打込み作業を行うようになっている。このため、打込み作業時には、加工材Wから押付部77Cに上側への反力が作用する。これにより、当該反力によって、レバーユニット71が、プッシュバネ76の付勢力に抗してオフ位置からオン位置に移動するようになっている。また、前述のように、アジャスタ74を軸回りに回転させることで、プッシュレバー77がアジャスタ74に対して上下方向に相対移動する。このため、アジャスタ74によって、オフ位置におけるプッシュレバー77の突出量が調整可能に構成されている。すなわち、プッシュレバー77の突出量に応じて、プッシュレバー77のオフ位置からオン位置までの移動距離が変化する構成になっている。これにより、釘Nの加工材Wへの打込み深さが調節される。
【0048】
また、レバーユニット71では、レバーユニット71の上端部を構成する、連結軸72、アジャスタ74、ストッパレバー75の上側支持片75A、及びプッシュレバー77の下側支持片77Aが、突出部としてのレバー突出部71Aとして構成されている(
図5(A)及び(B)参照)。レバー突出部71Aは、押付部77Cよりも前側に突出した位置に配置されている。そして、レバー突出部71Aの下端部が、下側支持片77Aによって構成されている。
【0049】
(レバー側磁石78について)
レバー側磁石78は、ストッパレバー75の上下方向中間部に設けられて、ストッパレバー75と一体移動可能に構成されている。すなわち、レバー側磁石78が、オフ位置とオン位置との間に移動可能に構成されている。また、レバー側磁石78は、射出部30Bのセンサ孔30Hの前側に配置されている。
【0050】
(レバー位置検出センサ79)
図5(A)及び(B)に示されるように、レバー位置検出センサ79は、基板ホルダ36に収容されたセンサ基板80に設けられている。センサ基板80は、前後方向を板厚方向とし且つ上下方向を長手方向とする略長尺板状に形成されて、基板ホルダ36に保持されている。レバー位置検出センサ79は、センサ基板80の前面の下端部に設けられると共に、射出部30Bのセンサ孔30Hの後側に配置されている。レバー位置検出センサ79は、ホール素子として構成された磁気センサであり、後述の制御部100に電気的に接続されている。そして、レバーユニット71のオフ位置では、レバー側磁石78が、レバー位置検出センサ79に対して前側且つ下側に離間した位置に配置されている(
図5(A)参照)。一方、レバーユニット71のオン位置では、レバー側磁石78が、センサ孔30Hを介してレバー位置検出センサ79と前後方向に対向配置されるようになっている(
図5(B)参照)。これにより、レバー位置検出センサ79は、レバー側磁石78の磁束密度に応じた検出信号を制御部100へ出力するように構成されている。
【0051】
(カバー機構90について)
図1、
図2、
図5~
図10に示されるように、カバー機構90は、カバー91と、スライダボックス93と、スライダ94と、カバー側被検出部としてのカバー側磁石96と、着脱検出部としての着脱検出センサ97と、を含んで構成されている。
【0052】
(カバー91について)
カバー91は、平面視で、後側へ開放された凹状に形成されると共に、上下方向に延在されている。カバー91における左右の側壁の下部は、下側へ向かうに従い左右方向内側へ略階段状に傾斜している(
図2及び
図10(B)参照)。そして、カバー91が、ノーズ30の射出部30Bに下側から取付けられて、レバーユニット71の略全体を覆っている。具体的には、カバー91が、前側及び左右方向両側からレバーユニット71を覆っており、レバーユニット71の押付部77Cの一部がカバー91から下側へ突出している。カバー91の左右の側壁には、射出部30Bにおけるカバー固定部30Dの固定ネジ部30Eに対応する位置において、固定孔91Aが貫通形成されている。そして、締結部材としての固定ボルト92が、固定孔91A内に左右方向外側から挿入され、固定ネジ部30Eに螺合されて、カバー91が射出部30Bに固定されている。すなわち、カバー91が、射出部30Bに着脱可能に取付けられている。そして、以下の説明では、カバー91が射出部30Bに取付けられた状態を取付状態と称し、カバー91が射出部30Bから取外しされた状態を取外状態と称する。
【0053】
カバー91の取付状態では、カバー91の上端部が、本体ハウジング部14Aの下端部の内側に配置されている。すなわち、カバー91は、ハウジング14と共に打込機10の外郭を構成すると共に、本体ハウジング部14A及びカバー91が、連続的に連結されるように、カバー91が射出部30Bに取付けられている。カバー91の左側壁の上端部には、カバースリット91B(
図10(C)参照)が貫通形成されている。カバースリット91Bは、上下方向に延在されると共に、上側へ開放された溝状に形成されている。そして、射出部30Bのガイドリブ30Gが、カバースリット91B内に上側から挿入されている(
図1参照)。また、カバー91の上端部におけるカバースリット91Bよりも後側の部分は、カバー押圧部91C(
図10(C)参照)として構成されており、カバー押圧部91Cが射出部30Bのホルダ収容部30Fに下側から挿入されている(
図1、
図7、及び
図8(A)参照)。
【0054】
カバー91の前壁の上端部には、前側へ隆起された隆起部91Dが形成されている。隆起部91Dの内部には、レバーユニット71のレバー突出部71Aが配置されて、レバー突出部71Aの下部をカバー91によって覆っている。なお、レバー突出部71Bの上端部は、ハウジング14の本体ハウジング部14Aの内部に配置されて、本体ハウジング部14Aによって覆われている。隆起部91Dには、上側へ開放された開口部91Eが形成されており、開口部91Eは、レバーユニット71のアジャスタ74の前側に配置されている。これにより、アジャスタ74が、開口部91Eから操作可能に露出されている。
【0055】
また、カバー91は、打込深さ調整機構70とは連結されておらず、カバー91の取付状態及び取外状態の何れの状態であっても、レバーユニット71が、オフ位置とオン位置との間を移動可能に構成されている。
【0056】
(スライダボックス93について)
図6~
図9に示されるように、スライダボックス93は、上下方向に延在され且つ左側及び下側へ開放された略箱形状に形成されている。スライダボックス93は、射出部30Bのホルダ収容部30F内に配置されて、射出部30Bに固定されている。スライダボックス93は、基板ホルダ36の左側に近接して配置されている。また、スライダボックス93の底壁における上部には、露出孔93Aが貫通形成されている。スライダボックス93の底面における上下方向中間部には、ガイド部93Bが形成されており、ガイド部93Bは、平面視で左側へ開放された略U字形状に形成されている。ガイド部93Bは、スライダボックス93の後壁に接続されており、ガイド部93Bとスライダボックス93の前壁との間には、所定の隙間が形成されている。
【0057】
(スライダ94について)
スライダ94は、上下方向に延在された略長尺状に形成されている。具体的には、スライダ94は、上下方向に延在されたスライダ本体部94Aと、スライダ本体部94Aの上端部から後側へ突出したスライダアッパ部94Bと、スライダ本体部94Aの下端部から後側へ突出したスライダロア部94Cと、スライダロア部94Cの後端部から上側へ延出されたスライダ連結部94Dと、を含んで構成されている。
【0058】
スライダ94は、上下方向に移動可能にスライダボックス93内に収容されている。具体的には、スライダ本体部94Aが、スライダボックス93の前壁とガイド部93Bとの間に配置され、スライダ連結部94Dが、ガイド部93B内に配置されている。また、スライダ連結部94Dには、圧縮コイルバネとして構成されたスライダ付勢バネ95が装着されている。スライダ付勢バネ95の上端部は、スライダボックス93のガイド部93Bに係止され、スライダ付勢バネ95の下端部は、スライダ94のスライダロア部94Cに係止されており、スライダ付勢バネ95がスライダ94を下側へ付勢している。
【0059】
ここで、カバー91の取外状態では、スライダ94が取外位置(
図8(B)に示される位置)に配置されており、この取外位置では、スライダアッパ部94Bがガイド部93Bに上側から当接している。これにより、取外位置におけるスライダ94の下側への移動が制限されて、スライダ94が取外位置に保持されている。一方、カバー91の取付状態では、カバー91のカバー押圧部91Cが、スライダボックス93内に下側から挿入され、スライダ94のスライダロア部94Cを上側へ押圧して、スライダ94が取外位置よりも上側の取付位置(
図8(A)に示される位置)にスライドするようになっている。また、スライダ94は、取付位置よりも上側のオーバーラン位置(
図8(A)において2点鎖線にて示される位置)までスライド可能に、スライダボックス93内に収容されている。オーバーラン位置では、スライダ94の上端部が、スライダボックス93の上端部に当接して、スライダ94の上側への移動が制限されている。
【0060】
(カバー側磁石96について)
図8及び
図9に示されるように、カバー側磁石96は、スライダ94のスライダアッパ部94Bに設けられて、スライダ94と一体移動可能に構成されている。すなわち、カバー91の取外状態では、カバー側磁石96が取外位置に配置され、カバー91の取付状態では、カバー側磁石96が取付位置に配置される。また、カバー側磁石96は、スライダ94と共に、オーバーラン位置まで移動可能に構成されている。
【0061】
(着脱検出センサ97について)
着脱検出センサ97は、センサ基板80の後面の上端部に設けられている。着脱検出センサ97は、ホール素子として構成された磁気センサであり、後述の制御部100に電気的に接続されている。そして、カバー側磁石96の取外位置では、カバー側磁石96が、着脱検出センサ97に対して下側に離間した位置に配置される(
図8(B)参照)。一方、カバー側磁石96の取付位置では、カバー側磁石96が、露出孔93Aを介して着脱検出センサ97と左右方向に対向配置される構成になっている(
図8(A)参照)。これにより、着脱検出センサ97が、カバー側磁石96の磁束密度に応じた検出信号を制御部100へ出力するようになっている。なお、カバー側磁石96のオーバーラン位置では、カバー側磁石96が、着脱検出センサ97に対して上側へ離間した位置に配置される。
【0062】
(制御部100について)
図3に示されるように、制御部100は、ハウジング14のモータハウジング部14Cの後端部内に配置されて、ハウジング14に固定されている。制御部100には、トリガスイッチが、電気的に接続されており、制御部100が、トリガスイッチからのオン信号に基づいて、トリガ22への引き操作を検知する。
【0063】
また、制御部100には、レバー位置検出センサ79が電気的に接続されており、制御部100は、レバー位置検出センサ79の検出信号に基づいて、レバーユニット71の加工材Wへの押付操作の有無を判定する。具体的には、レバーユニット71のオン位置では、レバー側磁石78とレバー位置検出センサ79とが前後方向に対向配置されるため、制御部100が、レバーユニット71のオン位置を検知する。これにより、レバーユニット71が押付操作状態であると、制御部100が判定する。一方、レバーユニット71のオフ位置では、レバー側磁石78がレバー位置検出センサ79に対して下側に離間した位置に配置されているため、制御部100が、レバーユニット71のオフ位置を検知する。
【0064】
また、制御部100には、着脱検出センサ97が電気的に接続されており、制御部100は、着脱検出センサ97の検出信号に基づいて、カバー91の射出部30Bへの着脱を判定する。具体的には、カバー91の取付状態では、カバー側磁石96と着脱検出センサ97とが左右方向に対向配置されるため、制御部100が、カバー側磁石96の取付位置を検知する。これにより、制御部100が、カバー91が取付状態であると判定する。一方、カバー側磁石96の取外位置及びオーバーラン位置では、カバー側磁石96が着脱検出センサ97に対して下側又は上側に離間した位置に配置されているため、制御部100が、カバー91が取外状態であると判定する。
【0065】
そして、カバー91の取付状態を制御部100が検知すると、制御部100は、レバーユニット71の加工材Wへの押付操作及びトリガ22の引き操作に応じて、モータ52の駆動を許可するようになっている。すなわち、制御部100が、打撃部44の打撃動作を許可するようになっている。換言すると、カバー91の取外状態を制御部100が検知すると、制御部100は、レバーユニット71のオン位置への配置を検知しても、打撃部44の打撃動作を禁止するようになっている。すなわち、カバー91の取外状態では、レバーユニット71の位置状態にかかわらず、打込機10の動作を禁止するように構成されている。
【0066】
(作用効果)
次に、
図11に示されるフローを用いて打込機10の動作を説明しつつ、本実施の形態の作用効果を説明する。
【0067】
打込機10の非作動状態では、レバーユニット71が、オフ位置に配置されており、プッシュレバー77の押付部77Cが、ブレードガイド32よりも下側へ突出している。また、この状態では、打込深さ調整機構70のレバー側磁石78が、レバー位置検出センサ79よりも下側に配置されている。
【0068】
打込機10の電源がオンになると、ステップS1において、トリガ22の引き操作が行われたか、又は、レバーユニット71の加工材Wへの押付操作が行われたかを、制御部100が判定する。具体的には、制御部100が、トリガスイッチがオン状態である又はレバーユニット71がオン位置である状態で電源がオンされたかを判定する。
【0069】
ステップS1において、トリガスイッチがオン状態である、又はレバーユニット71がオン位置である場合(ステップS1のYesの場合)には、ステップS2に移行する。ステップS2では、制御部100が、打込機10を打込防止モードにして、ステップ2の処理後、ステップS3に移行する。
【0070】
ステップS3では、制御部100が、レバーユニット71がオン位置であるかを判定する。ステップS3において、レバーユニット71がオン位置でない場合(ステップS3のNoの場合)には、ステップS1に戻る。一方、ステップS3において、レバーユニット71がオン位置である場合(ステップS3のYesの場合)には、ステップS4に移行する。
【0071】
ステップS4では、制御部100が、トリガスイッチがオン状態である否かを判定する。ステップS4において、トリガスイッチがオン状態でない場合(ステップS4のNoの場合)には、ステップS1に戻る。一方、ステップS4において、トリガスイッチがオン状態である場合(ステップS4のYesの場合)には、ステップS5に移行する。
【0072】
ステップS5では、制御部100が、打込機10の打込動作(すなわち、打撃部44の打撃動作)を禁止して、ステップS5の処理後、ステップS1に戻る。
【0073】
ステップS1において、トリガスイッチがオン状態でなく、且つレバーユニット71がオン位置でない場合(ステップS1のNoの場合)には、ステップS6に移行する。ステップS6では、カバー91が取付状態であるか否かであるかを、制御部100が判定する。具体的には、制御部100が、着脱検出センサ97の検出信号にもとづいて、カバー91の射出部30Bへの着脱を判定する。
【0074】
ステップS6において、カバー91が取付状態でない場合(ステップS6のNoの場合)には、ステップS2に移行する。すなわち、カバー91の取外状態では、打込機10を打込防止モードにする。一方、ステップS6において、カバー91が取付状態である場合(ステップS6のYesの場合)には、ステップS7に移行する。
【0075】
ステップS7では、制御部100が、打込機10を通常モードにする。すなわち、カバー91の射出部30Bへの取付前に、トリガ22の引き操作及びレバーユニット71の押付操作が行われていないこと、及び、カバー91が取付状態であること、を制御部100が検知すると、制御部100が打込機10を通常モードにする。ステップS7の処理後、ステップS8に移行する。
【0076】
ステップS8では、レバーユニット71がオン位置であるかを、制御部100が判定する。ステップS8において、レバーユニット71がオン位置である場合(ステップS8のYesの場合)には、ステップS9に移行する。
【0077】
ステップS9では、トリガスイッチがオン状態であるか否かを、制御部100が判定する。ステップS9において、トリガスイッチがオン状態でない場合(ステップS9のNoの場合)には、ステップS6に戻る。すなわち、通常モードにおいて、レバーユニット71の押付操作が行われた状態で、トリガ22の引き操作が行われない場合には、ステップS6に戻る。
【0078】
ステップS9において、トリガスイッチがオン状態である場合(ステップS9のYesの場合)には、ステップS10に移行する。すなわち、通常モードにおいて、レバーユニット71の押付操作及びトリガ22の引き操作が行われた場合には、ステップS10に移行する。ステップS10では、制御部100が、打込機10に対して打込動作を実施して、ステップS1に戻る。具体的には、モータ52が駆動して、打撃部44に対する打撃動作が行われる。
【0079】
一方、ステップS8において、レバーユニット71がオン位置でない場合(ステップS8のNoの場合)には、ステップS11に移行する。ステップS11では、トリガスイッチがオン状態であるか否かを、制御部100が判定する。ステップS11において、トリガスイッチがオン状態である場合(ステップS11のYesの場合)には、ステップS1に戻る。すなわち、通常モードにおいて、レバーユニット71の押付操作が行われていない状態で、トリガ22の引き操作が行われた場合には、ステップS1に戻る。一方、ステップS11において、トリガスイッチがオン状態でない場合(ステップS11のNoの場合)には、ステップS12に移行する。
【0080】
ステップS12では、制御部100が、通常モードに移行してから所定時間経過したか否かを判定する。ステップS12において、所定時間経過していない場合(ステップS12のNoの場合)には、ステップS6に戻る。すなわち、通常モードにおいて、レバーユニット71の押付操作及びトリガ22の引き操作が行われない状態の経過時間が所定時間内の場合には、ステップS6に戻る。一方、ステップS12において、所定時間経過した場合(ステップS12のYesの場合)には、打込機10の電源をオフにして処理を終了する。すなわち、通常モードにおいて、レバーユニット71の押付操作及びトリガ22の引き操作が行われない状態が所定時間経過した場合には、電源をオフして、打込機10の処理を終了する。
【0081】
以上説明したように、本実施の形態の打込機10では、カバー91が、ノーズ30の射出部30Bに着脱可能に取付けられており、カバー91によってレバーユニット71が前側及び左右方向両側から覆われている。このため、レバーユニット71の全体が、外部に露出されることを、カバー91によって抑制することができる。これにより、打込機10の打込作業時において、レバーユニット71の押付部77Cを加工材Wに押し付けるときに、レバーユニット71が加工材W以外の部材に接触することを、カバー91によって回避することができる。その結果、レバーユニット71の加工材W以外の部材への接触を注意しながら作業者が作業することを、回避できる。
【0082】
また、射出部30Bには、着脱検出センサ97が設けられており、制御部100が、着脱検出センサ97の検出信号に基づいて、カバー91の射出部30Bへの着脱を検知する。そして、制御部100は、カバー91の取外状態を検知すると、レバーユニット71がオン位置に配置されていても、打撃部44の打撃動作を禁止する。これにより、仮に、作業者がカバー91を射出部30Bに取付けずに作業した場合には、打込機10が作動しないため、カバー91の取外状態を作業者に容易に認識させることができる。
【0083】
しかも、カバー91の射出部30Bへの取付状態及び取外状態の何れの状態であっても、レバーユニット71は、オフ位置とオン位置との間を移動することができる。すなわち、
図11に示されるフローにおいて、ステップS6でカバー91が取外状態(ステップS6のNo)となり打込防止モードとなったあとのステップS3においても、レバーユニット71がオン位置(ステップS3のYes)とオフ位置(ステップS3のNo)との間を移動できる。このため、レバーユニット71の破損等を抑制できる。すなわち、例えば、カバー91の取外状態において、レバーユニット71のオフ位置からオン位置への移動を規制するロック機構を設けることで、カバー91の取外状態における打撃部44の打撃動作を禁止することができる(以下、この構成の打込機を比較例の打込機という)。そして、比較例の打込機において、カバー91が射出部30Bに取付けられることで、ロック機構によるレバーユニット71に対するロック状態を解除することで、カバー91の取付状態におけるレバーユニット71のオフ位置からオン位置への移動を許可することができる。
【0084】
しかしながら、比較例の打込機では、カバー91の取外状態において、作業者が無理やりレバーユニット71を加工材に押付けた場合には、レバーユニット71やロック機構が破損する可能性がある。これに対して、本実施の形態では、カバー91の取付状態及び取外状態の何れの状態であっても、レバーユニット71がオフ位置とオン位置との間を移動することができる。このため、カバー91の取外状態において、仮にレバーユニット71を加工材に押付けても、レバーユニット71がオン位置へ移動することで、レバーユニット71の破損を抑制できる。以上により、本実施の形態の打込機10よれば、作業者に対する作業性を向上することができる。
【0085】
また、カバー91が射出部30Bに下側から取付けられている。すなわち、カバー91の射出部30Bへの取付方向と、レバーユニット71のオフ位置からオン位置への移動方向と、が一致している。このため、カバー91を射出部30Bに取付けるときに、仮にカバー91がレバーユニット71に当接しても、レバーユニット71を上側へ移動させることができる。これにより、レバーユニット71の破損等を抑制できる。したがって、カバー91の射出部30Bへの取付性を向上することができる。
【0086】
また、射出部30Bには、スライダボックス93が設けられており、スライダボックス93には、スライダ94が上下方向に移動可能に収容されている。さらに、スライダ94には、カバー側磁石96が、一体移動可能に設けられている。そして、カバー91の射出部30Bへの取付時には、カバー91のカバー押圧部91Cによって、スライダ94及びカバー側磁石96が取外位置から取付位置に移動して、カバー側磁石96が着脱検出センサ97に接近する。その結果、制御部100によって、カバー91の取付状態を検知することができる。
【0087】
また、スライダ94及びカバー側磁石96は、取付位置よりも上側のオーバーラン位置へ移動可能に構成されており、カバー側磁石96のオーバーラン位置では、制御部100が、カバー91の取外状態を検知して、打撃部44の打撃動作を禁止する。これにより、打込機10の動作信頼性を向上することができる。すなわち、射出部30Bのホルダ収容部30Fは、下側へ開放されているため、例えば、カバー91の取外状態において、取外位置のスライダ94を故意に上側へ移動させることができる。この場合には、スライダ94の上側への移動が制限される位置まで、スライダ94を移動させることが考えられる。すなわち、スライダ94及びカバー側磁石96が、取付位置を通過して、オーバーラン位置に配置される。これにより、制御部100が、カバー91の取外状態を検知して、打撃部44の打撃動作を禁止する。その結果、カバー91の取外状態において、スライダ94を故意に上側へ移動させても、制御部100によって打込機10の作動を禁止することができる。したがって、打込機10の動作信頼性を向上することができる。
【0088】
また、レバーユニット71は射出部30Bの前側に配置されている。さらに、カバー91は、レバーユニット71を前側及び左右方向両側から覆っており、レバーユニット71の押付部77Cが、カバー91から下側へ突出している。これにより、押付部77Cの加工材Wへの押付けを可能としつつ、射出部30B及びカバー91によってレバーユニット71を前後方向及び左右方向から覆うことができる。したがって、レバーユニット71が周囲の部材に接触することを、効果的に抑制できる。
【0089】
また、レバーユニット71は、押付部77Cよりも前側に配置されたレバー突出部71Aを有しており、レバー突出部71Aの下端部を構成する下側支持片77Aが、カバー91の隆起部91Dによって覆われている。これにより、レバーユニット71の押付操作時における、レバーユニット71の加工材W以外の部材への接触を効果的に抑制できる。すなわち、レバー突出部71Aが押付部77Cよりも前側に配置されているため、レバーユニット71の押付操作時には、主としてレバー突出部71Aが加工材W以外の部材に接触することが考えられる。この場合、レバー突出部71Aの下端部(すなわち、下側支持片77A)が加工材W以外の部材に接触して、当該部材によって上側へ押圧されると、押付部77Cが加工材Wを押付けていない状態で、レバーユニット71がオン位置に移動する可能性がある。これに対して、本実施の形態では、レバー突出部71Aの下端部を構成する下側支持片77Aが、カバー91の隆起部91Dによって覆われている。これにより、加工材W以外の部材によって下側支持片77Aが上側へ押圧されることを、効果的に抑制できる。したがって、打込機10の作業性を効果的に向上することができる。
【0090】
また、カバー91の隆起部91Dには、開口部91Eが形成されており、開口部91Eによってアジャスタ74が操作可能に露出されている。これにより、レバーユニット71の加工材W以外の部材への接触を効果的に抑制しつつ、アジャスタ74によってレバーユニット71の上下方向の長さを調整することができる。また、アジャスタ74は略円筒状に形成されているため、上下方向の段差が無く、アジャスタ74に加工材W以外の部材が接触してもレバーユニット71がオン位置に移動する可能性は低い。このため、アジャスタ74を開口部91Eから露出させたとしても、レバーユニット71の移動を抑制できる。
【0091】
また、射出部30Bには、レバー位置検出センサ79が設けられている。レバーユニット71のオン位置では、レバー側磁石78がレバー位置検出センサ79に接近して、レバー位置検出センサ79がレバー側磁石78の磁束密度に応じた信号を制御部100に出力する。そして、制御部100が、レバー位置検出センサ79からの出力信号に基づいて、レバーユニット71のオン位置を検知する。これにより、簡易な構成で、レバーユニット71のオン位置を検知することができる。
【0092】
なお、本実施の形態では、レバー位置検出センサ79によってレバーユニット71のオン位置を検出し、着脱検出センサ97によってカバー91の取付状態を検出しているが、レバーユニット71のオン位置及びカバー91の取付状態を、1個のセンサによって検出するように構成してもよい。以下、この構成の打込機200について説明する。
【0093】
図12(A)に示されるように、この打込機200では、打込深さ調整機構70において、レバー側磁石78が、磁石ホルダ202を介してノーズ30の射出部30B(
図12では、不図示)に上下方向にスライド可能に設けられている。具体的には、レバー側磁石78が、初期位置(
図12(A)に示される位置)と、初期位置から上側へ移動した許可位置(
図12(D)に示される位置)と、の間を移動可能に構成されている。許可位置では、レバー側磁石78がレバー位置検出センサ79の前側に配置されて、レバー側磁石78及びレバー位置検出センサ79が前後方向に対向配置される設定になっている。また、磁石ホルダ202は、図示しない付勢バネによって下側へ付勢されて、初期位置に保持されている。さらに、打込深さ調整機構70では、ストッパレバー75において、左右一対の支持柱75Eが設けられており、支持柱75Eは、ストッパレバー75から後側へ延出されている。
【0094】
打込機200のカバー機構90では、スライダ94及び着脱検出センサ97が省略されており、カバー機構90が、連動レバー204と、着脱検出レバー208と、を有している。連動レバー204は、左側から見て、上側へ開放された略V字形ブロック状に形成されている。具体的には、連動レバー204は、連動レバー204の下端部を構成する支持部204Aと、支持部204Aから上斜め前側へ延出された第1アーム部204Bと、支持部204Aから上斜め後側へ延出された第2アーム部204Cと、を含んで構成されている。連動レバー204は、一対の支持柱75Eの間に配置されており、連動レバー204の支持部204Aが、一対の支持柱75Eに架け渡された連結ピン206によって回転可能に支持されている。また、連動レバー204は、図示しない付勢バネによって、回転方向一方側(
図12(A)の矢印b方向側)に付勢されると共に、射出部30Bよって
図12(A)に示される位置に保持されている。
【0095】
着脱検出レバー208は、左側から見て、略上下方向に延在された略L字形ブロック状に形成されている。具体的には、着脱検出レバー208は、着脱検出レバー208の下端部を構成する支持部208Aと、支持部208Aから上斜め後方側へ延出した第1アーム部208Bと、支持部208Aから後斜め下側へ延出した第2アーム部208Cと、を含んで構成されている。支持部208Aは、連動レバー204の後側に配置されて、射出部30Bに設けられた左右方向を軸方向とする支持軸210に回転可能に支持されている。また、着脱検出レバー208は、図示しない付勢バネによって、回転方向一方側(
図12(A)の矢印c方向側)に付勢されると共に、射出部30Bよって
図12(A)に示される位置に保持されている。また、カバー91の取付状態では、カバー押圧部91Cが、着脱検出レバー208の第2アーム部208Cを上側へ押圧して、着脱検出レバー208が回転方向他方側(
図12(C)の矢印e方向側)へ回転する構成になっている。
【0096】
そして、
図12(A)に示されるように、カバー91の取外状態では、着脱検出レバー208及び連動レバー204が非作動状態となっており、この状態では、連動レバー204が磁石ホルダ202の下側で且つ後側に配置されている。これにより、
図12(B)に示されるように、カバー91の取外状態で、レバーユニット71がオフ位置からオン位置に移動すると、連動レバー204が、磁石ホルダ202と当接せずに、磁石ホルダ202の後側を上側へ移動する。このため、レバー側磁石78の初期位置が維持される。したがって、レバーユニット71がオン位置に配置されても、制御部100が、カバー91の取外状態を検知して、打撃部44の打撃動作を禁止する。
【0097】
一方、
図12(C)に示されるように、カバー91の取付状態では、カバー押圧部91Cによって、着脱検出レバー208の第2アーム部208Cが、上側へ押圧されて、着脱検出レバー208が回転方向他方側へ回転する。このときには、着脱検出レバー208の第1アーム部208Bが、連動レバー204の第2アーム部204Cを押圧して、連動レバー204が回転方向他方側(
図12(C)の矢印d方向側)へ回転する共に、連動レバー204の第1アーム部204Bが磁石ホルダ202の下側に配置される。このため、この状態で、レバーユニット71がオフ位置からオン位置に移動すると、連動レバー204の第1アーム部204Bが、磁石ホルダ202に当接して、磁石ホルダ202がレバーユニット71と共に上側に移動する。そして、レバーユニット71のオン位置において、レバー側磁石78が許可位置に配置される(
図12(D)参照)。これにより、制御部100が、レバーユニット71のオン位置を検知する。したがって、制御部100が、カバー91の取付状態で、レバーユニット71がオン位置に配置されと判定して、打撃部44の打撃動作を許可する。以上により、打込機200においても、本実施の形態と同様に、作業性を向上することができる。
【0098】
また、本実施の形態の打込機10では、駆動機構50によってドライバブレード48(打撃部44)を下死点から上死点に上昇させ、蓄圧容器42内の気体の圧力によってドライバブレード48を上死点から下死点に下降させるように構成されているが、打込機10におけるドライバブレード48(打撃部44)を打撃動作させる構成は、これに限らない。例えば、
図13(A)及び(B)に示されるように、打込機10を所謂フライホイール方式の打込機として構成してもよい。この構成の打込機10について、簡単に説明する。
【0099】
この構成の打込機10では、モータ52がハウジング14内に左右方向を軸方向として配置されており、モータ52の駆動軸52Aには、プーリ300が一体回転可能に設けられている。モータ52の下側には、フライホイール302が左右方向を軸方向として、回転可能に設けられており、フライホイール302には、プーリ304が一体回転可能に設けられている。そして、プーリ300及びプーリ304には、ベルト306が掛け回されている。これにより、モータ52の駆動によってフライホイール302が回転する。
【0100】
フライホイール302の前側には、押圧ローラ308が設けられており、押圧ローラ308は、左右方向を軸方向として回転可能に構成されている。押圧ローラ308には、図示しないアクチュエータが連結されており、アクチュエータによって押圧ローラ308が前後方向に移動するように構成されている。また、ハウジング14内には、上下方向に延在されたシャフト310が設けられており、シャフト310の上端部及び下端部には、バンパ312が固定されている。
【0101】
さらに、打撃部44では、ピストン46が省略されており、打撃部44がドライバブレード48のみによって構成されている。ドライバブレード48は、フライホイール302と押圧ローラ308との間に配置されている。ドライバブレード48には、ブレード連結部48Aが設けられており、ブレード連結部48Aは、シャフト310に上下方向に相対移動可能に連結されている。また、シャフト310には、圧縮コイルスプリングとして構成されたリターンスプリング314が装着されており、リターンスプリング314によってドライバブレード48が、
図13(A)に示される上死点に保持されている。
【0102】
レバーユニット71とトリガ22のいずれか一方がオンされると、モータ52の駆動によって、フライホイール302が左側から見て反時計回りに回転し、打撃スタンバイ状態となる。そして、レバーユニット71とトリガ22の両方がオンされると、アクチュエータによって押圧ローラ308を後側へ移動させて、押圧ローラ308がドライバブレード48を後側へ押圧する。これにより、ドライバブレード48とフライホイール302との間に摩擦力が発生し、フライホイール302の慣性力がドライバブレード48に伝達されることで、ドライバブレード48が上死点から下死点に下降する。この位置では、ブレード連結部48Aが、下側のバンパ312に当接する。
【0103】
ドライバブレード48の下死点への下降後、アクチュエータによって押圧ローラ308を前側へ移動させることで、押圧ローラ308のドライバブレード48への押圧状態が解除される。これにより、リターンスプリング314の付勢力によって、ドライバブレード48が下死点から上昇して、上死点に復帰する。以上により、ドライバブレード48による打撃動作の1サイクルが終了する。
【0104】
また、本実施の形態の打込機10では、
図11に記載したように、先にレバーユニット71がオン位置に配置された状態でトリガ22が引き操作された場合に打込動作が行われ、レバーユニット71がオン位置に配置される前にトリガ22が引き操作されても打込み動作を行わない、単発打ち動作を実施可能であるが、打込動作を開始する制御はこれに限られない。例えば単発打ち動作の代わりに、先にトリガ22が引き操作されると、トリガ22が引き操作されている間はレバーユニット71がオン位置に配置されるたびに打込動作が行われ、トリガ22が引き操作される前にレバーユニット71がオン位置に配置されても打込動作を行わない、連発打ち動作を行ってもよく、単発打ち動作と連発打ち動作の両方を行ってもよい。
【符号の説明】
【0105】
10 打込機(作業機)
12 打込機本体(本体部)
30B 射出部
44 打撃部
71 レバーユニット(移動部材)
71A レバー突出部(突出部)
74 アジャスタ(調整部材)
75 ストッパレバー(第1移動部材)
77 プッシュレバー(第2移動部材)
77C 押付部
79 レバー位置検出センサ(位置検出部)
91 カバー
96 カバー側磁石(カバー側被検出部)
97 着脱検出センサ(着脱検出部)
100 制御部
200 打込機(作業機)
N 釘(止具)
W 加工材