IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 沖電気工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-画像形成装置 図1
  • 特許-画像形成装置 図2
  • 特許-画像形成装置 図3
  • 特許-画像形成装置 図4
  • 特許-画像形成装置 図5
  • 特許-画像形成装置 図6
  • 特許-画像形成装置 図7
  • 特許-画像形成装置 図8
  • 特許-画像形成装置 図9
  • 特許-画像形成装置 図10
  • 特許-画像形成装置 図11
  • 特許-画像形成装置 図12
  • 特許-画像形成装置 図13
  • 特許-画像形成装置 図14
  • 特許-画像形成装置 図15
  • 特許-画像形成装置 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20240814BHJP
【FI】
G03G21/00 510
G03G21/00 388
G03G21/00 386
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021027043
(22)【出願日】2021-02-24
(65)【公開番号】P2022128688
(43)【公開日】2022-09-05
【審査請求日】2023-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【弁理士】
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100120477
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 賢改
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100083840
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 実
(72)【発明者】
【氏名】深澤 竜司
【審査官】中澤 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-190068(JP,A)
【文献】特開2012-22276(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を用いて、媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
前記現像剤を収容する現像剤収容部である第一の現像剤収容部と、
前記現像剤収容部が着脱可能にされ、像担持体を含み、前記現像剤収容部から前記現像剤の供給を受けて、前記像担持体に現像剤像を形成する画像形成部と、
前記像担持体により前記媒体に画像を形成することのできる数である第一の画像形成可能数が、交換用の現像剤収容部である第二の現像剤収容部に収容されている前記現像剤の量及び前記画像形成部内に保持されている前記現像剤の量の合計により、前記媒体に画像を形成することのできる数である第二の画像形成可能数以下となったタイミングで、前記第一の現像剤収容部を前記第二の現像剤収容部に交換することを促す出力部と、を有すること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第二の現像剤収容部に収容されている前記現像剤の量は、前記第一の現像剤収容部が前記画像形成部に取り付けられる前に前記第一の現像剤収容部に収容されていた前記現像剤の量よりも少ないこと
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記出力部は、前記第一の画像形成可能数が、前記第二の画像形成可能数よりも多い場合において、前記第一の画像形成可能数が、前記第二の現像剤収容部とは収容されている前記現像剤の量が異なる交換用の現像剤収容部である第三の現像剤収容部に収容されている前記現像剤の量及び前記画像形成部内に保持されている前記現像剤の量の合計により、前記媒体に画像を形成することのできる数である第三の画像形成可能数以下となったタイミングで、前記第一の現像剤収容部を前記第三の現像剤収容部に交換することを促すメッセージを出力し、
前記第三の現像剤収容部に収容されている現像剤の量は、前記第二の現像剤収容部に収容されている現像剤の量よりも多いこと
を特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第二の現像剤収容部に収容されている現像剤の量は、前記第一の現像剤収容部が前記画像形成部に取り付けられる前に前記第一の現像剤収容部に収容されていた量と同じであること
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、トナーを収容したトナーカートリッジと、そのトナーを用いてトナー像を形成するIDユニットとを着脱可能な画像形成装置がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、トナーカートリッジと、IDユニットの寿命が近くなると、両方の交換を促す画像形成装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-58726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、トナーカートリッジと、IDユニットとを着脱可能な画像形成装置においては、寿命間近のIDユニットに、新品のトナーカートリッジを装着してしまう場合がある。このような場合には、そのトナーを使い切る前にIDユニットが寿命となり、IDユニット内に収容されているトナーが無駄に廃棄されていた。
【0006】
そこで、本開示の一又は複数の態様によれば、IDユニットを交換する際に、IDユニット内に保持されているトナーの廃棄量を減らすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る画像形成装置は、現像剤を用いて、媒体に画像を形成する画像形成装置であって、前記現像剤を収容する現像剤収容部である第一の現像剤収容部と、前記現像剤収容部が着脱可能にされ、像担持体を含み、前記現像剤収容部から前記現像剤の供給を受けて、前記像担持体に現像剤像を形成する画像形成部と、前記像担持体により前記媒体に画像を形成することのできる数である第一の画像形成可能数が、交換用の現像剤収容部である第二の現像剤収容部に収容されている前記現像剤の量及び前記画像形成部内に保持されている前記現像剤の量の合計により、前記媒体に画像を形成することのできる数である第二の画像形成可能数以下となったタイミングで、前記第一の現像剤収容部を前記第二の現像剤収容部に交換することを促す出力部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一又は複数の態様によれば、IDユニットを交換する際に、IDユニット内に保持されているトナーの廃棄量を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1~3に係る画像形成装置の要部構成を概略的に示す断面図である。
図2】トナーカートリッジが装着されたIDユニットの構成を概略的に示す断面図である。
図3】トナーセンサレバーと、トナーセンサレバーを回転させる機構とを示す分解斜視図である。
図4】ボスによりトナーセンサレバーを回転させる機構について説明するための斜視図である。
図5】トナー残量の検出を説明するための第一の断面図である。
図6】トナー残量の検出を説明するための第二の断面図である。
図7】実施の形態1~3に係る画像形成装置の制御系の構成を概略的に示すブロック図である。
図8】(A)及び(B)は、ハードウェア構成例を示すブロック図である。
図9】実施の形態1又は2において画像形成装置がトナーカートリッジを管理する動作を示すフローチャートである。
図10】実施の形態1における交換メッセージを示す画面画像の一例を示す概略図である。
図11】トナー残印刷可能枚数情報の一例を示す概略図である。
図12】感光ドラムの印刷可能枚数、小容量トナーカートリッジに収容されているトナーによる印刷可能枚数、及び、大容量トナーカートリッジに収容されているトナーによる印刷可能枚数を示すテーブルである。
図13】実施の形態2における交換メッセージを示す画面画像の一例を示す概略図である。
図14】実施の形態3に係る画像形成装置がトナーカートリッジを管理する動作を示す第一のフローチャートである。
図15】実施の形態3に係る画像形成装置がトナーカートリッジを管理する動作を示す第二のフローチャートである。
図16】実施の形態3における第二の交換メッセージを示す画面画像の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る画像形成装置100の要部構成を概略的に示す断面図である。
画像形成装置100の内部には、媒体の搬送方向に沿って駆動ローラ101、102に張設された媒体搬送ベルト103が設けられている。
画像形成装置100は、現像剤であるトナーを用いて、媒体に画像を形成する装置である。
【0011】
媒体搬送ベルト103に沿って、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各々のトナーを用いて、割り当てられた色のトナー像(現像剤像)を形成する同一な構成を有する画像形成部であるID(Image Drum)ユニット104~107と、転写ローラ108~111とが配置されている。
【0012】
また、画像形成装置100のカバー112には、その先端に露光部としてのLED(Light Emitting Diode)ヘッドを具備した突起部113~116が形成されている。
IDユニット104~107、及び、後述するようにIDユニット104~107の各々に取り付けられているトナーカートリッジは、そのカバー112を開閉することで交換が可能である。なお、IDユニット104~107の各々は、内部の感光ドラムの寿命に達した場合に交換される。
【0013】
トナーカートリッジは、トナーを収容する現像剤収容部である。後述するように、トナーカートリッジは、IDユニット104~107に着脱自在にされている。
なお、以下では、IDユニット104~107の何れかに既に取り付けられているトナーカートリッジを第一の現像剤収容部ともいい、第一の現像剤収容部と取り替えるためのトナーカートリッジを第二の現像剤収容部又は第三の現像剤収容部ともいう。言い換えると、第二の現像剤収容部又は第三の現像剤収容部は、交換用のトナーカートリッジ(交換用の現像剤収容部)である。
【0014】
図2は、トナーカートリッジが装着されたIDユニット104の構成を概略的に示す断面図である。
ここでは、IDユニット104~107の内、IDユニット104を説明するが、他のIDユニット105~107もIDユニット104と同様に構成されている。
【0015】
トナーカートリッジ120は、IDユニット104に対して着脱可能になっている。
トナーカートリッジ120内には、トナーが収容されている。また、トナーカートリッジ120内には、トナーを攪拌するための攪拌バー121が回転可能に設けられている。
【0016】
本実施の形態では、トナーカートリッジ120と交換するためのトナーカートリッジが販売されているものとする。交換用のトナーカートリッジとしては、収容されるトナーの量を調整することで、小容量トナーカートリッジ及び大容量トナーカートリッジの二種類のトナーカートリッジが販売されるものとする。このため、小容量トナーカートリッジを用いた場合と、大容量トナーカートリッジを用いた場合とで、画像形成装置100の印刷可能枚数も異なる。
【0017】
トナーカートリッジ120の下部には、IDユニット104にトナーを供給するための供給口122が設けられている。この供給口122に対応してIDユニット104側に取入口123が設けられている。
そして、取入口123の下方に規制手段としてのシャッター124が、取入口123を開閉できるように、移動可能に設けられている。
【0018】
シャッター124は、シャッター駆動部125により水平方向に往復移動される。シャッター124は、図2において左方向に移動されることで、取入口123を開き、右方向に移動されることで、取入口123を閉じる。シャッター駆動部125を制御することにより、IDユニット104に対するトナーの供給を規制することができる。
【0019】
シャッター124の下方には、トナーカートリッジ120からのトナーを保持するトナー保持部126が設けられている。
トナー保持部126には、トナーセンサレバー127が設けられている。トナーセンサレバー127は、トナー保持部126内に保持されているトナーの残量を検出するために用いられる。
【0020】
図3は、トナーセンサレバー127と、トナーセンサレバー127を回転させる機構とを示す分解斜視図である。
トナーセンサレバー127は、第一の軸127aと、第二の軸127bと、第一のクランク部127cと、第二のクランク部127dとを備える。
トナーセンサレバー127は、第一の軸127a及び第二の軸127bを回転軸として回転させることができる。
【0021】
第一のクランク部127c及び第二のクランク部127dは、トナーセンサレバー127の回転軸よりも、予め定められた距離だけ離れるように、屈曲されている。
【0022】
トナーセンサレバー127の第一の軸127aは、ボス128に回転可能に取り付けられる。
また、トナーセンサレバー127の第二の軸127bは、軸受部129に回転可能に取り付けられる。
【0023】
ボス128は、動力を外部から得るためのギア130により回転させられる。そして、ギア130が回転すると、ボス128を介して、トナーセンサレバー127が回転される。
【0024】
図4は、ボス128により、トナーセンサレバー127を回転させる機構について説明するための斜視図である。
ボス128が、外部からの駆動源により、ギア130を介して回転されると、図4に示されている、ボス128の突起128aがトナーセンサレバー127の第一のクランク部127cに接触して、トナーセンサレバー127を回転させる。
【0025】
そして、第一のクランク部127cが突起128aに押されて回転し、上死点に達した後には、トナーセンサレバー127は、トナー保持部126に保持されているトナーの上面に向かって自重落下する。
【0026】
図5に示されているように、トナー保持部126に保持されているトナーが多い場合には、第一のクランク部127cは、上死点に近い位置に落下する。
図6に示されているように、トナー保持部126に保持されているトナーが少ない場合には、第一のクランク部127cは、下死点に近い位置に落下する。
【0027】
以上のように、第一のクランク部127cを回転させることで、第一のクランク部127cが自重落下した場合に、第一のクランク部127cの落下が停止する位置により、トナー保持部126に保持されているトナーの残量を検出することができる。
【0028】
図2に戻り、トナー保持部126の下方には、攪拌スクリュー131A、131B及び供給ローラ132がそれぞれ回転可能に設けられている。
攪拌スクリュー131A、131Bは、トナー保持部126内のトナーを攪拌する。
供給ローラ132は、トナー保持部126内のトナーを現像ローラ133へ供給する。
【0029】
IDユニット104の下部には、像を担持する像担持体としての感光ドラム134が回転可能に設けられている。
感光ドラム134の周囲には、順に帯電ローラ135、露光部としてのLEDヘッド136、現像ローラ133及びクリーニング部材137がそれぞれ配置されている。これらにより、電子写真プロセスで感光ドラム134上にトナー像が形成される。言い換えると、IDユニット104は、トナーカートリッジ120からトナーの供給を受けて、感光ドラム134にトナー像を形成する。
【0030】
感光ドラム134上に形成されたトナー像は、転写ローラ108により、媒体に転写される。
【0031】
図7は、実施の形態1に係る画像形成装置100の制御系の構成を概略的に示すブロック図である。
実施の形態1に係る画像形成装置100の制御系は、制御CPU(Central Processing Unit)140と、ROM(Read Only Memory)141と、RAM(Random Access Memory)142と、外部インタフェース(以下、外部I/Fという)143と、画像処理部144と、プリンタ制御部145とを備える。
ここで、制御CPU140、ROM141、RAM142、外部I/F143、画像処理部144及びプリンタ制御部145は、制御バス146に接続されている。
【0032】
また、プリンタ制御部145には、トナーカートリッジ120、IDユニット104及びLEDヘッド136が接続されている。
ここでは、トナーカートリッジ120、IDユニット104及びLEDヘッド136が示されているが、IDユニット105~107、IDユニット105~107に取り付けられているトナーカートリッジ(図示せず)及びIDユニット105~107に対応して設けられているLEDヘッド(図示せず)についても、同様に、プリンタ制御部145に接続されており、同様に制御される。
さらに、プリンタ制御部145には、表示部147、印刷機構部148及びヒータ149が接続されている。
【0033】
制御CPU140は、画像形成装置100の動作全体を制御する全体制御部である。
ROM141は、画像形成装置100を制御するためのプログラム及びデータが記憶されている。制御CPU140は、そのプログラムをRAM142に読み出して実行することで、画像形成装置100の動作全体を制御する。
また、ROM141は、IDユニット104~107毎に、装着されたトナーカートリッジが最後のトナーカートリッジであるか否かを示す交換済フラグ情報を記憶する。最後のトナーカートリッジは、交換メッセージの表示後に交換されたトナーカットリッジであり、かつ、その交換メッセージで示された種別のトナーカートリッジである。
なお、交換済フラグ情報は、ROM141の代わりに、IDユニット104~107に備えられている不揮発メモリ151に記憶されてもよい。
【0034】
RAM142は、制御CPU140が処理を実行するワークエリアを提供する。このため、RAM142は、制御CPU140が処理を実行する際に必要な変数又はデータ等を一時的に保持する。
【0035】
外部I/F143は、図示しない上位装置との間の通信を行う通信インタフェースである。例えば、外部I/F143は、上位装置からの画像データを受信し、その画像データを画像処理部144に与える。
【0036】
画像処理部144は、外部I/F143からの画像データで示される画像に対して、画像形成装置100のユーザから指示された処理、又は、予め定められた処理を行うことで印刷用画像(画像形成用画像)を生成し、その印刷用画像を示す印刷用画像データ(画像形成用画像データ)をプリンタ制御部145に与える。
【0037】
プリンタ制御部145は、画像形成装置100において、印刷(画像形成)に関する処理を制御する画像形成制御部である。
例えば、プリンタ制御部145は、IDユニット104に設けられたトナーセンサ150を含め、用紙搬送を伴った印刷制御に必要な各種センサが接続されており、これらのセンサからの出力に応じて、各種処理を制御する。
【0038】
トナーセンサ150は、ボス128の突起128aがトナーセンサレバー127に接触しているか否かを検出するセンサである。プリンタ制御部145は、トナーセンサ150の出力を制御CPU140に送り、制御CPU140は、トナーセンサ150からの検出信号により、IDユニット104内のトナー残量を検出する。
【0039】
上述のように、トナーセンサレバー127は、回転に伴い、上死点から、トナー保持部126内に保持されているトナーの量であるトナー残量に応じて、自重落下する。このため、トナーセンサレバー127が一回転する期間において、トナーセンサレバー127の第一のクランク部127cが、ボス128の突起128aに接触している期間を計測することで、トナー保持部126内のトナー残量を検出することができる。ここでは、トナー保持部126内のトナー残量が少ないほど、トナーセンサレバー127の第一のクランク部127cが、ボス128の突起128aに接触している期間が短くなる。
【0040】
また、プリンタ制御部145は、画像処理部144からの印刷用画像データをRAM142に一旦格納し、制御CPU140により生成される印刷タイミングに従って、RAM142から印刷用画像データを読み出し、その印刷用画像データをLEDヘッド136に与える。これにより、LEDヘッド136は、IDユニット104に内蔵されている感光ドラム134上に静電潜像である光電画像を形成する。また、プリンタ制御部145には、LEDヘッド136に送信した印刷用画像データに応じた印刷ドット(画像形成ドット)の数をカウントするドットカウンタが設けられている。
【0041】
印刷機構部148は、IDユニット104を含む各ユニットを駆動するための、各種のモータ及びクラッチ等のアクチュエータである。
プリンタ制御部145は、制御CPU140の指令に従って、媒体を搬送する等の動作を印刷機構部148に実行させる。
【0042】
さらに、プリンタ制御部145は、図示しない定着器のヒータ149を加熱させて、その定着器に媒体上に転写されたトナー像を定着させる。
また、プリンタ制御部145には、表示部147が接続されており、プリンタ制御部145は、表示部147に各種画面画像を表示させる。
【0043】
また、IDユニット104には不揮発メモリ151が装着されている。
プリンタ制御部145は、特に限定しない通信方式を用いて、不揮発メモリ151に対して読み出し及び書き込みを行うことができる。
【0044】
不揮発メモリ151は、感光ドラム134の使用数をカウントする感光ドラム使用カウンタ値と、装着されたIDユニット104が新品か否かを示す新品フラグ情報とを、少なくとも記憶する。
感光ドラム使用カウンタ値は、ここでは、感光ドラム134の回転数である。なお、制御CPU140は、A4横送りの一枚の用紙の回転数と、感光ドラム134の寿命とから、感光ドラム134(IDユニット104)の印刷可能枚数(画像形成可能数)を算出することができる。なお、感光ドラム134の表面が摩耗することで電子写真プロセスにおけるトナー像が一定品質に至らないレベルになった状態を、感光ドラムの寿命に達したものとする。
【0045】
また、制御CPU140は、印刷用画像データで示される画像の印刷(画像の形成)が終了する毎に、その印刷用画像データの処理において感光ドラム134を回転させた回転数を特定し、その回転数をプリンタ制御部145に与えて、プリンタ制御部145に感光ドラム使用カウンタ値を更新させる。プリンタ制御部145は、不揮発メモリ151に記憶されている感光ドラム使用カウンタ値に、その回転数を加算することで、感光ドラム使用カウンタ値を更新する。制御CPU140は、感光ドラム使用カウンタ値と、A4横送りの一枚の用紙の回転数とにより、感光ドラム134(IDユニット104)の印刷枚数を算出することができる。そして、制御CPU140は、感光ドラム134の印刷可能枚数から、感光ドラム134の印刷枚数を減算することで、感光ドラム134(IDユニット104)の残りの印刷可能枚数である感光ドラム残印刷可能枚数(感光ドラム残印刷可能数)を算出することができる。
【0046】
トナーカートリッジ120には、不揮発メモリ152が装着されている。
プリンタ制御部145は、特に限定しない通信方式を用いて、不揮発メモリ152に対して読み出し及び書き込みを行うことができる。
【0047】
不揮発メモリ152には、トナーカートリッジ120の品種情報と、収容されたトナーの残量を示すトナー残量カウンタ値と、装着されたトナーカートリッジが新品か否かを示す新品フラグ情報とを、少なくとも記憶する。品種情報は、充填されているトナーの色、製品名及び小容量であるか大容量であるかを示す種別といった情報である。
【0048】
制御CPU140は、印刷用画像データで示される画像の印刷が終了する毎に、その印刷用画像データで使用したトナー量である使用トナー量を算出する。そして、制御CPU140は、算出された使用トナー量をプリンタ制御部145に与えて、プリンタ制御部145にトナー残量カウンタ値を更新させる。例えば、プリンタ制御部145は、不揮発メモリ152に記憶されているトナー残量カウンタ値から使用トナー量を減算することで、トナー残量カウンタ値を更新する。
【0049】
以上に記載された画像処理部144及びプリンタ制御部145は、例えば、図8(A)に示されているように、単一回路、複合回路、プログラムで動作するプロセッサ、プログラムで動作する並列プロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等の処理回路10で構成することができる。
【0050】
また、図7では、制御CPU140と、画像処理部144又はプリンタ制御部145とは、別々に示されているが、これらは、例えば、図8(B)に示されているように、メモリ11と、メモリ11に格納されているプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ12とにより構成することができる。このようなプログラムは、ネットワークを通じて提供されてもよく、また、記録媒体に記録されて提供されてもよい。即ち、このようなプログラムは、例えば、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
なお、メモリ11は、図7に示されているROM141であってもよい。
【0051】
なお、図7に示されている制御CPU140、画像処理部144及びプリンタ制御部145を、単に、制御部153ともいう。制御部153は、以上のように、処理回路網により実現することができる。
【0052】
図9は、画像形成装置100がトナーカートリッジを管理する動作を示すフローチャートである。
なお、ここでは、図2で示されているIDユニット104及びIDユニット104に取り付けられているトナーカートリッジ120を用いて説明するが、他のIDユニット105~107及び他のIDユニット105~107に取り付けられるトナーカートリッジ(図示せず)についても同様の動作が行われる。
また、図9に示されているフローチャートは、一例として、下記のように、第一のタイミング~第四のタイミングの何れかのタイミングで実行されればよい。
【0053】
第一のタイミングは、画像形成装置100に電源が供給され、印刷可能な状態に至るまでの初期化動作タイミングである。
第二のタイミングは、画像形成装置100が印刷を行った媒体である用紙の排出を完了したタイミングである。
第三のタイミングは、IDユニット104を交換するためのカバー(図示せず)が閉められたことを検出した後の初期化動作タイミングである。
第四のタイミングは、省電力モードといった表示部147のメッセージ表示が消えているモードから、待機モードといったメッセージを表示するモードに遷移するタイミングである。
【0054】
まず、プリンタ制御部145は、IDユニット104に装着された不揮発メモリ151から、感光ドラム使用カウンタ値を読み出す(S10)。読み出された感光ドラム使用カウンタ値は、制御CPU140に与えられる。
【0055】
次に、プリンタ制御部145は、IDユニット104に設けられているトナーセンサ150の出力を受け取り、その出力を制御CPU140に与える。制御CPU140は、トナーセンサ150の出力から、トナー保持部126に保持されているトナー残量を検出する(S11)。
【0056】
次に、プリンタ制御部145は、トナーカートリッジ120に装着された不揮発メモリ152から、トナー残量カウンタ値、新品フラグ情報及び品種情報を読み出す(S12)。読み出された情報は、制御CPU140に与えられる。
【0057】
次に、制御CPU140は、ステップS12で読み出されたトナー残量カウンタ値により、トナーカートリッジ120が空であるか否かを判断する(S13)。トナーカートリッジ120が空である場合(S13でYes)には、処理はステップS14に進み、トナーカートリッジ120が空ではない場合(S13でNo)には、処理は終了する。
【0058】
ステップS14では、制御CPU140は、ROM141又は不揮発メモリ151に記憶されている交換済フラグ情報を参照することで、IDユニット104に現在取り付けられているトナーカートリッジ120が、最後のトナーカートリッジであるか否かを判断する。トナーカートリッジ120が最後のトナーカートリッジである場合(S14でYes)には、処理は終了し、トナーカートリッジ120が最後のトナーカートリッジではない場合(S14でNo)には、処理はステップS15に進む。
【0059】
ステップS15では、制御CPU140は、表示部147が交換メッセージを表示中であるか否かを判断する。表示部147が交換メッセージを表示中である場合(S15でYes)には、処理はステップS18に進み、表示部147が交換メッセージを表示していない場合(S15でNo)には、処理はステップS16に進む。
【0060】
図10は、実施の形態1における交換メッセージを示す画面画像の一例を示す概略図である。
この画面画像Im1では、トナーカートリッジ120を小容量のトナーカートリッジである小容量トナーカートリッジに交換することで、IDユニット104内のトナーを使い切ることができる旨のメッセージが示されている。
【0061】
図9に戻り、ステップS16では、制御CPU140は、感光ドラム134の印刷可能枚数から、感光ドラム134の印刷枚数を減算することで、感光ドラム134の感光ドラム残印刷可能枚数を算出し、その感光ドラム残印刷可能枚数が閾値以下であるか否かを判断する。
ここでの閾値は、以下のようにして算出される。
【0062】
まず、制御CPU140は、ステップS11で検出されたIDユニット104内に保持されているトナー残量から、IDユニット104内に保持されているトナーにより印刷することのできる枚数であるトナー残印刷可能枚数を算出する。
【0063】
例えば、ROM141には、IDユニット104内に保持されているトナー残量と、そのトナー残量で印刷することのできる枚数であるトナー残印刷可能枚数とを対応付けたトナー残印刷可能枚数情報が記憶されているものとする。
【0064】
図11は、トナー残印刷可能枚数情報の一例を示す概略図である。
トナー残印刷可能枚数情報の一例であるトナー残印刷可能枚数テーブル154は、トナー残量列154aと、トナー残印刷可能枚数列154bとを備える。
【0065】
トナー残量列154aは、トナー残量を格納する。
トナー残印刷可能枚数列154bは、トナー残印刷可能枚数を格納する。
トナー残印刷可能枚数テーブル154により、トナー残量と、そのトナー残量において印刷することのできる枚数であるトナー残印刷可能枚数とを対応付けることができる。
【0066】
なお、図11に示されている「トナーフルレベル」は、トナーセンサレバー127の回転における上死点まで、トナーが残っている場合のトナー残量を示し、「トナーローレベル」は、トナーセンサレバー127の回転における下死点まで、トナーが残っている場合のトナー残量を示す。
【0067】
本実施の形態では、例えば、トナーフルレベルと、トナーローレベルとにおけるトナー残印刷可能枚数を、予め実験により求めておき、その他のトナー残量については、トナーフルレベルのトナー残印刷可能枚数と、トナーローレベルのトナー残印刷可能枚数とから補間することで求められてもよい。このような場合には、トナー残印刷可能枚数テーブル154には、トナーフルレベルと、トナーローレベルとのトナー残印刷可能枚数のみを格納し、その他のトナー残量については、制御CPU140が演算で求めてもよい。
【0068】
また、トナーフルレベルと、トナーローレベルと、これらの間の一又は複数のトナー残量におけるトナー残印刷可能枚数を、予め実験により求めておき、その他のトナー残量については、補間によりトナー残印刷可能枚数が求められてもよい。このような場合には、実験により求められたトナー残印刷可能枚数のみがトナー残印刷可能枚数テーブル154に格納され、その他のトナー残量については、制御CPU140が演算で求めてもよい。
【0069】
そして、制御CPU140は、トナー残量に対応付けられているトナー残印刷可能枚数と、小容量トナーカートリッジに収容されているトナーで印刷可能な枚数とを加算した値を閾値とする。
図12は、感光ドラム134の印刷可能枚数、小容量トナーカートリッジに収容されているトナーによる印刷可能枚数、及び、大容量トナーカートリッジに収容されているトナーによる印刷可能枚数を示すテーブルである。例えば、このようなテーブルがROM141に記憶されているものとする。
【0070】
図9に戻り、ステップS16において、感光ドラム残印刷可能枚数が閾値以下である場合(S16でYes)には、処理はステップS17に進み、感光ドラム残印刷可能枚数が閾値よりも多い場合(S16でNo)には、処理は終了する。
【0071】
ステップS17では、制御CPU140は、プリンタ制御部145に指示することで、図10に示されているような画面画像Im1を表示部147に表示させる。これにより、交換メッセージが表示部147に表示されることになる。
【0072】
一方、ステップS18では、制御CPU140は、交換メッセージが表示部147に表示されてから、IDユニット104に小容量トナーカートリッジが取り付けられたか否かを判断する。IDユニット104に小容量トナーカートリッジが取り付けられた場合(S18でYes)には、処理はステップS19に進み、IDユニット104に小容量トナーカートリッジが取り付けられていない場合(S18でNo)には、処理は終了する。
【0073】
ステップS19では、制御CPU140は、プリンタ制御部145に指示することで、図10に示されているような画面画像Im1の表示を表示部147に停止させる。これにより、交換メッセージの表示が停止されることになる。
この場合、制御CPU140は、ROM141に記憶されている交換済フラグ情報を、装着されたトナーカートリッジが最後のトナーカートリッジであることを示すように更新する。
【0074】
以上のように、表示部147は、感光ドラム134の残りの寿命により媒体に画像を形成することのできる枚数(数)である感光ドラム残印刷可能枚数(第一の画像形成可能数)が、交換用のトナーカートリッジ(第二の現像剤収容部)である小容量トナーカートリッジに収容されているトナーの量及びIDユニット104内に保持されているトナーの量の合計により、媒体に画像を形成することのできる枚数である閾値(第二の画像形成可能数)以下となったタイミングで、トナーカートリッジ120を小容量トナーカートリッジに交換することを促すメッセージを表示することができる。
【0075】
なお、実施の形態1では、表示部147がメッセージを表示しているが、実施の形態1は、このような例に限定されない。例えば、画像形成装置100は、音声を出力するスピーカを備えており、このようなスピーカから、トナーカートリッジ120を小容量トナーカートリッジに交換することを促すメッセージを出力してもよい。また、表示部147へのメッセージの表示と、スピーカからのメッセージの出力との両方が行われてもよい。
言い換えると、画像形成装置100は、トナーカートリッジ120を小容量トナーカートリッジに交換することを促す出力部を備えていればよい。
【0076】
以上の実施の形態1によれば、IDユニット内の感光ドラムの回転数により定まる残寿命が、IDユニット内のトナー残量により定まる閾値以下であれば、表示部147に小容量トナーカートリッジに交換することを促すメッセージが表示される。そして、ユーザが、小容量トナーカートリッジに交換すれば、IDユニットが寿命になったときに、IDユニットとトナーカートリッジに収容されたトナーが十分に使用され、トナーの無駄な廃棄を回避することができる。
【0077】
実施の形態2.
実施の形態1では、最後のトナーカートリッジとして、小容量トナーカートリッジが使用される例を示したが、トナーカートリッジとして、小容量トナーカートリッジ及び大容量トナーカートリッジといった複数のトナーカートリッジが用意されていない場合もある。このため、実施の形態2では、容量が同じトナーカートリッジしか用意されていない例を説明する。
【0078】
言い換えると、実施の形態1では、交換用のトナーカートリッジ(第二の現像剤収容部)として、既に取り付けられているトナーカートリッジ(第一の現像剤収容部)がIDユニットに取り付けられる前にそのトナーカートリッジに収容されていたトナーの量よりも少ないトナーカートリッジを使用することが想定されている。
一方、実施の形態2では、交換用のトナーカートリッジ(第二の現像剤収容部)として、既に取り付けられているトナーカートリッジ(第一の現像剤収容部)がIDユニットに取り付けられる前にそのトナーカートリッジに収容されていたトナーの量と同じ量のトナーカートリッジを使用することが想定されている。
【0079】
図1に示されているように、実施の形態2に係る画像形成装置200の内部には、要部として、駆動ローラ101、102と、媒体搬送ベルト103と、IDユニット104~107と、転写ローラ108~111と、突起部113~116とが設けられている。
実施の形態2に係る画像形成装置200の駆動ローラ101、102、媒体搬送ベルト103、IDユニット104~107、転写ローラ108~111及び突起部113~116は、実施の形態1に係る画像形成装置100の駆動ローラ101、102、媒体搬送ベルト103、IDユニット104~107、転写ローラ108~111及び突起部113~116と同様である。
【0080】
図7に示されているように、実施の形態2に係る画像形成装置200の制御系は、制御CPU240と、ROM141と、RAM142と、外部I/F143と、画像処理部144と、プリンタ制御部145とを備える。
実施の形態2に係る画像形成装置200のROM141、RAM142、外部I/F143、画像処理部144及びプリンタ制御部145は、実施の形態1に係る画像形成装置100のROM141、RAM142、外部I/F143、画像処理部144及びプリンタ制御部145と同様である。
なお、実施の形態2では、制御CPU240、画像処理部144及びプリンタ制御部145により制御部253が構成される。
【0081】
制御CPU240は、画像形成装置200の動作全体を制御する全体制御部である。実施の形態2における制御CPU240での処理は、実施の形態1における制御CPU140での処理とほぼ同様である。しかしながら、実施の形態1では、小容量トナーカートリッジが用意されていないため、実施の形態1における大容量トナーカートリッジが交換用のトナーカートリッジとして利用されている。この点の相違点を、図9に示されているフローチャートを用いて説明する。
【0082】
図9のステップS10~S15の処理については、実施の形態2でも、実施の形態1と同様である。但し、実施の形態2では、小容量トナーカートリッジが用意されていない。このため、ステップS15における交換メッセージは、例えば、図13に示されているようなメッセージが使用される。
【0083】
図13は、実施の形態2における交換メッセージを示す画面画像の一例を示す概略図である。
この画面画像Im2では、トナーカートリッジ120を交換することで、IDユニット104内のトナーを使い切ることができる旨のメッセージが示されている。
【0084】
そして、図9のステップS16では、制御CPU240は、感光ドラム134の印刷可能枚数から、感光ドラム134の印刷枚数を減算することで、感光ドラム134の感光ドラム残印刷可能枚数を算出し、その感光ドラム残印刷可能枚数が閾値以下であるか否かを判断する。
ここで、実施の形態2では、制御CPU240は、トナー残量に対応付けられているトナー残印刷可能枚数と、実施の形態1における大容量トナーカートリッジであるトナーカートリッジに収容されているトナーで印刷可能な枚数とを加算した値を閾値とする。
【0085】
そして、図9のステップS17~S19の処理については、実施の形態2でも、実施の形態1と同様である。但し、上述のように、ステップS17では、図13に示されているような交換メッセージが表示される。
【0086】
以上の実施の形態2によれば、ユーザは、交換メッセージが表示されたタイミングで、トナーカートリッジに交換すれば、IDユニットが寿命になったときに、IDユニット内に収容されたトナーが十分に使用され、トナーの無駄な廃棄を回避することができる。
【0087】
なお、実施の形態2でも、表示部147がメッセージを表示しているが、実施の形態2は、このような例に限定されない。例えば、画像形成装置200は、音声を出力するスピーカを備えており、このようなスピーカから、トナーカートリッジ120を大容量トナーカートリッジに交換することを促すメッセージを出力してもよい。また、表示部147へのメッセージの表示と、スピーカからのメッセージの出力との両方が行われてもよい。
言い換えると、画像形成装置200は、トナーカートリッジ120を大容量トナーカートリッジに交換することを促す出力部を備えていればよい。
【0088】
実施の形態3.
実施の形態1では、最後のトナーカートリッジとして、小容量トナーカートリッジが使用される例を示したが、実施の形態3では、トナー残量に応じて、最後のトナーカートリッジとして、小容量トナーカートリッジ又は大容量トナーカートリッジが使用される例を示す。
【0089】
図1に示されているように、実施の形態3に係る画像形成装置300の内部には、要部として、駆動ローラ101、102と、媒体搬送ベルト103と、IDユニット104~107と、転写ローラ108~111と、突起部113~116とが設けられている。
実施の形態3に係る画像形成装置300の駆動ローラ101、102、媒体搬送ベルト103、IDユニット104~107、転写ローラ108~111及び突起部113~116は、実施の形態1に係る画像形成装置100の駆動ローラ101、102、媒体搬送ベルト103、IDユニット104~107、転写ローラ108~111及び突起部113~116と同様である。
【0090】
図7に示されているように、実施の形態3に係る画像形成装置300の制御系は、制御CPU340と、ROM141と、RAM142と、外部I/F143と、画像処理部144と、プリンタ制御部145とを備える。
実施の形態3に係る画像形成装置300のROM141、RAM142、外部I/F143、画像処理部144及びプリンタ制御部145は、実施の形態1に係る画像形成装置100のROM141、RAM142、外部I/F143、画像処理部144及びプリンタ制御部145と同様である。
なお、実施の形態3では、制御CPU340、画像処理部144及びプリンタ制御部145により制御部353が構成される。
【0091】
制御CPU340は、画像形成装置300の動作全体を制御する全体制御部である。ここでは、実施の形態3における制御CPU340での処理につき、図14及び図15に示されているフローチャートを用いて説明する。
【0092】
図14及び図15は、実施の形態3に係る画像形成装置300がトナーカートリッジを管理する動作を示すフローチャートである。
なお、ここでも、図2で示されているIDユニット104及びIDユニット104に取り付けられているトナーカートリッジ120を用いて説明するが、他のIDユニット105~107及び他のIDユニット105~107に取り付けられるトナーカートリッジ(図示せず)についても同様の動作が行われる。
また、図14及び図15に示されているフローチャートは、一例として、上記のように、第一のタイミング~第四のタイミングの何れかのタイミングで実行されればよい。
【0093】
図14のステップS10~S14の処理は、図9のステップS10~S14の処理と同様である。但し、図14のステップS14において、最後のトナーカートリッジに交換済ではないと判断された場合(S14でNo)には、処理はステップS25に進む。
【0094】
ステップS25では、制御CPU340は、表示部147が第一の交換メッセージ又は第二の交換メッセージを表示中であるか否かを判断する。表示部147が第一の交換メッセージ又は第二の交換メッセージを表示中である場合(S25でYes)には、処理は図15のステップS30に進み、表示部147が第一の交換メッセージ及び第二の交換メッセージの何れも表示していない場合(S25でNo)には、処理はステップS26に進む。
【0095】
ここで、第一の交換メッセージは、図10に示されている画面画像Im1で示されているように、トナーカートリッジ120を小容量のトナーカートリッジである小容量トナーカートリッジに交換することで、IDユニット104内のトナーを使い切ることができる旨のメッセージである。
【0096】
図16は、実施の形態3における第二の交換メッセージを示す画面画像の一例を示す概略図である。
この画面画像Im3では、トナーカートリッジ120を大容量のトナーカートリッジである大容量トナーカートリッジに交換することで、IDユニット104内のトナーを使い切ることができる旨のメッセージが示されている。
【0097】
図14に戻り、ステップS26では、制御CPU340は、感光ドラム134の印刷可能枚数から、感光ドラム134の印刷枚数を減算することで、感光ドラム134の感光ドラム残印刷可能枚数を算出し、その感光ドラム残印刷可能枚数が第一の閾値以下であるか否かを判断する。
ここで、第一の閾値は、実施の形態1における閾値と同様に、IDユニット104のトナー残量に対応付けられているトナー残印刷可能枚数と、小容量トナーカートリッジに収容されているトナーで印刷可能な枚数とを加算した値である。
そして、感光ドラム残印刷可能枚数が第一の閾値以下である場合(S26でYes)には、処理はステップS27に進み、感光ドラム残印刷可能枚数が第一の閾値よりも多い場合(S26でNo)には、処理は図15のステップS28に進む。
【0098】
ステップS27では、制御CPU340は、プリンタ制御部145に指示することで、図10に示されているような画面画像Im1を表示部147に表示させる。これにより、第一の交換メッセージが表示部147に表示されることになる。
【0099】
一方、図15のステップS28では、制御CPU340は、感光ドラム134の印刷可能枚数から、感光ドラム134の印刷枚数を減算することで、感光ドラム134の感光ドラム残印刷可能枚数を算出し、その感光ドラム残印刷可能枚数が第二の閾値以下であるか否かを判断する。
ここで、第二の閾値は、実施の形態2における閾値と同様に、IDユニット104のトナー残量に対応付けられているトナー残印刷可能枚数と、大容量トナーカートリッジに収容されているトナーで印刷可能な枚数とを加算した値である。
そして、感光ドラム残印刷可能枚数が第二の閾値以下である場合(S28でYes)には、処理はステップS29に進み、感光ドラム残印刷可能枚数が第二の閾値よりも多い場合(S28でNo)には、処理はステップS30に進む。
【0100】
ステップS29では、制御CPU340は、プリンタ制御部145に指示することで、図16に示されているような画面画像Im3を表示部147に表示させる。これにより、第二の交換メッセージが表示部147に表示されることになる。
【0101】
ステップS30では、制御CPU340は、第一の交換メッセージ又は第二の交換メッセージが表示部147に表示されてから、IDユニット104に、表示されたメッセージに対応するトナーカートリッジ(小容量トナーカートリッジ又は大容量トナーカートリッジ)が取り付けられたか否かを判断する。IDユニット104に対応するトナーカートリッジが取り付けられた場合(S30でYes)には、処理はステップS31に進み、IDユニット104に対応するトナーカートリッジが取り付けられていない場合(S30でNo)には、処理は終了する。
【0102】
ステップS31では、制御CPU340は、プリンタ制御部145に指示することで、第一の交換メッセージ又は第二の交換メッセージの表示を表示部147に停止させる。
この場合、制御CPU340は、ROM141に記憶されている交換済フラグ情報を、装着されたトナーカートリッジが最後のトナーカートリッジであることを示すように更新する。
【0103】
以上のように、実施の形態3によれば、表示部147は、感光ドラム134の残りの寿命により媒体に画像を形成することのできる枚数(数)である感光ドラム残印刷可能枚数(第一の画像形成可能数)が、交換用のトナーカートリッジ(第二の現像剤収容部)である小容量トナーカートリッジに収容されているトナーの量及びIDユニット104内に保持されているトナーの量の合計により、媒体に画像を形成することのできる枚数である第一の閾値(第二の画像形成可能数)よりも多い場合において、その感光体ドラム残印刷可能枚数が、大容量トナーカートリッジ(第三の現像剤収容部)に収容されているトナーの量及びIDユニット104内に保持されているトナーの量の合計により画像を形成することのできる枚数である第二の閾値(第三の画像形成可能数)以下となったタイミングで、トナーカートリッジ120を大容量トナーカートリッジに交換することを促すメッセージを表示することができる。なお、大容量トナーカートリッジに収容されているトナーの量は、小容量トナーカートリッジに収容されているトナーの量よりも多い。
【0104】
なお、実施の形態3でも、表示部147がメッセージを表示しているが、実施の形態3は、このような例に限定されない。例えば、画像形成装置100は、音声を出力するスピーカを備えており、このようなスピーカから、トナーカートリッジ120を小容量トナーカートリッジに交換すること又は大容量トナーカートリッジに交換することを促すメッセージを出力してもよい。また、表示部147へのメッセージの表示と、スピーカからのメッセージの出力との両方が行われてもよい。
言い換えると、画像形成装置300は、トナーカートリッジ120を小容量トナーカートリッジに交換すること、又は、大容量トナーカートリッジに交換することを促す出力部を備えていればよい。
【0105】
以上のように、実施の形態3によれば、IDユニット内の感光ドラムの回転数により定まる残寿命が、IDユニット内のトナー残量により定まる閾値以下であれば、表示部147に小容量トナーカートリッジ又は大容量トナーカートリッジに交換することを促すメッセージが表示される。そして、ユーザが、指示されたトナーカートリッジに交換すれば、IDユニットが寿命になったときに、IDユニットに収容されたトナーが十分に使用され、トナーの無駄な廃棄を回避することができる。
【0106】
なお、以上に記載された実施の形態1~3では、制御CPU140~340は、トナーセンサレバー127及びトナーセンサ150を用いて、IDユニット内のトナー量を検出しているが、実施の形態1~3は、このような例に限定されない。例えば、制御CPU140~340は、トナーカートリッジに収容されているトナーの量と、IDユニット内に収容することのできるトナーの量と、印刷で使用したトナーの量とにより、IDユニット内に残っているトナー残量を算出してもよい。
【符号の説明】
【0107】
100,200,300 画像形成装置、 101,102 駆動ローラ、 103 媒体搬送ベルト、 104~107 IDユニット、 108~111 転写ローラ、 120 トナーカートリッジ、 126 トナー保持部、 132 供給ローラ、 133 現像ローラ、 134 感光ドラム、 135 帯電ローラ、 136 LEDヘッド、 137 クリーニング部材、 140,240,340 制御CPU、 141 ROM、 142 RAM、 143 外部I/F、 144 画像処理部、 145 プリンタ制御部、 153,253,353 制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16